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円 - 経済レポート情報

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円 - 経済レポート情報
2014 年 10 月 31 日
FOREX WEEKLY
市場営業統括部
チーフ・エコノミスト
Tel:
山下えつ子
+1-212-224-4561 (ニューヨーク)
[email protected]
Global View
… 米国の政治の行方
→ p.2
・ 来週 4 日に米国では中間選挙が実施される。
・ しかし、米国内では全く注目されていない。
… FOMC は強気だった → p.2
US View
・ FOMC では Fed の政策スタンスに変更はなかった。
・ 来週の雇用統計にも注目。
FX Outlook
… 流れが戻った
→ p.3
<来週の予想ポイント>
ドル/円
横ばい
ユーロ/円
横ばい
・
米雇用統計に注目。
・
日銀決定会合では展望レポートと総裁のトーンを確認。
・
ECB理事会に注目。
今週のレンジ
本日東京 9 時
来週の予想レンジ
今後 3 ヶ月の予想レンジ
ドル/円
107.61-109.47 円
109.23 円
108.50-109.50 円
105.00-115.00 円
ユーロ/ドル
1.2545-1.2770ドル
1.2609ドル
1.2550-1.2700ドル
1.2500-1.3000ドル
ユーロ/円
136.50-138.06円
137.74円
136.50-138.50 円
130.00-145.00 円
(今週のレンジは先週金曜日東京9時~本日東京9時、予想レンジは本日東京9時~来週金曜日東京9時)
・今週号本文はニューヨーク時間木曜日正午までの情報をもとに作成しています。
・FOREX WEEKLYに関するお問い合わせは、現在お取り引き中の営業部/支店にお願い申し上げます。
・FOREX WEEKLY は弊行ホームページでもご覧頂けます。(http://www.smbc.co.jp/ マーケット情報→外国為替情報→
フォレックス・ウィークリー)
本レポートは情報の提供を目的としており、何らかの行動を喚起するものではありません。ここに示した意見は本レポート作成日
現在の筆者の意見を示すのみです。データや数値の抽出範囲・基準は任意で設定している場合があります。データ・資料等につい
ては、数値等の誤りが含まれている可能性があります。本レポートに基づき、お客さまが投資のご判断をされた結果に基づき生じ
た損害・損失について当行は一切責任を負いません。投資や資金運用に関する最終決定は、お客さまご自身で判断されるようお願
い申し上げます。また、本レポートの全部または一部の無断コピー使用はご遠慮ください。
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FOREX WEEKLY 2014/10/31
Global View
… 米国の政治の行方
米国では 11 月 4 日に中間選挙が実施される。だが、全く盛り上がっていない。エボラ熱感染の報
道の方が注目されているのではないか、というほどだ。
昨年の今頃は財政問題を機に政府閉鎖に陥り、その中で米国債のデフォルトのリスクまで高まった。
以来、政治家はトーンダウンしたままで、オバマケアへの批判も下火である。中間選挙でも共和党か
民主党かの違いを軸とする政策論争は少なく、個々の政治家同士の対決の様相である。有権者も今回
は共和党か民主党かで投票するのではなく、個々の政治家の政策内容で判断する、と言われている。
世論調査をベースに、中間選挙に向けた有権者の動向を調べると、オバマ大統領の支持率は低下し
ているが、民主党支持率は今でも共和党支持率を上回り、オバマ大統領が不人気だからと言っても民
主党支持を止めたわけではないようだ。民主党議員はオバマ大統領による応援演説を受けないように
しているという報道もあり、オバマ大統領の不人気が民主党不支持につながらないように気が配られ
ている。
では、中間選挙では民主党の候補が善戦するのか。実は、今度の中間選挙で投票に行かない有権者
は民主党支持者に多く、共和党支持者はむしろ投票に前向きである。民主党支持者は共和党支持に回
らないとしても、今回の選挙で民主党の候補者に投票することには消極的なのである。オバマ大統領
の不人気は民主党不人気に影響していないようでも、ジワリと影を落としている。
中間選挙は上院で 3 分の 1 が改選、下院は全議席改選となる。これまで上院は民主党が過半数、下
院は共和党が過半数をそれぞれ占めていた。だが、上記のように、民主党支持者の投票率が共和党支
持者の投票率よりも低くなる結果、共和党候補者に有利な選挙となる可能性が高い。結果として、上
院でも共和党が過半数の議席を獲得し、上下院両院で共和党が過半数を占め、一方、大統領は民主党、
という組み合わせの今後の 2 年間となりそうだ。
両院で共和党が 3 分の 2 以上を獲得できる可能性は低いため、共和党の政策がすべて議会で可決さ
れるという展開にはならないだろう。このため、中間選挙後の 2 年間も米国の政治は停滞気味となる
リスクがある。また、2 年後には次回の大統領選があるが、有権者が必ずしも民主党不支持に回った
わけではないとすれば、2 年後には再び民主党の大統領となる可能性も十分に残っている。2 年後の
大統領選まで睨むと、米国の政治の行方はまだまだ不透明なところが大きい。
US View
… FOMC は強気だった
28 日・29 日に FOMC が開催された。マーケットは先週来かなり落ち着いてきたが、FOMC に対して
は、Fed が景気や物価に慎重な見通しを示すとの見通しに傾いていたようだ。結果は、Fed はスタン
スを崩さず、強気だった。決定には反対票があったので、少数派ながらインフレの低下に対して慎重
論もあったのだろうし、今 Fed が弱気になればマーケットに悪影響を及ぼすとの配慮もあったのかも
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FOREX WEEKLY 2014/10/31
しれない。ただ、海外景気の減速は未だ米国の景気にネガティブな影響を与えておらず、Fed が「QE
を終了し来年は利上げへ向かうという道筋を変更する必要がない」と判断したことも確かであろう。
QE は予定通り、今月で終了する(ただし再投資は継続するため残高は維持される)。QE 終了に伴
い、これまで声明文の 3 分の 2 程度の分量を占めていた QE に関わる箇所は大幅に縮小された。一方、
利上げに関する箇所は、今回も”considerable time”を残し、今後のデータ次第で利上げ開始時期
が前後することが追記され、分量が増えた。
“利上げ開始時期はデータ次第”が理解されてきた現在、
“considerable time”は形骸化している。次回の 12 月の FOMC では、恐らく、利上げに関わる段落
がもう少し洗練されるのではないか。声明文の簡略化・洗練は、ただし、急ぐ必要もない。
10/3 の雇用統計では失業率が 5.9%と遂に 6%を切った。Fed の見通しに比べ失業率の低下のスピ
ードは常に速いが、今回の声明文での「データ改善が Fed 予想よりも速ければ、利上げ開始が早まる」
ことになる。だが他方、インフレはエネルギー価格の下落などを主因にインフレ期待が低下し、これ
は逆のケースに当たる。このため、今後は雇用と物価の両方を引き続き、見る必要がある。ただ、今
回の声明文では、雇用の判断が明らかに上方修正されたのに対して、物価の判断は必ずしも下方リス
クが指摘されたわけではない。両者のバランスから言えば、インフレ低下よりも雇用改善の方がマー
ケットでは先に注目されそうだ。来週は 7 日に次回の雇用統計が発表される。
今週は 30 日に発表された 7-9 月 GDP が前期比年率 3.5%で上振れた。在庫を除く最終需要は+4.2%
で良好な数字である。輸入の減少と政府支出の増加が押し上げ主因。その他は個人消費、設備投資、
および住宅投資は広く“薄く”改善。総合の数値が良いわりに、内需の主要項目が冴えない。
その他の今週発表された経済指標では、消費者信頼感指数が上振れ、耐久財受注は下振れた。ガソ
リン価格は過去 1 ヶ月に約 10%下落しており、これは年末商戦に向けて良いニュースである。FOMC
ではインフレやインフレ期待の低下を懸念する声もあるようだが、当面は実質個人消費の増加に寄与
するため、好材料と捉えたい。ただ、自動車や住宅といった大口の支出になると、動きは今ひとつで
販売水準は次第に頭打ちになってきた。尤も、住宅市場も販売価格の下落とモーゲージ金利の低下が
下支えし、急減することはないだろう。他方、設備投資はいつまで経っても加速する気配がない。
なお、4 日には中間選挙が実施されるが、事前の盛り上がりはほとんどなく、債券市場でも株式市
場では事前に何か結果を織り込んだり、ポジションを傾けたりしている感じはない。事後的にも、そ
の分、マーケットの反応は小さいと思われる。ただ、共和党が上下院の両方で過半数の議席を占めれ
ば、エネルギー関連法など一部の法案が通過しやすいとの見方もあり、共和党が両院制した場合の方
が反応は大きいかもしれない。
FX Outlook
… 流れが戻った
今週は 28 日・29 日の米国の FOMC を前に、米国の消費者信頼感指数の上振れなどでドル円は 108
円台前半で FOMC を迎えた。FOMC は声明文がマーケット予想対比強気で、金融政策の方向性に変更が
なかったため、声明文の発表を受け、ドル円は 109 円近くまで急上昇。翌日は米国の 7-9 月 GDP が上
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FOREX WEEKLY 2014/10/31
振れ、
109 円台半ばまで一段とドルが上昇し、
ユーロは 1.27 台半ばから一時 1.25 台後半へ下落した。
米株式市場も FOMC 前に一旦ダウは 17000 ドル乗せ、GDP を受けて急反発。つい先頃までのリスクオ
フはどこへ、という感じである。
来週は米国では ISM、雇用統計の発表がある。景気のスピード感から判断すると、ISM は減速する
可能性があるが、雇用統計は雇用者数 20 万人台の増加を確保できそうだ。FOMC 声明文では失業率の
低下やその他の労働関連指標の改善を受けて、労働市場の未使用労働力(スラック)が「多大だ」と
していた文言は「次第に縮小している」へ変更された。このため、雇用統計を通じて、再びマーケッ
トには利上げ開始時期の前倒し(後ずれ期待の後退)の動きが出るだろう。ISM でドルが反落する可
能性があるが、雇用統計で再び上昇、と予想する。
ユーロ圏では ECB がカバードボンド購入プログラムを開始し、先週、第 1 週は 17 億 400 万ユーロ
の購入が実施された。バランスシートを約 1 兆ユーロ拡大するとの方針に対して、購入対象となり得
るカバードボンドは約 6000 億ユーロとされている。ECB はカバードボンド購入プログラムに加えて、
ABS 購入プログラムの実施も決定しており、それが恐らく 12 月から始まると、ECB のバランスシート
の拡大ペースは速まる見込みである(ECB は日銀とは異なり、バランスシートの拡大の期限は示して
いない)。ただ、対称となり得るカバードボンドと ABS を併せても 1 兆ユーロに満たないと推計され
ているため、国債購入による QE へのマーケットの思惑が消えることがないのが現状である。
一方、26 日に発表されたユーロ圏の大手銀行 130 行の包括的審査(Comprehensive assessment:
asset quality review とストレステストから成る)の結果では、2013 年末時点で 25 行が資本不足、
ただし、2014 年に既に 12 行が対応を終えているため、現時点での資本不足は 13 行となる。週明け、
審査結果の全体観は予想範囲内だとして為替ユーロは上昇して始まったが、イタリアの銀行に資本不
足が多かったことから、欧州の株式相場はイタリアを中心に大幅下落でスタートした。カバードボン
ド購入など ECB は追加対応策を実施しているが、欧州の銀行貸出が今後どれだけ増加するか、依然と
して不透明感が強い。27 日に発表されたドイツ ifo 景況指数も下振れ、10-12 月のユーロ圏経済の持
ち直しには不安がある。
来週は 11 月 6 日に ECB 理事会が開催される。上記のカバードボンド購入が始まり、今後は ABS 購
入も始まることから、この ECB 理事会で国債購入の QE の発表など、追加策の発表はないと思われる。
TLTRO やカバードボンド購入、そして銀行の包括的審査を経過し、金融市場の状況に改善の兆しがあ
るのか、また先週の PMI は悪化を免れたもののドイツ ifo 景況指数は悪化しており、ユーロ圏景気や
物価の行方をどう考えるか。ドラギ総裁の記者会見での見解を待ちたい。ユーロは景気懸念とデフレ
懸念で長期的には下落基調と思われるが、QE 示唆ではなく政策効果を期待する発言が総裁からある
と、ユーロは意外としっかりの展開となる。
日銀の金融政策決定会合については先週号に記載の通り。展望レポート、景気・物価の判断・見通
し、総裁記者会見のトーンや言い回し、に注目である。GDP と物価の見通し数値は小幅下方修正が見
込まれるが、追加緩和の実施は今回も見送られるほか、今後の可能性についても明瞭なヒントは出な
いだろう。
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FOREX WEEKLY 2014/10/31
来年予定されている二度目の消費増税の実施の可否を判断するにあたり、個々の経済指標に対する
注目度も次第に上がるが、今週発表された商業販売統計、鉱工業生産は少し力づけられる内容になっ
た。輸送機器、電子部品・デバイス、電気機械などを中心に、生産が夏に底入れしている。グローバ
ル景気減速懸念で株式相場は今月一旦大幅に下落したが、こうした輸出関連商品に下振れがないので、
未だ懸念先行と思われる。
(データ出所:Reuters)
ディーラーに聞きました(来週のドル円相場の方向性~ブルベア)
月
9月
10 月
11 月
週
22 日~
29 日~
6 日~
13 日~
20 日~
27 日~
3 日~
予想
+3
+6
+4
+2
+4
+3
+7
実績
中立
中立
中立
ベア
ブル
ブル
≪見方≫
当行の為替ディーラー(マーケット、カスタマー)8 名を対象に、来週の相場予想を聴取。今週の東京市場 9 時から、ドル
ブル(終値から1円以上のドル高)、中立(終値から上下1円内)、ドルベア(終値から1円のドル安)の三択で、結果を(ドルブル
人数-ドルベア人数)で表記。+(プラス)は円安ドル高、-(マイナス)は円高ドル安を示す。
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FOREX WEEKLY 2014/10/31
各種相場の動き
<債券(日本国債・10 年債利回り)>
<債券(米国債・10 年債利回り)>
<株(日経平均株価)>
<株(米ダウ)>
<株(上海総合指数)>
<株(ドイツ DAX 指数)>
<原油(WTI 先物(期近物))>
<金(NY 先物(期近物))>
(出所:Bloomberg)
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FOREX WEEKLY 2014/10/31
今週のプライスアクション(ドル円)
(出所:Reuters)
① 労働市場についての判断を
上方修正するなど、市場予
想よりタカ派寄りな FOMC 声
明文を受けて、ドル円は上
昇。
② GPIF が国内債券の投資配分
を 35%に引き下げる一方、国
内株式を 25%へ引き上げる
見通しであり、31 日にも新
しい運用比率の目安を発表
するとの報道を背景にドル
円は上昇。
②
①
来週のチャ-ト分析
日足 QJ PY=EB S
(出所:Reuters)
2014/08/11
- 2014/11/14 (GMT)
日足 QEU R =EB S
2014/08/11 - 2014/11/14 (TOK)
価格
価格
109
1.34
108
1.32
107
106
1.3
105
1.28
104
103
1.26
102
自動
0
18日
01日
2014年 8月
16日
01日
2014年 9月
16日
18日 01日 16日 01日 16日
03日
2014年 8月 2014年 9月
2014年 10月 14 11
03日
2014年 10月
14 11
<ドル円、日足、一目均衡表>
・雲の上を推移。
・11/7 の雲上限は 107.96 円。
<ユーロドル、日足、ボリンジャーバンド>
・ボリンジャーバンドとは移動平均±2σ(σ=標準偏差、ここ
では 20 日間の平均)を上限・下限とするバンド。
・バンド下方を推移。
来週の主な材料
11/3(月)
(日)市場休場(文化の日)
(米)10 月製造業 ISM
(欧)10 月ユーロ圏製造業 PMI(確報)
11/4(火)
(米)中間選挙、9 月貿易収支、9 月製造業受注
11/5(水)
(日)10 月マネタリーベース、9 月毎月勤労統計、黒田日銀総裁講演
(米)10 月非製造業 ISM
11/6(木)
(欧)10 月ユーロ圏サービス業 PMI(確報)
(日)9 月景気動向指数(速報)、金融政策決定会合議事要旨(10/6-7 分)
(米)第 3Q 非農業部門労働生産性(速報)
(欧)9 月独製造業受注、ECB 理事会、ドラギ ECB 総裁記者会見
11/7(金)
(米)10 月雇用統計
(欧)9 月独鉱工業生産
(時間は全て現地時間)
(本ページの担当:井上)
(注)FAX 配信の停止を希望される場合は、下記までご連絡頂きますようお願い申し上げます。
グローバルアドバイザリー部
電話
03-4333-4255
FAX
7
03-4333-9845
担当:紺野
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