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実施計画(全体)(PDF:7709KB)

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実施計画(全体)(PDF:7709KB)
新潟市(旧巻町)における産業廃棄物処理施設に係る
特定支障除去等事業実施計画
平成20年8月
新
潟
市
新潟市(旧巻町)における産業廃棄物処理施設に係る
特定支障除去等事業実施計画
第1章
産業廃棄物に起因する支障のおそれの除去等を講ずる必要があると
認められる事案
第2章
1 会社の概要等
1
2
事案の概要等
4
(1)事案の経緯
4
(2)事案の概要
6
3
不適正処分の状況
9
4
これまでに実施した応急対策
9
産業廃棄物に起因する生活環境の保全上の支障のおそれの除去等に
関する考え方
1
特定支障除去等事業の実施に関する調査
(1)ボーリング調査
10
(2)ボーリングコアサンプル等を用いた溶出試験
13
(3)燃え殻及び燃え殻混合土を用いたダイオキシン類の
溶出試験
13
(4)ドラム缶に入れられた未処理産業廃棄物の状況等の調査
14
(5)斗缶に入れられた未処理廃棄物の状況等の調査
14
(6)貨車、鉄槽及び屋外タンクに入れられた未処理産業廃棄物の
状況等の調査
15
(7)段ボール箱及びポリタンクに入れられた未処理産業廃棄物の
状況等の調査
16
(8)処理後廃棄物残渣の状況等の調査
16
(9)周辺環境に関する調査
17
2
産業廃棄物に起因する生活環境保全上の支障が生じるおそれ
(1)生活環境保全上の支障のおそれについて
18
(2)支障除去等事業の範囲
20
第3章
産業廃棄物に起因する生活環境の保全上の支障のおそれの除去等の内容
1
(1)容器等に入れられた液状物、泥状物等について
21
(2)崩落のおそれのある燃え殻及び地上堆積されている燃え殻
21
(3)WO炉煙突内部のばいじん
21
(4)地上に堆積された廃タイヤ
22
2
第4章
新潟市としての検討結果
(1)燃え殻の崩落のおそれがあるD地区の対策工
23
(2)保管場所及びS-a地区等の対策工
24
3
支障のおそれの除去等の実施時期
25
4
支障のおそれの除去等に要する費用
25
産業廃棄物の処分を行った者等に対し、講じようとする措置等
1
これまで講じてきた措置
(1)措置命令の発出
26
(2)その他の行政処分等
26
2
第5章
支障のおそれの除去等の実施に関する技術検討委員会の提言
今後講じようとする措置
(1)廃棄物処理法第 19 条の 8 第 2 項に基づく求償
27
(2)排出事業者の責任追及
27
(3)廃棄物処理法第 19 条の 8 第 3 項に基づく求償
27
県の行政対応状況の検証
1
行政対応の検証等
(1)検証の目的
28
(2)検証の範囲
28
(3)検証の方法
28
(4)検証の対象期間
29
(5)検証委員会の検討経緯等
29
(6)検証委員会構成等
29
(7)検証委員会による検証結果
29
2 検証委員会の検証結果及び提言を踏まえた県としての検討結果
32
(1)行政対応の問題点とその発生原因等 及び反省点
33
(2)その他執行体制等の問題点等
37
第6章
新潟県としての再発防止策
1
燃え殻の埋設に係る対応に関する再発防止策
(1)監視(立入検査)技術の向上
39
(2)監視体制の強化
40
(3)問題意識の醸成・維持
42
2
ドラム缶(廃油類)類の滞留及び燃え殻の堆積に係る対応に関する
再発防止策
42
(1)行政権限の適切な行使
43
(2)条例の的確な運用
(3)経理状況に関するノウハウの取得
43
43
3 その他の不法投棄・不適正処理対策
第7章
第8章
(1)不法投棄防止週間の創設による啓発活動の実施
44
(2)関係機関との連携の強化
44
新潟市としての再発防止策
1 不適正処理事案に対する危機管理意識の徹底と組織体制の確立
46
2 監視技術の向上
46
3 行政権限の適切な運用
46
4 監視体制の強化と関係機関との連携の強化
47
その他配慮すべき重要事項
1
支障のおそれの除去等の実施における周辺環境への影響に関する配慮事項
(1)環境モニタリング
49
(2)モニタリング結果について
51
2 指定区域について
52
3
緊急時の連絡体制等
52
4
実施計画策定に当って住民の意見等が反映される必要な措置
52
5
実施計画に対する新潟市環境審議会の意見
53
新潟市(旧巻町)における産業廃棄物処理施設に係る
特定支障除去等事業実施計画書
第1章 産業廃棄物に起因する生活環境保全上の支障のおそれの除去等を講ずる必要が
あると認められる事案
1 会社の概要等
(1)会社の概要
商 号
株式会社新潟県産廃処理センター(以下「本件会社」という。)
(法人登記 昭和59年8月11日)
住 所
本社 新潟市中央区鳥屋野343番地
工場 新潟市(旧巻町)西蒲区下木島字東影平(図-1参照)
代表取締役
乙川 工(平成6年2月19日就任、平成14年3月22日退任)
乙川 博(平成14年3月22日就任、同年3月26日登記)
※ 平成14年7月11日死亡
取締役
乙川 大(平成6年2月19日就任、平成14年3月22日退任)
斉藤久美子(平成6年2月19日就任、平成14年3月22日退任)
大谷 春雄(平成14年3月22日就任)
齋藤圭次郎(平成14年3月22日就任)
監査役
乙川 アサ(平成6年2月19日就任、平成14年3月22日退任)
高橋耕太郎(平成14年3月22日就任)
施設
施設
図-1
施設の位置図
1
(2)廃棄物処理法に基づく許可等の概要
項
目
許
産業廃棄物収集運搬業
可
取 消 し
平成3年3月15日
(最終更新:平成13年12月18日)平成14年12月9日
産業廃棄物処分業
〃
特管物収集運搬業
(破産宣告による経理
平成5年8月12日
的基礎の欠如)
(最終更新:平成10年8月12日)
特管業処分業
〃
産業廃棄物焼却施設(WO
平成4年7月4日(みなし許可)
焼却炉、RK焼却炉)設置
平成2年1月30日設置届
産業廃棄物焼却施設(NH
平成9年12月1日(みなし許可)(破産宣告による経理
焼却炉)設置
平成3年3月2日設置届
平成14年12月9日
的基礎の欠如)
産業廃棄物破砕処理施設設置 平成13年2月1日(みなし許可)
平成12年8月28日設置
(3)施設の概要
施設設置場所 新潟市(旧巻町)西蒲区下木島字東影平820番地1他
敷地面積:23,362.93㎡
施設の種類 □産業廃棄物焼却施設(WO炉)
平成2年1月届出、平成4年7月みなし許可
汚泥(16t/日)、廃プラスチック類(5t/日)
廃油(4.7t/日)平成14年12月9日許可取消
□産業廃棄物焼却施設(NH炉)
平成3年3月届出、平成9年12月みなし許可
木くず(24.7t/日)平成14年12月9日許可取消
□産業廃棄物破砕処理施設
平成12年8月設置、平成13年2月みなし許可
木くず(800㎥/日)平成14年12月9日許可取消
2
(4)施設の現況
施設内にはドラム缶、斗缶及び貨車等に入れられた中間処理がなされていない廃棄
物(以後、未処理廃棄物という)並びにコンクリート槽の廃アルカリ(WO炉スクラバ
ー循環水)、フレコンバックに入れられたばいじん、野積み及び埋設された燃え殻、木
くず等の中間処理後に発生した廃棄物(以後、処理後廃棄物残渣という)が放置されて
いる。(図-2参照)
本件会社は平成15年4月24日に新潟地方裁判所による破産廃止決定がなされており、
その後、清算人も選任されていないこと及び関係者による相続放棄がなされていること
から、現在、施設の管理者が不在の状態となっている。(競売が3回行われたが、買受
者なし。)
WO炉煙突
事業所範囲
燃え殻保管場所
廃タイヤ
木くず
施設周辺の空中写真(平成 17 年度撮影)
図―2 施設の現況
3
2 事案の概要等
本件会社は、平成3年3月に、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年法律第
137号。以下「法」という。)に基づく産業廃棄物処分業許可等を取得した産業廃棄物処
理業者であるが、本格的な操業は、平成5年~平成6年の頃からで、その当時から燃え殻
を敷地内に埋立処分する(平成17年度の事前調査で判明)などの不法行為を行っていた。
また、本件会社は、その後も、有害物質を含む廃油等のドラム缶の大量保管や廃タイヤ
の大量放置など様々な問題を起こしつつ、幾多の紆余曲折を経て運営されてきたが、
平成14年7月に代表取締役乙川博が病死した後、巨額の負債を抱えて経営不振の状態にあ
った㈱乙川建設工業(代表取締役:乙川博)と共に、資金繰りの悪化により倒産し、現在
に至っている。
(1)事案の経緯(概要)
年月日
事 項 等
59.8.11
本件会社設立
2. 1.30
本件会社が産業廃棄物処理施設(WO炉)設置届け
2. 6. 1
本件会社が、巻町に対し、処理対象物を県内のもののみとする旨の確約書を提出
3. 3. 2. 本件会社が産業廃棄物処理施設(NH炉)設置届け
3. 3.15
新潟県が産業廃棄物収集運搬業・同処分業許可
3. 9. 5
「巻町環境ネットワーク」、地元住民が、新潟県に有害物取扱いの許可を与えないよう要請
3.12.18
新潟県が産業廃棄物収集運搬業・同処分業変更許可(有害物質の許可)
4.11 頃
本件会社が県外産業廃棄物の処理を開始
5. 7. 8
本件会社が県外産業廃棄物処分計画書提出(保健所は返戻)
5. 8.12
新潟県が特別管理産業廃棄物収集運搬業・同処分業の変更許可
6. 4. 5
本件会社が県外産業廃棄物処分計画書提出
(6.6.17 以前の無届による県外物の受入に関し、県要綱に基づき会社名を公表)
6. 8.29
巻町が県外産業廃棄物の処理禁止の確認等を求めて会社を提訴
(11.9.28 最高裁で旧巻町勝訴が確定)
10.6.17
12.6.28
<産廃特措法基準日>
新潟県が、改善命令(木くずを保管基準に適合させること)を発出
法施行令第6条第1項第2号ロ(3)違反
4
13.1.18
13.1.25
新潟県が、廃棄物の保管量について18条報告を求めた。
ドラム缶の保管量が2,388本
立入検査:廃油の保管量超過を指摘、削減を指示
13.7.26
新潟県が、12.6.28 改善命令の不履行を理由に、収集運搬業・処分業の停止命令
を発出(7月31日から8月29日まで全部停止30日間)
14.3.11
新潟県が、改善命令(燃え殻を保管基準に適合させること) を発出
14.3.11
新潟県が、WO炉の使用停止及び改善命令(排煙のダイオキシン基準値超過)を発出
14.3.22
乙川博が取締役に就任
14.7.11
乙川博 死亡
14.7.12
新潟県が、改善命令(燃え殻及び廃棄物から発生する汚水に対するもの)を発出
14.8. 2
破産宣告
14.10.29 新潟県が、措置命令(NH炉から排出された燃え殻を撤去すること)を発出
14.12.9
新潟県が、産業廃棄物処理施設設置許可及び産業廃棄物処理業許可の取消
15.1.14
破産管財人によるドラム缶移設等場内整理作業
15.4.23
破産廃止決定確定
15.12.7
ボランティアによる廃棄物の撤去作業
17.1.28
新潟県が、廃油槽からドラム缶13本への移替え措置を実施
17.10.5
新潟県が、事前調査実施の際に、緊急措置としてドラム缶34本撤去
17.10.10 巻町と新潟市が合併。これにより本件事案の所管が新潟県から新潟市に移行
18.6.30
新潟市産業廃棄物不法投棄等原状回復技術検討委員会開催(H18.10まで4回開催)
19.4.5
新潟市が、旧役員に対し措置命令(燃えがらやドラム缶等の廃油類について全量
撤去その他の方法により支障を除去すること)を発出
5
(2)事案の概要
本件会社に係る事案の概要について、行政検証(第5章参照)の対象期間とされた
平成2年度~平成17年度を、操業状況(元従業員の証言等を含む。)、地域の状況、行
政の対応状況(当時の行政担当者からの聴き取り結果等を含む。)等を総合的に勘案し、
次のとおり3つの時期に分けて記述する。
① 第1期:平成2年度~平成7年度
本件会社は、平成2年度に産業廃棄物処理業の許可を得ているが、もともとその実
質的経営者である乙川博(以下「実質的経営者」という。)が、施設の売却による利益
を見込んでいわば投資として施設を設置した経緯があり、当初の2~3年は営業を行っ
ていなかった。このため、第1期の前半はほとんど廃棄物の持込が無い状況となってい
た。
また、本件会社は、産業廃棄物収集運搬業及び処分業の許可を受けた直後から有害物
質(トリクロロエチレン等)を扱うための準備を開始し、平成3年9月30日に、取り扱
う産業廃棄物の範囲に有害な産業廃棄物を追加する内容の産業廃棄物処理業の変更許
可申請を行った(施設売却に向けた実績づくりと考えられている)。これに対し、「巻
町環境ネットワーク」や地元住民等が、命と健康を守るため等を理由に反対運動を展開
し、同年9月5日には、県に対し、本件会社に有害物取扱いの許可を与えないよう要請
書を提出した。
県は、この反対運動等を踏まえ、本件会社に対して地域住民への説明会の開催等を指
導した。しかし、住民及び旧巻町がこれに応じなかったこと、法に定められている許可
要件は満たしていたこと等から、県は、平成3年12月18日付けでこれを許可した。
この施設が本格的な操業を開始したのは、施設売却の見込みが無いと実質的経営者が
判断した平成5年度~平成6年度の頃であり、平成5年頃には、地元に対しても良い施
設との印象を与えようと考えたためか、本件会社は、小学校の社会科見学を受け入れる
等の活動も行っていた。しかし、その一方では、県外産業廃棄物を「新潟県県外産業廃
棄物の搬入に係る事前協議等に関する要綱」(以下「要綱」という。)に基づく届出
を県に行わないまま、平成4年度当初から少量ながら受入を始めるという実態(平成6
年3月における実質的経営者の発言)もあった。(県外産業廃棄物の取扱いに対する旧
巻町等の動きについては、下記(注)を参照)
第1期における産業廃棄物の保管等の状況は、元従業員の証言や立入検査時に撮影
された写真等から、燃え殻については平成5年~平成6年頃から施設敷地内に密かに投
棄・埋設(平成17年度の事前調査で確認)され、ドラム缶等の容器に入れられた廃油等
については、平成6年頃から滞留しはじめていたと考えられる。また、ばいじんについ
ては平成5年~平成6年頃からドラム缶などに入れられ、敷地内で露天保管されはじめ
ており、飛散流出のおそれが生じる可能性はあったものと思われる。
そこで、不適正処分が始まった時期を平成5年~平成6年頃と特定した。
6
第1期は、地元の反対運動や悪臭の苦情(記録によれば、平成5年10月29日に本件
会社付近の住民から悪臭(消毒薬臭)がするとの苦情、平成7年3月24日に周辺住民か
ら煙が流れてきて息苦しい状態があるとの苦情があった。)等があった時期であり、立
入検査は頻繁(時期によって異なるが、月2回ないし1~2月に1回)に行われていた
が、比較的安定して施設の管理運営が行われた頃であり、施設管理上の指摘も焼却施設
の記録計の故障について改善指導がなされた程度であった。
(注)県外産業廃棄物の取扱いに対する旧巻町等の動き
産業廃棄物処理施設の設置にあたっては、建築基準法第51条ただし書に基づく県知事の許
可(都市計画における位置決定が行われていない場合)を受ける必要があり、当該許可申請
は、市町村長の意見を付して県知事に進達することとされていた。このため旧巻町長は、こ
の意見書を付すための条件として、本件会社に対し、「取り扱う産廃は県内のものに限るこ
ととする」旨の条項の入った確約書(以下「確約書」という。)を提出するよう求め、本件
会社は、平成2年6月1日付けで確約書を旧巻町に提出することにより、その後許可を得て
いる。
また、本件会社は、平成4年6月ころから、要綱に基づく手続きを行わないまま、少量な
がら県外産業廃棄物を受け入れ始めていたが、平成5年7月8日になって、要綱に基づく「県
外産業廃棄物処分計画書」(以下「計画書」という。)を県保健所に提出した。しかし、保
健所は確約書の存在を踏まえ、町と十分話し合った上で計画書を提出するよう指導し、これ
を返戻した。
このことを受け、地元住民及び旧巻町は、本件会社の行為は確約書違反だとして、反対運
動を展開するに至ったが、町等との調整が整わないまま、本件会社は、平成6年4月5日、
計画書を配達証明付きの郵送により県(本庁)に提出した。
県では、この提出を受け検討した結果、これ以上の行政指導は困難と判断し、計画書を受
理し、審査の結果支障なしと判断したが、計画書を提出した平成6年4月5日以前から、事
前に計画書を提出することなく県外廃棄物の処分を行っていた事実を踏まえ、要綱に基づき、
本件会社の名称等を公表した。
一方、旧巻町は、確約書に基づき、県外産業廃棄物の処理禁止の確認等を求めて、平成6
年8月29日に訴えを新潟地裁に提起し、この訴訟は、平成11年9月28日に最高裁で旧巻町の
勝訴が確定したことから、以降は県外産業廃棄物の受入れは行われていない。
② 第2期:平成7年度~平成11年度
平成7年度頃から営業を本格的に行うため、営業部門の充実が図られているが、平成
16年3月22日における元従業員の証言によると、営業担当は歩合制であったこともあり、
処理能力を考慮することなく受入の拡大のみを考えて営業を行っていたとされており、
それに伴い処理困難な液状廃棄物等も持ち込まれるようになった。平成8年頃からは、
処理できない廃油類のドラム缶も含め徐々に滞留し始めた。
7
ドラム缶については、平成13年1月に法第18条に規定する報告徴収をしたところ、
約2,400本とされたこと、平成17年9月2日における元従業員の証言から、平成8年度
には屋内に少なくとも500本程度はあったと考えられること、平成12年度の廃油類の受
入量が前2年度のおよそ半分程度に減少していること等から推測すると、この時期の終
わりには、実態として2,000本近くに達していたものと考えられる。
第2期は、住民からの苦情等もなく、第1期において廃棄物の処理、施設管理等が
表面的には比較的適正に行われていたこと、また、三条保健所管内の他の中間処理業者
(焼却炉の管理、燃え殻の処理、野焼き苦情等問題山積みの状況)と比較すると、表面
的には、明白又は重大な廃棄物処理法違反を起こしてはいない業者と捉えられ、同保健
所管内における通常の事業所の一つとして、立入検査が年に1~2回行われたのみであ
った。
③ 第3期:平成11年度~平成17年度
平成9年の法改正により平成11年4月1日から産業廃棄物の保管基準が適用となっ
たことに伴い、県は本件会社に対し、ドラム缶保管量の適正化について行政指導(平成
11年9月)を、木くずの保管量削減について改善命令(平成12年6月)を行ったほか、
平成13年から平成14年にかけて、業の停止命令(平成13年7月)、燃え殻に関する改善
命令(平成14年3月、7月)、燃え殻に関する措置命令(平成14年10月)、施設設置許
可及び処理業許可の取消(平成14年12月)を行った。
また、平成14年7月に実質的経営者(平成14年3月に代表取締役に就任)が死亡し
たことを契機に本件会社の経営が悪化したが、同年8月に破産宣告を受けるまでの間も、
木くずなどの保管廃棄物の減量について行政指導が行われた。
この期の前半においては、本件会社の経営的な事情もあり、木くずの受入量が急激
に増加し、その対応にも追われたが、最終的には約半分位まで減量させている。なお、
木くずの焼却に伴って大量の燃え殻が発生(焼却炉能力がかなり落ちていた。)したこ
とから、保管場所の確保、適正処理等の指導がなされているが、本件会社の経済的な問
題、燃え殻の受入先の問題(経費的に安い受入先処分場が行政処分を受け、その解除を
待っていた。)等から、結果的に処分されることはほとんどなかった。また、廃油類等
について、保管基準が適用となった時期以降は、焼却炉の不具合等があり、また、受入
量も減少していたことから、量的な変化は大きくなかった。
なお、本件会社が倒産した理由は、実質的経営者が代表取締役社長だった㈱乙川建
設工業の巨額の負債による経営不振の影響を受けたものとされている。
第3期は、廃棄物の保管基準が定められ本格的に法に基づく指導等が開始された時
期であった。また、平成13年8月に木くず焼却炉から燃えかすが周辺に飛散していると
の苦情や平成14年3月に周辺区長懇談会から同センターのゴミを減らすよう要望があ
8
ったこと等もあり、立入検査は平成12年度においては1~2月に1回以上、平成13年度
以降は月1回以上、問題等があれば週2回以上行われており、頻繁に指導が行われたこ
とが確認できる。
3 不適正処分の状況
産業廃棄物の不適正処分の現況は表-1に示すとおりである。
表-1
分
類
確
認
さ
れ
た
廃
棄
物
未
処
理
廃
棄
物
廃棄物の状況
保管場所・荷姿
A 建屋,B 建屋 ドラム缶
及び C 建屋
A 建屋及び
B 建屋
A 建屋
B 建屋
屋外
処
理
後
廃
棄
物
残
渣
C 建屋
C 建屋下屋
屋外
斗缶
貨車
段ボール箱
ポリ容器
鉄槽
屋外タンク
野積み
コンクリート槽
フレコンバック
煙突
野積み
野積み埋設
埋設
野積み埋設
野積み
種
廃油
廃酸
汚泥
燃え殻
その他
廃油
類
廃油
医療系
廃アルカリ
廃油
廃アルカリ
廃油
廃アルカリ
廃タイヤ
廃アルカリ
ばいじん
ばいじん
燃え殻(保管場所)
〃
(S-a 地区)
〃
(S-b 地区)
〃
(D 地区)
木くず
数 量
1,185 本
3本
688 本
546 本
591 本
435 本
容量㎥
237.0
0.6
137.6
109.2
118.2
7.83
4両
80 個
50 本
1基
1基
10 基
1基
110.0
3.2
1.0
2.0
8.0
140.8
1.6
2,754.0
72.2
63.0
1基
63 袋
1,167.0
3,031.0
6,388.0
3,166.0
8,375.0
4 これまでに実施された応急対策
平成14年8月の本件会社倒産後、三条保健所においては、直ちに地元住民に対する説明
会(同月5日)を行い、廃棄物放置状況と今後の水質監視計画等について説明するとと
もに、県は、廃油槽からドラム缶13本への移替え(平成17年1月)、事前調査概要の地
元住民への説明(平成17年8月)、緊急措置としてのドラム缶34本の撤去(平成17年10
月)、今後の対応等についての地元住民への説明(平成18年3月)を行った。
また、破産管財人によるドラム缶移設等の場内整理(平成15年1月)、新潟県産業廃棄
物協会西蒲支部構成員(ボランティア)による廃棄物の撤去(平成15年12月)が行われ
ている。
9
第2章 産業廃棄物に起因する生活環境保全上の支障のおそれの除去等に関する考え方
1 特定支障除去等事業の実施に関する調査
本件会社により施設内に放置されている廃棄物の種類、量等、並びに特定支障除
去等事業の実施範囲を確定するために、支障の状況に関する調査等を行った。
(1)ボーリング調査
① 概要
本件会社の元従業員への聞取りにより、平成5年頃からNH炉の燃え殻等の廃棄物を
本件会社が、NH炉の南側及びA建屋の東側に投棄・埋設し、倒産直前にはNH炉の燃え
殻保管場所に山積みにしていたNH炉の燃え殻を隣接地にならして投棄・埋設されてい
たとの証言を得た。
また、平成17年の立入調査でも施設内に燃え殻等の露出、崩落等が認められたため、
ボーリング調査を実施し、新潟県による立入調査時の記録、写真等の情報も考慮して施
設内に埋設・投棄されている廃棄物の種類、量等の状況を考察した。
② 方法
平成17年8月から翌3月にかけて、NH炉の燃え殻保管場所に隣接する、燃え殻が地
表に露出している地点をS-2地点として、施設内の建屋建設場所及びコンクリート舗装
場所を除き、概ね30m間隔で区切り、図-3のとおり16地点(S-1~S-11,D-1,D-2,P1~
P3)のボーリング調査を行った。
なお、目視により燃え殻が15%以上存在する層を「燃え殻混合土」として、ボーリン
グコア内に含まれる各層の判定を行うこととした。
事業所範囲
図-3 ボーリング調査結果
10
③ 結果(図-4参照)
ア 全地点で廃棄物を含む土砂等が確認されたが、S-2及びD-1地点周辺以外では廃棄物は
露出していなかった。
イ S-3,S-4,S-5,S-8,S-9及びS-11地点で木くずが広範囲にわたって確認された。木くずは標
高(以下「DL」という。)約16m地点から地表部にかけて分布し、層厚は0.2m~2.7m
であった。当該木くずの状況は、地表部の木くずの間隙に土砂がつまり、地表面には植
生が見られ、比較的安定していた。
ウ S-2地点で燃え殻混合土が2層確認された。2層とも焼却灰を主体としていたが、上
の層はシルト状で層厚2.7m、間に廃棄物を含む土砂等を挟み下の層は砂礫状で層厚
2.05mであった。
また、S-2地点の上の層からNH炉の燃え殻保管場所にかけて、燃え殻が地表に露出し
ていたため、燃え殻の飛散流出に対する応急対策としてシート及びネットが表面に張ら
れていたが、経年変化及び強風等により、シート及びネットが劣化していた。
なお、一部が破断していたため、さらに応急対策を行った。
エ S-5,S-6,S-8及びS-10地点でそれぞれ1層の燃え殻混合土が確認された。いずれもスラ
グを主体とした砂礫状の燃え殻混合土であり、似た性状であった。垂直分布は、木くず
層より下に位置するDL約11m地点からDL約16m地点までの概ね同じ標高に分布し、層
厚も全て約3mであった。S-2地点の焼却灰主体の燃え殻と比較すると、これらの燃え殻
は明らかな質の違いがあった。
オ S-4地点で1層の燃え殻混合土が確認されたが、層厚が0.25mと薄く、他の燃え殻層と
比較して大きい約50mmから約80mmの塊の燃え殻が主体であった。
カ D-1地点で3層の燃え殻混合土が確認された。この3層の燃え殻混合土の土質はいずれ
も砂礫状であった。D-1地点から東の施設境界側に傾斜した斜面では燃え殻等の崩落が
あり、地表面及び亀裂面の一部では燃え殻が露出していた。
また、施設境界の矢板が、崩落部分に押されて施設外側へ傾斜していた。
④ 考察
ア ボーリングを行った地点は全域が、廃棄物を含む土砂等により造成されていると考え
られる。
イ S-3,S-4,S-5,S-8,S-9及びS-11地点に広範囲に木くずが投棄・埋設されていた。DL約16m
地点から地表部にかけて概ね同じ標高で分布しているため、これらの木くずは比較的近
い時期に投棄・埋設されたと考えられる。
ウ S-2地点で確認された燃え殻混合土は、2層とも焼却灰が主体であるものの、上の層の
土質はシルト状で下の層の土質は砂礫状という違いがあった。
上の層の燃え殻混合土は元従業員の証言どおりNH炉保管場所に山積されていたもの
を倒産前にならして投棄・埋設されたものと考えられるため燃え殻保管場所とともに燃
え殻分布範囲として確定した。(以下、「保管場所及びS-a地区」という。)
また、下の層の燃え殻混合土が確認された場所は、平成3年の航空写真で認められる
11
NH炉の前に掘り込まれた場所と一致するため、平成3年から平成5年ごろに投棄・埋設
された燃え殻混合土と考えられる。
エ S-5,S-6,S-8及びS-10地点の燃え殻混合土は、S-9地点を取り囲むように、概ね同じ標高
に分布していた。層厚及び燃え殻の性状が似ていること、並びに元従業員の証言及び新
潟県の立入検査時の写真等から平成6年ごろから本件会社が木くず及び解体残渣等の廃
棄物を保管していたと考えられる場所S-9地点を取り囲むように燃え殻が分布し、写真
等から当時は盛土されていなかったと考えられる場内道路に近いS-10地点のみS-5,S-6
及びS-8と比較して1mほど低い標高に燃え殻混合土が分布していること等の状況を考
えると、比較的近い時期に投棄・埋設された、同一性状の燃え殻がS-5,S-6,S-8及びS-10
地点に連担していると考えて、地中に燃え殻が確認された範囲として確定した。
(以下、「S-b地区」という。)
オ
S-4地点の燃え殻混合土は、層厚が0.25mと比較的薄く、約50mmから約80mmの塊の
燃え殻が主体であり、他の燃え殻層と明らかに質が異なるため、一時的に発生した燃え
殻を局所的に投棄・埋設されたものと考えられるため燃え殻分布範囲には含めないこと
とした。
カ D-1地点の燃え殻混合土は、3層確認されたが、隣接するP-1,P-2,P-3地点では確認され
なかった。元従業員の証言及び新潟県の立入検査時の写真等から平成5年から平成6年
のほぼ1年間でこの地区が造成されていたため、埋設されている燃え殻混合土は、ほと
んどが当時、密かに投棄・埋設されたものであり、表層部に倒産直前に投棄・埋設された
廃棄物が散在している状態であると考えられる。D-1地点から施設境界側へ傾斜した斜
面で崩落が認められ、斜面の地表面及び亀裂面で燃え殻が確認されていることから、
D-1地点から施設境界の矢板までの斜面一帯を燃え殻分布範囲として確定した。
(以下、「D地区」という。)
事業所範囲
D 地区
S-a 地区
S-b 地区
図―4 主な廃棄物の分布状況
12
(2)ボーリングコアサンプル等を用いた溶出試験
① 方法
NH炉の燃え殻保管場所の燃え殻及び燃え殻混合土が確認された7地点のボーリング
コアの燃え殻混合土並びに燃え殻混合土が確認された地点に隣接するS-1,S-3,S-7,S-9,
S-11,及びP-1,P-2,P-3の8地点のボーリングコアの廃棄物を含む土砂等を用いて、特別管
理産業廃棄物の判定基準によるボーリングコアの溶出試験を行った。
② 結果
いずれの検体からも特別管理産業廃棄物の判定基準を超える有害物質は検出され
なかった。
しかし、土壌汚染対策法の地下水に影響する土壌汚染の有無を判定する基準である土
壌溶出量基準で判定すると、NH炉の燃え殻保管場所の燃え殻及び燃え殻混合土が確認
されたS-2,S-5,S-6,S-10の4地点で基準を超えるふっ素1.2mg/ℓ 、鉛0.21mg/ℓ 等が検出さ
れ、並びに燃え殻混合土が確認された地点に隣接するS-7,P-3の2地点で 鉛0.28mg/ℓ 、
ひ素0.04mg/ℓ 、 総水銀0.0007mg/ℓ 等が検出された。
次に、土壌汚染の除去方法等を検討するために、土壌汚染対策法の第二溶出量基準で
判定したところ、全て基準に適合していた。
なお、保管場所及びS-a地点では燃え殻等の廃棄物が露出していたため、応急対策を
行っているが、その他の土壌溶出量基準を超える地点では廃棄物の露出は見られなかっ
た。
(3)燃え殻及び燃え殻混合土を用いたダイオキシン類の溶出試験
① 方法
ア NH炉の燃え殻保管場所の燃え殻は、その中心部より5点法で採取した試料を混合し
てダイオキシン類の溶出試験を行なった。
イ S-2地点で確認された燃え殻混合土は、上の層と下の層では投棄・埋設された時期が異
なると考えられるため、それぞれ試料を採取してダイオキシン類の溶出試験を行なった。
ウ S-5,S-6,S-8及びS-10地点の燃え殻は連担していると考えられるため、それぞれのコア
から採取した燃え殻を混合してダイオキシン類の溶出試験を行なった。
エ D-1地点の燃え殻は、同じ時期に投棄されたものと考えて3層を混合してダイオキシ
ン類の溶出試験を行った。
② 結果
全ての試料から、特別管理産業廃棄物の判定基準を超えるダイオキシン類は検出され
なかった。また、ダイオキシン類対策特別措置法の土壌環境基準も超えなかった。
13
(4)ドラム缶に入れられた未処理産業廃棄物の状況等の調査
① 方法
本件会社により施設内に放置されているドラム缶に入れられた未処理廃棄物の保管
状況、種類、性状及び量等を把握するために立入調査及び無作為サンプリングしたドラ
ム缶の内容物を試料として、特別管理産業廃棄物の判定基準に基づく分析調査を行った。
② 結果
A建屋、B建屋及びC建屋にドラム缶3,013本が放置されていた。無作為抽出した
1,300本のドラム缶を開蓋して、目視及び簡易検査等により内容物の確認をしたところ、
廃油414本、廃酸2本、汚泥315本、その他の廃棄物569本であった。
さらに無作為抽出した51本のドラム缶に入れられた未処理廃棄物は廃油38本、その
うち特別管理産業廃棄物の判定基準を超えるトリクロロエチレン37mg/ℓ 、テトラクロ
ロエチレン15,000mg/ℓ 等のVOCが検出される有害産業廃棄物又は引火点23℃の燃焼性
廃油に該当する特別管理産業廃棄物の廃油は25本あった。汚泥は9本確認され、うち特
別管理産業廃棄物の判定基準を超えるベンゼン0.11mg/ℓ が検出される特別管理産業廃
棄物の汚泥が1本確認された。廃酸と燃え殻が2本づつ確認されたが、特別管理産業廃
棄物には該当しなかった。
なお、ドラム缶は、経年変化等による腐食劣化が著しく、内容物が漏出しているもの
があったため応急対応を行った。
③ 考察
立入調査及びサンプリング調査の結果、並びに保管状況及びドラム缶のラベル等か
ら施設内に放置されている3,013本のドラム缶の内訳は、廃油1,185本内特別管理産業廃
棄物732本、廃酸3本、汚泥688本内特別管理産業廃棄物76本、燃え殻546本、その他の
廃棄物591本と推定した。
(5)斗缶に入れられた未処理産業廃棄物の状況等の調査
① 方法
本件会社により施設内に放置されている斗缶に入れられた未処理廃棄物の保管状況、
種類、性状及び量等を把握するための立入調査及び無作為サンプリングした斗缶の内容
物を試料として特別管理産業廃棄物の判定基準に基づく分析調査を行った。
② 結果
A建屋及びB建屋に斗缶435本が放置されていた。その中から無作為抽出した3本の
斗缶の未処理廃棄物の分析調査を行ったところ、全て廃油であった。その内の1本から
は特別管理産業廃棄物の判定基準を超えるトリクロロエチレン14mg/ℓ 、及びテトラ
クロロエチレン170mg/ℓ が検出され、別の1本からは引火点27℃の燃焼性廃油が確認さ
14
れた。斗缶は、経年変化等による腐食劣化が著しかった。
なお、一部で内容物が漏出しているものがあったため応急対応を行った。
③ 考察
立入調査及びサンプリング調査、並びに保管状況及び斗缶のラベル等から施設内に放
置されている435本の斗缶は全て廃油で、その内416本が特別管理産業廃棄物に該当する
廃油と推定した。
(6)貨車、鉄槽及び屋外タンクに入れられた未処理産業廃棄物の状況等の調査
① 方法
本件会社により施設内に放置されている貨車、鉄槽及び屋外タンクに入れられた未処
理廃棄物の保管状況、種類、性状及び量等を把握するため、貨車、鉄槽及び屋外タンク
の状況調査を行い、それぞれの容器から試料を採取して産業廃棄物及び特別管理産業廃
棄物の判定基準に基づく分析調査を行った。
② 結果
A建屋の4両の貨車に入れられていた未処理廃棄物は、全て廃油で一両あたり
約27.5㎥であった、その内2両に入れられた未処理廃棄物は特別管理産業廃棄物に該当
した。1両からは特別管理産業廃棄物の判定基準を超えるテトラクロロエチレン
17mg/ℓ 及びジクロロメタン4.1mg/ℓ 等が検出され、引火点27.5℃の燃焼性廃油に
も該当していた。また、別の1両からベンゼン9,100mg/ℓ が検出され、引火点27℃の燃
焼性廃油にも該当することが確認された。
B建屋の2基の鉄槽に入れられていた未処理廃棄物は、それぞれ廃油2.0㎥と廃アル
カリ8.0㎥であった。当該鉄槽の廃アルカリから特別管理産業廃棄物の判定基準を超え
る鉛2.0mg/ℓ が検出された。
11基の屋外タンクに入れられていた未処理廃棄物は、10基が廃油であった。そのう
ち5基から特別管理産業廃棄物の判定基準を超えるトリクロロエチレン14mg/ℓ 及び
テトラクロロエチレン170mg/ℓ 等のVOCが検出されるとともに、引火点27℃の燃焼性廃
油が確認された。残り1基の屋外タンクには、pH12.5以上の特別管理産業廃棄物に該当
する廃アルカリが確認された。
なお、いずれの容器も経年変化等により老朽化していた。
15
(7)段ボール箱及びポリタンク入れられた未処理産業廃棄物の状況等の調査
① 方法
本件会社により施設内に放置されている段ボール箱及びポリタンクに入れられた未
処理廃棄物の保管状況、種類、性状及び、量等を把握するため、元従業員への聞取り及
び段ボール箱とポリタンク内容物の目視確認及び簡易検査により状況調査を行った。
② 結果
B建屋に未処理廃棄物が入れられた段ボール箱80個及びポリ容器が確認された。元従
業員の聞取りから段ボール箱の中身は感染性廃棄物で、ポリ容器にはレントゲン写真用
の定着廃液が入っているとの証言を得た。段ボール箱の中身の目視確認、ポリ容器に入
れられた廃液の簡易検査を行ったところ、元従業員の証言と一致した。
なお、いずれの容器も経年変化等により老朽化していた。
(8)処理後廃棄物残渣の状況等の調査
① 概要
本件会社の元従業員への聞取りにより、処理後廃棄物残渣としてC建屋内のコンクリ
ート槽にWO炉のスクラバー循環水が貯留され、C建屋下屋のフレコンバックにWO炉の
ばいじんが適正な処理をされずに放置されているとの証言を得た。
また、本件会社操業時の新潟県の調査によるとWO炉から高濃度のダイオキシン類が
検出されていた。
② 方法
C建屋内にあるWO炉スクラバー循環水が貯留されているコンクリート槽の廃アルカ
リ、C建屋下屋にあるフレコンバックのばいじん、WO炉の煙突内部のばいじんについ
て試料を採取して、特別管理産業廃棄物の判定基準によるダイオキシン類の分析試験を
行った。
③ 結果
ア コンクリート槽の廃アルカリから、基準を超える44000pg-TEQ/ℓ のダイオキシン類
が検出された。コンクリート槽は、経年変化により劣化していた。
イ フレコンバックのばいじんから、基準を超える3.60ng-TEQ/gのダイオキシン類が検
出された。フレコンバックは、経年変化及び強風等により劣化していた。
なお、一部が破断していたため応急対策を行なった。
ウ WO炉煙突内部のばいじんから470ng-TEQ/gのダイオキシン類が検出された。
16
(9)周辺環境に関する調査
周辺環境への影響を明らかにするために、平成14年7月から施設周辺の水質調査を行
っている。
① 採水地点
採水は、図―5のとおり施設からの排水は施設内にある集水枡1地点(A-1)、施設
周辺の表流水は農業用排水路等7地点(B-1,B-2,B-3,B-4,B-5,B-6,B-7)、近隣集落に存在
する井戸水2地点(C-1,C-2)の計10地点で行った。
なお、井戸水は飲用すること等による人への健康に影響を及ぼすおそれがある利用は
なされず、消雪用として利用されている。
② 方法
評価基準は、施設からの排水は水質汚濁防止法に基づく特定施設の排水基準、施設周
辺の表流水は公共用水域の水質汚濁に係る環境基準、井戸水は地下水の水質汚濁に係る
環境基準を用いて水質調査を行う。
③ 結果
ア 施設からの排水は、水質汚濁防止法に基づく特定施設の排水基準を超過しなかった。
イ 施設周辺の表流水は、公共用水域の水質汚濁に係る環境基準値の1.1倍から2倍のフッ
素が、B-2,B-4,B-5地点で認められた。B-2地点では30回の調査のうち10回超過、B-4地点
では30回の調査のうち5回超過、B-5地点では1回の調査のうち1回超過していた。
ウ 井戸の地下水は、地下水の水質汚濁に係る環境基準を超過しなかった。
凡
表流水の流れ
例
事業所範囲
施設周辺からの排水
B-6
施設周辺の表流水
A-1
事業所範囲
A-1
B-2
B-6
B-2
B-5
B-1
B-1
C-2
B-4
B-3
B-4
B-3
拡 大
図―5 採水地点
17
C-1
井戸
2 産業廃棄物に起因する生活環境保全上の支障が生じるおそれについて
(1)生活環境保全上の支障が生じるおそれについて
① 未処理廃棄物について
ア 本件会社が、廃棄物処理をするために受託した廃棄物を処理せずに放置している廃棄
物が施設内に多量に保管されている。時間の経過とともに保管容器が腐食・劣化し、特
別管理産業廃棄物を含む廃液等が漏出し、公共用水域に流出して周辺住民の生活環境に
影響を与えるおそれがあると考えられる。
イ ドラム缶や貨車等の保管容器に入れられている可燃性廃油は、夏期高温時や、落雷に
より出火して、その他の特別管理産業廃棄物を含む廃棄物及び建屋等を類焼するおそれ
があり、さらに火災により廃棄物の飛散流出及び有毒ガスの発生が引き起こされ、公共
用水域及び大気中に拡散して、周辺住民の生活環境に影響を与えるおそれがあると考え
られる。
ウ 本件会社が受け入れて処理されずに放置されている野積みの廃タイヤは、崩落のおそ
れはなく、廃タイヤのみであり生活環境に影響を与えるおそれはないものと考えられる。
② 処理後廃棄物残渣について
ア コンクリート槽の廃アルカリ及びフレコンバックのばいじんは、容器等の劣化により、
廃棄物が飛散流出し、公共用水域及び大気中に拡散して周辺住民の生活環境に影響を与
えるおそれがあると考えられる。
イ WO炉煙突のばいじんは風雨により、飛散流出し、公共用水域及び大気中に拡散して、
周辺住民の生活環境に影響を与えるおそれがあると考えられる。
ウ D地区は、燃え殻混合土の崩落が拡大することにより、矢板が倒れ施設外に燃え殻等
が崩落し、露出部からは燃え殻等が飛散流出して、公共用水域及び大気中に拡散して、
周辺住民の生活環境に影響を与えるおそれがあり、特に人への直接暴露のおそれも考え
られる。
エ 保管場所及びS-a地区の燃え殻等は、露出部から飛散流出し、公共用水域及び大気中
に拡散して、周辺住民の生活環境に影響を与えるおそれがあり、特に人への直接暴露の
おそれもあると考えられる。
また、保管場所の燃え殻及びS-a地区のコアサンプルを用いた溶出試験の結果、土壌
汚染対策法の土壌溶出量基準を超えていたため、地下水を汚染するおそれがあると考え
られる。
18
オ 燃え殻混合土の投棄・埋設が確認されたS-b地区、並びにP-3及びS-7地点は、地表に露
出していないため、人への直接暴露及び廃棄物の飛散流出等のおそれは低いと考えら
れる。しかし、コアサンプルを用いた溶出試験の結果、土壌汚染対策法の土壌溶出量
基準は超えている地点もあるため、地下水を汚染するおそれがあると考えられる。
カ
ボーリング調査により野積みの木くずが確認されたが、地表部は土砂の堆積と植生
により比較的安定していて、飛散流出のおそれがないことから、周辺住民の生活環境
に影響を与えるおそれはないものと考えられる。
19
(2)支障除去等事業の範囲
2(1)において検討した結果、図―6のとおり支障除去事業に係る事業に必要な区
域及び支障の除去を行う区域を設定した。
D地区
S-a地区
図―6 支障除去事業に係る事業に必要な区域及び支障の除去を行う区域
20
第3章 産業廃棄物に起因する生活環境保全上の支障のおそれの除去等の内容
【新潟市産業廃棄物不法投棄等原状回復技術検討委員会の検討案】
本件事案について、支障となる対象物及びその除去方法について、新潟市産業廃棄物不
法投棄等原状回復技術検討委員会(以下、「技術検討委員会」という。)を設置して専門
的立場から評価・提言を受けた。
<メンバー>
委員長
及川紀久雄
新潟薬科大学教授
委員
丸井英明
新潟大学教授
委員
小松俊哉
長岡技術科学大学助教授
委員
高橋達男
新潟県廃棄物対策課不法投棄対策室長
<検討の経緯>
平成18年6月30日
第1回会議 事案の概要、現地視察
平成18年7月28日
第2回会議 事案現場における支障について
平成18年8月2日
地元代表が委員長と面談、要望書を提出
平成18年9月4日
第3回会議 支障の除去等について
平成18年9月27日
委員長と地元代表との懇談会開催
平成18年10月17日
第4回会議 報告書の取りまとめ
1 支障のおそれの除去等の実施に関する技術検討委員会の提言
(1)容器等に入れられた液状物、泥状物等について(表―2参照)
これらについては、会社敷地に不浸透性床や防油堤、排ガス処理設備等を有する建
物を建設し、内容物をケミカルドラム等堅牢な容器に移し替え当該容器等を保管し直
す案と、全量を撤去し処理施設にて処分する案が考えられる。
しかし、保管の継続は建屋の建設と維持管理に多額の経費を要することと、長期の
保管における不測の事態発生等のリスクを回避できないことから、可搬容器に入れら
れた内容物は容器ごと、移動困難な容器に入れられた内容物は引き抜きを行い、場外
に搬出し処分する方法が適当である。
(2)崩落のおそれのある燃え殻及び地上堆積されている燃え殻(表-3参照)
D地区の燃え殻を撤去、表面整形及びキャッピングする工法と、吹付法枠工及び
アンカー工等を比較した場合、燃え殻を構内に移動し表面整形及びキャッピングを
行う方法が経費的には最も低額であり、流出防止の効果も十分であると考えられる。
なお、地上堆積されている燃え殻は、それ自体の飛散・流出を防止する必要があ
り、崩落のおそれのある部分から移動した燃え殻を、この地上堆積されている燃え殻
と合わせて整形、キャッピングして、飛散防止を行うことが合理的である。
(3)WO炉煙突内部のばいじん(表―4参照)
開口部等からの飛散流出を防止するには、煙突そのものを撤去することも一方法で
はあるが、現状のままで撤去することは経費的に膨大なものとなることから、内部の
21
高圧洗浄を行い、洗浄廃液は場外に搬出し、処分することが適当である。
(4)地上に堆積された廃タイヤ
衛生害虫の発生、万が一の火災による有害ガスの発生に対処するには、廃プラの処
分基準に従い 15cm 以下に破砕し、埋設することも考えられるが、当該地は最終処分
場ではないことから、場外に搬出し処分することが適当である。
なお、地上に堆積された廃タイヤの処分について、技術検討委員会から新潟市に提案
を受けたが,廃タイヤは安定物であり,産廃特措法の対象となる支障が生じるおそれで
はないことから、当該代執行の対象とはしないこととした。
表-2
容器等に入れられた液状物、泥状物等の漏洩・流出防止対策の工法比較
総 額
内
容
対策工の種類
千円
不浸透床、防油提、排ガス処理施設等を有
現地保管案
200,953 する建物を建設し、内容物を移し替えて保
管する。
場外搬出案
表-3
135,600 全量を撤去し、処理施設にて処分する。
地上堆積及び埋設された燃え殻の飛散流出防止対策の工法比較
総 額
内
容
対策工の種類
千円
全量撤去及び再盛土案
表面整形及びキャッピング案
吹付法枠工及びアンカー工案
表-4
236,822
39,000
81,651
支障となる燃え殻を全て撤去し場外処分
斜面を1/2勾配に再盛土
斜面を1/2勾配に整形し、キャッピング
除去した燃え殻は場内移動しキャッピング
現況斜面を保持しつつ崩落を防止するため
吹付法枠工及びアンカー工で斜面を抑止
WO炉煙突内部のばいじんの飛散流出防止対策の工法比較
総 額
内
容
対策工の種類
千円
煙突の解体撤去案
煙突内の洗浄案
30,990 煙突の撤去により、原因除去を行う。
18,000 煙突内の高圧洗浄を行い、原因除去を行う。
22
2 新潟市としての検討結果
技術検討委員会からの提言を検討した結果、「容器等に入れられた液状物、泥状物等
の漏洩・流出防止対策」及び「WO炉煙突内部のばいじんの飛散流出防止対策」につい
ては、提言を受けた案が、対策の効率性、環境保全性、及び費用対効果から見て適切であ
ると判断した。また、「地上堆積及び埋設された燃え殻の飛散流出防止対策」で提言を
受けた案を、精査したところ、廃棄物処理法により掘り出した燃え殻等は場外で適正に処
理する必要があるため、掘り出した燃え殻等は場外で適正に処理し、露出部はキャッピン
グする方針で対策工を再検討した。対策の検討に当たっては、一部のコアサンプルが土
壌溶出量基準を超えていたため、より一層の安全策を図るために、土壌汚染対策法の考
え方を踏まえて対策を検討した。その結果、ボーリング調査によると全てのコアサンプル
は第二溶出量基準を超えていないこと、周辺の地下水が飲用利用等されていないこと、及
び施設への立入禁止措置を継続して行うことで廃棄物等の人への暴露が防げることから、
新たに井戸を設置してダイオキシン類を含めた地下水の水質の測定を行うことで、掘り出
さない土砂等は残置することを基本とした。
(1)燃え殻の崩落のおそれがあるD地区の対策工(表-5参照)
崩落するおそれのある部分を2分の一勾配程度に整形して安定斜面とし、切土により
除去した燃え殻等は場外に搬出して処理する。場外搬出する燃え殻混合土は全て特別管
理産業廃棄物の判定基準による確認検査を行い、基準を超える燃え殻等は運搬中の安全
性等を考慮して、溶融施設で処理を行う。基準を超えない燃え殻混合土は最終処分場で
処理を行う。切土した土砂も特別管理産業廃棄物の判定基準による確認検査を行い基準
を超える土砂は、汚染されているものとして溶融施設で処理を行う。基準を超えない土
砂の一部は、法面整形工に再利用するなど適正に処理する。
なお、法面はキャッピングを行うが、その工法の違いによる効果及び事業費等につい
て、覆土・植生工、シート工、コンクリート吹付工を比較した結果、覆土・植生工が費用
的には最も低額であり、恒久的に粘性土と植生により、流出防止及び人への暴露が防止
できるため覆土・植生工を採用しキャッピングは粘性土により50cm以上の厚さで覆う
こととする。
表-5 D地区の工法比較
対策工の種類
整形工及び覆土・植生工
総
額
千円
137,420
整形工及び法面シート工
145,220
整形工及びコンクリート吹付工
146,220
23
内
容
崩落防止のため斜面を整形する。燃え殻の
飛散・流出や、法面の浸食を防止するため、
覆土及び植生工を施す。
崩落防止のため斜面を整形する。燃え殻の
飛散・流出や、法面の浸食を防止するため、
法面シート工を施す。
崩落防止のため斜面を整形する。燃え殻の
飛散・流出や浸食を防止するため、コンクリ
ート吹付工を施す。
(2)保管場所及びS-a地区等の対策工(表―6参照)
燃え殻が地上に露出している燃え殻保管場所及びS-a地区は、当該地区の中心部に窪
地があり、雨水が滞留し易いことから、場内排水を確保するため、北側周縁部の一部を
切土して排水路を敷設するとともに、除去した土砂で窪地を埋め、一体整形した後にキ
ャッピングを行う。
なお、キャッピングの工法の違いによる事業費等について覆土・植生工とシート工を
比較検討した結果、覆土・植生工が費用的には最も低額であり、恒久的に粘性土と植生
により、流出防止及び人への暴露が防止できるため覆土・植生工を採用しキャッピング
は粘性土により50cm以上の厚さで覆うこととする。
表-6
保管場所及びS-a地区の工法比較
総 額
対策工の種類
千円
整形工及び覆土・植生工
内
容
10,000 場内を整形し、覆土及び植生工にて飛散・
流出や侵食を防止する。
整形工及び法面シート工
17,000 場内を整形し、法面シート工にて飛散・流出
や侵食を防止する。
24
3 支障のおそれの除去等の実施時期
対策工については、平成20年度及び平成21年度に実施するものとする。
分類
保管場所
荷姿
10月
平成20年
11月
12月
1月
2月
平成21年
4月
3月
5月
6月
準備
未
処
理
廃
棄
物
A建屋
ドラム缶・斗管・貨車
B建屋
ドラム 缶・貨車・
段ボール箱・ポリ容器・鉄槽
C建屋
ドラム缶
屋外
屋外タンク
処
理
後
廃
棄
物
残
渣
C建屋
コンクリート槽
C建屋下屋
フレコンバック
屋外
野積み(燃え殻保管場所
及びS-a地区)
WO炉煙突
野積み及び埋設
(D地区)
囲い等設置
後片付け・撤去
観測井設置
環境モニタリング
4 支障のおそれの除去等に要する費用
支障のおそれの除去等に要する費用については総額304,320千円である。
【内訳表】
区分
対策工の種類
容器等に入れられた液状物、泥状物等の
漏洩・流出防止対策
事業費
場外搬出処理
135,600
煙突内の洗浄
18,000
燃え殻保管場所及び S-a 地区の燃え殻
整形工及び覆土・
植生
10,000
D 地区の燃え殻
整形工及び覆土・
植生
137,420
囲い等設置
囲い,表示等の設
置
WO炉煙突内部のばいじん
環境モニタリング
観測井設置
合
計
内訳
廃棄物の搬出処理
94,322
直接工事費
32,145
その他
9,133
仮設工事
1,512
ダイオキシン対策工事 14,655
廃棄物処理
758
その他
1,075
土工
5,000
植生工
4,500
水路工
500
土工
6,100
運搬工
13,000
植生工
3,500
矢板撤去工
3,800
大型土のう
2,000
廃棄物処理
109,020
2,000 囲い等設置費用
1,300
2,000
観測井等
1,300
304,320
単位(千円)
25
第4章 産業廃棄物の処分を行った者等に対し、講じようとする措置等
1 これまで講じてきた措置
(1)措置命令の発出
① 本件会社に対する措置命令
本件会社を相手方(代表取締役が死亡し不在のため、名宛人は当時の役員2名)と
して、平成14年7月12日付けで「事業所内に長期間放置されているNH炉から排出され
た燃え殻を全量撤去して適正に処理すること。」との措置命令を発したところであるが、
履行されないまま現在に至っている。
②
第2章の支障を踏まえた旧役員に対する措置命令
本件会社は、平成14年8月1日に破産宣告を受け、破産管財人により財産の整理がな
され、換価のうえ配当可能な財産は既になくなっており、また平成15年4月23日に破産
廃止決定が確定し管理者等が選任されない状況となっていることから、措置命令の相手
方としては無意味な状態となった。
このため、不適正処理が行われていた時期に役員に就任していた4名(いずれも平
成14年3月22日退任)が「処分等を行った者」に該当すると判断し、平成19年4月5日
付けで「対象となる産業廃棄物について全量撤去その他の方法により、生活環境保全上
の支障が生ずるおそれの除去を行うこと。」との措置命令を発したところである。
なお、倒産時の役員に対しては、不適正処理との関連性が希薄であることから、個
人としての責任を問うことは困難である。
(2)その他の行政処分
産業廃棄物処理施設の完成後、県保健所においては、年に数回の立入検査を実施し、
その都度所要の行政指導を行っており、平成12年6月28日には改善命令が発せられる等、
会社に対して、次のような行政処分がなされている。
平成12年6月28日: 木くずの保管量を処理基準(保管基準)に適合させることを求め
る改善命令
平成13年1月18日: 18条報告の徴収(ドラム缶の保管量)
同年7月26日: 前記改善命令について履行期限までに履行しなかったことを理
由とする、30日間の処理業の停止命令
平成14年3月11日: 燃え殻を保管基準に適合させるように求める改善命令
同年3月11日: 排ガス中のダイオキシン類濃度の基準超過を理由とするWO炉
使用停止及び改善命令
同年7月12日: 燃え殻及び産業廃棄物から発生する汚水に対する改善命令
26
同年10月29日: NH炉から排出された燃え殻を撤去するよう求める措置命令
同年12月9日: 産業廃棄物処理施設の設置許可及び産業廃棄物処理業の許可の
取消し
2 今後講じようとする措置
(1)法第19条の8第2項に基づく求償
旧役員が1(1)②の措置命令を履行しない場合、法第19条の8第1項により市が代
執行し支障のおそれの除去等の措置を講じたうえで、法第19条の8第2項の規定に基づ
き費用を求償するとともに、措置命令違反で刑事告発を行うなど、厳正に対処する。
その上で、求償した費用に対する納付がない場合は、旧役員が所有する不動産につ
いて差押さえを行い、また、所有する動産や債権についても調査し、判明したものにつ
いては、あらゆる回収方策を講じていくこととし,現在,税務担当課及び市内金融機関
に協力を要請し,資産調査を行っているところである。
(2)排出事業者等の責任追及
本件会社に残置されたマニフェストから平成13年度から平成14年度にかけて搬入実
績があると思われる660排出事業者に対し、平成18年9月22日より法第18条に基づく報
告の徴収を実施中であり、一方、回答の無い105排出事業者に対しては個別に立入りを
実施している。
平成20年度中を目途に調査結果を取りまとめて精査を行い、書面による委託契約締結
義務、産業廃棄物管理票交付義務等に違反する者については、上記旧役員が命令を履行
しない場合に、すみやかに法19条の5第1項第2号、3号の規定に基づき措置命令を発
する。
また、排出事業者について、法第19条の6第1項の要件が満たされる場合にも、その
責任を追及する。
なお、求償権を確保するため平成20年1月25日、法第19条の8第1項後段に基づく公
告を実施した。
(3)法第19条の8第3項に基づく求償
上記排出事業者が措置命令を履行しない場合、行政代執行を行った後、法第19条の
8第3項に基づき、行政代執行に要した費用のうち対象となる搬入量等に相当する分の
費用を求償していく。
27
第5章 県の行政対応状況の検証
本事案については、平成17年10月10日付けで本件会社が立地していた旧巻町が合併に
より法の政令市である新潟市となったことから、所管が変更となった。
このことから、行政対応の検証については、平成17年9月に県と共同で設置された新潟
県産業廃棄物不法投棄等検証委員会(同年10月に新潟市産業廃棄物検証委員会に移管、
以下「検証委員会」という。)において行われ、平成18年4月19日付けで「旧巻町大字
下木島に放置された産業廃棄物問題に係る検証結果報告書(以下「報告書」という。)」
が作成された。
本章では、この報告書を基に検証委員会における県の行政対応に関する評価等について
記載するとともに、検証委員会の提言を受け、県として改めて詳細に検討を行い、県と
しての再発防止策を策定した。
1 行政対応の検証等
(1)検証の目的
法に基づく行政代執行を行うにあたり、当該事案に対する県の対応についてその問
題点を検証し、不適正処理の再発防止に向けた提言を得ることを目的として設置された
検証委員会において、第三者の立場から検証が行われた。
(2)検証の範囲
検証の対象となる行政の対応は、本件会社が行った不適正処理等を含む産廃業務への
対応全般に及ぶものではあるが、法に基づく行政代執行は、飛散・流出等による生活環
境保全上の支障が生ずるおそれがあるものに限られることから、そのような状況にある
と考えられる廃油類(ドラム缶に保管されている廃油、廃アルカリ、汚泥)及び燃え殻
(ばいじんを含む。)に係る対応について、特に重点的な検証が行われた。
(3)検証の方法
検証委員会で、現存する本件会社に関する行政資料(法令等により発せられた文書、
行政対応の記録、写真等)、元従業員の証言、当時の三条保健所担当者の証言を基に、
行政対応の状況等を可能な限り明らかにするとともに、地元住民の代表として、旧巻町
産業廃棄物処理施設監視員(会社の周辺区長11人が就任)から情報・意見を求めて、行
政の対応について検証が行われた。
なお、本件会社の破産管財人の了解を得て取得した、本件会社の業務報告や仕入帳な
どの会計帳簿類から廃棄物の量等の把握に努めた。
28
(4)検証の対象期間
本件会社は、平成2年1月30日にWO炉の設置届を、また平成3年3月2日にNH炉
の設置届を提出し、同年3月15日に産業廃棄物処理業の許可を得て営業を開始したこと
から、廃棄物処理法による県の指導・監督権限下に置かれた平成3年3月15日以降を検
証の対象期間とした。
(5)検証委員会の検討経緯等
ア
第1回会議(平成17年9月28日)
事案の経緯、検証スケジュール等
イ
現地調査(平成17年10月18日)
現地における経緯の説明等
ウ
第2回会議(平成17年11月21日)
検証のポイントについて、事前調査結果概要について
エ
第3回会議(平成17年12月26日)
中間報告の検討、今後の日程等について
オ
第4回会議(平成18年3月22日)
事前調査の結果について、報告書素案の検討
カ
報告書の提出(平成18年4月19日)
(6)検証委員会委員構成等
委員長
神戸
秀彦(新潟大学大学院実務法学研究科教授)
委
員
鈴木
俊
委
員
下井
康史(新潟大学大学院実務法学研究科助教授)
委
員
荒川
健二(新潟県県民生活・環境部廃棄物対策課長)
委
員
小畑
正敏(新潟市市民局環境部廃棄物対策課長)
(弁護士、新潟大学大学院実務法学研究科教授)
(事務局:新潟県県民生活・環境部廃棄物対策課 新潟市市民局環境部廃棄物対策課)
(7)検証委員会による検証結果
① 廃油類(ドラム缶に保管されている廃油、廃アルカリ、汚泥)の保管等に関する行
政対応等に対する評価
廃油類は、平成5~6年頃から受入を開始したが、処理に手間のかかるものやコス
トがかかるものの処理が後送りとされ、保管数量が増加していき、平成8年頃には約
500本、平成11年頃には1,000本以上、平成13年1月18日の報告徴収時点では、その保
管量は、廃油について言えば保管上限量のおよそ3.5倍程にあたる保管があり、廃油
類全体では約2,400本となっていた。
廃油や汚泥等に対する保管上限量(処理能力の14日分)の規制は、平成12年10月
1日から施行されたが、それまでの間は、「適正な処分又は再生を行うためにやむを
29
得ないと認められる期間を超えて保管してはならない」とされていた。
しかし、「適正な処分のためにやむを得ないと認められる期間」という基準は、
一義的に明確な基準というわけではなく、「やむを得ないと認められる」という評価
には裁量が認められる余地があったこと、また、処理施設の処理能力が廃棄物の種類
ごとに異なっていたことから、ドラム缶等の容器に内容物等を表記する制度等のない
状況では、仮に保管基準に違反していたとしても、具体的にこれを認定・指摘するこ
とは困難であったと考えられる。
したがって、1,000本以上保管されていた平成11年9月9日及び同年10月13日の立
入検査で、保管数量の抑制の指導等に止まっていたことについては、やむを得なかっ
たものと言うことができる。
また、平成12年10月1日の改正政令の施行を受けて、県内の事業所に対し、保管
量に関する調査、指導を開始しており、本件会社に対しては、平成13年1月18日付
で求めた18条報告の結果に基づき同年1月25日の立入検査で保管量超過の指摘と削
減指示を行っているが、このことは明確な法的根拠を受けて行い得たものであり、
その時点での廃油類の保管量が2,388本と既に現状(2,471本)に近い状況となって
いたことは、やむを得なかったものと考えられ、県の対応は必ずしも遅すぎたとは
言えないと思われる。
② 燃え殻の保管・適正処理に関する行政対応等に対する評価
本件会社の敷地内に燃え殻が埋め立てられていたことについて、平成5年から平
成11年までの期間内に勤務していた保健所の担当者は、そもそも認識していなかった
としており、また、仮に燃え殻の埋立が現認されれば、当時でも厳しい処分は免れな
いところであったと証言していることから、本件会社によって密かに埋め立てられて
いたものと考えられる。
また、三条保健所は、保管場所に堆積された燃え殻の保管について、平成8年10
月21日の立入検査で、「焼却灰の処分を指示」しているが、その後、平成13年10月2
9日の立入検査までは、保管場所での保管量に関する指摘はしていない。これは、焼
却施設で発生した燃え殻の一部は県外最終処分業者に処分委託していたものの、その
多くは密かに場内に埋め立てられており、立入検査の際に、保管場所に継続して大量
に保管されている燃え殻が視認される状況にはなかったことによるものと考えられ
る。
平成12年度以降に燃え殻が堆積され、その量が次第に増加していった過程におい
て、平成13年10月29日に「保管量を少なくし、適正に保管することを指示」したこと
や、平成14年1月25日に「燃え殻の保管量が多く、早期適正処理を指示」したことは、
平成13年度に強化された管理票制度により、本件会社に二次マニフェスト(※)の発
行が義務付けられ、この適正な履行を求めることにより燃え殻の適正な処理が促進さ
れるとの考えから、指導がなされたものと思われる。
30
その後、平成14年3月11日及び同年7月12日に保管基準に合わせるよう改善命令
を発出し、更に同年10月29日に措置命令を発出するなど一連の対応は適切だったと考
えられる。
なお、「飛散・流出のおそれ」に関しては、平成11年3月11日に「焼却灰の保管
場所に屋根を設置するよう」指導し、平成12年3月24日に「燃え殻の野積み保管につ
いて改善」を求めた経緯がある。
これら一連の対応について考えてみると、既に保管量の基準が定められていた木
くずについて、保管量削減の指導が優先して行われたことは仕方のないことであり、
その処理に伴い発生する燃え殻に係る量的な規制基準が存在しなかった時点におい
ては、その保管量を減少させる適切な行政処分を発出し得なかったことは、理解でき
るところである。その意味で燃え殻に対する積極的な行政関与が、直接的な規制根拠
ではないにしろ、管理票に係る規制の強化がなされた平成13年度以降に本格的になっ
たことについては、やむを得なかったとものと考えられる。
※ 中間処理によって生じた廃棄物を最終処分する際に発行するマニフェスト(中間処理業
者から最終処分業者へのマニフェスト)
③ 集中した指導が平成12年度頃まで行われなかったことへの評価
平成12年度頃まで本件会社に対して集中した指導がなされなかった要因の一つと
して、住民からの苦情や通報がなかったことが考えられる。苦情や通報は、実質的に
は重要な情報源となっており、頻繁にそのような情報等が存在したのであればともか
く、そうでなかった場合には、他の廃棄物事案への対応が多く、多忙を極めていた三
条保健所における当時の状況を勘案すれば、本件会社を「不適正な処理をする問題の
ある会社」だと特に認識し、集中的な指導等を行うことがなかったことに、全く理由
がないわけではないと言える。
④ 検証委員会の提言
検証委員会は、本件に関連して教訓とすべきこととして次の点を県に対し提言し
ている。
本件では、本件会社の処理業開始当時、有害産廃物の取扱いや県外廃棄物の取扱
いについて、地元住民や旧巻町との間でトラブルが続いたところであり、その点から
は、「要注意」の会社だったとも言い得るが、その後は目立った違法行為等が見られ
ず、周囲の環境にも明らかに悪影響を生じさせているわけでもなく、また、地域住民
からの苦情等が少なかったこともあって、問題意識を持って継続的に監視を続けるこ
とができなかった。その結果、会社の巧妙な違法行為を見逃す格好となってしまった
とも言い得る。
31
しかしながら、本件への対応については、当時の法整備の状況等からすればやむ
を得なかったものであり、本件に関連して次のことを教訓として、今後の行政対応に
生かしていくことが望まれる。
ア) 平成12年10月1日までの廃油類については、法的な状況から量的な規制に関し
て、違法状態を具体的に認定・指摘したり、行政処分を行うことはできなかった
わけであるが、実際問題として、それらの廃棄物が滞留していったことは事実で
あったことから、その実効性はともかくとして行政指導の範囲として、適宜その
処分等を促すことは可能であり、そのような対応をとることが、より望ましいも
のであったと考えられること。
イ) 燃え殻の埋立に関しては、県(保健所)が、組織として継続的に本件会社が「問
題のある会社」であるとの認識の下で、立入検査等に臨んでいれば、燃え殻の埋
立による地形の変化や、燃え殻の発生量と処分量との差等から、より早い段階で、
より適切な指導等を行うことができた可能性も否定できないと考えられること。
本件は、これまで述べてきたように法的な根拠が明確にならない中で、現場とし
て、どこまで踏み込んだ対応を行い得るかという極めて難しい問題等さまざまな課題
を含んだ案件であった。
しかし、現在は、本件が起こった当時に比べ処理基準等がより明確かつ厳格とな
ってきており、また、本件をも一つの契機として、燃え殻の保管上限量を規制する内
容が盛られた条例が、県及び市において施行されたこと等から、今後の事案において
は、本件と同様な事態が起こらないものと期待したい。
2 検証委員会の検証結果及び提言を踏まえた県としての検討結果
検証委員会から本件に関連して教訓とすべきこととして、
○ 廃棄物が滞留していったことは事実であり、その実効性はともかくとして行政指
導の範囲として、適宜処分等を促すことがより望ましかったこと。
○
県が組織として継続的に「問題のある会社」との認識の下で立入検査等に臨むべ
きであったこと。
との指摘を受けたことを重く受け止め、当時の指導状況等について改めて詳細に検討した。
その結果、当時の状況から県の対応はやむを得なかったものと判断されたとしても、現
時点においては、次のとおり不適切な対応があったと言わざるを得ず、県として真摯に
反省している。
なお、以下の検討は、第1章2(2)に記述した事案の概要を基に、各期における行
政対応の問題点とその発生原因等について行うとともに、旧巻町の対応や関係機関との
協力体制についても改めて検討し、反省すべき点の抽出を行い、第6章の再発防止策に
反映させた。
32
(1)行政対応の問題点とその発生原因等及び反省点
ア 第1期(平成2年度~平成7年度)
ア) 第1期は本件会社の創設期であり、いくつか問題はあったにしても、比較的安
定して施設の管理運営がなされた頃であり、外見的には適正な処理実績を有していた。
本件会社が、実質的経営者の意向を強く受けて運営されているとの認識は持ちつつ
も、実際の施設運営は、従業員により極めて真面目に行われていたことから、その表
面上の対応に囚われ、より一歩踏み込んだ疑いの目で事象を捉えることができなかっ
たことが原因と考えられる。
しかし、
元従業員は「この時期から燃え殻の埋立が行われていた」と証言している。
したがって、上記のような状況にあったとしても、問題のある会社との認識があった
以上、その対応に関して認識に甘さがあったと言わざるを得ない。
イ) また、当時の三条保健所管内には、本件会社以外に木くずの処理を行う5業者が
あったが、その大半は炉の扉を開放したまま焼却するなど、ほとんど野焼きに近い状
態にあったことから、これらに対しては、常に厳しく指導していた。このため、これ
らとの比較において、本件会社が、他社に比較して優良な施設を有していたこと、外
形的には適正な処理実績を有するなどしていたことから、具体的に燃え殻の行方を追
及することは他社とのバランスを著しく欠くとの懸念により、
処理の状況を口頭で確
認する等に止まり、より踏み込んだ調査・指導を躊躇したことも大きな要因と考えら
れる。
ウ) 当時、解体木くずの野焼き、それに伴う燃え殻の処理等が全県的に問題となっ
ていたが、現場が燃え殻の適正処理について、厳しい視点を持って、より一歩踏み込
んだ強い指導に踏み切ることができなかった背景には、本庁として、これらに対する
確固たる指導方針等を示すことができなかったことがあげられる。
【反省点】
以上のことから、この時期の反省点は、以下のとおりである。
本件会社が「外見上優良な会社と見せるべくある程度の処理実績を示す必要があっ
た」と把え、より一歩踏み込んだ疑いの目で、不適正処理が疑われる燃え殻の量につ
いて大まかな目安を付け、その行方を追跡しなかったことである(燃えがらの埋設に
関する問題についての反省点)。
イ 第2期(平成7年度~平成11年度)
ア) この期間は、住民等からの苦情もなく、また、目立ったトラブルもなかったが、
倒産に至った時点で残された廃棄物がこの時期から滞留し始め、廃油類ドラム缶の7
~8割程度は既にあったと推測される。
この期間に通常の事業所と同様の扱いで年1~2回の立入検査しか行われていな
かったことは、第1期での認識の甘さに加えて、現象的に目立ったトラブル等が無か
ったこと等により危機意識が大きく欠如し、指導が手薄になっていたと言わざるを得
33
ない。
イ) 廃油類のドラム缶について屋外保管量の確認を行った記録等はあるが、屋内保管
量については、それが適正な保管方法(屋内にあり、雨等も晒されず、ドラム缶の腐
食はなく、飛散流出のおそれはなかったこと)との認識から特に意識していなかった
ことが窺われる。しかし、本来は、廃棄物の保管量と処理能力の関係等について、注
意深く検討し、仮に流出等の危険性がなかったとしても、消防危険物の観点から関係
機関と協議するなど、保管量の削減に向けた指導等を行うべきであり、廃棄物の保管
に対する考え方に認識の甘さがあったと言わざるを得ない。
ウ) 本件事案に関しては、職員が異動の際には事案毎のファイルにより後任者に引き
継がれてはいたが、苦情や通報がなかったこともあって、本件会社が問題企業である
との認識が薄れ、また三条保健所管内に多くの問題事案(野焼き、新規許可案件等)
があり、その指導が優先されたとしても、この事案への対応に保健所として人員を割
く必要性を十分に認識できなかったことが原因と考えられる。時間的な制約の中で帳
簿類の詳細な確認まで踏み込むことなく、安易に通り一遍の対応がなされるなど適正
処理の確保という目的に照らしたチェックが十分になされなかったもので、危機意識
の欠如があったと考えられる。
エ) 他の管内に比べて問題事案の多い保健所であったにも関わらず、行政の要となる
係長が1~2年で異動しており、県の組織として、事の重要性を十分に認識しなかっ
たこともあり、本件会社に対する認識が現場も含め十分醸成されなかったことが推測
される。つまり、県組織として現場の声をしっかりと把握する体制が確立されておら
ず、現場に応じた人事管理が組織的に十分なされなかったこと等、産業廃棄物行政に
対する県としての確固たる考え方が確立していなかったことが考えられる。
オ) なお、木くずに関する指導等については、平成11年8月24日の立入検査の記録に
「昨年暮れにはほとんど無かったが、4月から急に増えた」とあることから、平成10
年度においては、平成11年4月1日以降の保管上限量規制をクリアするために特別な
指導は必要なかったのであり、この点の対応については、不適切な点は無かったもの
と言える。
【反省点】
以上のことから、この時期の反省点は、つぎのとおりである。
ⅰ)受入れ、処理、搬出サイクルの確認を含め、廃棄物保管量の把握が不十分であ
り、保管量の削減を確実に行わせるための実効ある指導等を行わなかったこと。
(ドラム缶(廃油類)類の多量保管ないし滞留に関する問題についての反省点)
ⅱ)立入検査時において、帳簿類の確認を含め本件会社の詳細な状況把握を行わな
かったこと(燃え殻の埋設に関する問題についての反省点)。
ⅲ)本件会社に対する認識が、組織的にしっかりと引き継がれていなかったと推測
され、また、組織的に対応することが可能な人的体制等が取られていなかったこ
と。
34
ウ 第3期(平成11年度~平成17年度)
第3期は、廃棄物の保管基準が定められ、本格的に指導を開始した時期であった。
その指導方針は、本件会社の営業継続を認めながら保管物の処理を進めさせることであ
り、その背景には、ダイオキシン類対策特別措置法の施行により、廃棄物処理施設(焼
却炉)の多くが稼動できなくなり、県内で必要な処理能力の確保が難しくなるとの危機
感があり、適正な処理施設の確保、適正処理業者の育成が必要との考えがあった。
この時期は、改善命令等法的な対応が行われた時期であり、それより前の時期に比
べれば県の対応は前進したとは考えられるが、法の厳格な執行を行うとの姿勢に甘さが
あり、より踏み込んだ措置が可能であったと考えられる。反省点とその発生原因等は次
のとおりである。
ア) 改善命令等により木くずの減量化を行わせることと並行して、廃油類への対応
(改善命令の発出や保管量削減の指導)も行うことは、本件会社が倒産に至り廃棄物
が放置される懸念が極めて高いと判断していた。このため、直ちに法的手段を執らず
に段階的に行うことで本件会社の存続も図りつつ、適正化に向けて進めていこうとし
ていたと思われるが、この方針に甘さがあり、その結果として、改善命令等の遵守を
求める姿勢にも甘さがあったと考えられ、法の厳格な執行を行うとの意識の欠如があ
ったと言わざるを得ない。
イ)
営業の継続を認めながら保管廃棄物の処理を進めさせるとの方針を遂行してい
くには、会社に対する経営状況の判断を適宜行いながら、その指導方針を検証してい
く必要がある。しかし、当時の指導において、そういった視点はなく、そのノウハウ
もなかった。また、こういった事案に対する対処方法への支援等を本庁においても行
わなかったこと等から、実質的経営者の死亡による突然の倒産といった事態を迎える
に至ったが、本件会社に対する認識の甘さと法の執行に係る必要な知識の習得に対す
る考えに意識の欠如があったと言わざるを得ない。
ウ) この時期においては、既に「行政処分の指針について」(平成13年5月18日付け環
境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部産業廃棄物課長通知。以下単に「行政処分の
指針」という)により、行政処分の適切な運用実施の考え方が示されていたが、前述
のように、本件会社の運営継続を認めながら保管物の処理を進めさせるという方針を
とっていたことに加え、本件会社から信用に値する改善計画が提出されたこと等から
直ちに同指針を適用することなく、あくまで適正化に向けた指導を優先していたと思
われる。しかし、それが結果として、本件会社に対する認識の甘さに繋がったと考え
られ、違反者に対して積極的かつ厳正な対処を行うとの意識の欠如があったと言わざ
るを得ない。
エ) 平成13年11月19日には、処理業の更新許可申請がなされている。この際の添付書
類(貸借対照表等)から、県は、本件会社の財務状況を把握していた(法人税を納め
ていない状況、債務超過の状況が3年継続。但し、単年度では利益を計上)。
35
当時は、「産業廃棄物処理業及び特別管理産業廃棄物処理業並びに産業廃棄物処理
施設の許可事務の取扱いについて」(平成12年9月29日付け衛産79号、以下「許可事
務の取扱いについて」という。) 第一4(6)⑤に記載があるように経理的基礎を有
しないとの判断は、慎重になされなければならないと考えられていた。
当時、債務超過であってもそれだけで、許可(更新)しないとの取扱いは行って
いなかった。このことは現在でも同様である。経理的基礎に疑義がある場合には、
将来の営業計画書の提出を求めており、本件もそのルールに従って、当該書類の提
出を求めている。
本件会社は、当期利益は計上していたことから(「許可事務の取扱いについて」
第一4(6)の本文参照)、営業計画書の提出を求め、将来の赤字解消の見込みを考
慮して、経理的要件は満たすものと判断した。
なお、倒産後の元従業員の証言によれば、本件会社にはそれなりの日銭が入ってい
たものであり、実質的経営者が、操業当初から本件会社の現金をしばしば持ち出して
行くことにより資金繰りが難しくなったとのことであった。例えば、平成14年度に実
施予定のダイオキシン対策のために半年かけて貯めた3,000万円も持ち出されてしま
い、同対策をあきらめた経緯があったとする平成16年3月22日の元従業員の証言があ
り、本件会社には、県が把握できなかった事情のあったことが判明した。
当時は、あくまでも本件会社を存続させて、増大した保管廃棄物を処理させるとの
方針で臨んでいた。それは、更新許可を拒否した場合、他人の廃棄物である保管され
ていた廃棄物(特に木くず)を自ら処分しえないこととなり、結果として保管物が処
理されずに残ることを懸念したからである。
木くずの保管量について一定の改善が見られていたこと、及び更新拒否による保管
廃棄物の放置を懸念したことからすれば、更新許可を行ったことが、必ずしも違法
だったとまでは言えないと思われるが、「会社を存続させて保管廃棄物を処理させ
る」との方針を採った以上、結果として燃え殻の保管量が増加してしまったことを
考えると、その後の指導が不十分であったことは、反省すべき点である。
また、改善命令違反による事業停止処分を受けていたことのほか、燃え殻の野積
保管についての指導、廃油の保管量超過について削減指示を受ける等、「法違反を繰
り返しており、行政庁の指導等が累積している者」(「許可事務の取扱いについて」
第一5(5)③)に該当しえたとも思われる。
しかし、更新許可前に木くずの保管量について改善が進んだ状況にあったことも
あり、また、更新許可を拒否した場合、結果として保管物が処理されずに残ること
を懸念した結果、
「会社を存続させて保管物を片付けさせる」方針で臨んだものであ
る。
【反省点】
以上のことから、この時期の反省点はつぎのとおりである。いずれも、ドラム缶(廃
油類)類の滞留、木くず、地上に堆積された燃え殻等の不適正保管に関する問題につ
36
いての反省点である。
ⅰ)木くず、廃油類について、搬入停止を指導したり、早期に法的手段を執らな
かったこと、また、改善命令等の履行を厳格に求めなかったこと等、より早い
段階で、不適正保管の芽を摘みとれなかったこと。
ⅱ)より早い時期に経営的な内容を確認する等、倒産に至る状況をより早く察知
する努力が結果的には十分でなかったこと。
ⅲ)会社を存続させて保管物の処分を進めさせようとした以上、健全な運営に向
けた保管廃棄物の処理計画の遂行を指導すべきであったのに、これをなしえな
かったこと。
(2)その他執行体制等の問題点等
検証委員会では、関係機関との連携についても検証しており、第1期における県と
旧巻町(以下「町」という。)との密接な情報交換を除けば、本件会社の立地環境が周
囲からは見にくい小高い丘という状況であったこと、住民からの通報や苦情が少なかっ
たこと等から、町や警察との連携は十分ではなかった事実が指摘されている。そこで、
この他機関との連携の状況について、県及び市としてもあらためて検証を行った。
ア 町と新潟県(三条保健所)との連携
第1期においては、前述のとおり、県外産業廃棄物に係る問題等があり、また、住民
の反対運動があったこともあり、町と三条保健所は頻繁に打合せを行い、情報の共有を
図りながら緊密な連携体制をとり、対応していた。
しかし、第2期においては、住民からの苦情等もなく、施設管理等が表面的には比較
的適正に行われていたこと等から、町としては専ら県外産業廃棄物の処理禁止の確認を
求めた裁判(平成6年8月に提訴)関係の対応に力点をおくこととなったこと、平成
10年から定期的な立入検査が実施できたこと等から、県との連携は低調なものとな
っていた。
また、第3期においては、産業廃棄物施設監視員(平成3年から周辺11地区の区長に
委嘱、定期的に懇談会を開催)を通じて平成13年8月に「燃えかすが飛散している。」
との苦情があるまで、第2期と同様の状況であった。しかし、平成14年8月の本件会社
の倒産以降は、懇談会で意見交換を行う等、お互いの意志の疎通に努め、倒産に伴う諸
問題への建設的な協議を行ってきた。また、本件会社倒産後の場内整理や周辺の定期的
な水質検査等についても観測点を分担して採水するなど連携して対応してきた。
以上のとおり県と町は、連携を取って対応していたが、この連携が低調であった第2
期、第3期の前半に、倒産に至った時点で残された廃棄物が滞留し始め、廃油類の入っ
たドラム缶の7~8割程度は、この頃には既にあったと推測される。
したがって、産業廃棄物行政が所管外であったとしても、町は、住民の生活環境の保
全を図る役割を有しているのであるから、県としては、より積極的に町に対して情報を
求める等、その連携を十分に図るべきであって、町との連携強化に努めていれば、より
適切な対応が取れた可能性も否定できない。
37
イ その他の機関との連携
県は、平成6年8月に、関係機関との連携を強化するため、新潟県警察本部、新潟海
上保安部、(社)新潟県産業廃棄物協会、新潟市などをメンバーとする「新潟県産業廃
棄物不法処理防止連絡協議会」を設置したが、担当者レベルの情報交換の場として設定
された経緯もあって、当初の3年間と平成11年度に年1回の会議が開かれたに止まり、
その後具体的な活動は行われていない。これは、県組織として、当該組織の意義を十分
認識していなかったことによるものと考えられ、産業廃棄物行政における関係機関との
連携の必要性に対する認識が欠けていたものと言わざるを得ない。
38
第6章 新潟県としての再発防止策
以下の再発防止策は、報告書における再発防止策に加え、「第5章2 検証委員会の検
証結果及び提言を踏まえた県としての検討結果」を踏まえたものであり、今後、組織として
の危機管理意識を徹底するとともに、これらの再発防止策を更に推進しつつ、絶えず見直し
等を行うことにより、同様な事案が生ずることのないよう、また、その対応に遺漏のないよ
う努めることとする。
再発防止策を検討するにあたっては、「第5章2(1)行政対応の問題点とその発生原因
等及び反省点」の反省点に記載したとおり、燃え殻の埋設を見抜けなかったことと、ドラム
缶(廃油類)類が結果として多量に滞留したこと及び燃え殻が不適正に保管(堆積)された
ことに対する対応がポイントであるから、これらに対する再発防止策という視点を中心に検
討する。
1 燃え殻の埋設に係る対応に関する再発防止策
燃え殻の埋設を見抜けなかった原因は、第1期においては、立入検査におけるより一歩
踏み込んだ調査の不足であり、第2期においては、危機意識の欠如及び人的体制が十分で
なかったことにある。また、全般的には、埋設が造成時や夜間等、行政の目を盗んで実施
されたことである。
したがって、その再発防止対策の基本は、立入検査における監視技術の向上と監視機能
(体制)の強化及び問題意識の醸成・維持にある。
(1)監視(立入検査)技術の向上
不適正処理を見抜くには、マニフェストの発行状況のチェックと、処分受託物の受入
状況、廃棄物の保管状況等との整合性の確認等が不可欠である。
県では必要な知識を得る場として、廃棄物特別監視員・廃棄物巡視員を交えた担当者
研修会を毎年開催し、違反事例等をテーマとした自由討論会を実施するなど、組織とし
て監視担当職員の意識及び能力の向上に努めており、また、環境省環境調査研修所、関
東地方環境事務所や(財)産業廃棄物処理事業振興財団が主催する各種セミナーへの職
員派遣を積極的に行い、そのノウハウを担当職員に伝達するよう努めている。
さらに、立入検査に関しては、現在、「立入検査実施要領」を定め、本件事案等も踏
まえて、焼却施設を立入検査の重点対象施設とするほか、具体的な確認事項を記載する
こと等により、不適正保管の早期発見など立入検査の充実・強化と検査・指導項目など
の統一を図っているところである。
また、これまでも、二次マニフェストのチェックは実施しているところであるが、今
後、あらためて「立入検査実施要領」に明記することにより、本件事案と同種事案の再
発防止に努めることとする。
この「立入検査実施要領」については、毎年度初めの担当者会議において、説明し徹
39
底しているところであるが、今後とも、立入検査の状況等も踏まえ、適切な対応がとれ
る様に更に周知徹底を図っていくこととする。
また、法改正の際には、その内容をまず本庁において十分理解するとともに、地域機
関の職員において法改正への対応に遺漏のないよう、説明会や研修会を適宜開催して、
幹部職員から、一般職員、嘱託職員に至るまで、制度の趣旨・目的を徹底し、必要な知
見・スキルの習得に遺漏のないよう措置を講じていくこととする。
このようにして、県は事案の表面上の対応に囚われず、一歩踏み込んだ疑いの目で事
象を捉え、適切な行政権の行使に当たるつもりである。
(2)監視体制の強化
ア 不適正処理の早期発見・早期対応による事案の拡大防止と早期解決を図るため、県で
は、平成9年度から県警からの出向者を含めた廃棄物特別監視員の配置を開始し、平成
13年度からは5保健所に廃棄物特別監視員を各1名(うち3名が県警からの出向者)づ
つ配置している。なお、本件会社に対する指導・監督を所管していた三条保健所にも同
年度から1名が配置され、隣接する地域を所管する長岡保健所に配置された県警からの
出向者1名が三条保健所を兼務して監視に当たる体制が採られ、現在に至っている。
イ また、平成10年度から早朝・夜間や休日等にも監視パトロールを行うため、廃棄物巡
視員(嘱託員)の配置を開始しており、三条地域振興局健康福祉環境部環境センター(廃
棄物対策を含む環境対策は、平成14年度に保健所から環境センターに移管)には、平成
14年度に2名が配置され、現在では、5環境センターに各2名ずつ合計10名を配置して
いる。
ウ 更に、平成17年度には、本庁廃棄物対策課の課内室として不法投棄対策室を設置し、
行政代執行の実施を含む不法投棄対策や不適正処理対策について、更なる体制の強化を
図っている。不法投棄対策室設置前は、「産業廃棄物処理業係」において、係長を含め
5人で処理業の許可業務のほか不法投棄対策や不適正処理対策を担当していたが、室設
置後は、「産業廃棄物処理業係」が係長を含む3名で主として許可業務を担当し、不法
投棄対策室は課長級の専任室長を含む3名で不法投棄対策や不適正処理対策を担当し
ている。
このようにして本庁の組織を充実させることにより、本県は、県内において生ずる
様々な事案に対し、本庁としての確固たる指導方針等を示せるよう体制を整えている。
なお、懸案事案が存在する場合にこれに適切に対応するためには、現場に応じた人事
管理が重要である。現在は、3年程度は継続して同一業務を担当するようにして、技術
の向上や問題点等への継続的な対応が図れるようにしている。しかし、人事管理におい
ては、年齢構成や職階の問題等もあって、
一義的な取り扱いの難しい面があることから、
担当期間が短期となってしまう場合でも、重要案件の引き継ぎが確実になされるよう、
40
情報の継続性について徹底する。
エ なお、不適正処理事案の監視に当たっては、住民からの苦情や情報提供の有無にかか
わらず、監視・指導を行い、またその監視等を継続させるための体制を確立することが
必要である。
そのため、まず管理職を始め、前述のとおり説明会や研修会等を通じて、組織として
の危機管理意識を徹底し、事案に関する情報の共有化を徹底させることが不可欠であり、
現場の事案対応における問題点(業務量、人的対応能力等)等を本庁においても十分に
把握し、これを業務管理に反映させていくこととする。
今後、懸案事案が生じた場合は、所管環境センターにおける円滑な業務の推進を図る
ため、本庁又は周辺環境センターからの応援態勢を整備していくこととする。
(参考)廃棄物特別監視員及び産業廃棄物巡視員等配置状況
年度 廃対課 新発田 新津
三条
長岡
南魚沼
上越
佐渡
9 ◎○
10 ◎○
□□
11 ◎○
○
◎(注2)◎□□ ◎(注3)◎□□
○
○
12 ◎
○□□
◎(注2)◎□□ ◎(注3)◎□□
○
○
13
◎□□ ◎(注1)◎(注2)◎□□ ◎(注3)◎□□
○
○
14
◎□□ ◎(注1)◎(注2)◎□□ ◎(注3)◎□□
※
○□□
○
15.16
◎□□ ◎(注1)◎(注2)◎□□ ◎(注3)◎□□
※
○□□
○
17~
◎□□ ◎(注1)◎(注2)◎□□ ◎(注3)◎□□
※
○□□
○□□
◎ 廃棄物特別監視員(警察出向者)
(注1)新発田と兼務、(注2)長岡と兼務、(注3)上越と兼務
○ 廃棄物特別監視員(県職員)
□ 産業廃棄物巡視員
※ 佐渡地区(1島1市)には専任の廃棄物特別監視員や巡視員は配置されていない
が、平成14年度及び平成15年度には、民間にパトロールを委託していた。その後平
成17年度には佐渡市が、市民約20人に「不法投棄監視員」としてパトロールを委託
しており、また、平成18年度には県の佐渡地域振興局健康福祉環境部環境センター
が事務局となって、佐渡島内で独自に、「不法投棄防止ネットワーク会議」を発足
させ、不法投棄の監視体制を構築しているところである。
41
オ また、県では、平成17年5月、山間地や河川等を中心として業務(活動)を行う民間
団体等の協力を得て「新潟県産業廃棄物不法投棄監視ネットワーク会議」を設置し、県
民総監視体制の拡大強化を図っており(平成18年度末現在:76団体、約79,000人)、
平成20年度までに約100,000人の協力者確保を目標としている。
平成18年度には、試行的に構成団体が保有する車両に、「めざせ産廃不法投棄ゼ
ロ!」のステッカーを貼付(約5,000台、平成19年度には更に10,000台)してもらい、
目で見える形での抑止力を期待しつつ不法投棄等防止の啓発活動の一端を担ってもら
っている。
カ その他、広く一般の県民から情報の提供を求めるため、平成17年6月に「不法投棄
ホットライン」を設置し、有力情報の提供者に報奨金を支給する制度を設けている。
また、県では、市町村職員を県職員に併任することにより、産業廃棄物に関する立
入検査権を付与する制度を平成16年度に導入しているが、今後、更に市町村に働きかけ、
その拡大を図ることとする(平成18年度:18市町村64人)。
なお、併任職員に対しても研修会を実施しており、今後ともその技術の向上に努め
ていく。
(3)問題意識の醸成・維持
本件では、立入検査時に一歩踏み込んで帳簿類等をきちんとチェックすることによ
り、適正な保管量に対する指導を行うことができたと考えられるが、「一歩踏み込む」
ためには、適正処理のあるべき姿を常に追求し、積極的に問題を発見しようとする意識
の醸成が不可欠である。
前述のとおり、二次マニフェストの発行状況や返送受領状況のチェックを的確に行う
こととしており、今後ともこの点に遺漏のないよう努めることとするが、さらに、今後
少なくとも年に1回は、担当者研修会等において、本件事例等を題材にケーススタディ
として、その問題点等を認識することにより、問題意識の醸成及び維持に努めることと
する。
なお、燃え殻の行方を厳しく追及しなかった事情に、他社とのバランスを著しく欠く
ことになることを懸念したことが挙げられるが、問題意識を持って事象に正対すれば、
自ずとこのような懸念は生じえないものと考える。
2
ドラム缶(廃油類)類の滞留及び燃え殻の堆積に係る対応に関する再発防止策
保管上限量を超過していた廃油について改善命令をかけたり、それ以外の廃アルカリ
や汚泥の保管量の削減を働きかけたりすることなく推移した原因は、「本件会社を存続
させながら多量に保管されていた廃棄物を段階的に減少させよう」との方針の下で、木
くずの処理を優先させたことによる。その結果として、ドラム缶類の長期滞留と木くず
の処理に伴い生じた燃え殻の増大を招いてしまったと考えられる。
42
したがって、その再発防止策の基本は、早い段階で厳格な法的対応を行うこと、更に
は不適正保管(処理)の発生そのものを未然に防止することにある。
(1)行政権限の適切な行使
県としては、未処理廃棄物の多量保管など不適正な処理を把握した場合には、「行政
処分の指針」に基づき、より早い段階で、不適正保管等の芽を摘むべく、速やかに改善
命令等を発するなど適切な対応を図るとともに、許可の取消の要件に該当するものがあ
る場合には、躊躇することなく厳正に対処することとする等、行政処分の指針に則った
積極的かつ厳正な対応に努めており、今後とも適切な行政権限の行使に努める。
これらのことを、各種の機会や研修会等を通じて、廃棄物行政に携わる職員に徹底し
ており、今後とも徹底していくこととする。
(2)条例の的確な運用
産業廃棄物の適正な処理を促進するため、県は平成16年12月に「新潟県産業廃棄物
等の適正な処理の促進に関する条例」を制定し、平成17年4月から施行した。この条例
は、本件等において、中間処理産業廃棄物である「燃え殻」に関して、量的規制に関す
る法的根拠が明確でなく、その規制に厳密さを欠いたことから、法的根拠を明確にする
ため、その保管上限量を設定したものであるが、この条例を適切に運用することにより、
本件事案のように、多量の「燃え殻」を放置したまま中間処理業者が倒産するような事
態を未然に防止し、あるいはその拡大を抑止することとしている。
また、時に有価物と称して多量に保管されることのある、廃タイヤおよび木くずチ
ップについても、廃棄物と同様の保管規制を行うことで、廃棄物の不適正な多量保管を
未然に防止することとしている。
今後とも、条例の趣旨を踏まえて、監視・指導等に努めていく。
(3)経理状況に関するノウハウの取得
会社の経理状況について判断できる知識・経験の育成が不可欠であり、平成19年度か
ら、財務諸表や帳簿類の見方等についても、上記の特別監視員・巡視員を交えた担当者
研修会等の内容に加えるとともに、前述のとおり、本件事例等を題材にケーススタディ
として、その問題点等を認識することにより、問題意識の醸成及び維持を図ることとす
る。
また、会計学の知識を深めるため、財団法人産業廃棄物処理事業振興財団が主催す
る不法投棄対策のためのセミナー等の活用や、外部の専門家等による研修会の開催等
により、担当者の知識を深めていくこととする。
43
3
その他の不法投棄・不適正処理対策
(1)不法投棄防止週間の創設による啓発活動の実施
平成19年度からは、年2回の「不法投棄ストップ!県民ウィークにいがた」を設定し、
不法投棄防止等の普及・啓発に努め、不法投棄の防止及び不適正処理の防止についての
機運を高めることとしたところであるが、その取組の一環として、年2回春及び秋にヘ
リパトロールを実施することとしている(平成19年6月1日及び平成19年11月2日に予
定していたヘリパトロールは、荒天のため中止となった)。
なお、ヘリパトロールは、平成18年度からは3機関(県、新潟県警察本部、新潟海上
保安部)の連携により実施しており、平成18年11月2日には不法投棄と疑われる事案を
2件発見した(地上から確認した結果、廃棄物の不法投棄ではなかった。)。
春及び秋には、税務課が実施している不正軽油の取締りに際し、廃棄物担当課及び環
境センター職員が同行し、廃棄物運搬車について、マニフェストのチェック等、適正処
理に関する指導を実施しているが、今後は、「不法投棄ストップ!県民ウィークにいが
た」の取組の一環として、廃棄物対策部門独自で、県内での車両調査を実施する予定で
ある。
なお、関東周辺の27都県市により組織する「スクラム27」の活動として情報交換や一
斉路上調査を実施しており、これにも参加している。
(2)関係機関との連携の強化
各関係機関ごとに監視体制を強化するだけでは、その効果は十分ではなく、早期
対応を可能とするには相互の連携体制を強化し、円滑な情報交換や統一した対応方針
を協議する場が必要である。現在、先述のとおり、「新潟県産業廃棄物不法投棄監視
ネットワーク会議」の設置やヘリパトロール等により、新潟県警察本部、新潟海上保
安部と連携しているが、今後は、更に次ぎの点に留意することとする。
なお、平成6年に設置した「新潟県産業廃棄物不法処理防止連絡協議会」は、構
成員が重複していること等から、「新潟県産業廃棄物不法投棄監視ネットワーク会
議」に発展的に吸収された。
ア 消防機関との連携
現在は、廃油等についても、法にその保管上限量の規定があるので、多量保管を規
制することが可能であり、消防危険物という観点での事実上の保管量削減を図る必要性
は小さくなったと言って良い。
しかし、廃油等の消防危険物の中間処理を行う処理業者に対する立入時の際の情報
を相互に交換することの可能性等を検討していくこととする。
イ 市町村との連携
市町村とは、現在、県レベルとしては、年1回の担当者会議を実施して、その情報
交換等を図っており、地区レベルでは、平成9年度に設置した「地区廃棄物不法処理防
止連絡協議会」の構成員として、不法投棄防止の啓発活動や、小規模な不法投棄事案(一
44
般廃棄物と産業廃棄物の混合物)に係る撤去事業等について連携を図っているところで
ある。
「地区廃棄物不法処理防止連絡協議会」については、今後は、その活動を更に活性
化させ、「新潟県産業廃棄物不法投棄監視県民ネットワーク会議」と連携をとって、啓
発活動にも力を入れつつ、監視効果の向上を図っていくこととする。
また、先述のとおり、市町村職員を県職員に併任発令することにより、産業廃棄物
の不適正処理事案等の早期発見・拡大防止に努めているところであるが、この制度を更
に拡大することで、市町村と県(環境センター)との間の情報交換等の円滑化を図るこ
とができると考えられる。
45
第7章 新潟市としての再発防止策
市では、旧巻町との合併により本件事案を県から引継ぎ、行政対応検証等を行う中で、
それまでの県の執行体制や監視・指導体制が不十分であったとの指摘がなされたことを重
大に受け止め、県と一丸となってかかる事案の再発防止に取り組む必要がある。そこで、
県が掲げた反省点について当市の現状に照らし合わせた場合、次のような問題点があると
考えられた。
〇立入監視の対象が苦情の多い業者にシフトし、一見優良な業者に対して「一歩踏み込ん
で疑ってみる」意識に欠ける傾向がある。
〇立入監視において、契約書やマニフェスト或いは種々の帳簿類を点検する中で、不適正
処理の兆候を察知する技術に欠けている。
これらの弱点については、危機管理意識の徹底と監視技術の向上によって克服していく
必要があることから、これらの対策も含め、以下のような施策を講じていくものとする。
1
不適正処理事案に対する危機管理意識の徹底と組織体制の確立
職務を遂行する者にとって、常に法令の遵守と危機管理の意識を持ち続けることが重
要であることから、市では平成 17 年 10 月に「新潟市における法令順守の推進等に関す
る条例」を施行し、庁内体制を徹底するため、「新潟市コンプライアンス委員会」を設置
し、各所属長が推進責任者となって定期的に研修会を開催することにより、倫理の保持や
能力の向上、不当な要求への対応について組織的に取り組んでいる。
また、産業廃棄物担当職員については平成 15 年度から逐次増員し、平成 17 年度には
8名体制として適正配置に努めるとともに、情報の共有化を図るため、個別事案に対して
は必ず複数の職員で対応し、重要事案については必要に応じて随時庁内連絡会議を開催し
協議を行う等、組織的な対応を行う体制を敷いている。
2
監視技術の向上
監視担当職員については国が主催する「産廃アカデミー」や「不法投棄防止対策のた
めのセミナー」などの研修会や、県主催による特別監視員・巡視員研修会あるいは地区の
行政連絡会議(関東ブロック会議、スクラム 27 など)に毎年度参加することにより、不
適正処理を見抜く技術(廃棄物収支バランスの把握、財務諸表、帳簿類の見方等)の習得
資質の向上に努めるとともに、「監視マニュアル」を作成し、どのような業者に対しても
標準的な監視を実施し、その中で重点的に対応すべき業者を見極めて行くこととする。
3 行政権限の適切な運用
(1)不適正処理の未然防止、早期対応を図るため、当該処理に関係する排出事業者や処
理業者に対して「行政処分の指針」に従い、改善命令等の行政処分や刑事告発など厳
46
正に対応していく。また、平成 3 年に定めた「新潟市産業廃棄物処理施設の設置及び
維持管理に関する要綱」に基づく事前協議段階での指導を徹底することにより、不適
正処理の未然防止を図っている。
(2)市独自条例の制定・施行による適正処理の推進等
市では、平成 18 年4月1日から「新潟市産業廃棄物等の適正な処理の促進に関する
条例」を施行した。同条例は、排出事業者による処理委託先の定期的実地確認、自社
敷地以外の土地における廃棄物保管の事前届出、本件事案を踏まえての燃え殻の保管
量制限、木くずチップや使用済みタイヤに対する保管基準の適用、産廃業者に土地を
提供する者の責務などを規定しており、当該条例の厳正な運用により産業廃棄物の適
正な処理を促進するとともに、不適正処理の未然防止を図っていく。
4
監視体制の強化と関係機関との連携の強化
(1)組織体制の強化
新潟市は廃棄物処理法の施行時から保健所設置市として産業廃棄物に関する事務の
一部を執行してきた。当初は公害や清掃関係の係に2名程度の兼務担当者を配置して
いたが、平成3年に当時の清掃課内に産業廃棄物対策係を置き4名の専任係員を配置
した。その後平成 15 年に県警OBを非常勤嘱託として1名採用し5名体制とした。
なお、平成 17 年に、周辺市町村との合併に伴い業務量が大幅に増加したことから、
当該係を室に格上げして迅速な事務処理及び監視指導体制強化を図るため3名を増
員し8名体制とした。
(2)監視指導体制の強化
ア
パトロールの強化
上記の合併により、指導対象事業所の増大に対応して、平成 18 年に監視車両を1台
増車して2台体制とし、機動力の強化を図ったが、今後業務量の推移を見ながら更な
る増車を検討する。
また、同年より通常勤務時間帯でのパトロールに加え、土曜パトロールを実施する
ことにより、閉庁日における不適正処理の防止に努めているが、平成 20 年度からは民
間委託による休日・夜間パトロールを実施し一層の強化を図る予定である。
イ
監視カメラの導入
市においては、恒常的に不法投棄が行われる地点が十数箇所あることから、平成 19
年に2台、平成 20 年には5台の監視カメラを導入し、当該地点等に設置することによ
り原因者の特定を進めるとともに、「監視カメラ作動中」といった警告看板を併せて設
置することによる抑止効果も狙うこととする。
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(3)不適正処理等の情報提供
前記条例中に市民の責務として不法投棄を発見した場合の通報を規定していること
から、条例の施行と合わせて不法投棄通報専用フリーダイヤル(0120-381-794)を設
置するとともに、事案の解決に結びつく有力な情報提供者に対して報奨金を交付する
制度を実施して早期発見・早期対応に努めている。
また、平成 20 年からは市内の郵便局、ハイヤー・タクシー会社、宅配便事業者等と
不法投棄発見時の通報について協定を締結する予定である。
(4)関係機関との連携
県と旧巻町との連携が不足していたとの県の検証結果を踏まえ、関係機関との連携
を密にするため、国、県、県警及び庁内の環境、農林、土木部局等をメンバーとする
「不法投棄防止対策連絡会」を設置し、悪質事案等について情報交換や具体的な対応
策を検討する。
(5)「産業廃棄物処理業者の優良性の判断に係る評価制度」の導入
平成 19 年から廃棄物処理法施行規則に定める「産業廃棄物処理業者の優良性の判断
に係る評価基準」への適合性の審査を開始した。この評価基準に適合したと確認した
処理業者は許可証にその旨の記載を行い,市のホームページに掲載している。
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第8章 その他配慮すべき重要事項
1 支障のおそれの除去等の実施における周辺環境への影響に関する配慮事項
(1)環境モニタリング
支障除去事業等の実施に伴い、対策工事等による周辺の生活環境への影響を把握す
るため表流水と地下水の環境モニタリング調査を行うこととする。
ア 表流水を継続して調査するため、採水は、図―7のとおり施設からの排水1地点
(A-1)及び施設周辺の表流水4地点(B-1,B-2,B-3,B-4)の計5地点を継続する。
なお、評価基準は、施設からの排水は水質汚濁防止法に基づく特定施設の排水基準、
施設周辺の表流水は公共用水域の水質汚濁に係る環境基準を用いる。
また、調査回数は対策工事期間中は月1回、工事前後は年4回行うものとする。
事業所範囲
A-1
B-2
B-1
B-4
B-3
図―7
49
採水地点
イ 施設周辺の地下水への影響を監視するため、図―8のとおり施設造成前の現地形から
上流と考えられる場所No.1、並びに下流と考えられる場所No.2及びNo.3の3ヶ所に井戸
を設置し、確実に施設からの地下水の汚染が把握できるよう、共通の滞水層から採水を
行うこととする。
なお、評価基準は地下水の水質汚濁に係る環境基準並びにダイオキシン類対策特別措
置法の水質の汚濁に係る環境基準とし,地下水の挙動を迅速に把握することに配慮し,
異常値が出た場合には,すみやかに追加調査を行う。
また、調査回数は対策工事期間中は水質検査を月1回、工事前後は年4回行うものと
する。
観測井№1
谷筋
観測井№3
水田
観測井№2
図―8 地下水の採水地点
ウ 埋設された木くずの状況を監視するため,熱伝対を用いて温度測定を行い,目視により
地表への露出の有無等の監視を行い,異常が見られたときは,すみやかに追加的な調査又
は必要に応じた対策を行うこととする。
また、調査回数は対策工事期間中は月1回、工事前後は年4回行うものとする。
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エ その他の周辺環境への影響に関する配慮事項として,人への廃棄物の暴露を完全に防
ぐために,施設の周囲に有刺鉄線等による囲いを設置し,立入禁止措置をとる。
また,市及び委託業者等による監視パトロール並びに監視カメラにより施設及びその周
辺の継続的監視を行い,人の進入防止,廃棄物の状況,施設の状況,自然環境の変化等に
配慮して監視し,異常が見られたときは,すみやかに追加的な調査又は必要に応じた対策
を行うこととする。
(2)モニタリング結果について
モニタリングの結果については、会社倒産以来実施してきた検査結果と比較して評
価するものとし、その内容については適宜、地元区長会に報告するとともに公表する。
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2 指定区域について
特定支障除去等事業の終了後に、施設内の土地の形質変更による生活環境保全上の支障
発生を未然に防止するため、法第15条の17に基づく指定区域に指定する。
3 緊急時の連絡体制等
特定支障除去等事業の実施にあたっては、事故及び不測の事態により環境への影響が
生じた場合に備えて、情報収集、被害拡大防止対策、復旧対策などについて迅速かつ適正
に進められるように事前に対応を整理するとともに、県、消防、警察、報道機関等に対す
る緊急時の連絡体制を整備する。
環 境 部 長
秘 書 課
県廃棄物対策課
廃棄物対策課長
危機管理監
警察・消防
現地事務所所長
西蒲区役所
4 実施計画策定に当って住民の意見等が反映される必要な措置
会社倒産直後から定期的に(年1~2回)周辺11区長に対して説明会等を開催しており、
そこで出された意見については実施計画策定に生かせるよう努めた。
【説明会開催状況】
H14.8.5
放置廃棄物の状況、今後の水質監視計画等
H14.12.6
水質監視結果、行政処分の状況等
H15.3.6
水質監視結果、場内整備工場による改善状況等
H16.2.4
水質監視結果、ボランティアによる撤去状況、場内視察
H17.8.30
事前調査の内容等
H18.3.27
事前調査結果、今後の対応についての説明
H18.9.27
撤去計画についての意見交換
H19.1.25
撤去計画の遅延について
さらに、実施計画策定後も、事業遂行上の様々な事項やモニタリング調査結果の報告な
どを行うため、当該説明会を継続して開催し、住民の意見等を事業の実施に反映させる
こととする。
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5 実施計画に対する新潟市環境審議会の意見
本実施計画の策定に当って、新潟市環境審議会において、実施計画内容について審議が
行われ、次のとおり答申がなされた。
当該事業実施計画(案)については、妥当であると認める。
なお、次の付帯意見を踏まえて、事業の確実な実施に努めること。
1 関係者以外の者がみだりに立入ることが出来ないような措置を講ずること。
2 本事業の実施状況について情報公開に努めること。
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(参考)
「新潟市(旧巻町)における産業廃棄物処理施設に係る特定支障除去等事業実施計画」における
新潟市負担額について
当該実施計画における,当該支障の除去等事業に要する費用については総額304,320
千円であるが,当該支障の除去等事業については、新潟県から新潟市に対し交付金(名称等未定)
として44,540千円が交付される予定となっているため,起債の算定基礎となる新潟市負担
額は、259,780千円となる。
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