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Title 芳香族アミン系感光性高分子の光化学過程
Title Author(s) Citation Issue Date URL 芳香族アミン系感光性高分子の光化学過程( Dissertation_全文 ) 和田, 善男 Kyoto University (京都大学) 1998-03-23 https://doi.org/10.11501/3135675 Right Type Textversion Thesis or Dissertation author Kyoto University θ 芳香族アミン系感光性高 分子 の光化学過程 1 9 9 8 和田善男 芳香族アミン系 感光性高分子の 光化学過程 目次 第 l章 序 論 第 I部 芳香族アミンーハ ロメタン系の色素 生成と光反応機構 第 2章 ジフェニルアミン一 四臭化炭素系の光反 応で生じる発色成分 3 1 第 3章 ジフェニルアミン一 四塩化炭素系の光誘 起反応 23 第 4章 N・メチルジフェニル アミン一四臭化炭素 系の光反応機構と 生成物の分光的性質 I部 第I 35 芳香族ビ、ニルポリマー-ハロメタン系の 光反応とフォトレ ジスト材料への応 用 第 5章 ジフェニルアミノ基 をもっメタクリレー トポリマーと 四臭化炭素の光反応 第 6章 1 5 カルパゾリル基をも っメタクリレートポ リマーと四臭化炭素 系の 光反応及び光架橋材 料への応用 I部 I 第I 63 ジブロモカルバゾ リル基をもっ高分 子系の 三重項エキシマー 形成 第 7章 ジブロモカノレパゾリノレ基をもっメタクリレートとメチノレ メタクリレート共重 合体の燐光スベクト ル特性 75 第 8章 ジブロモカルバゾリル基をもっメタクリレート共重合体 フィルム における 三重項エキシマー形成挙動 第 9章 5 8 ニルカルバゾールオリゴ、マーの燐光スベクトルと ジブロモビ、 99 三重項エキシマー形成機構 総括 3 1 1 発表論文 7 1 1 謝辞 119 1 1 第 l章 序 論 .1 芳香族アミン -1¥口メタン系の光反応、とその感光材料への応用 1 1フォト ポ リマ ー . .1 1 B)系は一般に「ラジカノレ写真 J と DPA-CT 本研究で扱うジフェニルアミンー四臭化炭素 ( 呼ばれているもの である.これは本 来,高感光度の発 色写真材料として 研究されたもので ある.本研究では この系をレジスト 材料に応用するこ とを試みたので, はじめに簡単にフ ォトポリマーについ て述べ るト 3) 感光材料は,大別 して,銀塩写真材 料 と非銀塩感光材料と に分けられる.銀 塩写真材料 はハロゲン化銀を 用いるものである .非銀塩感光材料 としては重クロム 酸塩ーコロイド感 9世紀半ばから利用 されてきた.この 感光液は六価のク ロムが光還元され て 三価 光液が 1 0年代までは 6 9 に変わると共にコロイ ド物質と配位結合して 硬化膜をつくる ものである . 1 写真製版の分野で もっぱら使われてき た .その利用法として ,金属凸版をつく る場合に酸 腐食液から画線部を 保護するためのレジ スト(耐食膜)を重 クロム酸アンモニウ ム ーグルー 作った.また,平版 印刷版では,印刷イ ンキが付着する画線 部を形成するのに, 感光液で、 ))感光液を用いた .また,グラビア印刷 l o h o c l nyla vi ( ly o p A( 重クロム酸アンモ ニウム-PV では,銅シリンダ ーを化学的に腐食 する際に,カーボ ンティッシュを重 クロム酸カリウム で感光化して用い た.このように, 重クロム酸塩ーコ ロイド感光液は非 銀塩材料としてそ れまで唯一 といってよいほど 有用なものであっ た . しかし,この感光液 は不安定で,保存 性も悪く,また六 価クロムが公害物 質でもあるので, これに代わる材料 の出現が待たれて いた. S版 光分解型のジアゾ 化合物は第 二次世界大戦前か ら発達していたが ,今日平版用 P として大いに成功を収めているの.ネガ 型のジアゾ樹脂とポ ジ型のオル e) t a l dp e iz t i s n se e r p ( トキノンジアジドが 利用されている .また,光分解型 としてアジド化合 物と環化ゴムを混 合した感光液が,接 着性の優れたレジス ト材料として用いら れている . t社)など光重合反応を利 用する感光性樹脂凸 版が発達した n o DuP i1( r c 0年代は Dy 6 9 1 これは多官能性ビニ ルモノマーを用いる ものである. kはポリ桂皮酸ビニル を発表し s n i 9年 ,M 5 9 1 k社はこれを商品化し た.これに a d o ,K ) 5 よりフォトレジス ト技術は写真製版 の世界から飛び出 して,近代的なフ ォトフアプリケー ションの時代が幕開 けしたといえる .その後のレジスト 材料の発達は目覚し く,光微細加 1 工技術やエレクトロニクス分野におけるマイクロリソグラフィを発展させ, 現代 のハイ テ ク技術を支えている . 。 OOUN t o 1 .1 .2 芳香族アミンー J、ロメタン系感光材料 Br 1 9 6 0 7 0 年代に芳香族アミンと四臭化炭素 ( CTB) を組合わせて感光材料 に利用 する研究 がし、ろいろとなされた. S p r a g u e らはジフェニノレアミン (DPA)と CTB をボリマーフィノレム H . I~ 'O 中に分散させ,これを紫外線で露光することにより t r i p h e n y l m e t h a n ed y e(TPMD-l,F i g .1 . 1 ) TPMD-1 を生成させ,加熱により定着させるシステムを発表した の. この簡便なシステムは露光だ けで発色両像が得られることや銀塩写真と比較できるほ ど高感光度であることが大いに注 F i g .1 .1 TPMD-l 目された . この他にも芳香族アミンとハロメタンを組合わせた感光 材料システムが発表されている . F o t l a n dらは LeucoC r y s t a lV i o l e tと CTBをポリマー中に分散させ,露光により C r y s t a lV i o l e t 1 .1.3 芳香族アミン -1、口メタン系の光化学反応 を生じさせる系を報告した a n i l i n e,N, N-di m e t hy la n i l i n e (DMA) や DPA などの芳香族アミンはイオン化ポテンシヤル 7 ) S a n oらは Nv i n y l c a r b a z o l e と CTBをゼラチン層に分散させ た印画紙で CRT画面記録材料を発表した 8 ) 同様に,白)1 1は電子ビーム記録材料として芳 香族アミンと CTBをポリスチレンフィノレム中にドープした系を検討した 9 ) Abraham らは 7 -( pd i m e t h y l a m i n o p h e n y l ) c y c l o h e p t a t r i e n e と CTB の系を記録材料として検討した 1 0 ) CTB が低いので励起状態で電子を放出しやすい. 一方,ハロメタンの中でも四塩化炭素 (CTC) は非極性溶媒としてまた強し 1電子受容体として利用される. CTC マトリックス中で一連の芳香族アミンを γ 線照射して,アミンのカチオンラジカル を p o ly (9 v i nyl c a r b a z o l e )(PVCz)に分散させた系の光照射で生じるカチオン性色素を光電 導 の吸収ス ベ クトルが観測された 物質として利用する研究もある また,凸版用 PS版として, p o l y ( Ne t h y l -Np h e n y l a m i n o トリシスあるいはレーザーフォトリシスにより,アミン の反応中間体の過渡吸収スヘクト e t h y l m e t h a c r y l a t e )と 2-トリブロモメチルスルフォンを組合わせ,光架橋させるものがある 1 2 ) ルが観測された 1 6 ) 1 8 ) これらの分光学的データから芳香族アミンとハロメタン の光化学反 1 1 ) このように芳香族アミンー ハロメタン系の実用化研究は 7 0 年代まで盛んであったが ,そ れ以降は電子写真やその他の画像材料, レジスト材料が発達したため, この系にはあまり 関心が向けられなくなった . しかし今日 ,感圧 紙,感熱紙 などにはロイコ染料が使われて おり ,依然 t r i p h e n y l m e t h a n e系色素の機能性は重要かっ有用で ある . これらの系の吸収スベクトノレでは 600nm 付近 に吸収 ピーク がみえるものが 多い. これ 1 7 ) また,芳香族アミン ーハロメタン系のフラッ、ンュブオ 応は初期過程でエキシプレックス(励起錯体)を形成し ,アミンからハロメタンに電荷が移 動する.このように,電子移動の初期過程が分光学的に 研究されている. しかし,芳香族アミンとハロメタンの光反応後続過程に ついての知見は少ない . これは 多数の生成物が生じやすく,その分析が困難であるため である . しかし ,生成物分析は反 へ は生成物である TPMDあるいはその類似物による吸収である場合 が多い.TPMDの代表的 応機構を知る上で重要な手掛かりとなる .その中で, L a t o w s k iと Z e l e n t らは, DMA1 9 a 0 1) N, N d i m e t h y l t o l u i d i n e2 ,l N-m e t h y l d i p h e n y l a m i n e( M D P A ) 1 8 ) 1 9 c ) および a n i l i n e2 とハロメタンの なものは C r y s t a lV i o l e tである .これは N から N' まで長い共役系を もち ,590nmに吸収ピ 光反応を報告している.そこでは生成物分析に基づく反 応機構の考察がなされている . し ークをもっ.との中心炭素原子の結合は S p 3混成軌道ではなく S p 2混成軌道で、ある. したが かし,第 4章で述べるように,彼らの反応機構の解釈には大きな間 違いがあるようである . って, Z o l l i n g e rは t r i a r y l m e t h a n ed y eではな く,t r i a r yl m e t h i n ed y e と命名すべきだと主張し ている 1 3) S p r a g u e らの DPA-CTB系の TPMD-l 生成機構については,その後明解な批判が下され ないままに過ぎた.しかし, Budykaらはこの系の TPMD-l生成機構を DPAのパラ位に =CBr 2 S p r a g u e らは DPA-CTB系の光反応で,DPA三量体である TPMD-I が生成すると同定し が置換したカチオン中間体 1 ,および 2個の DPA のパラ位が ー CBr = で結ぼれたカチオン た.そして,その反応機構 を CTB励起に始まるラジカノレ連鎖反応で説明し た. しかし, 芳 中間体 I I を段階的に経て生じると解釈した 2 2 ) ただし, Budyka らは,実験的にこれらの 香族アミンとハロメタンの光反応は典型的な電子移動系である. したがって,その後のこ 中間体の存在を証明したわけではない . の系に関連した研究はこの観点から, S p r a g u e らの機構を半ば批判するよ うな形で展開さ れて行った 1 4 ・1 6 ) 2 我々は 1 9 8 3年頃から DPAの CTC溶液 ( DPA/CTC) 系における光反応生成物の分析に着 手して,多数の生成物を同定し,反応機構を明らかにし てきた. 3 1 .2 ジブロモカルバゾリル基をもっ高分子系の三重項エキシマー形成 s e c o n de x c i m e r ) の発光が多いこ とを示した . マー ( さらに , エ キ シ マ ー の 構 造 は , 低 分 子 モ デ ル 系 で あ る r a c -ま た は meso-2, 4 - 1.2 . 1 一重項励起状態と三重項励起状態 芳香族化合物はその発達した共役系のため,近紫外から可視の比較的長い波長の光を吸 d i c a r b a z o l y l p e n t a n e( 2, 4・ diCzPe)によって明らかにされた 2 5・28). meso・ 2, 4・ diCzPeにおいて,隣 収して,励起状態に達することができる . このため様々な光機能材料の“発色『 接する 2個の Cz基 ( d y a d ) が平行平面のように重なり合う, F i g .1 . 2のような構造がサン ( c h r o m o p h o r e )"として利用される.励起状態から基底状態へ戻る過程で様々な光化学あるい ドイツチ型エキシマーで、 ある.また ,r αc・ 2 , 4-diCzPe により Cz基の一つの芳香環どうしが は光物理現象を示す. 重なり合う構造がセカンドエキシマーで、 あるとされた. いま分子の光物理過程についてみると,基底状態 ( So ) にある分子は光を吸収して励起 一 重項状態 ( SI )へ励起される .S Iから熱放出により基底状態へ戻る,あるいは蛍光を発して , 、 . r , ・ーイ a' a' . . . . , sと長い.この から S。への遷移はどちらも禁制遷移であるため, 三重項状態の寿命は μs 、ふ 的失活により,あるいは燐光を発して基底状態へ戻る過程がある .S Iから T1への遷移 ,T 1 、 , , ・ -, . . ,d Iから項間交差 ( ISC)により励起三重項状態 ( T1)へと移り,そこから熱 戻る過程がある. S ことは三重項状態から様々な分子問,分子内反応が起こる理由でもある. 発色聞として,カルバゾール,ナフタレン, ピレンなどの光物理過程がよく研究されて いる.とりわけカルバゾールは蛍光,燐光スベクトルの形状,波長位置などが分光観測に m e s o 2, 4 d i CzPe . , αc・2, 4-diCzPe 適しているのみならず,イオン化ポテンシヤノレの低い芳香族アミンとして光導電性など特 異な性質を持つため,研究材料として多く利用される . 芳香族基を含む高分子系の光物理現象は興味深い .発色団の局所密度が大きいので,発 F i g . 1 . 2 F u l l y o v e r l a p p e dc o n f o r m a t i o n of meso・2, 4・diCzPe and p a r t i a 1 ly-overlappedconformationofr a c ・2 , 4 d i C z P e . 色問問でのエネルギー移動により励起子が移動して,安定なサイトに捕捉され,そこから 発光により基底状態にもどる . このような捕捉サイトとして, 2つ の発色同が配位した励 山本らは, p o l y ( 3, 6・ d i t e r t b u t y l 9・ v i n y l c a r b位 o l e )とそのダイマーモデ、 ル化合物を用いて, 起 こ量体(エキシマー)構造が考えられている.多くの芳香族ピ三ノレ系高分子で‘は溶液状態 立体構造とエキシマー形成の関係を論 じた でも固体状態でもエキシマ一発光が観測される . c a r b a z o l y l e t h y lm e t h a c r y l a t e )(PCzEMA) ではエキシマー形成が抑制されることを見出した 2 9 ) また,仮J I 鎖に長いスベーサーをもっ p o l y ( 9 3 0 ) 三重項状態はフォトポリマーの光反応や分光増感にも利用され,実用的にも重要である . Iによる 三重項ー 三重項 ( T T ) エネルギー移動を介した反応種の励起が行われ,著し 増感斉J 1. 2.3 高分子系における三重項エキシマー形成 い反応効率の増加と感光波長の長波長化 が可能になった .こ の原理は典型的なフォトレジ 一 重項と同様に, 三重項励起状態もエキシマーを形成するという研究は以前より多く報 ストであるポリ桂皮酸ビニルの増感にも 利用されている. 告されてきた. しかしながら,溶液系における研究ではほとんど見るべき成果は生まれて こなかった.その理由は,三重項状態の長い寿命のために,分子拡散による燐光消光と不 1.2.2 高分子系における一重項エキシマー形成 純物発光の影響が大きく,多くの実験結果の信頼性が失われたためである.例えば, 三重 光電導性高分子である p o l y ( 9 v I n y l c a r b a z o l e )(PVCz) は,光物理過程 についてもっとも活 項エキシマーについて, Lim らはナフタレンダイマー化合物を中心に研究を行ない, L 字 発に研究されてきた芳香族ビニル高分子で、ある .PVCzの一重項エキシマー形成機構やその 状をした 三重項エキシマー構造を提唱した 3ト3 9 ) 構造について多くの研究がなされてきた. PVCz は溶液中で N・エチルカルパゾーノレ ( E t C z ) らにより痛烈な批判を受けることになった 4 0 ) しかしながら,後に Limらの研究は N i c k e l のモノマ一発光スベクトノレより長波長側にブロードな蛍光発光を示す .Johnson や板谷ら 一方,分子拡散の抑制された高分子園体系における 三重項エキシマーの研究は盛んで、あ , 3 -ジカルパゾリルプロパンモデルを用いてエキシマ は Cz基の置換位置が異なる PVCzや 1 る. K l o p f f e rらは PVCzフィルムの燐光ス ベ クトル(77K)でブロードな 三重項エキシマ一発光 一発光について検討した を報告している 41) Bu r k h a r tらは PVCzを中心に 77 K以下の極低温領域での 三重項エキシマ 2 3 2 4 ) また,高分子の立体構 造 とエキシマー形成の関係を詳細 に 解明した.すなわち,アイソタクチ ック 性に富むカチオン重合によってつくられた PVCz(c) ーについて 一連の研究を行なし、 4M9),安定トラップサイトとして三重項エキシマーを含む では 420 nm にピークをもっサンドイツチ型エキシマーの比率が多く , シンジオタクチッ 複数種が存在することを報告している.また,伊藤らは芳香族発色団を含むメタクリレー ク性に富むラジカノレ重合で、つくられた PVCz(r)では 370 nmに ピークをもっセカ ン ドエ キシ ト系高分子を多数合成し,発色団の 三重項状態における相互作用のあり方が,振動構造を 4 5 保った浅い“トラップ型"とブロードな燐光スペクトルを与える“エキシマー型",こ分類さ e らの機構について‘ DPAのオノレト位や N 位でも反応は生じるのではないかという u g a r p S れることを示した 60-61). しかしながら,これらの高分子における研究においても三重項エ 疑問が生じた.そこで、実際の生成物について分析した.その結果, DPA はパライ立だけでな キシマーの発光は弱く,その同定には不純物発光との区別に多くの努力が必要で、あった. く,オノレト位や N 位 で も CTB と 反 応 し て , 主 生 成 物 と し て TPMD・1 の他に 9・ で三重項エ キシ , 77K 、 )(PDBVCz)の MTHF中 e l o z a b r a c l y n i 9・v ・ o m o r b i 6・d 3, ( y l o 横山らは p マーを観測したと報告した ) 2 6 e(DPAAc)を高収率で、与えることを見出した. n i d i r c a o n i m a l y n e h p i d この試料は高分子系において明瞭な三重項エキシマーを示 e(DBEtCz) l o z a b r a c l 出y o・9・e m o r b i 6・d す初めての例となった.すなわち,モノマ一発光で、ある 3, の燐光スペクトルの 0・0バンドが 417nmであるのに対し, PDBVCzの燐光スペクトルは 459 m にピークをもっブロードな発光である. この DBCz発色団は,臭素の重原子効果により oNO+CBr4 L+ )から励起 I S ,DBCzの励起一重項状態 ( ) 3 6 o ; 附α 。 oog u N r c 判 。 人 O~' 叫 7 Kにおいて T1)への ISCの量子収率が約 1と高い .DBCz発色団は MTHF中 7 三重項状態( DPAAc 1 蛍光発光がみられず,強い燐光発光だけがみられる. したがって,明確な燐光スペクトノレ tは PDBVCz r a h k r u ロykとB a t が得られ,三重項エキシマーの研究には好都合で、ある.その後, S 第 3 章では,ジフェニルアミンを四塩化炭素に溶かした (DPNCTC) 溶液系の光化学反 1nmの発光種 0 について時間分解法で燐光スペクトルを解析し, 448nm,473 nmおよび 5 応機構の解明をすす めた.これまでに芳 香族アミンーハロメ タン系の光反応初期 過程につ を見出した いては,過渡吸収スペクト/レの観測などにより,スキームが確立している. しかし,後続 ) 2 5 このように DBCz発色団による三重項エキ、ンマー形成についての分光学的研究がいくつ 反応については,最終的にどのような生成物が得られるのかきわめて報告例が少ない. し か行なわれているが,その性質は一重項のそれとは大きく異なっている.また,三重項エ たがって,生成物に基づく反応機構の解明の必要性を強く感じた.そこで DPNCTC 溶液 キシマーの構造についてはまだ明確な説明がなされていなし、- 三重項エキシマーの 形成機 , DPAAcの他に, 2,6,7,8,9 ) 系の光反応生成物について分取同定をすすめ, TPMD-l(CI 構や構造の解明は,高分子国体における光物理過程を議論する上で重要でありながら未解 のような生成物を得た.これらの結果に基づいた反応機構を考察した. 決の研究課題といえる.本研究ではこの DBCz発色団を用いて三重項エキシマーの研究を すすめた. I部(第 5・6章)は,芳香族アミンーハロメタン系 本論文の第 I部(第 2・4章)および第 I I 部(第 7・9 章)で I の光反応機構とその光架橋レジスト材料への応用について述べる.第 I はジブロムカルバゾリノレ基をもっ高分子の三重項エキシマー形成について述べる. 第 I部 芳香族アミンーハロメタン系の色素生成と光反応機構 、グ 本研究の棟要 1 ρ 2 OHAMN'He 戸 、 .3 1 o o 。 toσ80ε 。 0 。 ユ 。 COCI 70NI ONU 9 0 第 4章では ,N-メチルジフェニルアミンと四臭化炭素 (MDPA・CTB)の溶液系の光反応お よび溶液系とフィルムドープ系における吸収スペクトノレ変化を検討した.前章までの DPA 本研究の発端は光発色材料である「ラジカル写真」への興味であった. しかし,この系 の光反応では N位の反応性が活発で, 目的生成物である TPMD・1の他に多数の生成物を生 を光化学的に取扱う中に,芳香族アミンーハロメタン系の光化学反応機構の解明に研究の じる.この N 位の反応性を抑える ために恥IDPA を用いた.その結果,著しく生成物の種 重点を移した. 類を少なくして, しかも TPMD・2 を得ることができた.また,溶液系およびフィルムドー プ系における低温からの温度上昇に伴う吸収スペクトル変化を追跡した.この MDPA・CTB e らのジフェニノレアミンと四臭化炭素をフ u g a r p 第 2 章では,研究の初期段階として, S ィルム中に分散させた(DPA-CTB/フィルム)系を取り上げ,その生成物分析から反応機構 系は第 5章の CTBIPDPAEMA系の低分子モデル系ともなって, CTBIPDPAEMA系の光反 応機構を考察するのに役立つ. を検討した.この系で DPA のパラ位だけが CTB と反応して TPMD・1 を生成するという 6 7 0 0 0O O ジブロモカルバゾリル基をもっ高分子系の三重項エキシマー 形成 附 B「 I I 部では三 重項励起状態の挙動を大きく支配する 三重項エキシマーの形成機構につ 第 I いて研究を行なった. T 鴨 2Meo 第 I I部 第 I I I部 芳香族ピ、ニルポリマ一一ハロメタン系の光反応とフォトレジス 第 7章では側鎖にジブロモカルパゾリル (DBCz) 基をもっメタクリレート系高分子を合 成し,その MTHF溶液系とフィルム系の燐光スペクトルを観測した. MMA との共重合体 ト材料への応用 z基問の平均距離を変化させることにより, DBCz発色団の 三重項励起状態 を用いて DBC 第 I部で得られた知見に基づき,芳香族アミンーハロメタン系をレジスト材料として応 が孤立したそノマー状態からエキシマー状態へ移行する過程をみた . また,未置換のカ/レ DPA,C Z ) 発色団を側鎖にもつ高分子を合成し, ' 用することを検討した .芳香族アミン ( バゾリル基をもっ同様な高分子系と比較することにより, DBCz の発色団としての特徴を れらに CTB をドープした系の光反応を検討し,また実際にレジスト作製を試みた . 考察した. ーわや CH3 → tc C=o 第 5章では p o l y ( , NN d ip h e n y l a m i n o e t h ylm e t h a c r yl a t e )(PDPAEMA) を用い, CTB-PDPAEMA 溶液系および CTBIPDPAEMA フィルム系の光反応を追跡した.溶液系とフィルム系の温 、 J Br/、ν/ーーへ~ヘ Br キH T i b PDPAEMA CH3 r あることを見出した.また,実際に基板上でのレジスト作製を試みた . 。 。 0 CH2 〆 ¥ ゾ NV 1 1 赤土 -CH C=O o C H2 度上昇に伴う吸収スペクトル変化を観察して,両系において反応の進み方に大きな相違が CH3 CH P(DBCzEMAco・MMA) 圃 第 8章では PDBCzEMAおよび P( DBCzEMA-CO・MMA)フィノレム系における 三重項エキシ 5 7 7 K での時間分解燐光スペクトルおよび過渡吸収スペ マ一種を直接観測するために, 2 クトルの測定を行ない,分光測定から三重項状態の励起種とその聞のダイナミックスを明 らかにすることを試みた 第 6章では p o l y [ 2 ( 9・c a r b a z o l y l ) e t h y lm e t h a c r y l a t e ] (PCzEMA)に CTB を ド ー プ し た 第 9章では PDBVCzの MTHF中 , 77K で形成される三重項エキシマーについて分子量 CTBIPCzEMA フィルム系を取扱った. PCzEMA は高効率なエネノレギー移動や光電導性が 効果を調べた .重合度 n = 2 8付近の DBVCzオリ ゴ、マーについて ,nの大きさと三重項エ 報告されている特徴ある高分子であるが,同時に Cz基がノ¥ロメタンと CT錯体を形成する キシマー形成効率の関係を観測した. PVCz 溶液系の一重項エキシマーとここでの三重項 ことが知られており, PDPAEMA と同様に光化学反応性高分子として感光材料になること エキシマーの構造が異なることが予想される .各オ リゴ、マーにおけるエキシマー形成確率 が期待される. とコンホメーション解析の結果を比較することにより,三重項エキシマーの構造について 合理的なモデ、ルを考察した . ﹁ PCzEMA 8 9 今、 dr G10 CBr4 、 + 川l H w r ・ 、 ,〓 h - ロ u ilyLm キH T i l 示 . 6 5 2 1983,105,7 文献 . 5 6 9 :NewYork,1 s n o nWiley& S h o ;J m e t s y eS v i t i s n e S t h g i .L )Kosar,J 1 . 2 7 9 ) 角田隆弘“感光性樹脂"印刷学会出版部, 1 2 . 7 7 9 ) ノk松元太郎“感 光性高分子" 講談社サイエ ンティフィク , 1 3 :London, s s e r lP a c o ;TheF s e s rU i e h oCompoundsandT z eDia v I l i s n e s o l o h .P S . ,M )Dinaburg 4 JAm. a H. , h a r ;Mぉ u . .C r,F e v y r h c ;DeS . ;Boens,N . ;Toppet,S . ;Palmans,P . e,J h c s s e i r d n e d n a )V 8 2 . 7 5 0 ,8 .1984,106 c o Chem.S . 6 6 6 ;Yamamoto,M.Macromo/ecu/es1990,23,2 . i,Y i j u s ;T ;Takami,K. . o,S t )I 9 2 . 5 1 .Chem.1989,93,8 s y h unsen-Ges.P ,B ;Yamamoto,M.Ber . to,S ;I . )Ohmori,S 0 3 . .1975,63,5491 s y h .J Chem.P .C ;Lim,E . 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I 体よりも励 起状態の CT錯体から主 として起こ っていると した ) 4 このように DPA-CTB,あるいは DPA-CTC系について 検討がなさ れているが ,その多く e らによる u g a r p は初期過 程に関す る論議が 中心であ り,後続 過程につ いては, 当初の S TPMD-l の同定の ほかに具 体的な報 告がない .これを写 真システム として考え るとき,い かなる生成 物が生じて いるか知っ ておくこと は,まず第 一 の出発点で あるように 思われる. また,反応 機構を実証 するために も生成物分 析を中心と する後続過 程の研究は 重要である . 12 3 1 D-1 1 V Spragueらは 3個の DPAがそれぞれ パラ位で CTBと次々に連 鎖反応的に 反応して TPf を生じると いう複雑な スキームを 提唱した. しかし, DPA のパラ位だ けに選択的 に光反応 が起こると いうのは, 光反応の 一般的通念 からは納得 し難いこと である. DPA の他 の位置 でも反応が 生じる可能 性は大きい .筆者らは , DPA-CTB 系 の光反応 について ,特に後 続 反応に着目して,生成物分析をすすめた.その結果,新たな着色生成物として 9 e (DPAAc)の生成を見 出した .これは 2個の DPA分子のそれ ぞれ N 位 n i d i r c a o n i m a l y n e h p i d ・ CBr3 ラジカルの 付加により 結ぼれた ,DPA の二量体と もいうべき もの およびオル ト位が ・ である.本 章では,そ の生成物の 同定結果に 基づいて, DPA-CTB のバルク ,溶液お よび ドープフィルム状態における CT錯体の形成 と発色,お よび DPAAc と TPMD-1 との生成 使用した DPA(和光純薬)および CTB(東京化成)は常法によって再結晶精製して用いた. 分取のた めの試料 は櫨紙に 含浸させ ,照射後 ,ジクロ ロメタン ,メタノ ールを順 に用いて 抽出し,カラムクロマトグラフ, TLC で分離精製 した.吸収 スベクトル は目立紫外 可視分 光光度計 200・20形で, IRスペクトルは目立赤外分光光度計で, NMRスベクトル は日本電 子 FX・90Q形で測定した. ) 生成物の分 取同定 e(DPAAc):i n i d i r c a o n i m a l y n e h p i d 9 730(m), ;IR(KBr)1 C mp232-234o 街 一 万 か ー ︿ ), 43 2= 346. N 8 I H s 2 rC o lwtf o m 0eV)( 7 1 0 2 ]参照);GCMass( . 2 . g i 位置番号 は F ( 4 . 2 2 )] ' 4 6,( . 9 2 ] ;EAC ) 4 2 1( ),and5 8 0( 5 ),1 0 1 6( 7 ),1 0 1 ),240( 8 3 ),267( 0 1 ),345( 8 ,2 )346(M+ y t i s n e t n li e. r e( / m ylN .7g ) 別途合成 DPA1 i 9%). i 0 . 4andN 8 2 . 8,H 5 6 . 6 .C 8 d l a c 62%( . 38% andN 7 , H 5. 32% 5. 8 0 3g/THFを滴下し, 50 C . を乾燥 THF20mLに溶かして ,この溶液 に水素化ナ トリウム 0 0 7g/THFを滴下して, 70 C で 5h還流した. e2. n i d i r c a o r o l h で 1h撹枠した. この溶液に 9・c のち,反応 物をアルミ ナカラムで 分離精製し , 目的物 DPAAc を得た.こ の別途合成 した DPAAc l D TP肘I e in d i r c a o n 赤 色 の 主 生 成 物 に つ い て 分 取 し て , 同 定 を す す め た と こ ろ , 9・diphenylami (DPAAc)であること がわかった .次にその 同定結果お よび別途合 成の結果を 示す. HNMR ;' ) w ( 5 0 ),690(w),620(w),5 s v ( 0 5 ),790(w),7 s ( 5 8 2 ),1360(m),1 s ( 0 1 4 ),1 s v ( 5 4 5 ),1 s ( 5 8 5 1 CNMR8/ppm 3 ;1 ) H 0 2(m,1 9 . 1-6 2 . 8(m,4H),and7 2 . 1-7 8 . 9(m,4H),7 9 . 9-7 2 . )δ=8 I2 C (CD2 ) ' 3 .4,( 21 )1 ' 2 0,( . 8 4 )1 ' 1 7,( . 5 2 )1 a 9 .3,( 51 )] a 4 8,( . 7 4 )1 9 6,( . 0 3 )1 4 ],( . 0 3 )1 3 6,( . 6 2 )] 2 8,( . 4 2 )1 1 ( 、 JO 々 O σ 比などにつ いて検討す る. なしてよい. sofTPMD-1andDPAAc. e r u t c u r t . S .1 g.2 i F DPAAc と光反応からの分取物とは, IR,NMRデータが完 全に-致し た. DPAAcは粉末状 結晶で,酸性下で赤色を,アノレカリ性下で黄色を呈する . このように, DPA-CTB系の光反応 着色生成物 は主として TPMD-1および DPAAcである. この他に も着色あ るいは無 色の生成 物が数種 類みられ るが,い ま写真シ ステムと して発色 .2 実 験 2 に大いに関 与するもの はこの 2 種の主生成 物である. なお,この DPA-CTB 系と類似し た .1 DPA-CTB系の光反応 生成物 .2 2 DPA と CTB をアセトン 溶媒に溶か し,これを 癒紙に含浸 させ,乾か し,水銀灯 で照射 MeOH) とジクロロ メタン すると青色 に着色した .こ の照射生成 物を癒紙か らメタノー ル ( TLC) で観察す ると,多 数の生成 物の ですべて 抽出した .生成物 を薄層ク ロマトグ ラフ ( 存在が確認 された. しかし,主 なる着色物 としては, 青色の TPMD-l とみられるものと , 赤色の生成物(シリカゲ、ノレ TLCの場合は赤 色,アルミ ナ TLCの場合は黄 色,展開液 はジク ロロメタン とメタノー ルの組み合 わせ)が目 立った.そ こで,これ ら 2種類の着色 主生成物 について検 討すること にした. TPMD-1 については ,すでに Sprague らが元素分 析,別途合 成により帰 属している .本 実験では, この同定は 行なわず, それに相当 する青色着 色物を TPMD-l として扱う ことに した.なお, Spragueらは TPMD-1IMeOHの可視域に おける最大 吸収波長を 585 nmと報告 した .筆者らの場合, TPMD-1IMeOHは 590nmであり,ほ ぼ一致する ので同じ生 成物 とみ 4 1 生成物を生 じる DPA-CTC系 の生成物分 析について 第 3章で述べる . 2.2.2 DPA-CTB系の電荷移 動錯体およ び発色 ) DPA-CTB溶液系の電 荷移動錯体 1 ( DPA-CTB溶液系 の CT錯体につい て,連続変 化法を用い て調べた .DPAおよび CTB の PVC)/テ そ の THF溶液および塩化ヒoニノレ ( Lとなるよ うにして , 4mol/ 各モル濃度 の和が 0. トラヒドロフラン (THF) 溶液の 2種類を調製した.後者の DPA-CTB-PVC庁 HF溶液は PVC 50mg/THF 1mLの濃度であ る.それぞ れの紫外可 視吸収スベ クトルを光 路長 1m mセル によって測定した. , DPA と CTB の各モル分 率について ,その CT吸収ノくンドの一部に当たる波 2は . .2 g i F 長 350nmにおける吸 光度をプロ ットしたも のである. DPAと CTBがモル比 1:1で吸光度 5 1 , HF の最大値を とることか ら, この系が, 1:1CT錯 体を形成 す る ことがわか る . また T , 両 者 のいずれ rHF 溶液による UV 吸 収 上 の 差異 はみら れ ない . したがっ て 溶液と Pvcr を横紙に含 浸させても スベクトノ レ上の差異 はないもの と して よい . 。 .2 1 ω 5 7 . 3b-fに示すように, DPAのモル分率 が 0 . .2 g i を通して 測 定した結果, F enNo.25) t t a r W CT錯 体 に よ る 黄 濃 度 が ほ ぼ 前 後 で 最 大 濃 度 を 示 し た . このように , DPA の各モノレ分率で、 率よく生成 さ 一 定 で あ る に も か か わ ら ず, CTB に対して DPA 過剰 条件下で青 色色素が効 分子を必要 とするこ れる . これはまた 色素 TPMD-l の生成が CTB 1分子につい て DPA 3 .3節で述べるように, ここでも DPAAcは TPMD-lとほぼ 2 . ととよく対 応している . 次の 2 で照射試料片は青 同じ割合で 生成してい るが, TPMD-l の 大 き な 吸 光 係 数 に よ る 濃 い 発 色 Ac くみえる.DPAAcの生成は, DPA2分子と CTBl分子を必要とするから, TPMD-l と DPA が が 主 生 成 物 で あ る こ の 場 合 , 原 料 モ ル 比 で DPAが CTB より約 3倍多いとき 反応の効率 208 m iコ ‘ o ょいという ことは妥当 であると恩 われる . ) f c x e l p m o CTc コ ぷ 4 <( 0. 12 . 0 5 2 . 0 5 0. 5 7 . 0 10 . ) ] [DPA]/([DPA]+[C8九 と e 。 ω 8 . 0 rDPAo nmethodf o i t a i r sva u o u n i t n o ec h sbyt e . P c 2 n a b r g.2. o Fi bs tofa o l ω l; l e hl-mmc t i t350nmw easureda /L;m =0.4mo1 em:[DPAJ+[CBr t s y CTBs 4J 号ω THF. PVC/ THFand ム: ,0: ts n lve o s 広 〉 feddc 00 b υ a 2) DPA-CTBポ リ マ 一 系 の 青 色 発 色 効 率 ( 0 0. , バルク の 状態 に THF 溶 液 を 癒 紙 に含浸 , 乾 燥 させ の 試 料 溶 液 の 中 , DPA-CTB/ ) 前 項 (1 0 5 0. 5 2 0. 5 7 0. 0 . 1 [DPA]/([DPA]+[CBr4D すると, 室温でも CTB が昇華しや すく , CT吸収 に よ る 黄色 が消えて ,感 光 性 が 失 わ れ や すい. , 引 き 上 げ, 乾 燥 したものは , CTBが 方の DPA-CTB-PVC汀 HF溶 液 に癒 紙 を 浸 し us o u n i t n o ec h s measured by t e i t i s n e ed v i t c e l f e t of r o l 3. P . .2 g i F これを ポリ マ一系 試 料 として用い ること r e . Low s r e p a rp e t l i nf ystemdopedi rDPA-CTBs o nmethodf o i t a i r a v r e p p dsamplesandu e t a i d a r r i n o wCTcomplexofn o l l e ry o sf )i a e( v r u c , 昇華するこ ともなく , 黄 濃度 も 変化 しな いの で にした . なお , CT 吸 収 に よ る 黄 濃 度 が 低 いと , 青 色 発 色 も薄 くな る. したがって 本実験 , ポ リマ一系試 料とレて PVC でのポリマ 一系試料 は DPA-CTBを高濃度で 含んでいる . また , そ の影 響 の 有 無 を 生 成 物 の TLCに よって事前 に 検 討したと 慮紙を用 い るこ とに つ い て とj = s:[DPA]+[CBr e l p m a ds e t a i d a r r 4J edyeofi u l rb o b)-(ηaref s( e v r u c . )45sand(η60s e ,( )30s d ,( )20s c ,( 0s )1 b r( o df e t a i d a r r 4mol/L;i 0. ころ, DPA-CTB と PVCあ るいは鴻 紙 と は 相 互 作 用 を もつような ことはなく , PVCは単に バインダー として , 癒 紙 は支持 体 とし ての役割を 果たすに過 ぎな い こ とを確 かめた . このポリマ 一系試料は CT 錯 体 の吸 収 に より黄色 に着色 して お り, この吸 光度 を反 射 式 a 3 . , F .2 g i 写真濃度計 で青フィル タ ー (KodakW nNo.47B) を通して測 定 した. しか し e t t a r , 黄 濃 度 に ほ とんど差異 がみら れな か った . に示すよう に , DPA と CTB の各モ ル分 率で しかし , このポリマ ー系でも , 前 項 ( )の溶 液 系 と同様 に, 1 :1の CT錯 体が形 成 され てい 1 るとみられ る . で UV35フィルター を通し て CT このポリマ 一系に つ いて , 1 0 W 高圧水銀灯(理工科学 ) 0 ) DPA-CTBポ リ マ 一 系 の 吸 収 ス ペ ク ト ル 3 ( THF溶 液 に 溶解 分散 させ, これをガラ ス板上に塗 布乾燥した . これ DPA と CTBを PVC/ 4 .2. g i F を 100W高圧水 銀 灯 によ り,約 300nm以 上 の 光 を 透過 す る ガ ラ ス 面側 から照 射 した . る. に照射 時 間 とともに 吸 光 度 を 増 す 可 視吸収ス ベクト ル を示す. 620nm付 近にピーク があ OH TPMD-1の最大 吸収 波 長 は 585nmである 1) 我 々の 吸収 スベクトノレ測 定で、は, TPMD-1!Me !MeOHで 5]4nmである . したがって 620nmのピークに TPMD-lが寄 で 590nm,DPAAc 、 さ い の で, 、四一 与してして いるとみら れる. DPAAc の 吸 光 係 数 は TPMD-] に 比 べ か な り 小 F 吸 収 体 を 励 起 す る と 青 く 着 色 す る. そ の 青 濃 度 を 同 じ く 濃 度 計 で 赤 フ ィノレター (Kodak 6 1 7 1 e DPA-CTB h nt o [DPAAc] formed i s of [TPMD-l] t o i t a . R .1 Table 2 . x i r t a m r e m y nandpol o i t u l o nbulk,s systemi TP肘lD-l/DPAAc t n e u l i D ) /L CTB(mol ) L / l o m No. DPA( .0 1 e n o n 8 . 1 5 . 5 1 5 0 0 . 0 MeOH 6 . 0 9 . 1 2 2 1 . 1 PVC .7 1 1 . 5 3 .54 1 PVC 0 . 1 1 . 3 4 ピーク が短波 長側に シフ のスベ クトル にそれ ほど影 響して いない といえ る. 時間と ともに られる . 卜している. また, 340-370nmにかけ て CT錯体に よる吸 収がみ 1 . ・ ・ 、¥ 、1、 、¥¥ 1. ・、、、、、 は量的 にも ) では, DPAAcが圧倒的に多く生成して, TPMD-l の生成 .2 , 溶 液 ( No 方 さな値 となる .溶液 試料は 照 (藍かであった. したがって, 両者の 生成モ ノレ比 はきわ めて小 h ‘¥、・ 、、 、 、 、 、、 ¥ .、、 、、¥、 ‘ 、 、 ・ 、 1¥¥ 〆 f' ¥e / 射後, 赤紫色 であっ た. ハu m コ h 0 0 7 ? x h ふ¥¥ ¥¥¥ bJ a 600 500 ・ ¥ ¥、 /// ¥九 / d/C /, J-v/rJ //一. /// ¥¥¥ -一一 ¥人¥ 、 ぃ 、 代 ヘ 、 斗 0 0 4 aJ//'/ J/'// /・// ¥ J .ーもヘミ U 円 K ・ ・ ¥ 一、) uべ、 x 句 ω 心︽ ωUC伺心﹂O 。 。 JY// ,f f p / e. J/ , // 20 Wavelength/nm . DPA m l i e DPA-CTBIPVC f h a oft r t c e p . Absorption s 4 . 2. g i F r o df e t a i d a r r d,i e t a i d a r r i n o )n a m,( l i nPVCf )i L 0moll . 1 )andCTB( /L mol と CTBの原料モル濃度はカ込 なお, バルク と比べ てわか るよう に PVCフィル ム中の DPA 近い条 件にし てある . これは このよ なり大 きくポ リマー マトリ ックス といっ てもバ ルクに したがって発色も弱し 1結果に なるか らであ る. , ク レ ノ 〈 )も濃厚 な溶液 である . なお, ノ .2 同じような条件にするため, メタノーノレ試料(No 3者聞を 比較す るこ 溶液, フィルムと状態が異なるので, 実際の 生成量 そのも のにつ いて うに高 濃度に しない と CT 濃度が上らず, とは意味がうすい. . )40s e 0sand( )3 d ,( )20s c ,( 0s )] b ( .3 考 2 2.2.3 DPAAcと TPMD-1の生成 比 えノレク, 溶液お よびフ ィルム DPA-CTB 系における反応性, すなわ ち色素 生成効 率が, ノ l の生成 モル比 につい て検討 した. の各系 でどう なるか を知る ために , DPAAc と TPMD1の割合で, パイレツクス管中に, バルクおよび溶液系の試料は, DPAと CTBをモル 比 3: そのままパノレクで, あるし、はメタノーノレに溶かして仕込み, 脱気封 管した . また, フ7 イノレ ム系試料は, 両者を モル比 3 :1で PVC/THF溶液中に分散し, 空気中 でガラ ス板上 にフィ ルム状 に塗布 乾燥し た. して 100W 水銀灯 で照射したのち, 以上の 三つの 系の試 料をパ イレッ クスフ ィルタ ーを通 ィー, TLCな どによった. 生成物 分析に 供した .生成 物の分 析はカ ラムクロマトグラフ , メタノ ールお よび PVCフィル ムの各 系で生 じた DPAAcと TPMDク レ ノ く , ノ 1は . Table2 lの重量を実測した結果から, 両者の 生成モ ル比 TPMD-IIDPAAcを示している. ) では, TPMD-l と DPAAcが ほぼ等しく, ある .3,4 ク (No レ ノ く ノ ) および PVC中 ( No .1 いは前 者の方 が多く 生成し ている .従来 , Sprague らによ りポリ マーマ トリッ クス系 では TPMD-l が主に生成するとされてきたが, 生成物 を定量 的に分 析した 結果 DPAAc も効率 よく生 成して いるこ とが明 らかと なった . ただし, TPMD-l は色素 として 濃く発 色する の で照射 物は青 く見え る. 8 1 察 吸収帯 のみか けのピ ー DPA-CTB系は, 基底状 態で 1:1の接触 型 CT錯体を形成し, CT 2で,溶 液系お よびポ リマー 溶液 . .2 g i クが 335 nmである と報告 されて いる 2) 本報で も F :1CT錯体を 形成す ること が確か められ た. 系中で 1 , まず CTB が励起され, 光解離 し Sprague らが提 唱した DPA-CT8 写真系のスキームは Br ラジカ ルがそ れぞれ DPA を攻撃 するこ とから 始まる ラジカ ル連鎖 反 CBr3 および ・ て ・ カチ ・ x を形成後, DPA+ e l p i c x , DPA-CTC 系の光反応初期過程について, e 応であ る . 一方 いての ナノ秒 レ オンラ ジカル が生じ ること はよく 知られ ている の. 我々の DPA/CTC系につ が観測 された 5) 同様に, DPA-CTB系の場合も, DPAが励 ' ーザー フォト リシス でも DPA+ ,Br-,.CBr3 が生じ ,後続 反 ・ x を形成後, 電子移動により, DPA+ e l p 起され て CTB と exci る過程 も無視 応が始まるとみられるが, 直接 CT8 が励起 されて 光解離 するこ とによ り始ま 足る材 料はな い. できない. このよ うな光 反応の 初期過 程につ いてい まここ で論議 するに 色が強 く,低 いと青 しかし, 2 2 節で述べたように, CT 吸収 による 黄濃度 が高い と青発 . 2 . x 経由の 反応機 構を考 える上 で後続 反応か らみた 一つ e l p i c x 発色しにくいことは, e の示唆 となろう . 応が生 じてい るか 本研究 の目的 の 一つは, 後続反応で, DPA のパラ 位以外 の位置 で光反 びオル ト位が ・ CBr3 をみる ことで あった . その結果, 2個の DPA分子の それぞ れ N 位およ DPAAcの生成 が確認 された . によっ て付加 されて 結ぼれ る DPAの 2量体と もいう べき 9 1 DPAAcは,バルク,溶液およびブイノレム系のいずれでも,効率よく生成する.その生成 ぼ等しく生成するが,青色発色には TPMD-Iが大きく寄与している. 過程は,まず DPA分子の一つのオノレト位に・ CBr3が付加し,直ちにこれはその分子内の別 のオノレト位にも付加して DPAが閉環するとともに,さらに別の DPA分子の N 位に付加し て DPAAc をつくると思われる.あるいは,逆に,はじめ DPA 分子の N 位に・ CBr)が付 加したものが,別の DPA分子の 二つのオルト位に付加すると考えてもよい.なお、このフ e, n o d i r c a 10H) ロセスで,その第一段階で反応が停止してできるような生成物,たとえば, 9( lbromideなどの生成の可能性については第 3章の結果が参考となる. y o m a b r a c l y n e h p i d , TPMD-1の生成は,バノレクおよびフィルム状態で、著しい.定性的であるが DPA..CTB 一方 の原料モノレ濃度が高いと CT 吸収による黄濃度が大きくなり,その結果照射により濃 い再 色が得られる.黄濃度が低いと青色発色も薄い.このようにバルクやフィノレム中で TPMD- 文献 . 8 .,1961,5,9 g n .E i c .S r g o t o h .P E ;Wainer, . H.L r, e t h c i ;F . .H R )Sprague, 1 2 36,1 ) 五十里邦弘,前沢けい子,吉田弘美,塚田知道,日本写真学会誌, 1973, 2 360 38, ) 三輪卓司,石川敏雄,日本写真学会誌, 1975, 3 . 371 82, ,H.J Phys.Chem.,1978, ;Kamada . ;Okuyama,M . T ;Sawada, . T i, k a s a w )I a )( 4 g 1978,22,312. . , .En i c .S r g o t o h )P b ( ) 和田善男,土田亮,山本雅英,西島安則,日本印刷学会秋期研究発表会要旨集, 1985, 5 . 5 4 . p 1が生成しやすいのは, DPAと CTBの分子が高濃度で近接していることにあるといえよう. このような条件でなぜ DPAのパラ位の 3量体まで後続反応がすすみやすいのかについて明 確な理由を挙げることは現在のところむずかしい. TPMD-1 の生成が溶液状態で少ないのは,ここでもパラ位の反応 が起こっているとみら れるが, DPAの 2 量体などの生成までで終結してしまい, 3量体まで進みにくいと考えら o)benzophenoneなどが考えられる. n i m a l y n e h p ( s i b '4 れる. 2量体生成物として, 4, . 2.4のフィノレム状態で、の吸収スペクトノレについては, この系の生成物が TPMD-l や g i F DPAAc の他に多種あって,混合状態にあるので,このスベク トルの解析は容易でない. , しかし,ス ベ クトルの最大ピーク 620 nmに対し, TPMD-l は 590 nmで しかもこれは大 1が大きく影響しているこ きな吸光係数をもっ色素であるから,このスベクトルに TPMD. とは間違いない.吸収スベクトルが照射量とともに短波 長側にわずかにシフ卜しているの は,後続反応における種々の活性生成物の時間変化による影響とみられる(注:この段階で は不明であったが,第 3章以降で明らかにされる). この DPA-CTB 系の光反応の初期および後続過程についてさらに明らか にするには,溶 液系およびフィルム系について,着色生成物以外の生成 物の種類や収率についても検討し ていく必要がある.これによってこの系の全体的な反応 機構を明らかにすることが期待で きる. 2.4 結 論 DPA-CTB 系の光反応の後続過程,特に着色主生成物について検 討して,従来いわれて 1の他に,アクリジン型赤色色素 DPAAc の生 きたトリフェニルメタン型青色色素 TPMD- 成を新たに確認した. DPA-CTB系は,溶液およびポリマー溶液中で I:1の電荷移動錯体 を形成するが,バルクやフィルム状態で、の光反応に効果的な原料モル濃度比は, DPAが CTB の約 3 倍である.この系の溶液状態では, DPAAc が効率よく生成するが, TPMD-l の生 成はごくわずかである. 一方,バルクまたはフィルム状態で、は, DPAAc と TP恥10-'1がほ 20 1 2 第 3章 ジフェニルアミ ン-四塩化炭素 系の光誘 起反応 .1 緒 論 3 芳香族アミンとハロメタンの光反応は典型的な電子移動系として研究されてきた. e や diphenylamine(DPA)などの芳香族アミン はイオン化電位が低 n i l i n a l y h t e m i d NN e,, n i l i n a e (CTC)は非 d i r o l h c a r t e いので励起状態で電 子を放出しやすい. ハロメタンの中でも carbont 郎、電子受容体として利用される. 極性溶媒として,ま た 5 CTC マトリックス中で 一連の芳香族アミ ンを y線照射して,アミ ンのカチオンラジ カル の吸収スベクトル が観測された ) 1 また,芳香族アミンーハロメタン系のフラッ、ンュまた はレーザーフォト リシスにより,ア ミンの中間体の過 渡吸収スベクトル が観測されている 川.これらの分光 学的データから芳 香族アミンとハロ メタンの光化学は 初期過程でエキシ プレックスを形成し ,アミンからハロメ タンに電荷移動する ) 4 3 このように,電子移動の 初期過程が分光学的に研究されている. しかし,照射を中止した後も光反応はつづく. したがって,生成物 分析は反応機構を知 る上で重要である. しかし芳香族アミン とハロメタンは反応 性が大きく多数の生 成物をも たらすので分析は 困難である. したがって,これ に関する報告も少 ない. Latowski と e2)5c)および n i m a l y n e h p i d l y h t N刊 e e6), n i d i u l o t l y h t e m i d NN f, ) e5a, n i l i n a l y h t e m i d NN tらは, , n e l e Z e7a-b)とハロメタンの光反 応を報告し,反応生 成物に基づく反応ス キームが議論されて n i l i n a いる. Spragueらはポリマーフィルム中に DPA と CTBをドープした系について,紫外光照射に より triphenylmethanedye(TPMD-l)が生成することを報告した ) 8 そこでは TPMD-l生成の 機構がラジカル連鎖反応で、説明された .その後多くの DPAと CTBまたは CTCの光反応に 関する報告がドナ ー-アクセプター の観点からなされ たり ) 0 1 9 最近, Budyka らは DPA- ・1 生成はイオン的機 構に基づくと報告 して,後続反応の 速度定数 CTB 系における TPMD を決定した ) 1 1 しかし, DPAは N-,小 ,p- および m-位の四つの反応部位をもつので, DPA-CTB/CTC系 の光反応では TPMD・1に加え,多数の生成物が生じる.前章では, DPA と CTB をフィル e が TPMD-l と同程度に生じることを報告し n i d i r c a o n iphenylami ム中にドープした系 で 9・d 3 2 〉 主 生 成 物 σ ま 〉 σ 系 ) は 、、 0 1 e ( n i d i r c a o n i m ー a l y n e h p i d " 4 ', 4 4, DPA と CTCま た は CTB しかし, その他の生成物 についてはまだ 同定していない . 溶 の 光 反 応 で 生 じ る 化 学 種 を 確 認 す る こ と は 重 要 か つ 必 要 な こ と で あ る . 本章では, CTC )の収率はかなり 高い.加えて, 芳香族アミンと ハロ 1 1 e( d i r o l h ec n a h t e m l y n e h p i r t ) o n i l i n a ( i r t 液 中 DPAの光反応 による生成物分 析の結果を報告 し,反応スキー ムを提唱する. メタンの光反応では塩化水素が生じる た ) 2 1 ) c 5 ), 2 で あ る た, f値 を 2に各生成物の TLC上における R . Table3 示した. .2 実 3 験 生成物分析 DPA (和光純薬)はそのまま使用した. CTC(和光純薬)は通 常の方法で蒸留 した. 100 W 高圧水銀灯を備 えた Pyrex製内部照射型 光反応装置(理 工科学製)を用 いた. 2 dm3)溶液を窒素気流下で、 30分間照射した . 照射後, 水 あ る い は / mol 0 1X 1 DPAの CTC( )でヘキサン, 酢 酸 エ チ ル お よ び MeOHの選択 使用で分析し 0 l6 e ag c i l i トグラフイ (Merck,s た. 生成物の種類が 多いので,カラ ムクロマトグラ フィの分離は十 分でなく, 溶 出 液 に は い く つ か の 成 分 が 混 ざ っ て い た . そ こ で 各 成 分 を さ ら に 薄 層 ク ロ マ ト グ ラ フ ィ (TLC)また l e g l e s e i まMerckDC-Alufolien K は高速液体クロ マトグラフィ (HPLC)に よ り 分 離 し た . TLCt )を装着し, 展 L I MegapakS -V にシリカゲノレカラム ( r a t o R i r :JASCOT 60を用いた. HPLC は eを検出する n a h t e o r o l )を用いた. 生 成 物 hexach v / e(1000 :1v t a t e c la y h t e e n a x e 開液として h ), 0 3 0 6 i model 2 h c a t i H himadzu,6A)を用いた. 各 生 成 物 は IR( S のにガスクロマ トグラフ ( 0MHz)), 元素分析および 質量分析により 0 4 0MHz)お よ び GX-400( 9 90Q( JEOLFX・ NMR( ) 1 e( αn h t e o r o l h c a x e H ) 2 e( d i r o l h lc y o m a b r a c l y n e h p i D ) 3 e( n i m a l y n e h p i d ) l y n o b αr c y x o h t e M 2・( ) 4 ( e n i m a l y n e h p i d り y n o b r a c y x o h t e 4イM ) 5 e( n i d i r c A ) 6 e( n o d i r c A H)10 9( ) 7 e( n i m a l y n e h p i d ) l y o bαm r a c l y n e h p i D ( 2 ) 8 e( n i m a l y n e フh J i )d のiphenylcαrbamoyl 4ー ) 9 ( e n o n e h p o z n e b ) o n i m a l y n e ph s( i ιB 4 4, e(10) n i d i r c a o n i αm l y n e h p i D 9 e(11) d i r o l h eC n a h t e m l y n e h p i r t ノ o n i l i n a ( i r 4に T , ' 4 4, b b c'ocaa MeOH を反応溶液に添 加した.溶媒を 減圧エパポレー タで溜去し, 残 留 分 を カ ラ ム ク ロ マ . s d l e i ry i e h nCTCandt . MainphotoproductsofDPA i ] . Table3 Yields Compounds 1)H20 (2)MeOH ( c a a a a b b a a a b 3 2 ) 2 r( )water,o 1 n( e h r3 h,t o df e t a i d a r r /dm),i 0- mol 5X 1 n CCl4 ( DPA i . % 1 . 0 w o l e b : c d n a , % 0 . -1 1 . 0 : b , 0% . 0-3 . :1 MeOHwasadded. Yield,a 同定した. :systemonTLC. nCTC . Rr 2 . Table3 ValuesofphotoproductsofDPAi Compounds 3.3 結 果 DPA/CTCの光反応物を TLC上で観察すると, 25種 類 以 上 の 生 成 物 が 重 な り 合 っ て 展 開 されている. TLCの中間部およ び下部の生成物 を分析同定した . TLCの 上 部 の 生 成 物 は 複 雑かつ不安定な ため分析が困難 であった. 1 に主生成物を示 す. 各生成物の収率 は分取した全重 量から求めた. . 1 と Table 3 . .3 g i F )はガスクロマト グラフで検出し ただけである. また, 1 e( n a h ただし, h t e o r o l h c a x e Tabl t:~ 2 . 3 戸を示す. R r( o t c a nf o i t n e t e に各生成物の TLCでの r ), 7 e( n i m a l y n e h p i d ) l y o m a b r a c l y n e h p i d ( ),2 6 e( n o d i r c a 10H)9( ), 2 e( d i r o l h lc y o m a b r a c l y n e h p i d ) はケト 9 4'-bis(phenylamino)benzophenone( ) お よ び 4, 8 e( n i m a l y n e h p i d ) l y o m a b r a c l y n e h p i (d 4 ) 1 ( によって変換されたものである .光照射後,水を添加することでこのケトン化合物は増加 同様 ) と 3 e ( n i m a l y n e h p i d ) l y n o b r a c y x o h t e m ( 2 4 ) は DPA の 2・または 3・位の =CCI2基 が 反 応 後 添 加 し た 4 (methoxycarbonyl)diphenylamine ( e n i d i r c MeOH と反応して -COOCH3 基に変換したも のである . 4 の 収 率 は 3 より大きい. a )は 多 量 に 生 成 し て い る . 9 6 e( n o d i r c a H)O (1 )は 痕 跡 程 度 の 生 成 で あ る . しカ瓦し, 9 5 ( 24 ) 2 ( ] 6 . 0 e n i αm l y n e h p i D 0.57 ) 3 e( n i m a l y n e h p i d ) y x o h t e m o b r a 2イC 8 7 . 0 49 0. ) 2 ( e d i r o l h lc y o m a b r a c l y n e h p i D 9 6 . 0 1 2 . 0 ) 7 ( e n i αm l y n e h p i d ) l y o m a b r a c l y n e h p i D 2・( 9 5 . 0 5 1 . 0 ) 4 e( n i m a l y n e h p i d ) y x o h t e m o b r a C 4・( 6 2 . 0 ) 8 αmine( l y n e h p i d ) l y o bαm r a c l y n e h p i 4イD 5 2 . 0 e(10) n i d i r c a o n i m a l y n e h p i D 9 4 2 . 0 ) 9 e( n o n e h p o z n e b ) o n i m a l y n e ph s( i B 4' , 4 4 1 . 0 ) 5 e( n i d i r c A 1 1 . 0 ) 6 e( n o d i r c A 均10 9( 2 0 . 0 e(11) d i r o l h eC n a h t e m l y n e h p i r t ) o n i l i αn ( 4 i r にT 4 , ' 4 4, . ) 1 ( MeOH : ) 9 9 ( l C CH ) 2 ( d n a , ) 0 0 1 ( I C CH ) 1 dwith( e t u l e l, e ag c i l i S 2 2 2 2 ン基を含んでい る. これらの >C=O基 は 当 初 =CCI2基であったものが, 系 中 に 存 在 し た 水 す る と み ら れ る Rf 25 。 。 σ。 向 フ ( 。 。 0 0。 。 ο D J o σ。 α ; : co 。 も N310N 。 11。 。 : : α CCI3CCI3 OCH3 3. I-に分解する(式 ( ). ) 4 媒かごの中で錯体は 電子移動を引き起こし, CCI4は・ CCI3 と C 3. ( ) 4 .・ ' e g a c ) l,CCI3,C ・ CCI/γ →(DPA+ (DPAO+ 5 COCI ある.溶媒かご内で これ Iーは塩素アニオンで、 eラジカノレ, C n a h t e m o r o l h c i r ここで・ CCI3 は t らの中間体が再結合 して,後続反応が始 まる. 2 Oと 、グ 0HAUNSH6 バグ、 0 1 8 7 ;β .2 一次反応中間体およ び生成物の生成 .4 3 Iの再結合が溶媒かご内で生じる.・ CCI3 初期物理過程に引き続いて, DPA勺・ CCI3 と C ・カチオンラジカノレの N-,o・または pイ立を攻撃して, 三種類のイオン性反応中間体, は DPAふ l y n e h p i d ) e n e l y h t e m o r o l h c i d IN),2・( e( d i r o l h mc u i n o m m a l y n e h p i d e n e l y h t e m o r o l h c i すなわち d e(引をそれぞ d i r o l h mc u i n o m m a l y n e h p i d ) e n e l y h t e m o r o l h c i d ( e( d i r o l h ) および 4 ammoniumc 10 ). ) c 5 . 3 )-( a 5 . 3 れ生じる(式( I C MeCN溶媒中 DPAと CTCとの光誘起反応は次 のように記述できる . DPAは光子を吸収 溶媒である MeCNによって溶媒和され る . ( ) ) 3 . 3 1) . 3 式( 一( ) a 5 . 3 ( ) b 5 . 3 ( I 。 ぺ 。 [0 .1 初期過程 4 . 3 は CTC と出会い衝突 CT 錯 体 ( DPA・ rCT e t n へ励起される . IDPA・ u o c n e して 一重項状態 I -は極性 と CCI ・ )を形成して,その結果, DPA +・と CCI4~ とに電荷分離する. DPA+ x e l p m o c 4・ [ONU α ~、 4 考察 3. 泊 。 . P . 1 m . nt e 3 t . s si g y eDPA/CTCs t i h c F u d o r p o t o h ノ一 ↑ 0 0 9 H.I~ 'O 0 lCl ぽ I Lage これらの中間体は不 安定で生成物分析で 単離することはむず かしい.吸収ス ベ クトルに ) 1 1 我々は MDPA-CTB系で, p に帰属した 30- 400 nmの吸収を I より, Budyka らは 3 ) 3 1 しかし, I N DPA+hv→lDPA' ) 1 . 3 ( p類似体の吸収を 320nmと帰属した 2基で置換された I MDPAの pイ立が CBr f 0 IDPA・+CCI4→(DPAO+ ・CCI4 ・ ・ ・ .・CC14 →DPA+ + (DPAO s 4 1 C C + 5 ) 2 . 3 ( pの存在は後述のよう に関連する生成 。と I と1 '1 N 0 の吸収ス ベ クトルは得られてい ない. I r o ) 3 . 3 ( r o .・ + sは溶媒和した DPAカチ . ここで, (DPAo CC14 は e rc e t n u o rcomplex,DPA+ c e et n f g s r n a a r h 'sは溶媒和した CTCアニオンラジカルで ある. オンラジカル, CCI4 , CTC 中 DPA の光誘起反応は次の ように記述できる. たとえば 3 一方 8nm のエキシ 0 )のように e 2 . 3 マーレーザーパルス 光で励起すると式( rCT錯体を生じる. しかし, e t n u o c n 非極性の CTC溶媒中では溶媒和が 十分でなく,フリー のイオンラジカルを つくれない.溶 6 2 物の生成により確認 できる. 中間体 I Nは H20 (この H20 は照射後添加された もの,あるいは系中 に最初から存在して ). ) 6 . 3 e2を生じる(式( d i r o l h lc y o m a b r ca y1 n e h p i いたもの)と反応して, d [O~Ûα H20 (2HCり ・ 。 7 2 ) 6 . 3 ( 2 は安定な化合物であり,後続反応を引き起こさない. 2 の生成は,中間体 Nが存在す I ることを立証している. ていて,次項で述べる DPA二量体の前駆体となっていることを示唆している. 1))も生成して 1 . 3 式( )( 1 e( n a h t e o r o l h c a x e CCl3ラジカノレの再結合により h また,二個の ・ ) になる(式(3.7)) . 6 e( n o d i r c a H)O (1 。は H20と反応して 9 中間体 I c 1 (-3HC) 。 ! α いることが確認された. ) 7 . 3 ( 3 .CC1 CCGCCG + ・ CCG I O 1) 1 . 3 ( 1 -H6 0も [ H20 Cl 基が置 た水と反応して生じたことを示している.ここでは DPA の 0・または p-位にーCO と Lが生じ 。 換した中間体を見出すことはできなかった. しかし, 3 と 4 の存在により, 1 3 二次反応中間体と DPA二量体の生成 3.4. 。および ちは別の DPA と反応して, DPAの二量体である中間体を '1 N さらに,中間体 I 位と別の DPA Nは別の DPAの pイ立と反応して,ひとつの DPAの N生じる .すなわち, I ) ) 8 . 3 )となる(式( 5 e( n i d i r c 。はみずから閉環して a また, 1 ] r りも c (-3HCI) 。 : : α ) 8 . 3 ( ) .また, ) a 2 1 . 3 ゅを生じ る(式( 1 の pイ立が =CCI-で結ぼれた DPA二量体である中間体 1 坤の生成には二つの反応経 1 ) .1 2b) 1 . 3 INp を生じる(式( pは別の DPAの Nイ立と反応して I I 路がある. 5 3 ] r [O~Û c 一﹄ -〆、 , . 、 0の存在が証明される. る. 6 と 5の生成により, 1 ) l y n o b r a c y x o h t e m ( 。と ちがそれぞれ光照射後添加された MeOH と反応することにより 2I -nり 一 A c 一 m 0が水の添加まで生きていることを証明してい 6の収率は 5 よりかなり大きく,活性な 1 )9 . 3 式( s) ( が生じる (methanolysi 4) iphenylamine( d ) l y n o b r a c y x o h t e m ( )と 4・ 3 e( n i m a l y n e h p i d ). ) 0 1 . 3 ( も ' 0 [ α (3HCり ・ ) 9 . 3 ( J ; : G N C I I O ぺG ' 0 [ 4 1 H20 MeOH, 1 (-3HC) NU O 叫 。。 I、 C DPA -HCり ( Lが照射後も長い寿命を保って, ) b 2 1 . 3 ( 1 I Np ) 0 .1 3 ( 。は別の ) .また, 1 ) a 3 1 . 3 INo を生じる(式( 位 と反応して中間体 I Nは別の DPA の 0・ I .生成には 二つの 。 IN ) .このように I ) b 3 1 . 3 ,。を生じる(式( N I 位 と反応して中間体 I DPAの N- MeOH と反応したこ とがわかる. れ これらの結果は 2,6および後述の 7,8,9の DPA二量体ケトン化合物が反応後添加さ 28 βN10 NU O 経路がある. と 。 3 と 4の生成により,中 間体 I ) a 2 1 . 3 ( I I Np 向 。 H20 MeOH, 0 7 1 0 K C 29 oo t N σ l つ ). ) 6 1 . 3 から N原子まで長し V 共役系をも ち,次のよ うな共鳴構 造をもっ( 式( pは N' p I I CI DPA _ -HCO ( ょ0 ) a 3 1 . 3 ( 00 o or Gc N 0 1 4 咽トーーー- - 。N~ cON ûl 6) 1 3. ( pp I I sNo e l b O L K 7 0 1 ne基であり ,Sp2構造である hi t 中心炭素は me つ 0nmの吸収を示 す 化している .長し V系は 65 ょ0 (-HCり ) 1 1 二個の窒素 原子の間に 正電荷が非 局在 第 4章で述べるように, MDPA-CTB系 e n a h t e m o m o r b nyl e h p i d ) o n i m a nyl e h p i d N' N, hyl t e m i NN亡d , ( 4' で , 同 様 の MDPA 二 量 体 4, 0-660nmである 13) A は低 温で安定で ,室温で不 安定である .水 の吸収は 65 A) e( d i m o r b CI DPA ) 4 1 の存在下で A はケトン化合物に変わる. b) 3 1 3. ( 00 ne8 を生じる .同様に, i m a nyl e h p i d ) oyl m a b r a c yl n he p i d -( 4 I さらに ,I Np は水と反 応して '4 e 7 と 4, n i m a nyl e h p i d ) oyl m a b r a c nyl e h p i d p は 水 と 反 応 し て そ れ ぞ れ 2・( p I I と I I No . 8の収率は 7および 9よりかな ) 9) 1 7・3. 1 3. none9を生成する (式( ophe nz e b o) n i m a nyl e h (p is b . これらのこ 量体ケトン 類が生じて いることか ら,それぞ れ相当する ) 1 e3. l b Ta り大きい ( sNo pが存在して いることが 証明できる . p I ,。および I IN 1坤, I 中間体 1 ) 4) 1 3. 0をもたらす (式( e1 n i d i r c a ・d o n i m a nyl e h p i I さらに I Noは 9 ょ0 00 (-2HCO oo 4) 1 . 3 ( 10 0 の収率は 0 の収率はこ の反応系で かなり大き い. DPA-CTB/フィル ム ドープ系で, 1 1 1と同じくらいであった TPMD1 ) 2 1 。 ) ) 5 1 . 3 式( pをもたら す ( p I Iの DPAと反応し て I pは男J 同様に, I J ; : G N 0 DPA _ ) I C H ( N UβNO 0 3 N O H20 -2HCD ( l C NO ) 5 1 . 3 ( INo I 7) 1 . 3 ( N O 8 1Np I INo I 1 。 。 よわ 。 I、 O N U C φ C l 。 。 仏 。 。 。 H N H H20 (-2HCD H O O、、C N O 7 1 3 ) 8 1 . 3 ( 。σ。 )σ ; 2 σNOUU ( ご ) 9 1 . 3 ( 一致した. : 各分析データは試薬と 一致した. ) 2 e( d i r o l h Diphenylcarbamoylc αrbony hoxyc 的 l 命e 孔4 仰 ( ι 2 ノ砂) lwt o m 0eV)( 7 N-H);MS( b,lH, 46( 2(m,lH),and9. 0 . 0-8 8 . m,7H,arom),7 加 4( 科 4 90一7. 卯 . ,6 H ) 町 l p p I I . ) 9 3 7( 6 and1 ), 0 0 1 5( 9 ),1 4 ;8 )227(M+ y t i s n e t n li e. r z( m/ ), 6 2 . 7 2 N =2 rCI o f 302 4HI s, v ; IR(KBr)3360( l a t s y r ec t i h 9 oc,w 1 : mp 118- 1 ) 4 αmine( l y n e h p i d ) l y n o b r a c y x o h t e M ( 4 4.4 TPMDの生成 3. 45 8-7. 8 . 6 N-H), b,lH, 2( 2 . 6 CH3), s,3H, 2( 8 . )δ=3 I2 C H NMR(CD2 C=O);1 s, v N-H),and1695( ) ) 0 2 . 3 最後に ,IIppは別の DPA と後続反応により TPMD-l11を生じる(式( ), 6 2 . 7 2 N =2 rCI o 0eV)(molwtf 7 ;MS( ) m o r 9Hz,2H,a . J=8 d, 8( 8 . 4HI 302 (m,7H,arom),and7 . ) 7 and77( ), 6 98( ), 3 3 ),167( 2 7 6( 9 ),1 0 0 ;1 )227(M+ y t i s n e t n li e. r z( m/ 。ひょフ附。 DPA (-HCO 。ひょフ附0 Hpp 1 1 0 O ' : 各分析データは試薬と 一致 し た ) 5 e( n i d i r c A ρ OH)-αcridone(6): 各分析データは試薬と 一致した. 9 ) 0 2 . 3 ( H1' s, v ;IR(KBr)3315(m,N-H),1645( C 4o 1 3ー 1 1 :mp1 ) 7 ぬ mine( ゆdiphen; bαmo; r a c l y n e h p i D ( 2 N-H); H, b,1 4( 7 . arom),and7 6(m,18H, . 8-7 . H),6 5(m,1 6 . 42-6 )δ=6. 12 C HNMR(CD2 C=O);I ), 2 7 6( 6 ),1 0 0 1 6( 9 ),1 )364(M 6 y t i s n e t n li e. r z( ),m/ 44 rC25H20N20=364. o 0eV)(molwtf 7 MS( . . , . ) 8 1 and77( s, v N-H),1640( s, v ;IR(KBr)3335( C 6o 7 4-1 7 :mp1 ) 8 e( n i m a l y n e h p i d ) l y o αm b r a c l y n e h p i D ( 4 t lw o m eV)( 0 7 ;MS( ) m o r 5(m,19H,a . 6-7 . and6 N-H), H, b,1 5( 1 . )δ=6 12 C H NMR(CD2 C=O);1 このように, 11はちと . ) 4 ,+10),196(100),167(25),and77( )364(M y t i s n e t n li e. r z( m/ ), 44 rC25H2001N2=364. o f IIppを段階的に経て生成する. N', N l y h t e m i d NN'第 4章で述べるように, Latowskiらは MDPA-CTC系の生成物分析で ,, ; IR(KBr) ) ) 6 3 oC 1 8 1-1 8 .1 it L 4 oC( 8 3- 1 8 :mp 1 ) 9 henylamino)benzophenone( フ . J s( i B ' 4 , 4 NN'-diphenyl-4 , 4~-diaminodiphenylmethane お , l y h t e m e, N n a h t e m l y n e h p i d o n i m a i d '4 4, l y n e h p i d 5 0 . b,2H,N-H),7 3( 2 . d=6 . ) 12 C CD2 0MHz, 0 4 HNMR( s,C=O);I v 5( 8 5 s,N-H),1 v 0( 31 3400,3 N-methyl-N-phenylaminobenzyl)-N-methyldiphenylamineを見出している. 彼らは 4・ ( ' 4 よび 4, ,30 12 C 3CNMR(CD2 .I ) m o r a d,4H, 2( 7 . and7 4H,arom), t, 4( 3 . arom),7 4H, d, 1( 2 . 7 6H,arom), (m, ) また, c 5 ). こ れ ら の 生 成 物 の -CH2 一基は MDPAの N-CH3 基 か ら き て い る と 結 論 し た 2 ) 9 1,( . 0 3 )1 8 )1205,( 7 .6,( 41 )1 6 9,( . 7 4 )1 5 9,( . 4 1 )1 4 .( 4 2, 3 )1 3 8,( . 9 2 )1 2 6,( . 3 9 )1 1 OC)δ/ppm,( tの生成を認め,そ e l o i lV a t s y r e(DMA)-CTC 系において, C n i l i n a l y h t e m i d N i らはN, k s w o t a L . ) 1 . .3 g i eF e nnumbers,s o i t i s o rp Fo 2( . 3 2 1 の中心炭素原子は DMAのCH3基から生じていると 報告している ) b 5 しかし,本研究で我 々は二つの芳香環が -COーで結ぼれたいくつ かのケトン化合物を 見 ) 2 : 分析データは第 2章に記した 1 ) 10 e( n i d i r c a o n i m a l y n e h p i D 9 ), s v N-H),1580( b, :IR(KBr)3450( ) 1 1 PMD-り( e(T d i r o l h ec n a h t e m l y n e h p i r t ) o n i l i n a ( i r T " 4 , ' 4 , 4 出した.これまで述 べてきたように DPA と CTC は反応するし,生成 したケトン化合物や . 4 4, 1 )1 3 .( 4 9, 3 )1 2 3,( . 8 2 )1 1 ICNMR(DMSO,100OC)δ Ippm,( ;3 ) s v ),1300,1170( b 1500,1350( TPMDの中心炭素が CTCからのものであることは明らかである. .TPMD-lの ) 1 . .3 g i eF e s nnumbers, o i t i s o rp o F 2( . 4 2 )1 8 9,( . 8 2 )1 7 .6,( 21 )1 6 ( 7, . 8 3 )1 5 6,( . 2 5 )1 4 ( ここで得られた結果は第 2 章の DPA-CTBIフィルム系の機構を 考察するのに役立つ .な 0 0 2 d( i c ca i o z n e )を b 2g e( n i l i n a s o 別途合成:帰属のた め TPMD-l を別途合成した. Para R 0,6,8および 9が同様に生成している ,1 ) 1 (その対イオンは Br ぜなら,ここでみら れた 1 .分取再結品した 7) 0mL)中で 2200C で 5h加熱して TPMD-l を得た 1 5 e( n i l i n mg) と共に a ) 以上の結果から, DPA・ハロメタン系の光反応機構を明らかにすることがで 5 からである 1 1のそれと 一致した. 生成物 11のI3CNMRスペクトルは合成し た TPMD・ きた. 3.6 結 論 非極性の CTC 中で DPA は光励起により両者間で電子移動を生じ,引き続いてラジカノレ .5 分析データ 3 同定した光反応生成物は次のとおりである. およびイオン種によ る後続反応を引き起 こす.そこでは 25種類以上の生成物がみられた. : 生成はガスクロマ トグラフィで検出 した.各分析デー タは試薬と ) 1 e( n a h t e o r o l h c a x e H や N-位も CTC と反 その主なる生成物に ついて分取同定した . DPAの pイ立だけで、なく ,0ー 32 33 2が置換した ,0ーまたは Nイ立に =CCI 応して, 一次中間体 および生成 物を生じる . DPAの p・ 位どうしが 結 , 0ーまたは N pカチオン中間体は,非常に反応活性であり, 二個の DPAの各 第 4章 N置 メ チ ル ジ フ ェ ニ ル ア ミ ン - 四 臭 化 炭 素系の光反応機構と生成物の分光的性 質 ばれた 二 量体カチオ ン中間体を 生じる.こ れらの中間 体がさまざ まな二次生 成物を生成 す る. 二量体カチ オン中間体 の一つはさ らに DPA と反応して TPMDをもたらす . 文献 .1966,44,2369. s y h hem.P .C ;Hamill,W.H.J . T )Shida, 1 . 1 .1978,38,3・1 o i b o t o h P .Photochem. T ;Latowski, . 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T )Latowski, 6 )Boszczyk,W.;Latowsky, b . ( 5 8 5 .1989,44B,1 ch s ゆr u .Mαt .Z T )Boszczyk,W.;Latowsky, a )( 7 . 9 8 5 .1989,44B,1 d i b .i T . 8 9 5, . .1961, g n .E i c .S r g o t o h .P E ;Wainer, . ,H.L r e t h c i ;F . R.H )Sprague, 8 2 ,1 ) 五十里邦弘,前沢けい子,吉田弘美,塚田知道,日本写真学会誌, 1973,36 9 ) 三輪卓司,石川敏雄,日本写真学会誌, 1975,38,360 0 1 . 4 .1990,38,4 i c .S r g o t o h .P .J M.V ;Alfimov, . ,O.0 ;Lauhina . M.G s, a j n u t ;S . ,M.F )Budyka 1 1 . 9 4 24, ) 和田善男,後藤哲哉,山本雅英,西島安員 IJ,日本印刷学会論文集, 1986, 2 1 . 2 5 5 54, ) 和田善男,杉浦英晃,大原雅史,伊藤紳三郎,山本雅英,高分子論文集, 1997, 3 1 . 9 y,VCH,1987,P5 r t s i m e h .C%rC r,H e g n Ii )Zol 4 1 . 9 3 P4 ) 和田 善男,伊藤紳三郎,山本雅英,光化学討論会講演要旨集, 1990, 5 1 . 9 0 hem.1983,36,4 .C .J t s u .A N.A )Evans, 6 1 司 . SoIvent Blue 23に 相 当 す る 2)). こ の 系 は 光 照 射 に 対 イ オ ン が CI-の と き , こ れ は C.I より即座に色素を生成するという点が一つの魅力であり,また,非銀塩感光材料 の中でも高感度に属することで知られている. しかし,今日この系をそのまま画 像 材 料 と し て 利 用 す る に は , CTBの昇華性, DPAの結晶化, HBrの発生, DPAや CTBの 毒 性 な ど 問 題 が 多 い . この系を高分子系に適用すれば,これらの問題点を克服でき,かつ発色を伴う光 架 橋 材 料 と な る 可 能 性 が あ る . 本 研 究 の 目 的 は DPA基 を も っ ポ リ マ ー と CTBとの混 合系の光反応を検討して,発色を伴う光架橋反応に基づく新たな高分子画像材料 ノレ系となる Nの 展 開 を 図 る こ と で あ る . 本 章 で は そ の 第 一 段 階 と し て 低 分 子 モ デ、 メ チ ル ジ フ ェ ニ ル ア ミ ン ー 四 臭 化 炭 素 (MDPA-CTB)系 の 光 反 応 機 構 を 明 ら か に す る . DPA-CTB系 に お け る TPMD-1の 生 成 機 構 を Spragueら は 終 始 フ リ ー ラ ジ カ ル 反 応 に よ っ て 説 明 し た . しかし DPA-ハ ロ メ タ ン 系 は 典 型 的 な ド ナ ー - ア ク セ プ タ 一 系 で あ る . そ の 後 , 電 荷 移 動 (CT)錯 体 の 観 点 か ら こ れ ら の 系 の 光 反 応 機 構 が 論 議 さ れ て きた 3),4),5) . 2 0 4 .1971,4,4 d de r x,3 e d n rJ u o l o )C 7 1 N・ ジ メ チ ル ア ニ リ ン (DMA)・ハロメタ ン (CH2C12, Latowskiと Zelentらの 一 派は, N, CHC13, CC14)系 の 光 反 応 を 詳 細 に 検 討 し た 6) また, MDPA7,> DPA8), N,N-ジ メ チ ル ト ル イ ジ ン (DMT)9), カ ル パ ゾ ー ル (Cz)10)な ど と ハ ロ メ タ ン と の 光 反 応 を 報 告 し て 2節 で 言 及 す る . . 3 い る . こ れ ら の 結 果 に つ い て は 4. diphenyl我 々 は DPA-CTB系 の 光 反 応 生 成 物 分 析 を 行 い , 分 子 内 環 化 生 成 物 9・ aminoacridine がトリフェ ニノレメタ ン色素 TPMD-lと 同 じ 位 の 収 率 で 生 じ る こ と を 見出した 34 ) 1 1 DPAの パ ラ 位 だ け で な く , オ ル ト 位 や N位の反応性 も考慮、し なければ 35 )を 生 じ , そ の 機 1 . .4 g i iphenylamino)triphenylmethane bromide (TPMD-2,F N"ぺr N', N, ならないと主張した. 構 も 上 記 と 基 本 的 に 同 じ と み ら れ る . しかし ,N位がメチノレ (Me)基 で 置 換 さ れ て い る の で , 生 成 物 の 種 類 は DPA 系 に 比 べ て か な り 減 少 す る は ず で あ る . 一 方,オル ト 位 の 反 応 性 は そ の ま ま 残 さ れ て い る . ここでは, MDPA-CTB の 溶 液 系 お よ び ひょフ吋 .N R R 。 ドープフィルム系の生成物分析および吸収スベクトルを検討して,反応機構を考 察するとともに,発色成分の分光的性質を明らかにする . 4.2 R R' Me Me pA h H A p n ' Me 実験方法 TB系 の 光 反 応 生 成 物 分 析 A一C P D 2.1 M 4. lViolet a t Crys PMMA 漏 Bz溶 液 系 と MDPA-CTB/ 光 反 応 機 構 を 明 ら か に す る た め , MDPA-CTB/ 紙 系 に つ い て 生 成 物 分 析 を 行 な っ た . 両 系 と も 基 底 状 態 で CT錯 体 を 形 成 す る よ う e d o)triphenylmethanebromi n i I ani i( r T "4 ', 4 4, TPMD-l) ( Hg灯)(理工 な 高 い 濃 度 で あ る . 両 系 の 照 射 光 源 と し て , 水 冷 式 100 W 高 圧 水 銀 灯 ( 科学産業, UVL-IOOP型 ) を 用 い た . そ の 有 効 波 長 は 主 に 313, 366 nm な ど の 輝 線 で pheny1 i r t N', N', -N, thy1 ime r N"ーT N', (N, 4", 4' 4, amino)triphenylmethanebromide(TPMD-2) ある. MDPA の 吸 収 ピ ー ク は 295 nm であり, 一 方 , 高 濃 度 MDPA・CTB 溶 液 系 お よ び ド ー プ フ ィ ル ム 系 の CT吸 収 は 360 nm付 近 に み ら れ る . し か し , こ の CT錯 体 は MDPA-CTB 濃 度 を 大 き く し な い と 形 成 せ ず , MDPA も こ の 波 長 域 で 吸 収 を も つため, CT 錯 体 だ け を 選 択 励 起 す る こ と は で き な い . ま た , 薄 層 ク ロ マ ト グ ラ フ RNGCCMR (TLC)で観察する と, MDPA励起と CT励起(正確 には MDPA + CT錯 体 励 起 )とで生 成 物 の 種 類 に 差 は み ら れ な い . こ れ ら の 理 由 か ら , こ こ で は Hg 灯 を Pyrex フ ィ ル R' Me Me l o r shyd Michler' Me diphenylamino) ' λT -N, -Dimethyl N' , (N 4' 4, ') 1 1 diphenylmethanehydrol( 且 hH ' P R Fig.4.ト タ ー に 通 す だ け で , そ の 波 長 依 存 性 に つ い て は 特 に 考 慮、し な か っ た . MDPA(東 京 な ど の 試 薬 , 溶 媒 は 常 法 に よ り 精製 した . Bz) , CHC1, ベ ン ゼ ン ( ) 同 化成), CTB( 2 Bz溶 液 系 :上 記 Hg 灯 を 備 えた 内 部 照 射 型 光 化 学 反 応 装 置 を 用 ) MDPA-CTB/ a L)を 窒 素 気 流 下 で 3 h 照 射 した.照 射 直 0-1 mol/ .0x1 Bz溶液(各 1 , MDPA-CTB/ い s. e t a i d e m r e t n ri i e h softriphenylmethanedyesandt e r u t c u r t S Budyka らは DPA-CTB 系 の TPMD・lの 生 成 経 路 を 次 の よ う に 提 唱 し た ) 2 1 後これに水を添加撹排して,なるべく反応中間体に 水 を作用させるようにした. Bz 層 溶 液 か ら 溶 媒 を 溜 去 し て , 残 留 物 を カ ラ ム ク ロ マ ト グ ラ フ ( シ リ カ ゲ ル , 展開 まず DPAの 一 方 の 芳 香 環 の パ ラ位 に =CBr2が 置 換 し て Dye1が 生 じ る. Dye1は 第 2の DPA と 反 応 し て そ れ ら の パ ラ 位 ど う し が -CBr=で、結 ばれ た Dye2を生じる . さらに , Dye2は第 3の DPA と反応して Dye3, す な わ ち TPMD-1 を生 成 す る. この 機 構 に 基 づ き , 各 反 応 段 階 の 平衡 定 数 を 求 め た . 四 塩 化 炭 素 (CTC)系 こ の 機 構 は Latowski らの Cz/ 10) や我々 の DPA/CTC 系 2 )の 3 1 , TPMD-l 生 成 はこ 生 成 物 分 析 結 果 に 基 づ く 機 構 からも 妥 当 な ものである . た だ し の 系 の 光 反 応 後 続 過 程 の 一 部 に 過 ぎない . hy1 met ri t N', N', , 4"・(N ', 4 本 章 で 扱 う MDPA-CTB 系も MDPA の 三 量 体 で あ る 4, 溶 媒 と し て ヘ キ サ ン , 酢酸エチル, CH2CI2,メタノーノレ (MeOH)を 選 択 使 用 )に繰 返 しかけ,主な生成物を分取精製した . 1 g, ポ リ メ チ ル メタクリ . PMMA滴 紙 系 : MDPA 5 g, CTB 9 b) MDPA-CTB/ 2g (モル比 1:1:3, PMMAは モ ノ マ ー 換 算)を Bz175 mLに溶 解 . レート (PMMA)8 し , こ れ を 多 量 の 横 紙 (AdvantecToyo,No.2)に 含 浸 塗 布 し て Bzを 蒸 発 さ せ た . こ の 癒 紙 を 2枚 の ガ ラ ス 板 の 間 に 挟 み , 上 記 の Hg灯を用いて, 10 cmの 距 離 で 5 min照 射 し て 着 色 さ せ た . 生 成 物 を MeOH, Bzで、順次抽出した . こ れ ら を カ ラ ム ク ロ マ ト グ ラフにかけ,主に色素成分を分取した . , ,FT-IR(堀 場 JOEL日本電子, 400 MHz) 生 成 物 の 帰 属 は , NMR ( MASS, 元 素 分 析 に よ っ た . 36 37 FT・200型 ), する. .2 吸 収 ス ペ ク ト ル の 測 定 .2 4 ) 1 ( MDPA-CTB系の光照射 による吸収 スベクトノ レの変化を 観察した. 主に 1 m m石 英 各 5 x 10-3mol/L) 溶 液 を 脱 気 封 管 し た . こ の セノレを用いて, MDPA-CTB/CH2C12 ( 3節 . 3 . 溶 液 濃 度 で は CT吸 収 は み ら れ な い . な お , 溶 媒 と し て CH2C12を用い たが , 4 と で 述 べ る よ う に CH2C12の 電 子 受 容 性 は 弱 い の で , こ の 実 験 条 件 で MDPAとCH2Cl2 が反応して生成物を生じることはなかった. ) 2 ( 錯体形 /L以 上 の 濃 度 で CT 連続変化法 により, DPA-CTB溶 液 系 で は 各 7 x10- mol 成 が 確 認 さ れ , こ の 基 底 状 態 で 1 : 1の 接 触 型 CT錯 体 の 見 か け の 吸 収 ピ ー ク は 335 2 MDPA-CTB/CH2C12溶 液 試 料 の 調 製 MDPA-CTB/PMMAフ ィ ル ム 試 料 の 調 製 MDPAとCTBを PMMAフ ィ ル ム に ド ー プ し た 試 料 (MDPA-CTB/PMMA)を大気中と 脱気系でキャスト法により製膜した. モ ) キ ャ ス ト フ ィ ル ム の 作 成 : 石 英 ガ ラ ス 板 上 に MDPA, CTBお よ び PMMA ( a )の Bz溶液を滴下, Bzを 蒸 発 さ せ た の ち , 上 面 を 石 英 板 で 被 っ た . ル 比 1 :1 :1 6 OC)は 室 温 で 液 体 で あ り , 膜 は 完 全 に は 乾 か な い が , こ の フ ィ ル ム . MDPA (mp -7 を照射して 吸収スベク トノレを測 定すること は可能であ る. )の CH2CI 2溶 ) 脱 気 フ ィ ル ム の 作 成 : MDPA,CTBお よ び PMMA(モ ル 比 1:1:1 b 液を 1cm石 英 セ ル の 枝 付 き ガ ラ ス 管 中 に 脱 気 封 入 後 , 管 内 で の 溶 媒 蒸 発 操 作 に よ り セル内面にキャスト,製膜した.このようにして得たドープフィノレムのそル濃度 /Lで、あり,黄色の CT錯 体 を は,比重を1.0と仮定すると, MDPA, CTB 各 1.62 mol ) 我 々 の 実 験 で も MDPA-CTB溶 液 系 で 同 程 度 の 濃 度 で CT錯 体 吸 収 が み ある 3 nmで、 られる. , DPA-CTC溶 液 系 に お い て , 基 底 状 態 の CT錯 体 濃 度 は DPA濃 度 に 比 べ て か 一方 なり小さい ので, CT錯体が光吸 収する割合 は, DPAの そ れ に 比 べ て , 低 い と 見 積 もられる. し た が っ て , こ の 系 で は DPA励 起 が 主 と な り , 励 起 状 態 CT錯 体 の 形 成 が 後 続 反 応 の 開 始 種 と し て 重 要 と さ れ る 5) 本 実 験 で は 吸 収 ス ベ ク ト ル の 変 化 を 測 定 す る た め に MDPA-CTB/CH2CI2溶液(各 3mol/L)を 用 い た . こ の よ う な 濃 度 条 件 で は ほ と ん ど CT吸 収 帯 を 観 測 す 5~ 5x 10. 1 ることはで きない. し た が っ て , こ こ で は 主 に MDPA励 起 で あると考え られる . MDPA + hv→ MDPA*はそれぞれ MDPAの 励 起 一 重 項 状 態 お よ び 三 重 項 ここで, IMDPA*お よ び 3 状 態 を 表 わ す . IMDPA川ま CTBと の 間 に 励 起 状 態 で 電 荷 移 動 を 生 じ エ キ シ プ レ ッ ク 4) 1 *を形成する 町、 ) .'CBr4O + ス I(MDPAO IMDPA* + CBr4 → 溶 液 お よ び フ ィ ル ム 各 試 料 セ ル の 照 射 は 主 に 前 記 の Hg灯を用いて, Pyrexフィル ターを通し て 10 cmの 距 離 で 照 射 し た . ま た , 吸 収 ス ベ ク ト ル の 250 - 350 nm域 の 変化をみる ために,光 強度の弱し 、光源、と して日立蛍 光分光光度 計 MPF-4形のキセノ t10nm光 (Xe灯)を利用 した.紫外 可視吸収ス ベ ク ト ル の 測 定 は 島 津 分 ン光源の 295: ) 2 . 4 ( IMDPA牢 → 3MDPA* 形成してい る. ) 試料の照射および吸収スペクトル測定 3 ( ) 1 . 4 ( IMDPA宇 * ) .CBr4O . . . I(MDPAo エキシプレックスは溶媒かご内で次のように電荷分離する. I(MDPAO 十 … e g a c ) r CBr3 B ヘ・ * → (MDPA ) CBr4O ! ) 4 4. ( ヘCBr3,Brーが 溶 媒 か ご 内 で 再 結 合 す る こ と に よ り 後 続 反 応 が 始 ま る . ・ 光 光 度 計 UV1600型によった .溶液およ びフィノレ ム試料の温 度制御は低 温から 20 oC ま で は ド ラ イ ア イ ス IMeOH(約一 70OC)を 入 れ た 石 英 製 ジ ュ ワ ー ピ ン 中 に 石 英 セ ル を MDPA 浸して自然 昇温させ, 200C以 上 は 島 津 TCCコ ン ト ロ ー ラ に 切 り 替 え た . (MCz)を生じる MDPAヰを経る分 子 内 環 化 反 応 に よ り N・ メ チ ル カ ル バ ゾ ー ル また, MDPAは 3 MDPA牢 3 → ) 5 1 ) 5 . 4 ( MCz 4.3 結 果 お よ び 考 察 , MDPA-CTB/PMMAフ ィ ル ム 系 ( モ ル 比 方 .3.1 光 反 応 初 期 過 程 4 ) 3 . 4 ( )は 基 底 状 態 で CT錯 体 1 :1 :1 すでに芳香族アミンーハロメタン系の光反応初期過程についてはかなり研究され ている 5),10),14) 本 報 で は MDPA-CTB系 の 初 期 過 程 に つ い て は 特 に 検 討 し て い な い の T を 形 成 す る . こ の CT錯 体 に よ る 着 色 が 弱 い 場 合 は 光 照 射 し て C ) +"'CBr4O (MDPAo 2な ど の 生 成 効 率 が か な り 低 下 す る の で , こ の よ う な 高 濃 度 系 で は CT錯 体 もTPMD・ で,これらのほぼ定説化している見解に基づいてこの系の初期過程を簡単に記述 励 起 が 重 要 と な る . CT励 起 に よ り エ キ シ プ レ ッ ク ス が 生 じ る . 38 39 合 に よ り 後 続 反 応 が 始 ま る . 同 様 に , 高 濃 度 溶 液 系 で も CT励 起 の 割 合 は 高 ま る と みられる. )式 ) の い ず れ で も エ キ シ プ 6 . 4 )式) , CT励 起 (( 1 . 4 ( こ の よ う に MDPA励 起 ( レックスを経て後続反応に 入る . 。 N000 r 。 : p : 。 。 H20200coo eb 4)式のように電荷分離して , PMMAマ ト リ ッ ク ス 内 で の 再 結 4. エキシプツレクスは ( b 6) 4. ( 0 牢 ) o 4 CBr .' + (MDPA0 T+hv → ' c ) CBr4 . . . MDPAO+ ( N G r 官十 4.3.2 生 成 物 分 析 と 後 続 反 応 機 構 PMMA滅 紙 系 で 生 成 物 を 分 析 分 取 し た . Bz溶 液 系 と MDPA-CTB/ MDPA-CTB/ Bz溶 液 系 は 照 射 直 後 に 水 を 添 加 し て , 反 応 中 間 体 か ら 生 成 物 MPBP MDPA-CTB/ 式 ) を つ く る よ う に し た . また, TPMD-2な ど の 色 1) 1 (4. 式 ) や MAD ( 9) . 4 (次頁 ( 素は B z~ こ溶けにくいが, MeOHを添 加 す る と 溶 解 して濃く着色して生成が確 認でき る. MDPA - CTB /PMMA ~慮紙系からも Bz と MeOH で生成 物 をすべて抽出した . TLC ) 7 4. ( 8) 4. ( O lβ N ( ' N で 観 察 す る と , 両 系 で 生 じ る 生 成 物 の種 類 に 基 本 的 に 差 異 は な い が , 溶 液 系 で は MPBP 1 1 色 素 と 共 に MPBPや MADな ど が よ く 生 成 し て お り ,滴 紙 系 で は TPMD・2の生成が目 9) . 4 ( 立つ.両系の照射条件や後処理方法が異なるので,両系について各生成物の生成 一 方 ,N-メ チ ル ア ク リ ド ン (MAD)の 生 成 も 次 の よ う な 後 続 反 応 を 推 測 さ せ る .す 効率を比較することはむずかしい . Bz 系 Bz 溶 液 系 の 生 成 物 の 種 類 を DPA-CTB/ MDPA-CTB/ と比べると大幅に減 6) ' な わ ち , そ の 前 駆 体 と し て MDPAの オ ル ト 位 に CBr2が 置 換 し た 反 応 中 間 体 2・(N の N 位が Me基 で 置 換 さ れ MDPA) 少 し て い る . こ れ は N-メ チ ル ジ フ ェ ニ ル ア ミ ン ( が存在することを示唆する . ) 10 ibromomethanebromide( d -phenyI o) n methyl-N-phenylami ていることによる. 式). 1) 1 . 4 (4.10)-( こ れ が 分 子 内 閉 環 し た の ち 水 と反応 して MADが生じる ( … カラムクロマトグラフにより主生成物として次の 二つの生成物が帰属された . 55; N'-diphenylamino)benzophenone(MPBP): Found:C,82. , N'-dimethyl-N , 'ー(N 4 4, r o ;MS(molwtf 4 1 8N,7. 0 . ;0,4 6 1 . ;H,6 2 6 . 2 : C,8 d c l a 2%.C 0 . 7;0,4.38;N,7 1 H,6. 0 1 Y O [ 叩高 1 d己 4.10) ( 5 6 . δ =7 ) CI2 ; 'HNMR(CD2 ) ;IR(KBr) 1603cm-I(C=O ) z392(M+ N2= 392)m/ 40, 7H2 C2 . Me6H) 37( 1(arom4H),and3. 8 . 39(arom4H),7.24-7.19(arom6H),6 arom4H),7. ( 東 京 化成)とIR, 'H NMR, N-Methylacridone (MAD): 試 薬 の N-Methylacridone ( GP MSが一 致した . )式 の 電 荷 分 離 に 引 き続 き, 次 の よ う な 後 4 4. MPBPが生成していることにより , ( ・ CBrお よ び Brヘ 続 反 応 が 生 じ て い る と い え る .す な わ ち , 溶 媒 か ご 内で MDPA I o 0 H2 ) r B H 3 ( σi 。o 1) 1 4. ( MAD 3 が 再 結 合 し て , 反 応 中 間 体 4・(N-methyl-N-phenylamino)phenyldibromomethane Ip) が 生 じ る bromide ( N'-N, hy1 t me di N', (N '4 pは 別 の MDPA と 反 応 し て 4, I 1は 系 中に存 )を生じ る. さ らに , 1 1 1 diphenylbromomethane bromide ( diphenylamino) 、あ る. MADの吸収ス ベ ク ト ル は 振 動 構 造をもち, MPBPの吸収 ピーク は 359nmで . ) 1 . Table4 2 お よび、 . .4 g i F 400nm付 近 に吸収を 示し た ( )式). 9 . 4 )-( 7 4. ( 在する水と反応して, MPBPを生じる ( 40 1 4 で 帰 属 す る に 至 っ て い な い . 特 に 色 素 625 は 微 量 で あ る . 2,0 しかし, 色 素 591 は TPMD・2で あ る と 推 測 で き る . そ の 根 拠 と し て TPMD-1の 吸 収 極 大 が 590nmで、あり , また, l ),ll ) C r y s t a lV i o l e tの 吸 収 極 大 も 590nmである こと 1 7 ) r y s t a lV i o l e tの 吸 収 と 一 致する. が あ げ ら れ る . TPMD-2の 吸 収 は こ れ ら TPMD・1や C L F i g .4 . 1参照)ことから コ者 の N 置 換 ト リ フ ェ ニ ル メ タ ン の 共 役 系 が 同 じ で あ る ( む にJ C この帰属は妥当といえる. 21O L.. O TPMD・2は 中 間 体 1 1が 別 の MDPAと 反 応 し て 生 じ る ( ( 4 . 1 2 )式). C J ) Lコ ¥I 〈 400 p -RU 300 200 A-o / / k / 、 、 0 . 0 。 σN 工Y。附 。 ・一H D M 一十 / σU ρ N U ( 4 . 1 2 ) 500 Wavelength/nm 1 ' 0 M e . . . .1'1 F i g .4 . 2 . Absorption s p e c t r a of ( 1 ) 4, 4'-(N , N'-dimethyl-N , N ' - TPMD 2 diphenylamino)benzophenone(MPBP),and( 2 )N-methylacridone (MAD)i nCH2CI2・ 1の 吸 収 帯 波 長 は 後 述 の よ う に 650-660nmで、ある. なお, 1 . 3 . 3節 で 述 べ る MDPA・CTB/ また, 色 素 625の 分 子 構 造 に つ い て は 不 明 で あ る が , 4 1 . 5 溶 液 系 の 吸 収 ス ベ ク ト ル で み ら れ る 621 nmの 吸 収 を も っ 化 合 物 と 類 似 の 成 分 と み 。 。 1の 中 心 炭 素 の C-Br結 合 が 切 れ て -CH=と な っ た hydrol構 造 で あ る られる. こ れ は 1 1や 1 1 'の 吸 収 は TPMD・2よ り 長 波 1 'と 記 す ( F i g .4 . 1 ) . ここで 1 と推測できる. これを 1 cm心﹂Oω 心 ︿ 2 1 . 0 長 で あ る . こ の 点 に つ い て は DMAの 二 量 体 で あ る Michler'shydrolが 607.5nm, 三 量 1 / 体である C r y s t a lV i o l e tが 590nmで、ある ¥ / / / 0.5 / / / ¥ ¥ ¥ ーー一一戸 500 はI 。が存在して, k 、、.;' 400 このように,ちから 1 1, そ し て TPMD-2へ と 段 階 的 に 反 応 が 進 行 す る . また, MAD 1 1 / 0 . 0 クトノレデータを Table4 . 1 にまとめて記す. 1 / / 600 ことからも妥当といえる. これらのスベ 1 7 ),1 8 ) るが, 、 、 700 pや I 。の存在を確認する必要があ これが閉環したと考えられる. I こ れ ら は 不 安 定 な 中 間 体 で あ り , 分 取 分 析 す る こ と は む ず か し い . また 4 . 3 . 3節 で 述 べ る よ う に , MDPA-CTB/溶 液 系 の 吸 収 ス ベ ク ト ル で は , 800 光 照 射 で N-メ pや I 。の 生 成 を ス チルカノレパゾーノレ (MCz)が生成して, そ の 吸 収 が 妨 害 す る の で , I Wavelength/nm ベクトルから確認することもむずかしい. F i g .4 . 3 . Absorption s p e c t r a of( 1 ) 4, 4 ', 4"-(N , N', N"ーt r i m e t h y l - そこで, MDPA-CTB/Bz溶 液 に 水 を 添 加 し て 水 層 を つ く り , N,N', N', t ri pheny1 ami n0) tr iphenyI met hane bromide (TPMD・2 ), を採り and( 2 )Dye625i nMeOH. これを照射する方法 ,照 射 中 に 水 層 に 溶 け 出 す 成 分 の 吸 収 を 測 っ た . Fig. 4.4のように, 水 層 19) 成分の吸収は, は じ め 320 nmのブロードな吸収(1)がみられた. さ ら に 照 射 を つ づ 2 )に 変 わ っ た . ( 1 )の 成 けると, 320 nmが消えて, い く つ か の ピ ー ク か ら 成 る 吸 収 ( また, 色素成分の分取により, そ れ ぞ れ 591 nmと625 nm~ こ吸収極大をもっ 2 種類 43 Aoo.,_ 2A 42 、 、 目 / 抽 出 し て TLCで 調 べ る と そ の 中 に MADを見出した. が大きいので発色は著しいが,実際に分取できる量はきわめて少なく, 機器分析 ・ ・ f - 2 )の 水 溶 液 を ふ た た び Bz、 で 分 は l日 後 ス ベ ク ト ノ レ の 形 が 大 き く く ず れ て 消 失 し た . ( の 色 素 成 分 , 色 素 591(青)と色素 625(緑)を得た ( F i g .4 . 3 )・ こ れ ら の 色 素 は 吸 光 係 数 の 320nmの 吸 収 は ブ ロ ー ド Latowskiらは MDPA/CTC系 の 光 反 応 生 成 物 と し て , MDPA二 量 体 な ど を あ げ て い Absorption bands of intermediates and products . 1 . Table 4 DPA-CTBsystem. M e h t n i d e m r o f Absorption N'-diphenylamino), N'ーDimethyl-N , 4'-(N 4, ) BP P M ( e n o n e h p o z n e b 359nm N-Methylacridone(MAD) , . , o)phenyl・ n 4-(N-Methyl-N-phenylami I dibromomethanebromide( p) 400 320 n0)ami pheny1 di N'-N, hy1 t me 0i N', 'ー(N 4 4, ) 1 1 ( e d i m o r b e n a h diphenylbromomet 650-660 no) ami pheny1 di N'-N, hy1 t me 0i N', 'ー(N 4 4, ) ' 1 1 ( l diphenylmethanehydro 621-625 る 7) た だ し , そ の MDPAど う し を つ な ぐ 結 合 部 分 は す べ て ー C日2ー で あ る . こ れ よ り 反 応 機 構 と し て , 光 励 起 さ れ た MDPAの N-Me基 が N-CH2ラジカノレまたはカ ルボカ チ オ ン と な っ て 別 の MDPAを 攻 撃 す る と い う 解 釈 が と ら れ て い る . DMA, DMT/ノ ロ メ タ ン 系 6),9)で も 同 様 に N-Me基 の 反 応 性 を 重 視 す る 機 権 が と ら れ て い る . しかし, 上述のように, MDPA二 量 体 の 中 心 炭 素 は CTBあるし、は CTCに 由 来 す る と 考 え ら れ る.そして,特に系中に水が存在すればその影響により 化合物が生じ易いと co- い う の が 我 々 の 見 解 で あ る . な お , Zelentら の そ の 後 の Cz/CTC系 10)の 分 析 で は 多 数 co一 生 成 物 が あ げ ら れ , 芳 香 環 に CC1?が 置 換 す る 機 構 が と ら れ て い る . の4.3.3 MDPA-CTB/溶 液 系 の 吸 収 ス ペ ク ト ル は じ め に 短 波 長 側 の 吸 収 ス ベ ク ト ル を み て み る . MDPA/CH2CI2溶 液 を Xe灯 で 照 pheny1 ri t N', N', -N, thy1 me i Tr N', N', , (N ', 4 ', 4 4, ) amino)triphenylmethanebromide(TPMD・2 591 . ) ) 2 )- ( 1 5のスベクトノレ ( . 0・0バ ン ド 346 nm)が 現 わ れ る (Fig.4 射 す る と MCzの 吸 収 ( )式).このよう 5 . を 経 由 し て , 分 子 内 環 化 し た も の で あ る ( (4 MDPA・ こ れ は MDPAが 3 経 由 の 反 応 が 起 こ る こ と か ら , CH2Cl2の 電 子 受 容 性 は か MDPA・ に CH2Cl2溶 液 中 で も 3 。が存在し )の 中 に I 2 pに 相 当 す る と 推 測 さ れ る . また, ( であることから反応中間体I な り 低 い と い え る 8) 。が共存している 1)の中にも I の吸収は帰属していないが, ( 0 ていたと推測できる. 1 可能性はある.なお , Budykaらは もの 吸 収 を 330 - 400 nmと し て い る が , そ の 実 験 的被拠は明らかでない ) 2 1 2.0 0 2. ω u c 何 コ 4 _ . 0 51.0 J ω にJ C 《 21O _ . O U】 コ £ 〈 ;' 2 ./ 0 250 0.0 250 300 350 400 450 500 hInm t g n e l e v a W 350 300 400 hInm t g n e l e v a W 5x . 1 n( o i t u l o . Absorption spectra ofMDPA/CH2CI2 s 5 . .4 g i F 3mol/L) degassed i ) 2 ) non-irradiated and ( 1 l,( l e n a 1m m c 10- e MDPAh n oft o i t a i d a r r intermediate products formed during i )Absorptionspectrumof 3 r5minwithaXelamp. ( o df e t a i d a r r i 3mol d e t a i d a r r /L),i .5 x 10n (each l o i t u l o MDPA-CTB/CH2CI2 s ) 160minwithaHg 2 ) 10minand( l r( o df e t a i d a r r CTBsystem,i . ) l o( rt a l i m i ss r5min. Thenon-irradiatedonei o f . 4 . 4. g i F n of o i t u l o Absorption spectra of aqueous s lamp. 44 45 MDPA-CTB/CHヲC li 溶 液 を 同 じ 条 件 で 照 射 す る . 未 照 射 の 吸 収 は 1 ', TPMD・2と 推 定 4. 3 .2 節 の 生 成 物 分 析 で , 色 素 625と色 素 59 1を得て, そ れ ぞ れ 1 MDPA/CHC I溶 液 ( 1 )) と 同 じ で あ る . 照 射 に よ り や は り MCzの 吸 収 が 生 ス ベクトノレ ( 2 2 じるが, MDPA/CHヲCIフ 溶 液 の 場 合 に 比 べ MDPAが 多 く 消 費 さ れ て い る ( ス ペ ク ト ノ レ 1 'に 相 当 した . こ れ と こ こ で の 吸 収 ス ベ ク ト ル の 結 果 と を 合 わ せ る と , 621 nmは 1 1と 帰 属 さ れ る . 稀 薄 な 溶 す る と の 推 定 は 妥 当 で あ る . ま た , 642 nmは 反 応 中 間 体 1 pや I 。な ( 3 ) ) . すなわち, 電 子 供 与 性 の MDPAと 受 容 性 の CTBが 反 応 し て 初 期 生 成 物 I 1が さ ら に 新 た な MDPAと 反 応 し て TPMD-2 に 進 む 割 合 は 少 な く , 吸 収 液系では,1 ど が 生 じ て い る . しかしこのスベクトノレから は MCzが 邪 魔 を し て ど の よ う な 吸 収 の 1は 系 中 の 水 と 反 スベクトノレで 590nm付 近 に 顕 著 な 吸 収 を 認 め る こ と は で き な い . 1 pとI 。の 生 成 が . 3 . 2節で, I 変化が生じているかわかりにくい. これについてすでに4 (4 . 9 )式). 応 し て ほ と ん ど MPBP( λ m a x= 359nm)に な る と み ら れ る ( 次に, 確かめられている. 次に, 長 波 長 側 の 吸 収 に つ い て 検 討 す る . MDPA-CTB/CH2CI2溶 液 を -60 ocで Hg 灯照射した後, これを徐々に昇温させた( F i g .4 . 6 ) . はじめ冷媒の曇りによりスベク トルのベース濃度が全体的に上がっているが, 昇 温 と 共 に 低 下 し て い る . 照射直後, 4.3.4 MDPA-CTB/PMMAフ ィ ル ム 系 の 吸 収 ス ペ ク ト ル 次 に MDPA-CTB/PMMA系 の 吸 収 ス ベ ク ト ル 変 化 を 観 測 し た . こ れ は 主 に MDPAとCTBに よ る 反 応 中 間 体 や Fig.4. 7は ー MDPA-CTB/PMMAフィノレ ム(キャス ト)を室温で Hg灯で照射した後, 暗 所 に そ の ま ま 放 置 し た 場 合 の 吸 収 の 変 化 を 示 す . こ の 系 で は MDPAとCTBの 濃 度 一 次 生 成 物 の 吸 収 と み ら れ る . ま た 642nmに も 吸 収 が 生 じ て い る . こ れ を 徐 々 に 昇 が 大 き い の で 未 照 射 で 350 nm付 近 に CT錯 体 形 成 に よ る 吸 収 が み ら れ る . こ の よ う 温 さ せ る と 642 nmの ピ ー ク が 減 少 し て , 20 oCで 621 nmに 小 さ な 吸 収 が 残 る . した に ド ー プ フ ィ ノ レ ム 系 で は CT錯 体 に よ り 黄 色 を 呈 し て い る の で 紫 外 光 照 射 す る と 色 がって, 642 nmは 低 温 で の み 安 定 な 反 応 中 間 体 に よ る も の と 帰 属 さ れ る . 621 n口1 素 の 生 成 効 率 が 稀 薄 溶 液 系 よ り も 大 き い . したがって, 330 - 380 nmに 吸 収 が 生 じ て い る が , は 642 nmの 消 滅 に よ り 生 じ た の か , 不 明 で あ る . また, 。 最 初 か ら 642 nmの ヒ ー ク 中 に 隠 れ て い た の か oC以1:20o Cま で に 502nmに 小 さ な ヒ ー ク が 現 わ れ て い る が , フ ィ ル ム 系 は 主 と し て CT 錯 体 励 起 で あ る と い え る . 照 射 直 後 に 660 nmの 吸 収 が み ら れ る . こ れ を 暗 所 で 放 置 す る と ピ ー ク は 減 少 し な が ら 620nmと 590nm付 近 へ シ フ ト す る . この 502nmが 642nmの 消 滅 と 関 係 す る の か ど う か も 不 明 で あ る . I. 0 1. 5 0 . 8 0 . 6 0 . 4 U 心︿ 41E' Oω にの{以﹂ ﹂ω D︿ ωυcmDO 山 l11111V 門/﹂ハ ωυ 1 . 0 0 . 2 0 . 5 0 . 0 300 0 . 0 300 400 500 600 700 800 W a v e l e n g t h/nm 400 500 600 700 800 W a v e l e n g t h/nm p e c t r a of MDPA-CTB/ PMMA c a s tf i l m F i g .4 . 7 . Absorption s ( 1 :1:1 ,i n molarr a t i o ) :( 1 )n o n i r r a d i a t e d,( 2 )i r r a d i a t e df o r5 F i g .4 . 6 . Absorption s p e c t r a of 恥1DPA-CTB/CH2C I2 s o l u t i o n (each5x 1 0- mol/ L,degassedi na1m mc e l l ) :( 1 )n o n i r r a d i a t e d, 3 minwithaHglamp,andthenplacedi nt h edarkf o r( 3 )5mino r ( 4 )60mina troomt e m p e r a t u r e . ( 2 )i r r a d i a t e da t -60 OC f o r 30 min with a Hg lamp,and then warmed upgraduallyt o( 3 )-50 oC,( 4 )-40 oC,( 5 )-30 oC,( 6 ) o c . -20oC,( 7 )-1 0oC,( 8 )0oC,( 9 )1 0oC,o r( 1 0 )20 46 を -60 oCで、 Hg灯照射後, 徐 々 に 昇 温 さ 次に, MDPA-CTB/PMMAフイノレム (脱 気 ) せ た( F i g .4 . 8 ) . 照 射 直 後 に 660 nmに ピ ー ク が 立 ち 上 が る . 昇 温 に よ り , ピ ー ク は 47 Cの 655nmま で わ ず か に シ フ ト す る が 吸 光 度 を 増 し , 以 降 は 吸 光 度 を 減 ら し な -20o る. エ キ シ プ レ ッ ク ス か ら 電 荷 分 離 状 態 を 経 て , =CBr2が MDPAの パ ラ 位 に 置 換 し 0 oCで は こ の ピ ー ク は 消 失 がら ooCの 653 nmま で そ の 形 は ほ と ん ど 変 わ ら な い . 1 Iの MDPA pは月J 。を生じる. I ' およびオルト位に置換したI p たカチオン反応中間体I しはじめて, 1は 低 温 で は 安 1を 生 成 す る . 1 と 反 応 し て MDPA二 量 体 で あ る カ チ オ ン 反 応 中 間 体 1 50C以 降 で は 620nmと550-600nm付 近 に 新 た な ピ ー ク が 見 え る . 1 1の 一 部 は さ ら に 別 の N-メ チ ル ジ フ ェ ニ ル ア 定であるが, 室 温 で は 消 失 し や す い . 1 ミン MDPAと 反 応 し て ト リ フ ェ ニ ル メ タ ン 色 素 TPMD-2を生じるが, 水 と 反 応 し て MDPA二 量 体 で あ る MPBPに な る . また, 一部は系中の Iか ら 分 子 内 環 化 生 成 物 MADが 生 じ る . 溶 液 系 の TPMD・2生 成 効 率 は 稀 薄 溶 液 で は 低 く , 高 濃 度 に な る ほ ど ωυC何(ゼom2︿ 3 . 0 0 . 0 400 増す. ド ー プ フ ィ ル ム 系 で は , トリフェニノレメタン色素 TPMD-2が 他 の 生 成 物 に 比 ベ 相 対 的 に よ く 生 じ る が , こ れ は MDPAの 分 子 間 距 離 が 十 分 短 い こ と , による またドーフ が考えられる. 以上のような生 T gの 低 下 で 分 子 運 動 性 が 大 き く な る こ と な ど 成物分析やスベクトル情報から得られた反応機構に関する知識を基に, 次章では 側 鎖 に DPA基 を 持 つ 高 分 子 と CTBと の 混 合 系 の 光 反 応 に つ い て 報 告 す る . 3 . 0 0 . 0 500 700 600 800 文 h/nm t g n e l e v a W 献 . .1961,5,8 .Eng i c .Photogr.S ;Wainer,E . r,H.L e t h c i ;F . .H )Sprague,R 1 .1971,4,P4402. d )ColourJndex,3rde 2 nmolar 1 :1:1,i m( l i aofMDPA-CTB/PMMAf r t c e p . Absorptions 8 . 4 . g i F 2 五十里邦弘, 前沢けい子, 吉田弘美,塚田知道, 日本写真学会誌, 1973,36,1 0 swith aHg r1 o t-60 oc f da e t a i d a r r ;i d e t a i d a r r i n o )n 1 :( ) d e s s a g e o,d i t a r ) 5 )-30 oC,( 4 )-40 oC,( 3 ) -50 oC,( 2 o( lamp,then warmed upgraduallyt ) 三 輪卓司,石川俊雄, 日本写真学会誌, 1975,38,360. 4 . C )20o 10 r( 5oC,o )1 9 0oC,( )1 8 )0oC,( 7 )-10oC,( 6 -20oC,( .Chem.1978,82,371; . Phys ;Okuyama,M.;Kamada,H.J . ;Sawada,T . )Iwasaki,T )a 5 i.Eng.1978,22,312. c )Phot.S b . 9 0 7 .RocznikiChem.1977,51,1 ;Zelent,B . )Latowski,T 6 以上の実験事実から, MDPA-CTB/PMMAフイノレム系では, 当 初 660 nm付 近 に 'や 1 1は 時 間 あ る い は 昇 温 と 共 に 消 滅 し , 1 1に 相 当 す る . 1 ピークが生じ,これは1 1は TPMD-2が 生 成 す る た め 吸 収 は よ り 短 波 長 の 550-620nmに シ フ 卜 す る . また, 1 水 の 影 響 を 受 け や す く , 共 鳴 構 造 を 失 い MPBP(359 nm)へ と 変 化 し や す い . ドープ フィノレム系では, TPMD・2が 他 の 生 成 物 に 比 べ 相 対 的 に よ く 生 じ る が , り 高 濃 度 で ド ー プ す る た め , MDPAの 分 子 問 距 離 が 十 分 短 く , これはかな またドープによる T g の低下で分子運動性が大きくなり色素生成が効率化すると考えられる. . 3 3 ocznikiChem.1975,49,8 ;Wyrzykowska,K.R . )Latowski,T 7 . Photochem Photobiol. ; Latowski,T . ; Grodowski,M.; Weiss,K . ) Wyrzykowska,K 8 . 11 1978,28,3 rg.Chem.1979,44,3559. .O .J ;Zelent,B . )Latowski,T 9 d1982,60,2442. i b )i 45;b . Chem.1982,60,9 .J αn ;Durocher,G.C . )Ze1ent,B )a 0 1 . 9 1) 和 田 善 男 , 後 藤 哲 哉 , 山 本 雅 英 , 西 島 安 則 , 日 本 印 刷 学 会 論 文 集 , 1986,24,4 1 i.1990, c hotogr.S .P s,M.G.;Lauhina,0.0.;A1fimov,M.V.J a j n u t ;S . )Budyka,M.F 2 1 38.44. , 山本雅英,西島安則, 日 本 印 刷 学 会 第 77回 秋 期 研 究 発 ) 和田善男,伊藤紳三郎 3 1 4.4 結 . 表会予稿集, 1986,p21 きA 閥 a N-メ チ ノ レ ジ フ ェ ニ ル ア ミ ン 一 四 臭 化 炭 素 (MDPA-CTB)溶 液 系 お よ び ド ー プ フ ィ ル ム 系 の 光 反 応 を 検 討 し た . 稀薄溶液系では, と 主 に MDPAの 光 励 起 に よ り lMDPA・ CTBが エ キ シ プ レ ッ ク ス を 形 成 す る . 高 濃 度 溶 液 系 や ド ー プ フ ィ ル ム 系 で は MDPA-CTBが 基 底 状 態 で CT錯体をつくり, 48 この CT励 起 で エ キ シ プ レ ッ ク ス を つ く .Chem.1996,100,5343. s y h ;Musasa,H.よ P . )Shimamori,H 4 1 . 1973,95,3108. c o z,H.よ Am.Chem S t i h c s n i ;L . .W.;Grellmann,K.H r,E e t s r o )F 5 1 , 山本雅英, 日 本 印 刷 学 会 第 80回 春 期 研 究 発 表 会 予 稿 集 , ) 和田善男,伊藤紳 三郎 6 1 1988,p63. 49 . 9 ;VCH:Weinheim,1987,p5 y r t s i m e h r,H.ColorC e g n i l l o )Z 7 1 n, i l r e :B g a l r e -V r e g n i r p ;S r u o l o nC . OrganicChemistryi ; Gregory,P . .F )Gordon,P 8 1 1部 第1 . 2 4 1987,P2 . 5 0 4 iChem.1977,5人 1 k i n z c o .R t,B n e J e ;Z . )LatowskiT 9 1 芳香族ビ、ニノレポリマ一一ハロメタン系の光反 応とフォトレジスト材料への応用 第 5章 ジフェ ニルア ミノ基 をもっ メタク リレー トポリ マーと 四臭化 炭素の 光反応 .1 緒 言 5 系 (DPAジフェニ ルアミン (DPA)と四臭化 炭素 (CTB)をポリマ ーフィル ム中にド ープした (TPMD) CTB/フィノレム)は紫外光照射により DPAの三量体 であるト リフェニ ルメタン 型色素 この DPA-CTB 系の原理 を高分子 系に応用 してフォ トレジス ト材料と して 機構など 利用する ことが考 えられる .すでに そのよう な例は過 去にみら れるが, その反応 を生成する ) 1 は詳らか でない ) 2 系の光反 本章では, DPA-CTB系を発展させて, DPA基をもっ ポリマー と CTBとの混合 つけた 応を試み ,光記録 材料とし ての可能 性を探る .すなわ ち, DPA 基を側鎖 の先端に )を合成し ,この PDPAEMA中に 1 . .5 g i F )(PDPAEMA)( e t a l y r c a h t e lm y h t e o n i m a l y n e h p i d ( y l o p DPAEMA)の光反応 について 検討する .紫外光 照射に P CTB をドープしたフィノレム系 (CTBf が期待で き より側鎖 の DPA基どうし が CTB によって 結合され れば,発 色を伴う 架橋反応 もできる だ る.また 高分子架 橋反応の 進行を吸 収スベク トノレの 変化によ って観測 すること ろう. UH--- F 一 34O 3 c s c ' c HH PV /可、 。 σ。 . g i F . .1 5 e of poly(diphenylaminoethyl r u t c u r t Chemical s methacrylate)(PDPAEMA). 50 51 第 4章で,低分子モデル系である N-メチルジフェニルアミンー四臭化炭素 (MDPA-CTB) 5.2.3 レジストの作製 そこで明らかになった反応機構や生成物の吸収スベクト ルと比 CTB! PDPAEMA によるレジスト作製の実験を試みた. CTB-PDPAEMA/クロロベンゼン 較 し な が ら 本 報 で は CTB! PDP AEMA 系の光反応を考察する.すなわち,光反応後続過 溶液(モノレ比 1:1 )を用 意した .また,ポリ桂皮酸ビニノレ( P V C i ) /クロロ ベンゼン溶液に増感 程を吸収スベクトルの変化で、追跡して, PDPAEMA と CTB の溶液系 (PDPAEMA・CTB/ 溶 剤として 5 n i t o r o a c e n a p h t h e n e,または M i c h l e r ' sk e t o n eを加えた感光液 4 )を感度比較用に用 液)および CTB! PDPAEMAフィルム系における反応を検討する. いた.各溶液濃度は良好なレジスト膜が得られるよう適 当に調整した.清浄なアルミ板表 系の光反応を検討した 3 ) 面上に各溶液を均一に塗布,乾燥した.焼き付けは 3相カーボンアーク灯(大日本スクリー ン製造)と真空密着焼き枠を用いて,テストパターンと Kodakp h o t o g r a p h i cs t e pt a b l e tNo.2 5 . 2 実験方法 を 2min焼き付けた.現像はトリクロノレエチレンにより 3min行なった. 5 .2 .1 PDPAEMAの合成 1 ) DPAEMA モノマーの合成: DPA(ナカライテスク)1 2gとクロロエタノーノレ(ナカラ イテスク) 2 0 mLを 1 5 0oCで 6 h還流し,得られた組生成物を水中に滴下し,固形物を吸 5 . 3 結果および考察 引ろ過後,ベンゼンで抽出した.これをカラムクロマト グラフ(シリカゲル,塩化メチレ 5 . 3 .1 光反応初期過程 ン)により精製し, d i p h e n y l a m i n o e t h a n o l(DPAEtOH)1 0gを得た.収率 66%. 第 4章でこの PDPAEMA-CTB系の低分子モデル系として MDPA-CTB系を検討した.両 次に, DPAEtOH5 . 5g,ジクロロエタン 40mL,ピリジン 1 0mL,ヒドロキノン少量を 系の吸収スベクトルの変化を比較すると非常に近似して おり,両系でほとんど同様の現象 フラスコにとり,氷浴で撹枠しながら,塩化メタクリロ イル 5mL を滴下した.そ の後室 が 生 じ て い る と 推 測 で き る . し た が っ て , PDPAEMA-CTB 系 の 光 反 応 初 期 過 程 に も 温で 6 h 慢枠した.粗生成物をベンゼン抽出し,カラムクロマト グラフ(シリカゲ、ノレ)で MDPA-CTB系の機構が適用できると考えられる. ヘキサン,塩化メチレンで展開して精製し d i p h e n y l a m i n o e t h y lm e t h a c r y l a t e (DPAE恥lA)モノ マー 4 . 5gを得た.収率 62%. 2 ) PDPAEMAの重合: DPAEMAモノマー 1mLおよび AIBN5mgをベンゼン 3mL 中に溶かし,ガラス管中に脱気封管し, 60 oC で 5h ラジカノレ重合させた.これをメタノ PDPAEMA-CTB/CH2C1 DPA基と CTBの各濃度が低い場合は CT錯体が形成 2溶液系で されないので DPA基励起になる(以下, PDPAEMAを P-DPAと記す).DPA基の励起一重 O)本 項状態 P-IDPA吋ま CTB と励起状態で電荷移動してエキシプレックス P -1(DPAo + " ' CBr を 4形成する. ール中に注ぎ,白色の PDPAEMAポリマーを得た . メタノールとベンゼンで繰返し再沈精製した.東ソー HLC802A,TSK S t a n d a r dで分子量を測定した.ポリスチレン換算で平均分 P-DPA 十 h v→ P-1DPA* ( 5 . 1) 子量は M ; "=4 . 9 8x 1 05,Mn=1 .4 9x 1 05であり,分子量分布は M ) M 3 . 3 5であった. n= O)* P-1DPA* + CBr I ( D P A O +…CBr 44→ P ( 5 . 2 ) 5. 2.2 吸収スペクトル測定用試料の作製 なお,この他の発光,無頼射失活過程などの光反応初期 過程については省略する. 3 mo 1 ) PDPAEMA-CTB/CH2C 12 溶 液 試 料 :PDPAEMA-CTB/ CH2C 12 溶液(各 5 x 1 0l / L, 一方,高濃度の PDPAEMA-CTB/CH2C 12溶液系および CTB! PDPAEMA フィルム系で、は, PDPAEMAはモノマー換算)を 1mm石英セル付きのガラス管中に脱気封入した.また,同 DPA基が CTBと基底状態で CT錯体をつくる.そ の見かけの CT吸収域は後述のよう に 3 40 様にして PDPAEMA-CTBl Bz溶液も用いた.以下,特に断らない場合はこの試料濃度 であ -360nmである. る. 2 ) CTB! PDPAEMA フィルム試料: CTB と PDPAEMA(モル比 1:1 )の塩化メチレン溶 P-DPA + CBr ) 4O 4→ P-(DPAO+…CBr ( 5. 3 ) 液を lcm石英セルの枝付きのガラス管中に脱気封入後,管内で、の 溶媒蒸発操作によりセル 内面にキャスト製膜した. この CT励起により,エキシプレックスが生じる. 3 ) 光照射および吸収スベクトルの測定:試料の照射は,第 4 章のとおりである.蛍光 分光光度計のキセノン光源(Xe灯)による 2 9 51 :1 0nm光,および 1 0 0W 高圧水銀灯(Hg灯 , O) O)+h P-(DPAO+" ' C B r v→ P-1(DPAo +. . . C B r * 44- 主に 3 1 3nm光)を用いた.両光源、で得られた結果に差異はみられなかった. エキシプレックスは P-DPA て ・ CBr3,Brーに電荷分離する. 52 53 ( 5. 4 ) ( 5 . 5 ) OP-1(DPAo + . . . C B r ) *→ P-(DPA+ ソCBr3,B r ) m a t r i x 4 また,同時に 320-400nmにかけてブロードな吸収が生 じてくる(この現象は F i g .5 . 3,5. 4 が置換したカチオン反応中間 で顕著にみられる). この吸収は主に DPA基のパラ位に CBr2 DPA 基のオノレト位に CBr2が置換した 体 P lp であると考えられる. また, この吸収域には ドープフィノレム系では主鎖 および側鎖のメタクリレート 部分がつくるマトリックス内 でこ れらが再結合して後続反応が 始まる. I 。も含まれているとみられる. 中間体 P が置換して叫が生じる(式( すなわち, ( 5 . 5 )式の電荷分離後, DPA基のパラ位に CBr 5 . 6 ) ) 2 5.3.2 P D P A E M A C T B /溶液系の吸収スペクトル γ 以下に示す PDPAEMA-CT B/CH2C I2溶液系の吸収スベクトルの変化は, 第 4章の MDPACTB/CH2C I2溶液系のそれときわめて類似 している. したがって, 両系の後続反応の機構も (m~O なLr 12溶液系でみられた反応中間 体や生 基本的に同じであると考えら れる. MDPA-CTB/CH2C B との反応で同様に生じてい 成物が, ここでの PDPAEMAの側鎖先端にある DPA基と CT ( 5 . 6 ) ると解釈できる. 次に,長波長側の吸収についてみてみる • F i g . 5 . 3は PDPAEMA-CTBl Bz溶液を室温で Hg 灯照射した後,放置した結果 である.照射直後に 320-400nmに一次生成物の吸収が生じ 0.8 同時に, 625 nmにピークが立ち上っている. 放置により 625 nmは次第に減少しなが ら短波長側 にシフトして, 300 min後には 616 nmになる. この間 360nm付近の吸収が少 る 1. 0 ω0CC2﹂Oの心︿ し増している. 0 . 6 0 . 5 0. 4 0. 4 0 . 0 200 300 ωOCの心﹂Oω心︿ 0 . 2 400 Wavelength/nm 0 . 3 0 . 2 0. 1 F i g .5 . 2 .A b s o r p t i o ns p e c t r ao fPDPAEMA-CTB/CH2C 12s o l u t i o n( e a c h 4 5 . 9X 1 0 moll L , d e g a s s e di n a 1-mm c e l l ) ;( 1 )n o n i r r a d i a t e d,( 2 ) 0 . 0 300 i r r a d i a t e df o r30min,( 3 )60min,( 4 )1 2 0min,and( 5 )1 8 0minw i t haXe lampa troomt e m p e r a t u r e . 400 500 600 700 800 Wavelength/nm まず, PDPAEMA-CTB/ CH2C 12溶液系にお ける DPA基と CTB との 一次生成物(反応中間 p e c t r aofPDPAE恥1A-CTBl Bzs o l u t i o n( e a c h5x F i g .5. 3. Absorptions 体)を吸収スペクトノレで、観測した.MDPA-CTB系では 320nm付近の ブロードな 吸収を MDPA 3m 1 0oll L ,d e g a s s e di nal-mmc e l l ) ;( 1 )n o n i r r a d i a t e d,( 2 )i r r a d i a t e df o r のパラ位に CBr2が置換した中間体と同定した . 1 0minw i t haHglamp,( 3 )t h e nl e f tf o r1 0min,( 4 )30min,( 5 )1 2 0min, PDPAEMA-CTB/CH2CI .9 x 1 0-4moll L ) を Xe灯で室温照射しつづけた ( F i g . 5 . 2 ) . 2溶液(各 5 and( 6 )300mini nt h ed a r ka troomt e m p e r a t u r e . DPA 基の吸収が次第に減少して 340nm 付近 に振動構造を もっカルバゾール( C z )基の吸収 が現われてくる. この DPA基が環化する反応は DPAの励起三重項を経る反応であ る 5) 54 55 . . . . . _ I2 溶 液 次に, 反応中間体が存 在できる低温で の挙動をみるた め, PDPAEMA-CTB/CH2C 訓 Iの中心炭素 I と同様のもので , P γ γ " 勺 N 20 H ) r B H 2 ( 勺 V OてlrO N '(] ) 8 . 5 ( P-PBP I I P ーとなったもの とみられる. これを P-PBPと記す. o c -CBr=が水の作用で- ) 7 . 5 ( I I P σ 。工)'~D , 360 nm 付近の吸収の増加は, MDPA-CTB 系 で み ら れ に立ち上ったと 解釈できる. 一 方 benzophenone た 4 ,4'-(N, N~dimethyl-N, N 乞diphenylamino ) 一U p' 凶 の室温照射でも PIlは生じているが,生じるそばから消滅して, 見かけのピーク が 625 nm A-j , 642 nmは二つの DPA基のパラ位どう しが -CBr=で結ぼれた カチオン反応 で 4 . 5. g i F 3 . 5. g i I と考えられる. これは低温で比 較的安定な中間 体である. したがって, F I 中間体 P ヤ nv-f これについては 不明である. 勺v oNOCO ny 冒・且 PA が残る. この間 360nm付近の吸収が増 している. なお, 照射直後に 420nmに小さなピー 心一同 σな 0 こ弱し、吸収 これを徐々に昇温させると, 642nmは急速に消滅し ていく. 20 C では 622nmf クが現われ, 昇温で消失するが, マ ゾ γ N 5.4).照射直後に 642nmに大きいピーク が立ち上ってい る. . g i F を-600C で Hg灯照射した ( 5.4の 622nmは同 一成分と考えら れる. こσ)616-620nm . g i 3の 616nmと F . 5 . g i また, F l と推 o r d y eh n a t e m l y n e h p i d ) o n i m a l y n e h p i l引 Nこd y h t e m i NN乙d , ( ' 4 の成分は MDPA-CTB系 で 4, 0 . 1 'と I I I の中心炭素が -CH=構造に変化した とみられる. これを P I 測したものに相当し, P 門/﹄ a喝BE- ωυC同心﹂OのD︿ 6 . 0 I は昇温により中 心炭素の構造が 変化 I 記す. したがって,低 温で比較的安定 に存在した P 'になるとみられ る. ここでは脱気試 料で I I して, かなりの部分が P-PBP になり, 一部が P u n ' v -Ill1111山 8 . 0 Iに作用して P-PBPが生じるとみら れる. I あるが, 溶 媒 中 に 存 在 し て い た 水 分 が P 90nmの吸 溶液系では, MDPAの三量 体 色 素 TPMDに相当する 5 , PDPAEMA-CTB/ 一方 収が現われてい ないので, DPA 基 三 量 体 形 成 ま で の 後 続 反 応 は 高 分 子 鎖 の 影 響 に よ り 進 み 4 0. にくいと考えら れる. 2 . 0 5.3.3 CTB/PDPAEMAフィルム系の吸 収スペクトル 0 . 0 300 400 500 600 700 800 Wavelength/nm MDPA-CTBIPMMA ドープフィルム系では, 660 nmのピークが 590nmの TPMDに変化 するのがみられ る ) 3 そこで, CTBIPDPAEMA フィルム系でも 三 量体が生じるか を検討し た. h c a e n( o i t u l o I2s . A 4 .5. g i F fPDPAEMA-CTB/CH2C ao r t c e p ns o i t p r o s b 0 5は CTBIPDPAEMA脱気フィルムについて, 20 C で Hg灯照射後, . .5 g i F 3 ) 2 d,( e t a i d a r r i n o 5x 1 )n 1 ;( ) l l e n a l-mm c , degassed i L mol! 0 nwarmedup e h haHglamp,andt t i t-60oCw r30mina o df e t a i d a r r i 体による吸収が みられる. このように CTBIPDPAEMAフィルム系でも CT錯 体 が 形 成 さ れ )-10oC, 7 )-20oC,( 6 )-30oC,( 5 )-40oC,( 4 )-50oC,( 3 o( yt l l a u d a r g る. この黄色の CT吸収帯がないと 発色は起こりに くいので, CTBIPDPAEMA フィルム系 . C )20o 10 and( 0oC, )1 9 ( )0oC, 8 ( の光反応は CT錯体励起による 機構といえる. 照 射 に よ り 特 に 350nm付 近 お よ び 650nm に吸収が現れる . 放置により 650nmの吸収は次第に 増加してゆく. すなわち, ). ) 8 . 5 )-( 7 . 5 lpか ら 次 の よ う な 後 続 反 応 が す す む ( 式( P 56 57 )・ 6 . g.5 Fi 次に, CTBIPDPAEMAフィノレムを-600Cで Hg灯照射後,徐々 に昇温させた ( 6 . 0 未照射で 350nm付近に CT錯体吸収がみえる.照射により 340-400nmにかけて大きく吸 ωυC灯心﹂Oω 心︿ 昇温と共に 650nmはシフトせずに大 収が贈し, また 650nmにわずかなピークが生じる. )式の後続反 7 . 5 昇温により ( きく増加する. この場合は,低温で Plp が十分に生じていて, 応が大いに進行した. 3 . 0 7Kで照射した場合, 340 nm付近の吸 なお ,CTBIPDPAEMAフィルムを液体窒素温度 7 収が増し, 650nmにもわずかな吸収が生じる.これを室温に 戻し,暗所に 1日放置する と 2 0. lp は 77 K で も生成して, これが室 特に 650nmのピークは大きく増加した. このように P 1 . 0 Iへとすすむ熱的な後続反応が生じている. I 温でさらに P 0 . 0 300 この CTBIPDPAEMAフィルム系では低温照射で、生じた Plpの寿命が長く,昇温と共に他 Iの 650nmの吸 I Iがかなりの濃度まで増加する. しかし,この P I の DPA基と反応して, P 'を生成せず, また DPA基 3量体である 590nmの吸 I I 収はシフトせず,溶液系と異なり P 400 500 600 800 700 Wavelength/nm 収も生じない. . A 5 . .5 g i F r a l o ,m 1 :1 m( l i a ofCTBIPDPAEMA f r t c e p ns o i t p r o s b )・ これに CTBをドープし 7 . .5 g i F 8 oCである ( . 4 PDPAEMAのガラス転移温度(九)は 6 haHg t i r 1minw o df e t a i d a r r )i 2 d,( e t a i d a r r )noni 1 ;( ) d e s s a g e ;d o i t a r . g i F 70Cと大きく低下する ( . 7 1,モノマー単位換算)の Tgは 1 1 た CTBIPDPAEMAフィルム ( ここで観測されたろは一つだ、けであり, PDPAEMAの Tgが表われないことから,相 0 2 )1 7 )60min,( 6 )30min,( 5 )20min,( 4 0min,( )1 3 r( o tf p e nk e h t lamp, 分離せずにドープされていることが分かる. また, 昇降温を繰返しても相分離はみられな . k r a ed h nt t20oCi 0mina 8 )1 8 min,and( ¥ ' し 0 oC位まではその増加が抑制され気味 6の照射後昇温実験で, 650nmの吸収はー 1 . .5 g i F ,r を越える である. T J ι C 市 コ 4 . . . . 1 lpが昇温によりその配置を変えて別の DPA基と反応することが容易になる. しか ている P 2 a爪Illi--- ω 叩 0 . 2 ooC付近から 650nmの吸収は急速に立上がっている.主鎖に結ばれ , 20 oCまで昇温させても, 650 nmはシフトすることなく増加して, 三量体の生成はみ し 架橋した DPA基 二量体は, そ られない.すなわち, PDPAEMA ポリマーの側鎖の先端で、 の動きが主鎖マトリックス中である程度制約されるので , さらに 三 量体を生成するのに都 310 合のよい配置をとることが難しい. このようにこれらの過程にらが関係していると考えら 〈 'が生成し I I Iが安定で P-PBPや P I れる. また, CTBfPDPAEMAフィルム系で 650 nmの P コ 4 にくし、のは, 溶媒がなく,水の影響が少ないので, C-Br結合が比較的安定に保たれるため と考えられる . 0 . 0 300 400 500 600 700 800 Wavelength/nm 溶液系では,低温照射直後に 642nmが立ち上っており, これが昇温あ PDPAEMA-CTB/ るいは放置により消滅してゆく. これに対して, CTBIPDPAEル1A フィルム系では低温照射 . A 6 . .5 g i F r a l o ,m 1 :1 m( l i PDPAEMA f fCTBf ao r t c e p ns o i t p r o s b Iへ I lp が極めて安定で寿命も長く, 多量に蓄えられ, これが昇温により再配置して P で P と成長しつづける. この 二量化により, ポリマー 鎖どうしが架橋する. 両系とも 三量体 h t i t-60oCw r2mina o df e t a i d a r r )i 2 ( d, e t a i d a r r )noni 1 ;( ) d e s s a g e ;d o i t a r は生成しにくい . このようにこの系では架橋の進行が吸収スベクトノレで、観察で、きた. )-30 5 )-40oC,( 4 )-50oC,( 3 o( yt l l a u d a r nwarmedupg e h aHglamp,t e h nt )20oCi 0 1 0oC,and( )1 9 )0oC,( 8 )-10oC,( 7 )-20oC,( 6 oC,( . k r a d 58 59 T 2ト 5 ト ー ・ 、 t一一一ーー+ s 1 ι nH 円ノ パu ト に . υ ハU E¥ ﹀﹀ c 8o . 4 6 Tg= OL芯ω工 一 ﹀﹀ d r 8ド 3 4 t s 1 .. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ~ : d. n 2 4ト 4 。 これをフォトレジスト で露光すると緑色の画像が現れ イノレムをキャストし, テ ス ト パ タ ー ン を カ ー ボ ン ア ー ク 灯 られた. た. これを有 機溶剤で 現像する と緑色の レジスト 画像が得 これに対 し DPA-CTB/フ ィ ル ム ド ー プ 系 は 銀 塩 写真 に 対 比 で き る 1)ほど高感度であるが, iに増感剤 を添加し たも C V CTBIPDPAEMA系の感光 感度は著 しく低下 する. 感 度 を P 1 のように, カ ー ボ ン ア ー ク 灯 で ス テ ッ プ タ ブ レ ッ ト を 焼 き 付 け る . e5 l b a のと比較 した. T i系 に 比べ 7-8段低い. ここでは 増感をし ていない の C V TBIPDPAEMAの 感 度 は P , C と て 6 4 2い 4 4 フォトレジストへの適用 . 3 . 5 るので, CTBIPDPAEMA フ ィ ル ム 系 で は DPA基 ど う し の 二 量化によ る架橋反 応が生じ TBIPDPAEMA フ と し て 利 用 で き る 可 能 性 が あ る . アノレミ板上に C d r 3 ょ 0 2 上 一 0 4 よ ー 0 6 ょ 0 8 c e/O r u t a r e p m e T で,感度 の低いの はある程 度やむを 得ない. 『 f to a h ht t i dw e r a p m o AE恥1Ac fCTBIPDP yo t i v i t i s n e s o t o h . P .1 e5 l b a T . m e t s y is C V P s p e t S 5 CTBIPDPAEMA 2 1 e n o t e sK ' r e l h c i i+M C V P 3 1 e n e h t h p a n e c a o r o t i PVCi+5・N h g u o r h pt m a c) r na o b r a yc db e t a i d a r r . I e t a m a n n i lc y n i v y l o :p i C V P . .2 o tN e l b a pt e t ks a d o K 一斗 0 0 1 0 2 1 . m l i . DSCc 恥lAf 7 . 5 . g i F raPDPAE o sf e v r u AEMA系 DPA-CTB/フィルム ドープ系 では DPAが結晶化 すること も多いが , CTBIPDP は DPA基 二 量 体 では結晶化は起こらない. 緑に発色した画像の保存性はよい.この発色 2 5 の生成に よるとみ られるが , そ の 中 心 炭 素 の -CBr=構 造 は 大 気 中 で も 比 較 的 安 定 し て い AU ﹀﹀ ¥ ε 0 5 O一 比百ω工 ﹀﹀ 4 結 . 5 8 4 t s 1 6 4 d n 2 d r 3 4 4 0 4 - 0 4 0 8 6 0 e/OC r u t a r e p m e T 0 1 0 1 0 2 m. l i )f o i . DSCc t a 8 . 5 rr . a g i l F o ,m 1:1 raPDPAEMA-CTB( o sf e v r u 0 6 . . 0 . . 吾 閥 a PDPAEMA-CTB系について, 溶 液 系 と フ ィ ル ム 系 の 光 反 応 を 吸 収 ス ベ ク ト ル に よ っ て 検 フィルム では MDPA三 量体 の TPMDが生成し / 討した. 低分子モデ、ル系である MDPA-CTB TB/ た. これに対して, PDPAEMA-CTB系の光反応では, DPA基 二 量体まで が生じた . C PDPAEMA フィルム 系では反 応中間体 がマトリ ックス中 で安定化 され長い 寿命をも ち, 立 日 日 0 5 化の進行状況が 6 反 応 で 長 時 間 に わ た っ て 二量 化 反 応 を 行 う の が 特 徴 で あ る . そ の 二 量 70Cである. )の T 1:1 gは 約 一 mの 吸 収 ピ ー ク の 追 跡 に よ り 観 察 で き た .CTBIPDPAEMA( n )フ ィ ル ム の 低 温 で の 光 照 射 後 , 昇 温 さ せ る と ζ前 後 で 二 量化反応 が 1 :1 CTBIPDPAEMA( BIPDPAEMA系 の 光 反 応 は 架 橋 と 発 0nmの吸収が 急速に立 上がった . この CT 5 加速され 6 色が同時 に生じる 特徴があ り, 光記録材 料として の利用が 可能であ る. 61 文献 .1961,5,8. g .En i c .S r g o t o h .P ;Wainer,E . .L ,H r e t h c i ;F . .H e,R u g a r p )S 1 第 6章 . 0 4,5 ) 星野昭一郎,日本印刷学会論文集, 1973,1 2 . 2 5 54,5 ) 和田善男,杉浦英晃,大原雅史,伊藤紳三郎,山本雅英,高分子論文集, 1997, 3 . .51 p ) 角田隆弘,“新・感光性樹脂",印刷学会出版部, 1981, 4 カルバ ゾリル 基をも っメタ クリレ ートポ リマー と四臭 化炭素 系の光 反応及 び光架 橋材料 への応 用 . 8 0 1 3 .1973,95, c o H.JAm.Chem.S z, t i h c s n i ;L . .H n,K n a m l l e r ;G . .W E r, e t s r o )F 5 6.1 緒 言 e(DPA)と四臭化炭素 (CTB)をポリマーフィルム中に分散させて n i m a nyl e h p i eらは d u g a r p S e(TPMD-l)を生成させる感光材料システムを提唱したり.この edy n a h t e m yl n e h ip r 紫外光で t に適用 ように光 照射だけ で色素が 簡便に生 成する系 は魅力的 である . この原理を 高分子系 ) (PVCz) フィルムに CTB を分散させた系 e l o z a b r a c yl n i v N ( y l o した例が報告されている .p で生じるカチオン性色素の光電導性が報告された 2) yl h t e o n i m a N-phenyl l・ y h t e ly(N o また, p )と 2・トリブロモメチルスノレフォンを組み合せた系が凸版用 PS レジスト材料に e t a l y r c a h t e m 利用され た 3) hyl t e o n i m a yl n e h p i d NN, ( y l o 第 5 章 で 側 鎖 に DPA 基 を も っ メ タ ク リ レ ー ト ポ リ マ ー p /PDPAEMA)の光反応とレ ) (PDPAEMA)中に CTBを分散させたフィルム系 (CTB e t a l y r c a h t e m 機構 ジスト材料としての可能性について述べた 4) また,第 4 章でこの高分子系の光反応 e(MDPA)-CTB系の光反応 n i m a l y n e h p i d l y h t e m を明らかにするため低分子モデ、ル系として N )(PMMA)中に分 e t a l y r c a h t e ylm (meth ly o その結果, MDPAと CTBを p MDPA-CTB/PMMA)では光照射により MDPAの三量体 TPMD-2が生じ フィルム系 ( について検討した 散させた 5) 後 るのに対して, CTB/PDPAEMAフィルム系では DPA基による 二量体色素の生成までしか 続反応が進まないことがわかった . キ Cヲ7 H2 03 ] e t a l y r c a h t e y1m h t )e yl l o z a b r a 9・c ( 2 [ y l o fp eo r u t 凶 c ls a c i m e h .C 1 g.6. i F (PCzEMA). 62 63 ] e t a l y r c a h t e ylm h t e ) l y l o z a b r a 9・c ( 2 [ y l o I鎖を DPA 基から Cz 基 に 代 えた p 本 章 で は , 傾J , さらに レジスト材 料 とし (PCzEMA)中に CTB をドープし たフ ィル ム系 の光反応を 検討 し ての可能性 を調べた .CTBIPDPAEMA系 で得られた 知見がこの 系にも適用 で きる. 0C 紫外可視吸 収スペクト ルは島津分 光光度計 UV1600型を用いて 測定した. 低温か ら 2 を入れた石英製ジュワービン中に石英セノレを浸して 約 一700C) eOH( まではドラ イアイス lM 0 0 自然昇温させ, 20 C以上では島 津 TCCコントロー ラに切り替 えた . 6.2.4 レジストの 作製 6.2. 実験方法 クロロベン ゼ )/ EMA(モル比 1:1 PCz CTBIPCzEMA によるレジ スト作製を 試みた .CTBz,及び PVCiに増感剤と して ン溶液を用 意した . また,感光度を比較するため, CTB-PVC 2.1 試 料 6. 初 旬 CzEA p ]( e t a l y r c a h t e lm y h t )e yl l ωrbazo イ9 2 y[ ) Pol 1 ( e(CzEMA)の合成 t a l y r c a h t e ylm h t )e yl l o z a b r a )2・0・c i ( eを t a n o b r a ec n e l y h t 自製した Czと e ・ N-ジメチノレホル ム ア ミ ド の MA)中 で , 水 酸 化 ナ ト リ ワ ム を 少 量 加 え て 還 流 し , 9 N, )を h c i r d l A e( d i r 10 h lc y o l y r c a h t e e (CzC2H40H)を得た . CzC l o z a b r 2H40H と m a hylc t ye x o r hyd CzE~v1A 1 ,2・出chloethane と pyridine の混 合溶液 中で hydroqinone を少 量加え エ ス テ ノレ化 して を得た . EMAの重合 ) PCz i i ( cmの距離に置 いて行った . e を添加した ものの各ク ロロベンゼ ン溶液を用 意 n o t e sk r' e l h c i eまたは M n e h t h p a n e c a o r t i n 5 した .各溶液は 良好なレジ スト膜が得 られるよう 濃度調整し た .清浄な平 版用アル ミ板表 面 Jこ各溶液を均一 に塗布,乾燥した .焼き付けは 3相カーボン アーク灯と 真空密着焼 き枠(大 tNo.2を 2 e l b a pt e t cs i h p a r g o t o h を用いて ,テストパ ターンと Kodakp 日本スクリ ーン製造) m m焼き付けた .現像はト リクロロエ チレンによ り 3min行なった . M Aの DMF溶液に重合 開始剤AlBNを加え ,これを ア ンプル CzE レ 重合 した.得 られた PCzEMAを塩 化 メチレ ン とメタノ 0 oCでラ ジカノ 中に脱気封管し, 6 M"= 26400, w= 48700, ポリ スチ レン換算 ) M ールで再沈 殿して精製 した .GPCによる 分子 量 ( 4 .8 MjM n= 1 0C こAIBNを加え ,Bz中 6 )' h c 世i l A e( l o z a b r a c l y n i PVCz) N・v )( e l o z a b r a c l y n i v y(N ) Pol 2 ( 0 . 9 2 . M)M M n= 100400, n= 2 でラジカノレ重合した .分子 量 Mw= 230000, "と塩化 シンナモイ ル を月い 、 ) 0 0 リ PVA(和光純薬, 重合度 5 ) (PVC e t a m a n n i c l y n i v ( y l o ) P 3 ( て Kodak法によ り合成 した . 6.3 結果および 考察 1 EtCz-CTB/PMMAフィルムの 吸収スペク トル . 3 . 6 EMAのモデル化 合物 として EtCzを用いた .EtCzと CTBを PMMA中に分散し た脱 PCz 気フィルム を用意した . これを低 温で光照射 して,昇温 による吸収 スペクトル の変化を追 跡した . フィノレムを ,PMMAはモノマー 単位換算) モル比 1:1:1 PMMA( ! 2A-Cは EtCz-CTB g.6. i F C で水銀灯で、 60s照射 し,照射後 温度を徐々 に 上 げたときの吸収スペクトル変化で、 -50 o 0 5oCまで, sは -20て から 20 Cまで, 2Aは未照射か ら -2 g.6. i ある .F 2 フィルム試 料の作製 2. 6. ) EtCz-CTBIPMMAフィルム 1 ( レ モノ ),CTB(ナカライテスク)および PMMA(和光純薬工 業)( h c l合 i A )( z C t E e( l o z a b r a c l y h t E Tex管中に脱気 封管し た.管 )の塩化メチ レ ン溶液を 1cm石英セノレの枝を付けたPv 1 : 1 : 比 1 内での溶媒 蒸発操作に より石英セ ノレ内面に フィルムを キャスト した後,セ ル の枝 部 分 を 焼 き切った .こ の ドープ フィルム中 の EtCz, CTBのモル濃度は,比重を1.0 と仮定する と, Lで ある . / 62mol . 各 1 ) CTBIPCzEMAフィルム 2 ( x管中に脱気 封管 し e )の塩化メチレン溶液をPyr , CTBと PCzEMA(モル比 1:1 同様に して て , 1cm石英セ ル の 内面に フィルムを作製した. 3 フィルム試 料の吸収ス ペクトルの 測定 2. 6. スペクト 700C までの変化 を示す. A にお いて,照射 後 670nmにブロード な吸収が生 じ ( )・ この間 ,500 nm付近にも弱し 1ピークが 同6 C まで増加し た ( 5o ),このピー クは -2 レ2 ノ 0 2)の問に 670 nmのピークが 減 同1 ) から 20C ( 同7 C( 0o 生じはじめ て い る . Bでは ,-2 00 nmの吸収は増 加を 少して消滅 し,代 わりに 610nmにピークが 現われてき た . また , 5 ) まで残って いる . 5 同1 C( つづけて い る. Cでは , 600nmのピークが 少し 減少するが 70o また , 500nmのピークは 減少 して消滅 している . NNtは , e l io lV a t s y r ここで , 670 nm及 び 610nm の吸 収 ピークにつ いて考察す る . C eは DMAの二量体 u l lb o r d y sh r' e l h c i e(DMA) の三量体と 見なせ る. また ,M n i l i n a l y h t e m i d 5nmである 7). また ,MDPAの三量 と考え てよ い. それぞれ の吸収極大 は 590nmと 607. 5 nmにそれぞれ 吸収ピーク が 2 1- 6 2 Iは 6 o r d y 1 nm,その二量 体 h 9 体 である TPMD・2は 5 ある ), このように 二量体 よ り三量体 の方が吸収 極大波長 が 短 5 0 フィルム照 射 は 100W高圧水銀灯(理工科学産業製, UVL-I00P型)を試料フィルムか ら 1 64 cは 30て から 65 くなる ) 8 0 . 3 ω ) 2 . ( 0 . c o ' c コ i L- ω 0 o 2. c m コ i L- 。 ω コ ぷ O 0 . 1 <( ) / ( 4コ 0 . <( 1 0 . 0 700 I m 400 ﹃1 l M a ' E m n / h t g n e l e v a W 800 。 700 n H ,h‘ , g non e e v a 600 500 RU 400 ∞W 0 . 0 1 m( l i fEtCz-CTBIPMMAf ao r t c e p ns o i t p r o s 2 A b g.6. i F 800 o; i t a rr a l o n ,r 1 haHg t i Cw 0o t-5 r1mina o df e t a i d a r r )i 2 d,( e t a i d a r r i n o )n 1 ). A ( d e s s a g e d 0 . 3 25 )6 C,( 5o )-3 5 C,( )-40o 4 )-45oC,( 3 o( yt l l a u d a r lamp,出enwarmedupg ) 13 C,C ( 0o )2 12 C,( 0o )1 11 10)5 Cラ( )0oCラ( 9 10oC,( )8 )-20oC,( 7 oC,B ( 0 / 、 rB BC E﹂' M川 一 曹 且 t+ ミ 一 0 . 1 / 、 戸 、 ω0cm(ゼ Oω ハギ︿ k r a ed h nt 0oCi )7 15 0oC,and( )5 14 0oC,( 3 0 . 2 内 ,14 0 0. 400 500 600 700 m n / h t g n e l e v a W 800 0 3 β b 。I~。 βJD 。 1 1 1 1 1 : J G ' l l ' 1 1,and1 s,1and1 e t a i d e m r e t n si t 1,i 1 edye1 n a h t e m l y l o z a b r a c i r ft so e r u t c u r t 3 S g.6. i F 6 6 7 6 そこで, EtCz-CTB系につい ても, DMAや M DPA系と同じように考え ることができる . 3に示すように ,はじめにカチオン 反応中間体 Iが生じる .1は 350nm以 6. . g i すなわち, F 下に吸収を もっとみられる ). 5 lは 三量体 I生成の活性種となっ ていると考えられる .そして, PI I 参照) が生じていて, P 生成へとすすむこと がない . I 生成の種となって 1の寿命は低温で長く ,活性で二量体 I zと反応して UIを C Iが生じる .IIはさらに別の Et いる.こ の Iが別の EtCzと反応して I 6 0. 1は N か ら N'まで共役していると 考えられ,その共役 系の長さは二重結 1 生じる .11 と 1 5 0. 10nm Cz二量体である中間体 H のものであり, 6 合が 5個もある.そこで 670nmの吸収は Et こ基づくものであると考えられる. MDPA-CTB系では, H に相当する Ii I ミ量体 I Cz ニ は Et Iがすべ Iは低温で しか存在できないこ とが わかる . この消滅する I . 6.2Bで中間体 I g i F Iに変わるわけで、ない. MDPA-CTR系では系中に存在す る 水 と反応して ,中心炭素の I てI -CBr= が oーとなったケトン化 合物を生じる c - 4 ~ 0. Eこ A 二量体の吸収は 660-680nmに現われる . MDP ) 5 I の一部は水の存在により ここでも I Bz CTB/ )参照)に変化する と考えられ る.このケトン化合 物の分取を試みた.EtCz6 . 6 式( 1( 3 L 回 4 。03 U3 〈 2 2 0. 1 0. 溶液を光照射して, 反応生成物の種類を TLCで調べたところ,原 料 EtCzの下側に 3 - 4 種類の生成物を見出 した.これらを分取 して 1とみ られる生成物を得た . この生成物の スペクトルは 795cm Iと R J 400 lは 651cm), 1 9 800 m n / h t g n e l e v a W I 置 m 1の吸収は 3・ (こそれぞれ強い吸収を示す. 795 c m1651 c 換カルパゾー ルであることを意味 し 700 600 500 C=o 基を示す.なお . この生成物に 1 m( l i EMA f fCTBIPCz 仕 ao c e p ns o i t p r o s b 4. A g.6. i F ついては ‘他 の分析法 を用いて同定中であ る . o; i t a rr a l o ,m 1 ; =基 こ Czがそれぞれ l位 と 3位 で -CBr 2の 500nmの吸収は,二つの Et . g.6 i また, F haHg t i Cw t-60o r3mina o df e t a i d a r r 2)i d,( e t a i d a r r i n o 1)n . ( ) d e s s a g e d 'であるとすれば ,N から Nまでの共役 1 ではなし¥かと推測する .1 1' り結ばれた反応中間 体 1 C, 0o 6)1 C,( 5)0o C,( 4)-20o )-40oC ( 3 o( yt l l a u d a r nwarmedupg e h lamp,t 00nm吸収波長が短い のは 妥 当であ る. シ 0nmに比べ約 1 Iの 61 I 二重結合が 4個であり, I 一 . k r a ed h nt )70oCi 0 1 d( n C,a )60o 9 )40oC,( 8 C,( )20o 7 ( ヲ 0nm 短 0 アニン色素において 共役系の長さと吸収 波長の関係は二重結 合が一つ減ると約 1 'とする推測は妥 当であ ると考 1 波長側にシフトする 1 これか ら考えて, 500nmの吸収を 1 この結果は, CTBIPDPAEMA系とよく似ている .すなわち, DPA基の場合も二量体生 成 えられる . zや DPA類と CTBの系 までで, 三量体へすすむこと はなかった . これより,低分子の EtC B/PCzEMA フィルムの吸収スペ クトル T 2 C 6.3. では 二量体を経て 三量体色素まで生成 するが ,PCzEMAや PDPAEMA系では Cz基や DPA EMAフィルムを -600Cで Hg灯で 3min照射後, 700Cまで徐々に PCz 4は CTB! g.6. i F 80 50-6 PVCzフィルム系 の色素生成でも 6 基は 二量体までしか生成 しない .井上らの CTB! 未照射と照射後ス ペクトルのベース 濃度の差は 昇温させた吸収スペ ク トル変化である . ( C で照射した後も長波 長域の吸光度はほと んど 冷却用ジュワーの挿 入によるもの .) -60 o nmに吸収 ピークがあるとして い る 2). 0 5 Cま 0nmのピークが立ち上が り -2 7 フィルム系で、は低温で、の照射 直後から 6 EtCz-CTB/ ooC位から 670nmが立上がる . Cで 670nmの吸収がは 0o ), 1 C位まで変化が少な い (同 5 )・oo 増加しない(スペク トル 2 PCzEMA系では でに最高に達してい るのに対 して ,CTB! . ) っきりする(同 6 EtCz-CTB/フィルム系で中間 体 Iは動 きやすいとみられる . これに対し, CTBIPCzEMA 系 C まで昇温すると, 670nmの吸収は増加してい く . しかし, 0o 4で低温から 7 g.6. i F ピ I基があるが,その動きはかなり拘束される . では主鎖から比較的長い側鎖の先端に中 間 体 P ーク波長のシフトは なく ,また濃度低下もみら れない .一方 ,EtCz-CTB系でみられた 500nm I のように二量化 により架橋するとか さ高いクロモフォア はさらに動くことが む I さらに P 1と同様の吸収種に の吸収はほとんどみ られない . 670nmの吸収は EtCz-CTB系の中間体 1 ずかしくなり ,他の Cz 基と三量体 を生成するのに都合 のよい位置をとるこ とができない -Cz-P が生じると EMA を P-Cz と表わすと, P-Cz=CBr よると考えられる.すなわち, PCz C まで 0o Iは 7 I 1が温度に 対 して極めて不安定であるのに対して, P と考 えられる .また, 1 ) 8 6. 式( I( I と記す.中間体 P I ーを P -Cz )参照).この 二量体 -Cz=CBr 9 6. 考えられる(後出の式 ( 吸光度を増すほど安 定な中間体 とい える . しかし,この場合は 脱気フィルム系であ り,空 8 6 69 気中で、は水分の影響を受けることになる. )式). 7 6. ( 1をつくる ( 1 zと反応すれば, 三量体色素 1 C Iがさ らに他の Et I df 的一四 、 r﹃一町 B ¥dy 、 dy 士 。 010β TI B c ,・ , h﹃ 一 T C -) r/ B C zO+" ' C t E zと CTBの濃度を高くして基底状態 CT錯 体( C t ドープフィルム系では E l グ BeN d ) 初期過程 1 ( i グ 、 3 反応機構 . 3 6. を形成させないと,光反応の効率がわるい. したがって,この場合は CT錯体励起により ) 7 . 6 ( E m ), 1 (6. が生じる ( r B C "' z C t E ( 光反応が始まると考えられる .これにより励起状態 CT錯 体 I 4)牢 が生 ー r 3B r B ・C ", " z C t r B C "' z C t E ( )式). I 2 . 6 ( 4)牢はポリマーマトリックス中で電荷分離して, E ラ ). ) 3 . 6 じる(式 ( このように EtCz-CTBフィルム系の反応機構は, MDPA-CTBフィルム系と 同様なスキー σ ) & r B C h.' " z C t E z+CBr C t E 4→( 4 T十 C ) r B C (EtCzlì~ .. ' 4& ) 1 . 6 ( * ) r B C "' z C t E ( hv→I 4 x n t a m ) r ,B .,.CBr . . . z C t E →( r B C "' z C t E ( 4)牢 3 1 ムが考えられる. ) 2 . 6 ( ) 3 . 6 ( ) CTB/PCzEMA系の光反応 3 ( PCzEMAフィノレム系は黄色味を / 同様に, CTBIPCzEMA系の反応機構が考えられる. CTB ) 後続反応 2 ( 帯びていて基底状態 CT錯体を形成している. したがって,この系の光反応も CT励起と 4)式). 6. ( は再結合して ,反応中間体 Iが生じる ( ー r ,B CBr ',・ ; z C t マトソックス内で E 3 )式と同じである.主鎖および側鎖のメタクリレート部 3 . 6 )- ( 1 6. 考えられる.初期過程は ( が再結合して,後続反応がは ー r 分がつくるマトリックス内で,電荷分離した P-Cz~ ,・CBr 3 , B (Jdo叶 r じまる . プ t a m ) 4 . 6 ( lGbJ4atrLI )式). 8 . 6 ( Iが生じる ( まず,中間体 Iに相当する P γ γ Ub , ) 式 5) (6. 1を生じる ( tCzと反応して二量体カチオン中間体 1 さらに Iは他の E ω JIVA 臥 / 、 ベノ- 一I t+々 一 E・ N dy /、 、 c B r 3 B r i m t f b P J mrlmtm(68) 芯 =010β20 ) 9 (6. Iを生じて主鎖が架橋される ( I Iは他のポリマーの Cz基と反応して, 二量体 P さらに, P 式). ) 5 . 6 ( H N )式). 6 6. ( 1の >CBr-基は -co-基になり,化合物 1を生じる ( 系中に水が存在すると, 1 じ L O [ : h i m a m z z G l o p p l l P 0nmの吸収ががシフトしないことか ら,二量体を生成するにとどまり,三量 7 しかし, 6 ) 6 . 6 ( 体を生じるには至らない. H 70 v ) 9 . 6 ( I P 010cβわ (iLZ0010 マ 勺M 勺 71 6.3.4 フォトレジ ストへの応 用 簡単な焼付け実験を行なった.平版用アノレミ板に CTBIPCzEMA液を塗布 乾燥し, アー ク灯で、網点パターンを焼付けた. トリクロロエチレンで現像すると緑色の画像が得られた. る ・ I Iの吸収は 670nm,1 1 1は 610nmである・ CTB! PCzEMA 系では 670nmの吸収がシフ トしないことから, Cz基二量体ま で反応がす すむ・ この二量化 により主鎖 どうしが架 橋す る・光架橋によるレジスト材料として利用できる可能性がみられた・ 次に,感光 感度を CTBIPVCz,ポリ桂皮酸ピニノレ(PVCi)に増感舟!として M i c h l e r 'sK: e t o n eま O たは 5n I 仕o a c e n a p h t h e n el ) を添加した 感光被と比 較した.感 度をステ ップタブレ ットで比較 した .その結果を T a b l e6 . 1に示す. 文献 1 ) Sprague,R .H . ;F i c h t e r, H.L . ;Wainer, E .Photogr.S c i .En g .1961,5,8・ T a b l e6 .1 . P h o t o s e n s i t i v i t yo fCTB /PCzEMAc ompared mtht h o s eo fCTBIPVCzandPVCis y s t e m s . 註 ps CTBIPCzEMA 6 CTB/PCzEMA,h e a t e dt o7 0o Cb e f o r e 7 d cvelopment CTBIPVCz 5 PVCi+M i c h l e r' sKetone 1 1 PVCi+5・Ni t o r o a c e n a p h t h e n e 1 2 PVCi:p o l y ( v i n y l c i n n a m a t e ) . I r ra d i a t e d by c a r b o na r c lampt h r o u g hKodaks t e pt a b l e tNo.2 CTBIPCzEMA は PVCi+M i c h l e r' sKetoneや PVCi+5・n it r o a c e n a p h t h e n eに比べると 5-6 段低感度で ある .また, CTBIPVCz と比べると, 1段ほど高か った .CTBIPCzEMAの架橋 反応を促進 させるため ,露光後 700C の恒温装置 の中に 5min入れたのち現像すると, 1段 ほど感度が 上がった .なお,こ こで用いた PCzEMA と PVCzの分子量 は,後者 の方がは るかに大きい.また, 2 ) 加藤博久, 小門博,井 上 英 一 日 化 1972,2049. 3 ) 星野昭一郎 日 本 印 刷 学 会 論 文 集 1973,1 4,5 0 . 4 ) 和田善男, 杉浦英晃, 大原,伊藤 紳 三郎 , 山 本 雅 英 高 分子論文集 1997,54,560・ 5 ) 和田善男, 杉浦英晃, 伊藤紳 三郎 , 山 本 雅 英 高 分子論文集 1997, 54, 552・ 6 ) Ohmori,S . ;I t o, S . ;Yamamoto,M.Ber.Bunsenges. Phys.Chem.1989,93,815. 7)Gordon, p.F . ; G r e g o r y ,p.organicchemistF7l nc o l o u r ; S p r i n g e r v e r l a g : B e r l i n,1987,pp242・ 2 5 2 . 8 ) Zo1 li n g e r ,H.ColorC h e m i s t r y ;VCH:Weinheim,1987, pp5 9 7 2 . 9 ) 井波 章,森本和 久,村上嘉信 日 化 1964, 85,8 8 0 . 1 0 ) 角田隆弘“新・感光性樹脂"印刷学会出版部 1981,P51 . 1 1 )S c h n e i d e r , H.A .Thermochim. Acta1984,7 2,1 7 . 1 2 )Brandrup,J . ;Immergut,E .H.,E d .PolymerHandbook;JohnWiley& S o n s :NewYork,1975,P 1 1 1 1 5 4 . PCzEMAのガラス 転移温度 ろは 408 K1 1)であり ,PVCzの 九 は文 献値 1 2) で 357K,423 K‘ 481 K とされる . したがって ,両者をこ こで直接比 較して議論 す ることはむ ずかしい . Cz (あるし¥は E t C z ) を CTB と共にポリマーフィノレムにドープする系では Czが高濃度に なると結晶 化しやすい .ここ では Cz 基を ポリマーに 組込んだ、 ことにより 結晶化する こと がなくなっ た .また, DPA をポリマー に組込んだ PDPAEMA 系ではアミン臭がするが, PCzEMA では臭気も 少ない .本システ ムはレジス ト材料とし て の用途だけでなく, Cz 発 色団がもっ 電導性など の特性を活 かした用途 も考えられ る. 6. 4 結論 CTBIPCzEMA 系の光発色 架橋反応 を検討した .また,モ デル系とし て EtCz-CTBIPMMA 系についても検討した.紫外光照射により, EtCz-CTBIPMMA系では後続反応により EtCz 三 量体色素 I I Iの生成まで進行する .EtCz の 3位に CBr2が置換した 中間体 Iが生 じ,1は別 の EtCz の 3位と反応し て中間体 1 1を生 じる,さらに I Iは別 の EtCz と反応して I I Iとな 72 73 ジブロモカルバゾリノレ基をもっ高分子系の 三重項 エキシ マー形 成 1部 1 第1 第 7章 ジブロモカルバゾリノレ基をもっメタクリ レート とメチ ルメタ クリレ ート共 重合体 の燐光 スペク トル特 性 7.1 緒 論 た. ニルカルパゾーノレ )(PVCz)の光物 理過程 につい て多く の研究 がなさ れてき ビ、 9・ ポリ ( はエキ シマー を形成 一重項状態と同様に, 三重項状 態にお いて, カルパ ゾール (Cz)発色団 の発色団 関で形成 さ するとい われてい る 1) エキシマ ーとは励 起された 発色団と 基底状態 が存在するこ れる励起 二量体である. Burkhart らは PVCz フィルムでし¥くつかの 三重項種 態の分 光学的 研 とを報告 し,広い 温度範囲 について その挙動 を検討し ている 2) 三重項状 ーの存 在が論 議 究は,燐 光が弱い ため困難 があり l), しばしば溶液系での 三重項エ キシマ を呼ぶことになる . ) -4 3 極めてよくなるので, Czの芳香環に臭素を置換すると 一重項一 三重項の項間交差の効率が )(PDBVCz) e l o z a b r a c l y n i v 9 6-dibromo・ 3, ( y l o 観測が容易になる.横山らは p 燐光ス ベ クトルの 報告した 5) また最 を用いて ,ポリマ 一系にお ける 三重項エ キシマー の燐光ス ベ クトルを く検討したの. , Starzykと Burkhartは同じ PDBVCzについて時間分解燐光法により詳し 近 e(DBCz)は三重項 エキシマ ーを明瞭 に形成す る特別な l o z a b r a c o m o r b i d 6 このように 3, 発色団 である. を有す るモノ マ 我々は これま でポリ マ一系 の 三重項状 態の挙 動を研 究する のに, 発色団 なコポリマー ーと分 光学的 に不活 性なモ ノマー とのコ ポリマ ーを用 いてき た 7) このよう し,発 色団は 統 を利用 するこ とによ り,発 色団間 相互作 用をみ ること が可能 である .ただ 相互作用 を発色団 計的に均 一な分布 をしてい ると仮定 している .この方 法により 三重項の eの t a l y r c a h t e lm y h t e l y l o z a b r a 濃度と関連付けて観測することができる.その一例として, c e (MMA) とのコポリマ一系が挙げら t a l y r c a h t e ホモポリマー (PCzEMA)やそれと methyl m ニノレポリマーで、は効率的にエキシマー形成がみられ 通常 ,n=3員Ijにより芳香族ビ、 ー原子によっ るが 9),このメタクリレートポリマーで、は側鎖発色団がいくつかのスペーサ れる ) 8 75 て隔てられて主鎖につながっているために励起一重項状態ではエキシマ一発光が見られな て1 1 1を得た.収率 6 3%; mp1 7 0-1 7 2o C . IH-NMR(COCI3):δ1.79( s, 3H), 4 . 5 1( s, 4H), 5. 48 い.したがって,この系を用いることにより, 三重項状態過程についてエキシマー形成を 89( s,1H), 5 . 8 9( s,1H), 7 . 2 3-8・ 1 1(m, 6H)・ Ana . lC a l c df o rCIsHISBr2N02( 4 3 7 . 1 3 ) :C, (m,lH),5・ 含め多くの知見を発色団濃度の関数として得ることができる. 49. 45 ;H,3. 46 ;Br ,3 6 . 5 6 ;N,3 . 2 1 ;0,7 . 3 2% ・ F o u n d :C,4 9 . 6 2 ;H,3 . 5 2 ;Br ,36. 40 ;N,3 . 1 9 ;0, OBCz をエチルエステルの形で、メタクリレートポリマーに組込んだ.これを用いて剛体溶 7 . 3 80 / 0 . copolyme . r m e t h y lm e t h a c r y l a t e(MMA)(和光純薬工業)を使用直前に減圧蒸留して用いた・ 媒中とフィルム状態における励起 三重項の挙動を検討した. PCzEMA の結果と比較するこ OBCzEMA と MMA の各モノマーをベンゼン中に溶かし,少量のα, a 'a z o b i s i s o b u t y r o n i t r i l e とにより,励起三重項状態の光物理過程における重原子効果について明らかにすることが を加え, 期待できる. 夕ノ一/ルレとにより再沈殿を繰り返して精製後,真空乾燥した. T a b l e7 . 1 にコポリマーの組 6・d i b r o m o c a r b a z o l e発色団に適用した.すなわち, 本章では,このコポリマーの手法を 3, CH3 →対一 c =o o ~ 計士 2-me t h y l t et r a h y d r ザ 白ran(MTH 刀 ・ 7 .2 .2 試料の作製 脱気した溶液試料及びフィルム試料について分光測定を行なった _N 、~ ..:::ア~.・\ザf 、、 L 1 1 B r ' ' ' ' ' ' _ ' ' 1 1 MTHF ( A l d r i c h )をアノレミナカラムに通した後,金属ナ トリウムを入れて蒸留し,さらに真空蒸留した. 0 CH3 CH2 CH2 得られたコポリマ一 P(OBCzEMA- 成 , GPCで決定した分子量を示す. CH3 CH計斗 C-CH c =o 6 ω 0。 吃 C で重合させた I _ " " ' " 、 Br フイ川試料の作製 は,コポリマーをジクロロメタン(吸収スベクトノレ用,同仁化学研究所)に溶かし, 5 mm昆 P(DBCzEMA co-MMA) 径の石英管の校を付けた Pyrex 管に入れ,脱気封管した.溶媒を徐々に蒸発させることに 7.2 実験方法 より石英管の内面にコポリマーのフィルムをキャストした. 1 日間 Pyrex 部の溶媒を液体 7 . 2 . 1 試料 窒素で凍結させた後,石英管部を封じ切った.ホモポリマー POBCzEMA はジクロロメタ 3,6 d i b r o m o・9イ2 h y d r o x y e t h yl )c a r b a z o l e( I ) . Czと e t h y l e n ec a r b o n a t eを d i m e t h y l f o r m a m i d e ンに不溶なので,蒸留した THF をキャスト溶媒として用いた.コポリマーの MTHF溶液 5 2・h y d r o x y e t h y l ) c a r b a z o l: e( 1 1 )を (OMF)中で, NaOH を少量加え, 4 h還流することにより 9・( 試料は 1 X 1 0-4 OBCzu n i tmolL-1の濃度で P y r e x管中に入れ) 1 X 1 0 -T o π 以下の減圧 合成した.反応物をベンゼンで抽出し,水で、数回洗った.溶媒を除いた後,ヘキサンとベ 下で数回脱気を繰り返して封じた. 1の針状結晶を得た:収率 64%. 文献 ンゼンの混合溶媒で再結晶して 1 の方法により, 1 1 1 0 ) の臭素置換を行ない Iを得た. 生成物をエタノールで、再結晶した:収率 34%. 7.2.3 測 定 吸収スベクトルは目立紫外可視分光光度計 200-20型によった.蛍光および燐光ス ベ クト ルは目立蛍光分光光度計 MPF-4型に燐光装置を付けて測定した.試料セルは石英製デュワ 千 H3 印 2=千 ーに入れ液体窒素で冷却した.燐光の減衰曲線は窒素レーザー(NOC 社 , JH・5 0 0 )と時間ゲ 。 C可) I定した.詳細 ート付光電子増倍管(浜松, R1333)を組み合わせた時間分解燐光測定装置で狽J 千 H2 は別報のとおりである CH2 B r β功、rG10 バ'- 7 a) . N‘ / ト 、 1 1 1 1 1 ' s r ' ' ' ' ' ' ' _ ' ' B r "V'、 1 1 1 3, 6 d i b r o m o 9 c a r bα z o l y l ) e t h y lm e t h a c r y l a t e (DBCzEMA) ♂1 1 ) . 1と m e t h a c r y l o y lc h l o r i d e 2・( ( A l d r i c h )を乾燥 1 , 2・d i c h l o r o e t h a n e とピリジン(10 :1 )溶液中で,少量のハイドロキノンを加 7.3 結果および考察 側鎖発色団基をもっ共重合体フィルムについて 一連の研究をしてきたが,固体フィノレム 中の発色団の三重項挙動は発色団関距離によってよく表わすことができる T a b l e7 . 1の 第 4欄に,フィノレムの密度と組成から求められた発色団関の平均距離 D を示した. え,エステル化することによりモノマー 1 1 1を合成した.反応物を溶液からベンゼン抽出し て,希釈塩酸で洗い,数回水で、 洗った.溶媒を除いた後,粗生成物をベンゼンで再結品し 76 7 ) 77 m山 川 凶 de-- mω70043Tn e80001 udIll--h 刈 . mm ﹃ mam80058 08ymm c' L5 2 m2 出自 h 一ha (-)3l d 1J1-oM d-mb i u一川町:仏川北 om αω 一民叩川 a 03) 1 ( Mw 作用をみる 他の値を載 せている. 発色団濃 度 C及び平均距 離 D はフィルム での 三重項相互 のに良い尺 度といえる . 52 40 28 28 1 3 1 3 6 . 9 8 1 . 5 .56 1 1 .4 1 .34 1 .25 1 1 .1 1 5 8 . 0 ~~し、 1 は P(OBCzEMA-co・MMA)の試料 NO.2の MTHF中 77K での全発光を示す. . 7 . g i F の項間交差 の効率をよ くする ) T1 I S 蛍光と強し、燐光がみられる.臭素原子は一 重項-三重項 ( 。 I・s S。バンドが 365nmにみられるが,これは Cz発色団の S I ので,蛍光強度は非常に弱い .S 6イ立が置換されたこ 5 nm長波長側に シフトして いる. このシフト は多分 3, バンドより 約 1 1) や POBVCz6)で、観測さ とによる影 響とみられ る. 同じような 影響がアル キル置換し た CZ 0バンドは 416 nmにみられる. このピーク の位置 ) の 0So 1 T れている. 燐光スベ クトル ( る基準とな は孤立した OBCz 発色団の固有の値であり, 分子間相互 作用の大き さを判断す る. ι 'Mh 且 be ぬ 吋蹴 aαk rn 町m お ・・・・ l t Uo ハ ﹁4 1 i pd /AUu 、 剖ι 川h d 一 川 M口 4 9 9 6 1 5 H山4 9 5 4 2 0456827iN149440 で げ川中町一ト 1 ・ 町 ・ 日 一 α 仏 O 仏 臥 仏 l z ? 仏 乱 。 1.2ぺ相 はい 4 ん mMm 一 t川u以t - n e ec nh( 一 一 e c c 一子 m 也市内向 一 一LZ は mn e 1 一 回 . , LA d E r 一 、 一 沼e 仁 J 一 nEC % c e m一 町出e 一 L ,W 型 J D 問 町 1 2 9 2 4 2 l 2 4 3 3 J 、川時 町 民 的一 ' 、 一 451 149KU 竹 川 町 山 間 肌 防 攻 凶町内問一州一弘 Gt 引一e 一 ー d 一川一 m e k一 Jn t 一 bVa 仏 一 ∞ 一 ⋮ ⋮ 旧2 d 門 い一一 、. P3、 mmu i d k 一肌一・ ηui 7 e i、一一川一 12345加mw 12 ヴ ﹄ ミ J A P3fO 寸 / e q出内一 刷ぽ・引m T E w一回一 D(nm) e共重合体 P(CzEMA-co・MMA)の三重項挙 t a l y r c a h t e lm y h t e l y l o z a b r a 我々はすで に同様の c 三重項 動について報告しており, これは Br 原子を除き 同じ分子構 造をもつも のである. MA-co・MMA)の組成及び その 1 に P(CzE . 特性における重原子効果を論じるために, Table 7 0 I体溶媒中の 燐光ス ベクトルを 示す.すべての共重合体の 0 2は共重合体 の MTHF岡J . 7 . g i F バンドはほ ぼ同じ 416- 417 nmの波長範囲にあり, OBCz濃度が増し でも変化は みられな 示してお , し しかし, POBCzEMA ホモポリ マーはわ ずかに赤 方シフト したスベ クトルを , 発色団関で弱し、相互作用が存在することを示唆する. り t 6)は POBVCzの燐光スベクトルを報告したが, r rha 1 く 横山ら 5),またのちに Starzykと Bu ﹀一三 た ま 発 これは三重 項エキシマ ー形成によ る単一のブ ロード、な バンドを示 す. PVCz の場合は, PVCz の 色団が直接 主鎖につい ているので , 立体配置的 に強く相互 作用するこ とになる. ω c ω シマーが存 在し 12-13), 一重項状態では, 強し 1相互作用に より少なく とも 2種類のエキ t ら 2)によって報 告されて r a h k r u rl)や B e f f p o l 三重項エ キシマーか らのいくつ かの発光種 が K ω﹀戸何一ω江 一C一 F ル﹂ 呼 ベクトノレ いる. POBVCz についても 同様に三重 項エキシマ ーがみられ る 6) POBVCz のス スベク と比べると, 本題のポリマーで、ある POBCzE恥仏 における相互作用はかなり弱く, トノレが長波長側にわずか約 3 nm シフトする だけである . この種を 「浅いトラップ J ペー んで, コ重項エ キシマーと 区別する 7b) これまでの研究で, Cz基が 主鎖から数 個のス サー原子 によって 隔てられ ているよ うなメタ クレート ポリマー が 一 重項エキシ マーを形成 しないこと が知られて いる 8) このように構造を変えることにより, 発色団を 三重項状態 350 400 500 450 Wavelength/nm 550 o・ c . T .1 aofsampleNo.2ofP(OBCzE加1Ar .7 t g c i e F p ns o i s s i m le a t o t310 nm. The da e t i c x . Thesamplewase t77 K n MTHFa MMA) i habandwidthof2nm. t i dw e d r o c e awerer r t c e p s における強し 1相互作用から解放し, ホモポリマ ーでさえ浅 いトラップ しか形成し ないよう にすること ができる. 一方,ポリ マーフィル ムのように 凝縮した相 では, 光物理的 な挙動は エネルギ ー移動や の エキシマー 形成のよう な分子間過 程によって 支配される . Fig.7.3はコポリマ ーフィルム 1 燐光スベク トルを示す .OBCz濃度の増加と共に,スベクトノレはブロードになる .0.86molLここで特に二つ )より高濃度 ではス ペ クトルの形はエキ、ンマー的になっている. (試料 No. 5 置換では燐 光のエキシ の点が注目 される. 第一 は未置換の Cz発色団の場合に比べて, Br マーバンド がモノマー のバンドか らわずかし かシフトし ていないこ とである. 78 79 -d〉 〉 令J ( f ) C ( f ) ω C ‘ C ( l ) ‘ C ..J J c l ) ω 〉 〉 令J r o ω + ' の Q) 広 庄 n H m ,,,, -L n u u hH n nuρu n u 心川町 w !v 400 400 600 500 600 Wavelength /nm F i g .7 . 2 . P h o s p h o r e s c e n c es p e c t r a of P(DBCzEMA-co・MMA) and F i g .7 . 3 . P h o s p h o r e s c e n c es p e c t r ao fP(DBCzE 恥仏・ c o ・ MMA)f i l m s剖 PDBCzEMA i n MTHF a t 77 K . F o r numbers,s e eT a b l e7 .1 . The s a m p l e sweree x c i t e da t358nm. 77K . F o rnumbers,s e eT a b l e7 .1 . Thes a m p l e sweree x c i t e da t358 80 8 1 nm. 2に三 重 項 エ キ シ マ ー の ピ ー ク 波 長 を 示 す .PDBCzEMAホモポリマ ーの値は:475. e7 l b a T -MMA)フィルムの 505-515nmに 比 べ か な り 短 波 長 で o c 485nmである. これは P(CzEMACz 発 色 団 よ り 小 さ い こ と ある. これは 三重項エキ シマーの安 定化エネノ レギーが未 置換の しないが,臭素原子の を意味する . 現 段 階 で は こ の 現 象 に つ い て 正 確 な 理 由 は は っ き り と てい か さ 高 さ が Cz 発 色 団 が 安 定 な 三重 項 エ キ シ マ ー に 適 当 な 立 体 配 置 を 取 る こ と を 妨 げ 2 nmであり 14), これはメチノレ基の . r Waals 半 径 は 約 0 e ると考えら れる. 臭 素 原 子 の vand 04 1 〉 03 1 令d 大きさに匹 敵する. ) ' u C ω . . みら 第 二 の重要な特 徴として, 燐 光 ス ベ ク ト ル の ブ ロ ー ド 化 が か な り 低 濃 度 の 試 料 か ら , いろいろな 含有量のコ ポリマーフ ィルムにつ いて, モ ノ マ ま 2t . e7 l b a れることで ある. T 44molL-1のフイノレム , 0. 3で . 7 . g i 一発 光 お よ び 浅 い ト ラ ッ プ 発 光 の 各 0・0バンドを示 す. F C 02 1 6nm)ですでに, スベクトル はブロード になってい る. 5 (D= ]. nu ハU ﹄ 1dA斗 -A ウ . e c n e c s e r o h p s o h . Wavelengthofthe0・obandofp 2 . e7 l b a T 1 )(nm) m 1 日 ( (nm)aλ HF) )λ(MT L l o m t i n u ( n c n o samplec ) A M M o c A P(DBCzEM 417 416 b ) 8 1 . 5 0.012( 423 7 1 4 ) 6 .5 1 44( 0. 424 6 1 4 .41) 0.59(1 425 6 1 4 .34) l 9( 6 . 0 433 7 1 4 .25) 1 6( 8 . 0 62 4 7 1 4 ) 1 .1 1 1( .2 1 9 1 4 -4 475 85 ) 5 8 . 0 5( 7 . 2 P(CzEMA-co・MMA) 412 412 ) 8 2 . 2 4( 1 . 0 1 ]4 4 ) 0 5 . 1 49( 0. 2 422 ) 0 2 1. 5( 9 . 0 3 85 -4 0 8 4 ) 5 0 . l ( 4 4 . l 4 5 ] -5 5 0 5 ) 8 8 . 0 42( 2. 5 n i s e u l a v e h T b . n o i s s i m e c i r e m i c x e f o e maximum h tt aWavelength a n i s e r o h p o m o r h c n e e w t e b , D , e c n a t s i ed g a r e v ea h et r sa e s e h t n e r a p t/ms ・MMA) s ofP(DBCzEMA-co e v r u . Phosphorescence decay c 4 . 7. g i F P 3 ζ U 守f . s r e t e m o n a n 40 20 . The 1 . e7 l b a eT e t77K. Fornumbers,s t420nma sobserveda m l i f t337nm. da e t i c x samplesweree 7.4 結 吾。 日間 -T1お よ び l Cz環への重原 子の置換に より S T1・s 。の項間交差が大きくなり, 強い燐光強度 り が得られた.また発色団関相互作用については,臭素原子はより長い相互作用距離とよ ~~し、安定化エネルギーをエキシマー状態にもたらした. こ れ ら の 結 果 は 臭 素 原 子 の か さ 高 さ と 広 が り を も っ 電 子 雲 に よ っ て 解 釈 さ れ る . より詳細な 機構につい て議論する ため, 次 . 7.4は P(DBCzEM A-co-MMA)フ ィ ル ム の モ ノ マ 一 発 光 の 波 長 で の 燐 光 の 減 衰 曲 線 を g i F 示す. こ の 濃 度 で 速 い 減 衰 が み ら れ , 発 色 団 関 相 互 作 用 と モ ノ マ 一 三 重 項 状 態 の 消 光 が あ .20nm)で 相 互 作 tmolL-1,D = 1 i n 5u 9 . 0 ることを示 している. CzEMAコポリマー が高濃度 ( )ことを考慮 すると I DBCz発 色 団 の 相 互 作 用 す る 距 離 は Czのそれより 大き a 用しはじめ る 7 いといえる . 三 重 項 状 態 の 相 互 作 用 は 主 に 各 発 色 団 の 分 子 軌 道 の 重 な り に よ る 短 距 離 の 相 互作用によ って起こる . 置 換 臭 素 に よ る 広 が っ た 電 子 雲 が DBCz 三 重 項 の 長 い 相 互 作 用 距 離に関係し ているとみ られる. 章において時間分解燐光分光法による速度論的分析を行った. 文 献 ;Kaufmann, . )Rippen,G b . ( 3 tC 1973,40,4 .,Pαr i c .S m y l o ,D.J P r e h c s i ,W.;F r e f f p o l )K a )( 1 ) d . ( 5 .1981,57,7 s y h hem.P ,W.C r e f f p o l )K c . ( 5 6 Phys.1980,52,1 ,W.Chem. ;Klopffer . G .1981,366,373. i c .S αd .Ac .Y .N n ,W.An r 百e Klop . .D 口 R , ) Burkha b . ( 7 9 8 . Chem. 1979,83,1 s y h . G. J P s,R e l i v ;A . .D ) Burkhart,R a )( 2 s1986,19, e l u c e l o m o r c a .M ;Dawood,1 . .D 目R , )Burkha c . ( 0 2 lecules1983,16,8 Macromo . ,R 代 団 財 )Bur e .Chem.1989,93,4797. ( s y h .D.J P 財団口, R ;Bur . 心aabo口y,D.K )Ch d . ( 7 4 4 82 83 , R.O. 此 団 財 ;Bur . ,O.K . (ηChakraborty 3 4 1 4 hys.Chem.1990,94, .JP O.K o抗y, b a くr O.;Ch泊 . 1 2 23,1 s1990, e l u c e l o m o r c a M 第 8章 . 7,20,8 8 9 Chem.Res.1 .Acc. .C )Lim,E 3 . )1986,150,31 h c i n u M .Chem.( s y h .P .Z .R .F 1 恥 o, t e i r ;P . l,B e k c i )N 4 . 2 7 .,Chem.Commun.1974,3 c o ,H.J Chem.S M.;Mikawa i, k a n u ;F . )Yokoyama,M 5 ジブロモカルバゾリル基をもっメタクリ レート共重合体フィノレムにおける 三重項 エキシマ ー形成挙 動 . 2 8 ,7 22 s1989, e l u c e l o m o r c a M .0., ,R 吋 団 財 ;Bur . .C k,F y z r a t )S 6 ;Numata, . o,S t )I b . ( 6 5 4 s1988,21,2 e l u c e l o m o r c a ;Yamamoto,M.M . ,H ;Katayama . to,S )I a )( 7 ; . o,S t a H.;I , )Katayam c . ( 7 0 2 s1989,22,2 e l u c e l o m o r c a ;Yamamoto,M.M . ,H ;Katayama . N ; . o,S t ;I . ,T ;Tawa . H )Katayama, d . ( 7 1 l1991,4,2 . o n h c e .T i c hotopolym.S M.J P Yamamoto, ; . aT , ;Taw . ,H )Katayama e . ( 3 4 7 . 1992,88,2 s αn r .,F,αrαdα~ T c o Yamamoto,M.J Chem.S . 5 6 2 ,1 26 s1993, e l u c e l o m o r c a M.M ;Yamamoto, . to,S ;I . .W G t, s i u q g g a H ) b . ( 71 .1985,117,1 t t e .Chem.Phys.L ,Y a m i j i h s i ;N . ;Yamamoto,M . ;Yamashita,K . to,S )I a )( 8 . 5 1 .Chem.1989,93,8 s y h .P s e G n e s n u ,B M.Ber ;Yamamoto, . o,S t ;I . Ohmori,S .1 緒 論 8 高分子固体 の 三重項状態 の光物理過 程は,光機 能性ポリマ ーを利用す るという応 用目的 の観点からだけでなく,光物理的かっ基礎的観点からも論議の的となってきた1-3) 高分子 . 0 8 85,8 ) 井波章,森本和久,村上嘉信,日化, 1964, 0 1 固体は凝縮相における 三重項挙動 を理解する のに有用で ある.凝縮 相では発色 団が高濃度 でマトリッ クス中に埋 められ固定 されている .この濃度 は発色団関 相 互作用を生 じるに十 to, )I b . ( 9 7 10, 989, .1 n RapidCommu lChem., . M.Makromo ;Yamamoto, . K ;Takami, . o,S t )I a )( 1 1 分であり, 高分子国体 では発色団 は微結晶化 したり,凝 縮したりし ないで,統 計的 に均 . 3 6 1 .1965,42,3 s y h .J Chem.P ,F )Hirayama 9 . 6 6 6 2 23, s1990, e l u c e l o m o r ;Yamamoto,M.Mαc . i,Y i j u s ;T . K ;Takami, . S . 7 9 6 4 .1975,62, s y h .J Chem.P G.E )Johnson, 2 1 . 2 8 0 ,2 .1976,49 n .Jp c o .Chem.S l l u .B ;Kusabayashi,S . K ;Okamoto, . A a, y a t )I 3 1 ω1Bond;ComellUniversity:Ithaca,NY,1960. eChemi h t f eo r u t a heN .T L g, n i l u a )P 4 1 に分散しているとみられるの. この十年間 ほどに,多 数の研究に よって,励 起 三重項状態 の発色団は 容易に隣接 する発 色回と相互 作用し,そ の結果,相 互作用エネ ルギーの大 小によって 「 三重項トラ ップ Jや 三重項エキ シマー」を 形成すると いうことが 明らかにさ れてきた 「 ) -5 3 いろいろな発色団 e (OBCz)は三重項ヱ キシマーを 形成しやす い特異な発 色団 l o z a b r a c o m o r b i d 6 系の中でも, 3, である.芳香環に重原子を置換することにより, 一重項.三重項の項間交差の効率が著しく ) e l o z a b r a c l y n i 9・v o m o r b i d 6 3, ( y l o 高まり,燐光スベクトルの測定が容易になる.横山らは, p I体溶媒中で 三重項エキ シマーの形 成を初めて 報告したの .最 (POBVCz)について, MTHF岡J tはこの POBVCz系を時間分解法により詳細に研究し, 三重項状態 r a h k r u kと B y z r a t , S 近 のそノマ一発光の他に少なくとも 2種類のエキ、ンマ一種が存在することを示した 7) 前章で,メ タクリレー トポリマー の側鎖に OBCz 発色団をつけたコポリマーについて検 討しため. これは発色 団濃度と関 連させて 三重項の相 互作用を観 測できるの で便利で有 効 な方法であ る.すなわ ち,発色団 どうしの平 均距離を変 えながら光 物理過程を 検討するこ とができる.このポリマーは主鎖と発色団との聞にスベーサー原子があるにもかかわらず, 0%以上の濃度になると 三重項エキシマーを示し 固体フィルム中で OBCz基のモル分率が 1 た.この結果から OBCz発色団は, 未置換の Cz発色団に比べ,長い相互作用距離をもち, 二重項状態で、弱し、安定化エネルギーをもっといえる.ポリマー固体における 三重項安定化 の機構と過 程を明らか にするため ,時間分解 法で速度論 的解析をす ることが望 ましい.本 章では, OBCz 発色団をも っコポリマ ーの時間分 解燐光分光 測定を行な った.また ,過渡 吸収分光測 定法により 直接観測し た 三重項エネルギーの捕捉と緩和過程について述べる. 84 85 8 .2 実 験 は2 -メチルテトラヒドロフラン (MTHF) に溶解し,脱気し た .308 nmの吸光度 が約 1に 8 . 2 .1 試 料 なるよう濃度調整した. 3, 6・d i b r o m o 9 ( 2・h y d r o x y e t h y l ) c a r b a z o l eと m e t h a c r y l o y lc h l o r i d e( A l d r i c h )をエステノレ化して 2 ( 3, 6-dibromo・9 c a r b a z o l y l ) e t h y lm e t h a c r y l a t e (DBCzEMA)モノマーを合成した.市販のカル 8 .2 .2 測 定 バゾーノレ ( C z ) は不純物として b e n z o c a r b a z o l eなどを含むので,研究室で合成したカルパゾ 定常状態の燐光ス ベ クトノレは目立蛍光分光光度計 850 型に燐光測定装置を付けて測定し ールから合成した.合成法は別に報告している 8 ) m e t h y lm e t h a c r y l a t e (MMA,和光純薬工 業)は使用前に減圧蒸留し精製した.これらのモノマーを重合開始剤 α, α ' - た.石英製の真空容器の液体窒素中に試料を浸した.時 間分解燐光ス ベ クトルおよび過渡 吸収ス ベ クトノレの測定には,エキシマーレーザー光学系を使用 した.その詳細については a z o b i s i s o b u t y r o n i t r i l e を 用 い て ベ ン ゼ ン 中 60 o cで 共 重 合 し た . 得 ら れ た コ ポ リ マ ー 別報のとおりである P(DBCzEMA-co-MMA)はベンゼンとメタノールで、再沈殿を繰返し精製した. ホモポリマー 光で励起した.燐光発光は SPEXModel 1 6 8 1C 分光器に付けた P r i n c e t o nI n s t r u m e n t sModel PDBCzEMAはベンゼ、 ンに不溶なので ,, NN-ジメチルホノレムアミド (DMF) 中で重合した. IRY-700・SIBd i o d ea 汀a yで検出した. d i o d ea r r a yは発振器によって作られたトリガーパルス 9) 試料は Questek2110型 XeClエキシマーレーザーの 308nmパルス および信号によって駆動した.信号はコンピュータで 200 回以上積算し平均化処理を行っ 、 -4 ∞ O 判例 た.過渡吸収ス ベ クトルは同一装置で、 測定し,キセノンアーク灯をプローブ光源 として用 イw-CHz}7 Gユ コ いた. 温度制御は閉鎖ヘリウム系 (APOC r y o g e n i c s ) によって行った.銅製試料ホルダーを付け た銅チップを冷却し,石英円盤上の試料は銅ホルダーと 別の銅リングの聞に挟み,ネジと インジウムガスケットでしっかりと固定した. rI P(DBCzEMA-cc トM MA) 8.3 結果および考察 8 . 3 .1 定常状態燐光スペクトル T a b l e8 . 1 . Compositionsandm o l e c u l a rwei長h t( Mw)oft h ec o p o l y m e r s . sample M . . . , a いて述べる ( m o l%) ( 1 03) 分光光度計で測定した.ス ベ クトルはほとんどが燐光成分である.臭素の重原子効果 によ 5 1 5 74 り , S )から T )への効率的な項間交差が生じる.この結果,蛍光の量子 収率は未置換の Cz 74 6 20 78 発色団に比べ極端に少なくなっている.コポリマーを用 いることにより,発色団濃度,す 4 . 9 78 PDBCzEMA 1 0 0 98 1 0 68 c o n t e n t Mw (mol%) ( 1 03) 0 . 2 0 7 1 2 0 . 9 8 3 4 n o . 初めに定常状態の分光源J I定で観測した P (DBCzEMA-co-MMA)フィルムの 三重項挙動につ c o n t e n t a sample n o . aO eterminedbyGPCw i t hr e f e r e n c et os t a n d a r dp o l y s t y r e n e . T a b l e8 . 1はコポリマーの組成と GPCで決定した分子量を示す.以下,これらのコポリマ ーを T a b l e8 . 1に示した試料番号で呼ぶことにする. コポリマーフィルムはそのジクロロメタン(同仁化学研 究所,吸収スベクトル測定用)溶 8 ) F i g .8 . 1 はコポリマーフィノレムの発光スベクトルである.これは通常の蛍光 なわち,コポリマーフィルムにおける発色団関距離の関 数として 三重項の相互作用を観察 することができる. OBCz 濃度が増加するにつれ,ス ベ クトルはブロードになり,その形 はエキシマー的スベクトノレになる. さらに濃度が増加するとス ベ ク トノレは長波長側にシフ トする.これらの事実から OBCz 基は三重項状態でエキシマーを形成することがわかる. モノマーバンドに比べて,最大強度の波長がシフトして ,発色団間平均距離が減少すると 相互作用が強くなることがわかる. 液を石英板上にキャストし,真空乾燥することにより作 製した.ホモポリマーはジクロロ 三重項の挙動を決める こつの要素が考えられる. 一つはエキシマーサイトの形成確率で メタンに不溶なので,蒸留したテトラヒドロフラン (THF)を用いてキャストした.フィル あり,そこでは二つの隣接する発色団が相互作用して 三重項状態が安定化するような立体 ム厚さは平均約 1 0戸nである. 配置に固定される.もう 一つは発色団関のエネノレギー移動で、 ある.発色団関で 三重項エネ 溶液での 三重項一 三重項吸収スベクトルの測定には,コポリマーを,蒸留 した THFまた ルギーの効率的な移動が起こり,エキシマーサイトのよ うな低いエネルギーレベノレをもっ サイトへ三重項エネルギーが効率的に流れていく.発色 団濃度の増加は,これら 二つの要 86 87 素の双方にプラスに影響する.ここでの主な目的は過渡分光測定法を用いて,これら 三重 項種の存在を明確にし,孤立したモノマー状態のサイトからより安定なエ キシマーサイト へ励起エネルギーが緩和するプロセスを直接過渡吸収により示すことである. 8.3 .2 過渡燐光スベクトル F i g . 8 . 2はコポリマーフィルム No.2( 0 . 9 8mol%)の過渡燐光ス ベ クトルを示す.ス ベ ク , bは 77 K で測定した.遅延時間は励起パルスから1.5μsに設定しであ ト ノ レ aは 25K で る. 420-430nm付近の発光種はモノマーの三重項状態 3M本である.ス ベ クトル b-dは 77 K での種々の遅延時間でのス ベ クトノレを示し,時間範囲が増すとわずかにブロードにな っている.このコポリマーフィルムに関しては発色団関の相互作用が弱く時間経過による スベクトル変化を見ることはできない.すなわち,発色団は孤立しているように振る舞う. 4 〉、 -J ぴ 〉 c 、 ; ~JIルミミ +〉 d c n C ω 4 , _ r o ~ / I / I r C \~~I ω 〉 4 田町, 何 ω C ビ 4 0 0 500 600 W a v e l e n g t h / n m 300 F i g .8 . 1 . E m i s s i o ns p e c t r aofP(DBCzEMA-co-MMA)f i l ma t77K:( a ) b )No.3( 4. 9mol% ) ,( c )No.4( 1 0mol% ) ,( d )No. No.2( 0 . 9 8mol%),( 400 500 600 W a v e l e n g t h / n m ) , and( e )No.6( 2 0mol% ) . Thes a m p l e sweree x c i t e da t 5( 1 5mol% F i g .8 . 2 . T i m e r e s o l v e dp h o s p h o r e s c e n c es p e c t r aofP(DBCzEMA-c o - h es p e c t r awerer e c o r d e dw i t hab a n d w i d t hof2nm. 330nm,andt 5K u s i n gad e l a yt i m eo f1 . 5 μ sa f t e re x c i t a t i o n, MMA)f i l mNo.2 :( a )剖 2 ( b )a t77K w i t ht h esamed e l a yt i m e,( c )a t7 7K w i t ha7 0 0 μ sd e l a yt i m e, and( d )剖 77K w i t ha7-msd e l a y . A1 ls p e c t r awerer e c o r d e dw i t hag a t e t i m eof800μsanda c c u m u l a t e d200t i m e s . 88 89 試料 No.4( 1 0moI%)の時間分解スベクトルはそノマー状態とエキシマー状 態の境界とも いえる挙動を示したすなわち観測時間領域と温度によ って,スベクトルの形が 3 M*か ら エキシマー的発光に変わった.F i g .8 . 3は 25K でのスベクトルを示し, aではモノ マー的燐 光が 主であり,エキシマー燐光は 460nmにみられるがわずかである.詳細にみると, NO.2 のフィルムのス ベ クトルに比べ,モノマ一発光は長波長側 に少しシフトしている .これ は 隣接発色団が弱く相互作用して,浅い 3 T*トラップの形成を示している.時間とともにエ F i g .8. 4のス ベ クトルは Fi g.8. 3 と同じ試料であるが, 77Kで測定している・ス ベ ク トル aはすでに Elに変化しており, cのように,その後は E2が主になっている.したがって, 時間および温度の関数として 三つの明確な種があることがわかる.これらのス ベ ク トルを T,El,および E2の成分に分けることを試みた .Tと E2のス ベ クトノレの形は F i g . 8 . 2と F i g. 8 . 5から採用した.これらはそれぞれ主としてモノマーおよ び深いエキシマ一発光である. 日出 ngの手順として,まず E lのスベクトノレを Fi g . 8 . 3の bおよび cから見積もった・次に, キシマー的発光成分は大きくなり, 7 ms後には,主である 460 nm発光の長波長側 の肩と 観測された各ス ベ クトノレがこれら基準となるス ベ クトノレの和で表現できるように,その割 なって, 510nm付近に発光が見えてくる.最大強度が 460nmと 51 0nmにあるこれらのエ 合を決定した. キシマ一種をそれぞれ E1および E2 と名付ける.温度を 77 K に上げると,熱活性化によ 結果を F i g .8 . 3 cと 8. 4cに点線で示す.実際のス ベ クトノレとのよい一致がみられ,これら 3 成分が系中に存在する 三重項種を表わしているといえる.高濃度の試料は時間 および温 ってス ベ クトノレ変化が促進された. 度の全域で E2の発光だけを示した. 、 ・ + 〉 ー ' ( f ) C ω 4 C -J ω 〉 4 何 回 J ω C ピ 1 ( ¥ ¥ 4 〉、 -J ぴ} C 山! ω 4 C -J 一 ω 〉 4 r o 田 d ω C ピ nhu -hH n H il m ハU ハ u ﹁ tLnH 4L oJq v e e v 仰仇 3 0 0 4 0 0 5 0 0 6 0 0 W a v e l e n g t h / n m F i g .8 . 3 . T i m e r e s o l v e dp h o s p h o r e s c e n c es p e c t r aofP(DBCzEMA-co ・ MMA)f i l mNo.4a t25Kw i t had e l a yt i m eof( a )1.5μs, ( b )700μs, and F i g .8. 4 . Time-resolvedphosphorescences p e c t r aofP(DBCzEMA-co・ ( c )7ms, u s i n ga8 0 0 ψ J Sg a t e . MMA)f i 1m No.4a t77K w i t had e l a yt i m eof( a )1.5μs,( b )700μs,加d ( c )7ms, u s i n ga800-μsg a t e . 90 91 F i g . 8 . 5は試料 No.5( 1 5mol%)および POBCzEMAホモポリマーのフィルムの例を示す. 最低エネルギー準位への励起子の流れはこの時間分解能で、は速すぎて観測で、きない. の不純物について考慮、しなければならないが,異なる出所の Cz を用いて別々にコポリマ ーを合成しても両方の合成物は同じ結果を与えた. さらに E1 と E2の成分比はコポリマー フィルムの キャスト条 件に依存し た.またエ キシマ一発 光の最高部 の波長位置 は条件によ り異なった .このこと はキャスト 方法が固体 マトリック スでの発色 団のパッキ ングの仕方 に影響することを示唆している.これらの事実から, F i g .8 . 2- 8 . 5の三重項種は OSCz発 色団から生じていて, El と E2の深いトラップは DBCzの三重項エキシマーであると結論 できる. 三重項エキ シマーの 立体配置 ( c o n f i g u r a t i o n )について論争がある 4 〉、 ω -d 2・ 1 0 1 2 ) 理論的計算 は = 重項エキ シマーの 立体配座 ( c o n f o r m a t i o n )は一重項エキ、ンマーで、 認められて いる芳香環 の平 c ω 4 行なサンド イツチ構造 とはまった く異なると 予測してい る 一 についての 三重項状態のポテンシヤル曲線によれば, 三重項エキ シマーは厳 密に平行な 配 置をとる必要はないとされる.この特性がおそらく 三重項状態でみられるかなり広い波長 同J c ω 〉 +-' c u ω C ピ I 1 3・1 4 ) 二つの発色団の幾何配置 域でのエ キシマ一 発光をも たらすの だろう. スベクト ルは 一重項エキシマーに比べるとブ a ロードである 5 ) 特に,アモルフアスなポリマーフィノレムでは,発色団は隣接発色固とい ろいろな 空間的配 置をとり ながら固 体マトリ ックス中 で安定し て固定さ れている .また この空間的配置の多様性がブロードなエキシマ一発光に寄与しているとみられる. しかし, DBCz発色団は 二つの明確なエキシマー E 1 と E2 を示した. しかもこれらの形 はポリマー構造が全く異なるのに POBVCz と類似している.これらの結果は発色団が互い b 3 0 0 4 0 0 5 0 0 6 0 0 W a v e l e n g t h / n m F i g .8 . 5 . T i m e r e s o l v e dp h o s p h o r e s c e n c es p e c t r aof( a )P(DBCzEMA- に近づく とき好ま しい配置 が存在す ることを 示唆して いる.こ れについ て 一つ可能な説明 は Cz環についた臭素原子の立体障害である.臭素原子の vand e rWaals半径は 0 . 2nmであ り,これはメチル基のそれと同等である 15) 嵩高さが発色団をある種の 三重項状態の相互 作用が生じるような選択的な配置に強制させるのかもしれない. co-MMA)f i l mNo.5and( b )aPDBCzEMAf i l ma t25K . Thes p e c t r a werer e c o r d e dw i t had e l a yt i m eo f1 .5μsanda800・μsg a t e . Spectrum awasa c c u m u l a t e d200t i m e s,andbwasa c c u m u l a t e d400t i m e s . ここで観測された三重項種について,以前に報告された三重項種と比べて論じてみる. 横山らは PDBVCzの MTHF岡J I体溶媒中での燐光スベクトルを報告したの.スベクトルは 4 60 nm付近にピークを持つブロードなエキシマ一発光を示した. B u r k h a r t らはこの化合物につ いて時間分解分光法で、詳細に研究して,少なくとも三つの発光種,すなわち,最高強度が 448,4735 0 1 nmにある発光種を見出している 7 ) 8.3.3 三重項一三重項 ( T-T ) 吸収スペクトル T-T 吸収スベク トルが 三重項状態について重要な情報を与えてくれる. しかし,通常フ ィノレム試料の過渡吸収スベクトノレを測ることは難しい.なぜなら,フィルムが薄いので, プローブ光 の通過距離 が短いし, また強力な レーザー光 がフィルム 試料を破壊 してしまう からである.幸い本実験では同じ c r y o g e n i c sと d i o d eaπayシステムを用いてコポリマーフ ィルムの T-T 吸収スベクトルを測定することができた.スベクトノレは溶液試料に比べてノ イズが多いが,カルバゾーノレ三重項に相当する波長域に明確な吸収バンドが現れた. 448-nm種をモノマーまたは弱く相互作用 している発色団 ( T ) と帰属し, 473-nm種はエキシマー的な深いトラップ ( E ),また 5 0 1・nm 種はこの系における未知のトラップ成分としている. ポリマーの構造がまったく異なるが,ここでのコポリマー P(DBCzEM Ac o ・MMA) のスベ クトルは,これらのスベクトルとまったく同じである.発光種の同定にあたっては試料中 92 93 F i g . 8 . 6はコポリマー NO.4フィルムの 25K における励起後いろいろな遅延時間での吸収 スベクトルを示す.上述のように,この試料は T と Eの中間的な燐光スベクトルを示した . 励起パルスから 270- 4]0 n sという早い時間領域で, 三重項のモノマーの状態の吸収パン F i g .8 . 6の励起種の帰属を確かなものにするために, MTHF岡J I体溶媒中 ( 2 5 K)で NO.2の T-T吸収ス ベクトルを測った.ここでは発色団は互いに作用するこ とはできない. F i g .8 . 7 a にそのスペクトルを示す .F i g . 8. 7bのス ベクトルは THF溶液中で, 溶媒である THFの融 ドが 420nm付近に観測できた. このバンドは急激に減少し, 8μs後では, 広い波長域にわ i g .8 . 6 aと同じであ 点よりわずかに高し、 170K で測定した. これら二つスベクトルの形は F たってブロードな構造のない吸収スベクトルに変化した . i g .8. 6の aと bの種はコポリマーの三重項モノマー状態であると帰属で き り , したがって F i g .8 . 7 cは POBCzEMAホモポリマーの THF中 ] 7 0K でのスベクトルを示す.発色団 る. F 0 . 0 3 の高い局所濃度により, 励起直後の初期段階でも吸収は非常に弱くブロードであ る. a a ωOC問。﹂Oω 心︿ ωOC何(ゼOω 心︿ 0 . 0 6 0 . 0 2 0 . 0 1 4 D O 500 6 0 0 Wavelength/nm 。 600 Wavelength/nm No.4a t25K w i t had e l a yt i m eof( a )270n s,( b )8μs,and( c )650μs, u s i n ga1 4 0 n sg a t e . 500 400 F i g .8 . 6 . T r a n s i e n ta b s o r p t i o ns p e c t r aofP(DBCzE MA-co-MMA)f i l m F i g .8 . 7 . T r a n s i e n ta b s o r p t i o ns p e c t r aof( a ) P(OBCzEMA-co-MMA) NO.2i nMTHFr i g i dg l a s sa t25K, ( b )P(OBCzEMA-co-MMA)No.2i n THF s o l u t i o na t 170 K,and ( c ) POBCzE恥1A homopolymer i n THF s o l u t i o na t1 7 0K . A I Is p e c t r awerer e c o r d e dw i t had e l a yt i m eof270n s u s i n ga1 4 0 n sg a t e . 94 95 F i g . 8 . 8の室温で測定した過渡吸収スベクトルでも,三重工頁状態の相互作用が観察できる. ここでも PDBCzEMAホモポリマーはブロードな T-T吸収スベクトルを示してい る. これ らの実験結果から, F i g .8 . 6 c で、残っている吸収を安定化した三重項の吸収と帰属でき, 、~ 、 ー ー 8 .4 結 吾A 日 間 時間分解分光測定により, これまで定常光測定では重複 して観測されていたいくつか の 三重項状態の発光種が明確に 分離されて示された.得られ た各成分のスベクトルは MTHF 剛体溶媒中で測定された PDBVCzのそれらとほとんど同じで、あった. メタクリレートコポ れは多分三重項エキシマー形 成によるものである. リマーに付いている DBCz発色団は, しだっかのスへーサー原子で、主鎖につながっている ので, より分子間的に振る舞うだろ うと考えられるにもかかわら ず, 結果は, PDBVCz と 0 . 1 DBCzE恥lA コポリマーの双方において, DBCz発色団はエキ、ンマー状態で、非常に似た立体 配置をもつことがわかった. これはおそらく芳香環が互い に接近するとき, 臭素原子の立 体障害から生じているものと 考えられる. 結果的に, この OBCz発色団はコポリマーフィ ル ム で二つの明確なエキシマーを 示した. ω0cmD ﹂Oの心︿ 強力なレーザー励起で三重項 励起子の速い T-T消滅が生じたので, 三重項種聞のエネル ・,~~"ザ・1、~_,叫ぬ b 、.....、、 、.、"'. ギーの流れについて正確な時 定数を決定することは困難で あった. T-T吸収測定でみられ ¥ るように, 三重項エネルギーのほとんど が TT消滅過程で消費される. しカ瓦し, 時間と共 ‘ 、、 P 、 d に三重項モノマー状態からエ キシマー状態へと 三重項種が変化するのがみられ, その過程 L は熱的活性化によって促進さ れた. これらの結果はエネノレギー的に安定なサイトにおける 捕 捉( t r a p p i n g )と開放(d e t r a p p i n g )の繰返し過程によって, 高分子固体における 三重項状態が 決定されるという速度論的ス キームと 一致していため. m n H , II 門u u hH nυnH n v v に υρ-v ロ v nd 400 w 。 文 600 献 1 )( a )K l o p f f e r,W.;F i s c h e r,D .J Polym.S c i .,P a r tC 1973,40, 4 3 . ( b )Rippen,G . ;Kaufmann, G . ;K l o p f f e r ,W.Chem.Phys.1980,52,1 6 5 . ( c )K l o p f f e r,W.Chem.Ph d ) y s .1 9 8 1,57 ,7 5 . ( K l o p f f e r,W.Ann .N .YAc αd .S c i .1 9 8 1,366,3 7 3 . F i g .8 . 8 . T r a n s i e n ta b s o中 t i o ns p e c t r al n THF s o l u t i o na t room t e m p e r a t u r e :( a ) P(DBCzEMA-co・MMA)No. 2 a n d( b ) PDBCzEMA. Thes p e c t r awerer e c o r d e dw i t had e l a yt i m eo f1μsu s i n ga1 4 0 n sg a t e . 2 )K l o p f f e r,W.EPAMの v s . l1987,29,1 5 . 3 )( a ) Bur 財団口,R .0 . ;A v i l e s,R . G.J Phys.Chem. 1979,83,1 b ) Burkha 8 9 7 . ( , 口 R .D . λ 4 αc r o m o l e c u l e s1983,16 ,8 2 0 . ( c )B u r k h a r t,R .0. ;Dawood ,1 .Macromolecules1986, 19,4 4 7 . ( d )C h a k r a b o r t y,D .K . ;B u r k h a r t,R .D .J Phys Chem. 1989,9 3,4 7 9 7 . ( e )Burkha 口,R.D.; C h a k r a b o r t y,D .K .J P h y s . Chem 1990,94,4 1 4 3 . (ηChakraborty,D .K. ;B u r k h a r t,R .D . なり, したがって , これらの種の燐光は観測できたとしても, トラップサイトとエキシマ ーサイトの三重項濃度は小さすぎるため, 過渡吸収を十分な S川 比 で 検 出 す る こ と は で き なかった. ト~ishijima, Y .Chel η P h y s .L e t t.1985,1 17 ,1 7 1 . ︼/ 、 つくられる励起状態のほとん どが三重項励起子の消滅過程 によって基底状態へ戻ること に 4 )( a )I t o,S . ;Yamashita ,K . ;Yamamoto,M.; 〆、 ‘ , 収法で、はエキシマー状態に ついて詳細な知見は得られな いだろう. レーザー励起によって Macromolecules1990, 23,1 2 1 . . 0 コポリマーフィルムでみられ る T-T吸収ノくンドは主としてモノマー状態であり, 過渡吸 Ohmori,S; .I to,S . ;Yamamoto,M.Ber ,B u n s e n G e s .Phys.Chem.1989,9 3,8 1 5 . 5 )( a )I to,S . ;Katayama,H . ;Yamamoto,M.Mαc r o m o l e c u l e s1988, 2 1,2 b )I 4 to,S 5 6 . ( . ;Numata, N . ;Katayama,H . ;Yamamoto,M.λ1 a c r o m o l e c u l e c s1989,22,2 )Katayama ,H 2 0 . ;I 7 . ( to,S . ; Yamamoto,M.J Photopolym.S c i.Techno . l1991,4,2 1 7 . ( d )Katayama,H . ;Tawa,T . ;I t o,S . ; Yamamoto,M.J Chem.S o c .,F I α r α d αy Tr αn s . 1992,88,2 e )Katayama,H 7 4 3 . ( . ;Tawa ,T . ; H a g g q u i s t,G. W.;I to,S . ;Yamamoto,M.Macromolecules1993,26 ,1 2 6 5. 96 97 . 2 7 .,Chem.Commun.1974,3 c o S ,M.;Funaki,M.;Mikawa,H.J Chem. )Yokoyama 6 .Chem.1993,97,11164. s y h M.JP ;Yamamoto, . o,S t ;I . aY , )Wad 8 ジブロモビ、ニルカルバゾールオリゴ、マーの 燐光スベ クトノレ と三重項 エキシマ ー形成機 .Chem.1993,97,2576. s y h .JP .O 口R , .W.;Burkha G t, s i u q g g a )H 9 構 . 2 8 s1989,22,7 e l u c e l o m o r c a .M .O t,R r a h k r u ;B . .C k,F y z r a t )S 7 第 9章 . 7,20,8 8 9 .1 s e .Chem.R c c A .C. E )Lim, 0 1 . .1985,92,1 s y h P .Chem. ,H.C ;Wolf . .U 1 z, t u h c ;VonS . J )Waldmann, 1 1 .J .C ;Lim,E . .J )Locke,R b . ( 7 0 .1987,134,1 l t e hem.Phys.L .C .C ;Lim,E . .J )Locke,R a )( 2 1 Phys.Chem.1989,93,6017. hem.Phys. .A.C b,H a a t ;Haenel,M.;S . ;Hausser,K.H . ;Behnke,J . .P ,J ;Colpa . r,0 e z t i e w h c )S 3 1 . 3 7 3 1, 1 1975, . 9 .1977,45,7 t t e L hem.Phys. .C .C ;Lim,E . A.K , )Chandra 4 1 . 0 6 9 ,1 NY , a c a h t :I y t i s r e v i n ;ComellU d n o eChemicalB h t f eo r u t a eN h .T g,L n i l u a )P 5 1 .1 緒 論 9 ニルポリマ ーは側鎖に 芳香族基( 発色団)を 高密度に もつ.この 発色団が光 励起さ 芳香族ヒマ t r a れることに よりさまざ まな光物理 現象が生じ る.エキシ マー形成も その 一つである. Burkh )(PVCz)とその関連 ポリマーの 三重項エキ シマー形成 について報 告 e l o z a b r ca yJ n i v 9 ( y l o らは p 三重項エキシ している 1-4) しかし, 一般的に 三重項エキ、ンマーの観測は困難を伴う.それは 二 マーを示す 燐光ス ベ クトルがブ ロードで極 めて発光も 弱し、ため ,不純物に よる影響を 受けや ) (PDBVCz) の燐光ス ペ クトノレ e l o z a b r a c l y n i 6-dibromo・9・v 3, ( y l o すし、から である.横 山らは p (MTHF,77 K)で 460 nmにピークを もっ強い発 光を示す三 重項エキシ マーを観測 した ) 5 こ の DBCz発色団は 三重項エキ シマー観測 に都合よい 発色団であ る.臭素の 重原子効果 により, ) から励起三 重項状態 (T1) への項間交 差 の量子収率 がほぼ l と I S OBCz の励起一重 項状態 ( n(MTHF) 中 77K において OBCzの蛍光発光 はほ a r u f o r d y h a r t e t l y h t e m 極めて効率 的である. 2 とんどみられず,強し、燐光発光が得られる. tは時間分解 法により PDBVCzの三重項エ キシマーを 3成分に分解 した r a h k r u kと B y z r a t S 6) 7章で PDBVCzの燐光ス ベ クトル (MTHF,77K) は三重項エ キシマーを 示すのに対 して,第 K) 述べたように, OBCz基が主鎖か ら離れてい る POBCzEMAの燐光ス ペ クトル (MTHF,77 はモノマー 的であった 7-8) したがって, POBVCzの立体構造 が 三重項エキ シマー形成 能を大 きく支配し ていること は間違いな い. 本章では, PDBVCz の三重項エ キシマー形 成の機構を 明らかにす るために, 主鎖の長さ が ク 異なる 一連の DBVCz オリゴ、マー (OliOBVCz) を用意し, 重合度の大 きさによる 燐光ス ベ e(DBEtCz), l o z a b r a c dibromoethyl 6 ル化合物で ある 3, トルの変化を観測した.また,モノマーモデ、 4-BDBCzPe)の燐光スベ クトルも 2, e( n a t n e p ) l y l o z a b r a c o m o r b i d 6 3, ( s i 4・b 二量体モデ、ルで、ある 2, 観測し,こ れらのデー タをもとに 三重項エキ シマーの構 造について 考察した. 98 99 重合度 n=3, 4,5, 6, 7-8 と帰属し,分取した.同様に, PDBVCz(c) 反応物について,n=3, 4, β10 ひズフ Br 5,6,7-8を帰属分取した.しかし, n=6成分以上の分離は困難であり, 5量体以上のオリゴ Br 。 十CHffH十7 マーで、は若干の隣接重合度のものが混入している. 2 M e t h y l t e t r a h y d r o f u r a n(MTH の :MTHF(Aldrich) はアルミナカラムを通した後,金属ナトリ ウムを入れて蒸留したものを用いた. ρ: β10 9.2.2 測定試料の準備 燐光ス ベ クトルを測定するために,各試料は MTHF溶液とし, 360nmの吸光度が 0 . 3にな 2, 4 -BDBCzPe るよう濃度を調整した. これを 5m m o Pyrexアンプ。 ノレに入れ, 1X 10- To打以下で脱気封管 PDBVCz 5 F i g .9 . 1 . S t r u c t u r e sofDBEtCz, 2, 4・BDBCzPeandPDBVCz. した. 9.2.3 測定及びデータ処理 吸収ス ベ クトノレは島津 UV1600 分光光度計によった.燐光ス ベ クトルは目立蛍光分光光度 9 .2 実 験 9 . 2 .1 試 料 計 MPF-4型に燐光付属装置を付けて測定した .試料セルは石英 Dewar中の液体窒素 (77 K)で 3, ιDibromoethylcarbazole ρBEtCz): 文献 9 )により, 9 e t h y l c a r b a z o l e( E t C z ;A l d r i c h )の 3, 6 -位 凍結した. を臭素置換した.得られた粗生成物をメタノールで、再結晶した.Calcdf o rCI I N B r 2( 3 5 3 . 0 5 ) :C, 4HI 4 7 . 6 3 ;H, 3 . 1 4 ;N, 3 . 9 7 ;Br, 45.26% , Found:C, 4 7 . 5 3 ;H, 2 . 8 9 ;N, 3 . 6 9 ;Br, 4 5 . 0 4%. c o n f i g u r a t i o n ) および立体配座( c o n f o r m a t i o n ) の作図および発色団関距 化合物の立体配置 ( 離の計算には CSChemOfficeソフトを用いた. Ra c/ meso-2,4 b i s ( 3,6 d i b r o m o c a r b αz o l y l ) pentane( 2 , 4-BDBCzPe):2バ ー pentanediol(東京化成工業) か ら 2, 4 d i ( t o s y l o x y ) p e n t a n e を 合 成 し た . こ の 2, 4 d i ( t o s y l o x y ) p e n t a n e と sodium 3, 6 4・BDBCzP eを得た 1 0) これをテトラヒドロフラン (THF) とメタノー d i b r o m o c a r b a z o l eから 2, 9 .3 結果および考察 4・BDBCzPeは r a c体および meso体の異性体混合物である. ノレで、再結品して精製した.この 2, 9.3.1 DBEtCz,2, 4-BDBCzPeおよび PDBVCzの燐光スペクトル IHNMRスベクトルにおいて, δ=1 . 43( d,CH3, r a c ) および1.58( d,CH3,m eso)の積分比から, F i g .9.2A,B, C に DBEtCz, 2, 4-BDBCzPeおよび PDBVCz(r)の燐光ス ペ クトル (MTHF,77K) この混合物は r a c体 : meso体 得 0 . 6:0.4から成っている 1 0, 1 1 ) .Calcdf o rC29H22N2Br4( 7 1 8 . 1 2 ) :C, 4 8 . 5 0 ;H, 3 . 0 9 ;N, 3, 9 0 ;Br, 4 4 . 5 1% , Found:C, 4 7 . 9 7 ;H,3 . 1 6 ;N, 3 . 8 0 ;Br, 42. 47%. P o l y ( 3, 6 d i b r o m o v i n y l c a r b αz o l e ) (PDBVCz):{ i )DBVCzモノマーの合成 Czの 3, 6イ立を臭素置 )の方法により, DBVCzモノマーを合成した. 換して DBCzを得た.文献 9 ( i i ) PDBVCz(r)の 合 成 位 をそれぞれ示す. DBEtCzはモノマ一発光で、ある. 0・0バンドが 419nmにみられ, 434nm,447 nmに振動構 4-BDBCzPeも 0・0バンドが 419nm,433nm,447nm 造によるピークが観測される. 一方 , 2, に振動ノベンドを示し,波長は DBEtCz と同じである. しかし, 419 nmに対する 447 nmのピ DBVCz モ ノ マ ー の ト ノ レ エ ン 溶 液 に 重 合 開 始 剤 仏 ザ ー ーク比 1 4 4 7/1 4・ BDBCzPeの方が大きい.これは 2, 4 ・ BDBCzPe分子内で 2個の DBCz基 4 1 9は 2, o b i s i s o b u t y r o n i t r il e を加え,アンプル中に脱気封管したものを 60 oC でラジカル重合した. がわずかながら相互作用しているため,各振動バンド聞の遷移確率が変化したものと考えら 得られたオリゴ、マーを GPCにより分取した. ( ii i ) PDBVCz(c) の合成 れる. しかし, PDBVCzが 465nmにピークをもっブロードなエキシマー燐光を示すのに対し DBVCz モノマーをトルエンに溶かし,重合開始剤として三弗化 4-BDBCzPe はモノマ一発光的である. Br 置換されていない て,ダイマーモデルである 2, ホワ素ジエチルエーテル錯体 ( ( C2H5)20・BF3)を少量加えて,室温でカチオン重合をおこなっ m e s o d i c a r b a z o l y l p e n t a n e (DCzPe)あるいは rac-DCzPeは溶液中で一重項のサンドイツチエキシ た. トノレエンをエバポレーターで除去したのち,オリゴ、マーを分取した . 0 1 1 ),77 K 岡J I体マトリックス中では相互作用が弱 マーや部分重なり型エキシマーをつくるが 1 OliDBVCz(r)および OUDBVCz(c)の分取:前記の PDBVCz(r)および PDBVCz(c)反応物から くてエキシマーとはならない.これは Br化された 2, ιBDBCzPeでも同じであった. GPC により,各オリゴマ一成分を分取した. GPCは東ソー HLC-802・UR型に低分子用カラム を 2本連結して使用した. PDBVCz(r)反応物の GPCチャートの低分子域にいくつかのピーク 3・BDBCzP rを基準として, がみられた.それぞれを, DBEtCzおよびダイマーモデ、ル化合物 1, 100 101 9.3. 2 0 1i D B V C z( r ) および 0 1i DBVCz( c )の燐光スペクトル 二量体が弱い相互作 用を示すもののモノ マー的燐光ス ベ クトルを与えることがわか った . それでは PDBVCzが何量体から 三重項エキシマーを形成するのかは,エキシマー形成確率 と 関連して興味あるテーマである・これを知るには鎖長の異なる OliDBVCz の燐光ス ベ クトル A を観測すればよし'1 PDBVCz(r) お よ び PDBVCz(c)を用意し, GPC で重合度 ( n )の異なる OliDBVCz(r) および OliDBVCz(c)を分取し,燐光ス ベ クトノレを測定した. PDBVCz(r) および PDBVCz(c)の 1H-NMRスベクトノレ ( o d i c h l o r o b e n z e n e -d . " 140 OC)を測定 した. PDBVCz の主鎖メチレンは s y n d i o t a c t i cおよび i s o t a c t i cに対してそれぞれ δ=2 . 0-2 . 2 ppm および1.5-1 .6ppmに共鳴信号を示す 1 2 ) 両者の面積比を求めることにより, PDBVCz(r) は syndi o t a c t i c/i s o t a c t i c= 0 . 7 4/0 . 2 6であった.同様に, PDBVCz(c)は , s y n d i o t a c t i c/i s o t a c t i c= 0.63/0.37となった.Br化されていない PVCzでは, P V C z ( c ) :0 . 5/ 0 . 5および P V C z ( r ) :0 . 7 5/ 0 . 2 5 と求められているが, PDBVCz(r) と PDBVCz(c)の場合にはラジカノレ重合とカチオン重合で立 体構造上の差異はそれほど大きくないと考えられる . 、 +〉 d B 1 ¥ F i g . 9 . 3に 2, 4・BDBCzPe,OliDBVCz(r)(n=3,4,5,6,7-8 ) および PDBVCz(r)の燐光ス ベ ク トノレを示す.励起波長は 360nm である .n=3の 0・0バンドは少し弱くなっているが,モノ c f ) C マー的発光で、ある .n が大きくなるにつれて,各スペクトノレのかO バンドは急激に弱まる • n= ω + d C 6から n=7-8にかけて振動構造がなくなり, 三重項エキシマ一発光が主になっている. ω 〉 F i g . 9. 4 に 2, 4-BDBCzPe,OliDBVCz(c)(n=3,4,5,6, 7-8 ) および PDBVCz(c)の燐光ス ベ ク + ' r o トノレを示す. 01iDBVCz(c)も 01iDBVCz(r)と似たスベクトル変化を示す .n=4,5,6で両者を C の ピ 比べると, 01iDBVCz(c)の方がわずかにエキシマーをつくりやすい傾向にある. NMR から得 られたそれぞれの s y n d i o t a c t i c/i s o t a c t i c比から考えて ,meso成分を多く含む 01iDBVCz(c)の 方がよりエキシマーを形成しやすいと考えられるが, DBVCz(r) と DBVCz(c)の差はほとんど C 400 500 ないと判断される. 600 W a v e l e n g t h / n m F i g .9. 2 . P h o s p h o r e s c e n c es p e c t r aof( A )DBEtCz, ( B )2, 4-BDBCzPeand (C)PDBVCz(r)i nMTHFa t77K . 1 0 2 1 0 3 4 〉、 4 〉、 -d -J c n c 1 ) C C ω 4 J ω ~ 一 一 回 c 亡 ω 〉 ω 〉 +J r o +句 d ω Q C ω C ピ A / ムり ︾ F i g.9. 3. P h o s p h o r e s c e n c es p e c t r ao f( 1 ) 2, 4・BDBCzPe , DBVCz(r) F i g . 9. 4 . o l i g o m e r s :( 2 )n=3,( 3 )n=4,( 4 )n=5,( 5 )n=6,( 6 )n=7-8 ,a n d( 7 ) o l i g o m e r s:( 2 )n=3,( 3 )n=4,( 4 )n=5,( 5 )n=6,( 6)n=7-8,a n d( 7) PDBVCz(r), e x c i t e da t360nmi nMTHFa t77K . PDBVCz(c), e x c i t e da t360nmi nMTHFa t7 7K . 1 0 4 P h o s p h o r e s c e n c es p e c t r ao f( 1 ) 2, 4-BOBCz Pe,OBVCz( c ) 1 05 ハ リ ハ リ m n H , F ' ' 門U n H 白 W a v e l e n g t h / n m のり ) n 400 vν 600 c J 陥 500 a w 400 /¥ 9.3.3 スペクトルの分解 次に, F i g . 9. 3の 01iDBVCz(r)の燐光スベクトノレをモノマ一発光成分とエキシマ 一発光成分 F i g . 9.3および 9.4において ,n= 5イ立まではモノマ一発光スベクトルの振動ノ《ンドが残って によって合成できるか試みた.モノマ一発光成分として 2, 4 ・BDBCzPeのス ベ クトルを用いた. いる. しかも各振動バンドはほとんど波長シフトしていない .n= 6,7-8で 450nm付近の発 エキシマ一発光スベクトノレとして, PDBVCz(r)を用いると,安定化による長波長シフトが大 光が増すとと もに各振動バンドが消えてゆく. したがって,この発光スベクトルの形の変化 きいためスベクトルの再現がむずかしかった.そこでほ とんどエキシマ一発光となっている は 2, 4 -BDBCzPe発光成分に対して 三重項エキシマ一発光成分が増加して生じるというよう に n=7-8のスベクトノレを用いた. F i g .9.6A-D に各スベクトルを合成した結果を示す.この 考えられる.そこで, 2, 4-BDBCzPeと PDBVCz(r)の吸光度を合わせた各 MTHF溶液を調整 し , ように 2, 4-BDBCzPeと n=7-8のスベクトノレの割合を変えて組み合せることにより,その中 それらの混合割合を変化させた溶液の燐光スペクトルを 測定し た.次に各組成のス ペクトル 間 にある n= 3, 4, 5, 6のスベクトルをよく再現できる .n=6の燐光ス ベ クトルは, 2, 4・BDBCzPe を 2, 4BDBCzPeおよび PDBVCz(r)の燐光スベクトノレを用いて分割し,その発光の面積比を求 と n=7-8の割合 0 . 3 0: 0 . 7 0 で合成できる.すなわち ,nニ 6のエキシマ一発光の分率は 0 . 7 0 めて,発光の効率を比較した. である.このようにして,各オリゴ、マーのエキシマ一発光の分率を求めた. F i g . 9 . 5は PDBVCz(r)の割合と全体の発光に占める PDBVCz(r)のエキシマ一発光の分率との 関係を示す検量線である. PDBVCz(r)の割合 0 . 5でその全体の発光に占めるエキシマ一発光の A 光している. 会的C2c ω﹀一戸町一mw広 子収率の比 φe x/φmが 3/ 7と求められた. 2, 4-BDBCzPeの方が PDBVCz(r)に比べ効率よく発 B 企 的C ω v c ω﹀一戸町一ω広 分率は約 30 %である.つまり,両者の励起確率は同じなので,エキ シマーとモノマ一発光量 nO ハu n U ε (ポ) C一 Oωω一 100 ∞ 4 5 ∞ 5 5 0 ∞ 6 4 Wavelength/nm ハ d b .50 ∞ 5 550 ∞ 6 Wavelength/nm C bBcω 0.6 0.8 C o m p o n e n to fP D B V C z ( r ) P l o t of f r a c t i o n of e x c i m e re m i s s i o nv s . component of PDBVCz(r)i nt h e2, 4・BDBCzPe-PDBVCz(r)mixeds o l u t i o n s . . - ・ .・・ ・ . ・ .・ . ・ . 一. • . . ・ ・ .*.・. . ・ . . . ・ ・ ・ . 、 ・ t' . . ・ . .. ∞ 4 ω区 ω﹀zm 一 0 . 4 C 0 . 2 日 PGC2c ω﹀一日何一ω庄 nu 斗・・内ノ﹄ ハ U ﹄ w o m﹂比 ω E 一 o×U oco一 凶﹂ 0 0 F i g .9 . 5 . ∞ 450 .50 5 0 0 550 ∞ 6 0 0 4 Wavelength/nm ∞ 5 550 Wavelength/nm F i g .9 . 6 . F i t t i n gofp h o s p h o r e s c e n c es p e c t r aofOliDBVCzw i t ht h o s eof 2, 4・BDBVCzand01iDBVCz( n=7-8 ) . ( A )nニ 3,( B )n=4,( C )n=5 and( D )n=6 . 1 0 6 .50 1 0 7 ∞ 6 次に, F i g .9 . 5の検量線を 用い,各オ リゴマーの エキシマ一 発光の分率 から,励起 状態の分 率を求めた .その結果 を F i g . 9 . 7に示す.n = 6のエキシマ 一発光の分 率は 0 . 7 0であるから, その励起状 態分率は 0 . 8 9と推測できる .n= 6の立体配置 および立体 配座におい て,モノマ 一 発光に寄与 する構造成 分とエキシ マ一発光に 寄与する構 造成分とが あると仮定 するなら, か なり後者の成分が多いことになる. 100 380 ( f ) ( a )rTT ω 5 6 0 x w ‘ ← 0 c 0 40 0 c u LL 20 0 2 3 4 5 6 7 Degreeo fPolymerization( n ) F i g .9 . 7 . P l o to ft h ef r a c t i o n of t h ee x c i m e rs t a t ev s .d e g r e e of ( b )m GT p o l y m e r i z a t i o n( n ) . F i g . 9 . 8 . C o n f o r m a t i o n sofmesoandr a c2, 4-BDBCzPe,a )rTT ,b )m GT , 9.3.4 三重項エキシマー形成機構(非隣援機構) andc )m T T . PDBVCzの二単体モデ、ルで、ある 2, 4 ・B DBCzPeの燐光スペクトルはモノマー的発光で、あり, 三重項エキシマーを形成しない.F i g . 9 . 8に 2, 4 ・BDBC zPeの r a c体の TTおよび meso体の TG, TT構造を示す .この他に 安定コンブ オメーショ ンとして r a c体の GGがあるが, 2個の発色 団の伸びる 方向がまっ たく反対な のでエキシ マー構造と しては除外 できる.こ れまで VCz 二 量体モデ、ルの研究で、は,室温で ,meso体について は TGおよび GTがそれぞれ 約 50 %ずつ存 在し ,TTが存在する 割合は 1 %以下とされ る.また ,r a c体について は TTが約 7 0 %存在す るとされる 13) これらの分 子を液体窒 素 ( 7 7 K)で凍結する と,このよ うな安定な 立体配置で 凍結される.このとき ,meso体の TG,GTでは各発色 団の伸びる 方向が大き く異なるの で? 発色団関距 離は大きい .r a c体の πは , 一重項の部 分重なり型 エ キシマーを つくる配座 に近 く,両発色団の芳香環の一部は近接している. 1 0 8 ( c )mTT F i g .9 . 2において, 2, 4-BDBCzPeが 77 K でわずかで はあるが分子内相互作用を示すのは, この r a c体の TT構造が寄与 していると 考えられる . しかし,燐 光スペクト ルの結果か ら二量 体のこの ようなコ ンフォメ ーション が三重項 エキシマ ー形成に 寄与して いること は考えら れ ない. 一重項エキ シマーでは meso体の TTコンフォメ ーションが エキシマ ー形成サイ トと考えら れている .この配 置の発生 確率は小 さいもの の高分子 ではエネ ルギー移 動により 効率よく 増 感される. しかし,今 回の実験で は 6 量体ですで に多くの分 子がエキシ マー状態と なってい ることから 三重項エキ シマー構造 が meso体の TTと考えるこ とはできな い.以上の ようにオ 1 0 9 リゴ、マーの測定により,主鎖上で隣接する発色団問での三重項エ キシマー形 成機構を否 定す ることができた. そこで次に, 三重項エキ シマー構造 として三量体構造(非隣接) の寄与が考えら れる. t r i a d の立体配置の種類は rr,rnr,rnrn の組み合わ せがある. さらに立体配座として ,rr は TT π と TTGG,rnrは TGTTと GTT T,また,r n r nは GTGTと GTTGがそれぞれ 実際に取り うる立体 配座として考えられる.いま F i g .9. 9に示すように 3個の OBCz発色団を端から 1 ,2,3と番 号をつける .そこで !と 3の OBCz基問の距離を計算で求めたところ, T a b l e9 . 1 のようにな った .第 3欄 に , 1と 3の OBCz基のそれぞれがも っ 2個のベンゼ ン核のうち 互いに距離 が 近い方のベンゼン核どうしの中心間距離を示 す.また,第 4欄に, 1と 3の OBCz基のそれ ぞれの pyrrole 環 の中心問距離を示す • rrTTTT と r n rTGTTが,それぞれ lと 3の OBCz基間 距離が近い.すなわち ,rrTTTT は 4. 4Aであり, rnrTGTTは 4 . 2Aである.その他の 立体配 置,立体配座では lと 3の OBCz発色団関距 離はかなり 大きくなり ,相互作用 することは む ずかしいと考えられる . T a b l e9 .卜 O i s t a n c e sb e t w e e n OBCz chromophore 1a n d OBCzchromophore3i nt h et r i a dm o d e l s . C o n f i g u r a t i o n C o n f o r m a t i o n R1a/A R2b/A r r TTTT 4. 4 4 . 8 r r TTG 8 . 2 7 . 8 r n r TGTT 4 . 2 5 . 0 刀l r GTTT 8 . 2 8. 4 r n r n GTTG 9 . 3 9. 4 mrTGTT r n r n GTGT 6 . 0 7 . 3 O i s t a n c ef r o mt h ec e n t e ro ft h eb e n z e n er i n go fOBVCzg r o u p1t ot h e c e n t e ro ft h eb e n z e n er i n go fOBVCzg r o u p3 . bD i s t a n c ef r o mt h e c e n t e ro ft h ep y π o l er i n go fOBVCzg r o u p1t ot h ec e n t e ro ft h ep y η o l e r i n gofOBVCzg r o u p3 . a F i g . 9 . 9に rrTTTT と rnrTGTTの模式図を示す. 2個の OBCz発色団の面と面どうしが向き 合う配置をとっている. このような考察から, 三重項エキシマーはこの rr TTTTと rnr TGTT構造による 非隣接基問 相互作用で形成されている可能性が大きい. r r7TT T F i g . 9 . 9 . S c h e m a t i ci l l u s t r a t i o no frrTTTTa n drnrTGTTc o n f o口n a t i o n s . 1 1 0 1 1 1 9 .4 結 論 PDBVCz の 三重項エキシマーの構造を燐 光スベクトルの分子量依存性 とコンフォメーショ ンにより検討した.そのモデ、 ノレ化合物で、ある 2, 4BDBCzPeの燐光スベクトル (MTHF, 77 K) はモノマ一発光であった.こ れより 一重項エキシマーのような隣 接基聞におけるエキシマー 総括 形成機構は三重項エキシマーで、は考えられない . 0IiDBVCz(r)および 0IiDBVCz(c )について, 重合度 n= 3,4,5,6,7-8の各燐光スベクトルの変化を 観測したところ ,n=3,4はモノマー的 発光であり ,n=5,6,7-8でエキシマー的発光になった .重合方法 ( r )と ( c ) によるス ベク トノレの差はほとんどみられなかった.燐光スベクトルの解析から ,n=6はエキシマーを形成 するような構造をほとんどの 分子が含んでいることがわか った.これらの結果より三重 項エ 本研究を総括すると次のよう になる. キシマーは dyad構造ではなく, t r i a dの rm TTGTおよ び r rTTTTの立体構造における非隣接 OBCz基問で形成されると考えられ た . 第 l章では,本研究の背景,動機 ,基本的事項,本研究の概要 などについて述べた. 第 I部 芳 香 族 ア ミ ン ーハロメタン系の色素生成と 光反応機構 文献 1 )Burkhart,R .0 .;Dawood,I .Macromolecules1 9 8 6,19,4 4 7 . 2 )Burkhart,R .D . ;Ch品σaborty,D .K .J P h y s .Chem.1 990,94,4 1 4 3 . 3 )B u r J くh a r t,R .D .;Jhon、 N・ 1 . ;Boileau,S .Mαc r o m o l e c u l e s1 9 9 1,24,6 3 1 0 . 4 )Haggquist,G.W.;Burkha口,R .D.Macromol e cu l e s1 9 9 5,28,2 4 6 5 . 5 )Yokoyama,M. ;F u n a k i,M. ;Mikawa ,H .J Chem.Soc. ,Chem.Commun.1 9 7 4,3 7 2 . 6 )S t a r z y k,F.C . ;B u r l くh a r t,R .D .Mαc r o r n o l e c u l e s1 989,22,7 8 2 . 7 )I t o,S . ;Yamamoto,M. ;Liebe,W.R . ;Burkha , 口R .0 . ;Wada,Y .J P h y s .C h e r n .1 994,98,7 6 0 8 . 8 )Wada 、Y . ;I to,S . ;Yamamoto,M.JP h y s .C h e r n .1 9 9 3,97 ,1 1 1 6 4 . 9 ) 井波 章 , 森 本 和 久 , 村 上 嘉 信 日 化 1 9 6 4,85,8 8 0 . 1 0 )Evers,F .;Kobs,K . ;Memmir : tg, R . ;Te汀 e l l,D .R .JA r n .Chem.S o c .1 9 8 3,105,5 9 8 8 . 1 1 )DeSchryver,F . C . ;Vandendriessche, J . ;Toppet,S . ;Demeyer,K . ;Boens, N.M a c r o r n o l e c u l e s1 9 8 2, 1 5,4 0 6 . CTB/フィルム)系を検討 し た . DPA-CTB 系 の光反応後続過程,特に着 色主生成物につい て,従来いわれてきたトリフ ェニルメタン型青色色素 TPMD-l の他に,アクリジン型赤色 色素 DPAAcの生成を新たに確認した. DPA-CTB系は,溶液およびポリマー溶液中で、 1:1 の電荷移動錯体を形成するが ,バルクやフィルム状態での 光反応に効果的な原料モル濃 度 比は, DPAが CTBの約 3倍である.この系の溶液状態では, DPAAc が効率よく生成する が , TPMD・ 1の生成はごくわずかである .一方,バルクまたはフィルム状態では, DPAAc と TPMD・ 1 がほぼ等しく生成することを 見出した.各色素の吸光係数 の相違から青色発色に は TPMD・ 1が大きく寄与していることがわかった.' 第 3 章では,ジフェニルアミンを 四塩化炭素中に溶かした (DPNCTC) 溶液系の光化学 反応の解明をすすめた .非極性の CTC中で DPAは光励起により両者間で電子移動を生じ, 引き続いてラジカルおよびイ オン種による後続反応を引き 起こす.そこでは 2 5 種類以上 1 2 )Okamoto,K .;Yamada,M.;I taya,A . ;Kimura ,T . ;Kusabayashi,S .M a c r o r n o l e c u l e s1 9 7 6,9,6 4 5 . 1 3 )Bovey,F .A. 著,伊東,恒次,児玉共訳 第 2 章では,ジフェニルアミンと 四臭化炭素をポリマーフィル ム中に分散させた (OPA- “核磁気共鳴スベクトル" 第 6章,広川│書庖, 1 975 の生成物がみられた.その主 なる生成物について分取同定 した .DPAの p位だけで、なく, 0・ や N位 も CTC と反応して, 一次中間体および生成物を生 じる .DPAの p-,0ーまたは N - 位 に =CCl今が置換したカチオン中間体は,非常に反応活性であり, 2個 の DPAの各 p-,0ー ま たは N位 ど うしが結ぼれた二量体カチオ ン中間体を生じる . これらの中間体がさまざまな 二次生成物を生じさせる.二 量体カチオン中間体の 一つはさらに DPA と反応して TPMD-l をもたらす.以上のような複 雑な逐次反応の機構を生成物 分析により明らかにした. 第 4章では ,N . ・メチルジフ ェニルアミンと四臭化炭素 ( MDPA-CTB)の溶液系およびドー プフ ィルム系 の光反応を検討した .稀薄溶液系 では,主に MDPA の光励起により MDPA の励起一重項状態と CTBがエキシプレックスを形成す る .高濃度溶液系やドープフィ ルム 系では MDPA-CTBが基底状態で電荷移動 (CT) 錯体をつくり,この CT励起でエキシプレ 112 113 ックスをつくる.エキシプレ ックスから電何分離状態会経 て, C8r. , が MDPAのパラ位に (DBCz) 基 の 含 有 量 が 極 め て 少 な い 試 料 コ ポ リ γ ー の 0・ 0 バ ン ド が 416 nm,主た, kびオルトイ立に置換した I。を生じる .I p~よ別の MDPA PDBCzEMAのそれが 419nmでスペクトノレがわずか にブロードになるだけである . このよ nを生成す‘る .11は低温では安定で うに 剛 体溶媒中では DBCz発色団間の相互作用は少な い . J i , フィルム系では,発色問 あるが,主1 昆では消失し」やすい. I J( 7 ン 一部はさらに別の MDPA と反応して TPMD-2 を生 問距離 D=5 . 18nmの試料はモノマ一発光を示す が ,D =1 .56nmですでにスペクトルはブ じるが,溶液系の TPMD-2生成効率は稀薄溶液で、は低く,高濃度になるほど増す. ドープ ロードになり ,D=1 .1 1nmではほとんど三重項エキ シマー的になる . このように DBCz発 フィルム系では, TPMD-2が他の生成物に比べ相対的 によく生じるが,これは MDPAの 分 色団が相互作用する距離は Cz発色団に比べて大きい . また, PDBCzEM Aフィノレムの 三重 子間距離が十分伺いこと,ま たやーアによるらの低下で分 子運動性が ー λ-きくなることによ 項エキシマーのピークは 475・ 485nm であり, Br未置換の P(C7EMAco・ MMA)フィルムの るものと考えられた . 5 0 5 5 ]5 nmに比べ短波長である.こ れは OBCzの 三重項エキシマーの安定化エ ネルギーが 置換したカチオン反応中間体 I p 'お と反応して M DPA 二量(本であるカチオン反応中間体 Cz より 小 さいことを意味し, Br原子の嵩高さがその立体配 置に影響を及ぼしていると考 第 I部 芳 香 族 ピ ニ ル ポ リ マ ー ハロメタン系の光反応とフォト えられた . レジスト材料への応用 第 8章では, P(DBCz EMA-co・ MMA) お よ び PDBCzEMAフィノレム系における 三重項エキ シマ一種を直接観測するために, 2 5・ 77Kでの時間分解燐光スペクト ルおよび過渡吸収スペ 第 5 章では, DPA基を側鎖にもつポリマーと 四臭化炭素の ( PDPAEMA-CTB)系につい ク トルの測定を行なった .DBCz基を 1 0mol %含む試料フィルムの時間分 解燐光スペクト て,溶液系とフ J ルム系の光反応を吸収スペク トルによって検討した.低分 千モデル系で ル はそノマ一発光と最高強度が それぞれ 460nmと 51 0nm である Elと E2の 2種類の明確 ある MDPA-CTB/ フィルムでは MDP A 三 量 体 の TPMD・ 2 が 生 成 し た . これに対して , なエキシマ一種から成ること がわかった . また,過渡吸収スペクトノレ ではブロードな T・ T PDPAEMA-CTB系の光反応では ,DPA基 二量体までが生じた .CTBIPDPA EM A フィノレム 吸収がみられた .P( DBCzEMA-co・ MMA) の燐光スペクトノレは MTHF岡] 1体溶媒中の PDBV Cz 系では反応中間体がマトリッ クス中で安定化され長い寿命 をもち,暗反応で長時間にわ た の発光と同じプロフィールを 示し,同じような発光種から なる . ポリマーの構造が異なる って 二量化反応を行うのが特徴で ある .その て量化の進行状況が 650 nm の吸収ピークの のに同じようなエキシマ一種 がみられることから,三重項 エキシマーはそれを形成しや す 追跡に上り観察できた .CTBIPDPAEMA ( 1: 1 ) のろは約 7Cであろ .CTBf PDPAEMA (1: 1) いような特定の立体配置があ ることが示唆された . フィルムの低温での光照射後 ‘昇 温 さ せ る と ろ 前 後 で二 量化反応が加速され 650 nmの吸 第 9 章でで、は, 卯 p0 1 砂 y( σ 3后 , 6 d i b r o m o θ 9 収が急速に立上がった . この CTBf PDPAEMA 系 の 光 反 応 は 架 橋 と 発 色 が 同 時 に 生 じ る 特 オリゴ、マ一を用いて検討した .その二量体モデ、ル化合物でトある 2, 4・ BOBCzPeの燐光スペク 徴があり,光記録材料として の利用が可能で、 あった. トル (MTHF,77K )はモノマ一発光であった . これより d y a d構造による三重項エキシマ 第 6 章では,カノレバゾリ lレ基を側鎖;こもっホ リ マ ー に 四 臭 化 炭 素 を 分 散 さ せ た 3 ー形成機構は否定された .PDBVCz( r )お よ び PDBVCz( c )について,重合度 n= 3,4,久 6,7・ (CTBIPCzEMA)系の光発色架橋反応を検討 した .また,モデノレ系として ,N. ・ エチルカノレバ 8の各燐光スペクトルの変化 を観測した .n=3,4はそノマー的発光で、あり ,n=6,7・ 8でエ ゾールと四臭化炭素をポリメタクリル酸メチルフィルム中に分散させた キシマー的発光になった .重合方法によるスペクトノ レの差はほとんどみられなか った .燐 ( E t C z . . CTB/ PMMA)系についても検討した .紫外 光照射により, EtCz-CTBf PMMA 系 で は 後 続 反 光スペク トルの解析から ,n=6ではエキシマーを形成する ような構造部分をほとんどの 分 応により EtCz三量体色素の生成まで進行 する . これに対して, CTBIPCzEMA 系では Cz 子がもって い ることがわかった . このような結果からヲ三重項 エキシマーは d y a d構 造 で は 基二量体まで、反応がすすむ. このー量化により主鎖どうし が架橋することにより , レジス 生じなく ,t r i a dの rmTTGTお よ び r r刀7Tの立体構造により形成される という新しい構造 ト材料として利用できること が示された . 第 I I I部 モデルを提唱した . ジブロモカルバゾリル基をもっ高分子系の三重項 エ キシマー形成 第 7 章では,カルパゾ、リ ル基を側 鎖にもつポリマーとメタクリ ル酸メチル との共重合体 P(DBCzEMA-co・ MMA)および PDBCz EM Aホモポリマーの 77Kでの MTHF岡1 ] 体溶媒中およ びフ ィルムの燐 光スペクト ルを測定した .MTHF 岡] 1体 溶 媒 中 で は , ジ ブ ロ モ カ ル パ ー ル 114 115 発表論文 第 2章 4ジフェニルアミン.四臭化炭素写真 和 田 善 男 , 後 藤 哲 哉 , 山 本雅英,西島安貝リ J 系の発色成分ヘ 第 3章 56 24,49・ 日本印刷学会論文集, 1986, n o b r a c e n i m a yl n e h p i ed h soft n o i t c a e dr e c u d n i o t o h P .Yamamoto,M.“ o,S; t ;I Wada,Y. o 印局iJ中 i b o t o h hem.P "JPhotoc ystem, es d i r o l h c 仕a e t 第 4章 N-メチルジフェニノレア 和田善男 ,杉浦英晃,大原雅 史,伊藤紳三郎,山 本雅英 ," 559. 54,552・ 四臭化炭素系の光反 応ヘ高分子論文集, 1997, ミン. 第 5章 和田善男 ,杉浦英晃 ,伊藤紳三郎,山本 雅英“ジフェニルア ミノ基をもっメタク 565 リレートポリマーと 四臭化炭素の光反応 ヘ高分子論文集 1997 54,560・ ヲ 第 6章 和 田 善 男 , 堀 内 靖 丈 , 遠 藤 正 樹 ,伊藤紳三郎 , 山本雅英 h 四臭化 カ ル バ ゾ ー ル・ 炭素系の光反応と光 架橋 材料への応用" 日本印刷学会誌,印 刷中 第 7章 6・ 3, -( 2 ly[ o rp o py f o c s o r t c e p es c n e c s e r o h p s o h P ;Yamamoto,M “ o,S. t ;I Wada,Y. ", e t a l y r c a h hmethylmet t i sw r e m y l o p o sc t ]andi e t a yl ylmethacr h t e ) yl l o z a b r a dibromo・9・c ,11164・11167. 97 993, ,1 .Chem. ys .Ph 1 第 8章 r e m i c x te e l p i r T t,R.D.Wada,Y “ r a h k r u .B e,W.R; b e i ;L ;Yamamoto,M. to,S. I smeasured m l i lymerf o p o ec t a l y r c a h t e nm echromophoresi l o z a b r a c o m o r b i fd Iono format , m. .Che s y yぺJ Ph p o c s 甘o c e p ns o i t p r o s b ta n e i s n eand甘a c n e c s e r o h p s o h dp e v l o s e r e Im byt 98,7608-7612. 1994, 第 9章 n Ioni t rforma e m i xc te e l p i r t f .;Yamamoto,M."Mechanismo .Kuroda,T o,S; t ;1 Y. Wada, Macromolecules 投稿準備中 s", r e m o g i l so t )andi e l o z a b r a c l y n i v 9・ dibromo・ 6・ 3, ly( o p その他, 本 論文 に記述した研 究 に関連した研究報告 コ ンタク トスク リー ンの調子再現性とア ミ点形状お よびボケ濃 . 松尾 真利 和 田善男 ,“ l 60 3・ , 1962,5,5 度につい て ヘ 日 本印刷学会論 文集 70 6 63・ , “ハー フト ー ン画像 の拡大特性ヘ日本印刷学会論文集, 1976,1 2. 和 田善男 ヲ lymers o p o t o h ivep t i s n e Highs ;Wada Y “ a,Y. m i j i h s i ;N ;Yamamoto,M. to,S. ;I 3. Ashikaga,K. ラ 117 . 7 2 2 3 2 2 25, t.Ed,1987, l e olym.L ,P . i c .POか'm.S pヘ1 u o r eg n i p e z ]a f b, [ z n e b i gd n i n i a t n o c n o i n na nofa o i t a z i l i b a t S ;Nishijimaヲ Y.~ Wada,Y." a,A .~ Yamamoto,M. d i h c u s .T 町i,Y; 4. Ts 謝辞 ヘ rmethod e f s n a r lt a c i d a nr o i n dbya e i d u t )s e t a l a h t h p e r e lt y h t e lm y 似n ) l o np di e n n o lf a c i d a r 4. 4 8 7 3 ),8 10 1 1988,20( . か'm., PO l a c i d a nr o i t a dc e v i l g n o L ." ;Wada,Y . ;Yamamoto,M .;Nakano,M.;Yoshida,M. a,A d i h c u s 5. T ebytwo・ r u t a r e p m e troomt )matnxa e t a l y r c a h t e lm y h t e m ( y l o np si e n i m ca i t a m o r fa no o i t a m r o f 本研究の全般にわたりご指導ご鞭捲いただきました京都大学工学研究科山本雅英教授 l 1988,20,297・304. . , nヘPolym.Bul o i t a t i c x ne o t o h p e n e l a h t h p a sofn n o i t a m r o f n o C ." ;Wada,Y . ;Yamamoto,M . o、S t i、Y 、1 i j u s .;T .A a d i h c u s 6. T . 8 4 2 989,93,1244・1 ,1 .Phys.Chem. s 1 i s y l o t o h rp e s a dbyl e i d u t ss l a c i d a nr o i t a rc e m i d 円、 y g r e n te e l p i r rt a l u c e l o m 甘a n l ; Wada,Y." . ;Yamamoto,M to,S. ;Tawa、T.~ I 7. Kata)ama,H. n: o i t u l o ds i l o ns ylmethacrylate)si k l a l y h t h p a n ( y l o )andp e n e l a h t h p a n l y n i 2・v ( y l o np ni o i t a r g i m . 7 6 65・3 n,1992,29 3 i t e l l u PolymerB , h" t g n e nl i a h ec d i fs so t c e f f E ラ y g r e n ne o i t a t i c x E 、 T." 也 l a n a .T i,M.;Wada,Y h s a h a r u ;K . 、Kurokawa,H .;Yonezawa,Y. T o、 t a 8. S 切 ¥ ¥ t e rb e f 仕 組s sヘ e m o s o p i sandl m l i tf t e g d o l B r i u m g n a nL si e y ed n i n a y fc so e t a g e r g g g a nJ . 4 7 .172・1 1 1 d Films,1992‘21012 , i l o nS i h l に衷心より感謝申し上げま す.また,この研究が実現 する機会 を与 え られ,ご指導下され ました元京都大学総長西島 安則先生に厚く御礼申し上 げます. 京 都 大 学 化 学 研 究 所 宮 本 武 明 教 授 , 京 都 大 学 工 学 研 究 科 西 本 清 一教授には本論文をご 校閲いただき,貴重なご助言 を賜りました.深く感謝申し 上げます. 千葉大学名誉教授角田隆弘 先生には長年にわたりご指 導いただきました.元京都 工芸繊 維大学工業短期大学部教授 矢野哲夫先生には公私にわ たり大変お世話 になりました.両先 生に深く感謝申し上げます. 本研究をすすめる上で,常に 先導され,ご教示 いただき ま した京都大学工学研 究 科 伊 藤 紳三郎助教授に心から感謝 の意を表します.また,京 都大学大岡正孝技官,大北 英生博士 にも多くの面で大変お世話に なりました.心から御礼申し 上げます. 長年にわたり西島・山本研究 室で研究をすすめる上で,京 都大学 故藤本徳、治先生,武庫 川 女 子 大 学 小 野 木 禎 彦 教 授 , 岐 阜 大 学 土 田 亮 助 教 授 に い ろ い ろ とご教示,ご討論いただ きました.深く感謝申し上 げます.研究室で共に学び ,本研究の進展にもご協力 ,ご援助 いただきました尾浴秋忠氏(東洋紡),福井大学椿山教治助教授,後藤哲哉博士(東レ), 足利一男博士(デュポンジャ パン),京都大学化学研究所 辻井敬亘博士,片山秀昭博士 (目 立製作所)に敬意を表します. 大 阪 市 立 大 学 米 津 義 朗 教 授 , 京 都 大 学 佐 藤 智 生 博 士 , 京 都 工 芸 繊 維 大 学 帰 山 享二教授, 同塚原安久助教授にもご教 示ご助言をいただきました .厚く御礼申し上げます. また,勤務先の旧京都工芸 繊維大学工業短期大学部お よび京都工芸繊維大学工芸 学部の 諸先生,職員の皆様にもいろ いろとご指導ご協力いただき ました.特に, 京都 工芸繊維大 学名誉教授田中俊夫先生, 京都工芸繊維大学岩崎仁博 士には長年の間公私にわた り大変 お世話になりました.この機 会に皆様に厚く御礼申し上げ ます. た また,研究室の卒業生諸氏 ,勉学中の諸君にも研究の 進展に負う所多く,深く感 謝し、 します. 1998年 l月 8 1 1 9 1 1