...

LC035 - ジーエルサイエンス

by user

on
Category: Documents
42

views

Report

Comments

Transcript

LC035 - ジーエルサイエンス
LC Technical Note
カラムスイッチングHPLCによる
食品中のビタミンKの分析
35
GL Sciences Inc.
GL-7400シリーズを用いた、カラムスイッチングHPLCに
シリ
を用
、 ラ
イッチ グ
よるビタミンKの分析をご紹介します。
ビタミンKは脂溶性ビタミンの一つで、天然にはビタミン
K1(フィロキノン)とビタミンK2(メナキノン類)が存在しま
す。ビタミンK1は緑色植物に多く含まれ、K2は、チーズや
納豆に多く含まれます。K2は、その側鎖のイソプレンの数
に応じて、メナキノン-n(MK-n)と呼ばれています。一般的
にはMK-4が、納豆にはMK-7が多く含まれています。
ビタミンK3は、
は、工業的に合成された成分で自然界には存
業的に合成された成分で自然界には存
在しません。
ビタミンKの分析の流れとして、食品中のビタミンKを溶
媒で抽出し、固相抽出で精製した検液をカラムスイッチン
グHPLCシステムに注入し分析する手法を採用しました。
GL-7400シリーズでは、スイッチングバルブのコントロー
ルが行え、目的成分の濃縮や夾雑物質の除去にが容易
に行えます。
(K.Suzuki)
ビタミンKの分析例
1. Vitamin K2 (MK-4)
2. Vitamin K1
3. Vitamin K2 (MK-7)
( 5μg/L)
( 5μg/L)
( 5μg/L)
10
FLU
2
1
0
3
0
10
20
Time (min)
標準液のクロマトグラム
4000000
Vitamin K1
HPLC 条件
条
3500000
・ プレカラム
Inertsil ODS-3 (5μm, 50 x 4.6 mm I.D.)
・ 分析カラム
Inertsil ODS-3 (5μm, 250 x 4.6 mm I.D.)
(Pump ①)
・ 溶離液
(Pump ②)
・ 温度
2500000
面積値
: A) C2H5OH
B) CH3OH
A/B = 5/95 v/v , 1mL/min
: A) C2H5OH
R2 = 0.999
Vitamin K2(MK-7)
3000000
・ 還元カラム 白金黒カラム
・ 溶離液
Vitamin K2(MK-4)
2000000
R2 = 0.999
1500000
B) CH3OH
A/B = 50/50 v/v , 1mL/min
1000000
R2 = 0.999
40℃
・ 検出器
FL Ex 320 nm Em 430 nm
・ 注入量
50μL
500000
0
注入2.5分後、試料をプレカラムから分析カラムに導入
0
5
注入6分後に再度バルブ切換え
10
15
濃度(μ /L)
濃度(μg/L)
検量線
構造式
O
O
H
H
n
3
O
O
Vitamin K1 (Phylloquinone)
Vitamin K2 (Menaquinone-n:MK-n )
Structures are created using Chemistry 4-D Draw which is provided by ChemInnovation Software, Inc.
バックナンバーやアプリケーション検索はこちらから・・・
http://www.gls.co.jp/hplc.html
20
GL Sciences LC Technical Note
カラムスイッチングについて
分析カラム
プレカラム
Pump ①
試料
カラムスイッチング法は夾雑の除去やカラム濃縮を行う
法
雑
濃
う
ために頻繁に使用されています。一方で、手作業による
前処理では、再現性の精度管理が問題となる場合があ
り、この解決策としても、機械による自動化が可能なカラ
ムスイッチングシステム法は非常に有効な方法として知ら
れています。
① 試料注入
Pump ②
⑥ 平衡化
:流路
:試料
下図にカラムスイッチングシステムの流路図、右図に試
料導入の流れを示します。まず、オートサンプラーにより
注入した試料をプレカラムに導入し 夾雑成分の除去や
注入した試料をプレカラムに導入し、夾雑成分の除去や
目的成分の濃縮を行います。その後、目的成分がプレカ
ラムから溶出する直前に、6方バルブを切り替え、逆方向
からプレカラムに異なる組成の溶媒を流します。この結
果、プレカラムに保持した目的成分が溶出され、分析カラ
ムへ導入されます 。試料が分析カラムに導入された後、
再度バルブが切り替わり、プレカラムの洗浄および平衡
化を行います。この行程により濃縮効果と夾雑成分の除
去が可能なため 分析カラムでは 目的成分をさらに分離
去が可能なため、分析カラムでは、目的成分をさらに分離
することができます。
:目的成分
+夾雑成分
:夾雑成分
② プレカラム分離
⑤ 分析カラム分離
:目的成分
③ バルブ切換え
④ 分析カラムへ導入
分析条件・流路図
Column Oven (40℃)
Autosampler
Pump ①
FL Detector
カラムスイッチング プレカラム
GL-7420
GL
7420
GL 7410
GL-7410
デガッサー内蔵
A/B = 5/95 v/v
分析カラム
GL-7453A
GL
7453A
還元カラム
Ex : 320 nm Em : 430 nm
GL-7430
Drain
Pump ②
GL-7410
B: CH3OH
デガッサー内蔵
A/B = 50/50 v/v
A: C2H5OH
還元カラムによるビタミンKの蛍光物質化
ビタミンK(キノン型)を還元させハイドロキノン型になると蛍光を発する物質になります。
還元の方法には、白金黒など還元触媒と接触させる方法や還元試薬を作用させる方法があります。
後者は試薬の失活が大きいのに加え、送液ポンプがさらに1台必要となるデメリットがあります。
本報では前者の方法を採用し、白金黒をカラムに詰めて充填カラムのように使用しました。
O
OH
R
R
1. Vitamin K2 (MK-4)
2 Vitamin K1
2.
3. Vitamin K2 (MK-7)
還元反応
FLU
60 80 100 120 140
OH
1
2
20
40
3
0
0
20
40
FLU
60 80 100 120 140
O
0
10
Time (min)
還元前
20
0
10
Time (min)
還元後
20
GL Sciences LC Technical Note
食品中ビタミンK前処理例
穀物・乾物の抽出
油脂および油脂加工品の抽出
試料
試料
試料
- 0.1g
- 5g
- 1g
抽出
抽出
抽出
- メタノール 10mL
- 振とう 10min
- 遠心分離 2500rpm, 5min
- n-ヘキサン 10mL
- ホモジナイズ
- n-ヘキサン 10mL
- 振とう 5min
- 遠心分離 2500rpm, 5min
- アセトン 10mL
- ホモジナイズ
- n-ヘキサン 10mL
- 振とう 5min
- 遠心分離 2500rpm, 5min
分取
分取
分取
- メタノール層分取
- 精製水 1mL
- n-ヘキサン 8mL
- 5mL分取
- 5mL分取
溶媒留去
抽出
溶媒留去
- 減圧下, 40℃以下
- 振とう 5min
- 遠心分離 2500rpm, 5min
- n-ヘキサン層 5mL分取
- 減圧下, 40℃以下
定容
- n-ヘキサン 2mL
その他一般食品の抽出
定容
溶媒留去
- n-ヘキサン 2mL
- 減圧下, 40℃以下
精製へ
精製へ
定容
- n-ヘキサン 2mL
精製へ
1. Vitamin K1
2. Vitamin K2 (MK-7)
ミルク抽出液
1
0
Mega BondElut
SI 1gg / 6mL
200
FLU
400
精製操作
0
米抽出液
0
溶出
- ジエチルエーテル / n-ヘキサン混液
(4:96, v/v) 5mL
20
FLU
0 20 40 60 80
油抽出液
FLU
400
定容
拡大
0
カラムスイッチング
HPLC-FL
1
0
10
Time (min)
20
納豆抽出液(100倍希釈)
400
FLU
20
2
1
0
米 必要があれば、薄層クロマトを行い更に精製を行う。
- エタノール 200μL
10
Time (min)
FLU
-減圧下, 40℃以下
0
200
溶媒留去
2200
FLU
-n-ヘキサン 5mL
400
洗浄
1
200
- 試料負荷
20
拡大
0
試料通液
10
Time (min)
0
10
Time (min)
20
GL Sciences LC Technical Note
使用装置 ・ 器具
固相カラム:
ロータリーエバポレーター
REV10N
Cat.No. 3001-79052
Mega BondElut SI
1g / 6mL 30本入り
Cat. No. 5010-11415
1
3
5
6
4
2
固相抽出マニホールド:
GL-SPE吸引マニホールドシステム
Cat.No. 5010-50001
内容:
1.吸引マニホールドキット
2.ダイアフラム真空ポンプ
3.吸引ろ過ビン
4.減圧ホース
5.ストップコック
6 スピッツ管(2種類)
6.スピッツ管(2種類)
濃縮装置:
リアクティサーモ
Cat. No. 1030-44010
リアクティバップ 針、プラグ付
Cat. No. 1030-44014
HPLC装置:GL-7400 シリーズ
番号
1
品名
キ リアリザ バ
キャリアリザーバー
カラムオーブン
6方バルブ内蔵
オートサンプラー
蛍光検出器
ポンプ × 2台
2
3
4
5,6
1
型番
GL 7480
GL-7480
GL-7430
4
GL-7420
GL-7453A
GL-7410
2
カラム
カラム:
Inertsil ODS-3 5μm, 250 x 4.6 mm I.D.
Cat.No. 5020-01732
Inertsil ODS-3 5μm, 50 x 4.6 mm I.D.
Cat.No. 5020-01763
6方バルブ Cat.No.6003-17706
取付金具
金
Cat.No.6003-17705
5
3
6
ジーエルサイエンスでは、分析ノウハウときめこまやかなフォローもお付けしたシステム提案を行っております。
お近くの営業所や カスタマーサポートセンター までお気軽にお問い合わせください。
ホームページはこちらから・・・
http://www.gls.co.jp/hplc.html
〒163-1130
東京都新宿区西新宿6丁目22番1号 新宿スクエアタワー30F
TEL.03(5323)6611 FAX.03(5323)6622
TEL.03(5323)6611
TEL.06(6357)5060
TEL.024(533)2244
TEL.029(858)3700
TEL.043(248)2441
TEL.048(667)1611
TEL.045(475)1144
TEL.052(931)1761
TEL.082(233)1101
TEL.092(291)5200
FAX.03(5323)6622
FAX.06(6357)4580
FAX.024(536)1518
FAX.029(858)3780
FAX.043(248)2485
FAX.048(667)1656
FAX.045(475)1145
FAX.052(931)1814
FAX.082(233)1110
FAX.092(291)2552
カスタマーサポートセンター T E L . 0 4 ( 2 9 3 4 ) 1 1 0 0
FAX.04(2934)3361
東
大
東
筑
千
北
横
名
広
九
京 営 業
阪
支
北 営 業
波 営 業
葉 営 業
関 東 営 業
浜 営 業
古 屋 営 業
島 営 業
州 営 業
部
店
所
所
所
所
所
所
所
所
ジーエルサイエンス LC テクニカルノート
Fly UP