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理科学習の個別化を志向した 評価方法論の検討

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理科学習の個別化を志向した 評価方法論の検討
理科学習の個別化を志向した
評価方法論の検討
森本
信也*・松森
序
靖夫**
章
児童・生徒の個性や能力に応じた教育を具現化する際,学習者の諸能力の実態を的確に
把握し評価することほ,極めて重要である。また,このような個人差に応じた教育や学習
の個別化への要請ほ,昨今の続時教育審議会の諸答申1)において新たに強調された理念で
ほなく,常に現代理科教育思潮の変遷の伏流をなしてきたものである。教育評価学におけ
「一人ひとりの生徒を
る'60年代以降の梅だった動向の中にも,人間尊重教育論に基づく,
その能力・適性に応じてできるだけ伸ばし,少なくとも基本的事項についてほ子どもを落
ちこぼさないで,その学習を保障するような教育評価2)+の必要性を垣間見ることができ,
個々の学習能力を伸ばす評価のあり方が問われてきた。
しかしながら,上述の主張ほ,一斉授業という学習指導形態の時間的空間的制約及び教
師の力量不足等の要因から,現在まで実践形態として実現する機会には恵まれなかちた様
である。
では,実際の授業場面において,どのような実態把握の方法(評価方法)を用いれば,
個々人の学習を保障し,より効果的な学習活動が構成できるのであろうか。そこで本研究
in Learning
Science Projectによる研
W)らのProgress
ではまず, --レソ(Harlen,
究成果の1つである評価用チェック1)ストを参考にして,理科学習の個別化を志向した評
価方法を立案するo
さらに,それらを用いて,授業実践8こおける児童(小3)の科学的態
度・科学的諸能力の実態を明らかにしたい。尚,本評価方法を導入する単元ほ,米国理科
ESS
Science
(Elementary
カ7)キュラム
Study)のモジュール「ミラーカード(Mirror
Cards)+である.理科学習の個別化を志向した評価方法構築の一助になるものと考える.
第一章:理科学習の個別化を志向した授業設計
教育活動全般にゃいて,指導と評価は一体(Integral part)と言われる様に,どんなに
優れた評価方法であっても,指導目標の細かな分析や指導法の十分な吟味を怠ると大なる
教育効果ほ望めない。本研究においても,確固たる指導理念を背景とする学習単元を用い
て,個別化を志向した評価方法の実践的検討を行わねばならない。そのため,米国のもの
*理科教育教室
**千葉県日出学園
森本
250
信也・松森
でほあるが,秀でた理科カリキュラムの1つである
のモジュール単元「ミラーカード(Mirror
靖夫
ESS
(Elementary
Science
Study)
Cards)+を用いて授業を設計する。以下に,
その詳細を記すことにする。
(1) ESS理科モジュール単元「ミラーカード(Mirror
ESS理科(Elementary
唱者ホ-キソス(Hawkins,
Cards)+について
Science
Study)は, 「自由試行(Messing
About3))+理論の提
D)らが中心となり開発した,
56モジュールからなる米国理科
カリキュラムである。ホ-キソスほ,自由試行を導入した理科学習の3局面を図14〕のよ
うに規定している。
l Oの局面I:「自由試行+の行われる局面である。児童に材料や時間を十分与え,自由に
活動させる場面である。
I △の局面いすでに○の局面で児童ほ様々な探究課題を発見している。児童が見つけた探
「多岐プログ
究課題に取り組むための方向づけ,意欲をもたらす局面である。
ラム化+の局面が△の局面である。
l□の局面E:
○ ・△の局面での探究活動の成果を話し合う局面である.彼は,この局面を
is square
!口)+と位置づける。
「理論の局面(Theory
図1:自由試行による授業の3局面(ホ-キソスによる)
「ミラーカード5)+ほ,この自由試行理論が生かされている代表的単元の
モジュール55
1つである。
「ミラーカード+とほ,本モジュールで使用されている教材名であり,具体
的には鏡の対称性・鏡映操作を用いてカードの絵図を変形し,目的の形に合致させる活動
をさす。使用するカードほ全21セットからなる。セット1及び7の具体例を図2に示して
おく。
セット1の具体例
セット7の具佑例
麓
管
娃
●
局
もヽ
て
@
管
局
Lヽ
●
●
●
PAT一己R宇i CARD
●
●
●
●
●
●
て
珍
CゴーO
f1ゴ三1⊥セd
図2:ミラーカードの具体例(セット1と7の一部)
(2)授業計画
i)実施期日及び対象:
昭和60年9月10日,筆者らが実施した。対象は千葉県市川市内の小学校第3学年(男子
5名,女子5名)である。また本学習者ほ「ミラーカード+に関連する単元「光あつめ+
ほ未履習である。
251
理科学習の個別化を志向した評価方法論の検討
ii)単元名:「ミラーカード+
ESS理科「ミラーカード+は全21セットからなるので,特に小3段階で妥当と思われる
セット1′-7までを参考にし,授業を立案した。
iii)単元目標(評価目標)
:
ミラーカードのセット1-7に関連する目標群のみを抜粋し,本授業のために若干の修
正を加えた。
(単元目標) :ミラーカードを用いて,一致する(合同の)′10タJ(と一致しないパターソ
を区別できる。
く該当する目標領域)
評価目標:
1.二次元の物体の対称性を探究するために1枚の鏡
を用いることができる。
(Bレベル)
2.パターソカードと一致するか否かの観点から,カ
(Ⅰレベル)
ードを分類できる。
3.パターソカードと一致するカードの共通点,一致
しないカードの差異点を推論し,述べることができ
(Ⅰレベル)
る。
4.
1つ以上の対称軸に閲し,対称性を有する物体や
パターソを探究するために2枚の鏡を用いることが
(Aレベル)
できる。
科学的思考のプロセス(観察) -操作・
(
(
概念
科学的思考のプロセス(分類)
・概念
科学的思考のプロセス(分類・観察・
i
(
推論と予想)・コミュニケ-ショソ・
概念
科学的思考のプロセス(観察) ・操作
概念
・x・尚, ESS評価カ1)キュラム6)では,目標を5領域(科学的思考のプロセス・操作・コミュニケ
Bレベル(Basic一基礎レ
-ショソ・概念・態度)に分類分析している。一方,目標の難易怯も,
Ⅰレベル(Intermediate一中間レベル),
Aレベル(Advanced一高等レベル)の3種に分
ベル),
け記述されている。
iv)方法と内容授業:
○の局面
:児童個々にアクリル製の鏡2枚(6cmx8cm)と絵図の書いてある6枚のカ
6枚のカードほ,ミラーカードセット1-3の中か
ードを1組にして与える.
ら,特に児童に興味のありそうなものを選択したものである。児童に時間を十
分与え,自由に活動させる。児童相互のコミュニケ-ショソは自由とし,教師
の助言は,机間巡視での助言程度にとどめる。
く6枚のカード④-㊨)
②
①
㊨
㊨
3
△の局面
③
⑨
④
㊨
◎争%
㊨
⑥
㊨
m町¶
lll
:授業時間に制約があるため,探究課題を3つのセット(Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ)にしぼり,
各自取り組ませるo
3セットとも錬を用いてカード上の絵図の形を変え,もう
252
森本
信也・松森
靖夫
一方のカード(パターソカード)の絵図と照合し,合致するカードとしないカ
ードに分類するものである。
くカードセットⅠ・Ⅱ・Ⅲ)
パターンカード
セ
ッ
ト
Ⅰ
崖
カード群
⑧
パターン女-
i.
ッ
I
●王Ⅰ
,専
⑩
セ
ッ
ト
ⅡⅠ
●●
●●
●●
⑮
㊨
@
・Lb
e
⑳
J<ターンオー7t
⑲
⑳
⑬
℃ @i3 @4 ⑥b デE>
⑳
セ
⑨
⑳
@
■
⑳
⑳
㊨
⑳
@.+..
Y▼
●●
⑳
③
●●
●
㊨
@
⑳
⑳
㊨
A
A
⑳
⑳
@
軒
ji-
⑳
⑳
qh
◎′ ●● 句I
l 1
●
●●
I
I
●
●
[□の局面I:△の3セッ
トの探究結果について発表したり話し合う。学習活動のまとめ理
論化の段階である。
第2章:評価用チェックリストの作成
第1章(2)のように,
ESS理科における各モジュールごとの単元目棲(評価目標は明確に
示されている一方,学習場面での評価の具体的方策についてほ,ほとんど明示されていな
いo加えて本単元のように自由試行に基づく学習は個別的個性的色彩が強いため,授業内
の評価は迅速かつ明瞭なものでなくてほならないoこの#J点を克服するための一助とし
て,ハ-Vソ(Harlen,
W)の評価用チェックリストを参考にし,本単元独白の評価用チ
ェックリストを作成する。
(1) --レンの評価用チェックリストの概要
'
・イギリスのロソドソ大学,チェルシー・カレッジの科学教育センター(現在はキングス・
in Learhing
Science
カレッジ)の--レソ(Harlem,
W)らのProgress
Project7)による
研究成果の1つに評価用チェック1)ストがあるoこのプロジェクトでは表1に示すチェッ
クリスト8)により,学習者一人ひとりの理科学習に対する適合度を,科学概念・理論的能
力・科学的態度という三つの領域から評価している。教師は,このようなリストを用い
て,学習前,学習途中,学習後において学習者一人ひとりについてチェックし,個人別能
理科学習の個別化を志向した評価方法論の検討
表1
A
:--レソらによる評価用チェックリスト
(低・中学年レベルのチェック1)ストの数例)
(好
B
しばしIf.所帯rA'事Iに気を留めたウしtJ.-い
ょうに見え.卦こモれらについて掩稚されて
もgt味を示さt)い.
奇
心)
C
fi苛t)事象.に先をひかtLることほあるカi.表
面的あるいlま短期的である。また.発する問
いも. rそれは他の事象とt'のように鵬毒し
r関連する環由は_T と
ているのか+あるいii
いう形式よりも. rそれらiま何か+ 「それらIi
どこカゝら果たのかJという形式が大半を占める●
1
2
3
4
帝奇fJ.-事故に弗味を示L.それらを#しく知
ろうとする。主た,それらの純益生や母史的
麻を官間や自の行I如こよって見い出し.卦こ
良明しょうとする。
5
(因果隅慮の監最)
B
C
.A
序段を与えることなく生存Lた一色モ受け入
ある牡の蛮化の為穫に蛸与している孝女の最
たとえ.正しい色先陣焦が里い出されt1くて
れる.また.東良の没明に芳しても,モれを.
つかを鹿西として同定し,成果網島を良明し
ようとするが.多くの鳩舎同定さ九たものが
長日でIA-いIA急が多い。上ってある変化が雀
ち.原厨によって桔果を良明しょうとする。
空想や神秘性に求める.
253
卓た時.鹿田を干出するのが歯ヰである.
1
A
2
3
4
(*
B
5
#)
C
分類する時.グルー1にFEする岳々の妻蕉と
自分の選んだ捜点(内包=こ.tって分類する
ある一つの特故に.tって分頓でき.壬た牧点
8分が見い出した円包とのPpllこ-乱点がI1い。
ことはできるが,分類されたグJL・-プの申に
別のl艮点を見い出して再ダJL・- t.ングするこ
を変えて.再グLレービングすきことができる.
とl王でさZ1い。
1
2
3
(唖
4
5
嘉)
C
A
BL
指ヰされtJ:けれは.事長の中にある析奇さに
気づくこと‡iない●
事魚の中にある折考さに玉づくことはできる
鼓つかの舌先を用いて.許B(1点モ正qEに事
が.自分のもつ幕兼を十分に利用して軸tL
故的Jt&♯することができる。
l拡分まで&蕪することIiできL1い。
1
2
3
4
5
A
B
(長さの鹿念)
ある一分の長さの色184焦が変ると.長さモ
社鼓の物モモの長さによって正確に並べるこ
圧点の槻を用いて,.長さの比俊をすること
のものがま化すると患っている.
とができ.更に.軌の位dL曲集が変っても長
がでさる●
C
さモのもの疋lま変化がないことを馬借してい
る●
1
※表中のA-C,
2
3
4
5
1-5は筆者が添付
254
森本
信也・松森
靖夫
力の伸長度を評価することができる。
そして,学習後,個人別の伸長度の結果から,一人ひとりがその学習に適合していたか
否か(Match
Mismatch)を評価できる。すなわち,能力の伸長度の鈍い者ほ学習に
and
不適合と判断されるであろうし,伸びの著しい者ほ適合と判断することができる。また,
伸びの鈍い者についてほ,チェックリストのどの段階で止まったかを見ることにより,その
者を伸ばすための方策をたてることも可能になる。したがって,この方法論は,従来より
ある,学習の診断的評価,形成的評価,総括的評価の3側面を持ち合わせるものである。
各々のチェックリストほ,
5点尺度法により構成されている。例えば表1の「好奇心+
では,好奇心の両極端をなす項目(A・
C)とその中間的平均的レづルの項目Bにより評
価項目を作成している。授業者は,児童の好奇心のレベルが項目Aに該当すると判断した
時,
1の所にチェ;クする。また項目BとCの間の児童の場合ほ,
4の箇所をチェックす
るのである。
(2)評価の具体的方策---レソの評価用チェックリストを参考に一
上述の通り,この--レソのチェーツクリストほ,科学概念・論理的能力・科学的態度の
3領域について作成されているのであるが,理科学習における全評価場面を網羅するもの
ではない。そのため,
-⊥レソの評価方法論のみを踏襲しながら,本単元内容に合致した
評価用チェックリストを作成した。また自由試行に基づく学習の3局面(○一△一口)ど
との学習能力の転移をより明確に表現するために,チェックリストを三段(上段:○の局
面,中段:△の局面,下段:□の局面)に修正した。
i) 「科学概念+に関する評価用チェックT)スト
本授業で扱う最も主要な科学概念ほ「鏡映操作による線対称概念+である。この線対称
概念ほ表2のような下位概念から構成されている。各下位概念ごとにチェックリストを設
定した。詳細ほ第4章表10を参照されたい。
表2
:
「鏡映操作による線対称概念+の概念構造
鏡映操作による
線対称概念
(i・mirror
-
-hole)
/対称軸
・図形の合同性く喜…蓋
ii) 「科学の方法+に関する評価用チェックリスト
評価対象となる科学の方法ほ,本授業の評価目標に含まれている「分類+
である。また「操作+
「観察+ 「推論+
「コミュニケ-ショソ+も本領域に含めた。詳細ほ第4章(1)表11を
参照されたい。
iii)「科学的態度+に関する評価用チェックリスト
本授業において特に重視されるべく4つの科学的態度(「好奇心+
「独創性+ 「忍耐力+ 「謙
虚さ+)についてチェックリストを作成した。詳細ほ第4章(1)表12を参照されたいo
第3章:実験授業実施の概要
後章での評価用チェックリストの適用に際して,本章でほ,
○・△・ロの局面ごとに学
理科学習の個別化を志向した評価方法論の検討
習活動の概略を示す。
(1) ○の局面(「自由試行+の行われる局面)
④-㊦の6枚のカードと2枚の鏡を渡し,自由に活動させた。所要時間は約30分であっ
3段階(お互いにできたものを確かめあう段階-自分白身の
た。本局面での学習活動ほ,
探究活動に没頭する段階一白分独自のものを作ろうと試行錯誤する段階)に分け記述する
ことができる(表3)。各パターンカードを用いて作成された絵図例を図3-6に示すこと
にする。
表3
T
:
○の局面での学習活動の概略
:「今からこのカードと鏡を自由に使って,いろんなことをしてみて下さいo
どんなことをしてもいいです。
くお互いに
-イ,ほじめ!+
できたものを確かめあう段階)
女3
:「私,ピエロできたよ。+
男1
:「ぼくも!+
女5
:「ひとつ目小僧ができた。+
女1
:「わたしもできた。+
女3
:「ちいちゃんだってできた。+
女2:「え-,うそ,うか、。+
男5:「歯ぐきができたo+
男4
女2
:「冠ができた。+
:「わたしもできた。+
1
く自分自身の探究活動に没頭する段階)
女1
:「マフラーができた。+
男2
:「あめ玉ができた。+
女2
:「バリカソができた。+
女5
:「先生,トカゲができたよ。+
男3 :「ウイソナもできるよ。+
女2
:「へんな虫ができたよ。+
女3
:「先生早くきて,へんなのができたよ。+
1
(自分独自のものを作ろうと試行錯誤する段階)
女2
:「先生,リボソみたいのができた。+
女3
:「あ,ちいちゃんのまねした!+
女1
:「いったい何ができるわけ,こんな折れたくしで・--.0+
男5
:「これじゃ何も作れないよ。+
女1
:「いろんなことやって,やっとま・ともなくしができた。+
男3:「あ,これ,おもしろい!+
女3
:「ちいちゃん,
2枚鏡を使って作ったよ。+
全:「じゃあ,私もやってみよう。+「ぼくも。+
255
256
森本
信也・松森
靖夫
パターンカード
′i
C*
t
叫
イ ̄ヽ
●
rll>ll
モク
悪魔の帽子
ピエロ
ひとつ目小僧
叫
軒や
冊
チョウ、リボン
常盤
玉乗り
__一1q
■ー
Tr7
_LJ_i_
でヽY
+)
>_
t
ー
I
弓矢
\
一首なし怪獣
せ
J′■■l
V
J\1
●J
U
I
花
花
3人のひとつ目小僧
C*
′■ヽ
′i
●
クノ
一ヽ
●
ち
一ヽ
●
モク
たくきんのピエロ
図3
:○の局面で作成された形・模様例(④:ピエロ)
※
線は
鏡の位置を示す。
理科学習の個別化を志向した評価方法論の検討
257
パターンカード
I
1W*lt8
春
#-8
砂
タコとイカの
頭の合体
■
虫歯・老人の歯
イヌ・コウモリ
いかり
めしペ
ヽ
l事
花びん
・書
2人のひと
図4
こ速
臣 了琴
カブト虫の幼虫
:○の局面で作成された形・模様例(⑥:顔)
ヒトデ
森本
258
信也・松森
靖夫
パターンカード
Q
誤讃
勺モミ
冨芸
∈謬
だ慧
チョウ
藍≡∋
チョウとチョウの事故、.i
∈
讃i転? 慧垂
O干
b干
(フ
0■
0.
(プ
蛾
ゴキブリ・虫
ピーマン
磯
≡ヨ
o亡
演
悪人・クワガタ
野
′
7タロウ
i
匡鞄
i嘘参
o8r:
ステーキ
0
〔
熟
〔
EoojeB;
〕
0
0
花びら
図5
:○の局面で作成された形・模様例((塗:チョ・ウ)
3
匹
の
虫
259
理科学習の個別化を志向した評価方法論の検討
ノヾターンカード
ウインナ
ワニの口
こわれた--モニカ
電車・電車の線路
ヰ
折れてないくし
毛虫
タネ
傷ついたニンジン
・碑転や'、し'甲
こわれたくし
 ̄
 ̄
叫叫
t
ましかく
針の道
サーカスの舞台
ギザギザじゅうたん
l
一億
潤
5角形
雪・星
図6
:○の局面で作成された形・模様例(⑤:くし)
森本
260
表4
信也・松森
靖夫
:各パターンカー、ドにより
揖成された事象数の一覧(○の局面)
・ミラーカ
学習者尭の⊥、ド
M.1
⑨
㊨
ピエロ
ちょう
2
⑥
・皇
㊨くし
ひと
-/普: …軍
.・男1・ -M.2
㊨
じゅう
①・
那
たん
3
 ̄4
2
3
3
4
二4
20
22
女1
′1
1j
1
4・
3-
如.1
合計
M.2
1
M.、1
3.
2
1
17
2
p3
■2
2
2
■14
14.
女2
■3
M.1
2′
M.2
2
M.1
2
2
M..2
2.
1
M.i
4
4
2
2
M.2
1
1_
1 ̄
1
男2
3.. ・4
.1
17
1
1
1、
M.1
・4
1.
1
1
1
2
9
.1
9■-
M.■2
6
■.1
2
6
-0
3
16
M.1
M.1
2
■3
4
4
5
1
1
4:.
3
3
21
23
1
.卑4
M.2
2
21
男4
2
4
2
2
・1
.5、
 ̄3
1
14
1
2
M.1
3
M.2
2・
3
5
2
20
22
女5
2
16
男5
M.2
・1
女子
M.1
合計
・・3・
女3
12
男3
男子
0
M,2
1・3
M.2
12.
・5 ̄
合計 17
9
ll
5
62・
r6:
2
4
21
15
10
3
1
18
1115
合計
83
139
83
M.1
15
llL
16
14
15
13
84
M.2
3
0
0
2
1
0
6
1.1
16
16
16
13
90
26
26
23
26
18
146
8
3
4
27
90
合計
18
M.1
-・27
\
I
\+
173
全体
合計
M.2
合計
8
3■5
3
1.
292731.29.22
173
紙面の都合で,全事象を列記することほできないが,図3-8の通り,個々の児童ほ新
奇かつ独創的な絵図を多数作成した。表4では,10名の学習者すべてで173事象を考案し,
そのうち8名の暑が鏡2枚を用いて絵図を構成したことがわかる。尚,児童一人あたりが
作成した平均事象数は17.3であった。
(2) △:・□の局面
多岐プログラム化の局面
(昌;
○
I
△の局面での探究活動の結果について話し合う場面
本筋では△と□の局面の実践概要を合わせて述べることにする。
i)カードの分類結果
△の局面でほ,
2枚の鏡を用いて各カードの絵図を変形し,パターソカード(お手本の
カード)の絵図と合致させる学習活動を行う.カードの中には合致できないものも含まれ
△
ている。学習者は,合致するカードに○をつけ,カードを一重分類していくのである。
の局面での学習者一人ひとりの分類結果ほ,表5・6・7の各学習者覧の上段にまとめた。
□の局面は3種類のカードセット(Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ)ごとに,各自の探究成果を照合しながら
全体で話し合う場面である。所要時間ほ約40分であったb学習者は話し合いの申で,
△の
局面での自分の分類結果を発表し,その正否を確認したり修正したりするのである。
□の
局面の話し合い後,新たになされた分類結果を表5
・
6
・7の各学習者覧の下段に示した。
261
理科学習の個別化を志向した評価方法論の検討
表5;カ⊥ドセットI
r家+の分架績呆
バターンカード
(
l■
カ
1
2
男 3
4
:パターンカードと食致したもの
空欄:パターンカードと合敦しないもの
2(9
1⑧
学ド
学習
習.局
者面
I
J
3⑲
T
5⑳
4b@
分類結果
(i.三姦己{*=首長
〟
A
〟
□
〟
〟
△
ロ
△
イ ̄
〟
〟
イ
・イ
4
〟
イ
ロ、
4二
〟
〟
A
口
イー
〟
〟
・125
125
・イ
イ
125
4
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〟
・与25
、125
125
〟
・125
〟
5
5
△
ロ ̄
4
〟
イ
1
△
ロ
イ
4
イ
イ
125
125
2
5
1
A
〟
イ
〟
ロ
4
メ
〟
125
〟
15
3′.,△
4
125
ロ
△
ロ
〟
イ
・イ
I
A
〟
ロ
イ
イ
〟
〟
〟
125
イ
イ
12 ̄5
〟
4
〟
〟.
125
12.5
12′.5
森本
262
靖夫
信也・松森
(.
・輔3LG:
I・p
紫やL)
;I_)
寮l嶺
々\l
く丘l q>
tD
くf〉 tD
LD
LD
LL?
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サ
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「Fヽ
、才一ナ
、ナヽ
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 ̄ナ、∼
ー∼ヽ
- ̄∼ーこ㌢
 ̄?I?
ー? ̄ ̄㌢
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ヽー?
ー才一†
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ヽ
…〆
 ̄ ̄ナ 「㌣ ̄?
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「∼ ̄?
ヽ ̄?
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†- ̄∼
T>、∼
■-㌢一寸
サー?
、∼ ̄∼
ー∼T>
†ヽ
I-∼ヽ
ヽヽ
 ̄? ̄∼・
ヽヽ
、こ㌢-∼
ーナ†
 ̄ ̄?ーナ
 ̄ ̄∼ヽ
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、マ・-
「∼-I?
、∼ ̄}
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一貫 ■専
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 ̄才一ナ
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*
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 ̄ ̄∼ー∼
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ヰ中
I
「
ヽ
† ̄:㍗
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8J.
ヽヽ
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求
くD
琳
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ヽ
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I
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掛取稗
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●
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I
I
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O5サ
+柿
l
I
ヰA
口
LD
263
理科学習の個別化を志向した評価方法論の検討
表7;カードセット皿「ポール+の分簸結果
-パターンカード
㊨
●●
●●
(
●●
I
:パターンカードと合致したもの
空欄:パターンカードと合致しないもの
×
カ
1⑳
f
1
て叫学ト
I:f一習
署局面
1
2
早3
4
2⑳
J●
3
4
5
●8
●
△
4
ロ._
A
口
A
4
イ
イ
〟
イ
イ
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〟
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I.-′・・.
〟
イ
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〟
5⑳
・4⑳
〟
〟
イ
6⑳
●
++ ●●
●
●●
■l
●l
7●⑳
■I
分類結果
●
I
〟
./〟
〟
145
〟
4
〟
イ
〟
イ
イー
('t1.三姦己,*=右左)
・123456
12314567X
イX
1.2345■6
〟.
12345
〟
〟
12345
イ
〟
〟
12345
〟
〟
〟
イ
12345
イ■
イ
〟
〟
〟
イ
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〟
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〟
イ●
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イ
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イ■
A
〟
123456
ロ
イ
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イ
イ
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イ
123456
A
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イ.′・・ ̄
イ
〟
∫
ヤ
△
口
△
ロ
2
中
1■V
・一 ̄ィ
1イ
 ̄△
5
⊂】
1
3⑳
:誤って児童が合致するとしたもの
ロ
.〟
表8'・カードゼット1
イ
〟
イ
〟
〟
〟
イ
12345
イ
・12・3456
1245
イ
123456
イ
〟
1246
1246
1245
1245
〟
4..A
イ
12.345
イ
ヤ
12345¢
「家+についての話し合い
T(教師)
:「黒板に○のカードと×のカードをはってくオ1卑人?+
C(学習者):「はい,はい。+
(男1・女1を抜かして挙手)
T:「それでほ
男2君!+
(黒板に分類結果をはる)
板書
お手本
∼
0のカーF
L=
=二+
×のカ-ド
4百1・
「5z;
1仁有「3・岩
森本
264
信也・松森
靖夫
T:「さあ,みんな,男2君のと自分のを比べてみよう。
女1:「わたし,
○のカード1つしかなかったよ。+
男3:「同じになったよ。+男4
:「ぼくも同じ。+
男5・女3:「ちがうよ。+
T:「では,男2君と同じになった人?+
-・・・男畠・4,女2・4・5が挙手.
T:「5人だね。それでは,男2君と違った人?+
---男1・5,女1・3が挙手。
T:「4人いましたね。それでほ,その4人のひと,どこが違うのかな。+
女3:「○は1と2番だけで,
5番のカードは違うよ。+
女3:「わたしも5番違ったわよ。+
男3・4,女2・4・5:「へえ-うそ。+
T:「でほ,
男2
:
5番が○の人に聞きます。どこに鏡を置いたのかな。+
(前に出てカードに鏡をあてる)--図7
(男5
「 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
男5:「ほんとうかなあ。+
T
T
第
:「みんなもやってごらん。+
女1・3「ほんとだ。そうかあ。+
:
(各自確認)
称
「他に違っているのはないですか。+
軸
ヽ_ノ
女1:「2番があってない。+
女1の意見に対し「ェ-+という声が起きる(女3
図7
男3は全く興味を示さない)
女1:「(あわてて対称軸を見つけ)わかった!できた,できた。+
T:「3番・4番は×だったでしょうo+(全員うなづく)
T:「4番ほどうして×なの。
説明してくれる人?+
(男1・女2・4以外挙手)
図
形
男3: 「(前に出てき{・--)
三三が斜めだから,でき
の
A
ロ
ない。まっすぐなってな
きゃダメ。+
女4:
同
性
、ウー
㌔(図8)
「(前に出てき{・∴-)
j
・_
 ̄>-
大
\__
のう
この形が合うためにほ半
分なきゃいけないのにな
(
ヽナ・
I_
普
さ
辺
図8
いからダメ。鏡をのせる
所に半分なきゃダメ。 この辺まで4角があればいい。+
)
図9
(図9)
T:「じゃあ,3番ほ,どうな
の?+(男2・3・5,女子全
員が挙手)
(
図
形
の
■一
T:「でほ女2さん。+
A
トご
⊂l
同
性
女2:「主立が,まっすぐじゃ
なくて曲がっているか
ら--・。+
(図10)
女1:「え-,曲がってたって
図10
図11
牽
I
理科学習の個別イヒを志向した評価方法論の検討
265
番できたよ。+
女5
T
(図11)
:「ちゃんとくっつけると黒いのが,なくなっちゃうから。+
‥「では,黒い所を出すには,どうしたらいいかな?+
(挙手多数)
女1
:
「黒いまどの場所をずらせばいい。+
T
:「どっちにずらすのですか。+
女1:「こっち(指さす)0)(他の者も同一の方向をさし
ている) (図12)
T
:「じゃあ,みんな,黒いまどをずら′して書いてやっ
図12
てごらん。
山霊
男3・5「やっぱり,ほんとうだ。+
表9‥カードセットⅡ
「ホットドック+についての話し合い
「家+のカードと同様に,男
5に分類結果を黒板に担示さ
せた。その後---
T:「2番ほ○の方になって
ますね。どこに鏡を置いた
(挙手多数)
のかな?+
T
:「女2さん。+
対
(図13)
男4・女4:「先生,もう1つ
図13
図14
秤
図15
T:「カードによってほ,たくさんのやり方があるんだね。+
ii) □の局面における話し合いの概要
約40分間ではあるが,本単元に関する様々な下位概念について若し合われた。本小節で
「家+とⅡ
「ホットドック+における話し合いの結果の一部を
ほ,特にパターソカードI
以下に記す。
266
森本
信也・松森
靖夫
表10:チェックリスト「科学概念+の通用結果(女2の場合)
対称抽
く科学最皇〉 l
浪対称の対称始は瓜坪で
ある.
捷対称1J.'拭形・扱対称の
位正純尉こある田掛こ払
少fLくとも1本の対称始が
存在する.
また.その対榊齢)位農結
披対称な担影・扱対称の
位霞嫡孫にある同形の申に
i如、くつもの対称軸を持.}
ているものがあろ.
I土じめている.
く△の局面〉
対称軸の位毘は十分7g
辞しているが.いくつも
の対称軸のある図形には
気づいてい1Lll.
くロの局面〉
話し合いから.いくつ
もの対称軸を持っている
阿駈に(J>_気づいている机
同形ごと.すべての対称
軸をあげるに‡i至らなか
△
I
「「
2
1
3
4
く0の局面〉
ピエロ・チークの半分
の捻から鼓ヰとしての対
称軸を見つけ.全林任を
作丘.同番t'との対称亀
の位掛こついても免づさ
5
つた.
く科学長念) 2
対称梅で2分・された国影
の片方が提示された時.そ
の対称曲(直線部分)に免
をあてれは.左右同じ大き
同髭の合同牲(大きさ)
どんf1撮対称の図形でt)
対称l如こよって.もとの大
きさが2等分される.
さの同形が完成する.
○
V
[コ
I
1
く科学批)・3
3
2
4.
く○の局面〉
ひとつ日小僧・ i:ゆう
たんなど,左右同じ大き
つも専在する.どの対称軸
さの固形を作成.
を用いても.形に的集f1く全 く△の局面〉
休の大きさは2等分される.
主な法当項目なし.
くロの局面〉
カーF①家の畠し合い
から.対蕗蝕ま家の大き
さを2等分することを理
解.しかし.すべての絶
対称の匝形への一般化に
臥至っていなも1.
図形によって;i.大きさ
を2等分する対称抱tiいく
5
輪形の合同牲(形・民社・方向)
どんな斡対称の回形でも
対称抽が2分された図形
の片方が捷示されたf3.千
対称軸により.左右同L:形
の対称N)(正扱拓分)にAを
あてれIf.左右同じ形の固
形が完成する.
の固形(こ分Slされる.
また.モの監正ほ左右対
称であろ.
匝掛こ上17て札左右同
じ掛こ分封する対称蝕bf.
く0の局面〉
ひとつ自小付・ I:+う
たんなど.左右同じ形の
包帯を完丸
いくつも存夜ナ与.
また対称tilこよっては.
様々r}パターンの形lこ分封 く△の均面〉
王(I技当功臣なL.
でさる同形がある.
く□の局面〉
賓や示1ト['ヮタ(セ
ット◎・@)の岳し合い
から.巴正の左右対称珪
等にほ気づいていろ.
【コ
′
1
く事1学良念〉4
2
3
4
5
何影の合同ti(対称抽からの臣I)
対称垢で2分された色彩
どん11抜1i拝な日影でlゝ
の片方が採示さttた時.そ
対称軸に鵬して.左右対応
の苅拝垢(正接冨分)l=良を
あてると.鈍にIま封特捜を
する点.'1'..
・対韓軽から苛度
掛ニあろ.
lまさみ写箆たにある国fj
(生魚)が競る.
く0の局面〉
いろいろtLA肋を作
る申で.米持強からの対
応点が.写真如こあろこ
する点ほ. >7拝飽から等軽
とIi免づI lている.
軽にある.
拭わに上ウて(i対称紛
いくつも音をするが.どの
対持抽に餌してt)左右対応
く△の局面〉
王fJ.'浅当項日(iL.
く=のE;寿〉
どJe)封拝梅5iらい拓
する凸Ei.苛轟E!''=ある
こと1=L^づいているJ-..i完
全fjie為にE三宝ってい.'+-
幸一′
0
A
r1
しJ
一′
1
2
3
i
5
267
理科学習の個別化を志向した評価方法論の検討
表11‥チェック.)スト「科学の方法+の適用結果(女2の場合)
留
分
<科学の方法',・l
宕弘1.'バターン1,1-rの
(I鼓するカードと缶丑し(.I 投I糾:お'.tてIi. (7鼓する
くCのF)31:- :I
J<ターンカーilの監【4't.
-'iえられたすべての,<タ
するカーF,台改し(1'いた
いカーri.奴王F)lニ分.dて
力-
Fと白魚し(i.'い芳一I■
きti'tt.
を正しく分校できE--.
粗推tLJlターンカーFて
Li メ
(⊃
′
′
ロ
1
(科学の方法〉
2
3
4
故
2
軸と鵬一との共同を一
丈ナるまでにけ王ら(LP.
くつかの掛ら一書でさ
る軌細不可欠なナペて
0
A
′
2
3
S
4
#
J<ターンカーFと台鼓ナ く0の馬面〉
任成したA;やtA蛾と.
LないカーItの
分阜抵J&に事づさ.モ¢再 1<ターンカードの染色の
ちがいを荘重L.モの昏
考の玉井丘を准冶し正t,,くや軸に名称をつけた
いくつカヰ述J<ることがで 述べ石ことかでさa.
tた,台&LないカーF
くムの鳥i5〉
さも
持とのようt1一正を加えた 王E1荘当旬日tLI,,.
し
るカーF.
ち舎鼓するのb,柱Ziできも
【〕
1
2
ラ
同杜の蛤毘を搾るため.血
をうまく技作でさtLLl.
1′
3
4
操
4
くIヰ苧の方法〉
基づき.舌鼓しtJ.1いカー
rを合致するように江住
正でさなカ.った○
S
作
J<ターンカーFの絵回と
同様の絵固を作るのに. 1
枚の也を巧みに捷作でき
く○の局面〉
J<ターンカードの冶国と民 1事象のみであるが.
捷の絵毘を作るのに. 1改 A2枚を用いて.模様を
または2枚0故を巧みlこ競 作成しfら
ち.
作でさる.
I
○
Lく
口
′
I
S
2
3
くムの局面〉
2事たのみである机
h2枚を用いてカードの
絵図をま影した
くロの馬面〉
慈し合いの中では,
I
A
く科学の方法)
くロの局面〉
正し合い故.
I/2 + h4iJTOr=WJIOle
を推!iできたが.それに
A
rの治国と
セット(i,の分包揺曳ほt:
正でさL)カLつL
Zi
J<ターンカードと金魚ナ
るカーr.しないカーFの
分甥桔累(=基づさ.モの再
舌の立1点を鼓溶L.その
○ ′
バターンJt-
できるようl=(1つたが.
く⊂コの局面〉
漉し合l.乱さらに多
くの牡点によづさ.牧石
でさるょうにt1ったU.
まだ.巧みに故事をする
ftJi至らt)一t.
y(
【コ
分gL抱BLがZI示されても.
その内舌の丘X点をtEZiで
き(Lit.
(ロの局面〉
畠し合い箆.セット色
[=加え. 1iノも正しく分琉
A(亡写17だ*と′ヾタ-ン く0の額面〉
妹当項目なL.
カーF¢鯛とのJt同を.
形・大ささ・ EJ(事の4+
く△の鼻面〉
なtL点から多面的虻帖で
一晩☆と,{ターンカ・さS.
FとめJt伺を.形・大さ
さi丘■等のtL点から牧
書ナるb!.いくつカゝのtL
点を落とすこともあった.
¢一点は89JILていtLlヽ
/<ターンカードと金色ナ
るカーF.
Lt1一ヽカーr¢
r'.yク+のみ正6(lニ分班.
七-Jト㊥・包l1正しく舟
鼻でさI}か-}た.
事
暮K&1たtとJヾターン
カーFO相と¢■同をい
(輪字の方鼓〉3
3つのカードt・I・/トの
うち.セ9t.径「・1L・Jト
5
JL旺ftった*には8モ向
ける机J<ターンカーt(0
1
く△のTT.d恵〉
Fをす与や丘・に.カ・つ正
I
措に分析できろ.
`i.分撃てきない.
A
ま当項!3・.}し.
-ン力-ドC'kLL別と.舎監
5
4
2
鼓の軌を軸にメ恥、て.
カード¢投函をま酵して
いた.
コミさ主ケーa/■l/
パター-/め+
t{と魯魚す く0の丹誠〉
/<ダー1/カーFと金魚する
自分の持戒Lた宕や扶
るカーF.しないカードO
カーF.しないカーFa)共
8の名称を大さな声で官
Jt同を莞鼓L.他の女見も
達矢点をロ所で走去でさtL 同モロ頚で尭鼓でき8.也
った払他の萄¢声に牡
葡8ナ与.さらに他の立見 真に反応し.「牡のマネし
一ヽ
o苛¢士見虻も耳細け8.
しかし自分と免のI見は と比較L自分の考えを一正・ たJ専の兵書もあ℡た.
また.これ[t解する也の
鼓化・先5:す与ことb(でさ
者の&見にもあまウ耳を換 比べ+ ♯正・封ヒすること
く△の局面〉
ち.
けなll.
P.でさtA'tt.
王tLPF当頚白tLし.
バターンカードと魯魚ナ
るカード,しt1いカードの
0
A
コ亡=玉⊂□
1
2
3
4
S
くロ¢埼壷〉
他の者の土免lこl窮境し
β分¢Jt昆をdE正ナるこ
とl土でさるが.替lヒナる
ことは. fLかなかでさな
かった
268
森本
信也・松森
靖夫
表12:チェックリスト「科学的態度+の適用結果(女2の場合)
く74学的蚊〉 l
好奇心
全牧的(=ミラーカードの
ミラーカーrの字t引=■
ミラーカーFの苛訂に■
く0の局面〉
宇甘I=は■壕を示き1.-いょ 味を苦かれろことfJ.あ与坑珠を示し丑鼓的に行おうと 特筒内, ZZ究藷掛こ事
大1J.-R味毛持ち.あさる
う托見える.さらf=話抵す 夫面的あろい捻転稲光であ ナる. J<ターンカードと金 ことなく取○岨んfl
るょう申宅されても何ら■ S.
魚するカーt'.しないカー (・a細石〉
味を示さ(1一t.
FのJt何もi)らの青井や
好奇心与前面に出し
行たにより見出し.さらに 鞍り租んだ机11ダー'J
カードl=上って母.好奇
心のとぎれることt)あっ
し )
I
】
I/
l′
【コココ亘⊂]
□
1
く日宇2?尊王t/
2
3
4
た.
くロの局面〉
活し合い0申で.好奇
心旺盛に接すこともあっ
た机話し合いlこ全くさ
加Lてい{1い貸元も与ら
れた.
5
望t.1珪
2
圭皇E3.1
い!=いよ
生白の克盟竺L(8分のr{ く○のBLl)云〉
独自のアイデアをフル
心DE5矧:.]Iいて.薪萄1=
て色を,iJ
話i沌rlう.さら;=その中
何に結う
から.抗しいアイデアを生
ことを空
与出すことt';てきる.
Jニ生かし.牲々tlf3やgi
棟を作った.他人の玩を
号ぐマネすることもあっ
ち
ければ.
く△の局面〉
2事象であるが.続2
枚を用いて.バターンカ
だけてあ
ーFと同一の軸を作丸
くロの局面)
話し合いの中でけ. 'd
自の発想はほとんど見ら
れf}カ・つ.JL-_.
1
く科学的亜ZE〉3
Aを用いてJ<ターンカー
ft托他のカI r'を魯魚させ
ようとする#. )回の扶み
で失政Lた時.すぐに放JE
してしま5.
5
丑有力
(0の局面〉
JIL'ターンカードに他¢カ
作成した形や横様を故
ーt'を合鼓させようとナる I(を缶鼓させようとナる時に見せ.安心岳を得な
古.失放してもtk挿の助i 恭.自分の見通しがある
いと次の溝助⊂うつれな
Lがある噂Ji. 泣けて瀬ウ g.取り払tt.
かった.
也め8.
また合鼓させるのに失敗
したJA畠でもあさらめf. く△の局面〉
別の方法で金魚するように なかなカ・魯魚Lないカ
放みる.
ードほ.すぐあ垂らめ.
故JEした
0
′
くロの局面〉
括し合いの中で.他の
A
I
暑から出された析萄な万
態に基づさ.カードを舌
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269
理科学習の個別化を志向した評価方法論の検討
第4章:評価用チェ・yクリストの適用結果
第2章では科学概念・科学の方法・科学的態度の3領域から,評価用チェックリストを
作成した.本章でほ,このチェックT)ストを用いて,上述の学習活動を評価する一方,本
チェックリストの効用についても考察を加える。
(1)評価用チェックリストの適用一女2の場合一
女2のみではあるが,具体的学習活動を評価用チェックリストの右端に示しながら適用
結果を提示する。
(2)考
察
i) 「科学概念+のチェックリストについて
上掲の表10の通り,女2の各科学概念に関する認知能力の変容が,記述できた。勿論,
女2以外の9名についても,同様のチェックリストを作成した。他の9名においても,杏
チェックリストは各認知能力の変容を円滑に表現した。
次に全体的傾向をつかむため,図16に学習者全員のチェックリスト上の度数変化をまと
めた。女2のみならず学習者全体の傾向として,授業の局面が進展(○-△-□)するに
つれ,認識状態が向上したことがわかる。チェックリストの平均度数も局面ごとに増加し
△-3.9,
□-4.3)。図ほ特に対称軸に関するものであるが,他の科学
ている(○-3.0,
概念についても同様の傾向が表出した。
〈平均度数〉
3
○の局面
.i
1
abc
△の局面
ab
3
米a-
3.0
bij
defg
3
ロの局面
也
4
5
fgb
cde
4
ij
3.9
ij
4.3
3'指各児童を示す。
図16
これらのことから,
4
defg
abc
:
「科学的概念1一対称軸+の変容過程(学習者全体)
「科学概念+に関するチェックリストは,個々人の認識状態及び学習
者全体の認知変容の傾向を表現する上で,大変有効な評価の枠組であると言える。
ii) 「科学の方法+のチェックリストについて
女2の「科学の方法+の認知能力の変容は,既に表11に示した通りである。女2の場合,
「科学概念+と同じく,
「科学の方法+の諸能力も,学習局面ごとに着実に伸長したことが
270
森本
信也・松森
靖夫
わかる.女2に限らず,学習者各自のチェックリストから屯,同様の傾向が示された。
図17にほ,学習者全体の局面ごとの度数変化をまとめた。学習局面が深化するととも
△-4.0,
に,チェックリストの平均度数も増加し(○-2.8,
刀-4.3),授業が効果的に
進められたことが推察できる。また他の科学の方法(分類・観察・推論・コミュニケ-シ
く平均度数)
2
○の局面
4
ba
5
dfge
cih
2.8
J
bad
△の局面
fgci
3
4
5ehj
4.0
ciebj
4.3
J
ba
Dの局面
dfg
3
図17
:
4
5
「科学の方法4一棟作+の変容過程(学習者全体)
ヨソ)においても,酷似した傾向が見られた。
「科学の方法+に関する本チェックリストほ,
B
「科学概念+のそれと同様,個ふ人及び学
習者全体の認識の変容を,的確に捉える評価方法であると考えられる。
iii)「科学的態度+のチェックリストについて
「科学的態度+のチェックリスト適用の具体例(女2)を表11に示した.全学習者におい
ても,科学的態度の変容を本チェックリストを用いて十分表現できた。しかしながら,女
2の場合, 「科学概念+ 「科学の方法+でほ局面ごとに認識能力が順調に伸長したのに対し,
「科学的態度+-の各チェックリスト中にほ,度数が高くなったり低くなったりするものが
「忍耐力+でほ○-△の局面で度数が減少してい
見られた。例えば「創造性+でほ△-Ⅱ,
△一口の
る。図18の「好奇心+に関する全体的傾向を概観しても○-△の局面でほ5名,
局面では4名が度数の低下を呈している。また平均度数も○
・△J・□の3局面において,
ほぼ同値であった。
その要因を「科学的態度+の1つ「好奇心+に着目し考察する。パーライン9)(Berlyne,
D・E)は,好奇心と知識の関係について「認知的好奇心はまったく知ら.ないために最大にp
●
●
●
なるのでほなく,知識が増すにつれて,ある点まで上昇するのだ(筆者--・付加)+と述べ
ている。このことば,ただ単に未知なる事象(本単元・教材)を提示することのみが,好
奇心を最大に喚起する要素でほないことを指摘するものである。また知識の増加と好奇心
●
●
●
の高揚とほ,パーラインの言うところの,ある点まで相関関係を有するのであって,完全
には両者の変容が一致するものでほないのである.
271
理科学習の個別化を志向した評価方法論の検討
〈平均度数)
dfb
4
dgi
2
:
5
fb
be
dih
f aj
3
g
□の局面
4.1
.5
a)Ce
gih
3
△の局面
図18
4
3
○の局面
c
4
be
5
3.9
3.7
「科学的態度1-好奇心+の変容過程(学習者全体)
curiousity)と特殊的好奇心(spaci丘c
一方,好奇心にほ,拡散的好奇心(diversive
curiousity)がある10)。前者の好奇心ほ,ほっきりした方向を持たず幅広い情報を求める
傾向であり,後者は,特定の情報の取得をめざした行動への傾向をさす。ところで,本学
習活動の三局面について考えると,
○の局面ほ拡散的好奇心,
△ ・ロの局面でほ特殊的好
奇心が要求されているのがわかる。つまり,各学習局面に内包されている好奇心が質的に
異っているのである。
このような好奇心の本質に関する問題,パーラインが指摘した知識と好奇心の相互関係
等が,深くからみ合って本チェックリスト「好奇心+の度数増減を引き起こしているもの
と推論できる。現在,心理学の分野では,好奇心をも含む科学的態度に関する概念規定,
測定方法等の諸問題が,山積みされている11)。今後の心理学的研究の成果を待ち,さらに
明確な考察を加えることにしたい。
i) ii) iii)で述べたように本学習活動全般(○・△・□の局面)において,本チェック
リストほ,学習者1人ひとりの変容を,迅速かつ正確に記述するために機能したと解釈で
きる。
結
語
本稿では学習の個別化を志向した評価用チェックリストを作成し,具体的実践におい
て,その効用を検証し望ましい結果を得た。今後,他学年他単元においても,チェックリ
ストによる評価方法の妥当性について実践的検討を加えていかねばならない。
末筆ながら,本研究を行うにあたり,実験授業を許可して下さった千葉県日出学園副園
長熊沢淡先生並びに同学園小学部部長佐川弘先生に,深く感謝の意を表したい。
本研究においてほ,昭和60年度文部省科研費(奨励(A)課題番号60780310)の一部を使
用した。
森本
272
信也・松森
靖夫
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