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ENA flux

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ENA flux
THE INTERSTELLAR MAGNETIC FIELD
CLOSE TO THE SUN. II.
Frisch et al. (2012), ApJ, 760, 106
広島大学・宇宙科学センター
秋田谷 洋(あきたや ひろし)
太陽近傍 40 pc内の微弱な星間偏光の観測から、太陽直近の星
間磁場の方向を推定。 これを、最近IBEX衛星で発見された
heliopause起源と考えられるenergetic neutral atoms のRibbon構
造他と比較し、太陽近傍の星間磁場の特性や起源について議論。
1
雑誌会
2013/05/20
Contents
1.
Introduction
2.
Observation and Results
3.
Discussion
4.
Summary
2
雑誌会
2013/05/20
1. Introduction
3
雑誌会
2013/05/20
星間(直線)偏光と磁場の関係
1.
2.
3.
非等方 dust grainのalignment。短軸//B
Dichroismにより、背景光に直線偏光生成。Evector//短軸
ゆえに、 Evector//B
吸収による偏光生成
放射による偏光生成
可視光・
近赤外線
Lazarian (2007)
中間赤外線・電波
詳細なメカニズム・定量的な説明は依然大きな問題。
観測事実としては広く受け入れられている。


4
雑誌会
2013/05/20
Linear Polarization Map
銀河系の大局磁場(~kpc scale)を主に反映。一部、近
傍(~100pc)の構造も重なる。


では、太陽のごく近傍(a few ~ a few x 10 pc)は?
Whittet (2003) based on Heiles (2000)
5
雑誌会
2013/05/20
本研究の特徴と目指すところ



太陽近傍 40 pc内の星の微弱な星間(直線)偏光を測定。
これらの星間偏光測定値を統計的に処理。太陽近傍星間
磁場の大局的な方向・擾乱を推定。
得られた近傍の星間磁場を、既知の太陽近傍の構造・測
定データ






Energetic Neutral Atoms “Ribbon”
Heliopause の各種構造
Local Bubble
Loop I Superbubble
CMB radiation
etc.
と比較し、近傍星間磁場の特性や起源について議論。
6
雑誌会
2013/05/20
太陽近傍のLocal Structure
Local Bubble


OB associations と
Gould’s Belt
銀極方向
銀河面方向
NaD線からの
local cavity
構造推定
Lallement+03
Palla(2006)
7
雑誌会
2013/05/20
Local Loop-I
Sco-Cen OB
association の
stellar wind +
supernova activity
が起源

Cox &
Raynolds
(1987)
8
1.4GHz polarization map (DRAO + WMAP)
Wolleben (2007) 雑誌会 2013/05/20
Heliosphereの構造
Richardson and
Stone (2009)
9
雑誌会
2013/05/20
Ribbon of Energetic Neutral Atoms emission

IBEX(Interstella
Boundary Explorer)
衛星



McComas+09, Science, 326, 959
2008/10 打ち上げ
10 eV-6keVの
energetic neutral
atoms(ENA)を検出す
る
ENAの”Ribbon”構造
を発見。
10
雑誌会
2013/05/20
ENA Ribbonの起源
ENA = 太陽風の電離
ガスが、
heliopause(d~100
AU)の磁場で方向転
換+中性ISMとの電荷
交換で中性化され、
舞い戻ってきたもの。
 Heliopauseで太陽磁
場と星間磁場が相互
作用。磁場が視線に
垂直となる部分で
ENA flux最大。
→ Ribbon中心がISMF
の方向を示す

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雑誌会
2013/05/20
2. Observation and Results
12
雑誌会
2013/05/20
偏光観測データ

本研究独自

Laboratorio Nacional de Astropfisica (LNA) in Brazil



Nordic Optical Telescope (NOT)



CCD polarimeter @Pico de Dios 0.6m
B-band; < 7 mag
TurPol polarimeter @La Palma 2.52m
U, B, V-band; δp~0.01% for 3-σ
過去の観測

Tinbergen (1982) survey (1973-1974)


Bailey et al. (2010)



PlanetPol @ WHT4.2m
δp~10-6 (broad red-band)
Santos et al. (2011)



13
δp~0.006-0.009%
Loop I stars
imaging polarimeter @ LNA
δp~0.05%
雑誌会
2013/05/20
偏光観測データ : 本研究独自観測
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雑誌会
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全データ・距離と偏光度
15
雑誌会
2013/05/20
星間直線偏光による太陽近傍の星間磁場方向推定
1.
2.
3.
4.
16
< 40pcの星の星間直線偏光を抽出。
偏光方位角//近傍星間磁場とみなす。
天球座標を任意の極座標系(=i)に変換。
新しい座標系での星間偏光方位角に対して、(1)の総
和 Fiを求め、それが最小となる極座標系を得る。
それがすなわち、近傍の星間磁場方向。
雑誌会
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観測天体の星間偏光

ENA flux、ENA flux分布(Ribbon)から推定した近傍星
間偏光との比較
heliosphere nose
17
雑誌会
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近傍星間磁場方向推定 (main result)
(l, b) = (47°±20°, 25°±20°)
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雑誌会
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3. Discussion
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雑誌会
2013/05/20
IBEX Ribbon中心と偏光から推定した磁場方向の関係
ISMF direction と IBEX
Ribbon中心とで、
32 (+27/-30) deg 不一致。
IBEX Ribbon中心

ISMF
(偏光による)
この不一致の原因?
1. MHD heliospheric model
(Heerikhuisen & Pogorelov 2011)
によると offset ありうる。0-15°の相
違。その範囲で矛盾なし。
2. IBEX Ribbon中心と星間偏光が、異
なる位置の星間偏光を反映している
のかもしれない。
nose



20
Fig.11抜粋
IBEX Ribbon = Local Interstellar Cloud
(太陽は edgeの20000AU 内側に位置)の
磁場
星間偏光 = その向こうのcloud (G-cloud,
α Cen近く)の磁場
雑誌会
2013/05/20
偏光度とENA fluxの関係


ENA fluxは、磁場と視線が鉛直になる方向で強い。
(model)→ENA fluxと偏光度に相関があるはず
Group Aの天体(高精度のPlanetPolデータ。p=(111)×10-5 )に、偏光度とENA fluxの相関あり。
Fig. 10 抜粋
Ribbon ENA fluxと
Group Aの星間偏光は、
全く同じ or ほぼ一致
する星間磁場構造を
トレースしているのだろう。

21
雑誌会
2013/05/20
Local ISMF and Loop I superbubble

local cluster of cloudsの全体の運動 (LSR座標系で)




速度 V=-17 km
向かってくる方向 (l,b)=(335°,-5°)
Loop I superbubble のS1 shell 中心方向
((l,b)=(346°±5°, 3±5°)、距離78±10 pc)との相違
14°。ほぼ一致。
ISMF方向とのなす角度は 76°。ほぼ垂直。
→ 「SN shellのrimが圧縮され、磁場がshellと水平方向に
揃った」という描像と一致
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雑誌会
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偏光度と距離の関係(1)
pmax = 9 E(B-V)
Whittet (2003)
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雑誌会
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偏光度と距離の関係(2)

~7-60 pcの間で polarization “upper
envelope” = pmax(距離) が現れている。

log P [%] ~ 1.200 + 0.013 *D [pc]
pmax を E(B-V)、N(H)に変換。



pmax=9*E(B-V) (Fosalba+02)
N(H)/E(B-V)=N(H0+H2)/E(B-V)= 5.8×1021 cm2 mag-1 (Bohlin+78)
→
log N(H)=18.01 + 0.013*D
 同じ領域のnear-by stars 3天体で N(H0)が独
立に図られている。(Wood+05)
 N(H)推定、偏光を用いたものより、直接測定
の方がfactor で 1.35±0.35 大きい。不一致。
→ ISMは一様でない。depolarization and/or
inhomogeneous ISMが近傍で存在。
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雑誌会
2013/05/20
偏光方位角と距離の関係(1)
25
雑誌会
2013/05/20
偏光方位角と距離の関係(2)




envelope(pmax) starsだけ取りだすと、
PA(D) [deg] = 35.97(±1.4) - 0.25 (±0.03)*D [pc]
(χ2=0.559)
緩やかな偏光方位角回転あり
全天体含めると、標準偏差σ=23 deg
“envelope”に含まれる8pc (αLyr)- 52 pc (δ Cyg)の4天
体



星間偏光を生む polarizing medium中に存在。
Loop I super bubble の S1, S2 shellのどちらか or 両方。
他の天体

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patchy material and/or turbulent ISMFによる depolarization
、PA回転が起きている
雑誌会
2013/05/20
星間UV輻射と偏光度

Far-UV(975Å)輻射
場(25 bright starsか
ら推定)と偏光度が反
相関。

radiative torqueによ
る星間偏光生成はこ
こでは効いていない?
Far-UV輻射場の推
定方法が不十分では
っきりしたことは言え
ない

27
雑誌会
2013/05/20
CMBとの関係



Heliospheric nose、ISMF ⊥ CMB dipole anisotoropy
(偶然の一致の確率 < 10-4)
CMB momentのℓ低次モード(四重極、八重極)に、
ecliptic coordinateと相関した宇宙モデルとのずれがあ
る(Schwarz+04, Starkman+09)
Heliosphere (ecliptic coord.と鉛直性あり) に起因した
未知のCMB foregroundがあるのかもしれない。
CMB(+)
ISMF
nose
CMB-
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雑誌会
2013/05/20
宇宙線との関係


50 GeV-40 TeVのgalactic cosimc ray (GCR)のジャイ
ロ半径~several x 100 AU @1μG
→ 太陽近傍磁場の構造の影響を受けるはず。
GCRのtail-in-excess構造(Hall+99)と、



He0 flowの下流方向
ISMF方向
ENA fluxから推定した tail方向(ENA fluxの極小方向)
が一致。
gas flow下流
observed
helio-tail
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雑誌会
2013/05/20
4. Summary
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雑誌会
2013/05/20
Summary

太陽近傍40pc内のISMFの方向を、星間偏光をもとに決めた。 -> (l,
b)=(47±20, 25±20)


Ribbonの方向(=ENA flux大)でISMFが強い。


heliosphere と ISMFの相互作用の描像を支持。
距離binごとの最大偏光度と距離の相関関係あり。水素原子柱密度、偏光
から推定と直接測定で相違あり。偏光方位角が緩やかに回転。天体ごとの
ばらつきは大きい。


IBEX ENA flux “Ribbon”中心と 32 (+27/-30)deg ずれ。modelの予想と矛盾な
し。
一様な星間磁場成分と、patchyな擾乱あり。
ISMFがlocal ISM flowと垂直。Loop I superbubble shellと並行。

local ISM はLoop I superbubbleのS1 shellと結びついている。圧縮されてshell
に沿った磁場。

UV輻射場、CMB、銀河宇宙線強度との相関を議論。

高精度偏光観測から、太陽近傍のdiffuse ISM中のISMFとそのturbulence
を知ることができる。これら、heliosphereとlocal ISMは、すべての遠方の天
体観測に共通に影響するものであり、重要である。
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雑誌会
2013/05/20
Back-up Slids
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雑誌会
2013/05/20
近傍星間磁場方向推定 (誤差重み付けなし)
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雑誌会
2013/05/20
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雑誌会
2013/05/20
Termination Shock 半径

Voyager 1 (northern ecliptic hemisphere)


94 AU
Voyager 2 (northern ecliptic hemisphere)

35
86 AU
雑誌会
2013/05/20
Stone et al. 2008, Nature, 454, 71
36
雑誌会
2013/05/20
Richardson and Stone (2009)
37
雑誌会
2013/05/20
Fly UP