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平取町観光振興ビジョン

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平取町観光振興ビジョン
平取町観光振興ビジョン
平成 24 年3月
平 取 町
目 次
第1章
観光振興ビジョンの策定にあたって
1 背景 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1‐1
2 目的と位置づけ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1‐2
第2章
平取町の観光の現状と課題
1 平取町の現状 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2‐1
(1)地域の概要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2‐1
(2)地域資源・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2‐2
(3)観光特性・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2‐4
2 平取町観光の課題 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2‐6
第3章
観光振興ビジョンの基本的考え方
1 基本理念 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3‐1
2 目標 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3‐1
3 基本方針 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3‐2
第4章
施策体系と基本施策
1 施策体系 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4‐1
2 計画推進のための基本施策 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4‐2
第5章
重点プロジェクト
1 重点プロジェクト ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5‐1
第6章
アクションプログラム
1 アクションプログラム ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6‐1
第1章
観光振興ビジョンの策定にあたって
平取町
観光振興ビジョン
1
第1章
観光振興ビジョンの策定にあたって
背景
観光は、旅行業や宿泊業などの観光産業だけ
この計画では、訪日外国人旅行者数の増加、
でなく、町内に来訪する方々の消費効果が農業
日本人の海外旅行者数の増加、国内における観
や飲食業、製造業等にも波及する、極めて裾野
光旅行消費額の増加、日本人の国内観光旅行に
の広い産業です。
よる一人当たりの宿泊数の増加、国際会議の開
我が国の平成 20 年度統計では、国内産業へ
催件数の増加等について具体的な数値目標を
の生産波及効果は 51.4 兆円、雇用誘発効果は
掲げ、その達成のために必要な施策等を政府が
430 万人に及んでいます。
一丸となって推進してきました。
そのため、地域経営の視点では、既存産業の
北海道も平成 20 年 3 月に「北海道観光のく
観光的な活用や観光に関連した新規産業の立
にづくり行動計画」
「北海道外客来訪促進計画」
地、雇用機会の増大やそれに伴う住民所得の増
「北海道アウトドア活動振興推進計画」を策定
大等、観光による経済効果を高めていくことが
し、これらの計画に基づいて観光産業の振興を
考えられます。
効果的・機動的に推進するための施策が展開さ
また、観光の振興は経済効果をもたらすだけ
れています。
でなく、住民と観光客との交流、観光を足掛か
一方、平取町の特色であるアイヌ文化に関し
りにした新規定住者の増加、地域イメージの向
ては、国が白老町に「民族共生の象徴となる空
上、社会基盤の充実、町の魅力や価値の再発見、
間」整備を決定し、平取町を訪れる機会をどの
他地域との相互理解を生みだします。
ようにつくっていくかが課題となっています。
また、苫小牧植苗地区リゾート構想等の動向
旅行・観光産業の日本経済への貢献
もふまえて新千歳空港周辺との連動性を視野
に入れながら、日高地方の魅力をさらに高めて
いく必要があると考えられます。
我が国の取組み
H19.1
観光立国基本法施行
H19.6
観光立国推進基本計画策定
H20.10
観光庁の設立
【計画に基づく施策の推進】
・国際競争力の高い魅力ある観光地づくりの支援
・海外との観光交流拡大
観光立国の実現を 21 世紀の我が国の経済社
・旅行者ニーズに合った観光産業の高度化支援
会の発展に不可決な課題と位置づけた「観光立
・観光分野に関する人材の育成と活用を促進
国推進基本法」が平成 19 年1月に施行され、
・休暇取得の推進や日本人海外旅行者の安全対策な
ど観光をしやすい環境の整備
同年 6 月には観光立国の実現を総合的かつ計
画的に推進するためのマスタープラン「観光立
国推進基本計画」が決定されました。
─ 1-1 ─
【目標】国内における観光旅行消費額
H17 年度:24.4 兆円→H22 年度:30 兆円
平取町
観光振興ビジョン
2
第1章
観光振興ビジョンの策定にあたって
目的と位置づけ
平取町は沙流川の清らかな流れが育んだ雄
観光振興ビジョンは、上位計画である「第五
大な自然のもと、この地に先住し自然を敬い共
次平取町総合計画」
(2006~2015 年)における
生してきたアイヌの人々や先人達が共に築い
観光振興の基本的な計画に位置付けられるも
た歴史や文化を守り、農林業を基幹産業として
のであり、本町の観光振興の基本理念や将来的
発展してきました。平取町の基幹産業である農
な方向性を示すとともに、町民、事業者、行政
業、とりわけトマトの生産額は平成 23 年に 40
などが協働し、観光振興施策を計画的に推進す
億円に達し、日本でも有数の産地になっていま
るための指針です。
第五次平取町総合計画の観光・レクリエーシ
す。
一方で、町内の人口は昭和 35 年の 1 万 3 千
ョンに関する基本方針では「都市住民が豊かな
人台をピークに減少の一途をたどり、平成 20
緑を求め心身のリフレッシュができる体験学
年度には 5 千人台となりました。農業分野だけ
習型観光の受入体制の検討と、近隣自治体との
に限らず、就業者の高齢化・後継者不足は深刻
連携のもと、地域の特性と多様な資源を活用し
な状況になっています。平成 23 年秋に道東自
た広域観光の振興を図ります」としています。
動車道が全線開通したことで、これまでは苫小
また、施策としては、(1)体験学習型観光、(2)
牧方面からの通過地点であった平取町はその
観光拠点の整備、(3)観光協会の強化、(4)イベ
通過ルートとしての位置付けも薄らぐことに
ント、(5)特産品開発が挙げられています。
なり、交流人口も一層の減少が避けられないこ
このため、平取町観光振興ビジョンは、上位
とが予見されており、地域経済の維持発展には
計画の方針や関連する諸計画との整合を図り
喫緊の対策が必要となっています。
ながら策定するものです。
地元産業を活用した地域間交流促進の取り
組みは、地域の自立、継続的な成長を支える上
でこれからの「まちづくり」に不可欠な視点と
平取町総合計画
「一人ひとりがまちづくりの主役です
輝くびらとり未来につなごう」
言えます。既に平取町には世界的に評価が高い
域資源があります。
こうした情勢を踏まえ、平取町では観光をき
っかけとする交流型のまちづくりを進めるこ
とで、産業を活性化し、雇用の機会をつくり、
定住人口の増加につなげていくことを目標に、
平取町観光振興ビジョン
アイヌ文化資源やブランド産品等、一級品の地
関連計画
平取町アイヌ文化振興基本計画
びらとりアグリビジョン
平取町景観計画
文化的景観整備計画
ほか
今後の観光施策の指針となる観光振興ビジョ
ンを策定します。
各種事業・施策の実施
計画期間
平成 24 年度から平成 27 年度までの 4 カ年
─ 1-2 ─
交流・定住人口増大、雇用創造、経済効果
第2章
平取町の観光の現状と課題
平取町
観光振興ビジョン
1
第2章
平取町の観光の現状と課題
平取町の現状
(1)地域の概要
1)立地
平取町の位置
平取町は、日高管内の北西端に位置してお
り、町の総面積は 743.16 ㎡で、そのうち約 8
割が林野を占めています。町内を流れる沙流川
やその支川沿いに拓かれた緑豊かな町で、“平
取”という町名はアイヌ語の「ピラウトゥル」
(ガケの間にある所)からきています。
出展:平取町オフィシャルホームページ
2)交通アクセス
平成 18 年 3 月に日高自動車道が日高富川 IC
まで開通し、札幌からの所要時間は約 1 時間
半、新千歳空港からは約1時間になりました。
公共交通は 1986 年に富内線が廃線となって
以降、都市間バスまたは、JR 富川駅からの路
線バスのみとなり、運行本数も少ないため、公
共交通を利用した観光が難しい状況になって
います。
平取町の人口の推移
3)人口
最も人口が多かった昭和 35 年の 13,387 人以
(人)
10,000 降、右肩下がりの減少傾向が続いています。
『第
8,000 5 次平取町総合計画 2006-2015』で、「平成 27
6,000 年度には 5,670 人」になると推計されていまし
4,000 たが、その予測を上回るスピードで人口減少と
2,000 9,331
8,494
7,767
7,352
6,883
6,503
6,173
5,596
0 少子高齢化が進んでいます。
S50
S55
S60
H2
H7
H12
H17
H22
(年)
資料:各年国勢調査
4)地域産業
15 歳以上就業者産業別構成(平成 17 年)
産業別就業者構成では、農業が 32.6%と突出
して高く、町の基幹産業になっており、トマト、
和牛、米、メロンの栽培が盛んです。トマトは
販売額で 40 億円に達し(平成 23 年)
、主に関
東や関西方面に輸出されている一方で、その他
の野菜類は殆ど流通していません。
公務
5.0%
サービス業
9.6%
複合サービ
ス業 3.6%
その他(第
3次産業)
1.1%
農業
32.6%
教育・学習
支援業
7.6%
医療・福祉
7.0%
飲食店・宿
泊業 2.8%
卸売・小売
業 7.9%
運輸業
3.0%
建設業
12.6%
製造業
3.5%
林業
2.3%
鉱業
1.4%
資料:国勢調査(平成 17 年)
─ 2-1 ─
平取町
観光振興ビジョン
第2章
平取町の観光の現状と課題
(2)地域資源
■食と農
「びらとりトマト」
「びらとり和牛」
「びらと
り黒豚」など特産品や、山菜、きのこ等があり
ます。トマトは、「ニシパの恋人ジュース」等
の加工品、「ニシパの恋人ランチ」といった地
産地消活動を通して、町外でのPR活動も活発
になってきています。一方で、週末に利用でき
る飲食店や、特産品等の地場産品を購入できる
小売店が少ない状況にあります。
■歴史・文化
平成 19 年度に選定された重要文化的景観
や、ユネスコ世界無形文化遺産のアイヌ古式舞
踊、北海道遺産のアイヌ語地名・アイヌ文様(木
彫・刺繍)・アイヌ口承文芸があります。1980
年代には二風谷地区に 30 店舗も軒を連ねてい
た工芸店は、現在 6 店舗にまで減少しました
が、伝統的な生活空間(チセ等)の復元や、伝
統料理講習、工芸品のブランド化等の新たな動
きが活発になりつつあります。
アイヌ文化以外にも「義経神社」や「旧 N・
G・マンロー邸」
、
「イザベラ・バードが辿った
道」等の歴史・文化資源があります。
■自然
日本百名山の幌尻岳には、全国から登山客が
訪れ、曲流しながら町内を南北に貫流する沙流
川は、数々の伝説や伝承を残す奇岩をちりばめ
た独特の景観を生み出しています。平成 22 年
度には「全道フットパス大会 in びらとり」が
振内町で開催され、フットパスの利用者も増え
つつあります。
近年は、野生のエゾシカの増加により、樹木
や農作物への食害にも悩まされています。
─ 2-2 ─
平取町
観光振興ビジョン
第2章
平取町の観光の現状と課題
■観光施設
二風谷
二風谷には平取町立二風谷アイヌ文化博物
ファミリーランド
館、沙流川歴史館、萱野茂二風谷アイヌ資料館
といった 3 つの学芸施設が集積しています。
二風谷ファミリーランドには、びらとり温泉
やキャンプ場、パークゴルフなどの付属設備が
充実しています。
平取町立二風谷
町内には、団体が利用できる大型宿泊施設が
アイヌ文化博物館
ないことから、滞在型観光ではなく、通過型観
光として立ち寄ることが多くなっています。
6月
すずらん観賞会
■イベント
集客型の「すずらん観賞会」
「沙流川まつり」
「幌尻まつり」
「PK グランプリ」や、伝統行事
である「義経神社例大祭」
「チプサンケ」などが
あります。
8月
チプサンケ
─ 2-3 ─
平取町
観光振興ビジョン
第2章
平取町の観光の現状と課題
(3)観光特性
1)観光入込客数
観光入込客数の推移
観光入込客数は、平成 13 年から年間 16 万人
(千人)
前後で推移してきましたが、平成 20 年以降は
186.4 170.0 176.1 174.3 167.9 158.0 158.9 167.9 154.5 160 143.8 減少傾向にあります。
120 200 80 40 0 13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
(年度(平成))
資料:北海道観光入込客数報告書
月別観光入込客数(平成 22 年度)
月別では下期(10 月~3 月)の観光振興が課
(千人)
25 題となっています。
23.2 20 18.3 17.5 16.0 15 10 16.6 13.9 7.3 6.1 6.2 6.4 5.5 6.8 5 0 4
5
6
7
8
9 10 11 12
1
2
3
(月)
資料:北海道観光入込客数報告書
道内/道外比率と宿泊/日帰り比率(平成 22 年度)
また、平取町を含む日高管内 7 町村の平均と
比較しても、平取町を訪れる観光客は道外客・
100%
100%
80%
80%
60%
宿泊客の割合が低い、という特徴があります。
40%
89.8
%
79.5
%
道内
60%
40%
3.6%
11.1
%
96.4
%
88.9
%
道外
20%
0%
10.2
%
平取町
宿泊
日帰り
20%
20.5
%
0%
平取町
日高管内
【道内/道外比率】
日高管内
【宿泊/日帰り比率】
資料:北海道観光入込客数報告書
各施設入込の推移
(人)
90,000 施設別では、アイヌ文化関連施設の入館者数
80,000 70,000 が減少傾向にあります。二風谷アイヌ文化博物
60,000 館の入館者数は、平成 16 年度には 3 万人を超
50,000 えていたのが平成 22 年度には 2 万人を割り込
30,000 み、萱野茂二風谷アイヌ資料館の平成 22 年度
40,000 20,000 10,000 の入館者数は、平成 16 年度比で約 60%減とな
っています。
0 H16
H17
H18
びらとり温泉
萱野茂 二風谷アイヌ資料館
義経資料館
二風谷ファミリーランド
平取カントリー倶楽部
─ 2-4 ─
H19
H20
H21
H22
(年度)
二風谷アイヌ文化博物館
沙流川歴史館
山の駅ほろしり館
ニセウ・エコランド
資料:平取町役場
平取町
観光振興ビジョン
第2章
平取町の観光の現状と課題
二 風 谷 ア イヌ 文 化 博 物館 は 道 外 から の 学
二風谷アイヌ文化博物館の入館者内訳
校・団体の利用が多いのが特徴で、入館者全体
の半数以上を占めています。また、一度訪れた
3回
4.8%
個人・他
37.6%
団体の多くに二度目以降の利用がないのが実
道外高校
46.6%
状です。
5回
2.2%
4回
2.9%
その他団
体
7.1%
大学・ゼミ・
専門学校
0.8%
2回
16.5%
1回
73.6%
道内小学
校 0.9%
道外小学
校 0.0%
道内中学
道外中学 校 0.4%
※H17~21
校 4.8%
道内高校
1.8%
年度に来館した
全 273 団体の内訳
【入館者内訳】
【リピート率】
資料:2009 年度平取町率二風谷アイヌ文化博物館年報
びらとり温泉の収入内訳は、和牛販売収入が
びらとり温泉の収入内訳
全体の 50%以上を占め、入浴料の収入は 5%に
留まっています。
入湯税
0.6% 入浴料
5.2%
その他
0.4%
指定管理料
19.6%
ファミリーランド
3.8%
レストラン
12.3%
和牛販売
54.4%
(平成 20 年度)
売店売上
3.8%
町内で開催しているイベントでの入込客数
資料:平取町役場
イベント入込数の推移
(人)
16,000 が最も多いのは沙流川まつりで 6,000~8,000
※平成17・22年
沙流川まつり中止
14,000 人を集めます。すずらん観賞会(群生地)は、
12,000 10,000 かつて 1 万人以上を集めていましたが近年は
8,000 減少傾向にあります。他のイベントへの入込は
6,000 千人以下となっています。
2,000 4,000 0 H16
H17
H18
H19
H20
H21
沙流川まつり
すずらん群生地
チプサンケ
全道PKグランプリ
H22
(年度)
資料:平取町役場
平取町に対する観光の意向と要望(食)
2)観光イメージ・観光ニーズ
アイヌ文化と日本百名山のひとつである幌
0%
義経ロ マン 伝説… 30.3%
尻岳は道外でも知名度が高い資源です。一方、
びらとりトマトは道内では広く知られていま
アイ ヌ 文化体験
36.8%
伝説・伝承地巡り
23.8%
フットパス
25.6%
すが、全国的には産地としては知名度が高いと
は言えません。
農業体験
23.8%
※カッコ内は類似コメント数
・美味しい食事(7)
・アイヌ料理が食べたい(4)
・食の情報を簡単に収集できる
とよい(3)
・美味しい食事と物産店での特
産 品 の買 い物 を楽 しみ た い
山菜・キノコ採り
36.1%
すずらん観賞・花見
35.7%
・平取和牛を食べたい(2)
川遊び・釣り
23.1%
・トマトジュースが美味しい
平取町はテレビや旅行雑誌等のメディアへ
の露出も少ないことから、道内・道外を問わず、
20% 40% 60% 80%
トマト・和牛など …
直売店での買い物
観光地としてあまり認知されていません。
62.1%
54.1%
その他
1.0%
特にない
1.8%
無回答
4.8%
(2)
(2)
・びらとり和牛が美味しい(2)
・平取の食材を味わいたい(2)
他
資料:札幌駅前通地下歩行空間アンケート(H23.9 実施)
─ 2-5 ─
平取町
観光振興ビジョン
2
第2章
平取町の観光の現状と課題
平取町観光の課題
① 産業に関する課題

観光産業に携わる企業や人材が少ないのが実状です。

農業・林業・飲食店など地場産業との連携が少ないため、地域資源の組み合わせた観光プログ
ラムの選択肢が不足しています。
② 交通アクセスに関する課題

道東自動車道の全線開通により、札幌・新千歳方面から道東地方へは平取町を経由しないルー
トが主流となり、通過車輌・通過観光客も減少して陸の孤島化していく恐れがあります。
③ 地域資源の活用と保全に関する課題

豊富な観光資源がありながら、十分に活かしきれていません。

平取らしさを活かした観光メニューが少ないと言えます。

農産物を地元で料理して提供したり多品種少量販売したりする場が少なく、観光客にとって消
費する場が限られるため、経済波及効果が少ないのが現状です。
④ イメージ構築に関する課題

旅行雑誌等のメディアへの露出が少なく、「観光地」としてのイメージが持たれていません。

トマトや和牛、アイヌ文化においては一定の知名度があるが、まだまだ伸び代があります。

「“平取”のアイヌ」の独自性が十分に発信されていません。

特徴的な観光資源としてのアイヌ文化は、博物館等の施設見学が大半で、ゆっくりとアイヌ文
化を体験するケースは多くありません。

一般的にアイヌ文化すなわち平取町とは必ずしもイメージされていません。
⑤ 滞在に関する課題

大人数や団体客が泊まれる宿泊施設がありません。

観光客の滞留・滞在時間を延ばす仕組み(仕掛けやメニュー)が不十分と言えます。

日帰りあるいは次の観光地に向かう途中の立寄り型が多いとみられ、平取町での滞留・滞在時
間が短くなっています。

北海道の多くの市町村と同様に、冬の観光客が少なくなっています。
⑥ ホスピタリティに関する課題

町民が「観光に参加する」という意識が薄いと言えます。
⑦ 情報提供に関する課題

情報発信やプロモーションが不十分であり、観光地として認知されていません。

観光基礎情報の整備が不十分であり、観光客が必要な情報を入手しにくいのが実状です。

観光案内所や観光協会ホームページがなく、観光に関する総合的な窓口がありません。
─ 2-6 ─
第3章
観光振興ビジョンの基本的考え方
平取町
観光振興ビジョン
1
第3章
観光振興ビジョンの基本的考え方
基本理念
平取町の観光まちづくりは、平取という
「地域(土地)」と、そこで暮らす「人(住
◆地域の「自然」「文化」「食」+「人」を活かす
◆地域と地域を「つなぐ」
民)」とが強くつながり、いつまでも暮らし
たいまちであること、平取に愛着と誇りを持
つことが原点です。
そして、地域と地域をつなぐことに町民が
関わり、地域の自然や文化、食を生業に活か
していくことこそ、平取町が一体となって取
り組むべき観光振興のあるべき姿です。
観光振興ビジョンでは、観光まちづくりに
向けた様々な取組みを進める道しるべとし
て、基本理念を掲げます。
2
目標
平取町における観光の将来イメージ
■年間観光入込客数
ここ 10 年間の観光入込数の平均 16.5 万人
(平成 22 年度を除くと 16.8 万人)
⇒ 目標 18 万人 (10%増)
これまでにない経済不況にあって大幅な増
加は困難ですが、平取町は観光振興ビジョンに
基づく各種の計画や施策等の推進により、年間
4千人増加で4年後には過去 10 年の平均値を
維持していくことを目標とします。
主なターゲットは次のように考えられます。
・アイヌ文化に関心の高い人々(国内・海外)
・自然に身近にふれることを愛好する人々
○沙流川流域の豊かな自然環境と伝統文化にふれられる
○本物のアイヌ文化にふれられ、伝統文化が継承された日常的
な生活空間に浸ることができる
○伝説・伝承の地やアイヌ語地名の場所を手軽に訪れることが
できる
○アイヌの伝統文化を継承する人々に活気があり、現代に継承
する活動が行われている
○義経神社や開拓の歴史など、さまざまな歴史の歩みを知るこ
とができる
○町民それぞれが自分たちのまちの物語を伝えることができる
○幌尻岳等の雄大な自然景観や、すずらん群生地のような可憐
な自然にふれられる
○芽生の開拓農家の歴史を伝える農村景観や川向の里山的な文
化的景観などを学ぶことができる
○安全で美味しい食べ物を地元で食べることができる
○安全で美味しい食べ物を地元で気軽に購入することができる
○トマト摘み体験などの農作業を気軽に体験することができる
○地元の生産物を利用した特産品を購入することができる
○温泉やキャンプ場でくつろぐことができる
○地元の人々の素朴で温かみのある人柄にふれて、何度も訪れ
ることができる
○海外からも気軽に訪れて、自然や文化にふれることができる
○持続的な地域づくりの一環として、地域の生活や産業の一側
面としての観光に町民自らが取り組んでいる
○観光と自然環境や歴史文化、人々の生活が協調し、町民の豊
かな暮らしづくりに寄与している
○観光が農林業、商工業等の地域の経済活動に連動し、地域の
活性化に寄与している
・安心安全で豊かな食文化に関心の高い人々
─ 3-1 ─
平取町
観光振興ビジョン
3
第3章
観光振興ビジョンの基本的考え方
基本方針
観光の視点からの「まちづくり」
まちの魅力で人を惹きつける
はなく、伝統文化や生業の延長線上にあるもの
少子・高齢化や、生産年齢人口の都市部への
を活用して、産地型から集客型に転換すること
流出による過疎化は、平取町においても深刻な
です。現在、各地で注目されている「着地型観
問題です。人口減少社会に突入した日本では、
光」の考え方で言えば、ツアー客出発地主体の
外から人を引き込むことで人や物・情報の交流
送客型からツアー客到着地主体の集客型に転
を活性化し、地域経済を高めていくことが考え
換していくことと言えます。
地元産業を活用した交流の仕組みづくりは
られます。
平成23年秋に道東自動車道が全線開通し
地域の自立、継続的な成長を支える上でこれか
たことで、これまでは苫小牧方面からの通過地
らの「まちづくり」に不可欠な視点と言えます。
点であった平取町はその通過ルートとしての
既に平取町には世界的に評価が高いアイヌ文
位置付けも薄らぐことになり、観光客の一層の
化資源やブランド産品等、一級品の地域資源が
減少が避けられないことが予見されます。
あります。今後は、これらの魅力を活用して交
平取町にとって望ましい観光振興とは、市場
流人口を生みだしていくことが考えられます。
に合わせて商品を創り出すマスツーリズムで
町民の生きがいと楽しみを伝える
まちの魅力を町民自らが楽しむ
平取町の魅力の伝え方
お勧めできるものであるべきです。平取町の観
地元の食材料理
光は、町民がまちの魅力ともっと関わり、その
沙流川流域の景観
魅力を実体験として伝えられるようになるこ
レクリエーション
とから始めます。
社会貢献活動
Change!
来
訪
今後
者
平取町民
地元事業者
─ 3-2 ─
これまで
・
固有の文化
外
せん。来訪者に楽しんで欲しいものは、町民が
町
平取町の魅力(例)
観光事業者
町民が楽しめないまちは、来訪者も楽しめま
平取町
観光振興ビジョン
第3章
観光振興ビジョンの基本的考え方
波及効果の裾野を広げる
地域の資源を活かした観光のイメージ
地域内の産業連関度を高める
観光まちづくりを進めていくためには、交流
を地域産業で受け止める仕組みが必要です。集
客によってサービスを提供する企業や組織は、
出来る限り原材料を地元から調達したり、イベ
ントや企画等を通じて地域との様々なタイア
ップを図ることで、地域内の産業連関は高ま
り、実利も共有されることになります。
平取町には、道内を中心に知名度のあるトマ
ト「ニシパの恋人」や「びらとり和牛」の農産
品があります。これらを町内の各拠点で消費す
る直売所や加工品、飲食店を育てることで、直
接波及効果を高めつつ、地域ブランドを育てて
いきます。
【地場産品を活用した観光まちづくりの基本三点セット】
❶地域の恵みを提供する直売所
商品の「価格決定権」
、消費者ニーズを知る機会、努力が直
接収入につながる
❷地域の新たなビジネスを秘める加工品販売
地域の女性の雇用の機会、新たな商品開発、地域ビジネス
への展開
❸来訪を目的地化させる地産地消のレストラン
地元農産物のPR、域内調達率の向上
組み合わせと連携で人とものをつなぐ
今後の平取町の観光の方向性を示唆するもの
多様な地域資源を組み合わせる
平取町は、沙流川流域の豊かな自然に育まれ
たアイヌの伝統文化が現代に継承されており、
博物館等の文化施設の伝統的家屋のチセ群な
どのほか、木彫体験なども用意されています。
それらは、アイヌ文化に関心のある人に主とし
て利用されていますが、アイヌ文化に関心のな
い人には利用されづらいこともあるのが現状
です。平成22年度に平取町民の主婦グループ
「びらとりあんかんとりーProject
かえーる
CLUB」によって実施された「食と文化満喫ツ
アー in びらとりの里」は、アイヌ文化と平取
特産のトマト、和牛の食事を組み合わせたツア
ーが好評で、アイヌ文化にふれるとともに、平
と考えられます。すなわち、いろいろな地域資
源を組み合わせることで結果的にアイヌ文化
を広く知ってもらうきっかけが増えることに
なると思われます。
近隣のまちと連携する
平取町は、多様な地域資源に恵まれています
が、すでに周知された観光地ではなく、道東道
の全線開通等の影響を受けて通過客の減少も
予見されることから、平取町単独の地域の力だ
けでなく、近隣のまちと連携して広域的な地域
力を活かしていくことが効果的と考えられま
す。
取町の産業や自然を身近に感じる機会として、
─ 3-3 ─
第4章
施策体系と基本施策
平取町
観光振興ビジョン
1
第4章
施策体系と基本施策
施策体系
1
地域と地域をつなぐ
~交流人口を増やす~
びらとりの魅力を伝え、生き生きと町と人が輝く観光まちづくり
①地域資源の掘り起こし
②町民との協働による魅力の形成・活用の推進
(1)魅力をつくる
③交流型観光拠点の創出
④平取らしい特色ある観光ルートづくり
①積極的な情報発信による認知度の向上
②ホスピタリティ意識の醸成と郷土愛の啓発普及
(2)魅力を伝える
③地域と行政の連携による情報受発信システムの構築
④観光案内所の開設とサービス内容の充実
⑤公共サイン等道路案内施設の充実
①集客イベントの充実
②コンベンションの誘致促進
③市場とバイヤーに向けたプロモーションの推進
(3)まちに誘う
④友好都市交流等各種交流事業の推進
⑤都市間及び町内の移動交通と併せた誘客事業の推進
⑥宿泊滞在施設の充実
2
地域の資源を活かす
~観光消費をつくりだす~
①体験型・学習型観光事業の充実
(1)体験観光を育てる
②各種有償ガイドの普及
③パッケージ型観光プランの充実
①直売所等地場産品の販売促進
(2)地産地消を推進する
②ご当地メニュー等地場産品活用の推進
③地場産品を活用した食品開発の推進
①ブランドコンセプトの確立とシンボルデザインづくり
(3)地域ブランドを育てる
②オリジナリティの高い特産品の開発
③地域ブランド認証制度の構築
3
地域の人を活かす
(1)人を育てる
~成果を地元で受け止める~
①町民向けの地域資源講習会・勉強会の充実
②観光事業の担い手やプロジェクトリーダー等の人材育成
①観光協会の強化
(2)推進体制をつくる
②地域と行政の協働プロジェクトの推進
③近隣市町村との連携による広域観光の推進
(3)取組みを評価する
①観光関連統計の充実
②観光関連施策・事業の評価システムの構築
─ 4-1 ─
平取町
観光振興ビジョン
2
第4章
施策体系と基本施策
計画推進のための基本施策
1
地域と地域をつなぐ
~交流人口を増やす~
(1)魅力をつくる
① 地域資源の掘り起こし
【具体的な取組み】
潜在している未利用の観光資源や穴場スポット
・平取ダム地域文化調査事業
を掘り起し、その価値の再認識と有効活用の方策
・文化的景観事業
を探ります。
・イオル再生事業
・地域資源再発見事業(義経伝説、日東鉱山等)
② 町民との協働による景観の形成・活用の推進
行政と町民との協働による街並み景観形成やビ
【具体的な取組み】
・花いっぱい運動
ューポイントの整備等、景観を“魅せる”取り組
・フラワータウンフェスタ事業
みを推進します。
・文化的景観等のビューポイント整備
・有用植物の栽培事業(アイヌ植物園)
③ 交流型観光拠点の創出
【具体的な取組み】
観光客と町民のふれあいが生まれる交流拠点を
・びらとり温泉再整備事業
創出し、観光客の滞在時間を延ばす拠点的機能を
・トマトミュージアム整備構想の検討
強化します。
・博物館再整備事業(駐車場・チセ)
・観光案内所整備事業
・道の駅整備検討
④ 平取らしい特色ある観光ルートづくり
【具体的な取組み】
歴史・文化・自然等、平取らしさを感じられる
・モデルルートの沿道整備検討
要素を組み合わせ、テーマ性をもったさまざまな
・匠の道の活用推進
観光ルートを設定します。
・イザベラ・バードが辿った道活用事業
・フットパス構想
現在の取組みと実施イメージ
【チセ復元作業】
【歴史・文化・自然を巡るフットパス構想】
二風谷アイヌ文化資料館周辺に復
豊かな森林環境を楽しむフットパスの取組みがはじまっています。また、
元しているチセの活用が期待され
ています。
イザベラ・バードが辿った道やアイヌの伝説が語り継がれているスポット
等、平取町の歴史の中で育まれてきた資源を巡るフットパス構想をすすめ
ていきます。
─ 4-2 ─
平取町
観光振興ビジョン
第4章
施策体系と基本施策
(2)魅力を伝える
① 積極的な情報発信による認知度の向上
【具体的な取組み】
ターゲットに応じた宣伝媒体の活用とタイム
・マスメディアを活用した観光 PR 事業
リーな情報発信により、効果的な町の認知度ア
・首都圏等による観光 PR イベントの開催
ップを図ります。
・記者発表等のマスメディア向け情報発信活動
② ホスピタリティ(おもてなし)意識の醸成
【具体的な取組み】
と郷土愛の啓発・普及
・広報誌等による町民向け PR 活動の実施
町民に地域の魅力を伝えると共に、町民の“お
・町民向け「おもてなしマナーブック」の発行
もてなし”の意識醸成を推進します。
③ 地域と行政の連携による情報受発信シス
テムの構築
【具体的な取組み】
・WEB を活用した観光情報受発信システムの
整備
観光事業に携わる団体と行政との連携を強化
し、協働による効果的な観光振興のための情報
・平取観光パンフレット(マップ)の作成
共有システムを構築します。
・平取アイヌ文化ガイドブックの作成
④ 観光案内所の開設とサービス内容の充実
【具体的な取組み】
観光案内所の開設によりインフォメーション
・観光案内所の整備推進
機能の充実を図り、豊富な観光情報とサービス
を提供します。
⑤ 公共サイン等道路案内施設の充実
【具体的な取組み】
車での移動やまちあるきの利便性向上のた
・観光サイン整備事業
め、案内標識の設置や改善、また観光案内看板
等の増加・多言語化を推進します。
現在の取組みと実施イメージ
【匠の道
サイン・舗装】
【びらとり観光案内所(試行)】
─ 4-3 ─
平取町
観光振興ビジョン
第4章
施策体系と基本施策
(3)まちに誘う
① 集客イベントの充実
【具体的な取組み】
既存イベントの見直しにより更なる魅力ア
・すずらん観賞会の魅力充実
ップを図るとともに、新たな交流人口を生み出
・チプサンケの魅力充実
す新規イベントを検討します。
・沙流川まつりの魅力充実
・全道 PK グランプリの魅力充実
・にぶたに湖を活用したイベントの検討
② コンベンションの誘致促進
【具体的な取組み】
コンベンション誘致のための PR 資料作成や
・アイヌ文化関連シンポジウムの開催
助成制度を検討し、各団体への積極的なプロモ
・文化的景観セミナーの開催誘致
ーション活動を展開します。
・学校等団体旅行誘致活動
③ 市場とバイヤーに向けたプロモーション
【具体的な取組み】
の推進
・展示会等への出展事業(札幌オータムフェス
各種イベントへの出展等を通じて、一般市場
やビジネス市場への観光 PR や情報提供を推進
ト、札幌駅前地下歩行空間等)
・商談会等への出展事業
します。
④ 友好都市交流等各種交流事業の推進
【具体的な取組み】
継続的な交流事業を通して都市と都市の結
・北欧先住民族等との国際交流事業
びつきを育みます。
・南あわじ市との友好都市交流事業
⑤ 都市間及び町内の移動交通と併せた誘客
【具体的な取組み】
事業の推進
・札幌往復無料シャトルバスの運行
公共交通の活用により、訪れやすく周遊しや
・幌尻岳登山バスの運行
・レンタルサイクル等、町内移動手段の多様化
すい平取観光を推進します。
推進
⑥ 宿泊滞在施設の充実
【具体的な取組み】
平取町の観光ニーズに合わせた多様な宿泊
環境の整備・充実を推進します。
・びらとり温泉宿泊施設整備事業
・幌尻山荘改修事業
─ 4-4 ─
平取町
観光振興ビジョン
第4章
施策体系と基本施策
現在の取組みと実施イメージ
【既存イベント】
びらとり沙流川まつり
義経雪あかり
チプサンケ
義経神社例大祭
すずらん観賞会
【プロモーション】
レインボーサマーフェスティバル
(於:札幌)における PR イベント
札幌往復無料貸切バス
札幌駅前通地下歩行空間に
おける PR イベント
びらとりトマト・和牛フェア
(於:札幌)
─ 4-5 ─
キャンペーン
平取町
観光振興ビジョン
第4章
2
施策体系と基本施策
地域の資源を活かす
~観光消費をつくりだす~
(1)体験観光を育てる
① 体験型・学習型観光事業の充実
【具体的な取組み】
アイヌ文化や農業体験等、平取ならではの体
・農業体験施設の開設支援
・アイヌ文化体験ツアーの企画運営
験・学習型プログラムを創出します。
・ヘリテージ・ツーリズムの企画運営
② 各種有償ガイドの普及
【具体的な取組み】
各種ガイドの有償化の手法を検討し、その普
・アイヌ文化(博物館)ガイドの有償化
及を図ることで新たな観光産業を創出します。
・文化的景観ツアーガイドの有償化
③ パッケージ型観光プランの充実
【具体的な取組み】
観光客のニーズに合わせて観光素材を組み
・イベント体験ツアーの催行
合わせた、パッケージ型観光プランの提供を推
・アイヌ文化体験パッケージの商品化
進します。
・体験付き宿泊プランの商品化
現在の取組みと実施イメージ
【平取町アイヌ文化情報センター】
木彫や刺繍をはじめとしたアイヌ文化体験
を行うことができる施設
【モニターツアー】
アイヌ文化体験×食(トマト・
【ガイドによる紹介】
【制作風景の紹介】
(イメージ)
(イメージ)
和牛等)×フットパス等のモニ
ターツアーを実施。
─ 4-6 ─
平取町
観光振興ビジョン
第4章
施策体系と基本施策
(2)地産地消を推進する
① 直売所等地場産品の販売促進
【具体的な取組み】
観光客や町民、観光関連事業者が地場産品を
・農産物直売所の開設
購入・仕入できる環境を整えます。
・アイヌ文化工芸品の販売体制の強化
② ご当地メニュー等地場産品活用の推進
【具体的な取組み】
地場産品を活用したメニューづくりや、飲食
・地場産品を活用した新メニュー開発の推進
店や宿泊施設における地場産品の利用を推進
・飲食店等における地産地消推進体制づくり
します。
③ 地場産品を活用した食品開発の推進
【具体的な取組み】
地場産品を使用した土産品等、魅力ある加工
・土産物食品開発の推進
・エゾシカ食品の開発検討
食品の開発を推進します。
現在の取組みと実施イメージ
【ニシパの恋人ランチ】
地元飲食店 6 店による団体“びらとり地産
地消の会”が、各店舗にて独自に考案した、
平取町の地場産品を使用した新メニューを
提供。
↑トマトアイス
↓青いト マト ジャム
↑和牛カレー
【加工品の一例】
【直売所】
─ 4-7 ─
平取町
観光振興ビジョン
第4章
施策体系と基本施策
(3)地域ブランドを育てる
① ブランドコンセプトの確立とシンボルデ
【具体的な取組み】
ザインづくり
・地域イメージプロモーションの推進
平取の魅力を伝えるストーリーをつくり、伝
・ラムサール条約への「沙流川」登録推進
えることで、平取の地域ブランドイメージを構
・平取町共通ロゴマークの作成
築します。
② オリジナリティの高い特産品の開発
【具体的な取組み】
平取らしさを盛り込むことで他地域との差
別化を図り、かつ消費者のニーズをふまえた独
・ニシパの恋人/びらとり和牛ブランドアップ
プロジェクト
創性のある商品開発に取り組みます。
・「sarunkur aynu」ブランド開発事業
③ 地域ブランド認証制度の構築
【具体的な取組み】
認証制度等を活用することで、“びらとりブ
・アイヌ伝統工芸品の「伝統的工芸品」指定
ランド”の付加価値を守り、効果的な PR と購
買意欲の喚起に結びつけます。
現在の取組みと実施イメージ
【伝統的工芸品とは?】
伝産法(伝統的工芸品の産業
の振興に関する法律」昭和 49 年
公布)によって定められたもの。
【sarunkur aynu ブランド】
オリジナル文様のロゴマークと、ロゴマー
ク入り商品やパッケージデザインの検討例
販売経路の
相乗効果
テスト販売
【3 つの販売経路の連携イメージ】
─ 4-8 ─
北海道では、まだ指定されて
いない。
平取町
観光振興ビジョン
第4章
3
施策体系と基本施策
地域の人を活かす
~成果を地元で受け止める~
(1)人を育てる
① 町民向け地域資源講習会・勉強会の充実
町民が町の魅力を学ぶ機会を創出し、その参
【具体的な取組み】
・シシリムカ文化大学の開催
加を促進することで、観光ボランティアの裾野
・町民向け観光体験ツアーの開催
を広げます。
・町民向け地域資源学習講座の開催
② 観光事業の担い手やプロジェクトリーダ
【具体的な取組み】
ー等の人材育成
・観光ガイドの育成講座の開催
観光事業の担い手となる団体や人材を育成
・観光プロジェクトリーダー養成講座の開催
するプログラムの充実を図り、観光を活用した
地域産業の活性化を推進します。
(2)推進体制をつくる
① 観光協会の強化
【具体的な取組み】
町の PR やイベント運営等、あらゆる観光関
・平取町観光協会の法人化検討
連事業の円滑な実施のため、観光を専門の業務
とする平取町観光協会の体制を整えます。
② 地域と行政の協働プロジェクトの推進
【具体的な取組み】
観光事業を実施する地域団体等と連携し、地
域と行政が一体となった観光事業を推進しま
・町民税 1%まちづくり事業
・商工まつりへの助成事業
す。
③ 近隣市町村との連携による広域観光の推
進
【具体的な取組み】
・連絡会議の設置に向けた検討
近隣市町村と連携した観光モデルルート設
定等により、域内の周遊や滞在促進を図りま
す。
─ 4-9 ─
平取町
観光振興ビジョン
第4章
施策体系と基本施策
(3)取組みを評価する
① 観光関連統計の充実
【具体的な取組み】
観光入込客数をはじめ、観光消費額や満足度
・町民と町内事業者向け観光統計調査
等、今後の指標となる観光関連統計データの充
実を図ります。
② 観光関連施策・事業の評価システムの構
築
【具体的な取組み】
・観光産業経済効果調査検討
観光関連施策や事業を定期的に見直し、その
結果をフィードバックする仕組みを構築しま
す。
実施イメージ
■広域観光の推進と住民参加による観光まちづくりの推進
沙流川流域の地域資源と人材のネットワーク化を図っていきます。
【地域資源講習会】
(イメージ)
【平取町・日高町広域観光ゾーン】
─ 4-10 ─
第5章
重点プロジェクト
平取町
観光振興ビジョン
1
第5章
重点プロジェクト
重点プロジェクト
前章までに記述してきた通り、平取町は観
光に関する様々な課題を抱えていますが、限
ジェクト」を位置付け、具体的な施策を早期
に展開していきます。
重点プロジェクトの推進にあたっては、観
られた人材や財源の中で、同時に取り組み、
光事業者のみならず、各分野・業界の垣根を
解決していくことは困難と言えます。
したがって、先に掲げた平取町の目指すべ
越えて、町民や地域の各団体・企業、行政等
き将来像「びらとりの魅力を伝え、生き生き
が連携・協働して取り組んでいくことが求め
と町と人が輝く観光まちづくり」を実現して
られます。その取組みが波及効果を生み出
いくために、町として重点的かつ優先的に取
し、町民一人ひとりが効果を実感できる「観
り組むべき課題の解決方策として「重点プロ
光まちづくり」の実現を目指します。
目指すべき将来像
びらとりの魅力を伝え、生き生きと町と人が輝く観光まちづくり
基
本
理
念
地域の「自然」「文化」「食」+「人」を活かす・地域と地域を「つなぐ」
基
本
方
針
観光の視点からの「まちづくり」・町民の生きがいと楽しみを伝える
波及効果の裾野を広げる・組み合わせと連携で人とものをつなぐ
重点プロジェクト
~沙流川ツーリズムの推進~
沙流川流域の自然環境(森林、河川、動植物等)、歴史文化(アイヌ文化、義経伝説、開拓、文化的景観等)、
びらとり温泉、農林産物、地域の食材を活かした食等、地域資源を活かしたツーリズムを推進します。
「びらとりの食と農業」実感プロジェクト
「びらとりのアイヌ文化」探究プロジェクト
「びらとりの自然・文化」体感プロジェクト
「びらとり体感」推進体制プロジェクト
「びらとり体感」プロモーションプロジェクト
─ 5-1 ─
平取町
観光振興ビジョン
第5章
重点プロジェクト
重点プロジェクトの展開イメージ
「びらとりの食と農業」
多様な食材を活かし、産物の買い物とグルメが楽しめる日帰り観
光地を目指すことで、近隣生活圏の消費者の集客力と観光波及効
実感プロジェクト
果を高めます。
アイヌ文化発祥の地と言われている平取で、アイヌ文化との関わ
「びらとりのアイヌ文化」 りを深く知る・体験できる観光を目指すことで、他地域のアイヌ
探究プロジェクト
文化との差別化を図りながら、博物館を中心とする集客力と観光
波及効果を高めます。
「食と農業」
「アイヌ文化」交流拠点の整備イメージ
すずらん観賞会や森林散策、幌尻岳登山等の野外活動や、温泉、
「びらとりの自然・文化」
体感プロジェクト
食(地産地消)を主な目的とする、レクリエーション客が宿泊滞
在し、付随してアイヌ文化や農業体験、農産物の購入等との連携
を図りながら集客力と観光波及効果を高めます。
「びらとり体感」
推進体制プロジェクト
「びらとり体感」
プロモーションプロジェクト
各種事業の企画、立案、運営及び行政や事業者との連絡調整、
観光情報の収集と発信を一体的に扱う推進体制を構築し、観光
事業の戦略性や実行力、事業効果を高めることを目的とします。
マーケットへの積極的な誘客活動を推進すると共に、平取町
の旬の観光の魅力を発地・着地で伝えることを目的とします。
─ 5-2 ─
平取町
観光振興ビジョン
第5章
重点1
重点プロジェクト
「びらとりの食と農業」実感プロジェクト
【目的】
多様な食材を活かし、産物の買い物とグルメが楽しめる日帰り観光地を目指すことで、近隣生
活圏の消費者の集客力と観光波及効果を高めます。
【ターゲット】

安全安心でおいしい食材を求める近隣都市の主婦層や飲食店等の事業者

グルメ型日帰りドライブを楽しむ近隣都市のカップルやグループ

食を活用した地域ブランド化を目指す自治体や農林業関連団体
【シナリオ】

タウン誌や口コミ等を通して安全安
心でおいしい平取の「食」を PR し
て近隣都市圏の認知度を高めます。

食材を買い入れに訪れ、レストラン
やイートイン(店舗内の飲食店)に
立寄り、地元食材を使った飲食を味
わう人が増え、風景地を巡る身近な
レクリエーションに週 1 回訪れるよ
うになります。

・イベント
・宣伝/広報
農業視察に訪れた人たちも利用する
ようになり、視察地としての人気が
高まります。
推進施策
農業交流拠点の
整備推進
・安全で安心、多様な産物の直売、加工品の販売
・地場産品の食材を活用した飲食の提供
・収穫体験など農業体験の推進
食関連産業の事業化
・直売、収穫体験、加工体験、飲食提供等の事業化支援
支援
・ご当地グルメ等の特産品開発の支援
観光プロモーションの
・「びらとりトマト」「びらとり和牛」等の農業視察、体験学習等の誘致
推進
・イベント等を活用した特産品 PR の推進
─ 5-3 ─
平取町
観光振興ビジョン
第5章
重点2
重点プロジェクト
「びらとりのアイヌ文化」探究プロジェクト
【目的】
アイヌ文化発祥の地と言われている平取で、アイヌ文化と自然との関わりを深く知る・体験で
きる観光を目指すことで、他地域のアイヌ文化観光との差別化を図りながら、博物館を中心と
する集客力と観光波及効果を高めます。
【ターゲット】

アイヌ文化やアイヌの伝統工芸品に興味がある人や研究者(道外、海外も含む)

アイヌ文化を学ぶ修学旅行生
【シナリオ】

平取アイヌ文化観光
アイヌ文化に興味があって訪れた人や修学旅行生
専門性
文化性
に、ガイドや様々な体験プログラムを積極的に提
学習・研
究目的の
観光客
供できる体制を整え、平取のアイヌ文化や伝統工
芸、自然と共生した生活様式への理解を深め、認
レクリエーション
目的の観光客
知を広めます。

平取のアイヌ文化を研究対象とする人や保全・再
生活動に参加する人が増え、長期的、継続的な滞
大衆性
エンターテーメント性
他のアイヌ文化観光
在交流が増えていきます。

研究論文等を通して世界的な認知が高まり、伝統
工芸品等、平取のアイヌ文化の価値が高まります。
推進施策
アイヌ文化拠点の整備
アイヌ文化関連産業の
形成
・二風谷アイヌ文化博物館周辺の再整備
・アイヌ文化ガイド事業の実施(ガイド育成、ガイドブックの作成)
・アイヌ文化体験事業の育成
・伝統工芸を活用した商品開発
ターゲット層への観光
・首都圏等の国内修学旅行の誘致活動の実施
プロモーション
・文化研究機関へのダイレクトマーケティングの実施
─ 5-4 ─
平取町
観光振興ビジョン
第5章
重点3
重点プロジェクト
「びらとりの自然・文化」体感プロジェクト
【目的】
すずらん観賞や森林散策、幌尻岳登山等の野外活動や、温泉、食(地産地消)を主な目的とす
る、レクリエーション客が宿泊滞在し、付随してアイヌ文化や農業体験、農産物の購入等との
連携を図りながら集客力と観光波及効果を高めます。
【ターゲット】

主に道内の団塊世代で、自然保養や食、伝統文化等に興味のある熟年層

道内に居住し、キャンプ等の野外活動に興味があるファミリー層
【シナリオ】

フットパスや釣り等のアウトドア体験、収
穫等の農業体験、開拓文化を巡る歴史文化
体験、自然保養や温泉保養等、平取の地域
資源を活用した体感メニューを整えます。

宿泊施設や飲食店と連携して来訪者に体感
メニューを紹介・提供するとともに、交通
事業者や旅行エージェント等を通して集
客・販売を推進します。

来訪や滞在を通して平取への親近感が育ま
れ、地域ブランド意識が高まります。
推進施策
二風谷ファミリーラン
ドの再構築
・施設計画全体の見直し、温泉宿泊施設の再整備
・顧客ニーズに対応できる運営マネジメント体制の再整備
・キャンプ客向けサービスの強化
アウトドア体験事業の
・フットパス等山林を活用した体験事業の推進
推進
・文化的景観等流域の景観を活用した体験事業の推進
ターゲット層への観光
・温泉宿泊客やキャンプ場利用者への地元食材の提供
プロモーション
・キャンプ場ガイドブックや旅行雑誌等、専門誌へのプロモーション
─ 5-5 ─
平取町
観光振興ビジョン
第5章
重点4
重点プロジェクト
「びらとり体感」プロモーションプロジェクト
【目的】
マーケットへの積極的な誘客活動を推進するとともに、平取町の旬の観光の魅力を発地・
着地で伝えることを目的とします。
【ターゲット】

農業(食)観光、平取アイヌ文化観光、自然レクリエーション観光のそれぞれのターゲット層

日帰り圏域の住民及び立寄り型の観光客

道内外の町内滞在型観光客(修学旅行、キャンプ、登山、イベント等)

海外観光客(アイヌ文化視察団等)
【シナリオ】

平取の話題が新聞、雑誌、テレビ等の一般メディアで紹介されて認知度が高まります。

展示会、PR キャンペーン等で平取の魅力を知った人が平取に訪れるようになります。

学校団体や企業等が平取の体験プログラムを知り、旅行プランに取り入れるようになります。

平取に来た人が、平取の魅力をさらに広く深く知り、各所に訪れるようになります。
推進施策
メディア連携事業の推
・新聞雑誌等のメディア招へいによるパブ(記事掲載)の獲得
進
・新聞雑誌等のメディアを使った PR 広告の掲載
PR イベントキャンペー
・商談会への参加と展示会への出展を推進
ンの推進
・PR イベントの開催や誘客キャンペーンの推進
・情報を集約して発信する観光案内所等の情報拠点整備の推進
観光情報受発信の推進
・ホームページ等、WEB を使った観光情報の発信
・パンフレットやマップ、観光案内板等、観光案内ツールの整備推進
─ 5-6 ─
平取町
観光振興ビジョン
第5章
重点5
重点プロジェクト
「びらとり体感」推進体制プロジェクト
【目的】
各種事業の企画、立案、運営及び行政や事業者との連絡調整、観光情報の収集と発信を一
体的に扱う推進体制を構築し、観光事業の戦略性や実行力、事業効果を高めることを目的
とします。
【ターゲット】

農業(食)観光、平取アイヌ文化観光、自然レクリエーション観光のそれぞれのターゲット層

日帰り圏域の住民及び立寄り型の観光客

道内外の町内滞在型観光客(修学旅行、キャンプ、登山、イベント等)

海外観光客(アイヌ文化視察団等)
【シナリオ】

事業者や住民をコーディネートして、イベントを開催、運営できるようになります。

町内の情報を集約し、活動団体や事業団体、役場が情報を共有できるようになります。

公的な支援制度や補助金を活用して幅広い事業を実施できるようになります。

公共施設を活用したガイド業ができるようになります。

公共施設の管理運営等を地元に委託できるようになります。
推進施策
推進体制の組織化
専業体制の確立
・町内の関係事業者等が日常的に情報を交換し、共有する体制を組織
する
・「観光協会」を役場の兼業体制から外部の専業体制に移管する
・新たな組織体制の収益となる事業分野を確立する
収益事業の構築
-他団体からの依頼による観光誘致活動
-宿泊施設の案内、観光名所の案内、交通機関の案内
-観光案内所等公的施設の管理運営
─ 5-7 ─
平取町
観光振興ビジョン
第5章
重点プロジェクト
事業推進体制の具体的イメージ
行
政
産業課商工観光係を中心とする役場内の関係各課
まちづくりプロジェクト会議
平 取 町 観 光 協 会
広域
連携
各地区の観光まちづくりの連携・推進
商工会・JA
町内事業者・
森林組合・建設協会
観光関連事業者
現在、平取町の観光は行政が主体となって事
業を展開していますが、近年では様々な民間団
活動団体
町
民
PDCA サイクルによるマネジメント体制の確立
体による町の PR 活動や地域活性化への取組み
が盛んになってきています。今後は、こうした
目標設定と目標
指針に従って実
実現のために指
行する
針を決定する
団体間の連携を強化する場を設けるとともに、
新体制による観光協会や行政、町民による協働
Plan
Do
体制のシステムづくりが必要となってきます。
(計画)
(実行)
Action
Check
(改善)
(評価)
指針の継続が可
事業の進捗の評
能か判断し、改善
価と成果の分析
措置を講じる
を行う
また、本ビジョンに掲げた施策・プロジェク
トは、優先度の高い重点プロジェクトから早期
に実行に移し、定期的に見直しを行うことで改
善策を講じるというサイクルのもと、施策の成
果が実感できるようにします。
本ビジョンの計画期間(平成 24 年度~平成
27 年度の 4 カ年)が終了する際には、施策の
抜本的見直しを行い、今後の観光振興に役立て
ていきます。
─ 5-8 ─
第6章
アクションプログラム
平取町
観光振興ビジョン
1
第6章
アクションプログラム
アクションプログラム
5つの重点プロジェクトを横断的に網羅
し、具体的に推進していく計画をアクション
プログラムと位置付け、目標に向けて段階的
に実施していくこととします。
重点プロジェクト
「びらとりの食と農業」実感プロジェクト
「びらとりのアイヌ文化」探究プロジェクト
「びらとりの自然・文化」体感プロジェクト
「びらとり体感」推進体制プロジェクト
「びらとり体感」プロモーションプロジェクト
アクションプログラム
「びらとり・食と文化のネットワーク」プログラム
「にぶたに・文化と憩いのネットワーク」プログラム
「くらしと文化のヘリテージ・ネットワーク」プログラム
「森と海を川でつなぐネットワーク」プログラム
「心をつなぐ・おもてなしネットワーク」プログラム
─ 6-1 ─
平取町
観光振興ビジョン
第6章
アクションプログラム
「びらとり・食と文化のネットワーク」プログラムの展開イメージ
国道237号「沙流ユーカラ街道」を軸線として、二風谷地区を中心拠点に位置付け、平取町の南側
から北側までの国道沿線の主な市街地毎に、インフォメーション・地域の特色を活かした食事、特産品
の販売等を提供する中継・集客拠点のネットワーク整備を計画・実行します。
それらのネットワーク拠点への立ち寄りをきっかけとして、国道沿線の二風谷地区をはじめとする集
客拠点への回遊を促進し、さらに額平川流域の荷負・貫気別・芽生・豊糠方面のアイヌ伝承地や開拓農
家のある農村景観、すずらん群生地、幌尻岳への誘導を行います。
仁世宇地区
・フットパス体験
国道237号
「沙流ユーカラ街道」
(札幌方面→)
二風谷地区
・アイヌ文化体験
回遊
回遊
タウンゲート
【集客・中継施設】
・インフォメーション
・食事
・農産物直売
・特産品、加工品販売 等
匠の道
・伝統工芸
平取町市街地
【集客・中継施設】
・インフォメーション
・食事
・特産品、加工品販売 等
回遊
びらとり温泉
【集客・滞在施設】
・インフォメーション
・食事
・体験観光農園
・特産品、加工品販売
・温泉、宿泊 等
・文化的景観対象地
・アイヌ文化伝承地
・開拓農家の農村景観
・すずらん群生地
・幌尻岳 等
─ 6-2 ─
【額平川流域への誘導】
回遊
振内町市街地
【集客・中継施設】
・インフォメーション
・食事
・特産品、加工品販売 等
平取町
観光振興ビジョン
第6章
アクションプログラム
■具体的な実施スケジュール
取り組み
/
年度
観光インフォメーション機能設置
ニシパの恋人ランチキャンペーン
体験農園機能設置
農産加工品製造事業
飲食・宿泊施設整備事業
H24
H25
H26
H27
備考
⇒
⇒
(臨時)
(臨時)
⇒
⇒
紫雲古津・本町・二風谷・振内
⇒
⇒
⇒
⇒
紫雲古津・本町・二風谷・振内
⇒
⇒
(実験)
(実験)
⇒
⇒
二風谷ほか
⇒
⇒
(試験)
(試験)
⇒
⇒
トマトほか
⇒
⇒
⇒
⇒
(造成)
(建築)
(開業)
─ 6-3 ─
びらとり温泉(H26 開業)
平取町
観光振興ビジョン
第6章
アクションプログラム
「にぶたに・文化と憩いのネットワーク」プログラムの展開イメージ
二風谷アイヌ文化博物館・沙流川歴史館等の文化拠点とびらとり温泉等レクリエーション拠点をつな
ぐ森林・湖・集落・丘陵地帯をフィールドに、アイヌ文化と自然を体験しながら、平取町の基幹産業で
ある農業から生まれる食を集約的に満喫できる施設整備と滞在プログラムを計画・実行します。
アイヌ文化に関しては、国内だけでなく海外からの来訪者に関心が高いことから、サイン表記や伝統
工芸品の販売促進につながる環境整備など、海外向けの対応も行っていきます。
イオルの森
・里山的な森~アイヌの伝統を伝える
・アイヌ文化継承に必要な自然素材の供給~文化体験
「歴史の散歩道」を利用した、にぶたに湖畔~二風谷ファミリーランド間の周遊
文化的景観の視点場
地区一帯となった街並み景観・ネットワークルートの整備
びらとり温泉
旧マンロー邸
旧マンロー邸~博物館の
周回フットパス整備
二風谷ファミリーランド
誘導サインの充実
→英語併記等も検討
伝統文化体験民宿等に
よる宿泊機能の充実
平取町観光振興の拠点
町の印象をつくる大切な場所
→景観整備の充実
平取町観光の滞在・総合レクリエーション拠点
・二風谷ファミリーランドでのレクリエーション
・びらとり温泉での食・宿泊機能(改築による機能強化)
・直売所等での販売機能 ・観光農園での収穫体験
・二風谷文化施設ゾーンと結ぶデマンドバス等の運行
平取町アイヌ文化の体感・情報発信の拠点
・沙流川歴史館/二風谷アイヌ文化博物館/アイヌ文化情報センター/植物園
・コタンの再生(イオル再生事業・文化的景観)
→コタンを活かした情報発信(文化体験)、文化的景観の情報発信
・文化施設とチセ群の一体的な土地利用による魅力向上(広場的空間整備等)
伝承活動・工芸・芸能の拠点→回遊プログラム推進
・萱野茂二風谷アイヌ資料館/金田一京助歌碑/二風谷生活館
匠の道(アイヌ文化と地域産業)
・工芸、食、文化の体験・販促プログラム推進
─ 6-4 ─
平取町
観光振興ビジョン
第6章
アクションプログラム
「にぶたに・文化と憩いのネットワーク」プログラム
■具体的な実施スケジュール
取り組み
/
年度
都市農山村交流事業
H24
H25
⇒
⇒
(沙流
(新千
ユーカ
ラ街道) 歳空港)
H26
H27
備考
⇒
⇒
札幌・新千歳・平取間シャトル
バス、コミュニティ交流バス
アイヌ文化体験事業1
⇒
⇒
⇒
⇒
「ユカラと語りの夕べ」等
アイヌ文化体験事業 2(山菜)
⇒
⇒
⇒
⇒
イオル再生事業と連携
アイヌ文化体験事業 3(雑穀)
⇒
⇒
⇒
⇒
同上(収穫体験)
アイヌ文化体験事業 4(チセ)
⇒
⇒
⇒
⇒
同上(ポロチセ開放)
アイヌ文化体験事業 5(工芸)
⇒
⇒
⇒
⇒
工芸のチセにて実演
「匠の道」・伝統工芸品 PR
⇒
⇒
⇒
⇒
フットパス体験
⇒
⇒
⇒
⇒
⇒
⇒
⇒
⇒
⇒
⇒
体験農園機能設置
飲食・宿泊施設整備事業
(試験) (試験)
⇒
⇒
(造成) (建築)
(開業)
─ 6-5 ─
びらとり温泉(H26 開業)
平取町
観光振興ビジョン
第6章
アクションプログラム
「くらしと歴史のヘリテージ・ネットワーク」プログラムの展開イメージ
次代に引き継ぎたい有形・無形の宝物とも言える地域資源のことを遺産(ヘリテージ)と言い、それ
らの遺産を巡る旅行形態をヘリテージ・ツーリズムと呼んでいる。地域で受け継がれてきた文化遺産や
人々の暮らしのなかで育まれてきた生活遺産、平取の地域を支えてきた産業の姿を映し出す産業遺産、
また、人々の暮らしに根ざした文化的景観など、平取町内には様々な地域遺産が分布しています。
それらの遺産の背景となる歴史や人々の関わりなどについて、地元の人に案内をしてもらうとさらに
興味深く楽しむことができることから、徒歩で周遊できるような一定の範囲を設定し、それを一つの野
外博物館に見立てて、散策道(フットパス)を使って、それらのヘリテージを周遊するプログラムが全
国・全道各地で行われています。
平取町においても、沙流川ならびに額平川を軸に連続する森林や田園地帯をフィールドに、地域遺産
を訪ねるフットパスのルートや情報発信機能の整備、ガイド養成と案内システムを計画・実行します。
例) 義経公園・イオル水辺空間散策の道(本町地区)
、
「匠の道」
・
「歴史と文化の散歩道」
(二風谷地区)
ニセウフットパス・コース(仁世宇地区)、イザベラ・バードの道(紫雲古津~去場~荷菜~本町地区)
鉱山跡等
例)義経神社・ハヨピラの歴史と義経公園の自然、
イオル水辺空間を周遊するフットパスコースを設定
鉄道廃線跡
アイヌ文化・伝承地
伝承地・牧野林
イザベラ・バード
伝承地等
開拓農家・河川景観等
:ヘリテージを巡る周遊ゾーン(周遊範囲)
─ 6-6 ─
平取町
観光振興ビジョン
第6章
アクションプログラム
「くらしと歴史のヘリテージ・ネットワーク」プログラム
■具体的な実施スケジュール
H24
H25
H26
H27
ヘリテージツアー実施 1(本町等)
⇒
⇒
⇒
⇒
ヘリテージツアー実施 2(二風谷)
⇒
⇒
⇒
⇒
ヘリテージツアー実施 3(荷 負)
⇒
⇒
⇒
⇒
アイヌ文化伝承地
ヘリテージツアー実施 4(芽 生)
⇒
⇒
⇒
⇒
開拓農家・すずらん群生地等
ヘリテージツアー実施 5(仁世宇)
⇒
⇒
⇒
⇒
里山・鉱山跡・廃線跡 等
フットパスマップ制作・配布
⇒
⇒
⇒
⇒
観光案内所等
フットパスツアー実施
⇒
⇒
⇒
⇒
二風谷・仁世宇地区 等
ヘリテージ・ツアーガイド養成
⇒
⇒
⇒
⇒
取り組み
/
年度
─ 6-7 ─
備考
義経神社・義経公園等
イザベラ・バードの道 等
歴史と文化の散歩道
重要文化的景観選定地 等
等
文化的景観ガイド
地元ガイド人材バンク 等
平取町
観光振興ビジョン
第6章
アクションプログラム
「森と海を川でつなぐネットワーク」プログラムの展開イメージ
沙流ユーカラ街道(日高町)や沙流川・鵡川ペアラインゾーン(むかわ町)など、平取町に隣接する
エリアとの広域観光ネットワーク圏を形成することにより、観光客のさまざまなニーズやリピーターを
受け入れる平取町および周辺地域の魅力の向上する連携プログラムを計画・実行します。
さらに、占冠村等の道東自動車道との幹線観光ルートの結節点との連携も強化していきます。
道の駅
「樹海ロード日高」
びらとり温泉
♨
日高山脈博物館
萱野茂二風谷
アイヌ資料館
関山寺
真言寺
門別競馬場
牧場風景
門別図書館郷土資料館
門別温泉とねっこの湯
─ 6-8 ─
浄教寺
平取町
観光振興ビジョン
第6章
アクションプログラム
「森と海を川でつなぐネットワーク」プログラム
■具体的な実施スケジュール
取り組み
/
年度
平取町・日高町広域観光連携
平取町・むかわ町広域観光連携
H24
H25
H26
H27
⇒
⇒
⇒
⇒
⇒
⇒
平取町・日高町・むかわ町・
占冠村広域観光連携
⇒
─ 6-9 ─
備考
仮)沙流ユーカラ街道シャトルバス
平取町
観光振興ビジョン
第6章
アクションプログラム
「心をつなぐ・おもてなしネットワーク」プログラムの展開イメージ
平取町を訪れる観光客を快く受け入れるために、平取町民が地域の魅力を楽しみ誇りに感じ、お客様
を心からもてなすことができる意識啓発とガイド技術の向上、平取町の隣接地域との連携による広域観
光に取り組む意識や事業の共有化、平取町を訪れる都市住民との交流など、人と人、地域と地域をつな
ぎ、平取町観光の推進体制を強化するプログラムを計画・実行します。
具体的な推進体制の強化策としては、町民のホスピタリティ(おもてなしの心とマナー)の醸成とと
もに地元ガイド等の人材育成、さらにこれまで平取町役場内に事務局が設置されていた平取町観光協会
を役場から独立した運営形態への移行を着実に実行していきます。
【
平取町観光の
推進組織の強化
事 業 者
平取町民
魅力ある観光プロ
グラム・商品提供
身近に楽しみ
知り、学ぶ
機会づくり
おもてなしの
気持ちの醸成
(鵡川ゾーン)
行
政
街並み・サイン等
の観光基盤形成
ガイド技術の
習得・実践
交流機会
の創出
平取町を訪れる
都市住民
】
広 報
情報発信
沙流川流域
さまざまな
地域資源
日高町
「沙流ユーカラ街道」
広域観光の取り組み
─ 6-10 ─
これから平取町
を訪れる都市住民
(道東道ゾーン)
平取町
観光振興ビジョン
第6章
アクションプログラム
「心をつなぐ・おもてなしネットワーク」プログラム
■具体的な実施スケジュール
H24
H25
H26
H27
地域ガイド養成
⇒
⇒
⇒
⇒
人材バンクの整備 等
地域住民参加活動
⇒
⇒
⇒
⇒
懇談会や見学会の開催 等
情報発信・広報活動
⇒
⇒
⇒
⇒
都市住民との交流活動
⇒
⇒
⇒
⇒
地元行事への参加促進 等
平取町・日高町広域連携
⇒
⇒
⇒
⇒
仮)沙流ユーカラ街道活性化協議会
平取町・日高町民参加活動
⇒
⇒
⇒
⇒
イザベラ・バードの道フットパス 等
⇒
⇒
段階的な連携事業実施 等
⇒
⇒
(準備)
(独立)
取り組み
/
年度
鵡川ゾーン・道東道ゾーンとの
広域観光連携
平取町観光協会の機能強化
─ 6-11 ─
備考
インターネット・都市圏PR活動・
電子情報ツールの整備 等
役場内事務局の独立化(H27)
Fly UP