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経営発達支援計画の概要 実施者名 邑南町商工会 実施
経営発達支援計画の概要 実施者名 邑南町商工会 実施期間 平成 27 年 10 月 1 日 目標 ∼ 平成 31 年 3 月 31 日 当地域の基幹産業である農林業の地域資源を活用した、 「域外マネーの獲得」と 「地域資源を活かした商品開発と販路開拓」への取組や、小規模事業者の経営の 持続的発展を図るため経営状況の把握に努め事業承継や事業計画の策定と着実な 実施を支援する。 Ⅰ.経営発達支援事業の内容 1.地域の経済動向調査に関すること【指針③】 ①需要動向調査(アンケート・ヒヤリング)の実施 ②各種調査、統計等による情報の収集・分析・提供 ③経営課題解決に向けた選択肢の拡大と起業・経営革新促進 2.経営状況に分析に関すること【指針①】 ①経営状況把握ヒアリングシートにより全小規模事業者を対象に年3回の定 期巡回指導実施 ②財務状況の把握と経営分析シート作成による企業の現状把握 3.事業計画策定支援に関すること【指針②】 ①経営分析に基づいた事業計画の策定 4.事業計画策定後の実施支援に関すること【指針②】 ①事業計画の実施について、四半期毎の実施状況の検証と見直し 事業内容 5.需要動向調査に関すること【指針③】 ①商勢圏実態調査の実施 ②小規模事業者の販売商品・提供役務の需要動向に関する情報の収集、整理、 分析、提供 6.新たな需要の開拓に寄与する事業に関すること【指針④】 ①展示会等の情報提供と商品改良支援、IT活用支援 ②集客施設での販路開拓支援 ③施策の活用による販路開拓支援 Ⅱ.地域経済の活性化に資する取組 ①邑南町起業支援センターとの連携 ②起業家育成と起業支援 ③農商工連携の推進 ④ギフトカタログへの取り組み ⑤「A級グルメ」の取り組み 連絡先 邑南町商工会 TEL 0855-83-0028 メールアドレス [email protected] p. 21 FAX 0855-83-1224 担当者 島田 (別表1) 経営発達支援計画 経営発達支援事業の目標 【地域の状況】 建設業 平成20年4月 101 平成27年4月 90 減少数 11 減少率 10.9% 平成 16 年に旧羽須美村・旧瑞穂町・旧石見町の 3 町村が合併して誕生し た邑南町は島根県のほぼ中央の山間部に位置した人口 11,500 人の行政区域 である。 当地域は標高が高く盆地の多い地形で、冬期は降雪量が多くスキー場や、 ハーブ園や温泉、道の駅など集客力ある観光・レクレーション施設等が備 わっている。 平成 27 年 4 月現在の商工業者数は 小規模事業者数の推移 485 事業者で、その内小規模事業者数は 製造業 卸・小売業 飲食・宿泊業 その他 合計 47 195 60 124 30 557 452(93%)であるが、小規模事業者数 38 140 47 105 32 452 は平成 20 年 4 月には 557 事業所あった 9 55 13 19 -2 105 ものが、平成 27 年 4 月は 452 事業所と 19.1% 28.2% 21.7% 15.3% -6.7% 18.9% なり、ここ 7 年間で 105 事業所 18.9% 生活関連等 サービス業 減少している。 小規模事業者の業種構成は卸・小売業が 31%、生活関連サービスが 23%、建設業が 20%で 2/3 が内需型の業種であり地域の経済社会の影 響を受けやすく少子化・高齢化が進展するなかで厳しい経営状況が続 いている。一方、域外のマネーの獲得が期待できる製造業や飲食・宿 泊業の割合は 19%で、特に食品製造業では有志が共同で県外の展示会 へ出店したりカタログギフトを作成するなど、新たな取り組みを始め ており、商工会としてはこれらの取組を支援し域外マネーを取り込む 産業や企業の育成、支援が求められている。 【邑南町ならびに島根県の産業政策】 邑南町では、少子高齢化と地域産業の低迷に伴う雇用機会の減少という課題に立ち向かうべ く、基幹産業である農林業を域外からの外貨獲得や若者雇用の受け皿となりうる力強い産業に再 生させるために、 「食」をキーワードにした『A級グルメ立町』と、 『日本一の子育て村構想』を 核とした定住促進プロジェクトを立ち上げ、取り組みを行っている。また、起業者の排出と地元 雇用者の拡大に向け、関係機関が連携し起業者の育成を図ることを目的に、今年の 5 月に「邑南 町起業支援センター」が邑南町役場内に設立された。 島根県においては、地域経済の持続的な発展のために「島根県中小企業支援計画」を策定し、 「中核的企業の育成」、「起業・創業の促進および事業承継の円滑化」、「セーフティネットの 強化」を柱に地域主体の支援体制構築を推進している。 【地域の課題】 当地域は農林業が基幹産業であり、ハーブ米や石見和牛肉、石見ポーク、自然放牧牛乳、高原 野菜などをはじめ、特色のある農畜産物がたくさんあるが、まだまだ知名度も低く、これらの地 域資源を活用した外貨獲得が喫急の課題となっている。 また、高齢化率が高い当地域にあって、日常の生活圏も狭く、生活必需品等も近隣商店で賄う 場合が多い高齢の地域住民の生活を維持するためには、住民生活に密接に関わっている商業者・ サービス業者を中心とした小規模事業者の存在は欠かせないものである。当地域は、廃業が開業 を大幅に上回り事業者の減少傾向が続き、地域の活力も停滞気味であり、起業者の育成・排出は 当地域にとっても必要不可欠なものとなっている。 【地域内小規模事業者の課題】 平成 25 年度に実施した当町の商工会員アンケート結果では、 「売上高の確保」が最も多い課題 であった。また、3 年前と比較した売上高の状況を聞いた質問でも 7 割以上の回答者が「減少し た」と回答している(大幅減少 43%・多少減少 29%)。経営を持続させるためには「売上高の確 p. 1 保」が大きな課題となっている。 経営課題 売上高確保 経費・原価削減 生産性向上 資金繰り改善 従業員確保・育成 後継者確保・育成 IT機器活用 新事業取組み 環境・安全対策 老朽化設備更新 その他 不明 件数 120 70 17 39 26 17 13 14 7 24 5 7 今後の経営の方向性 売上高の状況 大幅増 不明 1% 大幅減 少 43% 多少増 加 13% 多少減 少 29% 不明 3% 加 1% 増減な し 13% 同アンケートの今後の経営の方向性の 質問では、 「廃業」が 12%となっており、 また、後継者についての質問でも「決ま っている・予定者はいる」と回答した事 業者は 38%で「自分の代で廃業と回答し た事業者」は 26%であった。売上高の確 保の課題も含めて経営者の高齢化、後継 者難等の要因により廃業する事業者が今 後も増加する可能性が高いことが課題で ある。 経営 縮小 7% 現業 拡大 11% 新規 事業 拡大 13% 廃業 12% 現状 維持 54% 後継者予定 決 自分 まっ の代 てい で廃 ま る 業 だ、 23% 26% 考え てい ない 34% 予定 者は 探し いる てい 15% る 2% 【小規模事業者の中長期的な振興のあり方と本事業での目標】 地域課題と小規模事業者の課題を踏まえ以下の方針により本事業を実施する。 ▶地域資源を活かした商品開発と販路開拓に取組む小規模事業者の支援 「食」をキーワードとした取組は、邑南町の産業振興の中核的な取組となっている。食品製造 業者を中心に地域資源を活用した商品開発と販路開拓に取組む小規模事業者の支援を行ってい く。この取組により、基幹産業である農林業や特産品等を扱う宿泊業・飲食店等の需要拡大など 幅広い産業への波及効果が期待でき、また、外貨獲得も期待され地域経済の維持拡大を目指して いく。 ◎取り組み内容 ・展示会等の情報提供と商品改良支援並びに IT 活用支援 ・町内集客施設での販路開拓支援 ・施策活用による販路開拓支援 ・農商工連携の推進、ギフトカタログの拡充と邑南町ブランドの確立、A級グルメの取組み ◎本事業での目標 ・全国物産展・しまねフェア等の販路開拓支援事業者 4年間累計で 84件 ・ギフトカタログ参画事業者数 4年間累計で 62件 ・食のフェスタ参加事業者数 4年間累計で 75件 ・農業者との連携 4年間累計で 10件 ▶小規模事業者数の維持のための取組 経営者の高齢化、後継者不足、購買力の地域外流出などの要因から域内小規模事業者の経営環 境は厳しい状況にある。しかしながら、会員アンケートでは今後の経営の方向性について「現状 維持」や「経営拡大」を考えている事業者割合は 8 割弱存在し、これらの事業者に対して経営発 達支援事業や各種支援施策等を活用し、事業の持続的発展を支援していく。また、行政と連携し 起業支援も重点的に行っていき、小規模事業者数の維持を図っていく。 ◎取り組み内容 ・地域の経済動向に関する情報の収集・整理・分析・提供 ・経営分析・経営計画策定・計画実行支援 p. 2 ・商勢圏実態調査 ・小規模事業者の販売商品・提供役務の需要動向に関する情報の収集・整理・分析・提供 ・邑南町起業支援センターとの連携、起業家育成と起業支援 ◎本事業での目標 ・記帳代行件数 4年間累計で337件 ・経営分析件数 4年間累計で135件 ・事業計画策定支援 4年間累計で100件 ・事業計画実施支援 4年間累計で100件 ・起業家数 4年間累計で 8件 ▶実施体制 経営発達支援事業を取り組むに当たっては、邑南町や関係支援機関、専門家とも連携を取り、 小規模事業者が地域で持続的に経営を行うための取り組みを、地域ぐるみで面的に支援する体制 を構築する。 経営発達支援事業の内容及び実施期間 (1)経営発達支援事業の実施期間(平成27年10月1日∼平成31年3月31日) (2)経営発達支援事業の内容 Ⅰ.経営発達支援事業の内容 1.地域の経済動向調査に関すること【指針③】 ▶目的 定期的に地域経済の動向を収集・整理・分析し、小規模事業者や関係諸機関に対して情報を提 供することにより地域の経済動向(経営の外部環境)を周知する。また、小規模事業者は地域の経 済状況を踏まえた事業計画の作成が期待できる。 ▶これまでの取組(現状) 四半期毎に「中小企業景況調査」を実施し、売上高推移、採算推移、資金繰りの状況、設備投 資の状況、経営上の問題点等を把握している。また、個別相談等の中で市場動向を把握し、四半 期毎に管内事業者の状況を取りまとめている。 巡回指導時に業界別の景況について、中小企業景況調査のほか、県や金融機関等が提供してい る景気動向等に関する調査結果や経済紙、またHP記事を参考に管内事業所に情報を提供してい る。 ▶現状における課題 地域の経済動向に関する情報は整理分析されておらず、情報提供も随時となっているため、小 規模事業者が利用しやすいよう整理し、計画的に提供する必要がある。 ▶本計画において取組む内容 (1)地域の経済動向に関する情報の収集、整理、分析、提供 ◎情報収集を行う項目と収集方法 1)中小企業景況調査 ▶概要 p. 3 今まで実施してきた「中小企業景況調査」15 事業所分に加えて、新たに同調査の項目の中か ら「売上」 「採算」 「資金繰り」 「業況」 「経営上の問題点」の 5 点の景気動向指数をヒアリング により 25 事業所調査する。このことにより、地域内での時系列の変化と島根県全体ならびに 全国との比較が可能になる。調査は四半期ごとに実施する。 景気動向指数=(増加企業割合と減少企業割合の差) ▶目標数・調査数 26 年現状 27年度 28年度 29年度 30年度 15 件 15 件 15 件 15 件 15 件 未実施 25 件 25 件 25 件 25 件 15 件 40 件 40 件 40 件 40 件 26 年現状 27年度 28年度 29年度 30年度 公表回数 未実施 1件 4件 4件 4件 情報提供事業者数 未実施 330 件 330 件 330 件 330 件 情報収集対象者 景況調査実施事業者数 景況ヒアリング事業者数 合 計 ▶目標数・公表数 情報収集対象者 ▶調査した情報の整理・分析・提供・活用方法 収集した情報のうち、40 事業所を対象にした 5 点の調査項目については、当会で集計・加 工・整理・分析し、巡回訪問時に事業者へ情報を提供するとともに、四半期ごとにホームペ ージや業種部会等で提供する。 また、事業計画策定の際の外部環境データとして活用するとともに、計画実行支援の際に も計画の評価と改善のための検討資料として活用する。 あわせて中小企業景況調査の全国・全県の集計結果項目のうち、当会で独自集計する「売 上」 「採算」 「資金繰り」 「業況」 「経営上の問題点」の 5 点の集計結果を比較することにより 全国あるいは全県との景況感の差異を確認する。 2)他の機関等が実施する経済動向等調査 ▶概要 毎月公表される「島根県の経済動向調査」(島根県が実施)の結果を小規模事業者へ提供す ることにより、地域経済全体の動向や変化を把握し、事業計画策定と実行の際の資料として 活用する。 調査項目は生産活動、雇用情勢、個人消費、金融情勢、投資動向等に関する経済指標であ るが、特に個人消費の動向など、小規模事業所の売上に関係する調査結果は重点的に情報を 提供する。 ▶収集した情報の整理・分析・提供・活用方法 取りまとめ結果はホームページに掲載し、いつでも閲覧可能な状態にするとともに、広報 誌等にも適宜掲載する。また、事業計画策定の際の外部環境を把握するデータとして活用す るとともに、計画実行支援の際も経済環境の変化を確認する資料として活用する。 ≪この事業により期待する効果≫ 地域の経済動向の情報を提供することにより、地域経済・地域社会の変化が把握でき、情報 提供を受けた事業者は、地域の経済動向を考慮した経営の実践が可能となる。 p. 4 2.経営状況の分析に関すること 【指針①】 ▶目的 小規模事業者の経営状況や経営の方向性を把握することにより、各事業者の経営状況に合致し た経営支援を行う。 ▶これまでの取組(現状) 金融斡旋時、融資条件変更時・各種補助金申請時など、経営状況の把握が必要な場合に経営状 況の分析を行っている。 ▶現状における課題 現状は、金融や補助金利用を目的にした経営分析にとどまる傾向にあるが、経営の発達には事 業の持続的発展を見すえた多面的な経営分析が必要であり、広く小規模事業者に経営分析等の啓 発を行い、持続的発展を目指した計画策定への取り組みを浸透させることが課題となる。 ▶本計画において取組む内容 ◎対象事業者の選定 次の取り組みにより、経営分析の必要性について啓発すると共に、商工会の支援を周知し支援 希望事業者の募集等を行う。 ・商工会報への掲載、窓口相談や巡回訪問時に情報提供と取り組みの必要性等の助言を行い、 支援希望事業者を募集する。 ・全国商工会連合会の経理システム「ネット de 記帳」等利用先を中心に経営分析システムに よる財務分析を推進し、小規模事業者の啓発と支援希望事業者の募集を行う。 ・過去の支援実績(金融支援先、補助金活用先、商品開発や販路開拓に積極的な企業等)から リストアップし、巡回訪問によりフォローアップヒアリングを行い、経営分析を勧める。 ・意欲的な先や特徴的な経営資源を保有している先、後継者がいる先等をリストアップし、巡 回訪問によりヒアリングし経営分析を勧める。 ◎経営分析の項目と方法 分析項目は下表を基本とし、財務諸表等の関連書類ならびに現地視察やヒアリングにより確認 する。 分析項目 内 容 決算書の主要科目の推移 売上高・売上原価・売上総利益・経費・経常利益 財務分析 収益性・成長性・安全性・生産性 主要取扱商品・サービス・技術 主力商品・独自技術・独自ノウハウ・設備 客層 顧客年代構成・主要取引先 商圏 主要顧客の居住エリア・主な販売先 強み・弱み 経営上の強み・経営上の弱み 今後の経営の方向性 現業維持・現業拡大・新事業展開・廃業 ・全職員が担当事業所を決め、 「経営状況把握ヒアリングシート」を使用し年 3 回の巡回によ り把握する。 ・商工会で行っている記帳指導業務(ネット de 記帳システムによる記帳代行)の受託先事業者 77 事業者については、記帳指導の際の財務状況の把握にあわせて分析項目に示した状況を把 握する。 p. 5 ・その他、金融斡旋時や融資条件変更時、補助金等申請時など、通常の経営支援業務において も経営状況を把握する。 ・把握した経営状況は事業所ごとに「経営分析シート」により取りまとめる。経営分析シート は把握時期ごとに整理し、経営状況の変化が時系列でわかるようにする。 ・ 「経営分析シート」で把握した経営状況(内部環境)に加えて【指針③】で把握する地域の経済 状況(外部環境)の内容を含めた「SWOT 分析シート」も事業所ごとに作成する。 ◎分析内容の活用方法 ・分析結果は情報共有を目的に事務所内で勉強会を行い、全職員が内容を把握・理解し、日常 の経営支援業務に活かす。 ・経営分析を行った小規模事業者のうち、本会の経営発達支援事業の目標である経営の持続的 発展を自ら図ろうとする事業者や新たな取り組みを目指す事業者については、 【指針②】の事 業計画の策定支援に繋げていく。 ◎定量目標(分析対象事業者数) ▶経営状況の分析支援を行う事業者数の目標数 支援内容 26 年現状 27年度 28年度 29年度 30年度 4年累計 記帳代行件数 77 件 79 件 83 件 85 件 90 件 337 件 135 件 経営分析件数 10 件 10 件 40 件 40 件 40 件 (管内小規模事 業者の 30%) ※27 年度は 10 月から 3 月の 6 ヶ月間の件数である ◎この事業により期待する効果 小規模事業者の経営状況を多面的に把握する事により、事業者が抱える課題だけでなく、保有 する有形無形の資源や事業者の経営能力を客観的に把握できる。このことにより、事業者が実施 可能な取り組みの提案や、具体的な事業計画ならびに行動計画の作成を支援することが可能とな る。 3.事業計画の策定支援に関すること【指針②】 ▶目的 事業計画の策定により、今まで行ってきた経営を再認識できる。特に需要開拓のためには、今 まで意識していなかった潜在的な顧客を認識したり、新たな市場を発見することが期待できる。 ▶これまでの取組(現状) 経営改善計画や経営革新計画、創業計画、金融条件変更・各種補助金申請のための事業計画策 定支援を行っている。 ▶現状における課題 事業計画策定支援も経営状況の分析と同様に計画的に実施しておらず、事業者に対しても事業 計画の策定と計画に基づいた経営の重要性を十分には周知していない。 p. 6 ▶本計画において取組む内容 ◎対象事業者の選定 ・ 【指針①】の経営分析を行う事業者の中から、自ら経営の持続的発展に取り組もうとする事業 者や新たな取り組みを目指す事業者を対象に事業計画作成支援・実施支援を行う。 ◎事業計画策定の支援 ・事業計画策定支援を行う事業者ごとに商工会としての支援方法を示した「個別企業支援計画 書」を作成し、支援内容と支援スケジュールを明確にしたうえで伴走型の支援を行っていく。 ・ 「事業計画」については、 【指針①】で取り組んだ経営状況の分析結果(内部環境)と【指針③】 で把握する地域の経済動向等の調査結果(外部環境)等を踏まえて作成の支援を行う。 ・「事業計画書」の様式は対象事業者の経営実態や方向性、今後取組む事業内容等に合致した 様式を用意し、過不足のない事業計画策定支援を行う。 ・記帳指導業務対象事業者については、ネット de 記帳システムに付加されている「経営改善 計画作成システム」を利用する。 ◎定量目標(支援対象事業者数) 支援内容 26 年現状 事業計画策 定支援 27年度 28年度 29年度 30年度 4年累計 100 件 10 件 10 件 30 件 30 件 30 件 (管内小規模事 業者の 22%) ※27 年度は 10 月から 3 月の 6 ヶ月間の件数である ◎この事業により期待する効果 地域経済動向調査結果や経営状況の分析結果を踏まえた事業計画の策定支援により、より実現 性の高い計画が策定可能となる。 4.事業計画策定後の実施支援に関すること【指針②】 ▶目的 事業計画は評価と改善を繰り返しながら実行し続けることにより、より現実的な計画となると ともに事業目標達成の可能性が高くなる。当会では、事業者と一緒になって実行した計画の評価 と改善内容を検討することにより立案した計画の実現性を高めていく。 ▶これまでの取組(現状) 経営改善計画や経営革新計画、創業計画、金融条件変更・各種補助金申請のための事業計画策 定後の実行支援となっている。 ▶現状における課題 事業計画策定後の実施支援も計画的に実施しておらず、事業者に対しても事業計画に基づいた 経営の重要性を十分には周知していない。更に、事業の持続的発展といった視点での伴走型支援 を商工会の重要業務として定着させることが課題である。 ◎策定した計画の実施支援 事業計画策定支援を行う事業者ごとに商工会としての支援方法を示した「個別企業支援計画 書」をもとに、支援内容と支援スケジュールを明確にしたうえで伴走型の支援を行っていく。 p. 7 原則として四半期ごとに計画の実施状況を確認・評価する。計画との乖離があれば、乖離の原 因を事業者と一緒になって検討し、見直しが必要であれば見直しを行う。計画内容の中で、専門 的な支援が必要な場合は専門家を活用し計画実現に向けて集中的に支援を行う。また、計画を実 施する上で資金手当てが必要になった場合は、日本政策金融公庫が創設する「小規模事業者経営発 達支援融資制度」を積極的に活用し、事業者の持続的発展を促進する。毎年度末には計画実施の 検証にあわせ、次年度計画の見直しを行う。 事業実施にあたって商工会だけでは対応が難しい課題への対応は、関係支援機関とのネットワ ークや専門家派遣制度を活用するなどしてワンストップで支援を行う。 また、補助金制度(持続化補助金、ものづくり補助金、県地域資源ファンド、経営革新補助金、 6次産業化補助金、創業補助金、邑南町農商工連携チャレンジ補助金等)や融資制度(小規模事 業者経営発達支援融資制度等)、展示会・商談会など事業実施に役立つ支援策等の情報について 適宜情報提供し、必要に応じて活用の支援を行う。 ◎定量目標(支援対象事業者数) 支援内容 26 年現状 事業計画 実施支援 27年度 28年度 29年度 30年度 3年累計 100 件 10 件 10 件 30 件 30 件 30 件 (管内小規模事 業者の 22%) ※27 年度は 10 月から 3 月の 6 ヶ月間の件数である ◎この事業により期待する効果 地域経済動向調査結果や経営状況の分析結果を踏まえて立案した事業計画の実施にあたって、 商工会が伴走型の支援を行うことにより、事業実施中の検証作業を多頻度で行うことが可能とな りより実現性の高い計画の改善が可能となる。このことにより、事業目標の達成度合いが高まり、 小規模事業者の持続的発展に繋がる。 5.需要動向調査に関すること【指針③】 ▶ 目的 小規模事業者の取り扱う商品やサービスに関係する情報や、地域住民の消費行動等の情報を収 集整理し、分析提供することにより需要の開拓を支援する。 ▶これまでの取組(現状) 3年毎に実施している「商勢圏実態調査」では、買い物動向や買い物弱者のニーズ把握等の調 査を行っている。 巡回指導時に業界別の需要動向について、新聞やHP記事を参考に会員事業所に発信してい る。 ▶現状における課題 需要動向に関する情報は整理分析がされておらず、情報提供も随時となっているため、小規模 事業者が利用しやすいよう整理し、計画的に提供する必要がある。 ▶本計画において取組む内容 1)商勢圏実態調査 p. 8 ▶概要 島根県商工会連合会が 3 年に一度実施している商勢圏実態調査を平成 28 年度に実施する。調 査項目は商品群別(食料品・衣料品・身回品・日用雑貨品・文化品)の買物場所を金額ベースで調 査する。このほか調査時期にあわせてその時々のタイムリーな消費者意識等を調査する。調査世 帯目標数は 1,000 世帯として町内 5,000 世帯の 2 割を目標とする ▶調査した情報の整理・分析・提供・活用方法 商品群や買物場所別に時系列でデータを集計加工し、地域内消費者の買物行動の変化を、関係 する小規模事業者等へ提供する。管内の消費者行動を時系列で把握することにより、特に小規模 商業者の外部環境資料として需要開拓の際の資料として活用する。 2)小規模事業者の販売商品・提供役務の需要動向に関する情報の収集、整理、分析、提供 ▶概要 ・全国的な売れ筋商品や新技術、消費者トレンドなどの情報を各種新聞、業界紙、インターネ ット等により収集し整理する。 ・専門家派遣事業等により招聘した専門家等から需要動向等に関する情報提供があった場合 は、取りまとめておく。 ▶収集した情報の整理・分析・提供方法 収集した需要動向にかかわる情報は統一したレイアウト、また、関連する業種別に整理し巡回 訪問時に事業者へ提供するとともに、ホームページや業種部会等で提供する。 ◎情報の活用方法 ・情報は、 【指針②】の事業計画策定の際の外部環境情報として活用する。 ・情報は、毎月発行している会報やホームページ等にて管内事業者へ情報提供する。 ◎情報提供目標数 情報提供回数 26 年現状 27年度 28年度 29年度 30年度 商工会広報誌 随時 2件 4件 4件 4件 商工会HP 随時 2件 4件 4件 4件 ◎この事業により期待する効果 消費者ニーズやトレンド情報を提供することにより、小規模事業者は取り扱う商品や提供す るサービスを検討する材料として活用でき、需要開拓のための選択肢の多様化が図れる。 6.新たな需要の開拓に寄与する事業に関すること【指針④】 ▶ 目的 販路拡大を目指す小規模事業者を支援することにより対象事業者の経営の発展を図るととも に、域外マネーの獲得と地域における経済波及効果の拡大を目指す。 ▶これまでの取組(現状) 全国連が主催する商談会や物産展及び自治体が参加支援する物産展等について関連事業者を 中心に案内している。また、町内の食料品製造業者が共同で出店する展示会・商談会への支援や、 p. 9 通販用のホームページ更新やシステム導入等の支援をしている。 ▶現状における課題 多くの小規模事業者は販路開拓のノウハウを有しておらず、扱う商品等の評価を行う取組みも なされていない。 ▶本計画において取組む内容 ◎対象事業者の選定 邑南町には酒蔵が3社あり、また食品製造業者も積極的に県外への販路開拓の取り組みを行っ ている。また、農産物やその加工商品を製造販売している事業者や、建設業者が新分野に進出し 新商品開発を行っており、巡回ヒヤリングや邑南町観光協会との情報交換により販路拡大を目指 す小規模事業者を抽出する。 ◎展示会等の情報提供と商品改良支援 全国連や他団体が実施する販路開拓支援に係る事業等について、対象事業者に情報提供を行い 販路開拓の支援を行っていく。販路開拓支援にあたっては情報提供だけでなく、出品商品等の評 価が行えるようにアンケート調査の提案や調査結果の集計・分析・評価を事業者と一緒になって 行うことにより、消費者ニーズに合致した商品改良等の支援も行っていく。 ※販路開拓支援に係る事業 展示会事業 しまねフェア 全国物産展 日本橋しまね館 ◎IT活用支援 全国連のホームページ作成システムである SHIFT やネット通販サイトの日本セレクト.com など も積極的に活用し広く情報発信を行っていく。 これらのシステムについては、毎月一回発行している広報を通じ、対象事業者へ周知を図ると ともに、年2回食品製造委員会が発行しているギフトカタログ掲載事業者には、掲載商品の登録 を積極的に働きかけていく。 また、ホームページにて自社商品の販売や情報発信を新たに行っていく事業者や、既に自社ホ ームページにて商品の全国展開を行っているがリニューアルを検討している事業者には、専門家 派遣制度等を活用し支援を行っていく。 ◎集客施設での販路開拓支援 当町には、スキー場や温泉、道の駅やいこいの村(宿泊施設)など集客力のある観光・レクレ ーション施設等が備わっており、さらに入込客の増大図る為に、観光資源と「食」や「体験」を 組み合わせたA級グルメ構想への取組みを行っている。 このような集客施設には、県外からの観光客も多くあり、売店での販売について取扱いができ るよう支援を行っていく。販売に当たっては、必要に応じて専門家派遣を活用し、商品の特徴や 美味しい食べた方等の店頭POPやパッケージなどの支援を行い、商品の訴求力を高めていく。 ◎施策の活用による販路開拓支援 平成 26 年度に邑南町と協議し、積極的な事業活動を実施する町内の事業者に対し、その事業 に要する経費の一部を補助する「邑南町農林商工チャレンジ支援事業補助金」が創設された。販 路開拓や新商品開発・パッケージデザイン等に係る経費の一部(1/2 助成)を補助する制度で、 この施策を積極的に活用し支援を行っていく。 p. 10 また、邑南町が実施する邑南町サテライトオフィスアドバイザー事業では、東京神田にある邑 南町のオフィスに販路開拓アドバイザーが常駐しており、飲食店・食品スーパーへの販路開拓や マスコミへの情報提供、イベント等を行っており、町と連携しながら関東方面への販路開拓支援 を行っていく。 ◎定量目標(支援対象事業者数) 販路開拓支援 現状 27 年度 28 年度 29 年度 30 年度 4 年累計 全国物産展・しまねフェア 10 件 12 件 13 件 14 件 15 件 54 件 SHIFT・日本セレクト等ネット販売支援 0件 3件 7件 10 件 10 件 30 件 10 件 15 件 20 件 24 件 25 件 84 件 合 計 ◎この事業により期待する効果 経営資源が乏しく需要開拓のノウハウも限られている小規模事業者が単独で販路開拓を行う のは難しい。販路開拓にかかわる事業等を対象事業者に周知することにより需要開拓を支援でき る。また、IT システムを活用した情報発信や需要開拓についても小規模事業者はなじみが薄いこ とから、これらの取組を支援することにより新たな市場開拓が期待できる。 Ⅱ.地域経済の活性化に資する取組 Ⅰ.地域経済活性化事業 ▶目的 販路拡大を目指す食品製造関連事業者の商品のブラッシュアップと統一した邑南ブランドに よる域外マネーの獲得、農業生産者との連携による地域への経済波及効果の拡大と、地域資源等 を活かした起業家の育成・排出を目指す。 ▶これまでの取組(現状) 複数の食品製造業者が多種多様な商品を持ち寄り、それぞれの持つ顧客情報を共有しながら商 品認知度を高めるために、昨年全国連の補助金を活用し共同販売のためのギフトカタログを作成 し、域外への販路拡大を図るための取り組みを始めた。 また、本町で生産される良質な農林生産物を素材とする「ここでしか味わえない食や体験」を A級グルメ と称し、地元産品の販売やPRを目的とした「A級グルメ」のイベントを、平成 26 年度より商工会が取りまとめ役となり、町・観光協会・地元企業と連携し「邑南町食と神楽の フェスタ 2014」として開催した。 ▶現状における課題 邑南町では、 「日本一の子育て村」 「A 級グルメ立町」を掲げ、子育て環境の充実と生業づくり を一体的に実施することで、安心して子どもを生み、育てることができる持続可能なコミュニテ ィづくりを進めている。 このうち「A級グルメ立町」では、「食」の側面から、本町の基幹産業である農林業の高付加 価値化と産業化を推進し、若者や女性の働く場づくりに取組んできた。 しかし、人口減少と高齢化が進み、コミュニティを支え、次世代につなぐ「ひと」の確保が課題 となっている。 また、「A級グルメ」の取組みを行う中で、食品製造事業者では、町内の優れた農産物を活用 し商品化を図っているものもあるが、まだまだ未活用の農産物もあり、生産者との連携を密にし p. 11 参画事業者をさらに増やし、新たな商品開発をしていくことが求められている。 ◎本計画において取組む内容 ▶ 邑南町起業支援センターとの連携 人口減少が進み、定住人口等の確保をしていくには、新たな定住人口を支える所得を得る機会 を町内で生み出す必要がある。その一つして、仕事づくり、ひとづくりを進めるために、平成 27 年 5 月に邑南町が中心となって「邑南町起業支援センター」が立ち上げられた。 このセンターは、行政・商工会・観光協会・金融機関・地元高校・創業者等の代表者からなる 運営委員会と、関係機関の実務担当者からなるワークショップで組織されており、地域経済の活 性化について、意識の共有化と今後の方向性について協議を行っていく。 ▶ 起業家育成と起業支援 邑南町起業支援センターが行う人材育成事業として、里山資本論・藻谷塾と実践起業家塾が町 主催で開催される。当商工会としても、支援センターの構成団体として塾の運営はもちろん、終 了後の起業希望者への起業支援を構成団体と連携しながら行い、次世代につなぐ人づくりと起業 家の輩出を行っていく。 ▶ 農商工連携の推進 当町の基幹産業である農業では、ハーブ米や石見和牛・石見ポーク・高原野菜・果物等々、多 くの農産物が生産されているが、その多くが原型出荷となっており、付加価値を上げていくには 地元事業者との連携が重要である。 食品製造事業者をはじめ、飲食店や旅館など食に関する事業者が積極的に農業生産者と連携を 図ることで、農産物の新たな活用法や商品開発につなげていく。 ▶ ギフトカタログの拡充と邑南町ブランドの確立 年2回発行しているギフトカタログでは、参画事業者数を増加させカタログの魅力を高めると ともに、ホームページにも掲載し幅広く情報発信を行い、知名度向上と売上の増大につなげる。 また、「邑南町ブランド」確立に向けて、パッケージの色やデザインのイメージを統一し、食 品売り場や土産物販売で邑南町コーナーが設置できるよう、取り組みを行っていく。 ▶ A級グルメの取り組み 邑南町では、 「食」を今後の地域活性化に向けた重点テーマに捉え、農林商工が連携し「生産」 「加工」 「調理」 「交流」の各産業分野が有機的につながり、本町で生産される良質な農林生産物 を素材とする、「ここでしか味わえない食や体験」を A級グルメ と称し、起業家の育成・誘 致、地域産品の販路拡大・ブランド化、就農促進、観光客誘致などの取組みを行っている。 こうした中で、平成 26 年度より商工会が取りまとめ役となって新たに開催した「邑南町食と 神楽のフェスタ」を継続して開催していく。 開催にあたっては、製造業者だけではなく飲食店や農業生産者も新たに参画して頂くほか、町 が食に関する人材育成の取組を行っており、その発表の場に活用して頂くなど、町との連携も深 め新たな特産品開発や地元産品の販売・PRと起業家の創出を行っていく。 p. 12 ▶ 目標数 内 容 現状 27 年度 28 年度 29 年度 30 年度 4 年累計 2件 2件 2件 2件 2件 8件 ギフトカタログ参画事業者数 10 件 12 件 14 件 16 件 20 件 62 件 食のフェスタ参加事業者数 13 件 15 件 20 件 20 件 20 件 75 件 0件 1件 2件 3件 3件 9件 25 件 30 件 38 件 41 件 45 件 154 件 起業家数 農業者との連携 合 計 ≪この事業により期待する効果≫ 町内の食品関連事業者の商品の認知度が向上し、域外マネーの獲得につながることを期待す る。また、生産者と製造・販売事業者の連携が深まる中で、あらたな農産品の活用方法や特産品 の開発につながるものと期待している。そして、邑南町の基幹産業である農業への関心が高まり、 農業生産者や地域資源等を活かした起業家が増え、邑南町の地域活性化に繋がるよう取り組んで いく。 Ⅲ. 経営発達支援事業の円滑な実施に向けた支援能力向上のための取組み 1.他の支援機関との連携を通じた支援ノウハウ等の情報交換に関すること 下記の支援機関等との連携により情報交換の場を持ち、地域内の小規模事業者の需要の動向や 支援ノウハウ等を共有する。 ▶「邑南町起業支援センター」との連携による情報交換 邑南町の起業者の輩出及び地元雇用者の拡大に向け、各関係機関が連携し起業者の育成を図る 為の情報交換を行う。 ・構 成:邑南町、邑南町観光協会、邑南町商工会、田舎ツーリズム推進協議会、金融機関、 JAしまね島根おおち地区本部、矢上高校、起業者 ▶ 他の商工会との支援ノウハウ等の情報交換 島根県商工会連合会が、年 2 回、地域毎に開催する連絡会議や経営支援リーダー会議において、 他の商工会と小規模事業者や需要の動向や支援ノウハウ等について情報交換を行う。 ▶ 日本政策金融公庫、島根県信用保証協会との支援ノウハウ等の情報交換の実施 日本政策金融公庫、信用保証協会が支店管内の商工団体を対象に実施する協議会、研修会にお いて、支援ノウハウ等の情報交換を行うと共に、小規模事業者や需要の動向について情報交換し、 支援に役立つ情報の収集を行う。 ▶ 島根県商工労政事務所、しまね産業振興財団との支援ノウハウ等の情報交換会の開催 県商工労政事務所および産業振興財団と情報交換会を開催し、支援状況や支援ノウハウ、小規 模事業者や需要の動向について情報交換し、支援に役立つ情報の収集を行う。 ▶ ハローワークとの連携 管内の就業動向等について情報交換し、支援に役立つ情報の収集を行う。 ▶ その他、支援団体・企業との連携 小規模事業者の経営課題で商工会では対応できないような内容の案件については、対応可能な 他の支援団体と連携して支援を行う。 ▶ 連携内容 連 携 先 時 期 連携内容 邑南町起業支援センター 随時 創業支援 ハローワーク 随時 就業動向等データ p. 13 支援団体・支援企業 随時 事業承継・製品化支援 2.経営指導員等の資質向上に関すること (1)経営指導員等の支援能力の向上 ▶ 商工会職員の支援能力の向上 会員ニーズが多様化する中、これまで商工会が力を入れ取り組んできた金融、税務、記帳、労 務といった経営に必要な支援ノウハウのみでは十分な対応ができなくなってきている。 これまでの「受け身型指導」から脱却し、事業者の経営状況やそれぞれの地域課題を的確に把 握し、事業者並びに地域振興の課題解決に向けた「提案型指導」を実践していくための能力がこ れからの商工会には求められている。 商工会の職員が、それぞれの職位で求められる能力を発揮していくために、スキルを身につけ ていく手段として、下記の県連が定める資質向上対策指針に則った研修を行っていく。 ①島根県商工会連合会・商工会議所主催の「島根県経営指導員等研修会」について、特に、計 画策定や需要開拓、利益確保につながる支援ノウハウの習得を中心に年間受講計画を策定、受 講し、支援能力の向上を図る。 ②指導職員(補助員、記帳専任職員等)も必要に応じて「島根県経営指導員等研修会」を受講 すると共に、島根県商工会連合会が主催する「指導職員研修会」等を受講し、支援能力の向上 を図る。 ③島根県商工会連合会主催の研修会で実施される各地区経営指導員の経営支援事例発表や中 国ブロック経営指導員等研修会で実施される各県の経営支援事例発表に経営指導員を出席さ せ、実践的な支援ノウハウの習得に役立てる。 ④全国商工会連合会が運営する「経営指導員等 WEB 研修システム」を活用し、小規模事業者の 高度化・多様化するニーズに対応し提案型指導ができるよう必要な知識の習得に努める。 ⑤県や関係機関が主催する「販路開拓セミナー」や「ブランド化セミナー」 、「6 次産業化セミ ナー」等に積極的に参加し、売れる商品づくりや販路開拓の手法等のノウハウを習得し、支援 能力の向上を図る。 ⑥経営支援課長が本支所の支援状況を把握し、効果的な支援につなげるための助言を行い、必 要に応じて共同で支援するなどOJTによる支援能力向上を行う。また、支所内においても経 営指導員が記帳専任職員等に経営分析や経営指導に係る助言を行い、OJTによる支援能力の 向上を図る。(参考:研修体系図は別表2のとおり) (2)支援ノウハウ及び小規模事業者の経営状況の分析結果等の組織内での共有 ▶事務所内経営支援会議での支援ノウハウの共有 ・月 1 回開催する経営支援会議の中で、専門家による指導に同行して修得した支援ノウハウや、 各種研修参加により習得した支援ノウハウの内容、支援中の事業者の経営状況の分析結果な ど、他の支援に活用できる情報の共有を図る。 ▶経営発達支援事業に関わる情報の共有 ・経営発達支援事業で実施する【指針①:経営状況の分析】 【指針②:事業計画の策定・実施支援】 【指針③:地域経済動向・需要動向の調査・分析】について、事業遂行状況を月1回の職員会 議で協議し情報共有を図るとともに、今後の対応を全職員で検討・実践することにより支援ノ p. 14 ウハウの向上に結び付ける。 ▶情報誌発行作業に関わる情報の共有 ・情報誌(毎月発行する会報)の原稿を全職員が持ち寄り、原稿の内容を全員で推敲していくこ とにより、各種支援施策等の共有を目指す。 情 報 媒 体 商工会通信(会報誌) 発行頻度 毎月 ほっとクラブフレッシュ 随時 便(FAX) (別表2 内 容 各種支援施策の提供、研修・講演会案内 イベント報告、経営に役立つ情報等 補助金等施策の通知、講演会・説明会等 の開催案内、イベント告知等 研修体系図) 島根県商工会職員研修体系図 主 催 経営指導員 指導職員 一般職員 その他職員 ▶ネットde記帳の ▶財務会計研修 キャッシュフロー 計算書・経営分 析・資金繰り表の 操作と説明 ※段階的なプログ ラムにより実施 主席・主任経営指導員 (OJTリーダー) OJT責任者・リー ダー 主導で 計画 的に実施 OJTの考え方、効果的な 進め方の研修 ▶中小企業大学校(東 京校)において共通研 修(5日間) ▶中小企業大学校研修 (東京校・地方校)で 既存の専門・上級のう ち、全国連指定の講座 のうち、3つを選択(3 ∼5日間程度の研修を3 回) ▶地域産業振興研 修 経営指導員等 ▶ 中小 企業 大 学校等で開講 される地域産 業振興支援に かかわる研修 (3∼5日間) 経営指導員・指導職員(原則 、 経 験 年 数 5 年未満 ) ▶対象職員の職務能力の把握 ▶対象職員のOJT計画策定 (OJT目標・OJTにより高め る能力・能力向上のための対 象業務等・OJT計画書作成) ▶OJT計画実践後の効果測定 K 小 :規模企業支援人材育成研修 経営指導員の中から選抜 ▶国、県の支援施 策に係る事業推 進能力研修 ※段階的なプロ グラムにより実 施 各商工会で実施 ▶ 経 営 診断 ( 商 業 ) 基 礎 コース 主 任 指導職員 経営指導員 ▶Web研修 ▶経営改善普及事業 ▶経営改善普及事 受講ならびに効果 補助に係る業務推 業に係る事業推 進能力研修 進能力研修 測定 J 地 :域産業振興支援能力向上研修 ▶財務・税務診断コース 主 任 経営指導員 指導職員 事務局長(OJT責任者) I 経 : 営支援マネージャー研修 県連以外の研修 H 経 :営指導員基礎研修 経 営 指 導 員 歴1∼2年 目 ▶組織運営マネジメント ※組織目標達成のための マネジメント研修 全経営指導員 全指導職員 G O : JT研修 全国連・県連で進めている 情報化の研修 主 席 経営指導員 ▶業務運営マネジメント ※担当業務目標達成のた めのマネジメント研修 F O :JT管理者研修 E 情 : 報化研修 研 修 情報化責任・担当者 事務局長 D 経 : 営支援能力養成研修 連 等 C マ :ネジメントスキル養成研修 指導員 指導職 員 ・融資・税務申告・社会保険 ・共済制度 小 ( 規模、貯蓄等 の )概要 B 業 : 務知識習得研修 県 ・組織運営事務・商工会関係法等・規約規程等 ・コミュニケーション、プレゼンテーション 研修等 A 新 :任職員研修 新任職員 経営指導員 ▶小規模事業者支援 人材育成事業に係 わる研修 ○経営指導員研修 ○見習い研修等 3.事業の評価及び見直しをするための仕組み ▶事業の評価及び見直しについて 本計画書で記載した経営発達支援事業について、「邑南町商工会中期行動計画」と同様に個別 事業毎に具体的な行動に結びつけられる 3 年間の事業計画書(経営発達支援事業個別事業行動計 画書)を別途作成して PDCA サイクルを回す仕組みを実践しながら評価見直しを行っていく。 「経営発達支援事業個別事業行動計画書」は今後作成するが、内容については以下の項目を記 載し、事業評価や見直しが明確に行えるよう取組内容や指標を明文化する。 ▶ 事業評価・見直しの方法 事業の評価・見直しについて、年度末になって目標との乖離を把握し見直しを行うよりも、年 度の途中途中(四半期毎)で、取組や達成手段ごとに部分的な修正を随時行っていくことが、効 p. 15 果的に計画を実現できることが可能となる。よって、経営発達支援事業個別事業行動計画書の取 組・達成手段毎に評価指標を定めてそれぞれの取組等が終了した時点で評価を行い、その都度軌 道修正を行いながら年度目標達成を目指していく。 ▶ 事業評価・見直しの場 ①事務局内評価会議の開催による評価・見直し 四半期ごとに、事務局長、経営指導員によって構成する評価会議を開催し、事業の実施 状況、成果、問題点等について確認、検討し、事業推進方法等の見直しを行う。 ②監査会への報告と評価・見直し 年 2 回開催される商工会の業務監査において、事業の実施状況および成果について報告 すると共に、監査会の評価・意見を受けて事業推進方法等の見直しを行う。 ③外部評価の実施 外部有識者による評価委員会を設置し、毎年度、計画した経営発達支援事業の実施状況 および成果について、評価・見直し案の提示を受ける。 評価委員は、地域の産業政策や企業支援に関して豊富な経験、幅広い知見を有する者を 選定する。 ・想定する外部評価委員:島根県、邑南町、邑南町観光協会、しまね産業振興財団、山 陰合同銀行、島根中央信用金庫、島根県商工会連合会など ④理事会への報告と評価・見直し 毎年度、商工会の理事会において、事業の実施状況および成果について、監査会、外部 評価委員会の評価・意見・見直し案を含めて報告し、理事会としての評価・見直し方針を 決定し、新年度の事業に反映させる。 ▶ 事業結果の公表 経営発達支援事業の結果について、途中経過については会報誌で随時報告し、事業年度終了時 は総会で報告する。また、商工会のホームページでも事業報告をアップし、地域の事業者が常に 閲覧可能な状態にする。 ■事業の評価・見直しのスキーム 1年目の評価 結果を反映 ■地域活性化 計画と乖離があれば部分 的な修正を繰り返す 総会資料・ホーム ページ等で公表 p. 16 経営発達支援 行動計画書 公表 年度末に評価 ■需要開拓支援 実行 ■経済動向情報収集等 事業毎に行動 ■事業計画策定・実施支援 ≪2年目≫ 【商工会事務局・役員会】 計画書策定 ■経営状況分析 ≪1年目≫ 四半期毎に評価 経営発達支援計画書 【外部評価委員会】 ≪3年目≫ (別表2) 経営発達支援事業の実施体制 経営発達支援事業の実施体制 (1)組織体制(平成 27 年 4 月 1 日現在) 総 代 会 監査会(監事) 理 事 会 会 長 委 員 会 副 会 長 理 事 事 務 局 青年・女性部 青 年 部 女 性 部 部 工業部会 会 商業部会 事務局組織図 「経営発達支援計画」の実施あたっては全職員 10 名で対応する。 各事業の実施に当たっては P7 で示した事業ごとに「経営発達支援事業個別事業行動計画書」 を作成し遂行していくが、各事業の主担当は以下のとおりとし、主担当が責任をもって進捗管理 を行う。 p. 17 担当事業 ・邑南町商工会 進捗管理担当者 ■事業全体の管理 事務局長 :三浦 ■地域経済動向調査【指針③】 経営指導員:加藤秀樹 ■経営状況の分析【指針①】 経営指導員:加藤秀樹 ■事業計画策定支援【指針②】 経営指導員:島田長弘 ■事業計画策定後の実施支援【指針②】 経営指導員:島田長弘 ■需要動向調査【指針③】 経営指導員:朝倉浩士 ■新たな需要の開拓【指針④】 経営指導員:白須 務 ■地域活性化の取組み 経営指導員:白須 務 ■支援力向上の取組み 事務局長 勇 :三浦 勇 職員数10名 事務局長 1名 経営指導員 4名 補助員 2名 記帳専任職員 3名 (2)連絡先 当会では、小規模事業者が直接相談等を行うことのできる窓口を、各本支所(3ヶ所)に設置 している。それぞれの連絡先は次のとおり。 邑南町商工会 【本 所】〒696-0103 邑智郡邑南町矢上 3854-2 TEL0855-95-0278 FAX0855-95-0904 【瑞 穂 支 所】〒696-0312 邑智郡邑南町出羽 48-2 TEL0855-83-0028 FAX0855-83-1224 【羽須美支所】〒696-0603 邑智郡邑南町下口羽 1001-1 TEL0855-87-0055 FAX0855-87-0137 メールアドレス ホームページURL [email protected] http://oonan.shoko-shimane.or.jp/ (別表3) 経営発達支援事業の実施に必要な資金の額及びその調達方法 (単位 平成 27 年度 必要な資金の額 平成 28 年度 平成 29 年度 千円) 平成 30 年度 61,881 61,881 61,881 61,881 61,331 61,331 61,331 61,331 総合振興費 100 100 100 100 産業振興費 300 300 300 300 商工業振興費 100 100 100 100 50 50 50 50 経営改善普及事業費 広報費 経営改善普及事業費・地域振興に係る事業費を計上 調 達 方 法 必要な資金の調達は、会費・手数料、国補助金、県補助金、町補助金等により行う。 p. 18 (別表4) 商工会及び商工会議所以外の者と連携して経営発達支援事業を実施する場合の連携に 関する事項 連携する内容 1.「Ⅲ.事業計画の策定支援、Ⅳ.事業計画実施支援」での連携 創業支援事業で関係機関と連携して創業支援(計画策定、実施支援)を行う。 2.「Ⅵ.新たな需要開拓の支援」、「2.地域経済の活性化に資する取組み」での連携 域外等への需要開拓で関係機関と連携して取り組む。 連携者及びその役割 <連携者> 連携者の氏名又は名称、住所及び電話番号は以下のとおり。 連携内容 名称 代表者 住所 連絡先 Ⅲ Ⅳ Ⅵ 2 ○ ○ ○ ○ 邑南町 石橋良治 邑智郡邑南町矢上6000 0855-95-1111 ○ ○ 邑南町観光協会 石橋良治 邑智郡邑南町矢上7154-10 0855-95-2369 ○ ○ ○ 邑南町起業支援センター 石橋良治 邑智郡邑南町矢上6000 0855-95-1111 ○ ○ 島根県 溝口善兵衛 0852-22-5128 ○ ○ 島根県商工会連合会 石飛善和 松江市殿町1 松江市母衣町55-4 ○ ○ ○ ○ (財)しまね産業振興財団 山崎征爾 松江市北陵町1 0852-60-5111 ○ ○ 山陰合同銀行株式会社 久保田一朗 松江市魚町10 0852-55-1000 ○ ○ 島根中央信用金庫 的場章好 出雲市今市町252-1 0853-20-1000 <連携者の役割> 0852-21-0651 役割は「連携体制図」に記載する。 連携体制図等 Ⅲ.Ⅳ.事業計画の策定・実施支援 ■邑南町起業支援センター 起業支援センター 運営委員会 ワークショップ 邑南町商工観光課内 町、商工会、観光協会、金融機関、矢上高校、起業実践者 行政機関、商工会、観光協会、金融機関、矢上高校、起業家・地域おこし協力隊他 ▶ 若者・女性の起業を支援 ◀ ①人材育成(藻谷塾・実践起業塾) ②支援事業(相談窓口ほか) ③情報収集・情報提供 ④調査研究事業 <連携の効果> 地域経済の現状把握と活性化に向けての意識や今後の方向性について共有化を図り、一体と なった取り組みが可能となる。また、創業予定者への支援を関係機関と連携して行うことで、 スムーズな開業とフォローアップの強化が図られる。 p. 19 Ⅵ.新たな需要開拓支援、2.地域経済の活性化に資する取り組み ○邑南町 県外等への販路開拓支援、農商工連携支援 ○邑南町観光協会 展示会等出展支援、農商工連携支援 ○島根県 しまねブランド推進課∼ブランド化等研修会開催、展示会等出展支援 ○島根県商工会連合会 販路開拓・新商品ブラッシュアップ研修会開催、展示会等出展支援 連携 ■邑南町商工会∼研修会等情報提供、展示会等出展支援、販路開拓支援 <連携の効果> 連携することで、より幅広い販路開拓の情報収集と情報提供が可能となる他、各機関のノウ ハウ・情報・行動力を結集することにより、効率的かつ効果的に行うこと可能となる。 p. 20