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観光立国実現に向けた 取組みの進捗状況
参 考 観光立国実現に向けた 取組みの進捗状況 平成19年6月1日 観光立国推進戦略会議 課題1:国際競争力のある観光地づくり 提言番号:1 【提言1】 国は、国際競争力のある観光地づくりに意欲を燃やす地域の、具体的な戦略の策定と実行に向けた取組みを支援する。国際競争力のある面的観光地づくりの構想策定を公募 し、これへの支援を行うこととする。さらに、その実現に向けて、関係省庁は、観光立国に関する既存・新規の政策メニューを活用して、適切な支援を行う。 これまでの取組み(平成19年5月31日まで) 内閣府は、地域再生法に基づき、観光関係の取組を内容とするものを含む累計868 件の地域再生計画を認定し、各種支援措置により、支援を実施した。また、地域再生 本部は、平成19年2月28日に、「観光に関する人材の育成」や「外国人観光客の訪 日促進と魅力ある観光地・観光産業の創出」等の支援措置を盛り込んだ地域再生総 合プログラムを決定した。同年4月27日には、当該プログラム及び同年3月の地域再 生法の改正を反映するため、地域再生基本方針の改定を閣議決定した。 今後の取組み(平成19年6月1日以降) 内閣官房は、改定された地域再生基本方針に基づき平成19年6月中に第5次地域 再生の提案受付を実施する。また、内閣府は、同年7月中を目途に第7回地域再生 計画の認定を実施する。 文部科学省は、教育、文化及びスポーツを通じた各地域の特色ある地域づくりについ 文部科学省は、引き続き、教育、文化及びスポーツを通じた各地域の特色ある地域 ての情報を提供するなどの支援を実施した。 づくりについての情報を随時提供するなどの支援を実施する。 農林水産省は、「元気な地域づくり交付金」により、地域資源を活用した交流拠点の 整備等について支援を行った。 農林水産省は、「農山漁村活性化プロジェクト支援交付金」により、グリーン・ツーリズ ムの振興に取組む地域を支援する。 経済産業省は、平成18年度「サービス産業創出支援事業(観光・集客サービス)」と して、観光・集客サービス産業の事業革新による競争力の向上を図るため、顧客ニー ズや地域の観光資源の特性を踏まえた新サービスを提供する先導的な取組を支援し た。全国125件の応募の中から、18件を事業化支援プロジェクトとして選定した。ま た、平成19年3月22日∼23日に「サービス産業創造フォーラム」を開催し、本事業 の成果について幅広く普及を行った。 経済産業省は、「ビジネス性実証支援事業」として、地域の観光・集客サービス産業 において、観光旅行者のニーズや地域の観光資源の特性を踏まえて新サービスを提 供する先導的な取組みの支援を行う。また、経済産業省は、「広域・総合観光集客 サービス支援事業」として、地域の特色ある産業などを観光資源として集客強化に結 びつけ、観光・集客サービスの競争力を強化する取組みの支援を行う。 国土交通省は、平成17年に策定した「みなと観光交流促進プロジェクトガイドライン」 国土交通省は、平成17年度、平成18年度の「モデル港」で策定された行動計画の に基づき、「モデル港」を平成17年度、平成18年度それぞれ10港(箇所)選定し、今 実行状況を継続的に把握するとともに、旅行商品化を支援するため、旅行業界、旅客 後の行動計画策定に向けた協議会での検討や社会実験の実施を支援した。 船業界等との連携を推進する。 国土交通省は、平成17年度より、情報提供や人材育成事業に対する支援、観光地 国土交通省は、地域に根付く産業等の観光化を進める「民」の活力を基本とした「手 域づくりに関する調査等、地域の民間と行政が一体となった観光振興の取組みとして づくり観光サービスの創造」及びリピーターの増加に資する「外客満足度向上」を新た 「観光ルネサンス事業」を実施した。その総合的な支援措置として、民間組織が実施 に重点分野として位置づけ、集中的に支援する。 する地域観光振興事業に要する経費の一部を補助する「観光ルネサンス補助制度」 を創設した。また、平成18年度は新規に8件を選定し、平成19年度は新規に10件を 選定した。(17年度からの累計は31件)。 国土交通省は、斬新かつ先進的で地域の創意・工夫が生かされた優れた観光地づく 国土交通省は、「全国都市再生モデル調査」を活用し、国際競争力のある面的観光 りの提案を選定し、策定主体による構想策定のためのデータ収集、市場調査、原案 地の構想づくりの支援を実施する。 策定作業等を支援した。また、これら構想について広く全国に情報発信することを通 じて、「国際競争力のある観光地づくり」を目指す地域の模範として全国に波及させる とともに、創意・工夫を生かした観光地づくりに関する競争を全国で活発化させること を目的として、「観光みらいプロジェクト」を実施した。平成18年度は、51件の応募の 中から7件を選定した。 国土交通省は、地域による熱意と創意工夫に溢れた魅力的な観光地づくりへの取組 みの一部を紹介し、関係者の参考となるような事例集として、平成18年8月に「地域 いきいき観光まちづくり−100−」を作成した。海外にも紹介するため4言語に翻訳し 公表している。 1 ページ 提言番号:2∼6 【提言2】 提言内容:地域や産業界は、釣り、そば打ち、陶芸、料理、ヨット、ゴルフ、踊り、スポーツ観戦、観劇、健康、産業、歴史・文化探訪などを観光客が楽しむことができるよう、時間 消費型・体験型の観光コンテンツを充実させる。 【提言3】 国・地域は、漁業とレクリエーションが調和した水面や海岸施設の利用を推進し、海洋スポーツや観光・体験漁業等のレクリエーションスペースを確保する。 【提言4】 国・地域は、エコツーリズム、グリーン・ツーリズムなどに資する自然学習型、農村などを舞台とした体験・参加型、温泉などを活用した健康づくり型の観光資源を発掘する。 【提言5】 国・地域は、近代の街なみ、産業遺産、産業施設を観光資源として積極的に活用する。 【提言6】 国・地域は、適切な保存に留意しつつ、ユネスコ世界遺産や文化財、皇室関連施設を観光資源としても活用する。 これまでの取組み(平成19年5月31日まで) 今後の取組み(平成19年6月1日以降) 内閣府は、沖縄の特性を活かした滞在型、参加型観光を促進し、地域の活性化を図 内閣府は、引き続き「沖縄体験滞在交流促進事業」を実施する。 るため、地域外の住民が沖縄の恵まれた自然や独特の伝統文化を体験し、沖縄の住 民との交流を図ることができるように、市町村が地域住民の創意、工夫を活かして行 う事業を支援する「沖縄体験滞在交流促進事業」を実施した。 農林水産省は、平成19年3月に、ホテル、旅館などの観光施設や産地直売所が行う 農林水産省は、農業、商工、観光、学校等地産地消関係者が一丸となって地域全体 「地産地消」の取組みの優良事例について、表彰を行った。 で地産地消に取り組む地域に対し、協議会の開催や広報活動の支援や地産地消の 推進拠点となる施設の整備を支援する。また、ホテル、旅館などの観光施設や産地 直売所が行う「地産地消」の取組みの優良事例について、表彰を平成20年2月に行 う。 農林水産省は、国民の保健・文化・教育的利用を推進するため、森林管理局長が国 農林水産省は、引き続き、国民の保健・文化・教育的利用を推進するため、森林管理 有林の中から選定した「レクリエーションの森」を、森林浴、自然観察、野外スポーツ 局長が国有林の中から選定した「レクリエーションの森」を、森林浴、自然観察、野外 等、人と森林とのふれあいの場として広く国民に提供することにより、森林レクリエー スポーツ等人と森林とのふれあいの場として広く国民に提供することにより、森林レク ション活動のための利用及び地域の振興を推進した。 リエーション活動のための利用及び地域の振興を推進する。 経済産業省は、平成18年度「サービス産業創出支援事業(観光・集客サービス)」と して、観光・集客サービス産業の事業革新による競争力の向上を図るため、顧客ニー ズや地域の観光資源の特性を踏まえた新サービスを提供する先導的な取組を支援し た。全国125件の応募の中から、18件を事業化支援プロジェクトとして選定した。ま た、平成19年3月22日∼23日に「サービス産業創造フォーラム」を開催し、本事業 の成果について幅広く普及を行った。 経済産業省は、「ビジネス性実証支援事業」として、地域の観光・集客サービス産業 において、観光旅行者のニーズや地域の観光資源の特性を踏まえて新サービスを提 供する先導的な取組の支援を行う。また、経済産業省は、「広域・総合観光集客サー ビス支援事業」として、地域の特色ある産業などを観光資源として集客強化に結びつ け、観光・集客サービスの競争力を強化する取組みの支援を行う。 経済産業省は、我が国への外客誘致を行う上で、特に、外国人富裕層(ラグジュア リー層)をターゲットとして誘致するビジネスモデルを構築するため、平成18年度にお いて「ラグジュアリー・トラベルマーケット調査事業」として、このようなラグジュアリー層 の訪日ニーズを把握するための調査を実施するとともに、今後の日本のプロモーショ ン活動のあり方、ラグジュアリー層の受け入れ体制の整備について検討する「ラグ ジュアリー・トラベルマーケット研究会」を国土交通省との共催により開催した。また、 旅館、料亭、芸術等の有識者によるアドバイザー会議を開催し、今後の日本のプロ モーション活動のあり方、受入体制の整備のあり方についての検討を行った。 経済産業省は、平成18年度の検討を踏まえ、ラグジュアリー層向けのプロモーショ ン、ラグジュアリー層受け入れのための「和」の本物のコンテンツのネットワーク化を 推進する。 国土交通省は、経済産業省、(独)国際観光振興機構(JNTO)とともに、ビジット・ジャ パン・キャンペーンの一環として、フランス・カンヌで開催される「International Luxury Travel Market」への民間等の出展を支援する。 経済産業省は、産業遺産が地域における産業・技術の発展に対し果たしてきた役割 やその価値を広く国民に周知するため、国内外の有識者を招聘し、平成18年10月 末に「近代化産業遺産ネットワークシンポジウム」を開催した。また、平成19年4月に 有識者からなる産業遺産活用委員会を立ち上げ、産業遺産を活用した地域活性化を 図る観点から、優れた価値を有する産業遺産を認定・普及すべく検討を開始した。 経済産業省は、産業遺産を活用した地域活性化を図るため、平成19年9月末を目途 に優れた価値を有する産業遺産を認定する。また、認定された産業遺産を広く普及す るため、平成19年10月末頃にシンポジウムを開催する。さらに、認定された産業遺 産を活用して地域活性化に積極的に取り組んでいる地域について顕彰等を行う。 国土交通省は、広場、海浜、旅客ターミナル、交流施設など「みなと」の施設やスペー スを活用した住民参加型の継続的な地域振興の拠点となる「みなとオアシス」認定制 度の全国展開を推進しており、平成19年5月までに東北地方10港、北陸地方5港、 中部地方1港、中国地方3港、四国地方9港、九州地方3港の計31港の登録を行っ た。 国土交通省は、平成17年度より、情報提供や人材育成事業に対する支援、観光地 域づくりに関する調査等、地域の民間と行政が一体となった観光振興の取組みとして 「観光ルネサンス事業」を実施した。その総合的な支援措置として、民間組織が実施 する地域観光振興事業に要する経費の一部を補助する「観光ルネサンス補助制度」 を創設した。また、平成18年度は新規に8件を選定し、平成19年度は新規に10件を 選定した。(17年度からの累計は31件)。 国土交通省は、引き続き、「みなとオアシス」認定制度の全国展開を推進するため、 各地方で制度化に向けた検討を行う。また、新たに制度化する地方においては、順次 「みなとオアシス」の登録申請や事前相談などを受け付ける。 2 ページ 国土交通省は、地域に根付く産業等の観光化を進める「民」の活力を基本とした「手 づくり観光サービスの創造」及びリピーターの増加に資する「外客満足度向上」を新た に重点分野として位置づけ、集中的に支援する。 国土交通省は、平成17年7月から「文化観光懇談会」を設置し、文化観光の振興に 国土交通省は、引き続き、文化観光懇談会やモデルツアー等を実施し、日本の風 ついて検討を行うとともに、日本の風土、文化又は歴史を内外に発信するためのモデ 土、文化又は歴史を外国人にわかりやすく解説するための手法の検討を行う。 ルツアー等を実施した。 国土交通省は、産業観光を推進するため、産業関係者や観光関係者からなる産業観 国土交通省は、引き続き、産業観光推進にあたっての方策について検討を行う。 光推進懇談会を平成18年10月に立ち上げ、産業観光推進にあたっての課題の整 理や推進方策について検討した。また、全国産業観光推進協議会等によって「全国 産業観光フォーラム」が毎年1回開催され、産業遺産、産業施設等の観光資源として の活用が促進された。 国土交通省は、ヘルスツーリズム推進事業の一環として、平成18年11月にヘルス ツーリズム・シンポジウム及び糖尿病患者を対象としたモニター・ツアーを実施した。 また、平成19年3月に人工肛門患者を対象としたモニター・ツアーを実施した。 国土交通省は、引き続き、ヘルスツーリズムの課題の整理及び推進方策について検 討を行う。 国土交通省は、外国人観光客がライブエンターテイメントに接する機会を増やすため 国土交通省は、引き続き、多種多様なライブエンターテイメントに外国人観光客が接 の方策として、「歌舞伎」、「文楽」、「伝統音楽」について英語で紹介するリーフレット する機会を増やすための方策を講じる。 を作成し、外国人総合観光案内所(TIC)、ビジット・ジャパン案内所、(社)日本ホテル 協会等に配布した。 国土交通省は、「国内ロングステイ」及び「二地域居住」の推進のため、九州5地域に 国土交通省は、長期滞在型観光、エコツーリズム、ヘルスツーリズム等の地域独自の おいて1週間∼1ヶ月程度の長期滞在型観光に係るモニター・ツアーの実施等を内容 魅力を活かした「ニューツーリズム」の創出と流通を促進するため、データーベースの とする「こだわりステイ1week」推進事業を実施した。 構築や実証事業の実施等により「ニューツーリズム」市場の形成を支援する。 農林水産省は、平成18年10月から11月にかけて全国を5ブロックに分け、各ブロッ クが直面する課題への効果的な取組みについての検討や情報等の共有化を図り、 漁業と海洋性レクリエーションとの調和のとれた海面利用を進めるための会議を開催 した。平成18年度に新たに2箇所のフィッシャリーナの供用を開始し、全国で合計27 箇所のフィッシャリーナで遊漁船や小型船舶等の収容を行い、また、地方公共団体、 水産業協同組合等による交流基盤等の施設整備に対し支援を行った。 農林水産省は、引き続き、フィッシャリーナの整備を通じて遊漁船や小型船舶等の適 正な収容を促進するとともに、プレジャーボート保管情報提供ホームページ「海覧版」 によりフィッシャリーナ等の施設情報を提供し、その適正な利用を促進する。また、地 方公共団体、水産業協同組合等による交流基盤等の施設整備に対し支援する。 国土交通省は、全国60ヶ所で供用(平成19年3月末)されているボートパーク等の 簡易な係留・保管施設へのプレジャーボート等の小型船舶の収容を促進するととも に、ボートパークの整備を推進した。また、プレジャーボート保管情報提供ホームペー ジ「海覧版」により、ボートパーク等の施設情報を提供し、その適正な利用を促進し た 国土交通省は、全国96ヶ所(平成19年5月末)あるマリンレジャー振興拠点「海の 駅」において、自治体、関係団体等との連携により、親水イベント(体験乗船会等)の 開催に必要な支援を行うとともに、地域観光情報等の提供を促進した。 国土交通省は、引き続き、ボートパーク等の簡易な係留・保管施設へのプレジャー ボート等の小型船舶の収容を促進するとともに、ボートパークの整備を推進する。ま た、プレジャーボート保管情報提供ホームページ「海覧版」により、ボートパーク等の 施設情報を提供し、その適正な利用を促進する。 国土交通省は、引き続き、「海の駅」において、自治体、関係団体等との連携により、 親水イベントの開催、クルージングネットワークの拡大に必要な支援を行うとともに、 地域観光情報等の提供を促進する。 文部科学省、国土交通省、環境省は、「子どもの水辺再発見プロジェクト」を推進して 文部科学省、国土交通省、環境省は、引き続き、学習拠点の登録等を推進する。 おり、水辺の自然環境の学習拠点として延べ416箇所を登録した。 農林水産省は、農山漁村情報をインターネットで検索できるデーターベースの整備、 農林水産省は、子どもたちの農林漁業体験施設の整備等について取り組む地域を 子どもたちの農林漁業体験活動の促進、農家民宿の経営者等の人材の育成や農林 「農山漁村活性化プロジェクト支援交付金」等により支援する。 漁業体験施設の整備等について「元気な地域づくり交付金」等により支援を行った。 農林水産省は、グリーン・ツーリズムを通じた外国人旅行者の受入に意欲のある農山 漁村地域のサポートや在日外国人の活用の仕組みの検討等を行う民間団体を広域 連携共生・対流等対策交付金により公募し、支援する。 農林水産省は、教育分野との連携や学校の内外における森林・林業体験活動の支 援体制整備等により森林環境教育を推進するとともに、里山林等の森林整備や保 全・利用活動等を推進するための取組みについて交付金等により支援を行った。 3 ページ 農林水産省は、引き続き、教育分野との連携や学校の内外における森林・林業体験 活動の支援体制整備等により森林環境教育を推進するとともに、里山林等の森林整 備や保全・利用活動等を推進する。 経済産業省は、中小企業の地域資源を活用した事業展開に対する総合的な支援策 経済産業省は、「中小企業地域資源活用プログラム」を創設し、予算、税、融資等に を平成19年度から立ち上げるべく、関係省との連携方策をとりまとめた。これに基づ よる総合的な支援策を実施する。 き、地域の優れた支援人材や先駆的な経営者を「地域中小企業サポーター」として委 嘱するとともに、地域における運動の盛り上げのため地域中小企業サポーターズサ ミットを各地で開催した。また、「中小企業による地域産業資源を活用した事業活動の 促進に関する法律」を平成19年5月11日に公布した。 環境省は、エコツーリズムのより一層の普及・定着に向けた展開を図るため、以下の 施策を総合的に実施した。 ①エコツアー総覧:エコツアー等の情報をインターネットで配信。 ②エコツーリズムモデル事業:全国13地区においてモデル事業を実施。 ③エコツーリズムフォーラム:JATA世界旅行博において、世界遺産地域のエコツーリ ズムを中心に、エコツーリズムをテーマとするフォーラムを開催。 ④平成18年度エコツーリズムシンポジウム:第2回エコツーリズム大賞(大賞1団体、 優秀賞3団体、特別賞6団体)の選定及び環境大臣表彰式等 環境省は、エコツーリズムの推進に向け、新たな施策を加えた一層の取組みにより、 エコツーリズムの普及・定着に向けた展開を図る。 ①エコツーリズム啓発事業:旅行関係の博覧会への出展、Web情報「エコツアー総 覧」の英語版作成などの充実等。 ②エコツーリズムのノウハウ確立事業:世界的レベルでの自然の保全・管理が求めら れる地域でのエコツーリズムの推進、特に優れた事例の環境大臣表彰、エコツーリズ ム推進セミナーの開催、エコツーリズムマニュアルの改訂等。 ③エコインストラクター人材育成事業:自然学校のインストラクターやエコツアーガイド の育成(再チャレンジ関連施策) ④エコツーリズム地域の取組支援事業:国立公園やラムサール登録湿地におけるエ コツーリズムの仕組みづくり等。 国土交通省は、地方ブロックごとに観光カリスマや学識経験者、旅行会社等からなる 国土交通省は、引き続き、「観光まちづくりアドバイザリー会議」が集中的なコンサル 「観光まちづくりアドバイザリー会議」を設置し、地域の要請に応じて観光まちづくりに ティングを行う「観光まちづくりコンサルティング事業」を実施する。 関するアドバイス等を行うとともに、地方ブロックごとに1∼3地域を選定して集中的な コンサルティングを行う「観光まちづくりコンサルティング事業」を実施した。 文部科学省は、39府県の「近代化遺産(建造物等)総合調査」と、23都道府県の「近 代和風建築総合調査」を支援するとともに、全国を対象とした「近代遺産に関する調 査」を実施した。近代化遺産と近代和風建築を含む近代の建造物231件を「重要文 化財」に指定し、4,970件を「登録有形文化財」に登録した。また、近代の経済・産業 関連遺跡を含む近代遺跡21件を「史跡」に指定し、2件を「登録記念物」に登録した。 文部科学省は、国民共有の財産である近代の遺産について適切な保存・活用を図る ため、引き続き、建造物については都道府県が行う「近代化遺産(建造物等)総合調 査」及び「近代和風建築総合調査」を支援するとともに、遺跡については、「近代遺跡 の調査等に関する検討会」で、その調査・検討を実施する。また、引き続き、近代化遺 産や近代和風建築、近代遺跡等を「重要文化財」、「史跡」等に指定、登録するととも に、近代のまちなみを含む「重要伝統的建造物群保存地区」を選定し、その保存整備 に対して必要な措置を実施する。 文部科学省は、近代の町並みを含む「重要伝統的建造物群保存地区」を79地区選 定し、これらの保存整備に対して必要な措置を実施した。 文部科学省は、「NPO等による文化財活用事業」を実施し、民間団体による近代の建 造物の保存と活用を推進する。また、 近代化遺産の保存活用に関する適正かつ円 滑な事業に資するために、「近代化遺産の修理等に係る指針策定事業」を実施する。 国土交通省は、我が国固有の文化遺産や自然環境等の保護・活用を図るため、ナ ショナルトラスト活動団体が行う対象資産等の取得、修復、保全、整備、このための 調査、ナショナルトラスト事業に必要な募金活動の展開及び観光資源や自然環境の 保護・活用の意義の普及・啓発等の諸活動に対する支援を行うとともに、税制優遇措 置、普及・啓発等の施策を通じその推進を図った。 国土交通省は、引き続き、我が国固有の文化遺産や自然環境等の保護・活用を図る ため、ナショナルトラスト活動団体が行う対象資産等の取得、修復、保全、整備、この ための調査、ナショナルトラスト事業に必要な募金活動の展開及び観光資源や自然 環境の保護・活用の意義の普及・啓発等の諸活動に対する支援を行うとともに、引き 続き、税制優遇措置、普及・啓発等の施策を通じその一層の推進を図る。 近代化遺産を有する全国の自治体によって、近代化遺産の保存・活用を推進するこ 「全国近代化遺産活用連絡協議会」は、引き続き、シンポジウムの開催や「近代化遺 とを目的に設立された「全国近代化遺産活用連絡協議会」は、平成18年7月には兵 産全国一斉公開事業」を実施する。 庫県朝来市においてシンポジウムを、10月20日の「近代化遺産の日」には「近代化 遺産全国一斉公開事業」を実施した。 財団法人日本ナショナルトラストは、旧安田邸(東京都文京区)や駒井家住宅(京都 財団法人日本ナショナルトラストは、引き続き、国民的財産として後世に継承するに 市左京区)の修復と公開、静岡県大井川鉄道においてSLの動態保存等を行うなど、 足りる文化財や観光資源等の保存・活用を行う。 国民的財産として後世に継承するに足りる文化財や観光資源等の保存・活用を行っ た。 4 ページ 内閣府は、平成18年度に世界遺産を活用した地域づくりを行う沖縄県内3市町村 (那覇市、浦添市及び中城村)において、史跡の復元等の整備を行い、観光客の利便 性の向上等を図る「世界遺産周辺整備事業」を実施した。 宮内庁は、皇室関連施設を観光資源として活用すべく以下の取組みを行った。 ・皇居・京都御所等の参観 ・皇居東御苑(三の丸尚蔵館を含む。)及び正倉院「正倉」外構の一般公開 ・皇居一般参観における、外国人向けとして英語・中国語・韓国語のパンフレット配布 ・皇居一般参観・京都地区桂離宮参観・修学院離宮参観における、英語による音声ガ イドシステム導入 ・ホームページ(英語版あり)における参観等の情報提供、インターネットによる参観申 込み受付 ・正倉院「正倉」の案内板(英語併記)の改修、カラー写真導入 文部科学省は、平成19年5月末現在、文化財保護法に基づき「重要文化財(12,56 1件)」、「重要無形文化財(107件)」、「史跡・名勝・天然記念物(2,814件)」、「重 要文化的景観(2件)」、「重要伝統的建造物群保存地区(79件)」を指定、選定すると ともに、その適正な保存と活用に必要な支援措置を講じている。 宮内庁は、平成19年度から、4月15日∼8月末日までの間の皇居東御苑及び三の 丸尚蔵館の公開時間をそれぞれ30分延長する。 文部科学省が中心となって文化、自然の遺産を推薦し、平成19年5月までに、ユネ スコの世界遺産一覧表に13件(文化遺産10件、自然遺産3件)の我が国の遺産が 記載された。 文部科学省は、暫定リストに記載されている文化遺産について、地方公共団体が行う 推薦に向けての取組みを支援する。 文部科学省は、「文化審議会文化財分科会世界文化遺産特別委員会」を設置し、世 界遺産暫定一覧表への記載の追加に取り組んだ。地方公共団体から提案を受け付 け、審議・選定作業を経て、平成19年1月に4件を暫定一覧表へ追加記載した。その 結果、日本の世界遺産暫定一覧表の記載件数は、文化遺産8件となった。なお、この うち平成18年1月、「石見銀山遺跡」の推薦書を、また、同年12月、「平泉の文化遺 産」の推薦書をユネスコ世界遺産センターへ提出した。 文部科学省は、「文化審議会文化財分科会世界文化遺産特別委員会」を設置し、世 界遺産暫定一覧表への記載の追加に取り組んでおり、平成19年度においても、暫定 一覧表記載候補物件について、地方公共団体からの新規提案を受け付け、同時に 平成18年度において提案がなされ、調査・審議の結果、継続審議となった20件につ いても、暫定一覧表記載に向けて、地方公共団体の取組みを支援しつつ、世界文化 遺産特別委員会において検討する。 文部科学省は、引き続き、「重要文化財」等を指定・選定し、その適正な保存と活用に 必要な支援措置を講じる。 文部科学省は、我が国を代表する文化遺産であり、世界遺産にも登録されている特 文部科学省は、国宝をはじめとする文化財の適切な保存とその公開を図る「国立博 別史跡平城宮跡において、昭和53年より宮跡全体を遺跡博物館として保存整備を進 物館」の整備充実に努める。また、「ふるさと文化再興事業」等の推進や、歌舞伎、能 めている。 楽、文楽、組踊など我が国の伝統芸能等を行う「国立劇場」の整備充実などの施策を 通じて、伝統芸能の保存及び活用に努め、必要な措置を講じる。さらに、平成13年度 から着手している特別史跡平城宮跡第一次大極殿院の中心的建物である正殿の復 原工事の推進を図る。 国土交通省は、皇室関連施設参観等のための「一般参賀・参観等のご案内」リーフ 国土交通省は、皇室関連施設参観等のための「一般参賀・参観等のご案内」リーフ レットの多言語化版(韓国語版、中国語版(繁体字、簡体字))を作成し、外国人総合 レットの多言語化版をさらに、ビジット・ジャパン案内所(160ヶ所)に配付する。 観光案内所(TIC)、成田、関西、中部及び羽田の各国際空港において訪日外国人旅 行者に配布した。 環境省は、屋久島、白神山地、知床の各自然遺産地域の管理を適正に実施するとと もに、自然環境や利用状況に関する調査研究、普及啓発を実施した。また、知床にお いて利用適正化に向けた検討を行うとともに、普及啓発や保全管理の活動拠点とな る知床世界遺産センター(仮称)の整備に向けた基本構想作りを実施した。 環境省は、引き続き屋久島、白神山地、知床の各自然遺産地域の管理を実施すると ともに、知床において普及啓発や保全管理の活動拠点となる知床世界遺産センター (仮称)の整備に着手する。また、世界的レベルでの自然の保全・管理が求められる 地域におけるエコツーリズムの推進を図る。 環境省は、新たな世界自然遺産の登録に向けた条件整備を関係機関と連携して進 め、平成平成19年1月に世界遺産条約に基づく我が国の「暫定一覧表」に、自然遺 産として「小笠原諸島」を記載した。 環境省は、「小笠原諸島」の推薦に向け、外来種対策などを実施するとともに、新たな 世界自然遺産の登録に向けた条件整備を関係機関と連携して進める。 5 ページ 提言番号:7∼10 【提言7】 国・地域は、人と自然の美しい共生の姿や日本の文化の魅力を発揮しうる中山間地域の棚田など農山村特有の景観を保全する。 【提言8】 国・地域は、歴史的古都や伝統的街なみの保存、緑地の整備・買収、広告・看板の規制、表彰制度の活用等により、都市景観の向上を図る。 【提言9】 国・地域・電線管理者等は、無電柱化を推進する。 【提言10】 国・地域は、道路景観を向上させるとともに、歩行者が快適に歩き回れるような道路を整備する。 これまでの取組み(平成19年5月31日まで) 今後の取組み(平成19年6月1日以降) 文部科学省は、平成18年1月に「近江八幡の水郷」(滋賀県近江八幡市)を、平成1 文部科学省は、引き続き、「重要文化的景観」、「重要伝統的建造物群保存地区」の 8年7月に「一関本寺の農村景観」をそれぞれ重要文化的景観に選定した。また、文 選定を行うとともに、その保存・活用に対して必要な措置を講じる。 化的景観に係る調査、保存計画策定、整備、普及・啓発の事業を国庫補助により行 い、重要文化的景観・文化的景観の保存・活用を図った他、全国で79地区となった 重要伝統的建造物群保存地区の保存整備に対して必要な措置を実施した。 農林水産省、国土交通省、環境省は、景観法の基本理念の普及、良好な景観形成に 農林水産省、国土交通省、環境省は、引き続き、景観法の施行日である6月1日に、 関する国民の意識啓発を目的として、同法の施行日である6月1日を、「景観の日」と 「日本の景観を良くする国民運動推進会議」全国大会を開催する。 して制定。同日に「日本の景観を良くする国民大会」を約1,000人規模で開催した。 農林水産省は、景観法に基づく景観農業振興地域整備計画の定着を図るため、景観 農林水産省は、景観農業振興地域整備計画の策定に向けた地方自治体の推進体制 形成に積極的に取り組んでいる市町村を対象に、ワークショップ等を定期的に開催す を知識の普及や情報の提供等によって積極的に支援するなど、美しい景観の保全・ るなど、体制づくりを支援した。 形成に向けた取組みを図る。 農林水産省は、多様な主体の参画による美しい村づくりや地域の創造力を活かした 農林水産省は、引き続き、多様な主体の参画による美しい村づくりや地域の創造力を 村づくりを推進するため、農業生産基盤の整備と併せた農村の生活環境の総合的な 活かした村づくりを推進するため、農業生産基盤の整備と併せた農村の生活環境の 整備などにより、魅力ある農村の形成を支援した。 総合的な整備などにより、魅力ある農村の形成を支援する。 農林水産省は、農村の豊かな自然、美しい景観、伝統文化等を再評価し、農村の活 農林水産省は、引き続き、農村の豊かな自然、美しい景観、伝統文化等を再評価し、 性化に資する伝統的農業施設や景観などの保全・活用等に配慮した整備を実施し 農村の活性化に資する伝統的農業施設や景観などの保全・活用等に配慮した整備 た。 を実施する。 農林水産省は、農林水産業の活性化を図るとともに、歴史・伝統文化・自然環境等地 域固有の特性を活かした市町村等の自主的取組みをアドバイザー(有識者)の派遣 や研修会の実施等によって支援することにより、棚田地域の保全等を含めた個性あ る地域づくりを推進した。 農林水産省は、引き続き、農林水産業の活性化を図るとともに、歴史・伝統文化・自 然環境等地域固有の特性を活かした市町村等の自主的取組みをアドバイザー(有識 者)の派遣や研修会の実施等によって支援することにより、棚田地域の保全等を含め た個性ある地域づくりを推進する。 全国では景観法に基づく景観計画が47計画(平成19年5月1日現在)策定されてお り、古都保存法に基づく歴史的風土保存区域が32地区(20,083ha:平成18年3 月31日現在)、都市計画法の地域地区として景観地区が18地区(平成19年5月1 日現在)指定され、歴史的古都や伝統的街なみの保存が図られている。また、良好な 自然環境を保全するため、都市計画法の地域地区として風致地区が745地区(16 9,511ha:平成18年3月31日現在)、都市緑地法に基づく特別緑地保全地区が3 40地区(2,000ha:平成18年3月31日現在)指定されている。さらに、平成19年4 月1日現在、全47都道府県、全15政令市、全37中核市及び景観行政団体8市町に おいて、屋外広告物条例が制定されており、広告・看板の規制が行われている。 国土交通省は、引き続き、景観計画の策定をはじめとした景観法に基づく良好な景観 形成の推進を図るとともに、基本理念などの普及啓発、多様な主体の参加を図るた めの景観に関する教育の充実、先進的な取組事例に関する情報提供、専門家の育 成などソフト面での支援策について充実を図る。また、制度の運用に関する国の考え 方を示した技術的指針等の効果的な活用により、美しく緑豊かで暮らしやすい地域づ くり、まちづくりを図る。 国土交通省は、平成18年6月1日に「日本の景観を良くする国民大会」において、都 国土交通省は、引き続き、平成19年度も都市景観大賞「美しいまちなみ賞」を実施 市景観大賞「美しいまちなみ賞」の表彰を行った。また、「日本の歴史公園100選」や し、その表彰を6月1日に行う。 「美しい日本の歴史的風土100選」の選定を行った。 国土交通省は、地域の景観上重要であって特に交流人口の拡大の効果が大きく見 込まれる、景観法に基づく景観重要建造物及び景観重要樹木の保全活用を中心とし た取組みを支援する。 国・地方公共団体・電線管理者等は、「無電柱化推進計画」(平成16∼20年度)に基 国・地方公共団体・電線管理者等は、引き続き、面的な無電柱化を推進するととも づき、市街地の幹線道路に加えて、歴史的街並みを保存すべき地区等における主要 に、一層のコスト縮減への取組み等を実施する。(市街地の幹線道路における無電柱 な非幹線道路も含めて面的に無電柱化を推進するとともに、構造等の見直しによる 化率:平成19年度末目標 15%) 一層のコスト縮減への取組み等を実施した。(市街地の幹線道路における無電柱化 率:平成17年度末 11%) 6 ページ 国土交通省は、「日本風景街道戦略会議」を平成17年12月に設置。ルートを公募 国土交通省は、日本風景街道戦略会議提言「日本風景街道の実現に向けて 提言」 し、委員による現地視察等を踏まえ、「日本風景街道」の理念・仕組み・制度を検討し を踏まえ、「日本風景街道」の制度・仕組みを構築し、活動を本格的に全国展開する。 た。 国土交通省は、平成8年度から「ウォーキング・トレイル事業」を継続的に実施し、現 国土交通省は、引き続き、地方公共団体が実施する歩行者専用道路等の整備を、 在までに66箇所において歩行者専用道路等の整備事業を実施した(事業中を含 「ウォーキング・トレイル事業」等により推進する。 む)。 国土交通省は、地域住民、NPO等と行政が道路とその周辺の地域資源を保全・改善 国土交通省は、引き続き、地域発案によるルート運営活動計画に基づき運営される することによって「美しい景観づくり」、「活力ある地域づくり」、「魅力ある観光空間づく 「シーニックバイウェイ北海道」を推進する。 り」を行うシーニックバイウェイ北海道を推進。平成18年度は新たに3つの本ルートと 3つの候補ルートがシーニックバイウェイ北海道推進協議会より指定され、合わせて6 つの本ルートと3つの候補ルートにおいて活動を実施した。 提言番号:11∼14 【提言11】 国・地域・産業界は表彰制度等により食・土産品などの地域ブランドを振興する。 【提言12】 地域は、顧客の視点から宿泊施設を評価した情報提供を行う。また、格付け等について検討する。 【提言13】 国は、各地の評判の高い特産品・料理等の分野でのブランド化に向けての取組みを支援する方策やこうした地域ブランドの制度的な保護の方策につき検討する。 【提言14】 地域は、日本人のポップカルチャーや精神生活を代表するような素材(アニメ、回転寿司、マグロのせり、禅、武道、相撲、映画ロケ地、祭り等)を体験できる環境づくり・受入れ 態勢づくりに努力する。 これまでの取組み(平成19年5月31日まで) 今後の取組み(平成19年6月1日以降) 知的財産戦略本部は、「知的財産推進計画2007」を平成19年5月31日に決定し、 知的財産戦略本部は、「知的財産推進計画2007」のフォローアップを行い、進捗状 知的財産に関する関係府省の施策をとりまとめた。 況の把握や追加すべき課題等について検討を行い、改訂される推進計画に反映す る。 農林水産省は、地域で生産される農林水産物の加工利用等を通じて、地域産業の発 農林水産省は、引き続き、「優良ふるさと食品中央コンクール」及び「ふるさと食品全 展・育成に顕著な成果を上げた食品を「優良ふるさと食品」として表彰する事業を昭和 国フェア」を実施し、地域食品のブランド振興を支援する。 63年から実施している。平成18年度は、農林水産大臣賞4点他、計24点の表彰を 実施した(平成19年3月22日)。また、「優良ふるさと食品全国フェア(食品産業セン ター主催、農林水産省後援)」を3月22日から3日間開催して、地域食品のPRや商 談の機会の場を提供した。 経済産業省は、地域ブランドの成功のポイント等を明確に示し、地域ブランドづくりの 意識を喚起する「地域ブランドアドバイザー・フォーラム」を全国各地域で開催。平成1 8年度におけるフォーラム開催は30回。また、商工会・商工会議所等と地域の事業者 等が一丸となって、地域の伝統的な技術や素材などの資源を活かした新たな商品開 発や海外展開等を行うプロジェクトを総合的に支援する「JAPANブランド育成支援事 業」を実施。平成18年度においては67件(ブランド確立支援事業44件、戦略策定支 援事業23件)のプロジェクトを採択した。 経済産業省は、引き続き、地域の資源を活かした新商品開発や海外展開等のプロ ジェクトを行う商工会・商工会議所に対して支援する「JAPANブランド育成支援事業」 を実施する(ブランド確立支援事業60件程度、戦略策定支援事業20件程度を採択 予定)。 経済産業省は、平成18年度「サービス産業創出支援事業(観光・集客サービス)」と して、観光・集客サービス産業の事業革新による競争力の向上を図るため、顧客ニー ズや地域の観光資源の特性を踏まえた新サービスを提供する先導的な取組みを支 援した。全国125件の応募の中から、18件を事業化支援プロジェクトとして選定し た。また、平成19年3月22日∼23日に「サービス産業創造フォーラム」を開催し、本 事業の成果について幅広く普及を行った。 経済産業省は、「ビジネス性実証支援事業」として、地域の観光・集客サービス産業 において、観光旅行者のニーズや地域の観光資源の特性を踏まえて新サービスを提 供する先導的な取組の支援を行う。また、経済産業省は、「広域・総合観光集客サー ビス支援事業」として、地域の特色ある産業などを観光資源として集客強化に結びつ け、観光・集客サービスの競争力を強化する取組みの支援を行う。 国土交通省は、平成17年度より、情報提供や人材育成事業に対する支援、観光地 国土交通省は、地域に根付く産業等の観光化を進める「民」の活力を基本とした「手 域づくりに関する調査等、地域の民間と行政が一体となった観光振興の取組みとして づくり観光サービスの創造」及びリピーターの増加に資する「外客満足度向上」を新た 「観光ルネサンス事業」を実施した。その総合的な支援措置として、民間組織が実施 に重点分野として位置づけ、集中的に支援する。 する地域観光振興事業に要する経費の一部を補助する「観光ルネサンス補助制度」 を創設した。また、平成18年度は新規に8件を選定し、平成19年度は新規に10件を 選定した。(17年度からの累計は31件)。 7 ページ 国土交通省及びビジット・ジャパン・キャンペーン実施本部は、魅力ある日本のおみや 国土交通省及びビジット・ジャパン・キャンペーン実施本部は、引き続き、「魅力ある日 げを育成・発掘し、地域ブランドの振興を図るとともに、おみやげを通して日本の魅力 本のおみやげコンテスト」を開催する。 を海外に伝え、日本への来訪を促進するために、平成16年度から「魅力ある日本の おみやげコンテスト」を開催した。平成18年度においても、引き続き、同コンテストを 国土交通省およびビジット・ジャパン・キャンペーン実施本部が主催し、特に魅力的な おみやげとして、部門賞9品目、地域賞12品目、合計21品目に賞を授与した。 農林水産省は、原材料・製法等に由来する特性に基づき、ブランド化が図られている 農林水産省は、引き続き、地域食品ブランド表示基準(本場の本物)」の品目認定、ブ 地域食品等について、団体の自主的取組みとして表示基準(「地域食品ブランド表示 ランド維持・管理セミナーの開催を実施し、地域食品のブランド振興を支援する。ま 基準(本場の本物)」)を策定し、地域の生産者や食品企業がブランドの形成、維持及 た、総合電子化システムの構築、DNA分析技術の開発・活用、権利侵害等の実態調 び向上に係る投資を行うための環境整備を支援した(平成18年度において、3品目 査を行う「品種保護Gメン」の増員、国際化に対応した審査体制の検討等を総合的に 認定)。また、地域食品のブランド化に向けた取組みを支援するため、知的財産活用 推進し、知的財産である植物新品種の保護の強化・活用の促進を図る。 セミナーを開催した(平成18年度においては、全国9ヵ所開催)。その他以下の取組 みを実施した。 ・育成者権の効力の及ぶ具体的な加工品を政令で指定(17年12月)。 ・植物新品種の保護・活用に関する総合戦略、行動計画等を作成するため、法学者、 弁護士、育成者権者等による検討会を開催。 ・独立行政法人種苗管理センターに配置している品種保護Gメンを増員(4人→10 名)。 ・我が国オリジナル品種の権利保護のための環境整備に向けDNA分析による品種 識別技術の開発を支援。 ・「植物新品種の保護の強化及び活用の促進に関する検討会」のとりまとめを作成(1 8年12月)。 ・種苗法の一部改正案を第166回通常国会に提出。 経済産業省は、平成18年4月1日に施行された「商標法の一部を改正する法律」に 基づく地域団体商標登録の出願受付を開始した。本年4月に出願された374件のう ち52件について地域団体商標に係る登録査定を実施した(平成18年10月27日公 表)。 文部科学省は、関西関係団体と連携し、関西から日本の文化が力強く発信されること 文部科学省は、引き続き「文化力プロジェクト」のホームページ等を通じて、共通ロゴ をねらいとして平成15年5月に「関西元気文化圏」を形成した。文化団体や企業が行 マークの活用促進や各種イベントの広報活動等を積極的に実施するとともに、「関西 う文化関連事業、自治体の関係事業、文化庁の関係事業など多様な文化活動を展 元気文化圏推進協議会」「九州沖縄文化力推進会議」と連携し、地域の文化事業の 開している。平成19年1月には、関西元気文化圏賞贈呈式を文化庁芸術祭賞贈呈 広報活動を支援する。その際、関西においては関西分室を拠点とし、地方自治体や 式に合わせ実施したほか、関西元気文化圏の取組みの更なる推進を目的として「関 関係団体等の相談窓口等の機能を担わせることにより、更なる取組みの推進を目指 西元気文化圏推進・連携支援室」(関西分室)を京都市内に設置した。また、九州・沖 す。 縄地区においては、九州・沖縄・山口の自治体、経済界が中心となって平成18年9月 に発足した「九州・沖縄文化力推進会議」と連携し、「九州・沖縄から文化力プロジェク ト」を推進した。 国土交通省は、平成18年度において、日本のアニメ等を核とした新たな国際観光交 国土交通省は、「日本のアニメを活用した国際観光交流等の拡大による地域活性化 流、ビジネスの発掘・育成、ビジット・ジャパン・キャンペーンと連携したアニメツアー等 調査」の結果を国土交通省ホームページで公表し、地域の参考となるよう周知を図 による訪日動機の形成を図るため、国土施策創発調査「日本のアニメを活用した国際 る。 観光交流等の拡大による地域活性化調査」を行った。 提言番号:15 【提言15】 観光関係者、商工会議所、青年会議所、NPO等は、地域内で、農業、漁業、伝統産業、商業・サービス業など幅広い産業間パートナーシップを確立するとともに、周辺地域や テーマを同じくする遠方・海外の観光地と連携することによって、魅力を高めアイデンティティを強化する。また、連携して観光情報の発信に努める。 これまでの取組み(平成19年5月31日まで) 農林水産省、国土交通省等5省庁は国民各層の地域伝統芸能に対する関心を高め ること等を目的として、財団法人地域伝統芸能活用センター等の主催により、平成18 年9月に札幌で開催された「地域伝統芸能全国フェスティバル」及び「地域伝統芸能 による豊かなまちづくり大会」の後援を行った。 8 ページ 今後の取組み(平成19年6月1日以降) 農林水産省、国土交通省等5省庁は国民各層の地域伝統芸能に対する関心を高め ること等を目的として、財団法人地域伝統芸能活用センター等の主催により、平成19 年7月に松本で開催される「地域伝統芸能全国フェスティバル」及び「地域伝統芸能 による豊かなまちづくり大会」の後援を行う。 農林水産省は、平成19年3月には、ホテル、旅館などの観光施設や産地直売所が 行う「地産地消」の取組みの優良事例について、表彰を行った。 また、平成19年5月に平成19年度第1回地産地消推進検討会を開催。19年度の行 動計画を決定。観光との連携に関しての検討においても、生産者、流通業者等地産 地消の関係者が一丸となって、地域全体で取組むことが必要である、安定的な食材 の確保が難しい等の課題解決のために施策を講じていくこととしている。 農林水産省は、地産地消推進検討会での検討を踏まえ、地域での地産地消関係者 の連携を強化することを目的として、農業、商工、観光、学校等地産地消関係者が一 丸となって地域全体で地産地消に取組む地域に対し、協議会の開催や広報活動の 支援や地産地消の推進拠点となる施設の整備を支援する。また、ホテル、旅館など の観光施設や産地直売所が行う「地産地消」の取組みの優良事例について、表彰を 平成20年2月に行う。 経済産業省は、平成18年度「サービス産業創出支援事業(観光・集客サービス)」と して、観光・集客サービス産業の事業革新による競争力の向上を図るため、顧客ニー ズや地域の観光資源の特性を踏まえた新サービスを提供する先導的な取組みを支 援した。全国125件の応募の中から、18件を事業化支援プロジェクトとして選定し た。また、平成19年3月22日∼23日に「サービス産業創造フォーラム」を開催し、本 事業の成果について幅広く普及を行った。 経済産業省は、「ビジネス性実証支援事業」として、地域の観光・集客サービス産業 において、観光旅行者のニーズや地域の観光資源の特性を踏まえて新サービスを提 供する先導的な取組みの支援を行う。また、経済産業省は、「広域・総合観光集客 サービス支援事業」として、地域の特色ある産業などを観光資源として集客強化に結 びつけ、観光・集客サービスの競争力を強化する取組みの支援を行う。 国土交通省は、平成17年度より、情報提供や人材育成事業に対する支援、観光地 国土交通省は、地域に根付く産業等の観光化を進める「民」の活力を基本とした「手 域づくりに関する調査等、地域の民間と行政が一体となった観光振興の取組みとして づくり観光サービスの創造」及びリピーターの増加に資する「外客満足度向上」を新た 「観光ルネサンス事業」を実施した。その総合的な支援措置として、民間組織が実施 に重点分野として位置づけ、集中的に支援する。 する地域観光振興事業に要する経費の一部を補助する「観光ルネサンス補助制度」 を創設した。また、平成18年度は新規に8件を選定し、平成19年度は新規に10件を 選定した。(17年度からの累計は31件)。 地方公共団体や観光団体、経済団体、交通事業者等は、幅広い分野の人々が地域 の観光地づくりにとって効果的な方策について検討・提言、情報交換等を行うことを目 的とし民間を主体として設立された「観光を考える百人委員会」の一環として、平成1 8年度は、6月に「第8回中部の観光を考える百人委員会」、11月に「第7回中国地方 の観光振興を支援する百人委員会」、12月に「関西観光産業振興フォーラム第7回 総会」、19年3月に「第3回新潟県観光復興戦略会議」を開催した。 国土交通省は、地方ブロックごとに観光カリスマや学識経験者、旅行会社等からなる 国土交通省は、引き続き、「観光まちづくりアドバイザリー会議」が集中的なコンサル 「観光まちづくりアドバイザリー会議」を設置し、地域の要請に応じて観光まちづくりに ティングを行う「観光まちづくりコンサルティング事業」を実施する。 関するアドバイス等を行うとともに、地方ブロックごとに1∼3地域を選定して集中的な コンサルティングを行う「観光まちづくりコンサルティング事業」を実施した。 9 ページ 課題2:国際競争力強化のためのソフトインフラ 提言番号:16、17 【提言16】 地域が中心となり、ホテル・旅館の近代化・合理化の一つの方法として、「泊食分離」や「料理選択制」を地域ぐるみで導入すること等により、コスト低減による需要の拡大と顧 客サービスの競争の促進を図る。 【提言17】 地域やホテル・旅館は、顧客を開拓するツールとして、情報システムネットワーク・予約ポータルサイト等の情報技術(IT)を活用する。 これまでの取組み(平成19年5月31日まで) 経済産業省は、平成18年度「サービス産業創出支援事業(観光・集客サービス)」と して、観光・集客サービス産業の事業革新による競争力の向上を図るため、顧客ニー ズや地域の観光資源の特性を踏まえた新サービスを提供する先導的な取組みを支 援した。全国125件の応募の中から、18件を事業化支援プロジェクトとして選定し た。また、平成19年3月22日∼23日に「サービス産業創造フォーラム」を開催し、本 事業の成果について幅広く普及を行った。 国土交通省は、個人・小グループ旅行の増大等の旅行需要の動向変化に対応した 新たなサービスの提供による宿泊産業の活性化に向けて、阿寒湖温泉等全国8地域 において泊食分離の導入等に係る実証実験を実施し、新たなビジネスモデルの確立 と全国普及に向けたデータの収集・分析等を行った。 今後の取組み(平成19年6月1日以降) 経済産業省は、「ビジネス性実証支援事業」として、地域の観光・集客サービス産業 において、観光旅行者のニーズや地域の観光資源の特性を踏まえて新サービスを提 供する先導的な取組の支援を行う。また、経済産業省は、「広域・総合観光集客サー ビス支援事業」として、地域の特色ある産業などを観光資源として集客強化に結びつ け、観光・集客サービスの競争力を強化する取組みの支援を行う。 国土交通省は、平成18年度に実施した実証実験の結果(成功事例や課題)等を踏ま え、平成19年度も、泊食分離の導入に係る宿泊産業活性化に向けた実証実験を行 う。 国土交通省は、長期滞在型観光、エコツーリズム、ヘルスツーリズム等の地域独自の 魅力を活かした「ニューツーリズム」の創出と流通を促進するため、データーベースの 構築や実証事業の実施等により「ニューツーリズム」市場の形成を支援する。 提言番号:18、19 【提言18】 国・地域は、観光地の独自の条件を生かした魅力的なハードの整備を可能にするため、地域の特性に配慮した規制の運用改善(都市計画法、消防法、建築基準法、森林法、 河川法等)や特区制度の活用を進める。 【提言19】 国・地域は、官民の競争条件の整備を図る観点から、公的宿泊施設等について、民営化等を進める。 これまでの取組み(平成19年5月31日まで) 内閣府は、地方公共団体の特区計画の認定申請受付を実施し、累計943件を認定 した。また、内閣官房は、地方公共団体、民間事業者等から、特区の提案募集を行 い、特区で実現する規制改革項目として211項目、全国で実現する規制改革項目と して370項目を実現した。施行後5年目を迎えた構造改革特別区域法についても、こ れまでの実施状況の検討結果を踏まえ、制度全体を強化・継続するため、平成19年 3月に法改正を行った。同年4月27日には、構造改革特別区域基本方針の改定を閣 議決定した。 今後の取組み(平成19年6月1日以降) 内閣官房は、改定された構造改革特別区域基本方針に基づき、平成19年6月中に 第11次特区提案受付を実施する。また、内閣府は、同年7月中を目途に第14回特 区計画の認定を実施する。 農林水産省は、森林法に基づき、良好な景観の保全、公衆の保健、災害の防止など 農林水産省は、森林法に基づき、引き続き、良好な景観の保全、災害の防止などの の公共目的のために特に必要な森林を保安林として指定し開発行為を規制する一 観点から、保安林、林地開発許可制度の適切な運用を図る。 方、それぞれの保安林の特性に応じて指定の目的に支障がない限り土地の形質の 変更等を行うことが既に可能となっている。また、保安林以外については、林地開発 許可制度により、それぞれの森林の特性に応じて周辺の環境を著しく悪化させない 場合などには開発行為が許可されることとなっている。なお、保安林については、公 益上の理由により特に必要な場合などは、その指定を解除することが可能であり、こ れらの制度の適切な運用を行った。 国土交通省は、都市計画法に関し、都市政策を進めていくうえで都市計画制度の運 用に係る原則的な考え方を、都市計画運用指針として示す(平成12年12月制定)と ともに、地方公共団体の意見等を踏まえて、必要に応じ当該指針の改訂を行っている (最新の改正は平成18年11月)。 10 ページ 国土交通省は、河川管理者が許可できる占用主体及び占用施設の対象範囲を弾力 化する特例措置(社会実験)を道頓堀川(大阪市)、太田川(広島市)、堀川(名古屋 市)の3箇所で実施。実施状況を見守りつつ、社会実験の効果等についての分析を 行っている。 国土交通省は、河川占用許可の弾力化について、その実施状況を見守りつつ、社会 実験の効果等についての分析を行う。また、地域の要望があった場合には、治水上 の安全性を始めとした河川管理上の支障が無く、かつ地域の合意形成が図られた場 合について、こうした社会実験を全国で実施できるよう、全国展開のために必要とな る要件を定め、水辺空間を活かしたまちづくりに対する国民の要請に応える。道頓堀 川においては、平成19年度中に、現在社会実験を行っている区域の上下流につい て、区域を拡大し、街のにぎわいづくりのための伝統や文化に根ざしたイベントや地 域の活性化イベント、ストリートパフォーマンスなどの各種イベント等の水辺のにぎわ いづくりに資する取組みを実施する。 「民間と競合する公的施設の改革について」(平成12年5月26日閣議決定)の対象 となる公的施設については、閣議決定以降、新設及び増築は行われていない。既存 施設の廃止、民営化その他の合理化措置については以下のとおり。 ①日本郵政公社は、簡易保険加入者福祉施設の廃止については、平成18年3月末 に8施設、平成19年3月末に9施設を廃止した。郵便貯金周知宣伝施設について は、平成18年10月末に4施設、平成19年3月末に9施設を廃止した。 ②独立行政法人労働者健康福祉機構(旧労働福祉事業団)は、休養所については、 平成17年度末までに7施設すべてを廃止し、労災保険会館についても、平成17年 度末に廃止した。 ③勤労者福祉施設については、平成17年度末までに2,070施設すべての譲渡・廃 止を終了した。 ④大規模年金保養基地(グリーンピア)については、平成17年12月に1か所の譲渡 を行い、全13基地の譲渡を終了した。 ⑤社会保険庁が設置した医療保険、年金各制度の保健・福祉施設(社会保険病院を 除く。)は、平成17年10月に設立した独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機 構において、平成19年3月末現在66施設を譲渡した。 以下のとおり、既存施設の廃止、民営化その他の合理化措置を推進する。 ①日本郵政公社の簡易保険加入者福祉施設及び郵便貯金周知宣伝施設について は、日本郵政公社の民営化と共に日本郵政株式会社に承継する。 ⑤社会保険庁が設置した医療保険、年金各制度の保健・福祉施設(社会保険病院を 除く。)は、独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機構において、平成22年9月 までに施設の譲渡・廃止を進める。 総務省は、各地方公共団体に対して「民間と競合する公的施設の改革について」を踏 総務省は、各種会議において、「民間と競合する公的施設の改革について」(平成12 まえ、国の措置に準じて措置するよう「民間と競合する公的施設の改革について」(平 年5月26日閣議決定)を踏まえ、地方公共団体に対して、適切に対処するよう、引き 成12年6月事務次官通知)により要請をしている。また、平成13年度から平成16年 続き要請する。 度までの各年度の「地方財政運営について(事務次官通知)」においても、平成12年 の事務次官通知に基づき、厳正に対処するよう通知した。さらに、「地方公共団体に おける行政改革の推進のための新たな指針の策定について」(平成17年3月29日 付け事務次官通知)においても、平成12年の閣議決定を踏まえ、適切に対処するよ う通知した。 提言番号:20、21 【提言20】 旅行業者と交通事業者は、交通と宿泊を手頃な値段で別々に提供する「交泊分離」を一層推進し、顧客がニーズに応じて好きなように滞在日程を組めるようにする。また、交 通事業者は、地域主導の観光促進のため、周遊パスの導入や交通結節点における乗換え利便の向上を図り、地域内の移動を容易かつ快適にする。 【提言21】 旅行業者は、顧客起点の発想に立ち、ツアーで立ち寄る施設からのリベートに依存せずに、観光客の選択肢を最大限広げる努力をする。また、魅力ある観光資源を地域ととも に発見し、観光客が何日も滞在できるような「時間消費型」の商品提供機能を強化する。 これまでの取組み(平成19年5月31日まで) 今後の取組み(平成19年6月1日以降) 国土交通省は、外国人の視点から見た案内表示の使いやすさの実地点検を行う、外 国土交通省は、引き続き、外国人による「ひとり歩き点検隊」を行い、関係者が連携し 国人による「ひとり歩き点検隊」を、平成18年3月に成田空港、6月に関西空港、平成 て実施する案内表示の改善に向けた継続的な取組みを促進する。 19年1月に新千歳空港、2月に福岡空港、広島空港においてそれぞれ実施した。実 施結果を踏まえ、関係者が連携して案内表示の改善のための方策について検討を 行った。 国土交通省は、地方ブロックごとに観光カリスマや学識経験者、旅行会社等からなる 国土交通省は、引き続き、「観光まちづくりアドバイザリー会議」が集中的なコンサル 「観光まちづくりアドバイザリー会議」を設置し、地域の要請に応じて観光まちづくりに ティングを行う「観光まちづくりコンサルティング事業」を実施する。 関するアドバイス等を行うとともに、地方ブロックごとに1∼3地域を選定して集中的な コンサルティングを行う「観光まちづくりコンサルティング事業」を実施した。 11 ページ 国土交通省は、国内ロングステイ/二地域居住の推進のため、九州5地域において 1週間∼1ヶ月程度の長期滞在型観光に係るモニター・ツアーの実施等を内容とする 「こだわりステイ1week」推進事業を実施した。 国土交通省は、長期滞在型観光、エコツーリズム、ヘルスツーリズム等の地域独自の 魅力を活かした「ニューツーリズム」の創出と流通を促進するため、データーベースの 構築や実証事業の実施等により「ニューツーリズム」市場の形成を支援する。 日本旅行業協会(JATA)は、旅行会社の商品企画担当者等からなる商品企画調査 日本旅行業協会(JATA)は、平成19年度も、商品企画調査団を北東北、北陸、四国 団を各地方に派遣し、地域の新しい観光資源や観光魅力を発掘するとともに、商品 に派遣し、地域の新しい観光資源や観光魅力を発掘するとともに、商品化に向けた取 化に向けた取組みを推進した。平成18年度は、北海道(7月)、南東北(山形県、福 組みを推進する。 島県、宮城県;9月)、九州(熊本県、長崎県;10月)に商品企画調査団を派遣し、こ れらに関する報告書を取りまとめ、会員企業向けホームページにて公開した。 全国旅行業協会(ANTA)は、行政や観光関連者等と地元旅行業者との連携による 全国旅行業協会(ANTA)は、第5回「国内観光活性化フォーラム」を平成20年1月に 着地型旅行の推進のため、第4回「国内観光活性化フォーラム」を平成19年3月8日 倉敷市で開催する。 に熊本市で開催した。 提言番号:22 【提言22】 国・地域、民間団体は、各産業、地域の効果的な観光戦略を策定することができるようにするため、観光統計の体系的な整備を促進する。 これまでの取組み(平成19年5月31日まで) 今後の取組み(平成19年6月1日以降) 国土交通省は、平成18年11月に取りまとめた平成17年度分「旅行・観光消費動向 国土交通省は、引き続き、「旅行・観光消費動向調査」を行い、観光の経済効果等に 調査」の結果を幅広く公表し、観光の経済効果及び観光の重要性について周知した。 ついて周知する。 (平成17年度の観光の経済効果は、旅行消費額24.4兆円、生産波及効果55.3兆 円(国内生産額の5.8%)、雇用効果469万人(全就業者数の7.4%)) 国土交通省は、平成18年6月から8月の都道府県別の宿泊者数について、全国統 国土交通省は、引き続き、「宿泊旅行統計調査」を行い、宿泊の実態等について周知 一基準により「宿泊旅行統計調査第二次予備調査」を実施し、その結果を広く公表し する。 た。また、平成19年1月より「宿泊旅行統計調査」(本調査)を実施している。 提言番号:23、24 【提言23】 大学等は、地域のニーズを踏まえ、観光関連学部・学科等の設置を検討する。 【提言24】 観光関連産業は、観光関連学部・学科出身者の採用、寄附講座の提供、インターン・社員研修等への活用を行う等、大学等と連携することにより、大学における観光関連の教 育・研究を充実させる。 これまでの取組み(平成19年5月31日まで) 今後の取組み(平成19年6月1日以降) 文部科学省は、各大学が教育研究組織改編等にあたって、観光関連学部・学科等の 文部科学省は、引き続き、各大学への助言・情報提供等を実施する。 設置について検討を行う際には、具体的な助言・情報提供等を行った。(平成19年4 月現在、日本の大学において観光関連の大学は33大学に設置されている。) 文部科学省は、「現代的教育ニーズ取組支援プログラム」等の教育改革支援事業を 文部科学省は、引き続き、「現代的教育ニーズ取組支援プログラム」等の教育改革支 活用し、大学等が産学共同で行う人材育成等の取組み(インターンシップ等)への支 援事業の実施のために必要な支援を行う。 援を行った。 経済産業省は、観光プランニングに必要な経営技術とサービス実務双方に精通した 経済産業省は、観光・集客交流経営人材の在り方について、その求められる人材像・ 専門人材として、事業経営人材及び地域経営人材の2つの人材の育成に向け、「集 能力を整理し、標準テキスト、ケース教材の作成等を行うことにより、大学等における 客交流経営人材育成事業」として、それぞれの人材ごとに、人材像の明確化及び育 観光関連学部、コースの設立等を促進する。 成プログラムの具体化に係る検討を進めるとともに、大学等との連携によるモデルカ リキュラム作成等を行った。 国土交通省は、平成18年度夏学期(4月∼7月)に、東京大学経済学部にて「観光産 国土交通省は、引き続き、平成19年度夏学期に、東京大学経済学部にて「観光産業 業と観光政策」の講義を提供した。 と観光政策」の講義を提供する。 12 ページ 国土交通省は、平成19年1月に「観光関係人材育成のための産学官連携検討会 国土交通省は、引き続き、「観光関係人材育成のための産学官連携検討会議」を開 議」を開催し、観光分野の人材育成における産学官連携方策について検討を行った。 催し、検討を行う。 日本ツーリズム産業団体連合会(TIJ)は、平成17年10月から平成18年2月までの 日本ツーリズム産業団体連合会(TIJ)は、引き続き、将来ツーリズム産業界を目指す 間、毎月1回、ツーリズム産業界の中堅社員を対象にした産学連携ツーリズムワーク 大学生を対象に産学連携オープンセミナーを引き続き開催するほか、ツーリズムの専 ショップを開催したほか、平成18年2月及び平成19年2月に、将来ツーリズム産業界 門職大学院の設置を希望する大学への支援を継続する。 を目指す大学生を対象にした産学連携オープンセミナーを開催した。 日本ツーリズム産業団体連合会(TIJ)は、平成18年度夏学期(4月∼7月)に、一橋大 日本ツーリズム産業団体連合会(TIJ)は、引き続き、一橋大学等に「ツーリズム産業」 学商学部にて「ツーリズム産業論」の寄付講義を開設したほか、同大学との共同研究 に関する寄付講義を開設するほか、同大学との共同研究プロジェクトを進化させ、 プロジェクトを立ち上げ、平成18年11月に「地域経済とツーリズム産業」を研究テー ツーリズム産業に関する研究を継続する。 マに、日本交通学会で成果の発表を行った。また、ツーリズムの専門職大学院の設 置を検討している北海道大学に助言等の支援を行うとともに、同大学が平成18年1 2月に開催する公開講座の運営事業を実施した。 提言番号:25 【提言25】 国は、観光プランニングに必要な経営技術を明確化し、標準的な人材育成プログラムの開発等を行う。 これまでの取組み(平成19年5月31日まで) 経済産業省は、観光プランニングに必要な経営技術とサービス実務双方に精通した 専門人材として、事業経営人材及び地域経営人材の2つの人材の育成に向け、「集 客交流経営人材育成事業」として、それぞれの人材ごとに、人材像の明確化及び育 成プログラムの具体化に係る検討を進めるとともに、大学等との連携によるモデルカ リキュラム作成等を行った。 今後の取組み(平成19年6月1日以降) 経済産業省は、観光・集客交流経営人材の在り方について、その求められる人材像・ 能力を整理し、標準テキスト、ケース教材の作成等を行うことにより、大学等における 観光関連学部、コースの設立等を促進する。 国土交通省は、平成16年度より全国各地で「観光カリスマ塾」を開催し、ノウハウ伝 国土交通省は、引き続き、「観光カリスマ塾」を開催する。 授、活動現場での体験、受講生によるワークショップなど通じて地域の観光振興を担 う人材の育成を図った。(平成16年度は9地区、平成17年度は5地区、平成18年度 は9地区で開催。) 国土交通省は、「観光マネジメント高度化のための人材育成検討会」を開催し、観光 関連産業を担う人材や観光地づくりをマネジメントする人材の育成のあり方について 検討を行い、報告書をとりまとめた。 国土交通省は、観光ルネサンス事業において、観光地域づくりを担う人材を育成・登 録し、地域に橋渡しする「観光地域プロデューサー事業」を創設する。 提言番号:29 【提言29】 観光関連産業は、米国のCertified Meeting Plannerのような実務者の資格制度を充実させることにより、観光関連産業の地位向上と顧客サービスの向上を図る。 これまでの取組み(平成19年5月31日まで) 経済産業省は、観光プランニングに必要な経営技術とサービス実務双方に精通した 専門人材として、事業経営人材及び地域経営人材の2つの人材の育成に向け、「集 客交流経営人材育成事業」として、それぞれの人材ごとに、人材像の明確化及び育 成プログラムの具体化に係る検討を進めるとともに、大学等との連携によるモデルカ リキュラム作成等を行った。 13 ページ 今後の取組み(平成19年6月1日以降) 経済産業省は、観光・集客交流経営人材の在り方について、その求められる人材像・ 能力を整理し、標準テキスト、ケース教材の作成等を行うことにより、大学等における 観光関連学部、コースの設立等を促進する。 旅行業協会等で構成されるトラベル・カウンセラー制度推進協議会は、旅行業関係者 トラベル・カウンセラー制度推進協議会は、引き続き、トラベルカウンセラー制度を実 の知識・能力の向上を目指して、「トラベル・コーディネーター(T/C)」及び「ディスティ 施する。 ネーション・スペシャリスト(D/S)」の2つの資格制度からなるトラベル・カウンセラー 制度を実施した。T/Cは、旅行販売実務において必要とされる知識・技能を認定す るものであり、平成18年度は延べ419名が受講し、平成18年度末までのT/C認定 人数は391名となっている。また、D/Sについては、19の主要な旅行目的国等ごと に資格が設けられ、対象国等の詳細な知識等を認定するものであり、平成18年度は 延べ1098名が受講し、平成18年度末までの認定人数は655名となっている。 日本添乗サービス協会は、平成18年9月に、ツアー・コンダクターの模範として大き な貢献があった者を表彰する「ツアー・コンダクター・オブ・ザ・イヤー」を実施した。 日本添乗サービス協会は、引き続き、「ツアー・コンダクター・オブ・ザ・イヤー」を実施 する。 国土交通省は、訪日外国人旅行環境整備事業において、観光事業従事者が必要と する技能を調査・分析し、評価手法の確立に向けた検討を行う。 提言番号:27、28 【提言27】 国・地域は、地域限定通訳ガイドの制度を創設するとともに、全国及び地域の通訳ガイドとボランティアガイドの登録制度を整備する。 【提言28】 観光関連産業は、ワーキングホリデーなどにより、外国人人材の活用を図る。 これまでの取組み(平成19年5月31日まで) 国土交通省は、全国版の通訳ガイドについて、通訳案内業法の改正、通訳ガイド試 験の見直し等により、制度の改善を実施した。 今後の取組み(平成19年6月1日以降) 国土交通省は、通訳案内士法及び外国人観光旅客の来訪地域の多様化の促進によ る国際観光の振興に関する法律の円滑な施行に努めるとともに、平成18年に引き続 き、海外で通訳案内士試験第1次試験を実施するほか、各都道府県における地域限 定通訳案内士試験の導入を促進すること等により、通訳ガイドの充実を図る。 国土交通省は、地域限定通訳ガイドについて、「外国人観光旅客の来訪地域の多様 化の促進による国際観光の振興に関する法律」を改正し、地域限定通訳案内士制度 を創設(平成18年4月1日施行)するとともに、地域限定通訳案内士試験のガイドライ ンを策定し、各都道府県に通知(平成18年9月8日)した。また、同試験の早期実施 に向け、都道府県に対し、(独)国際観光振興機構(JNTO)との調整等の支援を実施し た。 また、「外国人観光旅客の来訪地域の多様化の促進による国際観光の振興に関する 法律」に基づき、地域限定通訳案内士試験の実施を内容とする岩手県、静岡県、長 崎県、沖縄県の外客来訪促進計画に同意した。 国土交通省は、全国の有資格通訳ガイドの中から、地域、分野、言語、その他条件で 旅行者等のニーズにあった通訳ガイドの検索・予約が可能なインターネットによる有 資格の通訳ガイドの検索システムを制作し、平成18年9月28日より運用を開始した (当面は、(社)日本観光通訳協会が運用を行う)。 国土交通省は、岩手県、静岡県、長崎県、沖縄県の外客来訪促進計画に基づく、地 域限定通訳案内士試験の実施に向けた調整等の支援を行う。 国土交通省は、通訳ガイドの検索システムについて、検索対象を拡大し全ての通訳 ガイド団体の会員が対象となるよう検討する。 国土交通省は、外国人旅行者の受け入れ環境の更なる改善を図るため、有資格通 国土交通省は、通訳ガイドスキルアップ・プログラムに基づき研修を行う通訳ガイド団 訳ガイドを対象として、標準的・段階的なスキルアップ・プログラムを平成19年3月30 体に対し、研修の円滑な実施のための具体的な検討を促す。 日に策定し、通訳ガイド団体へ提供した。 (独)国際観光振興機構(JNTO)は、主要観光地や街角での案内等、訪日外国人が快 (独)国際観光振興機構(JNTO)は、引き続き、善意通訳(グッドウィル・ガイド)普及運 適に旅行できるようにするための善意通訳(グッドウィル・ガイド)普及運動を展開した 動を展開する。 (平成19年2月現在までに登録されたグッドウィル・ガイドは、52,543名、各地で自 主的に組織された善意通訳組織は、40都道府県85団体)。 法務省、外務省は、アイルランドとの間でワーキングホリデー制度の新規導入に合意 法務省、外務省は、引き続き、デンマークとの間でワーキングホリデー制度の新規導 し,平成19年1月1日から運用を開始。また、デンマークとの間で同制度の新規導入 入に向けて協議する。 に向けて協議した。 14 ページ 提言番号:26、30 【提言26】 国・地域は、観光をテーマとした実務者研修を行う等により、地域において都市計画やまちづくりを担当する者の意識を向上させる。 【提言30】 国・地域・観光関連産業は、観光カリスマ塾やシンポジウム等、観光実務者が観光カリスマの成功事例から学ぶ場を設定する。 これまでの取組み(平成19年5月31日まで) 総務省は、全国市町村国際文化研修所(JIAM)において、地方公務員を対象とし て、地方公共団体の訪日外客誘致における役割やノウハウについての研修を行っ た。 国土交通省は、平成18年度に全国都市計画主管課長会議、まちづくりトップセミ ナー、全国都市計画担当課長会議及び都市計画全国大会を各1回、計4回開催し、 都道府県や市町村の都市計画を担う幹部や担当職員を対象に、国・地域一体となっ て意識の向上を図った。また、まちづくりに係わる意識啓発のため、平成18年度に全 国9箇所において、まちづくりに関するシンポジウムを実施した。更に、全国の都市再 生を推進するため平成16年度に創設されたまちづくり交付金の制度の周知のため、 平成18年度も各地方整備局単位で市町村の担当職員を対象に制度説明会を実施し た。 国土交通省は、平成16年度より全国各地で「観光カリスマ塾」を開催し、ノウハウ伝 授、活動現場での体験、受講生によるワークショップなど通じて地域の観光振興を担 う人材の育成を図った。(平成16年度は9地区、平成17年度は5地区、平成18年度 は9地区で開催。) 15 ページ 今後の取組み(平成19年6月1日以降) 国土交通省は、引き続き、都市計画やまちづくりに係わる意識啓発のため、全国都市 計画主管課長会議、まちづくりトップセミナー、全国都市計画担当課長会議及び都市 計画全国大会を各1回、計4回開催する。また、まちづくりに係わる意識啓発のため に、全国9箇所においてまちづくりに関するシンポジウムを実施し、まちづくり交付金 の制度の周知のために、各地方整備局単位で市町村の担当職員を対象に制度説明 会を実施する。 国土交通省は、引き続き、「観光カリスマ塾」を開催する。 課題3:外国人旅行者の訪日促進 提言番号:31∼35 【提言31】 中国人の団体観光査証発給対象地域については、本年9月15日に3市5省に拡大したところであるが、国は、その後の実施状況を踏まえ、順調に推移することを確認した上 で、さらなる拡大を検討する。 【提言32】 韓国に対して、愛・地球博の期間中、短期滞在査証を免除し、その実施結果を勘案して恒久化を検討することとしたが、台湾に対しても、国は、訪日旅客全体への短期滞在査 証の免除を検討する。 【提言33】 外国人が集中する空港において、混雑時には入国審査官を機動的に配置したり、日本人用ブースを外国人も利用可能にする他、施設の拡充、審査官の要員の確保を図る。 【提言34】 航空機で訪日する旅客をその出発地点の空港で事前審査する「プレクリアランス」を導入する。 【提言35】 入国審査の際、不審な旅客をほかの旅客と別に調べ、審査を滞らせないようにする「セカンダリ審査」を導入する。 これまでの取組み(平成19年5月31日まで) 今後の取組み(平成19年6月1日以降) 法務省は、地方空港に入港するチャーター便の増加等に対応するため、新千歳空港 法務省は、新千歳空港及び羽田空港を拠点とした出入国審査応援班を活用する。 及び羽田空港を拠点とする出入国審査応援要員として入国審査官16人を増員した。 法務省は、台湾及び韓国にそれぞれ入国審査官を派遣し、主に地方空港向けの便を 法務省は、引き続き、台湾及び韓国においてプレクリアランス(事前確認)を実施す 対象にプレクリアランス(事前確認)を実施した。 る。 法務省は、成田国際空港、中部国際空港及び関西国際空港において、セカンダリ審 法務省は、引き続き、成田国際空港、中部国際空港及び関西国際空港において、セ 査(二次的審査)を実施した。 カンダリ審査(二次的審査)を実施する。 提言番号:36∼38 【提言36】 国・地域・観光関連産業は、観光施設、宿泊施設、公共交通機関、道路などにおいて、多言語やピクトグラム(絵文字)による案内表示と情報提供(外国語TV放送を含む)を促 進する。 【提言37】 産業界は、海外発行のクレジットカードで支払いやキャッシングが可能な施設を増やすとともに、その情報を的確に提供する。 【提言38】 交通機関は、外国人向けに特別割引を行っている鉄道パスその他の共通パスや割引切符の利便性を向上させる。 これまでの取組み(平成19年5月31日まで) 今後の取組み(平成19年6月1日以降) 内閣府は、沖縄県の離島地域において、外国人観光客にも対応できる観光案内板や 内閣府は、引き続き、「離島観光振興地域等整備事業」を実施する。 標識を設置することにより、国際的な観光地としての魅力の向上を図ることを目的と する「離島観光振興地域等整備事業」を実施した。 国土交通省は、外国人旅行者の一人歩きを容易にするため、平成18年3月に、「公 共交通機関における外国語等による情報提供促進措置ガイドライン」をとりまとめた。 国土交通省は、平成18年4月施行の改正外客誘致法により、公共交通事業者等に 国土交通省は、引き続き、外国語表示可能な券売機を導入するための費用の一部補 対して、外国語やピクトグラムを用いた情報提供促進措置を講ずる努力義務を課すと 助を公共交通事業者に対して行う。 ともに、外国語表示可能な券売機を導入するための費用の一部補助を公共交通事業 者に対して行った。 国土交通省は、外国人の視点から見た案内表示の使いやすさの実地点検を行う、外 国土交通省は、引き続き、外国人による「ひとり歩き点検隊」を行い、関係者が連携し 国人による「ひとり歩き点検隊」を、平成18年3月に成田空港、6月に関西空港、平成 て実施する案内表示の改善に向けた継続的な取組みを促進する。 19年1月に新千歳空港、2月に福岡空港、広島空港においてそれぞれ実施した。実 施結果を踏まえ、関係者が連携して案内表示の改善のための方策について検討を 行った。 国土交通省は、平成17年に策定した「観光活性化標識ガイドライン」を踏まえ、案内 国土交通省は、訪日外国人を含めた地理不案内者が安心して一人歩きできる環境を 標識、パンフレット、ICT機器等様々な観光情報提供手段が補完・連携できるような観 整えるため、地域特性に応じた総合的な観光情報提供システムを構築するための実 光情報提供システムを構築するための実証実験を実施した。 証実験等を行い、ハード・ソフト一体となった総合的な観光情報の提供を促進する。 国土交通省は、宮内庁が作成した皇室関連施設参観等の案内リーフレットの多言語 化版を平成19年3月までに作成し、外国人総合観光案内所(TIC)、成田、関西、中 部及び羽田の各国際空港において訪日外国人旅行者に配布した。また、外国人観光 客がライブエンターテイメントに接する機会を増やすための方策として、「歌舞伎」・ 「文楽」・「伝統音楽」について英語で紹介するリーフレットを作成し、TIC、ビジット・ ジャパン案内所、(社)日本ホテル協会等に配布した。 16 ページ 国土交通省は、皇室関連施設参観等のための「一般参賀・参観等のご案内」リーフ レットの多言語化版をさらに、ビジット・ジャパン案内所(160ヶ所)に配付する。また、 多種多様なライブエンターテイメントに外国人観光客が接する機会を増やすための方 策を講じる。 国土交通省は、訪日外国人旅行者の受け皿となる地域の魅力の増進を図るため、 「観光ルネサンス事業」を拡充して実施し、地域の民間と行政が一体となった観光振 興の取組みを総合的に支援する。 国土交通省は、ホテル・旅館における映像国際放送受信設備、高速通信設備の導入 国土交通省は、引き続き、ホテル・旅館における映像国際放送受信設備、高速通信 を促進した。 設備の導入を促進した。 環境省は、国立公園の主要な入口において、国立公園に関する情報提供を行うため の設備(多言語併記による入口標識、案内標識等)を自然公園等事業の新たな重点 事業として実施する。 国土交通省は、通訳ガイドの利用促進を図ると同時に、無資格ガイドを排除すること 国土交通省は、引き続き、通訳ガイドの利用促進を図ると同時に、無資格ガイドを排 で、外客接遇を向上させるために通訳ガイド普及・啓発リーフレットを(社)日本観光協 除することで、外客接遇を向上させるための方策を講じる。 会、(独)国際観光振興機構(JNTO)、外国人総合観光案内所(TIC)等に配布した。 金融庁は、銀行及び銀行系クレジットカード会社に対し、本提言の趣旨を説明すると 金融庁は、引き続き、銀行及び銀行系クレジットカード会社に対し、本提言の趣旨を ともに、海外発行カードが利用可能なATM等の調査を実施した。 説明するとともに、海外発行カードが利用可能なATM等の設置状況、外国人旅行者 の利便性向上のための取組み等についての調査を実施する。 経済産業省は、クレジット関係業界の総会等の場において政府の観光立国に向けた 取組みについて説明し、海外発行のクレジットカードでの支払やキャッシングが可能 な施設の利用促進等についての方策の検討を促す。 日本クレジットカード協会は、海外発行カードも取り扱い可能なATMの所在地情報を ホームページ上で提供した。また、カード決済時の複数言語の会話マニュアルを加盟 カード会社経由で加盟店に配布した。クレジットカードが利用できる加盟店(販売店 等)の数は、年々増加しており、平成18年3月末時点でのクレジットカードが利用でき る加盟店の数は、銀行系クレジットカード会社35社で約2,537万店舗(対前年同期 比10.0%増)、信販会社51社で約215万店舗(同6.6%増)、流通系クレジット カード会社6社で約149万店舗(同5.9%増)。また、クレジットカード業界は、中国系 デビットカードである銀聯カードの利用拡大を図るために、その利用店舗数(平成19 年3月末現在、7,230店)の拡大に努めている。 日本クレジットカード協会は、引き続き、海外発行カード取扱いATMの所在地情報を ホームページ上で提供するとともに、カード決済時の複数言語の会話マニュアルを加 盟店に配布する。また、クレジットカード利用が可能な旨を表すPOP(シール)「YOK OSO! JAPAN」を作成し訪日観光客に人気の高いスポットの加盟店において貼 付することにより、訪日観光客がクレジットカードを利用しやすい環境づくりを推進す る。 ㈱セブン銀行は、平成19年7月より、海外発行のキャシュカード、クレジットカードで 日本円のATM出金ができるサービスを開始することを発表した。(平成19年3月) 国土交通省は、割引運賃等を紹介し、「日本旅行は高くない」ことをPRする Afforda 国土交通省は、引き続き Affordable Japan パンフレットを活用し、割引運賃等の ble Japan パンフレットを作成し、在外公館や(独)国際観光振興機構(JNTO)海外 周知に努める。 事務所等に依頼して幅広く配布するとともに、海外における国際旅行博等において旅 行業者等に配布し、周知に努めた。 国土交通省は、「観光ルネサンス事業」において、個人で日本の地域を巡る外国人旅 行者の利便性の向上や旅行費用の低減化を図るため、一定のルートやエリアの公共 交通機関等を自由に利用できる共通乗車船券の発行等、多様な主体が連携し、広域 的な魅力ある国際観光デスティネーションの形成を加速させるための創意工夫を活 かした仕組み、仕掛けづくりを行うモデル事業を実施する。 東日本旅客鉄道株式会社は、大手私鉄とのSuica相互利用を契機として、成田国際 空港に到着する外国人旅行者に対し、Suicaと成田エクスプレスの乗車券・指定席特 急券を組み合わせた外国人専用のセット割引商品を発売した。 交通機関各社は、外国人旅行者の国内旅行費用の低廉化のための取組みとして、 ジャパン・レール・パス(JR各社の路線が乗り放題になる外国人向け周遊切符)、ス ルッとKANSAI2・3日パス(関西の交通機関41社の路線が乗り放題になる周遊カー ド)等様々な割引運賃・パスを継続して発行した。 17 ページ 提言番号:39∼41 【提言39】 観光関連産業は、外国人専門家の招聘、外国人研修・技能実習制度の活用、観光従事者向けの海外留学等を通じた国際化を推進する。 【提言40】 地域は、姉妹都市交流等を通じた、外国人旅行者の受入れを拡大する。 【提言41】 学校等は、修学旅行、教師間交流などを通じた外国人訪問者の受入れを拡大する。 これまでの取組み(平成19年5月31日まで) 今後の取組み(平成19年6月1日以降) 関係省庁は、日尼EPA交渉において、観光関連産業における研修・技能実習制度の 関係省庁は、引き続き、日尼EPA交渉において、観光関連産業における研修・技能 活用について協議した。 実習制度の活用について協議する。 国土交通省は、訪日外国人旅行環境整備事業において、観光事業従事者が必要と する技能を調査・分析し、評価手法の確立に向けた検討を行う。 (独)国際観光振興機構(JNTO)は、外国人研修制度を活用し、平成17年9月から6ヶ 月間及び平成18年9月から6ヶ月間、インドネシア国立観光大学の学生4名を宿泊 業の外国人研修生として受け入れたほか、平成18年度中に中国の大学、短大及び 専門学校の学生合計199名を1年間、宿泊業の外国人研修生として受け入れた。 (独)国際観光振興機構(JNTO)は引き続き、外国人研修制度を活用し、宿泊業の外 国人研修生受入を行う。平成19年9月より6ヶ月間インドネシア国立観光大学の学生 を4名受け入れ、また、本年度中に中国の大学、短大、専門学校の学生合計300名 を受け入れる。 国土交通省は、姉妹友好都市交流シンポジウム(旭川・18年7月)や日中友好都市 シンポジウム(熊本・18年11月)など、姉妹友好都市関係を活かした観光プロモー ションを実施した。また、平成19年5月に姉妹都市関係にある大邱市から広島市に 芸術団を招請し、朝鮮通信使400周年記念日韓交流セレモニーを実施した。 国土交通省は、引き続き、姉妹友好都市関係を活かした観光プロモーションを実施す る。 外務省は、平成18年度において、日中21世紀交流事業の一環として、中国の高校 外務省は、中国の高校生の招聘を拡大する。 生を短期事業(高校での授業体験、生徒宅でのホームステイ等)により計4陣約850 名、中長期事業によりそれぞれ40名、37名を日本へ招聘した。 文部科学省は、平成17年10月28日に「フレンドシップ・ジャパン・プラン(外国人青 文部科学省は、フレンドシップ・ジャパン・プランに基づく取組みを推進する。(訪日教 少年受入倍増計画)」を策定し、年間約4万人の外国人青少年の受入数を2010年に 育旅行や語学研修等の受入について学校と旅行業者、海外の学校・関係団体等との は倍増させる取組を開始した。 マッチング機能を強化するためのコーディネーターを文部科学省内に配置。日本語を 専攻する外国人高校生の短期招致事業について、招致人数を140名から160名に 拡大。) 文部科学省は、英語以外の外国語の学習を推進する高等学校において当該言語使 用国との高校生の交流を推進する「新世紀国際交流プラン」の受入人数を拡充する。 (平成18年度40人→平成19年度60人) 文部科学省は、外国人留学生・教育旅行等の受入など、学校の国際交流を担当する 外国語・国際理解教育担当指導主事(約150名)を対象とした連絡協議会を平成18 年10月6日に実施し、海外修学旅行や訪日教育旅行の受入などによる交流の重要 性について周知した。 文部科学省、国土交通省は、17年12月に、関係省庁等と連携して海外の学校との 文部科学省、国土交通省は、学校交流受け入れ促進のための訪日旅行促進協議会 コーディネート機能を有する官民一体の組織である訪日教育旅行促進全国協議会を の活用や設立拡大等を通じて、受入体制の整備を積極的に推進し、訪日教育旅行の 設置した。また、18年9月に訪日教育旅行受入れマニュアルを作成し、国際教育関 拡大を図る。 係者、国際交流関係者等に配布した。 国土交通省は、ビジット・ジャパン・キャンペーンによる訪日教育旅行誘致を実施し た。その結果、18年8月には韓国から小・中学校・高等学校の学生1,570名が広 島、山口を訪問、朝鮮通信使ゆかりの地を訪れ、市民との交流セレモニーが行われ た。 国土交通省は、人的交流の活性化と観光専門人材の育成を推進するため「日韓 国土交通省は、「日韓フィールドトリップ事業」を引き続き開催する。(次回は韓国側が フィールドトリップ事業」を開催し、平成18年9月10日∼15日まで韓国の観光専攻の 日本の観光専攻の大学生を受入れる予定。) 大学生20名を受入れ、日本の観光専攻の大学生24名と交流・意見交換を行うととも に、観光地の実地見学等を実施した。 18 ページ 提言番号:42∼46 【提言42】 国・地域・観光関連産業は、海外での日本のイメージや、顧客のニーズを把握し、明確な目標を設定して、日本の魅力の情報発信や旅行商品開発を計画的に行う。 【提言43】 官民で進めるビジット・ジャパン・キャンペーン(VJC)においては、重点地域の見直しや宣伝方法の高度化を図るとともに、集中的な実施期間を設けて、認知度の向上と施策の 充実を図る。 【提言44】 国・地域・観光関連産業は、韓国・中国等との連携強化により形成される東アジア観光圏への誘客キャンペーンを重点的に実施する。 【提言45】 国・地域・観光関連産業は、世界の観光関係者や著名人を招いた国際会議を開催したり、知日・親日外国人を「観光親善大使」に任命して、その母国等での宣伝活動を推進す る。 【提言46】 地域は、フィルムコミッション(FC)などを活用し、映画、ドラマのロケーションを誘致し、日本の露出度をアップさせる。 これまでの取組み(平成19年5月31日まで) 外務省は、海外における観光展や見本市等の行事に在外公館が出展し、観光パンフ レットの配布やビデオ上映を実施した。平成16年∼19年の3年間の実績:総計32件 (アジア4・北米8・欧州19・中南米1件) 国土交通省は、ビジット・ジャパン・キャンペーン重点市場において、海外での日本の イメージや顧客のニーズを把握しつつ、メディア関係者及び旅行会社関係者の招聘、 商談会の開催、新聞・雑誌・テレビなどのメディアを通じた日本観光のPR、海外、国 内の旅行博への出展等の事業を実施した。また、重点市場において在外公館の長を 会長とするビジット・ジャパン・キャンペーン現地推進会を立ち上げ、現地観光関係者 等との意見交換と観光プロモーションを行った。 今後の取組み(平成19年6月1日以降) 外務省は、在外公館長を会長とする現地推進会を開催し、現地の政府機関や旅行関 係者とともに観光客誘致のための方策を検討するとともに、在外公館において関連 情報収集に努め、観光展や見本市等により積極的に参加・出展する。また、日本を紹 介するための映像資料(ジャパン・ビデオ・トピックス等)やインターネット(外務省、在 外公館、Web Japan等)、印刷物資料を作成・購入し、観光促進に資するコンテンツ の拡充に努める。 国土交通省は、中国においては、平成19年が「日中国交正常化35周年」という佳節 の年に当たることを踏まえ、日中間の交流人口を500万人の大台に乗せることを目 指すほか、総計2万人規模の日中交流団の派遣・交換を行う。また、韓国において は、平成19年が朝鮮通信使400周年に当たることを記念して、日韓相互通信使(仮 称)を派遣・交換する。また、タイ、カナダ、インドとの関係において平成19年を観光 交流年と位置づけるとともに、国際会議、国際文化・スポーツイベントの誘致を通じた ビジネス訪日旅行の促進等の取組みや従来の重点12市場に加えインド、ロシア、マ レーシアについての市場開拓を行うこと等により、新たな訪日旅行需要の創出・拡 大、ビジット・ジャパン・キャンペーンの高度化を図る。 国土交通省は、日本の各地域で観光振興やまちづくりに取組んでいる外国人から、 日本人が気付かない日本の魅力や大切にすべき景観・伝統・文化、日本人が改善す べき点等について意見やアドバイスをもらうことを目的として、平成18年2月及び3月 の2回、「外国人から見た観光まちづくり懇談会」を開催した。 国土交通省は、中国・韓国の旅行シーズンである旧正月にあわせ、外国人を対象とし 国土交通省は、平成19年度も「YOKOSO JAPAN WEEKS」事業を行う。平成1 た観光施設の特別割引やIT技術を活用した通訳案内などの集中キャンペーン「YOK 8年度の結果も踏まえつつ、地域におけるイベントや外国人に対する割引料金の導 OSO JAPAN WEEKS」事業(平成18年度は、平成19年1月20日から2月28 入などの取組みを実施する。 日)を実施した。 国土交通省は、「日中韓観光大臣会合」(平成18年7月)で合意された「北海道宣言」 の「日中韓観光ビッグバン(日中韓域内外観光交流拡大計画)」に基づき、三国間の 観光交流を2010年までに1,700万人以上(500万人以上の増加)にすること等を 目指して、三国共同での観光宣伝や旅行商品の造成等、三国外から三国への観光 の拡大を図るための共同の取組みを推進することとした。 国土交通省は、日中韓三国共同の取組みとして、「北海道宣言」の目標達成に向け、 日中韓三国共同の取組みを引き続き実施する予定。中国においては、平成19年が 「日中国交正常化35周年」という佳節の年に当たることを踏まえ、日中間の交流人口 を500万人の大台に乗せることを目指すほか、総計2万人規模の日中交流団の派 遣・交換を行う。また、韓国においては、平成19年年が朝鮮通信使400周年に当た ることを記念して、日韓相互通信使(仮称)を派遣・交換する。 国土交通省は、日中韓観光大臣会合(平成18年7月)や北東アジア港湾局長会議 国土交通省では、「シートレード・クルーズ・シッピング・コンベンション」(平成20年3 (平成18年11月)において、三国が協力してクルーズ船誘致等に取組むことに合意 月予定)への出展等により、外国客船の誘致促進や日本人のクルーズ旅行振興を図 したことを踏まえ、外国客船の誘致促進や日本人のクルーズ旅行振興を図るため、ク る。 ルーズ関係者の情報交換・連携の場として、平成18年12月8日に外航クルーズ旅 行振興全国協議会を立ち上げた(中国・韓国もオブザーバーとして参加。)。さらに、 平成19年3月にマイアミで開催された「シートレード・クルーズ・シッピング・コンベン ション」に、日中韓3国が連携して出展した。 外務省は、諸外国のオピニオン・リーダー、記者、テレビチームや青少年ほかを年間 約500人超招へいし、地方旅行を含め、日本の実情を見聞してもらい、対日理解を深 めてもらう。帰国後は、被招待者による講演、投稿、記事掲載、テレビ番組放映等に より、訪日体験が発信されることにより、諸外国における対日関心の拡大を図る。ま た、被招聘者の再訪日や家族、友人等による訪日を促す。 19 ページ 国土交通省は、以下のとおり「観光親善大使」等を任命し、TVCMやポスター、パンフ 国土交通省は、引き続き「観光親善大使」等を任命し、TVCMやポスター、パンフレッ レット等において訪日を呼びかけた。また、訪日韓国人旅行者200万人達成記念式 ト等において訪日を呼びかける。 典においては歌手のユンナさんに出演していただき、訪日を呼びかけた。 ・JETAAニューヨーク支部(VJC特別代表、18年5月2日任命) ・木村佳乃さん(観光広報大使、18年8月7日再任(3期目)) ・梁洛施(イザベラ・リョン)さん(ビジット・ジャパン・キャンペーン香港親善大使、18年 9月11日任命) ・TIKさん(ビジット・ジャパン・キャンペーンタイ親善大使、19年4月2日任命) ・浅田舞さん、浅田真央さん(日加観光親善大使、19年4月6日任命) 等 文部科学省は、各地のフィルムコミッション等が有するロケ候補地に関する情報をイ 文部科学省は、引き続き、「全国ロケーションデータベース」の運営を行う。 ンターネット上に集約し、各地の資源を活かした魅力ある映画の製作を促進する「全 国ロケーションデータベース」の構築を進め、平成18年5月に一般公開を開始し、同 年10月には英語ページの公開を開始した。随時情報を追加・更新している。 文部科学省は、ロケーションやオープンセットなどの撮影環境の確保について、都市 再開発との連携の在り方や望ましい撮影環境に関する調査研究を行うとともに、国内 外からの撮影誘致につながる情報発信や活動の方策等について調査研究を実施し た。 文部科学省は、東京国際映画祭期間中に開催した「文化庁映画週間」に、フィルムコ ミッションが海外又は各地域に対して果たす役割を事例をもとに考えるシンポジウム 「第4回文化庁フィルムコミッション・コンベンション」を平成18年10月27日に開催し た。 経済産業省は、平成17年及び平成18年の東京国際映画祭において、ロケーション マーケットを開催。全国のロケーション受入機関に対し、ロケーションに必要な道路や 公的施設の円滑な利用についての働きかけを行うとともに、全国から集まる映像製 作者に対し、地域でのロケーション受入れに関する取組み状況について広く情報の 提供を行い、意見交換を行った。 文部科学省は、引き続き、国内外からの撮影誘致につながる情報発信や活動の方策 について調査研究を行う。 経済産業省は、国内外映像制作者(特にロケに関わる層)とロケ受入れ組織の交流 の場を提供し、「ロケ誘致」、「ロケアレンジ」、「地域振興」を担う人材の育成を行う。ま た、平成19年度も地域のロケ情報を積極的に発信するためのマーケットを開催し、 地域へのロケ受入れを促進する。さらに、コンテンツと観光との連携など、コンテンツ の活用を地域の活性化に結び付ける取組みを支援する。 国土交通省は、(社)日本観光協会が主催する「旅フェア」におけるパネル展示を支援 国土交通省は、引き続き、(社)日本観光協会が主催する「旅フェア」におけるパネル することにより、フィルムツーリズムの振興を図った。 展示を支援することにより、フィルムツーリズムの振興を図る。 20 ページ 課題4:国民観光の促進 提言番号:47∼51 【提言47】 国は年次有給休暇の計画的付与制度の導入を促進するとともに、各種の休暇制度等やその運用に係る先進事例を収集し周知を図る。 【提言48】 産業界は、各企業における自主的な取組みを促すことを目的に、企業毎の年次有給休暇取得状況を公表し、他企業の労働条件との比較を行う。 【提言49】 地域は、県民の日や祭りにあわせて地域ごとに休日を設定するなど、地域毎に休暇を分散化し、旅行需要の平準化を図る。 【提言50】 教育委員会は、学校の秋休みや2学期制、地域行事に連動した学校休業、家庭のための休暇など、学校休業の多様化と柔軟化を進める。 【提言51】 国は、学校休業にかかる先進事例を収集・紹介し、参考資料を提供することにより、効果的な学校休業の設定を促す。 これまでの取組み(平成19年5月31日まで) 今後の取組み(平成19年6月1日以降) 国土交通省は、平成19年2月に、休暇のあり方等を含めた国内旅行の需要を喚起 国土交通省は、引き続き、「国内旅行需要喚起のための休暇のあり方懇談会」を開催 するための方策について検討する「国内旅行需要喚起のための休暇のあり方懇談 し、休暇のあり方等を含めた国内旅行需要を喚起する方策について検討を進める。 会」を設置し、平成19年3月にはその検討結果を踏まえ「長期家族旅行の推進に関 するシンポジウム 国内旅行需要喚起と休暇のあり方を考える」を開催した。 文部科学省は、2学期制などの学期区分などについて調査を行った。(2学期制など 文部科学省は、引き続き、2学期制などの学期区分などについて調査を行う。 3学期制以外の学期区分を採用している学校の割合は、小学校14.0%、中学校1 5.3%) 文部科学省は、学校の長期休業日の工夫例について、教育委員会担当者を対象とし 文部科学省は、引き続き、学校の長期休業日の工夫について教育委員会担当者を た会議において周知をした。(平成19年度小・中学校各教科等担当指導主事連絡協 対象とした会議において周知を行うなど、学校休業に係る各種情報を収集し教育委 議会(平成19年5月24・25日)及び平成19年度高等学校各教科等担当指導主事 員会等に提供する。 連絡協議会(平成19年5月31日、6月1日)) (社)日本ツーリズム産業団体連合会(TIJ)は、平成18年9月から「秋休みキャンペー ン」を実施し、「秋休み」向け商品の造成・販売による旅行需要促進、ポスター等によ るPR活動、旅行商品等のプレゼントキャンペーンなどを行った。 提言番号:52∼54 【提言52】 交通機関や高速道路は、閑散期やオフピーク時間帯を活用して、観光客に対する割引を拡大し、旅行コストを引き下げる。 【提言53】 宿泊施設は、泊食分離、料理選択制、連泊割引制の導入等サービス・料金の多様化を通じて宿泊コストを引き下げる。 【提言54】 国・地域・産業界は、高齢者、身障者、子供連れの旅行者などに快適な旅行を提供するため、観光施設や公共交通機関、歩行空間等のバリアフリー化を進める。 これまでの取組み(平成19年5月31日まで) 今後の取組み(平成19年6月1日以降) 国土交通省は、高速道路の料金について、ETCを活用した割引(マイレージ割引・時 国土交通省は、平成20年度以降、高速道路料金の引下げによる既存高速ネット 間帯割引等)を実施した。 ワークの効率的活用・機能強化のための新たな措置を講ずるにあたり、平成19年度 に社会実験を実施する。 国土交通省は、個人・小グループ旅行の増大等の旅行需要の動向変化に対応した 国土交通省は、平成18年度に実施した実証実験の結果(成功事例や課題)等を踏ま 新たなサービスの提供による宿泊産業の活性化に向けて、阿寒湖温泉等全国8地域 え平成19年度も、泊食分離の導入に係る宿泊産業活性化に向けた実証実験を行 において泊食分離の導入等に係る実証実験を実施し、新たなビジネスモデルの確立 う。 と全国普及に向けたデータの収集・分析等を行った。 内閣府は、旅行者に優しい、質の高い沖縄観光を実現し、国民の総合的な健康保養 の場の形成に資することを目的とする「バリアフリー観光推進事業」を実施した。(平 成19年3月で事業完了) 国土交通省は、バリアフリー新法(平成18年12月施行)等に基づき、建築物、公共 交通機関、車両等、歩行空間等のバリアフリー化を促進した。 国土交通省は、引き続き、バリアフリー新法等に基づきバリアフリー化を促進する。 国土交通省は、ユニバーサルデザインの考え方に基づく観光の促進に向けて、舘山 国土交通省は、ユニバーサルデザインの考え方に基づく観光を定着させ、柔軟に促 寺温泉及び草津温泉においてモデルツアーを実施し、旅行商品及び観光地のあり方 進していくため、平成18年度の調査検討の結果を踏まえてガイドラインを策定する。 について、ソフト・ハードの両面から調査検討を行った。 21 ページ 提言番号:55 【提言55】 国・地域・民間事業者・教育関係者等は、観光と文化、観光の経済効果、休暇の意義、外国人に対するホスピタリティなど観光の積極的な意義につき、シンポジウム、資料配 布、広報、講演などで情報発信することにより、国民の観光に対する意識を高める。 これまでの取組み(平成19年5月31日まで) 今後の取組み(平成19年6月1日以降) 文部科学省は、関西関係団体と連携し、関西から日本の文化が力強く発信されること 文部科学省は、引き続き「文化力プロジェクト」のホームページ等を通じて、共通ロゴ をねらいとして平成15年5月に「関西元気文化圏」を形成した。文化団体や企業が行 マークの活用促進や各種イベントの広報活動等を積極的に実施するとともに、「関西 う文化関連事業、自治体の関係事業、文化庁の関係事業など多様な文化活動を展 元気文化圏推進協議会」「九州沖縄文化力推進会議」と連携し、地域の文化事業の 開している。平成19年1月には、関西元気文化圏賞贈呈式を文化庁芸術祭賞贈呈 広報活動を支援する。その際、関西においては関西分室を拠点とし、地方自治体や 式に合わせ実施したほか、関西元気文化圏の取組みの更なる推進を目的として「関 関係団体等の相談窓口等の機能を担わせることにより、更なる取組みの推進を目指 西元気文化圏推進・連携支援室」(関西分室)を京都市内に設置した。また、九州・沖 す。 縄地区においては、九州・沖縄・山口の自治体、経済界が中心となって平成18年9月 に発足した「九州・沖縄文化力推進会議」と連携し、「九州・沖縄から文化力プロジェク ト」を推進した。 文部科学省は、日本人自身や訪日外国人が、日本の歴史や文化の全体像を理解し 文部科学省は、引き続き、ホームページにおいて引き続き周知を図る。 たり、日本文化の特色をより深く理解することができるよう、「旅」を通じて日本の歴史 と文化を訪ねる「わたしの旅」プランの募集を行い、105プランを「100選」として選定 し、発表した。 国土交通省は、平成18年11月に取りまとめた平成17年度分「旅行・観光消費動向 国土交通省は、引き続き、「旅行・観光消費動向調査」を行い、観光の経済効果等に 調査」の結果を幅広く公表し、観光の経済効果及び観光の重要性について周知した。 ついて周知する。 (平成17年度の観光の経済効果は、旅行消費額24.4兆円、生産波及効果55.3兆 円(国内生産額の5.8%)、雇用効果469万人(全就業者数の7.4%)) 国土交通省は、平成18年6月から8月の都道府県別の宿泊者数について、全国統 国土交通省は、引き続き、「宿泊旅行統計調査」を行い、宿泊の実態等について周知 一基準により「宿泊旅行統計調査第二次予備調査」を実施し、その結果を広く公表し する。 た。また、平成19年1月より「宿泊旅行統計調査」(本調査)を実施している。 国土交通省は、平成18年3月に「『長期家族旅行』を考えるフォーラム」を、平成19 国土交通省は、引き続き、「国内旅行需要喚起のための休暇のあり方懇談会」を開催 年3月に「長期家族旅行の推進に関するシンポジウム 国内旅行需要喚起と休暇の し、休暇のあり方等を含めた国内旅行需要を喚起する方策について検討を進める。 あり方を考える」を開催し、長期家族旅行の普及・定着のための各種取組みについて 広く周知し、啓発活動を実施した。 22 ページ