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糸を分けるプレスリリース - coexist
PRESS RELEASE 「 糸 を 分 け る 」 久 村 卓 ・山極満博・渡辺望 【会期】2013 年 10 月 5 日|土|‒11 月 3 日|日| 【時間】11:00 ∼ 19:00 (月曜休廊) 【入場】無料 【会場】〒135-0042 東京都江東区木場 3-18-17 2F gallery COEXIST-TOKYO この度、gallery COEXIST-TOKYO では、久村卓(ひさむら・たく)、山極満博(やまぎわ・みつひろ)、渡辺望 (わたなべ・のぞみ)の3名の美術家によるグループ展を開催する運びとなりました。 本展は、「会期」や「会場」といった一定の区切りを持ってとり行われ、そこに「オブジェクト(作品) 」を設置す る展覧会ではなく、時間や空間を生成するものとして捉え、空間の内と外の境界を外し、床につけられた傷痕、削 られ、足され、また元に戻されるであろう備品など過去と未来をも取り込み、作品化したものを提示するため、必 然的に会場はほぼ空に近い状態になります。同時に、3 人がそれぞれのベクトルに向かうことによって、中心が空 洞化するという意味においても空になると言えます。 タイトルである「糸を分ける」は「紛れる」の「紛」という漢字を偏と旁に分け、文にしたものです。これは、オ ブジェクトとして周りから分断された作品ではなく、周囲を巻き込み、その関係性から捉えられた̶つまり、空間 や時間に紛れ込んだ̶ひとつの要素としての作品が配置されることを暗示しています。 バブル崩壊後、物質社会に対する懐疑は緩慢に広がって行きましたが、3.11 は一瞬にして物質的な豊かさが如何 に脆いかを見せつけ、私たちの生活そのものを考え直すきっかけとなりました。 建築家・隈研吾は著書《反オブジェクト》の中で、通常建築とはひとつのオブジェクト(周囲の環境から自立した、 ひとつの独立した物体)であると考えられているとした上で、ブルーノ・タウトの建築がオブジェクトから離れ、 関係性によって空間を把握しようとしたものだと述べています。「そしてわれわれは今、彼と同じ設問に向き合っ ている。オブジェクトが支配する世界の限界と衰弱に、われわれは向かいあっている。個人とは自立した孤独なオ ブジェクトなどではない。個人とは、境界が曖昧な不確かな拡がりである。オブジェクトへと切り分けた途端に、 物質はその魅力の大半を喪失する。(略)主体も物質も、ともにオブジェクトに切り分けられる事を強く拒絶して いるのである。すべては接続され、からみあっているのである。」* 意識を物質化すること、視覚化することが美術家の仕事であり、それに価値付けしたものが芸術作品の在り方だと したら、美術家は私たちの生きる世界で起こる物質と意識の分断と縮みゆく物質の価値をどう捉えるのでしょうか。 オブジェクトから離れ/周囲にとけ込み/痕跡は消され/関係性を見つめ/遠くからそっと語りかける彼らの仕事 に、今私たちを取り巻いている世界の延長として触れてみると、そこには何もないのではなく、限りない豊かさが 広がっている事に気付かされます。 本展では空間から派生させたサイトスペシフィックな作品の展示と小作品の販売いたします。ぜひご高覧ください。 *隈研吾「反オブジェクト 建築を溶かし、砕く」2009 年 筑摩書房 p.67 PRESS RELEASE 久村 卓 Taku Hisamura 略歴 東京都生まれ 2001 年 多摩美術大学美術学部彫刻学科 卒業 【個展】※抜粋 2012 「あってないようなもの」3331 ギャラリー / 東京 2009 「川路」秋山画廊 / 東京 「厨子も建築」ギャラリー厨子屋 / 東京 【グループ展】※抜粋 2013 「Energy for us」ヒルサイド・フォーラム / 東京 Yadokari TOKYO 09「秘密の部屋」ヘルシーライフビル / 東京 「Direct Access Method」神奈川県立相模湖交流センター / 神奈川 2. 「MAP」トーキョーワンダーサイトベルリン / Berlin, ドイツ 2012 「行きつ戻りつ つくり つくられること」NADiFF Gallery / 東京 2011 「Hierher Dorthin」ゲーテインスティテュート東京 / 東京 「Mix in the City」渋谷駅地下コンコース / 東京 久村卓「 あってないようなもの」2012 3331 アーツ千代田にあった仮設壁と台座 サイズ 可変 「The Lounge」ブルガリ銀座タワー 8 階プライベートラウンジ / 東京 2010 「更新に憑くー可塑的な無人島」アキバタマビ 21 / 東京 2009 「都筑アートプロジェクト 2009」横浜市歴史博物館等 / 神奈川 山極 満博 Mitsuhiro Yamagiwa 略歴 長野県生まれ 1992 東京造形大学デザイン学科 I 類 映像コース 卒業 【個展】※抜粋 2012 「日常の寓話性 Fable of Everyday」gallery COEXIST-TOKYO / 東京 2011 「Lamp black and blank」wein&co / Uster, スイス 「EINE LANDSCHAFT ENTWERFEN」ZELLWEGERPARK / Uster, スイス 「parallel and equilibrium」ギャラリー現 / 東京 2010 「PALE BLUE」BASE GALLERY / 東京 「reflect / sound / listen」ギャラリー現 / 東京 【グループ展】※抜粋 2012 山極満博「spider's life」2009 釣り糸 サイズ 可変 2011 「行きつ戻りつ つくり つくられること」NADiFF Gallery / 東京 箱と人による展示「机上の地平・梱包箱・X+Y」静岡県立美術館 県民ギャラリー B・Gallery PSYS / 静岡 2010 「知覚の扉 II」喜楽亭「知覚の扉」豊田市美術館 / 愛知 2009 「Transmutation」第五回造形現代芸術家展 東京造形大学横山記念マンズー美術館 / 東京 2008 Art Program Ome 2008「U-39 空気遠近法」/ 東京 【パブリック・コレクション&コミッションワーク】 十和田市現代美術館 / 青森 アーツ前橋 / 群馬 渡辺望 Nozomi Watanabe 略歴 神奈川県生まれ 2009 多摩美術大学大学院 美術研究科 博士前期課程 絵画専攻 油画研究領域 修了 【個展】※抜粋 2012 「Ground Channel」岡本記念コードカラー美術館 / 千葉 2010 「trill」Nroom artspace / 東京 2009 「Breath of light」ANOTHER FUNCTION / 東京 「虹の在り処」FUTABA gallery / 東京 【グループ展】※抜粋 2013 「Unknown History」アユミギャラリー / 東京 Yadokari TOKYO 09「秘密の部屋」ヘルシーライフビル / 東京 「あなたという私」gallery COEXIST-TOKYO / 東京 2012 Yadokari TOKYO 05「かすみ荘」グローリアビル / 東京 2011 所沢ビエンナーレ「引込線」旧所沢市立第 2 学校給食センター Yadokari TOKYO 04「アオヤマ クライム」ファミリー青山 / 東京 4. / 埼玉 2010 「ワンダーシード 2010」トーキョーワンダーサイト渋谷 / 東京 渡辺望「voice of the stars」2012 インスタレーション(20 音シート式オルガニート、シート、ライトボックス) gallery COEXIST-TOKYO 〒135-0042 東京都江東区木場 3-18-17 2F ■お問い合わせ■ TEL 03-5809-9949 MAIL [email protected] URL http://www.coexist-tokyo.com 担当:島津