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ポスター発表

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ポスター発表
T9-P-3
PC を 利 用 し た 野 外 調 査 の 可 能 性 と 課 題
吉 川 敏 之 ( 産 総 研 地 質 調 査 総 合 セ ン タ ー)
Now and future for digital field survey with personal computer.
Yoshikawa, T. (GSJ, AIST)
はじめに
野外調査とは
・地質学の基本.
・野外の事実を,縮小して仮想的に再現すること.
持 ち 帰 る デー タや 試 料は
多け れ ば 多い ほ ど
再現 性 が高 い .
一次デ ータ の アー カ イ ブ
・露 頭や 地 質調 査人 口 減少 のた め ,野 外調 査 デー タを 保 管・集 約 ・共 有 した い .
・検 索性 を考 え る と, デジ タル ア ーカ イ ブ .
→調 査 段階 か らデジ タル データで保 存 で きれば 便 利
時間 的 ・空間 的 制約 が あ り,
効率 よ く 行う 必 要が ある .
国土 地 理院
・国 土の 基 本図 整備 を2万5千分 の1地形 図 から 電子 国土 へ と変更 .
・最 新版 は 電子 デ ータ (ウ ェブ 上で 利用 可 能).
→そ の まま電 子 データで利 用 で きれば 便利
これまでは紙と鉛筆によるデータ取得が主体.
これを電子化すると,以下のようなことが期待できる.
・データの保管・検索・再利用の利便性向上.→調査後の再現性向上
・電子化による調査の効率化・省力化.→野外での利便性向上
専用 の シ ステ ム
・ コス トが かか る .
・ハ ード ウ ェア ・ソフ ト ウェア が制 限 され る こ とが ある .
→汎 用 品を 組 み合 わせ て 安価 に 実現し た い
「 汎 用P C を 利 用 し た 野 外 調 査 を や っ て み ま し た 」
~ Ul t ra M obi l e P C (U MP C ) を 利 用 し た 野 外 調 査 記 録 ~
実験で利用したハードウェア・ソフトウェアの一覧
準備したもの
ハードウェア
最終的に利用していた組み合わせは次の通り.
ハードウェア
◎ ポ ー タ ブ ル P C :v il iv X 70
• デ ジ タ ル カ メ ラ :P en tax O p tio W 90
• 無 線 LA N 内 蔵 S D カ ー ド :E y e-f i P r o
• G P S ロ ガ ー : So ny G P S -C S3 K
• ク リ ノ メ ー タ ー :G S I G eo C li no
ソフトウェア
2010
2011
viliv S5
Portable PC
viliv X70
Nikon E8400
デジタルカメラ
Pentax Optio W90
Wi-Fi SD カード
Eye-fi Pro
Sony GPS-CS1K
GPSロガー
Sony GPS-CS3K
デジタルクリノメーター GSI GeoClino
Pentel airpen
デジタルペン
MVPen
(スケッチ用)
Princeton Digital Inkpad
備考
4.8 inch LCD, 410 g
7 inch LCD, 660 g
防水・防塵・耐衝撃
実験中に損壊
ソフトウェア
(* は フ リ ー ウ ェ ア)
◎ G I S ソ フ ト : 地 図 太 郎 p l us
◎ デ ー タ 入 力 :Mi cro so ft X ML No tep ad (* )
◎ 入 力 補 助 : ク リ ッ プ ボ ー ド 拡 張 ユ ー テ ィ リ テ ィ ー San vi ent (*)
◎ 入 力 補 助 :P IG Y ソ フ ト ウ ェ ア キ ー ボ ー ド (*)
• グ ラ フ ィ ッ ク :Fas ts to ne I m ag e V ie wer (*)
地図操作
テキスト入力
入力補助
グラフィック
スケッチ
Exif 編集
野外での手順
カシミール
地図太郎 Plus
Microsoft Excel
XMLEditor.net
XML Notepad
Sanvient
PIGY software keyboard
Faststone Image Viewer
Windows Journal
Able CV
F6 Exif
フリーウェア
フリーウェア
フリーウェア
フリーウェア
フリーウェア
フリーウェア
OSに付属
シェアウェア
フリーウェア
この選択は個人的な慣れとPCの知識が反映されているに過ぎず,これらのハードウェア・ソフトウェア類の使用を推奨するものではない.
20110219004
地図 ソフ ト上で
観察 ポイ ン トを
決定 ( タップ)
XML編 集 ソフ トを
起動 し, 同 じIDを
入力 .
XML ファ イル 上 に
観 察内 容 をテ キ
ストで記 載 .
岩 相IDを入 力.
緯 度 ・経 度値 が
固 定 され る.
岩相ID名 で
XML ファ イ ル を
保存 .
野外で使用してみた結果
ソフトウェアキーボードの利用
○ ビットマップで自由に作れる.
○ 必要なキーを選択でき,狭い画面を有効活用できる.
紙の地図の代用として
○ 馴 染 み の2 万5 千 分 の1 地 形 図 を 利 用 可 能 .
○ 参考資料を現場で重ね合わせ確認できる.
○ GPS ナ ビ ゲ ー シ ョ ン 機 能 も 便 利 .
× 一度に表示できる地図の範囲は紙より狭い.
× 記号や岩相の地紋が書き込めない.
× 情報量が乏しく,ルートマップの代わりにはできない.
紙の野帳の代用として
○ あらかじめ記入すべき項目をリスト化できる.
○ このため,記入漏れや観察忘れを防げる.
× 表示領域を越える長文は,選択しないと確認できない.
クリップボード拡張ユーティリティーの利用
○ 観察記載が速い.事前に登録しておけば,入力は一瞬.
○ 誤記・スペルミスを防げる.
○ 用語を統一できる.「ゆらぎ」を防ぎ,検索を容易にする.
○ スクリプトが利用できる.
× 既定の分類基準や枠にとらわれる可能性がある.
スケッチ
× 紙に優るものはまだない.
○ E ye- fi カ ー ド を 利 用 し た 画 像 転 送 と
写真への書き込みは実用的.
その他
○ G P S ロ ガ ー を 利 用 し た E xi f へ の 緯 度 ・ 経 度 付 加 .
テ スト 環境 につ いて
利用 機 器 類 :2009年末 に 揃え ,2010年 末 には 一 部ハ ードウ ェア を入れ 替え .
野外 テス ト:2010年1月 か ら主 に 冬に 行 い ,2011年3月11日 の 地震 で打 ち切 り.
現場 :実践 に 近 づ け るた め,馴 染み の フ ィ ール ドは 回避 .
林 道 ,登 山 道, 海 岸など 多 様で ,天 候 も晴 ・曇 ・雨 ( み ぞれ も) あ り.
実践導入の可能性
・ GP S に よ る 位 置 把 握 補 助
・過去データや参考データの可搬性.
・ 入 力 補 助 ( コ ピ ペ 機 能) を 活 用 し た 文 字 入 力 .
・スクリプトを利用した自動化.
・ 写 真 を 下 絵 に し た 書 き 込 み メ モ ( ス ケ ッ チ 代 替) .
工夫次第でさらに便利・快適にできる余地がある!
画 数の 多い 漢字 でも 難 しい 単語 でも
一 瞬か つ正確 に入力 可 .
課題
・安価でカスタマイズに優れた地図ソフトウェアがない.
・手書き描画性能の低さ.
・標準フォーマットがない.普遍的に情報共有・交換できない.
・ハードウェアの防水・防塵性能,バッテリー性能.
・ペン入力を前提とした操作性.右クリックやドラッグは×.
期待
・定型的な処理,一括処理はデジタルでは有利
例 え ば … XML の 数 値 ・ 文 字 デ ー タ か ら SV G 柱 状 図 を 自 動 作 成
・ 視 覚 の 衰 え や 調 査 環 境 の 変 化 ( 日 没 な ど) に も 対 応 で き る 可 能 性
さらに…防水機能があれば,雨の中や水中での調査記録も可能
今後の発展が見込める分野!
次の一手は?
1. 欠 点 が 多 い の で 切 り 捨 て る ( 信 長 型 ) .
2. 資 金 を 獲 得 し て で も 独 自 に 作 る ( 秀 吉 型 ) .
3. 使 い や す い ハ ー ド ウ ェ ア ・ ソ フ ト ウ ェ ア の 登 場 を 待 つ ( 家 康 型 ) .
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