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2010 - 外国産業財産権侵害対策等支援事業
韓国の最新知的財産権制度 と侵害対策 中小・ベンチャー企業のための外国産業財産権制度セミナー 韓国 法務法人(有限)太平洋・特許法人太平洋 弁護士・弁理士 李 厚東(イ・フドン) 弁理士 梁 成旭(ヤン・ソンウッグ) 1 目 次 Ⅰ.韓国での知的財産権の位置付け Ⅱ.韓国の知的財産権法制 Ⅲ. 日韓特許法の比較 Ⅳ. デザイン保護法と商標法の改正の動き Ⅴ.知的財産権の取得と権能 Ⅵ.特許侵害対応の司法手続 Ⅶ.特許侵害対応の行政手続 Ⅷ.実務でのポイント Ⅸ.終わりに 1 Ⅰ.韓国での知的財産権の位置付け 1.世界で屈指の多出願国家 ◎ 世界3極 ⇒ IP 5 2.知的財産権保護国家へ ◎ プロ・パテント政策:知識財産基本法、国家知識財産委員会 ◎ べンチャー立国 / 輸出立国 / グローバル・ハーモナイゼーション ◎ Samsung v Apple 3.依然とした知的財産権侵害の存在 ◎ 技術発展の明暗 ◎ 権利意識と権利保護意識の啓発 【参考資料①】 韓国での産業財産権の出願件数 韓国での (単位:件) 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 特許 160,921 166,189 172,469 170,632 163,523 169,573 178,834 実用新 案 37,175 32,908 21,084 17,405 17,144 13,657 11,853 デザイン 45,222 (46,615) 51,039 (52,879) 54,362 (55,662) 56,750 (58,912) 57,903 (59,537) 56,143 (57,712) 56,522 商標 115,889 (156,270) 122,384 (164,432 ) 132,288 (180,257 ) 127,910 (178,211 ) 126,420 (162,682) 118,190 (149,024) 123,807 出処:韓国特許庁、「2011年 知識財産白書」 注 1. ( )は複数デザイン•多類商標基準である。商標には更新登録出願が含まれる。 2. Madrid 国際商標出願は別途集計。 2 【参考資料②】 韓国からのPCT国際出願現況 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 出願件数 3,565 4,690 5,919 7,063 7,913 8,026 9,639 10,447 増加率 21.2% 31.6% 26.2% 19.3% 12.0% 1.4% 20.1% 8.0% 順位 7 6 5 4 4 4 4 5 出処 : 世界知的所有権機構ホームページ(www.wipo.int/ipstats/en/) PCT 国際出願の 韓国国内段階(指定官庁)への移行件数 出願件数 増加率 (%) 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 17,874 16,981 21,283 24,482 26,649 29,045 30,049 25,685 27,842 29,158 7.1 ▽5.0 24.7 15.6 8.9 9.0 3.5 ▽14.5 8.4 4.7 出処:韓国特許庁、「2011年 知識財産白書」 【参考資料③】 内・外国人別 出願件数 区分 特 許 内国人 外国人 計 2007 128,701 43,768 172,469 2008 127,114 43,518 170,632 2009 127,316 36,207 163,523 2010 131,740 37,833 169,573 2011 138,031 40,803 178,834 112,157 20,131 132,288 (147,489) (32,768) (180,557) 2007 2008 商 標 (単位:件) 2009 2010 2011 107,487 20,423 127,910 (144,920) (33,921) (178,841) 108,170 18,250 126,420 (134,019) (28,663) (162,682) 104,376 13,814 118,190 (126,547) (22,477) (149,024) 112,579 11,228 123,807 出処:韓国特許庁、「2011年 知識財産白書」 3 【参考資料④】 国籍別の外国人出願件数 (単位:件) 特許 商標 区分 日本 2007 2008 2009 2010 2011 2007 2008 2009 2010 2011 18,100 17,552 14,168 14,191 15,556 4,668 (8,015) 4,563 (8,254) 4,397 (7,789) 3,898 (6,555) 2,918 7,623 (12,015 ) 6,510 (9,770) 4,835 (7,544) 4,108 米国 12,313 12,389 10,728 11,404 12,252 7,459 (12,146 ) ドイツ 3,577 3,603 3,002 3,352 3,647 1,287 (1,874) 1,113 (1,715) 1,095 (1,708) 494 (733) 237 フランス 1,371 1,486 1,441 1,552 1,776 842 (1,265) 926 (1,383) 912 (1,428) 579 (952) 345 出処:韓国特許庁、「2011年 知識財産白書」 【参考資料⑤】 内・外国人別 特許登録件数 (単位:件) 2006 2007 2008 2009 2010 2011 内国人 89,303 91,945 61,115 42,129 51,404 72,258 外国人 31,487 32,060 22,408 14,603 17,439 22,462 合計 120,790 124,005 83,523 56,732 68,843 94,720 出処:韓国特許庁、「2011年 知識財産白書」 4 【参考資料⑥】 国籍別の外国人特許登録件数 (単位:件) 日本 米国 ドイツ フランス イギリス その他 合計 2006 16,406 6,784 2,686 942 オランダ スイス 1,037 693 434 2,505 31,487 2007 17,275 6,683 2,324 949 1,074 560 356 2,839 32,060 2008 11,312 5,135 1,628 670 724 461 259 2,219 22,408 2009 7,141 3,684 863 417 424 345 166 1,573 14,603 2010 8,332 4,711 1,033 621 439 292 225 1,786 17,439 2011 11,083 5,874 1,443 714 418 326 244 2,360 22,462 出処 : 韓国特許庁、 「2006 - 2011年 知識財産統計年報」 目 次 Ⅰ.韓国での知的財産権の位置付け Ⅱ.韓国の知的財産権法制 Ⅲ. 日韓特許法の比較 Ⅳ. デザイン保護法と商標法の改正の動き Ⅴ.知的財産権の取得と権能 Ⅵ.特許侵害対応の司法手続 Ⅶ.特許侵害対応の行政手続 Ⅷ.実務でのポイント Ⅸ.終わりに 5 Ⅱ.韓国の知的財産権法制 1.法源 ◎ 特許法・実用新案法・デザイン保護法・商標法 - 出願、審査、登録の手続が必要 - 属地主義 ※ 種子産業法 : 品種保護権(2013年6月2日から植物新品種保護法) ※ 半導体集積回路の配置設計に関する法律 ◎ 不正競争防止及び営業秘密保護に関する法律 - 営業上の名声・信用 : 周知・著名な商品表示 - 営業秘密 : 秘密管理性 ◎ 著作権法・コンテンツ産業振興法 - 著作権 : 無方式主義、万国共通 ※ 地理的表示・パブリシティ権 2. 日本との相違点 Ⅱ.韓国の知的財産権法制‐② (1) 特許法 ◎ クレームの記載方式 ◎ 請求範囲提出猶予制度 ◎ 特許権の効力が及ばない範囲内の試験や研究として、「薬事法上の品 目許可・申告や農薬管理法上の農薬登録のための試験や研究」を明記 ◎ PCT出願における国内段階への移行期間 ◎ 優先審査の対象 : 日韓審査ハイウェイ ◎ 審査時期の選択 :3-track審査(早期、一般、遅延審査) ◎ 再審査請求制度の導入(審査前置の廃止:2009年7月1日出願以後) ◎ 異議申請の廃止 ◎ 訂正無効審判 ◎ 権利範囲確認審判 ◎ 審決取消訴訟の審理範囲 ◎ 登録遅延による特許権存続期間延長制度 ◎ 侵害訴訟での秘密維持命令制度(特・実・デ・商・不競・著) 6 Ⅱ.韓国の知的財産権法制‐③ (2) 実用新案法 ◎ 審査後登録制度への回帰(2006年10月1日) ◎ 審査請求期間 : 出願日から3年以内 ◎ 特許との二重出願 : 廃止 ◎ 技術評価請求制度(登録維持決定の公定力) : 廃止 (3) デザイン保護法(意匠法) ◎ デザイン・デザイン権に名称変更(2005年7月1日) ◎ 保護対象の拡大 - 書体(typeface) ◎ 申請による出願公開制度 ◎ 無審査登録出願 - 情報提供・登録異議申請 - A1、B1~5、B9、C1、C4、C7、D1、F1~F5、H5、M1類に属する物品 - 液晶画面などに一時的に図形などが表示される画像デザインに関する物品 ◎ 類似デザイン制度 ◎ 3D立体デザイン制度:3D Computer Fileを図面とともに提出(2010 年から) (4) 商標法 Ⅱ.韓国の知的財産権法制‐④ ◎ 保護対象の拡大 - 視覚的なもの : 文字・図形・記号・立体的形状・色彩・ホログラム・動作 - 非視覚的な商標 : 音•匂い(視覚的な方法で写実的に表現したもの) ◎ 証明標章制度の導入 ◎ 顕著な地理的名称の登録の可否 ◎ 不正な目的の模倣出願に対する模倣対象商標の周知性の程度 ◎ 商標出願の優先審査申請 ◎ 出願公告及び異議申請(2ヶ月以内) ◎ 存続期間更新登録申請(2010年7月28日以前は存続期間更新登録出願) ◎ 先使用権 ◎ 類似する指定商品についての商標権の分離移転の制限 ◎ 商標登録後に識別力を失った商標に対する無効審判 ◎ 不使用による登録取消審決確定後の審判請求人の地位 ◎ Madrid Protocol ◎専用使用権の登録は第3者への対抗要件 ◎法定損害賠償制度:5千万ウォン以下の範囲内で相当な金額 7 Ⅱ.韓国の知的財産権法制‐⑤ (5) 不正競争防止法 ◎ 周知商標の識別力又は名声を損傷する行為 - dillution(希釈)? 混同を起こすことを要しない 故意がある場合にのみ損害賠償及び信用回復の責任 例外的な許容 : 非商業的な使用など、正当な事由がある場合 ◎ Domain Nameの登録・使用 - 不正の目的 : 販売・貸与、登録又は使用の妨害、商業的な利益 - インターネットアドレス紛争調停委員会 ◎ デッド・コピー - 他人の商品の形態を模倣した商品の譲渡・貸与・展示・輸出入 - 保護期間 : 該当商品の形態を揃えた日から3年 ◎ FTAにより保護される地理的表示の使用禁止 ※ 虚偽広告・誇大広告・比較広告:表示・広告の公正化に関する法律 ※ 誹謗行為 Ⅱ.韓国の知的財産権法制‐⑥ (6) 著作権法 ◎ コンピュータ・プログラム保護法を廃止し、著作権法で 一本化(2009年7月23日から) ◎ 保護期間 : - 死後50年間(映像著作物とプログラムは公表から50年間) - 著作財産権は2013年7月1日から70年間となる - 著作隣接権は2013年8月1日から70年間となる(放送は50年間) ◎ 映像著作物 - 特例 : 製作者へ権利譲渡・許諾を推定 - 映画館などでの無断録画・公衆送信の禁止 ◎ 公正利用(fair use)条項の新設 - 著作物の通常の利用方法と衝突せず、著作者の正当な利益を不当に 害しない場合 - 報道・批評・教育・研究などのために - 既存の著作財産権の制限条項(特に著作権法28条「引用」)との関係 8 Ⅱ.韓国の知的財産権法制‐⑦ ◎ OSP(又はISP)の責任制限 - 提供されるサービスの類型を4つの分けて要件を定める ☞ 単純導管・キャッシング・ホスティング・情報検索ツールサービス - 不法複製・伝送の有無に対するmonitoring・調査の義務を否定 - 侵害訴訟などにおいて法院の下せる臨時措置の制限 ◎ OSP(又はISP)に対する複製・伝送の中断要求 - 権利主張者の中断要求(侵害を疎明)⇒即時中断⇒中断の通報 - 複製・伝送者の再開要求(権利の疎明)⇒遅滞なく通報⇒予定日に再開 ◎ 不法複製・伝送者の情報の提供要請 - 複製者の姓名・住所など、民・刑事上の提訴に必要な最小限の情報 - OSPが断る場合には文化部長官に提供命令を求める請求 ◎ 特殊な類型のOSP(webhard, P2Pなど) - 不法伝送を 遮断する技術的措置を取る義務 Ⅱ.韓国の知的財産権法制‐⑧ ◎ OSPに対する命令 : 3振アウト - 不法複製物の削除・伝送中断、複製・伝送者への警告 - 3回以上警告された者が再び不法伝送する場合、ID(account)停止 - 3回以上削除・中断命令が下された掲示板のサービス停止 ◎ 技術的保護措置などの保護 : 禁止行為の拡大 - 技術的保護措置の無力化 権利管理情報の除去・変更 暗号化されている放送信号の無力化 違反者に対する侵害差止・損害賠償請求 ◎ 韓国著作権委員会: - 政策審議・紛争調停 著作権の保護及び著作物の公正利用に関する事業 著作物の登録 侵害に関する鑑定 9 Ⅱ.韓国の知的財産権法制‐⑨ ◎ 法定損害賠償 - 各著作物ごとに1千万ウォン以下の範囲内で相当な金額 - 営利目的の故意侵害の場合は5千万ウォン以下 - 侵害前に登録済みの著作物に限る ◎ 証拠収集のための侵害関連情報の提供命令 - 侵害者の特定に必要な情報 - 不法複製物の生産及び流通経路に関する情報 ◎ 秘密維持命令 - 侵害訴訟での当事者、訴訟代理人、その他の知得者 - 営業秘密の当該訴訟外の目的での使用及び第3者への公開の禁止 ◎ 非親告罪の対象を拡大 : - 営利のために、または常習的に - プログラムの不法複製物の業務上の利用は反意思不罰罪 Ⅱ.韓国の知的財産権法制‐⑩ (7) コンテンツ産業振興法 ◎ オンライン·デジタル ·コンテンツ産業発展法から法律名変更(2011年1月11日) ◎ コンテンツの制作活性化・流通合理化、利用者の権益保護 ◎ コンテンツの定義: 符号・文字・図形・色彩・音声・音響・イメージ及び 映像など(これらの複合体を含む)の資料又は情報 ◎ コンテンツ紛争調停委員会: コンテンツ事業者間、事業者と利用者間、 利用者と利用者間のコンテンツ取引または利用に関する紛争 ◎ 著作権法による保護が本法に優先して適用 ◎ 禁止行為 - 正当な権原のない複製・配布・放送・伝送行為: 制作日から5年以内 - 技術的保護措置の無力化 - 差止請求・損害賠償請求 ◎ 刑事罰: 1年以下の懲役または2千万ウォン以下の罰金 10 目 次 Ⅰ.韓国での知的財産権の位置付け Ⅱ.韓国の知的財産権法制 Ⅲ. 日韓特許法の比較 Ⅳ. デザイン保護法と商標法の改正の動き Ⅴ.知的財産権の取得と権能 Ⅵ.特許侵害対応の司法手続 Ⅶ.特許侵害対応の行政手続 Ⅷ.実務でのポイント Ⅸ.終わりに Ⅲ.日韓特許法の比較 1.韓国特許法の概要 ◎ 憲法22条2項(発明家の権利保護)⇒特許法 ◎ 特許法 - 1961年12月31日から施行 - 目的:発明の保護・奨励・利用⇒技術発展を促進⇒産業発展に寄与 - 発明:自然法則を利用した技術的思想の創作として高度のもの ◎ 出願 → 審査 → 登録韓国特許庁(KIPO) - 先出願主義 - 1発明1特許出願 - 電子出願 / 国語出願 ◎ Paris Convention、PCT、PLT、TRIPs ◎ 韓国特許庁(KIPO) 11 【参考資料⑦】 出願及び審査の手続の流れ 出願 自発補正書 出願人 方式審査 拒絶理由がない 審査官 審査 I 拒絶理由がある 最初拒絶理由通知 意見書/補正I 審査 II 拒絶理由がない 拒絶理由が 既に通知した ある Yes 拒絶理由 No 最後拒絶理由通知 Yes 意見書/補正II 補正却下 不適合 補正Iによる 拒絶理由 補正の適合の可否 No 適合 審査III 拒絶理由がない No 拒絶理由が ある 既に通知した 拒絶理由 特許決定 Yes 拒絶決定 【参考資料⑧】 拒絶決定以後の手続の流れ 補正無し 拒絶決定 補正有り 拒絶不服審判 再審査 特許法院 大法院 再拒絶決定 登録決定 2009.7.1.以降の出願から適用。 審査前置制度の廃止。 12 Ⅲ.日韓特許法の比較‐② 2.全体的な比較 日本 韓国 発明の定義 自然法則を利用した技術的思想の 創作のうち高度のもの 同左 発明の種類 物 方法 物を生産する方法(生産方法) 同左 実施の意味 物の生産、使用、譲渡等、輸出若 しくは輸入又は譲渡等の申出 方法、生産方法の使用 生産方法により生産した物の使用 など 殆ど同じ 輸出は無い Ⅲ.日韓特許法の比較‐③ 2.全体的な比較-2 日本 韓国 プログラム発明 ○ ○ 用途発明 ○ ○ 先願主義 ○ ○ 新規性及び進歩性 判断基準 国内・外の公知・公然実施 国内・外で頒布された刊行物 (世界主義) 同左 公知例外規定 公開後、6ヶ月以内に出願 公開後、1年以内に出願 (2012.3.15.以後) 審査請求 出願日から3年 出願日から5年 優先審査 ○ ○ 13 Ⅲ.日韓特許法の比較‐④ 2.全体的な比較-3 日本 韓国 出願公開 ○ (出願日から18ヶ月 又は出願人の請求) ○ 補償金請求権 ○ ○ OA対応期間 内国民:60日(延長不可) 在外者:3ヶ月(3ヶ月延長可能) 2ヶ月(4ヶ月延長可能) 理由があると追加延長可能 PCT出願の補正 基準 原文 翻訳文 (翻訳が重要) Ⅲ.日韓特許法の比較‐⑤ 2.全体的な比較-4 日本 韓国 分割出願 ○ ○ (可能時期に差がある) 変更出願の基礎 実用新案、意匠 実用新案 拒絶決定不服審判 ○ (送達日から3ヶ月以内) ○ (送達日から30日) (2ヶ月延長可能) 前置審査 ○ X 再審査 X ○ 存続期間 出願日から20年 同左 14 Ⅲ.日韓特許法の比較‐⑥ 2.全体的な比較-5 日本 韓国 無効審判 ○ ○ (具体的に差がある) 判定制度 ○ X 権利範囲確認審判 X ○ 訂正審判 ○ ○ 訂正無効審判 X(無効審判) ○ 3. 審査制度上の相違点 Ⅲ.日韓特許法の比較‐⑦ (1) 願書の作成 日本 記載不備ではない 請求項1 多重従属項 請求項2(請求項1を引用) (マルチのマ ルチ・クレー 請求項3(1又は2を引用) ム) 請求項4(1乃至3のいずれか を引用) 発明に関連する文献、公知発 明のうち、知っているものがあ るときは、その情報を記載する 情報開示義 務 通知しても直さない場合、拒絶 理由になる 韓国 記載不備(施行令の規定) 拒絶理由の根拠 (審査請求の時、補正が必要) 2011.6.30.以前は無い。 2011.7.1.以降の出願に対 して「発明の背景になる技術を 記載」しなければならない 違反の時、拒絶理由になるが、 無効事由にはならない 15 Ⅲ.日韓特許法の比較‐⑧ (1) 願書の作成-2 日本 韓国 請求範囲なしで出願可能 出願公開前又は審査請求時 まで請求範囲を補完 補完のない場合、取り下げと 見なす 活用度は低い。 請求範囲提 出猶予制度 出願時、願書に特許請求の 範囲を添付しなければ出願 日が認定されない 外国語書面 出願制度 願書に外国語(英語)書面及 び外国語要約書面を添付し て提出することが可能 特許出願日から2月以内に 関連規定がない 日本語による翻訳文を提出 翻訳文がない場合、取り下げ と見なす Ⅲ.日韓特許法の比較‐⑨ (1) 願書の作成-3 請求範囲の作成時、注意すべき点 マルチのマルチ・クレーム(X) 少なくとも(X) 大体、殆ど、約など(X) ~以上、~以下(X) ~より高い、~より低い(比較の対象が無い場合)(X) 機能的な表現(○) -特許法の規定:発明を特定するのに必要であると認定される構造、 方法、機能、物質、又はこれらの結合関係などを記載すること。 -不明確な場合、権利範囲解釈において実施例に限定されて解釈さ れる可能性がある。 16 Ⅲ.日韓特許法の比較‐⑩ (2) 分割出願 日本 時期 可能範囲 韓国 補正の可能時期 特許査定謄本の送達日から 補正の可能時期 30日以内 拒絶査定謄本の送逹日から30 日以内も可能 拒絶査定謄本の送達日から 3月以内 親出願に開示された範囲の 内 願書に最初に添付された明細書 中に開示された発明の範囲内 違反の時、拒絶理由と無効事由 Ⅲ.日韓特許法の比較‐⑪ (3) 審査制度(3-TRACK審査) 処理 期間 要件 普通審査 優先審査(日本出願人) 遅い審査 (審査猶予制度) 16.8ヶ月 (2011年) 3~6ヶ月 猶予時点から3ヶ月 審査請求 第3者実施 出願人の実施又は実施準備 審査請求時又は審査 PPH(特許可能という判断さ 請求日から6ヶ月以内 に猶予希望時点を提 れた審査結果が必要) 出 特許出願と関連した先行技術 調査報告書がある場合(PC 希望の審査時点は審 T-PPHは2012. 7.1.から施 査請求後18ヶ月が経 過した時から出願後5 行) 年以内に限る 特定専門サーチ機関に先行 活用度が低い 技術の調査を依頼した場合 (2~3ヶ月) 17 4. 補正制度上の相違点 Ⅲ.日韓特許法の比較‐⑫ (1) 補正の期間 日本 韓国 補正可能 時期 1. 拒絶理由が出る前(自発補正) 2. 拒絶理由が出た後:指定期間 内 3. 拒絶査定不服審判請求と同時 1. 拒絶理由が出る前(自発補正) 2. 拒絶理由が出た後:指定期間 内 3. 再審査請求時 指定期間 内国民:60日(延長不可) 在外者:3ヶ月(3ヶ月延長可能) 2ヶ月(4ヶ月延長可能) 理由があると追加延長可能 追加延長の理由 ①期間満了前1ヶ月以内に代理人の選任、解任、変更 ②期間満了前1ヶ月以内に出願人の変更 ③期間満了前2ヶ月以内に他の特許庁の審査結果を反映する補正 ④意見提出通知書の送達が1ヶ月以上遅延された場合 ⑤親出願又は分割出願の審判と訴訟 ⑥拒絶理由に関する試験及び結果測定の期間が必要な場合 Ⅲ.日韓特許法の比較‐⑬ (2) 補正の可能範囲 日本 韓国 自発補正 新規事項の追加禁止 新規事項の追加禁止 最初拒絶 理由 新規事項の追加禁止 シフト補正の禁止 新規事項の追加禁止 新規事項の追加禁止 シフト補正の禁止 1. 請求項の削除 最後拒絶 2.特許請求の範囲の限定的な減縮 理由 3.誤記の訂正 (再審査請 4.明瞭でない記載の釈明(拒絶理 求時、審 由通知に記載された理由に対し 査前置時) て行うものに限る) 新規事項の追加禁止 1.請求項の限定・削除、または 請求項に付加して特許請求範 囲を減縮 2.誤った記載の訂正 3.明瞭ではない記載を明確にす る場合 4.新規事項を追加した補正につ き、補正前の特許請求範囲に 復帰又は復帰しながら補正 18 Ⅲ.日韓特許法の比較‐⑭ (2) 補正の可能範囲-2 日本 PCT移行 出願の補 正範囲 韓国 原文範囲内 (手続補正書:翻訳文範囲補正) (誤訳訂正書:原文範囲補正) 翻訳文範囲内 - 誤訳訂正書という概念が無い。 特別な無効事由 国際出願の明細書、請求範囲、図の説明部分と翻訳文にともに記載されていない発明 国際出願の図に記載されていない発明 翻訳文 国際出願 無効事由では無い 無効事由 誤訳又は補正により発生! Ⅲ.日韓特許法の比較‐⑮ (3) 補正の事例 発明の単一性違反の時(請求項の発明等に特別な技術的な特徴が無い時) 特別な技術的特徴とは、先行技術と比べて改善された部分 請求項1: A 請求項2: A+B 請求項3: A+C Aが先行技術=>請求項3は単一性違反で拒絶理由! 請求項3に対しては審査しない。 対応例 #1:請求項2を独立項とし、請求項3を請求項2の従属項とする(A+B+C)。 #2:請求項2を独立項とし、請求項3を分割出願する。 #1の場合、審査しなかった請求項3に対して新たな先行技術があると最後拒絶理 由になる。 #2の場合、分割出願に新たな先行技術があると最初拒絶理由になる。 19 Ⅲ.日韓特許法の比較‐⑯ (3) 補正の事例-2 最後拒絶理由、審査前置、再審査 事例1 補正前:A+B+C 補正後:A+b+C(限定)(OK) 補正後:A+B+C+D(内的付加と外的付加による減縮)(OK) 事例2 補正前:A+B+C 補正後:B+C+D(X)-減縮では無い。 事例3 願書:A+B+C 最初補正後:A+B+C+E(E:新規事項) 最後補正後:A+B+C+D(D:新規事項ではない、補正前の特許請求範囲に 復帰しながら補正)(OK) Ⅲ.日韓特許法の比較‐⑰ 5. 再審査制度 (1) 概要 再審査請 求 (補正) 拒絶決定 特許出願 最後拒絶理由 (補正) 再審査 (登録/再拒絶決 定) 不服審判請求 30日 再審査がない場合 30日 再審査請求は取下げができない。 再審査を請求した場合、特許拒絶決定は取り消しと見なす。 複数の再審査請求がある場合: 最初の再審査請求により拒絶決定が取り消しと見なされる ⇒2回目の再審査請求による補正は認められない。 再拒絶決定が下されると不服審判を請求しなければならない(分割出願は可能)。 20 Ⅲ.日韓特許法の比較‐⑱ (2) 再審査の手続 ① 最初拒絶理由通知の前からあった が指摘しなかった拒絶理由 ② 拒絶理由通知の後、補正により発生 したが指摘しなかった拒絶理由 ③ 以前の拒絶理由通知で指摘した拒 絶理由 補正却下事由 1.要件を満足しない場合 2.補正により新たな拒絶理由が 発生した場合(該当補正によ り記載不備が新たに発生した 場合、又は新規性、進歩性の 拒絶理由が新たに発生した 場合):但し、請求項を削除す る補正は例外 Ⅲ.日韓特許法の比較‐⑲ (3)再審査制度の補正に対する審査例 請求項 事例1 拒絶決定 再審査補正 請求項1: A+B 請求項1は引用発明1に比べて進歩性がない 請求項1: A+b(引用発明1に比べて進歩性がない) 補正認定:請求項1に関する補正により新たな拒絶理由が発生することではない。 再拒絶決定:A+bは引用発明1に比べて進歩性がない。 請求項 請求項1: A+B 請求項1は引用発明1に比べて進歩性がない 請求項1: A+B+C(引用発明1に比べて進歩性が認定さ 再審査補正 れるが、引用発明1と引用発明2により進歩性がない) (引用発明2はCの追加により追加が必要) 補正却下:補正により新たな拒絶理由が発生。 事例2 拒絶決定 再拒絶決定:補正前の請求項は引用発明1に比べて進歩性がない。 21 Ⅲ.日韓特許法の比較‐⑳ (3)再審査制度の補正に対する審査例-2 請求項 事例3 請求項1: A+B 請求項2: 請求項1において、Cをさらに含む 拒絶決定 請求項1は引用発明1に比べて進歩性がない 請求項1:削除 再審査補正 請求項2:請求項1において、Cをさらに含む 補正認定:請求項1を削除する補正は認定、請求項2に記載不備が発生 ⇒ 補正却下しない。 請求項2に対して最後拒絶理由通知する。 Ⅲ.日韓特許法の比較‐21 (4) 再審査制度での注意点 再拒絶決定後、一部を分割出願しながら、拒絶決定不服審判を請求した場合: 先願の問題が生じ得る 審査基準:拒絶決定不服審判をまず行い、審決が確定された後、 分割出願に対して審査することにより解決 22 6. 審判制度上の相違点 Ⅲ.日韓特許法の比較‐22 (1) 無効審判 要件 日本 韓国 何人も請求可、但し冒認出願と 共同出願の無効事由に対しては 利害関係人のみが請求可 設定登録日から登録公告日の後 、3月以内には何人も請求可、こ の後には利害関係人又は審査 官のみが請求可 答弁書提出期間内 訂正の 審判長の指定期間 請求 審決予告時の指定期間 答弁書提出期間内 審判長の指定期間 厳格に制限(第131条の2) 請求の理由の補正に制限がない 訂正の請求により請求の理由を 但し、審判請求時、提出しなっか た新たな無効証拠を提出する場 請求の 補正する必要が生じた場合 合、被請求人に訂正の請求の機 理由の 審判請求時の請求書に記載しな 会が与えられる 補正 かったことに合理的な理由があり 、被請求人が補正に同意した場 合 Ⅲ.日韓特許法の比較‐23 (1) 無効審判-2 日本 韓国 審決取消 訴訟の審 理範囲 審決において無効すべきものと 審理範囲の制限がない した判断に違法性があるかどう 新たな無効理由の主張可能 か 新たな証拠の提出可能 新たな無効理由の主張不可 新たな証拠の提出不可 他の手続 での無効 判断 第104条の3 対応する規定が無い 侵害に係る訴訟において、当該 判例は「無効審判以外の権利 特許が特許無効審判により無 範囲確認審判又は侵害訴訟の 手続で特許無効事由の存否を 効にされるべきものと認められ るときは、権利を行使すること 判断することができる」と認めて いる ができない 23 Ⅲ.日韓特許法の比較‐24 (2) 訂正の範囲 1. 2. 3. 4. 5. 6. 特許請求範囲を減縮する場合 誤った記載の訂正をする場合 明瞭ではない記載を明確にする場合 新規事項追加禁止 特許請求範囲を実質的に拡張、又は変更しないこと 独立特許要件 実質的な変更の判断 判断基準:構成の追加により他の目的及び効果を有するのかどうか(判例) 審判院と特許法院の他の効果に対する具体的な判断基準 - 審判院:訂正前の請求項 - 特許法院:訂正前の請求項全体 Ⅲ.日韓特許法の比較‐25 (2) 訂正の範囲-2 補正前 請求項1:A 請求項2:A+B 訂正1 請求項1:A+B 請求項2:削除 訂正2 請求項1:削除 請求項2:A+B 審判院:訂正1(X)、訂正2(○) 特許法院:訂正1(○)、訂正2(○) 補正前 請求項1:A 請求項2:A+B 請求項3:A+B+C 訂正3 請求項1:A+C 請求項2:A+B+C 審判院:訂正3(X) 特許法院:訂正3(○) 24 Ⅲ.日韓特許法の比較‐26 (3) 判定制度と権利範囲確認審判 日本(判定制度) 請求人 利害関係人である必要はない 利害関係人のみが請求 積極的・消極的 積極的・消極的 審判官3人の合議体 審理 侵害訴訟 手続への 拘束力 不服方法 韓国(権利範囲確認審判) 当事者の書面提出 3ヶ月以内で判定 審判官3人の合議体 当事者の書面提出 優先審判の対象 法律的な拘束力がない 拘束力はないが、侵害訴訟の裁判 所が審決を参考にする場合が多い ⇒ 紛争の際によく使われる 判定に対して不服申立てがで きない 審決に対して審決取消訴訟を特許 法院へ提起 7. 最新改正内容 Ⅲ.日韓特許法の比較‐27 (1)登録遅延による特許権存続期間延長制度-1 2012.3.15. 以降の出願から 審査処理期間の遅延など出願人に起因しない事由で特許権が基準日 より遅く設定登録される場合、その遅延された期間分特許権存続期間 を延長する。 基準日:出願日から4年、又は審査請求日から3年のうち遅い日 出願日 国際出願:国内段階に移行した日 分割出願:分割出願した日 変更出願:変更出願した日 設定登録日から3ヶ月以内に延長登録出願する(拒絶理由が出た場合、 延長期間及び延長理由の補正が可能)。 25 Ⅲ.日韓特許法の比較‐28 (1)登録遅延による特許権存続期間延長制度-2 除外される期間(出願人に起因する事由) 補正命令による手続きに関する補正期間(代理委任状など) 拒絶理由に対する意見書提出期間(補正無しで登録された場合は除 外) 拒絶決定謄本が届いた日から再審査を請求した日までの期間 審決取り消訴訟の場合:訴訟手続き中止の期間、補正期間、法廷期 間又は不変期間に関する付加期間、当事者のせいで弁論期日が延 長された期間 審査猶予を申請した日から希望した猶予時点までの期間 Ⅲ.日韓特許法の比較‐29 (2)不実施による特許権取消制度廃止 2012. 3. 15.から施行 特許発明が正当な理由なしに3年以上継続して国内で実施されていな い場合、特許発明を実施しようとする者は特許庁長に通常実施権設 定に関する裁定を請求することができる。 上記の裁定のあった日から継続して2年以上実施されていない場合、 利害関係人の請求又は職権により、特許権を取り消すことができる。 現在まで、この制度によって特許権が取消しされたケースは無い。 有名無実の特許権取消制度を廃止。 26 Ⅲ.日韓特許法の比較‐30 (3)秘密維持命令制度 2012. 3. 15.以降、侵害に関して提起された訴訟から適用 特許権侵害に関する訴訟で、 当事者(法人の場合には代表者)、訴訟代理人、又はそのほか当該訴 訟により営業秘密を知り得た者に、 準備書面または証拠に含まれている営業秘密の 当該訴訟外の目的での使用及び第3者への公開を禁止 違反の時、5年以下の懲役または5千万ウォン以下の罰金(親告罪) Ⅲ.日韓特許法の比較‐31 (4)医薬品許可-特許連係制度-1 薬事法第31条の4 制度の仕組み a. 新薬の特許権者は、特許目録集(Green List)を食薬庁に登載 b. ジェネリック医薬品メーカーは、ジェネリック医薬品の品目許可申 請の際に、7日以内に同申請の事実を特許権者などに通知。 c. 特許権者がジェネリック医薬品が特許を侵害するかに対して判断 を受けることが出来る侵害予防手続きを設ける。 (侵害訴訟を提起すると、その結果が出るまで許可は保留) 上記の中で a と b は、2012年3月15日から施行 c の手続きの設定は3年間猶予されている 27 Ⅲ.日韓特許法の比較‐32 (4)医薬品許可-特許連係制度-2 制度導入前 制度導入後 Ⅲ.日韓特許法の比較‐33 8. 立法予告された改正案(2014.1.1.施行予定) (1)明細書形式要件緩和(米国の仮出願) 願書に論文などを添付して出願 2ヶ月以内に定式明細書提出(未提出:取り下げと見なす) (2)外国語出願制度 英語に限定、英語論文も可能 2ヶ月以内に翻訳文提出(未提出:取り下げと見なす) PCTの場合:2年8ヶ月以内に翻訳文提出 (3)医薬品特許権存続期間延長登録制度整備 許可などのための延長期間を1回に明確化する。 公布時から施行 (4)公知例外主張の趣旨記載時点延長 出願と同時→特許出願日から30日以内 28 目 次 Ⅰ.韓国での知的財産権の位置付け Ⅱ.韓国の知的財産権法制 Ⅲ. 日韓特許法の比較 Ⅳ. デザイン保護法と商標法の改正の動き Ⅴ.知的財産権の取得と権能 Ⅵ.特許侵害対応の司法手続 Ⅶ.特許侵害対応の行政手続 Ⅷ.実務でのポイント Ⅸ.終わりに Ⅳ.デザイン保護法と商標法‐① 1. デザイン保護法改正案の内容 (1)デザイン保護範囲の拡大 デザインの対象にグラフィックデザインを含む。 グラフィックデザインなどの平面デザイン : 独立的取引の対象、著作権で 充分に保護されない。 国際物品分類のロカルノ分類にGraphic symbol、Logoなどが含まれている。 現行 全体デザイン 部分デザイン 画像デザイン 書体(typeface)デザイン 改正案 キャラクターデザイン LOGO、CI、BI、Symbol が追加される。 29 Ⅳ.デザイン保護法と商標法‐② 1. デザイン保護法改正案の内容 (2) ハーグ(Hague)協定による国際デザイン制度導入 国際デザイン制度 出願人 WIPOへ出願すると、複数の指定国に出 願した効果がある。 特許庁 指定官庁で、実質的な審査する。 国際事務局(WIPO) ハーグ協定の内容にあわせる改正が必 要である。 A国 B国 C国 Ⅳ.デザイン保護法と商標法‐③ 1. デザイン保護法改正案の内容 (3)創作性の要件強化 現行 改正案 公知デザインの結合に基づいて容易に 創作できるデザイン。 国内の周知の形状などから容易に創作 できるデザイン。 公知デザインの結合に基づいて容易に創 作できるデザイン。 国内または国外の周知の形状などから容 易に創作できるデザイン。 周知の形状を国外まで拡大し、外国の有名なデザインを模倣したデザ インの登録を排除する。 日本は、周知の形状に関する規定は無い。 (4)デザイン存続期間延長 設定登録日から15年→20年 30 Ⅳ.デザイン保護法と商標法‐④ 1. デザイン保護法改正案の内容 (5)関連デザイン制度の導入 類似デザイン制度の廃止 基本デザインのみに類似するデザイン(日本は、本意匠に類似する意匠)。 出願時期:基本デザイン出願日から1年以内。 権利範囲:基本デザインと独立的な権利範囲認定 (関連デザインに類似すると侵害成立)(類似デザインの場合、基本デザ インとも類似することが必要) 存続期間:基本デザインと同じ。(基本デザインが消滅しても消滅しな い。) 専用実施権:基本デザインの専用実施権者に設定すべき。 Ⅳ.デザイン保護法と商標法‐⑤ 1. デザイン保護法改正案の内容 (6)拡大された先出願 現行 同一出願人の間にも拡大された先出願 制度を適用。 (完成品を出願した後、部分出願すると 部分出願は拒絶になる) 改正案 同一出願人の間には、適用廃止。 (7)デザイン公知証明制度新設 出願しなかったデザインに対して正当な創作者を立証しやすい方法とし て、専門調査機関に公知を依頼する。 DEAD COPYの防止が目的。 31 Ⅳ.デザイン保護法と商標法‐⑥ 1. デザイン保護法改正案の内容 (8)複数デザイン出願制度の改善 現行 改正案 無審査物品に対して、 20個以内のデザインを1デザイン出願 優先審査、出願公開、秘密請求、拒絶・ 登録は、全部が対象。 審査、無審査物品にかかわらず、 100個以内まで1デザイン出願 優先審査、出願公開、秘密請求、拒絶・登 録は、一部に対しても可能 (9)新規性喪失の例外主張手続きの改善 現行 改正案 出願時、趣旨を記載し、 同じ。 出願日から30日以内に証明書類提出。 拒絶通知に対する意見書を提出する時、 異議申し立て及び無効審判の答弁書を提 出する時 にも趣旨と証明書提出可能。 Ⅳ.デザイン保護法と商標法‐⑦ 1. デザイン保護法改正案の内容 (10)再審査請求事由と補正時期拡大 現行 改正案 再審査請求時の補正範囲:図面及び写 真や見本。 拒絶決定不服審判請求時には補正不 可。 再審査請求時の補正範囲:図面及び写真 や見本、出願書記載事項(審査/無審査、 基本デザイン/関連デザイン)。 拒絶決定不服審判・取り消し決定不服審 判時、30日以内に補正可能。 (9)その他 出願手続き補完制度 職権補正制度 デザイン権の効力が及ばない範囲:教育・引用又は時事報道のための 場合には、デザイン権の効力を制限 法名の変更:デザイン保護法→デザイン法 32 Ⅳ.デザイン保護法と商標法‐⑧ 2. 商標法の改正内容 (1)非視覚的な商標(音•匂いなど)-1 概要 音•匂いなど視覚的に認識できないものの中、記号•文字•図形、又はその他 の視覚的な方法で表現した商標 音の商標の例 : INTEL, MGM 匂いの商標の例 : レーザプリンターのアーモンド香りのトナー Ⅳ.デザイン保護法と商標法‐⑨ 2. 商標法の改正内容 (1)非視覚的な商標(音•匂いなど)-2 出願•審査•登録 出願の段階 商標の説明及び視覚的な表現を記載した出願書、及び音声ファイル(MP3、 WAV、WMAなど)、匂い見本を添付する。 音:音の特徴、演奏時間、方法などを視覚的に説明。楽譜追加可能。 匂い:匂いの特徴を視覚的に説明。 審査の段階 使用による職別力のない場合 (性質を直接に表すことと認定される場合、1 音又は2音の場合)。(✕) 商品の機能を確保するために不可欠な音•匂いの場合(✕) 登録の段階 権利範囲は、視覚的な表現によって定められる。 商標公報には、商標の説明、視覚的な表現、音声ファイルを掲載(匂い見本 は直接閲覧。 33 Ⅳ.デザイン保護法と商標法‐⑩ 2. 商標法の改正内容 (1)証明標章-1 証明標章権者から使用の許可を受けた者が、その標章が使用される商品• サービス業の産地、原材料、製造方法又は提供方法、品質などを証明する ために使用する標章。 地理的表示の証明標章 商品の生産•製造•加工を業としてする者の商品が定められた地理的特性を 充足することを証明するために使用する地理的表示となった証明標章。 認証マーク(Woolmark 、UL マーク 団体標章 機能 主体 )などが保護できる。 証明標章 標章使用者が団体の所属構成員と 品質及び特性などを証明、保証 言う出処表示 団体の構成員のみ使用可能 定款で定めた基準を充足した他人 標章権者の団体も使用可能 証明標章権者は使用不可 Ⅳ.デザイン保護法と商標法‐⑪ 2. 商標法の改正内容 (1)証明標章-2 出願•審査•登録 出願の段階 証明標章登録出願書、定款又は規約(使用に関する事項)、商品の品質な どを証明し管理できることを立証する書類を提出。 審査の段階 標章審査 : 商標などに関する基準を適用。 定款(又は、規約)審査 : 必須記載事項の適切性審査。 証明能力立証書類審査。 登録の段階 商標公報に定款の要約書掲載。 使用の段階 商標権の効力と同じ。 証明標章権移転の制限及び質権設定不可(違反時、登録取り消し) 34 Ⅳ.デザイン保護法と商標法‐⑫ 2. 商標法の改正内容 (1)その他-1 専用使用権を登録しなくても効力発生 専用使用権の設定•移転•消滅•処分の制限に関する登録をしなくても効力が 発生。 但し、登録しなかった場合、第3者には対抗できない。 法定損害賠償制度 民事訴訟で原告が実際損害を立証しなかった場合にも事前に法令で定めら れている一定の金額、又は一定の範囲の金額を、原告の選択によって裁判 所が損害額として認定することができる。 5千万ウォン以下の損害額に対して実損害額と法定損害額のうち、選択して 請求可能。 この場合、裁判所は弁論の全趣旨と証拠調査の結果を考慮して相当な損害 額を認定する。 Ⅳ.デザイン保護法と商標法‐⑬ 2. 商標法の改正内容 (1)その他-2 手数料加算制の導入 手数料加算制の廃止(2003. 4.)の後、指定商品数の増加。 ⇒事業者の選択範囲の制限、審査負担の増加。 出願、新規登録、更新登録の時、指定商品数が基本商品数(20個)を超過す る場合、1指定商品当たり2千ウォンの加算料を付加。 2012. 4. 1.以降の出願から適用。 35 目 次 Ⅰ.韓国での知的財産権の位置付け Ⅱ.韓国の知的財産権法制 Ⅲ. 日韓特許法の比較 Ⅳ. デザイン保護法と商標法の改正の動き Ⅴ.知的財産権の取得と権能 Ⅵ.特許侵害対応の司法手続 Ⅶ.特許侵害対応の行政手続 Ⅷ.実務でのポイント Ⅸ.終わりに Ⅳ.知的財産権の取得と権能 1. 権利取得における注意点 ◎ 属地主義 - 適合な権利を適法な手続きで確保 - 地域団体商標、日本酒(大吟醸、鬼殺し) ◎ 日本との類似性 - 個別法や法制・司法システムの類似 - 細部の相違点に注意 ◎ 頻繁な法改正 - global harmonization : WIPO, ACTA - 議員立法 < 政府立法 - 解釈論より立法論 ◎ FTA - アメリカの強い要求 : 多様な商標、法定損害賠償 - EUからは地理的名称の保護 36 Ⅳ.知的財産権の取得と権能‐② 2.知的財産権者の権能 (1) 実施権(利用権) ◎ 独占権(特94条、商50条) ◎ ライセンス - 積極的な権利行使 ◎ 専用実施権・通常実施権 ◎ 独禁法との調和 – 「知的財産権の不当な行使に対する審査指針」 (2) 処分権 ◎ 譲渡・共有 ◎ 担保 (3) 排除権(排他権) ◎ 差止 - 消極的な権利行使 ◎ 損害賠償・信用回復 ◎ 不当利得の返還 ※ 消尽と並行輸入 Ⅳ.知的財産権の取得と権能‐③ 3.特許侵害に対する特許法上の救済手段 (1) 差止請求権(126条) ◎ 侵害の禁止又は侵害の恐れのある者に対する 侵害の恐れのある者に対する予防 ◎ 侵害行為を組成した物件の廃棄、侵害行為に提供された 設備の除去 (2) 損害賠償請求権 ◎ 過失の推定(130条) ◎ 損害額の推定(128条) (3) 信用回復請求権(131条) ◎ 損害賠償に代え、又は損害賠償と共に請求 ◎ 謝罪広告の命令は不可 37 目 次 Ⅰ.韓国での知的財産権の位置付け Ⅱ.韓国の知的財産権法制 Ⅲ. 日韓特許法の比較 Ⅳ. デザイン保護法と商標法の改正の動き Ⅴ.知的財産権の取得と権能 Ⅵ.特許侵害対応の司法手続 Ⅶ.特許侵害対応の行政手続 Ⅷ.実務でのポイント Ⅸ.終わりに 【参考資料⑨】 知的財産権侵害対応の諸手続きの流れ 権 利 者 侵害 認知 刑事告訴 〔検察・警察〕 訴 訟 相 談 警 嫌疑なし 捜 査 起訴 仮処分 認容 本案訴訟 棄却 高等法院 執行 地方法院 控訴 高等法院 上告 大法院 水際措置 / 不公正貿易行為調査申請 協商及びライセンス 告 相 手 方 地方法院 権利範囲確認審判(積極・消極) 〔特許審判院〕 棄 却 無効審判 〔特許審判院〕 認 容 審決取消訴訟 〔特許法院〕 38 Ⅴ.特許侵害対応の司法手続 1.民事手続 類型 管轄 所要期間(月) 一般土地管轄(被告住 侵害禁止 仮処分申請 所地又は不法行為地の 地方法院・支院) 管轄高等法院所在地の 地方法院(民訴法24条) 本 ・侵害禁止 案 ・損害賠償 訴 訟 ・信用回復 知的財産権専門部 弁理士の訴訟代理権は 認められない 備考 特許 6 - 12 (3 - 18) 商標 2 - 9 (1 - 12) ・被保全権利 ・保全の必要性 ・担保供託 ・即時執行力 特許 8 - 18 (6 - 24) 商標 6 - 12 (3 - 18) ・損害賠償請求 の併合要否 ・仮執行宣告と 執行停止 Ⅴ.特許侵害対応の司法手続‐② ◎ 民事手続の手順 訴状(申請書)受付 ⇒ 訴状と答弁書提出命令の送達 ⇒ 書面攻防(答弁書提出→準備書面の交換:1-3回) ⇒ 準備手続期日1-3回(争点整理、証拠提出、技術説明会など) ⇒ 弁論(審問)期日1-3回(鑑定、証人尋問など) ⇒ 弁論(審問)終結 ⇒ 判決宣告(決定告知) ◎ 準備手続の徹底 ⇒ 審理の迅速 ◎ 口頭審理の充実:口頭弁論の説得力 ◎ 電子訴訟(2011年5月2日から全国で示範実施) ◎ ソウル地裁とソウル高裁の特徴 - 知的財産権専門部と仮処分専門部 - 技術調査官 39 Ⅴ.特許侵害対応の司法手続‐③ 2.特許審判及び審決取消訴訟手続 (1)特許審判 ◎ 当事者系審判:無効審判、権利範囲確認審判、通常実施権許与審判 ◎ 査定系審判:特許拒絶決定(取消決定)不服審判、訂正審判 ◎ 特許審判院: - 11の審判部(機械2、化学2、電気2、複合1、商標3、実用新案・デザイン1) - 95人の審判官 ◎ 3人又は5人の合議体 ◎ 口頭審理又は書面審理:技術説明会 ◎ 3-track:迅速審判、優先審判、一般審判 ◎ 所要期間:通常10~12月 ◎ 不服:審決文送達日より30日以内に特許法院に取消訴訟の訴状提出 【参考資料⑩】 特許・実用新案の審査・審判処理期間現況 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 8.0 9.9 10.2 審判 9.6 9.6 8.1 5.9 5.9 審査 21.3 22.6 22.1 21.0 17.6 9.8 9.8 12.1 15.4 18.5 16.8 11.1 14.0 12.0 出処:韓国特許庁、「2011年 知識財産白書」 ※ 目標とする審査・審判処理期間(単位:月) ❖ 審査:平均(16)、早期(2~3)、一般(18)、遅延(希望時から3) ❖ 審判:平均(9)、迅速 (4)、優先 (6)、一般(9) ❖ Green Technology:審査は超高速(1)、審判は迅速(4) 40 Ⅴ.特許侵害対応の司法手続‐④ (2)審決取消訴訟 ◎ 特許法院 : - 定員:5つの裁判部、20人の判事 - 現在:4つの裁判部、14人の判事 ◎ 技術審理官 : 17人(現在、機械6、化学6、電気5) ◎ 口頭審理及び準備手続きの徹底的な活用 ◎ 技術説明会の重要性 ◎ 審理範囲 : 無制限説(当事者系) ◎ 所要期間 : 6~12月 ◎ 電子訴訟(2010年4月26日から) ◎ 弁理士の訴訟代理は可能 Ⅴ.特許侵害対応の司法手続‐⑤ (3)審判・審決取消訴訟と侵害訴訟との関係 ◎ double track system - 判断の相互背馳のリスク - 審決・取消判決の侵害裁判部への拘束力 - 侵害訴訟の手続進行への影響 ◎ 無効の抗弁の可否 - 権利濫用(大法院2004年10月28日宣告、2000タ69194判決) ◎ 権利範囲確認審判 - (イ)号の特定と確認の利益 消極的確認審判の悪用 積極的確認審判の活用 非侵害・無効・自由実施技術 ◎ 特許法院の活躍 ※ 管轄集中の議論 41 【参考資料⑪】 権利別審判請求の現況 (単位:件、%) 年度 2006 2007 2008 特許 9,725 (36.2) 10,950 (12.6) 12,238 (11.8) 10,561 9,270 (▽13.7) (▽12.2) 実用 765 (▽2.7) 753 (▽1.6) 906 (20.3) 828 (▽8.6) 503 (4.8) 601 (19.5) 766 (27.5) 663 (▽13.4) 689 (3.9) 438 (▽36.4) 商標 4,498 (3.5) 5,296 (17.7) 4,954 (▽6.5) 3,531 (▽28.7) 3,354 (▽5.0) 3,855 (14.9) 合計 15,491 (21.5) 17,600 (13.6) 18,864 (7.2) 15,583 13,782 (▽17.4) (▽11.0) 14,430 (4.0) 請求 デザイン (増加率) 2009 2010 2011 9,664 (4.3) 559 473 (▽32.5) (▽15.4) 出処:韓国特許庁、「2011年 知識財産白書」 【参考資料⑫】 特許法院へ訴提起及び判決の現況 (単位:件、%) 年度 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 訴提起可能な審決 3,293 3,605 4,580 5,754 6,399 7,467 7,599 6,452 6,195 7,267 訴の提起 840 747 873 1,111 1,191 1,414 1,431 979 972 1,254 提訴率(%) 25.5 20.7 19.1 19.3 18.6 18.9 18.8 15.2 15.7 17.3 判決件数 766 752 855 938 1,184 1,251 1,453 1,144 931 1,237 取消し判決 236 206 219 246 328 293 340 270 198 280 取消率(%) 30.4 27.4 25.6 26.2 27.7 23.4 23.4 23.6 21.3 22.6 出処:韓国特許庁、「2011年 知識財産白書」 42 【参考資料⑬】 大法院への上告提起及び判決の現況 (単位:件、%) 年度 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 特許法院の判決 776 752 855 938 1,184 1,251 1,453 1,144 931 1,237 件数 308 300 363 366 416 523 559 468 367 408 上告率(%) 39.7 39.9 42.4 39.0 35.1 41.8 38.5 40.9 39.4 33.0 368 283 383 294 473 520 580 556 400 369 件数 61 32 41 45 44 51 63 54 46 44 破棄率(%) 16.6 11.3 10.7 14.9 9.3 9.8 10.9 9.7 11.5 11.9 上 告 大法院の宣告 破 棄 出処:韓国特許庁、「2011年知識財産白書」 【参考資料⑭】 審決取消訴訟の年度別新受事件数 199 1999 8 200 2001 0 200 2003 2 200 2005 4 200 2007 6 200 2009 8 201 0 大法院 311 316 393 355 308 300 363 366 472 520 544 468 367 特許 法院 1,121 996 866 728 844 749 878 1,115 1,191 1,251 1,449 983 978 出処 : 法院行政処、「司法年鑑2011」 審決取消訴訟における外国人当事者の国籍 ( )内は比率 米国 日本 ドイツ フランス スイス 其の他 2000 104 (33.5) 60 (19.3) 31 (10.0) 28 (9.0) - 87 (28.0) 2001 139 (50.5) 44 (16.0) - 21 (7.6) - 71 (25.9) 2002 88 (38.8) 56 (24.7) 23 (10.1) - - 60 (26.4) 2003 65 (31.3) 42 (20.2) - - 25 (12.0) 76 (36.5) 出処 : 法院行政処、「司法年鑑2002•2003•2004」 43 【参考資料⑮】 審決取消訴訟の処理結果(2010年) 特許法院 処 理 区分 今年 受付 判決 合計 却下 命令 原告 勝訴 原告 一部 勝訴 原告 敗訴 其他 訴取 下 其他 却下 未済 上告 合計 978 1,013 4 206 13 590 8 - 189 3 464 344 特許 527 520 1 84 6 316 5 - 107 1 300 168 実用 新案 75 97 - 22 1 61 2 - 11 - 44 36 デザイン 100 122 1 28 - 75 - - 18 - 19 36 商標 269 271 2 72 6 137 1 - 53 - 97 104 出処 : 法院行政処、「司法年鑑 2011」 【参考資料⑯】 審決取消訴訟の処理結果(2010年) 大法院 処 理 区分 今年 受付 判 決 合計 却下 命令 破 棄 上告棄 却 自判 還送(差戻し) 其他 訴取 下 上告 取下 其他 未済 合計 367 399 - 326 8 37 - 10 16 2 132 特許 175 192 - 158 6 16 - 5 5 2 78 実用新 案 40 49 - 45 1 - - 3 - - 9 デザイ ン 43 43 - 33 - 6 - - 4 - 13 商標 109 115 - 90 1 15 - 2 7 - 32 出処 : 法院行政処、「司法年鑑 2011」 44 【参考資料⑰】 審決取消訴訟の処理期間(2010年) 1ヵ月 以内 2ヶ月 以内 3ヶ月 以内 4ヶ月 以内 5ヶ月 以内 6ヶ月 以内 1年 以内 2年 以内 2年 超過 合計 特許法院 38 47 76 134 125 120 435 34 4 186.3 大法院 9 34 119 160 18 6 12 28 13 153.4 出処 : 法院行政処、「司法年鑑 2011」 平均期間(判決):特許法院 7.5ヶ月、大法院 4ヶ月 Ⅴ.特許侵害対応の司法手続‐⑥ 3.特許侵害訴訟における諸論点 (1)権利範囲解釈の基本原則 ◎ 中心限定主義 vs 周辺限定主義 ◎ 文言解釈 – 文言の一般的な意味内容に基づき、客観的・ 合理的解釈 – 発明の詳細な説明・図面・出願時の技術常識・技術水準などを参酌 ◎ 発明の詳細な説明の参酌 – 拡張解釈・制限解釈の禁止 – 機能式請求項(大法院2009年7月23日宣告2007フ4977判決) – 例外的な制限解釈(大法院2003年7月11日宣告2001フ2856判決) ◎ 出願経過の参酌 – 出願経過の禁反言 45 Ⅴ.特許侵害対応の司法手続‐⑦ (2)瑕疵のある特許発明の権利範囲 ◎ 公知技術の参酌 – 新規性のない特許発明 • 全部公知(大法院1983年7月26日宣告81フ56判決) • 一部公知(大法院1964年10月22日宣告63フ45判決) – 進歩性のない特許発明 • 無効判断を不許(大法院1998年10月27日宣告97フ2095判決) • 権利濫用の傍論:「無効事由があることが明らかであるとき」 (大法院2004年10月28日宣告2000フ69194判決) • 下級審(侵害訴訟)の追従 ◎ 自由実施技術 – 大法院2004年9月23日宣告2002フ60610判決) ◎ 記載不備又は未完成の特許発明 Ⅴ.特許侵害対応の司法手続‐⑧ (3)均等論と禁反言 ◎ 均等の要件(大法院2000年7月28日宣告、97フ2200判決) - 積極的要件 : 技術的思想の同一性、置換可能性、置換容易性 - 消極的要件 : 公知技術の除外、出願包袋禁反言の原則 ◎ ボールスプライン軸受判決の影響 - 技術的思想(課題解決原理)の同一性=非本質的な部分の置換 (大法院2009年6月25日宣告、2007フ3806判決) - 置換容易性の判断時点 ◎ 包袋禁反言の原則 - 特許性(新規性・進歩性)に関する補正と記載不備事項に関する補正 (特許法院2001年6月22日宣告2000ホ6158判決) - complete bar vs flexible bar (大法院2002年9月6日宣告、2001フ171判決) 46 Ⅴ.特許侵害対応の司法手続‐⑨ (4)発明の加減 ◎ 利用発明 - 同一又は均等な発明の利用(大法院2001 年8月21日宣告、98フ522判決) - 権利対権利の積極的権利範囲確認審判 ◎ 迂回発明 - 大法院2000年7月4日宣告、97フ2194判決:侵害 ◎ 不完全利用発明 / 省略発明 - all element ruleの採用(大法院2006年1月12日宣告、2004フ1564判決) ◎ 選択発明、数値限定発明 - 大法院1991年11月12日宣告、90フ960判決:非侵害 - 判断基準には疑問がある Ⅴ.特許侵害対応の司法手続‐⑩ (5)間接侵害 ◎ 専用性 - その物件の生産(又はその方法の実施)「にのみ」使用: - 社会通念上通用し承認されうる経済的、商業的ないし実用的な他の 用途の不存在 - 大法院1996年11月27日、96マ365決定:完成品(コピー機)と部品(ト ナーカートレッジ) - 大法院2001年1月30日宣告、98フ2580判決:コピー機と感光ドラム カートレッジ ◎ 均等又は利用関係での間接侵害 - 認定:大法院2009年9月10日宣告、2007フ3356判決 ◎ 立証責任 - 特許権者:大法院2002年11月8日宣告、2000ダ27602判決 ◎ 直接侵害の要否:独立説? ◎ 間接侵害品に対する権利範囲確認審判 47 Ⅴ.特許侵害対応の司法手続‐⑪ (6)損害額の推定 ◎ 逸失利益の推定(特許法128条1項) - 侵害者の販売数量×権利者の単位数量当りの利益額 権利者の事情により販売できなかった数量による減額 権利者の生産能力による上限 関連商品販売・役務提供の減少:非考慮 ◎ 侵害者の利益額を損害額に推定(2項) ◎ 通常実施料相当額による損害額算定(3項) ◎ 損害額算定の困難な場合、法院が職権で認定(5項) ◎ 共通の論点 - 限界利益説 権利者の実施の要否 寄与度の考慮:推定の一部覆滅 書類提出命令(132条) 各項の予備的・補充的な適用 Ⅴ.特許侵害対応の司法手続‐⑫ (7)その他 ◎ 被告からの抗弁 - 侵害訴訟 / 権利範囲確認審判 - 無効(新規性) - 無効(進歩性):「明らかな場合」 - 公知技術 / 自由技術 - 権利濫用(民法) / 失効 ◎ 誤訳の問題 ◎ 訴訟とはfact findingのゲーム - 立証責任を前提に事案を分析、証拠を収集・提出 ※ 営業秘密の保護 - 転職差止請求(仮処分) - 刑事罰 - 週末バイト・退職者 48 Ⅴ.特許侵害対応の司法手続‐ ⑬ 4.刑事手続 ◎ 告訴 - 親告罪: 特許法、実用新案法、デザイン保護法、著作権法 - 非親告罪: 商標法、不正競争防止法(営業秘密侵害も)、 著作権法(営利のためにまたは常習的な侵害) - 検察か警察か ◎ 知的財産権専担部又は専担検事 ◎ 起訴:公訴提起、略式命令 ◎ 捜査及び裁判期間 ◎ 量刑 【参考資料⑱】 検察での模倣関連犯罪の立件・拘束統計 ( )は拘束 総 商標法、不正競 争防止法 計 著作権法 年度 コンピューター プログラム保護 法 音盤及びビデオ 物に関する法律 デザイン保護 法・特許法・実用 新案法 件 名 件 名 件 名 件 名 件 名 件 名 2005 38,347 48,395 (641) 5,325 7,323 (365) 12,743 15,157 (7) 2,151 3,888 (15) 16,893 19,636 (251) 1,235 2,391 (3) 2006 60,218 77,389 (2,771) 8,814 11,976 (377) 15,624 18,556 (1) 2,850 4,915 (8) 31,713 39,730 (2,385) 1,217 2,212 (0) 2007 38,919 48,544 (498) 6,197 8,866 (195) 23,833 25,345 (5) 3,252 5,711 (10) 4,217 6,190 (285) 1,420 2,432 (3) 2008 129,717 (1,844) 156,793 (2,164) 7,376 (170) 10,398 (213) 88,438 (10) 91,840 (24) 3,612 (2) 5,855 (,2) 28,998 (1,662) 46,415 (1,925) 1,293 (0) 2,285 (0) 出処 : 検察年鑑、 大検察庁 49 Ⅴ.特許侵害対応の司法手続‐⑭ 5.韓国での特許侵害対応手続の特徴 ◎ 侵害訴訟と審決取消訴訟の二元手続 ◎ 権利範囲確認審判の存在 ◎ 水際措置と不公正貿易行為調査手続 ◎ 手続の迅速を追求 ※ 模倣対策で刑事手続の積極的な活用 目 次 Ⅰ.韓国での知的財産権の位置付け Ⅱ.韓国の知的財産権法制 Ⅲ. 日韓特許法の比較 Ⅳ. デザイン保護法と商標法の改正の動き Ⅴ.知的財産権の取得と権能 Ⅵ.特許侵害対応の司法手続 Ⅶ.特許侵害対応の行政手続 Ⅷ.実務でのポイント Ⅸ.終わりに 50 Ⅵ.特許侵害対応の行政手続 1.税関での水際措置 (1)通関保留制度 ◎ WTO知的財産権協定(TRIPs)51条乃至60条を1994年に受容 ※偽造及び不法複製防止協約(ACTA : Anti-counterfeiting Trade Agreement) ◎ 知的財産権侵害物品の輸出入(並行輸入も対象) - 商標権、著作権、品種保護権、地理的表示(権) - 2013年7月から、特許権とデザイン権も保護対象 ◎ 制度の性格 - 通関保留:提訴前の仮保護措置 - 商標権の申告 : 税関から輸出入申告事実の通報 - 商標権者の要請 : 申告なしでもOK - 担保の提供 : 課税価格の120%(通関許容担保は150%) - 職権でも可能 : 偽造商品であることが明白な場合 ◎ 偽造商品に対する返送制限措置 Ⅵ.特許侵害対応の行政手続‐② (2) 偽造商品自動検索システムの導入 ◎ 2001年5月15日から自動検索システムの稼動 - 申告された商標のData Baseを構築(2011年5月 現在 3,706個) - 輸出入申告内容とD/B上の資料を対照し、輸出入者が正当な権利者であるか、 並行輸入可能な物品であるか、等を自動検索 ◎ 商標記載の義務化で実効性を確保 - 輸出入申告書に商標関連事項を記載しなければ申告が受理されない - 商標未申告や虚偽申告は関税法上の虚偽申告罪で処罰 ◎ 商標権の申告 - 自由で無料 - TIPA(貿易関連知識財産権保護協会):2010年4月から申告受付業務が 税関から民間に委託 51 【参考資料⑲】 商標・著作権侵害物品に対する通関保留手続 提訴 権利者 侵害の恐れを通報 輸出入 申告 税関 侵害の恐れを通報 7日以内 通関保留要請 (担保提供) 10日以内に法院提訴事実を立証 法院の仮処分決定事実を通報 (10日間延長可能) 通報 侵害認定時10日間 通関保留措置 疎明資料提出 法院 侵害資料の提出 15日以内に 通関許容の可否決定 (関係機関との協議) 輸出入申告の受理 担保解除 通報 (10日以内) 通関許容要請 (担保提供又は権利者の同意) 輸出入者 Ⅵ.特許侵害対応の行政手続‐③ 2.不公正貿易行為の調査申請手続 ◎不公正貿易行為調査及び産業被害救済に関する法律 - 貿易委員会:知識経済部傘下の独立した行政委員会 - 不公正貿易行為・Safe Guard・Anti-Dumpingなどを管轄 ◎ 禁止の対象になる不公正貿易行為 - 知的財産権侵害物品の輸入・輸入物品の販売・輸出・輸出目的の製造 - 原産地の虚偽・誤認表示、原産地表示の損傷・変更、又は表示不履行 - その他、輸出入秩序を阻害する行為 ◎ 保護対象となる権利 - 特許権・実用新案権・意匠権・商標権 - 著作権・著作隣接権・プログラム著作権・半導体集積回路の配置設計権 - 地理的表示・営業秘密 52 Ⅵ.特許侵害対応の行政手続‐④ ◎ 貿易委員会(KTC)の調査 - 委員 : 9人以内(企業や貿易・知的財産権実務者、学者、法律家、公務員) - 調査申請 : 違反行為から1年以内に誰でも可能、職権調査も可能 30日以内に調査開始の可否決定 調査 : 貿易調査室 輸出入調査課 判定期限 ◎ 救済措置 - 暫定措置 : 申請及び担保の提供が必要 - 是正措置 : 輸出入・販売・製造行為の中止、搬入排除・廃棄、 訂正広告、是正命令を受けた事実の公表、その他 - 課徴金 : 取引金額の100分の30以下又は5億ウォン以下 - 刑事罰 : 暫定措置・是正措置を違反した者 (3年以下の懲役又は3千万ウォン以下の罰金 ) - 行政委員会としての限界:米国のITCとの比較 【参考資料⑳】 不公正貿易行為調査手続の流れ 知財権侵害 輸出入秩序違反 調査 申立 30日 調査開始 決定 調査 審議• 判定 制裁措置 (是正措置課徴金) 原産地 表示違反 暫定措置 〔貿易委員会〕 制裁措置建議 制裁措置(是正措置・課徴金) 〔知識経済部長官〕 53 【参考資料21】 不公正貿易行為調査手続の申請件数 89 90 00 99 (단위 : 건) 01 25 32 3 商標権 23 24 1 著作権 - 2 デザイン権 2 特許権 - 実用新案権 - 年 度 知的財産権侵害 その他 02 03 04 05 06 2 4 5 - 1 - - - - 1 - 1 2 2 1 1 - - 07 08 09 10 11 4 6 - 4 4 3 - 1 3 - 8 5 - - - - - - - - - - - 1 2 4 3 1 1 - 1 1 1 4 1 1 1 - - - - - - 1 - 2 2 10 7 - 2 - - 1 1 - - - - - - 原産地表示違反 9 24 3 6 4 - 1 - - 1 2 2 輸出入秩序阻害 27 23 3 5 1 - - - 1 - 1 - 61 79 9 13 9 5 5 6 5 4 6 4 計 目 次 Ⅰ.韓国での知的財産権の位置付け Ⅱ.韓国の知的財産権法制 Ⅲ. 日韓特許法の比較 Ⅳ. デザイン保護法と商標法の改正の動き Ⅴ.知的財産権の取得と権能 Ⅵ.特許侵害対応の司法手続 Ⅶ.特許侵害対応の行政手続 Ⅷ.実務でのポイント Ⅸ.終わりに 54 Ⅶ.実務でのポイント 1.初期対応 (1) 侵害認知 ◎ Watching Service(常時 Check) - 現地法人、販売代理店 - 調査会社 - 法律事務所 ◎ 侵害製品の出処及び流通状況を把握 (2) 現地代理人の選任 ◎ 専門性・経験・コミュニケーション・ one-stop or not - 大手法律事務所 - IP Boutique 法律事務所 - 法律事務所 + 特許(法律)事務所 ◎ 日本国内代理人のサポート ◎ その他の専門家 【参考資料22】 弁護士数(2012年4月現在) 個人・共同 法務法人* (所 / 人) 合計 全国 7,635 580 / 6,134 13,769 ソウル 5,217 377 / 4,920 10,137 * 法務法人(有限)16ヵ所を含む 弁理士数(2011年12月現在) 試験 審査官 弁護士 合計 登錄 2,136 535 4,057 6,728 開業 1,932 514 3,309 5,755 55 Ⅶ.実務でのポイント‐② 2.戦略の樹立 (1)警告 ◎ 警告の要否 - 戦略的な考慮 ◎ 発送名義 - 直接或いは法律事務所 (2) 適切な手続及び管轄の選択 ◎ 民事・刑事・行政手続 - 同時・異時、順次・並行 ◎ 仮処分・本案訴訟 ◎ 差止請求と損害賠償請求の併合 ◎ 特許審判の活用(積極的な権利範囲確認審判) ◎ 裁判管轄 : 住所地・侵害地・高裁所在地 ◎ cost performance又は徹底追及 Ⅶ.実務でのポイント‐③ (3) 証拠の収集 ◎ (イ)号の確保 ◎ 立証方法の工夫 - 推定規定、検証・鑑定方法 ◎ 証拠保全手続 (4) 権原の再確認 ◎ 特許請求範囲の再検討 - 対応外国特許、誤訳 ◎ 無効審判・別訴など逆攻撃への対応を準備 ◎ 訂正の要否及び訂正後の侵害の成否 (5) 手続進行面での戦略 ◎ 侵害訴訟と審判手続との相互関係 ◎ 1訴訟多特許 vS. 1訴訟1特許 ◎ 他権原に基づく請求との並行 ◎ 費用 対 効果 56 Ⅶ.実務でのポイント‐④ 3.被告としての対応 (1)主張事由 - 無効 - 非侵害 - 正当な使用(自由実施技術、先使用など) (2)手続的側面 - 抗弁 - 審判 - 反訴・別訴 (3)被告になる蓋然性 - 競合他社からの出願に対する定期的な Watching - 防御目的の出願 目 次 Ⅰ.韓国での知的財産権の位置付け Ⅱ.韓国の知的財産権法制 Ⅲ. 日韓特許法の比較 Ⅳ. デザイン保護法と商標法の改正の動き Ⅴ.知的財産権の取得と権能 Ⅵ.特許侵害対応の司法手続 Ⅶ.特許侵害対応の行政手続 Ⅷ.実務でのポイント Ⅸ.終わりに 57 Ⅷ.終わりに ◎ 知的財産権関連紛争の増加 - 権利行使の積極化: 「儲かる知財」、「知財営業マン」 - 知的財産権侵害の国際化: borderless、多国籍訴訟 - NPE(パテント・トロール)の登場と活発な動き ◎ ビジネスで有用な知的財産権マネジメント - 積極的・計画的な権利獲得 権利の適正な管理及び価値評価 ライセンスやM&Aなど、ビジネスで徹底した活用 侵害の発見時、適切に対処 ◎ 韓国企業とのビジネスと知的財産権 - JETROソウルセンター・韓国IPG 学歴 ソウル大学法学部卒業(1986) 第27回司法試験合格(1985) 第17期司法研修院修了(1988) ソウル大学大学院法学科修士過程修了(1988) 東京大学法学政治学研究科修士取得(1998) 経歴 日本の法律事務所勤務(1997-1998) (森綜合法律事務所(東京)、松尾綜合法律事務所(東 京),大江橋法律事務所(大阪)) 弁理士登録(1998) 太平洋特許法律事務所所長(1998-2000) 特許庁国際特許研修部講師(2000-2002) 特許庁商標政策諮問委員(2001-2003) 外国法事務弁護士登録(日本弁護士連合会:2002) 太平洋外国法事務弁護士事務所所長(2002-2007) 日本弁護士連合協会国際交流委員会幹事(20052007) 第2東京弁護士会国際委員会副委員長(2005-2007) 日本発明協会模倣被害アドバイザー(2005-現在) 韓国エンターテイメント法学会渉外理事(2008-現在) 大韓商事仲裁院仲裁人(2008-現在) 韓国知的財産権委員会委員(2009-2012.7) 現 法務法人(有限)太平洋 パートナー弁護士 現 特許法人太平洋 代表弁理士 韓国弁護士・弁理士 イ フ ドン 李 厚東 Tel. +82-2-3404-0134 E-mail [email protected] 58 学歴 高麗大学校 機械工学部 卒業 (1994) 高麗大学校大学院 機械工学部 修士 (1997) 日本東京工業大学大学院 機械工学科 研究生(19951996) 第37回弁理士試験合格(2001) 韓国弁理士 ヤン ㈱三星航空 (1997-1998) 特許法人太平洋(2001-現在) 三菱電機、ニコン、創英国際特許法律事務所で研修( 2009.4-2009.10) ソン ウク 梁 成旭 経歴 Tel. +82-2-2188-5456 E-mail [email protected] 59