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研究実施計画書(本文) - 日本臨床研究支援ユニット

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研究実施計画書(本文) - 日本臨床研究支援ユニット
JAPF J-CHEARS Study protocol version 1.2
研 究 実 施 計 画 書
「高齢者高血圧コホート研究」
高齢者高血圧研究グループ
JAPF Japan Cohort of Hypertensive Elderly: Arterial Stiffness (J-CHEARS) Study
Ver. 1.2 (2004.9.17)
JAPF J-CHEARS Study protocol version 1.2
目的
多施設による高齢者臨床高血圧のコホート研究。Ⅰ群(初老期 50∼64 歳)、Ⅱ群(高齢前期 65∼74
歳)、Ⅲ群(高齢後期 75∼84 歳)、Ⅳ群(超高齢期 85 歳以上)に分類し、脳血管疾患、心疾患、その他
の末梢血管疾患の発症と死亡、そのほかに総死亡、悪性新生物の発症および死亡、要介護(認知機
能障害、ADL 低下)などを標的の対象とし、血圧値、PWV(脈波伝播速度)、他の危険因子との相関を
追跡する。
研究デザイン
多施設共同の中央登録方式による大規模臨床コホート研究。
対象者
1) 登録時 50 歳以上の日本人男女で、長期観察が可能であり、認知機能に障害がないもの。
2) 高血圧治療中の患者。脳血管障害、心筋梗塞などの合併症のない通院による長期観察可能な高
齢者本態性高血圧患者を対象とする。この場合、治療とは薬物治療を主体とするが、非薬物治療
にあるものも対象に含める。治療中の場合には血圧値は問わない。
3) 未治療の高血圧患者については、座位における収縮期血圧 140mmHg 以上 and/or 拡張期血圧
90mmHg 以上のものを対象とする。なお、この場合、機会を別にして少なくとも2回の診療でこの基
準を満たすものとする。
除外基準
1) 何らかの降圧薬に関する無作為治験の管理下にあるもの。ただし、服用降圧薬が明らかなもの
ならびに盲検治験終了後は対象としてよい。
2) 登録時に悪性腫瘍、閉塞性肺疾患、関節リウマチのいずれかがあり、長期服薬治療中のもの。
3) 腎不全(登録時血清クレアチニン 2.5mg/dl 以上)のもの。
4) 登録時、心房細動または粗動の既往が確認されているもの。心房細動のある患者については、
慢性、発作性にかかわらず全て除外する。
5) 登録時に弁膜症があり、薬物治療の管理下にある患者。弁膜症については、登録時に臨床的
に有意なもの(何らかの治療を必要とするもの)を除外する。
6) 登録時にインスリン治療中の糖尿病患者
7) 脳血管障害、狭心症、心筋梗塞、閉塞性動脈硬化症、(解離性)大動脈瘤の既往があるまたは
治療中の患者。
8) 二次性高血圧患者
9) その他、主治医が不適当と考える患者
標的イベント
一次エンドポイント
1) 脳血管障害:発症・死亡
2) 急性心筋梗塞、PCI・CABG 施行、心臓急性死
3) うっ血性心不全:発症・死亡
4) (解離性)大動脈瘤:発症・死亡
5) 閉塞性動脈硬化症:発症
二次エンドポイント
1) 総死亡
2) 悪性新生物の発症・死亡
3) 狭心症
4) ADL、認知機能低下
5) 大腿骨頸部骨折
6) 腎機能障害
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検査、調査項目
観察時期
登録時
12 ヵ月後
24 ヵ月後
36 ヵ月後
48 ヵ月後
60 ヵ月後
(STEP0)
(STEP1)
(STEP2)
(STEP3)
(STEP4)
(STEP5)
○
○
○
○
○
同意取得
○
身長
○
体重
○
栄養調査
○
身体活動調査
○
血圧・脈拍測定
○
○
○
○
○
○
家庭血圧測定
○
○
○
○
○
○
胸部レントゲン写真
○
○
○
○
○
○
心電図
○
○
○
○
○
○
PWV・ABI
○
○
○
○
○
○
服薬調査
○
○
○
○
○
○
生化学・血糖・尿検査
○
○
○
○
○
○
脳心血管イベント
悪性新生物の発症と死亡
総死亡
○
イベント発生次第、2 週間以内に適宜報告
大腿骨頸部骨折
腎機能障害
ADL、認知機能評価
(65 歳以上&適宜)
○
○
○
○
○
○
※ 各検査項目の詳細は以下の通り
PWV・ABI
・・・・・・心拍数、肢血圧(収縮期/拡張期)、Ankle Brachial Index(ABI)、
(右上下肢、左上下肢)、baPWV(上肢―下肢間)(左、右)
生化学・・・・・・・・・総コレステロール、HDL-コレステロール、中性脂肪(空腹時採血か随時採
血かを記載)、クレアチニン、尿素窒素、尿酸、Na、K、Cl 、総蛋白、アル
ブミン
血糖・・・・・・・・・・血糖値(空腹時採血か随時採血かを記載)、糖尿病の場合は HbA1c
およびインスリン値(空腹時のみ検査を行う)
尿検査・・・・・・・・・尿糖、尿蛋白、尿潜血
ADL、認知機能・・・・・ MMSE(Mini Mental State Examination)、Barthel index、Vitality index
(ADL、認知機能の調査は登録時については 65 歳以上、以後の調査は
痴呆の発症が疑われたときと、75 歳以上の対象者に実施する)
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目次
ページ
1 背景・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4
2 目的・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5
3 適格・除外条件・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5
4 研究方法・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6
5 インフォームドコンセント・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7
6 調査項目・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7
7 標的イベント・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 9
8 研究実施方法・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 10
9 中止・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 11
10 研究担当医師が作成する報告書・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 12
11 保存方法・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 13
12 費用・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 13
13 実施時期・期間・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 13
14 統計解析・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 14
15 倫理・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 14
16 研究組織・実施体制・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 14
17 研究発表・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 16
18 研究業務受託者・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 16
19 参考文献・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 16
Appendix 1
(高齢者高血圧研究フローチャート)・・・・・・・・・・・・・・ 18
Appendix 2-7
(登録票、経過報告票、中止脱落票、転帰調査票)・・・・・・・・ 19
Appendix 8
(診断基準)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 28
Appendix 9
(イベント票)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 31
Appendix 10-11 (問い合わせ票、詳細報告票)・・・・・・・・・・・・・・・・ 38
Appendix 12-13 (栄養調査票、結果返却票)・・・・・・・・・・・・・・・・・ 40
Appendix 14-15 (身体活動調査票、結果返却票)・・・・・・・・・・・・・・・ 45
Appendix 16
(MMSE、Barthel Index、Vitality Index)・・・・・・・・・・・
Appendix 17
(家庭血圧チェックシート)・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 50
Appendix 18
(説明文書、同意書)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 52
Appendix 19
(BP-103iⅡ検査手順書)・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 58
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1 背景
1-1
危険因子の評価
心血管疾患には様々な危険因子が関与している。喫煙の管理、脂質代謝異常、糖尿病の治
療などは、高血圧治療において重要であるが、特に耐糖能障害は加齢と共に顕著に増加し、大
動脈から微小血管までの血管障害の重要な要因となる。
脳血管障害や虚血性心疾患は、生活習慣病の代表とされるが、日常における栄養摂取や身
体活動を的確に評価する試みは従来の高血圧診療に欠けていた点である。高齢者高血圧の診
療に関しては、このような危険因子の包括的評価が重要であると考えられる。
1-2
高血圧管理に関するコホート研究
心血管疾患における診療ガイドラインの根拠となるのは、主としてフラミンガム・スタディのよう
な観察コホート研究の成績である。わが国でも久山町をはじめ様々な優れた研究があるが、こう
したコホート研究は一般に地域住民を対象としている。そこでは治療管理下にある高血圧患者
に関する詳しい情報を欠いている。心血管疾患の要因解明には治療管理下にある高血圧患者
のコホート研究も重要と思われる。
1-3
降圧薬療法
日本では現在、降圧療法に使用される降圧薬は非常に多い。臨床医が選択する降圧薬は主
に海外の evidence による影響が大きいと考えられるが、それでも欧米と比較すると若干の差異
があると考えられる。どのような降圧薬が実際に広く使用されているか、その心血管疾患予防効
果はどの程度のものか、75 歳以上の高齢者の降圧薬治療では、何が適正であるかに関しては
不明のことが多く、調査する必要があると考えられる。
1-4
血圧測定に関する問題点
高血圧診療に求められるのは患者の血圧の適正化であり、現在高齢者の高血圧治療の基
準は日本高血圧学会のガイドラインに示されている。しかしそれでもなお、高齢者高血圧の特
徴である収縮期高血圧や脈圧の開大、血圧変動の大きいこと、診察室高血圧など、適正な血
圧の維持および合併症の予防に難渋することがある。また、水銀血圧計で計測される血圧値に
は誤差が多く、適正な計測を行う際にはオシロメトリック法による自動血圧計の使用が専門家に
より推奨されている。診療時の血圧よりも家庭血圧を危険因子として重視する傾向もある。この
ように、血圧の測定法や適正な治療方針の統一、脈圧の評価、家庭血圧の測定により高血圧
の管理が行われる必要があると考えられる。
1-5
高齢者高血圧と動脈壁コンプライアンス
高齢者高血圧の特徴は、収縮期性高血圧が主体となる点にある。その要因は、大動脈など
の弾性動脈における血管壁コンプライアンスの低下にある。この低下が加齢にともなって顕著
となることにより、収縮期血圧や脈圧の上昇につながる。したがって動脈壁の硬化(大動脈伸展
性の低下)を考慮することが、高齢者高血圧の診療には不可欠である。近年欧米においても脈
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波伝播速度を用いたこうした研究が次第に増加しつつあるが、わが国ではその大規模研究を
欠いているのが実状である。
1-6
高齢者の死因と要介護状態
日本人の死因の 3 割は脳血管障害、虚血性心疾患などの心血管系疾患であり、その比率は
高齢になるとともに増加する。脳血管障害や虚血性心疾患の原因として、高血圧は非常に重要
である。今後介護を必要とする高齢者を減らすためにも、高齢者高血圧の適切な管理は重視さ
れねばならないであろう。
これらの疾患同様に重要なのは、生活機能、認知機能などの障害による要介護状態であり、
高齢社会に突入してますます介護が必要となる高齢者が増加していくことは言うまでもなく、今
後の保健医療における大きな課題となっている。
要介護状態となりうる可能性の多い悪性新生物、骨折、痴呆などの疾患についての調査を行
うことが重要であると考えられる。
2 目的
本研究プロジェクトは、多施設による臨床高齢者高血圧のコホート研究である。その第一の
目的は、血圧値とともに動脈壁の硬化 arterial stiffness を考慮してその意義を明らかにする点
にある。そのためには対象と方法の標準化を図ることが必要である。また心血管疾患発症に関
する他の危険因子と降圧薬治療も検討して、その関与を明らかにする。
標的は脳血管障害、虚血性心疾患、その他の末梢血管疾患の発症と死亡である。そのほか
に総死亡、悪性新生物の発症および死亡、要介護(認知機能障害、ADL 低下)なども標的とさ
れる。これらを長期追跡することで、関係する様々な危険因子を明らかにできる。
本研究は、わが国では初めての高齢者大規模臨床コホート研究である。その成果はわが国
高齢者高血圧診療の適正化に資するところが大きいものと思われる。
3 適格・除外条件
3-1 対象者
50 歳以上の自立した日本人男女で、通院可能であり、服薬などの管理能力があり、認知機
能に障害がないものとする。全体をⅠ群(初老期 50∼64 歳)、Ⅱ群(高齢前期 65∼74 歳)、Ⅲ
群(高齢後期 75∼84 歳)、Ⅳ群(超高齢期 85 歳以上)と 4 群に分ける。
1) 登録時 50 歳以上の日本人男女で、長期観察が可能であり、認知機能に障害がない者。
2) 高血圧治療中の患者。脳血管障害、心筋梗塞などの合併症のない通院による長期観察可能
な本態性高血圧患者を対象とする。この場合、治療とは薬物治療を主体とするが、非薬物治
療にあるものも対象に含める。治療中の場合には血圧値は問わない。
3) 未治療の高血圧患者については、座位における収縮期血圧 140mmHg 以上 and/or 拡張期
血圧 90mmHg 以上のものを対象とする。なお、この場合、機会を別にして少なくとも2回の診
療でこの基準を満たすものとする。
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3-2
除外基準
1) 何らかの降圧薬に関する無作為治験の管理下にあるもの。ただし、服用降圧薬が明らかなも
のならびに盲検治験終了後は対象としてよい。
2) 登録時に悪性腫瘍、閉塞性肺疾患、関節リウマチのいずれかがあり、長期服薬治療中のも
の。
3) 腎不全(登録時血清クレアチニン 2.5mg/dl 以上)のもの。
4) 登録時、心房細動または粗動の既往が確認されているもの。心房細動のある患者については、
慢性、発作性にかかわらず全て除外する。
5) 登録時に弁膜症があり、薬物治療の管理下にある患者。弁膜症については、登録時に臨床
的に有意なもの(何らかの治療を必要とするもの)を除外する。
6) 登録時にインスリン治療中の糖尿病患者
7) 脳血管障害、狭心症、心筋梗塞、閉塞性動脈硬化症、(解離性)大動脈瘤の既往があるまた
は治療中の患者
8) 二次性高血圧患者
9) その他、主治医が不適当と考える患者
4 研究方法
4-1
研究の種類
多施設共同の中央登録方式による大規模臨床コホート研究。
4-2
デザイン
〔群の構成〕 Ⅰ群(初老期 50∼64 歳)
Ⅱ群(高齢前期 65∼74 歳)
Ⅲ群(高齢後期 75∼84 歳)
Ⅳ群(超高齢期 85 歳以上)
4-3
対象者の登録方式
研究事務局である高齢者高血圧研究事務局(以下「事務局」)に対して、中央登録方式に
よる対象者の登録を行う。
4-4
対象者の登録
担当医師は、対象候補者が選択基準に適合し除外基準に抵触しないことを確認の上、文
書にて研究参加の同意を取得の後、登録を開始する。
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5 インフォームドコンセント
5-1
説明
担当医師は対象者本人に本研究の開始にあたって、下記の内容について説明する。
説明・同意文書(Appendix 18)は説明の前、または説明するときに対象者本人に手渡す。
1) 研究の目的、方法(研究の研究的側面)。
2) 費用負担が増えることはないこと。
3) この臨床研究への参加は自由で、参加しなくても不利益は受けないこと。
4) この臨床研究へ参加した場合でも、いつでもやめられること。
5) 治療方針は全て診療のガイドラインに従って行われるものであり、この研究に参加したこ
とにより治療方針に影響を与えることがないこと。
6) 登録を行った後に、除外条件にあてはまる事象が判明した場合、中途で不適格となるが
あること。
7) 死亡以外のイベントが発生しても可能な限り追跡を続けること。
8) プライバシーや医療情報は守秘されること。
9) 本研究の研究期間中にイベント評価委員会による原資料(カルテ、心電図、胸部レントゲ
ン写真、検査データ等)の調査が行われることがあること。
5-2
同意の取得
説明を行った後に、対象者が研究の内容をよく理解したことを確認した上で、登録時の検査
前に研究への参加について文書にて同意を得る。研究参加に同意が得られた場合は、説明文
書最終ページに添付した同意書に自署による署名を得る。
5-3
同意書の保管・管理
担当医師は同意説明文書および同意書の複写 2 枚目を対象者に手渡す。また、同意書の1
枚目は診療録に添付して保管する。
6 調査項目
6-1 対象者の登録に際しては、以下に示すデータの収集を行う。詳細は 8-6 の表を参照のこと。
6-1-1
問診に際して調査するもの
以下の項目については、登録時において調査を行い、別添えの症例報告書に記載する。
1) 性別、生年月日
2) 既往歴、家族歴
3) 現病歴(高血圧歴)
4) 服用中薬剤(降圧薬、抗高脂血薬、抗血小板薬、糖尿病薬)
5) 喫煙歴(1 日本数、喫煙年数)
6) 飲酒歴
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以下の項目については、指定のアンケート用紙を対象者自身(あるいは代理人)が記載する。この
調査に関しては後日、各対象者にその調査に基づいた結果返却票が作成され、外来にて手渡さ
れる(希望施設のみで実施)。
1) 栄養調査 (Appendix 12-13)
2) 身体活動調査(Appendix 14-15)
登録時 65 歳以上の対象者においては、以下の ADL、認知機能障害に関する調査を行う。
以後の追跡調査は、担当医師の判断で痴呆の発症が疑われたときと、75 歳以上に対して実施す
る。(登録時、調査の行えなかったものについても登録は行う。その際は未実施と調査票に記載す
る。)
1) MMSE(Mini Mental State Examination)(Appendix 16)
2) Barthel index (Appendix 16)
3) Vitality index (Appendix 16)
6-1-2 身体所見
1) 身長、体重
身長の計測を登録開始時(=STEP0)において、体重の計測を登録開始時(=STEP0)およ
び 1 年毎の各観察時期(=STEP1∼5)において行う。
2) 外来における収縮期血圧、拡張期血圧、脈圧、平均血圧、心拍数
®
各観察時期において、外来受診時に日本コーリン社製オシロメトリック自動血圧 103iⅡ に
より計測するものとする。座位安静保持の後に、カフ位置は心臓の高さとし、複数回における
安定した 2 回の計測を外来での収縮期血圧、拡張期血圧、脈圧、および平均血圧とする。心
拍数はこの際に自動血圧計に表示された 2 回の心拍数を記録する。脈圧、平均血圧は各々
につき、症例報告書に記載されたデータを基に事務局にて解析する。
®
なお、日本コーリン社製オシロメトリック自動血圧計 103iⅡ は、別紙(Appendix 19)の方法
により年 1 回精度の検定を行うものとする。
3) 家庭血圧
家庭血圧は、外来受診前もしくは後の連続した 5 日間にわたり上腕カフオシロメトリック法
により測定する。測定時間は、起床後 1 時間以内(朝食前、朝の内服前、排尿後)および就寝
前とし、本研究では、起床後測定の 1 回目の血圧値を必須項目とする。(朝晩 2 回目の測定
値については任意で提出する。)測定値および測定に使用した血圧計については、別紙の血
圧チェックシート(Appendix 17)に対象者が記入し、症例報告書とともに提出する。(記載要
項が充たされていれば、独自の書式でも可。)使用する機種については、研究期間中可能な
限り一定にする。
6-1-3 検査所見
8/60
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1) 血液生化学検査
以下の項目について登録時(STEP0)および各観察時期(STEP1∼5)において検査を行い、
所定の調査票に記入する。(検査値については、登録前 3 ヶ月、後 3 ヶ月くらいまでのものを
適用可能とする。)
(1) 血液生化学検査・・・総コレステロール、HDL-コレステロール、中性脂肪(空腹時採血か
随時採血かを記載)、クレアチニン、尿素窒素、尿酸、Na、K、Cl 、
総蛋白、アルブミン
(2) 血糖検査・・・・・・・・・血糖値(空腹時採血か随時採血かを記載)。HbA1c、インスリン値
(空腹時採血の場合のみ検査を行う)については、糖尿病の場合
のみ計測・記載する。
(3) 尿一般検査・・・・・・・尿糖、尿蛋白、尿潜血
2) 胸部レントゲン写真
全例に対して登録時および各観察時期に胸部レントゲン写真(立位正面像 P→A)を実施
する。大動脈石灰化の有無の評価、心胸郭比の計測を行う。
3) 心電図
全例に対して登録時および各観察時期において安静時 12 誘導心電図を実施する。高電
位差、ST 変位、T 変化、異常 Q 波、脚ブロックの有無につき評価を行う。
6-1-4 動脈壁硬化マーカーの測定
全例に対して登録時におよび各観察時期において動脈壁硬化マーカーの測定を実施する。
®
測定は日本コーリン社製フォルム PWV/ABI を用いて行われる。室温(理想は 22∼23℃)
の部屋で、安静を 5 分間保持した後に計測する。 計測項目は以下の通りとする。
1)心拍数
2)肢血圧(収縮期/拡張期)
3)Ankle Brachial Index (ABI)(右上下肢、左上下肢)
4)baPWV(上肢―下肢間)(右足、左足)
7 標的イベント
7-1
イベントの診断、判定
エンドポイントとされたイベントについては、担当医師により本研究によって定められた診断
基準(Appendix 8)に従って診断を行う。イベント発生時には「イベント票」(Appendix 9)に記
入した上で、発生後 2 週間以内に事務局に FAX にて送付する。その後、送付された結果を基
にイベント評価委員会により判定が行われる。
イベントについて詳細な調査の必要があると判定した場合には、「問い合わせ票」(Appendix
10)により担当医師に問い合わせ、担当医師は「詳細報告票」(Appendix 11)にてその返答を
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記載し、郵送にて事務局に送付する。
7-2 一次エンドポイントは以下の通りとする。
1) 脳血管障害:発症・死亡
2) 急性心筋梗塞、PCl・CABG 施行、心臓急性死
3) うっ血性心不全:発症・死亡
4) (解離性)大動脈瘤:発症・死亡
5) 閉塞性動脈硬化症:発症
7-3
二次エンドポイントは以下の通りとする。
1) 総死亡
2) 悪性新生物の発症および死亡
3) 狭心症
4) ADL、認知機能低下
5) 大腿骨頸部骨折
6) 腎機能障害
8 研究実施方法
8-1
症例の登録申請
担当医師は対象候補者が適格条件を満たし、除外条件に抵触しないことを確認の上、文書
にて研究参加の同意を取得する。その後、「登録申請票(Appendix 2)」に必要事項を記入し、
FAXにて事務局に送付する。対象選択においては、バイアスが生じないように配慮する。
8-2
症例の登録
事務局は、送付されてきた「登録申請票(Appendix 2)」の内容から対象者が選択基準に適
合し、除外基準に抵触しないことを確認の上、対象者の登録処理後、登録番号をデータ入力
した「登録受付票(Appendix 3)」を担当医師にFAXで送信する。不適格と判定された場合は
登録できない旨を担当医師に連絡する。
8-3
登録確認と STEP0(登録時)調査票
担当医師は「登録受付票(Appendix 3)」の内容を確認の上、必要事項を「STEP0(登録時)
調査票(Appendix 4)」に記入、記名捺印の上で、事務局に所定の封書にて郵送する。
8-4
研究期間中の調査票
登録開始後は、STEP1∼STEP5 の各観察時期において担当医師は対象者に対して問
診・診察・検査を施行の上、必要事項を「経過報告票(STEP1、STEP2、STEP3、STEP4、
STEP5)」に記入、記名捺印の上、事務局に所定の封書にて郵送する。
8-5
イベントの報告
10/60
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エンドポイントとなるイベントの発生が起こった場合は、イベント確認後 2 週間以内に「イベ
ント票(Appendix 9)」に必要事項を記入の上、FAX にて事務局に送付する。
検査、調査項目および時期一覧
8-6
観察時期
登録時
12 ヵ月後
24 ヵ月後
36 ヵ月後
48 ヵ月後
60 ヵ月後
(STEP 0)
(STEP 1)
(STEP 2)
(STEP 3)
(STEP 4)
(STEP 5)
○
○
○
○
○
同意取得
○
身長
○
体重
○
栄養調査
○
身体活動調査
○
血圧・脈拍測定
○
○
○
○
○
○
家庭血圧測定
○
○
○
○
○
○
胸部レントゲン写真
○
○
○
○
○
○
心電図
○
○
○
○
○
○
PWV・ABI
○
○
○
○
○
○
服薬調査
○
○
○
○
○
○
生化学・血糖・尿検査
○
○
○
○
○
○
脳心血管イベント
悪性新生物の発症と死亡
総死亡
大腿骨頸部骨折
腎機能障害
○
ADL、認知機能評価注)
○
イベント確認後、2 週間以内に適宜報告
○
○
○
○
○
いずれも登録時または各観察時期の前 3 ヶ月、後 3 ヶ月程度以内に診察または検査を行うこととする。
ただし、通常の外来診療にて他に必要と考えられる検査、処置等は適宜行われるものとする。
注)
登録時は 65 歳以上を対象に調査を実施する。以後の追跡調査は、担当医師の判断で痴呆の発症が
疑われたときと 75 歳以上に対して実施する。
9 中止
9-1
下記事項に該当する場合には、担当医師は研究を中止する。中止した場合にはその時点にお
ける評価を行う。
1)対象者が死亡したとき
2)対象者が中止を申し出た場合
3)転院等により通院での追跡が不能となった場合(9-3 を参照のこと)
11/60
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中止をした場合は、「中止脱落票(Appendix 6)」に必要事項を記入した上で、2 週間以内に FAX
9-2
にて事務局に送付する。
9-1 において 3)に該当するもの(対象者が転院等により通院での追跡が不能となった場合)に
9-3
ついては、各観察時期に「転帰調査票(Appendix 7)」にその後の転帰を記入し、事務局に郵送す
る。
9-4
死亡以外のイベントの発生があった際には、中止せずイベント票を 2 週間以内に FAX にて事
務局に送付する。この際には通常通り「経過報告票(Appendix 5)」により、研究を継続するものと
する。
10 研究担当医師が作成する報告書
10-1 報告書の定義
登録申請票、登録受付票、STEP0(登録時)調査票、経過報告票(STEP1、STEP2、
STEP3、STEP4、STEP5)、中止脱落票、転帰調査票、イベント票、詳細報告票
10-2
報告書の作成および報告
担当医師は、報告書を本実施計画書に従って作成し、記名捺印の上、事務局に提出し、そ
のコピーを施設にて保管する。
10-3
報告書の変更または修正
担当医師は提出した報告書の記載内容を変更、または修正する場合は、報告書のコピー
に訂正の上、事務局に郵送し、そのコピーを施設にて保管する。
10-4
報告書記入における注意事項
報告書への記載は、ボールペン等の消えないもので記入する。訂正の際は、訂正内容が判
るように二重線で消し、訂正の日付を記載して署名または訂正印を押印する。
報告書の作成に当たっては、対象者のプライバシー保護に十分配慮し、対象者の特定は生
年月日、性別と登録番号で行う。
10-5
報告書等の種類および報告時期、報告方法
1) 担当医師から高齢者高血圧研究事務局への報告書
登録時
① 登録申請票
FAX
② STEP0(開始時)調査票
郵送
③ 栄養調査質問紙(実施施設のみ)
郵送
④ 身体活動量質問紙(実施施設のみ)
郵送
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一年毎の各観察時期
適宜
① 経過報告票(STEP1∼5)
郵送
② 転帰調査票(必要時のみ)
郵送
① 中止脱落票(中止時のみ)
FAX
② イベント票(適宜)
FAX
③ 詳細報告票(必要時)
郵送
(問い合わせ票に対する回答書)
2)事務局から担当医師への報告
登録時
登録受付票
FAX
適宜
問い合わせ票
郵送
11 保存方法
対象者の同意に関する記録、報告書作成のための基礎データ(検査データ等)、倫理委員会の承
認書、医療機関において作成された記録文書については、担当医師が保管する。研究実施計画書
については施設における研究代表者が保管する。保管期間は、研究の中止もしくは終了後 5 年を経
過した日までとする。
12 費用
12-1
研究費
本研究は、高齢者高血圧研究グループ推進委員会によって立案、企画され、研究実施機
関により実施される。研究費は、公益信託日本動脈硬化予防研究基金によって助成される。
12-2
対象者診療費用
本研究は大規模臨床コホート研究であり、診療方針に関しての介入は行われない。診療費
用は全て保険診療内で行われる。診療行為内の調査であるので、研究グループとしての補
償は行わない。
13 実施時期・期間
13-1
パイロットスタディ
初年度は研究業務の円滑な運営の確認及びその方法を検討するために、指定された施設
においてのみ施行されるパイロットスタディとして、平成 16 年 1 月 1 日より平成 16 年 12 月
31 日までに登録を行う。追跡期間は 5 年間とする。平成 16 年 6 月、11 月の時点で、登録件
数、問題点などを明らかにし運営の推進に関する検討を行う。この際、研究の中止を決定す
ることもありうる。中止を決定した場合、対象者の取り扱い等を検討する話し合いを持つ。
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13-2
本研究
本研究は 2 年目である平成 17 年 1 月 1 日より平成 17 年 12 月 31 日を登録期間とする。
追跡期間は 5 年間とする。
14 統計解析
14-1
解析計画
本研究における主要な統計解析の計画は別に定める。解析については研究統計家におい
て施行され、それぞれのエンドポイントに対するリスク要因との関連を層別化並びに統計解析
モデルを使用し行う予定である。
15 倫理
15-1
ヘルシンキ宣言、疫学研究の倫理指針および実施計画書の遵守
本研究は、ヘルシンキ宣言の精神、疫学研究の倫理指針および当該実施計画書を遵守し
て実施する。
15-2
倫理委員会
本研究を実施するにあたっては、各医療機関にて開催される倫理委員会において、本研究
の倫理性を検討する。本実施計画書は各実施医療機関の研究代表医師より医療機関の長
を通じて、倫理委員会へ提出され承認を得なければならない。
15-3
倫理委員会が設置されていない施設
自施設内に倫理委員会が設置されていない施設については、東京大学で一括申請の手続
きを行う。
16 研究組織・実施体制
16-1
研究代表者
当研究の運営に責任を持ち、研究を円滑に推進するため、各委員会間の調整等を行う。
東京大学大学院医学系研究科 加齢医学
16-2
大内 尉義
顧問
研究の推進・実行に関し、研究代表者に助言を与える。
16-2
東北大学名誉教授、仙台社会保険病院名誉院長
阿部 圭志
東京都老人医療センター名誉院長
小澤 利男
独立行政法人国立病院機構理事長
矢崎 義雄
研究推進委員
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研究推進委員は以下の業務にあたる。
・研究の円滑な運営を行うために、各参加医療機関との連絡にあたる
・研究の実施計画書の改定および最終決定
・各報告書・同意文書等の改定および最終決定
・登録例取り扱いの決定
16-3
東京大学大学院医学系研究科加齢医学
大内 尉義(委員長)
東京大学大学院医学系研究科 生物統計学
大橋 靖雄
東京都老人医療センター 循環器科
桑島
東京大学大学院医学系研究科 加齢医学
小島 太郎
自治医科大学 循環器内科
島田 和幸
東北労災病院 予防医療センター
宗像 正徳
東京医科大学 内科学第二講座
山科
巌
章
イベント評価委員
本研究が別に定めた「イベント評価基準」に基づき、エンドポイントとされるイベントの評価、
最終診断を行う。
脳血管障害
筑波大学 心身障害学系
飯島
節
東京都老人医療センター 循環器科
桑島
巌
急性心筋梗塞、狭心症、うっ血性心不全
自治医科大学 循環器内科
島田 和幸
東京医科大学 内科学第二講座
山科
章
(解離性)大動脈瘤、閉塞性動脈硬化症
16-4
東京大学大学院医学系研究科 加齢医学
大内 尉義
東京大学大学院医学系研究科 外科学専攻
重松
宏
研究統計家
統計専門家として本研究の統計的側面に責任を持ち、データの解析にあたる。
東京大学大学院医学系研究科 生物統計学
大橋 靖雄
16-5 高齢者高血圧研究事務局
住
所:東京都文京区湯島 1-2-13
西山興業御茶ノ水ビル 3F
NPO 日本臨床研究支援ユニット内
電
話:03-5297-6258
ファックス:03-5297-6259
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17 研究発表
17-1 論文発表
1)全体の研究
研究全体の研究結果についてはグループ名(高齢者高血圧研究グループ)で発表を行う。論
文作成の実務担当者は、委員会で決定する。論文末には、論文作成実務担当者、研究推進委
員、各研究施設一覧を掲載する。
2)テーマ別グループ研究
参加グループから提案された特定の検査・観察項目、オプションの検査・観察項目による研
究、特定の仮説に関する研究は、個別研究として委員会の承認のもとに実施できる。その結果
については、数名の貢献者の名前にグループ全体名をつけ発表を行う。論文末に研究データを
提供した各研究施設名一覧を掲載する。
17-2 学会発表
論文発表の形式に準じる
17 研究業務受託者
18-1
高齢者高血圧研究グループは研究の推進を図るため、研究に参加する各研究参加医療機
関の承認を得た上で、研究の援助を行う研究業務受託者と委受託契約を結ぶことができる。
19 参考文献
1. Vokonas PS, Kannel WB, Cupples LA: Epidemiology and risk of hypertension in the elderly:
the Framingham Study. J Hypertens Suppl. 1988;6(1):S3-9.
2. Omura A, Fujishima M: Prognosis and outcome of elderly hypertensives in a Japanese
community: results from a long-term prospective study. J Hypertens 1988;6:991-997
3. Arima H, Tanizaki Y, Kiyohara Y, Tsuchihashi T, Kato I, Kubo M, Tanaka K, Ohkubo K,
Nakamura H, Abe I, Fujishima M, Iida M.: Validity of the JNC VI recommendations for the
management of hypertension in a general population of Japanese elderly: the Hisayama study.
Arch Intern Med. 2003;163(3):361-6.
4. 日本高血圧学会高血圧治療ガイドライン作成委員会:高血圧治療ガイドライン 2000 年版(JSH
2000): 59-66
5. Verdecchia P, Schillaci G, Borgioni C, Ciucci A, Pede S, Porcellati C. Ambulatory pulse
pressure: a potent predictor of total cardiovascular risk in hypertension. Hypertension.
1998;32(6):983-8.
6. Imai Y, Nagai K, Sakuma M, Sakuma H, Nakatsuka H, Satoh H, Minami N, Munakata M,
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Hashimoto J, Yamagishi T, et al.Ambulatory blood pressure of adults in Ohasama, Japan.
Hypertension. 1993;22(6):900-12.
7. Blacher J, Asmar R, Djane S, London GM, Safar ME. Aortic pulse wave velocity as a marker
of cardiovascular risk in hypertensive patients. Hypertension. 1999;33(5):1111-7.
8. Orwoll ES, Bevan L, Phipps KR. Determinants of bone mineral density in older men.
Osteoporos Int. 2000;11(10):815-21.
9. Yoshitake T, Kiyohara Y, Kato I, Ohmura T, Iwamoto H, Nakayama K, Ohmori S, Nomiyama
K, Kawano H, Ueda K: Incidence and risk factors of vascular dementia and Alzheimer's
disease in a defined elderly Japanese population: the Hisayama Study. Neurology.
1995;45(6):1161-8.
10. Imai Y, Abe K, Sasaki S, Minami N, Munakata M, Sakuma H, Hashimoto J, Sekino H, Imai K,
Yoshinaga K.: Clinical evaluation of semiautomatic and automatic devices for home blood
pressure measurement: comparison between cuff-oscillometric and microphone methods. J
Hypertens. 1989;7(12):983-90.
11. Ito H, Ouchi Y, Ohashi Y, Saito Y, Ishikawa T, Nakamura H, Orimo H.: Events in the elderly:
The Pravastatin Anti-atherosclerosis Trial in the elderly(PATE). J Atherosclerosis and
Thrombosis. 2001;8:33-44
12. 日本高血圧学会:家庭血圧測定条件設定の指針. 2003:7-24
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Appendix 1
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Appendix 2
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Appendix 3
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Appendix 7
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Appendix 8-1
診断基準(イベントの定義)
Ⅰ)用語の定義
1. 心虚血性胸痛:深部または内臓性と感じる 30 分以上持続する胸骨下の高度な痛み。
2. 心電図(ミネソタコードで分類)
A
確定診断の基準
下記のいずれかに該当する場合。
(1) 定型的 Q ないし QS pattern(code 1-1)
(2) Q ないし QS pattern(code 1-2-1 to 1-2-7)に加え、いずれかの T 波所見(code 5-1 to 5-3)
心室内伝導障害がある場合は(1)を適用
B 疑いの基準
下記のいずれかに該当する場合。
(1) Q ないし QS pattern(code 1-2-1 to 1-2-7)
(2) S-T 接合部および S-T 部分低下(code 4-1 to 4-3)
(3) T 波所見(code 5-1 to 5-2)
(4) 左脚ブロック(code 7-1)
3. 酵素
A 確定診断の基準(以下の条件の全てを満たす)
(1) CK、GOT(AST)、または LDH がイベント時に測定されている
(2) 上記の酵素の 1 種類以上が当該施設の正常上限の 2 倍以上
(3) トロポニン T 値を測定している場合、その測定値の上昇を認めた
B 疑いの基準
(1) CK、GOT(AST)、または LDH がイベント時に測定されている
(2) 1 種類以上の測定された酵素値が当該施設の正常範囲より上昇しているが確定診断の基準を満
たさない
Ⅱ)エンドポイント
1. 致死性心筋梗塞
A 下記のいずれか 1 つでも該当する場合を致死性心筋梗塞とする。
(1) 心筋梗塞の確定診断または疑いが最終入院理由
(2) 既往に狭心症の確定診断、心筋梗塞の確定診断または疑いを有し、死因が心筋梗塞以外考えら
れないもの
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Appendix 8-2
B 突然死
下記の 3 つ全て満たす場合を突然死と定義する。
(1) 重篤な症状の出現後 1 時間以内に死亡、または最後に会った人によりその際は無症状であったこと
が確認されている死亡
(2) 死にいたる可能性のある急性または慢性の冠動脈疾患以外の疾患の所見がない
(3) 死亡前 24 時間以内に病気のために自宅に拘束、病院に入院、またはその他の施設に入所しなか
った人に生じた「予期しなかった」死亡
2. 非致死性心筋梗塞
下記のいずれかに該当する場合を致死性心筋梗塞とする。
(1) イベント時の確定診断基準を満たす心電図所見
(2) 心虚血性胸痛および確定診断基準を満たす酵素値
(3) 心虚血性胸痛および疑いの基準を満たす酵素値および疑いの基準を満たす心電図所見
(4) 以前の心電図所見で前回記録時に認めなかったが、心筋梗塞の確定診断基準を満たす心電図所
見が新たに認められた場合
3. 狭心症
以下の A、B のいずれかに該当する場合を狭心症とする。
A.以下の症状をすべて満たす場合
(1) 胸骨のいずれかの部位を含む痛み、不快感、あるいは絞扼感
(2) 労作時やストレス時に出現し、通常 30 秒以上持続する
(3) ほとんどの場合、安静ないし労作を軽減してから 10 分以内に症状が消失する
(4) 通常、ニトログリセリンにより 2∼5 分以内に改善する(ただし、この基準はニトログリセリンを使用した
ことがない場合は適用しない)
B.症状を認めない場合
観察期間内に狭心症の診断や治療のために入院を要し、冠動脈硬化性狭心症と診断された(ただし、
異型狭心症の診断は除く)
4. 閉塞性動脈硬化症
以下の診断基準のうち一つ以上を認める。
(1) 血管性間歇性跛行
(2) 大腿動脈拍動の片側性の消失ないし微弱
(3) 足背動脈および後脛骨動脈拍動の片側性の消失ないし微弱
(4) 足背動脈 and/or 後脛骨動脈拍動の両側性の消失ないし微弱
(5) Ankle pressure index(API)(または Ankle Brachial index(ABI))<0.8
(6) 血管造影で動脈狭窄を認める
(7) 下腿壊疽または潰瘍
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Appendix 8-3
5. 脳血管障害
以下の診断基準を全て満たす。
(1) 最近出現し、明確で他覚的な局所神経欠損所見が確認された
(2) 所見が 24 時間以上持続した
(3) 神経学的所見は頭蓋外の障害に起因しない
(4) 発症 3 週間以内の CT ないし MRI または剖検記録で、脳血管障害が脳出血、脳梗塞ないしくも膜下
出血のいずれかに分類できる場合
脳梗塞は、CT 所見が正常、あるいは臨床所見から予測される部位に梗塞が認められたもの、あるい
は剖検で脳梗塞であることが確認できたもの
脳出血およびくも膜下出血は CT または MRI 所見で得られた所見または剖検に基づいて分類し、脳梗
塞急性期や脳腫瘍が出血に転じた症例は除く
6. 一過性脳虚血発作
確定診断基準には以下の全てを満たすことが必要。
(1) 局所神経欠損症状の突然の発症歴
(2) 症状の持続時間は 24 時間未満
(3) どのようなものであれ、医師により記録された客観的な所見があり、それが 24 時間以内の消失
(4) 心房細動または粗動、過去 2 ヶ月以内に発症した心筋梗塞、僧帽弁狭窄、低血糖、外傷あるいは不
整脈など、一過性の局所神経欠損症状を起こす可能性のある疾患が存在しない
7. うっ血性心不全
入院による治療を必要とするうっ血性心不全。
8. 大動脈瘤、大動脈解離
症状および CT または MRI による明確な根拠をもとに診断する。
9. 大腿骨頚部骨折
レントゲン写真上、大腿骨頚部骨折が確認できる。
10. 腎機能障害
以下の診断基準のいずれかを満たした場合にイベントとする。
(1) 末期腎不全(透析導入または腎移植が必要)となった場合
(2) 腎不全死
11. 悪性新生物
症状および検査所見による明確な根拠をもとに診断する。
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Appendix 9-1
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Appendix 19-1
BP-103iⅡ検査手順書
テストモードの起動方法と各点検項目への入り方を明記します。
1. テストモードの起動方法は以下の手順にて行ってください。
(1)電源スイッチを押して電源を入れます。
(2)モード設定のツマミを【通常測定】カフ圧設定のツマミを【180】に設定します。
(3)一旦、電源を切ります。
(4)スタート/ストップスイッチを押しながら電源を入れ、最低血圧表示部にバージョン NO.が
表示したらスイッチから手を離します。
(5)モード設定のツマミを切り替えることにより、各点検項目に入ることができます。
2. 圧力テスト
【必要機材】
水銀柱、Y字管、ゴム球、治具コネクタ
【検査手順】
(1) 被検査機、水銀柱、ゴム球をY字管にて接続します。
(2) 被検査機背面の外部入出力端子(RS-232C)に接続します。
(3) 水銀柱のコックを倒し、タンクからガラス管に水銀が流れることを確認します。
(4) 被検査機をテストモードで起動します(1.を参照してください)。
(5) カフ圧設定のツマミを【260】に設定します。
(6) スタート/ストップスイッチを押して検査を開始します。
(7) 加圧後モーターが停止したら、ゴム球のツマミを緩めて開放状態(0mmHg)にします。
(8) 次に、ゴム球のツマミを閉めます。ゴム球を押して加圧し、水銀柱の圧力値とその
ときの被検査機の値を読みます。
(9)水銀柱が以下の値のとき、被検査機の値が規格内に入っているか確認します。
水銀柱
;300、150、0mmHg
被検査機;300±6、150±6、0±0mmHg
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Appendix 19-2
3.漏気テスト
【必要機材】
ダミー缶(ネオ)、治具コネクタ
【検査手順】
(1) 被検査機背面のカフ接続部に、ダミー缶(ネオ)を接続します。
(2) 被検査機背面の外部入出力端子(RS-232C)に接続します。
(3) 被検査機をテストモードで起動します(1.を参照してください)。
(4) モード設定ツマミを【二回平均】に設定します。
(5) カフ圧設定のツマミを【220】に設定します。
(6) スタート/ストップスイッチを押して検査を開始します。
(7) 最低血圧表示部の数値が止まったら、再度スタート/ストップスイッチを押します。
(8) 表示している値が点滅していることを確認します。
(9) テスト開始 1 分後に、最高血圧表示部に測定開始の圧力値が表示されます。
(10) テストが終了すると、最低血圧表示部に測定終了の圧力値が表示され、脈拍数
表示部に漏気値が表示されます。
(11)表示された測定値が規格内であることを確認します。
規格値 4mmHg/3 分 以下
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Appendix 19-3
4.排気速度テスト
【必要機材】
ダミー缶(Small)
【検査手順】
(1) 被検査機背面のカフ接続部に、ダミー缶(Small)を接続します。
(2) 被検査機をテストモードで起動します(1.を参照してください)。
(3) モード設定ツマミを【通常測定】に設定します。
(4) カフ圧設定のツマミを【160】に設定します。
(5) スタート/ストップスイッチを 2 回押して検査を開始します。
(6) テストが終了しますと、最高血圧、最低血圧、脈拍数表示部に 240mmHg、
160mmHg、80mmHg の測定値が表示されます。再度スタート/ストップスイッチを
押しますと脈拍数表示部に 40mmHg の測定値が表示されます。
(7)表示された測定値が規格内であることを確認します。
240mmHg
4.4∼6.0mmHg/秒
160mmHg
4.8∼6.0mmHg/秒
80mmHg
3.5∼5.0mmHg/秒
40mmHg
2.8∼4.2mmHg/秒
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