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議論のたたき台

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議論のたたき台
資料3
議論のたたき台
1.番号制度の所管
○民主党のとりまとめ
(「番号法」(仮称)の所管官庁をどうするか。)
制度の所管は内閣府とし、速やかに人員体制の強化を図るとともに関係省庁との連携を十分に図る
べきである。
○当実務検討会とりまとめ(案)
番号制度導入後、制度の見直しを行う際の企画・立案については、関係行政機関、地方公共団体、
民間事業者など国民各界各層の理解と協力が不可欠であることから、番号制度の所管を内閣府とし
てはどうか。
内閣府設置法(平成十一年七月十六日法律第八十九号)
(任務)
第三条
2
内閣府は、内閣の重要政策に関する内閣の事務を助けることを任務とする。
前項に定めるもののほか、内閣府は、皇室、栄典及び公式制度に関する事務その他の国として行うべき事務の適切な遂行、
男女共同参画社会の形成の促進、市民活動の促進、沖縄の振興及び開発、北方領土問題の解決の促進、災害からの国民の保護、
事業者間の公正かつ自由な競争の促進、国の治安の確保、金融の適切な機能の確保、消費者が安心して安全で豊かな消費生活を
営むことができる社会の実現に向けた施策の推進、政府の施策の実施を支援するための基盤の整備並びに経済その他の広範な分
野に関係する施策に関する政府全体の見地からの関係行政機関の連携の確保を図るとともに、内閣総理大臣が政府全体の見地か
ら管理することがふさわしい行政事務の円滑な遂行を図ることを任務とする。
3
内閣府は、第一項の任務を遂行するに当たり、内閣官房を助けるものとする。
2.①第三者機関の設置形態
内閣総理大臣の下に、番号制度における個人情報の保護等を目的とする委員会を置くこととし
ている(「大綱」)。その具体的な設置形態としては、国家行政組織法第3条(又は、内閣府設置法
第49条第3項)に基づく、組織としての独立性が高い、いわゆる「三条委員会」と、所管大臣のガ
バナンスの下で独立して職権行使することも可能な「八条委員会(審議会等)」があり得る。
○民主党のとりまとめ
●組織の独立性を保つため、第三者機関は、いわゆる三条委員会とすべきである。
いわゆる「三条委員会」と「八条委員会」の大きな違い
○処分等までの迅速性の有無
・「三条委員会」は、省や庁と並ぶ行政機関としての位置付けが与えられているため、自らの名で命令を発すること
などが可能。(また、手続時に他の機関等から圧力を受けることを極力排除することが可能。)
・「八条委員会」は、府、省又は庁の下に置かれる合議制の機関という位置付けのため、単独の行政機関としての
意思決定・意思表示ができず、直接命令を発することなどができないため、対応の迅速性に差が生じる。
○規則制定権の有無
・「三条委員会」は、番号法の第三者機関に係る規定の施行規則を自ら定めることが可能。
・「八条委員会」は、番号法の第三者機関に係る規定の施行規則を自ら定めることができない。番号法を所管する
機関の大臣若しくは委員会の設置府省の大臣が定めることとなる。
行政機関等から独立した第三者的立場で監督する機関として、「現実的に可能な範囲で組織の独立
性が最大となる設置形態としては、公正取引委員会のような内閣府の外局のいわゆる「三条委員会」
が考えられる。」(個人情報保護WG報告書(23年6月))
内閣府の外局のいわゆる「三条委員会」としてはどうか。
2.②第三者機関の設置時期
第三者機関の設置時期については、「法案成立後、可能な限り早期に第三者機関を設置し、業
務を開始する。」(「大綱」)とされている。
第三者機関が実施する必要のある当面の業務
○情報保有機関における情報保護評価に対する助言・承認
・情報保護評価とは、情報システムの構築・改修にあたり、プライバシーや個人情報へ及ぼす影響を事前に評
価し、その保護のための措置を講じる仕組み。
・諸外国で採用されているプライバシー影響評価(PIA)に相当。
・番号法で番号個人情報を保有する国の行政機関等に対して、情報保護評価結果に基づくシステム設計の変
更を可能とするため、システム開発前に情報保護評価を実施することを義務付け。
・助言業務は第三者機関設立まで準備組織で対応可能なものの、承認業務は第三者機関自身が行う必要。
各情報保有機関が、「大綱」で決定したスケジュール(26年6月付番、27年1月
利用開始)に対応するようシステム開発・改修を行うには、一般的には2年から3
年の期間を要することから、可能な限り早期に第三者機関を設置し、承認を行え
るような体制を整備する必要がある。
平成25年1月より半年以内に設置することとしてはどうか。
2.③第三者機関の組織等
第三者機関(委員会)の委員長及び委員については、「独立してその職権を行う」、「内閣総理大臣
が、両議院の同意を得て、これを任命する」とし、「委員には、関係法令及びIT技術に関する学識経
験者、地方公共団体、民間等の関係者などを含める」としている。(「大綱」)
○民主党のとりまとめ
●委員会の委員には、社会保障・税分野に関係する専門家を幅広く募るべきである。
○委員会の構成について
・委員会には、番号個人情報を保護するために強力な権限を付与され、かつ、その業務には高度の専門性を要
求されることから、番号委の委員長及び委員は、複数の分野の専門家から構成され、また、委員会の運営に当
たっては、それら専門家による慎重な合議が求められる。
・また、委員会の政治的中立性を確保し、行政(内閣)における独立性を担保するとともに、委員会に民主的統制
を及ぼす趣旨から、「大綱」において「委員長及び委員は、内閣総理大臣が、両議院の同意を得て、これを
任命する」としている。
委員会の委員長及び委員の人選については、まず、①個人情報保護法等の情報法、②情報シス
テム・セキュリティ技術、③社会保障又は税分野、の各専門家(学者・研究者)、また、監視・監督を受
ける側の事情に詳しい者として④民間企業の実務経験者及び⑤地方公共団体の関係者が必要にな
ると考えられる。さらに、委員会の業務は、広く国民に影響を与えうるものであることから、⑥国民代
表的な者(マスコミ関係者・弁護士等)や⑦憲法・行政法の専門家なども必要になると考えられる。こ
のようなことから、委員会の人数としては、委員長1人及び委員6人の計7人を限度とし、非常勤の委
員を可能な限り活用する体制を検討することとしてはどうか。
2.④第三者機関(委員会)の委員等の任期等
第三者機関(委員会)の委員長及び委員の任期、再任、任期満了時の措置及び閉会又は衆議
院の解散により両議院の同意が得られないときの措置についても、番号法に定める必要がある。
○任期
・既存の6つの「三条委員会」の委員の任期については、公正取引委員会、国家公安委員会、公害等調整委員会
の委員の任期は5年、公安審査委員会の委員の任期は4年、運輸安全委員会の委員の任期は3年、中央労働
委員会の委員の任期は2年であり、いずれの委員会の委員も国会同意人事を経て任命されている(中央労働委
員会の委員は公益委員のみ)。
○再任
・既存の6つの「三条委員会」では、委員の再任が認められている。ただし、国家公安委員会では再任は1回のみ
、公正取引委員会では70才でその地位を退くこととされている。
○任期満了時の措置
・既存の「三条委員会」では、委員の国会同意が得られずに長期間欠員となり、委員会の業務に大きな影響が出
ることのないよう、後任者が任命されるまでの間は、当該委員長又は委員が引き続きその職務を行うものとして
いる。
・また、国会の閉会又は衆議院の解散という理由で両議院の同意が得られない場合は、内閣総理大臣は、両議
院の同意を得ることなく委員長又は委員を任命することができるとしている。ただし、この場合、任命後の最初の
国会において両議院の事後の承認を得られなければ、当該委員長又は委員を直ちに罷免しなければならない。
委員長及び委員は、高い専門性を有する人格高潔な者が国会同意を得た上で選任され、かつ、委
員会の実務においても専門性の蓄積が必要なことから、委員会運営の安定性と継続性を保つため、
・任期については、5年間とし、発足時においては任期満了時期が集中しないような措置を講じて
はどうか。また、補欠を行った場合の任期は前任者の残任期間としてはどうか。
・再任は妨げないこととしてはどうか。
・任期満了時の措置については既存の「三条委員会」と同様の措置を設けることとしてはどうか。
3.罰則
法定刑が加重等される罰則
○行政機関等の職員等が対象となるもの (行政機関個人情報保護法等の法定刑)
・正当な理由のない番号個人情報ファイルの提供 (2年以下の懲役又は100万円以下の罰金)
・正当な理由のない番号個人情報の提供・盗用 (1年以下の懲役又は50万円以下の罰金)
・不正な利益を図る目的での番号等が記録された文書等の収集 (1年以下の懲役又は50万円以下の罰金)
○第三者機関の権限に関するもの (個人情報保護法における主務大臣に係る罰則の法定刑)
・第三者機関の命令違反(6月以下の懲役又は30万円以下の罰金)
・第三者機関の検査忌避等(3 0万円以下の罰金)
⇒現行法よりも法定刑を加重する。
新設される罰則
○行政機関等の職員等が対象となるもの
・情報連携基盤に係る秘密漏えい
・第三者機関委員長等の秘密漏えい
○法令に基づき番号を取り扱い得る事業者の従業員等も対象となるもの
・正当な理由のない番号個人情報ファイルの提供
・正当な理由のない番号個人情報の提供・盗用
・不正な利益を図る目的での番号等が記録された文書等の収集
○主体が限定されていないもの
・詐欺等行為等による番号の取得
・番号カードの不正取得
※法技術的な論点等については、今後更に内閣法制局等と調整。
4.マイ・ナンバーの利用範囲及び情報連携の範囲
○民主党のとりまとめ
●医療、介護、障がい者福祉等の現物サービスの給付に関しては、将来的な利用形態の具体像を
踏まえつつ、現実的な導入と運用を検討すべきである。
●医療保険証の記号番号等、既存の番号による運用が定着している分野については、当面既存の
番号を活かした運用の余地を考慮すべきである。
●金融機関や源泉徴収義務者など、番号を取り扱う得る事業者は、システム改変等のコストが発生
し、かつ相当の改修期間が必要である。導入時期、範囲等について法令/政省令で明確化するのみな
らず、事前に十分な周知徹底を図るべきである。
●国民的な合意形成を前提として、将来的な番号の他の行政分野での利用や民間利用についても
検討を行うべきである。
○当実務検討会とりまとめ(案)
●医療分野等の機微性の高い個人情報を取扱う分野については、厚生労働省において「番号法」と
は別途特別法により特段の措置を講じる方向で検討を進め、再来年の通常国会への提出を目指したい。
●社会保障・税番号大綱の記載を踏まえ、保険給付等事務に関する法定手続については、「番号法」
の対象とする。
5.ICカード
○民主党のとりまとめ
●ICカード導入については、①マイ・ポータルをはじめとした窓口での本人確認等番号利用者の正当
性確認のために重要である②なりすましを防止するため他の手段に比してセキュリティが高いといった
観点から必要性が指摘されている。一方で、①現時点では、マイ・ポータルを利用しない限りメリットが
少ない②発行コストの低減化や費用対効果が十分に検討されていない③利用者側にもリーダ/ライタ
購入といったコスト負担を強いる恐れがある④顔写真や基本情報が記載されているため紛失・盗難の
被害が深刻となる懸念がある等の点も指摘されている。このため、懸念される論点の改善のための検
討を引き続き慎重に行うべきである。その際、ICカード発行に係るコストの低減の具体的な検討や、紙
やプラスティックといった低コストの媒体との比較や他の個人認証の手法との比較について、海外先進
事例も参考にしつつ、コスト面と併せて、なりすましや偽造リスクなどコスト・セキュリティ両面から行うと
ともに将来的な番号の民間利用の可能性も含め検討を行うべきである。
○当実務検討会とりまとめ(案)
●番号制度の導入に伴い、本人確認と番号の真正性を証明するためのカードを国民からの申請に基
づき交付することについて「番号法」に規定することとしたい。他方、民主党のとりまとめを踏まえ、技術
的な様式については「番号法」には規定しないこととしてはどうか。
6.マイ・ポータル
○民主党のとりまとめ
●マイ・ポータルについては、本人の同意に基づき開設されることを前提に、①情報確認機能②電子
申請機能③アクセス記録確認機能等が計画されており、行政機関による自己情報へのアクセス状況
を確認できる自己情報コントロール権の観点で極めて重要な機能であるという面がある、一方で、①セ
キュリティへの国民の懸念が厳然として存在する②高齢者など、IT活用が難しい国民との間で利用格
差が生じる恐れがある③e-Tax、ねんきんネットの利用率は依然低いことなども指摘されている。この
ため、懸念される論点の改善のための検討を引き続き慎重に行うべきである。
7.情報連携基盤の所管
○民主党のとりまとめ
●情報連携基盤の所管については、番号制度の将来的なあり方も念頭に置きつつ、番号及び個人
情報の一元管理を防ぎ、権限分散を図る観点から、内閣府を軸に検討するとともに関係省庁との連携
を十分に図るべきである。
内閣府設置法(平成十一年七月十六日法律第八十九号)
(任務)
第三条 内閣府は、内閣の重要政策に関する内閣の事務を助けることを任務とする。
2 前項に定めるもののほか、内閣府は、皇室、栄典及び公式制度に関する事務その他の国として行うべき事務の適切な遂
行、男女共同参画社会の形成の促進、市民活動の促進、沖縄の振興及び開発、北方領土問題の解決の促進、災害からの国
民の保護、事業者間の公正かつ自由な競争の促進、国の治安の確保、金融の適切な機能の確保、消費者が安心して安全で
豊かな消費生活を営むことができる社会の実現に向けた施策の推進、政府の施策の実施を支援するための基盤の整備並び
に経済その他の広範な分野に関係する施策に関する政府全体の見地からの関係行政機関の連携の確保を図るとともに、内
閣総理大臣が政府全体の見地から管理することがふさわしい行政事務の円滑な遂行を図ることを任務とする。
3 内閣府は、第一項の任務を遂行するに当たり、内閣官房を助けるものとする。
総務省設置法(平成十一年七月十六日法律第九十一号)
(所掌事務)
第四条 総務省は、前条の任務を達成するため、次に掲げる事務をつかさどる。
(中略)
十二 行政機関が共用する情報システムの整備及び管理に関すること。
(中略)
二十四 国と地方公共団体及び地方公共団体相互間の連絡調整に関すること。
(中略)
六十三 符号、音響、影像その他の情報の電磁的方式による発信、伝送又は受信(以下「情報の電磁的流通」という。)
のための有線又は無線の施設の設置及び使用の規律並びにこれらの施設の整備の促進に関すること。
(中略)
九十九 前各号に掲げるもののほか、他の行政機関の所掌に属しない事務及び法律(法律に基づく命令を含む。)で総務
省に属させられた事務
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