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欧州の航空機器・部品に関する 輸出マーケティング
欧州の航空機器・部品に関する 輸出マーケティング調査 2012 年 5 月 日本貿易振興機構(ジェトロ) 本報告書に関する問い合わせ先: 日本貿易振興機構(ジェトロ) 機械・環境産業部 機械・環境産業企画課 〒107-6006 東京都港区赤坂 1-22-32 TEL:03-3582-7571 Email:[email protected] 【免責事項】 ジェトロは、本報告書の記載内容に関して生じた直接的、間接的、あるいは懲罰的損害 および利益の喪失については、一切の責任を負いません。これは、たとえジェトロがかか る損害の可能性を知らされていても同様とします。 ©JETRO 2012 本報告書の無断転載を禁ずる。 目 次 1.欧州航空機器・部品産業調査 ............................................... 1 1.1 航空宇宙産業概観 ................................................... 1 1.1.1 航空宇宙産業の下位セクター ........................................ 4 1.1.2 航空産業に強みを持つ加盟国 ........................................ 8 1.2 航空産業統計 ......................................................... 9 1.3 貿易統計 ............................................................ 15 1.4 市場動向 ............................................................ 20 1.5 関連業界団体・組織 .................................................. 25 1.5.1 航空機器・部品産業に関連する業界団体 ............................. 25 1.5.2 航空機器・部品産業に関連する地域クラスター地域 ................... 29 2.主要関連見本市調査 ...................................................... 42 2.1 国際パリ航空ショウ(International Paris Air Show) ................... 42 2.2 ファーンボロ国際航空ショー(Farnborough International Airshow) ...... 44 2.3 エアロマート・トゥールーズ(Aeromart Toulouse) ...................... 45 2.4 ベルリン国際宇宙航空ショー(ILA Berlin Air Show) .................... 46 2.5 エアーテック(Airtec) .............................................. 48 2.6 Aircraft Interiors Expo-Hamburg...................................... 49 2.7 AP&M エクスポ ヨーロッパ(AP&M Expo Europe) ........................ 50 2.8 inter airport Europe 2011, the world’s premier airport exhibition ... 52 3.航空機器・部品バイヤー調査 .............................................. 54 3.1 ロングリストの作成 .................................................. 54 3.2 サプライヤーネットワーク ............................................ 78 3.2.1 エアバス ........................................................ 78 3.2.2 ロールスロイス .................................................. 84 図表目次 図 1: 加盟国における航空宇宙産業の R&D 機能の重要性(2006 年) ............... 2 図 2: 欧州航空宇宙産業の業界再編 ........................................... 3 図 3: 航空宇宙産業におけるサプライチェーンの例 ............................. 6 図 4: 航空会社向け MRO 世界市場(2010 年推定値) ............................ 6 図 5: 欧州における航空宇宙産業の売上高の推移(2005~2010 年) ............... 9 図 6: 欧州航空産業における雇用の国別内訳(2010 年)........................ 10 図 7: EU における民間航空機分野による生産額の推移(2005~2010 年) ......... 10 図 8: EU における航空機、宇宙船およびその部品の輸入高の推移(2005~2010 年) 15 図 9: EU における航空機、宇宙船およびその部品の輸出高の推移(2005~2010 年) 16 図 10: EU における航空機、宇宙船およびその部品輸入額の相手国別の推移(2006~2010 年) ............................................................. 19 図 11: EU における航空機、宇宙船およびその部品輸出額の相手国別の推移(2006~2010 年) ............................................................. 20 図 12: 2030 年までの旅客機への需要 ......................................... 22 図 13: リージョナル機の市場予測(2010~2029 年) ........................... 24 図 14: 欧州における航空関連地域クラスター .................................. 30 図 15:エアバスのサプライヤーネットワーク ................................... 83 図 16: ロールスロイスのサプライヤーネットワーク ............................ 89 表 1: EU27 カ国における航空宇宙産業の地域的分布および各加盟国の航空宇宙産業の成 長 .............................................................. 1 表 2: 航空産業に強みを持つ加盟国の特徴 ..................................... 9 表 3: EU における民間航空機分野による生産額の主な内訳(2005~2010 年) ..... 11 表 4: EU における航空宇宙産業の生産額(品目別、2010 年) ................... 13 表 5: EU における航空機、宇宙船およびその部品の輸出入額の推移(2005~2010 年) ............................................................. 15 表 6: EU における航空機、宇宙船およびその部品輸入額の主な内訳(2010 年) ... 16 表 7: EU における航空機、宇宙船およびその部品輸出額の主な内訳(2010 年) ... 17 表 8: EU における航空機、宇宙船およびその部品の主な輸出入相手国(2010 年).. 18 表 9: EU における航空機、宇宙船およびその部品輸入額の相手国別の推移(2006~2010 年) ............................................................. 19 表 10: EU における航空機、宇宙船およびその部品輸出額の相手国別の推移(2006~2010 年) ............................................................. 20 表 11: エンジン需要予測(2010~2029 年) ................................... 23 表 12: 欧州における航空関連業界団体 ........................................ 26 1.欧州航空機器・部品産業調査 欧州における航空機器・部品産業の全体像を探るため、特に中大型機・リージョナル機分野に 焦点をあてて、その概観を調査した。なお、本調査では中大型機は主に国際線向けの 100 席超の 商業用旅客機とし、またリージョナル機は主に短距離航路向け最大 100 席の商業用旅客機を指す こととし、軍用機は対象外とする。 1.1 航空宇宙産業概観 航空宇宙産業は、欧州における主要なハイテク産業の一つであり、政治的にも重要なセクター である。経済面ではそれほど突出していないものの、他のハイテク産業にスピルオーバー効果を 及ぼす点では傑出している。また、高度に集中された産業でもあり、地理的にも EU 加盟国数カ国 に限られ、企業も大企業数社に集中している。同産業による雇用をみると、フランス、英国、ド イツ、イタリア、スペイン、ポーランド、オランダおよびスウェーデンの順で多い。また、航空 宇宙製品に関わる欧州の貿易収支は黒字である(1.3 貿易統計参照) 。 表 1: EU27 カ国における航空宇宙産業の地域的分布および各加盟国の航空宇宙産業の成長 (2001 年~2006 年、実質) 国名 EU27 カ国 フランス 英国 ドイツ イタリア スペイン スウェーデン ベルギー オランダ ポーランド アイルランド ギリシャ チェコ ルーマニア デンマーク オーストリア ハンガリー フィンランド リトアニア スロベニア 生産額 EU27 カ国に 占める割合 (2006 年) 100.0% 42.8% 23.1% 17.4% 6.8% 4.2% 1.8% 1.1% 0.9% 0.4% 0.4% 0.3% 0.3% 0.2% 0.2% 0.1% 0.1% 0.1% 0.0% 0.0% 年平均 成長率 0.7% 2.4% -2.2% 0.4% 2.6% 17.8% 4.3% -5.0% 4.1% 8.9% n.a n.a 4.9% 0.8% 8.6% 31.6% 15.8% 4.8% 12.2% 10.2% 付加価値 EU27 カ国に 占める割合 (2006 年) 100.0% 29.3% 31.3% 20.4% 7.8% 3.5% 2.0% 1.5% 1.1% 0.7% 0.5% 0.6% 0.3% 0.3% 0.3% 0.2% 0.1% 0.1% 0.0% 0.0% 年平均 成長率 -1.2% 4.0% -4.3% -1.3% 1.4% 11.1% -1.4% -7.3% 2.0% 1.0% n.a n.a -5.0% -5.6% 12.8% 27.7% 18.9% 2.6% 2.5% 24.4% 出所:欧州委員会「欧州における航空宇宙産業の競争力調査報告書」 1 Copyright © 2012 JETRO. All rights reserved. 雇用 EU27 カ国に 占める割合 (2006 年) 100.0% 25.6% 25.7% 19.9% 8.7% 4.1% 2.7% 1.6% 1.3% 3.8% 0.9% 1.0% 2.0% 1.6% 0.3% 0.2% 0.3% 0.2% 0.1% 0.0% 年平均 成長率 0.7% 2.1% -2.4% 0.7% 0.9% 8.2% 1.3% -3.9% 1.3% -0.5% n.a n.a -1.2% -8.0% 12.9% 12.7% -2.3% -0.9% 7.2% n.a 図 1: 加盟国における航空宇宙産業の R&D 機能の重要性(2006 年) (%) 50 39.9 付加価値に占めるR&D支出の割合 被雇用者に占めるR&D従事者の割合 37.9 40 32.5 28.8 30 28.1 17.7 20 10 14.2 19.5 17.8 16.6 9.2 13.6 6.3 5.9 5.6 0 8.6 1.6 1.6 1.1 0.3 出所:欧州委員会「欧州における航空宇宙産業の競争力調査報告書」 欧州委員会が 2009 年 12 月に発表した「欧州における航空宇宙産業の競争力調査報告書」1によ れば、航空宇宙産業における技術は非常に複雑であり、開発コストも高く、かつ増加傾向にある。 また、損益分岐点到達時間が長いため、キャッシュフローが常に問題となっている。さらに、民 間航空機市場は軍用機市場との共依存の関係にあり、戦術的な重要性を持っている。これらの特 徴により淘汰を余儀なくされた欧州の航空宇宙産業は再編統合を繰り返しており(図 2) 、現在で は主要なメーカー6 社(BAE Systems およびエアバスの親会社である EADS、Thales、Finmeccanica、 Safran、Rolls Royce)を中心に構成されているといっても過言ではない。これら 6 社による売上 高は 2010 年で 1,200 億ユーロに上り、欧州における航空宇宙・防衛産業の売上高の約 4 分の 3 に 相当する2。これらメーカーを支えるのは、ハイテク活動に従事し、部品や構成部品を提供する数 多くのサプライヤーであり、その多くは中小企業で構成されている。一例を挙げれば、EADS のサ プライヤー企業数の 7 割以上を占めるのが中小企業(76.2%、2007 年)である。ただし、購買額 に占める割合は約 2 割にとどまっている。 1980 年代までは、安定した受発注によって築かれた相互の信頼関係が存在し、航空機メーカー を頂点とするピラミッド型の強固な供給関係が構築されていた。しかし、1990 年代に入り、世界 的な需要の落ち込みを契機に受注数は大きく変動するようになった。このため、機体メーカーや システムサプライヤーは従来の垂直型から水平型のアプローチをとるなど、サプライチェーンの 再編など見直しを迫られた。さらに、中国やロシアのように人件費が安くかつ必要な技術ノウハ ウを持つ国のサプライヤー企業も市場に参入するようになり、欧州企業にとっての競争は激しく 1 2 “FWC Sector Competitiveness Studies – Competitiveness of the EU Aerospace Industry with focus on Aeronautics Industry”(December 2009) European Comission http://ec.europa.eu/enterprise/sectors/aerospace/files/aerospace_studies/aerospace_study_en.pdf “ASD Facts and Figures 2010”AeroSpace and Defence Industries Association of Europe http://www.asd-europe.org/site/fileadmin/images/publications_thumbs/FF2010.pdf 2 Copyright © 2012 JETRO. All rights reserved. なっている。 図 2: 欧州航空宇宙産業の業界再編 出所:欧州委員会「欧州における航空宇宙産業の競争力調査報告書」 欧州における 6 大メーカーの概要 EADS は航空宇宙、防衛分野で活動する巨大多国籍企業であり、次の 4 セグメントを持つ。すな わち商業・軍用機の開発製造・販売を行うエアバス、民間・軍用ヘリコプターの開発製造・販売 する Eurocopter(ユーロコプター)、ミサイルや戦闘機など防衛関連機器を手掛ける Cassidian (キャシディアン) 、人工衛星など宇宙関連機器の Astrium(アストリウム)である。2010 年のエ アバスによる売上は 299 億 7,800 万ユーロ、EDAS 全体の約 66%に相当する3。本社はオランダだ が、合併を通じて成長を遂げたその歴史的経緯からフランス、ドイツおよびスペインでのプレゼ ンスが高く、それぞれに本部機能を置いている。 フランスに本社を置く Thales(タレス)は、電機関連企業として端を発したものの、現在では 主要な防衛納入業者としての地位を確立し、また航空宇宙や輸送分野でも活動している。民間航 空分野では主に搭載電子システムを手掛けており、2010 年の航空宇宙・輸送分野の売上高は 55 億 3,900 万ユーロで同社売上高全体の 42%に相当する4。 イタリアを拠点とする Finmeccanica(フィンメカニカ)はより広範な事業セグメントを統括す る持ち株会社であり、子会社を通じて民間・軍事用の航空およびヘリコプター、人工衛星や宇宙 研究、武器など防衛関連装備、エネルギーや鉄道などの分野で活動している。航空分野の子会社 には戦闘機のほか、エアバスや米国の Boeing(ボーイング) 、カナダの Bombardier(ボンバルデ 3 4 2011 年のエアバスによる売上は 331 億 300 万ユーロで全体の約 67%に相当する。 2011 年の航空宇宙・輸送分野の売上高は 56 億 8,200 万ユーロで全体の約 44%を占める。 3 Copyright © 2012 JETRO. All rights reserved. ィア)といった主要商用旅客機の航空構造物の設計・構築を行う Alenia Aermacchi(アレニア・ アエルマッキ) 、EADS との合弁企業でリージョナル機を開発製造・販売する ATR、ロシアの航空機 メーカー、Sukhoi(スホーイ)との共同事業で環境負荷の低いリージョナル機の開発製造・販売 を行う Superjet Intenational(スーパージェット・インターナショナル)などがある。ヘリコ プター事業を担うのは子会社の AgustaWestland(アグスタウェストランド)である。2010 年の航 空分野による売上は 28 億 900 万ユーロ、同社売上高全体の約 15%に相当する。 フランスを本拠地とする Safran(サフラン)は、航空宇宙、防衛およびセキュリティの 3 分野 に従事し、数多くの企業を傘下に置きグループを構成している。航空宇宙はさらにエンジンやタ ービンなど推進力に関わる部門と油圧・電気機械など航空機やヘリコプター向けの機器を扱う部 門 に 分 か れ る 。 前 者 は Snecma ( ス ネ ク マ ) や Turbomeca ( タ ー ボ メ カ )、 後 者 は Messier-Dowty-Bugatti(メシエ・ダウティ・ブガッティ)、Aircelle(エアセル)などの子会社 を通じて活動している。2010 年の航空宇宙分野の売上は 84 億 3,800 ユーロで同社売上高全体の 78%を占める(推進力が 52%、機器は 26%)5。 英国に本社を置く Rolls Royce(ロールスロイス)は、航空宇宙および海洋(民間・軍事) 、お よびエネルギー市場で用いられる動力システムを提供している。民間航空宇宙分野では、商用旅 客を対象とした航空エンジンメーカーとして知られ、取り扱うエンジンの種類は 30 にもおよび、 広胴型(複数通路型)、狭胴型(卖通路型)、リージョナル機などの多くのセクターで優位性を持 つ。 2010 年の民間航空分野の売上は 49 億 1,900 万ポンドと同社売上高全体の約 4 割に相当する6。 英国を拠点とする BAE Systems(BAE システムズ)は、戦闘機をはじめ陸海空軍向けの装備やサ ービスを提供する。 1.1.1 航空宇宙産業の下位セクター 以下に、欧州における航空宇宙産業の下位セクターとその代表的企業を示す。 ①中・大型航空機 国際長距離航路を運航する航空会社を主要顧客とする中・大型航空機は、さらに座席数 100~ 230 前後の狭胴型(もしくは卖通路型)と、それ以上の広胴型(複数通路型)に大別される。中・ 大型航空機市場はボーイングとエアバスによる寡占状態にあり、両者による熾烈なシェア争いが 続いている。エアバスは、1970 年代に米国の航空機メーカーに対抗するために設立された欧州の 航空機メーカーによるコンソーシアムを発端とし、現在では EADS の 100%子会社となっている。 同社は座席数 107 の A318 から、世界最大の旅客機であり、座席数 500 を超える A380 まで包括的 な製品ポートフォリオを持つ。 5 6 2011 年の航空宇宙分野の売上は 92 億 700 万ユーロで全体の約 78%を占める。 (推進力:52%、機器:26%) 2011 年の民間航空分野の売上は 55 億 7,200 万ポンドで全体の 49%に相当する。 4 Copyright © 2012 JETRO. All rights reserved. ②リージョナル機 短距離航路向けリージョナル機は、上記のような大規模航空会社から委託された、あるいはそ の関連子会社となるリージョナル航空会社によって主に利用されており、ターボプロップ機とジ ェット機に細別できる。リージョナル機市場は、ブラジルのエンブラエル(Embraer)およびカナ ダのボンバルディアがシェアの大半を握り、仏伊企業でターボプロップ機専業の ATR(Avions de Transport Regional)が残りを担い、両社の後塵を拝す図式となっている。ATR は 1981 年にフラ ンスの Aerospatiale (アエロスパシアル、現在の EADS)およびイタリアの Aeritalia (アエリ タリア、現在は Finmeccanica グループ企業、Alenia Aermacchi) の合弁企業として設立され、 その主力製品はターボプロップ機である最大旅客数 50 の ATR42 と同 74 の ATR72 である。 ③ビジネスおよびジェネラルアビエーション ビジネスアビエーションは、商業・企業・オーナーによる運航といった異なるビジネスモデル の基に、小規模の運航会社によって利用されており、同市場ではこれら小規模の企業を対象とし たメーカーが多くシェアを争っている。ビジネスジェット機メーカーの代表的企業としては、米 国のセスナ、GulfStream(ガルフストリーム)のほか、EADS を主要株主に持つ Dassault Group (ダッソーグループ)が挙げられる。また、エアバスやボーイングもビジネスジェット機を製造 している。ジェネラルアビエーションは、ターボプロップ機およびピストンエンジン機に大別さ れ、様々なメーカーが市場に参入している。 ④ヘリコプター 上述のビジネスおよびジェネラルアビエーション市場に比べ欧州企業の優位性が目立つ市場で あり、Eurocopter Group と AgustaWestland が市場を牽引し、これを米国企業が負う図式となっ ている。なお Eurocopter Group は、1992 年にドイツの Daimler-Benz Aerospace(ダイムラーベ ンツ・エアロスペース) とフランスの Aerospatiale との合併により設立され、 現在は EADS の 100% 子会社である。Agusta Westland は、2000 年に Finmeccanica と英国 GKN の合弁企業として設立さ れたものである。 これらセクターを支えるサプライチェーンまでを俯瞰してみると、欧州の航空産業は一握りの 大企業を頂点に、Tier1および Tier2 を主に構成する中規模の企業約 100 社が存在し、それを約 20 万人規模の雇用を持つ無数の中小企業が支える構図となっている。通常 Tier1は、プライムあ るいは OEM と専属サプライヤー契約を結ぶ企業によって主に構成され、エンジンや燃料システム、 飛行制御システムなどの機器やシステムを提供する。Tier2 はプライムや Tier1の仕様に沿って 部品を開発する。Tier3 は基本的な部品や構成部品を上の階層に属する企業に提供する。 5 Copyright © 2012 JETRO. All rights reserved. 図 3: 航空宇宙産業におけるサプライチェーンの例 プライム・OEM 設計、組み立て、インテグレーション、サービスを行う EADS(エアバス) 、ボーイングなど Tier1 サプライヤー 機体、推進力、油圧システム、飛行制御、燃料システム、航 法装置などのサプライヤーを含む MRO Tier2 サプライヤー 油圧ポンプ、モーター、制御部品などのサプライヤーを含む Tier3 サプライヤー ピストン、O リング、シリンダー、コネクターなどの部品、 コンポーネントのサプライヤーを含む 出所:Clearwater Corporate Finance「Aerospace Global Report 2011」7を基に作成 これらサプライチェーンを支援するのは、アフターマーケット産業であり、Maintenance(整備) 、 Repair(修理)および Overhaul(重整備)の頭文字から MRO と総称される。MRO 市場は主に航空 機の機体整備、エンジンならびに構成部品への整備、および運航整備8に大別される。一般的に航 空産業の年間支出をみると、開発・製造よりも MRO への支出が大きく、特にエンジン整備の費用 が多いとされる。航空会社向けの MRO 世界市場の規模をみると、2010 年推定値で 420 億ドルに達 しており、エンジンはその 4 割以上を占めている(図 4) 。代表的な欧州企業としては Lufthansa Technik (ルフトハンザ・テクニック) および Air France Industries KLM Engineering & Maintenance (エアフランス・インダストリーズ KLM エンジニアリング&メンテナンス)が挙げられる。 図 4: 航空会社向け MRO 世界市場(2010 年推定値) 重整備お よび改修 21% 列線整備 18% 計420億ドル (2010年 推定値) エンジン 43% 構成部品 18% 出所:Clearwater Corporate Finance「Aerospace Global Report 2011」を基に作成 7 8 http://www.imap.com/imap/media/resources/Aerospace_8_1FED752787A1E.pdf 航空機の異常を点検し、その修理・整備を行うことで、非常に労働集約的な作業。 6 Copyright © 2012 JETRO. All rights reserved. なお、航空産業の製造工程は非常に複雑であり、様々な技術要件を持つ広範な構成部品を必要 とする。また航空機の全製造費用に占める割合をみると、一般に機体とエンジンで約 65%、シス テムとアビオニクス(航空電子機器)で約 25%、これにインテリアや降着装置が続くものと想定 されている。これら主要な構成部品カテゴリーとその市場、代表的企業について下記に概説する。 ①エンジン 航空機メーカーは機体の推進力を開発・製造せずに、エンジンに特化したメーカーに依存して いる。このため、航空機器の購入にあたりエンジンの種類という選択肢が可能となる。エンジン は、(i)ターボファン、(ii)ターボプロップおよび(iii)ターボシャフトと 3 つのセグメントに大 別され、それぞれ(a)商業・軍用機、(b)リージョナル機・ビジネスアビエーション、(c)ヘリコプ ターおよび垂直離着陸機と用途が分かれる。厳密な定義ではないが、一般にターボファンはター ボジェットエンジン9に風車(ファン)を加えることで空気流量を増し推進力を増やすもの、ター ボプロップはプロペラを利用するもの、ターボシャフトは排気を推進力としてではなく軸出力と して利用するもの、ととらえることができる。 エンジン市場は莫大な初期投資や規制認可、関連する認証の取得といった障壁により、参入が 極めて厳しい市場であり、異なるモジュールや技術を持つ主要メーカー3 社による寡占状態とな っている。すなわち、英国のロールスロイス、米国の GE Aviation(GE アビエーション)および Pratt & Whitney(プラット&ホイットニー、P&W)の 3 社である。さらに、フランスの Snecma も 重要なメーカーといえる。なお、Snecma は親会社である Snecma グループが 2005 年に総合電気・ 機械の SAGEM(サジェム)と合併し、サフラングループが誕生したことにより、現在は同グルー プの子会社となっている。これらに加え、欧州ではスウェーデンの Volvo Aero(ボルボ・エアロ) 、 イタリアの Avio(アヴィオ)、英国の ITP Engine UK(ITP エンジン UK) 、ドイツの MTU Aero Engines (MTU エアロ・エンジン)などが Tier1 および Tier2 の代表的メーカーといえる。 また、大型商用航空機の市場を対象として、上述のメーカーはリスク共有を目的に次の 2 大合 弁事業を立ち上げている。すなわち、ロールスロイス、日本航空機エンジン協会、MTU Aero Engines および P&W 子会社による「International Aero Engines(インターナショナル・エアロ・エンジ ンズ IAE) 」10と GE Aviation および Snecma による「CFM International」である。 ②機体 機体(ここでは航空機構造物を指す)には、胴体(バレルやシェル、構造部品など)やフェア リング/ボックス、翼(移動式/固定前縁・後縁、ボックス)などに大別される。代表的な企業と しては、スペインの Aeronnova(アエルノバ) 、フランスの Daher-Socata(ダヘル-ソカタ)や Latécoère(ラテコエール)が挙げられる。 9 10 吸入した空気をコンプレッサーで圧縮、燃焼室で燃料と混合して点火、その爆発により発生する排気流を推 進力として用いるもの。http://www.jal.com/ja/jiten/dict/p217.html 2011 年 10 月、 ロールスロイスと P&W は IAE の再編計画を発表した。 ロールスロイス所有の IAE 株式(32.5%) と共有プログラムを P&W が取得し、P&W はこの株式の一部を他の IAE 参加企業へ売却を検討している。 7 Copyright © 2012 JETRO. All rights reserved. ③アビオニクス アビオニクスには飛行制御システムやシステム監視、衝突防止システム、飛行管理システム、 航法システムなどが含まれる。欧州企業の強みとしては、航空機衝突防止警報装置あるいはフラ イバイワイヤー技術が挙げられる。代表的な企業にはタレスやドイツの Diehl Aerospace(ディ ール・エアロスペース)、Liebherr Aerospace(リーブヘル・エアロスペース)などのほか、英国 の Cobham(コブハム)、Meggitt Avionics(メギー・アビオニクス)などがある。 ④降着装置 商業用旅客機向け降着装置の市場は、サフラングループの傘下にある Messier-Bugatti-Dowty と米国の Goodrich(グッドリッチ)による寡占状態にある。両社とも包括的な製品群を持ち、エ アバスおよびボーイングの主要サプライヤーとなっている。これに続く Liebher Aerospace はリ ージョナル機およびビジネスジェットを対象としているが、商業旅客機市場への進出も予想され ている。降着装置は機体と統合されるため、OEM との強固な協力関係が必須となる。 このほか構成部品の主要サプライヤーとしては、装備品や機内インテリアを手掛けるフランス の Zodiac(ゾディアック) 、降着装置などの部品に加え保守も行うオランダの Fokker(フォカー) 、 機体構造や推進システムの英 GKN Aerospace(GKN エアロスペース)などが挙げられる。さらに、 EADS やタレス、Finmecanica といった航空機メーカーによるスピンオフ企業も加えられる。 1.1.2 航空産業に強みを持つ加盟国 欧州の航空宇宙産業は、他の産業に比べ国境を越えた経営、製造ネットワークにより統合が進 んでいる。しかし、航空産業に強みを持つ EU 加盟国にはそれぞれ表 2 のように、特定の部品や構 成品における強みや特徴がみてとれる。フランスやドイツによる企業連合としてエアバスが設立 された経緯から同社と両国の関係は深い。後にこの企業連合に加わったスペインおよび英国の航 空産業も同社と重要な関係を維持している。特に英国は翼の製造という点でエアバスの事業に大 きく関与している。納入までに長期を要する巨大プロジェクトに遅延や技術的問題があれば、同 産業の業績や生産性の低下につながる。フランスとドイツの航空産業は A380 などエアバスの大プ ロジェクトの影響が大きい。スペインはこれほど深刻な影響を受けることはなく、イタリアに比 べ、欧州における主要な航空プロジェクトへの参加や、国内の同産業の発展も進んでいる。一方、 イタリアは航空産業向けの電子機器に強みを持ち、国際的なプロジェクトへの参加が目立つ。前 述の Finmeccanica の例にもあるとおり、米国のボーイング、ロシアの Sukhoi など EU 域外国との 協力関係を確立させていることからも、欧州の民間機プロジェクトへの参加が薄い。 8 Copyright © 2012 JETRO. All rights reserved. 表 2: 航空産業に強みを持つ加盟国の特徴 ドイツ アビオニクス 胴体 フランス コックピット技術 および製造 複雑な客室設備 エンジンの製造 高揚力システム 広胴型航空機の最 終組み立てなど エンジンの製造 ヘリコプター MRO 垂直尾翼 エンジンの製造お よび技術 大型民間機の最終 組み立て 英国 翼の製造 イタリア 電子製品 関連する複合材料 の応用 軍用機 スペイン 尾翼、垂直尾翼、ピ ッチエレベーター ヘリコプター製造 複合材料 EU 域外国における バリューチェーン との統合が進んで いること 軍用輸送機および ヘリコプターの製 造 軍備品 航空機のための資 金調達 ヘリコプター 出所:欧州委員会「欧州における航空宇宙産業の競争力調査報告書」 1.2 航空産業統計 欧州航空宇宙防衛工業会(ASD:AeroSpace and Defence Industries Association of Europe) 11 によれば、2010 年の欧州における航空宇宙・防衛産業の売上高は前年比 5%増の約 1,629 億ユー ロに上り、軍事と民生の比率はおよそ 6:4 となっている。過去 5 年の実績をみると、航空(軍事 および民間) 、宇宙および陸海防衛の 3 分野すべてほぼ毎年着実に成長しており、同産業全体の売 上高は 2005 年(1,149 億ユーロ)に比べ約 42%増となっている。また航空産業をみると、2010 年の売上高は約 1,006 億ユーロ、 うち民間航空分野は 599 億ユーロとその約 6 割を占める (図 5) 。 図 5: 欧州における航空宇宙産業の売上高の推移(2005~2010 年) (10億ユーロ) 200 陸海防衛 宇宙 航空(民生および軍事) 150 100 50 26.5 6.8 27.8 7.2 45.5 29.1 34.3 8.6 7.4 8.8 46.8 9.4 90.5 94.5 97.3 100.4 106.6 81.6 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 0 出所: 欧州航空宇宙防衛工業会「ASD Facts and Figures 2010」 http://www.asd-europe.org/site/fileadmin/images/publications_thumbs/FF2010.pdf また、航空宇宙・防衛産業の直接雇用者数は 70 万人を超えるが、航空産業では約 46 万人であ 11 http://www.asd-europe.org 9 Copyright © 2012 JETRO. All rights reserved. り、フランス、英国およびドイツに集中し、全体の約 7 割を占める(図 6) 。なお、ASD の統計で は欧州を EU 加盟 17 カ国(オーストリア、ベルギー、ブルガリア、チェコ、デンマーク、フラン ス、フィンランド、ドイツ、ギリシャ、イタリア、アイルランド、オランダ、ポーランド、ポル トガル、スペイン、スウェーデンおよび英国)に加え、ノルウェー、スイスおよびトルコとして いる。 図 6: 欧州航空産業における雇用の国別内訳(2010 年) スウェーデン, 7.9 その他 オランダ, 13 38.2 ポーランド, 13.3 (卖位:1,000人) フランス 143 スペイン, 25.8 欧州 458.7 イタリア, 35.5 ドイツ 88.7 英国 93.3 出所: 欧州航空宇宙防衛工業会「ASD Facts and Figures 2010」 図 7: EU における民間航空機分野による生産額の推移(2005~2010 年) (億ユーロ) 600 584.9 550 500 521.7 514.9 514.3 2007年 2008年 2009年 490.9 461.8 450 400 350 300 2005年 2006年 2010年 出所: 欧州連合統計局資料を基に作成 http://epp.eurostat.ec.europa.eu/portal/page/portal/prodcom/data/tables_excel 続いて EU の民間航空分野における生産額をみると、2010 年は約 584.9 億ユーロ(前年比 14% 10 Copyright © 2012 JETRO. All rights reserved. 増)を記録し、2005 年(490.9 億ユーロ)比 19%増と大きな成長をみせた(図 7)。これら生産 額の内訳をみると、2010 年には「航空機部品(プロペラ、ローター、着陸装置を除く)」の生産 額が最も多く、約 230 億ユーロと全体の約 4 割を占めた。これに続くのは「自重 1 万 5,000 キロ を超える民間用航空機(80 億ユーロ) 」 、 「ターボジェットおよびターボプロペラの部品(61 億ユ ーロ) 」 、 「宇宙船、人工衛星および打上げ機(48 億ユーロ)」、 「ターボジェットおよびターボプロ ペラ(43 億ユーロ) 」である。これら上位 5 品目は多尐の順位の入れ替わりはあるものの、2006 年からは常にトップ 5 に入っており生産額もある程度安定している。大きな変動がみられたのは、 「自重 1 万 5,000 キロを超える民間用航空機」で、2010 年は前年比倍増であった。 表 3: EU における民間航空機分野による生産額の主な内訳(2005~2010 年) (卖位:1,000 ユーロ) Prodcom Code 30305090 30303400 30301600 30304000 30301200 30303100 30303300 30306030 30305010 30305050 その他 計 2005 年 2006 年 2007 年 2008 年 2009 年 2010 年 17,397,469 6,201,776 6,135,878 3,145,856 (R)3,211,547 (R)2,480,837 5,825,329 1,308,032 19,068,328 4,787,079 5,891,607 3,115,836 (R)3,796,134 2,751,122 2,610,310 1,252,509 (R)20,400,000 (R)5,526,000 7,250,296 (R)3,540,000 (R)4,597,241 3,102,932 2,913,150 1,397,137 1,033,226 2,347,332 49,087,282 1,049,340 1,857,819 46,180,084 1,138,437 2,309,307 52,174,501 (R)20,400,000 (R)4,000,000 6,434,292 (R)4,500,000 4,074,159 3,677,662 2,728,550 1,334,001 (E)1,253,290 1,175,564 1,916,208 51,493,727 (R)21,900,000 (R)4,000,000 5,804,595 (R)4,200,000 4,124,105 3,676,831 2,395,990 1,360,631 1,104,834 1,036,002 1,827,490 51,430,477 22,994,555 (R)8,000,000 (R)6,045,729 4,800,000 4,330,963 3,461,262 3,260,327 1,444,076 1,280,940 1,108,522 1,762,828 58,489,202 (注) R: 端数処理 30305090: 30303400: 30301600: 30304000: 30301200: 30303100: 30303300: 30306030: 30305010: 30305050: E: 推定値 航空機の部品でプロペラ、ローター、着陸装置を除く (民間用) 民間用飛行機およびその他航空機で自重が 1 万 5,000 キロを超えるもの 民間用航空機のターボジェットあるいはターボプロペラの部品 民間用宇宙船、人工衛星、打上げ機 民間用ターボジェットおよびターボプロペラ 民間用ヘリコプター 民間用飛行機およびその他航空機で自重が 2,000 キロを超え 1 万 5,000 キロ以下のもの 民間航空機エンジンの整備 航空機の座席、その部品 飛行船、グライダー、ハンググライダーおよびその他非動力式航空機、ヘリコプター、 飛 行機、 宇宙船および宇宙船打上げ機用の着陸装置およびその部品(民間用) 出所: 欧州連合統計局資料を基に作成 http://epp.eurostat.ec.europa.eu/portal/page/portal/prodcom/data/tables_excel さらに国別の内訳をみてみると(表 4)、ドイツ、フランス、英国、イタリアにおける生産が目 立ちこれをスペインが追う図式が顕著であり、航空産業が地域的にも集中していることがみてと れる。また、品目内容をみると「民間用航空機部品(プロペラ、ローター、着陸装置を除く) 」は 多くの国で最も生産額の大きい品目となっている。 EU で生産額が最も大きいドイツでは航空宇宙産業の生産額の 8 割ほど、約 93 億ユーロが「航 空機部品(プロペラ、ローター、着陸装置を除く) 」となり、これは EU 生産額の約 4 割に相当す 11 Copyright © 2012 JETRO. All rights reserved. る。ドイツに続く航空機部品の生産額(65 億ユーロ)を記録したのは英国であり、航空宇宙産業 の生産額の約 8 割に相当し、この両国で EU 生産額の 7 割近くを占めることになる。イタリアでも 航空機部品の生産額(21 億ユーロ)が最も大きいが、全体への比率は約 5 割と比重はやや低くな る。スペインの航空機部品の生産額は 15 億ユーロで、17 億ユーロのフランスに続く規模となる。 一方、フランスでは「民間用宇宙船、人工衛星、打上げ機」の生産額(41 億ユーロ)が全体の約 半分を占め、これに「民間用航空機のターボジェットあるいはターボプロペラの部品」(20 億ユ ーロ) 、航空機部品が続く。 「民間用航空機のターボジェットあるいはターボプロペラの部品」では、上位 4 カ国の生産額 (49 億ユーロ)が EU 全体の 8 割に相当しており、特にフランス、ドイツでの規模が大きく、英 国およびイタリアはその 3 分の 1 以下に過ぎない。また「航空機の座席およびその部品」では、 フランスと英国の生産額が EU 全体(13 億ユーロ)の約 6 割に相当する。 「民間航空機用の火花点 火レシプロ式またはロータリー式内部燃焼機関の部品」でも、フランスと英国の生産額が EU 全体 (9,900 万ユーロ)の 4 割に相当する。 ただし、生産額を公表していない国も多く、スウェーデンなどは「非公開」か「0」で全く数値 を明らかにしていない。また「民間用推進エンジン」についてはフランス、英国およびイタリア が「非公開」とするなど、品目によっても「非公開」として数値を公表していない場合も多い。 12 Copyright © 2012 JETRO. All rights reserved. 表 4: EU における航空宇宙産業の生産額(品目別、2010 年) (卖位:1,000 ユーロ) Prodcom Code 30305090 30303400 30301600 30304000 30301200 30303100 30303300 30306030 30305010 30305050 30306070 30301300 品目内容 航空機の部品でプロペラ、ロー ター、着陸装置を除く (民間 用) 民間用飛行機およびその他航 空機で自重が 1 万 5,000 キロを 超えるもの 民間用航空機のターボジェッ トあるいはターボプロペラの 部品 民間用宇宙船、人工衛星、打上 げ機 民間用ターボジェットおよび ターボプロペラ 民間用ヘリコプター 民間用飛行機およびその他航 空機で自重が 2,000 キロを超え 1 万 5,000 キロ以下のもの 民間航空機エンジンの整備 航空機の座席、その部品 飛行船、グライダー、ハンググ ライダーおよびその他非動力 式航空機、ヘリコプター、 飛 行機、 宇宙船および宇宙船打 上げ機用の着陸装置およびそ の部品(民間用) 民間用飛行機 およびほかの航 空機 (ヘリコプター、航空機 エンジンを除く)の整備 反動推進エンジン, 民間用 (ラムジェット、パルスジェッ トおよびロケットエンジン含 む) (ターボジェット、動力装 置を備えた誘導ミサイル除く) EU27 カ国 ドイツ フランス 英国 イタリア スペイン オランダ ポーランド フィンランド 22,994,555 9,272,022 1,777,865 6,526,616 2,135,390 1,515,466 467,046 123,896 140,000 (R)8,000,00 0 - :C - - - - - - 6,045,729 1,860,120 2,043,299 474,139 482,359 :C :C 325,341 - (R)4,800,00 0 4,330,963 - 4,064,837 :C 248,998 - - - - :C :C :C 348,167 - - :C - 3,461,262 3,260,327 :C - :C :C - :C 113,532 :C - - :C - - 1,444,076 1,280,940 1,108,522 :C :C :C 299,271 537,090 :C 448,925 464,038 :C 1,444 :C :C :C :C :C :C :C - 746,693 28,435 72,349 37,640 532,991 :C - :C - (E)265,234 - CE :C :C - - - - 13 Copyright © 2012 JETRO. All rights reserved. Prodcom Code 30301400 30306050 30305030 30301500 30303200 30301100 30302000 計 品目内容 民間用地上飛行訓練機および その部品 民間用ヘリコプターの整備 飛行船、グライダーおよびその 他非動力式航空機, ヘリコプ ター および 飛行機用のプロ ペラおよびローターとその部 品(民間用) 民間航空機用の火花点火レシ プロ式またはロータリー式内 部燃焼機関の部品 民間用飛行機およびその他航 空機で自重が 2,000 キロ以下の もの 民間用航空機の火花点火内燃 機関 民間用の気球、飛行船およびそ の他非動力式航空機、(観測用、 測風および測雲気球、気象観測 用カイトおよび類似品を含む) EU27 カ国 ドイツ フランス 英国 イタリア スペイン オランダ ポーランド フィンランド 202,487 :C 34,087 :C - :C :C - - 162,769 109,474 :C :C :C 25,547 135,191 :C :C - - :C :C - 99,306 - 19,134 21,829 :C :C :C :C - 89,028 29,055 :C :C :C - - 3,098 - (R)60,000 - :C - 466 - - :C - 27,837 12,552 - :C 164 :C - :C - 58,489,202 11,202,184 8,847,932 7,998,734 3,998,702 1,515,466 467,046 452,335 140,000 (注):C=非公開 :CE=非公開推定値 R: 端数処理 E: 推定値 出所: 欧州統計局(http://epp.eurostat.ec.europa.eu/portal/page/portal/prodcom/data/tables_excel) 14 Copyright © 2012 JETRO. All rights reserved. 1.3 貿易統計 貿易黒字が続く欧州航空産業 EU における航空宇宙産業の貿易統計をみると、2005 年から連続して輸出額が輸入額を上回って おり、貿易黒字が続いている(表 5) 。輸入額は 2006 年に大きな落ち込みをみせたものの、2007 年からは着実な増加傾向にあり、2010 年には 680 億ユーロに及んでいる。輸出額は 2005 年から 続いた成長が 2009 年に途切れたものの 2010 年には大きく回復し、820 億ユーロと 800 億の大台 に乗っている。なお分類には HS コードを利用し、第 88 類「航空機、宇宙船およびその部品」の 輸出入額総計となっている。 表 5: EU における航空機、宇宙船およびその部品の輸出入額の推移(2005~2010 年) (卖位:1,000 ユーロ) 2005 年 2006 年 2007 年 2008 年 2009 年 2010 年 61,501,231 56,855,189 60,385,957 62,562,253 63,887,605 68,063,718 EU 域内 27,118,083 33,448,872 34,511,891 35,805,513 35,895,796 37,798,444 EU 域外 34,383,148 23,406,317 25,874,066 26,756,740 27,991,809 30,265,274 66,633,875 67,346,328 67,588,753 75,412,293 73,877,404 82,193,138 EU 域内 28,913,748 35,127,518 34,582,816 37,595,791 38,534,967 39,746,080 EU 域外 37,720,127 32,218,810 33,005,937 37,816,502 35,342,437 42,447,058 輸入額 輸出額 出所:欧州統計局資料を基に作成 図 8: EU における航空機、宇宙船およびその部品の輸入高の推移(2005~2010 年) (1,000ユーロ) (1,000ユーロ) 40,000,000 EU域内 (左目盛) EU域外 (左目盛) 輸入額 70,000,000 (右目盛) 30,000,000 65,000,000 20,000,000 60,000,000 10,000,000 55,000,000 0 50,000,000 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 出所:欧州統計局資料を基に作成 15 Copyright © 2012 JETRO. All rights reserved. EU 域内での活発な交易 輸出入先に注目すると、輸出入額のいずれにおいても EU 域内の占める割合は全体の半分ほど (輸入先では 2010 年で 56%、輸出先では同 48%)と非常に高く、EU 域内で活発に航空機やその 部品が取引されていることがうかがえる(図 8、図 9)。また、2006 年に輸入額が大きな落ち込 みをみせたが、これは EU 域外からの輸入額の下落が大きく影響しており、EU 域内の輸入額は一 貫して微増傾向にある。なお、EU 域外からの輸入額は 2007 年より回復し緩やかな増加をみせて いる。輸出額の変動をみると、輸入額ほどには EU 域内外の差異はみられず、2006 年以降はほぼ 1: 1 の比率で推移している。 図 9: EU における航空機、宇宙船およびその部品の輸出高の推移(2005~2010 年) (1,000ユーロ) (1,000ユーロ) 50,000,000 EU域内 EU域外 (左目盛) (左目盛) 輸出額 90,000,000 (右目盛) 40,000,000 80,000,000 30,000,000 70,000,000 20,000,000 60,000,000 10,000,000 0 50,000,000 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 出所:欧州統計局資料を基に作成 次に 2010 年の EU における航空機、宇宙船およびその部品の輸出入額の内訳をみる。上位品目 の顔ぶれは輸出入とも同じである(表 6、表 7) 。輸出入の上位 3 品目は、「航空機、宇宙船およ び宇宙船打上げ機」「航空機および宇宙船の部品」「航空機用部品」であるが、部品よりも完成品 の輸出入の規模が大きく、全体の 6 割強を占めている(輸入額 412 億ユーロ、輸出額は 551 億ユ ーロ) 。航空機および宇宙船の部品(品目コード 8803 および 88WW)の輸入額は 263 億ユーロ、 輸出額 255 億ユーロとなる。 表 6: EU における航空機、宇宙船およびその部品輸入額の主な内訳(2010 年) (卖位:1,000 ユーロ) HS コード 8802 88WW 品目内容 動力式航空機(ヘリコプターおよび飛行機など) 、並びに宇宙船(人工 衛星含む)および宇宙船打上げ機 第 8801 項または 8802 項の航空機および宇宙船の部品、その他別項に 特記のないもの 航空機用部品 88MM 類レベルでのみ分類される貿易 8803 輸入額 41,205,140 24,627,974 1,646,887 351,895 16 Copyright © 2012 JETRO. All rights reserved. 8805 8804 8801 88SS 航空機射出装置(グライダー射出用のモーターウィンチを除く) 、並び に着艦拘束制動装置その他これに類する装置および地上飛行訓練機並 びにこれらの部品、その他別項に特記のないもの 落下傘(可動式落下傘およびパラグライダーを含む) 、およびロートシ ュート並びにこれらの部品および付属品 気球および飛行船、並びにグライダー、ハンググライダーその他非動 力式航空機 第 88 類の非公開貿易 計 167,210 53,503 10,636 472 68,063,718 表 7: EU における航空機、宇宙船およびその部品輸出額の主な内訳(2010 年) (卖位:1,000 ユーロ) HS コード 8802 88WW 品目内容 動力式航空機(ヘリコプターおよび飛行機など) 、並びに宇宙船(人工 衛星含む)および宇宙船打上げ機 第 8801 項または 8802 項の航空機および宇宙船の部品、その他別項に 特記のないもの 航空機用部品 88SS 第 88 類の非公開貿易 630,451 88MM 類レベルでのみ分類される貿易 360,035 8805 航空機射出装置(グライダー射出用のモーターウィンチを除く) 、並び に着艦拘束制動装置その他これに類する装置および地上飛行訓練機並 びにこれらの部品、その他別項に特記のないもの 落下傘(可動式落下傘およびパラグライダーを含む) 、およびロートシ ュート並びにこれらの部品および付属品 気球および飛行船、並びにグライダー、ハンググライダーその他非動 力式航空機 8803 8804 8801 (注)計 輸出額 55,089,815 24,370,025 1,116,335 294,974 64,183 26,774 82,193,138 出所:欧州統計局資料を基に作成 (注)非公表となっている品目も含まれているため、各品目の輸出額の合計と一致しない。 EU 域内では主要 5 カ国による輸出入が集中 さらに、EU の 2010 年における主な輸出入相手国を EU 域内、域外でみてみると、域内では輸出 入ともフランスがトップとなり、輸入では総額の約 4 割(151 億ユーロ) 、輸出では 3 割強(139 億ユーロ)を占めている。以下、主要生産国であるドイツ、英国、スペインおよびイタリアが続 く。生産高と同様にこれら 5 カ国とその他の加盟国の差は大きく、6 位に相当する国の輸出入額 は第 5 位であるイタリアの輸出入額の半分以下の水準にとどまっている。なお、EU における対イ タリア輸出入額が、イタリアの生産高に比して尐ないのは、域外国との結びつきが強いという同 国の特徴によるものと考えられる。 EU 域外では米国が圧倒的な貿易相手国に EU 域外では、輸入額では米国からの 117 億ユーロが他を圧倒しており、輸入総額(303 億ユー ロ)の約 3 分の 1 を占めている。続いてカナダ(12 億ユーロ) 、ブラジル(9 億 3,170 万ユーロ) と主要な航空機メーカーを抱える国のあとに、EU と地理的に近いスイス(8 億 2,700 万ユーロ) 、 EU にとって重要な市場であるオーストラリア(1 億 4,310 万ユーロ)、続いて日本(1 億 3,900 万 ユーロ)が第 6 位につけている。輸出額をみると、ここでも首位は米国(58 億ユーロ)となるが、 17 Copyright © 2012 JETRO. All rights reserved. 輸出総額(424 億ユーロ)の約 1 割とその比重は低くなる。なお、欧州委員会通商総局によれば EU の民間航空産業による 2010 年の輸出額は約 465 億ユーロ、輸入額は約 296 億ユーロ(いずれ も推定値)となる。主な貿易相手国は EU における重要性という観点からの降順で中国、UAE、米 国、サウジアラビア、シンガポールおよびオーストラリアとしている12。このため下表では、輸出 入額それぞれ上位 10 カ国に加え、これら主要相手国(上位 10 カ国に含まれていない場合)の数 値を示した。 表 8: EU における航空機、宇宙船およびその部品の主な輸出入相手国(2010 年) (卖位:1,000 ユーロ) 輸入総額 68,063,718 輸出総額 EU 域内 37,798,444 EU 域内 82,193,138 39,746,080 フランス 15,127,565 フランス 13,939,545 ドイツ 11,909,525 ドイツ 12,172,826 英国 5,375,392 英国 2,711,707 スペイン 1,066,209 スペイン 1,520,738 イタリア 831,370 イタリア 1,299,449 アイルランド 416,825 オランダ 379,373 ベルギー 410,905 オーストリア 378,697 オランダ 290,133 アイルランド 327,952 オーストリア 254,995 フィンランド 319,424 ポルトガル 112,365 ハンガリー 290,940 EU 域外 第三国との貿易の枠組 み内で特定されない国 および地域 米国 30,265,274 EU 域外 42,447,058 13,597,251 米国 5,800,958 第三国との貿易の枠組 み内で特定されない国 および地域 11,712,207 域内貿易の枠組みで特 定されない国および地域 カナダ 1,531,289 中国 域内貿易の枠組みで特 定されない国および地域 UAE 1,247,215 5,716,535 5,011,633 4,616,813 ブラジル 931,679 スイス 827,070 サウジアラビア 1,977,628 オーストラリア 143,148 シンガポール 1,655,468 日本 139,008 スイス 1,566,820 中国 126,567 ブラジル 1,385,600 单アフリカ 112,715 オーストラリア 1,358,900 ロシア 104,737 ロシア 1,329,140 UAE 102,362 インド 1,040,491 サウジアラビア 79,026 シンガポール 36,379 日本 2,485,396 171,679 出所:欧州統計局資料を基に作成 12 http://ec.europa.eu/trade/creating-opportunities/economic-sectors/industrial-goods/civilaviation/ 18 Copyright © 2012 JETRO. All rights reserved. EU が重視する貿易相手 7 カ国との貿易額推移 続いて、 EU が重要視する貿易相手国と日本を加えた 7 カ国からの EU の輸入額の推移をみると、 米国からの輸入額が突出している。日本からの輸入額は 2008 年をピークに減尐が続き、2010 年 には 1 億 3,900 万ユーロに落ち込み、1 億ユーロ前後で推移していた中国にその差を詰められつ つある。他方、大きな伸びをみせたのは、オーストラリアからの輸入額であり、2007 年から 2010 年までの増加額は 1 億ユーロにものぼる。UAE からの輸入額も 2010 年に 1 億ユーロを超したが、 変動が大きく着実な増加傾向とは言い難い。同様にサウジアラビアも 2010 年には対前年比で 10 倍と大きく伸びをみせたが、2006 年からの推移は変動が激しい。シンガポールも同様に振れ幅が 大きい。 表 9: EU における航空機、宇宙船およびその部品輸入額の相手国別の推移(2006~2010 年) (卖位:1,000 ユーロ) 貿易相手国 2006 年 2007 年 2008 年 2009 年 2010 年 17,567,328 12,657,739 12,811,292 13,099,595 11,712,207 89,773 42,311 66,607 142,697 143,148 日本 185,051 112,549 207,286 167,957 139,008 中国 120,793 103,283 98,355 115,041 126,567 UAE 115,663 54,045 56,919 26,243 102,362 サウジアラビア 108,510 9,983 20,618 7,879 79,026 51,057 34,901 44,238 79,804 36,379 米国 オーストラリア シンガポール 図 10: EU における航空機、宇宙船およびその部品輸入額の相手国別の推移(2006~2010 年) (1,000ユーロ) 250,000 オーストラリア 日本 中国 UAE サウジアラビア シンガポール (1,000ユーロ) 20,000,000 米国(右目盛) 200,000 15,000,000 150,000 10,000,000 100,000 5,000,000 50,000 0 0 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 出所:欧州統計局資料を基に作成 さらに、これら 7 カ国への輸出額をみると、米国の輸出額が最も大きいが、減尐傾向にある。 以下、中国、UAE、サウジアラビア、シンガポール、オーストラリアの順(2010 年)となってい る。対日輸出額はこれらに比べ規模が非常に小さく、緩やかな減尐傾向にある。 19 Copyright © 2012 JETRO. All rights reserved. 表 10: EU における航空機、宇宙船およびその部品輸出額の相手国別の推移(2006~2010 年) 貿易相手国 2006 年 2007 年 2008 年 2009 年 2010 年 米国 9,973,230 7,375,100 6,988,110 6,737,852 5,800,958 中国 4,441,798 4,033,742 4,119,689 3,412,290 5,011,633 UAE 1,423,134 1,246,082 1,582,290 1,371,889 2,485,396 サウジアラビア 244,712 87,209 308,226 591,135 1,977,628 シンガポール 522,633 430,784 1,081,943 1,702,815 1,655,468 オーストラリア 414,131 377,002 1,409,580 1,045,351 1,358,900 日本 651,652 496,949 296,702 237,123 171,679 図 11: EU における航空機、宇宙船およびその部品輸出額の相手国別の推移(2006~2010 年) (1,000ユーロ) 12,000 10,000 (1,000ユーロ) 米国 UAE オーストラリア 日本(右目盛) 中国 2,500 シンガポール サウジアラビア(右目盛) 2,000 8,000 1,500 6,000 1,000 4,000 500 2,000 0 0 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 出所:欧州統計局資料を基に作成 1.4 市場動向 2008 年の金融危機に端を発する世界的な不況は航空産業にも影響を与えたが、回復は予想され たよりも早く、2010 年から航空交通量や航空会社の利益は堅実な回復をみせている。特に中・大 型機はリージョナル機に比べ、不況の影響は小さいものとみられている。一例を挙げればエアバ スが前年に続き 2011 年も好調な売上を記録しており、総受注数は 1,608 機、キャンセルなどを考 慮した 12 カ月の純受注数は 1,419 機とともに過去最高記録を更新している。好業績の主要因は卖 通路航空機の A320neo で、航空会社やリース企業との主要な契約締結が相次いだためである。ま た大型旅客機の A380 も香港航空、韓国のアシアナ航空、日本のスカイマークなど新規顧客からの 受注、カタール航空からの再注文などにより受注数が拡大している。 20 Copyright © 2012 JETRO. All rights reserved. 市場予測(中・大型商用機) また、エアバスが 2011 年 9 月に発表した 2011-2030 年の世界市場予測13によれば、新興・成熟 市場それぞれにおいて航空便へのアクセスが大幅に向上することから、今後 20 年の間に世界の航 空交通量の倍増が予想されている。この需要に応えるには新たに 2 万 6,921 機の旅客機(100 席 以上の中・大型商用機)が必要となり、市場規模は 3 兆 3,000 億ドルに拡大、年間平均需要数は 1,350 機と推定している(輸送機は 900 機の需要を予測)。さらに、リージョナル機(19~100 席 のジェット機およびターボプロップ機)については、特に米国および欧州での需要が伸びるとし、 全世界で同時期に 5,000 機の需要を予測している。 エアバスはこの 2030 年までの旅客機需要の内訳(図 12)を、①卖通路型航空機(100~210 席) 、 ②複数通路型航空機(250~400 席) 、③超大型航空機(400 席超)に大別している。また、①と② は座席数によってさらに次のように細別している。すなわち、①は 100 席から 25 席刻みで 175 席 以上までの 4 カテゴリーに分かれ、さらに 210 席以上という計 5 カテゴリーが存在する。②は 250 席から 50 席刻みで 400 席までの 4 カテゴリーが存在するが、これを 250~350 席の小型複数通路 型航空機、350~400 席の中型複数通路型航空機と分類している。これらの分類を基に需要の動向 を次に概説する。 現在稼働中の航空機の約 8 割を占める卖通路型航空機(100~210 席)が、将来的にもその需要 数(1 万 9,165 機、71%) 、価値(43%)において依然として非常に大きな割合を占めている。さ らにこの内訳をみると 150 席のカテゴリーが主流(6,430 機)となるが、175 席、210 席といった より大きなカテゴリーの航空機も納入数の拡大が予測されている(計 7,500 機) 。 複数通路型航空機(250~400 席)では、アジア地域が牽引役となり今後 20 年間の需要倍増が 予想されている(小型複数通路航空機が 4,518 機、中型が 1,907 機で計 6,425 機) 。また、この予 測需要の 70%が 250 席および 300 席のカテゴリー(4,500 機)とみられている。 超大型航空機(400 席超)もアジア地域の経済成長、航空交通量の増加が予測されることから、 約 1,300 機の需要のうち、その 45%がアジア地域への納入と予想されている。なお、エアバスは 昨年度もほぼ同様の数値を予想していたが、航空機の平均サイズはより大きくなっている。 13 http://www.airbus.com/company/market/forecast/passenger-aircraft-market-forecast/ 21 Copyright © 2012 JETRO. All rights reserved. 図 12: 2030 年までの旅客機への需要 旅客機の需要(機数による内訳) 中型複数通 路航空機, 1,907機, (7%) 小型複数通 路航空機, 4,518機, (17%) 旅客機の需要(価値による内訳) 超大型 航空機, 1,331機, (5%) 超大型 航空機 (14%) 中型複数通 路航空機 (15%) 卖通路 航空機, 19,165機, (71%) 卖通路 航空機 (43%) 小型複数通 路航空機 (28%) 出所:エアバス「2011-2030 年の世界市場予測」 旅客機の需要要因としては、富裕層を伴う人口の増加や新興経済の台頭、都市化の進展や長距 離線の 1 日乗降客が 1 万人を超えるメガシティの増加などが挙げられている。さらに、格安航空 会社の事業拡大や北米や欧州といった成熟市場の継続した成長も一因である。また、この 20 年間 における最大の需要は、米国、中国およびドイツの航空会社からの受注によるものと予想されて いる。欧州は米国(22%)と並び、旅客機納入需要予想の 22%を占め、アジア太平洋地域(34%) に次ぐ市場である。 また、今後の技術革新の方向性として、航空機重量の軽減や燃費の改善が促進され、エコな航 空機の開発が進められると指摘している。特に石油価格上昇によるリスクを軽減する意味でも、 燃費の向上は大きな課題となっており、代替燃料の検討も進んでいる。例えばルフトハンザ航空 などはデータ収集目的のテスト飛行ではあるが、既にバイオ燃料を定期航空便に利用している。 さらに生産性向上の点からも、1 席あたりのコスト削減が進められると予測している。これまで に大きく改善された搭乗率(2011 年時点で 75%超)も、より緩やかなペースであるが引き続き向 上が期待されているほか、座席定員数も増加傾向が予想されている。2030 年までの航空交通量増 加 4.8%のうち、0.7 ポイントは 1 席あたりの有償旅客キロ(Revenue Passenger Kilometers)の 改善によるものとしている。残り 4.1 ポイントは座席定員数拡大によるものであり、うち 1.2 ポ イントは航空機のサイズ拡大、残りが航空機数の増加によるものと予測している。 市場予測(エンジン) ロールスロイスも同様に世界市場の拡大を想定しており、2011 年 3 月に同社が発表した市場展 望14によれば、2010~2029 年までに納入される航空機は 6 万 3,000 機(輸送機を含む)15、市場規 14 15 http://www.rolls-royce.com/Images/outlook_mar2011_tcm92-28819.pdf うち卖通路(狭胴型)旅客機が 1 万 6,400 機、複数通路(広胴型)が 7,100 機、リージョナル機が 5,400 機、 ビジネスジェットが 3 万 2,900 機、輸送機が 800 機としている。 22 Copyright © 2012 JETRO. All rights reserved. 模は 3 兆 8,500 億ドルに相当するという。アジア太平洋地域が最大の市場となり、これに北米、 欧州市場が続くとしている。また市場自由化が進展すること、石油価格の高騰や排出権取引によ り燃料価格が上昇すること、新しい航空機に対する堅実な需要があることなどを今後 20 年におけ る主要な市場動向としている。なお、同社のエンジン需要予測は表 11 のとおりであり、ビジネス ジェットへの納入数が最も多いものの、納入額では複数通路航空機が最も大きくなる。 表 11: エンジン需要予測(2010~2029 年) セクター ビジネスジェット リージョナル機 卖通路航空機 複数通路航空機 輸送機 計 機数 69,000 11,900 36,100 16,900 2,100 136,000 金額(10 億ドル) 106 31 275 379 45 836 出所:ロールスロイス「市場展望」 また、2011 年 10 月ロールスロイスは IAE の再編と、P&W と提携して次世代の中型航空機向けエ ンジンの開発に当たることを発表した。これによれば、同社と P&W は合弁企業を設立し、今後 20 年間で約 2 万機(4 万 5,000 基のエンジン)の需要が予想される 120~230 席の次世代航空機向け のエンジンを開発することで合意した。両社は高バイパス比ギヤードターボファン技術への注力 を明らかにしているが、これはより低燃費のエンジン開発に向けた動きとなり、将来的にはター ボプロップ機との競合を指摘する向きもある。さらに、先進ギヤードエンジンやオープンロータ ー、先進的な構造など次世代の推進システムの研究にも取り組む予定である。 市場予測(リージョナル機) リージョナル機の市場では、不況の影響を受け 2008~2009 年と低迷が続いたが、2010 年より 回復基調に向かっている。過去 10 年間に大きく成長した 50 席ジェット機は全盛期を過ぎ、大半 のメーカーがその製造を終了しているが、100 席以下のリージョナル機市場はこれまでになく拡 大傾向にある。その背景には新興市場における航空交通量の増加、成熟市場での買い替え需要が あると指摘されている。ATR も例外ではなく、2011 年に過去最高の売上を記録している。この成 長要因として ATR は、これまでジェット機が主流であった 90 席規模の航空機セグメントでの成功 を挙げている。すなわち、石油価格の高騰によりターボプロップ機の燃費の良さが見直されたこ と、またジェット機に比べ乗り心地が悪かった点が技術革新によって改善されたことなどから、 ジェット機からターボプロップ機へトレンドが転換し、同社への追い風になったという。 なお、米国の航空宇宙・防衛産業の調査機関 Forecast International による市場予測(2011 年 11 月発表)に関する報道によれば、2011~2020 年に約 4,200 機のリージョナル機が製造され、 市場規模は 1,300 億ドルに及ぶが、依然としてボンバルディア、エンブラエルおよび ATR が市場 の主要プレイヤーの座を占めるという。またジェット機とターボプロップ機の区分でみると、ジ 23 Copyright © 2012 JETRO. All rights reserved. ェット機が市場全体の約 60%を占めるとみられている16。なお、ATR が 2010 年 3 月に発表した市 場予測(2010~2029 年)17によれば、この 20 年間におけるリージョナル機の需要は 7,400 機(う ちジェット機は 4,450 機、ターボプロップ 2,950 機)であり、いずれも 61 席以上のカテゴリーに おける需要が大きく、リージョナル機大型化の傾向が読み取れる(図 13) 。 またジェット機が全体に占める割合は 60%と、同社の 2000 年当初の予測(85%)よりも 15 ポイ ントもシェアを落としており、ターボプロップ機の需要が増加していることがわかる。特に、61 ~90 席のカテゴリーでは定員座席数の拡大によりターボプロップ機がジェット機を追い越すもの とみられている。 図 13: リージョナル機の市場予測(2010~2029 年) ターボプロップ機の需要 (座席数による内訳) ジェット機の需要 (座席数による内訳) 30~60席, 300機 30~60席, 550機 91~121席, 1,150機 61~90席, 1,100機 91~121席, 3,050機 61~90席, 1,250機 出所:ATR「市場予測」 燃料価格の高騰や、高速鉄道や格安航空会社の参入による競争激化など厳しい経済状況下にお いて、リージョナル航空会社は収益性の確保に奔走している。また、最大のリージョナル市場で ある北米では、主要航空会社がコスト削減の観点から関連リージョナル航空会社との契約見直し を図っており、リージョナル航路の収益性を支えてきた、航行距離や乗客数を考慮せず出発便数 のみをベースに支払われてきた料金体系(Fee per departure)もその対象となっている。このた め、ジェット機に比べ燃費が低いターボプロップ機を導入し、コストを削減してマージンの確保 にあたる傾向がみられる。このように顧客先であるリージョナル航空会社が過渡期にあるため、 リージョナル機市場も同様に過渡、変貌の時代にあり、今後の動向が注目されている。 航空機メーカーとサプライヤーの関係性 ここまで航空機メーカーの観点から市場動向をみてきたが、航空機メーカーとサプライヤーの関 係性について近年の動向を概説する。コストを削減し、収益性を向上するために、あるいはコア ビジネスへの注力を目的にと、航空機メーカーはサプライヤーとの関係性を変化させつつある。 16 17 http://www.aero-news.net/index.cfm?do=main.textpost&id=54875909-663b-48af-896a-e95de49118d7 http://www.atraircraft.com/media/downloads/Regional%20Market%20Outlook%202010-2029.pdf 24 Copyright © 2012 JETRO. All rights reserved. まず、航空機の製造におけるグローバル化や外注は加速度的に増加している。コスト削減やコア ビジネスへの注力、さらには市場投入までの期間短縮を目指すためだが、エアバスなどは構成部 品を世界中から調達しており、欧州のサプライヤー企業を利用し、フランスで最終組み立てを行 っている。また近年エアバスやボーイングは、自らを「航空機メーカー」というよりも「大規模 システムインテグレーター」としてとらえつつある。エアバスやボーイングは製造活動を中国や インド、マレーシアやシンガポール、その他アジア諸国といった低コスト国にシフトする動きを みせている。2012 年 1 月にはエアバスが韓国航空宇宙産業(KAI)を A320 の尾翼部品製造のサプ ライヤーに選んだとの報道があった。 また、航空機メーカーが航空機の全般的な設計、インテグレーションや最終組み立て、最終顧 客への納品といった自社の中核業務に専念するようになり、関連する技術がより複雑になるにつ れ、MRO(整備、修理および重整備)を効率的に行うための専門的なサービスが重視されてきてい る。このため自社で MRO を行う航空会社も減りつつある。また、航空機メーカーは Tier1 への外 注を増やし、Tier1 は「メーカーからの仕様に従って製造する受注形態(Build-to-Print) 」から 「設計から製造まで請け負う形態(Design to Build)」に移行している。 さらに機体メーカーと Tier1 サプライヤーは、関連するリスクを共有しながら、 「大規模システ ムインテグレーター」や「航空機製造のコーディネーター」へ変貌しつつある。つまり Tier1 へ の依存度や、サプライヤーとのリスク共有が高まりつつある。機体メーカーは内部での製造能力 よりもシステムインテグレーションに注力し、より尐ない数の Tier1 との取引を好む傾向にある。 Tier2、Tier3 でも同様にそのスリム化が進んでいる。 1.5 関連業界団体・組織 欧州の航空産業に関連する主な業界団体および組織についてその概要を下記にまとめる。業界 団体については、欧州航空宇宙防衛工業会(ASD:AeroSpace and Defence Industries Association of Europe)を頂点とし、その傘下に所属する各国の関連業界団体をとりあげた。これらに加え、 欧州における航空安全戦略を管轄する欧州航空安全局(EASA:European Aviation Safety Agency) 、 政府間組織である欧州民間航空会議(ECAC:European Civil Aviation Conference)を紹介する。 1.5.1 航空機器・部品産業に関連する業界団体 ① 欧州航空宇宙防衛工業会(ASD) ベルギーの首都、ブリュッセルに拠点を置く欧州航空宇宙防衛工業会(ASD)18は欧州における 航空、宇宙、防衛・セキュリティ産業を代表する業界団体であり、当該産業の振興、支援および 競争力強化を目的としている。また、欧州レベルで対処すべき産業活動や、国際的な問題に共同 で取り組み、アクションをとるほか、業界における共通の立場を策定する。 18 http://www.asd-europe.org/site/ 25 Copyright © 2012 JETRO. All rights reserved. ASD は欧州 20 カ国(EU から 17 カ国が参加しているのに加え、ノルウェー、スイスおよびトル コが参加)の 28 会員団体により構成されているが、これら会員団体のほとんどが、国内の航空宇 宙・防衛・セキュリティ産業を代表する業界団体である。なお、これら団体の多くが会員企業の ダイレクトリーを掲載している。ダイレクトリーの検索オプションには、企業の業務内容はもち ろんのこと、企業が参加している航空機開発プロジェクトが含まれていることもあり、エアバス の A380 や ATR42/72 を選択することで、サプライヤー企業を検索することも可能である。 表 12: 欧州における航空関連業界団体 国名 オーストリア ベルギー デンマーク フィンランド フランス 概要 Austrian Aeronautics Industries Group は 1999 年に設立されたオ ーストリア国内の航空産業グループであり、航空・サプライ・産業お よび航空機整備・サービス分野の事業・研究活動に従事する企業を代 表する。 Austrian Defence & Security Industry Group はオーストリア連邦 商業会議所によるコンソーシアムであり、軍事産業および関連サプラ イヤー企業、セキュリティ企業を支援する。 Belgian Security and Defence Industry は、ベルギーの防衛・セキ ュリティ産業を支援し、その利益を代表する業界団体であり、1989 年に設立された。 Groupement Belge des Constructeurs de Materiel Aerospatial , Groepering van de Belgische Constructeurs van Materiaal voor Aeronautica は 1952 年に設立されたベルギーの航空産業を代表する 業界団体である。 Forsvars- & Aerospaceindustrien i Danmark は、デンマークの防衛・ セキュリティ産業界を代表する業界団体であり、防衛・航空宇宙産業 に関連するすべての事項の中心的な役割を果たす。また、ネットワー キングや協力、調整の場としても機能し、同産業界に関する情報や助 言を求める顧客や関係者にとっては、重要なコンタクトポイントとな っている。また、同産業の輸出を振興するほか、影響を及ぼす政策の 策定に積極的に関与する。 Association of Finnish Defence and Aerospace Industries はフィ ンランドの防衛、航空宇宙およびセキュリティ産業を代表する業界団 体であり、会員企業は約 100 社に及び、国内の防衛関連産業はほぼ網 羅されている。また、フィンランド技術産業界(FTI)の支部でもあ り、国内外で利害グループとして活動する。さらに、国内外のネット ワークのためのプラットフォームの場をも提供している。 フランスの武器産業界を代表する Conseil des industries de défens は 1990 年に設立された。現在、GIFAS(下記) 、GICAT および Committee of GICAN Richelieu によって構成されている。フランスの防衛産業界 全体を代表し、またその振興を目的に共同してアクションをとる。さ らに国際機関におけるフランスの防衛産業界の代表という役割をも 担う。 フランスの航空宇宙産業を代表する業界団体である Groupement des Industries Françaises Aéronautiques et Spatiales は、会員企業 が 260 社を超え、主要なプライムコントラクターやシステムサプライ ヤーから小規模の専門企業を含む。これら企業の活動は、航空宇宙シ ステムおよび機器のデザイン、開発および製造から、保守および運用 までの全範囲にわたるうえ、民間・軍用航空機およびヘリコプターか ら、エンジンやミサイル、衛星、さらに防衛・セキュリティシステム・ 機器、潜水艦や関連するソフトウェアと多岐にわたる。 26 Copyright © 2012 JETRO. All rights reserved. (略称) AAI ADIG BSDI GEBECOMA FAD AFDA CIDEF GIFAS ドイツ ギリシャ アイルランド イタリア オランダ ポルトガル スペイン スウェーデン Bundesverbandes der Deutschen Sicherheitsund Verteidigungsindustrie はドイツ連邦のセキュリティおよび防衛産 業のための業界団体であり、その利益とビジネスを代表する。ドイツ のセキュリティ・防衛産業のコンタクトポイントとして機能するほ か、産業界と政界や社会、機関やメディアとの連携を図る。同産業界 の競争力および持続可能性の向上や、技術・ビジネスの地としてのド イツの地位向上を目指す。 Bundesverband der Deutschen Luft- und Raumfahrtindustrie は、 航空宇宙産業の業界団体として、190 社以上の会員企業を持つ。ドイ ツの航空宇宙産業は現在 247 億ユーロの売上高を達成し、直接雇用は 9 万 5,000 人を超える. Hellenic Aerospace & Defense Industries Group はギリシャの航空 宇宙・防衛産業を代表する業界団体で加盟企業は 26 社、約 8,000 人 の雇用に相当する。これを支えるのは多くのサプライヤー企業であ り、その大半は中小企業である。年間の国防契約(国内外)額は 6 億 8,000 万ユーロに及ぶ。国内防衛産業市場にとどまらず、国際的な防 衛産業製造業者との協力関係も構築している。 Federation of Aerospace Enterprises in Ireland はアイルランド の航空宇宙産業界を代表する業界団体である。同産業の重要性が政策 決定者に認められ、同産業のニーズが政策決定時に考慮されることを 目指す。また、産業界や政府、政府機関との連携を強化し、その利害 を調整し、対話の促進を行う。 Federazione Aziende Italilane Per L’Aerospazio, La Difesa e La Sicurezza はイタリアの航空宇宙、防衛およびセキュリティ産業を代 表する業界団体。民間および軍用の航空宇宙産業、陸海軍セクターを 対象とした先端技術、デザイン、製造および研究、サービス活動、ま たこれらセクターに関連する電子システムに従事する企業のほとん どが参加している。 Netherlands Aerospace Group は、世界市場で活動するオランダ航空 宇宙産業界を支援する産業団体である。教育や R&D、エンジニアリン グ、生産、MRO および関連する支援機能など広範な分野で卓越した企 業が参加しているため、産業界を代表して政府との折衝にあたった り、世界市場におけるコンタクト機能を果たすなどしている。 Stichting Nederlandse Industrie voor Veiligheid はオランダ防衛 産業製造者の業界団体として、国防省の調達および任務に対する、防 衛産業界の最善の関与を支援する。国内にとどまらず、政府間の協力 によって新興した市場や、(産業)参加やオフセット契約によって生 じた市場でも活動している。オランダの防衛産業市場は年間売上高 20 億ユーロの規模である。 Associação Industrial Portuguesa はポルトガルの産業界を代表す る団体として、産業界の国際化促進を担うほか、研修やコンサルティ ング、技術支援などを行う。 Associação das Enoresas de Defesa, Armamento e Novas Technologiass は防衛産業、および新兵器・技術の開発に関連する産 業の利益を代表する業界団体である。 2009 年に設立されたスペインの防衛・航空・宇宙産業に従事する企業 を 代 表 す る 業 界 団 体 ( Asociación Española de Tecnologías de Defensa, Aeronáutica y Espacio)である。当該産業による雇用者は 4 万人を超え、売上高は 80 億ユーロ、うち 65%が輸出されている。 セキュリティ・防衛装備およびサービスの提供を主要事業とするスウ ェ ー デ ン 企 業 向 け の 業 界 団 体 ( Swedish Security & Defence Industry )であり、1986 年に設立された。 27 Copyright © 2012 JETRO. All rights reserved. BDSV BDLI HASDIG FAEI AIAD NAG NIDV AIP DANOTEC Tedae SOFF 英国 チェコ ポーランド ブルガリア ノルウェー スイス トルコ 航空宇宙産業に従事する企業向けの業界団体(Swedish Aerospace Industries)であり、2011 年 12 月時点での会員企業は 8 社(OHB Sweden, Omnisys, RUAG Space, Saab, SSC, STARCS, Volvo Aero, AAC Microtec)となる。これら 8 社による雇用者数は約 1 万 2,000 人、年 間売上高は 220 億ドルとなり、その 70%が輸出されている。 英国の航空宇宙、防衛、警備および宇宙産業を代表する業界団体(ADS Group)であり、ファンボロー・エアショーを主催する Farnborough International Limited を子会社に持つ。2009 年に英国航空宇宙工業 会(SBAC)と防衛産業製造者団体(DMA)などとの合併により設立さ れ、会員企業は 2,600 社を超える。 Asociace leteckých výrobců České republiky はプライムコントラ クターから部品製造業者まで、40 社を超えるチェコの航空産業製造業 者による業界団体連盟であり、軍用・民間機から航空機エンジン、宇 宙探索、航空機システム部品、関連ソフトウェアまで網羅する。 Asociace obranného a bezpečnostního průmyslu ČR は 1997 年に防 衛産業に従事する企業 59 社からなる 2 つの業界団体の合併により設 立されたチェコ防衛・警備産業の業界団体である。 2004 年に設立されたポーランド航空産業の業界団体(Association of Polish Aviation Industry 、 ポ ー ラ ン ド 名 は Stowarzyszenie Polskiego Przemysłu Lotniczego)は、航空・宇宙・防衛・警備産業 を代表し、その競争力向上を目指す。 2004 年に 12 企業により設立されたブルガリア防衛産業の業界団体 (Bulgarian Defensive Industry Association)であり、同産業と国 家機関との対話の場として機能している。 ノルウェーの防衛・警備産業を代表する最大かつ最も重要な業界団体 (Forsvars- og sikkerhetsindustriens forening)であり、100 社 を超える会員企業による雇用は 2 万 5,000 人に上る。同産業の年間売 上高は推定約 90 億 NOK(11.3 億ユーロ) 、うち約 40 億 NOK が輸出高 に相当する。 スイスの機械、電気および金属工業、またそれに関連した技術志向セ ク タ ー を 代 表 す る 業 界 団 体 ( Servicecenter für die MEM-Unternehmen)で、この航空部門が ASD の会員となっている。 トルコ国防省の支援のもと 1990 年に設立されたトルコ防衛産業の製 造業者団体(Savunma Sanayii İmalatçılar Derneği)であり、2010 年時点での会員企業は 120 社に上る。 SAI ADS ALV CR AOBP APAI BDIA FSI SWISSMEM SasaD 出所:http://www.asd-europe.org/site/ ②欧州航空安全局(EASA) ドイツ中西部、ケルンに拠点を置く欧州航空安全局(EASA)19は、欧州および世界における民間 航空分野の安全および環境水準向上に努めている。また、欧州航空市場を対象とする新しい規制 制度の中心的存在ともなっている。近年の顕著な実績としては、2006 年に世界最大の旅客機であ るエアバス A380 の認証が挙げられるほか、次のような責務も行っている。すなわち、 19 新しい法規策定にあたり EU への専門家としての助言提供 安全ルールの施行および監視(加盟国への査察を含む) 航空機および部品の型式認証および航空機器の設計・製造・保全に従事する組織の承認 EU 域外の第三国における事業者の認可 http://easa.europa.eu 28 Copyright © 2012 JETRO. All rights reserved. 安全性の分析および研究 である。 さらに、空港や航空交通管理システムに関しても、将来的にその安全規制について管轄するこ とになっている。 ③欧州民間航空会議(ECAC) フランス、パリ郊外に拠点を置く欧州民間航空会議(ECAC)20は、1955 年に設立された政府間 組織であり会員国間の民間航空政策や取り組みにおける調和を目指すものである。また、欧州 44 カ国の会員国間やその他世界における政策への理解を促進することも目標としている。さらに、 安全で効率よく、持続可能な欧州の航空交通システムの振興をミッションとしている。ECAC 活動 分野は下記のとおりである。 外交関係:国際舞台で会員国の利害を代表、アフリカなどの姉妹機関との交流など 安全性:国際的な安全性関連のイベントへの準備や関連プロジェクトや研究への参加 セキュリティ:高いセキュリティ水準の維持、新たな脅威の予測 促進:乗客や貨物の航空輸送を促進 環境:航空分野による環境負荷の軽減 経済:欧州における航空に関連した経済問題の検証 トレーニング:安全かつ確実な航空交通に向けたトレーニング提供を促進 1.5.2 航空機器・部品産業に関連する地域クラスター地域 欧州航空宇宙クラスターパートナーシップ(EACP:European Aerospace Cluster Partnership) 21 は 、欧州における航空宇宙クラスターのネットワーク機関である。クラスター間での経験の共 有や、イノベーションや開発に関する具体的なプロジェクトの実施を促進する PRO INNO EUROPE プロジェクトにて、CLUNET という枠組みにその端を発している。ECAP の目的は、会員クラスター 組織間の情報・知識の活発な交換を促し、クラスターや企業間における長期的で国際的な協力活 動を実現させ、欧州の航空宇宙産業が世界市場でより強固な立場をとり、競争力を高めることに ある。現在、図 14 に示すように EU 加盟国のうち、13 カ国より 39 のクラスター組織が参加して いる。これらクラスター組織の概要を次に示す。 20 21 www.ecac-ceac.org http://www.eacp-aero.eu 29 Copyright © 2012 JETRO. All rights reserved. 図 14: 欧州における航空関連地域クラスター 出所: http://www.eacp-aero.eu/index.php?id=4 <ベルギー> フランダース地域とワロン地域にそれぞれクラスターが存在する。近年、フランダースの産業 政策に航空産業が加わり、同産業の振興が図られることが期待される。 ①FLAG(Flemish Aerospace Group)www.flag.be 参加企業数 Asco Industries、Barco、LMS、Acrosoma、SABCA Limburg、Microtherm、 Imec、Electronic Apparatus、HSH Aerospace Finishes、Cassidian Belgium、 Sabena Technics などを中心に 70 社 雇用者数 1 万 3,000 人 参加研究機関数 VITO および Von Karman 特徴と強み オランダのほか、インド、メキシコ、ロシアといった新興市場の機関と国 際協力の覚書を交わしている。 コンタクト Guy Putman [email protected] ②Skywin Wallonie www.skywin.be 参加企業数 Sonaca、SABCA、Techspace Aero、Thales Communication Belgium、Alcatel Alenia Space ETCA などを中心に 98 社 雇用者数 7,000 人 参加研究機関数 Cenaero、UCL、ULg、FPMs の 4 機関 特徴と強み 複合材料、通信システム、宇宙への応用・関連サービス、インテリジェン トな健康管理、マイクロ人工衛星などにおける新たな革新を目指す。現時 点での強みとしては、エンジン部品(LP コンプレッサ) 、航空機構造部品、 通信システムおよび人工衛星の構成部品 コンタクト Vincent Marchal [email protected] 30 Copyright © 2012 JETRO. All rights reserved. <ドイツ> 航空産業が盛んなドイツでは技術・産業の集積も目立ち、EACP 参加国の中でも最も多い 11 ク ラスターが存在する。ハンブルグを中心にした北部、または北西部に 6 クラスター(①、③、④、 ⑨、⑩、⑪)が集中するほか、单部もシュトゥットガルト、バイエルンを中心に 3 クラスター(⑤、 ⑦、⑧)がみられる。これらクラスターの大半が 1 万人を超える雇用を創出しており、社会的な 重要性も持つ。さらに、強みを持つ分野や今後の注力分野が明確であり、国内外との協働にも積 極的な点が大きな特徴といえる。 ①ABC-Cluster www.abc-cluster.de 参加企業数 Heggemann AG, Otto Fuchs KG などノルトライン=ヴァストファーレン(NRW) 州の中小企業 149 社およびコンサルタント 雇用者数 航空宇宙分野の企業で、大半が 20〜100 人を雇用 参加研究機関数 Aachen University of Applied Science, RWTH Aachen, DLR, ETW など 10 その他参加機関 ケルン市、 Bonn and Rhein-Sieg-Kreis 地域開発公社 特徴と強み キャビンおよび貨物、タービン技術、高等教育および高度研修のための作 業グループあり その他 国外の欧州企業と協同して、プロジェクト提案を目標に情報やベストプラ クティスの交換を行っている。 コンタクト Jan Starke jan.starke@alround.de ②Aerospace Initiative Saxony www.aerospace-saxony.de 参加企業数 ザクセン自由州の EADS Elbe Flugzeugwerke GmbH、IMA Materialforschung und Anwendungstechnik GmbH、AOA Avionics Dresden など約 135 社 雇用者数 約 1 万 1,000 人(うち企業によるのは 5,600 人) 参加研究機関数 TU Dresden、TU Chemnitz (diverse Institute)、Fraunhofer Gesellschaft など約 30 特徴と強み 先端材料(特に複合) 、材質・構造試験、電子・電気・光学機器、金属部品 の加工、エンジニアリング科学サービス コンタクト Michael Muth [email protected] ③Aviabelt Bremen www.aviabelt.de 参加企業数 エアバス、ティッセンクルップなどを中心とする 42 社 雇用者数 約 2 万人 参加研究機関数 IWT Bremen、FhG IFAM、BIAS、Fibre など 特徴と強み ドイツ北西部の航空機関連企業・研究機関の集積で、製造、エンジニアリ ング、研究開発および教育・訓練といった分野を網羅する。エアバスやラ インメタルといったビッグプレイヤーとの密接な関係や、ブレーメン政府 との友好関係は同産業における技術・政治問題の解決に貢献している。 その他 新・強化型の複合材料・構造、金属・ハイブリッド構造、新しい溶接技術 などへの研究が盛んである。 コンタクト Michael Hoffmann [email protected] 31 Copyright © 2012 JETRO. All rights reserved. ④Aviation Cluster Hamburg Metropolitan Region www.hamburg-aviation.com 参加企業数 エアバス、ハンブルク空港および Lufthansa Technik を中心に中小企業 300 社 雇用者数 約 3 万 9,000 人 参加研究機関数 ハンブルク大学など 5 大学と、航空技術に焦点をあてた 3 研究センター 特徴と強み エアバス A318, A319 など航空機全体の開発に関わった経験から、最終組み 立てライン能力を持ち、特に機体の組み立て、キャビンシステムおよびキ ャビン内装機器に強い。 その他 新しい航空機製造の中核拠点となることを目指し、連邦政府より「先端ク ラスター」の認証を得ている。 コンタクト Walter Birkhan [email protected] ⑤bavAIRia www.bavairia.net 参加企業数 バイエルンに拠点を置く EADS Defence & Security, Eurocopter, MTU Aero Engines, Premium Aerotec, Diehl, Liebherr, IABG, EADS Astrium, MT Aerospace, Kayser-Threde, Grob Aircraft を中心に 400 社(うち中小企業 は 300 社) 雇用者数 3 万 3,000 人 参加研究機関数 フラウンホーファーの様々な研究機関をはじめ 17 機関 特徴と強み 航空機のエンジン、武器システム、機内内装、シミュレーションおよび訓 練システム、人工衛星、発射装置などに強みを持ち、航空宇宙産業の様々 な分野におけるバリューチェーンを網羅している。 その他 ケベック地方、バンガロール、アブダビとの国際協力関係を構築 コンタクト Dr.-Ing. Martin Haunschild [email protected] ⑥Berlin-Brandenburg Aerospace Alliance www.bbaa.de 参加企業数 Deutsche Lufthansa、MTU Aero Engines、Lufthansa Bombardier Aviation Services およびロールスロイスを中心とする 100 社(中規模企業が大半) 雇用者数 5,500 人のスキル・専門人材 参加研究機関数 10 大学、15 機関 その他参加機関 地域開発公社 特徴と強み 航空機およびエンジンの製造、MRO その他 エンジンシステムおよび人工衛星技術の中核拠点となることを、2015 年ま での目標としている コンタクト Kathrin Reisinger, Network Manager [email protected] ⑦FAN(Future Aerospace Network) www.fan-bw.de 参加企業数 AC6S、ASG Luftfahttechnik und Sensorik、Astos Solutions、Autoflug Steuerungs und Sensor Technik、Funkwerk Avionics、Bertrandt Technikum、 Diehl Defence Holding、Thales Holding、Zollern の 10 社、LR BW の会員 企業(60 社)も参加 雇用者数 1 万 3,000 人 32 Copyright © 2012 JETRO. All rights reserved. 参加研究機関数 DLR ドイツ航空宇宙センター、シュトゥットガルト大学、フラウンホーファ ー研究所など 5 機関 その他参加機関 シュトゥットガルト地域の事業開発法人 特徴と強み ケーブル、センサー、電子製品およびエンジンの構成部品 その他 グローバルなレベルでの企業や研究活動の連携を目指す コンタクト Knut Drachsler [email protected] ⑧Forum LRBW www.lrbw.de 参加企業数 バーデン=ヴュルテンブルグ(BW)州に拠点を置く Diehl Aerospace、 Defence、Aircabin、 Thales Alenia Space、Astrium, Tesat-Spacecom な どを中心に 60 社、うち中小企業は 8 割 雇用者数 1 万 4,000 人 参加研究機関数 DLR ドイツ航空宇宙センター、シュトゥットガルト大学、フラウンホーファ ー研究所テキスタイル機関など 8 機関 その他参加機関 3 特徴と強み ケーブル、センサー、電子製品およびエンジンの構成部品など コンタクト Wolfgang Wolf [email protected] ⑨Hanse-Aerospace Association www.hanse-aerospace.net 参加企業数 中小企業がほとんどの 160 社 雇用者数 1 万 4,000 人 参加研究機関数 ハンブルグ大学、ドイツ航空宇宙センター(DLR)など 9 機関 特徴と強み エアバス A318、A319 および A321 の最終組み立て、A380 向けの部品製造・ 納入センター、MRO 設備、アビオニクス分野の(マイクロ)電子機器、空港 設備など その他 国外の欧州クラスターと積極的に協働している。特に 3 クラスターと協働 している英国の存在感が目立つ。 コンタクト Uwe Gröning [email protected] ⑩HECAS(Hanseatic Engineering & Consulting Association) www.hecas-ev.de 参加企業数 Aerotec、 Altran、 Assystem 、Bertrandt、 Case4de、 Elan-Ausy、 Euro Engineering、Maxkon、Segula-Industriehansa、Spitzner Engineers、v-plane および Yacht-Teccon の 12 社 雇用者数 約 5,000 人 参加研究機関数 なし 特徴と強み 空気力学、EASA 認証、ソフトウェアエンジニアリング、技術文書など その他 グローバルな部品調達において優位性の獲得を目指す コンタクト Jörg Manthey [email protected] 33 Copyright © 2012 JETRO. All rights reserved. ⑪ Niedersachsen Aviation www.niedersachsen-aviation.de 参加企業数 エアバス、Premium Aerotec、 MTU Maintenance、ハノーバー空港、Hapag Lloyd Flug、Brötje Automation、Saertex Stade を中心に 250 社 雇用者数 3 万人 参加研究機関数 ドイツ航空宇宙センター(DLR) 、ハノーバー大学など 特徴と強み 機器・機械、アビオニクス、構造部品システム、複合材料、航空交通管制、 MRO など その他 国際的な協働はこれから実施する予定 コンタクト Dr. Jürgen Glaser [email protected] <フランス> フランスのクラスターは、单西部トゥールーズを中心とする Aerospace Valley 、パリ近郊の ASTech Paris Region および单東部の Pôle Pégase である。ドイツに比べ数は尐ないものの、規 模が非常に大きく、裾野産業も広い。 ①Aerospace Valley www.aerospace-valley.com 参加企業数 大企業 60 社、中小企業 260 社 OEM:エアバス、サフラン、Dassault Aviation、Sogerma、Thales Alenia Space、 EADS-Astrium、Turbomeca サプライヤー:Alema、EADS Composites Aquitaine、Creuzet、EADS Sogerma、 Exameca、Labinal、Latécoère、Liebherr Aerospace、Messier-Bugatti-Dowty、 Potez Aeronautique、Ratier Figeac、SAFT 雇用者数 のべ 11 万 5,000 人(国内における航空宇宙産業雇用者の 3 分の1) 参加研究機関数 ONERA, INRIA, CNES, CEA, CERFACS およびトゥールーズ、ボルドー大学な ど 17 機関 その他参加機関 研修および教育機関 45 特徴と強み 航空宇宙セクターにおける国内最大の研究開発クラスターで、本部がトゥ ールーズ、支部をボルドーに置く。民間航空機分野に強みを持つが、いわ ゆる中小企業のサプライチェーンによるクラスターというよりも、産業・ 研究・トレーニングといった 3 分野におけるイノベーションおよび研究シ ンクタンク的な役割を果たしている。 その他 将来的に 10 の国際的なクラスターと二者間レベルの協力体制を構築するこ とを目的としており、現在は英国、ドイツ、カナダなどの 4 クラスターと 協力協定を締結している。 コンタクト Thilo Schoenfeld [email protected] ②ASTech Paris Region www.pole-astech.org 参加企業数 サフラン、グッドリッチ、タレス、Astrium ST、Dassault Aviation など中 心に 220 社(半数が中小企業) 雇用者数 航空産業支援サービスを含め 23 万人 参加研究機関数 ONERA, CEA, CNES, CNRS など 39 機関 特徴と強み ロケット発射装置、ビジネスアビエーション、推進力、航空宇宙機器の 4 34 Copyright © 2012 JETRO. All rights reserved. 市場に強みを持つほか、フランス国内の航空宇宙関連研究予算の 43%を担 い、3 万人近い研究者が集積している。環境への負荷の低い航空機のデザイ ンを目的としている。 その他 欧州の中小企業間における協同 R&D プロジェクトを促進するため、他のク ラスターと交渉している。 コンタクト Gérard Laruelle [email protected] ③Pôle Pégase www.pole-pegase.com 参加企業数 Eurocopter、Thales Alenia Space、Dassault Aviation、Snecma、Areva TA、 CNIM などを中心に 160 社、うち中小企業は 140 社 雇用者数 直接雇用で 1 万 8,000 人 参加研究機関数 ONERA、INRIA など 30 機関 その他参加機関 地方自治体など 100 組織 特徴と強み 新しい航空輸送のためのシステムに注力、重貨物向けの航空機や観察用の UAV、電動軽量飛行機など その他 注力分野におけるエコシステムの競争力向上を目指す コンタクト Jean-Francois BOISSON [email protected] <ハンガリー> 国内の航空産業振興を目的としたクラスター組織として設立されたのは 2006 年 3 月と、歴史は 浅く規模もまだ小さい。 HAC(Hungarian Aerospace Cluster) www.haif.org 参加企業数 Corvus Aircraft、Halley、Avana Industries など中小企業 23 社 雇用者数 1,200 人 参加研究機関数 なし 特徴と強み 複合材料の製造(ジェネラルアビエーション向け) 、金属タービン部品、プ ロトタイプの迅速な生産、エンジニアリング CAE ソリューション その他 Pannon 自動車クラスターとの協働 コンタクト Mihaly Hideg [email protected] <イタリア> 北部と单部にそれぞれ 2 クラスター(①④、②③) 、中部に1つの 5 クラスターから構成される。 規模が目立つのはロンバルディア地方だが、グレーター名古屋市などとの協働プロジェクトを行 うカンパニア州のクラスターも注目される。 ①Aerospace Lombardia www.aerospacelombardia.it 参加企業数 AgustaWestland、Alenia Aermacchi、Selex Galileo、CGS Compagnia Generale per lo Spazio、Secondo Mona、Aerea、Gemelli および Spaziosystem を中 心とする 25 の大企業と 160 の中小企業 35 Copyright © 2012 JETRO. All rights reserved. 雇用者数 1 万 5,000 人 参加研究機関数 国立天体物理学研究所、ミラノ工科大学、ミラノ大学をはじめとする 40 の 公立研究機関 その他参加機関 バレーゼ県の工業組合 特徴と強み 訓練機、ヘリコプターおよび垂直飛行技術、人工衛星および科学ペイロー ド、特殊素材、機械部品、工具、関連サービスなど その他 欧州の他のクラスターと二者間レベルの協力関係構築を目指しており、国 内およびドイツのクラスターへの接触を始めている。 コンタクト Paola Margnini [email protected] ②Apulian Aerospace www.apulianaerospace.eu 参加企業数 Alenia Aeronautica、Agusta Westland、Avio、Finmeccanica Group、 Salver、 Mermeck、SSI、Dema など 10 の大企業と中小企業 50 社 雇用者数 5,000 人(企業のみ) 参加研究機関数 バーリ工科大学など 3 学術機関に、CNR など 6 研究機関 その他参加機関 地域政府の企業グループ、研修/教育機関など 特徴と強み プーリャ地域の航空宇宙製品の競争力向上を目的に地域政府が公認したク ラスターであり、大企業と中小企業とのシナジーを促進し、研究および職 業訓練におけるコンピテンスの増強を目指す。 その他 他のクラスターと二者間レベルの協力関係構築を目指して Aéro Montréal と協力協定を締結。 コンタクト Giuseppe Acierno [email protected] ③Campaniaerospace www.campaniaerospace.it 参加企業数 Alenia Aeronautica、Atitech、Avio、Dema、EMA、Magnaghi、Mecfond、Piaggio Aero R&D など 9 社の大企業を中心に中小企業含め 150 社 雇用者数 約 1 万人 参加研究機関数 Italian Reserch Aerospace Center(CIRA) 、IMAST など 5 機関 特徴と強み 航空機の複雑な構成部品の製造、整備および部品のサブサプライ・製造、 工具 その他 グレーター名古屋市、ボストン市との国際協働プロジェクト予定 コンタクト Dr. Sergio Mazzarella [email protected] ④Torino Piemonte Aerospace www.torinopiemonteaerospace.com 参加企業数 Alenia Aeronautica 、 Thales Alenia Space 、 Avio 、 SELEX Galileo 、 Microtecnica などを中心に 85 社、うち中小企業は 80 社 参加研究機関数 トリノ工科大学など多数 特徴と強み 構成部品、機械、特殊金属加工、試験・制御機器、プロトタイプの作成な ど その他 国内、欧州(英国、フランス、ドイツなど)に加え、イスラエルやカナダ とも協働 36 Copyright © 2012 JETRO. All rights reserved. コンタクト Diana Giorgini [email protected] ⑤Umbria Aerospace Companies www.umbriaerospace.com 参加企業数 Angelantoni Industrie、OMA、Umbra Cuscinetti などを中心に 26 社、国際 的企業は 3 社 雇用者数 2,500 人 参加研究機関数 ペルージャ大学 特徴と強み プロダクトデザイン、機械構成部品およびサブシステム、工具、テストベ ンチ、客室内装飾など コンタクト Renato Cesca(President) [email protected] <リトアニア> クラスターというよりも、リトアニア国内の航空宇宙産業振興の機関という意味合いが強い。 参加企業、雇用者数ともに小さいが、注力分野が確立されている。なお、EACP に掲載された同ク ラスターのウェブサイトはヴィリニュス・ゲディミナス技術大学のものであり、コンタクト先で ある Prof. Dr. Habil. Jonas Stankunas の所属先となっている。 LANTP (Lithuanian Aeronautics National Technology Platform) www.gtc.vgtu.lt 参加企業数 Helisota、Termikas、Oro navigacija、Sportinė Aviacija など 5 社 雇用者数 約 1,000 人 参加研究機関数 ヴィリニュス大学など 4 機関 特徴と強み レーザー、グライダーおよび航空交通管制技術 その他 UAV や ATM、航空学の分野で国際協働を目指す コンタクト Prof. Dr. Habil. Jonas Stankunas [email protected] <ポーランド> 首都ワルシャワを抱えるマゾフシェ県と单東部にクラスターを持つ。「Aviation Valley」の通 称を掲げる单東部のクラスターは 70 年にわたる航空産業の歴史を持ち、国内生産高の約 90%を 担う。グッドリッチや P&W など外資企業も長く同地に拠点を置いており、国際的にも認知されて いる。なお、マゾフシェ県のクラスターは EACP に掲載されたウェブサイトのリンクが現在切れて いる。 ①Aviation Mazovia www.aviationmazovia.com 参加企業数 Yalo をはじめとする 14 の中小企業 参加研究機関数 ILOT など 4 機関 特徴と強み ジェネラルアビエーション、無人航空機、ホバークラフトといった分野に 注力しており、機械エンジニアリング関連の人材に強みを持つ。 その他 UAV および VTOL UAV、ヘリコプターと回転翼機向けの新素材、複合材料の 3 分野が今後の主要研究プロジェクトの対象となる。 37 Copyright © 2012 JETRO. All rights reserved. コンタクト Konrad Wróbel [email protected] ②SGPPL Dolina Lotnicza(Aviation Valley)www.dolinalotnicza.pl 参加企業数 PZL やグッドリッチを中心とする大企業 12 社と中小企業 60 社 雇用者数 2 万 2,000 人 参加研究機関数 Rzeszow 技術大学ほか 2 機関 特徴と強み 産業界主導のクラスターであり、確固としたサプライチェーンが確立され ている。 コンタクト Andrzej Rybka [email protected] <ポルトガル> ポルトガル国内の航空宇宙産業に従事する企業のためのネットワークであり、国内の航空宇宙 プロジェクトの統合、国際的な航空宇宙プロジェクト(欧州、米国およびブラジル)の統合、さ らに同産業に対する公共政策策定へ参加を目的とする。 Portugese SME for Aerospace Industry www.pema.pt 参加企業数 TAP Manutenção、OGMA、エンブラエル、EADS などを中心に 28 企業、中小企 業は 8 社 雇用者数 直接雇用で 6,000 人 参加研究機関数 国立産業管理およびエンジニアリング協会(INEGI)、ポリマーエンジニア リング研究機関(PIEP)など 2 機関 特徴と強み Lockheed-Martin などとポルトガル製の UAS 開発を目指す コンタクト Sérgio da Cunha Oliveira [email protected] <スペイン> スペインにはドイツに次いで多い 7 クラスターが存在する。北部に 3 クラスター(アラゴン州 の①、カタルーニシャ州の②、バスク州の⑤) 、中部に 3 クラスター(バレンシア州の③、マドリ ード周辺の⑥および⑦) 、单部アンダルシア州に④となっている。また、それぞれの特徴や強みも 他国に比べ比較的明確になっている。 ①aera(Aragonian Aerospace Cluster) www.aeronauticaragon.org 参加企業数 Aernnova グループの AEROMAC や Andocast などををはじめとする 18 社うち 中小企業は 14 社 雇用者数 2,500 参加研究機関数 技術・イノベーションセンターなど 12 機関 特徴と強み エンジニアリングサービス、表面加工、部品、気象学および検証、射出、 工具など コンタクト Berta Gonzalvo [email protected] 38 Copyright © 2012 JETRO. All rights reserved. ②Barcelona Aeronautics & Space Association www.bcnaerospace.org 参加企業数 Serra Aeronautics など 50 社(大半が中小企業) 雇用者数 カタルーニャ地方の航空宇宙産業で 850 人の直接雇用 参加研究機関数 3 大学のほか、航空宇宙研究技術センター、カタルーニャ宇宙研究機関など 3 研究センターおよび 1 技術センター その他参加機関 スペイン政府、カタルーニャ政府、バルセロナ都市圏の市など、 特徴と強み 機体内装デザイン、空港管理、高機能パラシュート、気球・バルーンの開 発など 15 分野に強みを持つほか、宇宙旅行などのプロジェクトも実施。 その他 Tier 1 の機体メーカーあるいはシステムインテグレーターの誘致を目指し ている。 コンタクト Alexandre Solé Carretero [email protected] ③Cluster Aero CV(Valencian Community Aerospace) www.clusteraerocv.es 参加企業数 Celestica、Assystem Iberia、INHISET、Galol などを中心に 42 社 雇用者数 4,500 人 参加研究機関数 金属加工技術研究機関(AITEX) 、プラスチック技術研究機関(AIMPLAS)な ど7 その他参加機関 バレンシア工科大学(UPV)と協働 特徴と強み エンジニアリングサービス、コンサルティング、様々な整備活動、構造お よび燃焼試験、工具の製造や R&D プログラムの作成など その他 海外企業の誘致にも積極的 コンタクト Juan Almagro Zurita [email protected] ④Fundación Hélice www.fundacionhelice.com 参加企業数 アンダルシア地方に拠点を置くエアバス、Alestis、Aernnova、Aciturri、 Airgrup、Elimco、Sevilla Control、FAASA などを中心に 123 社、うち中小 企業は約 90 社 雇用者数 約 1 万人 参加研究機関数 FADA-CATEC、AICIA、IAT の 3 機関 その他参加機関 2 組合、起業家団体など 特徴と強み 軍事輸送機の最終組み立ておよび納入、アフターセールス コンタクト Manuel Cruz [email protected] ⑤HEGAN(Basque Aerospace Cluster) www.hegan.aero 参加企業数 Aernnova、ITP、Alestis、Aciturri などの Tier1 サプライヤー企業を中心 に 36 社、うち中小企業 28 社 雇用者数 世界中の拠点を含む直接雇用は 1 万 500 人 参加研究機関数 Aeronautical Technology Centre(CTA)など 11 機関 その他参加機関 大学およびバスク政府など 特徴と強み マルチクライアント、マルチセグメントを目標とし、製品の多様化を図る 39 Copyright © 2012 JETRO. All rights reserved. 一方で、最適なパートナーや顧客を選定 その他 世界中の主要な(航空機開発)プログラムにほぼすべて参加。 コンタクト JUEZ LANGARA [email protected] ⑥HELICLUST (Agrupación Empresarial Innovadora del Sector Español de Helicópteros) www.heliclust.es 参加企業数 Eurocopter および Inaer を中心に 15 社 雇用者数 3,000 人 参加研究機関数 カミロ・ホセ・セラ大学 特徴と強み ヘリコプターセクターに特化し、その技術レベルや競争力強化に注力 コンタクト Irene Sánchez [email protected] ⑦Madrid Cluster Aeroespacial www.madridnetwork.org/red/Aeroespacial 参加企業数 エアバス、EADS、CASA、EADS Astrium Crisa、ITP、CESA および Grupo TAM を中心に 144 社 雇用者数 直接雇用で 2 万人 参加研究機関数 Madrimasd を形成する 48 機関 特徴と強み マドリード地域のクラスターおよびテクノロジーパークの集合体である Madrid Network の一部 コンタクト Eugenio Fontan [email protected] <スイス> 国内の航空宇宙産業の競争力向上を目指した組織であり、同産業の技術・知識移転のためのネ ットワーク的な役割を果たす。そのため地域的な集積という意味でのクラスターとはいえない。 swiss aerospace cluster www.swiss-aerospace-cluster.ch 参加企業数 Bucher Group、Plastikabalumag、Novasys、armasuisse、Lufthansa Systems、 RUAG Aerospace などを中心に 40 社 参加研究機関数 測地学・測量法協会など 4 機関 特徴と強み 人工衛星ナビゲーション技術における様々な分野 コンタクト Michel Jaquet [email protected] <トルコ> スイス同様にクラスター組織機関は国内の航空宇宙産業の振興を目指しており、地域的な集積 はそれほど大きくないものと推測される。 ACA - Aerospace Clustering Association www.hukd.org.tr/En/ 参加企業数 民間・軍用航空機部品の製造・組み立て、MRO、エンジニアリング、ソフト ウェアおよびシミュレーションといった分野に従事する企業、54 社 40 Copyright © 2012 JETRO. All rights reserved. 雇用者数 4,437 人(企業のみ、研究機関などは除く) 参加研究機関数 EGE 大学、Izmir Higher Technology Institute、中東技術大学など その他参加機関 Aegean および Eskisehir の商工会議所、トルコ航空協会、イズミール/ア タチュルクおよびケンパラッサ産業地域など 特徴と強み イズミールに拠点を置くも、トルコ全国の企業および機関と協力し、航空 宇宙産業の振興につとめている。 その他 Hanse Aerospace Association など他の欧州クラスターと、協力関係の構築 を目的に覚書をかわしたばかりである。 コンタクト Prof. Dr. H. Semih Güneş [email protected] <英国> 英国には 3 クラスターあり、それぞれ单東部、北西部、单西部の産業集積を代表するものであ る。いずれも規模が大きく、また中心となる企業も世界的な規模のものとなる。 ①fac(Farnborough Aerospace Consortium) www.fac.org.uk 参加企業数 ボーイング、タレス、BAESystems、Cobham、QinetiQ を中心とする 300 社、 うち中小企業は約 275 社 特徴と強み 非営利企業として会員企業の支援を行う。財政も堅調で資金源の半分を占 める助成金の利用を減じる方向。 コンタクト John Copley [email protected] ②North West Aerospace Alliance www.aerospace.co.uk 参加企業数 エアバス、ロールスロイス、BAESystems を中心に 350 社 雇用者数 直接雇用は 5 万人、間接は 10 万人 参加研究機関数 マンチェスターなど 15 大学と研究中核拠点 特徴と強み 軍用機システムのインテグレーション、軍用複合材料、エンジンサブシス テムおよび構成部品、UAV システムデザイン コンタクト Lorna Campbell-Cassidy [email protected] ③West of England Aerospace Forum www.weaf.co.uk 参加企業数 BAE Systems、Cobham、GKN、サフランなど主要航空産業企業が参加してお り、これらを中心に 210 社 雇用者数 4 万 3,000 人 参加研究機関数 バースおよびブリストル大学など 4 機関 特徴と強み 複合材料、イノベーションおよび R&D コンタクト Barry Warburton [email protected] なお、アイルランドのクラスターは、アイルランド企業振興機関である Enterprise Ireland の 作業グループとしての位置づけであり、規模も小さく(4 社、60 人雇用)、研究分野や海外との協 働についても、まだ方向性が明確に定まっていないことから、ここでは省略する。 41 Copyright © 2012 JETRO. All rights reserved. 2.主要関連見本市調査 欧州において開催される航空機器・部品産業見本市のうち、世界的にも重要性の高い総合見本 市 5 件のほか、専門分野別の見本市 3 件を抽出した。 これらの抽出にあたっては、見本市検索サイトである「TradeFairDates」22や航空業界情報サイ トの「flightglobal」23を利用し、デスクリサーチを行った。また、総合見本市については、歴史 が古く参加者数が多い、あるいは業界内で主要な位置づけとされているものを中心にとりあげ、 専門分野別の見本市については、日本の中小製造業者の参入可能性を考慮した上で、欧州企業以 外の出展も受け入れており、かつ参加を通じて商談の機会が得られる可能性が高いと思われるも のを選出した。 総合見本市 国際パリ航空ショウ(International Paris Air Show)24 ファーンボロ国際航空ショー(Farnborough International Airshow)25 エアロマート・トゥールーズ(Aeromart Toulouse)26 ベルリン国際航空宇宙ショー(ILA Berlin Air Show)27 エアーテック(Airtec)28 専門分野別の見本市 Aircraft Interiors Expo-Hamburg29:旅客機内装 AP&M エクスポ ヨーロッパ(AP&M Expo Europe)30:MRO(整備・修理・重整備)31 inter airport Europe 2011, the world’s premier airport exhibition32:空港・地上設備 これら見本市の詳細について、以下にまとめた。 2.1 国際パリ航空ショウ(International Paris Air Show) 「航空・宇宙産業のための専門ショウ」であり 1909 年から続く、歴史ある見本市である。隔年 で開催され、2013 年で第 50 回を迎える。航空業界の国際見本市としては世界最大級の規模であ り、7 日間の会期中来場者数は一般来場者を含めて 35 万人を超える(2011 年実績)。最新型機の 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 TrdeFairDates http://www.tradefairdates.com/ flightglobal http://www.flightglobal.com/ 国際パリ航空ショウ http://www.paris-air-show.com/en ファーンボロ国際航空ショー http://www.farnborough.com/airshow-2012 エアロマート・トゥールーズ http://www.bciaerospace.com/toulouse/ ベルリン国際航空宇宙ショー http://www.ila-berlin.de/ila2012/home/index.cfm エアーテック http://www.airtec.aero/index.php?id=2&L=1 Aircraft Interiors Expo-Hamburg http://www.aircraftinteriorsexpo.com/ AP&M エクスポ ヨーロッパ http://www.apmexpo.com/page.cfm/Link=1/t=m/goSection=1 MRO は Maintenance, Repair & Overhaul の略称 inter airport Europe 2011, the world’s premier airport exhibition http://www.interairport.com/europe/english/ 42 Copyright © 2012 JETRO. All rights reserved. 展示や飛行デモもあり、航空ファンの間でも知名度・人気共に高いイベントとなっている。航空 関係者にとっては商談やネットワーキングの場であり、また大々的な新製品や受注発表の場でも ある。出展企業は 45 カ国から 2,000 社以上にのぼり、15 万人以上の航空関係者が参加する、重 要な位置づけの見本市である。企業卖独での出展、または各国パビリオンにおける共同出展も可 能である。2007 年からは事前登録制の商談スケジューリングシステムが導入され、2011 年には 510 社・4,500 件の商談が設定された33。なお欧州からの参加者が大半を占め、2011 年実績では出 展企業の 76%、業界関係来場者の 78%が欧州からとなっている。 2011 年開催時には、有人の太陽電池飛行機として 26 時間の連続飛行世界記録を持つ「ソーラ ー・インパルス」が特別招待ゲストとしてデモ飛行を行い、話題となった。 会期 2013 年 6 月 17~23 日(第 50 回) (トレード展示:6 月 17~20 日、一般展示:6 月 21~23 日) 開催頻度 隔年 業種 輸送・物流・包装/航空・宇宙関連機器、設備 出品物 出展企業のおもな分野 ・ 航空機製造、組み立て ・ 宇宙、スペースクラフト、通信衛星 ・ エアクラフトエンジン、航空宇宙発電と関連設備 ・ ウェポンシステム ・ 操縦と NAVAIDS(航法装置) ・ 機上装備およびシステム ・ 機内内装 ・ 部品および下請:電気機器、電子機器、機械技術、金属加工 ・ 複合材料及び表面処理 ・ メンテナンス、製品サポート、運輸 ・ サービス ・ 空港設備およびサービス 地域 欧州/フランス/パリ 会場名 ル・ブルジュ(Le Bourget)空港 会場の展示面積 ― 交通手段 パリ中心部から車で約 30 分 入場資格 ビジネス関係者&一般 チケットの入手方法 主催者へ問い合わせ 過去の実績 来場者数 業界関係者 15 万 1,500 人 (2011 年) 一般来場者 20 万 4,000 人 出展企業数 2,133(全 45 か国) 展示面積 屋内 13 万㎡、屋外機体展示 19 万 2,000 ㎡ UFI, (OJS)(認証機関) 日本企業の出展動向 のべ 43 企業・組織(出展コマ数でカウント)、詳細は出展企業リストを参照34 (2011 年実績) 参加費用 出展形態は主に屋内スタンド展示、屋外シャレー、機体展示の 3 種類。2011 年 12 月現在、公式サイトにおける 2013 年の出展費用や入場料等の詳細は未発表。 ターゲットバイヤー 上記出品物を取り扱うバイヤーが中心 B to B イベントの有無 全ての出展企業を対象にした事前登録制の商談設定システムがある。事前に登録 された企業情報を元に商談希望の企業リストを提出し、主催者を通じてスケジュ ールが調整される。 出展申込締切日 主催者へ問い合わせ 主催者・問合せ先 パリエアショウ実行委員会(S.I.A.E.) 33 34 http://poolo.kermeet.com/Data/km_siae/block/F_6e1e4e581f3187cc4994438a700946b64f84447a21e6a.pdf http://www.paris-air-show.com/en/the-show/exhibitors 43 Copyright © 2012 JETRO. All rights reserved. TEL +33-1-53 23 33 33 FAX E-mail [email protected] 見本市 URL http://www.paris-air-show.com/en 2.2 ファーンボロ国際航空ショー(Farnborough International Airshow) 英国单東部のファーンボロにて隔年開催される主要な国際見本市であり、1927 年からの長い歴 史を持つ。交互開催される国際パリ航空ショウと並び、その規模や重要性から業界関係者必須の イベントといえる。4 ホールある室内展示に加え、屋外展示スペース、パビリオン、室内装飾は もとより規模もテーラーメードで設営できるシャレー、ビジネスアビエーションおよび機体メー カー専用の展示スペースとなる「Business Aircraft Park」などにより、広大な規模で実施され るショーであり、2010 年の総展示面積は 10 万 m2 にも及んだ。また、世界各国から報道関係者が 訪れる同ショーは、航空宇宙・防衛産業関係者にとって新たな開発成果や、受注案件の発表の場 として絶好の機会を提供しており、2010 年開催時に発表された成約額は 470 億ドルに上る。さら に、ネットワーキングの場となるウェルカムレセプションや、バイヤーとの直接商談プログラム、 業界内の主要な人物を招いてのカンファレンス等、各種 BtoB プログラムも企画されている。2010 年に実施された「Meet the Buyers Programme」プログラム35では、2 日間に 46 企業が 159 サプラ イヤーと 800 件もの商談を行っている。なお、会期の最後 2 日間は一般にも公開され、アクロバ ット飛行などさまざまなイベントやアトラクションが催され、多くの航空ファンを集めている。 2012 年は前回に引き続き無人航空機(UAS:Unmanned Aerial Systems)に注力、特設パビリオ ンを設ける他、宇宙産業への需要の高まりを受け、専用展示エリア「Space Zone」面積を前回の 2 倍に拡大する予定である。なお、空港セキュリティ関連展示を集めた「Airport Securities Pavilion」が新設される。また 2010 年からは英国防省からの参加者数が増加し、新設された国防 省高官専用エリア「The MOD Engagement Zone(MEZ)」では出展者との簡卖な紹介セッションも設 けられた。MEZ は 2012 年も設置される予定となっている。 会期 開催頻度 業種 出品物 地域 会場名 会場の展示面積 交通手段 入場資格 チケットの入手方法 過去の実績 (2010 年) 日本企業の出展動向 35 2012 年 7 月 9~15 日(第 47 回) (トレード展示:7 月 9~13 日、一般展示:7 月 14~15 日) 隔年 輸送・物流・包装/航空・宇宙関連機器、設備 航空宇宙産業全般(部品から機体まで) 室内展示は無人航空機システム、航空安全、宇宙の 3 ゾーンに分かれる。 欧州/英国/ファーンボロ ファーンボロ・エアロドローム(Farnborough Aerodrome) ― ロンドンウォータールーから約 40 分 ビジネス関係者&一般 チケットは 2012 年 3 月よりウェブサイトにて販売開始 来場者数 業界関係者 12 万人 一般来場者 13 万人 出展企業数 1,455(うち日本企業 40 社超) 展示面積 10 万㎡(net) FKM(認証機関) のべ 46(出展コマ数でカウント、JAIF 支援のもと出展した 31 企業・コ www.farnborough.com/images/stories/FIA2012/pdf/trade/Exhibitors/FIA2012-Sales-and-Market ing-Brochure.pdf 44 Copyright © 2012 JETRO. All rights reserved. (2010 年実績) 参加費用 ターゲットバイヤー B to B イベントの有無 出展申込締切日 主催者・問合せ先 見本市 URL 2.3 ンソーシアムのほか、富士重工、IHI、川崎重工、三菱重工、東海カーボ ン、ナブテスコ、マキノなど) 。詳細は全出展企業リスト36参照 入場料:30 ポンド(一日券)、105 ポンド(一週間券) 出展料:出展形態に依存するため、以下に一例を提示。 ・ 室内標準ブース設営(セット料金) 3,434 ポンド(9 ㎡)~6,369 ポンド(15 ㎡) ・ 屋外展示 106 ポンド/㎡(15 ㎡から) ・ シャレー(ホスピタリティ設備も備える特設ブース)設営 2 万 9,228 ポンド(80 ㎡)~8 万 5,895 ポンド(300 ㎡) ・ 機体展示 出展料 265 ポンド(自重 0.5 トンまで)~8,650 ポンド(自重 60 トン超)+出展スペース料金 228 ポンド/㎡ 上記出品物を取り扱うバイヤーが中心。 ・ ウェルカムレセプション ・ 展示ブースでの商談のほか、多様なカンファレンスあり ・ 特 設 スペ ー スで 20~ 30 分 の 商談 を 行う 「 Meet the Buyers Programme」を 2 日間に渡り実施。サプライヤーが商談希望のバ イヤーを事前選定し、これに基づき主催者側が商談スケジュー ルを調整するシステム。 2011 年 10 月 31 日 Farnborough International Ltd TEL +44(0)1252 532800 FAX +44(0)1252 376015 E-mail [email protected] http://farnborough.com/ エアロマート・トゥールーズ(Aeromart Toulouse) 機体メーカー、Tire 1 サプライヤー、下請け業者、サービス・プロバイダー、各地域クラスタ ーなどを対象とする国際見本市である。隔年イベントであるが、展示よりも商談会に重点が置か れているのが特徴で、参加者からの希望に基づいて主催者が事前に商談スケジュールを組む、効 率のよいビジネスマッチングシステムを導入している。これにより 2010 年は参加企業 1,200 社に より、 2 日間で 1 万 5,000 件もの商談が実施されている。 初開催が 1996 年と比較的歴史は浅いが、 業界関係者にとっては必須のイベントとなりつつある。また会期中にはカンファレンスやワーク ショップも開催されており、新規市場(中国、インド、ロシア、メキシコ等)や業界トレンド(環 境への配慮や複合素材など)を積極に取り上げて紹介している。航空業界における BtoB イベント の開催に特化した BCI Aerospace が主催しており、トゥールーズのほか、天津(中国)、モントリ オール(カナダ)でも同様の見本市が隔年で開催されている。 会期 開催頻度 業種 出品物 36 2012 年 12 月 4~6 日(第 9 回) 隔年 輸送・物流・包装/航空・宇宙関連機器、設備 以下分類の製品 ハード ソフト ・ 検査、測定、計器 ・ 航空術 ・ 電子、電気機器 ・ 環境 ・ エネルギー、電源 ・ 研修 www.farnborough.com/images/stories/FIA2012/pdf/trade/Exhibitors/FIA2010-Exhibitors-List.pdf 45 Copyright © 2012 JETRO. All rights reserved. 地域 会場名 会場の展示面積 ・ エンジニアリング ・ 光製品 ・ 加工工具 ・ 通信衛星 ・ 金属工作および表面処理 ・ コンピューター ・ 工業用布 欧州/フランス/トゥールーズ パルク・デ・ゼクスポジジオン(Parc des ・ ・ ・ ・ 情報提供 マネジメント セキュリティ ソフトウェア Expositions) ― 交通手段 トゥールーズ・ブラニャック空港からのシャトルバスが定期的に運行 入場資格 ビジネス関係者 チケットの入手方法 主催者への問い合わせ 過去の実績 (2010 年) 来場者数 参加企業数 参加費用 日本企業の出展動向 2011 年 12 月現在、公式サイトにおいては情報なし 2010 年度開催分の日本企業からの出展なし37。 (参考:事務局には日本語が 話せるスタッフがいる模様38。) 航空宇宙産業界の機体、エンジン、装備品等のメーカーのバイヤー。 ・ 見本市自体が商談会に特化しているため、効率的に多くの商談が実施で きる(2010 年は 2 日間で 1 万 5,000 件のミーティングが設定) ・ 主催者を通じて商談スケジュールが調整される。 2011 年 12 月現在、公式サイトにおいては情報なし BCI AEROSPACE Tel : +33 (0)1 41 86 49 18 Fax : +33 (0)1 46 03 86 26 ターゲットバイヤー B to B イベントの有無 出展申込締切日 主催者・問合せ先 見本市 URL 2.4 2,300 人(42 カ国、出展企業含めた参加人数) 1,200 社(商談がメインのため、出展の有無は不明) http://www.bciaerospace.com/toulouse/ ベルリン国際宇宙航空ショー(ILA Berlin Air Show) 「1909 年に世界で最初に開催され、最も古い歴史を誇る航空宇宙ショー」であり、室内展示に 加え、機体展示もできる屋外スペース、サプライヤーに特化した見本市が行われる「International Suppliers Center(ISC) 」 、ヘリセンター、業界に特化したジョブフェアが行われるキャリアセン ターなど最大の展示面積を持つ総合的な見本市といえる。当該産業の国際見本市としては、サプ ライヤーの見本市をも統合した唯一の存在であり、ISC は OEM とサプライヤーの事業機会創造の 場としても機能している。ISC では 2 日間の「バイヤーデー」が設定されており、インターネッ トにより事前にマッチメークが行われ、サプライヤーは国際的な購買マネジャーと 30 分間、商談 を行うことになる。さらに ISC 出展企業が無料で参加できるリバークルーズは、ターゲットバイ ヤーとの接触ができる更なる機会となる。業界関係者の参加者数は年々増加しており、近年は一 般参加者数を上回っている。 同見本市の宇宙セグメントは世界の航空宇宙ショーの中では最大規模であり、航空宇宙政策フ ォーラムとして国際的に重視されている。また安全保障・防衛分野においても同様の位置づけで あり、近年は民間・軍事両分野において注目度を増している無人航空機システム(UAS)の欧州フ ォーラムとしても機能している。軍事分野の展示ではドイツ連邦軍が大々的にデモ飛行などを行 うことで知られており、また米軍がドイツ連邦軍に次いで大きな展示スペースを構えている。 同ショーは一般にも公開されるうえ、4,000 人を超す報道関係者が集う注目度の高いイベント 37 38 http://www.sjac.or.jp/common/pdf/kaihou/201102/20110205.pdf http://www.bciaerospace.com/toulouse/images/stories/2012/aeromart_toulouse_2012_gb.pdf 46 Copyright © 2012 JETRO. All rights reserved. でもあり、受注発表の場としても活用され、2010 年には総額 165 億ドルの発表が行われた。 会期 2012 年 9 月 11~16 日 (トレード展示:11~13 日、一般展示:14~16 日) 開催頻度 隔年 業種 輸送・物流・包装/航空・宇宙関連機器、設備 機械・工業技術/その他の産業用機器・設備 出品物 航空宇宙産業全般(部品から機体まで) 民間輸送機、宇宙、安全保障・防衛、サプライヤー、ヘリコプター、無 人航空機システムといったセグメントに分かれる。 飛行機、ヘリコプター、宇宙飛行、防衛技術、駆動システム、コンポー ネント、部品、未完成製品、素材、航空機用と地上用の電子システムと 装備、航空宇宙機器製造業で使う機械とプラント、保全と保守のための 装備とサービス、空港技術、航空宇宙研究、衛星技術、テレコミュニケ ーション、統合交通システムなど。 地域 欧州/ドイツ/ベルリン 会場名 ベルリン・ブランデンブルグ国際空港(Flughafen Berlin Brandenburg) 会場の展示面積 ― 交通手段 ベルリン中心部 ハウプトバーンホフ駅から特急で約 30 分 入場資格 ビジネス関係者&一般 チケットの入手方法 主催者・日本の照会先へ問い合わせ 過去の実績(2010 年) 来場者数 業界関係者 12 万 5,000 人、一般 11 万人 出展企業数 1,153 社(うちドイツ企業 644 社) 展示面積(net) 16 万 5,000 ㎡ (認証機関) 日本企業の出展動向 12 企業・組織(東京都や日本航空宇宙工業会などを含む)39、うち企業 (2010 年実績) は下記 8 社 宇部興産、大和合金、吉増製作所、多摩冶金、塩野製作所、三益工業、 ユーロコプタージャパン、三菱航空機 参加費用 入場料:業界関係者 55 ユーロ(一日券) 、135 ユーロ(期間中有効券) 、 一般 22 ユーロ 出展料40:出展形態に依存するため、以下に一例を提示。 ・ ISC でのシェルスキーム(スペース+基本装飾品等) : 4,350(9 ㎡)~10,750 ユーロ(27 ㎡) ・ シャレー(ニーズに合わせ自由にレイアウト可能な特設ブー ス) :3 万 9,000 ユーロ(100 ㎡)~9 万 9,750 ユーロ(300 ㎡) ・ 屋外展示: 187 ユーロ/㎡(最小 9 ㎡)から ターゲットバイヤー 以下のセクター ・ 航空機およびエンジン製造業者 ・ 空港および航空管制 ・ サービス・プロバイダー ・ 政府関係者 B to B イベントの有無 出展申込締切日 39 40 ・ 多様なカンファレンス、セミナー、ワークショップ ・ 「バイヤーデー」 (9 月 12~13 日) ・ リバークルーズ 主催者・日本の紹介先へ問い合わせ http://www.virtualmarket.ila-berlin.de/index.php5?searchtype=company&Action=showAdvance dSearch&locale=en_GB の検索機能で「日本」を選択 http://www.ila-berlin.de/ila2012/download/dateien/ILA_2012_Prices.pdf 47 Copyright © 2012 JETRO. All rights reserved. 主催者・問合せ先 日本国内の照会先 見本市 URL 2.5 Messe Berlin GmbH TEL +49-30-3038-0 FAX +49-30-3038-2325 E-mail [email protected] 在日ドイツ商工会議所 メッセ・ベルリン日本代表部 TEL +81-3-5276-8730 FAX +81-3-5276-8735 E-mail [email protected] http://www.ila-berlin.com エアーテック(Airtec) 2006 年の初開催以来、毎年開催されている航空宇宙分野の国際見本市である。エアロマート・ トゥールーズ同様に、一般公開されない商談会中心の B to B イベントであり、創設から間もない が業界関係者にとっては必須のイベントといえる。出展者は航空機部品メーカーや航空エンジニ アリングサービス等 Tire 2 以下のサプライヤーが中心だが、ほかにも機体メーカー、電子機器、 素材、メンテナンス、衛星部品メーカーなど航空関連分野全般から参加者が集まる。会場レイア ウトはサプライチェーンごとに分けられる他、 「UAV(無人航空機)」 「ヘリコプター」 「宇宙」の特 別テーマ展示も設けられ、会期中にはコンファレンスやワークショップも開催される。まだ歴史 が浅く出展企業数も尐ないが、中小企業が参入しやすく、主催者側もこの点を強調している。毎 年の開催ごとに出展企業数・バイヤー数ともに増加しており、2011 年の商談開催数は前年比で 2 倍以上となった。 会期 開催頻度 業種 出品物 2012 年 11 月 6~8 日(第 7 回) 毎年 輸送・物流・包装/航空・宇宙関連機器、設備 おもな展示分野 ・ デザイン ・ エンジニアリング、テスト、シミュレーション ・ 資材、製造 ・ 工具 ・ コンポーネント ・ システム ・ ライフサイクルサポート(モニタリング、地上装置、メンテナ ンス等) ・ UAV ・ ヘリコプター ・ 宇宙 地域 欧州/ドイツ/フランクフルト 会場名 メッセフランクフルト(messe frankfurt) 会場の展示面積 室内ホール 35 万 5,678 ㎡ 屋外スペース 9 万 6,078 ㎡㎡ 交通手段 フランクフルト空港からシャトルバスで約 1 時間 45 分 入場資格 ビジネス関係者 チケットの入手方法 主催者に問い合わせ 過去の実績(2011 年) 来場企業数 業界関係者 3,188 人(うち海外来場者は 45%) 出展企業数 230 社(内訳に関する情報なし) 展示面積 1 万 600 ㎡ 日本企業の出展動向 2012 年については出展企業の内訳に関する情報が未公開のため、不明。 2011 年には JETRO による日本企業の共同商談ブース「ジャパン・パビリ 48 Copyright © 2012 JETRO. All rights reserved. 参加費用 ターゲットバイヤー B to B イベントの有無 出展申込締切日 主催者・問合せ先 見本市 URL オン」が初出展している41。 入場料(2011 年) :30 ユーロ(一日券)、50 ユーロ(期間中有効券) 出展料:出展形態に依存する。以下は 2012 年出展の一例。 標準ブース料金(VAT 別) ・ 1㎡あたり卖価:329 ユーロとし、出展者が広さを選択可能(最 尐スペースは 12 ㎡) 。1 面以上の開き面がある場合は、各追加面 数につき、7%加算される。 ・ プロモーション料金として 698 ユーロが加算。 ・ 清掃料金として1㎡あたり 3.8 ユーロが加算。 上記出品物を取り扱う調達およびサプライチェーン部門のマネージャ ーのほか、技術者、デべロッパー、プロジェクトエンジニアなども対象 とされている。 ・ 一般公開のない、完全なる B to B 見本市。 ・ オンラインの商談予約システムが提供され、効率よくスケジュール 調整が可能。 ・ 商談数は前回実施時と比較して 2 倍以上に増えた。 2011 年 12 月現在、公式サイトにおいては情報なし airtec GmbH & Co. KG, TEL +49 (0)69 274 003-15 FAX +49 (0)69 274 003-44 E-mail airtecdemat.com http://www.airtec.aero/index.php?id=2&L=1 2.6 Aircraft Interiors Expo-Hamburg 2000 年から毎年開催されている、世界最大級の旅客機内装の国際見本市である。キャビンデザ イン、ケータリング、機内エンタテインメント設備など旅客機内装に関したあらゆる分野を網羅 する。世界 88 カ国から約 7,800 名(2011 年実績)が集まる商談や交流の場であり、同分野にお ける唯一の国際コンペ「クリスタル・キャビン賞」42の授賞式も行われている。なお見本市会期前 日には、講演、パネル討論会、交流会等が盛り込まれた 1 日カンファレンスも開催されており、 2012 年のテーマは、消費者トレンド予測、規格統一化とブランド差別化、機内サービスとブラン ド戦略、IFE&C(機内エンタテインメント&通信)などである。 会期 開催頻度 業種 出品物 41 42 2012 年 3 月 27~29 日(第 13 回) 毎年 輸送・物流・包装/航空・宇宙関連機器、設備 航空会社インテリアデザインおよび航空会社キャビン・システム工学:座 席、織物、飛行中のエンターテイメントおよび通信技術、調理室システム およびフードサービス設備、洗面所、照明、ラミネート、フロアカバリン グ、改装・キャビン・メンテナンス製品、安全装置、ほか。以下の出品物 分野にわかれる。 ・ アメニティー ・ IFE&C ・ キャビンマネージメントシ ・ 照明 ステム ・ トイレ設備/廃棄物処理 ・ クリーニング ・ 素材(アルミニウム、スチ ・ コックピット・ドア ール、複合材含む) ・ 空調設備 ・ OEM http://airtec.aero/index.php?id=2&L=1 クリスタル・キャビン賞 http://www.crystal-cabin-award.com 49 Copyright © 2012 JETRO. All rights reserved. ・ ・ ・ ・ 地域 会場名 会場の展示面積 交通手段 入場資格 チケットの入手方法 過 去 の 実 績 ( 2011 年) 日本企業の出展動向 参加費用 ターゲットバイヤー B to B イベントの有無 出展申込締切日 主催者・問合せ先 見本市 URL 2.7 AP&M エクスポ ギャレー/ギャレー設備 ・ 電源 頭上手荷物収納設備 ・ 修理/修復 サイン、プラカード ・ 安全、セキュリティ テキスタイル(シート、カー ・ 冷蔵設備 ペット等) ・ 座席 ・ 防音設備 ・ ユニフォーム 欧州/ドイツ/ハンブルク ハンブルク・メッセ(Hamburg Messe) 9 万 2,149 ㎡ (gross) ハンブルク空港から車で約 20 分 ビジネス関係者のみ 主催者へ問い合わせ 来場企業数 7,800 名以上(88 カ国、国別内訳なし) 出展企業数 540(ドイツ企業 38%、外国企業 62%、国別内訳なし) 展示面積(net) 1 万 5,500 ㎡ (認証機関) 2011 年出展企業は 3 社(ジャムコ、 Panasonic Avionics Corporation、The Yokohama Rubber Co. Ltd.) なお 2011 年 12 月現在で、2012 年の参加予定リストで検索可能な日系企業 は 4 社。(ジャムコ、 Panasonic Avionics Corporation、TB カワシマ、豊 田通商、Yokohama Aerospace)43 出展費用はスタンド面積に応じて 329 ユーロ/㎡~。さらにスタンド費用 110 ユーロ/㎡~が加算される。 なお、初出展企業の出展費用は 295 ユーロ/㎡、ほか企業との共同スタンド の場合は出展登録費用 310 ユーロ。 そのほか、公式ウェブサイトへの掲載費用 310 ユーロなど44。 カンファレンス参加費用は一名あたり 100 ユーロ+VAT。 上記出品物を取り扱うバイヤーが中心。 各展示スタンドにおける商談のほか、初日と 2 日目の夕方にはスタンドで ドリンク・レセプションを行うことが可能。また会期前日のコンファレン ス(前述)では、夕刻に参加者対象の交流レセプションが設定されている。 主催者へ問い合わせ Reed Exhibitions UK, United Kingdom TEL +44 (0) 208 271 2174 FAX E-mail [email protected] http://www.aircraftinteriorsexpo.com/ ヨーロッパ(AP&M Expo Europe) ネットワーキングと商談に重点を置いた MRO 業界専門の見本市であり、2 日間のカンファレン スに合わせて開催される。初開催は 10 年前と比較的最近だが、年々規模は拡大しており、2011 年開催時には、 新規の出展企業およびスポンサーが 70 社加わり、 出展企業数は合計 250 となった。 レセプションや昼食会、ネットワーキングイベント「Meet the Buyers」等、参加者間の交流機会 を多く設けているのが特徴であり、2011 年の「Meet the Buyers」には航空会社 56 社から 90 名 のバイヤーが参加し、1,308 件の面談が行われた。また、無料セミナーも開講し、OEM 参入、MRO 市場におけるトレンド予測、製品流通の課題などが取り上げられている45。同見本市は航空業界に 43 44 45 参加日本企業は、データベースにおいて「Japan」のキーワードで検索できたもの、および日本企業の名を 関する海外関連子会社をカウントした。 出展費用詳細 http://www.aircraftinteriorsexpo.com/en/Exhibiting/Stand-Rates/ http://www.apmexpo.com/page.cfm/Link=1/t=m/goSection=1 50 Copyright © 2012 JETRO. All rights reserved. インテリジェンスサービスを提供する UBM Aviation が主催しているが、同社は米国(ap&m expo USA) 、マレーシア(am&p expo asia)でも同様のイベントを開催している。 会期 開催頻度 業種 出品物 2012 年 5 月 1~3 日(第 10 回) 毎年 輸送・物流・包装/航空・宇宙関連、MRO 以下分類の製品 ・ アクセサリ、流通 ・ ロジスティクス ・ 航空機メンテナンス ・ OEM ( Original Equipment ・ 航空電子機器、精密機器 Manufacturer) ・ 計測器 ・ プランニング ・ コンポーネント ・ PMA ( Parts Manufacturing ・ エンジン Approval) ・ GSE(地上支援機材) ・ リペアステーション ・ インテリア ・ サプライチェーンマネジメント ・ IT、ソフトウェア ・ 試験装置 ・ リース ・ トレーニング ・ ラインメンテナンス 地域 欧州/英国/ロンドン 会場名 オリンピア 会場の展示面積 4 万 3,765 ㎡ 交通手段 ロンドン市内に位置し、公共交通機関で容易にアクセス可能 入場資格 ビジネス関係者 チケットの入手方法 主催者に問い合わせ 過去の実績(2011 年) 来場企業数 情報なし 出展企業数 250 社 展示面積 1 万㎡ 日本企業の出展動向 2011 年出展企業のデータベースでは検索できなかった46。 参加費用 入場料:公式サイトには未掲載。航空会社は入場・カンファレンスと も無料招待。 出展料:出展規模に依存する。 最尐ブース面積は 8 ㎡で 2,295 ポンド。装飾・設営費別途。 なお 2011 年 12 月現在、 2012 年開催分の出展募集中スペースは残り 15% 以下となっている。 ターゲットバイヤー 航空会社の購買担当者、販売責任者、メンテナンス/プランニングマネ ージャー、そのほか技術者、メンテナンス/オペレーション担当者。 B to B イベントの有無 ・ 「Meet the Buyers」 :出展者とカンファレンス出席者が参加できる 面談プログラム。一件あたり 10 分間で、件数は展示面積に応じて 3 ~10 件。 ・ 出展者と招待者対象のレセプションや昼食会を開催 ・ 展示ブースでもレセプションを開くことが可能。 出展申込締切日 2011 年 12 月現在、公式サイトにおいては情報なし 主催者・問合せ先 UBM Aviation Exhibitions TEL +44 (0) 207 579 4864 見本市 URL http://www.apmexpo.com/page.cfm/Link=1/t=m/goSection=1 46 http://www.apmexpo.com/page.cfm/action=ExhibList/ListID=1/t=m/goSection=4 51 Copyright © 2012 JETRO. All rights reserved. 2.8 inter airport Europe 2011, the world’s premier airport exhibition 「空港設備・技術・デザイン・サービス関連の国際見本市」であり、機器設備の調達において、 理想的なマーケットプレイスとして隔年で開催されている。出展企業や参加費用など 2013 年開催 の詳細な情報はまだ発表されていないため47、2010 年の実績をみると 2 ホールある室内展示スペ ースに加え、隣接する屋外展示エリアでは次の 4 カテゴリー、すなわち①ターミナル(および周 辺エリア) 、②デザイン、③データおよび④駐機地域に分かれて展示が行われた。また会期中には ジョイントイベントとして空港が長期的に優れたサービスを提供したり、空港周辺都市が地域開 発・経済発展に貢献するためにすべきことなどを題材としたカンファレンスも実施された。専門 性の強いイベントのためか、世界 119 カ国から来場者を集めている。なお、一般公開日は改めて 設定されていない。また、当該見本市の主催者、Mack Brooks Exhibitionsmにより 2012 年には 中国(inter airport China、9 月 26~28 日)、2013 年にはインド(inter airport India、4 月 11~12 日)でも同様の見本市が開催される。 会期 開催頻度 業種 2013 年 10 月 8~11 日(第 19 回) 隔年 建築/建築・建設、不動産 建築/衛生設備、空調、給排水、照明 建築/ビル保守管理、営繕、清掃 輸送・物流・包装/航空・宇宙関連機器、設備 出品物 以下の分野における製品 ・ ターミナル建設および開設(セキュリティ機器、モニターなど) ・ ターミナルサービス(メンテナンス、外部委託など) ・ インテリアデザイン(ラウンジや照明、音響など) ・ 情報デザイン(乗客の流れや、ターミナルの標識など) ・ 情報通信技術(航空管制システム、貨物管理など) ・ 情報処理機器(サーバー、OCR、バーコードリーダーなど) ・ 空港建設および開設(格納庫デザイン、コンサルティングなど) ・ 地上支援装置およびサービス(航空機のハンドリングなど) ・ 技術システムおよびサービス(空港照明、メンテナンスなど) 地域 欧州/ドイツ/ミュンヘン 会場名 ミュンヘン・トレード・フェア・センター(New Munich Trade Fair Centre) 会場の展示面積 屋内 18 万㎡、屋外 25 万 3,000 ㎡ 交通手段 市中心部にあり、公共交通機関至便。国際空港から定期シャトルバスが 運行。 入場資格 ビジネス関係者のみ チケットの入手方法 主催者へ問い合わせ 過去の実績(2011 年) 来場者数 1 万 2,600 人(119 か国、6 割以上がドイツ外) 出展企業数 606(34 か国、ドイツ外が 66%、日本企業の参加なし) 日本企業の出展動向 2011 年は出展企業なし、2013 年についてはまだ情報が発表されていない 参加費用 47 入場料:35 ユーロ(オンライン価格) 出展料についての情報なし。 http://www.interairport.com/europe/english/ 52 Copyright © 2012 JETRO. All rights reserved. ターゲットバイヤー B to B イベントの有無 出展申込締切日 主催者・問合せ先 見本市 URL 航空会社、空港運営企業のほか、上記①~④カテゴリーについて ①建設会社、投資家、コンサルタント ②建築家、デザイナー、不動産開発業者、広告・メディア、乗客・VIP サービス、小売・ケータリング・旅行・レジャー ③航空管制官、コンサルタント、グランドハンドリング企業、サービス・ プロバイダー ④貨物輸送企業、グランドハンドリング企業、保守・サービス、政府・ 防衛省庁関連 BtoB イベントとして特記事項はないが、2011 年開催報告書によれば、開 催期間中は終日、業界関係者による商談が行われていたという。 主催者へ問い合わせ Mack Brooks Exhibitions Ltd TEL +44 (0) 1727 814 400 FAX +44 (0) 1727 814 401 E-mail [email protected] http://www.interairport.com/europe 53 Copyright © 2012 JETRO. All rights reserved. 3.航空機器・部品バイヤー調査 3.1 ロングリストの作成 日本製の航空機器・部品の購入に関心のありそうな、また取扱い実績のある欧州製造業者につ いてロングリストを作成した。なお、欧州企業という観点から、欧州に本社を置いて活動してい ても、欧州外の国に親会社を持つ場合はこれを除外した。さらに、既に日本に拠点(販売代理店 を除く)がある場合も対象外とした48。 Accrofab Limited 本社所在地 Stoney Cross Industrial Park, Stoney Gate Road, Spondon Derby DE21 7RX, UK 連絡先 Tel:+44 1332 666 878 ウェブフォーム URL www.accrofab.co.uk 取扱製品 部品(ブラケットなど) 主な納品先 ロールスロイス(機械加工・製造等に関する承認を受ける) 、Volvo Aero Aciturri Aeronáutica, S.L. 本社所在地 Polígono Industrial de Bayas, C/Orón, nº4, Miranda de Ebro Burgos 09200, Spain 連絡先 Tel:+ 34 947 05 90 00 Email: N/A URL www.aciturri.com 取扱製品 機体部品(客室ドア部品、スパー、背びれなど) 、エンジン、機械加工用ツール 主な納品先 エアバス、ロールスロイス、ボーイング、エンブラエル、CASA、Sikorsky Rolls-Royce Goodrich Engine Control Systems Ltd (Aero Engine Controls) 本社所在地 York Road, Hall Green Birmingham, B28 8LN, UK 連絡先 Tel:+44 121 707 7111 Email: [email protected] URL www.aeroenginecontrols.com 取扱製品 電子制御装置、燃料制御機、燃料ポンプ、エンジン制御アクチュエータ 主な納品先 ロールスロイス、ボーイング、Gulfstream その他 2009 年、ロールスロイスとグッドリッチによる合弁事業として設立。 Aero Vodochody a.s. 本社所在地 U Letiště 374, 250 70 Odolena Voda Czech Republic 連絡先 Tel:+ 420 255 761 111 URL www.aero.cz 取扱製品 航空機構造物(主翼ボックス、固定主翼エッジ、部分組立品など) 48 Email: [email protected] サフラングループ企業については、Turbomeca Japan KK として拠点が設けられているほかは、日本の拠点 に関する情報は見当たらない。同社を通じてグループの事業活動を行っている可能性もあるが、本調査では 当該企業のウェブサイトにおける日本の拠点の有無を基準とした。 54 Copyright © 2012 JETRO. All rights reserved. 主な納品先 Alenia Aeronautica (C-27J Spartan 主翼ボックス)、 Sonaca (ボンバルディア C シリーズ固定主翼エッジ開発・製造)、 Latecoere (エンブラエル 170/190 部分組立品)、 Spirit Aerosystems (B767 固定主翼エッジキット)、 EADS (A320/340 部分組立品) 、 Sikorsky (S-76C ヘリコプター)など Aerolia SA 本社所在地 13 rue Marie Louise Dissard, BP 73216 – 31027 Toulouse Cedex 3 France 連絡先 Tel:+ 33 5 81 91 40 00 ウェブフォーム URL www.aerolia.com 取扱製品 航空機構造物(機首部品、油圧系統、客室系統など) 主な納品先 エアバス(A318、A319、A320、A321、A330、A340、A350、A380、A400M) 年間 400 万個以上の部品をフランス全域のエアバス社プラントおよび同社の欧 州取引先に納入 その他ボンバルディア、エンブラエル、ATR、Dassault Aviation、Saab など その他 EADS グループ企業 Aeromec(Promociones y Construcciones Mecánicas Mugarra S.A.) 本社所在地 Pol. Ind. Arriandi - 48215 Iurreta Vizcaya, Spain 連絡先 Tel:+34 94 621 81 47 Email: [email protected] URL www.aeromec.es 取扱製品 機体部品、ドア部品、風力タービン装置、着陸装置部品、エンジン用リング、ダ イアフラムなど 主な納品先 航空機製造部品メーカー(Volvo Aero、ITP、MASA、DESHORS、INDEX、CESA、 Latécoère、Mecachrome など) 風力タービン装置はボーイング(787)、エンブラエル(170、190)向けに製造 AERnnova AEROSPACE S.A. 本社所在地 Parque Tecnológico de Álava, c/ Leonardo da Vinci, 13, 01510 Miñano Mayor Alava, Spain 連絡先 Tel:+34 945 185 600 URL www.aernnova.com 取扱製品 機体、翼(主翼、水平尾翼)、ナセル、フェアリング、キャビン内装など 主な納品先 エアバス(A380、A350) 、 エンブラエル(ERJ 145/135/140、170/190) 、 ボンバルディア(CRJ700/900) 、 ボーイング(747 LCF、747-8F) 、 Sikorsky(S-92) その他 エアバス、エンブラエル、Sikorsky とはリスクシェア提携 Email: [email protected] 55 Copyright © 2012 JETRO. All rights reserved. Aircelle 本社所在地 Route du Pont VIII, BP 91 76700 Gonfreville l'Orcher, France 連絡先 Tel:+33 2 35 55 47 00 ウェブフォーム URL www.aircelle.com 取扱製品 ナセル(部品、システム) 主な納品先 エアバス(A318/A320/A330/A340/A380)、ロールスロイス、ボンバルディア、 Dassault Aviation、Gulfstream、P&W その他 エンジンに特化。ナセルの組込み、供給では欧州トップのひとつ。 サフラングループ企業 Alenia Aermacchi S.p.A. 本社所在地 Via Ing. Paolo Foresio, 1 - 21040 Venegono Superiore Varese, Italy 連絡先 Tel: +39 0331 813111 Email: [email protected] URL www.aleniaaermacchi.it 取扱製品 機体、主翼、尾翼、ナセル、逆推力装置など 主な納品先 エアバス、ボンバルディア、ボーイング、ATR、Sukhoi ATR42、72 では、EADS との合弁事業で機体および尾翼全般を独占にて設計、建造。 ボーイング 777 では、レーダードームおよび船外フラップを独占供給。 その他 Finmeccanica グループ企業 Alestis Aerospace, S.L. 本社所在地 C/ de los Hermanos d'Eluyar s/n. Isla de la Cartuja, 41092 Seville, Spain 連絡先 Tel: +34 955 343 020 Email: [email protected] URL www.alestis.aero/index.php 取扱製品 航空機構造物(ボックス、操縦翼面、ドア、フェアリング、機体など)、複合材 料(スキン、フィッティング、ベリー・フェアリングなど) 主な納品先 エアバス(A350XWB、A320、A340/500/600、A380、A400M、Military CASA C235/C295)、 エンブラエル(Phenom 100/300、Legacy 450/500、ERJ145、ERJ170/190) その他 AERnnova にも納入 Altran Xype 本社所在地 Brabazon Park, Golf Course Lane, Filton Bristol BS34 7PZ, UK 連絡先 Tel:+44 117 90 62 130 Email: [email protected] URL www.altran-xype.com 取扱製品 IT システム(コンサル、ソフトウェア・エンジニアリング) 主な納品先 エアバス、ボンバルディア、EADS、GE Aviation、BAE Systems その他 Altran グループ企業 56 Copyright © 2012 JETRO. All rights reserved. ANT Industries 本社所在地 Carlyon Road, Atherstone Warwickshire CV9 1LQ, UK 連絡先 Tel:+44 1827 716878 Email: [email protected] URL www.antindustries.com/index.htm 取扱製品 精密機械加工、工作機械 主な納品先 ロールスロイス(Rolls-Royce CQC103 の承認)のほか、Doncasters Aerospace Components、Smiths Aerospace、GKN Westland、Dunlop、ITP などの承認あり その他 A N Tools Ltd の事業部門 ASCO Industries nv/sa 本社所在地 B - 1930 Zaventem Belgium 連絡先 Tel:+32 2 716 06 11 URL www.asco.be 取扱製品 スラット装置、フラップ支援システム、着陸装置、工学部品、機体、エンジン・ パイロン・着陸装置用取付部品 主な納品先 エアバス、ボーイング、ボンバルディア、エンブラエル、セスナ、ロッキード・ マーティン、Gulfstream、Dassault Aviation、 Email: [email protected] Atelier De La The Garonne 本社所在地 26 Routes de LASBORDES, BP 73103 31130 FLOURENS, France 連絡先 Tel: 33 5 61 83 60 35 ウェブフォーム URL www.ahg.fr 取扱製品 航空機向けファスナー、びょう 主な納品先 ボーイング、ボンバルディア、エンブラエル、Grumman、Lockheed、Alenia、Fokker、 Saab、エアバス、EADS、Dassault、Cesna といった企業から認証を受けている。 三菱重工にも納品実績あり Avio S.p.A 本社所在地 Via I Maggio, 99 10040 Rivalta di Torino (TO), Italy 連絡先 Tel:+ 39 011 008211 ウェブフォーム URL http://www.aviogroup.com 取扱製品 機械式動力伝達装置、低圧タービン、燃焼器 主な納品先 EADS(Astrium 以外の全事業部門) 、次の企業とエンジン開発にあたり協働 GE Aviation(LM2500)、サフラン(SaM146)、P&W(PW1500G)、ロールスロイス (EJ2500、Trent900)など BELAIRBUS 本社所在地 Avenue de la Métrologielaan 4 1130 Brussels, Belgium 連絡先 Tel:+ 32 2 248 14 40 Email: [email protected] URL www.belairbus.be 57 Copyright © 2012 JETRO. All rights reserved. 取扱製品 前縁スラット 主な納品先 エアバス その他 エアバスプログラムの共同開発のために設立。前縁スラットを独占提供。 その他、Sonaca、Asco Industries、EURAIR の株を所有し、スラット等の研究開 発の下請けを契約。 BMT Aerospace International N.V. 本社所在地 Kampveldstraat 51 B-8020 Oostkamp, Belgium 連絡先 Tel: +32 50 83 37 10 Email: [email protected] URL www.eurair.be 取扱製品 ギア装置、ギアボックス、固定・回転翼航空機プラットフォームおよびシステム 向けのシャフト、カップリング 対象市場セグメントはタービンエンジンおよびシステム、機械式アクチュエーシ ョン、ヘリコプター駆動システム、防衛および機体組み立て構造物 主な納品先 NA その他 BNT Group NV の傘下でベルギー、ルーマニアおよび米国に製造拠点あり Bromford Industries Limited 本社所在地 Pegasus House, Bromford Gate Birmingham B24 8DW, UK 連絡先 Tel:+44 121 683 620 Email: [email protected] URL www.bromfordindustries.co.uk 取扱製品 航空エンジン構成部品(シャフトおよびローターなど) 、降着装置構成部品 主な納品先 ロールスロイス、Messier Dowty、MTU、グッドリッチ、Meggit Bucher Leichtbau AG 本社所在地 Industriestrasse 1a, CH-8117 Fällanden Switzerland 連絡先 Tel:+41 44 806 24 24 Email: [email protected] URL www.bucher-group.com 取扱製品 キャビン(座席構成部品、ストウェージなど) 主な納品先 エアバス、Lufthansa Technik、Recaro など C.W.Fletcher & Sons Limited 本社所在地 Sterling Works, Mansfield Road, Wales Bar Sheffield S26 5PQ UK 連絡先 Tel:+44 114 294 2200 Email: [email protected] URL www.cwfletcher.co.uk 取扱製品 精密部品(空気輸送管、バッフル、エンジン・アクチュエータ組立キット、密閉 リング、エンジン・マニフォールド部品など) 主な納品先 ロールスロイス、Smiths Aerospace、Meggitt 58 Copyright © 2012 JETRO. All rights reserved. Coriolis Composites SAS 本社所在地 Rue Condorcet, Z.A. du Mourillon F-56530 Quéven, France 連絡先 Tel:+ 33 2 97 59 94 98 Email: [email protected] URL www.coriolis-composites.com 取扱製品 複合材料(ファイバー・プレースメント装置) 主な納品先 エアバス、ボンバルディア その他 2011 年にボンバルディアの CS シリーズに対し、自動ファイバー・プレースメン ト・ロボットの供給契約締結を発表。 Cobham Plc 本社所在地 Brook Road,Wimborne Dorset,BH21 2BJ,UK 連絡先 Tel:+ 44 1202 882020 Email: [email protected] URL www.cobham.com 取扱製品 航空宇宙産業向けの通信機器・装置(アビオニクス、アンテナ、音声・無線通信 装置、スリップリング) 主な納品先 アビオニクス製品の主要納品先として、エアバス、ボンバルディア、Dassault Aviation、エンブラエル、Eurocopter など その他 革新的な製品・構成部品を扱う。Tier3 から Tier2 企業に変わる途上にある。な お、本社は英国だが、アビオニクスを扱う事業部門はフランスに設置されている。 Crouzet Automatismes SAS 本社所在地 2 rue du Docteur Abel – BP59 26902 Valence Cedex 9, France 連絡先 Tel:+ 44 1256 318 900 Email: [email protected] URL www.crouzet.com 取扱製品 リミット・スイッチ、ケーブル・配電保護(サーキット・ブレーカー、サーキッ ト・ブレーカーパネル) 、コックピット装置(操縦かん、操縦輪、ボタンなど) 主な納品先 エアバス、ボーイング、ボンバルディア、Antonov、ATR、BAE、Dassault Aviation、 エンブラエル、Gulfstream、Diamond Aircraft など CTT System AB 本社所在地 Head Office, Box 1042, SE-611 29 Nyköping, Sweden 連絡先 Tel:+46 155-20 59 00 Email:[email protected] URL http://ctt.se/home___125.aspxC:\Users\Numachi\AppData\Local\Microsoft\W indows\Temporary Internet Files\Content.Outlook\3IT320EY\www.ctt.se\home___125.aspx 取扱製品 湿度調整機器製造 主な納品先 ボーイング (737NG/737-800/747-400 /747SP/757/767/787Dreamliner) エアバス(A300/A320/A321/A330/ A330-200) ボンバルディア(CRJ) マクドネル・ダグラス(MD11/MD80)ほか 59 Copyright © 2012 JETRO. All rights reserved. Cullum Detuners Limited 本社所在地 Adams Close, Heanor Gate Industrial Park, Heanor Derbyshire DE75 7SW UK 連絡先 Tel:+ 44 1773 717341 Email: [email protected] URL www.cullum.co.uk 取扱製品 旅客機用エンジンテストセル、空港地上走行設備、軍用機エンジン試験台 主な納品先 ロールスロイスに対し、エンジンテストセルの設計と建設を行う。 DAHER-SOCATA 本社所在地 Route de L'aéroport de Tarbes-Lourdes-Pyrénées 65921 Tarbes, Midi-Pyrenees, France 連絡先 Tel:+ 33 5 62 41 73 00 ウェブフォーム URL www.daher.com 取扱製品 機体(ターボプロップ) 、航空機構造物(機体・翼・エンジン組み立て用部品) 主な納品先 エアバス、ロールスロイス、ボンバルディア、ロールスロイス、エンブラエル、 タレス、Dassault Aviation、ATR など多数。 その他 Daher グループの航空部門 Davall Gears Ltd 本社所在地 Travellers Lane, Welham Green, Hatfield Herts AL9 7JB, Davall, UK 連絡先 Tel:+44 1707 28 31 00 ウェブフォーム URL www.davall.co.uk/davall-gears/davall-gears-overview/ 取扱製品 航空機ギアの開発製造(Spiradrive ギアシステム) 、部品製造、テスト施設 主な納品先 NA その他 Davall Stock Gears と Mollart Universal Joint の 3 社で Davall グループを構 成 DEMA SpA 本社所在地 Via R. Annecchino, 244/C Fabb. B - 80078 Pozzuoli NA, Italy 連絡先 Tel: +39 0818934108 URL www.demasrl.it 取扱製品 航空機構造物(機体、コックピット、テールコーン、ファンカウルなど) 主な納品先 Airbus Military、Alenia Aeronautica、ボンバルディア、P&W、Thales Alenia Space Email: N/A Diehl Aircabin GmbH 本社所在地 Am Flugplatz, 88471 Laupheim, Germany 連絡先 Tel:+49 73 92 7 03-0 [email protected] URL www.diehl-aircabin.de 取扱製品 側壁、ハットラック、天井、ドア・ドアフレーム VIP 専用機・社用機の開発および製造 主な納品先 エアバス 60 Copyright © 2012 JETRO. All rights reserved. その他 Diehl とタレスとの合弁事業として設立、Diehl Aerosystems の傘下 Diehl Aerospace GmbH 本社所在地 Alte Nussdorfer Strasse 23 D-88662 Ueberlingen, Germany 連絡先 Tel:+ 49 7551 891-0 ウェブフォーム URL www.diehl-aerospace.com 取扱製品 航空電子機器(アビオニクス)システム、キャビン照明システム 主な納品先 エアバス(A350 XWB(キャビン照明、スラット・フラップ・コントロールなどの システムを一括受注)、A380(ドア用アビオニクスシステム、スラット・フラッ プ・コントロールなどを採用) 、A400M) 、 ボーイング(787) タレス(飛行制御装置の統合モジュラー・アビオニクスなどを採用) その他 Diehl Aerosystems の傘下 Doncaster Group Limited 本社所在地 Millennium Court, First Avenue, Burton-Upon-Trent, Staffordshire, DE14 2WH, UK 連絡先 Tel:+ 44 1332 864900 URL www.doncasters.com 取扱製品 精密構成部品 主な納品先 ボーイング、ロールスロイス、GE、MTU、P & W、Snecma、Hamilton Sundstrand、 Honeywell Email: [email protected] EADS Sogerma 本社所在地 本社としての所在地開示なし、France 連絡先 Tel:N/A ウェブフォーム URL www.sogerma.eads.net 取扱製品 航空機構造物、コックピート用シート、キャビン内装 主な納品先 エアバス(Rochefort、Bordeaux、Toulouse の 3 拠点にて設計・製造) 、 ATR(Mérignac には ATR 専用の拠点を置き、150 名が従事。ATR42 および 72 の主 翼の製造・試験を行う) 、 その他、Premium AEROTEC、Creuzet Aeronautique、Parker など。 その他 EADS グループ傘下(100%子会社) ECE 本社所在地 (ウェブサイトの該当ページが表示不可)France 連絡先 Tel:+33 1 56 06 10 00 ウェブフォーム URL www.ece.zodiacaerospace.com 取扱製品 配電システム、外部照明装置、操縦室を対象としたソリューション、ワイパー 主な納品先 エアバス(A300/A310/A318/A319/A320/A321/A330/A340-500/600/A380/A350) ATR(ATR 42、ATR 72) エンブラエル(ERJ 135/145、ERJ 170/190) ボーイング(737/757/777/787) ボンバルディア(CRJ 700、CRJ 900、Dash 8-300、Dash 8-400) Dornier(DO 228、DO 328、DO 328 Jet) 61 Copyright © 2012 JETRO. All rights reserved. Sukhoi(SSJ-100) 、Avic(ARJ21) その他 Zodiac グループ Elbe Flugzeugwerke GmbH (EADS EFW) 本社所在地 Grenzstraße 1 01109 Dresden, Germany 連絡先 Tel:+49 351 8839-0 ウェブフォーム URL www.efw.eads.com/efw 取扱製品 複合材料(繊維強化剤)およびインテリア部品(床・天井パネル、防弾ドアなど) 主な納品先 エアバス。1989 年より取引開始。電気・機械システムや機体構成部品に関する 承認を受ける。A380 および A350 プログラムでは、貨物室内張り・床パネルの製 造、構築の責務者として提携。 部品製造の他、旅客機から貨物輸送機への改修、機体整備も手掛ける その他 EADS 子会社。 Elektro-Metall Export GmbH (EME) 本社所在地 Manchinger Str.116 85053 Ingolstadt, Germany 連絡先 Tel:+49 841 9651-0 URL www.eme-in.de/EME-Electromechanical-Components/499.html 取扱製品 アクチュエータ、配線用ハーネス、航空機部品 主な納品先 エアバス(A320/A330/A340 ファミリー/A350XWB/ A380/A400M) 、 Agusta Westland、Diehl Aerospace、EADS、Eurocopter、Honeywell Aerospace、 Pilatus(PC6/PC12) 、ロールスロイス、Valeo など多数 ESW GmbH 本社所在地 Carl-Zeiss-Strasse 1 07739 Jena, Germany 連絡先 Tel:+ 49 4103 60-0 URL www.jenoptik.com/dcs-aviation-subsystems 取扱製品 暖房および制御装置、可動式空調ユニット、リフトシステム 主な納品先 エアバス その他 Jenoptik グループ企業 Email:[email protected] FACC AG 本社所在地 Fischerstraße 9 A-4910 Ried im Innkreis, Austria 連絡先 Tel:+ 43 59 616-0 Email:[email protected] URL www.facc.at 取扱製品 主翼・機体・エンジン用部品およびシステム 主な納品先 エアバス(A318/A320/A330-200、-300/A340-200、-300、-500、-600 /A380 など)、 ボンバルディア(Challenger 300) 、Dassault Aviation(Falcon 2000) 、 エンブラエル、ロールスロイス 62 Copyright © 2012 JETRO. All rights reserved. Figeac Aero 本社所在地 Zone industrielle de l'Aiguille 46100 FIGEAC, France 連絡先 Tel:+33 5 65 34 52 52 ウェブフォーム URL www.figeac-aero.com/ 取扱製品 航空機構造物、部品、エンジン翼、エンジン部品 主な納品先 エアバス(A318/A319/A320/A321/A330-340/A340-500/A340-600/A380/A400M) 、 ボンバルディア(CRJ700/CRJ900/CRJ1000/BD100/DASH8) 、 エンブラエル(ERJ145 /ERJ170/ERJ190) 、 Dassault(Falcon900-2000/Falcon7X/Rafale) 、 Gulfstream(G150/ G250/G550/G650) 、Pilatus(PC XII/PC XXI) 、 ボーイング(737/787)、ATR (42/72)などの航空機プロジェクトに参加したほ か、EADS、Latecoere、GAMESA、Sonaca、Hurel-Hispano、 Snecma、Messier-Dowty を顧客とする。 さらに、以下のエンジン各種プロジェクトにも参加している CFM56/SAM146/M88(Snecma) GP7200(Engine Alliance) TRENT(ロールスロイス) TP400(Europrop International Fokker Aircraft Services B.V. 本社所在地 P.O. Box 3, 4630 AA Hoogerheide The Netherlands 連絡先 Tel:+ 31 164 618 648 ウェブフォーム URL www.fokkeraircraftservices.com 取扱製品 修理・改装(着陸装置、内装、非常設備、複合材料、金属板加工など) 主な納品先 ボーイング、エアバス、エンブラエル、ボンバルディア その他 Fokker Technologies グループ傘下 GKN Aerospace 本社所在地 PO Box 55, Ipsley House, Redditch B98 0TL Worcestershire, UK 連絡先 Tel:+44 1527 517715 Email: [email protected] URL http://www.gkn.com 取扱製品 エンジンケーシングおよび固定構造物、翼・尾翼構造物、胴体、防除氷系統、ナ セルおよびパイロン、ブレードやタービン、コンプレッサーなどエンジンにおけ る回転体、高強度軽量ガラス 主な納品先 AgustaWestland、エアバス(A330/A340/A350XWB/A380)、ボーイング、ボンバル ディア、セスナ、CFM International、Dassault、EADS Astrium、エンブラエル その他 世界的な技術エンジニアリング企業グループである GKN Plc の航空宇宙事業部門 で、下位事業部として航空機構造物、ガラス(下記参照)、エンジンがある。 GKN Aerospace Transparency Systems Ltd. 本社所在地 PO Box 55, Ipsley House, Redditch B98 0TL Worcestershire, UK 連絡先 Tel:+44 1527 517715 Email: [email protected] 63 Copyright © 2012 JETRO. All rights reserved. URL www.gkntransparencysystems.com 取扱製品 コックピット、客室用ウインドウ 主な納品先 エアバス(小型機・大型機ともにウインドウを採用)、ボーイング、Mc Donnell Douglas Hellenic Aerospace Industry S.A.(HAI) 本社所在地 Athens Head Office, Athens Tower, 2-4 Mesogion Ave. GR115 27, Athens, Greece 連絡先 Tel: +30 210 77 99 622 Email: [email protected] URL www.haicorp.com/ 取扱製品 航空機構造体、航空機機体およびアクセサリの整備・修理・重整備、整備施設(デ ポ)レベルの調査や整備、エンジン整備、電子機器製造、各種テストほか 主な納品先 Lockheed Martin、Dassault Aviation、ボーイング、Raytheon、EADS、Snecma、 GE、P&W、Alenia、Sikorsky、エアバスほか多数 その他 ボーイング(737/717) 、CFM56、PT6、P&W 100-123 は承認審査段階 Hispano-Suiza 本社所在地 18 boulevard Louis-Seguin 92707 Colombes Cedex, France 連絡先 Tel:+33 1 41 30 50 10 ウェブフォーム URL www.hispano-suiza-sa.com 取扱製品 動力伝動装置の設計、製造、サポート 主な納品先 ロールスロイス、ボーイング、エンブラエル、エアバス その他 2005 年よりサフラングループ 1930 年代に三菱重工でのライセンス生産実績あり HR Smiths Group 本社所在地 Street Court, Kingsland, Leominster, Herefordshire, HR6 9QA, UK 連絡先 Tel:+44 1568 708744 ウェブフォーム URL www.hr-smith.com 取扱製品 アビオニクス(機上アンテナなど) 主な納品先 エアバスの承認を受けている Hucknall Sheet Metal Engineering Ltd 本社所在地 Occupation Road, off Cinderhill Road,Bulwell Nottingham NG6 8RD, UK 連絡先 Tel:+44 115 927 2840 ウェブフォーム URL www.hucknallsheetmetal.co.uk/ 取扱製品 機械加工・組立、レーザー切断、高圧水ジェット切断、溶接 主な納品先 A380 の エンジンパーツをエアバスと共同開発。 ロールスロイス Tier 1 (preferred supplied status) 64 Copyright © 2012 JETRO. All rights reserved. ITP-Industria de Turbopropulsores, S.A. 本社所在地 Parque Tecnológico, Edificio 300, 48170 Zamudio, Bizkaia, Spain 連絡先 Tel: +34 94 466 2100 ウェブフォーム URL www.itp.es/web/Sec_home/wf_home.aspx 取扱製品 エンジンサービス、部品製造、試験サービス 主な納品先 ロールスロイス、GE、Honeywell、 P&W、Schema その他 2010 年売上 4 億 8,300 万ユーロ ITP Engine UK Ltd. 本社所在地 Cambridge Road, Whetstone Leicester. LE8 6LH, UK 連絡先 Mr Mike Heyworth(Business Manager)Tel:+44 116 284 5527 Email, ウェブフォーム記載なし URL www.itp-engines.co.uk/ 取扱製品 エンジン・ガスタービンの設計開発製造、MRO、ソフトウェアの開発 主な納品先 エアバス、EADS Astrium、GE、グッドリッチ、Honeywell、NASA/JPL、ロールス ロイス、Thales Alenia Space その他 ITP グループで、親会社は Industria de Turbo Propulsores, S. A. JET Aviation AG 本社所在地 Management AG, Obstgartenstr. 27, P.O. Box 232, CH-8058 Zurich-Airport, Switzerland 連絡先 Tel:+41 58 158 8888 URL www.jetaviation.com/ 取扱製品 航空機部品、整備、フライトサポート、エンジニアリング 主な納品先 N/A Email:[email protected] KGHM Ecoren S.A. 本社所在地 ul. Marii Skłodowskiej-Curie 45 a, 59-301 Lubin, Poland 連絡先 Tel: +48 76 74 68 970 Email: [email protected] URL www.en.ecoren.pl/secretariat.xml 取扱製品 ジェットエンジンのタービン・ブレード用レアメタルの供給 主な納品先 ロールスロイス その他 年間粗利益 9,300 万 PLN(ポーランドズロチ)。 Koninklijke Ten Cate N.V. 本社所在地 P.O. Box 58 7600 GD Almelo, The Netherlands 連絡先 Tel:+31 546 544 911 URL www.tencate.com 取扱製品 熱可塑・熱硬化を用いた複合材料(機体・翼・操縦翼面用エポキシ・オートクレ ーブ・プリプレグ、内装(床パネル、竜骨、ギャレーなど)など) Email: [email protected] 65 Copyright © 2012 JETRO. All rights reserved. 主な納品先 エアバス、ボーイング、Gulfstream Krempel GmbH 本社所在地 Papierfabrikstrasse 4 D-71665 Vaihingen/Enz, Germany 連絡先 Tel:+49 7042 915-0 URL www.krempel-group.com/englisch/home.html 取扱製品 複合材料 主な納品先 エアバス Email:[email protected] KST Kraftwerks- und Spezialteile GmbH 本社所在地 Pankow Park, Hertzstraße 74 & 75 D-13158 Berlin, Germany 連絡先 Tel:+49 30 9177 2620 Email: mail--at--kst-berlin.de URL www.kst-berlin.de/en/ 取扱製品 エンジン部品 主な納品先 Alstom Power、 シーメンス、 ロールスロイス Labinal S.A. 本社所在地 SAFRAN Group- Headquarters, 36, rue Raymond Grimaud, ZAC du Grand Noble, BP 10016, 31701 Blagnac Cedex, France 連絡先 Tel:+33 5 34 60 00 00 URL www.labinal.com/?lang=en 取扱製品 複合材料 主な納品先 エアバス(A350 XWB) その他 サフラン グループ Email: [email protected] Laer Srl 本社所在地 Via Caracciano, 5 82011 Airola (Bn) Italy 連絡先 Tel:+39 0823 951634 ウェブフォーム URL http://www.laergroup.com/ 取扱製品 航空機構造物(ドア、支持構造体) 主な納品先 Agusta Westland、Alenia Aeronautica、Alenia Aeronavali、エアバス(A321) ATR(42/72)、Meridiana Latécoère S.A. 本社所在地 135, Rue de Périole, BP 25211, 31079 Toulouse cedex 5, France 連絡先 Tel:+33 561 58 77 00 ウェブフォーム URL www.latecoere.fr/content/en// 取扱製品 航空機構造物 主な納品先 2010 年の売上は 4 億 6,440 万ユーロで顧客別収益割合はエアバス(58%)、エン ブラエル(17%) 、 Dassault(9%)、ボーイング(7%)、ボンバルディア(3%) 66 Copyright © 2012 JETRO. All rights reserved. LATelec S.A. 本社所在地 LATelec 762 Rue Max Planck - CS 57632 31676 LABEGE CEDEX, France 連絡先 Tel:+33 5 61 00 82 30 Email: [email protected] URL www.latelec.com/index_eng.html 取扱製品 航空機構造物, ハーネス製造、整備サービス、試験サービス 主な納品先 エアバス (A380/A350 XWB 他) Liebherr-Aerospace 本社所在地 Hans-Liebherr-Strasse 45 D-88400 Biberach an der Riss, Germany 連絡先 Tel:+49 7351 41-0 URL http://www.liebherr.com 取扱製品 航空交通管理システム、操縦装置・アクチュエーション装置、降着装置、ギアボ ックス 主な納品先 エアバス(A380) 、AgustaWestland(AW 139) 、Sukhoi (Superjet 100) および ボンバルディア C シリーズ その他 Liebherr グループの事業部門 Email: [email protected] Lisi Aerospace S.A.S. 本社所在地 193, rue de Bercy, Tour Gamma A 75582 PARIS Cedex 12, France 連絡先 Tel:+33 144 67 85 85 URL www.lisi-aerospace.com/uk/profil.php 取扱製品 航空ファスナー 主な納品先 エアバス、ボーイング、エンブラエル、ボンバルディア、Dassault、GEAE、P&W、 ロールスロイス、サフラン、Eurocopter その他 航空ファスナー業界、世界第 3 位でマーケットシェアは約 15%。 年間粗利益は 4 億ユーロ超(2010 年)。 Email:[email protected] Magnaghi Aeronautica S.p.A., 本社所在地 Galileo Ferraris, 76 80142 Naples, Italy 連絡先 Tel:+39 081 5977111 Email: [email protected] URL www.magnaghiaeronautica.it/MagnaghiAeronautica/tabid/365/Default.aspx 取扱製品 降着装置、油圧装置、作動装置、修理、重整備他 主な納品先 ATR、EADS、Alenia、Agusta、Aermacchi、Italian Air Force 降着装置メーカー(Messier-Dowty、Liebherr、Messier Bugatti など) Marshall Slingsby Advanced Composites Ltd 本社所在地 Ings Lane, Kirkbymoorside York YO62 6EZ, UK 連絡先 Tel:+44 1751 432474 URL www.marshall-slingsby.com/ 取扱製品 複合材料、構成部品製造及びデザイン、アビエーション・サポート Email:[email protected] 67 Copyright © 2012 JETRO. All rights reserved. 主な納品先 ロールスロイス、シーメンス、Honeywell、タレス、BAE Systems、Lockheed Martin、 Raytheon、Agusta Westland、GE Aviation の OEM 許可を受けている。 その他 Marshall Aerospace の子会社。 Mecachrome S.A.S. 本社所在地 ZI de la Boitardière, Rue de Saint Règle, CS 20300 37403 AMBOISE Cedex, France 連絡先 Tel:+33 2 47 30 67 40 URL www.mecachrome.com/5-36802-Home.php 取扱製品 航空機構造物、航空エンジン、精密工学 主な納品先 エアバス、ボーイング、サフラン、ロールスロイス、Avio、Volvo Aero、P&W、 Aernnova、エンブラエルほか Email: [email protected] Mecanizaciones Aeronauticas,SA (MASA) 本社所在地 Poligono Industrial El Sequero, Avenida Del Ebro, 33 26150 Agoncillo (LA RIOJA), Spain 連絡先 Tel:+34 941 43 70 11 Email: [email protected](営業・マーケティング) URL www.masa.aero 取扱製品 数値制御による構造部品 主な納品先 エアバス A-300、A-310 (Trim-Tank)、A318/A319/A320/A321/A330/A340/A380 エンブラエル(EMB-120、RJ145、RJ170) Dassault Aviation(Falcon F-7X)、ボーイング、McDonnell Douglas(MD-11) Meggitt Avionics 本社所在地 7 Whittle Avenue, Segensworth West Fareham, Hampshire PO15 5SH UK 連絡先 Tel:+44 1489 483300 URL www.meggitt-avionics.co.uk 取扱製品 センサー/コックピットディスプレイ装置、エンジン監視装置、電機機械機器 主な納品先 エアバス(A380) 、ボーイング(B787) ウェブフォーム Messier-Bugatti-Dowty S.A. 本社所在地 BP 40, Z.A. Louis Breguet, F-78141 Velizy Villacoublay, France 連絡先 Tel:+33 1 4629 8100 URL www.safranmbd.com/?lang=en 取扱製品 降着装置及びシステムインテグレーション(売上の 53%)、保守修理点検:MRO (19%) 、ホイール及びブレーキ(18%)、システム装置(10%) 主な納品先 客室シートの分析など担当 エアバス(A330/A350XWB/A380/A400M) 、ボーイング(787 Dreamliner) 、JAL。 その他 Messier-Dowty、 Messier-Bugatti、 Messier Services が 2011 年 5 月に合併 サフラングループ Email:記載なし 68 Copyright © 2012 JETRO. All rights reserved. Mettis Aerospace Ltd. 本社所在地 Windsor Road,Redditch Worcs B97 6EF,UK 連絡先 Tel:+44 1527 406400 Email:[email protected] URL www.mettis-aerospace.com/index.html 取扱製品 航空機エンジン、機体、航空機部品、エンジン室(ナセル)、フライトコントロ ール、ローターシステム、着陸ギアと降着装置、ホイールとブレーキシステム 主な納品先 エアバス(A320) ボーイング( 787 Dreamliner/次世代 737 ファミリー)、 GE Aircraft Engines(GE90/GP7200/GEnx Engines) 、 ロールスロイスほか Microtecnica S.r.l. 本社所在地 Piazza Arturo Graf 147, 10126 Turin P.O.Box 1210, Italy 連絡先 Tel: +39 011 69321 Email: [email protected] URL www.microtecnica.net/ 取扱製品 作動システム、油圧システム、空調システムほか 主な納品先 Alenia Aermacchi、EADS (フランス、ドイツおよびイタリア)、Alenia Aeronautica、ボンバルディア (DeHavilland, Learjet)、British Aerospace、 セスナ、Dassault、エンブラエル、Eurofighter、IPTN、Panavia、Piaggio、Saab、 ATR、TAI、Pilatus Aircraft、Messier-Bugatti、Hamilton Sundstrand、Avio、 GE、Piaggio、P&W、ロールスロイスほか MT Aerospace AG 本社所在地 Franz-Josef-Strauss-Straße 5 86153 Augsburg, Germany 連絡先 Tel:+49 821 505 01 ウェブフォーム URL www.mt-aerospace.de/en.html 取扱製品 航空機用貯水槽の製造、軽量部品、サブシステムのデザイン 主な納品先 エアバスの主要タンク供給企業 EADS、Eurocopter、Dassault、エンブラエル、ボーイングおよび Lufthansa Technik とパートナー提携。 2006 年に三菱重工の無人トランスポーターの構成部品を提供契約締結。三菱重 工の H-IIA ロケット用タンクを供給実績あり。 その他 European aerospace と OHB AG の子会社。2010 年度年間売上高は 1 億 2,800 万 ユーロ。 MTU Aero Engines GmbH 本社所在地 Dachauer Str. 665 80995 München, Germany 連絡先 Tel:+ 49 89 1489-0 ウェブフォーム URL www.mtu.de/en/index.html 取扱製品 航空用エンジン製造 主な納品先 財団法人日本航空機エンジン協会(JAEC)、P&W と 3 社でエアバス社 A320neo 用エ 69 Copyright © 2012 JETRO. All rights reserved. ンジン「PW1100G-JM」の国際共同開発。 川崎重工、三菱重工、Volvo Aero、ロールスロイスとパートナー提携。 その他 2010 年純利益 1 億 4,220 万ユーロ、関連企業の MTU は丸紅と日本法人設立。 Nord-Micro AG & Co. OHG 本社所在地 Victor-Slotosch-Str. 20 60388 Frankfurt/Main, Germany 連絡先 Tel(記載なし)Fax:+49 61 09 3 03 2 33 Email:[email protected] URL www.nord-micro.de/ 取扱製品 自動客室与圧調整システムの開発製造 主な納品先 エアバス(A318/A319/A320/A321/A330/A340/A380) 、 ボーイング(737-300/737-400/737-500/737-600/737-700/737-800/737-900/ビジ ネスジェット/787) 、 エンブラエル(ERJ 170/175/190/195) Novalti, S.A.C 本社所在地 José Vara, 13 (P.I. Kareaga) 48903 Barakaldo (Vizcaya), Spain 連絡先 Tel:+34 94 497 1100 Email:[email protected] URL www.novalti.es/en/ 取扱製品 構造用部品製造、精密機器の金属部品(チタン、ニッケル、鉄)アルミニウム合 金の高速金属加工、原材料購入とマネージメント、表面加工ほか 主な納品先 EADS-CASA、エアバス、ITP、ロールスロイス、タレス、Alenia Space Nuter S.A. 本社所在地 C/ Urartea, 7, Polígono Ali Gobeo 01010 Vitoria - Gasteiz (España - Spain) - APDO. 354 連絡先 Tel:+34 945 248 144 URL www.nuter.es/index.html 取扱製品 エンジン、構造、構成部品製造 主な納品先 エアバス (A310 /A320 /A340 /A380 /A400M /A350)、 エンブラエル (ERJ 145/ 170/ 190) Eurofighter、Sikorsky、ボンバルディア、ロールスロイス、 ボーイング Email: [email protected] OGMA-Indústria Aeronáutica de Portugal S.A. 本社所在地 Parque Aeronáutico de Alverca 2615-173 Alverca, Portugal 連絡先 Tel:+351 21 958 10 00 Email: [email protected] URL www.ogma.pt/ 取扱製品 航空機構造物、構成部品製造 主な納品先 Lockheed Martin(C-130J)、 エンブラエル(Ejets/ERJ 145/Legacy 600/Phenom 100) 、 エアバス(A330/A340) 、 Pilatus Aircraft(PC-12) ロールスロイス 70 Copyright © 2012 JETRO. All rights reserved. Otto Fuchs KG 本社所在地 Derschlager Straße 26 D - 58540 Meinerzhagen,Germany 連絡先 Tel:+49 23 54 73-0 Email:[email protected] URL www.otto-fuchs.com/index.php?id=161&L=1 取扱製品 航空機構造物(胴体、エンジン、尾翼、翼、降着ギアとホイールシステム、ロー ターシステム) 主な納品先 エアバス、ボーイング、Liebherr、MTU、ロールスロイス、Snecma Pattonair 本社所在地 Kingswey Business Park, Forsyth Road, Sheerwater Woking, Surrey GU21 5SA UK 連絡先 Tel:+44 1483 774 600 Email:[email protected] URL http://www.pattonair.com 取扱製品 航空宇宙・防衛産業を対象とした SCM サービスの提供。中価格帯の構成部品や IT システムに強みを持つ。 主な納品先 ロールスロイス、BAE Systems、サフラングループ、Parker Aerospace、グッド リッチ、タレス、Turbomeca、ATK、Lockheed Martin など その他 Umeco Plc の傘下企業 Porvair Filtration Group Ltd. 本社所在地 1 Concorde Close, Segensworth, Fareham Hampshire PO15 5RT,UK 連絡先 Tel:+44 1489 864330 ウェブフォーム URL www.porvairfiltration.com/ 取扱製品 油圧・燃料・潤滑・空調用ろ過部品の製造組立 主な納品先 エアバス(A380)、ボーイング(787) Parker Aerospace と 10 年契約、4,000 万ドル以上の売上見込 Premium Aerotec GmbH 本社所在地 Haunstetter Str. 225 86179 Augsburg, Germany 連絡先 Tel:+49 821 801-0 ウェブフォーム URL www.premium-aerotec.com/en/index.html 取扱製品 航空機構造物(胴体、フラップトラック、着陸フラップ)、 主な納品先 エアバス(A320 ファミリー/ A330 ファミリー/ A340 ファミリー/ A350 XWB/A380) ボーイング(787 Dreamliner) PZL–Świdnik S.A. 本社所在地 Wytwórnia Sprzętu Komunikacyjnego PZL - Świdnik SA Aleja Lotników Polskich 1,21-045 Świdnik,Poland 連絡先 Tel:081 722 50 00 ウェブフォーム URL www.pzl.swidnik.pl/en/ 取扱製品 航空機部品製造、センターウィングボックス、航空機ドアメカニズム、防火ライ ニング 71 Copyright © 2012 JETRO. All rights reserved. 主な納品先 LATECOERE によるエアバス ファミリー( A319/A320/A321)の部品、 ボンバルディア(CHALLENGER 300) 、EADS(ATR72) 、Honeywell(AS907) 、Dassault、 Ratier-Figeac、Snecma その他 元々はヘリコプター製造企業で、Agusta Westland N.V が 94%所有 Qpoint Composite GmbH 本社所在地 Hohe Str. 6 01069 Dresden, Germany 連絡先 Tel:+49 351 653 94 29 Email:[email protected] URL www.qpoint-composite.de/Unternehmen/42l1/ 取扱製品 ヒーター用複合材料 主な納品先 FACC AG、Airbus Deutschland、Hightex Verstärkungsstrukturen Ratier Figeac S.A.S. 本社所在地 Ratier Avenue, 46100 Figeac,France 連絡先 Tel: 33 5 65 50 50 50 ウェブフォーム URL www.ratier-figeac.com/?q=en 取扱製品 航空機部品製造(プロペラ、コックピット・キャビンほか)水平尾翼水平安定板 作動アクチュエータのデザイン・製造 主な納品先 エアバス(A350) 、エンブラエル, ボンバルディア(lJ85)、ATR(42/72)ほか RUAG Holding AG 本社所在地 BERN (Headquaters),Stauffacherstrasse 65, 3000 Bern 22, Schweizerland 連絡先 Tel:+41 31 376 64 50 ウェブフォーム URL www.ruag2.tocco.ch/en/Group/Group_Home 取扱製品 航空機構造物、金属機械加工、航空機部品、表面処理ほか 主な納品先 エアバス(A320 ファミリー/A330 ファミリー/A340 ファミリー/A380) ボンバルディア(CRJ シリーズ) 、ボーイング、EADS、ESA、GE、Pilate、タレス SABCA S.A. 本社所在地 Chaussée de Haecht, 1470, Haachtsesteenweg B-1130 Brussels, Belgium 連絡先 Tel:+32 2 729 5511 Email:[email protected] URL www.sabca.be/pages/012/Home.en.php 取扱製品 航空機構造物 主な納品先 エアバス(A320 ファミリー/A330/A340-500/A340-600/A350XWB/A380) Dassault Falcon Jets、Gulfstream(G650)ほか その他 年間粗利益 約 1 億 3,000 万ユーロ Sabena Technics S.A. 本社所在地 Headquaters, 33 avenue du Maine 75755 Paris Cedex 15, France 連絡先 Tel:+33 1 56 54 42 30 Email:[email protected] 72 Copyright © 2012 JETRO. All rights reserved. URL www.sabenatechnics.com/ 取扱製品 整備、修理、重整備 主な納品先 エアバス(A300-600/A310/A320 ファミリー/A330) 、 ボーイング(707TCA/737 CG NG/747/747-400/757/767/777/MD11/MD80/MD90) 、 ボンバルディア(CL415/CRJ100/CRJ200/CRJ700)、 エンブラエル(ERJ135/ERJ 145) 、ATR(42/72)、 Dassault ( Falcon10/Falcon200 )、 Fokker ( F70/F100 )、 BAe146 、 Grumman (Traker),Hawker Beechcraft(B200)ほか Safran S.A. 本社所在地 2, bd du Général Martial Valin 75724 Paris Cedex 15 - France 連絡先 Tel:+33 1 40 60 80 80 ウェブフォーム URL www.safran-group.com/ 取扱製品 航空機器、航空機推進制御システム、サポート 主な納品先 エアバス、ボーイング(787 Dreanliner)ほか Saft Groupe S.A. 本社所在地 Headquarters,12 Rue Carnot 93170 Bagnolet – France 連絡先 Tel:+33 1 49 93 19 18 ウェブフォーム URL www.saftbatteries.com 取扱製品 航空機バッテリー(リチウム電池)、エンジンスターティング、非常用電源、緊 急脱出装置・パラシュート、煙感知器 主な納品先 エアバス(A320/A350XWB) 、ボーイング(737) その他 2010 年間売上高 5 億 9,110 万ユーロ Sagem S.A. 本社所在地 Le Ponant de Paris - 27, rue Leblanc – 75512, Paris Cedex 15, France 連絡先 Tel:+ 33 1 58 11 78 00 URL www.sagem-ds.com 取扱製品 オプトロニクス、航空電子機器、ナビゲーション、ソフトウェアなど 主な納品先 連結売上(2010)12 億 4000 万ユーロ ATR リ ー ジ ョ ナ ル 航 空 機 , エ ア バ ス ( A300/A310/A320 フ ァ ミ リ ー /A330/A340/A350/A350XWB/A380),ボーイング(737/757/767),ボンバライダー・ リージョナル航空機, Dassault Aviation ファルコン・ファミリー,エンブラエル その他 サフラングループ Sallén Aviation S.A 本社所在地 Ctra. Tamarite, P. Km. 1,200 22500 BINÉFAR (Huesca) Spain 連絡先 Tel: +34 974 429 040 Email: [email protected] URL www.sallenaviacion.aero/ 取扱製品 機械加工、構成部品の製造、複合材料、降着ギア製造 73 Copyright © 2012 JETRO. All rights reserved. 主な納品先 エアバス(A330/A340/A400M)、CASA(C212/C295/CN235) 、 Alenia、Alestis Aerospace、Arianne V、CESA、EADS、Indra Salver S.p.A 本社所在地 Via O.M.Corbino, 10 – Via D. Macaluso, 2/4, P.O. BOX 232 72100 Brindisi, Italy 連絡先 Tel:+39 0831 575911 Email: [email protected] URL www.salver.it/English/Home.htm 取扱製品 航空機構造物、構成部品の製造 主な納品先 エアバス(A318/A319/A320/A321) 、ボーイング (767/777) Aermacchi、Agusta、Alenia、Piaggio Secondo Mona S.p.A. 本社所在地 Via Carlo Del Prete 1- 21019 Somma Lombardo (VA) Italy 連絡先 Tel: +39 0331 75611 Email: [email protected] URL http://www.secondomona.com/ 取扱製品 燃料システム、燃料機器、電動アクチュエータ、油圧アクチュエータ、連結管・ バルブ、降着ギア機器などの製造 主な納品先 ボンバルディア (CL605/ CL300/ Global Express/ Dash 8 Q-300) ボーイング (B787) 、GECI Aviation (SK-105)、Piaggio P180 Sensichips srl. 本社所在地 Via delle Valli 46, 04011 Aprilia (LT) Italy 連絡先 Tel: +39 06 92016533 Email: [email protected] URL www.sensichips.com/ 取扱製品 安全システムマイクロセンサー製造 主な納品先 Aero Sekur グループ Silver Atena Ltd 本社所在地 Cedar House, Riverside Business Park, Swindon Rd, Malmesbury Wiltshire SN16 9RS, UK 連絡先 Tel: +44 16 66 58 00 00 Email:[email protected] URL www.silver-atena.com/company/home.php 取扱製品 各種エンジニアリングシステム(降着、エンジンコントロール、燃料、ブレーキ、 コックピット、フライトマネージメント、Health and Usage Monitoring System) コンサルティング 主な納品先 エアバス(A330/A340/ A350XWB/A380) 、ボーイング Sirio Panel S.p.A. 本社所在地 Località Levanella Becorpi 52025 – Montevarchi (AR) – Italy 連絡先 Tel: +39 055 913671 Email: [email protected] 74 Copyright © 2012 JETRO. All rights reserved. URL http://www.siriopanel.it/siriopanel/ 取扱製品 航空機ディスプレイ・パネル、スイッチ・コントロールパネル、室内外照明、降 着装置 主な納品先 エアバス(A320 ファミリー/A350XWB/A380/A400M) AgustaWestland (EH101) 、エンブラエル、Lockheed Martin、タレス・アビオニ クスほか SL Engineering Ltd. 本社所在地 Temple Road, Aslackby, Sleaford, Lincolnshire NG34 OHJ, UK 連絡先 Tel:+44 1778 440228 URL http://www.sl-engineering.co.uk/ ウェブフォーム 取扱製品 配管部品製造・組立、非破壊検査 主な納品先 ロールスロイス、TW metals、Nadcap、Finetubes、Sandvik Materials Technology、 Midlands Aerospace Alliance ほか Snecma S.A. 本社所在地 Headquarters, 10, allée du Brévent,CE1420 Courcouronnes 91019 Evry Cedex, France 連絡先 Tel: +33 1 69 87 09 00 ウェブフォーム URL www.snecma.com/?lang=en 取扱製品 エンジン製造、開発、販売後のサポートサービス、エンジンテスト 主な納品先 エアバス(A318/A319/A320/A320neo/A321/A340-200/A340-300/A380) ボーイング(737/737-300、-400、-500、- 600、-700、-800、-900)ほか 世界中で 500 以上の顧客 その他 サフラングループ(同じサフラングループ傘下の Turbomeca Japan kk が日本代 表になっている)年間売上高 42 億 1,100 万ユーロ Sofitec S.L. 本社所在地 Parque Tecnológico Aeroespacial de Andalucía AERÓPOLIS C/ Juan Olivert 38, 41309 La Rinconada – Sevilla SPAIN 連絡先 Tel:+34 954 115 123 URL http://www.sofitec.es/home_eng.html 取扱製品 航空機部品デザイン(金属とカーボンファイバー)と製造、操作プログラミング、 ツール・キットの組立、航空機構造物の組立、 主な納品先 エアバス(A320/A330/A340/A350/A380)、ボーイング(737/777/787)、 エンブラエル(ERJ-145/170)、Aernnova、EADS、EADS Casa、Sacesa Email: [email protected] Sonaca S.A. 本社所在地 Route nationale 5, 6041 Gosselies, Belgique 連絡先 Tel:+32 7125111 Email: [email protected] (販売・マーケティング) URL www.sonaca.com/homepage 取扱製品 航空機部品デザイン、製造、組立、構造テスト 主な納品先 エアバス(A319/A320/A321/A330/A340/A340-500/600/A380)、 75 Copyright © 2012 JETRO. All rights reserved. BELAIRBUS (170/175/190/195) 、Dassault Aviation (Falcon 7X)、ボーイング、 ボンバルディア、EADS、エンブラエル、Lockheed Martin、Entreprises Wallonnes de l'Aéronautique 、Raytheon Aircraft ほか Technofan S.A. 本社所在地 10 Place Marcel Dassault, BP30053, ZAC du Grand Noble 31702 Blagnac cedex, France 連絡先 Tel: +33 561309200 URL www.technofan.fr 取扱製品 送風機、ヒーター、冷却ユニット、バルブなど空調関係の航空機部品製造 主な納品先 エアバス全般 (A310/A300-600/A319/A320/A321) その他 サフラングループ Email: [email protected] Techspace Aero S.A. 本社所在地 Route de Liers 121, 4041 Milmort, Belgique 連絡先 Tel:+32 427 8111 Email: [email protected] URL www.techspace-aero.be/ 取扱製品 プロパルジョン(エンジン推進機器)、部品製造、テスト機器などの設計、製造、 サポート 主な納品先 エアバス(A320/A330/A340/A380/A400M)、 ボーイング(B737/B747/B767/B777 /B787)、 エンブラエル (190/195) Ariane 5 launcher 航空エンジンメーカーと提携し、低圧コンプレッサーおよびフロントベアリング サポートの設計・開発・製造 CFM56(Snecma) 、CF34-10、GE90、GEnx(GE Aviation) 、GP7200(Engine Alliance)、 V2500(International Aero Engines) 以下のエンジンの油系統機器の設計・開発・製造 CFM56、SaM146(Snecma) 、 GE90、CF34-10(GE Aviation) 、V2500(International Aero Engines) 、TP400(Europrop International など その他 サフラングループ、米企業 Cenco Inc (ミネソタ) と ACI (フロリダ)の親会社 主要エンジンメーカーの Snecma、GE および P&W とは 60 年以上協力関係にある CF34-10/CFM56/GP7200/GE90/GEnx エンジンを担当 2010 年間売上高 3 億 1,800 万ユーロ Thales 本社所在地 45 rue de Villiers 92526 Neuilly-sure-Seine Cedex, France 連絡先 Tel:+ 33 1 57 77 80 00 ウェブフォーム URL www.thalesgroup.com/Group 取扱製品 機体搭載用電子装置(操縦装置、ナビゲーション、通信、監視)、キャビンシス テム(通信機器接続、照明)、レーダー、センサーなど 主な納品先 エアバス(A380、A350、A350XWB、A400M など)、 ボーイング(B787 Dreamliner など)ATR、ボンバルディア(Dash8-400 など)、 Gulfstream(G650) 、Sukhoi(S76-D) その他 統合モジュラー・アビオニクス(IMA)を開発、また GE Aviation や Smiths Aerospace との提携では飛行計画用システム「Topflight Flight Management 76 Copyright © 2012 JETRO. All rights reserved. System」を開発 TITAL GmbH 本社所在地 Kapellenstraße 44 59909 Bestwig, Germany 連絡先 Tel:+49 2904/981-0 Email: [email protected] URL www.tital.de/e 取扱製品 ロストワックス鋳造品(チタン・アルミニウム) 主な納品先 エアバス、鋳造品はエアバスの承認を受けている(2008 年にはエアバス・ドイ ツが A380 向けのチタン鋳造品の製造を承認) 。 Ultra Electronics Holdings plc 本社所在地 417 Bridport Road, Greenford Middlesex UB6 8UA, UK 連絡先 Tel:+44 20 8813 4321 Email: [email protected] URL www.ultra-electronics.com 取扱製品 機体除氷装置、防音・防振装置、機体電子系統、機体システム試験装置、携帯用 酸素生成装置、有人/無人操縦管理システム、温度センサーなど 主な納品先 ロールスロイス、エアバス(A400 など)、ボーイング(787 など)、Gulfstream (G650 など) 、タレス、EADS など Umbra Cuscinetti S.p.A. 本社所在地 Località Paciana 06034 Foligno (PG), Italy 連絡先 Tel:+39 0742 348 1 Email: [email protected] URL www.umbrausa.com 取扱製品 ボールねじ、アクチュエータ(直結式電動アクチュエータを含む)、ギア 主な納品先 ボーイング、エアバス、エンブラエル、ボンバルディア Umeco plc 本社所在地 Concorde House, Warwick New Road, Leamington Spa Warwickshire CV32 5JG, UK 連絡先 Tel:+44 1926 331800 Email: [email protected] URL www.umeco.com 取扱製品 複合材料部品、高性能接着剤(グループ傘下 J D Lincoln(米)が製造)、真空 処理剤(同 Richmond Aircraft Products(米))、サプライチェーンマネジメン ト(グループ傘下 Pattonair が担当し、航空宇宙・防衛産業向けに SCM を請け負 う。中価格帯の構成部品や IT システムに強みを持つ) 主な納品先 ボーイング、エアバス、タレス エアバスには脱オートクレーブ製品を独占供給 SCM では Pattonair を通じ、ロールスロイス、BAE Systems、サフラングループ、 Parker Aerospace、グッドリッチ、タレス、Turbomeca、ATK、Lockheed Martin などを顧客とする。 その他 2011 年度、航空宇宙・防衛部門の収益は 4,510 万ポンド 77 Copyright © 2012 JETRO. All rights reserved. Volvo Aero Corporation 本社所在地 S-461 81 Trollhättan, Sweden 連絡先 Tel:+46 520 94000 Email: [email protected] URL www.volvoaero.com/volvoaero 取扱製品 エンジンおよびガス・タービン用部品(コンプレッサー・ローター、シャフト、 燃焼器、タービン翼、タービン・ケースなど) 主な納品先 エアバス(A320neo では、P&W と提携のもと排気タービン・ケースおよび中間ケ ース提供を発表) 、 ボンバルディア(CS100・CS 300 では、P&W と提携のもとターボファン部品を提 供) 、ロールスロイス、ボーイング その他 AB Volvo の完全子会社 Wallair Engine Components, S.L. (WEC) 本社所在地 Polígono Industrial Boroa. Parcela 3B 48340 AMOREBIETA (Vizcaya), Spain 連絡先 Tel:+34 94 630 51 61 Email: [email protected] URL www.wallair.es 取扱製品 エンジン部品(タービン・ブレード、花弁状ノズル、逆推力装置およびエンジン・ ナセル用部品、ブラケット、予冷却器など) 主な納品先 ITP(ロールスロイス) 、Snecma、Aircelle、Honeywell、Sene などより承認取得 ORMAZABAL グループ Zodiac Aerospace 本社所在地 61 Rue Pierre Curie BP1 78373 Plaisir Cedex, France 連絡先 Tel:N/A URL www.zodiacaerospace.com 取扱製品 シート、キャビン用設備(排水処理、ギャレー用備品) 主な納品先 エアバス(A350 XWB では、非接触型の蛇口システムを提供) 、 ボーイング、ボンバルディア その他 2012 年 1 月には英 Contour Aerospace の買収を発表。世界に 117 の拠点を置き、 従業員数は 1 万 7,540 名(2011 年 2 月) 。 Email: ウェブフォーム 3.2 サプライヤーネットワーク エアバスおよびロールスロイスの 2 社について、可能な限り Tier1 および Tier2 企業との受注 関係を調査し、サプライヤーネットワークを図示した(図 15、図 16) 。 3.2.1 エアバス ①企業概要 EADS の子会社であるエアバスは、本社をフランス、トゥールーズに置く世界有数の航空機メー カーであり、民間航空機および軍用機の開発・製造・販売、ならびに関連サービスの提供(航空 78 Copyright © 2012 JETRO. All rights reserved. 機の改修)を行っている。中・大型民間機需要においては、そのほぼ半数を継続的に受注してい る。従業員は 5 万 5,000 人、100%子会社の現地法人を米国、中国、日本および中東に設置してい るほか、部品センターをハンブルグ、フランクフルト、ワシントン、北京およびシンガポールに 設けている。さらに、研修センターがトゥールーズ、マイアミ、ハンブルグにあるほか、全世界 に設置された営業拠点の数は 150 以上となる。また、世界の主要企業と産業協力や提携関係にあ り、1,500 社のサプライヤーからなるネットワークを構築している。2011 年の売上高は、2012 年 3 月 8 日に EAD が発表した資料49によれば、民間航空機部門は 331 億 300 万ユーロで、前年比 34 億 8,600 万ユーロ増加した。EADS の売上高(491 億 2,800 万ユーロ)においては、その約 67%に 相当し、最も規模の大きい事業部門となっている。 同社の製品ラインアップは、 (i)座席 100 席以上の中・大型民間機、 (ii)コーポレートジェッ ト機、 (iii)輸送機、 (iv)軍用機の 4 つに大別される。中・大型民間機は座席数によってさらに 次の 5 つに分けられる。 A320 ファミリー(100~220 席) 最も売れている航空機シリーズであり、卖通路型で機種は A318、A319、A320 および A321 A330 ファミリー(220~330 席) 複数通路型で機種は A330-200、A330-300、A330-200F、A330 Prestige および A330 MRTT A340 ファミリー(300~400 席) 長距離航路を就航する複数通路型で、機種は-300、-500 、-600 A350 XWB(270~350 席) 新しいデザインや先端技術、ロールスロイス社の Trent XWB エンジンの採用により、競合機 種より燃費 25%削減を実現するという。2013 年の就航を目指し、フランス、ナントにある研 究開発中核拠点(Centre of Excellence)で、現在開発中である。2011 年 12 月に機体前半部 分の接合を開始したとのプレスリリースを発表している。機種は-800、-900、-1000 の予定。 A380 ファミリー(525~853 席) 2006 年に型式認証を得た同社最新機種であり、世界最大の旅客機である。 エアバス民間航空機の生産拠点(ここでは最終組み立て拠点を指す)は、フランス(3 カ所)、 ドイツ(1 カ所)ならびに中国(1 カ所)と世界に計 5 カ所ある。本社ならびに生産拠点とその取 り扱い機種を次にまとめる。 国 フランス (トゥールーズ) 49 住所 1 rond point Maurice Bellonte 31707 Blagnac France 316 route de Bayonne 31060 Toulouse, France Chemin de Gramont 31700 Colomiers, France 取り扱い機種 本社 A320 A330/340 http://www.eads.com/eads/int/en/investor-relations/events-reports/Financial-Statements-andPresentations/2012.html 79 Copyright © 2012 JETRO. All rights reserved. ドイツ(ハンブルグ) 中国(天津) Avenue Joseph Strauss 31700 Blagnac, France Kreetslag 10 21129 Hamburg, Germany No.2 West 9 Road Tianjin Airport Industry Park 300308 Tianjin China A380 A318/A319/A321 A320 欧州外に設置された初めての 最終組み立て拠点。エアバスと 中国側コンソーシアム(天津経 済特区および中国航空工業集 団公司)との合弁事業。エアバ スはデリバリーセンターも天 津に設立する予定。 ②サプライヤーネットワーク エアバスは世界 30 カ国、1,500 を超えるプライムコントラクターと取引を行っているが、同社 との取引を希望、あるいは技術革新の提案などがある企業に対し「エアバス/EADS 調達ツール」 50 を利用して登録するよう呼びかけている。ただし、中小規模の企業については同社の Tier1 また は Tier2 サプライヤーがコンタクトポイントになるとして、これらサプライヤーとの既存のコン タクト活用を奨励している。同社ウェブサイトには承認サプライヤーリスト51も掲載されており、 随時更新されている模様である (2012 年 2 月末時点で最新のリストは 2012 年 1 月のもの)。 なお、 エアバスは 2009 年に調達事業の見直し、関連組織の再編を行った。これにより、次の 6 部門と Airbus Military Programmes 専属の購買部門、3 つの支援機能(サプライチェーンおよび品質、 戦術・プログラム購買および契約管理、A350 XWB サプライヤー選抜)が設立された52。以下にこ れら 6 部門の下位グループと主要サプライヤーを例示し、最後にこれを図解する(欧州サプライ ヤー企業のみ) 。 ・航空機構造物 ・材料 ・機器および装置 ・推進力装置 ・キャビン ・一般購買 a 航空機構造物部門 ○ 次の 4 下位グループで構成されている。すなわち、 (ⅰ)胴体(バレル、シェルおよびパネル、 構造部品) 、(ⅱ)フェアリング/ボックスおよび複合材料部品、(ⅲ)機体(電気機器、ドア・フ ェアリング、内装、管)、(ⅳ)翼(移動式/固定前縁・後縁、ボックスおよびスキンパネル)であ る。また主要サプライヤーには下記の企業が挙げられる。なお、欧州企業が識別できるように、 50 51 52 https://esourcing.airbus.com/Sourcing/SSOIndex.jsp?awsso_cc=awsso_ru%3AaHR0cDovL3MyNDByNzMuZnIu ZXUuYWlyYnVzLmNvcnA6ODAwMS9Tb3VyY2luZy9qc3AvZW4vbG9naW4vTG9naW4uanNw%3Bawsso_lu%3AaHR0cDovL3MyN DByNzMuZnIuZXUuYWlyYnVzLmNvcnA6ODAwMS9Tb3VyY2luZy9zZXJ2bGV0cy9BcmliYS9hZC9jbGllbnRMb2dvdXQvU1NP QWN0aW9ucz9hd3NyPXRydWU%3D%3Bawsso_ap%3AU291cmNpbmc%3D%3Bawsso_arid%3AMTI4MDI1NTE5NzYyNw%3D%3D% 3Bawsso_ku%3AaHR0cDovL3MyNDByNzMuZnIuZXUuYWlyYnVzLmNvcnA6ODAwMS9Tb3VyY2luZy9zZXJ2bGV0cy9BcmliYS 9hZC9jbGllbnRLZWVwQWxpdmUvU1NPQWN0aW9ucw%3D%3D%3Bawsso_fl%3AMQ%3D%3D&awsso_ap=Sourcing&awsr=tru e http://www.airbus.com/tools/airbusfor/suppliers/ サイト内 Airbus approved suppliers list を参照。 http://www.airbus.com/fileadmin/media_gallery/files/supply___world/Procurement-OrganisationMajor-Suppliers_261110.pdf 80 Copyright © 2012 JETRO. All rights reserved. 日本に拠点があるものは企業名を網掛けで表示し、 (親会社を含め)欧州企業でないものはその旨 をカッコ内に明示した。 ・Aernnova(アエルノバ) ・Diehl Aircabin(ディール・エアキャビン) ・Labinal(ラビナル) ・Aerolia(エロリア) ・EADS Sogerma(EADS ソゲルマ) ・Latecoere(ラテコエール) ・Alenia(アレニア) ・EFW ・Latelec(ラテレック) ・Avic Intenational(エイビック・インターナショナル、中) ・Eurocopter(ユーロコプター) ・PFW53 ・Belairbus(ベルエアバス) ・FACC ・Daher Socata(ダヘル・ソカタ ・GKN・Premium Aerotec(プレミアム・エアロテック) ・Spirit Aero(スピリット・エアロ、米) ・Korea Aerospace(コリア・エアロスペース、韓) ・Vought(ヴォート、米) b 材料部門 ○ 素材別に以下のような下位グループが構成されている。すなわち、(ⅰ)アルミニウム(原料、 機械加工および特殊合金) 、(ⅱ)チタニウム(原料、鍛造品および鋳物) 、(ⅲ)複合材料(構造 材料、塗料、塗装およびシーリング材) 、および(ⅳ)標準部品(金属製品およびファスナー)であ る。主要サプライヤーは次のとおり。 ・Alcan(アルキャン、豪) ・Alcoa(アルコア、米) ・Aleris(アレリス) ・Aubert & Duval(オベール&デュヴァル)54 ・Boehler(ボーラー)55 ・Cytec Fiberite(サイテック・ファイバライト、米) ・Hexcel(ヘクセル、米) ・Kaiser(カイザー、米) ・Lisi Aerospace(リジ・エアロスペース) ・Magellan Aerospace(マゼランエアロスペース、加) ・Mecachrome(メカクローム) ・Otto Fuchs(オットー・フックス) ・PCC(米) ・RTI(米) ・SKF ・VSMPO(露) c 機器および装置部門 ○ 次の 10 下位グループから成り、主要サプライヤーは下記のとおりである。 (i)機上の電源関連(電気装置、空調装置、補助電源装置)(ⅱ)キャビンおよび貨物システム (ⅲ)アビオニクス装置(通信、ナビゲーションおよび監視) (ⅳ)操縦室およびプラットフォーム (ⅴ)飛行制御装置 (ⅵ)燃料装置 (ⅶ)降着装置・構造 (ⅷ)油圧装置 (ⅸ)シミュレーション/試験/整備/レトロフィットサービス(ソフトウェア開発、電気構成部品) (ⅹ)コーポレートジェット機キャビン改修 53 54 55 A350XWB およびボーイング 787 のプロジェクト遅延により経営難にあり、救済策としてエアバスによる株式 取得により傘下企業になるとの推測報道が 2011 年 9 月にあった。 航空宇宙、エネルギー、陸海運輸などの産業を対象とした冶金ソリューションを提供する仏企業 オーストリアの voestalpine 企業グループの特殊鋼事業部門を統括する voestalpine Edelstahl GmbH の子 会社であり、ステンレス鋼、鋼板など取扱製品により様々なブランドを持つ。 81 Copyright © 2012 JETRO. All rights reserved. ・CAE(米) ・グッドリッチ(米) ・Hamilton Sundstrand(ハミルトン・サンドストランド、米) ・Honeywell(ハネウェル、米) ・Jet Aviation(ジェット・アビエーション) ・Liebherr Aerospace(リーブヘル・エアロスペース) ・Lufthansa Technik(ルフトハンザ・テクニック) ・Messier Bugatti Dowty(メシエ・ダウティ・ブガッティ) ・Parker(パーカー、米) ・Rockwell Collins(ロックウェル・コリンズ、米) ・サフラングループ ・Telair(テルエア、米) ・タレスグループ d 推進力装置部門 ○ エンジンとエンジンを格納する部分であるナセルの下位グループがあり、主要サプライヤーは 次のとおり。 ・ロールスロイス ・International Aero Engines (インターナショナル・エアロ・エンジンズ、欧米日合弁) ・CFM International(CFM インターナショナル、欧米合弁) ・General Electric(ゼネラル・エレクトリック、米) ・Engine Alliance(エンジン・アライアンス、米) ・Pratt & Whitney(プラット&ホットニー、米) ・Aircelle(エアセル) ・グッドリッチ(米) ・Short Brothers PLC(ショート・ブラザース PLC、加) e キャビン部門 ○ キャビン機器(サプライヤー提供機器)の購入と、航空会社が特定サプライヤーから直接調達 したキャビン機器の管理も行っている。下位グループには(ⅰ)顧客ガイダンスおよびキャビン 構成、 (ⅱ)および「floor to floor」システム(ギャレー、ストレージなど) 、(ⅲ)座席および キャビン照明、 (ⅳ)インフライト・エンターテイメントの 4 つがある。主要サプライヤーは次の 通り。 ・Aerosud(アエロスド、单ア) ・B/E Aerospace(B/E エアロスペース、米) ・Bucher Leichtbau(ブーハー・ライヒトバウ) ・Diehl Aerospace (ディール・スペース、Diehl Lighting(ディール・ライティング) & Diehl AirCabin(ディール・エアキャビン), Dasell(ダセル)) ・EADS Sogerma(EADS ソゲルマ) ・EFW ・FACC ・JAMCO(日本) ・Recaro Aircraft Seating(レカロ・エアクラフト・シーティング)56 ・Panasonic(日本) 56 ・Rockwell-Collins(ロックウェル・コリンズ、米) 自動車の座席やチャイルドシートなど、座席を扱うドイツの RECARO グループ傘下 82 Copyright © 2012 JETRO. All rights reserved. ・タレス ・Zodiac(ゾディアック) (Weber(ウィーバー), Sicma(シクマ), Driessen(ドリセン), Monogram (モノグラム), C&D) f 一般購買部門 ○ 2009 年の再編にあたりエアバスのほか、親会社である EADS とそのグループ企業の一般購買活 動が統合されたもので、エアバスが主幹となっている。次の 6 下位グループから成るが、ここで は製造に直接的な関連を持つ「製品開発」の主要サプライヤーのみを挙げる。 (ⅰ)ICT (ⅱ)旅行およびサプライチェーン (ⅲ)投資および保守 (ⅳ)製品開発 (ⅴ)人事および広報サービス (ⅵ)ファシリティ・マネジメントおよび製造サービス ・Alten(アルテン)57 ・Altran(アルトラン) ・Labinal(ラビナル) ・Ferchau(フェアカウ)58 ・Mahindra Satyam(マヒンドラ・サティヤム、印) 図 15:エアバスのサプライヤーネットワーク Jet Aviation, Liebherr Aerospace, Lufthansa Technik, Messier Bugatti Dowty, サ フ ラ ン グ ル ー プ, タレスグループ 航空機 構造物 機器およ び装置 推進力 システム エアバス Aleris, Aubert & Duval, Boehler, Lisi Aerospace, Magellan, Mecachrome, Otto Fuchs, PCC, SKF Tier1 企業 製品開発 (一般調達) Bucher, Diehl Aerospace (Diehl Lighting & Diehl Air Cabin, Dasell), EADS Sogerma, EFW, FACC, JAMCO, Recaro Aircraft Seating, タ レ ス , Zodiac (Weber, Sicma, Driessen, Monogram, C&D) Alten, Altran Labinal, Ferchau 58 ロールスロイス, Aircelle, CFM International キャビン 素材 57 Aernnova, Diehl Aircabin, Labinal, Aerolia, EADS Sogerma, Latecoere, Alenia, EFW, Latelec, Eurocopter, PFW, Belairbus, FACC, Daher Socata, GKN, Premium Aerotec 技術コンサルティングおよびエンジニアリングサービスを提供する仏企業 エンジニアリングサービスを提供するドイツ企業、Ferchau Engineering GmbH の航空部門 83 Copyright © 2012 JETRO. All rights reserved. (注)Tier1 および Tier2 の区別については、サプライヤー企業のウェブサイトを参照した。 出所:エアバス発表資料を基に作成 3.2.2 ロールスロイス ①企業概要 ロールスロイスは本社を英国ロンドンに置き、航空宇宙および海洋(民間・軍事)、およびエネ ルギー市場で用いられる動力システムを提供している。民間航空分野では、商用旅客機を対象と した航空エンジンメーカーとして知られ、広胴型(複数通路型)、狭胴型(卖通路型)、リージョ ナル機などの多くのセクターで優位性を持つ。アメリカ大陸(北米、カナダおよびブラジル)お よびアジア太平洋地域(インド、日本、シンガポール、タイおよびオーストラリア)を中心に設 立した現地法人 9 社に加え、欧州や中近東地域(サウジアラビアおよび UAE)、ロシアや中国にな ど計 12 カ国に拠点を置いている。従業員は 4 万人を超え、うち民間航空分野は 2 万 600 人と約そ の半数を占める。また 2011 年の売上高は 112 億 7,700 万ポンド、うち民間航空分野は 55 億 7,200 万ポンドと全体の約 5 割に相当する59。 同社の民間航空分野の製品ラインアップは、(i)大型機、(ⅱ)小型機、(ⅲ)ヘリコプター用 の 3 つに大別される。まず大型機のエンジンをみると次の 9 モデルとなる。 Trent XWB エアバス 350XWB への採用が決定している、燃費のよいエンジン Trent 1000 ボーイング 787 の開発にあたり、特別に開発されたエンジン Trent 900 エアバス A380 に採用された、低騒音かつ排ガス内の窒素化合物が現行規制での最も低いレベ ルにあるクリーンなエンジン Trent 800 ボーイング 777 に採用されたエンジンであり、そのシェアは 41%に及んでいる Trent 700 エアバス A330 に採用され、そのシェアが 55%に及ぶなど、商業的に大きな成功を収めた Trent 500 エアバス A340-500、-600 に採用された唯一のエンジン RB211-524 ボーイング 747-400 と 767-300 に搭載可能。 RB211-535 500 機のボーイング 757 に搭載されているエンジン IAE V2500 International Aero Engines として開発に参加したエンジン、エアバス A319、A320、A321 な 59 http://pdfbuilder.cdgdev.co.uk/PDF-Files/Rolls-Royce-Holdings-plc-Annual-report-2011.pdf 84 Copyright © 2012 JETRO. All rights reserved. どに採用 小型機のエンジンは次の 8 モデルとなる。 AE2100 50~70 席の高速リージョナル機向け、SAAB 2000 などへの採用が成功したことを受け、軍用 輸送機にも利用されている。 AE3007 リージョナル機および中・大型ビジネスジェット機を対象としたターボファンエンジンで、 エンブラエルの ERJ 145、ERJ 135 などに採用されている。 BR 700 80~130 席のリージョナル機や大型ビジネスジェット機を対象、Gulfstream V などに搭載 BR 725 高速ビジネスジェット機を対象としたエンジンで 2012 年に搭載機の就航開始予定 Tay 大型キャビンのビジネスジェット機を対象としたエンジンで、累積飛行時間が 3,000 万時間 に達したロングセラー FJ44 小型ビジネスジェット機、飛行訓練機を対象としたエンジンで、Williams International 社 との合同事業 M250 turboprop 小型固定翼機向けのターボプロップエンジン RR500 turboprop 燃費のよいターボプロップエンジン ロールスロイスの製造拠点(民間航空機用エンジンに限る)を下にまとめる。なお、同社ウェ ブサイトからは住所など詳細な情報を開示していない場合が多く、子会社や関連会社の活動内容 といった周辺情報からまとめていることに留意されたい。 海外子会社 国 ドイツ 米国 企業名/住所 Rolls-Royce Deutschland Ltd & Co KG Eschenweg 11, Dahlewitz 15827 Blankenfelde-Mahlow, Germany Europea Microfusioni Aerospaziali S.p.A. http://www.emaht.com/site/ Morra de Sanctis, Avellino province, Italy Rolls-Royce Singapore Pte Limited http://www.rolls-royce.com/singapore/sg/ Rolls-Royce Corporation 米国 Rolls-Royce Crosspointe LLC イタリア シンガポール 業務内容 航空エンジンのデザイン、 開発、製造 ガス・タービン部品鋳造 航空エンジン部品製造 エンジン組み立て等 ガスタービンエンジンの デザイン、開発、製造 航空エンジン部品の製造 85 Copyright © 2012 JETRO. All rights reserved. 英国内関連会社 英国 Composite Technology and Applications Ltd PO BOX 31, MOOR LANE DERBY DE24 8BJ Rolls-Royce Goodrich Engine Control Systems Limited http://www.aeroenginecontrols.com/Legal/ York Road, Shaftmoor Lane, Birmingham, UK Rolls-Royce Snecma Limited Rolls-Royce Turbomeca Limited Turbine Surface Technologies Limited 13A Little Oak Dr, Annesley, Nottingham NG15 0DR 海外関連会社 中国 インド イスラエル スペイン 米国 米国 Xian XR Aero Components Co Limited International Aerospace Manufacturing Private Limited http://www.rolls-royce.com/india/in/news/2011 /111207_construction.jsp Techjet Aerofoils Limited Migdal Tefen Industrial Zone, 24959 Migdal Tefen, Israel Industria de Turbo Propulsores SA www.itp.es/web/Sec_home/wf_home.aspx IAE International Aero Engines AG http://www.iaenews.com/iae.php Williams-Rolls Inc. 航空エンジンファンブレ ードとファンケースの開 発 航空エンジンコントロー ルの開発・製造 航空エンジンのコラボレ ーション Adour エンジンおよび RTM322 のコラボレーショ ン 航空エンジンタービンの 表面コーティング 航空エンジン部品の製造 コンプレッサーシュラウ ド、コンプレッサーリン グ、タービン・ブレード、 ノズル案内翼の製造 ガス・タービン用圧縮機翼 の製造。大型の Trent エン ジンから小型の BR700 まで 対応 航空エンジン製造および 整備 V2500 エンジンのコラボレ ーション FJ44 エンジンのコラボレ ーション ②サプライヤーネットワーク ロールスロイスではワールドクラスのサプライチェーンを確立、維持するために調達に関する ポリシーを策定している。また、同社サプライヤーが効率的に事業を運営するにあたって必要な 情報を、 「グローバル・サプライヤー・ポータル(GSP:Global Supplier Portal ) 」60で開示して いる。GSP はサプライヤーが必要とする情報や文書を閲覧するためのアクセスポイントであると 同時に、安全な作業環境としての役割も果たしており、サプライヤーとロールスロイスの従業員 が常時アクセスでき、調達活動の自動・迅速化に貢献している。将来的にこの GSP は、サプライ ヤーが重要な情報を受信し、ロールスロイスとやりとりする唯一の場所となることになっている。 なお、GSP の一般公開セクションはインターネットアクセスを持つすべての人に公開されている が、よりセンシティブな情報を扱う保護されたセクションへのアクセスには、ロールスロイスか らの招待が必要となる。 60 https://suppliers.rolls-royce.com/GSPWeb/appmanager/gsp/guest?_nfpb=true&_pageLabel=login_page &_nfls=false 86 Copyright © 2012 JETRO. All rights reserved. なおエアバスとは違い同社はサプライヤーリストのウェブ掲載を行っていない。このため、 「3.1 ロングリストの作成」で抽出した企業の中から、同社を納品先に挙げたものをここでは取り上げ、 取扱製品から①ナセルやタービンなどの構成部品、②部品、③サービスおよび④素材に大別した。 また、英国ミッドランズ地域の航空宇宙クラスターである Midlands Aerospace Alliance61のウェ ブサイトには、会員企業のダイレクトリーが掲載されており、ロールスロイスからの承認の有無 を検索基準として検索を行うことが可能である。 a 構成部品 ○ ロールスロイスにエンジン構成部品を提供するサプライヤーの多くは、エアバスの主要サプラ イヤーと重複している。企業名と主な供給製品を下記に例示する。 ・Aircelle<エアセル>(ナセル) ・Avio<アヴィオ>(ドライブトレイン、燃料ポンプ、燃料タンク) ・Bromford Industries<ブロムフォード・インダストリーズ>(シャフトおよびローター) ・Daher Socata<ダヘル・ソカタ>(エンジン部品) ・Hispano-Suiza<イスパノ・スイザ>(動力伝動装置) ・ITP(低圧タービン) ・ITP Engine UK<ITP エンジン UK>(タービン製造) ・Novalti<ノバルティ>(タービン) ・Volvo Aero(ボルボ・エアロ)(コンプレッサーケース) b 部品 ○ 次のようにアクチュエータから、燃料管やブラケットなど様々な部品を扱うサプライヤー企業 が存在する。なかでも、FACC は 2005 年以降ロールスロイスのサプライチェーンパートナーとし て民間航空機用エンジンに用いられる複合材料構成部品の供給にあたっている。 ・Accrofab<アクロファブ>(ブラケット) ・Aciturri<アシトリ>(ケーシング、リングなど) ・Aero Engine Control<アエロ・エンジン・コントロール>(アクチュエータ、ポンプ) ・C.W.Fletcher & Sons<C.W.フレッチャー&サンズ>(リング) ・Doncaster Group<ドンカスター・グループ>(精密構成部品) ・FACC(複合材料構成部品) ・KST(ベアリング、ケーシングなど) ・Lisi Aerospace<リジ・エアロスペース>(ファスナー) ・Mecachrome(メカクローム) (ファンディスクなど) ・Mettis Aerospace(メティス・エアロスペース) (コンプレッサーディスクなど) ・Microtecnica(マイクロテクニカ)(アクチュエータなど) 61 2003 年に東西ミッドランズ地域開発公社、ロールスロイス、ダンロップ(現 Meggitt)などを中心に設立。 現在会員企業は 250 社を超え、その 6 割が部品製造に関与しており、残りは設計・テスト・製造活動向けの 機器製造あるいは専門サービスの提供を行う。http://www.midlandsaerospace.org.uk/ 87 Copyright © 2012 JETRO. All rights reserved. ・Otto Fuchs(オットー・フックス)(低圧タービンディスクなど) ・SL Engineering(SL エンジニアリング)(配管部品など) c サービス ○ エンジンテストセルの設計・建設を行う Cullum Detuners(カラム・ディチュナーズ)、MRO を 実施する OGMA のほか、機械加工・組み立てなどに従事する ANT Industires(ANT インダストリー ズ) 、タービン・ブレードの機械加工を行う JJ Churchill(JJ チャーチル)や Hucknall Sheet Metal Engineering(ハックナル・シートメタル・エンジニアリング)が挙げられる。なお Hucknall Sheet Metal Engineering は同社の優先供給ステータス(Tier1)を獲得している。また、Umeco(ウメ コ)はサプライチェーン・サービスを提供している。Umeco はこれまでにも子会社の Pattonair (パットンエア)を通じロールスロイスの英国、ドイツ拠点に同様の SCM サービスを提供してい たが、2010 年 8 月に同社北米拠点への SCM サービス提供の契約締結を発表している。 d 素材 ○ KGHM Ecoren<KGHM オザーレン>がタービン・ブレード向けのレアメタルを供給している。 また、2008 年度からサプライヤーによる貢献を評価するための「ロールスロイス・サプライヤ ー・アワード」を実施している。サプライヤーの継続的な改善に着目し、同社の事業セクター別 に企業が選ばれるほか、調達担当者や最良実施例なども受賞対象となる。航空部門の過去の受賞 企業をみると 2008 年度から Parker Aerospace(パーカー・エアロスペース) 、JJ Churchill およ び Techjet Aerofoils(テックジェット・エアロフォイル)である。またサプライヤー・オブ・ ザ・イヤー賞(Overall Supplier of the Year)には 2008 年度から川崎重工、住友精密工業およ び Kuehne + Nagel(キューネアンドナーゲル)が選ばれている。なお、今後は GSP を利用してア ワードの発表も行われる予定である。さらに、昨今の厳しい経済環境を鑑み、支払期日に先立っ てサプライヤーへの支払いを行う「サプライヤー・ファイナンス・プログラム」も実施している。 88 Copyright © 2012 JETRO. All rights reserved. 図 16: ロールスロイスのサプライヤーネットワーク 構成 部品 部品 Accrofab, Aciturri, Aero Engine Control, ANT Industries, C.W.Fletcher & Sons, Doncaster Group, FACC, KST, Lisi Aerospace, Mecachrome, Mettis Aerospace, Microtecnica, Otto Fuchs, SL Engineering Aircelle, Avio, Bromford Industries, Daher Socata, Hispano-Suiza, ITP, ITP Engine UK, Novalty, Volvo Aero ロールス ロイス 素材 KGHM Ecoren サービス ANT Industries, Cullum Detuners, JJ Churchill, OGMA, Hucknall Sheet Metal Engineering, Umeco, Pattonair 出所: ロールスロイス発表資料を基に作成 89 Copyright © 2012 JETRO. All rights reserved.