国際物流の動向と課題 - Security Filing Customs(ACE, ACI, ENS, AFR
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国際物流の動向と課題 - Security Filing Customs(ACE, ACI, ENS, AFR
国際物流における最新動向及び課題 「グローバルロジスティクス経営戦略セミナー」 ∼ 荷主・物流業者連携による競争力強化手法 ∼ 2010年6月11日 第1部 物流・貿易コンサルタント 冨島正和 目次 第1章 企業経営戦略として捉える国際物流 1-1.国際物流の最新動向 1-2.今後の課題 第2章 実際の物流現場で役立つ事例紹介 2-1.ISF対策の適用事例 2-2.海上輸送サービス品質向上のポイント Copyright(C) 2010,NEC Nexsolutions,Ltd. All Rights Reserved.CC 1 第1章 企業経営戦略として捉える国際物流 1-1.国際物流の最新動向 1-1-①.日本が直面する危機 1-1-②.物流をめぐる環境の変化 1-1-③.物流をめぐる様々な制度の現況 海上貨物セキュリティ対策の動き 「24時間ルール」と「10+2」ルール AEO制度の現況 IFRS国際会計基準 1-1-④.アジアの最新物流事情 1-2.今後の課題 1-2-①.今後の見通しと課題 1-2-②.国際物流における効果的な対策 Copyright(C) 2010,NEC Nexsolutions,Ltd. All Rights Reserved.CC 2 1-1-①.日本が直面する危機 •中国やインドの伸長 •少子高齢化/財政不安 •しつこいデフレ •海外投資家の無関心 最も事業コストが高い国? •岐路に立つ日本の通商戦略 FTA交渉で閉鎖的な日本を後回し •米国は2国間自由化交渉から、 多国間環太平洋戦略的経済 パートナーシップにスライド •中国の貿易相手 落ち込む 日本の存在感 ASEANが日本を抜いて3位浮上 •日本の国際競争力 90年の1位⇒17位 •実質GDPはG7で最下位 •港湾別コンテナ取扱では 長期にわたり低迷 東京24位、横浜29位 OECD先進国の実質GDP (万TEU) 貿易立国 誇れる技術 勤勉さ… … 出典:[世界の港湾別コンテナ取扱量順位] 2009.11.22日経新聞を基にグラフ化 Copyright(C) 2010,NEC Nexsolutions,Ltd. All Rights Reserved.CC … 3 1-1-②.物流をめぐる環境の変化 世界全体の貿易量の推移 09年世界貿易は約12%縮小 •貿易収支は過去70年間最大の落込み (米国:13.9%減、欧州:14.8%減、日本:24.9%大幅減) •09年輸出額、ドイツを抜いて中国が世界一 (中国:1兆2020億㌦、日本:5810億㌦で4位) 2010年世界貿易、9.5%増の見通し-WTO •中国やインド、ブラジルなど開発途上国 ⇒ 11%増 •先進国通しを妨げるリスクは、石油価格高騰、主要通貨切上げや 切下げ、金融市場の更なる悪化の影響等。 出典:WTOプレス・リリース 2010.3.26 http://www.wto.org/english/news_e/pres10_e/pr598_e.htm 出典:asahi.com ニュース 2010.1.11 http://www.asahi.com/business/update/0110/TKY201001100182.html Copyright(C) 2010,NEC Nexsolutions,Ltd. All Rights Reserved.CC 4 1-1-②.物流をめぐる環境の変化 日本の製造・装置業が直面している課題 汎用品中心、低い単価 •輸出品の平均単価は過去3年間で13%低下。 •主要輸出品が高級品から汎用品、最終財から中間財に移行。 •低所得水準の新興国中間層に強まる安値志向。 「薄利多売」の供給 •「iPad」部品 日本企業の製品比率が大幅に低下。 •日本技術で有利な分野で、新興勢力が受注。 •韓台製が台頭。 資料写真:米Apple社 タブレット型コンピュータ 「iPad」 Copyright(C) 2010,NEC Nexsolutions,Ltd. All Rights Reserved.CC 5 1-1-②.物流をめぐる環境の変化 成長戦略 新興国に軸足 日本の貿易額対アジア5割超に! 部品調達先 世界で集約 H社(自動車製造販売) •2013年をメドに部品毎の調達先を最大半分に集約。 •調達地域を日米欧から新興国にシフトし、コスト1割削減と品質管理徹底。 海外に製鉄設備 K社(鉄鋼関連事業) •インド、ロシア、豪州で製鉄設備を建設。独自技術の炉で低品質原料から生産。 •現地生産により輸出依存を抑え、コスト競争力で新興国需要獲得を目指す。 インド発 自動車海上輸送 M社(海上輸送) •インドを出荷地とする自動車の海上輸送事業に参入。 •年1万台の輸送を15万台強、三国間輸送比率を51%から12年度65%に拡大する見通し。 カザフスタンを物流ハブに S社(物流会社) •中国、ロシアと日本を結ぶ物流のハブ拠点に。 •1週間の通関手続を3∼4日短縮でき、荷主に輸送コスト低減を提案。 Copyright(C) 2010,NEC Nexsolutions,Ltd. All Rights Reserved.CC 6 1-1-②.物流をめぐる環境の変化 アジア広域FTA網から世界のネットワークへ アジアのFTA網 ASEAN+6(CEPEA) 中国 中国 インド オーストラリア ニュージーランド 韓国 韓国 日本 日本 ASEAN+3(EAFTA) 日本 中国 韓国 インド インド 2010 年1月 2010年1月 ASEAN+1 完 ASEAN+1 FTA FTA完 成 成 豪州 豪州 NZ NZ Copyright(C) 2010,NEC Nexsolutions,Ltd. All Rights Reserved.CC ASEAN(AFTA) インドネシア マレーシア フィリピン シンガポール タイ ブルネイ ベトナム ラオス ミャンマー カンボジア アジア域内のFTAによる無税化 の進展は、日本企業にとって 「生産基地」+「戦略拠点」に! 7 1-1-③.物流をめぐる様々な制度の現況 海上貨物セキュリティ対策の動き ※1 ※2 ※1: AMS(Automated Manifest System) 「貨物セキュリティの電子事前申告制度」船社及びNVOCCを対象 ※2: ISF(Importer Security Filing) AMSを土台にし、輸入者、その関係者までを対象 Copyright(C) 2010,NEC Nexsolutions,Ltd. All Rights Reserved.CC 8 1-1-③.物流をめぐる様々な制度の現況 海上貨物セキュリティ対策の動き 【米国の例】 コンテナセキュリティプログラムの関係と情報インフラ ACE※ 船社 船社 マニフェスト提出 航空会社 航空会社 CBP •遠隔申請 •遠隔申請 •口座管理 •口座管理 •他省庁との連携(ITDS) •他省庁との連携(ITDS) AMS AMS (アメリカ合衆国税関・国境警備局) (アメリカ合衆国税関・国境警備局) •通関業務 •通関業務 ・乗員/乗客出入国管理業務 ・乗員/乗客出入国管理業務 ・検疫業務 ・検疫業務 ・港湾管理業務 ・港湾管理業務 ISF ISF ・・物流セキュリティ管理・分析 物流セキュリティ管理・分析 (薬物・対テロ危険物 等) (薬物・対テロ危険物 等) 輸出入者 輸出入者 船舶入出港関連申請 通関情報取得 ACS ACS (24時間ルール ISF、10+2) 関税・手数料等決済 運賃・手数料決済 銀行 銀行 情報収集 通関情報閲覧 輸出入関連申請 通関業者 通関業者 CSI C-TPAT 24時間ルール 通関申告 ISF ABI ※ ACE(Automated Commercial Environment): ACS(Automated Commercial System) に置き換わる次世代手続システム Copyright(C) 2010,NEC Nexsolutions,Ltd. All Rights Reserved.CC 9 1-1-③.物流をめぐる様々な制度の現況 海上貨物セキュリティ対策の動き 【米国の例】 セキュリティ業務の流れ 輸出側 輸入側 マニフェスト情報 (24hルール) 船積 電子シールで 封印し船積 OK 輸出不可 CHECK NG X線、γ線検査 ICタグによる積荷確認 CSI係員 ACE 発荷主・船主 陸送業者・受荷主 C−TPAT 発荷主・船主 陸送業者・受荷主 参加 不参加 早い 安全 危険 荷物情報A 発荷主 搬入 遅い 通関 優先通関 ハイリスクコンテナ情報 検問A C−TPAT情報 ブラックリスト情報 RFID付 (ICタグ) 荷出コンテナ ICタグを活用した ITSにより貨物を追跡 物の流れ 情報の流れ Copyright(C) 2010,NEC Nexsolutions,Ltd. All Rights Reserved.CC 簡易な確認 検問B 早い 受荷主A 遅い 受荷主B 10 1-1-③.物流をめぐる様々な制度の現況 海上貨物セキュリティ対策の動き 【EUの例】 セキュリティ業務の流れ ①輸入貨物情報 ②輸送貨物の到着 輸入貨物情報 到着通知 EU(スロベニア) (ENS) 非EU国 リスク分析 結果 輸出業者Y 税関 登録番号 コペル (MRN) 商品 税関 ③商品の説明 ENS ④貨物の引渡 輸入業者X 簡易申告 税関 ENS 税関 ENS 税関 申告 z出典:「ENS Import Model」EUセキュリティポータルから抜粋し作成 Copyright(C) 2010,NEC Nexsolutions,Ltd. All Rights Reserved.CC 11 1-1-③.物流をめぐる様々な制度の現況 「24時間ルール」と「10+2」ルール 概要 実施状況 ルール対応での問題点 船積24時間前 ルール 自国向け海上コンテナ貨物に つき、船社等に外国港での船 積24時間前までに情報提出 義務を課すもの。 米国:2002.12∼実施 カナダ: 中国:2010.1∼実施 EU:2010年末? •米国ルールでは、日本はCYカットが2日 前倒しの入港3日前となる。 10+2ルール 24時間ルール情報への項目 追加(荷主:10、船社:2項目) 米国:2010∼実施 •B/L番号が船積前に荷主に分からない •コンテナ詰めした場所の情報提供が負担。 【米国の例】 船積み24時間前 船積み24時間前 24時間ルール 24時間ルール ・積荷目録の提出 ・積荷目録の提出 船積み前 船積み前 到着・検査 到着・検査 CSI CSI C-TPAT C-TPAT ・ハイリスク貨物の特定、検査 ・ハイリスク貨物の特定、検査 船社 NVOCC ISF(10+2) ISF(10+2) ・貨物情報 ・貨物情報 ・輸出者提出情報 ・輸出者提出情報 到着24時間前 到着24時間前 ・・到着後即時引取 到着後即時引取 100%検査 100%検査 •全ての米国向け海上 •全ての米国向け海上 コンテナ貨物を検査 コンテナ貨物を検査 輸入者 (代理人) ISF(10+2) ISF(10+2) •コンテナ状況メッセージ •コンテナ状況メッセージ Copyright(C) 2010,NEC Nexsolutions,Ltd. All Rights Reserved.CC ISF(10+2) ISF(10+2) ・船積み計画書 ・船積み計画書 船社 船社 2010年1月26日本適用 2012年実施予定延期? 12 1-1-③.物流をめぐる様々な制度の現況 AEO制度の現況 各国において異なったAEO制度が乱立 相互認証に向け各国の協力が不可欠 Sweden s Stair-Sec China s AEO Program Canada s Partners in Protection EU AEO Japan s AEO Program Korea s AEO Program Jordan s Golden List US Customs Trade Partnership Against Terrorism (C-TPAT) Malaysia s Customs Golden Client Singapore s Secure Trade Partnership Accredited Client Program New Zealand s Secure Exports Scheme (SES) 出典:「The SAFE Framework of Standards 」 WCO資料(各国名称)を元に作成 Copyright(C) 2010,NEC Nexsolutions,Ltd. All Rights Reserved.CC 13 1-1-③.物流をめぐる様々な制度の現況 AEO制度の現況 日本版AEO制度の現状 特定輸出者 一覧 特例輸入者 一覧 特定保税 承認者一覧 認定通関 業者一覧 特定保税 運送者一覧 AEO貨物の通関時間は、わずか0.1時間 (第9回輸入手続の所要時間調査) z海上及び航空貨物の通関所要時間(輸入申告∼輸入許可) は0.1時間となり、一般貨物の3.1時間(海上)及び0.4時間 (航空)に比べ大幅に短いことが明らかになった。 Copyright(C) 2010,NEC Nexsolutions,Ltd. All Rights Reserved.CC 出典:「第9回輸入手続の所要時間調査」財務省関税局2009.7.16報道発表 調査期間;2009.3.9∼15 特例輸入申告全数(海上:742 航空:632件) 14 1-1-③.物流をめぐる様々な制度の現況 AEO制度の現況 日本のAEO相互承認の現状 出典:「貿易円滑化等に係る税関の取組み」財務省関税局2010.1.29 Copyright(C) 2010,NEC Nexsolutions,Ltd. All Rights Reserved.CC 15 1-1-③.物流をめぐる様々な制度の現況 IFRS/IAS 「国際会計基準」…世界共通の物差し 物流品質と情報管理・伝達能力が問われる時代 売上計上方法の変更 国内売上計上: 「着荷基準」 海外売上計上: 「通関日またはB/L日付 POD※能力の改善 「配達証明の回収・報告能力」 (いかに早く荷主に報告できるか!) 対応策 •IT活用によるタイムリーなPOD報告 •J-SOX対応のプロセスに準拠する ※ Proof Of Delivery 「貨物の配達証明」 IFRSを適用している国 IFRSを強制または許容している国(100カ国超) 日本では… 2010年:任意適用 2015年:義務付け IFRSと自国基準との差異の縮小に取り組んでいる もしくはIFRS適用への移行途中にある国(日本) 出典:「IFRS adoption and use around the world」 IASBポータルから抜粋 http://www.iasb.org/Home.htm Copyright(C) 2010,NEC Nexsolutions,Ltd. All Rights Reserved.CC 16 1-1-④.アジアの最新物流事情 アジア発米国向けコンテナ輸送の国別シェア 中国がアジアで主導権 •アジア18ヶ国・地域⇒米国 コンテナ輸出は65%が中国 。 •運賃の決定に日本、価格構造変化に危機感。 z出典:「日本・アジア/米国間のコンテナ貨物の荷動き動向」 (財)日本海事センター企画研究部 2010.6.3 データを元に作成。 z注)2010データは3月速報値。 コンテナ船 米欧向け運賃引き上げ •アジア発米欧向けコンテナ船運賃10年度(5月∼11年4月)の上げ幅は前年度比4∼6割高。 •荷動き好転と海運会社の輸送能力削減で船腹需給締まり、荷主企業が値上げをほぼ満額受入れ 。 欧州向け 3割値上げ 米西海岸向け 6割値上げ 輸送スペースの安定確保が不可欠! 米東海岸向け 4割値上げ Copyright(C) 2010,NEC Nexsolutions,Ltd. All Rights Reserved.CC 17 1-1-④.アジアの最新物流事情 上海港が国際貨物情報を常時把握できるシステムを導入 •日中両国政府も支援、ICタグを使った日中発の技術で国際標準を狙う。 •配送管理や荷主対応、通関業務等の大幅効率化、在庫削減などによるコスト削減が可能。 中国で家電リサイクル •2年内5∼10ヵ所に年40万台処理できる工場を建設。銅や金を再資源化。 •中国では家電の普及で廃棄物急増(2011年1月「家電リサイクル法」施行予定)。 新興国・環境に重点投資 •日本の2010年度設備投資額は、自動車、電機ともに4年ぶりに増加。 •大手自動車、電機は成長が見込める「新興国」と「環境」に重点投資。 Copyright(C) 2010,NEC Nexsolutions,Ltd. All Rights Reserved.CC 18 1-1-④.アジアの最新物流事情 東アジアASEANを核に18兆円基盤整備 •ASEANと中国、インドを結ぶ広域インフラを一体整備。プロジェクト数は交通、通信など 650件で、全体の事業費は200億㌦(約18兆円)を見込む。 •狙いは、製造業の東アジアでの国際分業体制構築を後押しすることなど。日本企業の 事業拡大にも繋がりそう。 韓中が陸海複合輸送協定 •韓国と中国は両国間のコンテナ輸送をより円滑化するため、韓・中陸上海上複合輸送協定 に仮署名。 •同協定では、出発地でコンテナを搭載したトレーラーをフェリーを利用して相手国の港湾まで 海上輸送した後、最終目的地まで一貫輸送する事で港湾での積み替えが必要ない輸送方 式を推進。 •第一段階でトラクターを除くトレーラーを海上輸送と連携し相手国の内陸目的地まで直送する ことを容認、第二段階でトラクターを含めた車輌の相手国内での道路走行まで拡大していく。 Copyright(C) 2010,NEC Nexsolutions,Ltd. All Rights Reserved.CC 19 1-2-①.今後の見通しと課題 国際物流をめぐる中長期的な見通しと主な課題 今後の見通し 物流課題 経済の一層の グローバル化 •新興国の内需拡大でアジア等へ の工場再移転増加し、現地企業 との競争激化。 •日本発着よりアジア域内・アジア と欧米間の物流が増加傾向。 •アジア域内等での物資移動の円滑化 •国際的に優れた物流サービスの実現 •三国間輸送を含めた海外事業への取組 •諸外国との連携・調整 •官民間・関係省庁間との連携、コンプライアンス テロ対策の一 環とした輸送 機関保安対策 や大量破壊兵 器持ち込みに 対する監視の 強化 •水際対策/危機管理体制の強化 •セキュリティ向上と物流効率的との両立 (輸送費用、輸送時間の増加等) 地球温暖化対 策の必要性の 高まり •環境負荷最小化を図るための新 たな技術開発 •情報通信技術活用への期待 •タグ等の整備、インフラ部分のコスト負担増 (迅速で効率的かつセキュリティ・ •各国により異なる電波使用周波数帯の整合性 レベルの高い物流ネットワークの 構築) Copyright(C) 2010,NEC Nexsolutions,Ltd. All Rights Reserved.CC •大気汚染物質の排出削減 •技術開発による物流への応用対策 20 1-2-②.国際物流における効果的な対策 国際輸送保安対策強化と物流効率化確保を両立させるための手法 フォワーダー上屋 輸出者 フォワーダー 税関 船社 税関 フォワーダー 輸入者 ノンストップ通関/サプライチェ−ン全体管理のための物流情報化 ノンストップ通関/サプライチェ−ン全体管理のための物流情報化 情報通信ネットワーク・情報インフラの構築 (手続きの電子化+貨物可視化基盤づくり) (手続きの電子化+貨物可視化基盤づくり) シングルウィンドウ参加による関係者間情報の一元化 RFIDを活用した貿易円滑化とセキュリティ確保の仕組みづくり 迅速・効率的・安全・確実でセキュリティレベルの高い物流を確保! Copyright(C) 2010,NEC Nexsolutions,Ltd. All Rights Reserved.CC 21 1-2-②.国際物流における効果的な対策 国際物流における情報の一元化 (将来構想) シングルウィンドウ 輸出入申告 I/V、P/L、E/D •NACCS •港湾EDI 自社 システム フォワーダー •貨物とコン テナを紐付 け 税関 •バンニングの際、 電子タグと電子シー ルを読み取る •センサーロガーをコ ンテナ内に貼付 輸入申告 原産地証明 インボイス情報等 各国 システム 自社 システム フォワーダー上屋 輸出者 海外客先 海外客先 海外側 海外側 貨物情報 システム 荷主貿易 システム 海外側 海外側 AEO国 AEO国 船社 税関 フォワーダー 輸入者 •ガントリークレーン にて、電子シールを 読み取る •ゲートにて、電子 シールを読み取る Copyright(C) 2010,NEC Nexsolutions,Ltd. All Rights Reserved.CC 22 1-2-②.国際物流における効果的な対策 電子タグ等の活用例 <フォワーダー上屋> <海外港> コンテナタグ の読取アンテナ 個品タグ の読取アンテナ <CY> 電子シール の読取アンテナ <輸送中> コンテナタグ 電子シール Copyright(C) 2010,NEC Nexsolutions,Ltd. All Rights Reserved.CC 23 1-2-②.国際物流における効果的な対策 センサーロガーの活用例 • 温湿度センサー:コンテナ内に3個を配置(奥側、中央、入口付近) • 照度センサー:コンテナ内の右側ドア付近側壁に1個 • 衝撃センサー:コンテナ入口付近に1個(固定取り付け) 温湿度センサー コンテナ 計測範囲: -40∼85℃ 照度センサー 0.0∼100.0% 計測範囲: 0∼0.2MLux 衝撃センサー 計測方向: X,Y,Z軸 記録間隔: 1分 固定用棒 ※衝撃センサーの固定は、 ①固定用棒で固定 または ②コンテナ床板にボルトで固定 のいずれかの方法で行った。 Copyright(C) 2010,NEC Nexsolutions,Ltd. All Rights Reserved.CC 24 24 1-2-②.国際物流における効果的な対策 センサーロガーの活用例 • 測定条件:バンニング∼デバンニング間の全期間で、5分に1回の間隔で測定 • 測定対象:コンテナ内の温度、湿度、照度、衝撃度 • 測定目的:コンテナ内の環境状況確認、開封検知(特に照度) バンニング (国内) ゲート通過・ 出港(CT) 太平洋上を 航行中 海外入港 デバンニング (海外倉庫) <温度測定結果> Copyright(C) 2010,NEC Nexsolutions,Ltd. All Rights Reserved.CC 25 第2章 実際の物流現場で役立つ事例紹介 1.「ISF(10+2)」と「AMS24時間ルール」 対策の適用事例 (NVOCC、フォワーダーの取組) 2.物流サービス品質向上のポイント Copyright(C) 2010,NEC Nexsolutions,Ltd. All Rights Reserved.CC 26 2-1.ISF(10+2)とAMS24時間ルール対策の適用事例 ISFとAMSの連動−House B/L番号 貨物セキュリティ対応は電子データ! Copyright(C) 2010,NEC Nexsolutions,Ltd. All Rights Reserved.CC 出典:「B-I Value to Import2000」㈱ブレインネッタ資料から抜粋 27 2-1.ISF(10+2)とAMS24時間ルール対策の適用事例 ISFとAMSの連動−House B/L番号 AMS未使用(Non-Auto Filer)とISF(10+2) −B/L番号から生じる問題と対策 AMS使用メリット Non-AMS NVOは 営業上不利 が明らかに! Copyright(C) 2010,NEC Nexsolutions,Ltd. All Rights Reserved.CC 出典:「B-I Value to Import2000」㈱ブレインネッタ資料から抜粋 28 2-1.ISF(10+2)とAMS24時間ルール対策の適用事例 データ入力の方法 システム対応はEDI/Web活用により効率的! Copyright(C) 2010,NEC Nexsolutions,Ltd. All Rights Reserved.CC 出典:「B-I Value to Import2000」㈱ブレインネッタ資料から抜粋 29 2-1.ISF(10+2)とAMS24時間ルール対策の適用事例 輸入者セキュリティ・ファイリング データ関連図 Filer: Carrier, NVOCC AMS Filer: Importer, Agent Bills of Lading Number Foreign Port prior U.S. Carrier SCAC Carrier Voyage Number Date Arrival at U.S. Port U.S. Port of Unlading Quantity Unit Measure Quantity Foreign Place Receipt Commodity (HTS/6) Commodity Weight Shipper Name Shipper Address Consignee Name Consignee Address Vessel Name ………. ………. ………. ISF Seller name/address Buyer name/address Importer Record# Consignee Number Manufacturer/Shipper Ship to name/address Country of Origin Commodity HTS-6 Cont Stuffing Location Consolidator(Stuffer) 11th Item: B/L Number : ファイリングの最初の項目 :到着24時間前まで修正可 Copyright(C) 2010,NEC Nexsolutions,Ltd. All Rights Reserved.CC : 8項目−船積み24時間前提 出 : 早く、到着24時間前まで Filer: Importer, CHB ABI Entry Number/Type Entry – Port/Entry Filer Code Importer of Record Ultimate Consignee Surety Number Filing Date & Time Importing Carrier Vessel Name Country of Origin Exporting Country Exporting Date Foreign Port Arrival Estimated Arrival Date Entry Value HSUSA (10) Manufacturer ID : ABIのデータ連動 (ISFデータのheader内に記載) : Public Commentの対象項目 出典:「B-I Value to Import2000」㈱ブレインネッタ資料から抜粋 30 2-1.ISF(10+2)とAMS24時間ルール対策の適用事例 輸入者セキュリティ・ファイリング 「10」項目の内容 データ項目 主な内容 情報源 当該商品を売却した、又は売却することを合意した 者。売却が完了していない場合は所有者 輸入側 当該商品を購入する、又は購入することを合意した者 輸入側 当該事業者の関税の支払い及びすべての輸入手続 に必要な納税者番号、雇用者番号、社会保障番号、 又はCBP指定の番号 当該事業者の関税の支払い及びすべての輸入手続 に必要な納税者番号、雇用者番号、社会保障番号、 又はCBP指定の番号 当該貨物を製造、組立て、生産、或いは成育した最終 的な当事者 輸入側 通関後の貨物リリースについて、当該商品の物理的 な引渡しを受ける者 輸入側 原産国 Country of origin code 輸入関連法令及びその他規則に基づく製造者、生産 又は成育をした国を明らかにするもの 輸入側 貨物の6桁の関税率表の番号 Commodity HTS number コンテナ詰めした場所 Container stuffing location コンテナ詰めした者の名前住所 Consolidator name/address 6桁の番号が必要。但し、場合によっては8又は10桁 での報告も可 輸入側 当該貨物が物理的に詰込まれた場所の名前と住所、 又は混載貨物の場合は出荷準備が完了した場所の 名前と住所 コンテナに貨物を詰込んだ者、又はその手配をした 者。混載貨物の場合はその出荷手配をした者 輸出側 販売者の名前/住所 Seller Name/Address 買主の名前/住所 Buyer Name/Address 輸入業者登録番号 Importer of record number 荷受人番号 Consignee number 製造者/出荷者の名前/住所 Manufacturer name/address 送り先の名前/住所 Ship To name/address Copyright(C) 2010,NEC Nexsolutions,Ltd. All Rights Reserved.CC 輸入側 輸出側 輸出側 出典:「B-I Value to Import2000」㈱ブレインネッタ資料から抜粋 31 2-2 .物流サービス品質向上のポイント 海上輸送時の品質基準例 ブッキング情報の配信サービス 本船動静情報の配信サービス 各仕向地毎、月単位の出荷スケジュール表を 作成し、顧客へ送付。随時スケジュール表を更 新、最新情報を提供。 出港本船スケジュールを日々確認し、到着まで をトレース、顧客へメール配信。各港でのバー スの込み具合や、荒天情報なども含め配信。 工場出荷 倉庫・陸送 船積・出港 海上輸送・通関 倉庫・配送センター 陸送 FCLサービス •使用する全船会社に対し、2回/年 •使用する全船会社に対し、2回/年 クリーンコンテナ供給 クリーンコンテナ供給 •コンテナヤードでの安全なハンドリン •コンテナヤードでの安全なハンドリン グの注意喚起を実施。 グの注意喚起を実施。 データーロガーサービス •輸送中の「ダメージ」「温・湿度」を •輸送中の「ダメージ」「温・湿度」を 計測装置で管理。 計測装置で管理。 •特殊貨物の出荷や季節要因を把 •特殊貨物の出荷や季節要因を把 握する際に使用。 握する際に使用。 •梱包・包装仕様改善、荷扱改善、 •梱包・包装仕様改善、荷扱改善、 積付け改善を行う際のデーター収 積付け改善を行う際のデーター収 集が可能。 集が可能。 LCLサービス •取扱荷量の大きいCFSに対し、1回/ •取扱荷量の大きいCFSに対し、1回/ 月巡回パトロールを実施。 月巡回パトロールを実施。 •品質管理部門担当者も立会い、CFS内 •品質管理部門担当者も立会い、CFS内 作業が適切且つ安全に実行されている 作業が適切且つ安全に実行されている かのパトロールを実施。 かのパトロールを実施。 •改善が必要と判断した場合、混載業者 •改善が必要と判断した場合、混載業者 に改善依頼を実施。 に改善依頼を実施。 Copyright(C) 2010,NEC Nexsolutions,Ltd. All Rights Reserved.CC 貨物サービス 情報サービス 32 2-2 .物流サービス品質向上のポイント バンニング時の品質基準例 バンニング作業時 空コンテナピックアップ時 •コンテナ内がクリーンな状態かを •コンテナ内がクリーンな状態かを チェック。 チェック。 •コンテナ内の破損、ダメージ有無 •コンテナ内の破損、ダメージ有無 を確認。 を確認。 •運転手、車両、コンテナを確認し記録。 •運転手、車両、コンテナを確認し記録。 •コンテナの不審点(床のシミ、穴あき、 •コンテナの不審点(床のシミ、穴あき、 構造の細工等)を事前チェック。 構造の細工等)を事前チェック。 •バンニング作業を中断する際、扉を •バンニング作業を中断する際、扉を 開放しない。また、無人放置しない。 開放しない。また、無人放置しない。 •バンニング作業前に、パレット数、個数 •バンニング作業前に、パレット数、個数 チェックを実施。 チェックを実施。 •荷崩れ対応には写真を添付。 •荷崩れ対応には写真を添付。 •開口部付近の積み付けはハンドリフト。 •開口部付近の積み付けはハンドリフト。 その他注意事項 •バンニングは、貨物形状、製品特性、梱包仕様等に •バンニングは、貨物形状、製品特性、梱包仕様等に より適切な手段で品質維持できるようその都度対応。 より適切な手段で品質維持できるようその都度対応。 Copyright(C) 2010,NEC Nexsolutions,Ltd. All Rights Reserved.CC •扉ロックとコンテナシールを確実に実施。 •扉ロックとコンテナシールを確実に実施。 •手順書は現場の見える場所に掲示し、 •手順書は現場の見える場所に掲示し、 貨物異常、不具合発生等発見時は作業 貨物異常、不具合発生等発見時は作業 内容を確認し対応。 内容を確認し対応。 33 2-2 .物流サービス品質向上のポイント 海上輸送サービス品質向上のポイント 委託先からの出荷する貨物取扱精度を上げる 企業価値 の向上! ⇒ 製品間違い、誤配送、梱包品質等 製品間違い、誤配送、梱包品質等 輸送全般の安全性・正確性の確保を図る。 輸送全般の安全性・正確性の確保を図る。 •生産工場(委託先)への指導 生産依頼に対する製品・生産量進捗、出荷量進捗、梱包資材・仕様の確認、 製品積込み時のバンニング、ラッシング等きめ細かい指導を行う。 ⇒カ−トンの選定指導(強化カ−トンの購買指導)等。 ⇒委託工場任せにしない!担当者の適時監視or常駐。 •現地輸送業者への指導 ⇒LCL貨物の取扱指導、適時監視 ⇒FCLコンテナ手配等適時監視 •Booking担当者への指導及びS/C締結 ⇒近年の景気回復に伴い、コンテナ船不足、空コン確保等 Forwarderから船社等への船腹確保交渉支援を行う。 •Forwarder作成船積書類の事前チェックを必ず行う。 Copyright(C) 2010,NEC Nexsolutions,Ltd. All Rights Reserved.CC 34 お問合せ先 NECネクサソリューションズ株式会社 流通・サービスソリューション事業部 東京:原田・長村 (03)5730−5631 中部:小林・中西 (052)222−2236 関西:北澤・稲葉・松尾 (06)6945−3891 ご清聴ありがとうございました グローバルロジスティクス経営戦略セミナー 2010年6月11日 第1部 物流・貿易コンサルタント 冨 島 正 和 e-mail:[email protected] Page 35 Copyright(C) 2010,NEC Nexsolutions,Ltd. All Rights Reserved.CC 35