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資料1 平成28年度兵庫支部パイロット事業について
資料1 平成28年度 兵庫支部パイロット事業について 1 兵庫支部でのパイロット事業公募について 目的 パイロット事業は保険者機能の発揮による総合的な取組を推進するため、本部と 支部との協働のもとに先導的に実施し全国展開を目的とした事業として位置づけら れている。 兵庫支部においても保険者機能の強化に繋がる事業を行うため、支部職員へパイ ロット事業の公募を実施した。 概要 平成27年10月に兵庫支部において、パイロット事業を募集したところ14案の事業 提案があり、支部内でのプレゼン、審査を経て5事業について本部へ提案を行った。 そのうち「若年者へのジェネリック軽減額通知送付事業」について本部で採用され 平成28年度に事業実施することとなった。 「集団健診とメタボを予防する簡単レシピと簡単筋トレの同時実施について」およ び「糖尿病治療中断者受診勧奨について」の2つの事業についは兵庫支部独自の保健 事業として実施する。 2 平成28年度 パイロット事業 ~若年者に対するジェネリック医薬品軽減額通知送付業務~ 3 1.背景 後発医薬品(以下、GE医薬品という。)の普及は医療費適正化にも大きく影響することか ら国を中心に普及の取り組みが進められている。 協会けんぽにおいても、医療費適正化の観点からGE医薬品軽減通知額のお知らせ(以下、 GE通知という。)やセミナー、GE希望シールの配布等の啓発活動などを実施している。 平成27年6月に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2015」 の中で、2020年 度末までにGE医薬品のシェアを80%に引き上げるという新たな目標が厚生労働省より示 された。また、今後GE医薬品の使用割合や重症化予防の取り組み等支部間で評価し保険料 率に反映させる仕組みも国は検討している。 4 2.目的 現在協会けんぽで実施しているGE通知は、35歳以上の加入者のうち、主に生活習慣病や慢性疾患な どの患者であり、長期服用を行っている者を対象としている。 ⇒若年者や短期服用者については、送付対象外 平成26年度 兵庫支部加入者 年齢階級別 調剤費 単位(円) 12,000,000 10,000,000 8,000,000 6,000,000 4,000,000 2,000,000 0 0~19歳 20~29歳 30~39歳 40~49歳 50~59歳 60~69歳 70歳以上 ※平成26年度 郵便番号別加入者医療費基本情報より集計 年齢階級別ジェネリック医薬品使用状況 65.0% 60.0% 55.0% 50.0% 45.0% 40.0% 若年者の使用状況は他の年齢より低水準 にあるため、切り替え効果が見込める。 0歳~4歳 5歳~9歳 10歳~14 15歳~19 20歳~24 25歳~29 30歳~34 35歳~39 40歳~44 45歳~49 50歳~54 55歳~59 60歳~64 65歳~69 70歳~74 歳 歳 歳 歳 歳 歳 歳 歳 歳 歳 歳 歳 歳 兵庫 51.9% 46.9% 50.5% 58.0% 61.7% 62.0% 60.9% 61.3% 61.0% 61.4% 62.4% 62.3% 63.2% 61.8% 57.5% 全国 52.8% 46.7% 50.8% 56.3% 60.7% 61.9% 61.8% 61.7% 61.6% 61.8% 62.8% 63.7% 63.6% 62.3% 58.0% ※平成27年3月診療分 年齢階級別 都道府県支部別 ジェネリック医薬品使用状況より(新指標、数量ベース) 若年者の調剤費は比較的高いが、GE医薬品の使用割合は非常に低い。これまで未介入だった若年者に対して GE医薬品のアプローチを行うことでシェア拡大とシェア拡大に向けて取り組むべき課題を明確にすることを 5 目的とする。 3.事業概要-1 本部が毎年、実施する通常のGE通知に加え、当支部の加入者のうち、0~19歳の被扶養者 を有する被保険者をGE通知の送付対象とする。(送付先は被保険者とする) 上記対象の中から、直近1年間の医科レセプト及び調剤レセプトから最も効果額が高い月 のレセプトを抽出し、効果額が多い者から順に20,000名を上限として対象者を選定する。 選定した対象者を送付群と非送付群とに分けて、送付群に対し被保険者(保護者)あてに GE医薬品減額通知を送付する。 一定期間経過後に送付群と非送付群のレセプトを比較し効果測定を実施する。 対象者のGE医薬品に関する意識調査(アンケート)をWEB上で実施する。 6 3.事業概要-2 小児医療にGE医薬品の普及が進まない理由としては、 ①GE医薬品に対する不安や偏見(我が子にはいい薬(先発品)を飲ましてあげたい) ②多くの自治体で乳幼児~義務教育修了まで医療費の助成を実施しており、GE医薬品に 切り替えた時の金銭的なメリットが少ないor存在しない。 通常の送付物(封筒、説明書、軽減額通知) 啓発リーフレット GE医薬品Q&A 上記課題を解決する手法として、通常の送付物に加え啓発リーフレットを封入する。また、 乳幼児医療の助成については自治体により差異があり、切り替え後の軽減額も実際とは異な る場合があることから、その旨を記した注釈のチラシも同封する。 リーフレットの内容については、「GE医薬品を使用することで皆保険制度を将来に引き継い でいける」、「医療費は加入者の保険料と自治体の公費負担により賄われている。」といっ た患者教育的なものを想定し、行動変容を促すこととする。 形態としては、小学生~中学生まで親子で一緒に読むことが出来る漫画形態とする。 7 4.スケジュール H28. H28. H28. H28. H28. H28. H28. H28. H28. H28. H28. H28. H29. H29. H29. 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 予定 ● ● ● 軽減額通知調達準備~公告 実績 予定 ● ● ● リーフレット調達準備~公告 実績 予定 ● ● WEBアンケート調達準備~公告 実績 予定 ● ● レセプト抽出 実績 予定 ● 送付 実績 予定 ● ● アンケート集計・分析 実績 予定 ● 中間報告 実績 予定 ● ● ● レセプト分析 実績 予定 ● 最終報告書作成 実績 項目 5.期待される効果 被保険者(保護者)に対し「GE医薬品の使用が次世代への貢献となる」ことを訴 えかけることで単に軽減額の提示だけでは行動変容が難しい層にも切り替えへの 動機付けができる。 アンケート結果から今後のGE医薬品普及促進に向けて、協会けんぽが取り組むべ き課題が明確となる。 8 平成28年度 調査研究事業 ~終末期医療費の推計と疾病別予測モデル構築に関する研究~ 9 平成28年度支部調査研究事業(全体図) 疾病情報を活用した調査研究事業「テーマ①:終末期医療費の推計と疾病別予測モデル構築に関する研究」 背景 疾病に罹患し、重症化する過程において患者の医療費は上昇する。重症化の過程と重症化に伴う医療費の推計は疾病・患 者ごとに異なっているが、大容量データを用いることでその推移を疾病別にモデル化することが可能になると考えられる。しか しながら、このようなモデル化を目的とした研究は未だ充分に行われていないのが現状である。 目的 主要疾病の重症化に伴う健康状態と医療費の推移を把握し、「疾病別予測モデル」を構築する。 方法 レセプトと健診データを含む分析用データベースに加入者の死亡情報を付加し、死亡に至る症例の医療費をSPSS Statisticsを 用いて経年的に分析する。次に、SPSS Modelerを用いて、主要疾病及びその組み合わせの健診・医療費データの経年変化を 分析したうえで、重症化に伴う健康状態と医療費の疾病別の推移を把握する目的で「疾病別予測モデル」を構築する。なお、 本研究は兵庫支部、東京支部の2支部共同で実施することで、より正確で普遍的なモデル構築を実現すると同時に、疾病別 リスクの地域性についても検討を行う。 期待される効果 重症化に伴う健康状態と医療費の予測モデル構築により、医療費適正化効果の高い疾病の抽出や介入方法の検討に活用 できるほか、より正確な医療費予測も可能になる。また、主要疾病の患者およびその予備軍に対して、予測モデルの分析結 果を用いて将来の医療費や健康状態を予測した資料作成に活用するなど、健康増進への効果的な介入が可能になる。 健診データ レセ集計 データ 健診データ 死亡情報 SPSS Statistics 疾病別 レセデータ 死亡情報 SPSS Modeler 疾病別医療費・健康の予測モデル 疾病別医療費の推移 1500 0.9 0.7 0.5 0.3 0.1 -0.1 1000 500 0 軽症 中等症 重症 死亡 将来の医療費・健康状態予測を用いた啓発活動、事業化計画などに活用 医療費(千円) 疾病y 健診数値 1200 1000 800 600 400 200 0 医療費(千円) 1200 1000 800 600 400 200 0 疾病X 症例B 医療費(千円) 医療費(千円) 症例A 1200 1000 800 600 400 200 0 0.9 0.7 0.5 0.3 0.1 -0.1 軽症 中等症 重症 死亡 10 健診数値 タイトル 兵庫支部 平成28年度 調査研究事業 ~業態別疾病別の予測分析とリスク階層化及びGISを活用した 集中的重症化予防~ 11 平成28年度支部調査研究事業(全体図) タイトル 兵庫支部 疾病情報を活用した調査研究事業「テーマ②:業態別疾病別の予測分析とリスク階層化及びGISを活用した集中的重症化予防」 背景 医療費の多くを占める生活習慣病の要因はライフスタイルによる所が大きく、一日の大半の時間を過ごす事業所は、食生活 や運動習慣など、そのライフスタイル及び健康状態に対し多大な影響を及ぼすと考えられる。効果的且つ効率的な医療費適 正化のためには、医療費や健診等のデータ分析において、業態別の数値を分析し、その結果を各業界団体から事業主を通じ て個人に働きかけることや、業態別・疾病別の重症化予防を行うことが重要である。 目的 業態別の健康状態、医療費、生活習慣を総合的に分析し、膨大なデータから疾病や健診数値のパターン、傾向を把握し、そ の結果を各業界団体に示し、事業主に働き掛けることで、個人の行動変容を促すことを目的とする。また、総合的に医療費適 正化を目指すためには、疾病別の重症化予防を行うことが必要であり、個々の業態やリスク層ごとに保健事業を行うため、業 態ごと、疾病別のリスク階層化を行うことを併せて目的とする。 方法 レセプトと健診データを含む分析用データベースをSPSS Modelerに読み込ませ、業態別・疾病別のデータマイニングを行い啓 発の資料とする。また、その情報を基にリスク別に自動的にグループを分類(クラスタリング)し、各グループの特徴を提示する。 その上で、業態別、階層別に集約した各グループをArcGIS(地理情報システム)を用いて、県内地図上に配置し、高リスク地域 を特定する。 期待される効果 業態別・疾病別予測モデルを構築し、それを業界団体に示すことで、事業主から個人への効果的な介入が期待できる。また、 業態別・疾病別の重症化予防をGISを用いて地域を絞り込むことで、効率的に事業を行うことができ、ひいては該当エリアの健 康度を改善することができる。最終的にはその地域を増やしていくことで医療費適正化が期待できる。 リスク高 美方郡新温泉町 豊岡市 美方郡香美町 養父市 朝来市 丹波市 宍粟市 神崎郡神河町 多可郡多可町 佐用郡佐用町 神崎郡市川町 篠山市 西脇市 神崎郡福崎町 加西市 姫路市 赤穂郡上郡町 相生市 赤穂市 三田市 加東市 川辺郡猪名川町 川西市 たつの市 小野市 揖保郡太子町 高砂市 宝塚市 三木市 西宮市 神戸市北区 加古川市 神戸市東灘区芦屋市 神戸市灘区 加古郡稲美町 加古郡播磨町 明石市 神戸市西区 伊丹市 尼崎市 神戸市中央区 神戸市須磨区神戸市兵庫区 神戸市垂水区神戸市長田区 淡路市 洲本市 南あわじ市 リスク低 リスク高 リスク低 ◆業態別の特徴を分析するとともに、業態別・疾病別に階層化を行う。 ◆階層化されたリスク層を地図データで可視化し、リスク集中地域を特定する。 12