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CSR報告書2011 冊子版(PDF形式:18420KB)

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CSR報告書2011 冊子版(PDF形式:18420KB)
NTTドコモCSR報告書2011
表紙 1-4
303
213
左
4C
A8X380D
CM
NTTドコモグループCSRレポート
2011
ドコモの使用済みパンフレット
などを再利用した「循環再生紙」
を使用しています。
株式会社NTTドコモ 社会環境推進部
〒100-6150
東京都千代田区永田町2丁目11番1号 山王パークタワー
TEL : 03-5156-1111 E-mail : [email protected]
URL : http://www.nttdocomo.co.jp/corporate/csr/
植物油インキを使用して印刷してい
ます。
見やすいユニバーサルデザインフォントを
採用しています。
色覚の個人差を問わず、
見やすい配色・表示と
なるよう配慮し、
NPO法人カラーユニバーサル
デザイン機構から認証を取得しています。
リレーションサービスカンパニーとしての責任
「いつでも」
「どこでも」
会話ができる―。
より豊かなモバイルコミュニケーション社会の実現をめざして
ドコモが設立されたのは、1991年のことでした。
以来、
ドコモでは、
人々のコミュニケーションをつなぐ
“リレーションサービスカンパニー”
として
先進的な技術開発を推進するとともに、
お客様をはじめとする
ステークホルダーの皆様の声に真摯に耳を傾けながら
新たな製品やサービスを次々と開発、携帯電話市場を牽引し続けてきました。
また、
こうした事業を進める上で求められる
さまざまな社会的責任を果たす取組みを行ってきました。
そしていま、
ドコモは、携帯電話や携帯電話を支える仕組みを活かした
社会的課題解決への貢献、
という新たな挑戦を始めています。
冊子とウェブサイトの位置づけ
●冊子版
●ウェブサイト版
一般のお客様に向けたコミュニケーションツールとして作成しま
投資家の皆様をはじめ、
より詳細な情報をご覧
した。
ドコモのCSRに対する基本的な考えや、
「NTTドコモCSRメッ
になりたい方にお応えするため、
ウェブサイト版
セージ」
の重点テーマ
「一人ひとりに」
「安定した品質で」
「安心・安
を用意しています。各種ガイドラインを参考に、
全を実現して」
「地球環境を守りながら」
に関する取組みを中心に、
CSRに関するさまざまな取組みを網羅的に掲載
読みやすさ、
わかりやすさに配慮した構成としました。
するとともに、
検索性にも配慮しました。
冊子版
お取引先
お客様
ウェブサイト版
行政・
公共機関
お客様
お取引先
ステークホルダー
株主・
投資家
地域社会・
NPO団体・
NGO団体
販売代理店
(ドコモショップ)
社員
日本語版:2011年9月末掲載予定
WEB
http://www.nttdocomo.co.jp/
corporate/csr/report/
英語版:2011年11月末掲載予定
WEB
1
NTTドコモグループCSRレポート2011
http://www.nttdocomo.co.jp/
english/corporate/csr/report/
CONTENTS
3 トップコミットメント
6 東日本大震災による影響と
復旧に向けた取組み
11 ドコモのCSR
15
一人ひとりに
すべてのお客様が快適に
ご利用いただけるようにお客様満足度の
さらなる向上に努めています
17
安定した品質で
コミュニケーションを支える
インフラであり続けるために
通信の信頼性の向上に取り組んでいます
19
編集方針
安心・安全を実現して
携帯電話による犯罪やトラブルを防止し
安心・安全なモバイル社会の実現を
めざします
報告対象期間
2010年度
(2010年4月1日∼2011年3月31日)
※ 一部は2010年度以前・以降の報告を含んでいます。
報告対象組織
(2011年6月1日現在)
ドコモグループ
(
(株)
NTTドコモおよび機能分担
子会社26社)
※「ドコモ」
は
「ドコモグループ」
「
、連結」
は
「
(株)
NTTド
コモ・機能分担子会社26社・その他の子会社」
を表
しています。この原則と異なる場合は対象企業を明
示しています。
発行時期
2011年7月
21
地球環境を守りながら
事業活動のすべてにおいて環境負荷を
抑えお客様とともに地球環境保全に
努めています
25 ICTを活用した社会的課題解決への貢献
※ 前回発行は2010年6月、次回発行は2012年7月を
予定しています。
27 社員がいきいきと働けるように
参考にしたガイドラインなど
28 ビジネスパートナーとともに
GRI
(Global Reporting Initiative)
「サステナビリティ・レポーティング・
ガイドライン第3版
(G3)
」
●
●
●
環境省
「環境報告ガイドライン
2007年版」
ISO26000 第一版
社会的責任の手引き
29 ドコモの概要/CSRに関する社外からの評価
30 社会の声を代表して
∼アドバイザリーボードメンバーからのご意見∼
掲載している会社名、
商品名、
サービス名は、
(株)
NTT
ドコモあるいは各社の商標または登録商標です。
NTTドコモグループCSRレポート2011
2
トップコミットメント
新たな企業ビジョン
「HEART」
を掲げ
社会的課題の解決に取り組んでいきます
3
東日本大震災の発生を踏まえて
状況が発生し、
お客様にご不便をおかけしました。
ドコモ
グループの総力を挙げて人々の生活に不可欠な
携帯電話サービスの早期復旧をめざします
では、
震災直後から社員約4,000名を動員して復旧作業
に取り組み、4月末にはサービス中断エリアをほぼ復旧
はじめに、
東日本大震災によって被災された方々に、
心
させ、9月末までに震災前のエリア品質を確保できるよ
からお見舞いを申し上げます。また、被災地の一日も早
う現在も努力を続けています。また、新たに
「復旧エリア
い復興をお祈り申し上げます。
マップ」
のシステムを緊急に構築し、
サービス復旧の最新
今回の震災では、私たちドコモの通信ネットワークも
情報をウェブサイトで被災地の皆様に迅速にお伝えしま
大きな被害を受けました。東北および関東甲信越地方を
した。
中心に商用電源の途絶や装置故障が発生し、2011年3
携帯電話サービスは、
生活に不可欠な社会インフラで
月12日時点で6,720の基地局がサービス中断となりま
あると同時に、
「安心・安全」
をお客様に提供するサービ
した。その結果、
サービスの一部をご利用いただけない
スでもあります。災害の発生時において、被災者はもと
NTTドコモグループCSRレポート2011
より、救助や復旧に携わる多くの方々にとっても必要不
携帯電話を一人一台所有し、
さまざまなものにモバイル
可欠なものが携帯電話です。
ドコモでは、今回の震災を
技術が浸透したことで、携帯電話との関わり方はさらに
踏まえ、10項目に及ぶ新たな災害対策を策定しました。
多様化するとともに、
コミュニケーションの質も変化して
人口密集地や行政機関所在地など重要エリアにおける
いくことが予想されます。
通信の確保、
被災エリアへの迅速な対応、
災害時における
このような社会変化に合わせて、
ドコモでは
「10年後に
お客様のさらなる利便性の向上を柱に、
これからも
「安心・
どうあるべきか」
を考え、
2010年7月、
新たな企業ビジョン
安全」
を提供できるよう、
しっかりと取り組んでいきます。
「スマートイノベーションへの挑戦 −HEART−」
を策定し
ハ ー ト
ました。
「HEART」
とは、
Harmonize、
Evolve、
Advance、
Relate、Trustの頭文字をとったものであり、スマート
新たな企業ビジョン
「スマートイノベーションへの挑戦 −HEART−」の策定
イノベーションとは、
「国・地域・世代を超えて、すべての
さまざまな社会的課題解決にも積極的に取り組む
「総合サービス企業」
への進化に挑戦します
人々が、安心・安全で豊かに生活できる社会の実現に向
けた絶え間ない変革」
を意味します。
グローバル化の進展や地球環境問題の深刻化、
ブロー
ドコモは、
これからの10年、
モバイルを核とする
「総合
ドバンドの普及など、携帯電話サービス事業を取り巻く
サービス企業」へと進化していくために、スマートイノ
状況は、今後大きく変化していくと考えられます。また、
ベーションへの挑戦に取り組んでいきます。
これまでの10年は
モバイルの可能性を追求してきた
これからの10年は、モバイルを核とする
「総合サービス企業」
へと進化
Mobile Multimedia
Anytime,Anywhere,Anyone
■ 新たな企業ビジョン
「スマートイノベーションへの挑戦」
Harmonize [国・地域・世代を超えた
豊かな社会への貢献]
Evolve
[サービス・ネットワークの進化]
Advance
[サービスの融合による
産業の発展]
Relate
[つながりによる喜びの創出]
Trust
[安心・安全で心地よい
暮らしの支援]
Global Mobility Support
Integrated Wireless Solution
Customized Personal Service
NTTドコモグループCSRレポート2011
4
トップコミットメント
環境ビジョン
「SMART for GREEN 2020」の策定
「OF」
「BY」
「WITH」の3つのアクションで
地球環境問題に取り組んでいきます
「HEART」
の実現に向け、
ドコモは2011年1月に環境
ビジョン
「SMART for GREEN 2020」
を制定し、
「Green
of ICT」
「Green by ICT」
「Green with Team NTT
DOCOMO」
という3つのアクションを通じて、低炭素社
会の実現、循環型社会の形成、生物多様性の保全に取
り組んでいく方針を明確化しました。今後、
この環境ビ
ることを踏まえ、
フィルタリングサービスの強化にも積極
ジョンに沿った具体的アクションを実行していきます。
的に取り組んでいきます。
(→P23参照)
あわせて、
ユニバーサルデザインの推進や通信エリア
の拡充、
地球環境保全の推進をはじめ、
人権・労働やガバ
2011年度の取組み
ナンス、
コンプライアンス、
情報セキュリティなど、
携帯電
お客様満足度の向上をはじめとする
CSR活動を確実に推進していきます
話事業者として果たすべきさまざまな社会的責任を確実
に履行していく考えです。
ドコモでは、
CSRを経営の根幹に位置づけ、
2008年に
CSRメッセージを策定し、4つの重点テーマ
「一人ひとり
社会が大きく変化するなか、企業の価値を高めるもの
に」
「安定した品質で」
「安心・安全を実現して」
「地球環境
はCSRであるという思いを強くしています。
この責務を着
を守りながら」
を定めました。なかでも、
「一人ひとりに」
に
実に果たしていくには、グループ全社員が一丸となるこ
基づくお客様満足度向上の取組みにはとくに力を入れて
とが必要です。そのためにも、我々経営層が強いリー
おり、
2010年度、
個人・法人の両部門で
「お客様満足度第
ダーシップを発揮し、
元気な日本、
そして豊かな世界の実
1位」
の評価を得ることができました※。2011年度は、お
現に向けて、グループ一丸となって前進していこうと思
客様満足度をさらに向上し、
成長が見込めるスマートフォ
います。
これからのドコモにどうぞご期待ください。
ンも含め
「お客様満足度第1位」
の継続をめざして取り組
2011年7月
んでいきます。また、
スマートフォンの登場により携帯電
話でのインターネット利用がますます増えており、
サイト
アクセスなどにおける安心・安全の確保が求められてい
代表取締役社長
※ J.D. パワー アジア・パシフィック 2010年日本携帯電話サービス顧客満足度調
査SM。2010年7月∼8月の期間中、
日本国内在住の携帯電話利用者計7,500名から
の回答による。www.jdpower.co.jp
J.D. パワー アジア・パシフィック 2009-2010年日本法人向け携帯電話・PHS
サービス顧客満足度調査 SM。携帯電話・PHSサービスを提供する事業者に関して従
業員100名以上の企業2,345社からの3,222件の回答を得た2010年調査結果
による
(1社につき最大2携帯電話・PHS事業者の評価を取得)
。
5
NTTドコモグループCSRレポート2011
東日本大震災による影響と
復旧に向けた取組み
2011年3月11日に発生した東日本大震災は、甚大な被害をもたらしました。この東日本
大震災によって、
ドコモでも、東北地方を中心とした東日本エリアにおいて、基地局設備の
損壊、商用電源・伝送路の断絶などが発生し、各地でサービスの中断を余儀なくされまし
た。
ドコモは、震災発生直後から本社と東北支社に災害対策本部を設置し、被災状況の把
握に努めるとともに、通信設備などの早期復旧や被災者の支援に取り組んでいます。
東日本大震災発生直後のドコモの対応
すみやかに災害対策本部を設置し、設備復旧と被災者支援を開始しました
ドコモでは、災害発生時においても通信や情報伝達手段を確保できるよう訓練を重ねており、今回
の東日本大震災では3月11日14時46分の地震発生から11分後に
「災害用伝言板」
の運用を開始。15
時37分には災害対策本部を立ち上げ、
すみやかに復旧活動を開始しました。
東日本大震災への対応にあたっては、
ドコモの総力を結集して総勢約4,000名体制で臨みました。
今回は、最高度の非常態勢である第一非常態勢を発動し、災害対策本部長である社長の指揮のもと、 災害対策室長
福島 弘典
迅速に意思決定と対応が進められました。
震災発生後1週間の主な取組み
14:46
● 東日本大震災発生
14:57
●
「災害用伝言板」
の運用を開始
15:37
●
「災害対策本部」
を設置
17:09
● 最高度の非常態勢である
● 避難所などで無料充電
サービスを開始
第一非常態勢を発動
(本部長:社長)
無料充電サービス
3/11
(金)
3/12
(土)
3/13
(日)
● 全国の移動基地局車・
移動電源車の東北地方への
派遣を開始
● 社長が被災地を視察
3/14
(月)
● 震災にともなう各種支援措置を
● 避難所でソーラー
報道発表
(料金お支払い期限の延長、故障修理
代金の減額、
「水濡れケータイ データ
復旧サービス」
の無料化、携帯電話機
購入時の特別割引の実施、一部手数
料の無料化など)
3/15
(火)
3/18
(金)
充電器の貸し出し
を開始
3/19
(土)
3/20
(日)
● 移動基地局車・移動電源車・
●
「災害用伝言板」
●
「被災地支援チャリティサイト」
(当初の3月下旬提供開始予定
を前倒しで実施)
可搬型発電機の運用を開始
を開設
● ウェブサイトで
スマートフォンに対応
「 復 旧 エリア
マップ」
を公開
● 衛星携帯電話・携帯電話の
行政機関・避難所などへの
無料貸し出しを開始
災害対策本部
WEB
端末の無料貸し出し
全国から集まった緊急車両
災害用伝言板
ウェブサイトでは3月19日から東日本大震災への対応状況をお知らせしています。
http://www.nttdocomo.co.jp/
NTTドコモグループCSRレポート2011
6
東日本大震災による影響と復旧に向けた取組み
通信設備への影響と復旧対策 通信設備の被害状況と経緯
設備復旧に向けた主な取組み
今回の震災により、
東日本において6,720の基地局が
サービスを提供できない状態となりました。これは、地
震・津波で基地局が損壊・水没したことに加えて、地震で
伝送路※が断絶したこと、長時間にわたる電力供給の停
止で基地局のバッテリーが切れたことによるものでした。
ドコモでは、震災発生後、直ちに本社と東北支社に災
害対策本部を設置し、双方が24時間密接に連携できる
体制を構築。NTTグループ各社や通信建設会社の協力
を得て、被災した通信設備などへの迅速な復旧に取り組
みました。
光ファイバー・応急光ファイバーの敷設
断 絶した 伝 送 路には 、光ファイ
バーまたは応急光ファイバーを敷
設し、伝送路を確保。また、各基地
局を集約している光集約局が被
災していた場合は、臨時光集約局
を設 置しました。これによって、
154局を復旧させました。
基地局の大ゾーン化
海岸線に近い平野部で複数の基
地局が損壊していた場合は、山間
※ 基地局と交換局、交換局同士などを結ぶ回線。通常、光ファイバーで接続
しています。
部の被害を免れた基地局を活用。
アンテナの角度や出力を変更し、
一つの局で複数局をカバーする大
通信設備の復旧状況
震災直後の緊急対策として、
サービスを中断した基地
局の代わりに、約30台の移動基地局車を全国から集め
て配備しました。また、停電中の基地局などへ電力を供
ゾーン化によって67局相当のエリ
アを復旧させました。
マイクロ伝送路の活用
給するために、約30台の移動電源車と約400台の可搬
光ファイバーによる伝送路の復旧
型発電機を配備することで、伝送路の仮復旧や電源の
が困難な場所では、マイクロ無線
回復などを順次進め、サービスエリアの復旧に努めてき
ました。
こうした取組みの結果、3月30日時点において、サー
ビスを停止していた岩手県、宮城県、福島県にある307
基地局
(福島第一原発30km圏内を除く)
のうち、5月末
までにその98%にあたる301局の応急復旧を完了しま
した。残りの6局については、行政などの復旧と足並みを
合わせて対応する予定です。
ドコモでは、
9月末までに震災前のエリア品質を確保す
るため、
本格復旧を実施する予定です。なお、
街ごと津波
被害を受けるなど甚大な被害を受けた地域にある基地局
は、
地域の復興に合わせて本格復旧を進めていきます。
通信が可能な移動基地局車を投
入し、基地局と集約局・交換局や交
換局同士の伝 送を確 保。これに
よって、44の基地局を復旧させま
した。
衛星回線の活用
津波被害で使用不能となった基
地局や、光ファイバー断線で不通
となった伝送路の代替として、衛
星回線を活用。衛星移動基地局車
を投入して基地局と交換局などを
接続し、36の基地局を復旧させま
した。
サービスエリアの復旧状況
(東北)
■ 使用可能エリア ■ 使用不可エリア
3月12日時点
4月末時点
4,900局が
サービス中断
震災前のエリアに
ほぼ復旧
主なサービス中断要因
7
NTTドコモグループCSRレポート2011
●
地震・津波による直接被害
(損壊・水没など)
●
地震による伝送路断絶
(光ファイバーなど)
●
長時間停電によるバッテリーの枯渇
福島第一原発周辺の復旧状況
今回の震災で事故が発生した福島第一原子力発電所
の30km圏内では、3月30日時点で68局がサービスを
停止していました。復旧対応として4月1日には福島県楢
葉町にあるJヴィレッジに衛星移動基地局車を設置。さら
に、立入禁止区域に指定されている20km圏内のエリア
確保のため、4月13日には原発から約25km離れた福島
県いわき市内の基地局に高性能アンテナを設置すると
ともに、20km圏内の通信ビルで光ファイバーによる伝
基地局伝送路の切替
(福島県富岡町内の通信ビル)
送路の回線切替工事を実施しました。4月末までに51の
基地局を復旧させ、
事故対策のため要望が強かった福島
第一原発付近および国道6号線などの幹線道路沿線で、
「FOMA」
サービスの提供を再開することができました。
高性能アンテナの設置
(福島県いわき市内の基地局)
被災されたお客様に対する支援
ドコモは、被災地の支援にいち早く取り組んできました。
震災の翌日には、衛星携帯電話をはじめとした携帯端末の無料貸し出しを開始したほか、停電している避難所などで
の無料充電サービスや、寄付・募金活動、物資提供などを行い、被災された方々を支援しています。
被災地支援の主な取組み
「復旧エリアマップ」
の公開
「被災地支援チャリティサイト」
の開設
「FOMA」
サービスの復旧状況をはじめ、無料携帯電話
3月14日にチャリティサイトを開設。各種チャリティコンテ
サービス、無料衛星携帯電話サービス、無料充電サービ
ンツ購入、
「ドコモ ケータイ送金」
に加え、
新たにドコモポイ
スの提供場所や、
ドコモショップの営業情報などを確認
ントなどによる募金受付を開始しました。多くのお客様の
できる地図を緊急にシステム構築し、3月20日よりウェブ
善意が一日も早く復興支援につながるよう、寄せられた募
サイトに開設。地図上でサービスエリアとサービス中断
金のうち7億8,000万円を1回目として4月4日に寄付先に
エリアの復旧予定を色分け
お届けしました
(5月末時点では合計9億6,000万円を寄
してわかりやすく表示したほ
付先へお届けしました)
。
か、住所やキーワードでの検
索を可能にするなど、利用の
被災地向け気象特設サイトの開設
しやすさに配慮しました。開
関連会社のウェザー・サービ
設後10日間で累計約20万
のアクセスがありました。
昭著第53G033号
復旧エリアマップイメージ
ス
(株)
と共同で、携帯電話向
けに被害の多い地域※の詳細
気象情報提供サイトを開設。
携帯電話などの無料貸し出し
被災地の支援と通信環境の確保のために、行政機関や避
難所などへ衛星携帯電話約900台、携帯電話約2,100
台 、タ ブ レット 端 末 約
4月1日から地震や津波情報、
天気予報のほか、
ドコモ基地
局に設置した環境センサーで
収集した気温、湿度、風向・風
速、降水量の情報を情報料無
670台を無料で貸し出し
たほか、無料充電サービ
料で提供しました。
スコーナーを約410ヶ所
※ 青森県、
秋田県、
岩手県、山形県、
宮城県、福島県、茨城県、千葉県
です。
に設置しました。
貸し出しの様子
気象特設サイトイメージ
NTTドコモグループCSRレポート2011
8
東日本大震災による影響と復旧に向けた取組み
被災されたお客様に対する料金の減免など
被災されたお客様への各種支援として、
料金お支払い期限の延長、
故障修理代金の減額、
「水濡れケータイ データ復旧
サービス」
の無料化などを実施しました。さらに、被災されたお客様に対して、3月12日以降継続してご利用いただけな
かった期間の基本使用料などの無料化を行いました。
ドコモグループ各社による支援
グループ各社でも被災地の復興支援にいち早く取り組んできました。自社製品の提供、寄付・募金活動などを通じて、
被災された方々を支援しています。
社名
取組み内容
●
(株)
オークローンマーケティング
●
●
(株)
ディーツーコミュニケーションズ
net mobile AG
(ドイツ)
DOCOMO PACIFIC, INC.
(グアム&北マリアナ諸島)
NTT DOCOMO USA, INC.
(アメリカ)
●
●
●
寄付金など
支援ファンドの設立、
寄付や海外取引先への呼び掛けによる
寄付金の調達
避難所への自社商品
(低反発マットレス、
ブランケット)
、
乳児用ミルク、
紙オムツ、
医療・衛生用品の直接提供
1億5,000万円
自社の受注、
決済、
配送機能の提供による特産品販売支援
寄付
ノート型パソコンの寄贈
約1,040万円
継続中
(2011年6月末現在)
SMSを活用した募金活動
他社との共同募金
SMSを活用した募金活動やチャリティーオークションの実施
● プリペイド端末、
SIMカードなどの売上の寄付
(売上の15%)
●
●
●
約50,000ドル
日本全国への一部国際通話料および日本滞在時の
国際ローミング通話料金の無料化
̶
被災したドコモショップへの対応
ドコモショップは、
東北・関東地方で90店舗が全壊また
また、
被災した店舗の運営代理店に総額約3,800万円
は半壊など建物への被害を受け、
東北地方の195店舗の
の見舞金を送ったほか、全国の運営代理店に対して支援
うち159店舗が臨時休業しました。
金拠出の協力を呼び掛け、集まった支援金と同額程度を
ドコモは、
震災によって携帯電話の故障・紛失などの被
ドコモが支援しました。
害に遭われたお客様を支援するために、被災したドコモ
さらにドコモでは、店舗
ショップの早期営業再開に努めました。3月末時点におい
の復旧にかかる店づく
て、建物が大きく損壊した店舗と原発事故にともなって
り、商品などの費用の支
避難エリアとなっている地域の店舗を除き、約9割の店
援および無利子融資を
舗で営業を再開させることができました。
実施しています。
被災したドコモショップ
節電対策について
ドコモは、
節電に関する社会的要請に最大限応えるべく、
2011年7月1日∼9月30日までの間、
研究開発拠点を含めたオフィスにおける
「照明の2分の1消灯」
「空調設定温度の変更」
に加えて、
「週休日の変更」
による電力削減を実施します。
9
NTTドコモグループCSRレポート2011
災害対策のさらなる強化へ
いざという時の通信の確保に注力し
通信インフラを担う企業としての
責任を果たす
取締役常務執行役員 岩﨑
文夫
東日本大震災を踏まえ
「新たな災害対策」
を策定
ドコモでは、以前から災害を考慮したさまざまな
力を結集して一丸となって取り組んでまいりました。
対策を講じてきました。
しかしながら、東日本大震災
また、今回の震災で通信サービスの社会的重要
では、世界観測史上4番目の超巨大地震や津波によ
性を再認識したことから、新たな災害対策の基本方
り、
通信設備の損壊・浸水、
広域かつ長時間の停電や
針として
「重要エリアの確保」
「被災エリアへの迅速
計画停電にともなう通信設備の機能停止や非常用
な対応」
「お客様のさらなる利便性向上」
を柱に災害
電源
(バッテリー)
の枯渇など、通信設備がこれまで
対策を強化していきます。
にない大きな影響を受けました。そのため、震災直
ドコモは、
通信会社としての責任を果たすために、
後から、被災した設備やサービス復旧にドコモの総
今後も通信の確保に積極的に取り組んでいきます。
「新たな災害対策」
の基本方針
重要エリアの確保
人口密集地および行政機関の
通信を確保
①災害時における通信確保のために、
大ゾーン方式基地局を全国に設置
(約100ヶ所)
⇒人口の約35%をカバー
②都道府県庁、市区町村役場などの通信を確保するため、基地局の無停電化、
バッテ
リーの24時間化を推進
(約1,900局)
⇒人口の約65%をカバー、災害拠点病院の約50%をカバー
③衛星携帯電話の即時提供によって避難所などの通信を確保
(3,000台を予定)
被災エリアへの迅速な対応
④衛星システムを活用したエリアを早期構築
衛星エントランス基地局の増設
(車載型:19台に倍増、可搬型:新規24台)
⑤マイクロエントランス回線を活用した機動的なエリア構築
非常用マイクロ設備の配備
(100区間)
⑥災害時に強いパケット通信を活用した音声ファイル型メッセージサービスを開発
⑦
「復旧エリアマップ」
を拡充
お客様のさらなる利便性向上
⑧音声ガイダンス機能の付加により
「災害用伝言板」
の操作性を向上
⑨緊急速報
「エリアメール」
の活用を推進
⑩SNSなどとの連携によってICT活用をさらに推進
NTTドコモグループCSRレポート2011
10
ドコモのCSR
「NTTドコモCSRメッセージ」
を定め
CSR活動の推進に努めています
企業理念
私たちはお客さまに
満足していただきます
私たちは新しい
コミュニケーション文化の
世界を創造します
新ドコモ宣言
私たちは個人の能力を
生かします
NTTグループCSR憲章
1.ブランドを磨きなおし、
お客さまとの絆を深めます。
2.お客さまの声をしっかり受け止め、
その期待を上回る会社に変わります。
3.イノベーションを起こし続け、
世界から高い評価を得られる企業を目指します。
4.活き活きとした人材で溢れ、同じ夢に向かって
チャレンジし続ける集団となります。
http://www.ntt.co.jp/csr/
NTTドコモCSRメッセージ
11
NTTドコモグループCSRレポート2011
「CSRメッセージ」策定の背景
CSR活動の領域
ステークホルダーの皆様に対する
考えや姿勢をメッセージに集約
4つの重点テーマを中心に
体系的・網羅的なCSR活動を展開
ドコモでは、CSR活動を、事業を成長・発展させ社会の
社外の有識者のご意見も踏まえて策定した
「NTTド
持続的な発展に貢献し続けていくための根幹をなすも
コモCSRメッセージ」
は、携帯電話事業の推進にともな
のと位置づけています。
う社会的責任の履行とともに、事業活動を通じた社会的
ドコモの事業は、お客様はもとより、株主・投資家、販
課題解決に積極的に取り組んでいくことを宣言したも
売代理店
(ドコモショップ)
、お取引先など、
さまざまなス
のです。
ドコモだからこそ成し得るCSRを見据え、それを
テークホルダーの皆様との関わりのなかで成り立ってい
明らかにするために、
「一人ひとりに」
「安定した品質で」
ます。そのため、ステークホルダーの皆様にドコモの基
「安心・安全を実現して」
「地球環境を守りながら」
の4つ
本的な考えや姿勢をしっかりとお伝えするのと同時に、
の重点テーマを設定しました。
その声に広く耳を傾けて期待や関心に先進的・中心的に
またドコモでは、
コーポレート・ガバナンスやコンプラ
お応えしていくことが不可欠であると認識しています。
イアンス、ダイバーシティなど、上記4つのテーマ以外の
こうした認識は、企業理念や
「新ドコモ宣言」
でめざす
領域についても体系的・網羅的にCSR活動を展開してい
ことと同義であり、2008年4月の新ドコモ宣言の発表に
ます。
合わせて
「NTTドコモCSRメッセージ」
を定めました。
ドコモのステークホルダーと対話の機会
販売・アフターサービス
● スタッフ研修
● 社長キャラバン
● 支店スタッフによるルートセールス活動
● 代理店との意見交換会
ご利用相談
販売代理店
お客様
(ドコモショップ)
●ドコモショップ
(窓口応対)
● インフォメーションセンター
(電話応対)
● ウェブサイトからの意見投稿、
お客様アンケート
● ウェブサイトへの改善事例の掲載
地球環境
● 官公省庁の検討会・研究会
● 各種イベント
●
(社)
電気通信事業者協会
● 全国の教育委員会
● 行政との協定の締結
行政・
公共機関
● 意見交換会
● 助成
● 冊子発行
● ケータイ安全教室
● 子どもの環境教育施策の協働
株主・投資家
お取引先
地域社会・
NPO団体・
NGO団体
(携帯電話メーカー、
コンテンツ・
プロバイダー、
通信設備メーカー
など)
社員
● 定時株主総会
● 決算説明会
● アニュアルレポート
●ドコモ通信
(株主通信)
● IRサイト
● メール配信
● 意見交換会
● 業務改善会議
● CSR調達説明会
● 経営幹部との意見交換会
● イントラネット
● 各種カウンセリング
● 相談窓口
● 労使協議
NTTドコモグループCSRレポート2011
12
ドコモのCSR
CSRの推進体制
CSRの浸透に向けた取組み
各種の委員会組織を設置して
グループ全体で継続的に活動を推進
経営層・社員の意識啓発を図る
研修会やeラーニングに注力
ドコモでは、CSR活動を継続的に改善していくために、
CSR活動推進の一環として、
ドコモでは2010年10月、社
「CSR推進委員会」
を2005年から設けています。社長を委員
外の有識者を招き、
社長・副社長をはじめ、
約80名の経営幹
長とし、
CSRを担当する本社各組織の責任者や支社長などが
部が参加するセミナーを開催し、
「ISO26000」
の要点や具
参加し、
年2回開催しています。また、
同委員会とともに主要
体的な対応事例などについての講義を行いました。
なCSR活動を担う下部組織として3つのワーキンググループ
また、
経営幹部と若手社員とのコミュニケーションを目的
(WG)
と3つの部会を設置しています。
に開催している
「トーロンの日」
において、10月期は経営幹
ドコモでは、
CSR推進委員会において、
支社や各組織が実
部と全国の支社、
グループ会社から集まった約30名の若手
施している活動の成果や課題を踏まえた活動の指針や方向
社員がCSR活動についての討議やグループワークを実施し
性を議論するとともに、その内容を各組織に指示・伝達する
ました。また、その討論の様子はイントラネットで全社員が
ことで、
グループ全体でCSR活動に取り組んでいます。
閲覧できるようにしました。このほか、2011年3月∼5月に
2010年度のCSR推進委員会では、SR
(組織の社会的責
かけては、
CSRをテーマとしたeラーニングも実施し、
グルー
任)
に関する国際的なガイドライン
「ISO26000」
を参考に、
プ会社の派遣社員を含む約36,000名が受講しました。
海外拠点を含め国内外のグループ各社計56拠点を対象に
ドコモでは、今
CSRに関する活動状況の調査結果を報告するとともに、
法人
後 もこうした 取
のお客様からドコモのCSRの取組みについて調査を受けた
組 み を 通じて 、
さいの対応状況などが付議されました。
経 営 層・社 員 へ
また、
内部統制やコンプライアンス、
情報セキュリティ、
ダ
のCSR意識の浸
イバーシティなどを担当する委員会なども個別に設置され、
透を図っていき
定期的に会合を実施することで、
体系的・網羅的にCSR活動
ます。
を推進しています。
経営幹部を対象としたセミナー
推進体制
重点課題WG
部会
開催頻度:年2回
CSR推進委員会
委員長:社長 委員長代理:副社長
メンバー:CSRを担当する本社各組織の責任者、支社長、WG主査・部会長
13
ユニバーサルデザインの推進WG
地球環境保全部会
安心・安全なモバイル社会の実現WG
社会貢献活動推進部会
災害発生時の多様な対応WG
アカウンタビリティ部会
災害対策委員会
人権啓発推進委員会
内部統制委員会
ECOネットワーク設備専門委員会
端末対策委員会
コンプライアンス推進委員会
情報管理委員会
ECOお客様チャネル専門委員会
CS推進委員会
危機管理委員会
Win-d
(女性役職者によるWG)
ECOマネジメント専門委員会
NTTドコモグループCSRレポート2011
各ワーキンググループ・部会の主な活動内容
ユニバーサルデザインの推進WG
地球環境保全部会
ユニバーサルデザインに配慮した
「らくらくホン7」
を発売
環境保全活動の強化をめざして
「SMART for GREEN 2020」
を策定
すべてのお客様が使いやすい製品・
ISO14001における環境マネジメン
サービスを追求する
「ドコモ・ハーティ
トシステム
(EMS)
を活用し、事業領域
スタイル」
を推進しており、
私は製品の
ごとにECOネットワーク設備専門委
企画・開発を担当しています。2010年
員会、ECOお客様チャネル専門委員
度∼2011年度にかけては、
「らくらく
会、ECOマネジメント専門委員会を
ホン7」
「らくらくホン ベーシック3」
など
設け、それぞれ課題解決に向けて取
のユニバーサルデザインに配慮した
り組んでいます。2010年度の大きな
携帯電話を発売しました。今後もお客
様のご意見に耳を傾け現行機種の改
良を進めていきます。
プロダクト部
第二商品企画担当
[現:技術企画担当]
有満 妃登美
安心・安全なモバイル社会の実現WG
取組みとして、環境ビジョン
「SMART
for GREEN 2020」
を策定しました。
社内の情報共有などを通して
社会貢献活動を積極的に推進
当WGではお客様に
「ドコモの携帯電
社会貢献に関する情報共有と活動の
話=安心」
と実感していただくための
企画・推進を行っています。2010年度
取組みと、
その実現に向けた調査活動
は
「ドコモの森」
の全都道府県への設
などを行っています。2010年度は青
置を完了したほか、携帯電話を安心し
少年保護、迷惑メール対策、データセ
てお使 い いただくための 啓 発 活 動
キュリティサービスの強化を推進。ま
「ケータイ安全教室」
を学校や地域コ
共有も行いました。2011年度はとく
に、
スマートフォンの安心・安全対策を
進めていきます。
スマートコミュニケーション
サービス部
セキュリティ推進担当
中山 まゆみ
災害発生時の多様な対応WG
ミュニティで開催しました。今後も社会
のニーズに応えた
「ケータイ安全教
室」
カリキュラムの検討など、
活動のさ
災害の実態に即した設備面と運用面
ドコモのCSR活動を皆様にお伝えする
の基盤整備、
災害発生に備えた防災訓
広報・宣伝活動を担当しています。東
練の実施などに取り組んでいます。
日本大震災では、
ホームページに
「復
2010年度は、
スマートフォン向け
「災
旧エリアマップ」
を公開し、
サービスエ
害用伝言板」
の導入、もち運べる衛星
リアとサービス中断エリアの今後の復
基地局の導入に向けた調整、自治体・
旧予定を色分けでわかりやすく表示。
震災の経験を踏まえて、
災害対策規定
やマニュアルの見直しを進めます。
白川 佳世子
アカウンタビリティ部会
皆様への説明責任を果たすために
積極的に情報を発信
り組みました。2011年度は、
東日本大
社会環境推進部
社会貢献担当
らなる充実を図ります。
スマートフォン向け「災害用伝言板」の導入などを通じて
災害対策を強化
自衛隊との協力体制の構築などに取
中西 良一
社会貢献活動推進部会
青少年保護、
迷惑メール対策、
データセキュリティサービスの強化を推進
たお客様アンケートの結果などの情報
社会環境推進部
環境担当 主査
サービス運営部 災害対策室
災害対策担当 主査
福島 崇行
また、新聞、テレビ、ラジオなどでもド
コモの対応をお知らせしました。今後
も状況に応じた情報発信を積極的に
広報部 報道担当
鈴木 敦子
行っていきます。
NTTドコモグループCSRレポート2011
14
一人ひとりに
すべてのお客様が快適にご利用いただけるように
お客様満足度のさらなる向上に努めています
“一人一台”の時代に
「お客様満足度No.1」
日本の携帯電話契約数は約1億2,000万件。6歳以上の国民の約75%が携
帯電話を利用し、
“一人一台”
の時代が到来するなか、
ドコモは
「事業の原点
はお客様との接点」
との意識のもとに、一人ひとりのお客様に合わせた、
き
め細やかなサービス・サポートの提供に努め、
端末、
エリア・品質、
料金など、
あらゆる面で改革を推進。こうした努力の結果、2010年度、
ドコモは個人・
法人両部門で
「お客様満足度第1位※」
の評価をいただきました。
(%)
95.7
100
81.6
80
93.3 91.1
85.5
77.8
60
20
も重視しているのが、お客様との日常
的な接点であるドコモショップでの応
はスマートフォンのスキル向上のため、
67.0
「スマートフォンマイスター」
の資格認
45.7
26.0
定制度を新設。多彩な機能を多くのお
客様に活用していただけるよう同資格
80
を取得したスタッフを全国のドコモ
12
19
29
39
49
59
64
69
79
歳
歳以上
∼
70
∼
∼
65
歳
∼
60
歳
∼
50
歳
∼
40
歳
∼
30
歳
∼
20
歳
13
歳
6
︵年齢︶
17.2
0
歳
NTTドコモグループCSRレポート2011
トの充実に力を注いでいます。なかで
上を図っているほか、2010年9月から
∼
15
ただけるよう、
ドコモはユーザーサポー
コンテストを開催して応対スキルの向
40
総務省
「平成22年通信利用動向調査の結果」
より
てが快適に、そして安心してご利用い
できるスタッフの育成を目的に、毎年
携帯電話の個人利用率(2010年) 携帯電話の年齢別利用率(2010年)
利用している
73.6%
約5,801万にも及ぶお客様のすべ
対サービスです。
「あたたかい応対」
が
※ P5を参照してください。
利用していない
26.4%
携帯電話を快適に安心して
ご利用いただくために
ショップに配置し、スマートフォンに関
するお問い合わせに対応しています。
一人ひとりに
められています。どなたにも使いやす
い製品・サービスを提供していくため
に、
ドコモでは8年前から
「ドコモ・ハー
ティスタイル」
と名づけたユニバーサ
ルデザインの考え方に基づいた活動を
進めています。
この活動は、
「製品」
「お客さま窓口」
「サービス」
の3つの視点でユニバーサ
手話サポートテレビ電話
スマートフォンマイスター研修
ルデザインの取組みを進めるもので
スの設置などを全国で進めています。
また、携帯電話の故障などのトラブ
す。
とくに
「お客さま窓口」
として重要な
2010年度末時点でバリアフリー化を
ル対応についても、
「修理品どこでも受
機能を担うドコモショップについては、
実施したドコモショップは、2,300店以
取サービス」
「水濡れケータイ データ
すべてのお客様が安心して店舗をご利
上、
全国店舗の約98%に上ります※。ま
復旧サービス」
を提供。さらに、いつで
用いただけるよう、
「バリアフリー化」
に
た、
お客様窓口における応対サービス
も安心・快適にご利用いただくための
向けた取組みを2008年度から強化し
充実のため、
ドコモショップに入店した
「ケータイてんけん」
サービスを全国の
ており、入口の段差解消、車いす対応
スタッフへ
「ドコモ・ハーティスタイル」
ドコモショップで実施しています。この
のカウンターやトイレの設置、店内ス
の意識づけとなるような研修を実施し
ほかにもドコモでは、
消費生活アドバイ
ペースの確保、
障がい者用駐車スペー
ています。
ザー資格をもつ社員の意見を取り入
れ、正確でわかりやすい料金説明や広
今後も、
お客様一人ひとりのご意見・
告表示を心がけています。
ご要望に耳を傾けながら、製品やサー
ビスの 向 上を図り、
「お客様満足度
No.1」
であり続けることをめざします。
お客様窓口の充実に向け
店舗のバリアフリー化を推進
※ バリアフリー化が1項目以上の店舗をカウントしてい
ます。
携帯電話が日常的コミュニケーショ
ンツールとなった現在、
シニアや障が
いのある方にも配慮したサービスが求
スロープを設置したドコモショップ
1
TOPICS
TOPICS
「スマートフォンマイスター」
として
商品の魅力をわかりやすく紹介
2
障がいのある方の状況を理解する
「ユニバーサルデザイン研修」
を実施
ドコモショップ西船橋店がスマートフォ
ドコモでは、
ユニバーサルデザイ
ン販売のモデル店舗としてリニューア
ンの考え方に基づいた活動
「ドコ
ルオープンするのをきっかけに、
研修に
モ・ハーティスタイル」
を推進して
参加したり、
スマートフォンの基本知識
いる社員の意識向上を目的に、
や各種機能の効果的な使い方を学び、
「ユニバーサルデザイン研修」
を
2010年11月に
「スマートフォンマイス
年1回継続的に開催しています。2010年度は、暗闇のなかで
の資格を取得しました。スマート
ター」
課題を協同で達成することを通して、視覚障がいのある方の
フォンの人気が高まるなか、当店舗にも毎日たくさんのお客
状況を理解する体験型の研修を実施。受講者からは
「理解が
様がいらっしゃいます。資格取得の過程で得
さらに深まった」
などの感想が聞かれ、成果が
た知識やスキルを活かし、日々新しい情報収
あったと感じています。今後も研修で学んだ
集を行い、お客様にその魅力をわかりやすく
ことが各担当業務に活かされるよう、
さらに役
お伝えしていきたいですね。
立つ研修を企画していきます。
ドコモショップ 西船橋店
田中 絵里子さん
社会環境推進部 CSR担当 主査
野口 美行
NTTドコモグループCSRレポート2011
16
安定した品質で
コミュニケーションを支えるインフラであり続けるために
通信の信頼性の向上に取り組んでいます
いつでも、どこでも
つながる携帯電話に
通信インフラを担う企業としての責任
携帯電話によるインターネット利用がますます拡大するなか、
携帯電話の通
信時間や、回線上でやりとりされるデータ量も年々増え続けています。
“い
つでも、
どこでもつながるサービス”
を提供していくため、
ドコモではお客様
の声に基づいた通信エリアの改善・拡大をはじめ、基地局・データセンター
などのインフラ設備の拡充、災害時の通信確保、端末の品質保証などの取
組みを積極的に進めています。
20.0
質No.1」
を掲げ、計画的なエリア整備
を進めてきました。第一弾の
「エリア拡
17.4
18.2
19.0
速移動時や山岳地帯などのエリア品質
20.9
改善を図ってきました。そして現在は第
三弾として、お客様の声にきめ細かく
10.0
対応した
「エリア拡大」
と
「エリア品質改
5.0
善」
、
そして
「データ通信速度の改善」
に
0
2003
2004
総務省
「平成22年版情報通信白書」
より
17
状況を改善すべく、
ドコモは
「エリア品
は、
地下街やビル陰、
ビルの高層階、
高
25.0
16.7
い場所もまだ存在しています。
こうした
を増設。第二弾の
「エリア品質改善」
で
(億時間)
16.6
ラとなる一方、携帯電話を利用できな
大」
では、主に屋外の
「FOMA」
基地局
携帯電話通信時間の推移
15.0
携帯電話が生活に不可欠なインフ
NTTドコモグループCSRレポート2011
2005
2006
2007
2008
(年度)
力を注いでいます。
この取組みでは、
ウェブサイトや電話
窓口に寄せられた
「つながりにくい」
と
安定した品質で
地局を開設する予定で、
より高速でつ
ながりやすい通信ネットワークの構築
をめざします。
災害時のライフラインで
あるために
災害時の通信を確保するために、
ド
電波状況調査
コモでは
「通信システムの信頼性の向
ドコモの通信ネットワークを監視しているオペ
レーションセンター
いうお客様の声に基づいて、担当者か
上」
「 重要通信の確保」
「通信サービス
の配信、
携帯電話で安否確認ができる
らの連絡後、
原則48時間以内に訪問し、
の早期復旧」
を柱とする
「災害対策の3
「災害用伝言板」
の提供など、
災害時の
電波状況の調査から最終的な改善にい
原則」
を定め、設備の二重化や伝送路
ライフラインに求められるさまざまな
たるまでのアフターフォローを実施し
の多ルート化、建物や鉄塔の耐震補
サービスを提供しており、
2010年度は
ています。なお、
訪問時に実施している
強、復旧機器の増強などの取組みに
スマートフォンでもこの
「災害用伝言
アンケートでは、97%以上のお客様か
よって通信ネットワークの安全性・信頼
板」
を利用できるようにしました。また、
ら
「満足」
との評価をいただいています。
性の向上に努めています。
災害時に役立てていただけるよう、災
また、通信の高速化・大容量化に対
災害時には、
指定公共機関として、
行
害対策をまとめた小冊子
「もしもに備
応し、2010年から次世代移動通信
政機関や地方自治体と連携して通信
えて」
を作成し、
自治体との防災訓練や
サービス
「X i」
を開始しました。2014
サービス確保に努め、
緊急速報
「エリア
防災対策イベントなどでお客様に配布
年度末までに全国に約35,000局の基
メール」
による気象庁の緊急地震速報
しています。
クロッシィ
全国エリア訪問件数の推移(累計、概数)
今後もドコモでは、
エリア品質の改
(件)
120,000
119,000
100,000
99,000
80,000
68,000
60,000
43,000
40,000
20,000 13,000
0
下半期
2008
上半期 下半期
2009
上半期 下半期
2010
(年度)
善を進めるとともに、東日本大震災で
の教訓を踏まえた新たな災害対策に
取り組むなど、
ライフラインとしての機
能を守るための対策をさらに強化して
いきます。
衛星エントランス搭載移動基地局車
1
TOPICS
TOPICS
「エリアメール」の提案や機能拡充を通じて
安全な街づくりに貢献
2
災害時に役立つサービスを紹介する
小冊子「もしもに備えて」
を作成
「エリアメール」
は、回線混雑の影響をほと
災害発生時の通信確保に取り組む
んど受けることなく情報を一斉配信できる
一方で、
ドコモでは、災害時に役立
仕組みをもっており、その仕組みを利用し
つサービスを拡充するとともに、
そ
て気象庁提供の緊急地震速報や国・地方
うしたサービスをお客様にお知ら
公共団体からの災害・避難情報を配信して
せする取組みにも力を入れていま
います。2010年度は、より迅速な情報配
す。その一環として、2009年8月、
信が可能なETWS方式を緊急地震速報に
イラストなどを用いてサービスの利用方法などをわかりやすく
採用しました。また、提案活動も積極的に
まとめた小冊子
「もしもに備えて」
を作成。また、
2010年8月に
行い、採用自治体数が前
は
「災害用伝言板」
に特化した小冊子も作成し
年度末時点の23から49まで増えました。今
ました。
ドコモでは、
これらの冊子を活用した説
後も
「エリアメール」
の提案や機能拡充を通じ
明会を各地の防災訓練会場などで開催し、お
て、
安全な街づくりに貢献していきます。
客様への安心の提供に努めています。
※ 画面はイメージです。
ソリューションビジネス部
第二ソリューション担当
石田 梢
サービス運営部 災害対策室 災害対策担当
松浦 慎
NTTドコモグループCSRレポート2011
18
安心・安全を実現して
携帯電話による犯罪やトラブルを防止し
安心・安全なモバイル社会の実現をめざします
子どもたちが安心して使える
ツールであるために
携帯電話の普及がもたらす
「光」
と
「影」
携帯電話の普及は人々の生活スタイルを変え、
より便利で豊かなコミュニ
ケーションの実現に貢献してきました。
しかしその一方で、
有害サイトへのア
クセスや犯罪への利用といった、新たな社会問題も生じています。国内携帯
電話市場において、
シェア約5割、約5,801万のお客様をもつドコモは、業界
のリーディングカンパニーとして、
こうした携帯電話をめぐる
「影」
にも積極
的に目を向け、
「安心・安全」
なモバイル社会の実現に取り組んでいます。
振り込め詐欺検挙件数の推移
出会い系サイト規制法違反件数の推移
(件)
(件)
6,000
4,000
5,669
5,189
400
367
300
にも上ります。こうした子どもたちが
携帯サイトで有害な情報にふれたり、
“出会い系サイト”
などを通じて犯罪や
トラブルに巻き込まれたりすることを
未然に防ぐべく、
ドコモは有害サイト
「ケータイ安全教室」開催回数・参加者数の推移
(概数)
(回)
(人)
850,000人 900,000
790,000人 800,000人
412
5,200回
349
5,500回
4,000
200
2,000
2008
2009
2010
警察庁広報資料・発表資料より
(年度)
0
2,000
2008
2009
2010
(年度)
0
300,000
14回
2,000人
2004
19
NTTドコモグループCSRレポート2011
600,000
4,600回
100
0
割、中学生で約6割、高校生では約9割
6,000
500
4,400
携帯電話の利用率は小学生で約3
2008
0
2009
2010
(年度)
安心・安全を実現して
へ のアクセスを防ぐ
「アクセス制 限
います。そこでドコモでは、2009年か
また、
ドコモが運営している
「モバイ
サービス」
を提供。2009年4月からは
らシニア向けの「ケータイ安全教室」
ル社会研究所」
では、携帯電話がもた
未成年のお客様の新規契約において
も開始しました。
らす影響を光と影の両面について解
同サービスの申込みを原則としてい
2010年度は約800回、約17,700
明することを目的に各種調査・研究な
ます。また、制限対象のサイトを保護
人が参加し、累計では約1,400回、約
どを行っており、その成果を国内外に
者が設定できるカスタマイズサービ
32,400人の方に受講していただきま
発信しています。
このほかにも、
社外有
スも設けています。
した。
識者によって構成される
「アドバイザ
一方で子どもたちへの啓発にも力
リーボード」
において、携帯電話の普
を入れ、
ドコモ社員講師が携帯電話使
及・拡大と利便性の向上にともなって
用時のルールやマナー、犯罪・トラブ
発生した社会的課題やその課題に対
ルへの対処方法を教える
「ケータイ安
してドコモが果たすべき役割などにつ
全教室」
を2004年度から全国の学校
いて貴重なアドバイスをいただいてい
で開催。2010年度は約5,200回、約
ます。
85万人が参加し、累計では約19,300
回、約312万人の方に受講していただ
きました。また、2010年度も前年度同
ドコモでは、
こうしたご意見も参考
シニア向けのケータイ安全教室
にしながら、携帯電話を悪用した新た
な犯罪やトラブルからすべてのお客
して、
「ケータイ安全教室」
の映像教材
より
「安心・安全」
なモバイル
社会の実現に向けて
を全国の約32,000校に無料配布しま
スマートフォンの登場で携帯電話で
ともに、
より健全なモバイル社会の実
した。
のインターネット利用がますます増え
現に向けた啓発や提案を推進してい
ており、
ドコモが提供する次世代移動
きます。
様に全都道府県の教育委員会と相談
クロッシィ
高齢化社会の進展を踏まえて
通信サービス
「Xi」
などによってネット
高齢化社会の進展とともに、
シニア
上のコンテンツもさらに多様化が予想
層にも携帯電話の普及が広がる一方
されます。こうした状況を踏まえ、
ドコ
で、
“振り込め詐欺”
などの犯罪やトラ
モではスマートフォン向け
「アクセス制
ブルに巻き込まれるケースも増えて
限サービス」
の提供を開始しました。
1
TOPICS
TOPICS
シニアの方々のコミュニケーションを
深める
「ケータイ安全教室」
を開催
様を守るための取組みを強化すると
2
「アドバイザリーボード」のご示唆を踏まえ
安心・安全なモバイル社会づくりを推進
シニア向け
「ケータイ安全教室」
ドコモでは、各界の有識者の方々から経営全般についてご意
では、
トラブルなどから身を守る
見・ご提案をいただく場として
「アドバイザリーボード」
を設置
方法だけでなく、
携帯電話の基本
しています。2010年8月に開催したアドバイザリーボードにお
的な操作方法もわかりやすくご
いては、携帯電話の普及・拡大と利便性の向上にともなって発
紹介しています。最近は
「携帯電
生した社会的課題から青少年を守る取組みをテーマとし、
話を使えるようになって、
家族を驚かせたい」
とご家族に内緒で
「ケータイ安全教室」
の開催などのドコモの取組みに対して一
参加されるお客様も増えています。そうしたお客様が熱心に受
定の評価をいただくとともに、社会へのより積極的な働きか
講されている姿を見ると、
素敵なご家族と楽しく会話する姿が
けが必要とのご示唆をいただきました。
ドコモでは、
アドバイ
頭に浮かんで大変嬉しく思います。私にとって
ザリーボードのご示唆を踏まえ、事業運営や
「ケータイ安全教室」
は、携帯電話が人と人と
の絆を深めるツールであることを実感する場
CSR活動を通じて安心・安全なモバイル社会
の実現に貢献していきます。
でもありますね。
ドコモ・サービス
(株)
ビジネス営業本部 社会環境
サービスセンター ケータイ安全教室担当
大久保 亜貴果
経営企画部 ガバナンス・組織担当
荻原 拡
NTTドコモグループCSRレポート2011
20
地球環境を守りながら
事業活動のすべてにおいて環境負荷を抑え
お客様とともに地球環境保全に努めています
省エネ型の
通信設備をめざして
携帯電話事業者に問われる環境問題
「環境への配慮」
は、
私たち携帯電話事業者にとって重要テーマです。スマー
トフォンなどの高機能携帯電話の普及によって通信インフラ設備の電力消
費は増加しています。また、金や銀、
レアメタルなどの資源を有効利用して
いくために、
携帯電話のリサイクルがますます重要になっています。
こうした
課題に対し、
ドコモでは省エネ型設備の開発・導入や、
積極的なリサイクル活
動などを進め、
環境負荷の低減に努めています。
21
NTTドコモグループCSRレポート2011
基地局に省電力装置や高効率電源装
しました。同センターは、2009年度に
2,000
ディスプレイ・・・・・・・・・・816
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・41
PC・
ストレージ・・・・・・・・・・・・・・96
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・431
サーバー ・
・
・
・1,033
ネットワーク機器 ・
467
経済産業省/グリーンIT推進協議会試算
(2008)
ギー化にも力を注いでいます。各地の
「立川ICTエコロジーセンター」
を開設
2,417
2006
を拡充する一方で、設備の省エネル
2009年2月に検証用データセンター
3,000
0
へのサービスの充実に向け通信設備
省エネ技術を実用化していくため、
(億kWh)
1,000
設備によるものです。そのため、
お客様
置の導入を進めているほか、最先端の
通信ネットワーク機器の電力消費量
ディスプレイ・・・・・・・・156
PC・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・17
ストレージ・・・・・・・・・・・21
サーバー・・・・・・・・・・・193
ネットワーク機器・・・・80
ドコモの消費する電力の大半は通信
2025
(年)
空調新技術や省電力サーバーなどによ
る最大66%のCO2排出量削減効果を
実証、2010年度にはその成果を商用
設備に導入することで、
1,639t-CO2の
削減を達成しました。2011年度以降も
こうした実証成果の適用設備を、順次
地球環境を守りながら
拡大していく予定です。
材を使用しており、間伐材の有効利用
また、環境への負荷をさらに低減し
が、
日本の森の健全化につながること
ていくために、通信インフラ設備への
を新たな製品価値としてお客様にお伝
太陽光発電システム導入にも取り組ん
えしています。さらに、
この携帯電話の
でいます。NTTグループの取組み施策
開発パートナーであるシャープ
(株)
、
オ
「グリーンN T T 」の 推 進 主 体として
リンパス
(株)
と、
ドコモの3社では、森
「NTT-グリーンLLP」
に参画し、自社に
林保全に取り組む
(社)
more treesに、
おける取組みを含め、積極的推進を
同製品の販売数1台につき1,000円を
回収した携帯電話
図っています。
共同で寄付し、その活動を支援してい
生プラスチックとして有効活用されて
ます。
限りある資源を
有効活用していくために
います。
また、
ドコモは地球環境に配慮した
2011年1月、
ドコモはこうした取組み
ドコモは1998年から使用済み携帯
製品開発にも取り組んでいます。例え
を加速するため、
環境ビジョン
「SMART
電話の回収に取り組んでいます。2001
ば2011年3月に発売した
「TOUCH
for GREEN 2020」
を制定しました。今
年には
(社)
電気通信事業者協会と連
WOOD SH-08C」
は、
ボディに森林整
後も同ビジョンに基づき、
人々の暮らし
携して、
自社・他社製品を問わずに回収
備のため伐採された国産ヒノキの間伐
と社会全体の持続的発展に貢献してい
する
「モバイル・リサイクル・ネットワー
ク」
を構築しました。2010年度の回収
台数は409万台、
これまでの累計では
きます。
ドコモの携帯電話回収台数
(万台)
409
400
376
7,664万台に上っています。
359
回収した携帯電話のリサイクル処理
によって再生された資源
(金・銀・銅・パ
340
344
2007
2008
300
ラジウムなど)
は、工業原料として再利
用されています。また、
リサイクル工程
から生じる残りかすはセメント原料とし
て、プラスチック部材は補助燃料や再
0
2006
1
TOPICS
2009
TOPICS
お客様のご理解とご協力のもと
「ケータイリサイクル」
を推進
2010(年度)
2
間伐材の有効活用につながる
「TOUCH WOOD」
を開発
リサイクルの流れや、個人情
間伐材をボディに採用した
報保護の徹底に向けた取組
「TOUCH WOOD」
を開発
みをご紹介することで、お客
しました。手に木のぬくも
様に安心して
「ケータイリサ
りを伝える
“豆”
のような独
イクル」
にご協力いただける
特のデザインと機能を両
よう努めています。2010年
立することができました。
度は、
個人情報保護のため、
回収のさいにお客様の目の前で携
森を維持していくためには
わかりやすく示した
「端末回収PR
帯電話を破砕処理することを、
定期的な間伐が必要で、
「TOUCH WOOD」
は、
そこで生じる
ステッカー」
を作成し、全国のドコモショップに
間伐材を工業製品として有効利用する新しい
配備しました。今後も、
こうした取組みを通じて
試みです。地球環境に配慮した製品開発はド
「ケータイリサイクル」
の認知向上を図り、
資源
コモの重要なミッションの一つですから、今後
の有効活用を進めていきたいと考えています。
社会環境推進部 環境担当
上松 遼
もその実現に取り組んでいきます。
プロダクト部 第一商品企画担当
[現:技術企画担当]
矢野 英司
NTTドコモグループCSRレポート2011
22
地球環境を守りながら
2020年度に向けた環境ビジョン「SMART for GREEN 2020」
ドコモは「3つのアクション」
を通じて
人々の暮らしと社会全体の持続的な発展に貢献していきます
“3つのアクション”を通じて
“3つの環境テーマ”を実現
低炭素社会の実現
OF
Green of ICT
携帯電話を基軸とした事
業 活 動 に お い て 、自ら
CO 2 排出量を削減する
取組み
+
BY
Green by ICT
先進の情報通信技術を
活用した製品やサービス
の開発・提供を行うこと
により、社会全体のCO2
削減に貢献する取組み
+
WITH
Green with Team
NTT DOCOMO
社員一人ひとりが、事業
活動での取組みに加え、
職場・家庭・地域社会にお
いて環境保護につなが
る活動を推進する取組み
自社のCO2削減
国内において、2008年度と同様
の対策を継続した場合の予測値
よりも68.9万t-CO2以上削減し、
同年度比で総量を10%
(12万t)
以上削減します。
社会全体のCO2削減
2020年度に向けたCO2排出量の削減
ドコモの
CO2排出量
2008年度
120万t
2008年度比総量で
12万t(10%)以上削減
NTTドコモグループCSRレポート2011
9倍以上の
削減効果
ICTサービスを利活用することにより
社会全体のCO2削減への貢献1,000万t
2010年度
530万t
社会全体の
CO2削減量
(電気事業連合会発表)
を使用
※ 2020年度目標設定の排出係数は、0.33kg-CO2/kWh
循環型社会の形成
廃棄物の削減
全廃棄物の最終処分率を2%以
下にします。また、撤去した通信設
備廃棄物のゼロエミッション
(最
終処分率1%以下)
を継続します。
紙使用量の削減
ツ ー ル 類 にお ける紙 の 総 重 量
を2008年度比で25%(総量で
9,500t)以上削減します。
2020年度に向けた全廃棄物合計の最終処分率の低減
最終処分率
(%)
9.2
5.4
0
2004
最終処分率2%以下
2.0
2009
2020 (年度)
2020年度に向けたツール類における紙使用量の削減
紙使用量
(万t)
4.0
0
2004
3.9
2008年度比
総量で25%削減
2.9
2008
2020 (年度)
生物多様性の保全
基本方針
生物多様性と事業との関わりを把握し、生物多様性を将 「ドコモの森」での森林整備活動
1999年度に開始した
「ドコモの森」
づく
来世代に引き継ぐために取組みを推進します。
りは、
2010年度は新たに1ヶ所を開設。
これにより、全国47都道府県すべてに
あらゆる活動が地球上でつながり、
生物多様性と深く関係 設置しました。また、2010年度から自
然とのふれあいを通じて、
子どもたちに
していることから、
国内外において生物多様性への影響の 森の豊かさや環境保護の大切さを伝え
「自然体験教室」
を開催しています。
範囲を把握し、
保全効果が認められる取組みを継続します。 る
事業活動を軸とした展開
社会への貢献を軸とした展開
事業との関連性にとらわれず、
生物多様性の保全に向けた
取組みをステークホルダーの皆様とともに推進し、
その成
果を開示します。
23
2008年度と同様の
対策を継続した場合の
CO2排出量
2020年度
ICTサービスを利活用することに
より、社会全体のCO 2を、1,000
万 t 以 上 削 減 することに貢 献し
ます。
68.9万t以上削減
自然体験教室
ドコモでは、2020年度に向けた中長期的な環境ビジョン
「Green of ICT」
「Green by ICT」
「Green with Team
「SMART for GREEN 2020」
を2011年1月に制定しまし
NTT DOCOMO」
を通じて、
“3つの環境テーマ”
「低炭
―
た。今後も人々の暮らしと社会全体の持続的発展に貢献し
素社会の実現」
「循環型社会の形成」
「生物多様性の保全」
続 け て いくた めに 、私 た ち は“ 3 つ の アクション ”―
に積極的に取り組んでいきます。
私たちの取組み
OF
+
低炭素社会の実現
「立川ICTエコロジーセンター」
で
通信設備の省電力化に向けた実験に注力
主な取組み
OF
通信設備や基地局などの省電力化
● 太陽光発電システムの導入促進
● 低公害車
(ハイブリッド・電気自動車など)
の導入推進
BY
●
●
通信設備の省電力化に向け、
「立川ICTエコロジーセンター」
の
成果を商用設備へ着実に展開するとともに、
さらな
る省エネをめざし、負荷に応じて消費電力が変動す
る直流対応ICT機器や、変動するICT機器の消費電
WITH
ICTサービスによるCO2削減効果の見える化推進
力に合わせてきめ細かく空調を制御するインテ
リジェント空調の導入検証を実施しています。
●
社員参加型の社会貢献活動
「ecoモードクラブ」
の
推進
コアネットワーク部
コアネットワーク企画・ビルディング担当
[現:
(株)
NTTファシリティーズ]
竹内
BY
主な取組み
●
OF
BY
●
●
通信設備などの廃棄物リユース・リサイクルの推進
ツール類のデジタルブック化やクローズドリサイク
ルの推進による紙使用量削減と有効活用の実施
お客様や社会のCO2を削減するサービス、
トータル
モバイルソリューションの提供
+
大太
循環型社会の形成
携帯電話に使われたプラスチックの
油化処理に向けた検討を推進
携帯電話の効果的なリサイクルの実現に向け、2010年度は、
携帯電話に使われたプラスチックを熱分解し、油を
精製するとともに、精製後の残さから金や銀を回収
する技術の開発に取り組みました。その結果、プラ
スチックからA重油相当の燃料油の精製が可
能であることがわかり、現在、その事業化検
WITH
●
●
携帯電話のリサイクル活動
資源分別回収や地域清掃活動への参加
討を進めています。
フロンティアサービス部
環境事業推進・エコロジービジネス担当
WITH
主な取組み
●
OF
事業特性に応じて関係する国内外の活動範囲と
その影響の把握、および保全効果が認められる取
組みの継続的推進
+
杉山 博紀
生物多様性の保全
里山の景観と生態系を守る
「ドコモの森」活動を推進
全都道府県にある
「ドコモの森」
のうち関西地域にあるのは、人
里近くにあり人々の生活を支えてきた
「里山」
です。
BY
●
海外現地企業と協働した植林活動と生物多様性保
全に向けた取組みの推進
私たちは荒廃していた里山の景観を守り、多様な動
植物が生き続けられる場とするために、社員とその
家族の協力を得て保全活動を推進しており、
WITH
●
全国の
「ドコモの森」
における森林整備活動
2010年度は除伐や草刈りなどの活動を6ヶ
所で計14回実施しました。
関西支社 総務部
広報室 社会環境担当 主査
岩田 能一
NTTドコモグループCSRレポート2011
24
ICTを活用した社会的課題解決への貢献
携帯電話事業を通じて
社会や産業の発展に積極的に貢献
ドコモは、人々のより豊かで快適なコミュニケーショ
ミュニケーションを支えるとともに、社会が抱えている
ンを実現するために、多彩な機能をもつ携帯電話の開
さまざまな課題を解決する可能性を秘めています。
発や
「いつでも」
「どこでも」
つながるモバイル通信ネット
そのためドコモでは、
こうした通信インフラを活用す
ワーク環境の構築に力を注いできました。このドコモの
ることで、社会・産業の発展に貢献する新たなサービス
携帯電話や通信インフラは、多くのお客様の日々のコ
の開発に取り組んでいます。
「モバイル空間統計」
の活用に
「モバイル空間統計」
を活用した社会貢献の概要
向けた共同研究を推進
ネットワークの運用データ
「モバイル空間統計」
は、
携帯電話サービスを提供する
個人の特定を不可能にするための処理
ために必要なネットワークの運用データから時間ごとに
変化する人口の地理的分布を推計して、
それを公共分野
「モバイル空間統計」
のさまざまな取組みに役立てる試みです。
まちづくりの分野では、都市計画や活性化策などの検
討のために時間変動する人口統計情報が必要とされて
います。また、
防災計画の分野では、
災害発生時に公共交
通機関の運行停止によって帰宅が難しくなる帰宅困難者
の事前対策の検討のためにその数の推計が必要とされ
ています。
ドコモでは、
両分野について大学と共同研究を
推進し、
「モバイル空間統計」
の有用性を確認しました。
研究事例:中心市街地への公共
交通サービス需要の
把握
研究事例:首都直下地震を前提
とした帰宅困難者数
の推計
まちづくり
防災計画
将来の公共交通の検討
帰宅困難者の支援策の検討
1
TOPICS
基地局を活用した「環境センサーネットワーク事業」
を開始
ドコモは、全国にある携帯電話の基地
気象情報、
落雷情報を配信しています。また、
今年の花粉シーズン
局を情報収集基盤として活用し、
きめ細
には、従来の
「B to B」
「B to B to C」
モデルでの情報提供に加え
やかな環境情報を提供する
「環境セン
て、
試行的にお客様向け情報サイト
「ドコモ花粉ライブ!」
を開設し、
サーネットワーク事業」
を2010年1月
携帯電話やスマートフォン、
PCから情報料無料でご利用いただけ
から開始しました。関東地域と静岡県の
るようにしました。今後は基地局以外へもセンサー
約300ヶ所に設置したセンサーで観測
を設置し、
より精度の高い環境情報を提供してい
した花粉の飛散情報などを提供する
く予定です。
サービスを第一歩として、現在では全
国約2,500ヶ所に観測拠点を構築。花
粉情報、温湿度・雨量・風向風速などの
WEB
25
フロンティアサービス部
環境事業推進・環境ビジネス担当
小野 香奈子
ウェブサイトでは下記テーマに関連する項目も報告しています。
ICTを活用した社会的課題解決への貢献・
・
・
・■ 医療・健康に関わるサービス・取組み ■ 環境・エコロジーに関わるサービス・取組み ■ 安心・安全に関わるサービス・取組み 社会貢献活動・
・
・
・■ 子どもを支援する活動 ■ 国際貢献活動 ■ 各支社の取組み
NTTドコモグループCSRレポート2011
TOPICS
2
携帯電話を活用したサイクルシェアリングサービスの事業化を推進
環境問題への関心の高まりなどを背景に、
欧州を中心にサイクル
発などに取り組んでいます。
この一環として、
2011年4月から横浜
シェアリングの普及が進んでいます。日本はまだ黎明期にあります
市が始めたサイクルシェアリングの社会実験に参画。携帯電話で
が、
ドコモは早くから事業化の検討を進めており、
携帯電話の機能
横浜市中心部19ヶ所のサイクルポートに設置された300台の自転
やネットワークを
車を予約・利用できるサイクルシェアリングサービスを提供してい
活用した自転車の
ます。
このサービスの開始後、
同エリアでは観光、
通
予約、貸し出し、返
勤、
買い物などの手段として自転車の利用が増加
却システムの開発
しており、
現在、
本格的な事業化をめざし、
実施エリ
や、
サイクルシェア
アの拡大やパートナーの開拓を進めています。
リングの利用を促
進するアプリの開
TOPICS
フロンティアサービス部
環境事業推進・エコロジービジネス担当 主査
武田 有紀
3
チャリティサイトを通じた被災地支援活動を実施
「被災地支援チャリティサイト」
の取組みは2010年6月に始め、宮
に、多くのお客様の善意が被災地支援に一日も早くつながるよ
崎県で発生した口蹄疫被害と東日本大震
う、寄せられた募金の寄付を受付期間中に随時実施し、2011年5
災においてサイトを開設しました。東日本
月末時点で約9億6,000万円を寄付先にお届けすることができ
大震災の
「被災地支援チャリティサイト」
で
ました。多くのお客様の温かいご支援に心から感
は、
「ドコモ ケータイ送金」
、各種チャリティ
謝するとともに、今後も社会の一員として、
こう
コンテンツ購入による募金のほか、
ドコモ
した活動を継続していきたいと考えています。
ポイントや
「DCMX」
(クレジットカード)
のお
支払いでの募金も利用できるようにしまし
た。また、募金受付期間を延長するととも
社会環境推進部 社会貢献担当 主査
豊田 一彦
NPO法人モバイル・コミュニケーション・ファンドの活動
幅広い分野で支援事業を展開
ドコモが設立したNPO法人モバイル・コミュニケーション・ファンド
(MCF)
は、子どもの育成活動を推進している団体への助成や、
アジ
アからの留学生に対する奨学金支給、移動通信技術に関する研究成果の顕彰など、
さまざまな支援活動を実施しています。
助成事業によって
将来を担う子どもたちの育成を支援
MCFでは、次世代支援活動で活躍する市民団体などへの助成
事業を行っています。2010年度は、小児がんと闘う子どもたち
とその家族の支援に取り組んでいるNPO法人チャイルド・ケモ・
ハウスをはじめ、54団体に総額2,448万3,020
円を助成しました。今後も社会の健全な発展
に貢献する活動を積極的に進めていきます。
小児がんと闘う子どもや
家族の生活の質の向上に注力
自らの命をもって大切なことを教えてくれ
た娘をはじめとする子どもたちとの闘病経
験をもとに、
ドコモの助成金で
「小児がんに
関わる全ての人の生活の質向上を目指し
た活動」
についての啓発イベントが開催で
きました。今後も、小児がんに関わる全て
NPO法人
の人の生活の質の向上を目指して、
さらに チャイルド・ケモ・ハウス
社会環境推進部 社会貢献担当 主査
檜佐 登
活動を展開していきたいと考えています。
萩原 雅美
様
NTTドコモグループCSRレポート2011
26
社員がいきいきと働けるように
社員の個性やワークスタイルを尊重して
働きがいのある職場環境づくりを推進
ドコモの事業やさまざまなCSR活動を担っているの
観を尊重する
「ダイバーシティの定着」
を3つの柱とし
は、一人ひとりの社員にほかなりません。その社員がい
て、働きがいのある職場環境整備に取り組んでいます。
きいきと働ける環境をつくることが、持続可能な社会づ
また、
これらを各種の人事制度にも反映させ、適材適所
くりへの貢献につながっていくとドコモは考えています。
の配置、能力開発の推進、適正な人事評価などを通じ
そうした考えのもとに、
ドコモでは
「女性のキャリア開
て、社員の能力と意欲を最大限に引き出すよう努めてい
発支援」
、仕事と私生活の両立を支援する
「ワークライフ
ます。
バランスの推進」
、性別、年齢、国籍といった属性や価値
1
TOPICS
社員と力を合わせモバイルの新たな文化と市場の創造に貢献
モバイルコンテンツビジネスに関するコンサルティングや調査を
い社内環境の整備や協力し合える社内風土づくりを進めてきまし
展開する
(株)
ドコモ・ドットコムの代表を、
2008年から務めていま
た。そして、
より重要なこととして、
当社のやるべきことと社員一人
す。それまで、
コンテンツ関連ビジネスの経験はありませんでした
ひとりの役割を、
期待感を込めて社員に伝え、
会社と社員の成長が
が、新しい分野に挑戦させてもらえたことに感謝するとともに、営
一体となるよう心がけてきましたが、逆に社員から何度も背中を
業部門で蓄積した知識
押してもらい、学ぶことも多くありました。今後も
や経験を当社の強みと
社員や社外のパートナー様とともに、
モバイルの
して加えることに注力し
新たな文化と市場の創造に貢献していきます。
てきました。また、
「社員
のやる気に応える」
会社
(株)
ドコモ・ドットコム 代表取締役社長
[現:
(株)
NTTドコモ 東北支社 山形支店長]
であるために、
働きやす
TOPICS
相沢 そのみ
2
在宅勤務制度を利用して仕事と育児の両立を実現
私は母国・中国を離れて日本の大学院を修了し、
ドコモに入社しま
務を達成できたかということも以前よりも正確に把握できるよう
した。以来、
基地局に設置するアンテナの研究開発に携わっていま
になりました。在宅勤務制度は、
仕事を続けながら家族や地域への
すが、
子育て期を迎えたこともあり、
2010年4月から在宅勤務制度
責任を果たしていくための
“セーフティネット”
のような存在です。
を利用しています。それまでは、職場から早く帰らなくてはならな
こうした制度をうまく利用することで、
かったり、学校の行事に参加できなかったりと、仕事と育児の両立
長期的な目標をしっかりと定め、自身
には難しい面がありました。
しかし、在宅勤務制度を活用すること
のキャリアを高めていきたいと考えて
で通勤に時間をとられることもなく、
その分育児に時間を充てるこ
います。
とができ、
業務の効率化も図れるようになりました。上司とは、
事前
に業務内容と到達点について認識を共有するとともに、業務の実
施結果を報告することにしており、
決められた時間内にどれだけ業
WEB
蒋 恵玲
ウェブサイトでは下記テーマに関連する項目も報告しています。
■ 人材の雇用・処遇 ■ 社員の能力開発の支援 ■ 人権啓発の推進 ■ ワークライフバランスへの配慮 ■ 心身の健康サポート ■ 社員とのコミュニケーション ■ 社員関連データ
27
先進技術研究所
アンテナ・デバイス研究グループ 研究主任
NTTドコモグループCSRレポート2011
ビジネスパートナーとともに
ドコモショップやお取引先との
良好な関係づくりに注力
全国各地にあるドコモショップは、多くのお客様とドコ
また、
ドコモでは、携帯電話メーカーや通信設備メー
モをつなぐ大切な接点です。そのためドコモでは、適正
カーなどのお取引先との公平で健全なパートナーシッ
な代理店契約を結び、製品・サービスや業務についての
プの維持に努めるとともに、
「NTTドコモCSR調達ガイド
ドコモショップスタッフの相談に年中無休で対応するサ
ライン」
を定め、調達段階における人権の配慮、労働慣
ポート体制や各種の教育研修体制を整備することで、
ド
行の順守、安全衛生の確保、環境保全の推進、公正取引
コモショップとともに個々のお客様のニーズにきめ細か
の徹底、製品品質・安全の確保、情報セキュリティの確
くお応えしています。
保、社会貢献の推進に取り組んでいます。
1
TOPICS
応対コンテストを実施して
ドコモショップスタッフのスキルを向上
コンテストで得た経験を活かして
お客様満足の向上を追求
ドコモショップスタッフのスキル向上を目的に、応対コンテストを
2010年度の応対コンテストで
「グラン
実施しています。
2010年度からは、従来個別に開催していた営
プリ」
をいただきました。案内全体の流
業部門、
テクノ部門の大会を合同開催し、お客様応対の見本とな
れを示した上で応対を進めたことや、地
る優良事例を幅広く共有できるようにしました。
元のなまりで温かみのある応対を心が
また、大会の様子を収録したDVDも作成し、全
けたことが評価されたのだと思います。
国のドコモショップへ配布しています。
コンテストでは他の参加者から学ぶこと
も多くありましたので、それらを日々の
販売部 代理店営業室 代理店支援担当
亀田 誠
TOPICS
ドコモショップ 青森西店
業務に活かし、お客様満足の向上に取り 副店長
組んでいきます。
兼平 美子 さん
2
ドコモショップで「スマートフォン電話教室」
を開始
ドコモでは、お客様に商品や
イメージを多く取り入れたお客様向けのテキストを用意し、わか
サービスをもっと知っていた
りやすい教室運営に努めています。お客様からは、
「わかりやす
だくために、
ドコモショップで
かった」
「また参加したい」
などの声を多数いただいています。今
電話教室を開催しています。
後は、お客様の利用シーンに合わせてテキストのバリエーション
2 0 1 0 年 度からはスマート
を増やし、教室をさらに活性化させ、
より多くのお
フォンのご購入を検討され
客様に受講していただきたいと考えています。
ている方や、すでにご利用いただいているお客様を対象に、
ウェ
ブやメール、
アプリの使い方などをご紹介する
「スマートフォン電
話教室」
も開始しました。
2011年3月末時点で、延べ4万人以上
のお客様に参加していただきました。教室の開催にあたっては、
WEB
販売部 代理店・ブランドショップ担当
須田 遊一
ウェブサイトでは下記テーマに関連する項目も報告しています。
■ドコモショップとともに ■ お取引先とともに
上記
「お取引先とともに」
のなかで、CSR調達に関する取組みを詳しく報告しています。
NTTドコモグループCSRレポート2011
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ドコモの概要
会社概要
社名
株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ
(NTTドコモ)
所在地
事業セグメント
〒100-6150
東京都千代田区永田町2丁目11番1号
山王パークタワー
資本金
事業内容
携帯電話サービス
(
「Xi」
サービス、
「FOMA」
携帯電話事業
サービス、
「mova」
サービス)
、パケット通信
サービス、
国際電話サービス、
衛星電話サー
ビス、
各サービスの端末機器販売など
9,496億7,950万円
(2011年3月31日現在)
社員数
(連結)
22,954名
(2011年3月31日現在)
主な事業内容
携帯電話事業を主な事業とし、
主要な事業内容は右記の通りです。
クレジットビジネス、通信販売、モバイル広
告販売、
ホテル向けインターネット接続サー
その他事業
ビスなど
(2011年3月31日現在)
2010年度の経営成績
営業収益
(売上高)
(億円)
50,000
47,881 47,118
40,000
営業利益
(億円)
44,480 42,844
42,243
8,000
6,000
20,000
4,000
10,000
2,000
2006
2007
2008
2010
2009
6,000
5,000
4,000
0
(年度)
携帯電話契約数
(FOMA+mova)
(万契約)
(億円)
10,000
30,000
0
当社に帰属する当期純利益
■■携帯電話契約数 ■■FOMA契約数
5,608 5,801
5,262 5,339 5,460 5,320
5,675
4,904
4,395
3,553
8,310
7,735 8,083
2006
2007
2008
2009
2010
2006
2007
2008
2010
2009
(年度)
2007
2008
2009
2010
(年度)
(億円)
1.0
1,200
0.78
0.80
1,000
0.50
0.6
0
2006
研究開発費
携帯電話解約率
0.46
993
1,000 1,008
2006
2007
1,099 1,091
800
0.47
600
400
0.2
1,000
0
(年度)
0.4
2,000
4,912 4,719 4,948 4,905
2,000
(%)
0.8
4,573
4,000
3,000
0
6,000
8,342 8,447
200
2006
2007
2008
2009
2010
(年度)
0
2008
2009
2010
(年度)
※ドコモの連結決算は、米国会計基準に基づいて作成しています。
CSRに関する社外からの評価
ドコモのCSRの取組みは、国内外の調査機関などから高い評価をいただいています。
モーニングスター社が国
英国のFTSE社が作成する
ドイツのイーコム・リサーチ
ベルギーに拠点を置くエティ
カナダ の 出 版 社コーポ
内上場企業のなかから社
世界の代表的な社会的責
社による企業責任の格付け
ベル社の社会的責任投資
レートナイツ社による
「世
会性に優れた企業150社
任投資指標
「FTSE4Good
で、
Telecommunications
「ETHIBEL EXCELLENCE」
界で最も持続可能な企業
を選定する社会的責任投
INDEX」
の構成銘柄に選定
業界リーダーの1社として
の構成銘柄に選定されてい
100社
(GLOBAL 100)
」
資株価指数「MS-SRI」に
されています。
ます。
に選定されています。
選定されています。
「Prime」
に選定されてい
ます。
(2011年3月31日現在)
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NTTドコモグループCSRレポート2011
社会の声を代表して ∼アドバイザリーボードメンバーからのご意見∼
東日本大震災の発生後、
ドコモは通信インフラを担う企業として、
その復旧復興や被災地支援の取組みを迅速に実施しました。これは
社内のコミュニケーションが活発だからこそできたことだと思いま
す。またそのなかで明らかになった自社の課題や今後講じるべき新
たな災害対策を詳しく報告している点は評価に値します。
ドコモは、
モバイル通信ネットワークの運用データをより良い社会づくりに活
用する
「モバイル空間統計」
の研究を進めていますが、
これは国内で
約5割という高いシェアを持っているからこそ可能な取組みだと言え
株式会社東芝 相談 役
西室 泰三 様
1961年東京芝浦電気株式会社
(現・株式会社
東芝)
入社。
1996年代表取締役社長、2000年
代表取締役会長に就任し、2005年より現職。
2005年より2010年まで株式会社東京証券取
引所グループ代表取締役社長、会長を歴任。そ
の他主な社外職歴として、社団法人日本アドバ
タイザーズ協会理事長、社団法人日本経済団
体連合会評議員会議長、財務省財政制度等審
ます。プライバシーの保護に十分配慮したうえで、ぜひ研究成果を
今後の災害対策に活かしていただきたいと思います。
私はドコモが掲げる4つのCSR重点テーマのうち、
最も重視すべき
は
「安心・安全」
への取組みであると考えます。
これまでの取組みを深
化させるのはもちろん、今後はグローバルにおいても安心・安全な
モバイル社会の実現に挑戦されることを期待しています。CSRを経
営の根幹に据えるドコモなら、
きっとそれが実現できるはずです。
議会会長、
IBM Corporation社外取締役など。
社会インフラを担う企業は、
「事業の健全な継続こそがCSRであ
る」
と東日本大震災を機に改めて感じました。
ドコモは、経営トップが
自ら先頭に立って行動し、社員一人ひとりに至るまで、そうした自社
の使命や責任を強く認識して取り組んでいますので、その事実を
もっと発信してもよいのではないでしょうか。そのことが社会に希望
を与え、
ひいては日本を元気にすることにもつながるはずです。
また、
「ケータイ安全教室」
などの啓発活動は、
今後も継続してくだ
さい。私は、
ユーザーが携帯電話にまつわるリスクを知り、
自己の責
作家
幸田 真音様
米国系銀行や証券会社で債券ディーラーなど
を経て、作家に転身。
『日本国債』
『 舶来屋』ほか
ベストセラー多数。
「サンデーモーニング」
「幸田
真音のIt's Mine!」
をはじめ、
テレビ・ラジオ番組の
コメンテーターやパーソナリティーとしても活
躍。前・政府税制調査会、財務省・財政制度等審
議会、国土交通省・交通政策審議会などの委員
任において携帯電話を使うことが本来のあり方だと考えますが、子
どもやお年寄りがトラブルなどに巻き込まれる現状を鑑みれば、啓
発活動も必要だと思います。もう一つ、青少年育成に関して言えば、
MCFによる若手研究者やアジアからの留学生の支援活動も大いに
意義があります。日本、そして世界の未来のために、
ドコモの長期的
な視野に立った活動に期待しています。
を歴任。現在NHK経営委員。
NTTドコモグループCSRレポート2011
30
NTTドコモCSR報告書2011
表紙 1-4
303
213
左
4C
A8X380D
CM
NTTドコモグループCSRレポート
2011
ドコモの使用済みパンフレット
などを再利用した「循環再生紙」
を使用しています。
株式会社NTTドコモ 社会環境推進部
〒100-6150
東京都千代田区永田町2丁目11番1号 山王パークタワー
TEL : 03-5156-1111 E-mail : [email protected]
URL : http://www.nttdocomo.co.jp/corporate/csr/
植物油インキを使用して印刷してい
ます。
見やすいユニバーサルデザインフォントを
採用しています。
色覚の個人差を問わず、
見やすい配色・表示と
なるよう配慮し、
NPO法人カラーユニバーサル
デザイン機構から認証を取得しています。
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