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後期研修プログラム PDF(4097KB
広島市立安佐市民病院
後期臨床研修プログラム
広島市立安佐市民病院
研修管理委員会
後期臨床研修について
本院は広島市のみでなく、広島県北部や島根県の総合病院および診療所、救急隊と密接な診
療提携を行う地域の中核病院です。患者層は様々で、一次から三次救急まで多数の救急患者さ
んが来院されます(平成 22 年実績:1日当り約 32.1 名)。
また広島大学からも重点拠点病院と位置づけられており、多くの優秀な指導医が診療にあたっ
ています。各科の指導医は積極的に専門領域の高度先進医療を行いながら常に研修医への教
育的配慮を心掛けるように努めております。各科の垣根は低くいつでも気軽に診療に関して相談
できる体制をとっています。
平成 16 年度から新医師臨床研修制度が開始され、当院でも初期臨床研修医の指導・教育を
行って参りました。初期臨床研修の目標は、医師として果たすべき社会的責任を自覚し、日常診
療で遭遇する疾病に対して適切に対応できる、基本的な診療能力を身につけることです。しかし 2
年間という限られた期間だけでは十分な経験を得たとは言い難いはずです。
3 年目以後はさらにステップアップすべく、専門的能力も身につけなくてはなりません。プライマ
リケアはしっかりとした自らの専門領域を作り上げ、生涯を通じて研鑽を積んでこそ身につく能力
です。そのためには、以下のことを自覚したうえで、後期研修を行う必要があります
1. 初期臨床研修で学んだ幅広い診療知識と技術をもとに、自らの能力を発揮できる専門領域
を選択し、指導医のもと知識、技術を学びながら生涯の医師像を形成する。
2. これまでに初期臨床研修で学んだ幅広い診療知識と技術を継続すべく、積極的にプライマリ
ーケアや救命救急の現場に身を置く。
3. 後輩である初期臨床研修医の指導・教育を積極的に行う。
まだ自分の専門領域を決めかねている医師も後期研修の 3 年間で自らの進みたい領域を選択
できるよう、可変的なプログラムを設けています。後期研修の 3 年間は、医師生涯にとって最も重
要な時期です。熱意をもってスペシャリストとしての研鑽を積んでいただきたいと思います。
目
次
複数診療科ローテーションコース
救急・集中治療部 後期研修プログラム ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1
総合内科・救急部
プライマリケア医 養成プログラム・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6
さとがえり研修プログラム・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 10
女性医師 復帰プログラム・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 14
循環器内科・心臓血管外科
心臓血管疾患専門医 養成プログラム ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 18
心臓血管外科・外科・麻酔科
外科専門医修得プログラム(心臓血管外科重点コース)・・・・・・・・ 23
単一診療科ローテーションコース(プログラム内容は各診療科で可変性あり)
麻酔・集中治療科 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 27
外科 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 30
消化器内科・内視鏡科・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 37
循環器内科 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 39
呼吸器内科 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 43
神経内科 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 45
血液内科 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 47
代謝・内分泌内科 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 49
産婦人科 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 51
小児科 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 53
心臓血管外科 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 55
整形外科 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 58
脳神経外科・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 61
泌尿器科 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
64
皮膚科 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
70
耳鼻咽喉科(頭頸部外科)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
71
精神科 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
73
眼科 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
77
放射線科 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
79
複数診療科ローテーションコース
救急・集中治療部
救急・集中治療部
後期研修プログラム
1.基本方針
日本救急医学会専門医資格取得を目標とし,救急科専門医としての知識・技術の習得を
目指します.
救急科専門医は、病気、けが、やけどや中毒などによる急病の方を診療科に関係なく診
療し、特に重症な場合に救命救急処置、集中治療を行うことを専門とします。病気やけが
の種類、治療の経過に応じて、適切な診療科と連携して診療に当たります。更に、救急医
療の知識と技能を生かし、救急医療制度、メディカルコントロール体制や災害医療に指導
的立場を発揮します。
また日本集中治療医学会認定の集中治療専門医の基礎的知識を習得します.
2.対象者
2年間の初期臨床研修を修了し,さらに救急医学・集中治療医学の知識と技能の習得を
目指すものを対象とします.
3.研修期間
1年目
① 集中治療室を含めた高次診療部での患者診療を中心に,当院に搬入される救急事案に
対して,専門医と協力して初期治療にあたる.
② 定期的に夜間外来において,walk-in 患者の診察および処置にあたる.
③ 週1回の頻度で抄読会を担当し,重要論文を summarize し,論文の意義について評価
する.
④ 学会発表:2回以上,論文投稿:1編以上
2,3年目
① 研修内容については,基本的に同様であるが,初期研修医の指導,希望に応じて他の
診療科をローテートすることが可能である.
② 総合内科担当医師の指導の元,総合診療外来を務める.
③ 学会発表および論文投稿は,症例報告に留まらず疾患の病態・診断・治療に関するも
1
のを目指す.
④ 希望に応じて数ヶ月単位で国内の他の医療機関での研修を積むことも可能である.
⑤ BLS,ACLS,JATEC,JPTEC などのコースを受講し,またそのインストラクターを目
指すことも可能である.
⑥ 地域の中核医療機関に勤めるものとして,災害医療やメディカルコントロールの仕組
みを知り,その仕組み作りや訓練に参画することも可能である.
4.指導体制
研修責任者 世良 昭彦(集中治療部主任部長)
昭和 60 年
広島大学卒業
広島大学医学部臨床教授
日本救急医学会救急専門医
日本集中治療医学会専門医
日本麻酔科学会指導医
研修指導協力者
総合内科・プライマリケア
加藤 雅也(内科主任部長兼循環器内科部長)
平成元年
広島大学卒業
広島大学医学部臨床教授
日本内科学会認定総合内科専門医
日本循環器学会専門医
日本心血管インターベンション治療学会認定医
日本高血圧学会高血圧指導医
日本心臓病学会特別正会員(FJCC)
日本プライマリケア連合学会会員
循環器内科
土手 慶五(循環器科主任部長)
昭和 58 年 広島大学卒業
広島大学医学部臨床教授
日本循環器学会専門医
日本内科学会認定内科医
日本心血管インターベンション治療学会専門医
日本心臓病学会特別正会員(FJCC)
広島プライマリケアセミナー常勤講師
2
循環器外科
片山
暁(心臓血管外科副部長)
H8 年卒
山梨医科大学
広島大学医学部臨床教授
日本外科学会認定医
脳神経内科
山下 拓史(神経内科部長)
平成元年
広島大学卒業
広島大学医学部臨床教授
日本神経学会専門医
日本脳卒中学会専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
日本内科学会認定内科医
脳神経外科
川本 行彦(脳神経外科部長)
平成元年
広島大学卒業
広島大学医学部臨床教授
日本脳神経外科学会専門医
日本脳卒中学会認定医
集中治療部
田原 直樹(集中治療部副部長)
平成4年
広島大学卒業
日本麻酔科学会指導医
5.当院の背景
当院は広島市北部の中核病院として設立されました.以来地域の患者様の診療に尽力し
てきましたが,救急・集中治療においては広島県北部や島根県南部からの患者様の診療依
頼にも応えています.
歩いて来院される患者様や救急隊からの直接収容依頼により来院される患者様,近隣の
医療機関からの紹介患者様や救急隊とのホットラインによる収容依頼により搬入される患
者様,など疾患も重症度・緊急度も多彩な症例を多数診療しています.
院内の診療科による協力体制も整っており,初療から専門医への連携もスムーズに行え
3
ることも当院の特徴です.
この様な環境での診療を積むことにより,多種多様な疾患の初療から,集中治療室での
重症患者管理までを学ぶことが可能です.
6.当院の救急診療の実績
年度
2005
2006
2007
2008
2009
2010
15,015
13,969
13,826
12,181
13,092
11,478
救急車搬入数
2,913
2,852
2,866
2,710
2,787
2,894
入院数
2,631
2,588
2,665
2,621
2,672
2,972
828
824
846
922
958
708
CPAOA
103
101
116
106
102
129
脳血管障害
134
96
92
137
154
117
心筋梗塞・心不全
187
252
293
328
332
200
急性大動脈解離
20
37
51
40
50
50
重傷呼吸不全
46
42
43
35
32
22
急性腹症
68
83
70
75
74
80
外傷
59
54
52
42
36
42
中毒
45
47
33
54
54
22
その他
166
112
96
105
124
46
救急患者総数
三次救急患者数
4
救急処置室
集中治療室(ICU)
5
総合内科・救急部
当院は広島市東区、安佐南区、安佐北区、安芸高田市、山県郡、佐伯郡、三次市、庄原
市、島根県の総合病院および診療所(開業医)、救急隊と密接な診療提携を行う地域の中核
病院です。患者層は様々であり、疾患も多種多様にわたります。県北の高齢者の多い当院
で重要な部分を支える内科診療部門は、消化管、肝胆膵、血液、呼吸器、循環器、代謝・
内分泌、神経と細分化されており、紹介状を持たず受診した患者にはその専門性が明確に
理解できません。さらに高齢者の中には一つの専門分野における診療では不十分なケース
に多々遭遇します。また、紹介状を持参して受診した患者の中にも適切な診察医がないケ
ースもあります。また、救急患者に対しては適切な初期診療を行い、専門的精査・加療が
必要な場合には速やかに専門科での対応を要請しなければなりません。
日中の初診患者さんに対して適切な初期診療を行っているのが総合内科です。
さらに平成 16 年度から新医師臨床研修制度が始まり、内科研修におけるプライマリケア
教育の一環として当科は初期臨床研修医の外来研修を行って参りました。平成 22 年度から
は初期臨床研修医の救急部門研修において、集中治療部とともに日中の救急患者の初期診
療の教育にも力を入れています。
総合内科・救急部(プライマリケア医 養成プログラム)
“プライマリケア医は専門医です!“
総合内科医、総合診察医、かかりつけ医、家庭医、プライマリケア医と様々な呼び名が
あって混沌としていますが、将来必ず“プライマリケア医”という専門医が脚光を浴びる
時代が来ます!
1.研修目標
プライマリケア医となるための内科の専門的な知識・技術を身につけること。
2.概要
①
研修責任者
加藤雅也(臨床研修プログラム責任者、内科主任部長兼循環器科部長)
平成元年
広島大学卒業
広島大学医学部臨床教授
日本内科学会認定総合内科専門医
日本循環器学会専門医
日本心血管インターベンション治療学会認定医
6
日本高血圧学会高血圧指導医
日本心臓病学会特別正会員(FJCC)
日本プライマリケア連合学会会員
指導医
上田裕之(内科副部長)
平成 9 年
広島大学卒業
日本内科学会認定内科医
日本消化器病学会専門医
日本消化器内視鏡学会専門医・指導医
②
医師数
指導医 2 名、後期研修医
1 名。内科・循環器内科・救急部
全医師が指
導協力者。
③
研修指導協力者
集中治療部(ACLS 講習、三次救急):世良昭彦(集中治療部主任部長)
神経内科(脳卒中治療)
:山下拓史(内科部長)
消化器内科(肝臓治療)
:辻
恵二(内科部長)
循環器内科(高血圧治療):佐々木正太(循環器内科部長)
消化器内科(内視鏡検査・治療)
:永田信二(内視鏡科部長)
呼吸器内科(喘息治療、気管支鏡検査): 菅原文博(内科医師)
④
病床数
⑤
外来患者数
⑥
検査数、手術件数等
ほか
現在入院病床は決まったものはなく、内科・循環器科の専門科として稼動
16.5 名/日(平成 22 年度
初診 2,023 名/年、再診 1,972 名/年)
随時内科疾患に必要な検査を行います。
2.研修内容
内科疾患全般にかかわる初診・救急患者の診療を中心に行い、各専門科の垣根を越え
て診療に当たります。入院診療は研修責任者の指導のもと、内科系診療科に所属するすべ
ての指導医が指導に当たりますが、希望があれば一定期間は内科系診療科の専門科に所属
し、専門的な知識を身につけることも可能です。3 年間の研修中の具体的研修プログラム
は、後期研修医の希望を取り入れた可変性のある内容とします。
研修中、研修後に自らの将来の道に該当する医局に入局することは可能です。また、研
修中に広島大学での研究に参加することも可能です。
これが最善というプログラムはありません。個々のニーズに合わせて一緒にプログラム
7
を作っていきましょう。
プライマリケアでは欠かすことのできない Common Disease の検査・治療は以下のとおり
で、3 年間で必ず修得します。
Common disease の検査
①
頸動脈エコー
②
腹部エコー検査
③
心エコー検査
④
上部内視鏡検査
⑤
ACLS 講習
Common disease の治療
①
高血圧の治療:処方の選び方
②
糖尿病の治療:インスリン導入方法
③
脂質異常症の治療:スタチンの使い方
④
睡眠時無呼吸の治療:CPAP 導入・管理
⑤
気管支喘息の治療
⑥
肺炎の治療
⑦
心房細動の治療:抗凝固療法、レート・リズムコントロール
⑧
胃潰瘍・十二指腸潰瘍の治療:ピロリ菌の除菌、薬の使用法
⑨
心不全の治療:急性期治療および慢性期の管理
⑩
脳卒中の治療:心原性塞栓の早期診断・治療、薬の使い分け
3.研修プログラム(あくまで一例です):基本的には日中は総合内科、夜間は救急部の一
員として診療にあたります。
1年目
4-6月
7-9月
10-12月
1-3月
循環器内科
呼吸器内科
代謝・内分泌内科(糖尿病)
(喘息、肺炎)
2~3年目
4-6月
7-9月
内視鏡科(胃・大腸)
10-12月
1-3月
救急部
神経内科
総合内科の外来診療もしくは救急診療を行いながら、内視鏡検査・治療あるいは心臓カ
テーテル検査・治療といった専門的検査・治療に入ることが可能です。
5.宿日直
月に1~2回のみです。
8
6.修得できる専門医制度
日本内科学会認定内科医および総合内科専門医
その他、各内科専門分野の資格を取得可能です。
現在、後期研修3年目の医師の場合(1 年目から総合内科の外来診察を行っています)。
1年目
4-6月
7-9月
10-12月
1-3月
循環器内科、代謝・内分泌内科(糖尿病)
2年目
4-6月
7-9月
10-12月
1-3月
ICU・救急部
神経内科
循環器内科
ICU・救急部
7-9月
10-12月
1-3月
3年目
4-6月
ICU・救急部
9
総合内科(さとがえり研修プログラム)
さとがえり研修を受けてよりスムーズな開業をめざしませんか!
★
開始時期、終了時期は自由です。
★
研修期間は 1 年以上とします。
★ 大学への入局は不要です。
1.研修目標
¾
安佐北区、安佐南区、安芸太田、北広島、安芸高田、島根県邑智郡、三次市へ里帰り
し、開業するまでの地域研修を完全サポートすること
¾
開業後のスムーズな病々連携、病診連携
2.研修対象者
¾
家業を継ぐひと
10
¾
新規にふるさとで地域医療をはじめるひと
3.研修のメリット
¾
地域の地理、交通を復習できる
¾
地域の専門医の状況を把握できる
¾
地域住民の受療行動パターンを理解することができる
4.研修内容
総合医としての研修を行います。
集中治療部および総合内科に所属し、週に 1 回以上の外来および月2~3回の当直に入
ります。
Common disease の検査
⑥
頸動脈エコー検査
⑦
腹部エコー検査
⑧
心エコー検査
⑨
上部内視鏡検査
⑩
ACLS 講習
Common disease の治療
⑪
高血圧の治療:処方の選び方
⑫
糖尿病の治療:インスリン導入方法
⑬
睡眠時無呼吸の治療:CPAP 導入・管理
⑭
気管支喘息の治療
⑮
血液サラサラ:抗血小板薬、抗凝固薬の使い方、心房細動の管理
⑯
ピロリ菌の除菌
⑰
慢性肝炎のインターフェロン治療
⑱
特定健診後の指導
11
小児科、産婦人科、整形外科といった領域での Common disease の対応も可能です。
5.指導体制:日本内科学会認定内科専門医教育病院
研修責任者
土手
慶五(循環器内科主任部長兼内科部長)
昭和 58 年
広島大学卒業
広島大学医学部臨床教授
日本循環器学会専門医
日本内科学会認定内科医
日本心血管インターベンション治療学会専門医
日本心臓病学会特別正会員(FJCC)
広島プライマリケアセミナー常勤講師
研修指導医
総合内科(プライマリケア)
:加藤雅也(内科主任部長兼循環器内科部長、臨床研修
プログラム責任者)
集中治療部(ICU・ACLS 講習):世良昭彦(集中治療部主任部長)
神経内科(脳卒中治療)
:山下拓史(内科部長)
消化器内科(肝臓治療)
:辻
恵二(内科部長)
循環器内科(高血圧治療):佐々木正太(循環器内科部長)
消化器内科(内視鏡検査・治療)
:永田信二(内視鏡科部長)
呼吸器内科(喘息治療、気管支鏡検査): 菅原文博(内科医師)
外来患者数 16.5 名/日(平成 22 年度
検査数、手術件数等
ほか
初診 2,023 名/年、再診 1,972 名/年)
随時内科疾患に必要な検査を行います。
6.研修プログラム:あくまで 1 例です。
1年目
12
4-6月
7-9月
10-12月
1-3月
総合内科
循環器内科
消化器内科
神経内科
7-9月
10-12月
1-3月
呼吸器内科
総合内科
2~3年目
4-6月
ICU・救急部
総合内科の外来診療もしくは救急診療を行いながら、上記の非侵襲的検査を修得できま
す。希望により内科系診療科の専門的検査・治療に入ることもできます。
5.修得できる専門医制度
日本内科学会認定内科医および総合内科専門医
その他、各内科専門分野の資格を取得可能です。
13
総合内科(女性医師 復帰プログラム)
1.はじめに
多くの優秀な女性医師は、出産・育児のためにやむを得ず仕事を一時中断し、その後再
就職することが多いのですが、休職期間が長くなるとなかなか復帰に踏み切れず、そのま
ま再就職されずに過ごされるケースも多いのが現状です。このような女性医師の復帰を容
易にするための活動がやっとみられるようにはなりましたが、現実にはまだまだ復帰する
には十分な体制ができているとはいえません。
当院では「女性医師復帰プログラム」を作成し、臨床現場に復帰したいがしばらくブラ
ンクがあり、いまひとつ自信がないという女性医師をしっかりバックアップしたいと思っ
ています。これからの日本の医療を支えるためには、ぜひとも多くの優秀な女性医師の皆
さんに臨床現場に復帰していただきたいと願っています。
当院は広島市および広島県北部、島根県の総合病院および診療所、救急隊と密接な診療
提携を行う地域の中核病院で、患者層は様々であり、疾患も多種多様にわたります。
各科の垣根は低く、院内の複数科が連携しながら平日日中の初診患者さんに対して適切
な初期診療を行っていますが、その中心的役割を担っているのがわれわれ総合内科です。
女性医師の皆さんが自信を持って日常診療に復帰するための十分な研修ができるものと
思っています。
2.概要
①
研修責任者
加藤雅也(臨床研修プログラム責任者、内科主任部長兼循環器科部長)
平成元年広島大学卒業
広島大学医学部臨床教授
日本内科学会認定総合内科専門医
日本循環器学会専門医
日本心血管インターベンション治療学会認定医
日本高血圧学会高血圧指導医
日本心臓病学会特別正会員(FJCC)
日本プライマリケア連合学会会員
指導医
上田裕之(内科医師)
平成 9 年広島大学卒業
日本内科学会認定内科医
日本消化器病学会専門医
日本消化器内視鏡学会専門医・指導医
14
②
医師数
指導医 2 名、後期研修医
1 名(女性です)
。内科・循環器内科
全医師が
指導協力者。
③
研修指導協力者
①
集中治療部(ACLS 講習、三次救急)
:世良昭彦(集中治療部主任部長)
②
神経内科(脳卒中治療)
:山下拓史(内科部長)
③
消化器内科(肝臓治療)
:辻
④
循環器内科(高血圧治療):佐々木正太(循環器内科部長)
⑤
消化器内科(内視鏡検査・治療):永田信二(内視鏡科部長)
⑥
呼吸器内科(喘息治療、気管支鏡検査):
④
病床数
⑤
外来患者数
⑥
検査数、手術件数等
恵二(内科部長)
菅原文博(内科医師)
ほか
現在入院病床は決まったものはなく、内科・循環器科の専門科として稼動
16.5 名/日(平成 22 年度
初診 2,023 名/年、再診 1,972 名/年)
随時内科疾患に必要な検査を行います。
3.研修目標
市中病院や診療所で、自信を持って Common disease を診療できる技を身につけること。
4.研修内容
Common disease の検査
⑪
頸動脈エコー検査
⑫
腹部エコー検査
⑬
心エコー検査
⑭
上部内視鏡検査
⑮
ACLS 講習
Common disease の治療
⑲
高血圧の治療:処方の選び方
⑳
糖尿病の治療:インスリン導入方法
21 睡眠時無呼吸の治療:CPAP 導入・管理
22 気管支喘息の治療
23 血液サラサラ:抗血小板薬、抗凝固薬の使い方、心房細動の管理
24 ピロリ菌の除菌
25 慢性肝炎のインターフェロン治療
26 特定健診後の指導
小児科、産婦人科、整形外科といった領域での Common disease の対応も可能です。
15
5.研修プログラム
1年目
4-6月
7-9月
10-12月
1-3月
総合内科
総合内科
総合内科
総合内科
7-9月
10-12月
1-3月
総合内科
総合内科
2~3年目
4-6月
ICU・救急部
総合内科の外来診療もしくは救急診療を行いながら、上記の非侵襲的検査を修得できま
す。希望により内科系診療科の専門的検査・治療に入ることもできます。
現在、後期研修 2 年目の女性医師の場合、週に 4 日勤務(木曜日は休日)です。
1年目
4-6月
7-9月
10-12月
総合内科
1-3月
ICU・救急部*
2年目
4-6月
7-9月
10-12月
1-3月
ICU・救急部*
*週に 2 回、総合内科の外来診察を行っています。
6.修得できる専門医制度
日本内科学会認定内科医および総合内科専門医
その他、各内科専門分野の資格を取得可能です。
7.その他
当然、勤務形態の個別対応を行っています。平日日勤帯のみの勤務(定時に帰宅、当直
なし)など、希望の条件をご提示ください。いきなり臨床現場に復帰するには自信がない
という方にも、ゆったりと診療のできる環境を考慮致します。
16
当院で働く女性医師 24名(全医師19%が女性です)
①
常勤医
7名(産婦人科部長、臨床検査部・病理部部長、眼科副部長、小児科副部長、
麻酔科副部長、麻酔科副部長、心臓血管外科医師)
②
嘱託医(レジデント、後期研修医)13名(内科、外科、産婦人科、耳鼻咽喉科、麻
酔科)
③
初期臨床研修医
4名
17
循環器内科・心臓血管外科
心血管疾患専門医 養成プログラム
1.研修目標
①
心筋梗塞、心不全、肺塞栓、大動脈疾患の診断から治療までの専門的手技の修得
② 臨床データをまとめ、自分で考える能力を身につけること
2.必須の研修内容
①
基本手技
A) 問診のとり方
B) 心電図、レントゲン写真の読み方
C) 負荷心電図の読み方
D) 24 時間心電図の読み方
E)
CT 検査の読み方(心臓、大血管の所見の読み方)
F)
MRI 検査の読み方
G) RI 検査の読み方
H) 人工呼吸器の管理
I)
経胸壁心エコー図の修得
J)
内頚静脈穿刺、大腿静脈穿刺による中心静脈確保
K) 動脈ラインの確保、動脈シースの挿入
②
1 年目から行う専門手技(循環器内科)
A) 頸動脈エコー検査の修得
B) 経食道心エコー検査の修得
C) 大動脈内バルーンパンピング(IABP)の挿入と管理
D) 経皮的人工心肺装置(PCPS)の挿入と管理
E)
一時的ペースメーカーカテーテルの挿入と管理
F)
スワン・ガンツカテーテルの挿入と管理
G) 冠動脈造影・左室造影検査
H) ペースメーカー植え込み術および周術期管理
③
1 年目から行う専門手技(循環器外科)
A) 腹部末梢血管手術の第一助手
B) 心臓胸部大動脈手術の第二助手
C) 人工心肺装置着離脱の第一助手
18
④
2 年目以後に行う専門手技(循環器内科)
A) 末梢血管拡張術(PTA)
B) 両室ペースメーカー植え込み術(心臓再同期療法)およびその管理
C) 植え込み型除細動器植え込み術およびその管理
D) 冠動脈インターベンション治療:経橈骨動脈、経大腿動脈、経上腕動脈
E)
⑤
大動脈ステントグラフト内挿術の第一助手
2 年目以後に行う専門手技(循環器外科)
A) 腹部末梢血管手術の術者
B) 心臓胸部大動脈手術の第一助手
C) 人工心肺装置着離脱の術者
D) 大動脈ステントグラフト内挿術の第一助手
⑥
データ収集、プレゼンテーション・統計について修得する
A) エクセル、ファイルメーカーによるデータ管理
B) 動画編集
C) 統計のやり方・考え方
D) パワーポイントによるプレゼンテーションの作成
⑦
学会、ライブ、シンポジウム、研究会への参加
A) 日本循環器学会、日本心臓病学会、日本心血管インターベンション学会、日
本胸部外科学会、日本心血管外科学会の地方会はもちろん、総会での発表
B) ライブデモンストレーションへの参加
C) 全国研究会、地方研究会、シンポジウムへの参加・発表
⑧
論文執筆:日本語論文のみならず英文論文の執筆および投稿の基本を学ぶ
A) 症例報告
B) 臨床研究
3.指導体制:
指定・認定:日本内科学会認定内科専門医教育病院、日本外科学会認定医制度修練施設、
日本循環器学会認定循環器専門医指定研修施設、心臓血管外科専門医認定機構基幹施設、
日本胸部外科学会認定医関連施設、日本心血管インターベンション学会研修施設
研修責任者
循環器内科
土手
慶五(循環器科主任部長)
昭和 58 年
広島大学卒業
広島大学臨床教授
日本循環器学会専門医
19
日本内科学会認定内科医
日本心血管インターベンション治療学会専門医
日本心臓病学会特別正会員(FJCC)
広島プライマリケアセミナー常勤講師
循環器外科
片山
暁(心臓血管外科副部長)
平成 8 年
山梨医科大学卒業
広島大学臨床教授
日本外科学会専門医
医師数
循環器科
常勤医 5 名、非常勤医 3 名
心臓血管外科
病床数
常勤医 3 名、非常勤医 2 名
52 床
入院患者数
平成 22 年度
検査数、手術件数等
循環器内科 1,189 名/年、心臓血管外科 406 名/年
循環器内科および心臓血管外科の実績をご参照ください。
4.研修プログラム(あくまで一例です)
1年目
4-6月
7-9月
10-12月
循環器内科
1-3月
心臓血管外科
2~3年目
4-6月
7-9月
循環器内科
10-12月
1-3月
救急部
循環器内科
心臓血管外科
心臓血管外科
2 年目以後の循環器科、心臓血管外科のローテーションは将来の希望により組み替える
ことができます。2 年目以後に救急部の研修も行います。
5.宿日直
月に1~2回(2 年目以後は救急部の宿日直)
6.修得できる専門医制度
日本内科学会認定内科医もしくは日本外科学会認定外科専門医。
以後の循環器専門医(日本循環器学会認定)、心臓血管外科専門医(心臓血管外科専門医
認定機構認定)を取得する修練期間と認められます。
20
7.大学医局への入局
もちろん大学医局への入局も可能です。入局して広島大学病院での部厚い人間指導を受
け、交流ができます。研修中に広島大学での研究を開始することも可能です。
8.後期研修修了後のコース
研修後は入局し学位取得・留学する先生、大学で不整脈グループのチーフとして活躍し
ている先生、松江、倉敷、豊橋、東京の大病院でインターベンション技術を磨く先生、広
島の地域医療に情熱を燃やす先生と様々です。がんセンターで一般外科医として活躍して
いる先生やフランスに心臓血管外科医として臨床留学している先生もいます。
9.現在の後期研修医・レジデント
循環器内科は 3 名:出身大学は広島大学2名、獨協医科大学 1 名です。
循環器外科(心臓血管外科)は2名:出身大学は広島大学 1 名、鳥取大学 1 名です。
カテーテル検査、治療
後期研修医みずからが積極的に手技を行います。
21
早朝カンファレンス(夕方のカンファレンスは一切しておりません!!)
循環器内科は平日朝 7 時半から毎日カンファレンス(心エコーカンファ、心カテカンフ
ァ、抄読会)を行っています。
22
心臓血管外科・外科・麻酔科
外科専門医取得プログラム(心臓血管外科重点コース)
心臓血管外科・後期研修・マニフェスト5箇条
1.
広島・全国で活躍できる心臓血管外科医を育てます。
2.
国外・国内留学への道を作ります。
3.
3年間で心臓手術の執刀をさせます。
4.
3年間で論文・学会発表を10以上できます。
5.
休暇・夏休みもしっかりとってメリハリのある仕事ができます。
開心術中のスタッフ
後期研修3年目
(1) 目的
卒後臨床研修の修了後、専門分野の高度の知識と技術の修得を図り、心臓血管外科の
診療に関する優れた専門医を育成する事を目的とする。卒後研修2年終了後の医師が、
心臓血管外科専門医を目指す医師を対象としている。修練期間は原則として3年間で、
終了後は心臓血管外科チームのリーダーとしての診療ができる基礎を作り、併せて外科
専門医試験の受験資格を取得することを目的としている。具体的には研修後、倉敷中
央・榊原病院など国内留学やフランス国外留学を優遇斡旋し、広島・日本で心臓血管外
科執刀医として巣立つことを目的とする。
23
(2)研修期間:3 年間(2012年4月から2015年3月)の代表例
2012.4~
2013.8
2013.7
心臓血管外科
2013.9~
2013.12~
2014.7~
2014.10~
2013.11
2014.6
2014.9
2015.3
心臓血管外科
外科
心臓血管外科
7 ヶ月
3ヶ月
6 ヶ月
広島市民病院
前半:麻酔科
心臓血管外科
後半:ICU
1ヶ月
3ヶ月
16ヶ月
(3)修練内容
A.初期修練(1 年目)
外科手技
血管の処理を中心に基本手技を訓練。
具体的には腹部末梢血管の第一助手と心臓胸部大動脈の第二助手
人工心肺装置の着離脱の第一助手
知識
周術期の病態把握をしっかり行い、呼吸循環器管理を訓練。
具体的には術前カンファレンスとICU・病棟管理
学会発表:3回以上
論文投稿:1編以上
B.後期修練(2・3年目)(この間に、一般外科修練:C)
外科手技
血管手術を中心に訓練。
具体的には腹部末梢血管の術者と心臓胸部大動脈の第一助手
人工心肺装置の着離脱の術者
知識
心臓血管外科の専門知識の取得
具体的には外来診療(初診・再診患者の診療)
手術症例の第一主治医と後輩研修医の指導
学会報告:5回以上
論文投稿:2編以上
C.外科専門医のための修練
卒後5年間で外科専門医を取得すべく一般外科修練
具体的には約3~6ヶ月間、消化器外科・呼吸器外科にて修練
これにより外科専門医の必修疾患を経験
24
(4)指導体制
心臓血管外科専門医認定修練基幹施設
研修責任者
片山
暁(心臓血管外科副部長)
平成 8 年
山梨医科大学卒業
広島大学臨床教授
日本外科学会専門医
(フランスボルドー大学、倉敷中央病院研修後)
指導医
小澤
優道(心臓血管医師)
平成 9 年
広島大学卒業
日本心臓血管外科専門医
(岡山榊原病院、フランスボルドー大学研修後)
指導医
須藤
三和(心臓血管外科医師)
平成 14 年
広島大学卒業
日本外科学会専門医
(5)学会発表(2010年度)実績:
全国学会:16題(うち海外発表
3題)
投稿論文:6編(うち英文3編)
(6)取得できる専門医:外科専門医、心臓血管外科専門医
(7)年間別手術症例数
500
400
300
200
100
0
内シャント手術
下肢静脈瘤
閉塞性動脈硬化症
腹部大動脈瘤
胸部大動脈瘤
弁膜症
冠動脈バイパス術
25
(8)この数年の後期研修後の進路動向
①
呉共済病院(一般外科)→
→
②
聖路加病院(一般外科)チーフレジデント
静岡がんセンタースタッフ
岡山榊原病院(心臓血管外科)→
フランスボルドー大学心臓血管外科(臨床留学
済み)→広島大学病院心臓血管外科スタッフ
③
アメリカ基礎研修留学
→東広島医療センター心臓血管外科スタッフ
④
広島記念病院
外科スタッフ
⑤
神戸海星病院
外科スタッフ
手術修練中(後期研修3年目)
26
麻酔・集中治療科
【はじめに】
最近、医師の地域的偏在、診療科的偏在が大きな問題となっている。対人口あたりの医
師数を米国と比較すると麻酔科医は 0.4 で麻酔科医が少ないのが現状である。現在、わが
国で公的に標榜資格が定められているのは麻酔科だけで、当院の臨床後期研修でも 2 年間
の研修で麻酔科標榜資格を獲得することを第一の目標としている。また、当科は手術室の
麻酔のみならず集中治療室の患者管理を中心に重症患者の治療に当たっており、この知識
と技術を駆使して最重症の救急患者の診療にも当たっている。現在、麻酔科の基礎トレー
ニングを受けた医師が活躍する場は、手術麻酔、ペインクリニック、救急医療、集中医療、
緩和医療と多岐にわたっているが、将来的にこのような修練を積んだ医師の需要はますま
す高くなると予想される。このように病院の機能の基礎となる麻酔・集中治療科を志望す
る仲間が増えることを熱望する。
【概要】
研修責任者
麻酔部門
木下博之(副院長)、田中
救急・集中治療部門
医師数
病床数
裕之(麻酔科主任部長)
世良昭彦(集中治療部主任部長)
麻酔部門
常勤6名
非常勤(嘱託)6名
集中治療部門
常勤3名
非常勤(嘱託)2名
手術室
8室
集中治療室(ICU)
8床
状況に応じて 11 床あるハイケアユニットの一部を使用
カンファランス
月~金
午前 8 時より
当直医による救急患者・ICU 患者、緊急手術等の報告
手術予定患者の術前カンファランス
抄読会
木曜日
午前 8 時 30 分
【診療実績】
麻酔部門:当院の手術の特徴としては、脊椎手術が多く、年間 800 例以上の症例があり、
全国で第5位の症例数である。特に頸椎疾患では気道確保が困難な症例もあり、気道管理
のトレーニングに最適である。呼吸器外科は胸腔鏡補助下の手術が多く、広島県下で第2
位の症例数である。心臓・大血管手術では体外循環を用いた手術は 100 例以上あり、末梢
血管外科を含めると年間 250 例の症例数がある。小児外科や移植外科がないことを除いて
は、大学病院と比較しても遜色ない症例数である。心臓・大血管手術、食道癌手術、肝切
除術などの大手術後の患者は術後に ICU に入室し、当科で管理している。
27
2007 年
2008 年
2009 年
2010 年
年間手術症例数
4625
4708
4632
4757
麻酔科担当症例数
3206
3371
3322
3507
術後患者の ICU 収容
166
210
199
237
救急部門:当院は救命救急センターの認可を受けていないが、病院全体をあげて救急医
療に取り組んでいる。当院は広島市の北端に位置するため、広島県北部や隣接する島根県
から多くの救急患者を収容している。広島圏域メディカルコントロール協議会編「メディ
カルコントロール事後検証報告書」によると当院に搬送された病院外心停止、重度外傷と
も広島県で第2位から第3位を占めており、地域の中核病院としての役割を果たしている。
平成 22 年 4 月より ICU が4床から8床に拡張され、症例数の増加が予想される。
年間件数
2007 年
2008 年
2009 年
2010 年
ホットライン
291
264
320
443
CPA
108
110
111
136
【研修内容】
麻酔部門:麻酔専門医または麻酔指導医の資格を有する医師がスーパーバイザー(SV)
として曜日ごとにの麻酔の統括責任者となっている。外来で術前診察と患者への説明を行
い、カンファランスでは SV の司会のもとに、麻酔担当者が症例提示を行い、麻酔法や術
後管理について検討を行っている。集中治療部門も担当しているため、心臓・大血管手術、
食道癌手術、肝切除術などの重症患者の術後管理も一貫して行うことができ、術後管理に
も積極的に関わっている。手術症例数の増加によりペインクリニック外来は閉鎖中である
が、院内の疼痛を有する患者の治療には積極的にあたっている。術後疼痛管理は機械式
PCA ポンプ 16 台を有し、積極的に患者自己調節鎮痛(PCA)や硬膜外鎮痛を行っている。
症例数の推移
PCA
硬膜外鎮痛
2007 年
2008 年
2009 年
2010 年
361
454
533
542
1038
1060
1078
1069
緩和医療に関しては、がん診療拠点病院として緩和ケアチームの一員として疼痛管理を
中心に積極的に関わっている。日本心臓血管麻酔学会の JB-POT(周術期経食道心エコー)
認定試験合格者が 2 名を中心に、心臓・大血管手術の経食道心エコーによる術中評価を行
っている。日本心臓血管麻酔学会の認定施設の取得を目指して、研修プログラムを策定中
である。
28
救急部門:1 ヶ月単位で救急・集中治療のローテーションに入る。ICU での重症患者の
管理とホットライン経由で搬送される重症患者の管理を他の診療科と協力しながら行って
いる。
【宿日直】
ホットライン経由で搬送される重症患者の管理、集中治療室の患者管理、緊急手術の麻
酔管理のために当直医師2名と緊急呼び出し用の自宅待機の体制をとっている。原則とし
て当直医師、自宅待機医師以外が夜間・休日に呼び出されることはなく、業務のオン・オ
フがはっきりしていることが特徴である。
【専門医制度】
日本麻酔科学会認定施設であり、麻酔専従期間が2年になった時点で、麻酔科標榜医、
麻酔科認定医の申請資格が得られる。その後も引き続き研修を継続すれば、麻酔科専門医
の申請資格も得られる。その他、日本救急学会認定病院、日本集中治療学会認定病院、日
本ペインクリニック学会認定施設であり、その専門医を目指す志望者も受け入れが可能で
ある。
29
外科
外科後期研修について
(熱い心を持っている君へ!外科とういう匠の世界に足を突っ込んでみないか!)
3年間の研修到達目標:
1)外科専門医受験資格を得る
当科で研修を行えば通常 2 年足らずで外科学会専門医の受験に必要な最低手術経験数
350はクリアー出来ます(急患手術を入れると年間210~240症例を経験します)。
また、心臓・大血管と末梢血管手術に関しては当院の心臓血管外科と連携し1~2ヶ月間
心臓血管外科で研修を行うことが出来ます。
2)研修してみたいところに短期留学する(希望者)
3)国際学会で発表する(希望者)
1.はじめに
外科後期研修のプログラムをチェックしている諸君へ!症例数がいくらで、こんな研修
プログラムを準備していますという記載に飽きていませんか?どこも多少の条件の差があ
りそうだが同じようなことを書いていると感じていませんか?当科での臨床研修は従来型
の研修とは大きく異なります。
当科の活動は HP の統計のところを参照して頂ければおおむね見当がつくと思いますが、
スタッフは各々の専門領域で、この地方でのリーダー的活躍をしています。また、研修に
関して“かなり忙しい?”くらいの症例数があります。症例が少ないが理論武装したスタ
ッフの下や、野戦病院的で症例数はあるが、きちんとした教育の出来るスタッフのいない
30
ところでの研修がベストだと考えますか?君の目指す“理想とする外科医師”になるため
の第一歩を当科からスタートさせてみませんか!
2.概要
① 研修責任者:平林直樹(外科主任部長)
② 医師数:常勤
③ 病床数
9名、
60 床
④ 外来患者数
嘱託医師
4名
計13名
入院患者数 1,491 名/年、平均在院日数 14.0 日
18,496 名/年(76.4 名/日)
3.他の研修施設と異なる具体的な研修内容について
1)症例について:後期研修1~3年間を通じて年次毎に特別な症例の配分はしません。
日常診療であればどのような症例が来るか予測できません。したがって、多くの研修
病院で行っている従来型の各疾患グループを数ヶ月間ローテイトする方式から疾患
を大きく4群(手術手技の難度によって、低難度、中難度および高難度の3群に分け、
さらに緩和ケアー、再発症例に分類)に分けて分類ごとに順番に患者の受け持ち医に
なる方式をとっています。但し完全に症例ごとにローテイトすると誰に指導を仰ぐの
か責任の所在がはっきりしないため高難度に関しては、基本的には3カ月ごとに各専
門医の間をローテイトします(この専門医がマンツーマンで指導にあたります)。1
31
年間で各疾患を60~70例程度経験することになります。また、受け持ち医となっ
た症例はすべて基本的に第一助手を務めます。予定手術以外に急患の診察は当番制で
上級医と一緒に診察します。手術適応と判断された場合(急患手術は年間200例弱
あります)、上級医と共に手術を行いますが、その際に術者をするか否かはそれまで
の手術手技の評価(以下参照)に基づいて判断されます。
2)
手術の技術評価:手術毎に以下のような評価を行っています。
(レジデントとしてどんな手術が何時出来るのか?)
他の研修病院と異なる点は技術評価に客観的要素を加味したことです。技術的に
進歩すれば(手術評価で高い点を取れば)難易度の高い手術の術者になることが
出来ます。ただし反対に進歩がなければ、いつまでも助手を続けることになりま
す。当科での今までの経験では後期研修の1年目の終りに3年目の後期研修医の
始まりの時期と同じ程度の技術評価を受けた研修医もいます。
32
表1
手術分類
低難易度
中難易度
高難易度
乳がん手術
胃切除(開腹)
食道切除、再建
甲状腺手術
結腸切除(開腹)
胸腔鏡下肺切除
ヘルニア
肺切除(開胸)
胃全摘
虫垂炎
胆のう摘出術(ラパコレ)
腹腔鏡補助下胃、大腸切除
気胸手術
膵体尾部切除
直腸切除(低位前方切除)
脾臓摘出術
肝切除
粘膜下腫瘍切除(ラパロ下)
膵頭十二指腸切除
33
表2
3)
2009 年手術症例(1080 件)
疾患
手術件数
疾患
手術件数
食道
17
呼吸器
92
胃
119
乳腺、内分泌
139
大腸
160
急性腹症、イレウス、虫垂炎
119
肝、胆、膵
46
ヘルニア
110
胆石症
103
その他
153
土曜外科手術セミナー
(手術で聞けなかったことはここで解決しよう)
平成19年春から土曜日の朝に主任部長、副部長および後期研修医(レジデント)
が集まり後期研修医の手術ビデオを見ながら手術手技についての検討会を行って
います。手術では聞けなかったところ、手術のポイント、局所解剖、なぜその様
な操作を行ったのか等について検討しています。また、年に数回スーパーローテ
イターを交えた手術手技基本セミナー、腹腔鏡下基本操作セミナー、腸管吻合セ
ミナーなどを開催しています。
土曜セミナーの様子
34
Dry Lab(初期研修医を対象にした外科手術手技研修で外科手技の基本を初期研修医に伝
える)
Wet Lab(豚の臓器を用いて外科の手技(腹腔鏡手術や腸管吻合)を身につける:後期レジ
デント対象)
昨年の風景(2月と6月に開催)
腹腔鏡練習機の中に胆嚢付きの豚の肝臓を入れてラパコレの研修を行っているところ。
今年度も5月に Dry Lab の後に後期研修医を対象に wet lab を行った。
右の写真は初期研修医がラパコレを行っているところで、後期研修医がやさしく指導して
いる
35
4)
週間予定
安佐市民病院外科週間スケジュール表
月曜日
火曜日
水曜日
木曜日
金曜日
7:45~
7:45~
7:45~
7:45~
7:45~
術前カンファ
抄読会
術前カンファ
術前カンファ
呼吸器カンファ
朝カンファレンス
土曜日
前週手術報告
次週手術決定
9:00~
手術合併症チェ
死亡症例
手術手技
ック
検討会
検討会
サマリー,手術
記録チェック
9:00~
9:00~
外来予診係
外来予診係
9:00~
外来
外来予診係
午前 2 枠
午前 2 枠
午前 1 枠
午前 2 枠
午前 2 枠
午後 1 枠
午後 2 枠
午後 1 枠
午後 2 枠
午後 1 枠
13:30~
10:00~
10:00~
10:00~
10:00~
10:00~
部長回診
回診
回診
回診
ガーゼ交換
手術
回診
17:30~
回診
17:00~
17:00~
乳腺カンファ
病棟会
消化管カンフ
ァ
5) 本当に短期留学や国際学会発表が出来るの!
結論から言えば出来ます。但し本制度は平成22年度から始まった制度ですので今ま
でにこの制度を利用して短期留学をした後期研修医はいません。今このページを見て
いる君の番です!
最後に“どんなに良いプログラムであっても君の不断の努力なしに結果はついて来ないし、
外科領域ではすぐに結果を求めても駄目です。努力あるのみです!”
外科連絡先 (主任部長:平林直樹)
Mail address: [email protected]
実績は当院HPの統計ページをご覧ください。
36
消化器内科・内視鏡科
1.はじめに
初期臨床研修において医療の基本的知識と技術を修得した後、広島大学第一内科関
連病院の一環として、消化器内科専門医を目指すコースである。消化器疾患の専門的
知識を学び、患者中心のより高度なチーム医療を実践し、適切で正確な診断と治療を
修得する。
2.概要
(平成 22 年度)
①研修責任者
内視鏡科・内科部長
②医師数
指導医 6 名
③病床数
45 床
入院患者総数
1,790 名
平均在院日数
10.0 日
大越裕章
後期研修医
5名
1日平均入院患者数
48.5 名
1日平均外来患者数
89.7 名
④外来
外来患者総数
初診患者数
紹介率
21,697 名
2,318 名
68.3%
⑤内視鏡検査・治療件数
紹介患者数
1,690 名
逆紹介率
145.9%
8,771 件
うち内視鏡治療件数
上部消化管内視鏡検査 5,290 件
うち食道,胃 ESD・EMR
147 件
内視鏡的止血術
193 件
EIS・EVL
83 件
胃瘻造設術
59 件
消化管狭窄拡張術
消化管異物除去術
大腸内視鏡検査
ERCP
3,150 件
331 件
1,372 件
51 件
12 件
うち大腸 ESD・EMR
563 件
うち ENBD・EST など
264 件
⑥その他の検査・治療件数
上部消化管 X 線検査
39 件
ガストロ透視
128 件
小腸 X 線検査
10 件
注腸 X 線検査
94 件
腹部エコー
肝生検
3,355 件
173 件
37
PEIT
13 件
RFA
24 件
3.研修内容
①研修診療体制
病棟診療は、指導医(常勤医)の指導のもと担当医として診療を行う。外来診療
は、原則として研修2年目から単独で行う。消化器領域の超音波、X 線、内視鏡
検査・治療の介助ならびに手技を修得する。また ICU、病理または放射線科研修
を受けることができる。
②救急診療
消化器疾患の急患は、基本的にすべて受け入れ、指導医(常勤医)とともに診療
を行う。また原則として研修 1 年目は、週 1 回内科救急当番として内科または他
科の医師の指導のもと診療を行う。
③研修日程 (例)
月
火
水
朝
病
午前
午後
棟
回
木
金
腹部エコー
胃内視鏡
診
胃内視鏡
外来/
ESD・ERCP
大腸内視鏡
X線検査
大腸内視鏡
大腸内視鏡
大腸内視鏡
肝生検・PEIT 大腸内視鏡
大腸内視鏡
大腸内視鏡
ESD・ERCP
EIS・EVL
ESD・ERCP
PEG・ERCP
夕
ESD・ERCP
病棟回診・カンファレンス
④カンファレンス
内視鏡カンファレンス; 毎日 19:00~
消化管合同カンファレンス; 毎週月曜 17:30~
(内科・外科・放射線科・病理)
消化管疾患カンファレンス; 毎週木曜 19:00~
肝胆膵疾患カンファレンス; 毎週金曜 19:00~
病棟カンファレンス;
随時
⑤研究活動
消化器関連研究会、学会、講演会に積極的に参加する。また関連研究会、学会で
発表し、論文投稿を行う。
4.専門医制度
日本内科学会認定内科専門医教育病院
日本消化器病学会認定指導施設
日本消化器内視鏡学会認定専門医制度指導施設
日本大腸肛門病学会認定施設
38
循環器内科
1.はじめに
安佐市民病院循環器内科部門は、平成 3 年 12 月 1 日に新病棟開設、シネアンギオ装置導
入。平成 4 年 5 月 1 日には、CCU が開設。平成 11 年 4 月、循環器科として独立した。
現在は CCU4床、一般病棟約 30 床である。
年間の一般病棟入院患者は 1,100 名を超える。疾患の特性上、救急患者が多く年間 500
例以上が救急車にて当科へ搬送され、うち多くの症例は CCU へ入院となる。高齢化社会
や生活習慣の変化から今後も循環器疾患は増加すると考えられる。
2.概要
①研修責任者
土手慶五(循環器内科主任部長)
②医師数
常勤
5 名、非常勤
③病床数
30 床(CCU
年間入院患者総数
④外来患者数
4 床)
1,189 名
11,389 名/年
⑤検査数、手術件数等
3名
平均在院日数
9.3 日
47.1 名/日
詳細は当院ホームページの当科の実績をご参照ください。
3.研修内容
①
研修目的
卒後初期研修の終了後、専門分野における高度な知識と技術の修練を図り、循環器内科
の診療に関する優れた医師を育成すること。修練期間は原則 3 年間であり、卒後 3 年目以
降の初期研修を終了したものを対象とする。当院は循環器専門医制度研修施設であり、循
環器内科専門医の受験資格取得も可能である。また当プログラムはでカテーテルしかでき
ない(あるいはいしない)偏った循環器医の育成ではなく、循環器全般の広い知識をいか
した general な視点にたてるチームリーダーとしての基礎を確率することを目標とする。
②
研修期間
3 年間(プログラム内容により変更可能)
③
研修プログラム
【初期修練
循環器内科1年目】
39
a) 臨床医としての基本的考え方と初期訓練
病歴、問診、理学的所見のとりかた。患者さんとの接遇。
上級医につきインフォームドコンセントについて学ぶこと。
b) 循環器科の臨床における基本手技と診療
心エコー図検査の基本手技と診断。
心臓カテーテル検査の目的、手技および評価。
循環器科救急疾患(急性冠症候群、心不全、大動脈解離症、肺塞栓症)をスタッフおよ
び後期レジデントの指導下に診断し治療を研修。
【後期修練
循環器内科2-3年目】
筆頭術者としての心臓カテーテル検査の完遂。
心臓核医学検査、心臓 CT 検査の理解と読影。
電気性理学的検査の施行と理解。
ペースメーカー植え込み手術の補助および施行。
単純冠動脈病変にたいするカテーテル治療。
スタッフ医師とともに 3 次救急当直。
臨床研修テーマをもち、統計学的処理の習得。
全国学会あるいは AHA, ACC での発表。
①
2010 年度
学会発表
(ア) 発表演題
計 27 題
(イ) (日本心臓病学会シンポジウム 1 題、パネルディスカッション1題を含む)
日本循環器学会総会
日本心臓病学会
4 題(震災にて 2011 年 8 月に延期)
12 題
日本心血管インターベンション治療学会
日本救急医学会
2題
1題
他、座長あるいは地方会での発表。
②
非侵襲的循環器疾患検査(2010 年)
¾
心エコー図:経胸壁 2670 例、経食道 124 例
¾
頚動脈エコー 126 例
¾
トレッドミル運動負荷心電図 56 例
40
③
④
¾
24 時間心電図検査 76 例
¾
心臓 CT 検査 1,190 例
¾
心臓核医学検査 9 例
侵襲的検査および治療(2010 年)
¾
冠動脈造影検査 837 例
¾
血管内超音波(IVUS)207 例
¾
光干渉断層法(OCT)40 例
¾
冠動脈形成術 304 例(344 病変)
¾
ペースメーカー植え込み術 78 例(CRT、ICD を含む)
¾
腹部大動脈ステントグラフト内挿術 6 例
1 週間の予定表(2 年次)
月
朝
火
エコーカンフ
抄読会
ァレンス
午前
救急外来
心エコー
午後
心カテ
心カテ
水
木
金
エコーカンフ
造影カンファ
エコーカンフ
ァレンス
レンス
ァレンス
救急外来
外来
心エコー
心カテ
研究日
ペースメーカ
ー植え込み
朝のカンファレンス
1)心エコーカンファレンス:月・水・金曜日
2)抄読会:火曜日
3)造影カンファレンス:木曜日
心エコー図検査
定期検査は午前中に循環器科医師、あるいは臨床検査技師さんの協力を得ながら施行し
ている。心エコー検査の目的、実手技について学ぶことができる。研修期間中、受け持ち
患者の所見については理解しておくこと。
心臓カテーテル検査と治療
原則毎日午後からの予定。心血管造影検査、カテーテル治療に原則研修医は参加し、検
査と治療の目的、内容について理解を深める。
41
4.後期レジデンシー修了後、当科を巣立った医師の近況
詳細は当科のホームページに記載している。広島大学大学院を修了し留学した医師、助
教として大学に残っている医師、県外の有名病院で循環器医として活躍している医師、広
島市内の病院に勤務する医師、結婚し休職中の医師など様々である。
後期研修中に広島大学循環器内科への入局が可能で、希望があれば当院の総合内科、救
急部、心臓血管外科を数ヵ月単位でローテションすることも可能である。
また当院の診療圏である広島市北部、安佐地区、県北地域で地域医療に従事されたい方、
開業を目指す方の研修の場としての機能も。
広島大学との共同研究もあり、希望すれば週に 1 回の研究日を設けている。
5.最後に
循環器内科は、救急症例や急変例が多く、夜間休日の呼び出しが多い科でもあります。
逆に言えばクリティカルな症例を多く経験することで、高度な診断能力と治療 技術が学べ
ます。総合診断能力を身につけることができ、一般の救急外来の現場でも柔軟に対応でき
るのが当科の特色です。向上心とバイタリティのある方を募集しています。
また後期研修は、初期研修とは違いある程度の融通性があります。プライマリケアや地
域医療に興味がある方にも、循環器内科の専門性は十分に生かせるものと確信しています。
42
呼吸器内科
1.はじめに
卒業3年目から5年目の後期研修を当院の呼吸器グループで希望する研修医を対象
にする。即ち、2年間の初期研修で一通りの研修が終了し、将来は内科殊に呼吸器の
専門医を目指す研修医が対象となる。
2.概要
①研修責任者
②医師数
常勤
呼吸器内科主任部長・副院長
3名
非常勤
江川博彌
3名
③呼吸器内科としての病床数が確定していないが、常時約 40 名程度の入院がある。
平成22年度入院患者総数
763 名
平均在院日数
21.8 日
1日平均入院患者数 43.1 名
主要な疾患の年間入院数
肺癌
肺炎 120
240
気管支喘息
20
間質性肺炎・肺線維症 35 名
慢性閉塞性肺疾患 30
気胸 20
④外来は月曜から金曜まで各1人が呼吸器の診療にあたる。これとは別に午後からの
特殊外来として、主として在宅酸素療法を実施している慢性呼吸不全患者の為の外
来診療を週2回と禁煙外来を週1回それぞれ完全予約制で開いている。
平成 22 年度外来患者総数 7201 名
初診患者数
753 名
1日外来患者数
29.8 名
⑤検査
気管支鏡
週2回
年間 340 件
3.研修内容
①研修診療体制
原則的に呼吸器認定医の指導の元に診療にあたる。呼吸器外来については一定の条
件の下に単独での診療を行う。
②救急診療
呼吸器認定医、更には他科や内科他グループの医師の指導を受けながら診療にあた
る。即ち、研修医が最終責任を負うことはない。
43
③研修日程 (例)
月
朝
火
回診
午前
水
木
金
新患検討会
回診
合同カンファレンス
気管支鏡
午後
気管支鏡
病
棟
診
療
④カンファレンス
呼吸器認定医との合同回診 月、木
7:30 ~ 8:30
新患検討会
7:30 ~
水
外科、放射線科、病理との合同カンファレンス
8:30
金
7:45 ~
8:30
近隣の開業医と合同の検討会 火(月1回) 19:00 ~ 20:30
⑤研究活動
呼吸器関連研究会、学会、講演会に積極的に参加する。また関連研究会、学会で
発表し、論文投稿を行う。
4.専門医制度
日本内科学会認定内科専門医教育病院
日本呼吸器学会認定施設
44
神経内科
1. はじめに
当院神経内科は、2005 年(平成 17 年)10 月に開設された新しい診療科です。地域の基
幹病院として、全ての神経疾患に対して高度の医療を提供するとともに、それを担う優秀
な神経内科医を育成することを理念としています。神経内科が担当する疾患は脳卒中(全
国で 300 万人)、認知症(300 万人)、バーキンソン病(12 万人)、頭痛(2,600 万人)、て
んかん、筋萎縮性側索硬化症、重症筋無力症、筋シストロフィー、多発性硬化症、髄膜炎
など多岐に渡ります。患者数も多いため,神経内科医のニーズは非常に高く,やりがいの
ある分野です.また,神経内科は,きわめて論理的で,自分の頭と手を使って多くの疾患
を診断できるため,学問としての楽しさもあります.一方,未だに治療法のない神経難病
の患者様と向き合うため,人間性を磨くこともできる分野です.私たちは,このような神
経内科をいっしょに学ぶ人材を募集しています.興味のある方は気軽に御連絡下さい.
2. 概要
①研修責任者:山下拓史
職名:神経内科部長
専門:神経内科,内科
認定医等:日本神経学会専門医
日本脳卒中学会専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
日本内科学会認定内科医
広島大学医学部臨床教授
②医師数:常勤1名,非常勤 2 名
③病床数:約 20 床
④入院患者数:年々増加しており、2006 年 178 名、2007 年 279 名、2008 年 299 名、2009
年 313 名、2010 年 330 名です。内訳は、脳梗塞を中心に脳卒中が圧倒的に多く約 2/3 を占
めます。他には髄膜炎・脳炎などの神経感染症、ギラン・バレー症候群・多発性硬化症な
どの免疫性神経疾患、パーキンソン病などの神経変性疾患、認知症、てんかん・めまいな
どの発作性疾患、脊椎脊髄疾患、内科疾患に伴う神経障害などが含まれます。
⑤施設認定:日本神経学会認定准教育施設、日本脳卒中学会認定研修教育病院
45
3. 研修内容
①研修目標:一般内科の素養の上に、神経内科専門医としてどのような神経疾患にも対応
できるオールラウンドでかつ一流の臨床能力を身に付けることを目標にかかげています.
研修に際しては,楽しくなければ本当の勉強ではないとの考えのもと、全員で感動と興奮
を体験しながら神経学を学んでいきます.
②研修内容:初期研修医を指導しながら,主治医として直接患者様の診断・治療にあたり
ます.
経験すべき疾患:日本神経学会が定める研修プログラムに準拠します.
習得すべき手技:
・ 一般身体的診察法や神経内科的診察法
・ 超音波検査と診断(頚部超音波検査)
・ 電気生理学的検査と診断(末梢神経伝導検査、針筋電図、誘発電位検査等)
・ 画像検査(MRI,CT)
・ 髄液検査と診断
取得すべき資格:日本神経学会専門医,日本脳卒中学会専門医,日本内科学会認定総合内
科専門医、日本内科学会認定内科医
tPA 治療:麻痺などの後遺症が長く残ることが脳卒中の一番の問題であり、今でも脳卒中
は要介護認定原因の第 1 位で、寝たきり原因の約 30%を占めています。脳卒中の 6 割以上
を占めるのが脳梗塞ですが、従来にない画期的な急性期脳梗塞治療法として 2006 年に登場
したのが、tPA(組織性プラスミノーゲン活性化因子)で、国内の成績では発症後3時間以内
に tPA 治療を行うと、37%の方が3ヵ月後にほとんど後遺症なく社会復帰できています。
当科でも tPA 治療を導入しており、急性期脳梗塞治療に tPA を使用した患者数は、2006 年
1 例、2007 年 6 例、2008 年 12 例、2009 年は 7 例、2010 年は 3 例でした。
ボトックス治療:眼瞼痙攣、片側顔面痙攣、痙性斜頚(頚部ジストニア)といった不随意
運動症の患者さんにボトックス治療を行っています。ボトックス治療施行件数は 2008 年
42 例、2009 年 60 例、2010 年は 63 例でした。
4. 宿日直 月に約2回
5. 専門医制度
当院は,日本神経学会認定准教育施設、日本脳卒中学会認定研修教育病院になっています.
後期研修では神経内科専門医(日本神経学会専門医),日本脳卒中学会専門医の取得を目
標とします.
46
血液内科
はじめに
卒業3年目から4年目の後期研修を血液グループで希望する研修医を対象とする。
一般的臨床能力を養成するとともに、血液疾患の理解と診断、専門的な検査、治療の実際
を修得する。
1.概要
研修責任者:田中
英夫(血液内科主任部長)
常勤医1名+非常勤医1名が後期研修医の指導にあたる。
入院:
病床数の満床は32床だが、他科と協力して使用しており、血液内科疾患は
約20床から25床程度である。
外来:
月曜から金曜日まで上記医師が分担で血液専門外来の診療にあたっている。
年間入院数(主要疾患)
悪性リンパ腫
50例
多発性骨髄腫
15例
骨髄異形成症候群
20例
特発性血小板減少性紫斑病
白血病
15例
10例
2.研修内容
①病棟診療
白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫など造血器腫瘍をはじめ、骨髄異形成症候群、
特発性血小板減少性紫斑病、再生不良性貧血などの血液疾患について、診断、検査、
治療法を修得する。
検査:骨髄穿刺、生検の技術を習得する。
血液、骨髄標本の形態観察を習熟する。
確定診断に至る専門的検査(リンパ球マーカ-、染色体など)を理解習得する。
治療:輸血療法、化学療法の専門的知識を理解習得し、治療を実践する。
毎週月曜日カンファレンスにて症例検討を行う。
47
②外来診療
基本的には血液内科外来診療は割り当てていないが希望があれば可能。
③救急診療
内科救急患者の診療も適宜あり、各科指導医が指導している
④宿日直
月2回程度あり
* 内科他グループの検査(腹部及び心エコー、胃内視鏡、胃透視検査など)の研修も可。
3.専門医制度
日本内科学会認定内科専門医教育病院
日本血液学会認定血液研修施設
48
代謝内分泌内科
1.はじめに
当科では主に糖尿病を中心とした代謝疾患、バセドウ病などの内分泌疾患の診断・治療
を担当している。当科の後期研修では、内分泌代謝疾患の専門医となれるだけの知識と経
験を習得することを最終的な目標としている。
2.概要
① 研修責任者:杉廣
貴史(内科医師)
② 医師数:常勤1名、非常勤 1 名
③ 病床数:8 床(実働平均)
④ 年間外来患者数
4,717 名
3.研修内容
内分泌代謝内科医として携わる主な疾患
① 糖尿病
② 脂質異常症
③ 高尿酸血症
④ バセドウ病
⑤ 橋本病(慢性甲状腺炎)
⑥ 先端巨大症
⑦ 下垂体機能低下症
⑧ 尿崩症
⑨ SIADH
⑩ クッシング症候群
⑪ 原発性アルドステロン症
⑫ 褐色細胞腫
⑬ アジソン病
⑭ 上皮小体機能亢進症
⑮ 上皮小体機能低下症
⑯ 性腺機能低下症
内分泌代謝内科医としての習得目標(主要なもの)
① 糖尿病の診断
② 糖尿病の食事・運動療法
49
③ 糖尿病の内服治療
④ 糖尿病のインスリン治療
⑤ 糖尿病のチーム医療
⑥ 糖尿病合併症の診断、治療(他科との連繋等含む)
⑦ 脂質異常症の診断と治療
⑧ 高尿酸血症の診断と治療
⑨ 各種内分泌疾患の診断(内分泌検査の実際、結果判定の実際、画像診断)
⑩ 各種内分泌疾患の治療
具体的な業務等
① 病棟業務:入院患者を指導医とともに診療する
②カンファレンス:週 1 回
③腹部エコー、頚動脈エコー
④学会発表、論文投稿(日本内科学会、日本糖尿病学会、日本内分泌学会等)
付)後期研修者は内科医としての研修も十分とはいえないことが多く、当科では上記研修
と平行して、内科医一般の診療(特に診療態度、姿勢)も研修することを重視している。
4.宿日直
月2回程度
5.専門医制度
日本内科学会認定教育病院、日本糖尿病学会認定教育施設であり、日本内科学会認定医
となった後、日本糖尿病学会専門医となることを目指す。
50
産婦人科
はじめに
当院は広島市北部の中核病院として、広範囲な地域から患者様が受診されることから、
様々な産婦人科疾患を経験することが可能である。
周産期医学、婦人科腫瘍学を中心とした産婦人科医療の研修、実践を行い、また、医療
の進歩に応じた幅広い知識、技能を修得し、高い倫理性を備えた産婦人科医の基礎を研修
することができる。
1. 概要
①
研修責任者 寺本 秀樹(産婦人科主任部長)
②
医師数 常勤 4 名 非常勤 3 名
③
病床数:43床
④ 外来患者数 14,066 名/年 58.1 名/日
⑤ 分娩件数:737 件(うち帝王切開 166 件(22.5%))
⑥ 手術件数:566 件(うち腹腔鏡下手術 37 件)
2. 研修内容
産婦人科専門医(4名)指導の下、個人または指導医とともに主治医となって、病棟業
務、外来診療、分娩、帝王切開、婦人科手術などを積極的に行う。手術に関しては、専門
医指導のもと、主治医として可能な範囲で執刀していただくようにしている。悪性腫瘍に
関しては、助手を通じて手術手技を習得していただくように指導している。また、豊富な
症例を通して、積極的な学会活動も計画している。当科では日本産科婦人科学会、日本婦
人科腫瘍学会、日本臨床細胞学会、癌治療学会、日本糖尿病妊娠学会には必ず演題を登録
しているが、後期研修医には、全国レベルの学会で1題、中国四国地方レベルの学会で1
題発表していただき、その内容に応じて、学会誌を中心に論文としてまとめるよう指導し
ている。
<研修内容>
産科・婦人科診察法
産科・婦人科救急処置
正常妊娠管理
正常分娩管理(会陰切開縫合術含む)
分娩誘発法
51
胎児モニタリング
新生児の診察
異常妊娠、分娩の対応、管理
ハイリスク児の取扱い
産科手術(吸引分娩術、頸管裂傷縫合、外陰血腫除去、帝王切開術など)
婦人科手術(良性腫瘍、悪性腫瘍、腹腔鏡下手術)
周術期管理法(術後合併症を含む)
画像診断法(経腟・経腹超音波、CT、MRI など)
細胞診、コルポスコピー
悪性腫瘍化学療法、放射線療法
標準治療の理解と臨床試験への取り組み
学会発表(スライド、ポスター作成)と論文投稿
<週間スケジュール(カンファレンス)>
月曜日 AM8:00:病棟カンファレンス、手術(午前、午後)
火曜日 手術(午前、午後)
水曜日 手術(午前、午後)
木曜日 手術(午前)、夕方:手術カンファレンス
金曜日 夕方:病棟カンファレンス(腫瘍カンファレンス含む)
3. 宿日直
月に 5-7 回の産直業務を行う。ただし、産直時の分娩、急患の対応は指導医の責任の下
に行う。その他の日に関しては、夜間、休日の緊急手術時にはよほどのことがない限り第
一コールとなり、積極的に診療に参加し、研修を行うことを原則としている。
4. 専門医制度(取得可能な専門医)
日本産科婦人科学会専門医
日本婦人科腫瘍学会指導医
日本臨床細胞学会細胞診専門医
52
小児科
1. はじめに
小児科の後期研修医としての研修目標は、卒後 2 年間の初期臨床研修による医療の基本
的知識・技術の修得が行われた上で、小児科医として単独で実践できる応用的臨床能力を
修得し、小児科専門医の資格を修得する臨床経験を蓄積していくことである。
2. 概要
①研修責任者:和合正邦(小児科主任部長)
②医師数:常勤 3 名、非常勤 2 名
③病床数 20 床、2010 年度
計5名
外来患者数 10,604 人/年
43.8 人/日, 入院実数 571 人
検査 (2010 年度実績)
心臓超音波検査 767 件/年、脳波 441 件/年、肺機能検査 69 件/年
診療分野
感染症、神経、気管支喘息、腎尿路、循環器、内分泌、自己免疫疾患など、血液悪性
腫瘍や呼吸管理を要する病的新生児を除く殆どの小児領域
小児科カンファランス
抄読会・症例検討会:毎週(火曜日)
16:00~17:30
カルテ回診:毎日(土日祭日を除く)
8:10~8:30, 17:00~17:30
主要な疾患の年間入院数(2005~2010 年度実績)
川崎病
2005
2006
2007
2008
2009
2010
年
年
年
年
年
年
34
20
26
22
26
27
1
6
ITP
気管支喘息・
1
243
216
180
156
112
92
Henoch-Schonlein 紫斑病
4
5
3
3
5
3
尿路感染症
10
10
9
7
9
13
腎盂腎炎
9
5
4
3
5
8
無菌性髄膜炎
9
20
17
2
6
14
化膿性髄膜炎
2
2
1
2
3
喘息性気管支炎
53
3. 臨床研修の内容
研修診療体制
基本的には指導医とともに担当主治医制をとっているが、小児科医師スタッフ
全員による総合主治医制を併用している。外来診療は単独で診療にあたる。
救急診療
原則として単独で行う。必要に応じて上級医・専門医の援助を受ける。症例に応
じて多科の専門医の指導を受ける。
研究活動
院内カンファランス、院外研究会などに参加し、学会発表、論文発表などの臨床
研究活動を積極的に行う。
4. 専門医制度
日本小児科学会専門医認定施設であり、小児科各領域の研修が可能である。なお、
血液・腫瘍性疾患、NICU 研修については、広島大学医学部小児科関連施設にお
いて研修を行う
5. 小児科後期研修の詳細な内容についてのリンク先
広島市立安佐市民病院ホームページ上段の “リンク”から、
“国・自治体”→“広
島県”→“ふるさとドクターネット広島”のページに、当院小児科の後期研修内
容の詳細が記載されている。参考にされたい。
(http://www.qq.pref.hiroshima.jp/asp/doctor-net/dn34tpkilt_in1.asp)
54
心臓血管外科
心臓血管外科・後期研修・マニフェスト5箇条
6.
広島・全国で活躍できる心臓血管外科医を育てます。
7.
国外・国内留学への道を作ります。
8.
3年間で心臓手術の執刀をさせます。
9.
3年間で論文・学会発表を10以上できます。
10. 休暇・夏休みもしっかりとってメリハリのある仕事ができます。
手術中風景
後期研修3年目
(2) 目的
卒後臨床研修の修了後、専門分野の高度の知識と技術の修得を図り、心臓血管外科の
診療に関する優れた専門医を育成する事を目的とする。卒後研修2年終了後の医師が、
心臓血管外科専門医を目指す医師を対象としている。修練期間は原則として3年間で、
終了後は心臓血管外科チームのリーダーとしての診療ができる基礎を作り、併せて外科
専門医試験の受験資格を取得することを目的としている。具体的には研修後、倉敷中
央・榊原病院など国内留学やフランス国外留学を優遇斡旋し、広島・日本で心臓血管外
科執刀医として巣立つことを目的とする。
(2)研修期間:3 年間(2012年4月から2015年3月)の代表例
55
2012.4~
2013.8
2013.7
心臓血管外科
2013.9~
2013.12~
2014.7~
2014.10~
2013.11
2014.6
2014.9
2015.3
心臓血管外科
外科
心臓血管外科
7 ヶ月
3ヶ月
6 ヶ月
広島市民病院
前半:麻酔科
心臓血管外科
後半:ICU
1ヶ月
3ヶ月
16ヶ月
(3)修練内容
A.初期修練(1 年目)
外科手技
血管の処理を中心に基本手技を訓練。
具体的には腹部末梢血管の第一助手と心臓胸部大動脈の第二助手
人工心肺装置の着離脱の第一助手
知識
周術期の病態把握をしっかり行い、呼吸循環器管理を訓練。
具体的には術前カンファレンスとICU・病棟管理
学会発表:3回以上
論文投稿:1編以上
B.後期修練(2・3年目)(この間に、一般外科修練:C)
外科手技
血管手術を中心に訓練。
具体的には腹部末梢血管の術者と心臓胸部大動脈の第一助手
人工心肺装置の着離脱の術者
知識
心臓血管外科の専門知識の取得
具体的には外来診療(初診・再診患者の診療)
手術症例の第一主治医と後輩研修医の指導
学会報告:5回以上
論文投稿:2編以上
C.外科専門医のための修練
卒後5年間で外科専門医を取得すべく一般外科修練
具体的には約3~6ヶ月間、消化器外科・呼吸器外科にて修練
これにより外科専門医の必修疾患を経験
(4)指導体制
56
心臓血管外科専門医認定修練基幹施設
研修責任者
片山
暁(心臓血管外科副部長)
平成 8 年
山梨医科大学卒業
広島大学臨床教授
日本外科学会専門医
(フランスボルドー大学、倉敷中央病院研修後)
指導医
小澤
優道(心臓血管外科副部長)
平成 9 年
広島大学卒業
日本心臓血管外科専門医
(岡山榊原病院、フランスボルドー大学研修後)
指導医
須藤
三和(心臓血管外科医師)
平成 14 年
広島大学卒業
日本外科学会専門医
(5)学会発表(2010年度)実績:
全国学会:16題(うち海外発表3題)
投稿論文:6編(うち英文3編)
(6)取得できる専門医:外科専門医、心臓血管外科専門医
(7)年間別手術症例数
500
400
300
200
100
0
内シャント手術
下肢静脈瘤
閉塞性動脈硬化症
腹部大動脈瘤
胸部大動脈瘤
弁膜症
冠動脈バイパス術
57
(8)この数年の後期研修後の進路動向
①
呉共済病院(一般外科)→
→
⑥
聖路加病院(一般外科)チーフレジデント
静岡がんセンタースタッフ
岡山榊原病院(心臓血管外科)→
フランスボルドー大学心臓血管外科(臨床留学
済み)→広島大学病院心臓血管外科スタッフ
⑦
アメリカ基礎研修留学
→東広島医療センター心臓血管外科スタッフ
⑧
広島記念病院
外科スタッフ
⑨
神戸海星病院
外科スタッフ
手術修練中(後期研修3年目)
58
整形外科
1.はじめに
当院整形外科は、脊椎脊髄外科と膝関節外科を中心とした治療を行っています。脊椎脊
髄外科については手術用顕微鏡を用いた低侵襲手術を1980年代から開始し、現在では
年間800件を超える脊椎脊髄手術を、3台の手術用顕微鏡を用いて行っております。頚
椎症性脊髄症に対する椎弓形成術や腰部脊柱管狭窄症、腰椎変性すべり症に対する後方除
圧術などはもちろんのこと、脊髄腫瘍などのまれな疾患も多く手術しており、安全な脊髄
手術を行うのには不可欠な脊髄機能モニタリングも多く行っております。膝関節外科につ
いては、半月板障害に対する関節鏡視下手術に加え、前十字靱帯再建術などのスポーツ障
害に対する手術、あるいは高位脛骨骨切り術・人工膝関節置換術などの高齢者変性疾患に
対する手術的治療も数多く行っております。学会発表も盛んに行っており、昨年は日本整
形外科学会、日本脊椎脊髄病学会をはじめとして計23題の学会発表を行いました。当科
での研修の目標はこうした最先端の医療技術、知識の習得にあります。
2.概要
①研修責任者
住田忠幸(副院長)
②医師数
常勤6名
③病床数
60
④外来患者数
非常勤3名
床(実稼動病床数)
16,724 名/年
69.1 名/日
⑤検査数、手術件数等:2010年
うち脊椎脊髄外科
812件
手術総数1038件
膝関節外科144件
3.研修内容
手術は基本的に毎日あり、月、水、金曜日は主に脊椎脊髄外科の手術を、火、木、
金曜日に膝関節外科の手術を行います。骨折などの外傷手術は適宜行っております。
火、木曜日には脊髄腔造影や神経根ブロックなどの検査も行っています。
水曜日には症例カンファレンスを行い、火曜日には中堅以下のメンバーで勉強会を
行っています。
指導医としては卒後十年以上の医師が7名おり、そのうち日本脊椎脊髄病学会認定
指導医が4名おります。
後期研修医の先生方にはまず手術助手、病棟主治医、外来担当医などとして経験を
積んでいただき、手術執刀医になるための技術を身につけて頂きます。学会発表や論
文執筆も、どんどん指導します。
59
4.宿日直
月平均 2 回
5.専門医制度
日本整形外科学会認定研修施設
日本脊椎脊髄病学会認定クリニカルフェロー受け入れ施設
60
脳神経外科
1.はじめに
当院での研修は、広島大学脳神経外科後期臨床研修コースに含まれている。初期臨床研
修終了後、卒後 3 年次より、脳神経外科認定医受験資格となる 6 年終了まで、基本には日
本脳神経外科学会(http://jns.umin.ac.jp/index.html)が定めた臨床研修プログラムに
則ったものである。
脳神経外科の疾患は大きく急性期疾患と慢性期疾患に分けられる。急性期疾患には脳卒
中、頭部外傷などがあり、緊急の判断・処置が重要である。慢性期疾患は脳腫瘍、中枢神
経奇形に代表される。中枢神経系疾患では疾患から回復しても神経症状が後遺症という形
で生涯残る場合があり、このような場合患者様ご本人・ご家族の方への配慮は重要である。
従って、脳神経外科医師は医学的向上に加えて、豊かな人間性の形成が重要である。
当科における後期研修は救急現場での初期対応から、外来診察、当直業務、検査、手術、
術後管理、終末期医療までの医師として一般的に必要な知識・技術が習得できるようにプ
ログラムされている。
臨床医として重要なことは、人間性に加え医学と医療の知識である。これらが三位一体
となって初めて良い臨床医となる。医学には医学的知識・技術があり、医療には医療保険
(保険診療について)、医療行政(各種診断書記載など)、医事法制(医療安全、リスクマ
ネージメントなど)がある。脳神経外科では医学的知識・技術の習得に加えて、医療面で
の知識・技術も一通り学べるように配慮されている。
2.概要
①
研修責任者
川本
行彦
②
医師数
常勤
3名、非常勤
③
病床数
35床
④
外来患者数
16.1 名/日
⑤ 手術例数
2名
230 例(平成 22 年)
61
3.研修内容
①週間スケジュール
月
午前
8:00-8:30
火
水
抄読会
木
金
症例検討会
午前
外来研修
手術研修
病棟研修
手術研修
病棟研修
午後
検査研修
手術研修
検査研修
手術研修
病棟回診
*症例検討会は神経内科と合同である。
②病棟研修
病棟では主治医として入院患者様を受け持つ。診断、検査所見、治療計画、手術、術前
術後管理など指導医のもとで行う。インフォームドコンセントにおけるマナー、説明方法、
説明内容、どのようにして記録に残すかなどを指導医より学ぶ。
医療面では、後遺症診断書、各種保険会社診断書、法律関係診断書など経験しなければ
ならないことは多い。
③外来研修
外来診療を担当する。他の医療機関から紹介のあった患者様の対応を通じて病診連携の
あり方を学ぶ。脳血管撮影・腰椎穿刺・3D-CTA などの侵襲性の検査を必要とする場合のイ
ンフォームドコンセントを研修する。
④手術研修
研修期間中は積極的に手術に参加することが重要である。主治医である患者様の場合は
当然として、主治医でない場合も手術日には積極的に手術に参加する。こうすることによ
り予定手術と救急手術とを合わせると、簡単な慢性硬膜下血腫の手術から破裂脳動脈瘤、
脳腫瘍などの困難な手術まで研修期間中に経験できるようになっている。また、広島大学
血管内グループと協力し、脳動脈瘤、頚部内頚動脈狭窄に対する脳血管内治療も学ぶこと
ができる。
⑤救急診療
当院は広島市北部の中心的病院であることから救急患者も多い。救急診療を積極的に行
うことにより、救急処置を学ぶ。
62
⑥日当直
原則として単独で行う。場合によっては前期研修医の指導に当たる。専門外の疾患であ
る場合、手に負えない場合は上級医師、専門医の応援を依頼する。
⑦研究活動
学会発表、論文作成は上級医師の指導のもとで積極的に行う。
⑧専門医制度
当院は日本脳神経外科学会A項指定病院である。関連する専門医としては日本脳卒中学
会訓練指定病院、日本救急医学会訓練指定病院である。
63
泌尿器科
1.はじめに
泌尿器科は,腎尿管・膀胱を中心とした尿路,副腎,後腹膜,男性生殖器を対象とする
外科学の一領域です。疾患は悪性腫瘍,感染症,下部尿路機能障害,性機能障害,内分泌
疾患と多岐にわたり,現在の高齢化社会において前立腺癌をはじめとした泌尿器科疾患は
激増しています。さらに,各々の分野でめざましい進歩が見られ、泌尿器科医には医師と
しての基本的能力に加え,それぞれのサブスペシャリティー領域での豊富な経験,高度な
技術,知識と,より高い倫理性が要求されています。
本研修プログラムは将来泌尿器科専門医の取得を目指す医師のためのプログラムであり、
基本的には日本泌尿器科学会の研修到達目標に沿っています。外来診療・病棟診療・手術
を経験することによって,プライマリーケアから高度先進医療を含む専門分野におよぶ広
範な泌尿器医療の基礎を学ぶとともに,他の医療従事者との円滑な連携を保ち,泌尿器科
医療を通じて医師としての基本を身につけることを目標としています。
当科の最大の特色として腹腔鏡手術を中心とした低侵襲手術に重点をおいた外科治療を
おこなっており、専門医教育の一環としてもこれらの手技を習得し、将来独立した術者と
なることを目指します。
64
65
現在の部長は広島大学病院において腹腔鏡手術の指導を行い数多くの腹腔鏡技術認定医
(日本内視鏡外科学会)を輩出した実績を持ちます。2010 年 4 月より当科に赴任し、わず
か 1 年間で 2010 年度の腹腔鏡手術技術認定審査(合格率 56%)において卒後最短年数(卒
後 7 年目)での合格者(1 名)を輩出しました。
2.スタッフ
①研修責任者
三田耕司(部長、広島大学非常勤講師、広島大学医学部臨床教授)
略歴
1965 年 日本生まれ
1984 年
広島学院高卒
1990 年
広島大学医学部卒
2001 年
広島大学助手
2001 年 米国留学
2006 年
広島大学講師
2010 年
広島市立安佐市民病院部長
②研修指導医師数
日本泌尿器科学会専門医指導医・腹腔鏡技術認定医
③病床数 12 床
66
2名
④診療実績(別表)
3.研修内容
①指導医は以下の教育機会を提供します。
週 1 回以上のクリニカルラウンドと外来・入院症例検討会
月 1 回以上の抄読会もしくはセミナー
年 1 回以上の泌尿器科学会提供の教育プログラムへの参加
年 2 回以上の泌尿器科関連学会(単位認定学術集会)参加
4 年間で 1 編以上の学術論文作成(症例報告を含む)
②1 年目〜2 年目
指導医の直接管理下での教育を受けることを原則とし、指導医の監視のもとに外来診療
に従事して指導医とともに主治医となって入院患者の診療にあたります。
③3 年目〜4 年目
指導医は主に間接的な立場で指導にあたり,指導医と密に連絡をとりながら自ら外来診
療にも従事し,主治医となって入院患者の診療にあたります。
4.専門医制度
本施設は日本泌尿器科学会基幹教育施設であり,4 年間の研修終了により泌尿器科学会
専門医を習得します。
5.2010 年度の診療実績
入院部門: 入院患者総数は 695 人で、そのうち腫瘍性病変に関連する治療目的が最も多
く 615 人、平均在院日数は 8.0 日、病床回転率は1ヶ月平均 598%でした。入院手術件数
は 327 件で腫瘍に対する手術が最も多く、その内訳は副腎 5 件、腎臓・腎盂尿管 42 件、膀
胱 155 件、前立腺 69 件などでした。
外来部門: 外来患者総数は 12,291 人、初診・紹介患者数の 1 ヶ月平均は 69 人、外来手
術件数は 457 件、膀胱内視鏡検査(ファイバースコープ検査)は 983 件でした。
67
入院手術
2008 年度
2009 年度
2010 年度
副腎摘除術
1
0
5
単純腎摘除術(膿腎症など)
1
0
2
根治的腎摘除術
10
10
19
腎部分切除術
6
5
9
腎尿管全摘除術
10
8
12
腎盂形成術
0
0
3
膀胱全摘除術+尿路変更術
7
8
6
膀胱部分切除術
2
5
0
経尿道的膀胱腫瘍手術
135
141
149
前立腺悪性腫瘍手術
32
48
42
前立腺被膜下摘除術
5
2
4
経尿道的前立腺切除術
10
11
23
後腹膜腫瘍・リンパ節廓清術
1
2
3
高位精巣摘除術
4
3
2
精巣固定術
2
3
2
その他
41
36
46
計
267
282
327
68
術式分類
2008 年度
2009 年度
2010 年度
腹腔鏡手術(低侵襲手術)
10
14
55
開腹手術
71
81
53
経尿道的内視鏡手術
165
170
201
その他(精巣・外陰部・尿失禁など)
21
17
18
計
267
282
327
2008 年度
2009 年度
2010 年度
膀胱内凝血除去術
-
-
13
経尿道的膀胱内異物摘除術
-
-
2
経尿道的電気凝固術
-
-
78
経尿道的尿管ステント留置術
-
-
100
経皮的腎瘻造設術
-
-
3
尿道狭窄拡張術
-
-
48
255
202
213
-
-
457
外来手術
前立腺生検
計
69
皮膚科
1. はじめに
皮膚科医としての基礎的な知識、経験を修得し、皮膚に生じるあらゆる疾患の診断・治
療に対応できる能力の取得を目標とする。扱う疾患としては湿疹・皮膚炎や蕁麻疹といっ
たアレルギー性皮膚疾患や炎症性角化症、水疱症や膿疱症など皮膚科特有の疾患が中心で
あるが、熱傷や良性、悪性皮膚腫瘍に対する外科的治療、皮膚悪性腫瘍に対する化学療法
なども扱っている。
2. 概要
研修責任者:野田
英貴(皮膚科医師)
医師数:常勤 1 名、非常勤 2 名
病床数:8 床
外来患者数:14,898 名/年
61.6 名/日
検査数:皮膚病理組織検査 約 690 例
手術数:全手術数 720 例(外来手術も含む)、手術室での手術
234 例(全身麻酔
27
例)
3. 研修内容
1年次:皮膚科疾患の診断、検査、治療手技、知識を修得するとともに皮膚疾患を含め
た プライマリ・ケアを身につける。
2年次:皮膚疾患全般の診断、治療を行いつつ、より専門的に分野別の研修を行い、専
門的知識、技術の修得を目指す。
3年次:専門的知識を元に難治性皮膚疾患を含む皮膚疾患に対応し、最終的には皮膚科
専門医を修得できる知識、技術の習得を目指す。当院での実地診療のみでなく、広島地区
の皮膚科医が参加する以下の勉強会へ参加することができる。
皮膚病理組織検討会(2ヶ月に1回)、広島形成外科研究会(月に1回)、広島皮膚科症
例検討会(2ヶ月に1回)、広島皮膚科医会(2ヶ月に1回)、広島県皮膚科講習会(年に
2回)、日本皮膚科学会広島地方会(年に2回)
4. 修得できる専門医資格
日本皮膚科学会認定専門医
70
耳鼻咽喉科.頭頸部外科
1. はじめに
一般的診療能力を身につけた2年間の初期研修終了者に対して3年次以降耳鼻咽喉科専
門医をめざすプログラムです。耳鼻咽喉科は聴覚、平衡覚、嗅覚、味覚などの感覚器を受
け持つとともに、呼吸、嚥下、音声言語などの機能を受け持つ診療科であると言えます。
これらの障害を起こした疾患に対して適切な専門的検査(各種聴力検査、平衡機能検査、
嗅覚、味覚検査など)を行うこと、耳鼻咽喉科領域のファイバー所見、エコー、CT、MRI
などの画像診断ができること、これらに基づいて診断し、適切な治療計画を立て、治療を
実践できるようになること、基本的な頭頸部手術手技を習得することを目指しています。
2. 耳鼻咽喉科・頭頸部外科の概要
① 研修責任者
② 医師数
石井秀将(耳鼻咽喉科部長)、指導医
岩田和宏(同副部長)
常勤2名、非常勤1名
③ 外来患者数
④ 病床数
10,662 名/年、44.1 名/日、頭頸部がん年間新患数57名/年
15 床
⑤ 手術件数
入院患者数
363 名/年
294 件/年
⑥ 当科の特徴
急性期病院であり、耳鼻咽喉科の救急疾患(多量の鼻出血、激しい眩暈発作、顔面外傷、
上気道外傷、耳痛、顔面痛、咽頭痛、呼吸困難など)を積極的に受け入れています。また、
進行頭頸部癌が多いのが特徴で、常時5~10名くらいは入院治療を行っています。扁桃
摘出術・内視鏡的副鼻腔手術・顕微鏡下喉頭微細手術などの一般的な耳鼻咽喉科手術だけ
でなく、頭頸部良性/悪性腫瘍手術も盛んに行っています。
3. 研修内容
A. 研修到達目標
1)医師としてのマナーを磨き他科医師、コメディカルスタッフとも円滑に仕事ができる
2)患者と良好なコミュニケーションを作り、十分な IC のもとで治療ができる
3)各種専門検査(咽喉頭ファイバー、顕微鏡検査を含む)を行える
4)検査、所見を総合して疾患に対して適切な治療計画を立てる
5)耳鼻咽喉科の救急疾患に適切な対応ができる
6)積極的に手術に参加し、術前・術後の管理が行える
7)一般的な手術は術者として自ら執刀することができる
B. 年次習得すべき主な目標
71
1年次で習得すべき目標
(1)外来診察全般
(2)各種検査:ファイバー、顕微鏡、頸部超音波検査、聴力検査、平衡機能検査など
(3)救急疾患への対応:鼻出血、外傷、めまい、異物、中耳炎、喉頭蓋炎など
(4)入院患者の診療、術前・術後管理
(5)手術:鼓膜切開術、鼓膜チューブ挿入術、扁桃摘出術、アデノイド切除術、気管切
開術、頸部リンパ節生検など
2年次で習得すべき目標
(1)検査:精密聴覚機能検査、嚥下機能検査、エコーガイド下針生検など
(2)手術:内視鏡的副鼻腔手術、顕微鏡下喉頭微細手術、鼓膜形成術、顎下腺摘出術、
甲状腺良性腫瘍手術などの術者、および耳下腺腫瘍摘出術、頸部郭清術などの第1助手
3年次で習得すべき目標
(1)手術:悪性腫瘍を含む耳鼻咽喉科・頭頸部外科の定型的手術の術者、および頭頸部
悪性腫瘍に対する拡大切除・再建手術の第1助手
4. 週間スケジュール
午前
午後
月曜日
外来診療
外来小手術・特殊検査
火曜日
外来診療
手術
水曜日
外来診療
外来小手術・特殊検査
木曜日
外来診療
手術
金曜日
手術
手術
カンファレンス
注1)午前中の外来診療は2診体制で、残る1名が病棟回診を行う
注2)カンファレンスは毎週水曜日の午後3時より病棟看護師、放射線科医師との合同で
行う
注3)長時間を要する手術は金曜日の午前から開始する
5. その他の目標
院内・院外の関連する研究会・学会に積極的に参加し、年間2回以上学会発表と論文作成
を行う。
当院は日本耳鼻咽喉科学会の認定する研修指定病院であり、耳鼻咽喉科専門医取得を目指
す。
72
精神科
1.はじめに
当科は総合病院精神科として、気分障害(うつ病、双極性気分障害)、神経症性障害、ス
トレス関連障害、認知症、統合失調症、パーソナリティ障害、器質性精神障害、てんかん
など、多くの疾患の外来および入院診療を中心に、他の診療科入院患者のせん妄、気分障
害、適応障害などの病態へのコンサルテーション・リエゾン医療の実践をおこなっている。
後期研修では、症例を通じて総合病院精神医学一般の研修をおこない、疾患の診断・治
療技術の習得、チーム医療の実践、社会資源の理解と活用が可能となるように指導してゆ
く。
2.概要
① 研修責任者
日笠
哲(精神科副部長
精神保健指定医
日本精神神経学会指導
医・認定医)
② 医師数3名
(常勤 1名
非常勤 2名)
臨床心理士1名(常勤)
③ 病床数 15床(病床は、精神保健福祉法上の精神病床とは異なる一般病床である)
④ 外来患者数
8332人/年
35人/日(平成22年度)
3.研修内容
①
外来診療…週2-3日の外来診療担当を行う。
(1)初診患者のインテーク診察
を行う、(2)初診患者の診察補助を行う、(3)再診の患者の診察、を中心に
診療を行う。初診患者の診断方法、面接方法、診断のための検査法等を研修す
る。対象となる疾患は、気分障害、神経症性障害、ストレス関連疾患、認知症、
統合失調症、パーソナリティ障害、てんかん、などである。様々な年齢の患者
が対象となるため、そのライフステージに応じた疾患の在り方、診断、治療法
についての理解を深め、精神科臨床医としての基礎的研修を行う。
②
入院診療…入院患者の担当医として診療を行う。入院は、気分障害を中心に、
神経症性障害など種々の疾患が対象となる。診断評価、それに基づく治療方法
についてはEBM等標準的な治療方法を中心として、病態、個人の病状あわせ
た治療ができるよう、診断、治療法についての理解を深め、精神科臨床医とし
ての基礎的研修を行う。看護師、臨床心理士、薬剤師、PSWなど他の医療ス
タッフと連携し質の高い医療が提供できるようチーム医療の実践について研修
を行う。
③
コンサルテーション・リエゾン…他診療科の入院・外来通院治療を行う患者(あ
73
るいは家族も対象として)の精神医医学的問題について、主治医や他の医療ス
タッフと連携して診療にあたるが、精神症状への対応と他診療科スタッフとの
連携のあり方を理解し、総合病院精神科ならではの研修をおこなう。
(1)他診療科入院中の患者では、せん妄、適応障害(疾患に関連した反応性
の精神症状)を中心として、せん妄の評価と薬物療法、適応障害の評価と精神
的ケア・精神療法的対応、薬物療法について研修を行う。
(2)当院はICUを有する二次救急医療機関であり、年間多くの自殺企図・
自傷の患者が搬送されるため自殺後のフォローアップや精神症状評価、治療介
入などを研修する。
(3)当院は厚生労働省が指定する地域がん診療拠点病院であり多くのがん患
者の治療を担っている。がん患者の種々の精神医学的問題や心理・社会的問題
に対しては緩和ケアチームの構成要員として、患者あるいは家族の対応やアプ
ローチを積極的に行う。
④
診断法…種々の精神医学的問題、精神疾患に対し、病状評価のための面接・問
診技法、必要な検査(血液生化学検査、脳波などの生理検査、各種心理検査、
頭部画像検査など)、操作診断等を学び、的確な診断評価が出来るよう研修を行
う。
⑤
精神科治療…精神科薬物療法、精神療法、電気けいれん療法等の種々の臨床的
治療方法および患者に必要な心理・社会的サポートや社会福祉サービスについ
て学び、的確な治療が施行出来るよう研修を行う。
(1)精神科薬物療法は、種々の向精神薬(抗精神病薬、抗うつ薬、気分安定
薬、抗不安薬、睡眠薬、抗てんかん薬など)について、効果や忍容性など薬理
学的特徴を十分理解する。また最新のEBMや各種ガイドライン・アルゴリズ
ムを参考にし、各疾患や病態に対しての標準的治療法を中心に、個々の病状に
あわせた最適な治療が行えるよう実践的研修を行う。
(2)精神療法は、支持精神療法、認知行動療法、交流分析、力動的精神療法、
家族療法など各精神療法の特徴や技法を理解し、各疾患や病態に対し最適な治
療やケアが行えるよう実践的研修を行う。
(3)当院では、修正型電気けいれん療法(ECT)が麻酔科の協力の下実施
が可能な施設である。サイマトロン器を使用したECT治療の仕組みや適応に
ついて理解し、主として重症のうつ病や昏迷・緊張病状態の患者等を対象とし
た積極的かつ安全なECT治療が出来るよう実践的研修を行う。
(4)心理・社会的サポートおよび社会福祉サービスの理解については、勤労
者の休職や社会復帰のサポート、精神障害者への社会的サポートやサービスの
利用、認知症に対する介護保険サービスなど多岐にわたる心理・社会的サポー
トやリソースについて学び、患者や家族のニードにあわせた情報やサービス提
74
供ができるよう実践的研修を行う。
⑥
カンファレンス・勉強会…院内・院外のカンファレンス・勉強会には随時参加
し、治療の十分な検討、情報交換、学習を深める。
(1)病棟カンファレンスは、週1回行い、入院患者の治療について看護師、
臨床心理士、薬剤師と情報交換をし、適切な治療やケアが行えるよう、また他
の医療スタッフと協力する。
(2)病棟回診は週1回実施する。
(3)精神科勉強会は週1回程度随時実施し、症例検討や新しい医学情報につ
いての共有や学習を行う。
(4)広島精神科病診連携懇話会は、当院および広島市民病院、広島県立病院
の勤務医と広島市内の精神科診療所の医師が合同で開催する勉強会で、症例検
討や最新の治療法、文献レビューを行い、専門的知識を深める(2ヶ月毎、広
島市民病院で開催)。
(5)広島市安佐北区精神保健センタースタッフとの合同カンファレンスは、
精神科医師、臨床心理士、PSWと合同で、症例検討や地域の精神保健サービ
ス・事業についての情報交換を定期的に行い、地域の精神医療の理解を深める
とともに地域拠点医療機関として協力する(3ヶ月毎、随時)。
⑦
学会活動…精神科の臨床系の各学会への発表および参加をおこなう。主な全国
学会は、日本精神神経学会(認定医制度あり)
、日本総合病院精神医学会(認定
医制度あり)、日本臨床精神薬理学会(認定医制度あり)、日本生物学的精神医
学会(認定医制度あり)、日本心身医学会(認知医制度あり)、など。地方学会
としては、広島精神神経学会、日本精神神経学会中四国学会など。学会出張は
可。
週間診療スケジュール(例)
外来診療
月曜日
火曜日
水曜日
木曜日
金曜日
初診患者インテーク診察
→
→
→
→
再診患者診察
随時
随時
随時
随時
→
→
→
→
随時
随時
随時
随時
随時
随時
随時
入院診療
回診 診察
ECT
随時
随時
カンファレンス
病棟カンファレンス
病棟回診
勉強会
緩和ケアチーム回診
○
○
○
75
4.宿日直
月平均1~2回程度
病院の救急当直として従事する
5.専門医制度
日本精神神経学会研修指定施設
取得目標
日本精神神経学会
専門医
日本総合病院精神医学会
専門医
76
眼
科
1.はじめに
後期研修は日本眼科学会専門医の認定試験を受けるための重要な研修期間にあたる。
眼科においては近年、手術方法および検査機器のめまぐるしい進歩があり、
それに伴って、検査機器の習得、理解を高めていくとともに、新しい手術の習得も
行っていかなければならない。後期研修においては、眼科診断技術および検査、眼科
治療技術の習得等、日本眼科学会専門制度が定めるところの眼科研究カリキュラムに
沿った研修を行なう。
2.概要
① 研修責任者
末廣龍憲(眼科主任部長)
② 医師数
常勤2名
③ 病床数
12床(15床)
④ 外来患者数
非常勤1名
15,665 名/年
⑤ 手術件数(年間)
白内障手術
64.7 名/日
750 件
500 件
網膜・硝子体手術
緑内障手術
50 件
20 件
外眼部手術・その他 30 件
光凝固術
(PDT・YAGを含む) 150 件
特殊検査機器
角膜形状解析検査
多局所網膜電位図
OCT
IA蛍光眼底造影
3.研修内容
3年目
外来患者および入院患者の診療
眼科診断技術および検査の習得
眼科治療技術の習得
白内障手術および外眼部手術の習得
77
網膜光凝固、YAG等の手術の習得
症例検討会および各種学会等への出席および発表
眼科論文の作成
4年目
外来患者および入院患者の診療
眼科診断技術および検査の習熟
眼科治療技術の習得
白内障手術および外眼部手術の習得
網膜光凝固、YAG等の手術の習得
症例検討会および各種学会等への出席および発表
眼科論文の作成
5年目~
外来患者および入院患者の診療
眼科診断技術および検査の習熟
眼科治療技術の習熟
白内障手術および外眼部手術の習熟
網膜光凝固、YAG等の手術の習熟
必要に応じて白内障手術以外の手術を習得。
症例検討会および各種学会等への出席および発表
眼科論文の著作
4.宿当直
5.専門医制度
日本眼科学会専門医制度認定施設
PDT認定施設
目標とする専門医
認定医
眼科専門医
PDT認定医
78
放射線科
1.概要
本研修プログラムでは初期臨床研修を終えた医師を対象に、放射線科医としての
全般的な知識と技術を習得することを目標とし、放射線科専門医として必要な知
識と臨床経験を得ることができる。
2.特徴
・3 年間の後期研修で、卒後5年目に施行される放射線科専門医一次試験合格に十
分な知識と臨床経験を得ることができる。
・当院は広島市の北部地区から市外県北部までの広い地域からの患者様の最終受
け入れ病院としての役割があり、救急疾患から慢性疾患まで、幅広い症例を経
験できる。
・当科での診療実績の概要は以下のとおり。
治療患者数:リニアック、密封小線源治療:約400人/年
IVR治療患者数:500件/年
CT検査数:128列マルチスライス、16列マルチスライス:約20000件/年
MRI検査数:1.5T、1.5Tの2台:約5000件/年
RI検査:約2000件/年
指導体制
研修責任者
小野
千秋(放射線科主任部長):画像診断担当
S 60 年卒 広島大
日本医学放射線学会専門医
PET 核医学認定医
医学博士
指導医
直樹
邦夫(放射線科部長)
:血管造影・IVR 担当
H 5 年卒 愛媛大
日本医学放射線学会専門医
PET 核医学認定医
日本血管造影・IVR 学会指導医
指導医
飯田
慎(放射線科部長)
H 5 年卒
広島大
日本医学放射線学会専門医
医学博士
79
PET 核医学認定医
指導医
伊東
淳(放射線科部長)
H7 年
鹿児島大
日本医学放射線学会専門医
日本放射線腫瘍学会認定医
日本がん治療認定医機構がん治療認定医
医学博士
3.研修目標
・疾患に対する画像診断の役割を理解する
・各々の画像診断の特性・欠点を理解し、疾病において選択すべき検査法を理解する
・画像診断用造影剤についてその特性、副作用を理解し適切に使用できるようにする
・CT、MRIの撮像法の原理を理解し、診断に応用する
・血管造影の基本的手技を習得する
・疾病の集学的治療の中で占める IVR の役割について理解する
・IVR の基本手技を身につける。
・臨床腫瘍学の基礎を理解し、各種の癌患者に対して診断と治療の適切な選択がで
きる
・放射線腫瘍学の基礎を理解し、放射線治療の適応と方法について適切な判断がで
きる
・各種抗悪性腫瘍剤の臨床薬理について理解し、適切な選択と使用ができる
・緩和医療の種々の手技が実践できる
4.基本スケジュール
・初年次
画像診断、放射線治療、IVR の各分野の基本を習得することを目標とする。
・2年次、3年次
上記のいずれかの専門性をより高めることを目標としつつ、専門医試験に
むけてその他の分野の研修も平行しておこなう。
80
広島市立安佐市民病院
平成 24 年度後期臨床研修プログラム
H 23.7.1 改訂
広島市立安佐市民病院
研修管理委員会
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