Comments
Description
Transcript
Photoshopの基本操作
商標登録について ⑴ Microsoft、Windows は、米国 Microsoft Corporation の米国およびその他の国における登録商標または商標です。 Adobe、Adobe Photoshop、Adobe Illustrator は、Adobe Systems Incorporated(アドビシステムズ社)の商標です。 ⑵ その他、本文中で記載されている会社名、製品名は、各社の商標および登録商標です。 は じ め に ディジタルカメラ、インターネットに代表されるディジタルメディアの普及は、一部の技 術者からコンピュータグラフィックスの分野を一般の人にも身近なものにしました。 みなさんにも身近な年賀状や暑中見舞いにも、ディジタルカメラで撮った写真や自作のイ ラストを使ったものが多くなっています。また、インターネットのホームページやブログと いったメディアで情報を発信する人も増えています。 情報は受け取るだけの時代から、みずからも発信する双方向性の時代に入ったといってい いでしょう。高等学校では 「情報」 という科目が必修になっており、ワープロ、表計算といっ た基礎的なものからプレゼンテーション、Web ページ、印刷物の制作という情報発信型の 授業が多くなっています。その情報発信の素材の 1 つが画像です。 このような情報教育の普及は大学、短大、専門学校などの教育機関だけでなく、産業界に も大きな影響を与えています。その中で多くの影響を受けているのが広告・デザインの世界 です。従来の広告・デザインの仕事は紙媒体が主流でした。しかし、インターネットの普及 やテレビのディジタル化や多チャンネル化により、Web ページや映像などのディジタルメ ディアヘ広がりをみせています。また、簡単な印刷物やホームページの制作が個人でもでき るようになったいま、広告のターゲットになる人たちも、デザインに対する目が鋭くなって います。多くの企業が印刷物や Web ページで広告を出す中で、人の目を引き、印象に残る ようにするためにはデザイン力が重要となります。 今回、本書で扱う Photoshop と Illustrator は Adobe 社が関発したディジタル画像を扱う 定番のツールです。以前から印刷物の制作・編集をするための必須ツールとしてプロのグラ フィックデザイナーに使われていましたが、現在は印刷物だけでなく、Web ページやプレ ゼンテーションの画像制作でも主流のツールになっており、加えて、映像や 3DCG、アニメー ションなどの作品制作などにも広がりをみせています。Photoshop、Illustrator とも時代の 最新技術に合わせた改良や機能が加えられており、デザインのツールでは一歩抜きんでた存 在です。広告、デザイン、映像などの業界を目ざしている人には必須のツールであり、プレ ゼンテーションなどを行う企画、営業、販売などの職種でも使えると便利なツールです。 Photoshop は写真の補正に優れていて、あらゆる画像素材の制作や補正に使われており、 現在は印刷物やホームページの画像素材作りなどの多くの仕事に使われるディジタル画像の 総合ツールです。また、最近では映像や 3DCG などの処理ができる機能が強化されています。 Illustrator は、名前の通り、イラストを描くための制作ツールで、キャラクターや背景の制 作には必須のツールです。 本書では、第 1 編で Photoshop、第 2 編で Illustrator の基礎項目をしっかり学び、さらに 各機能やツールを使った作品を制作します。 Photoshop と Illustrator は単体で使っても 100 %の力を発揮できません。そこで、第 3 編では Photoshop と Illustrator を連携した、実 践に近い印刷物や Web ページ素材の制作の仕方と、Photoshop Extended の代表的機能で ある 3D 機能の使用方法を紹介しています。また、操作のポイントや関連する知識や機能を コラムで扱うことにより、より深い理解ができるようにしています。本書がデザインの仕事 を目ざす人に少しでもお役に立てれば幸いです。 2010 年 10 月 著者一同 CONTENTS 第 1 編 Photoshop の基礎 Chapter 1 2 3 4 5 Chapter 1 2 3 4 Chapter 1 2 3 4 5 6 7 Chapter 1 2 3 4 5 6 7 8 9 Chapter 01 Photoshop の基本操作 Photoshop の起動 Photoshop の基本画面と操作環境 メニュー ツールパネル パネル 02 ドキュメントウィンドウ 新規作成 既存ファイルを開く・保存する Bridge で開く・保存する 画像の表示方法を変える 03 ペイントツール 色を選択する ブラシツール 鉛筆ツール 消しゴムツール 塗りつぶしツールと塗りつぶしコマンド グラデーションツール ヒストリー 練習問題 04 選択範囲 長方形選択ツール 移動ツール なげなわツール 多角形選択ツール マグネット選択ツール 楕円形選択ツールと選択範囲の調整 クイック選択ツール 自動選択ツール クイックマスク 練習問題 05 画像の補正 1 画像解像度 2 カンバスサイズ 3 カンバスの回転 4 切り抜きツール(トリミング) 5 コピースタンプツール 6 スポット修正ブラシツール 7 修復ブラシツール 8 パッチツール 9 赤目修正ツール 10 ぼかしツール 11 シャープツール 12 指先ツール 13 ヒストリーブラシツール 14 アートヒストリーブラシツール 15 覆い焼きツール 16 焼き込みツール 17 スポンジツール 練習問題 9 10 10 12 13 14 16 18 18 20 22 25 30 30 33 35 36 37 39 40 41 42 42 43 46 46 47 48 49 50 51 53 54 54 55 56 57 58 60 61 63 64 64 65 65 66 67 67 68 Chapter 06 色調補正 1 明るさ・コントラスト 2 レベル補正 3 トーンカーブ 4 バリエーション 5 色相・彩度 6 カラーバランス 7 露光量 8 自然な彩度 9 白黒 10 レンズフィルタ 11 彩度を下げる 12 階調の反転 13 平均化(イコライズ) 14 2 階調化 15 ポスタリゼーション 練習問題 Chapter 1 2 3 4 Chapter 1 2 3 4 5 6 Chapter 1 2 3 4 5 6 07 画像の合成 レイヤー合成 レイヤースタイル 描画モード レイヤーマスクと調整レイヤー 練習問題 08 フィルタ フィルタをかける フォトギャラリーで複数のフィルタをかける 水面を作る レンガのテクスチャの作成 ゆがみ すべてのフィルタ 練習問題 09 ロゴの作成 複数のレイヤースタイル スタイルパネルの効果 ワープテキスト フィルタでかわいいロゴを作る 文字マスクツール ブラシとパスでクッキーのロゴを作る 練習問題 Photoshop CS5 の新機能の紹介 第 2 編 Illustrator の基礎 Chapter 1 2 3 4 5 6 68 69 70 70 71 73 75 76 77 78 78 78 79 79 79 80 80 80 81 82 82 87 89 95 99 100 100 101 103 105 109 110 115 116 116 118 120 122 123 125 129 131 135 01 Illustrator の基本操作 136 Illustrator の起動 136 136 137 138 140 140 新しいドキュメントの作成 Illustrator の基本画面 ツールパネル パネルの操作 パネルの種類 7 Illustrator のファイルを開く 8 画面表示倍率の変更 9 手のひらツールでスクロール 10 Illustrator の終了 Chapter 02 基本図形の描画とパスの作成 1 楕円形や円の描画 2 長方形や正方形を描く 3 多角形や星形などの描画 4 直線や円弧を描く 5 ペンツールで直線を描く 6 ペンツールで曲線を描く 7 パスの形状を修正する 8 アンカーポイントの追加と削除 9 方向点の切り換え 10 パスの編集 11 鉛筆ツールで自由な線を描く 12 アートワークの保存 練習問題 Chapter 03 オブジェクトの塗りと線 1 [塗り]と[線]のカラー 2 [線]の形状 3 グラデーション 練習問題 Chapter 04 オブジェクトの編集 1 オブジェクトの選択と解除 2 オブジェクトの基本編集 3 オブジェクトの重ね順 4 オブジェクトのグループ化 5 レイヤー 6 オブジェクトの整列と分布 7 パスファインダ 8 パスファインダを使った図形の作成 9 ブレンドツール 10 効果を使ったオブジェクトの変形 11 エンベロープ 練習問題 Chapter 05 オブジェクトの装飾 1 透明・描画モードの設定 2 「ぼかし」 や「ドロップシャドウ」の設定 3 アピアランス 4 ブラシ 5 パターン 練習問題 Chapter 06 イラストの作成 1 ペンツールでイラストを作成 2 グラデーションメッシュの基本 3 グラデーションメッシュでリアルなイラストを描く 練習問題 Chapter 07 文字の作成 1 文字の入力 2 文字と段落の設定 3 文字の入力と編集 142 142 144 145 146 146 147 148 149 150 151 154 155 156 157 159 160 161 162 162 164 166 169 170 170 171 177 178 179 182 184 186 188 189 190 191 192 192 194 195 198 202 203 204 204 206 208 211 212 212 214 215 4 長い文章の入力 練習問題 Chapter 1 2 3 4 Chapter 1 2 3 4 Chapter 08 ロゴの作成 1 2 3 4 5 218 220 222 224 225 09 226 シンボルマークの作成 立体的な星 桜のマーク 虹のマーク 文字を使ったワッペン風のマーク 練習問題 226 227 228 230 233 10 234 地図の作成 11 その他の機能 ライブトレースとライブペイント 3D 効果(押し出し・ベベル) 3D 効果(回転体) グラフの作成 いろいろなグラフ 練習問題 Illustrator CS5 の新機能の紹介 第 3 編 Photoshop & Illustrator 実践 Chapter 01 印刷物の作成 1 CD ジャケットの作成 2 名刺の作成と面付け 3 複数のアートボードを使ってポストカードを作成する Chapter 1 2 3 4 5 Chapter 218 パスファインダを使ったロゴ 文字が変形したロゴ 落書き効果を使ったロゴ 写真入りのロゴ 練習問題 1 簡単な地図を作る 2 下図から地図を作る 練習問題 Chapter 216 217 234 241 245 246 246 249 252 255 257 258 259 263 264 264 269 272 02 Web 素材の作成 276 Illustrator で Web 用の新しいドキュメントを作成する Illustrator から Photoshop ファイルを書き出す Photoshop で加工して Web 用画像を保存する Photoshop でアニメーション GIF を作成する つなぎ目のない背景画像を作成する 276 277 278 282 284 03 Photoshop Extended の機能 288 1 3D レイヤー合成 2 3D モデルのペイント 練習問題 288 292 300 よいデザインを作成するには デザイナーは Photoshop や Illustrator が使えればなれるという職業ではありません。 Photoshop や Illustrator はツール(道具)であり、デザインは人が考えるものです。よい デザインを作成するには、次のような項目を勉強することが重要です。 ⑴調査・マーケティング 商品の広告などをデザインするために、その商品の特徴をよく調べ理解してからデザ インすることが重要です。また、ライバルになる会社の商品や広告、ターゲットになる 対象なども調査してデザインすることも必要です。 ⑵デッサン デザインをするには、いきなりツールを使って描くのではなく、デザインのイメージ を固めるラフ画を描くことも必要です。実際のデザインの下絵を描くためにもデッサン の基本を身につけましょう。 ⑶色彩 デザインをするうえで色は重要な要素になります。相性のよい色の組み合わせや色の もつイメージを理解しましょう。 ⑷平面構成 ポスター、チラシなどの印刷物や Web デザインなどでは限られたスペースに必要な 文字や画像を配置する必要があります。レイアウトの基礎である平面構成力を身につけ ましょう。 ⑸コミュニケーション能力 デザインの仕事の多くは顧客からの依頼で始まります。そのために顧客の要望をよく 理解することが重要になります。また、実際のデザインは複数の人で行う場合も多く、 コミュニケーション能力は必要です。 ⑹プレゼンテーション 実際の仕事では、いくらよいデザインを作っても採用されなければ何も意味はありま せん。自分の作った作品を効果的に説明できるようにしましょう。 学生作品 藁科勝海 (Photoshop) よいデザインを作成するには デザイナーの仕事の魅力 この本を読んでいるすべての人がデザイナーになりたいと考えているわけではないとは 思いますが、デザイナーの仕事の魅力について少し紹介しましょう。 ここでは Photoshop や Illustrator をよく使用するグラフィック関係の仕事に絞って紹 介します。デザイナーの仕事は印刷物、映像、店の看板まで目で、確認できるすべてが対 象になり、実際にはいくつかの仕事に分かれています。商品紹介のカタログやチラシ、ポ スターなどを作る広告デザイン、お菓子の箱、包装紙、袋などのパッケージデザイン、商 品そのものの形や形状などを考える意匠デザイン、Web ページ制作を行う Web デザイン、 CM や映画、アニメーションを制作する映像デザインなどいろいろな仕事があります。 しかし、どのデザインの仕事にも共通しているのは、すべてが人の目に触れる仕事であ り、仕事の善し悪しはすべて目で確認できることです。一見、華やかに見える仕事かもし れませんが、制作中は大変で、地味な仕事がほとんどです。しかし、制作が終わり、自分 のデザインが外に出て、「制作した広告やホームページで売上げが伸びた」 「自分の作った キャラクターが商品やパーケージ採用された」 「制作した映像で人が感動してくれた」など と評価されたときに喜びが何倍にもなって返ってくる、やりがいのある仕事です。 デザインの仕事は特別な才能をもった人がやるものだと考えている人がいるかもしれま せん。しかし、デザインは特別な仕事ではなく、基礎的なことは 2、3 年勉強すれば十分 身につきます。前のページとこのページにある作品は、現在、デザイナーになった人が学 生時代に作った作品です。デザインの仕事をするうえでいちばん重要なことは、デザイン を依頼する顧客やデザインのターゲットとする人の気持ちになり、その目的を達成するた めに、妥協することなく、少しでもよいものを作ろうとする気持ちだと思います。 学生作品 元村 咲 (Illustrator) デザイナーの仕事の魅力 付属の CD-ROM について 本書付属の CD-ROM には、以下のものが収録されています。 1.本書で使用している素材ファイル 2.練習問題の素材ファイル 3.本文、練習問題の完成ファイル CD-ROM 内のファイル、フォルダは以下のようになっています。 各編の学習を始める前に、あらかじめ素材ファイルと「完成」フォルダが収録されている各 Chapter のフォルダをハードディスクに コピーしておいてください。 「Photoshop」フォルダ 「第 1 編 Photoshop の基礎」の本文、練習問題で使用する素材ファイルが、Chapter 別に収録されて います ( 本文、 練習問題の完成ファイルは、各 Chapter のフォルダ内の 「完成」フォルダに入っています )。 「Illustrator」フォルダ 「第 2 編 Illustrator の基礎」の本文、練習問題で使用する素材ファイルが、Chapter 別に収録されて います ( 本文、 練習問題の完成ファイルは、各 Chapter のフォルダ内の 「完成」フォルダに入っています )。 「実践」フォルダ 「第 3 編 Photoshop & Illustrator 実践」の本文、練習問題で使用する素材ファイルが収録されてい ます ( 本文、練習問題の完成ファイルは、各 Chapter および練習問題の各フォルダ内の「完成」フォル ダに入っています )。 ※ CD-ROM 内のファイルは CS4 で使用することを前提としています (CS5 でも使用可 )。CS3 で不 具合が生じるものについては、実教出版の Web ページ (http://www.jikkyo.co.jp/download/) か ら CS3 用のファイルがダウンロードできます「Photoshop&Illustrator」 ( で検索を行ってください )。 ただし、 「第 3 編 Photoshop & Illustrator 実践 Chapter03 Photoshop Extended の機能」の ファイルは用意されていません。 ■収録した素材の利用についての注意事項 ・個人利用に限り、自由な加工・修正などの利用ができます。 ・営利目的による使用・複製等は認めておりません。版元、素材著作者は素材の利用において生じた、 または生じなかったことによる、いかなる責任も負わないものとします。 ・公開、再配布等の二次利用は禁止いたします。 付属のCD-ROMについて 第1 編 Photoshopの基礎 Chapter 01 Photoshopの基本操作 P.010 Chapter 02 ドキュメントウィンドウ P.018 Chapter 03 ペイントツール P.030 Chapter 04 選択範囲 P.042 Chapter 05 画像の補正 P.054 Chapter 06 色調補正 P.070 Chapter 07 画像の合成 P.082 Chapter 08 フィルタ P.100 Chapter 09 ロゴの作成 P.116 Chapter 01 1 Photoshop の基本操作 Chapter01 では、Photoshop の起動と終了の方法と、基本画面を構成する各要素の名称や機能の 概要について学ぼう。 Photoshop の起動 ▲ CD-ROM[Photoshop] [c01] Photoshop を起動する方法はいくつかある。ここでは Windows の[スタート]メニューから起動する方法を学ぼう。 1- 1 Photoshop の起動 ①[スタート ] →[すべてのプログラム]→[Adobe Photoshop CS4] を選択する。 起動の途中で次のようなロゴが表示される。この間に Photoshop の いろいろな環境の設定を行っている。また、バージョンや登録情報な どもここで確認できる。 Photoshop ②起動が完了すると次のような画面になる。 Point こ の 起 動 の 例 は、 オ ペ レ ー シ ョ ン シ ス テ ム が Windows Vista で、 Photoshop CS4 を標準インストールの状態で起動した例である。パソコ ンの機種、オペレーションシステムの種類やバージョン、Photoshop の バージョン、同じバージョンでも Adobe Creative Suite のようにほかの 複数の Adobe 製品とセットにして販売している Adobe Creative Suite 製 品の Photoshop などでは起動の仕方が多少異なる場合がある。 コラム ショートカットで効率よく Photoshop を起動 Photoshop のショートカットを作成するには、マイコンピュータなどで Photoshop をイン ストールしたフォルダを開き、Photoshop のアイコンをデスクトップ上にドラッグすると デスクトップにショートカットアイコンができる。このアイコンをダブルクリックすること で Photoshop を起動できる。 デスクトップに作成されたショートカット 10 第 1 編 Photoshopの基礎 ドラッグ 1- 2 Photoshop の終了 Photoshop の基本的な終了の仕方を 2 種類説明する。 ⑴メニューから終了 ⑵閉じるボタンから終了 [ファイル] →[終了]を選ぶ。 閉じるボタンをクリックする。 Point Short cut [Ctrl]+[Q] 閉じるボタン 画像などのドキュメントウィンドウを開 いているときは、各ドキュメントウィン ドウにも閉じるボタンがあるので、いち ばん右上の閉じるボタンをクリックする。 Point 終了したときに次のようなダイアログボックスが出てくるときがある。これは処理途中で保存されて いないものがあるときにでてくる。保存が必要な場合は「はい」、必要でない場合は「いいえ」、終了を キャンセルする場合は「キャンセル」をクリックする。 Chap t er 01 コラム ヘルプ Photoshop の機能は非常に多く、Photoshop を 長く使用しているベテランのデザイナーでもすべ ての機能を覚えることは不可能である。わからな い事があるときは、まずヘルプを確認しよう。ヘ ルプには主な機能や操作の仕方などが載っている。 ヘルプを表示するには次のようにする。 [ヘルプ] →[Photoshop ヘルプ] を選択する。 Short cut Photoshop ヘルプ [F1] Photoshopの基本操作 11 2 Photoshop の基本画面と操作環境 Photoshop には、画像や図形を編集したり加工したりするために必要なさまざまな機能がある。それらの機能を操作しやすく するために多くのツールやパレットなどがある。標準の初期画面でも問題はないが、カスタマイズすることにより操作性を上げ ることができる。 2- 1 Photoshop の初期画面と名称 Photoshop の基本画面を構成する要素の名称と役割を説明する。 メニューバー オプションバー パネルエリア メニューバーは、各機能を実行するための オプションバーは、各種のツールを使用 パネルエリアは画面の状態や メニューが表示されている。メニューは、 するためのオプションを設定する。 画像の管理・編集を行うパネ 機能ごとにグループ化されており、フィル ルが表示されるエリアである。 タメニューは、フィルタのコマンドがある。 Photoshop ツールパネル 画像領域 ツールパネルには、画像の制作と編集に 画像などのドキュメントが表示されるエリアであ 必要な各種ツールが格納されている。 る。画像は標準ではタブ付きドキュメントになる が、独立したドキュメント表示も可能である。 Point パネル格納エリアはモニタ の大きさが 1024 × 768 以 上でないと表示されない。 12 第 1 編 Photoshopの基礎 Point Photoshop を初期画面に戻したい場合には次の操作を行う。 [ウィンドウ]→ [ワークスペース]→[初期設定] Point この状態は初期状態の配置 であり、使用している環境 や前回の使用状況により、 パネルの配置などは異なる。 3 メニュー メニューバーには、Photoshop の多くの機能がグループ分けされて登録されている。ここに登録された機能をコマンドと呼ぶ。 Photoshop を使ううえで、どの場所にどのようなコマンドがあるか知っておくことは効率のよい操作に必要なことである。 3- 1 メニュー登録されているコマンド メニューは次のような数多くのコマンドが登録されている。 Chap t er 01 Point さらに詳細のコマンドがあるところにはコマンドの右側にしるしが付いている。 Photoshopの基本操作 13 4 ツールパネル 図形を描画したり、加工したりするツールが集まっているのがツールパネルである。 各ツールの名称を覚えよう。 4- 1 ツールパネル 初期設定のツールパネルのツール名は次のようになっている。ツールパネルのツールは使用状態により変化する。 コラム 移動ツール 長方形選択ツール なげなわツール クイック選択ツール ツールパネルの 2 列表示 CS4 での標準のツールパネルは 1 列であるが、2 列の表示に切り替えるこ とが可能である。2 列表示にするにはツールパネル上部に切り替えボタン があるのでクリックする。 クリック 切り抜きツール スポイトツール Photoshop スポット修復ブラシツール ブラシツール コピースタンプツール ヒストリーブラシツール 消しゴムツール グラデーションツール ぼかしツール 覆い焼きツール ペンツール 横書き文字ツール パスコンポーネント選択ツール 長方形ツール 3D 回転ツール 3D 回り込みツール 手のひらツール ズームツール 描画色と背景色を初期設定に戻す 描画色と背景色を入れ替え 描画色を設定 背景色を設定 クイックマスクモードで編集 4- 2 隠れているツール ツールパネルは同じ場所に複数のツールが設 定されている場所がある。 複数のツールが設定されている場合には、 ツールのアイコンの右下にしるしがついてい る。 14 第 1 編 Photoshopの基礎 隠れているツールを選択するには、ツールの 上にカーソルを持っていき、左クリックを長 押しすれば、設定されているツールが表示さ れる。 Point ツール名の横にある英字は、ショー トカットキーを表している。ほかの ツールから、長方形選択ツールや楕 円 形 選 択 ツ ー ル に 変 更 す る に は、 「M」キーを押せばよい。 4- 3 すべてのツール Chap t er 01 Point CS5 では、ブラシのグルー プに 混合ブラシツール がある。 4- 4 オプションバー オプションバーは選択したツールに関するいろいろな設定をするもので、その内容は選択したツールによって変化する。次のオプションバーは 長方形選択ツールを選んだときのものである。 長方形選択ツールのオプションバー Photoshopの基本操作 15 5 パネル パネルでは画像のいろいろな情報の管理や操作が行える。Photoshop を操作するうえで重要な機能も多くある。ここではパネ ルの基本的な操作方法を説明する。 5- 1 パネルの表示・非表示 初期設定の状態でワークスペースの右側に表示 されている。しかし、ほかのパネルの表示・非 表示はウィンドウメニューから行う。例えば、 ナビゲータパネルの表示・非表示の切り換えは 次のようにする。 ⑴パネルの表示 ①[ウィンドウ]→ [ナビゲータ]を選ぶ(ナビ ゲータパネルが表示される)。 Photoshop ⑵パネルの非表示 ①再度[ウィンドウ]→[ナビゲータ]を選ぶ (非 表示になる) 。 Point ウィンドウメニューを見ると、現在表示されているパネルには がついている。 5- 2 パネルのアイコン化 パネルを多く表示させると、作業エリアが狭く なり、作業効率が悪くなることがある。そのよ うな場合には、表示されているパネルをアイコ ン化することができる。 パネルをアイコン化するには、アイコン化させ たいパネルの上部にあるパネルのアイコン化ボ タンをクリックする。 クリック アイコン化したパネルの表示は表示したい パネルのアイコンをクリックする。 Point パネルはグループ化されており、例えば、ナビ ゲーションパネルはヒストグラム、情報パネル と同じグループになっている。パネルの表示と 非表示、アイコン化もグループ単位で行われる。 Point 再度、アイコンをクリックすれば、 アイコンの状態になる。 5- 3 パネルの切り替え パネルはいくつかのグループに分けられて管理 されている。同じグループのパネルを切り替え る場合はタブをクリックする。 例えば、カラーパネルからスウォッチパネルに 替えるには、次のようにスウォッチのタブをク リックする。 16 第 1 編 Photoshopの基礎 クリック 5- 4 パネルの種類と機能 パネルは特定の機能でしか表示されないものが多くある。初期に表示される 8 種類のパネルについて紹介する。 ⑵スウォッチ ⑶スタイル デ ィ ス プ レ イ な ど で 使 用 さ れ る RGB カ ラーや、印刷で使用される CMYK カラー などのいろいろな方法で、描画色や背景色 を設定できる。 一般的によく使うような色が登録されてお り、選択できる。また、ユーザが設定した 色の登録、管理もできる。 元の画像を変化させることなく、特殊効果 をかけることができるスタイルを登録、管 理している。 ⑷色調補正 ⑸マスク ⑹レイヤー Chap t er ⑴カラー 01 複数の画像を合成する場合に使用するマス クを調整する機能がある。 合成した画像の重ね順や効果、レイヤーご との表示と非表示の管理を行う。 画像の色合い、コントラスト、明るさを調 整する機能がまとまっている。 ⑺チャンネル ⑻パス Point パネルは、[ウィンドウ]メニューで管理さ れているが、特定のツールを選んだときに 出てくるものがあり、ほかにも多くのパネ ルが存在する。今後、各 Chapter で随時、 説明をしていく。 各色成分ごとの管理や、保存された選択範 囲の管理を行う。 ペンツールで描いたパスや、シェイプツー ルで描いた図形などの管理を行う。 Photoshopの基本操作 17