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3.イタリア 3.1代償に至る経緯 イタリア・マスタープランの景観計画に従って
3.イタリア 3.1代償に至る経緯 イタリア・マスタープランの景観計画に従って、グリーンバイパス事業が開始さ れた。2004 年から事業が実施され、2009 年からグリーンバイパスが供用された。 全長 32.3km、改変面積 253ha の The Mestre バイパスによる影響を代償するために、 延長 30km の直線状の公園を造成した。 すでにかなり開発され、分断化した地域を高速道路は通過するが、同時に、残さ れた自然地と農地により形成された重要な生態的回廊が存在している。 高速道路建設に伴う影響による主な自然環境の改変は図 3.1-1 の通りである。 ・島嶼効果 ・バリア効果 ・地下水位の上昇 ・草地、ヘッジロウ生態系の攪乱 ・河川に沿った移動の阻害 ・微気象の改変 ・エッジの単純化 図 3.1-1 高速道路建設に伴う影響による主な自然環境の改変 具体的には、河川に沿った植生の除去、植物群落組成の変更、ハビタットの消滅 と断片化、動物の移動阻害、動物の轢死水質汚染による水生動物群集への影響、道 路端の新たな環境の創造のほか、Solzano Mines 地域の Natura2000 地の変更が生 じた。 3.2代償の概要 (1)代償面積 改変区域面積 253ha に対して 650ha を代償する。 (2)代償内容 まず、道路に沿った 32km を直線的公園としたが、これは更なるオフセットの一 部である。バイパスに沿った公園は、主に Brenta 川と Sile 川といった既存の環境 を連結させた。 Solzano Mines に隣接する土地を回復させ、Natura2000 の新しい場所として、 Ⅳ-18 Luneo ビオトープを含めた。 オ フ セ ッ ト に か か っ た 費 用 は 2800 万 ユ ー ロ で あ り 、 オ フ セ ッ ト は Venice Farmer’s Association (Coldiretti Venezia)が実施した。 図 3.2-1 代償措置の基本的な考え方 (3)事後調査 モニタリングは実施されており、その結果は公表されているが、その効果は明確 ではない。 図 3.2-2 Natura2000 指定地の位置する Solzano Mines 周辺 Ⅳ-19 (最上段左が最南端、最下段が最北端) 図 3.2-3 グリーンバイパスの緩衝サイトマップ Ⅳ-20 (4)管理 オ フ セ ッ ト の 維 持 管 理 費 用 は 200 万 ユ ー ロ / 年 で 、 Coldiretti (farmer association)に よ っ て 統 合 さ れ た 地 元 の 農 民 に よ っ て オ フ セ ッ ト が 維 持 さ れ て い る。 参考文献 ・ SPEA Ingegneria Europea (2002). Autostrada A4: Variante di Mestre. Il Passante Autostradale. Sintesi non tecnica, Studio di impatto ambientale. (Motorway A4: Variation of Mestre. The Motorway Bypass. Non-technical summary, Environmental Impact Study) ・S. Steffilongo (2011). Il Passante Verde. Un parco territoriale di 30 km per riconnettere e ricucire il territorio, dal piano paesaggistico alla realizzazione, storia di un progetto ideato e promosso da Coldiretti Venezia. (The Green By-Pass. A 30 km long belt of parkland to sew the territory together, from a landscape plan to the implementation, history of a project designed and promoted by Coldiretti Venezia - Venice Farmer’s Association) ・ A.A.V.V. (2006) Il Passante Verde, Studio pe la riqualificazione del territorio attraversato dal Passante di Mestre. (The Green By-Pass, a study for the redevelopment of the territory crossed by the Mestre motorway by-pass) ・European Commission (2001). Assessment of plans and projects significantly affecting Natura 2000 sites. Methodological guidance on the provision of Article 6(3) and (4) of the Habitats Directive 92/43 EEC http://ec.europa.eu/environment/nature/natura2000/management/docs/art6/ natura_2000_assess_en.pdf ・ European Union, (1992) Council Directive 92/43/EEC of 21 May 1992 on the conservation of natural habitats and of wild fauna and flora. http://ec.europa.eu/environment/nature/legislation/habitatsdirective/ind ex_en.htm ・European Union (2001) Directive 2001/42/EC of the European Parliament and of the Council of 27 June 2001 on the assessment of the effects of certain plans and programmes on the environment. http://europa.eu/legislation_summaries/environment/general_provisions/l 28036_en.htm Ⅳ-21 ・European Commission, (2000) Managing Natura 2000 Sites, The Provisions of Article 6 of the ‘Habitats’Directive 92/43/EEC, Luxembourg, Office for Official Publications of the European Communities. http://ec.europa.eu/environment/nature/natura2000/management/docs/art6/ provision_of_art6_en.pdf Ⅳ-22 4.英国 Scott Wilson Scotland & Ireland 社は、ダーリントンの Hunden ’ s Park に新た な Eastbourne School を 建 築 す る に 当 た り 、 踏 査 に よ る 生 態 的 調 査 (ecological walkover survey)を実施し、調査レポートを提出するように Darlington Borough 会 議により命じられた。 事業予定地はアメニティ草地として利用されており、隣接する半改良の草地にあ る池 に はホ クオ ウ クシ イモ リ (great crested newt Triturus cristatus )が 生 息 していることが Eastern Transport Corridor Link Road の建設に伴って行われた 調査で報告されている。 本計画ではアメニティ草地のみ直接改変するものであるが、隣接地に対しても調 査することが適切と考えられた。 調査の目的は以下の通りであった。 ・ハビタットと種に関するベースラインデータを取得すること ・工事、存在供用時に想定される影響の検討 ・ハビタットと種、特にクシイモリに関連する法的な面の助言 ・代償措置の提案 ・可能な生態的改善の検討 現地調査は、the Institute of Ecology and Environmental Management (MIEEM) と Chartered Environmentalist (CEnv)のメンバーで、6年以上の調査経験をもつ 者が 2007 年2/8 に実施した。 Darlington Borough 会議と議論し、以下のような調査内容とした。 ①既存資料調査 ②植生、ハビタット調査 ③繁殖鳥類調査 ④アナグマ調査 ⑤カワウソ調査 ⑥ミズハタネズミ調査 ⑦コウモリ類調査 ⑧ホクオウクシイモリ調査 現地調査では、重要種は確認されなかった。 樹木や灌木の除去は行わないことから、繁殖鳥類への直接的な影響はないが、工 事を鳥類の繁殖期(3月中旬~8月)に実施した場合には、騒音、振動による攪乱 が生じるものと考えられる。 コウモリ類の生息は確認されなかったが、調査対象地北端の樹木はコウモリ類の ねぐらとして適していると考えられる。 Ⅳ-23 ホクオウクシイモリは確認されなかったが、池からアメニティ草地を通過し、他 の池に移住する可能性は否定できない。 現地調査結果を踏まえた、ハビタット、繁殖鳥類、コウモリ類、ホクオウクシイ モリに対する代償措置は以下の通りである。 ハビタット:直接改変はアメニティ草地に限ることとし、樹木、灌木、特に北端 の桜は残存させる。 繁殖鳥類、コウモリ類:樹木や灌木が直接影響を受けない限り、これらも直接的 な影響を受けないと考えられる。もし、樹木伐採をしなければならない場合には、 鳥類の繁殖期を外すとともに、コウモリ類の専門家に確認してもらうべきである。 ホクオウクシイモリ:工事区域への侵入を防ぐためにフェンスヤトラップを設置 すべきである。 図 4.1-1 事業予定地 Ⅳ-24 図 4.1-2 図 4.1-3 調査地北端の桜 ホクオウクシイモリが生息するとされる池 参考文献 Scott Wilson Scotland & Ireland Ltd. (2007) Eastbourne School – Survey Report. Ⅳ-25 Ecological 5.カナダ 5.1 代償措置に関する事例 1)トランスカナダハイウェイ(高速道路) (1)事業概要 ニューブランズウィック運輸省(NBDOT)が事業主体となり、グランドフォー ル スからウッドストック間 98Km の高速道路建設が計画され、その間で 58 の水路横断 が計画された。 (2)環境アセスメント この規模の影響のプロジェクトは包括的調査規模であり、環境アセスメントが行 われた。環境アセスメントにおいて、環境影響を可能な限り最小化するためのルー ト変更が行われたが、このうち魚生息地に関連し、51 箇所が水路横断のための魚生 息地の約 28,000m 2 に対し、海洋漁業省は補償が必要と判断した。 (3)代償措置 DFO により補償比率は 3:1 とされ、83,900m 2 のハビタット補償が要求された。 事業者であるトランスカナダハイウェイ(TCH)は通常プロジェクトの進行と共 に実施する代償措置ではなく、代償措置が完了する前に HADD の許可を出すことが 覚書で締結された。DFO に HADD バンクと代償措置の現状を知らせるための定例会を 開くことにした。 代償措置を実施する道路用地地点選定の優先順位は以下のとおりであった。 ①TCH プロジェクトが横断する流路のうち、道路用地内 ②TCH プロジェクトが横断する流路のうち、道路用地外 ③TCH プロジェクトが横断しない流路のうち、道路用地外だが、グランドフ ォールとウッドストックの間に位置する ④TCH プロジェクトに関係しない、セント・ジョン川の排水システム内 これらに従い、NBDOT は代償プロジェクトのデザインをし、これらの代償プロジ ェクトが実行可能性、生息地問題、代償クレジットのポテンシャルを判断させるた め、DFO にレビューし、DFO は全プロジェクトを承認した。 ただし、DFO は覚書の中で、NBDOT が代償プロジェクトのためだけに新しいイン フラ整備を請け負うことを避けるために、NGO に代償措置の要求事項を分割するこ とを求め、NBDOT は NGO の力を借りることで、NGO の経験や能力を活かし、さらに、 ほとんどがボランティアで運営されているため、低いコストで代償措置を実行でき た。 NBDOT と NGO で実施した代償プログラムは、約 170 万カナダドルを要し、マネジ メントにその 10%程度を要した。 Ⅳ-26 1 ㎡当たりのコスト幅は 2 カナダドルから 60 カナダドルであり、平均 12.4 カナ ダドルとなり、これまでの代償プログラムの平均額 1 ㎡当たり 21 カナダドルを下 回った。 予測した代償措置エリアは 83,900 ㎡であったが、実際に事業を行ってできた代 償措置が必要なエリアが 83,900 ㎡を下回れば、差分×21 ドル(通常の平均額)が 払い戻される予定になっていた。実際に事業を行ってできた代償措置が必要なエリ アは、156,200 ㎡であり、TCAP Co.から買い取った代償クレジットを 72,300 ㎡上回 ってしまった。そこで Brun-Way 社は独自で代償プログラムを実施し、175,079 ㎡の 代償クレジットを創出し、102,797 ㎡の余剰を得た。この余剰分のうち 90,000 ㎡の クレジットは NBDOT HADD バンクに移管された。 表 5.1-1 表 5.1-2 トランスカナダハイウェイで実施された代償措置概要 Brun-Way 社が行なった代償措置プログラムの概要 Ⅳ-27 図 5.1-1 トランスカナダハイウェイ事業実施区域 Ⅳ-28 図 5.1-2(1) トランスカナダハイウェイ事業 Ⅳ-29 代償措置事例 図 5.1-2(2) トランスカナダハイウェイ事業 Ⅳ-30 代償措置事例 図 5.1-2(3) トランスカナダハイウェイ事業 代償措置事例 2)トルヌストクヒドロ・エレクトリック(水力発電所及びダム) (1)事業概要 トルヌストク川はマニコアガンの支流で、その流路の中には一つの水力発電設備 としてサンテ・アン・ダムが存在している。このダムは下流の3つのダム(マニッ ク 2、マニック 1、マクコーミック)の水利供給のために 1957 年に最初に埋め立て が始まった。 Ⅳ-31 Hydro-Quebec(イドロ・ケベック)は、サンテ・アン・ダムとマニック 2 発電所 貯水池の間に水力発電所を設ける計画をした。その間のトルヌストク川の落差 190m を開発しようとした。このプロジェクトはマニコアガン-トルヌストク水力開発の 一部である。 (2)環境アセスメント マニコアガンとオウタルデス川の未開発なポテンシャル評価の結果から、 Hydro-Quebec は予備的なプロジェクト研究に 1977 年から着手。9 通りのオプショ ンを考え、300m 3 の流量が得られた場合の発電量、新しくできる水面の面積、最大 水位、コスト、コスト対発電量を計算し、その中で Hydro-Quebec が設定した3つ の条件(以下)を満足するオプションは1通りであった。 ・コスト有効度(発電コストが 3¢/kWh 以下) ・環境の受容性 ・地元に好意的に受け入れられる このため、環境アセスメントは、この1オプションだけで実施された。 このプロジェクトでは、22 ㎞ 2 の水面拡大を確保するために、擁壁構造物(トル ヌストクダムと南堰堤)の建設と、サンテ・アン・ダムの平準化、南西堰堤の修復 が必要であった。また、トルヌストクダムの建設のためには 1 年半の間、流路を分 流する必要があった。この分流トンネルは左側斜面に位置し、350m 3 /s の流量に耐 えられるようにデザインされた。 新しい発電所は河口から 53.8km の場所に位置し、2 重フランシス型タービン発電 で、330m3/s のスピードで 526MW 発電できる能力があるよう準備された。最 初 の 300m3/s より多いが、これは取水路の圧力ロスを減らすデザインに変更した結果、 さらなる力を得たためである。トルヌストク発電所の年間発電量はおよそ 2660GW となった。 発電所は 9.8km の長さの取水路と、トルヌストクダムから約 2 キロ西一つの取水 堰によって水が供給され、その堰湾はルーニー峡谷が沈むことによって作られる。 1.2 ㎞の放水路は 0.45km は川に向かい、0.8 ㎞は川の中を掘削する。 洪水吐は 3500m 3 /s の能力を持ち、洪水吐は 3 つあり最低流量を確保された。 発電所はミクア・ステーションまで 55 ㎞を 315kV の送電線で結ぶ。発電所の屋 根は、他の変電設備(165m 発電所から離れた)と共に利用して 315kV に変圧する設 備にする。仮設の 69kV の電線がミクア station から引かれ、ワークサイトに電源 を供給する。この配電線は工事終了後も補助として残され、取水や洪水吐に利用さ れる。 発電所までのアクセス道路は 12km、90 ㎞以上のサンテ・アン湖道路の改修、橋 のリプレースが必要であった。 Ⅳ-32 トルヌストク水力発電所設備には、多くの掘削が必要であった。掘削土の多くは 土木建築に利用されるが、差分の約 2,098,100m3 の岩石と約 1,050,150m3 の土壌は 取水エリア近くの土捨て場に処分される。建設のための 6 つの借地(顆粒体や氷河 堆積物)は事業地内におかれた。 96kV 送電線の設置は、物理的環境要因の側面から、比較研究を行い、北ルートが 良いと判断された。その理由は以下の通り ・北ルートの方が 4km 以上短い ・北ルートの方がトルヌストク川の両側斜面にアクセスする際に問題が少ない ・流路をまたぐ回数は北ルートと南ルートはほとんど変わらなかったが、3m 以下 の幅の流路についてだけ言えば、北ルート 16 に対し南ルートは 22 だった ・北ルートの方が一般的に localuser にとって価値が低いとされており、旅行者 の活動(レクレーション施設、カヌーキャンピングルート、キャンプサイト、 釣りなど)や、景観の質、原住民の活動にも影響が少ない。 (3)代償措置 このプロジェクトは魚類生息地の消失を伴うことから、Fisheries Act セクショ ン 35(2)の許可を求めるため、CEEA のもとの環境アセスメントを求められた。また、 Navigable Water Protection Act(NWPA)Secion5.1 の許可も同様に CEAA の引き金 となった。 FA の許可を得る前に、事業申請者は no net loss(NNL)の原則に基づいて魚類生 息地の生産能力についての代償計画・発表した。 NEPA の許可が下りるようになる前に、申請者は海洋漁業省(DFO)に申請書を提 出し、登録機関と共に建設に関するすべての文書をファイルして、月に1回 Canada Gazette(カナダの政府機関紙)と 2 つのローカル紙に納品する義務があった。 生物と社会影響を調査し、湿地と魚類生息地(ブルックトラウト)を喪失するこ とが明らかとなった。湿地はボロピックに湿地を創出した。この代償措置はテスト ケースとなった。代償措置のフォローアップは毎年実施。年次報告書を発行してい る。ブルックトラウト等 15 種をフォローアップしている。5~7 年程度経過してい るが、成功事例である。 参考文献 FISH HABITAT COMPENSATION ON THE TRANS CANADA HIGHWAY PROJECT IN NEW BRUNSWICK(2008), Duane Clowater, P. Eng(Trans Canada Highway Project Company) http://www.tac-atc.ca/english/resourcecentre/readingroom/conference/conf20 08/docs/a2/clowater.pdf Ⅳ-33 表 5.1-1(1) カナダにおける代償措置実施事例 項目 細項目 事業区分 対象事業名:Trans Canada Highway Project 対象事業名:Hydro Quebec 事業位置 道路 Canadian Environmental Assessment Act:CEAA New Brunswick’s Environmental Impact Assessment Regulation New Brunswick州Grand Falls からWoodstock間 ダム、水力発電所 ・Canadian Environmental Assessment Act ・QC Environmental Quality Act ・Sainte-Anne Lake, Baie-Comeau, Cote-Nord, Quebec, Canada 事業規模 対象区間長98km(道路総延長:275km) ダム:22sqkmの増加、貯留量?、発電所:526MW 事業主体 New Brunswick Department of Transportation (=NBDT) New Brunswick Highway Cooperation (=NBHC) Brun-Way Group Hydoro-Quebec 許認可年月日 or着 工年月日 認可:2004/8/24 認可: 2002年 着工: 2002年 根拠法令等 EIA 供用年月日 影響予測の内容 2008/10/1 貯水開始:2005.2.10 Ⅳ-34 影響要因、影響内 大気、騒音、気象、地下水、地表水、生物(魚類相・魚類生息地: 、 物理環境(水理・水文、暖季・寒季、水質、法面の土壌流出)、生物 容 植生、湿地、野生動物)、人間環境(土地利用、考古学・遺産、原住 環境(魚類相・魚類生息地:カワマス・キタカワマス、鳥類相、水生・ 民の伝統的目的のための土地・資源の現在の使われ方、労働・経 湿性植物、湿地)、人間環境(社会経済的・社会人口統計学的外 済)、環境配慮の効果、モニタリング計画 形、土地利用、レクレーション、非規制域での狩猟・漁、ワイルダネス 58箇所の流路を通過し、51箇所が魚類生息地に影響を与えると判 トラベル、考古学・遺産、原住民の伝統的目的のための土地・資源 断され、代償措置の対象となった。27,967㎡ の現在の使われ方) 評価結果 顕著な環境悪影響を引き起こす可能性がないと判断。 注:2010年のSEAに関する内閣指令発令前にアセスが終了している。 環境保全措置を必要とする対象と影響内容 表 5.1-1(2) カナダにおける代償措置実施事例 項目 事業区分 環境保全措置実施 の根拠法令等 環境保全措置の検 討内容 Ⅳ-35 代償 措置 代償措置実施状況 細項目 対象事業名:Trans Canada Highway Project 対象事業名:Hydro Quebec 道路 ・漁業法(Fisheries Act 1986) ・実務者向けのガイドライン(2002) 保全対象と ①魚類生息地の修復 mitigation hierarchy (NBDOT実施) の対応 流れを妨げる障害物の除去、魚道の設置、新しいパイプ/構造の設 置 (NGO実施) 流れの再編成とバンクの安定化、魚類の通過の障害物の除去、植 栽、環境教育(?) 事業者の選択した 代償タイプ 代償の妥当性評価 の定量・定性的具 体的手法 金銭による代償の 場合は価格算出方 法 代償措置実施年月 日・終了年月日 ダム、水力発電所 ・Fisheries Act ②on site/in kind off site/in kind ①貯水池の一部におけるカワマスの生産性レベルを、沈水する川 や支流、湖と同じまたは高レベルにする ②水量が減少する場所におけるカワマスの生産レベルをプロジェク トによる改変実施前と同じまたは高レベルに維持する ③流れを変更された場所におけるカワマスの生産レベルをプロジェ クトによる改変実施前と同じまたは高レベルに維持する ④ダム堰から48㎞下流までのカワマスの集団について、ミチゲー ション終了後でも独立して維持されることを確実にする ②on site/in kind/on time 面積×3倍 (1:3) カワマスのpruductivity(再生産量)をシュミレーションで計算。DFOと の交渉により、そのシュミレーション結果が妥当か判断される。 なし(金銭代償は無いがバンクでの扱いは21 CAD/m2) なし ただし、2033年6月30日までの代償措置対策、メンテナンス、その他 2002年~ の代償措置事業に責任を有する。 代償地造成等手法 流路の障害物の除去。流路の段差に魚道を設置。 概要 措置に要したコスト 約170万CAD。1㎡当たりのコスト幅は2CAD~60CAD、平均 12.4CAD 措置の実施主体・ 実施主体:Brun-Way Group、NGO。責任:Brun-Way Group 責任の所在 産卵床の工事、ダム下流での流量の確保 不明(Fish Habitat以外デザイン:27 000$、建設:90 000$、マネジメ ント) Hydoro-Quebecが管理を実施しているが、QC政府、DFOと連携して 実施 表 5.1-1(3) カナダにおける代償措置実施事例 項目 細項目 対象事業名:Trans Canada Highway Project 事業区分 道路 代償措置モニタリン モニタリングの根拠 Canadian Environmental Assessment Act グ・管理 法令等 モニタリング期間、 2033年6月30日まで 期間の設定理由 対象事業名:Hydro Quebec ダム、水力発電所 Fisheries Act 2015年12月31日 モニタリング手法、 州担当者からの聞き取り調査によると、代償措置(流路障害の除去 代償措置実施時と同じシュミレーションを実施する。実際に魚を取っ コスト 等)が実施されたか否かの確認のみ。 て調べるわけではない。コストは不明 管理主体・責任の 所在 実施主体:Brun-Way Group、NGO。責任:Brun-Way Group Ⅳ-36 維持管理方法、コス ト Hydoro-Quebecが管理を実施しているが、QC政府、DFOと連携して 実施 フォロオーアップ全体で29 000$(Fish Habitatのみのコストは確認で きなかった。主に緑化の再移植にかかったコスト) 代償措置効果の評 州担当者からの聞き取り調査によると、代償措置(流路障害の除去 効果の検証(魚が戻ったかどうかなど)は基本的に実施しない。シ 価方法 等)が実施されたか否かの確認のみ。 ミュレーションの計算と同じ面積の工事がなされていればOK モニタ リング 代償措置モニタリング 有:Technical Review Committee(TRC) 委員会及び指導等 の有無 社会環境関連 一般市民からは概ね好意的な反応。 事業実施に対する 農民から農地に影響を及ぼす範囲を減少する調整。 住民、NPO意見等 Moose生息地の回避 その他 地域の土地利用計 既存のコミュニティに貢献するために、既存の地域計画に基づきイ 画等、他政策との ンターチェンジ接続方法が調整・変更された(例えば、ハートランドIC は町に近くするために東に移動)。 連携 事業者・QC政府・DFOによる協議