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添付資料 - 経済産業省

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添付資料 - 経済産業省
添
付
資 料
添付資料 1
現地調査記録 ............................................................................................. 151
添付資料 2
大川原製作所会社紹介 ............................................................................... 191
添付資料 3
TEDA 管理委員会との会議 議事抄録 ..................................................... 195
添付資料 4
日本側委員会
添付資料 5
TEDA エコセンター&環保局との会議
添付資料 6
キックオフ会議 議事録 ........................................................................... 237
添付資料 7
マニフェスト制度試験導入説明会 議事抄録 .......................................... 255
添付資料 8
中国側委員会
添付資料 9
中国側委員会討論原稿 ............................................................................... 269
添付資料 10
指導ハンドブック ...................................................................................... 287
添付資料 11
天津海濱新区の中核―TEDA の投資環境について ................................... 305
議事録 ............................................................................... 201
議事抄録................................... 229
議事抄録 ........................................................................... 263
149
150
添付資料 1
添付資料 1
現地調査記録
151
添付資料 1
152
添付資料 1
事前調査
現地日程
月日
4/13
(水)
午前
【粟田、三輪】
移動 羽田(9:35)-JL023-
【粟田、三輪、孫】
午後
北京(12:20)
日立造船北京事務所
天津市の焼却炉に関する情報交換
北京→天津
TEDA張軍副主任、呉環保局長他と会食
☆天津泊(天津滨海假日酒店)
4/14
(木)
【粟田、三輪、孫】
TEDAとの打合せ
張軍副主任、呉環保局長他
天津→北京
☆北京泊(北京亮马河大厦)
4/15
(金)
【粟田、三輪、孫】
三菱化学控股管理
今回の調査への協力要請
【三輪】
移動 北京(16:40)-JL024-羽田(21:00)
【粟田、孫】
以降別行動
1.日立造船との打ち合わせ
協議記録
北京市
訪問先
日立造船北京事務所
日時
2011 年 4 月 13 日
協議場所
日立造船北京事務所
出席者(日)
MCTR:粟田、三輪、孫、
出席者(中)
日立造船北京事務所長
14:00~15:30
馬 向東
氏
協議目的
濱海新区内の大港地区のごみ焼却場へ同社は焼却炉を納入した。ゴミ焼却場の状況と余
剰汚泥処理の状況に関して情報交換を行った。
153
添付資料 1
協議/確認事項
【大港の状況】
ゴミ焼却、下水処理、汚泥処理等をまとめて一箇所で行う予定。
フォーメーションとしては
プロジェクトの運営:天津濱海環保産業発展有限公司、資
金:濱海新区建設投資公司の組み合わせ。
責任者は天津濱海環保産業発展有限公司の王炳華 総経理
日立造船は大連で TEDA がごみ焼却場に投資しており、焼却炉を受注したところから関
係が出来た。
設備メーカー
焼却炉
日立造船
発電機
中国国産(日本製は価格で太刀打ちできない)
汚泥処理
計画を始めたとの情報有
【漢沽の状況】
事業のフォーメーションは大港と同じで、プロジェクトの運営:天津濱海環保産業発展
有限公司、資金:濱海新区建設投資公司の組み合わせ。
BOT で行っていると聞いている。
設備メーカー
焼却炉
Keppel Seghers(ベルギー・シンガポール)の火格子炉
汚泥処理
馬さんは情報無し
(翌日の TEDA との打合せで張軍副主任より、汚泥を乾燥
してゴミと混焼する、との情報が知らされた)
【中国のゴミ焼却事業の状況】
運営方式は北京では BOT の採用を止めた。理由としては、水に関しては下水処理の課金
システムが出来上がっている(主に上水使用量に上乗せ)が、ゴミ処理の費用負担のシ
ステムが出来上がっていないため BOT では上手く運営できないため。
現状、ゴミ処理費の徴収を行ってよいと言う法律は出来たが細かい運用が決まっていな
い。各地方政府が決めてゆく方向で、一般家庭からも徴収を考えている。
現状は処理費用は地方政府が負担している。
現状地方政府によって差がある。広州では Veolia が事業としてやっているがそれほど利
益を上げていない様子。
154
添付資料 1
【汚泥処理の状況】
ゴミ処理は建設部、汚泥処理は環保部であり行政上の組織が異なる。今後調整が入るの
ではと思う。
濱海新区の下水処理の汚泥は環保局の管轄。
汚泥の良い処理方法が無いとの事で大都市では困っているのが現状。
天津市は TEDA にゴミ焼却、汚泥処理をやらす方針ではと思われる。
(天津市地方政府の
代わりに動く)
汚泥処理は環保局が立案し、予算を取ってから実行企業を決めると言う形をとってきた。
2.TEDA との打ち合わせ
添付資料 2 を参照
155
添付資料 1
第1回現地調査
現地日程
AM
月日
5/24 【三輪、佐久間】
HND 9:35 JL023
PM
→ PEK 12:20
【三輪、孫、佐久間】天津へ移動
宿泊
天津滨海假日酒
店
濱海環保産業発展有限公司と大
港の汚泥処理打合せ
(JFE エンジ質問項目説明)
5/25 【三輪、孫、佐久間】
天津 → 北京
北京亮马河大厦
TEDA 低炭素センター
宋さんと打合せ
5/26 【三輪】PEK 8:25 JL860
【佐久間】PEK15:30 JL864
→ NRT 12:55
→ NRT 19:55
1.濱海環保産業との打ち合わせ
協議記録
天津市
訪問先
濱海環保産業発展有限公司
日時
2011 年 5 月 24 日
協議場所
濱海環保産業発展有限公司会議室
出席者(日)
MCTR: 三輪、孫、
15;30~18:00
MEC: 佐久間(専門家)
出席者(中)
濱海環保産業発展有限公司
運営管理部長
王 秀新
運営管理副部長
王 海霞
漢沽焼却場
技術メンバー 2 名
大港汚泥プロジェクト
技術メンバー 2 名
協議目的
濱海環保産業発展有限公司が計画している大港の汚泥処理設備へ日本の技術(の導入の
可能性について打診とともに、情報確認を実施。
1. 大港の汚泥処理設備計画の確認
2. 漢沽は汚泥処理設備の概要について確認
3. 日本から提供する技術検討の前提として準備した質問事項を確認
4. 今後の日本側から提供する作業実施日程案の確認
156
添付資料 1
協議/確認事項
濱海環保産業発展有限公司:政府資本で運営されていて、漢沽/大港 PJ は、建設および
運営を担当する。
【質疑応答】
1.
濱海地区の汚泥処理に関する質疑応答
[M] :調査チーム、[濱]:濱海環保産業発展有限公司
・ [M]:4 月来訪後の日本側活動状況を説明し、日本の技術を今後提案することを説明。
本調査事業の全体説明を行い、これまでに張軍氏と汚泥処理の PJ について協議を
行ってきた。これまでの4つの処理方法について説明。
・ [濱]:汚泥燃料化における熱源は何か?
・ [M]:ごみ処理場廃熱の利用を想定している。そのために、TEDA における PJ の状況
を確認したい。
・ [濱]:大港の PJ における計画前提は、使用 STM=飽和 185℃、10kg/cm2G、汚泥含水
率は 80%。
・ [M]:乾燥品としての燃料用途は何か。
・ [濱]:ごみ焼却時の助燃料とする予定であり、そのため、乾燥品の水分含有量は 10%
から 40%の範囲で消費用役量を算出してほしい。
・ [濱]:中国では 100℃程度の加熱で乾燥処理している工場があるが、臭気が相当に強い。
今回の提案している方法(200℃および 150℃)で臭気の発生はあるか。
・ [M]:臭気の発生はある。そのために、乾燥設備の立地条件の確認が必要である。たとえ
ばごみ焼却場に臭気ガスを押込み処理できるか確認を行いたい。
2.
日本側からの質問に対する質疑応答
・ [M]:漢沽乾燥設備事業の状況
・ [濱]:基本設計は完了(2011 年 5 月)。2012 年 6 月に建設完了予定。乾燥は 2 段階で、
1 段目は間接加熱方式、2 段目はベルトコンベア熱風乾燥で、1 段目と 2 段目の間に顆
粒成形機を設置。処理汚泥は 80%含水で 200t/日処理する。乾燥機は焼却設備から 200m
の位置に設置する。乾燥機加熱源は焼却場発電機排熱を利用する計画。
・ [M]:大港の事業は BOT 方式?
・ [濱]:政府資金で運営しているので、BOT 方式ではない。建設と運営を担当する。
・ [M]:大港汚泥処理は燃料化を目標化しているか?
157
添付資料 1
・ [濱]:漢沽および大港の両事業における汚泥処理は、燃料化を目指している。
・ [M]:大港汚泥の成分、重金属含有について。
・ [濱]:南港汚水処理場も 2011 年建設開始し、2012 年に操業開始予定。ここからの汚泥
を乾燥処理する。同汚水処理場の隣接地に日立造船のごみ焼却場を建設。そこに汚泥乾
燥設備を設置する計画。一方、漢沽においては、排水処理場は工場排水を受入れ処理し
ているので、その汚泥中には重金属が含まれている。汚泥を燃料化してごみ焼却の助燃
料として利用するので、焼却場の焼却灰等に重金属が含まれ、これらを適正処分する。
・ [M]:大港の事業における熱源仕様?
・ [濱]:ごみ焼却場発電タービン出口 STM で 280℃、14kg であり必要な温度に下げて使
用する。例えば、185℃飽和 STM。
・ [M]:汚泥乾燥設備への供水の制限は?
・ [濱]:制限はあるが、まず必要な計画提案をした上で協議を進める。
・ [M]:乾燥処理設備では通常排水の排出が伴うが、近隣に排水処理設備はあるか?
・ [濱]:大港 PJ 隣接地に排水処理場がある。
・ [M]:乾燥処理設備から排出する臭気ガスはごみ処理場で処理が可能か?
・ [濱]:乾燥処理設備の約 200m 距離にごみ焼却場がある。そこで処理ができるか今後の
問題であるが、乾燥処理設備計画では、200m 距離の移送を行い処理することで検討す
ることが第 1 段階の案。さらに臭気ガス処理設備の検討も進めてもらいたい。(触媒酸
化処理法等)
。
・ [M]:汚泥処理委託費の設定は?
・ [濱]:中国南部地区では 400 元/t もあるが、大港においては今後の問題である。
【濱海環保産業発展有限公司からの要望事項】
今後の検討作業における留意点は次の通りである。
1. 投資額
2. 経済性
3. 環境
特に、経済性は乾燥燃料の用途が確定していないので、乾燥品の水分含有率を 10、20、
30、40%に設定し、その品質を確保するための用役消費量を算出提示してほしい。電力お
158
添付資料 1
よび蒸気単価は、自分たちで設定し経済性を試算する。
また、環境面においては、臭気問題が重要である。現状の計画でどの程度の臭気発生が
あるのか、説明をしてほしい。
日本側からの技術提案は、早急に提供してほしい。現在、基本計画中であり、入札作業
を行う予定がある。
以上
2.TEDA 低炭素経済促進センターとの打ち合わせ
協議記録
天津市
訪問先
TEDA 低炭素経済促進センター
日時
2011 年 5 月 25 日
協議場所
TEDA 低炭素経済促進センター
出席者(日)
MCTR: 三輪、孫、
10:30~11:30
MEC: 佐久間(専門家)
出席者(中)
TEDA 低炭素経済促進センター
低炭素中心主任
宋雨燕
協議目的
濱海環保産業発展有限公司との面談結果を、張軍氏から委託され調整を行った宋さんに
結果報告する。
協議/確認事項
【M からの説明】
・ 4 月の天津訪問後の日本における経過を説明。
・ 昨日(24 日)濱海環保産業発展有限公司に対して、日本からの提供予定の技術を説明
した。
・ 濱海環保から、3 点の要望がだされ、その内容について、日本の会社へ説明を行い、今
後 FS として作成する資料に要望事項を織込む必要を伝えることとした。
・ 作成に関しては素案および詳細となる可能性があり、ラフな素案を早急に作成し、天津
に再訪することとなる。
【宋さんからのコメント】
・ 4 月以降張軍さんの指示に基づき濱海環保産業発展有限公司との調整を行っていて、本
件は張軍さんから一任されている。
・ METI の事業の中で、汚泥処理は、実際の企業同士で PJ を進める必要があるとの認識
159
添付資料 1
で濱海環保産業発展有限公司を日本側へ紹介した。
・ 天津地区において水処理 PJ として具体的に「豊田通商-新水源」の関係を構築した。
・ これらの結果から、
「業務遂行にはスピードが重要」との認識を深め、今回も同様にス
ピード感を持って対応する必要がある。
・ 今後の汚泥処理に関する打合せ等の情報は逐次報告してもらいたい。
・ 汚泥処理に関する濱海環保の PJ は中国科学技術部の循環経済モデルのテーマの一つに
取上げたい。
・ そのため、上部機関への申請書類を協力内容として取りまとめてほしい。本資料は、
他の事業とともに上部機関への申請資料として活用する。
・ 本申請は、順調に進めば今年末認定され、来年実施されることとなる。
以上
160
添付資料 1
第2回現地調査スケジュール
出張者
受託者
㈱リーテム
黄
㈱三菱化学テクノリサーチ
三輪、孫
専門家
三菱化学エンジニアリング㈱ 佐久間
オブザーバー
JFEエンジニアリング
大木、猪川、加藤、金
現地日程
AM
月日
PM
宿泊
6/20 【三輪、佐久間】
(月)
NRT 9:40 JL873
【三輪、孫、佐久間、大
→PVG 12:00
木、猪川、加藤】
注1)
【孫】
上海泊
PEK 10:00 MU5106
SHA11:55
【大木、猪川】
HND 10:25 NH1259
上海陕西商务酒店
→SHA 12:30
JFE エンジニアリング(上海)
と打合せ
【黄】
午後の便で東京→北京
移動
6/21 【三輪、孫、佐久間、大 【黄、三輪、孫、佐久間、大木、 【黄、三輪、孫、佐久間、
(火)
木、猪川、加藤、金】
猪川、加藤、金】
大木、猪川、加藤、金】
SHA 10:10 MU9067
天津濱海環保産業
天津泊
→TSN 11:55
運営管理部長
王秀新氏と打合 天津滨海假日酒店
せ
6/22 【黄、三輪、孫、佐久間、 【三輪、孫、佐久間、大木、猪川、
(水)
大木、猪川、加藤、金】 黄】北京へ移動
TEDA 低炭素センター
宋主任と打合せ
三菱化学テクノリサーチ北京代
表処にて作業
【三輪、佐久間】
PEK 16:40 JL024 HND 21:00
【大木、猪川】
PEK 15:45 NH1256 HND 20:15
161
添付資料 1
1.濱海環保産業との打ち合わせ
協議記録
天津市
訪問先
濱海環保産業発展有限公司
日時
2011 年 6 月 21 日
協議場所
濱海環保産業発展有限公司会議室
出席者(日)
JFE エンジニアリング:大木、猪川、加藤、金
15:30~18:00
リーテム:黄
MCTR: 三輪、孫、
MEC: 佐久間(専門家)
出席者(中)
濱海環保産業発展有限公司
運営管理部長
王 秀新
副総工程師
楊 和義
投資発展部長
郭 謙
大港汚泥プロジェクト部経理
楊 昇
大港汚泥プロジェクト部副経理
李玉軍
協議目的
JFE エンジニアリング社の開発した汚泥乾燥燃料化プロセス「カリット」の技術の詳細
紹介と焼却プラントとのユーティリティーの取り合い条件の打ち合わせを行う。
協議/確認事項
JFEエンジニアリングより汚泥乾燥・炭化プロセスの比較の説明を行った。
JFEエンジニアリングより、同社の持つ「カリット」の詳細な技術説明および運転
に必要な熱源の説明を行った。
必要熱源については以下の説明を行った。

「カリット」を効率良く運転するには 250℃~300℃の廃熱が必要。

廃熱ボイラーの出口ガスを使用する場合、排ガス温度が 250℃、好ましくは 280℃で
供給してもらいたい。
これに対して、濱海環保より次の説明あり。

大港プロジェクトの現状はごみ焼却プラントに関しては建設中。現時点での廃熱ボ
イラーの設計変更はできない。

汚泥乾燥の熱源としてはタービン抽気の 10kg 蒸気を使用したい。
162
添付資料 1

大港は工業区なので、産業廃水も処理する。
(質問の結果、生活廃水と産業廃水を混
合して汚水処理場で処理とのこと)
【質疑応答】
[日]:日本側、 [濱]:濱海環保側
1.
廃熱供給条件と「カリット」プロセスを競合他社より効率的に運転するための必要
熱源条件に関る詳細な技術打合せを行った結果、濱海環保の供給廃熱条件での同プ
ロセスの効率的運転には困難が伴うことが判った。
2.
[濱]:臭気対策は。また大港は政府のプロジェクトなのでランニングコストを重視し
ている。複雑なプロセスは困る。
[日]:臭気処理に関しては、臭気を含んだガスは燃焼炉のフリーボードに戻す。不可
の場合は燃焼脱臭処理をする。
ランニングコストとしては水蒸気乾燥の場合脱水水分 1t 当り 1.6t の蒸気使用量であ
る。
3.
[濱]:環保局は、①資源化、②減量化、③省エネ、④ゼロエミッションを提唱してい
る。
[日]:資源化の面では、石炭火力発電の燃料が主な用途。東京都の 300t/d 下水汚泥
炭化プラントの例だと、石炭火力発電所の必要熱量の数%を燃料化汚泥でまかなって
いる例がある。
減量化の面では、含水率 80%の 200 トン汚泥を含水率 10%にすると、乾燥汚泥
45 トンで、減量分が約 155 トンとなる。
「カリット」開発のコンセプトは下水処理工場における消化ガスエンジンの排熱、
汚泥焼却炉の排熱、発生消化ガスの有効利用にある。
成型後の大きさは燃料として使用する際の受け入れサイドの問題で 8mmφ×
40mmL 以下にしたい。
【結論】
今回の大港のプロジェクトには JFEE の「カリット」の適用は難しい。
濱海環保は、JFEE の技術に興味をもっており、技術だけでなく経済性を含めて全体的に
評価したい意向。これに対し、JFEE は実証が終わった段階で実機ベースでのデータがな
いが、現在検討案件を進める中で必要データがそろった時点で改めて技術交流を提案す
ることとした。
以上
163
添付資料 1
2.TEDA 低炭素経済促進センターとの打ち合わせ
協議記録
天津市
訪問先
TEDA 低炭素経済促進センター
日時
2011 年 6 月 22 日
協議場所
TEDA 低炭素経済促進センター
出席者(日)
JFEエンジニアリング:大木、猪川、加藤、金
8:45~10:00
リーテム:黄
MCTR: 三輪、孫、
MEC: 佐久間(専門家)
出席者(中)
TEDA 低炭素経済促進センター
低炭素中心主任
宋 雨燕、
胡 若絲
協議目的
濱海環保産業発展有限公司との面談結果を、宋さんに報告した。
協議/確認事項
【JFEエンジニアリングからの説明】
1.
「カリット」プロセスの特徴と大港へ適用する場合の問題点を説明。
2.
濱海環保との協議結果の結論を説明。「カリット」プロセスのメリットを出すには、
ごみ燃焼プロセスの廃熱ボイラー、タービン等への設計変更が必要となるので今回
適用は難しいことを説明。また、現在中国で建設中の JFE の焼却炉プロジェクトを
紹介。
【宋主任とのディスカッション】
1.
宋主任よりの現状認識

本プロジェクトは濱海新区の他の地区へのモデルプロジェクトとして進めて行きた
い。日本の具体的な技術で協力していきたい。汚泥処理では今後も幅広い構想が考
えられる。

今汚泥処理に関しては3つの動きがある
①
好気性発酵:中国科学院のプロジェクトとして行っており、上海、秦皇島で
200t/d のパイロットを運転中
②
たんぱく質抽出:裕川環境科技(左健総経理)が行っている。
抽出までは出
来たがその後の利用に関して開発が進んでいない。
③
汚泥乾燥処理:濱海環保の処理方法が一番安全な処理方法と考える。
164
添付資料 1
→好気性発酵のような広い土地も不要で臭気の問題もない。モデルとして広げた
い。
2.
天津市のごみ焼却の全体像
市街地の処理施設に関しては2箇所が完成して稼動中。
濱海新区に関しては漢沽、大港の2箇所を建設中 これで天津市の 80%は処理でき
るので近い将来ごみ焼却炉建設計画はない。今後この4箇所体制で進めてゆく。
排水処理に関しては工業廃水と生活廃水の両者を混合して処理する。60%程度完了
している。
以上
165
添付資料 1
キックオフミーティング
出張者
受託者
㈱三菱化学テクノリサーチ
三輪、孫
現地日程
AM
月日
7/5
(火)
PM
宿泊
【三輪】
【三輪】
→PEK 12:20
HND 9:25 NH1255
天津泊
天津へ移動(マイクロバス) 天津滨海假日酒店
7/6
(水)
【三輪】
【三輪、孫】
【三輪、孫】
TEDA 低炭素センター
TEDA キックオフミーティ
天津泊
宋主任と打合せ
ング
天津滨海假日酒店
【孫】
北京より移動(新幹線)
天津濱海環保産業
運営管理部長
王秀新氏と
打合せ
7/7
(木)
【三輪、孫】
【三輪】
PEK 15:45 NH1256 HND
北京へ移動(新幹線
20:15
1.濱海環保産業との打ち合わせ
協議記録
天津市
訪問先
濱海環保産業発展有限公司
日時
2011 年 7 月 6 日
協議場所
TEDA 管理委員会会議室
出席者(日)
MCTR: 三輪、孫、
出席者(中)
濱海環保産業発展有限公司
運営管理部長
15:30~16:30
王 秀新
協議目的
キックオフミーティングの後、引続き研機株式会社の汚泥乾燥プロセスの紹介を濱海環
保産業発展有限公司に行った。
166
添付資料 1
協議/確認事項
1.プロジェクトの現状
彼らは今 FS を行っており、それをベースに国際入札に進む予定。
FS が上に承認されたら後は早いとの事。またそのときに初めてスケジュールが決まるの
で教えられるとのこと。
2.大港プロジェクトの想定条件

原料汚泥は水分 80%で
200t/d 乾燥後の製品は 40%から 10%が可能なこと

供給廃熱はタービン抽気で 10kg/G

10%だと粉塵爆発等の危険性があることは認識しているので安全対策を含むこと

将来的には 1,000t/d までの拡張の可能性がある。その場合、ごみ焼却炉の廃熱だけ
では不足するので汚泥焼却やバイオマスとの混合焼却等も考えている。できればソ
リューションの提案をしてほしい
3.今後の取り進め
JFEE とのミスマッチの結果を踏まえて以下の手順で進めることに双方合意

日本の汚泥の実績でよいので、製品含水率
40% - 10%
で必要なユーティリティー
の量を濱海環保へ連絡。

彼らの想定ユーティリティー原単位を満たせば、日本より技術者を連れて行き濱
海環保側と詳細な技術紹介、打合せを行う。
4.濱海環保側のコメント

現在ベースとして想定しているのはベルト乾燥機。

先方の王部長は今までのパドル型はあまり熱効率がよくなく、蒸気の原単位が悪い
のだけど、これはどうか、との質問が有。
ジャケット、スクリュー、雰囲気の3方面からの熱伝達で効率がよい。またスクリ
ューは向流接触なので蒸気の有効利用ができていると思うと回答。
排蒸気の有効利用ができないかとの質問有。
167
添付資料 1
天津側へのフォローミーティング
日時:2011/9/27 PM
出張者:孫暁紅
1.TEDA 環保局との打合せ
議事録
天津市
訪問先
天津経済技術開発区管理委員会環境保護局
日時
2011 年 9 月 26 日
協議場所
環境保護局徐副局長オフィス
出席者(日)
MCTR:孫
出席者(中)
環境保護局徐副局長 徐修春
13:00~13:40
孫:今までの進捗状況および濱海環保側での公募作業が中断している状況を説明した。
環保局は本年のプロジェクトに関しては直接の担当ではない事は承知しているが、汚泥全
体の管理は環保局の管轄であり、昨年度の協力事業のカウンターパートとして経緯をよく
承知されているので、経過報告と天津側の状況を教えて欲しい、と来訪理由を説明した。
徐副局長:
1.裕川の汚泥から蛋白質を抽出するプロセスについて、具体的な内容は把握していない。
もし採用される場合、環境保護局の環境評価が必要である。環境保護局としては、廃棄物
の資源化より、汚泥の安全処理を重要視する。
《以下一般論としての徐副局長のコメント》
2.汚泥処理に関わるニーズは、これから確実に大きくなると推測される。海外の技術、
リーズナブルな設備の中国市場への展開はいいタイミングである。
3.インフラ整備のプロジェクトには、国際協力が必要である。ただの設備の輸出ではな
く、中国政府機関と組んで、投資計画の段階から参画することが大事(例えば、BOT 方式)。
水処理や汚泥処理施設の運営の経験も中国は不足している。このような国際協力は、EU は
中国と活発に行われている。9 月 12-18 日、徐副局長が EU 会議に参加した。
168
添付資料 1
2.TEDA 低炭素経済促進センターとの打合せ
議事録
天津市
訪問先
天津 TEDA 低炭経済促進センター
日時
2011 年 9 月 26 日
協議場所
天津 TEDA 低炭経済促進センター会議室
出席者(日)
MCTR:孫
出席者(中)
天津 TEDA 低炭経済促進センター主任 宋雨燕
14:00~15:00
孫:今までの進捗状況および濱海環保側での公募作業が中断している状況を説明した。
日本側のプロジェクトとしての目標は、汚泥処理に関する設備への日本企業の応札であ
ることを強調した。
宋主任:
宋主任は、その場で、濱海環保産業発展有限公司運営管理部王秀新部長に電話をかけ、
下記の状況を確認した。
① まだ裕川のプロセスを採用することは決定していない。
② 汚泥乾燥に関する技術は必要である。
③ 汚泥の量に柔軟に対応できる設備が必要である。
宋主任は、下記の意見を電話で述べた。
①
大港汚泥処理施設には、開発区の汚泥も入る予定。安全処理できるかどうかは、重要
なポイントである。裕川のプロセスが採用される場合、蛋白質が製品として販売され
ると、追跡できなくなり、問題が起こる可能性がある。
②
中止したプロジェクトの再開をできるだけ早めにしてほしいが、再開や設備応札のタ
イミングは、濱海環保産業発展有限公司が決めることで TEDA 側としては権限外であ
ることを理解してほしい。
3.濱海環保との打合せ
議事録
天津市
訪問先
濱海環保産業発展有限公司
日時
2011 年 9 月 26 日
協議場所
濱海環保産業発展有限公司会議室
出席者(日)
MCTR:孫
出席者(中)
濱海環保産業発展有限公司運営管理部長
15:30~16:30
169
王秀新
添付資料 1
孫:7/27 に濱海環保へ送付した、大川原製作所と研機両社の技術データに関するフォロー
アップと、その後の濱海環保側の進捗状況、特に裕川公司のタンパク質抽出技術との関係
についての情報を手に入れたく訪問した。
王部長:
1.
裕川公司の技術について、詳細な状況が分からないから不安。
2.
裕川公司の技術を採用する場合、全体計画作成をやり直さないといけない。また、こ
の技術について、実効性がどれぐらいあるか分からない。採用すると、汚泥処理全体
のプロジェクトがだめになる恐れがある。
3.
いずれにして、最終的に、タンパク質を抽出した残渣の固体廃棄物の部分は乾燥、焼
却処理を考えている。タンパク質抽出のプロセスを採用する場合、含水率 50%前後、
量はスタート時点の半分ぐらいの量になると考えていいだろう。
4.
国際入札の場合、公平であることは保証できる。王部長は、日本のタクマのゴミ焼却
設備導入のとき、参画した経験があり。日本の設備の質はとてもいいが、値段は高い。
競争力を高めるために、値段を下げるのを工夫しないといけない。
5.
現在、大港のプロジェクトのごみ焼却部分は順調に進んでいる。汚泥処理の部分も早
く決着をつけたい。新しい動きがあったら、日本側にすぐ連絡する。
170
添付資料 1
第3回現地調査
スケジュール
出張者
三菱化学テクノリサーチ
三輪、孫
三菱化学エンジニアリング 佐久間(専門家)
出張目的
①
濱海環保、TEDA に汚泥乾燥設備メーカーの第一候補である大川原製作
所の詳細な会社紹介、乾燥機ラインアップの紹介、中国提携先紹介等を
行い、先方の技術陣に該社の優位性を PR する。
②
11 月に予定している、天津側の日本訪問に関する調整を行う。
③
プロジェクト進捗状況のアップデート。
現地日程
AM
月日
10/23 【三輪、佐久間】
PM
宿泊
NRT 18:15 JL869
北京亮马河大厦
→ PEK 21:15
10/24 【三輪、孫、佐久間】
天津へ移動
14:00: 濱海環保産業発展有限
天津滨海假日酒
公司打合せ(濱海環保 以総経
店
TEDA 丁氏
理他
)
17:00: TEDA 低炭素センター
宋主任と電話による打ち合わせ
10/25 【三輪、孫、佐久間】
→北京へ移動
【三輪、佐久間】
三菱化学テクノリサーチ北京事
務所で大川原との調整
PEK 16:40 JL024
→ HND 21:00
171
添付資料 1
1.TEDA 環保局との打合せ
議事録
天津市
訪問先
濱海環保産業発展有限公司
日時
2011 年 10 月 24 日
協議場所
濱海環保産業発展有限公司
出席者(日)
MCTR:三輪、孫
MEC:
出席者(中)
14:00~16:00
佐久間(専門家)
天津濱海環保産業発展有限公司
董事長 総経理
以 雷
氏
副総経理
楊 福増 氏
運営管理部長
王 秀新 氏
投資発展部長
郭 謙
氏
他2名
TEDA 低炭経済促進センター
丁 挺
政府側
氏
【協議目的】
大川原製作所の各種乾燥機に対する技術 PR を行い、濱海環保側の日本訪問、MOU の締
結に関する打ち合わせを行う。
【協議/確認事項】
1.
以
総経理より濱海環保の業務ミッションの紹介が有った。
同社は濱海新区の環境関連事業の建設・運営を行う国営企業。投資は政府予算で行う。
非営利公益事業体で利益は無しで運営されている。
事業として汚水処理、汚泥処理、ごみ焼却を現在行っている。これから、再生水事業
を行う予定。

汚水処理場
①
北塘:能力 15 万 t/d 稼働中
②
中心漁港:
(中心漁港南側) (2011 年末完成予定との情報有り)
③
南港:建設中
2.5 万 t/d
④
大港:建設中
第一期 2.5 万 t/d
南港地区は工場も商業施設も未だ少ししか使われていないため 2,5 万 t/d だが
今後は工場の建設につれ工場廃水専門の処理施設も建設するの計画
⑤

大港東(HP で港東新城と言っているものか):全体計画 FS 中
ゴミ焼却場
172
10 万 t/d
添付資料 1
①
漢沽:稼働中
第一期 1500t/d
設備はヨーロッパのもの(日立造船情報では Keppel Seghers)
②
大港:日立造船の焼却炉
建設中
稼動予定 2012/6
これに隣接する形で今回の汚泥乾燥設備を建設する予定

汚泥処理設備
①
漢沽:建設中
②
大港:全体計画 FS 中
今後、再生水のプラントを建設する予定。場所は北塘。
中水道網を設置中。
南港を含めて中水再利用を促進する予定。
使用技術は RO を想定。用途は工業用は冷却循環補給水、民生用はトイレ用水、植物散
水用
2.
添付資料にて大川原製作所の技術紹介を行った。
楊氏:大川原の装置で必要な蒸気の条件はどのようなものか。
A:王部長と何回も打合せをさせてもらい、今回提案の装置は濱海環保のタービン抽気
の条件に合わせてインナーチューブ型を選定した。
以総経理:日本の国からの補助金は無いのか。
A:今回の協力事業では直接の補助金は無い。
以総経理:今回の汚泥処理は重金属が含まれているので隣接するゴミ焼却場で焼却す
るのが一番安全と考えている。
今後の拡張に際しては汚泥の性質も変化すると予想
されるので、嫌気性消化ガス化、肥料化等の処理も考えてゆきたい。
3.
討議内容

大川原製作所とは今後さらに交流を進めて行きたい。
濱海環保は政府資金のプロジェクトの外に投資機能を持っており独自プロジェク
トも進めてゆきたい。

大川原製作所訪問とその納入先の見学は是非行いたい。
人数は METI の計画通りの 2 名で考える。
濱海環保は国営企業であり、派遣団の中国政府の認可をとるには低炭素センター
173
添付資料 1
の宋主任の了解が必要となる。
11 月末は濱海環保としてはぎりぎり可能だが政府側の認可に時間がかかるのでは
ない。

大川原製作所と濱海環保の間の覚書
形式的なものでなく、実りのある覚書にしたい。
今後の技術交流(公募から応札にも繋がってゆくと考える)を進めて行きたい。
2.TEDA 低炭素経済促進センターとの打合せ
議事録
天津市
電話先
天津 TEDA 低炭経済促進センター
日時
2011 年 10 月 24 日
協議場所
電話会議
出席者(日)
MCTR:孫(三輪)
出席者(中)
天津 TEDA 低炭経済促進センター主任 宋雨燕
17:00~
宋主任と電話で打ち合わせを行った結果、政府間事業の場合、政府側の人も同行する必
要があるが、その認可をとるのに時間がかかる。したがって、現在取進め中の 12/11-17 に
予定されている茨城県での研修旅行と同時に訪日する形として一括で認可を受けるのがス
ムースと考えるとの事。
日本への往路が 12/11、
日本からの復路が 12/17
大川原製作所の都合を確認した所この期間中に 2 日間の対応は可能との事。
低炭素センターの宋主任としても、是非本事業期間中に前向きの覚書を取り交わしたい。
174
添付資料 1
第 4 回現地調査
スケジュール
出張者
【受託者】
三菱化学テクノリサーチ
三輪、孫
【専門家】
大川原製作所
環境技術部長
大川原粉体設備(上海)
池ヶ谷昌利、海外戦略部
課長 榎戸
伸
営業技術部副部長 厳 慶東
三菱化学エンジニアリング 佐久間
出張目的
① 大川原製作所と濱海環保の技術打ち合わせを行う。
② 大川原製作所、濱海環保間の覚書に関する打ち合わせを行う。
③ 濱海環保側の大川原製作所視察(日本訪問)の可能性を協議する。
④ 大川原製作所の現地法人である大川原粉体設備(上海)と今後の取進めに関する
打ち合わせを行う。
日程
月日
AM
PM
12月4日 【三輪、孫、佐久間、池ヶ谷、榎戸】
HND 9:40 JL023 → PEK 12:50
【厳】 SHA 9:55 MU5105 → PEK 12:20
【全員】
北京→天津 車移動
宿泊
天津滨海假日酒店
Tel:
+86-22-66283388
12月5日 【三輪、孫、佐久間、池ヶ谷、榎戸、
天津滨海假日酒店
Tel:
+86-22-66283388
厳】
11:00
13:30
TEDA低炭素センター宋主任打ち合 濱海環保産業発展有限公司
わせ
打ち合わせ(本社)
(現地視察は濃霧の為中止)
12月6日 【三輪、孫、佐久間、池ヶ谷、榎戸】
TSN 11:00 MU9132 →SHA 12:50
大川原粉体設備(上海)に
て打ち合わせ
12月7日 【三輪、孫、佐久間、池ヶ谷、榎戸】 SHA 13:05 JL082
→ HND 16:45
175
上海虹桥宾馆
Tel:
+86-21-62753388
添付資料 1
1.TEDA 低炭素経済促進センターとの打合せ
議事録
天津市
訪問先
天津 TEDA 低炭経済促進センター
日時
2011 年 12 月 5 日
協議場所
天津 TEDA 低炭経済促進センター
出席者(日)
三菱化学テクノリサーチ
11:00 ~ 12:00
三輪、孫
大川原製作所
環境技術部長
池ヶ谷昌利、
海外戦略部 課長 榎戸
伸
大川原粉体設備(上海)
営業技術部副部長 厳 慶東
三菱化学エンジニアリング 佐久間
天津 TEDA 低炭経済促進センター
出席者(中)
主任 宋 雨燕
胡 若絲
【協議目的】
大川原製作所を TEDA 側に紹介するとともに、大川原製作所-濱海環保間の覚書の
TEDA 側の見解、濱海環保の日本訪問の可能性に関する打ち合わせを行った。
【協議/確認事項】
4. 汚泥処理プロジェクトに関して:
宋主任が以総経理と話をした。
宋主任の話として:

濱海環保は大川原の乾燥システムを理解してくれていた。

汚泥量は確定していないが乾燥方式は問題ない。

濱海環保としては新しい技術を導入したい、という状況。

大港の処理場は南港の石化コンビナート+軽紡工業園区+生活廃水を処理する。

本年 12 月末に TEDA の汚泥処理方針を決める予定。

工業廃水は乾燥処理(今回提案の方向)、生活廃水はもう少し改良したいので4
ケースが有り得ると考えている(乾燥、肥料化、蛋白抽出、超臨界処理)
5. 覚書の件:
覚書の文面は濱海環保の総経理とも刷り合わせを行ったので中国側としては最終文
面である。
176
添付資料 1
覚書の調印は本事業の成果でもあり、セレモニー的に行いたい。
6. 大川原製作所の PR 活動:
宋主任から、低炭素センターのホームページに大川原製作所の技術の紹介を載せた
い、との提案あり。キーワードは環境、省エネ、低炭素化等。低炭素センターは天津
市の熱エネルギーを使うほとんどの会社とのつながりがあるので大川原製作所の PR
には最適では、との事。
原稿のフォームを大川原製作所へ送るので、大川原製作所側で原稿を用意すること
になった。
7. 濱海環保訪日の件:
MCTR より、本事業の終了期日を延長することは出来ない、との説明をおこない、
宋主任の協力を依頼した。
宋主任:
TEDA からの訪問団という形だと許可が得られやすい。
その場合、メンバーは濱海新区建設交通管理局 1 名、TEDA 1 名、濱海環保 1 名。
時間的には本日中に作業に入る必要があるので、午後の濱海環保との相談結果をす
ぐ宋主任に知らせてほしい、との事。
177
添付資料 1
2.濱海環保との打合せ
議事録
天津市
訪問先
濱海環保産業発展有限公司
日時
2011 年 12 月 5 日
協議場所
濱海環保産業発展有限公司 会議室
出席者(日)
三菱化学テクノリサーチ
13:30 ~ 16:00
三輪、孫
大川原製作所
環境技術部長
池ヶ谷昌利、
海外戦略部 課長 榎戸
伸
大川原粉体設備(上海)
営業技術部副部長 厳 慶東
三菱化学エンジニアリング 佐久間
出席者(中)
濱海環保産業発展有限公司
副総経理
楊 福増
運営管理部長
王 秀新
漢沽項目部 項目副経理
鍾 慶宇
大港拉圾焚焼発電項目部
副経理
李 玉軍
【協議目的】
大川原製作所を濱海環保側に紹介し、同社の技術の紹介、今回の汚泥乾燥に関する設
備の概略提案、大川原製作所-濱海環保間の覚書に関する協議、日本訪問の可能性に関
する打ち合わせを行った。
【協議/確認事項】
[日]:日本側、 [濱]:濱海環保側
1. 大川原製作所からの説明:
同社の環境関連設備、プロセス乾燥機のラインナップを説明
今回提案のインナーチューブ型の実例として、最近製作した ITR-460(今回提案の
ITR-300 のワンサイズ上位機種)のビデオと映像で組み立て設置状況、動作状況を紹
介した。
2. 乾燥機に対する質疑応答:
[濱]: 蒸気使用量が蒸発水量に比べて多いように思えるが。
[日]: 結露防止の為のトレースに蒸気を使用しているために見かけ多い。
蒸発に使用する蒸気量は水量の 1.3 倍と少ない。 予熱等は蒸発に使った
178
添付資料 1
ドレーンを回収して使用する等の熱回収は今後詳細設計段階で提案できる。
[濱]:汚泥の乾燥途中で粘度が上がって扱いにくくならないか。
[日]:乾燥機内には乾燥汚泥が半分ほど充填されており、それに湿った汚泥が混合される
形で運転される。したがって粘度の高い領域には汚泥は通らない。フィードも缶体の数
箇所から分散して投入する形となっている。
[濱]:漢沽のプロセスは水分量 60%での製品が出来るが大川原はどうか。
[日]:乾燥のプロセスから乾燥機出口 60%の運転は厳しい。どうしても水分 60%品が必
要ならば水分 30%の乾燥品と 80%のウエット汚泥を混合して対応する。
その後の調査で濱海環保が漢沽に導入したプロセスはフランスの Suez の子会社の
Degrémont 社の Innodry ® 2E と考えられる。
[濱]:乾燥汚泥の形状は
[日]:顆粒状
スクラバー出はダスト状
[日](佐久間)
:ごみ焼却炉へ乾燥汚泥を入れる時に助燃材として評価するのか。
[濱]:ごみ焼却で助燃材は使用しない。したがって、乾燥汚泥は単純に焼却するだけであ
る。したがって水分量は 10%でも 30%でも、もっと高くても良いと考える。
3. その他の大川原に対する質問:
[濱]:脱臭装置について教えてほしい。
[日]:燃焼タイプが 750℃、触媒タイプが 450,500℃の動作温度の機器がある。
活性炭+スクラバーの組み合わせも持っている。
[濱]:広い面積(ごみサイロ等)からの脱臭は出来るか。
[日]:大川原としては乾燥機に付帯する脱臭設備しか手持ちのラインナップには無い。
4. 覚書:
濱海環保側から中国側の最終案(TEDA 低炭素センターとはすりあわせ済み)を受領。
大川原サイドとしては字句の変更に問題はない。との事で文面は確定した。
5. 日本訪問の件:
低炭素センターの宋さん案を濱海環保に検討いただいたが、1月は1名の参加も
難しい、との事で、本事業期間中の日本訪問は不可能となった。
したがって、覚書の調印式は中国で行うこととなった。
179
添付資料 1
6. 建設予定サイトの見学:
当初、打ち合わせの後の見学を予定していたが、濃霧の為高速道路が封鎖されて
おり現地へ行けない、との事で調印式の時に延期となった。
3.大川原粉体設備(上海)との打合せ
議事録
上海市
訪問先
大川原粉体設備(上海)有限公司
日時
2011 年 12 月 6 日
協議場所
大川原粉体設備(上海)有限公司
出張者
三菱化学テクノリサーチ
15:00 ~ 17:00
会議室
三輪、孫
三菱化学エンジニアリング 佐久間
面談先
大川原粉体設備(上海)
総経理
中安
副総経理 陳
守宏
樑
営業技術部副部長 厳 慶東
大川原製作所
購買部海外調達課 荒浪
環境技術部長
誠
池ヶ谷昌利
海外戦略部 課長 榎戸
伸
【協議目的】
今回の濱海環保に対する機器製作の中心となる大川原製作所の現地法人
大川原粉体
設備(上海)を訪問し、今回の事業の説明、今後の取進めの打ち合わせを行った。
【協議/確認事項】
1.
今回の事業概要説明(三輪)
大川原粉体設備(上海)側に、今回の事業背景と昨日までの進捗を説明し今後の協力
を依頼した。
2.
上海工場見学
同社の工場を見学した。見学時には大型ベルト乾燥機の製作中であった。
工場内は整理整頓も行き届き、日本と同じレベルの管理がされていることが感じられ
た。また、溶接の技量も高く、溶接棒等の中国製では品質の変動が予想されるものに関
しては日本から調達であるとの説明であった。
180
添付資料 1
覚書調印式
出張者
スケジュール
(敬称略)
【受託者】
三菱化学テクノリサーチ
三輪、孫
【専門家】
三菱化学エンジニアリング 佐久間
【株式会社大川原製作所】
(渡航費用は事業範囲外)
大川原製作所
社長 大川原 行雄、 海外戦略部
大川原粉体設備(上海)
厳 慶東
課長 榎戸
伸
出張目的
大川原製作所と濱海環保間の汚泥処理に関する相互協力の覚書の調印
建設予定サイト(大港)の見学
現地日程
月日
AM
1月10日 【大川原社長、榎戸課長、三輪】
PM
HND 9:25 NH1255 → PEK 12:35
【佐久間】
HND 9:40 JL023 → PEK 12:50
【厳】
PVG 9:20 MU5129 → PEK 11:45
【大川原社長、榎戸課長、厳副部
長、三輪、孫、佐久間】
北京→天津 車移動
1月11日 【大川原社長、榎戸課長、厳副部
長、三輪、孫、佐久間】
13:00 - 16:00
10:00
建設予定地(大港)見学
TEDA環保局徐副局長表敬訪問
17:00 - 18:00
覚書調印式
濱海環保産業発展有限公司本社
1月12日 【大川原社長、榎戸課長、厳副部 【大川原社長、榎戸課長、三輪、
長、三輪、孫、佐久間】
孫】
天津→北京 車移動
PEK 15:55 NH1256 →
HND 20:15
【佐久間】
PEK 16:40 JL024→HND 21:00
【厳】
PEK 15:00 MU5116→SHA 17:10
181
宿泊
天津滨海假日酒店
Tel:
+86-22-66283388
天津滨海假日酒店
Tel:
+86-22-66283388
18:30
濱海環保と会食
添付資料 1
1.TEDA 環保局表敬訪問
議事録
天津市
訪問先
天津 TEDA 環保局
日時
2012 年 1 月 11 日
協議場所
天津 TEDA 環保局
出席者(日)
三菱化学テクノリサーチ
10:00 ~ 12:30
三輪、孫
大川原製作所
社長
大川原 行雄
海外戦略部 課長 榎戸
伸
大川原粉体設備(上海)
営業技術部副部長 厳 慶東
三菱化学エンジニアリング 佐久間
出席者(中)
天津 TEDA 環保局
副局長
徐修春
工学碩士 王
钰
【協議目的】
本調査も今月で終了となるため、今までの TEDA 環保局の協力に感謝するとともに、
今後 B to B で濱海環保と汚泥処理場の建設に向けた取り組みを行ってゆく大川原製作所
を紹介した。
182
添付資料 1
2.建設予定地見学
議事録
天津市
訪問先
南港軽紡工業園四廠合一プロジェクト
日時
2012 年 1 月 11 日
協議場所
南港軽紡工業園四廠合一プロジェクト
出席者(日)
三菱化学テクノリサーチ
14:00 ~ 17:30
三輪、孫
大川原製作所
社長
大川原 行雄
海外戦略部 課長 榎戸
伸
大川原粉体設備(上海)
営業技術部副部長 厳 慶東
三菱化学エンジニアリング 佐久間
出席者(中)
濱海環保産業発展有限公司
運営管理部長
王 秀新
運営管理副部長
王 海霞
大港拉圾焚焼発電項目部
副経理
李 玉軍
【協議目的】
汚泥処理設備の建設が予定されている南港軽紡工業園四廠合一プロジェクトサイトの
現地見学を行った。
【協議/確認事項】
本サイトは TEDA 中心地より 50km ほど南に位置し、高速道路を使用して約 1 時間の
距離である。
周辺には南港石油化学工業園区、軽紡工業園区等がありこのいったいからの廃棄物、
汚水、汚泥を処理し、また中水プラントを持つ環境対策設備のコンプレックスである。
汚泥処理設備は現在建設中のごみ焼却場(2012 年 6 月竣工、9 月稼動)に隣接する場
所に設置予定であり、その場所の見学を行った。広さ的には十分拡張の余地がある場所
であり、汚泥処理量 200t/日から始まり最終的には 1,000t/日となっても十分に受け入れ
られる余地があることがわかった。
次ページに現地で撮影した写真を掲げる。
183
添付資料 1
プラント遠景
プラント入り口
184
添付資料 1
汚泥乾燥設備設置予定エリア
南港軽紡工業園四廠合一プロジェクト全体模型
185
添付資料 1
汚泥乾燥設備設置位置
プラント平面図
186
添付資料 1
3.覚書調印式
議事録
天津市
訪問先
天津濱海環保産業発展有限公司
日時
2012 年 1 月 11 日
協議場所
天津濱海環保産業発展有限公司 会議室
出席者(日)
三菱化学テクノリサーチ
18:30 ~ 19:00
三輪、孫
大川原製作所
社長
大川原 行雄
海外戦略部 課長 榎戸
伸
大川原粉体設備(上海)
営業技術部副部長 厳 慶東
三菱化学エンジニアリング 佐久間
出席者(中)
天津濱海環保産業発展有限公司
総経理
以 雷 氏
同
運営管理部長
王 秀新 氏
同
運営管理副部長 王 海霞 氏
オブザーバー
天津 TEDA 低炭素経済促進センター 主任
宋 雨燕
氏
「株式会社大川原製作所と天津濱海環保産業発展有限公司との環境分野の相互協力に
関する覚書」を締結した。
本覚書は、両社は相互の交流を通じて濱海新区の環境分野の技術水準の向上を目指す
とともに、日中両国の環境保全産業分野の協力を推し進めるために、汚泥処理の分野で
互いに協力する事をうたっている。
式次第は以下であった。
1. プロジェクト背景紹介
(MCTR 三輪)
2. 天津濱海環保産業発展有限公司挨拶 (総経理 以 雷
3. 大川原製作所挨拶 (社長 大川原 行雄
4. 覚書調印
187
氏)
氏)
添付資料 1
左
大川原社長
188
右
以総経理
添付資料 1
189
添付資料 1
190
添付資料 2
添付資料 2
大川原製作所会社紹介
191
添付資料 2
192
添付資料 2
1-1.会社概要
所在地:静岡県榛原郡吉田町神戸1235
創 業:1927年10月
資本金:7億7921万円
従業員:300名
工業所有権:特許等 101件(出願中48件)
子会社:大川原粉体設備(上海)有限公司
株式会社大川原製作所
会社説明資料
2011年10月12日
1-2.会社概要
2-1.トータルエンジニアリング
•お客様の架台解決のために一貫した体制で製
品を製造・建設・稼働させます。
•処理方法の選定後、能力試験を実施し、機種選
定を行うことでより適したご提案ができます。
•お客様の意見を取り入れた基本設計を行います。
• 富士山を背景に港、空港、東名高速道、東
海道新幹線と交通アクセツが非常良い静岡
県の中心である大井川河口の西側に位置
しています。
• 創業以来80年以上の長きに渡り、乾燥装置
の専門メーカーとして食品・化学・製薬・環
境など広い産業分に多くの装置を納入して
きました。
•使いやすさを考え、出来上がりをイメージした詳
細設計を行います。
•厳しい品質管理のもとで材料調達、製作が行わ
れます。
2-2.トータルエンジニアリング
3.各種装置の紹介
• 綿密な検査及び、製品完成時にはお客様立
会のもと、設計通り出来ているか確認します。
• 弊社はプロセス工程上に導入する産機装置
から排水汚泥、廃棄物を処理する環境装置ま
で多種多彩な商品を揃えております。
• 安全確認、施工・品質管理など現地建設の
全てを行います。
• 産機装置・・・各種乾燥装置を始め、抽出・反
応・混合装置、脱水・ろ過装置、造粒装置、殺
菌装置、分級装置など
• 100%の能力確認まで弊社技術員が各機器
のチェックから稼働チェックまで行います。
• 環境装置・・・各種乾燥装置を始め、炭化装置、
焼却装置、発酵装置、バイオマスボイラーな
ど
• 御引き渡し後の運転の問合せ、定期点検、部
品供給に至るまで万全を期しております。
4.豊富な納入実績
• 弊社の装置は各分野で活躍しています。
• スラッジドライヤー ・・・ 2000台以上
• リボコーン
・・・
600台
• エバポール
・・・
450台
• 流動乾燥機
・・・
800台
• 焼却炉
・・・
• その他装置多数納入
450台
193
添付資料 2
194
添付資料 3
添付資料 3
TEDA 管理委員会との会議
195
議事抄録
添付資料 3
196
添付資料 3
平成 22 年度インフラ・システム輸出促進調査等委託費
自治体間(茨城県-天津市)連携による循環型都市協力推進調査事業
TEDA 管理委員会との会議
議事抄録
1)日時: 平成 23 年 4 月 14 日(木)9:00~10:30
2)場所: TEDA 管理委員会
会議室
3)参加者:
中国側
天津経済技術開発区管理委員会
副主任
張軍氏
天津経済技術開発区管理委員会
環境保護局長 呉国華氏
天津経済技術開発区管理委員会
環境保護副局長 徐修春氏
天津経済技術開発区管理委員会
環境保護局シニアエンジニア 衛紅梅氏
天津経済技術開発区管理委員会
環境保護局監査チーム(2 名)
天津泰達低炭素経済促進センター主任 宋雨燕氏
天津泰達低炭素経済促進センター
于洋氏
天津泰達低炭素経済促進センター
胡若丝氏(通訳)
日本側
株式会社リーテム 中島彰良、高橋弘明、浦出陽子、黄錚、王忠明
株式会社三菱化学テクノリサーチ
粟田満、三輪泰一郎、孫暁紅
4)議事要約:
1. 汚泥処理施設建設のための FS の説明
MCTR
添付資料により FS 取り進めの概要(調査の経緯、設備の設置イメージ、スケジュール)を
説明
張軍
MCTR の想定する汚泥処理施設に対して次の質問を行った。MCTR 三輪氏が回答した。
・主要インプット:(回答)汚泥と熱のみ
・含水率:
(回答)80%→数%程度
・汚水処理場の汚泥のみを対象とするのか
・汚泥に重金属が含まれる場合の対応:(回答)焼却場で取り除く
・数は多くないが一部の企業からの廃水には重金属が含まれている。含重金属の汚泥燃料
197
添付資料 3
はサイトから搬出できない:
(回答)汚泥の組成については今年調査する
・想定する技術:
(回答)汚泥燃料化(JFE エンジ)の他、日立造船、北九州の中小企業
TEDA 管理委員会
漢沽区の埋立地における汚泥処理プロジェクトについて説明があった。
・生活ごみと汚泥の混合燃焼 200t/d のうち汚泥は 80 t/d
・三菱重工が入札に参加したが落札できなかった
・来月から稼働予定
・含水率は 80%→20%程度に下げる→焼却炉へ
中島
本プロジェクトは、経済産業省の鈴木局長が黄市長を訪問し、その後黄市長と橋本茨城
県知事が環境協力の覚書に調印して成立した、国のプロジェクト。結果が必要である。例
えば、今年の日中省エネルギー・環境フォーラムで覚書を締結するなど。
張軍
プロジェクトはすでにたくさんあり、今は良いタイミングではない。それらのプロジェ
クトは、TEDA の汚泥のみではなく、漢沽区や塘沽区で生じる汚泥も処理する予定で、広
い地域をカバーするシステムとなっている。
技術が優れていれば(導入予定技術を改良できるまたは経済性が高い)
、入り込む余地が
あるのではないか。候補としては、濱海新区環境保護局が計画している大港区のプロジェ
クトがある。TEDA は、紹介はできる。
呉
TEDA 内の余熱を排出する企業と話をしてはどうか。今まで地区外に頼んでいた汚泥処
理を地区内で行うことが考えられる。ただし、TEDA 内の 80t だけを処理するのに意味が
あるとは思わない。南港区にも可能性があるが、汚泥処理単独のプロジェクトではなく、
幾つかのプロジェクトが統合されたシステムとして話が進んでいる。
2. 管理報告制度の設計と試験導入の進め方
リーテム
添付資料により、大まかなスケジュール、日本のマニフェスト制度のしくみ、日本側と中
国側の役割分担を説明
TEDA 環保局 監査チーム
マニフェストを誰が管理するのかを検討しなければならない。中国には、危険廃棄物の
198
添付資料 3
マニフェスト制度はあるが、工業固体廃棄物の制度は法律の規定がない。危険廃棄物のマ
ニフェストの運用は環保局(徐副局長のチーム)で行っているが、試験導入への参加を企
業に強制はできない。
呉
既存の法律に抵触しないように気を付ける。途中で法律ができることがあれば、そちら
にも合わせる必要がある。
リーテム
このプロジェクトの成果が法制化のモデルケースになる可能性はあるか。
張軍
マニフェスト制度と試験導入を発表/アピールすれば、国の視察が TEDA に来るだろう。
3.
張軍氏による会議の総括
マニフェスト制度は、TEDA の環境保全に良い影響を与えると考えている。次の点を強
調したい。
①
マニフェスト制度については、低炭素経済促進センターと管理委員会が共同で行う。
第一責任は呉局長、担当は徐副局長と宋主任。低炭素センターのみでは進めるのが難しい。
環保局監査チームは権限を持っているので比較的進めやすい。また、TEDA 環保局は、そ
の上に天津市環保局、国の環保局があり、上に報告する際の起点になり得る。
②
プロジェクトは 2 ステップで進めたい。第一に、企業の選定。これは東区を中心に、
たとえば廃棄物1種類について 3-4 社が試験的に実施するとして、廃棄物 6 種類で 18-24
社選ぶのはどうか。企業数は少ないが、東区の大手企業を選べば排出量は大きい上、詳し
く調べられるだろう。ただし、法律がないので参加したくないと言われたら強制はできな
い。第二に、企業のフィードバックを得て制度を修正し、今後の改善点を明らかにする。
何度か集まって意見交換を繰り返したい。
③
留意点として、専門家を招聘することを上げたい。実施中に助言をする役割。また、
国への報告も必要になるだろう。
④
マニフェストを皮切りに、一連の廃棄物管理システムを構築したい。日本ではマニフ
ェスト制度が独立して運用されているのではなく、全体の管理システムの上にマニフェス
ト制度や処理事業者の認定制度、表彰制度などがある。環保局、低炭素センター、専門家
でそのような管理システムをつくれれば革新的だ。
汚泥処理施設建設については、MCTR は呉局長とよく相談してほしい。まず泰達熱電公
司との協議だが、技術の優位性と経済性が重要となる。ビジネスモデルのメリットとその
影響力を説明してほしい。また、濱海環保局との協力の可能性。処理方法のレベルアップ
199
添付資料 3
について協議してはどうか。
(閉会)
200
添付資料 4
添付資料 4
日本側委員会
議事録
201
添付資料 4
202
添付資料 4
平成 22 年度インフラ・システム輸出促進調査等委託費
自治体間(茨城県-天津市)連携による循環型都市協力推進調査事業
日本側委員会
議事録
1)日時:
2011 年 5 月 23 日(月) 14:00 ~ 16:00
2)開催場所:
つくば市役所 東京事務所 8階
3)目的:
今年度調査事業の概要紹介と廃棄物管理報告制度導入の検討
4)議事進行:
委員長 東京大学名誉教授 山本 良一氏
会議室
5)出席者 :
日本側委員会委員
ご出席
委員長
東京大学名誉教授 山本 良一氏
委員
茨城県企画部
委員
産業技術総合研究所 リサイクル基盤技術研究グループ長
委員
国立環境研究所 国際資源循環研究室長 寺園 淳氏
委員
早稲田大学創造理工学部環境資源工学科 准教授
理事兼科学技術振興監
増子 千勝氏
大木 達也氏
所 千晴氏
ご欠席
委員
日本貿易振興機構 海外調査部上席主任調査研究員
委員
物質・材料研究機構 元素戦略材料センター
元素戦略調査分析統括グループ長
薮内 正樹氏
原田 幸明氏
事務局
株式会社リーテム 中島 彰良、浦出 陽子、柳 絮、杉山 里恵
株式会社三菱化学テクノリサーチ 三輪 泰一郎氏、
オブザーバー
経済産業省産業技術環境局 リサイクル推進課 執行 薫氏、小沼 直樹氏
茨城県企画部
科学技術振興課
203
伊佐間 久氏、野上 周氏
添付資料 4
6)議事 :
時間
内容
14:00
14:00-14:10
開会
-
委員会メンバー紹介と新委員(増子委員)のご挨拶
-
本日の議事紹介、配布資料確認
14:10-14:15 -
14:15-14:35
昨年度調査結果と今年度調査の概要説明
-
廃棄物処理の管理報告制度の試験導入についての
詳細説明
15:45-15:55 -
フォローアップ
16:00
<配布資料(1)~(3)、(5)>
-
意見交換
-
リーテム
浦出
昨年度調査結果と今年度調査の概要説明
15:15-15:45 -
15:55-16:00
山本委員長
-
-
リーテム
杉山
委員長による開会のスピーチ
14:35-14:55
担当
<配布資料(4)>
MCTR
委員
山本委員長
事業全体の今後の予定と、第二回日本側委員会の時
期のお知らせ
リーテム
杉山
閉会
杉山:
本委員会は経済産業省平成 22 年度インフラ・システム輸出促進調査等委託費による自治
体間(茨城県-天津市)連携による循環型都市協力推進調査事業の、第一回目の日本側委
員会です。本日は昨年度の調査結果を踏まえて今年度行う調査事業の概要について事務局
からお話させていただいた後に、今年度事業の内容のひとつとなります、天津における廃
棄物のマニフェスト制度の試験的導入について、委員の皆様のご意見を頂戴したいと考え
ております。
杉山:
本日は事業主である経済産業省 産業技術環境局 リサイクル推進課の執行様と小沼様に
もお越しいただいております。茨城県からは企画部の伊佐間様と野上様にもご参加いただ
いております。
杉山:
昨年度に続きまして今年も事務局は株式会社リーテムと株式会社三菱化学テクノリサー
204
添付資料 4
チさんの 2 社です。今年度もどうぞ宜しくお願いします。
杉山:
昨年度と一昨年度は茨城県を代表して福地理事に委員をしていただきましたが、3 年目の
今年度は増子理事に委員をお願いすることになりました。
増子:
茨城県の増子でございます。福地が 4 月 15 日に退任致しまして、16 日から本職を拝名
致しました。科学技術振興というような仕事は初めてですが、県をあげて一生懸命頑張っ
ていきたいと思います。茨城県はつくばの産総研の方々に特にお世話になっておりまして、
私どもの課では毎日のように産総研にお世話になっているような状況でございます。この
たびの天津との関係も茨城県としては精一杯頑張ってまいりますので、どうぞ宜しくお願
い致します。
杉山:
ありがとうございます。本日は 2 名の委員の、日本貿易振興機構の薮内様と物質材料研
究機構の原田先生はご多忙でご都合がつきませんでしたので、ご欠席です。
山本:
皆様こんにちは。3 月 11 日の大震災で私も大変ショックを受けておりまして、2 万 5,000
人の方が亡くなられて、そしてご存じのように福島第一原発の事故で 14 万人が現住所を奪
われ、職業を奪われて今難民生活を余儀なくされている。大変衝撃的でありまして、一刻
も早く福島原発の収束を目指さなければならないという状況だと思います。この地震およ
び福島原発の事故から、我々はものすごく多くの教訓を学ばなければならないわけであり
まして、特に巨大な地震があり得ると、あるいは巨大な津波もあり得るとか、津波が来れ
ば必ず全電源喪失というような事態もあり得る。全電源が喪失した場合は 8 時間位で格納
容器の底に穴が開くということは、みんな分かっていたにも関わらず、我々はその危機管
理ができなかったということが、非常に私はくやしくて仕方ないと思っています。これは、
我々は他山の石にしなければいません。地震学とか、原子力工学ばかりではなくて、あら
ゆる学問、あらゆる技術において多分同じようなことがあるであろうと感じて、なんとし
てもここで日本人は奮起しなければいけないと今考えているところでございます。もう一
言申し上げると、最初の一か月は国際社会が日本を見る目は非常に同情と、それから我が
国民が非常に規律正しい行動をしているという賞賛の嵐だったわけでありますが、一か月
を過ぎる位からだんだん論調が変わってきてですね、一体日本民族というのはどういう国
民であるのかと、かなり失望とそれから怒りと、何をやっているんだというふうに変わっ
て参りました。このまま日本が思い切った新しい国家ビジョンが打ち出せないようであれ
205
添付資料 4
ば、我々は本当に沈没しかねないと思います。日本の科学技術はいま権威を失い、まさに
威信を喪失しているわけですから、まさにここで頑張らなくてはいけないと考えていると
ころでございます。廃棄物処理についても日本の威信をかけて中国側に日本の技術、また
マネジメントシステムのすばらしさを見せつけなければいけないと思っています。以上で
す。
杉山:
ありがとうございました。では次に昨年度の調査結果の報告と、今年度調査の概要のご
説明に入ります。
浦出:
リーテムの浦出です。宜しくお願い致します。
今年度の事業は 2 本の柱がございます。ひとつは資源や廃棄物の管理のための基本的な
制度として、廃棄物の適正処理、リサイクルを推進するための管理報告制度の試験導入で
すね。実際には日本のマニフェスト制度をベースとした処理フローの管理制度というもの
を想定して、TEDA に合わせた形に設計し直して試験的に導入するものです。TEDA の企
業約 30 社に参加いただいてワークショップを開催し、導入をフォローするという手順です。
あと、茨城県と天津市の環境協力の覚書の中にありました、人材育成の協力につきまして
は、省資源マネジメントに関する技術研修を今年度も継続します。実際に省資源、省エネ
ルギーの管理方法を研修を通して学んでいただくプログラムを考えております。それから
モデル事業とビジネスマッチングですが、汚泥処理施設建設のための実行可能性調査、FS
調査を、今年度も三菱化学テクノリサーチさんにお願いします。詳細はのちほど三輪さん
からご説明いただきます。最後に、リサイクル環境企業のビジネスマッチングです。これ
は茨城県を中心とする日本の企業と、天津 TEDA を中心とする中国企業とのマッチングを
商談会、TEDA 側での商談会と茨城県側での商談会、2 回行うことによって進めていきたい
と考えています。
昨年度のどのような調査結果で今年度の事業内容に決まったのかをご説明します。昨年
度、リーテムはマテリアルフロー調査を実施しました。ベースとなったデータは主として
2007 年に行われた汚染源国勢調査で、工業廃棄物排出量の上位 100 社のうちの 90 社につ
いてマスバランスのデータを取得しました。それから TEDA 地区の、これは推定になりま
すけれども、廃棄物排出総量の約 63%の企業について種類別の数量と処理方法の委託先を
訪問調査しました。その結果、推定の部分もかなりありますが、下のような図でマテリア
ルフローの形になっているというのが見えてきました。中央にある自動車業、自動車産業
につきましては、工業廃棄物排出量 2 位のトヨタさんを中心に、トヨタ通商さんが入って
いまして、かなり金属系のものをリサイクルして、域内で資源循環させています。ただ他
の産業、業界を見ますと、特に大きなリサイクル事業者が無いという状況です。実際には
206
添付資料 4
小規模な回収事業者が 100 社ほどございまして、そこでどのような廃棄物をどういうふう
に処理しているかは追いかけられないというのが TEDA の状況です。危険廃棄物はこのフ
ロー図の中の左から 2 番目の列の、最終処置と書いてあるところに集中しているんですけ
れども、
危険廃棄物はほとんど TEDA にある Veolia と天津市の子会社で処理されています。
処理の方法は焼却、最終埋立、あと物理化学処理になります。こうした結果、TEDA 側の
課題は 3 つございます。ひとつは、工業固体廃棄物に関しては、種類別の数量や処理方法
の行き先が完全には把握できないということです。そのようなことからマニフェスト制度
を導入してみましょうと。そうすることによって処理フローが追いかけられますというこ
とと合わせて、処理事業者や回収事業者に日本の技術なり、設備というものを紹介してい
こうと。2 番目は危険廃棄物に関して、もっとリサイクルを進めることができるんじゃない
かと、これに関しても日本のリサイクル技術を紹介できるのではないかと。3 番目は、排出
事業者の廃棄物削減のための管理レベルが低いとありますが、これは訪問調査の結果、現
場のデータの管理が日本の企業に比べるとかなり不十分であったことからこういった課題
を抽出しています。これも技術研修の方でカバーできればと思っています。こうした課題
から今年度の事業の内容が決まってきております。次に、マニフェスト制度、管理報告制
度の試験導入ですけれども、今日皆さまにお集まりいただいているのが日本側委員会、上
から 2 番目のところになります。TEDA で実際に試験導入するためのマニフェスト制度が
どういうものであるべきかということについてご意見をいただきたく、集まっていただい
ています。具体的には後ろの、見づらいんですけれども、ホワイトボードのところに 3 点、
本日アドバイスいただきたいことを書いております。のちほど意見交換の前にご紹介させ
ていただきたいと思いますが、ひとつは TEDA 側のマニフェスト制度導入の目的が廃棄物
処理フローの管理だけではなくて、処理事業者ですとか、回収事業者をレベルアップした
い、ということがあります。その目的にあった運用方法というのがどういうものか、それ
からマニフェスト制度について定めている法律がございません。日本の廃掃法のようにマ
ニフェスト制度が定められてはいないので、その場合参加企業にどのように積極的に入っ
てきてもらうか、どういうインセンティブを与えるかという、具体的なところですね。も
しお考えがありましたらお聞かせいただきたいと思います。最後は TEDA 側も希望してい
るんですけれども、試験導入から本格導入に結びつけていきたいと、今年の試験導入だけ
では終わらせたくないということがございましたので、そういった来年、再来年に導入し
ていくことに向けてのビジョンといいますか、こうあるべきというのをひとつ日本側から
提案できればと思っております。この 3 点についてご意見をいただけたらと思います。そ
れで、中国側は TEDA 環境保護局の監査チームと TEDA 低炭素センターが窓口となってお
りますが、今回の試験導入に関しては天津市の環保局と天津市の固体廃棄物および有毒化
学品管理センター、それから濱海新区の環保局にもご参加いただくことになっています。
中国側委員会はいま申し上げました 5 つの機関に加えて中国の専門家にも入っていただく
ということで、中国側が今選定しております。7 月の下旬に企業にマニフェスト制度を説明
207
添付資料 4
できるように制度案を作りまして、8 月・9 月で試験的に運用していただいて、10 月に入っ
てからまた先生方にお集まりいただいて、導入の状況についてご意見をいただきたいと考
えております。6 枚目のスライドは、中国側と日本側、茨城県・リーテムと TEDA 低炭素
センター管理委員会とで、どういう役割分担でこのプロジェクトを進めていくかというの
を書いたものです。最後の7ページ、こちらはビジネス交流会、ビジネスマッチングのス
ケジュールを書いてございます。ただ、現在原発の問題がどういうふうになっていくかと
いうところがはっきりと見えてきておりませんので、この中国側をスタディツアーとして
日本側にいつ頃招くかというところをまだ中国側と固めておりませんので、スケジュール
等につきましては今後ご報告することになります。ただ流れとしましては、スタディツア
ーで TEDA から茨城県のほうにきていただいて、視察と同時にセミナーをしていただいて、
茨城県の企業の方に TEDA の状況ですとか、天津市の状況というのを理解していただいた
うえでミッションを組成しまして、茨城県のリサイクル企業のミッションとして TEDA を
訪問するという段取りで考えております。マニフェスト制度に関しましては、先生方の中
には詳しい方もいらっしゃると思うので、細かくは説明しませんが、日本側と中国側のマ
ニフェスト制度を比べられるように資料を用意しています。配布資料 2 のスライドの 2 と 4
を比べていただきますと、中国側はまだ危険廃棄物のマニフェスト制度はありますが、危
険ではない廃棄物に関してはマニフェスト制度はございません。量的には危険廃棄物の 5
倍くらいの量が工業固体廃棄物として排出されているかと思います。見比べていただいて、
流れ的には大きな違いはございません。運用しているのは排出事業者と運搬事業者と処分
事業者で、その制度を決めているのは国の環境省、環境保護局で、各自治体が運用の責任
を持っているという体制になっています。大きな違いですけれども、ひとつ目はまず報告
先ですね。マニフェストを発行したときの報告先としては、排出事業者は排出したところ
にある環境保護局にマニフェストを提出しています。それから処分事業者も受け入れた土
地の管轄の環保局に提出するというところが日本の制度と大きく異なるところです。日本
の場合はすべて排出事業者のほうで控えを揃えて処理が終わったことを確認するような流
れになっています。ふたつ目は、処理が終わりました、という通知がないということです
ね。処理が終わったという通知の代わりといいますか、中国の危険廃棄物マニフェストの
仕組みの処分事業者のところを見ていただきますと、例えば廃棄物を受け入れた日から 10
日以内にマニフェストを排出事業者に戻す、それから受け入れた 2 日以内に受け入れまし
たということを受け入れ地の環保局に報告をするというふうになっています。処理が終わ
りました、という通知はないですね。それから 3 番目は第 3 者機関といいますか、マニフ
ェスト制度の促進を支援する第 3 者的な立場の機関がないということです。日本側の仕組
みを見ていただきますと、運搬事業者と処分事業者の下のところに産業廃棄物協会という
のがございまして、ここがそのマニフェスト伝票の販売を代行したりですとか、制度に関
する問い合わせを受けたり、講演・セミナー等を開催して企業のマニフェスト運用のレベ
ルアップを図っておりますが、こういった行政と企業を結ぶ機関というのが、中国にはな
208
添付資料 4
いという状況です。そして配布資料の 5 に危険廃棄物の移動伝票というのをつけておりま
して、これが中国で使われているものを日本語に訳したものになっています。大きな記載
事項の違いはですね、配布資料 2 のスライド 5 にもまとめておりますけれども、ひとつは
その搬入先とか運搬先に関しては伝票の真ん中の方に搬入地や、経由地、運搬終点、とい
う形で具体的にどの事業者、どこの住所の事業者に渡したかということを記載しなくても
いい構造になっています。それがさきほどご説明した、処理が終わりましたという通知が
ないというところですね。あと処分終了年月日、最終処分を行う場所の名称・住所、最終
処分終了年月日を記載する欄というのは中国側の伝票にはございません。その次の資料は、
日本のマニフェスト管理実務を説明する内容になっています。これは基本的には中国語に
翻訳して、今週 26 日に中国側のまず事務局ですね、天津市と濱海新区と TEDA の事務局
のほうに説明するために用意する予定のものです。まず排出者責任なんですが、日本はマ
ニフェスト制度の仕組みを見ても基本的には排出事業者の方で処理フローを管理して、一
年終わったところで行政のほうに排出事業者が報告するというふうになっています。中国
も排出者責任の原則というのがございます。ただそれが危険廃棄物のマニフェスト制度の
仕組みもそうですし、いまマニフェスト制度がない工業固体廃棄物に関しても十分に徹底
されていない状況なのではないかと思っております。このあたりも 26 日にヒアリングをし
ようと思っているところです。中国側にはマニフェストの流れと、スライドの 11 を見てい
ただきますと排出事業者がやるべきことはどういうことなのか、それから少し飛びまして、
スライドの 18、19 で運搬業者のやるべきこと、それから処分、中間処理業者のやるべきこ
と、それぞれを説明しまして、まず日本のマニフェスト制度について理解を深めていただ
きたいと考えております。あと次の資料に参りまして、日本の原因者負担原則、汚染者負
担原則について説明する資料になっております。こちらも中国側に日本のマニフェスト制
度の位置づけですね、マニフェスト制度だけをフォーカスするのではなくて、廃棄物処理
法の中でマニフェスト制度がどういう役割を担っているのかということ、それからマニフ
ェストに関する・・・
山本:
すみません、経済産業省の方にお聞きしますが、この原因者負担原則というので正しい
ですか。普通我々は汚染者負担原則といっているけれども。
執行:
おそらく汚染者負担原則だと思いますね。
浦出:
もう一度確認致します。
209
添付資料 4
浦出:
では資料に戻りますが、廃棄物処理法の中におけるマニフェスト制度の位置づけとマニ
フェスト法を運用するにあたって、行政側の管理監督の方法といいますか、違反行為や罰
則に関しても説明したいと考えております。茨城県では特に不法投棄に対する対策として
もマニフェスト制度を活用されていまして、特にその不法投棄に関しては行政サイドだけ
ではなくて、市民を巻き込んだ施策を行っています。この茨城県の運用の仕方について
TEDA で応用できそうな施策をいくつかご紹介したいと考えています。資料の 3 ページの、
右上に茨城県の場合、と書かれた資料です。
中島彰良:
間違いないです。寺園先生がいらっしゃるとその辺りをお答えできると思いますよ。
浦出:
26 日の今週の木曜日に天津側と話をするうえで、いま簡単にご説明しましたマニフェス
ト制度の日本側と中国側の違いですとか、こちらのホワイトボードにあるような観点から
ご意見をいただければと思います。
山本:
そうしますと、中国は危険物しかやっていないということは、不法投棄が日常化してい
るということですか。
浦出:
不法投棄を取り締まるだけの担当者の数が環保局にはいないというのが現実ですね。
浦出:
横長の資料の一番最後の 4 ページ目にご参考資料として中国の排出者責任、そしてこの 2
段落目のところに不法投棄の事件があったときにどういうことがあったかを記載していま
すが、ただこの時にどういう罰則が適用されたかというのは調べていないんですけれども。
ここを確認すればどれ位厳しいのかがわかります。
柳:
罰金は基本的には、5 万元とか、3 万元とかです。
浦出:
5 万元だと、約 70 万円ですね。そんなに厳しくない、厳しいですか。
210
添付資料 4
山本:
こういう法律の罰金の額とか懲役刑の長さというのはどういうふうにして決まっている
んですかね。たぶんバランスで決まっているんですしょうね。恣意的ではないと思うんで
すよね。
杉山:
茨城県のホームページには、行政指導を受けた企業の代表者の名前とか住所、電話番号
が全部公開されています。処分を受けた企業は見せしめに公表されて、それを見て他の事
業者がしっかりやるようになるという施策の一つだと思います。
中島彰良:
それは処理法違反でしょう。マニフェストの記載違反ではそこまではならないと思うん
ですよね。
杉山:
どちらも処理法違反ですが、ホームページに名前が載るのは、許可を取り上げられるよ
うなレベルまですね、
中島彰良:
10 万円以上と、謹慎。
山本:
前に、千葉県によその県からいろいろ持ち込むというので、県道をずっと監視していた
とか、ああいう話はもうないんですか。
杉山:
千葉県はかなり厳しくやっているようですけれども、茨城県も廃対課の方にお聞きした
ところ年に 2 度集中してパトロールと路上の一斉検査というのをしているそうです。ちょ
うど来月、年に 2 度、6 月と 11 月だそうで、来月はもう廃対課の方は皆さん総出で県内の
路上で検査をするとおっしゃっていました。
浦出:
以前のように大量の廃棄物が長期間にわたって、というのは最近は起きていないですね。
より目立たない形に、巧妙になってきたということですかね。
211
添付資料 4
山本:
三重県の四日市あたりで見つかったというのはどうなの。
中島彰良:
中国も過去の不法投棄ですと、やはり山林が多いですよね。電子廃棄物にしても山林だ
し、それから違法処理も夜中に山岳地帯でやるということばかりですね。
杉山:
では、そろそろ次の議題に移ります。皆さまにご意見をいただく時間をのちほどとって
ございます。三菱化学テクノリサーチの三輪様から汚泥処理施設建設のための FS 調査につ
いてご説明いただきます。
三輪:
ではお手元の資料の 4 番でございます。三菱化学テクノリサーチの三輪でございます。
昨年度から先生方にご尽力いただきまして、有害廃棄物の適正処理のショートリストとい
うものを作成してまいりました。簡単に経緯をご説明しますと、1.の調査経緯の上の 2010
年度の会計年度の話でが、最初は有害廃棄物をガス化溶融炉で処分しようということで調
査が始まったのですが、実際現地でいろいろ調べた結果対象物はもうすでに適正な焼却設
備があって処理されているということですので、いわゆる有害廃棄物の一部である余剰汚
泥を対象にしようということになり、域内での廃水処理場の現地調査から実際の各立地企
業の大手のところに関する現地調査を行いました。その結果、大体対象汚泥として一日 80
トン位が見込めるという感触を得ましたので、それに対するプロセス検討を行いまして、
ショートリストということでこの前の報告書の最後に説明を挙げましたけれども、4 種類の
プロセスを提示しました。その中で中国の現状に合っているものとしては、最後に汚泥を
燃料化するという処理が一番適切なのではないかと現地に説明したというのが昨年度の結
果でございます。その結果を受けまして、今年度はどこに建設するのか、どういう運営形
式で行うのかというのをまず TEDA 側と詰めまして、そのあと実際に現地調査しまして、
いわゆるモノの受け渡し条件その他を調べ、そこで実際のプラントのプロセスオーナーの
方に FS をしていただいて、また中国側に日本を視察していただき、FS 結果を出します。
来年度に中国側が公募をかけますので、契約に結び付けようということでスタートしてお
ります。この進捗状況に関してはあとでまたご説明致します。
それで、次の 2.に汚泥処理設備の設置イメージについての簡単なポンチ絵を描いており
ます。これは汚泥の処理は単純燃焼とか、あとはバイオプロジェクトでメタンにして発酵
させてガスエンジンに使うとか、いろいろなプロセスがありますが、これはちょうどガス
化と単純焼却の間くらいのプロセスで、どこか廃熱があるプラントのすぐ横に処理設備を
設置しまして汚泥を受け入れ、それを燃料化の段階まで一種の乾燥・成形を致します。そ
212
添付資料 4
れで燃料化された汚泥をすぐ横のプラントにリサイクルしても良いですし、あとは固体燃
料として外販するということを今考えています。例えば日本の例ですと、この前月島さん
が大阪市とやっていますが、大阪市の汚水処理場で汚泥を燃料化しまして、最終的には山
口県の石炭火力のほうに持って行くということを日本ではスタートする予定です。その中
国版をイメージしております。
それで資料をめくっていただきまして、今年の検討結果でございます。今回正式なキッ
クオフの前にリーテムさんと一緒に TEDA のほうに伺いまして、まず感触を探ってまいり
ました。これが 4 月 14 日でございます。TEDA の張軍副主任にご説明した結果わかりまし
たことは、TEDA としての設備に対する直接投資はできないと。それで B to B レベルで進
めていって欲しいというご要望がありました。ただし TEDA は関係ないというのではなく
て、張軍さんはこういう汚泥処理を管轄される立場ですので、実地企業の候補の 2 箇所は
TEDA よりご紹介するといっていただきまして、そのひとつが濱海環保産業で、濱海新区
で二つの大きなゴミ焼却場を建設中のプラントがありますが、その実施会社でございます。
あと熱源ということで TEDA 熱電公司と、この二つを紹介するというお話をいただきまし
た。それで早速低炭素センターの宋さんに動いていただきまして、まず(1)の濱海環保産
業とアポが取れましたので、6 日後の 4 月 20 日に現地で説明をしてまいりました。この会
社は漢沽地区、この下が大港ですが、この漢沽というのは濱海新区の北のほうで、大港は
南のほうです。お互いにたぶん 30、40 キロ離れているかと思いますが、その両方の設備を
この濱海環保産業が、正式に言いますと濱海建設投資集団という国営の投資集団が資金を
出して、プロジェクトの運営を天津濱海環保産業発展有限公司というところが行っている
というプロジェクトです。それでこのプロジェクトの詳細を聞きましたところ、北の方の
漢沽は汚泥処理設備の建設を今年になって着手したということで、これはちょっと入る余
地がないとわかりました。これは 2012 年の完成予定で、工法としては乾燥後のゴミと単純
に混合焼却することを考えています。それで南のほうにあります大港の汚泥処理設備は現
在ちょうど計画作業中なので、これに日本の技術が入れないかということでワークするこ
とになりました。時間的には建設開始を本年度末で一応予定しているとこの場で表明され
ましたので、かなりスピード感のある作業をしなければならないという認識でございます。
その席で前に張軍副主任もおっしゃっていたのですが、漢沽で採用したプロセスに比べて、
その折り返しが一番簡単なのですが、日本の技術を入れようとしたらどういうメリットが
あるかちゃんと見えれば、日本技術採用の可能性があると言っていただきました。あと、
TSK、これは月島ですが、月島の提案はすでにここにされているのですが、この提案は非
常に高すぎて中国の現状に合わないということで、こういう方法ではダメですと言われて
います。詳しいことはわからないのですが、多分時系列的にいきますと月島の提案という
のはさきほど言いました大阪市に出したような形の提案だと思います。100 数十億円という
ことで、確かに中国では無理な値段です。それで我々が持ち帰った結果、環保産業の大港
のプロジェクトをターゲットに進めるということで、日本側のプラントメーカーと打合せ
213
添付資料 4
を行いました。ここには下のターゲットとなっている大港のゴミ焼却の燃焼炉に関しまし
ては日立造船さんが炉を入れているということでしたので、日立造船さんという候補と、
あとさきほどお話した昨年度のショートリスト作成を手伝っていただいた JFE エンジニア
リング、この 2 社に現状を相談に行きました。その結果焼却炉を入れられた日立造船さん
は汚泥の燃料化の技術は持っているんですが、その技術導入のもととの販売テリトリーと
の関係で、すぐ中国に入れるというわけではなく少し時間が要るということで、今年度は
間に合わないということがわかりました。次に JFE エンジニアリングさんと 5 月 11 日に
打合せを行いまして協力依頼をし、17 日に FS に協力するという返事があり、同時に濱海
環保への質問状のリストをいただきました。これを元に明日私どもが急遽天津の濱海環保
に参りまして、今までの経緯説明とその質問事項の説明を行い、取り進めようと思ってい
ます。このデータを元に JFE エンジニアリングさんでは社内でラフな検討を行い、次の多
分 6 月に予定されると思うんですけれども、キックオフミーティングのところで中国側に
プレゼンを行いたいということです。最初は調査というイメージだったんですが、実際は
もう B to B の、ビジネスマッチングに近い形で動いてきているという状況です。
杉山:
ありがとうございました。何かご質問のある方はおいででしょうか。
では皆様方からのご意見を順番に頂戴しきます。ここから先は山本委員長に司会をお渡
しします。
山本:
はい。このホワイトボードの中身を少しご紹介いただけますか。
浦出:
はい。ひとつ目は今年度 TEDA でマニフェスト制度を試験導入しようということになっ
ているのですがその目的として、もちろんひとつは廃棄物処理フロー、今追いかけられな
いフローの部分を、排出後の部分も管理できるように情報を取れるようにしようというこ
となんですけれども、もうひとつは工業固体廃棄物の処理や回収をやっている事業者の育
成やレベルアップを図りたいという TEDA 側の要望があります。そういった目的に合った
運用方法というのが必要になってくると思うんですが、具体的に今どういう方法、運用方
法だけでなくても構わないですが、どういう方法があるかをご意見いただけたらと思いま
す。2 番目ですが、危険廃棄物のマニフェスト制度に関しましては固体廃棄物環境汚染防止
法という法律の中で、危険廃棄物用のマニフェスト制度が定められているんですけれども、
工業固体廃棄物に関するマニフェスト制度は今法律の中で定められていないんですね。そ
のため、企業がこの試験導入のプロジェクトに参加するにあたって、何らかのインセンテ
ィブなり、メリットを用意する必要があると思います。その辺を TEDA 側に提案していき
214
添付資料 4
たいと思っておりまして、良いインセンティブがございましたらご意見をいただきたいと
思います。3 番目に、今年度は試験導入で約 30 社、20-30 社に参加していただいてやって
みるのですが、そのあと本格的に TEDA 地区に導入する場合に TEDA 側の状況に合わせる
とか、危険廃棄物のマニフェスト制度をそのまま使うという、その導入しやすさだけでは
なくて、こうあるべきというようなビジョンも一緒に提案できれば良いのではないかと思
います。あとはそのマニフェスト制度だけではなくて制度を活かすために周りの法律の運
用状況の整理とか監査を、もう少し人を押さえて力を入れるとか、そういった部分も出て
くるかと思うんですが、マニフェスト制度のあるべき姿というのと、あとはマニフェスト
制度を支えるために必要な、マニフェスト制度以外の制度なり法律などについてアドバイ
スをいただけたらと思います。以上です。
山本:
早速ですが、増子委員はいかがでございますか。行政の実務を踏まえて何か。
増子:
マニフェスト制度導入するにあたって日本のものをそのままやるのではなくて、中国の
実情に合わせた形でメリットがあるように取り入れていかなければならないが、どの程度
まで中国の実状も踏まえながらなおかつ廃棄物処理の目的に沿った運用ができるかを議論
したうえでど、どのレベルまで提案できるかが非常に難しいと感じます。マニフェストを
定める法律がない中でやるのは非常に難しいと思います。茨城県のマニフェスト制度もや
はり 100%機能しているかというとなかなか難しいところがあって、監視制度とかいろいろ
な手法を使って業者に運用をお願いしています。かなり成果は上がってきているといいま
してもやはり 100%確実でない中で、こういった状況をどう中国に理解していただくような
レベルの提案ができるのか、以上、私が最初に感じたところです。
山本:
中国のよその場所ではやっていないんですか。例えば江蘇省とか、あるいは広東とか。
杉山:
すみません、調べておきます。
山本:
インセンティブをどう付けるかということですけれども、例えば廃棄物税みたいなもの
があればそういうマニフェストをやる企業は廃棄物税を半分にするとかね。
中島彰良:
215
添付資料 4
資源の中に、日本で言う有価物が入っています。ですから日本のマニフェスト制度より
も、もう少し資源のトレーサビリティという意味では有効性が高くなるというか、そうい
う制度になると思いますね。もし成功すれば。
山本:
大木先生、いかがですか。
大木:
企業側で、物の出入りが可視化することに抵抗を持つ業種があるのではないでしょう
か?
業種間に温度差はありますか。
中島彰良:
ものすごくあるそうですね。ですから例えば 30 社なら 30 社でやってみてモデルを作っ
て、それで上手く行けば、それを広げていくしかない、とそういう言い方を中国側はされ
ていましたね。
大木:
一律同じインセンティブが用意されても、乗って来ない企業と、協力しましょうとい
う企業が出てきてしまうということですよね。
中島彰良:
そういうことだと思います。100 社の中小処理業者があってそこが実際に何をやっている
か把握できていないようなのですが、それらの事業者に当初からインセンティブを用意し
ても、おそらく効果はないと思うんですよね。であるならば、地域の資源の大半を占める
モデル企業をきちんと押さえたうえで、試験ケースを作ろうということだと理解していま
す。
山本:
そのインベントリーを公開してもらえないというのは、例の LCA でいうエネルギーのと
ころ、あれは原価がばれてしまうというところがあるんだけれども、マテリアルはそうで
もないんじゃないですか。マテリアルでもそういうところがありますか。
大木:
あると思います。どんな製品を製造しているか、ある程度中身が見えてしまうことが必
ずあるのではないかと思います。
216
添付資料 4
所:
中国側で既にある危険物のマニフェストがどれ位機能しているのか知りたいです。
浦出:
危険物に関してはまだ全体的なことはこれから聞きに行くのですけれども、担当してい
る TEDA 環保局の徐副局長によると、8 割は使っているけれども 2 割はマニフェストが切
られていないんじゃないかと。ただし 8 と 2 という数字の根拠は不明です。
所:
罰則があるにもかかわらず今 8 割という状況なわけですね。
浦出:
1 年前に FS をやるときに有害廃棄物を対象にしようとしていたのでどんなものがどれ位
出ているのか、マニフェストを見たらすぐわかるので、三菱化学さんと訪問した際に危険
廃棄物のマニフェストを見せてくださいと行政側にお願いしたんですが、整ったものが出
せないとのことでした。
所:
あまり煩雑なシステムにすると機能しなくなるかもしれない。というのが感想です。
浦出:
危険廃棄物に関してもシステマチックに管理されている訳ではないのかなと思います。1
月のワークショップの時にも寺園先生が危険廃棄物に関して何か問題はこれまでになかっ
たですかというような質問をなさったら、この 10 年、一切事件、事故はございませんとい
う答えが返ってきました。突っ込んだ質問をしても、本音が出ないのでなかなか難しいで
すよね、情報を引き出すのは。
山本:
いかがですか。寺園先生。
寺園:
これはなかなか難しい問題で、やっぱり私たち日本側の考えと中国側の考えとまだまだ
距離があるであろうと思います。私たちが考えるメリット、例えばその情報を誰かが的確
に管理することによって効率化が進むこと、さらに廃棄物や有害廃棄物の最小化が進んだ
り、あるいはそのコストの低減が図られるという、比較的美しいシナリオはありえると思
います。しかし、それが中国にとっては一般論としては理解できても、どうやってできる
217
添付資料 4
のか具体的なイメージがまだ持てないんだと思うんです。スムーズにはなかなか行かない
かもしれないがある程度行ったり来たりしながら、何度も試行錯誤を繰り返して比較的理
解ある人を見つけるのがよいのではないでしょうか。こういうケースには適用できるかも
しれないという、成功例を少しでも良いから作って行くしかないのではないかと思います。
浦出:
日中の考え方に距離があるとのことですが、一番距離がありそうなところって、具体的
にはどんなところになるんでしょう。さっき先生がおっしゃったみたいにマテリアルの情
報をオープンにすると何を作っているのかとか、そういうのも全部見えてしまうからとか
その辺り、情報に関する考え方とかでしょうか。
寺園:
そうでしょうね。
山本:
中国はもう循環型社会へ舵を切っているわけですよね。それで色々な法律も整備されて
いて、クリーナープロダクションというか、中国では清潔生産は相当普及しているんでし
ょうか。
浦出:
普及させようとしている。
浦出:
その対象になる企業というのが決まっています。一定レベルの、例えば生産量を超えた
らとか、その対象になった企業にいかにクリーン生産法を守ってもらうかというところが、
行政側のターゲットになっています。
山本:
クリーナープロダクションの普及センターが中国全土に配置されていると思うんですけ
どね。
杉山:
成果を教えて欲しいと聞いてもその辺りの情報は出てこないです。成果があったかどう
かの評価はうやむやになっているのが現状かもしれません。
山本:
218
添付資料 4
学問研究レベあって、実際にそれがまだちゃんと導入されていないという、そういうこ
となんですかね。
杉山:
そうかも知れません。クリーナープロダクションもそうですし、他に色々な新しい施策
を打ち出す度に企業を呼んでワークショップをやったという話を環保局やエコセンターか
ら聞きますが、その後どうなったかという情報はあまり出てこないのです。
山本:
確かに環境報告書の公表はものすごく遅れてますよね。
杉山:
行政側の方針と企業側の現実のギャップがなかなか埋められていないんだと思います。
山本:
TEDA の中の 100 企業とか 200 企業には、例えば日本のエコ白書 21 みたいなね、そう
いう環境マネジメントシステムは導入されているんですか。
杉山:
環境 ISO は大手企業には導入されています。TEDA は中小企業にも広めていこうと取り
組んでいます。
山本:
そうしたら環保局でね、ちゃんとデータを集めているんじゃないですか。
杉山:
実際にはそういったデータは見たことないです。今天津では EU の資金を使って
ISO14001 の取得企業を増やすというプロジェクトを継続しています。
山本:
マニフェスト運用を環境報告と連動させるとかね。マニフェストを運用したら環境マネ
ジメントシステムの認証費用を安くするとか、そういう手段はどうですか。
浦出:
例えば柳が昨年度の調査で 30 社回っていますけれど、30 社訪問して環境報告書をいただ
いたという会社はないです。その開示されたデータを見比べたらわかりますけど、訪問し
219
添付資料 4
ている先はほとんど TEDA で規模の大きい 100 社、排出量の多い 100 社に含まれています
が、日系企業は比較的細かく分類してそれぞれの量がわかっていて、それを開示するとい
う感じです。
山本:
インセンティブの問題ですけれども、ひとつはグリーン購入、中国はもうグリーン購入
法という法律がありますからね、グリーン購入法で環境報告書を出しているとかマニフェ
ストをやっているところは優遇するとかね。グリーン購入法の条件に書き込んでもらうと
かね。それから銀行は環境配慮融資ということを始めているはずですよ中国も。だからそ
の環境配慮融資の際に、融資の利子をちょっと安くしてもらうと。そういうのを提案して
はどうですか。
中島彰良:
それから許可ですよね。処理業の許可とか、そういったものと連動させるともっといい
んじゃないでしょうか。
中島彰良:
というのは、今から 15 年前の中国の処理業者と、10 年位前に工場の整備とか雇っている
人たちに対する待遇の改善という法律ができて、5 年前にはもう一掃されて見事に変わりま
した。許可制度とマニフェストがうまく結び付くとあっという間に中国でマニフェストは
広がると思うんです。
山本:
茨城県は何か優遇制度みたいなものはやられているんですか。
増子:
グリーン購入の中で入札の資格要件としてやっぱりそういうところを優先的に指名の要
件に入れるとかですね、積極的に導入していますから、そこはやっぱり差別して指名の差
を付けているようなことはやっております。
伊佐間:
あとはやはり中小企業向けに低利で省エネの装置を入れたり、太陽光発電のシステムを
入れる場合は低利融資をしています。それは茨城県公害防止協会が県からの委託を受けて
やっております。銀行さんに対して手続きしています。
所:
220
添付資料 4
不法投棄側の対策というのはマニフェスト導入と一緒に最初から提案しないのですか。
増子:
僕もその件ちょっと気になっています。人がそんなに割けないという説明がさっきあり
ましたが、費用対効果の問題で、廃棄物に対して監督や処分の面に人件費を十分に充てら
れないような状況下で、本当に実効性が出てくるのか、ちょっと気になります。
中島彰良:
すみません、さっき許可と組み合わせるのがどうして効果があるかといいますと、輸入
許可、処理の許可にいろいろなモノが絡んでしまうと、やらないと次の年の許可が下りな
いものですから非常に効果がありますね。その中で罰則規定が入るのであれば上手く進む
と思うんです。
所:
そうなるとマニフェストをやらなければいけなくなるということですね。
増子:
初歩的な質問をしていいですか。許可というのは営業許可ということですよね?中国は
それについては厳格に運用されていると理解していいんですか。
中島彰良:
はい、非常に厳格ですね。許可も今はいろいろあります。中国では処理業の許可、家電
も含めてですけれども、資源の輸入許可、輸入の引き受け許可、などに分かれているんで
す。基本的には環境保護局等が窓口になります。
山本:
今回のマニフェスト制度の提案というのは、いつ頃実施するのですか。
浦出:
7 月初めに一度こちら側から提案をし、中国側の意見を出していただいて、7 月の下旬ま
でに今回の試験導入用の最終案を決めるという計画です。7 月下旬に説明をして、8 月、9
月でやっていただくことを考えています。
山本:
リーテムさんが向こうに行かれて実際に指導するわけですか。
浦出:
221
添付資料 4
7 月下旬にワークショップを開いて 8 月、9 月は企業を訪問する形でやります。あとはエ
コセンターの方にも問い合わせ窓口を置いていただきます。
大木:
相当のインセンティブがないと動かないのであれば、銀行の金利の優遇はすごく効果が
あると思いますが、TEDA 政府がそこまでの強制力をお持ちなのでしょうか。こちら側が
いくつか候補案を上げるのだと思いますが、費用対効果も踏まえ、実際に中国側が実行可
能なものが制限されてしまう可能性があると思います。その制約の中で、企業側の動機付
けとなるハードルを越えられるかどうかというのが要ではないかと思います。許可制度と
リンクさせるとなると法律になるということですよね。その方が確実かと思います。
中島彰良:
一番締め付けが楽なのはそこだと思いますね、過去の経験からすると。
増子:
中国で今規定があるのは危険物ですよね。
廃棄物の範囲をそれ以外まで広げるのは難
しいという気はします。どこまでの範囲で提案していくのかが気になります。
浦出:
今回は、一社に対して固体廃棄物全部についてマニフェストを切って下さいと言うと、
かなり事務負担も増えるので、例えばそのあなたの会社では廃プラ、廃油についてまずや
ってみて下さいとか、廃棄物の種類も絞りこんで運用していただこうかと考えています。
そうするとその廃棄物を排出する時だけマニフェストを切って、運搬事業者と処理事業者
にマニフェストを流してみるということになります。
運搬事業者と処理事業者にも今回のプロジェクトに入っていただくことが前提です。
大木:
ご存じでしたら教えていただきたいんですけれども、TEDA 政府が締め付けをすること
によって、企業側が他の地域に逃げてしまうというような危機感はないでしょうか。それ
とも TEDA に立地していることは企業にとって非常にメリットがあるから、そういった心
配はないのでしょうか。
中島彰良:
TEDA の工業団地には大手の外資企業をかなり誘致できましたので、地元の中小企業を
逆に淘汰したいような雰囲気を感じます。過去の中国の工業団地を見ましても、許可を厳
しくしたりすることによって淘汰を図って、全体の質を上げるということを、廃棄物業界
222
添付資料 4
においては過去にやってきております。でマニフェストもとりあえずトライしてみてそれ
で中国で一番最初にやることに意義があると考えているようです。
大木:
ついて来られない企業は仕方ない、と言うくらいの気持ちがおありだと言うことですね。
中島彰良:
はい、そんな感じがします。実際 TEDA の開発自体も何区画かやっていますが、現在の
工業団地になる前から旧工業地帯に商業、工業が点在していましたけど、新しいゾーニン
グだからと、退去させたりしてるそうなので、変えていくつもりだと思います。
寺園:
はい、さっきと同じようなことになりますが、TEDA 管理委員会にしても、その個々の
企業にしてもそうですが、メリットが感じられるようなことを我々のほうである程度のと
ころまでお手伝いをする必要があると思います。私自身も日本の成功例って、果たしてち
ゃんと説明しろと言われたら結構難しいんです。しかしながら例えば TEDA の中の家電リ
サイクルにしても自動車リサイクルにしても、どこかエリアをとってケーススタディとし
てやってもいいかもしれませんし、マニフェストでモノのフローを測ることによって、リ
サイクル率がしっかり計算できましたと、それが昨年までに比べて今年はどれくらいアッ
プしましたというのが実績としてちゃんと示すことができますとかでもいいでしょう。そ
の比較対象として他の都市とか他の地区では廃棄物は多いけれども、TEDA ではこうです
とか、示せるかもしれません。また他地域ではそもそもデータがなかったりしますが、
「TEDA が中国のトップランナーです。
」などというような彼らが誇らしく言えるような内
容を想像して提案するのが良いと思います。こういうデータの集め方をしたらこういうこ
とが出来ますみたいなメニューをある程度見せるというところまで、私たちのほうも色々
想像をふくらませて進めるのがいいのかもしれない。また、ごく限られたごく一部の例で
あるかもしれませんけれど、方向的にはさきほど山本先生が言われたようなデータ付きの
環境報告書を作るという、中国の中でも多分これから注目を浴びるのは間違いないことを
他所よりも早くできるようにしておいた方がいいよと薦めることでしょう。それが出来た
企業や、出来た工業地区が中国で全体をリードできることを説得してはどうかと思います。
山本:
経済産業省さんはいかがですか。何かご意見がございましたらお願いします。
執行:
今年度の事業は、昨年度はマテリアルフロー調査ということでリーテムさんにかなりご
223
添付資料 4
苦労いただいたところですが、その中 TEDA のある程度大手の企業でも十分に廃棄物が管
理できていないという現状がわかって、まずはその管理、中国での廃棄物管理というとこ
ろから、足掛りとなるような、モデルとなるようなケースを天津と茨城県の協力事業の中
で作りたいためにこの廃棄物の管理報告制度の導入を考えております。マニフェスト制度
は日本では廃掃法でしっかり法的根拠があって強制力を持った形で運用しておりますが、
中国においてまず TEDA で広い範囲でやるっていうのはまず無理でしょうから、こじんま
りとした形でも結構なので、優良企業数社がマニフェスト制度をまわしていくと考えてい
ます。それは③番に関係してくるんですけれども、TEDA でモデルケースとしてやってい
ますというのを今年は北京で日中省エネ環境フォーラムがありますので、そういった場で
中央政府にアピールをしていくことで将来的な中国での法制化につなげることができない
かというイメージで取り組んでいるところでございます。その中でやはりいろいろ皆様か
らご意見をいただいた②番のインセンティブのところが気になる所ですが、これについて
は先ほどご意見がありましたように融資面での優遇だとか、あとは企業の良心というか、
企業に働きかけるような説明だとか、工夫しながら、TEDA 側もしっかり考えていかなき
ゃいけない部分だと思います。今後リーテムさんが TEDA と交渉するにあたってある程度
の案を持ちながら TEDA 側がこのインセンティブについてどう考えるのかというのを、
TEDA に提案してもらい進めていくことができればと思っております。
三輪:
皆様にいまディスカッションしていただいたマニフェストに関しましては、私どもは親
会社が三菱化学でございますから、そういう意味ではすごく大きなバルコニーを介しての
マニフェストとか、運用とか、中国では 30 数カ所オペレーションしていますので、やらせ
ていただいています。それで出てくるものはほとんど危険廃棄物ですから、この範疇内な
んですが、ひと言で言って日系企業はまじめにやっているというのは確かですね。中国企
業の場合はいかに向こうにメリットがあるかを見せて、彼らがメリットを認めればすぐ導
入されます。足は日本人より早いですから、さっと決められたらさっと行きますからいか
に魅力的に見せるかというのを天津側と相談する必要があるんじゃないかなと思ったとこ
ろです。
山本:
この日本国内の中のマニフェスト制度で一番うまく進んでいる業界・業種とか、あるい
は都道府県なんていうのは、そういう成功事例はすぐにわかるんですか。
杉山:
マニフェストを正しく適正に運用しているかどうかの判断というのは、実際のところは
年に一回の排出事業者等からの報告書の提出を受けるといます。でもヒアリングによると
224
添付資料 4
法律で決められたとおりに記載されて制度が進んでいるかどうかを、厖大な量で集まって
くる報告書を分析・検証するということは、実際のところ難しくてできないというのが今
の現状のようです。
杉山:
茨城県がやっているように路上で抜き打ち検査をして、本当はマニフェストを携行して
いなければならないのに持っていないじゃない、というように現場を押さえて初めて制度
が上手くいっているかいないかが、その一端がわかるというところです。
増子:
茨城県のマニフェストですが、多い企業になるとやっぱり保管するだけで相当量が溜ま
ってしまいます。
所:
紙ベースではもちろんないですよね。電子化されていますか。
増子:
両方運用していますが、多いところは電子化もできるようになっています。で、紙ベー
スでいくと大変溜まってしまいます。
所:
紙ベースの方がまだ多いんですか。
伊佐間:
運搬の場合は結局処理しながらの管理ベースになってしまうので。運搬の時に打ち出し
て、業者の人が車の中で所持しているようになっているので、それで紙ベースがやはり 9
割ぐらいです。
所:
やっぱり今回 TEDA でも紙ベースで導入ということになるわけですか。紙ベースのもの
っていうのではデータとして有用なものに活用するなんてなかなか難しいですよね。
浦出:
そうですね。でも将来的にはやはり電子マニフェストを考えています。
伊佐間:
225
添付資料 4
茨城県の地場企業でエジソンという会社がそういう電子手段のソフトを持っていて、そ
れで売り込んでいるんですが、それでもまだまだ普及はしていないし、で、せっかく入れ
ても運搬業者とか立ち入りの時に必要なのでやっぱりみんなプリントアウトして持って行
くという話を聞いています。
山本:
マニフェスト制度のパフォーマンスをきちんと評価しないと、定量的に説得できません
ね。これはものすごくいい研究テーマです。
所:電子機器を配って全部電子化する位の何かがあるといいですね。紙ではデータとして
ハンドリングできないですよね。
増子:
日本だってこれを 100%正しく書いているかどうか、ひとつひとつ細かい検証ができるか
どうか、なかなか難しいところですから。日本人の場合にはただ問題が起こったときにこ
れに基づいて最終的には証明責任まで追及されますから、その意味では逆に担保になって
いるんですけど、中国の場合にどこまでそれが担保できるだろうかというのは私の感想で
す。
寺園:
電子マニフェストにも長い歴史はあります。もう 20 年近く前の頃は電子マニフェストを
やろうとしても、処理業者はパソコンなんて持っているところは少ないので難しいと言っ
ていたのですが、そんなことをしている間に韓国はもう電子マニフェストを全面導入して
います。ですから中国が本気でマニフェストを学びたいと思ったら韓国の方に興味を持つ
んじゃないかなと思います。
大木:
今おっしゃっておられる電子化というのは IC タグというレベルではなくて、バーコード
とか、そういう話ですか。
寺園:
たぶんそうだと思いますね。とにかく記録は電子的に残っているということで。
大木:
そうでないと。せっかくこれから導入するのですからいいルールを決めても、みんなや
っている素振りをすればいい、というルールになってしまうと非常にもったいないなあと
226
添付資料 4
いう気がします。
三輪:
例として適当かわかりませんが、一昨年、シンガポール資本のベイシャンという、電子
廃棄物や有害廃棄物を処理している会社がありました。彼らはシンガポール人ですから最
初から電子化で、トレーサビリティを謳ってユーザーにキーを渡しておいてユーザーはそ
このサイトに行ってパスワードを入れたら自分のがどうなっているとか全部わかり、最終
埋立地までわかるというシステムを売り込んでいました。実際にそれを運営しているので、
当然中国人の方もやる気だったらやれるんですよ。ただそのコストをどうするかというこ
とです。その会社は結局 IC なんかも回収していますから、そこで金とかを回収しているん
ですね。リチウム電池なんかも回収してますので十分利幅が取れるんです。そのシステム
をアメリカにも売り込んでいます。アメリカのユーザーに対しては自分たちはコントロー
ル、国とはインディペンダントにこういうトレーサビリティがあるのは自分のインナーサ
ークルとしてのマニフェストが排出者から最後まで作っているからと宣伝して、アメリカ
に売り込んでいますよね、リサイクルの場合も。そういう風にお金になるっていう格好に
すれば動くのではないかと思います。
増子:
やっぱりインセンティブをつけるっていうのは非常に大事なことだと思います。30 社位
選ぶとすると、選ばれた企業としてちゃんとやっているところを証明して次の年はちゃん
と優遇だとか、モデル企業であることを広く紹介して、モチベーションを煽っていくよう
なことも必要だと思います。
浦出:
参加した企業を表彰するとか、そういうことですね?
増子:
経済的なメリットがちゃんと生まれるような流れにしておく。しかし日本企業ばかり選
んじゃうと問題あるでしょうから多少混ぜる必要もあるでしょうけど。
山本:
確かにマニフェスト制度参加企業というだけで箔がつくようなね。中国の場合だと賞状
が貰えるでしょう。ああいうセレモニーが必要かもしれませんね。
執行:
まあそうですねえ‥。そういうお墨付きを与えるみたいなものも、ひとつインセンティ
227
添付資料 4
ブの形なのかなあとは思いますが。
増子:
あとは相手方の政府がどう考えるかですよね。中国側政府のほうが受け止めてやってい
こうという意向はあるのかどうか、我々が日本で議論しているだけではいけないと感じま
す。国策として進めていく以上は何らかの形でモデルで成功事例を作ってインセンティブ
を与えて後から付いて行くというような進め方が中国に合うのかと思います。
一同:
どうもありがとうございました。
閉会
228
添付資料 5
添付資料 5
TEDA エコセンター&環保局との会議
229
議事抄録
添付資料 5
230
添付資料 5
平成 22 年度インフラ・システム輸出促進調査等委託費
自治体間(茨城県-天津市)連携による循環型都市協力推進調査事業
TEDA エコセンター&環保局との会議
議事抄録
1)日時: 平成 23 年 5 月 26 日(木)13:30~16:00
2)場所: TEDA 管理委員会
会議室
3)参加者:
中国側
天津市固体廃棄物及び有毒化学品管理センター 劉氏
天津濱海新区環境保護及び市容管理局 李氏
天津経済技術開発区管理委員会
環境保護局長 呉国華氏
天津経済技術開発区管理委員会
環境保護副局長 徐修春氏
天津経済技術開発区管理委員会
環境保護局監査チーム
王鈺氏
天津泰達低炭素経済促進センター主任 宋雨燕氏
天津泰達低炭素経済促進センター
朱宣氏
天津泰達低炭素経済促進センター
胡若丝氏(通訳)
日本側
株式会社リーテム 中島彰良、浦出陽子、柳絮
4)議事要約:
1.日本側委員会の結果についての報告
2.日本のマニフェスト制度の運用についての説明
3.協議・確認事項
■管理制度(マニフェスト)の導入等について
TEDA 環境保護局
呉氏
・中国の廃棄物は危険廃棄物と工業固体廃棄物の 2 種類に分けられる。危険廃棄物は国家
の法律に従って、厳しく管理し、マニフェストを運用している。工業固体廃棄物につい
ては、マニフェストの法律がない。このため政府は試験導入のプロジェクトに企業を強
制的に参加させることができない。また、運用方法が複雑であれば、企業に負担をかけ
るので、導入する際に、中国の国情に合った制度を作ることが重要だ。試験導入は中国
の危険廃棄物マニフェストと同レベル、或いはもっと簡単にしたい。
危険廃棄物は国家法律がある、ちゃんと運用できている、既存の法律と違う方法で運用
ができないので、試験導入の対象廃棄物は工業固体廃棄物となる。
231
添付資料 5
・TEDA 開発区内の 20 社、自発的に参加する企業を招集して試験導入したい。ここから始
めて、その後天津市、全国に広げていきたい。
(劉氏追加:
中国はマニフェスト制度を導入以来、10 年以上の運用によって、良い状
況になってきた。これから国は工業固体廃棄物を厳しく管理していく意向がある、まだ
いい方法がないので、我々は提案することが可能だ)。
・廃棄物の分類は基本的に中国の分類を参考して、決める、あまり複雑しない方がいい。
工業固体廃棄物の発生量が多いので、マニフェストの交付頻度について、月次集計し、1
回/月交付、12 回/年交付。可能かどうかは意見をいただいきたい。今年度の短期な試
験導入は頻度を上げても良い。
・中国では廃棄物の回収利用率が高いと思うが、資源化効率がまだ高くないことと、安全
面に問題がある。中国は日本と違って、小規模の専門ではない処理事業者多い。リサイ
クル効率が低く、適正処理されていないのが現状だ。このプロジェクトを通じて、日本
の先進的な制度やノウハウを導入し、中国の処理事業者のレベルアップをしたい。つま
りリサイクル効率が高め、適正処理することは主な目的だ。これは排出企業も関心のあ
ることだ。企業はこの管理制度に参加すると、管理コストや人員が増加するが、リサイ
クル率を高めることによって、経済面のメリットと、排出した廃棄物が適正処理される
ことを管理できる。企業が積極的に参加すると思う。
・参加する企業を指導するために、簡単なパンフレットやマニュアルを作成した方がいい。
リーテム 浦出
・試験導入に参加する 20 社のうち、処理事業者の参加も重要だが、TEDA 側はどう考えて
いるのか?
TEDA 環境保護局
呉氏
・まだいい案がないが、個人の考えでは、中国の工業固体廃棄物の処理業者や収集運搬業
者は数が多い上、レベルも高くない、管理するのが難しい。排出企業が廃棄物を委託処
理する時、運搬業者や処理業者にマニフェスト等の運用を要求する、協力してくれない
業者との取引を中止するというやり方の方がいいと考える。行政は排出事業者に優良な
処理業者、運搬業者を紹介する。例えば、合佳威雅公司、泰鼎公司、仏強公司等(前者 2
社は危険廃棄物処理業者だが、工業固体廃棄物も処理する)。
リーテム 中島
・リーテムが合佳威立雅を訪問した時、担当者が管理制度を導入する際、排出量が多いも
の、例えば、汚泥、電線を選択して、少ない種類で実験的に運用した方がいいという意
見があった。汚泥、電線だけじゃなくで、逆に今後技術が必要なものを対象とすること
は考えられないか。要するに、今は量が少ないかもしれないが、技術導入することによ
232
添付資料 5
って、よりリサイクル、資源化される、より有効に使えるようなものがあれば、そうい
うものもやった方がいいのではないか。
TEDA 環境保護局
呉氏
・それもいい考えだ。品目について、日本の先進技術がわからないので、逆に日本の先進
技術を紹介して欲しい、それから TEDA の企業とビジネスマッチングする。
TEDA 低炭素経済促進センター
朱宣氏
・マニフェスト制度を導入するメリットがある。企業の社会責任と環境責任を高めること
ができる。管理制度の導入によって、適正な運用や処理を行うことができる。また、政
府は廃棄物の流れを把握ができ、廃棄物を管理しやすくなる。
・課題は、廃棄物の種類が非常に多く、発生量も多いことだ。例えば、発生量が多く、毎
日搬出する必要がある場合、搬出毎にマニフェストを交付するのは、企業に大きな負担
をかける。交付する頻度は少なくできないのか。
天津市固体廃棄物及び有毒化学品管理センター 劉氏
・工業固体廃棄物について、TEDA で管理制度を導入するのはいいことだ。
・導入に当たっての困難点は、①工業固体廃棄物のマニフェスト制度の法律がない、企業
の参加は強制できない。②利用可能(価物がある)なものはほとんど利用されている、
困っているのは価値がない廃棄物をどう処理、リサイクルするか。
(個人の意見はマニフ
ェスト制度の導入自体はそれほど難しくないが、難しいのは価値がない廃棄物の処理、
リサイクル。
)
・管理制度は、まず自発的に参加希望する、一定規模以上の企業に試験導入する。
・TEDA で制度を導入する際、廃棄物の品目分類、品目の選定は慎重にやらないと、今後
の運用に影響する。以前国が発表した目録があり、28 種類の固体廃棄物を分類されてい
る(価値がない、リサイクルできないものも含まれているので)、それも参考にした方が
いい。
・個人の意見だが、中国は利用できていない工業固体廃棄物については、新しい技術や処
理方法によって、資源化する必要がある。最終処分の量を減らすことが最終目標である。
・天津市固体廃棄物処理センターは日本の住友商事と廃棄物のマッチングのプロジェクト
をやっている。このプロジェクトと情報共有し、環境保護を促進していきたい。
■企業に対するインセンティブ
TEDA 環境保護局
呉氏
・TEDA 開発区は省エネ環境保護の規制を設けている、そのうち開発区内企業を対象とす
る「エコ認定制度」がある、認定取得した企業に最高 3 年間 3 万元、つまり 1 万元/年
233
添付資料 5
×3 年の奨励金を支給する。試験導入プロジェクトにこの制度を盛り込んで、20 社参加
してもらって、優秀な企業をエコ認定し、奨励金を支給する。20 社は大規模な企業を中
心に選定する。そのような企業は環境意識が高く、社会責任を持つ上、更にこのエコ認
定制度があれば、試験導入はうまくできると思う。
■その他
リーテム 中島
・金属系廃棄物と電子廃棄物の処理方法はどうなっているのか?
TEDA 低炭素経済促進センター
朱宣氏
① 金属系廃棄物
処理方法は大きく 2 種類に分けられる。①物資回収公司が買取りして、リサイクル業
者に売却する、②排出企業とリサイクル企業が直接取引関係を作り、買取する。例えば、
自動車業は企業間のサプライチェーンにおいて再資源化している。鉄くずは虹岡公司に
より鋼材を製造する、廃アルミは豊通科技有限公司により再生アルミを製造する、再生
製品はまた製造業者により利用される、という循環型リサイクルシステムができている。
課題は、金属系廃棄物を回収する業者が非常に多いが、回収された金属系廃棄物は
TEDA 周辺の地区に流出し、物量が分散されていることにどう対応するかだ。
② 電子廃棄物
ほとんど泰鼎公司が回収、手解体されている。解体後の産物は種類別に売却、処理委
託する。また、自社が貴金属の抽出を行っている。
TEDA 低炭素経済促進センター
・中国側委員
継続 5 名:委員長朱坦、鄭偉銘、張軍、陳冠益、盧学強
変更 1 名:王燕萍(天津市環境保護局副局長
固体廃棄物管理担当)
追加 2 名:Qiao Qi(中国環境科学院清潔生産及び循環センター主任
循環経済及び廃棄物の資源循環に関する専門家)
周紅梅(国家環境保護部 政策研究センター
中日協力及び中国の政策や体制の構築に関する専門家)
・キックオフミーティング開催日程:7 月の 5、6、7 に開催するよう調整している。
リーテム
・キックオフミーティングに参加するメンバー
日本側
234
添付資料 5
経済産業省:1 名(調整中)
茨城県:2~3 名
リーテムと三菱化学
計:10 数名
中国側
中国側委員:8 名
濱海新区環境保護局の専門家、天津市固体廃棄物及び有毒化学品管理センターの劉氏
TEDA 低炭素経済促進センター
企業の代表(理由:今年度のプロジェクトは企業と密接な関係があるので、最初から
プロジェクトの内容を把握してもらいたい。)
(閉会)
235
添付資料 5
236
添付資料 6
添付資料 6
キックオフ会議
議事録
237
添付資料 6
238
添付資料 6
平成 22 年度インフラ・システム輸出促進調査等委託費
自治体間(茨城県-天津市)連携による循環型都市協力推進調査事業
キックオフ会議
議事録
1)日時:
2011 年 7 月 6 日(水)
14:00 ~ 16:00
2)開催場所:
天津泰達経済技術開発区管理委員会
3)目的:
今年度調査事業の概要説明
508 会議室
4)出席者 :
日本側
茨城県企画部
理事兼科学技術振興監
茨城県生活環境部廃棄物対策課
増子 千勝氏
河原井
淳氏
株式会社リーテム 中島彰良、浦出陽子、柳絮、王忠明
株式会社三菱化学テクノリサーチ
三輪 泰一郎、孫暁紅
中国側
天津経済技術開発区管理委員会 副主任 張軍氏
天津経済技術開発区管理委員会環境保護局長 呉国華氏
天津経済技術開発区管理委員会環境保護局副局長 徐修春氏
天津泰達低炭素経済促進センター主任 宋雨燕氏、胡若丝氏
濱海環保産業発展有限公司 運営管理部長
王氏
※通訳者 鄭瑾氏
5)議事 :
時間
内容
担当
14:00-14:10
開会の挨拶&参加者の紹介
14:10-14:20
中国側代表の挨拶
張軍氏
14:20-14:30
日本側代表の挨拶
増子千勝氏
14:30-14:50
14:50-15:00
呉国華氏
今年度事業の全体像の説明
リーテム&三菱化学テクノリサーチ
天津開発区の廃棄物管理状況と
今年度事業の取り組みについて
239
事務局
徐修春氏
添付資料 6
15:00-15:20
意見交換
参加者
15:20-15:25
中国側 閉会のスピーチ
張軍氏
15:25-15:30
記念撮影
参加者
15:30
閉会
呉国華:
まず中国側代表張軍副主任よりご挨拶をいただきます。
張軍:
2011 年から 2012 年にかけて、日本経済産業省の委託事業、茨城県-天津市の連携により
循環型都市調査研究事業が開催され、天津および茨城の両地域の協力が引き続き順調に進
んでいることに我々は感動しています。去年の、つまり 2010 年の 3 月 23 日に天津 TEDA
低炭素経済促進センターが設立されました。低炭素センターが設立されて以来、1 年間のう
ちに EU 経済産業共生プロジェクト、天津市・茨城県の協力事業を実施するほかに、豊田
通商の再生水、水版のスマートグリッド協力事業、東芝・みずほの環境保全都市の協力事
業、フランスの炭素計算のプロジェクトなど、たくさんの国際協力事業を担当しておりま
す。また過去の一年間で低炭素センターは建築の省エネルギー、工業の省エネルギー、汚
水処理などたくさんの分野においてビジネスマッチング会議を開催しました。TEDA は全
国において循環型経済モデル園区として引き続き資源の相互利用、廃棄物のゼロ排出を目
指すために努力しております。2003 年から 2005 年の中国・ヨーロッパ環境管理協力計画、
天津開発区固体廃棄物持続的可能な管理モデル事業、及び 2010 年に開始した EU 経済産業
共生プロジェクト、また 2008 年から 2010 年にかけて天津市・茨城県環境保全協力プロジ
ェクトのベースの上で、TEDA が工業園区において廃棄物の分類調査研究、工業廃棄物の
排出リサイクル及び処理に関して研究しております。また廃棄物の資源循環システムに対
して最初の調査事業を展開しました。TEDA は有害廃棄物についてはちゃんとマニフェス
ト制度を実施し、有害廃棄物は基本的に資格のある処理会社に処理されています。しかし
その一方で工業一般廃棄物について主に市場に頼り調整し、政府側は廃棄物の年度報告お
よび環境統計により企業の廃棄物の情報を把握しております。工業廃棄物の排出、運搬、
保管、処理および処置の情報について政府側が把握できないし、また企業にとって工業一
般廃棄物はそのまま勝手に処理して廃棄物の流れが分散して、それで工業一般廃棄物につ
いて、勝手に処理して環境に対して悪い影響を与えました。2011 年 1 月、つまり今年の 1
月に茨城県および株式会社リーテムのおかげで天津市濱海新区および開発区の環境保全の
管理部門および 9 社の企業代表団が日本の茨城県で訪日研修をしました。その訪日研修の
途中で日本側が工業一般廃棄物処理についての流れ、及び管理制度がすばらしいと思い、
そのマニフェスト制度を TEDA に試験的に導入し、また濱海新区、天津市に普及すること
240
添付資料 6
を期待しています。昼の食事会でも話しましたが、このマニフェスト制度について今まで
大量の調査研究をして濱海新区、天津市の主管部門に報告し、また今年の中国側委員会の
中で、中国国家の環境保全部門の方々を招待し、今年の協力プロジェクトを通じて工業一
般廃棄物の有効な管理モデルを作ろうと考えております。経済産業省、茨城県、株式会社
リーテム、三菱化学テクノリサーチの皆様より、このプロジェクトに対する大変な努力お
よび応援をいただき、ありがとうございました。今年のプロジェクトを順調に成功させる
ために一緒にがんばりましょう。ご静聴ありがとうございました。
呉国華:
続きましては増子理事様よりご挨拶をいただきます。
増子千勝:
こんにちは、私は茨城県の増子千勝です。
このたび TEDA におきましてこのような発言の機会を与えていただきありがとうございま
す。また、さる東日本大震災に際しましては、黄興国天津市長をはじめ天津市の皆様には
大変なご心配をおかけしました。そのうえ市長からは茨城県に対しまして心温まる励まし
のメッセージを賜りまして、この席をお借りして厚く御礼申し上げます。さる 3 月 11 日に
発生致しました東日本大震災はマグニチュード 9.0 の大地震と大津波により死者・行方不明
者が現在の時点で 2 万 3,000 人を超えるなど、我が国に想像を絶する莫大な被害をもたら
しました。茨城県におきましてもこの写真にございますように未曾有の大地震や、最大 7.2
メートルに達したといわれております津波によりまして、死者・行方不明者は 25 名、負傷
者は 695 名の人的被害、さらには建物の全壊が 2,052 棟、それから半壊の建物が 1 万 3,823
棟、一部損壊が 12 万 7,544 棟の住宅被害などが生じております。これが津波だったのです
が、2 番でお願いします。現在は同じ場所ですが、水道・電気などのライフラインや道路・
鉄道、公安につきまして、現在確実に普及が進んでいる状況です。また東京電力福島第一
原子力発電所におきましては、地震直後の大津波により重大な事故が発生し、国際原子力
放射線事象評価尺度でもレベル 7 に位置づけられる事態となり、いまだ収束の見通しが立
たない状況にあります。茨城県は福島第一原子力発電所から県都の水戸市で約 131 キロメ
ートル離れており、放射線量も 0.10 マイクロシーベルトと非常に少なく、健康にはまった
く問題のないレベルにあります。次、お願いします。ここにあるのが放射線の人体の影響
の数値なのですが、これから見ても健康に問題があるレベルではありません。しかしこの
事故によりまして放射線や放射性物質による健康被害への不安に加えまして、農産物の出
荷制限や風評災害により農林水産物全般に大きな損害が発生しております。さらには観光
業や製造業をはじめ多くの産業において被害が拡大しております。茨城県といたしまして
は、これまで大気中の放射線量や水道水、農林水産物、農地等の放射性物質測定と速やか
な公表を行いますとともに放射線量や規制値についての正しい理解と県産品の安全性につ
241
添付資料 6
いて PR に努めてきたところであり、茨城県民は現在のところ比較的冷静な行動と生活を行
っております。さらに東日本大震災にともなう原子力発電所の運転停止の影響によりまし
て、電力需要が高まるこれからの夏場にかけて節電対策の強化が急務となっております。
このため計画停電の実施に至ることがないよう、今後県内一斉に節電キャンペーンを展開
いたしまして県民や事業所など、茨城県をあげて節電への取り組みを一層強化してまいり
ます。次に茨城県の環境に対する取り組みについてご説明いたします。地球温暖化の進行
は異常気象の頻発や海面上昇による砂浜の消失など、さまざまな影響をもたらすことが懸
念されております。我が国では温室効果ガスを 2020 年までに 1999 年比で 25%削減する目
標を掲げております。茨城県におきましても本年度の平成 23 年度から 27 年度までの地球
温暖化対策実施計画を策定し、経済成長と両立した取り組みを鋭意進めております。本件
における 2008 年度の温室効果ガス排出量は二酸化炭素に換算いたしまして 5,064 万トン、
1999 年の基準年と比べまして 0.7%増加している状況にございます。これらの中で産業部
門の排出量が全体の 70.3%を占めております。排出割合は全国の 2 倍となっております。
この数字からつくば、鹿島、日立との産業集積による産業部門の構成比が非常に高いこと
が本件の特徴となっております。茨城県では地球温暖化対策を確実に進めるために温室効
果ガス総排出量を 2020 年度までに基準年である 1999 年より 8.5%から 15.2%削減する目
標を掲げ、県をあげて取り組みを進めています。具体的な取り組みと致しましては大規模
事業所からの温室効果ガス排出量は総排出量の 63%を占めておりますことから、事業者に
削減目標や対策を記載した温室効果ガス排出削減計画を策定させまして、その取り組み状
況や排出状況について県が公表することにしております。中小規模の事業所につきまして
は県事業の入札時の優遇や無料省エネルギー診断の実施、資金融資制度の拡充、優良事業
所の検証、等の支援を行うことに加えて、環境マネジメントシステムの認証取得を促進す
る対策を実施しております。さらに大規模な建築物に対しましてはデマンド監視装置の普
及促進を図ることによりまして、効率的な省エネルギーの取り組みを始めております。住
宅については高断熱化や太陽光発電設備の設備促進やこまめな節電など、ハード、ソフト
の両面からエコ住宅の促進を図っております。また電気自動車、ハイブリッド車など次世
代自動車の普及を図るとともにエコドライブの実施も広く呼び掛けております。次にこの
たびの大震災を契機に注目を集めております太陽光発電、風力発電、バイオマス発電等の
再生可能エネルギーの導入につきましても積極的な誘致を進めております。現在国で審議
中の再生可能エネルギーの全量買取制度が導入されますと、技術開発とあいまって近い将
来、一気にこういったものの普及が進むのではないかと思っております。最後に一番大事
なことは、茨城県民一人ひとりが地球温暖化を自分自身の問題として理解と認識を深め、
自主的かつ積極的な活動を実践していくことにあります。このため環境教育、環境学習、
こういったものにも積極的に推進し、そのためのリーダーの育成にも力を入れているとこ
ろです。以上述べてまいりましたように、茨城県は災害からの復旧はもちろんのこと、こ
こに示しております施策体系に基づき、環境に優しい産業づくり、町づくり、ライフスタ
242
添付資料 6
イルづくりに県をあげて取り組んでいるところです。以上で私からの報告を終了させてい
ただきます。このたびの会議が茨城県と天津市の友好関係を促進するとともに、貴市の環
境政策が一層前進する契機となることを願っております。ご静聴ありがとうございました。
呉国華:
それでは続きまして株式会社リーテムより本年度のプロジェクトの概要について紹介して
いただきます。
浦出陽子:
リーテムの浦出です。今年の事業の概要は 5 月にお伺いしたときの打合せでもご説明させ
ていただいたので、簡単に進めたいと思います。今年度の協力事業の柱は 3 本あります。
ひとつ目がマニフェスト制度の試験導入ですね。ふたつ目が汚泥処理施設の FS、3 番目が
茨城県と天津市のビジネス交流です。一番目のマニフェスト制度の試験導入に関しまして
は、TEDA のほうでスケジュールを引き直して下さったと聞いていますので、のちほどそ
れを教えていただけたらと思います。リーテムとしては今までご説明してきたスケジュー
ル、進め方からどういうふうに変更があったかというのをよく理解して帰りたいと思って
います。それから役割分担も 5 月に決めましたけれども、ここから変更があるのかどうか。
リーテムがこの試験導入に関してどういうことができるのかということをきちんと理解し
ておきたいと思っています。あとでご説明いただくときにこの役割分担と進め方の変更と
を明確に教えていただければと思います。一方でマニフェスト制度につきましてはこれま
で何回か会議を重ねまして、あと、宋さんと胡さんと電話会議もして、いろいろ話をして
きたのですけれども、茨城県と天津市のビジネス交流、例えばここのページで行きますと
一番下の資源マネジメントの技術研修ですね、その辺りについてはまだお話をしていない
ので、これからご希望を伺いながらプログラムを決めていきたいと思っています。今リー
テムの側で考えていますのは、12 月頃に研修を茨城県でできたらと思っています。企業の
方を中心に茨城県にお越しいただいて、例えば今年 1 月の訪日研修で行かれました住金マ
ネジメントも省エネの技術研修で、具体的に、実際に機械をいじって省エネの技術を学ぶ
という内容で一日半のコースなのですが、それに参加いただきたいと思っています。茨城
県の日立市やひたちなか市の企業、あと県西の方にある工場で、どのような省資源の取り
組みをしているかということを実際に見学しながら説明を聞いていただくということも考
えています。それから最後に、茨城県の企業と天津市の企業とでビジネスマッチングの会
議もやりたいと思っています。今回の震災でいつ実施するかというのはもう一度皆さんと
ご相談しなければならないと思っています。今考えているのは、10 月頃に TEDA のリサイ
クル関係、もしくは廃棄物の処理事業者に茨城県にきていただき、茨城県ではリサイクル
や先進的な処理技術を持っている企業を視察していただきたいと思っています。反対に茨
城県からは TEDA のほうにリサイクル企業を訪問したいと考えています。この双方でのビ
243
添付資料 6
ジネスマッチング会議をきっかけにして、そこから企業間の交流が深まっていったらいい
と考えています。この 3 つの企業研修、天津市の企業が茨城県に訪問する、茨城県の企業
が天津市に訪問するという 3 つのイベントにつきましてはリーテムのほうで具体的なプロ
グラムを用意しまして、またそれをエコセンターの宋さんとやり取りしていけたらと思い
ます。またご意見がありましたら後の意見交換の時間にご要望をお聞かせいただけたらと
思います。リーテムからは以上です。続きまして、三菱化学の三輪さんからお願いします。
三輪泰一郎:
三菱化学テクノリサーチの三輪です。まず現在の進捗状況ということで今からご説明しま
す。上に上げましたこの図は前回張軍さんにご説明した、今年のプロジェクトの進行項目
です。本日までの間に 4 回中国側と打合せを行いました。最初に張軍さんを含めた打合せ
で、どういう方法で汚泥処理を行っていくかを決めさせていいただいて、そのあと張軍さ
んのご紹介で濱海環保に訪問いたしました。その後日本側の候補企業からの質問状を持っ
て濱海環保と打合せをさせていただいております。それで 6 月 21 日には候補企業のひとつ
である JFE を濱海環保に連れて行って技術的な打合せを行いました。そこでまた問題点が
生じましたので、日本側に帰っていま次の候補会社を探しておりまして、先週の金曜日福
岡県のユニークな技術を持っている企業に訪問してきました。現在の状況といたしまして、
この処理施設としては濱海環保さんの施設で行うということで、今この括弧に囲みました
余剰汚泥の量とか含水量とか廃熱の種類、温度、量を検討して日本側の技術と擦り合わせ
ているところです。現在行った項目としまして、さきほどご説明した処理設備の設置場所
としては濱海環保の大港の施設の方に導入する可能性があるということがわかりました。
それで三菱化学としては候補の会社がいくつかあるのですが、その中で JFE エンジニアリ
ングの施設が横浜とか川崎で実証を行っているので一番向いているのではないかというこ
とで今回もらった技術的な問題点について濱海環保と打合せを行いました。それで 6 月 21
日に JFE エンジニアリングを濱海環保に連れていきましていろいろな技術的問題点の打合
せを行いました。そこではっきりした問題点があります。それで今後どうしようかという
ことを今からご説明します。JFE のプロセスというのは低い温度を扱うこともできますが
一番能率的に運転するには 250 とか 300 度の余熱が必要だということがわかりました。そ
の中でも日本の特別な条件なのかもしれませんが、この温度の水蒸気ですと発電したほう
がお金が儲かるということで、発電に適さない排気ガスを使うのが JFE としては一番いい
のではないかと考えています。しかし王部長と相談させていただいた結果、大港のプロセ
スというのはもう焼却炉、廃熱ボイラー、蒸気タービンの基本設計はもう終わっていると
いうことが判りました。大港のプロセスから出せる廃熱というのは水蒸気で、圧力水 10kg
ゲージの水蒸気が出せるだけであるということが判りました。この条件ですと JFE のプロ
セスというのは能率良く運転することが出来ないということがわかりました。それで我々
は以前から接触しておりました別の会社と、新しく王部長から提示された条件で運転出来
244
添付資料 6
るかどうかという打ち合わせを、先週の金曜に行いました。その会社は JFE みたいに大き
な会社ではないですが小回りが効いてフレキシビリティのある会社で実績として、川崎重
工や三菱電機にも装置を納めている会社です。その会社の技術を簡単に 2~3 分でご説明し
ます。彼らが対象とするのは汚泥だけでなく、水分を含んだスラッジとか、こういうもの
や木など、何でも乾燥させるプロセスを持っています。ここにあるこれが余剰汚泥の乾燥
したものです。これは大型装置を作るまえに条件を出すための実験装置です。これは非常
に特殊な 2 軸のローラータイプです。2 軸の交差螺旋のスクリュー式です。原料をここから
入れまして、このスクリューでこちらに押し出しながら乾燥させるプロセスです。熱とい
たしましてはこのスクリューからの熱、下からのジャケットからの熱、上からのガスの熱
の 3 箇所から加熱します。細かい条件はまた後で報告書の方でご説明いたしますが、これ
が我々の第二の候補のプロセスです。以上が現状でございます。
張軍:
前のページに戻してください。ここの詳細を、どんなものが乾燥出来るのか紹介していた
だけますか。
三輪泰一郎:
わかりました。これは木材です。
孫暁紅:
この乾燥機は「万能乾燥機」と言われています、ほとんどのものが乾燥できます。
張軍:
単に乾燥させるのですか?燃焼ですか?
三輪泰一郎:
燃焼はまた別にもっています。濱海環保さんが乾燥機に必要だったので、乾燥機だけをご
紹介しましたけど、この会社はバイオマスとして燃焼させます。こちらの方は濡れた木材
チップですね。乾いてないもの。それからこの辺は食品の滓です。それからこれは酒の滓
です。でこれが汚泥です。そういう色々なものが乾燥出来る機械です。それからこれは先
ほどお話したスクリューですが、彼らが特許を持っている特殊な螺旋のスクリューです。
以上です。
呉国華:
詳しいご説明どうもありがとうございました。続きましては TEDA 環境保護局の徐副局長
さんから、TEDA の工業廃棄物マニフェスト制度導入についての活動計画を紹介させてい
245
添付資料 6
ただきます。
徐修春:
皆さんこんにちは。これから、このたびの協力事業について TEDA が作成した活動計画を
紹介させていただきます。プロジェクトの話しの前に中日双方に共通の希望があります。
具体的には、TEDA でマニフェスト制度を導入するだけでなく、今年のプロジェクトを
通じて天津市、また濱海新区にも展開することを期待しております。先ほど張軍さんから
お話がありましたように、現在危険廃棄物の管理において TEDA は国内でも先進的です。
しかし工業一般廃棄物についてはそれに関する法律がないことと、また管理制度にも欠け
ている部分があります。今回マニフェスト制度を実施する目標の一つは環境汚染を防止す
ること、二つ目は資源の総合利用率を高めるということが目的です。環境への影響を最小
化すると同時に、工業一般廃棄物の総合利用率の向上を望んでいます。中国のこれまでの
工業一般廃棄物処理現状への対策としては、小さい製紙工場、冶金工場を閉めるのが第一
段階でした。ですから現在は、製紙業界、または冶金業界による、環境への悪い影響はあ
りません。廃紙くず、廃金属による環境汚染は基本的にありません。しかし他の工業一般
廃棄物に関する現状は違います。例えば他の工業一般廃棄物の排出企業や処理企業は価値
の無いものはそのまま捨てて、価値のある廃棄物のみリサイクルしています。でもそのリ
サイクル過程の中に環境に悪い影響があります。彼らはお金儲けをしましたが、環境と社
会に対して悪い影響を与えました。例として、廃プラの処理について簡単に説明します。
例えばこういうプラスチック製のボトルは、使い終わってから造粒にして、それで新しい
ボトルを作ります。しかしその処理過程において環境にどんな影響があるかは保障できま
せん。また、廃油問題も深刻です。また電子製品産業においては違法の海賊版の製品がた
くさん作られています。それにより著作権の問題も生じています。今年度のプロジェクト
は中日双方がお互いに協力して、これらの問題を少しでも解決するために努力しようと考
えています。
それではプロジェクトの活動計画についてお話させていただきます。まずはこのプロジ
ェクトの背景ですが、先ほど張軍さんがおっしゃったように、TEDA は有害廃棄物のマニ
フェスト制度を運用していますが、工業一般廃棄物についてはマニフェスト制度がありま
せん。その代わりに工業一般廃棄物については、政府側は環境統計や排出報告によって企
業の廃棄物の状況を把握することが出来ます。TEDA の工業廃棄物の年間排出量は約 40 万
トン位です。その内 2.3 万トンが危険廃棄物、他の大部分は工業一般廃棄物であり、工業の
残渣汚泥、廃金属、廃包装材などです。今回のプロジェクトの目標としては、先ほど、茨
城県やリーテムが紹介してくださった目標と同様です。今回の日中間の協力プロジェクト
を機会としてマニフェスト制度を TEDA に導入するために、他の仕事も出てきました。今
年のプロジェクトの目標ですが、一番目は、危険廃棄物のマニフェスト制度を参考にして
TEDA に適した工業一般廃棄物のマニフェスト制度を作ることです。二番目は、TEDA 地
246
添付資料 6
域内の廃棄物排出量の多い企業上位 30 社を選出して、その 30 社を対象にマニフェスト制
度の全般的な管理を実施することです。また、試験導入によって、工業一般廃棄物の分類、
収集、管理し、環境保護と資源総合利用のために一番適した廃棄物の処理方法を実践しま
す。それによって廃棄物及び資源の総合利用率を高めます。3 番目には、排出企業とリサイ
クル企業に対して、行政的な管理システム及び優遇政策を作ることです。なお、プロジェ
クトの推進計画については先ほどリーテムから紹介のあった計画とほぼ同じです。同じ部
分についての説明は省略し、異なっている部分を簡単にご説明します。
徐修春:
まずご覧いただいているのは、マニフェスト制度についての指導用のパンフレットと廃棄
物の分類説明書です。制度の導入のためにこの 2 つの資料を用意する必要があると思いま
す。廃棄物をどのように分類して、その後どのように処理したらいいかというのを、きち
んと企業に説明しなければなりません。また廃棄物の保管については中国の法律に規制が
あります。また一番左の一番下にある、企業を対象とした「エコロゴ」の奨励政策を実施
するのも一つの仕事です。中国には工業一般廃棄物に関する法律規制がまだありませんの
で、企業にこういうプロジェクトに参加してもらうには行政的な力を利用し、優遇制度を
企業に提供することが必要です。ですから今回のプロジェクトにおける重要なことは排出
企業、処理企業に対するトレーニングの実施です。プジェクトの参加した企業の中に優秀
な企業があれば、そういった「エコ管理ロゴ」を提供し、その認定をもらった企業がこれ
から別の事業を展開する時に有利となるようにします。その優遇政策の中には資金援助も
考えています。また、エコ管理ロゴの認定をもらえなかった企業は、認定された企業に比
べて将来の事業展開は順調でなくなります。このような計画により、TEDA の廃棄物リサ
イクルをより良く展開することが出来るようになると考えます。
本年度の協力事業に対する協力をお願いした事項が 4 点あります。まずは茨城県の運用
しているマニフェスト制度を参考にして TEDA に適したマニフェスト制度をつくりたいと
いうことです。2 つ目は、茨城県がマニフェスト制度を運用するうえでどのような問題があ
ったかの経験から学ぶことです。3 番目は TEDA で導入したマニフェスト制度を、茨城県
の経験によって修正していただき改善することです。最後の一つは、TEDA 政府、濱海新
区政府、また企業の皆さんが訪日研修に参加させてもらうことです。
以上が我々の活動計画です。ご清聴ありがとうございました。
呉国華:
以上 TEDA 側からの発表でしたが、この後、意見交換の時間にしたいと思います。
中島彰良:
今年は 3 年目ということもあります。マニフェストシステム導入という目標も出来ました
247
添付資料 6
ので、形としてきちんと報告出来るような取組みをしたいです。TEDA 側からのお話にも
ありましたが、今年の実証をきちんとやることが大事だと思います。ですから、8 月中に、
この 30 社に対する説明とトレーニングをし、そして 9 月から数ヶ月間の実証。これらを確
実に実施することが今回の最大のポイントだと思います。茨城県の力を借りながら、企業
への説明、トレーニング、実施の全段階においてリーテムとしても全面的に頑張っていき
ますので、ご要望があればおっしゃっていただきたいと思います。
それから、三菱化学さんのところにつきましても今回の調査事業の取りまとめをリーテ
ムがやりますので、進捗状況を情報共有しながら、実現出来るように努力したいと思いま
す。以上です。
徐修春:
選定した 30 社の企業との間で既に 2 度、会議を持ち、企業側の意見を聞いています。
中島彰良:
企業の意見は如何でしたか?
宋雨燕:
企業は参加の意思はあります。しかし彼らが心配していることは、マニフェストシステム
の導入により、廃棄物を初めから分別して保管し、移動するときにも記録しなければなら
ないため、仕事量が増えるということです。ですので、彼らの負担を増やし過ぎないよう
に、廃棄物の分類の仕方、マニフェスト管理票の作り方、記録の頻度をきちんと決めなけ
ればいけません。現時点までの案では、企業によるマニフェストの記録票を月に一度政府
側に提出させることを考えています。また、7 月中のスケジュールを決めて、企業と連絡を
取り、浦出さんとメールで意見交換をして、企業への負担を減らす努力をします。
中島彰良:
廃棄物を分類することによるメリットをきちんと(企業に)理解してもらえれば、例えば
分類をするとリサイクル率が上がるとか、売却時の売値が上がるとか、色んなメリットが
あるんですね。そういうメリットを理解してもらえれば、分類することの負担は精神的に
は減ると思います。
宋雨燕:
確かに中島社長のおっしゃる通り、どういうメリットがあるのかを企業にちゃんと説明し
なければならないと思います。ですので、先ほど徐さんが紹介くださったエコロゴ認定の
優遇政策を導入して、エコロゴをもらった企業は政府から奨励金がもらえるようにするこ
とを考えています。
248
添付資料 6
中島彰良:
それも良いですね。あとは、今回は実証プロジェクトですから、実証が出来ないと何も始
まらないので、企業の負担が多過ぎるところは何か方法を考えてあげることも大事ですね。
宋雨燕:
TEDA にマニフェスト制度を導入するにあたり、これまで茨城県がマニフェスト導入した
際にどのような苦労や問題があってどのように解決したかというような経験をお聞かせい
ただきたいです。
浦出陽子:
河原井さまは、マニフェスト制度の普及と不法投棄防止、環境汚染の防止の専門家です。
今日のキックオフ会議の中では時間が取れなかったのですが、最初の予定ではこのキック
オフ会議の後に河原井さんを交えて打ち合わせをすることになっていましたように、明日
の午後でも構わないので、お時間をいただけると良いと思います。マニフェスト制度の普
及について茨城県がどのようなことをしているかはもちろんですし、企業側からどういう
質問が茨城県に寄せられているかなどのお話もよくご存知です。
宋雨燕:
それでは明日の午後に詳しく説明していただきます。
三輪泰一郎:
一つ、汚泥処理設備の件で、お願いがあります。今回また新しい会社をご紹介することに
なるのですが、我々としては濱海側がどういうタイムスケジュールで進めていくご予定な
のかを理解出来ていないので、機密もあるでしょうけれど、教えられる範囲で教えていた
だければと思います。
どれぐらいの早さで技術的な打ち合わせをしなくては間に合わな
いかとか、そういう情報が判らないのです。それから低炭素センターの宋さんからもご提
案があったのですけれど、全体のプロジェクトということでなくても、日中の技術協力と
いうことで、プロジェクトの一部だけにでも入れたら良いと思っています。我々としては
天津濱海新区のお役に立つ技術を紹介したいと思いますので、ご協力をお願いいたします。
濱海環保産業発展有限公司 王:
一回目の打ち合わせで、情報の不一致もあって、こちらのパラメータに見合うような条件
ではありませんでした。 具体的には乾燥の条件と 10%~40%という水分の幅、また中期
目標 400 トンの処理、長期目標である 1,000 トンの処理、という条件で詰めていました。
その後、別の会社を紹介してくださいました。
249
また、ゴミ焼却場だけでは将来の汚泥処
添付資料 6
理には間に合わないので、一つのサイクルで熱源を提供できるようなシステムを必要とし
ています。今はとりあえず 200 トン、含水量 90%の汚泥処理のプロジェクトからスタート
する。ということを打ち合わせいたしました。
三輪泰一郎:
我々からの日本の技術の紹介ですが、何月までに紹介したら可能性があるのか具体的なこ
とをお聞かせ願えますか。
濱海環保産業発展有限公司 王:
現在 FS の段階なので、FS の結果が出たら、以後のスケジュールを話し合う段階になる予
定です。今後の課題は 2 つありまして、1 つは投資資金の問題。もう 1 つは運営コストの問
題です。単に金銭的な費用の観点だけでなく、熱量をどれ位確保出来るかという点にも注
目しなければなりません。
三輪泰一郎:
わかりました。ありがとうございます。細かいデータに関しては今回ご紹介する会社にフ
ィードバックしますけども、先ほど申し上げましたように、王さんのところから出る水蒸
気の圧力で十分に運転出来るということは、少なくとも向こうは言っております。
中島彰良:
三輪さん。今期中に契約なり覚書なりまでに持っていくためには、日本側として話をする
リミットはいつまでですか?
三輪泰一郎:
やっぱり秋だと思います。
中島彰良:
秋というのは 9 月?10 月ですか?
三輪泰一郎:
9 月位だと思います。ただ、中国側の希望がありますから。
中島彰良:
こちらの希望を言っておかないと。例えば一ヶ月ずれただけで間に合わなくなりますから、
すごく大事だと思います。ですから 9 月末を目処にしているという話をした方が良いと思
います。
250
添付資料 6
三輪泰一郎:
9 月末位だと思います。
孫暁紅:
出来れば 7 月中に、来週でも企業の方をこちらにお連れして直接お話して、スケジュール
を確認した方がいいですね。
中島彰良:
この会議メンバーとしても、いつ位という認識があった方が良いと思うので、敢えて言い
ました。その辺をつたえておいた方が良いと思いますが、どうでしょうか。
三輪泰一郎:
我々としては今月中に企業の人を連れて来て細かい条件を刷り合わせたいですね。企業と
しても実験してみないと機械が作れないので。ただ、王さんのところはまだ実際の汚泥は
無いはずなので、それをどうするかという打ち合わせから入ることになります。
濱海環保産業発展有限公司 王:
三菱重工とか川崎重工への納入実績がおありとのことですから、データはお持ちではない
のですか?
三輪泰一郎:
日本でのデータはありますが、中国の場合では同じかどうかはわからないです。
濱海環保産業発展有限公司 王:
確かに日本の汚泥の方は有機物質が多いかも知れません。しかしその違いがあっても、熱
のバランスの部分についてはおそらく同じだと思います。
三輪泰一郎:
よくわかりました。具体的には 9 月位までに目処をつけたいなと思っております。
濱海環保産業発展有限公司 王:
FS があがってくれば、時期的な話が出来ます。
呉国華:
汚泥処理についての協力は今がグッドタイミングだと思います。なぜなら濱海環保のニー
ズは大きく、とりあえず 200 トンからスタートして、中期目標は 2,000 トンにもなるから
251
添付資料 6
です。ところで現在天津市から出ている汚泥はほとんど汚水処理場から出ているもので、
他のところはほとんど処理していないのです。含水量は大体 98%位のものになると思って
いいです。試験をやるのであれば、汚泥は天津の汚水処理場にたくさんありますので、濱
海環保にこだわる必要はありません。
三輪泰一郎:
わかりました。
呉国華:
3 点、重要だと思うことを申し上げます。一つ目は日本の技術企業のキーパーソン、つまり
技術を良く知っている人達が、やろうとしているプロジェクト、また天津市の状況をきち
んと把握すること。二番目は、日本には優れた技術があると思うが、それを天津の状況に
合わせて幾らか変更を加えていかなければなりません。そのような変更が可能なスケジュ
ールなりプランなりを作っていただく必要があると思います。三番目は、日本の技術や関
連の設備を導入する際に、コストをいかに下げるかという点を考えていかなければなりま
せん。こちらへたくさんの中国企業からの問い合わせがありますが、日本の技術は素晴ら
しいのだが価格が割高であるというのが彼らの意見ですので、やっぱり考えていく必要が
あると思います。以上 3 点です。
三輪泰一郎:
わかりました。特にコストの面に関しては、今回は JFE みたいなコストの高い会社ではな
くて小さい会社を選んでいます。
呉国華:
わたし達が一番望んでいるのは、設計から設備の提供に至るまでのトータルソリューショ
ンを提供出来る会社です。製造メーカーだとどうしても技術の部分、設備だけに限られて
しまうケースが多く、何かこちらの状況が変化するときに、直ぐに適応出来ない。という
事例をこれまでたくさん見てきました。その辺も是非考慮していただければと思います。
三輪泰一郎:
わかりました。
孫暁紅:
今回紹介する設備、彼らは特許を持っている、自社で技術を開発して製造した設備です。
彼らは濱海環保公司の要望に応じて、設備の設計を変えることができます。
252
添付資料 6
増子千勝:
少し時間がなくなってきたものですから、マニフェスト制度導入にあたって茨城県を大い
に利用していただければと思います。ただし茨城県のものがそっくりそのまま TEDA に適
用出来るかどうかは非常に難しいと思いますので、茨城県の良いところを上手く参考にし
て TEDA に最も適した形に作っていただいて、逆にその中から茨城にも良いところを返し
てもらえれば大変ありがたいと思います。この会議を機会にそういった交流が深まって行
けば非常に良いと思います。
時間の無い中で申し訳なかったのですが、彼は(河原井さ
ん)残して行きますので是非質問していただければと思っております。これを機会に良い
関係、お互いに Win-Win の関係で物事が進められれば良いと思っておりますので、どうぞ
よろしくお願い申し上げます。
呉国華:
最後に張軍副主任よりこの会議のまとめをお願いします。
張軍:
今回のプロジェクトについて、企業にも皆さんにも既に何度も検討していただいています。
またこれから TEDA としてはマニフェスト制度導入のための計画書と指導用のパンフレッ
トの制作を考えています。パンフレット制作にあたってはまず、開発区の廃棄物処理の現
状を検討して、どの廃棄物の品目を対象にするかを決めなければなりません。
また試験導入に参加する 30 社の企業を決めなければなりません。またその 30 社がどの
処理業者に処理を依頼しているかも調査します。また廃棄物の排出から処理まで、それぞ
れの過程でどのような管理がされているかをきちんと調査します。またそれと同時進行で、
2 度程度企業を集め、彼らの意見をまとめます。企業を集めた座談会を通じて企業の持つ課
題を拾い上げ、日中両国の専門家を集めて検討会を 2 度ほど開催したいと思います。もし
優秀な専門家と積極的な企業が参加してくれれば今年のプロジェクトは成功する可能性が
高いと思います。わたしの観点ですが、企業の参加における希望としてはコストを下げる
と同時に仕事の負担も下げるということです。それから処理企業らの市場を拡げることが
目標です。また、このプロジェクトによって私たちのサービスのレベルを高めることも目
標にしています。このプロジェクトが成功したら、参加した処理企業を濱海新区と天津市
に紹介するつもりですので、処理企業にとってはそれもメリットの一つとなると考えてい
ます。またこのプロジェクトによって処理企業の生産率が向上することもメリットです。
ですからプロジェクトを成功させるためには、排出企業と処理企業のニーズを集めると共
に、政府側から強制的な政策規制を提出し、企業にはプロジェクトに参加する承諾書を書
いてもらいます。それによって今度のプロジェクトを推進します。
日本側への依頼事項ですが、一番重要なのは、TEDA 内部の検討会議が終わってから、
難しい課題があれば、一度日本側委員や専門家に TEDA に来てもらい指導していただけれ
253
添付資料 6
ば幸いです。もう一つのお願いとしては、現在 TEDA で資格を持ち実力のある処理企業を
茨城県での訪日研修に参加させて欲しいということです。処理企業に研修に参加して欲し
い目的の一つには、茨城県の処理企業がどんなサービスを提供しているかと処理技術をこ
ちらの処理企業に学んでもらうことです。
三菱化学の汚泥処理についてですが、これから 1 ヶ月~2 ヶ月位をかけて低炭素センター
より濱海新区の全てのゴミ処理企業と連絡を取り交流会を開催したいです。もし三菱化学
が協力してくださる意向があれば是非協力しようと考えています。
ビジネス協力モデルについては、低炭素センターが協力させていただきます。ビジネス
モデルといえば政府側としては直接協力することがなかなか出来ないのです。これから王
さんには彼の上司に、三菱化学との協力を重視するようにと、報告してもらいます。
今日は本当にどうもありがとうございました。
閉会
254
添付資料 7
添付資料 7
マニフェスト制度試験導入説明会
255
議事抄録
添付資料 7
256
添付資料 7
平成 22 年度インフラ・システム輸出促進調査等委託費
自治体間(茨城県-天津市)連携による循環型都市協力推進調査事業
マニフェスト制度試験導入説明会
議事抄録
1)日時:
2011 年 9 月 20 日(火) 14:00 ~ 15:10
2)開催場所:
天津経済技術開発区投資服務センター
3)目的:
TEDA におけるマニフェストの試験導入の目的および実施方法に
3 階貴賓庁
ついての説明
4)出席者:
中国側委員及び行政関係者等
委員長
南開大学環境科学工程学院 教授
朱坦氏
委員
天津市濱海新区人民政府
鄭偉銘氏
委員
天津経済技術開発区管理委員会
委員
中国環境科学院清潔生産及び循環経済センター
委員
天津大学環境科学及び工程学院
副区長
副主任 張軍氏
院長 陳冠益氏
中国国家工業と信息化部省エネ・資源総合利用司 処長
天津市環境保護局固体廃棄物処
主任 乔崎氏
黄建忠氏
処長 郭海涛氏
天津市固体廃棄物と有毒化学品管理センター 主任 袁倩氏
天津市固体廃棄物と有毒化学品管理センター 博士 鄧小文氏
天津経済技術開発区管理委員会環境保護局
シニアエンジニア 衛紅梅氏
天津経済技術開発区管理委員会環境保護局
副局長 徐修春氏
天津経済技術開発区管理委員会環境保護局
監査チーム
天津泰達低炭素経済促進センター
主任
天津泰達低炭素経済促進センター
朱萱氏、胡若丝氏
王鈺氏
宋雨燕氏
企業側(約 70 名)
排出事業者 30 社、処理事業者 26 社
事務局
株式会社リーテム 杉山里恵、柳絮、王忠明
5)議事内容 :
■天津濱海新区代表挨拶(鄭偉銘)
中国の改革開放以来、深せんは一番目の経済特区としてリードし、計画経済から市場経
済へ転換し、改革開放の先駆者として探索してきた。中国全土の改革開放と現代化建設に
257
添付資料 7
貴重な経験を蓄積した。
当時、中国は計画経済路線で進めるか、市場経済路線かには意見違いがあったが、1992
年鄧小平は中国の南方各地を視察し、
「南巡講話」と言われる一連の重要な講話を発表した。
それは、中国がさらに改革を進めるための明確な道筋を示した。しかし市場経済の経験が
ない中、上海浦東新区を竜頭とする長江開放地帯を形成し、市場経済路線の方針に沿って、
一連の長江沿岸都市の開放をさらに進めた。
現在、中央政府から地方に至るまで皆が天津濱海新区に注目している。濱海新区の責任
はなんなのか?使命はなんなのか?胡錦濤主席の演説で、濱海新区は先頭兵として科学的
な発展を深く、徹底的に推進する。改革開放は成功し、大きな成果を得たが、同時に、課
題や矛盾も山積みしいている。これらの課題や矛盾を解決するには、科学的な発展や資源
の節約、環境保護、経済と社会の調和が取れた発展路線で進めなければならない。天津濱
海新区が牽引する環渤海湾地域は中国経済を発展させる第三の成長地域として位置づけら
れている。しかし濱海新区は科学的な発展路線を模索する中、さまざまな問題に直面して
いる。どのように環境と調和した経済・社会発展を実現できるのか?12 次五カ年計画の要
求に基づき、濱海新区は短時間で急速な発展をしなければならない。このような急速な経
済発展に伴い、資源の不足や環境破壊を起こす恐れがある。したがって、「一般工業固体廃
棄物の全過程管理」のプロジェクトの実施は非常に重要で、一つの革新だと思い、濱海新
区が必ずやらなければならないことである。我々は共に努力し、12 次五カ年計画期間中に、
濱海新区は環境保護と調和した急速な経済発展を実現させる。
本日、たくさんの企業が参加して、各企業が環境保全意識を高め、環境保全をとても重
視している。また開発区の管理委員会は環境保全のためのプラットフォームを構築し、濱
海新区は本当の科学的な経済発展の先頭兵になるよう共に努力する。中国経済を発展させ
る第三の成長地域にしよう。
■中国国家工業・信息化部代表挨拶(黄建忠)
私は中国国家工業・信息化部省エネ・資源総合利用司を代表して、天津開発区は「一般
工業固体廃棄物管理試験プロジェクト」のスタートを心から祝う。
国家工業・信息化部省エネ・資源総合利用司は今回の試験プロジェクトを非常に重視し、
協力する。私は資源総合利用を担当し、工業の資源総合利用は主に 3 つの内容を含まれて
いる、①鉱産物資源総合利用、②工業の 3 種類廃棄物(残渣、廃水、廃ガス)の総合利用、
③再生資源の総合利用。これらの仕事をやるに当たって一番困るのは、基礎データがない、
基本情報を把握できないことだった。工業・信息化部の 3 大機能(標準化産業政策の制定、
法律の制定、報告)を果たす時に、どこから手をつければよいのかわからない。このプロ
ジェクトは固体廃棄物の排出から新たに資源、原材料、製品までの全段階が含まれ、記録
や資料、分析、統計があり、非常に良い管理制度だと思う。今後、政府が仕事を進めるた
めの基礎となる、大きな価値のある仕事だ。
258
添付資料 7
今後、全国工業資源総合利用、省エネ・廃棄物削減に関する仕事を担当する方々が、天
津開発区のように着実に基礎な仕事をしっかり行い、適切な時期、全国で本日よりもっと
大きな会議を開催し、全国の工業分野の経済信息委員会の担当者が天津開発区に学び、共
に研究するようになるだろう。天津市経済信息委員会はこのプロジェクトの推進状況を随
時に国家工業・信息化部に報告し、国家工業・信息化部は天津開発区に協力、支援する。
最後に、本プロジェクトが順調に成功することを祈る。
■プロジェクトの実施計画の紹介(徐修春)
工業固体廃棄物は工業生産過程において発生する各種固体廃棄物を指す。「中華人民共和
国固体廃棄物防治法」の規定に定める 3 原則は“减量化”、“資源化”、“無害化”である。工業
固体廃棄物は一般工業固体廃棄物と危険廃棄物の大きく 2 つに分かれている。危険廃棄物
については法律があり、附属する詳細な規則や基準も整備され、経営(取扱い)許可制度
やマニフェスト制度も運用している。危険廃棄物の汚染防治を行うに当たって、根拠とな
り、重要な役割を果たしている。危険廃棄物の資源化や汚染防治は天津市にトップレベル
であるが、一般工業固体廃棄物の管理はまだ問題がある、主な問題を以下の 3 点にまとめ
た。
1)減量について。国内外の先進な地域や国と比較し、中国主要工業製品のエネルギーや
原材料の消費量は先進な地域や国より 30%~90%を高く、多く消耗した原材料は工業固体
廃棄物の発生量の増加の原因となる。
2)資源化について。現在の統計では、資源利用率が高い傾向がある。データは虚偽統計
の意味ではなく、統計の際の資源総合利用率の定義上に問題がある。例えば、排出事業者
は固体廃棄物を回収処理事業者に引渡し、排出企業は廃棄物を 100%回収利用されたとみる。
しかし、回収処理企業は一部分の廃棄物を資源化し、残り一部分は廃棄物として処分して
いる。このような場合、資源総合利用率は実際に 100%ではない。また、不適切な資源化処
理の状況もある。例えば、食用できない廃油を食用油として資源化している例もある。
3)環境汚染は固体廃棄物の保管、輸送、総合利用、処理及び処分段階に発生する。既に
メディアも報道した。ある都市は汚水処理場がないため、汚水処理場を建設し、汚水処理
は基準に達して、排水しているが、汚泥について適切な保管や処分を行っていない、再び
川に投棄している。これは汚水処理を行っていないと同じである。固体廃棄物の資源化は
適切な処理を行い、厳しく管理しなければ、資源循環も環境汚染をもたらすことを皆さん
が十分に注意しなければならない。
以上のような問題の起こる原因は、①関係する法律法規、基準の未整備。②政府の財政、
金融、税収、科学技術等の支援、奨励政策が未完全。③関係する部門の監督管理が不十分。
④ほとんどの企業の管理水準は先進国と比較して、一定な差があり、原材料やエネルギー
を浪費している。
本プロジェクトは国内一般工業固体廃棄物管理状況に合わせ、優秀な国と比較しながら、
259
添付資料 7
現状分析を行い。本日、出席した製造企業や回収処理企業を含め、業界管理部門の担当者
や専門家に幅広く意見を伺い、最終的に本実施計画を作成した。
プロジェクトの全体目標は、天津開発区の一般工業固体廃棄物全過程の管理モデルを構
築し、全面的に開発区の工業固体廃棄物の減量化、資源化、無害化のレベルを高める。具
体的な目標は、①製造段階の固体廃棄物の減量化の管理レベルを高めるための教育・トレ
ーニングするプラットフォームを構築し、企業に対してトレーニングや診断を行い、企業
間の廃棄物のマッチングを推進して、製造段階の工業固体廃棄物の排出減量化を促進する。
②資源総合利用の技術、製品の基準、用途を規範し、資源総合利用水準や製品の品質を高
める。③一般工業固体廃棄物の管理制度を健全にし、製造企業と回収利用処理企業の工業
固体廃棄物の汚染防治対策問題の解決策を探す。
主な業務内容:
1)減量化について。3 つの主要業務。①クリーン生産やエネルギー監査と合わせ、製造
段階の固体廃棄物の排出量の減量化を推進する。それに対して政府側は多額の援助をする。
生産段階の省エネ改造を通じて、廃棄物の発生量の減量化を推進する。②低炭素センター
や環境保護協会等の既存プラットフォームを利用して、国内外の先進な事例を紹介し、研
修や視察等も合わせて、企業に対して減量化管理・トレーニングを行う。③産業共生プロ
ジェクトを利用して、企業間の廃棄物のマッチングを推進する。
2)固体廃棄物の資源化レベルを高める及び汚染防治について。試験導入企業の固体廃棄
物の保管、運搬、総合利用及び処置の全過程において、伝票管理制度を運用し、企業の固
体廃棄物の運搬や処置の数量、行き先を把握する。固体廃棄物の発生数量や行き先を把握
した上で、簡単な、有効な目標を制定し、最終的に管理水準を高める。
3)一般工業固体廃棄物の申請報告制度について。
4)工業固体廃棄物エコ標識について。管理委員会は第三者機構に委託し、一般工業固体
廃棄物の管理評価指標や要求に基づき、排出企業、回収保管企業、処置企業を評価し、基
準を達した企業に対して「工業固体廃棄物エコ標識」を与える。
5)まとめと評価について。管理委員会は専門機構に委託し、プロジェクトに対して、全
体評価を行う。開発区の実情に合わせて、以上の制度や機能を更に改善し、最終的に一般
工業固体廃棄物の全過程の管理規則を制定し、持続的な管理制度を構築する。
6)本日、各社の総経理が来ていただいたのは会議の主要目的である。排出企業の固体廃
棄物を管理する部門は一般的に EHS 或いは環境管理部門が担当している。しかし、一般工
業固体廃棄物の売却・処理、委託等の業務は、生産或いは販売部門が担当している。その
ため各排出企業の総経理にお願いし、EHS 部門が順調に進めるために、会社内部の各部門
と調整し、プロジェクトの実施に協力するようお願いしたい。回収保管企業、総合利用企
業はプロジェクト実施担当者を指定して欲しい。
■総括、まとめ(張軍)
260
添付資料 7
1)本プロジェクトは中日(茨城県—天津)との協力でスタートした。私は今年の 1 月、
茨城県に視察してきた。中国はハード面において非常に速いスピードで発展できるが、ソ
フト面の発展はまだまだ時間がかかると思う。ソフト面については先進国や地域と比較し、
まだ大きな差がある。現在、主な差は以下の 4 点である:①製品の設計、減量化について
政府が関与し、強力な教育やトレーニングを行っていない。日本側の提案の中で、天津開
発区の課題の一つは、減量化である。茨城県行政側が取り組んでいることを紹介した。②
一般工業固体廃棄物の排出企業は統計体系を構築していない。廃棄物の輸送、一次処理先、
二次処理先等についてトレースし、データ収集を行っていない。日本と協力事業で、天津
開発区の基本情報を把握することができた。しかし、継続的な情報収集・報告システムが
ない。③天津開発区の一般工業固体廃棄物の処理、処置企業が分散している(回収処理対
象廃棄物が分散されている)
。ほとんどの企業は低いレベルで処理している。企業に対して
技術改善の支援が不足している。
本日のキックオフ会議を参加する製造企業は 30 社くらい、
この 30 社が排出する一般工業固体廃棄物は 26 社の処理企業が処理しているという現状で
ある。廃棄物の処理が分散されていることがわかる。処理企業の大規模化、廃棄物の集中
処理は今後処理企業が発展するチャンスであり、挑戦である。既存の処理企業は近い将来、
経営規模を拡大、技術を改善、総合利用率を高める等をしないと、成長した企業が市場を
占め、淘汰されると思う。本取組みは処理企業が成長する非常に良いチャンスだ。④処理
企業は廃棄物をどういう方法で処理しているのか?どこまで処理するのか等の情報がない
と、無害化(適切な)処理されているかどうかがわからない、総合利用率や処理率を計算
し、評価できない。
2)本プロジェクトの目的。本プロジェクトの実施によって、参加企業と密接に連絡し、
頻繁に意見交換を行い、上記の課題を改善していく、製造企業の省エネ・廃棄物削減を促
進し、企業間の競争力や技術水準等を高める。天津開発区は国内最大級の工業園区の一つ
であり、一般工業固体廃棄物の管理について、良い方法を模索する責任がある。今後、中
国の一般工業固体廃棄物の管理モデルになる。
3)本プロジェクトを実施するにはいろいろな困難があり、挑戦する必要がある。企業と
どう深い協力関係を築く。ビジネスの原動力を探って、経済性が成り立つビジネスモデル
を構築することだ。企業が管理制度を試験導入し、環境保全やビジネスにも成功できるよ
うに。20 何社の処理企業の中、一部企業が成長し、成功するだけでも、業界全体の発展を
リードできると思う。
4)プロジェクトを実施しながら、改善していく必要がある。①企業に対して減量化に関
する教育・トレーニングにおいて、できる限り国家レベルの支援や指導をしてもらうよう
に努力する。②更に、企業と良好な協力関係を作り。最大限に企業がプロジェクトに参加
してもらうように働きかける。③本プロジェクトはまず 30 社の企業からスタートして、確
実に、深く実施することによって、経験やノウハウを蓄積する。優秀な企業に対しては、
低炭素センターは国内外の協力チャンスを提供する。
261
添付資料 7
262
添付資料 8
添付資料 8
中国側委員会
議事抄録
263
添付資料 8
264
添付資料 8
平成 22 年度インフラ・システム輸出促進調査等委託費
自治体間(茨城県-天津市)連携による循環型都市協力推進調査事業
中国側委員会
議事抄録
1)日時:
2011 年 9 月 20 日(火) 15:15 ~ 17:00
2)開催場所:
天津経済技術開発区管理委員会 508 会議室
3)目的:
今年度調査事業の進め方についての意見交換
4)出席者:
中国側委員
ご出席
委員長
南開大学環境科学工程学院 教授
朱坦氏
委員
天津市濱海新区人民政府
委員
天津経済技術開発区管理委員会 副主任 張軍氏
委員
中国環境科学院清潔生産及び循環経済センター
委員
天津大学環境科学及び工程学院
副区長
鄭偉銘氏
主任 乔崎氏
院長 陳冠益氏
ご欠席
委員
天津市環境保護局 副局長 王亜平氏
委員
国家環保部中国-アセアン環境保護合作センター
委員
天津市環境保護及び科学研究院
副主任
周国梅氏
副院長 盧学強氏
オブザーバー
天津市環境保護局固体廃棄物処
処長 郭海涛氏
天津市固体廃棄物と有毒化学品管理センター 主任 袁倩氏
天津市固体廃棄物と有毒化学品管理センター 博士 鄧小文氏
天津経済技術開発区管理委員会環境保護局
シニアエンジニア 衛紅梅氏
天津経済技術開発区管理委員会環境保護局
副局長 徐修春氏
天津泰達低炭素経済促進センター
主任
天津泰達低炭素経済促進センター
胡若丝氏
事務局
株式会社リーテム 杉山里恵、柳絮
5)議事内容 :
265
宋雨燕氏
添付資料 8
■TEDA 側よりプロジェクトの背景を説明し、本日の議事と中国側委員の紹介(省略)
■事務局リーテムより昨年度調査結果と今年度調査の概要説明(省略)
■中国側からの質問 & 意見交換
朱坦:
・本日、皆さんがお忙しい中お集まりいただき、日中(茨城県・天津市)環境協力プロジ
ェクトについて意見交換を行いたい。
・日本の経験やノウハウを取り入れ、中国の国情、TEDA に合った管理制度を導入するの
が大事である。
・構築する管理制度について概要的に定義し、それに付属する制度や内容(例えば、企業
トレーニング、指導等)の構築も必要。分けて明確にした方がいい。
・管理制度は TEDA での試験導入で終わらないで、今後、天津市や全国的にモデル事業と
して推進できるよう、一つの研究課題として続け、
「一般工業固体廃棄物全過程管理制度
構築」に研究成果として科学的な根拠を示したい。
・この管理制度は非常に良い制度で、長期的なプロジェクトになると思う。TEDA を始め
にして、実験し、今後モデル事業として、もっと広範囲で推進していく。成功するのを
期待している。
乔崎:
・マニフェスト管理票に建築材料も含まれているが、中国では建築材料は一般工業固体廃
棄物に含まれていない、単独な分類である。一般工業固体廃棄物との管理方法が違うので、
この管理票に含まれていいのかどうか検討すべきではないか?また、包装類廃棄物はほと
んど排出企業によって売却される(有価物)。
回答:管理票の廃棄物の分類については、以前国が発表した「固体廃棄物の汚染物排出登
記作業指針」の工業固体廃棄物リストに参照して、作成した(徐副局長)。
包装類廃棄物については、確かに売却されるが、TEDA 内のマニフェスト試験導入
企業を含め、ほとんどの企業が排出する廃棄物(=重要な資源)でもあるので、管
理を強化するため、今回のマニフェスト票に含まれている(宋主任)。
・この管理制度は非常に先進的、いい制度だと思う。固体廃棄物管理について、日本は世
界的に優秀な国である、しかし中国と日本の国情が違うので、天津 TEDA の実情に合っ
た管理制度の導入が必要。
・新しい制度や管理方法を構築すると同時に、国際協力や全国の意見交換により、運用上
にどういう課題があるのか、課題を整理し、解決方法を探して、改善していくことも重
要だ。
・新しい制度である、市場メカニズムに結びつけ新しい実施方法を考える必要がある。企
業に対して世界的に先進な、有効な奨励制度を導入するなど。
266
添付資料 8
・データの有効利用について、集計しやすい、分析できるデータにすることが重要だ。廃
棄物の分類が大事である、中国の 12 次五カ年計画、循環経済、再生資源総合利用等関係
な政策・法制度に定める重点方法・重点条件を考慮しながら、廃棄物の分類を決める必
要がある。現在、中国は詳細なデータがないため、細かい分析ができない。日本は細か
く分類、データ収集、分析しているので、ノウハウや経験を参考にした方がいい。
・試験導入制度は、廃棄物の排出から処分完了まで、全過程を管理する制度である。今回
の仕組みの中では、排出企業は廃棄物の委託処理企業との委託契約により処理企業を制
限し、管理するようになっている。TEDA は高新技術企業(例えば、自動車業、電子通
信業等)が主となるため、排出する廃棄物の種類からみると、危険廃棄物が多い。中国
は危険廃棄物に関しては、厳しく管理し、TEDA 内ほとんどの企業は危険廃棄マニフェ
ストを運用したことがある、一般工業固体廃棄物管理制度を導入しやすいと思うが、今
後大範囲、全国的に推進する場合、マニフェスト制度をやったことがない企業が多い地
域だと、推進するのが難しい。
・評価指標について、政府はこの企業がいい、この企業が悪いどういうような情報を発信
しないで、各企業が自社製品や廃棄物等に関するデータを公表するようにして、市民は
各社公表データを比較して、自分で判断させるべきである(社会的監督)。
張文強:
・TEDA がマニフェスト管理制度を試験導入するには、今後、濱海新区や天津市が廃棄物
管理するモデルになる。
・経済性を考えなければならない、企業が参加してもらう、持続的に続けるには、企業に
どういうメリットがあるのか、経済性が成り立つシステムの構築が必要だ。
・制度を実施する人員体制について、いい制度、管理システムを構築するだけではなく、
十分な人員を配置しなければ、システムは機能しない。例えば、統計する人、監査する
人とか、厳しく監査すれば、企業も自主的にやるようになると思う。
張軍
・人員について、1 つ目は国内で資金を申請し、申請降りた資金を利用して、プロジェクト
実施する人員を雇用する。2 つ目は少ない人員で実施できるように、簡単な管理システム
を構築する工夫が必要だ。
・本管理制度を導入し、持続的に機能するため、①「最初は簡単で徐々に難しくなる」の
原則で進める。TEDA は 30 社の廃棄物排出事業者と 26 社の処理事業者を集め、何回も
座談会を行い、企業は管理制度を導入しても、実施方法も簡単で、コストも増えないと
教え、まず企業の参加意欲をもたらす。例えば、排出事業者は処理事業者との委託処理
契約にマニフェスト票の記入事項を追加して、必要項目を委託処理事業者が記入しても
らう。重量に関して、利益や処理費用と関係あるため、排出事業者は委託処理事業者が
267
添付資料 8
記入重量を自主的に監督・管理になる。処理事業者も取引が続けるためにも、マニフェ
ストを記入しなければならない。②各社の権限ある総経理と密接な関係作り。TEDA が
既存の「廃棄物最少化クラブ」を利用し、管理制度を試験導入する関係企業の総経理と
密接に連絡、旅行やいろんな活動を通して、企業のニュースや考えを聞き出す(会社か
らやる方針がないと、形式上で部門担当者とやり取りするだけで、部門担当者は権限が
足りないため、プロジェクトがなかなか進めない)。③企業にビジネスチャンスを与え
る。日本と協力して、参加企業から優秀な企業を選定し、訪日研修やビジネスマッチン
グ等に参加するチャンスを与える。このような活動を参加することによって、日本の先
進な技術や管理方法を学ぶ、自社の不足を意識させ、発展しないと淘汰される危機感を
感じさせ、企業も積極的にやるようになると思う。
・リーテムが言ったように、ビジネスマッチングを行う前に、TEDA 内の環境・リサイク
ルにニーズを把握することが重要である。これから重点項目として、ビジネスマッチン
グに参加する企業のニーズを調査し、得た情報をリーテムに報告する。茨城県を中心に
して、先進な技術や管理方法を持つ日本企業を探してもらい、見学やビジネスマッチン
グを行う(例えば、TEDA 側が一つのニーズに対して、日本側の先進な技術を持つ企業 3
社を見学する。その時、プロセスやコスト等の情報を把握し、TEDA 側企業は総経理と
技術者が日本を見学すれば、ビジネスマッチングがスムーズに進めると思う)。
・企業に積極的に参加してもらうように、有効な奨励制度やインセンティブをもっと考え
る必要がある。例えば、①プロジェクトや管理委員会、環保局或いは TEDA 低炭素セン
ターの名義で、TEDA 内の優秀な企業に対して、本社に総経理や実施責任者を表彰する
手紙を送る。②政府のホームページや媒体による宣伝。
・本日の委員や専門家の意見を踏まえて、日本側とも相談しながら修正し、改善する。
郭海涛:
・天津市は、汚水処理場の汚泥を重点項目として、現在、検査を行っている、この管理伝
票に汚水処理場の汚泥も含まれているので、非常に良い。
・危険廃棄物の処理・リサイクルについて、処理事業者の取扱い許可が必要し、マニフェ
スト運用によって厳しく管理している、現在、天津市の危険廃棄物の処理事業者の需要
がない(張軍追加:中国は危険廃棄物について法律がある、改善する余地があまりない、
現在の法律に基づき、もっと厳しく管理すればよい)。
鄭偉銘:
・非常に良い管理制度だと思う、しかし、相当な困難がある、やらないとうまくいくかど
うかはわからないので、十分に準備して、挑戦することも重要だ。私も応援し、成功を
期待している。
268
添付資料 9
添付資料 9
中国側委員会討論原稿
269
添付資料 9
270
添付資料 9
一般工業固体廃棄物の全過程管理モデル作りに向けた試験プロジェクト
作業計画(討論原稿)
(1) プロジェクトの背景
『中華人民共和国固体廃棄物環境汚染防止法』では、中国の工業固体廃棄物を管理する
総括的な技術原則について、
「固体廃棄物による環境汚染の防止について、国は固体廃棄物
排出の減少、固体廃棄物の充分かつ適切な利用、および固体廃棄物無害化処理の原則を実
行する」
(第 1 章第 3 条)と明確に規定しています。ここでは、減量化、資源化、無害化と
いう基本原則が打ち出されています。2008 年に公布された『中華人民共和国循環経済促進
法』でも、技術的に実行可能で、経済的に適切かつ資源を節約する上で有益であり、環境
を保護できるという前提の下では、減量化を優先する原則に基づいて、循環経済の発展を
実施するべきであると記載しています。
工業固体廃棄物は、廃棄物の危険状況に応じて、一般工業固体廃棄物と工業危険廃棄物
の 2 つに大別されます。危険廃棄物については、
『固体廃棄物環境汚染防止法』で該当する
章や節が特別に設けられ、それらの実行性を高めるために、関係する詳細な測定基準や、
いわゆる「マニフェスト(管理伝票)」という 5 枚綴りの伝票による管理制度が制定されて
おり、危険廃棄物による汚染防止において大きな役割を果たしています。
一般工業廃棄物については、中国の固体廃棄物の管理作業に法制管理を導入してからま
だ期間が浅く、さらに経済、投資、工場の管理水準といった要素による制約を受けている
ため、法規や関係機関の管理、また技術的な研究や処理施設の建設といった問題の解決に
おいて、不十分な分野が多く存在します。これらは主に、1)実行性の高い管理制度がない
ために、管理方式が厳密ではない、2)適切な統計システムや情報システムが完備されてい
ないため、廃棄物に関する情報交換が円滑ではない、3)廃棄物の回収や利用を行う企業を
選択する際に参入制度を取っていないため、廃棄物の回収取引市場が規格化されていない、
4)企業の廃棄物排出についての評価や研修の枠組みが不足しているため、ほとんどの企業
の管理水準が国際的に発展している国家企業の管理水準と大きく異なり、原材料、水、エ
ネルギーの浪費が深刻であり、廃棄物の最小化やクリーンな生産技術に関する開発や研修
も実際の作業要件などの分野に追い付いていない、という点に表れています。
TEDA は全国に先駆けて循環型経済への取り組みを実験的に進めている組織であり、長
期間に渡って積極的に資源の総合利用(リサイクル)を模索し、廃棄物排出ゼロという目
標の実現へ向けて取り組んできました。TEDA は、2003 年から 2005 年に進められた中国
-EU 環境管理協力計画である「TEDA における持続可能な固体廃棄物管理実験区プロジェ
クト」
、2010 年に始動した EU-濱海新区産業共生プロジェクト、および 2008 年から 2010
271
添付資料 9
年に進められた天津-茨城環境保護協力プロジェクトを基礎として、工業団地における工業
廃棄物の分類を対象とする調査研究を漸進的に進め、工業廃棄物の排出、回収、および再
資源化処理といった段階の管理状況を把握してきています。また、建設関係の廃棄物資源
の循環システムに関する初期研究作業も進めています。基礎的な研究から、次の点が明ら
かになりました。
1. TEDA の工業廃棄物の年間排出量は 39.5 万トンに達し、そのうち危険廃棄物は年間 2.3
万トンでした。工業廃棄物の総合利用(リサイクル)率は 90.86%に達しました。一般
工業廃棄物のうち主なものは、金属廃棄物、包装廃棄物、汚泥、工業灰残渣などを主と
する大口の廃棄物でした。
2. TEDA が危険廃棄物の管理制度を入念に実施したため、企業から排出される危険廃棄物
は基本的に、資格を有する処理業者に引き渡し、無害化処理を行うことができています。
3. 一般工業固体廃棄物の管理に関する現状と問題点は次の通りです。
一般工業固体廃棄物の管理手段と技術的対策が不足しているため、一般工業固体廃棄物
の減量化、資源化、および無害化の分野でいくつかの問題が排出しています。
1)TEDA 管理委員会は主に汚染物質の排出申告や環境統計により、企業から排出される
廃棄物についての情報を把握していますが、汚染物質の排出申告や環境統計は一般工
業固体廃棄物に分類される物質についてはあまり厳密ではなく(鉱石廃棄物、飛灰な
どいくつかの種類の大口廃棄物のみを取り扱っています)、政府がそれらの企業に関
する一般工業固体廃棄物の排出、移動、貯蔵、処分、および処理についての詳細情報
を把握することは不可能で、現在集計されている工業廃棄物の総合利用(リサイクル)
率は実際の総合利用(リサイクル)状況を反映していません。
2)一般固体廃棄物の環境への主な影響には、利用価値のない廃棄物を分別しないことや
屋外での焼却、輸送過程の措置が不適切であることにより廃棄物が散布されたり漏れ
たりすることや埃が巻き上げられたりすること、貯蔵過程の措置が不適切であること
により廃水、廃ガス、埃などの汚染が排出すること、総合利用(リサイクル)過程に
おける汚染防止措置が不適切であることにより廃水、廃ガス、別の固体廃棄物などを
排出することなどがあります。
3)一般工業固体廃棄物の総合利用(リサイクル)の品質や水準に関する主な問題には、
適切な技術指針や技術規定がなく、部分的な総合利用(リサイクル)の水準もまだ初
期段階にあること(古プラスチックなど)、品質や用途に関する具体的な基準が不足
しており、総合利用(リサイクル)製品が深刻な環境問題や社会問題を引き起こす可
能性があること(粗悪な油など)、情報交換の不足や資源の総合利用(リサイクル)
を対象とした財政税務政策の不足が企業間の廃棄物の交換や総合利用(リサイクル)
の品質に影響することなどがあります。
4)クリーン生産の研修や審査機関の業務が十分ではなく、企業のために固体廃棄物の減
272
添付資料 9
量化に関する適切な対策や提案を考案し、提出することができません。
5)廃棄物回収を行う事業者が多く散在しており、そのそれぞれが独自経営のために、規
模の面で効率が悪く、廃棄物資源が分散する傾向があり、廃棄物資源の集中と有効資
源化にとって障害となっています。
そのため、固体廃棄物による汚染の防止に関する問題を解決し、廃棄物の廃棄元におけ
る減量化を達成し、循環型経済の発展を促進し、持続可能な発展という目標を実現するた
めに、一般工業固体廃棄物の全過程を管理するプロジェクトを試験的に実行し、中国の発
展に適しており、かつ必要とされる一般工業廃棄物の管理方式や評価の枠組みを模索し、
その全国的な指導および普及を実現することが急務です。
(2) プロジェクトの目標
TEDA は全国に先駆けて循環型経済への取り組みを実験的に進めている組織であり、長
期間に渡って積極的に資源の総合利用(リサイクル)を模索し、廃棄物排出ゼロへの道を
促進してきました。エコ工業団地を建設することを任務と考え、EU や日本の経済産業省な
どとの中外協力プロジェクトを通して、工業産業物の排出、回収、および資源化といった
処理段階の管理状況を把握してきており、建設関係の廃棄物資源の循環システムに関する
初期研究作業も進めています。この試験プロジェクトを通して、次の目標の達成が望まれ
ます。
1. TEDA の一般工業固体廃棄物の全過程管理方式を刷新し、TEDA の工業固体廃棄物の減
量化、資源化、および無害化の水準を全面的に引き上げます。
1)固体廃棄物の廃棄元において減量化の指導を推進するためのプラットフォームを立ち
上げ、固体廃棄物の廃棄元における減量化の研修と診断の枠組みを推し進め、企業間
で廃棄物を交換する取り組みを推進し、工業固体廃棄物の廃棄元における減量化を促
進します。
2)資源の総合利用(リサイクル)に関する技術、製品基準、および用途を規定し、総合
利用(リサイクル)の水準と品質を向上させます。
3)一般工業固体廃棄物の申告登記制度を確立し、工業固体廃棄物の種類、排出量、移動
先、貯蔵、処理といった情報の統計に関する問題を解決し、基礎的な状況を調査、把
握します。
4)マニフェスト(管理伝票)による工業固体廃棄物の管理制度を確立し、工業固体廃棄
物の種類、排出量、移動先、貯蔵、処理といった各段階の具体的な追跡監視管理に関
する問題を解決します。
5)工業固体廃棄物を排出する企業、およびその回収、総合利用(リサイクル)、処理を
行う企業の評価指標システムを確立し、基準を達成した企業へ証書(エコマーク)を
273
添付資料 9
発行して、政策、資金、および対外提携における一定の支援を与えることにより、工
業固体廃棄物の管理の本格化を運用を行います。
6)一般工業固体廃棄物の全過程管理方式を制定し、廃棄物を排出する企業、およびその
回収、利用、処理を行う企業における工業固体廃棄物の三化問題(減量化、資源化、
無害化の問題)を解決します。
2. 試験プロジェクトの研究結果を通して、工業団地の資源管理と総合利用(リサイクル)
に関する政策、法規、基準などに対して適切な提案を提出し、TEDA を国家資源の総合
利用(リサイクル)における模範的拠点(工業情報化部)とし、本計画を循環型経済の
「十、百、千」模範的推進計画とすることを目指します(十とは模範となる 10 大重点
プロジェクト、百とは模範的都市 100 都市、千とは模範的企業 1,000 社を表します)。
274
添付資料 9
(3)プロジェクト技術ロードマップ
プロジェクト背景の調査研究、TEDAの現状分析
排出事業者、回収、利用処
置事業者の一般工業固体廃
棄物管理弁法の設計
マニフェスト制度設計
一般工業固体廃棄物
全過程管理モデル設計
固体廃棄物排出事業者
の評価指標設計
トレーニング推進するプ
ラットフォーム構築
事業者間の廃棄物の交
換推進活動
産業、性質、廃棄物種
類、量等に基づき固体
廃棄物発生企業を選定
申告登記制度設計
企業固体廃棄物管理
評価仕組み設計
中継/回収と利用処置企
業の評価指標設計
工業固体廃棄物発生源
減量化指導モデル
固体廃棄物の発生源の
減量化のトレーニング
と診断機能
プロジェクト参加企業
の募集及び選定
回収及び利用処置企業
の募集
プロジェクト参加企業
の担当者に対してのト
レーニング
全過程管理指導ハンド
ブック
排出事業者の評価
評価機
能実施
固体廃棄物管理弁法実施
マニフェスト制度実施
全過程
管理制
度実施
申告登記制度実施
規範化、基準化、国家
の標準に入れる
利用処置事業者の評価
プロジェクト
実施
減量化
指導モ
デル実
施
TEDA 地 区 、 濱 海 新 区
で全面的に実施
今後の
方向性
回収事業者の評価
プロジェクト
総括、評価
275
プロジェ
クト全体
評価
トレーニング機能推進
診断機能推進
廃棄物交換の推進
プロジェクト成果評価
プロジェクト課題評価
プロジェクト拡大評価
添付資料 9
(4)プロジェクトの内容
本プロジェクトにより考案される管理方式は、主に、「工業固体廃棄物の廃棄元における
減量化の指導方式」
、
「一般工業固体廃棄物のマニフェストによる管理制度」、「一般工業固
体廃棄物の申告登記制度」、
「工業固体廃棄物のエコマークによる評価の枠組み」、「一般工
業固体廃棄物の全過程管理方式」を通して達成される、一般工業固体廃棄物に対する全過
程管理を実現することを目的としています。
1. 工業固体廃棄物の廃棄元における減量化の指導方式
法的責任を履行し、汚染防止措置を実施するよう企業に要請すると同時に、企業が工業
固体廃棄物の廃棄元における減量化促進の主な手段は、減量化の指導になります。その主
な内容は、政府より委託を受けた第三者機関が固体廃棄物を排出する企業の評価を行い、
企業にその企業の固体廃棄物管理の総合的な現状を理解させること。企業が固体廃棄物を
排出する過程について診断を行い、その企業へ固体廃棄物の排出量を減らし、資源の総合
効率を高め、無害化処理を実施するための提案を行うこと。企業からの申告登記および「マ
ニフェスト制度」より統計を取った廃棄物の種類や排出量などの情報を通して、企業間で
廃棄物を交換する取り組みを促進すること。国外の先進的な前例を通して、その先進的な
管理方法や処理技術を組み合わせ、企業の固体廃棄物の廃棄元における減量化の研修や指
導を行うことになります。
1)固体廃棄物の廃棄元において減量化の指導を推進するためのプラットフォームを立ち
上げます。
TEDA 環境保護協会の既存のプラットフォームを使用し、固体廃棄物の廃棄元における
減量化の指導を推進します。
2)固体廃棄物の廃棄元における減量化の研修および診断の枠組みを推進します。
廃棄物最小化クラブの既存の形式を参考にして、固体廃棄物の廃棄元における減量化の
研修の枠組みを推進し、クリーン生産とエネルギー査察を組み合わせて固体廃棄物の廃棄
元における減量化の診断の枠組みを推進します。
3)企業間で廃棄物を交換する取り組みを推進します。
産業共生事業と協調させて、企業間で廃棄物を交換する取り組みを推進します。
2. 一般工業固体廃棄物のマニフェストによる管理制度
『中華人民共和国固体廃棄物環境汚染防止法』の関係する規定に基づいて、開発区の一
般工業固体廃棄物のマニフェストによる管理制度を制定し、一般工業固体廃棄物を移動す
る企業に対し『一般工業固体廃棄物マニフェスト(管理伝票)』(以下、略称として「マニ
フェスト」とします)の記入を行い、開発区環境保護局へ定期的に報告することを要請し
276
添付資料 9
ます。
a. マニフェスト構想の原則
1)マニフェストによる管理の対象には廃棄物を排出する企業、廃棄物の回収を行う企業、
廃棄物の処理利用を行う企業を含みます。
2)マニフェストによる管理内容は、危険廃棄物以外の一般工業固体廃棄物です。
3)マニフェストにより管理される固体廃棄物の種類は、『固体廃棄物申告登記の作業ガ
イダンス』で規定されている一般工業固体廃棄物を原則として、開発区の前期調査の
結果に基づいてさらに細分化します。
4)マニフェストの主な情報には、廃棄物を排出する企業、廃棄物の回収を行う企業、廃
棄物の処理利用を行う企業の情報、一般工業廃棄物の種類、数量、包装や運搬の方式、
移動時間、処理、利用などの情報を含みます。
5)一般の企業については、移動ごとにマニフェストの記入および報告を行います。一般
固体廃棄物の排出量が多く、排出頻度が高いと考えられる企業については、実際の状
況に基づいて、マニフェストへの記入および報告を月ごとに行います。
b. マニフェストの記入および報告の手順
1)廃棄物を排出する一般の事業者は廃棄物の 1 回の移動ごとに、正確に 5 枚綴りのマニ
フェストへの記入を行います。5 枚すべてに企業の公印を押し、5 枚目を写しとして
自社で保存し、その他の 4 枚を廃棄物の移動時に廃棄物の回収を行う事業者へ提出し
ます。
2)廃棄物を回収または運搬する事業者が毎月複数回の移動を行い、かつ取り扱う廃棄物
が固定で変更されない場合、次のように記入および報告を行うことができます。毎回
の移動の際に『一般廃棄物移動登記表』の記入および報告を行い、毎回の移動の数量
と移動先を記録します。該当する種類の廃棄物のマニフェストへの記入および報告は
月末にまとめて行い、その月に排出した移動の総量を記入します。記入の要件は、移
動ごとに記入を行う場合と同様です。
3)廃棄物の回収を行う事業者が廃棄物を運搬する際には、廃棄物を排出させた事業者が
記入したマニフェストの内容の各項と実際に運搬する廃棄物を照合確認します。確認
の後、記入の要件に従って、正確に 4 枚綴りのマニフェストの記入を行います。4 枚
すべてに事業者の公印を押した後、一般工業固定廃棄物の受け渡し時にそのマニフェ
ストを受領事業者へ提出する責任を負います。
4)廃棄物の再利用また受領を行う事業者(以下、略称として「受領事業者」とします)
は、廃棄物を受領した際に、マニフェストに記入されている内容の各項を照合確認し
ます。確認の後、記入の要件に従って、正確に 4 枚綴りのマニフェストの記入を行い、
4 枚すべてに事業者の公印を押します。4 枚目を写しとして保管した後、1 枚目と 3
277
添付資料 9
枚目については廃棄物を排出させた事業者が、2 枚目については廃棄物の運搬回収を
行った事業者が、それぞれ保管する責任を負います。
5)一般工業固定廃棄物を排出させた事業者はマニフェストの 1 枚目と 3 枚目を受け取っ
た後、1 枚目と 5 枚目の情報を照合し、符合することを確認し、1 枚目と 5 枚目を自
社で保存する責任を負います。3 枚目は開発区の主管部門へ提出し、主管部門はそれ
を保管します。
3. 一般工業固体廃棄物の申告登記制度
『中華人民共和国固体廃棄物環境汚染防止法』の関係する規定に基づいて、開発区の一
般工業固体廃棄物の申告登記制度を制定し、工業固体廃棄物を排出する企業に対し、国務
院環境保護行政主管部門の規定に従って、固体廃棄物の排出段階、種類、排出量、移動先、
貯蔵、処置といった関係する状況について、年度ごとに『一般工業廃棄物申告登記表』に
正確かつ事実に即して記入し、それを TEDA 管理員会環境保護局へ提出することを要請し
ます。
現在の廃棄物の統計は、主に環境統計報告表や企業の汚染物質排出申告登記から得られ
たものです。これら 2 種類の統計手段の欠点には、一般工業固体廃棄物の分類については
あまり厳密ではないこと、統計データの利用可能性が高くないことが挙げられます。申告
および報告の制度に関係する固体廃棄物の種類とマニフェスト制度における固体廃棄物の
分類は同一です。統計指標には、次のものが含まれます。
a)廃棄物を排出させた企業の生産規模、業種、業務内容、所在地、および廃棄物の排出
段階、種類、数量、貯蔵、運搬また回収・再利用の方式、その廃棄物を回収、利用、
また処理する業者についての情報
b)廃棄物の回収を行う企業について、その「三同時制度(環境汚染防止のために、生産
設備および環境保全設備の設計、着工、稼働を同時に行うこと)」の履行状況、業務
内容、所在地、運搬および貯蔵の方式、次にその廃棄物の回収、利用、また処理を行
う業者についての情報
c)廃棄物の処理また利用を行う企業について、その「三同時制度」の履行状況、業務内
容、所在地、運搬、貯蔵、処理、および利用の方式、次にその廃棄物の回収、利用、
また処理を行う業者についての情報
4. 「一般工業固体廃棄物エコマーク」評価の枠組み
TEDA の実情では、開発区で排出する一般工業固体廃棄物について回収、資源総合利用
(リサイクル)、または処理を行う企業のほとんどが開発区内にはなく、開発区に関連する
管理方法の管轄を受けていません。そのため、一般工業固体廃棄物について排出から最終
利用まで、処理の全過程を管理する方式の実現を支援するため、一般工業固体廃棄物の管
理方式を実施すると同時に、一連の有効な管理枠組みを作成する必要があります。
278
添付資料 9
評価指標システムを確立し、一般工業固体廃棄物を排出する企業、またその回収、総合
利用(リサイクル)
、処理を行う企業の合法性、各段階における汚染防止水準、資源の総合
利用(リサイクル)効率、総合的な技術水準や管理水準、総合利用(リサイクル)製品の
品質や基準、および最終処理手段の適切性などについて評価を行い、一般工業固体廃棄物
エコマークによる管理を実施します。基準を満たした企業に対して「一般工業固体廃棄物
エコマーク」を交付します。この管理枠組みの中核となる内容は、政府により権限を受け
た第三者機関を通して企業の評価を行い、「一般工業固体廃棄物エコマーク」を交付するこ
と、法律や社会的責任を果たし、固体廃棄物の管理において高い水準と技術を持つ企業、
およびその回収、総合利用(リサイクル)、処理を行う企業を表彰また宣伝すること、一般
工業固体廃棄物の廃棄元における減量化を促進し、
「エコマーク」を持ち、取り扱いが模範
的な企業に工業団地における工業固体廃棄物の移動や利用を集中するように誘導すること、
廃棄物の移動や処理の過程における環境汚染問題を減少させることです。これにより工業
団地の工業廃棄物の減量化、資源化、および無害化を実現し、エコ工業団地の建設を促進
することを目指します。
A. 固体廃棄物を排出する企業の評価指標
評価指標の設定原則は、次の通りです。
1)一般工業固体廃棄物の廃棄元における制御管理に関する制度と施設(貯蔵、運搬、分
類など)
2)一般工業固体廃棄物の社内における回収と再利用の水準、および社外との共同管理の
水準
3)一般工業固体廃棄物の実際の資源化利用水準(合法的な企業により原料の一部が作ら
れていること、および生産された製品が国家の環境保護に関する水準や関係する技術
規格に準拠していることの確認)
4)一般工業固体廃棄物の無害化処理率(廃棄物を排出する企業は後過程についても排出
業者として責任を負い、管理手段を講じて回収や処理を行う企業を監督し、固体廃棄
物の最終的な処理状況を確認することができなければならない)
B. 回収、総合利用(リサイクル)
、および処理を行う企業の企業評価指標
評価指標の設定原則は、次の通りです。
1)回収および利用処理を行う企業が環境保護のために「三同時制度」を実施している程
度(貯蔵場所、運搬過程、利用および処理を行う設備やその付帯施設で汚染防止施設
を建設また運営している状況を含む)
2)回収および利用処理を行う企業の資源総合利用(リサイクル)の技術水準、製品の基
準や用途など
3)回収および利用処理(リサイクル)を行う企業が新技術の開発や国際提携を行う能力の
279
添付資料 9
評価
5. 一般工業固体廃棄物の全過程管理方式の制定
「マニフェスト制度」および「申告登記制度」の全体的な施行状況を踏まえて開発区の
実情とともに検証し、
『固体廃棄法』の関係する規定に基づいて、TEDA の一般工業固体廃
棄物の管理方式を制定することで、一般工業固体廃棄物を排出する企業、およびその回収、
総合利用(リサイクル)、処理を行う企業が環境汚染を防止する責任や履行すべき義務を明
確にし、その法的責任も明確にします。
固体廃棄物を排出する企業には、原材料を適切に選択また利用すること、先進的な生産
工程や生産設備を採用すること、工業固体廃棄物の排出量を減少させること、工業固体廃
棄物の危険性を低下させること、また製品や包装材の設計や製造では、クリーン生産に関
連する国の規定を遵守し、過度な包装による環境汚染の排出を防止すること、さらに環境
保護のための「三同時制度」の要件に従って、固体廃棄物の排出排出、分類、貯蔵、運搬、
回収・再利用などの各段階における汚染防止措置を厳格に実施し、健全な汚染防止の責任
制度を確立すること、加えて廃棄物の後処理工程についても排出業者として責任を負い、
「一般工業固体廃棄物エコマーク」を持つ業者を回収、総合利用(リサイクル)
、また処理
を行う業者として選択し、自社から排出した廃棄物について追跡を行うこと要請します。
固体廃棄物の回収、総合利用(リサイクル)、また処理を行う企業には、建設プロジェク
トにおける環境保護の手続きを厳格に実施し、環境保護のための「三同時制度」の要件に
従って、廃棄物の拡散、流出、浸出、または他の環境汚染を防止する措置を講じることを
要請し、固体廃棄物を無断で流したり、投棄したり、廃棄したり、撒き散らしたりしては
ならないことを通達します。また回収を行う企業には、廃棄物の収集、分別、貯蔵、運搬
の過程において、汚染防止措置を厳格に実施し、固体廃棄物の管理に関係する法規に従っ
て固体廃棄物を合法的に移動することを要求します。総合利用(リサイクル)を行う企業
には、生産の工程が国の産業規格に記載されている要件を満たすものであること、生産す
る製品が関係する国の品質や環境保護に関する規定や基準に準拠したものであることを要
請します。処理を行う企業には、関係する国の基準に準拠した無害化処理技術や無害化処
理設備を使用すること、
「一般工業固体廃棄物エコマーク」の指標システムの要件を積極的
に遵守して、模範的に生産経営業務を行うことを要求します。
6.工業団地における資源の管理や総合利用(リサイクル)に関する政策や法規の提案を提出
工業団地における資源の管理や総合利用(リサイクル)についての国内に現存する政策、
法規、また基準を収集し、TEDA における一般工業固体廃棄物の全過程管理方式の実行状
況と考え合わせ、工業団地における現在の資源管理や総合利用(リサイクル)に関する政
策および法規について詳細な研究を行い、適切な提案を提出します。
280
添付資料 9
(5)プロジェクトの実施(2011 年~2012 年)
1. プロジェクトの実行方法
プロジェクトに参加する固体廃棄物を排出する企業、およびその回収、総合利用(リサ
イクル)、また処理を行う企業は、一般固体廃棄物の全過程管理についての関連する要件に
従って自社の固体廃棄物による汚染を防止する管理業務を進め、固体廃棄物を移動する際
には『一般固体廃棄物移動マニフェスト』の記入および報告を行い、プロジェクトが終了
した際には『固体廃棄物申告登記表』の記入を行います。政府の管理部門は一般固体廃棄
物の全過程管理制度を実施する過程の中で監督、管理、指導を行う役割を担います。政府
から委託を受けた第三者専門機関は企業の研修、評価、指導、技術協力、エコマークの交
付といった業務に責任を負います。
固体廃棄物排出事業者
マニフェスト
TEDA
政
府
監督
管理
指導
サプライチェーン
固体廃棄物回収事業者
マニフェスト
トレーニング
評価
標識授与
サプライチェーン
第
三
者
機
関
固体廃棄物利用、処置事業者
委託
2. 参加する企業の選択
TEDA 地区内の試験導入対象排出事業者(製造業者)には 24 社(30 工場)を選定しま
した。企業に『基本情報調査票』の記入を行うよう求め、企業がこの情報表を通して固体
廃棄物の回収また処理利用を行うシステムについての情報を入手できるようにします。
これら 24 社は TEDA 地区の主幹産業となる電子通信業、機械製造業、食品飲料業、新
エネルギー・新素材、生物製薬業である。出資形態から見ると、欧米企業、日系企業、韓
国企業、台湾企業、中国の民営企業と国有企業が含みます。統計データによると、これら
24 社の一般工業固体廃棄物の排出量は TEDA 全体排出総量の 40%以上を占めており、代
表としてふさわしい企業と言えます。
プロジェクトに参加する企業が記入した『基本情報調査票』に基づいて、プロジェクト
281
添付資料 9
参加企業が廃棄物の回収また処理利用を行う企業に対して本プロジェクトへの参加を求め
るよう依頼します。
3. プロジェクトのスタート宣伝(9 月)
国家、天津市、濱海新区関連部門、専門家及び参加企業の間で情報交換、議論した後、
参加企業に試験プロジェクトの参加承諾書を署名して頂き、プロジェクトをスタートしま
す。
4. 企業、回収・処理業者、および政府の参加スタッフの研修(9 月)
プロジェクトの始動後、プロジェクトに参加している企業に関係する研修への参加を要
請します。
1)一般工業固体廃棄物の管理についての発展動向とプロジェクトを実行する必要性(専
門家)
2)プロジェクトの「マニフェスト制度」および「申告登記制度」を実行するためのガイ
ダンスや書類の記入および報告を行うためのガイダンス(低炭素センター)
3)プロジェクトの評価指標と評価方法(低炭素センター)
5. 一般工業廃棄物の「マニフェスト制度」の実行(10 月~12 月)
1)監督および指導
実際にプロジェクトに責任を持つスタッフは、プロジェクトの実施過程で、プロジェ
クトに参加する企業の監督および指導に注意を払います。
プロジェクト実施後 1 か月目:主に現場での指導や訂正作業を行います。
プロジェクト実施後 2 か月目:主にマニフェストの運用状況を監督します。
プロジェクト実施後 3 か月目:主に完全かつ信頼できるマニフェストデータの作成を
監督します。
2)回収、総合利用(リサイクル)
、および処理を行う企業
廃棄物の回収、総合利用(リサイクル)、および処理を行う企業に対して政府が強制力
を持たないため、プロジェクトに参加する企業は企業同士の契約による拘束力を活用し、
その企業から排出された固体廃棄物の回収、総合利用(リサイクル)、および処理を請け
負う企業に対し、TEDA の工業固体廃棄物の管理についての関連する規定を実施し、入
念に「マニフェスト」の記入と報告を行い、TEDA 管理委員会がマニフェストの実行管
理を行えるよう協力することを要請する必要があります。政府の関係する管理部門は自
主的に廃棄物の回収、総合利用(リサイクル)、および処理を行う企業の作業現場へ赴き、
視察や指導を行います。
3)ケーススタディに参加する企業の初期選択
プロジェクトプロジェクトを実施した効果が明らかな企業をこのケーススタディに参
282
添付資料 9
加する企業の候補として選択し、事前に関連する資料の収集を行い、企業間の視察交流
を取り決め、企業間での視察交流以外に日本の視察も行います。
6. 一般工業固体廃棄物の申告登記制度の実行(2011 年 12 月~2012 年 1 月)
一般工業固体廃棄物の申告登記作業と現行の「汚染排出申告登記」作業を同時に展開し
ます。一般的な期間は 2011 年 12 月から 2012 年 1 月までとなります。専任者を手配して
プロジェクトのデータ統計と資料収集の作業を行い、疑問がある場合はすぐに企業と連絡
を取り、プロジェクトデータの正確性と完全性を保つようにします。プロジェクトの責任
者は企業データの機密を厳格に守らなくてはいけません。
7. 効果の第 1 段階評価(2012 年 1 月)
「マニフェスト制度」や「申告登記制度」の実施状況及びデータ分析し、評価を行いま
す。問題点を発見したら、改善計画を提出し、TEDA における一般工業固体廃棄物の次の
段階の管理方式を制定する際に役立つ資料を提供します。
8. 評価枠組みの実行(2012 年)
政府の関連部門から委託を受けた第三者機関は、一般工業廃棄物を排出する企業やその
回収、総合利用(リサイクル)、また処理を行う企業の固体廃棄物の管理などについて評価
を行い、その評価結果に基づいて、条件を満たした企業に対して「TEDA 一般工業固体廃
棄物エコマーク」を交付します。条件を満たしていない企業に対しては改善案および改善
時期(原則的には 6 か月を超えない)を指示し、改善期間の後、第三者機関が再度その企
業についての評価を行うよう取り決めます。 その際に要件を満たした企業に対しても
「TEDA 一般工業固体廃棄物エコマーク」を交付します。
1)固体廃棄物を排出する企業の評価
固体廃棄物を排出する企業の評価指標と評価方法に基づいて、一般工業固体廃棄物の
廃棄元における制御管理制度および制御管理施設の状況、社内における回収と再利用の
水準、および社外との共同管理の水準、実際の資源化利用の水準や無害化処理率などの
指標について評価を行い、固体廃棄物を排出する企業における固体廃棄物の全体的な管
理水準について結論を出し、その企業がさらに固体廃棄物の減量化、資源化、無害化を
促進するための適切な提案を提出します。
2)回収および利用処理を行う企業の評価
回収および利用処理を行う企業の評価指標と評価方法に基づいて、回収や利用処理を
行う企業が環境保護のための「三同時制度」を実施している状況、二次汚染防止の水準、
資源処理、利用効率、新技術の開発や国際提携を行う能力などの指標について評価を行
い、企業の管理水準、および発展の見込みや方向性について意見や提案を提出します。
3)条件を満たした企業への工業エコマークの交付
283
添付資料 9
9. TEDA における一般工業固体廃棄物の全過程管理方式の制定および実施(2012 年)
「マニフェスト制度」および「申告登記制度」の効果に関する第 1 段階評価を終えた後、
これら 2 つの管理制度に対する修正や改善を行い、これと固体廃棄物を排出する企業、お
よびその回収、総合利用(リサイクル)、また処理を行う企業の評価結果や「一般工業固体
廃棄物エコマーク」の交付状況とを考え合わせます。さらに、関係する国の法律や規格と
いった要件に基づき、TEDA で発生した一般工業固体廃棄物に対して全過程管理を行うと
いう目標を原則として、
『TEDA 一般工業固体廃棄物管理方式』を制定します。この『TEDA
一般工業固体廃棄物管理方式』は、2012 年上半期に公布し、下半期に執行することを目指
します。
10. 工業固体廃棄物の廃棄元における減量化の指導方式の実行(2012 年)
1)TEDA 管理委員会環境保護局の既存のプラットフォームを使用し、固体廃棄物の廃棄
元における減量化の指導を推進します。
2)全過程管理制度を実施している各企業の希望に応じて、廃棄物最小化クラブの既存の
形式を参考にして、固体廃棄物の廃棄元における減量化の研修の枠組みを推進し、ク
リーン生産とエネルギー査察を組み合わせて固体廃棄物の廃棄元における減量化の
診断の枠組みを推進します。
3)産業共生事業と協調させて、企業間で廃棄物を交換する取り組みを推進します。
(6)プロジェクトの総括評価
1. プロジェクトの第 1 段階評価
プロジェクトの第 1 段階評価では、主に「マニフェスト制度」や「申告登記制度」の実
施状況や統計データに対する分析評価を行います。成功した分野についてはさらなる強化
を実施し、問題点については対応手段や改善計画を提出することで、TEDA における一般
固体廃棄物の次の段階の管理方式を制定する際に役立つ資料を提供します。
2. プロジェクトの全体評価
プロジェクトの構想、研修、実行、評価システム、評価結果などについて評価を行いま
す。
A. プロジェクトの成果については、プロジェクトの実施により、対象範囲のどのような問
題を解決し、どのような経験を得たか
B. プロジェクトの問題については、プロジェクトの実施により、どのような問題を発見し、
その問題についてどのようにすれば一層の改善また解決を図れるか
C. 普及状況の評価については、プロジェクトを普及させる方法や普及させる過程で生じた
284
添付資料 9
政策や法規など、上級部門や他の部門により解決する必要がある問題について、適切な
提案を提出
3. 次の活動方針
A. 濱海新区内で全面的に実施する次の計画を制定する
プロジェクトの全体評価報告に基づいて、一般工業固体廃棄物の管理制度、管理統計、
また評価システムをさらに向上させ、TEDA および濱海新区の区域内においてこの制度を
全面的に実施するための次の計画を制定します。
B. 専門機関との協働により、さらに詳細な研究を行う
専門機関との協働により、プロジェクトの全体評価報告についてさらに詳細な研究を行
い、プロジェクトの総括について関連する制度の提案を行い、プロジェクトをさらに規格
化また標準化することについて国家規模のガイドラインや政策などを盛り込むことを目指
します。
(7)プロジェクト実施の保障に関する枠組み
プロジェクト責任者:
TEDA 環境保護局局長 呉国華
プロジェクト技術責任者:
プロジェクトメンバー:
TEDA 環境保護局副局長
徐修春、衛紅梅
宋雨燕、王鈺、丁挺、田順、胡若丝、朱萱(専門家)
プロジェクト委員: 朱坦、鄭偉銘、王亜平、張軍、乔崎、周国梅、陳冠益、盧学強
285
添付資料 9
286
添付資料 10
添付資料 10
指導ハンドブック
287
添付資料 10
288
添付資料 10
天津経済技術開発区(TEDA)
<<一般工業固体廃棄物全過程管理制度の革新>>
試験プロジェクト
指導ハンドブック
(1)一般工業固体廃棄物の全過程管理の定義
一般工業固体廃棄物の全過程管理とは、定形化された制度や管理手段を通して、一般工
業固体廃棄物の発生、収集、輸送、貯蔵、資源化利用、および廃棄物が最終処理されるま
での過程全体において、全面的な追跡管理を行うことです。これは、一般工業固体廃棄物
の減量化、資源化、無害化を推進することを目標としたまったく新しい管理方式で、技術、
政策、および監督による後ろ盾のもと、一般固体廃棄物の申告登記制度および移動管理伝
票(マニフェスト)制度が主な手段となります。
この方式の主な参加組織には、廃棄物の排出企業、廃棄物の仲介回収を行う企業、廃棄
物の処分処理および資源化を行う企業、政府の監督部門が含まれます。
一般工業固体廃棄物の全過程管理に関係する主な参加組織およびその各組織の責任義務
については図を参照してください。
減量化指導プラット
フォーム
第
三
者
機
関
政策最適化の提案
委託
制定
関連政策
政府の監督部門
工業固体廃棄物の
管理方法
評価システム
監督 管理
廃棄物の移
動過程 廃棄物の発生
1次移動
回収中継(1時保管)
2次移動
綜合処理処置
廃棄物排出事業者
回収仲介事業者
処理処置事業者
企業 責任
企業 責任
企業 責任
第
三
者
機
関
第
三
者
機
関
第
三
者
機
関
第
三
者
機
関
合
法
的
な
移
動
運
搬
安
全
な
貯
蔵
マ
ニ
フ
ェ
ス
ト
の
記
入
汚
染
の
防
止
適
切
な
利
用
評価指標
工業固体廃棄物のエコ標識(マーク)管理
一般工業固体廃棄物の全過程管理のイメージ図
289
無
害
化
処
理
マ
ニ
フ
ェ
ス
ト
の
記
入
汚
染
の
防
止
添付資料 10
(2)一般工業固体廃棄物の全過程管理を実施する法的根拠
『中華人民共和国固体廃棄物環境汚染防止法』では、固体廃棄物の管理原則、管理制度、
および管理方法について全面的に規定しています。そのうち一般工業固体廃棄物の管理に
関係のある重要な条項は次に掲げるものです。
1)管理原則
『固体廃棄物法』の第 3 条では、
「固体廃棄物による環境汚染の防止について、国は固体
廃棄物発生の減少、固体廃棄物の充分かつ適正な利用および固体廃棄物無害化処理の原則
を実行し、クリーン生産と循環型経済の発展を促進する」として、減量化、無害化、資源
化の三化原則を挙げています。
同時に、
「国は固体廃棄物のリサイクルに有利な経済的また技術的な政策や措置を採用し、
固体廃棄物に対して充分な回収と適正な利用を実行する」、また「国は、環境保護に役立つ
固体廃棄物の集中処理に関する措置を奨励または支援し、固体廃棄物による環境汚染を防
止する産業の発展を促進する」と規定しています。
さらに、2008 年に公布された『中華人民共和国循環経済促進法』でも、技術的に実行可
能で、経済的に適切かつ資源を節約する上で有益であり、環境に影響を及ぼさないという
前提の下では、減量化を優先する原則に基づいて、循環型経済の発展を実施するべきであ
ると記載しています。
2)申告登記制度
『固体廃棄法』の第 32 条では、
「国は工業固体廃棄物の申告登記制度を実施する。工業
固体廃棄物を発生させる事業単位は、国務院環境保護行政主管部門の規定に従って、必ず
工業固体廃棄物の種類、発生量、移動先、貯蔵、処理などの関係する資料を、その所在地
の県クラス以上の地方人民政府の環境保護行政主管部門へ提出しなければならない」と規
定しています。
3)廃棄物を発生させる業者、およびその収集運搬、利用、処置を行う業者の責任
『固体廃棄法』の第 5 条では、
「国は、固体廃棄物による環境汚染の防止について、汚染
源となる業者が法的に責任を負うという原則を実行する。製品の生産者、販売者、輸入者、
使用者は、その発生した固体廃棄物に対して汚染防止の法的責任を負う」と規定していま
す。
第 16 条では、
「固体廃棄物を発生させる事業者や個人は措置を講じ、固体廃棄物による
環境への汚染を防止または減少させるべきである」としています。
第 17 条では、
「固体廃棄物の収集、貯蔵、運搬、利用、処理を行う事業者や個人は、固
体廃棄物の拡散、流出、浸出、または他の環境汚染を防止する措置を講じなければならず、
290
添付資料 10
固体廃棄物を無断で流したり、投棄したり、廃棄したり、撒き散らしたりしてはならない」
としています。
4)監督管理部門の責任
『固体廃棄法』の第 15 条では、
「県クラス以上の人民政府の環境保護行政主管部門、お
よびその他の固体廃棄物環境汚染止業務の監督管理部門は、それぞれの職責に基づいて管
轄範囲内の固体廃棄物環境汚染防止に関係する事業単位とともに現場検査を行う権利を有
する。検査対象の事業者は状況を正確に報告し、必要な資料を提供しなければならない。
検査機関は検査対象の事業者の技術および業務関連の機密を保持しなければならない」と
規定しています。
(3)天津経済技術開発区における『一般工業固体廃棄物の全過程管理制度の刷新』試験プロ
ジェクトの紹介
天津経済開発区における『一般工業固体廃棄物の全過程管理制度の刷新』試験プロジェ
クト
主催団体:天津経済技術開発区管理委員会
実施団体:天津経済技術開発区環境保護局、TEDA 低炭素経済促進センター
協力団体:南開大学循環経済研究センター、TEDA 環境保護協会
ケーススタディに参加する企業:合計 24 社の企業(詳細については付録 4 を参照)
1)プロジェクトの実施背景
現在の管理の現状から見ると、中国の一般工業固体廃棄物の管理体制はいまだに脆弱で
す。一般工業廃棄物の中でも危険廃棄物の管理措置は比較的明確で、全過程の追跡と監督
管理を実施するよう国が要求しています。しかし、一般工業固体廃棄物については、現在
のところ主に市場手段の調整に依存しており、政府による有効な監督管理や政策的および
技術的な指導は不十分であり、廃棄物の発生、回収、資源化といった段階に多くの問題が
存在しています。これらは主に、次の点に表れています。

現在の廃棄物汚染に関する申告や環境統計は、一般工業固体廃棄物の分類において
あまり厳密ではなく(鉱石廃棄物、飛灰などいくつかの種類の大口廃棄物のみを取
り扱っている)
、政府が企業におけるさまざまな種類の一般工業固体廃棄物の発生、
移動、貯蔵、処分、および処理についての詳細情報を把握することは不可能です。

廃棄物回収市場の管理が不十分であり、回収や資源利用を行う企業の中には、廃棄
物の運搬、貯蔵、処分、利用などの段階における措置が十分でないため、環境汚染
を引き起こしている企業があります。また、一部の廃棄物が資格を持たない非合法
の企業に持ち込まれて処分処理が行われているため、人体に対する深刻な健康問題
また環境問題につながっています。
291
添付資料 10

資源化を行う企業の中には、技術水準がまだ初期段階であり、適切な技術ガイダン
スや技術規定を持たず、品質や用途に関する具体的な基準が不十分な企業があり、
再生製品の一部が環境問題や社会問題を引き起こしている例もあります。工業団地
内の企業から発生している一般工業固体廃棄物の中には、潜在的な利用価値がある
ものの、分散しているためにまだ有効利用されていないものがあります。

企業が取組んでいる廃棄物の減量化のペースを更に強化する必要があります。廃棄
物の最小化やクリーン生産技術の開発および研修は、実際に要求されている水準を
満たしていません。
一般工業固体廃棄物が工業団地における大切な資源であり、区域の循環経済を発展させ
るために重要な材料であると同時に、汚染防止に向けた重点分野であることを考えると、
一般工業固体廃棄物の管理水準は天津経済技術開発区の循環型経済の持続可能な発展に対
して大きな影響力を持ちます。そのため、すでに実施している危険廃棄物の全過程管理を
基礎として、一般工業固体廃棄物の管理も強化する必要があります。本プロジェクトでは
一般工業固体廃棄物の発生から最終処分や処理までの全過程を包含し、管理、技術、政策、
および情報の後ろ盾を得た斬新な管理方式を模索します。このような管理方式を検討する
ことで管理が保証され、工業団地の循環型経済の高いレベルでの発展が実現可能となりま
す。
2)プロジェクトの実施意義

政府が工業団地における一般工業固体廃棄物の発生、移動、処分、および処理に
関する情報を全面的に把握することが容易になり、工業団地の廃棄物資源を整然
かつ適切に流通させ、資源の利用率を最大限に高めることが可能になります。

廃棄物の移動について追跡管理を行うことにより、廃棄物を発生させる業者、そ
の収集を行う業者、およびその処理を行う業者がそれぞれ移動過程において負う
べき責任や義務が明確になり、廃棄物の流通段階における問題を発見し、企業の
社会的な責任や義務を強化することができます。

一般工業固体廃棄物の管理における 3R 原則を全面的に実施し、減量化、資源化、
無害化を実現することができます。
3)プロジェクトの実施目標

天津開発区における一般工業固体廃棄物の全過程管理方式を刷新し、この管理方
式を全国的に推進するために参考として利用

天津開発区における一般工業固体廃棄物の減量化、資源化、および無害化の水準
の全面的な向上
4)プロジェクトの内容
292
添付資料 10
1.
一般工業固体廃棄物の廃棄元における減量化の指導を推進するためのプラットフ
ォームを立ち上げる
TEDA 環境保護協会の既存のプラットフォームを使用し、一般固体廃棄物の廃
棄元における減量化の指導を行うための研修や診断の枠組みを推進し、一般工業
固体廃棄物の減量化を促進します。
2.
一般工業固体廃棄物の申告登記制度を確立する
一般工業固体廃棄物を発生させる事業者は、国の規定に従って、一般工業固体
廃棄物の発生量、移動先、貯蔵、処理といった関係する資料を環境保護行政主管
部門に提出し、申告登記を行います。
3.
一般工業固体廃棄物のマニフェストによる管理制度を確立する
一般工業固体廃棄物の発生から収集、貯蔵、運搬、利用、処分、処理までの全
過程に関係する、廃棄物を発生させる事業者、廃棄物の回収を行う事業者、廃棄
物の再利用と処理を行う事業者は、一般工業固体廃棄物の移動管理伝票(マニフ
ェスト)の記入を行い、廃棄物の有効利用と環境への安全性を確保しなければな
りません。また、途中で許可なく廃棄または処理することはできません。
4.
一般工業固体廃棄物を発生させる企業、またその回収、総合利用、処理を行う企
業の評価指標システムを確立し、
「一般工業固体廃棄物エコマーク」による管理を
実施する
評価指標システムを確立し、一般工業固体廃棄物を発生させる企業、またその
仲介回収、リサイクル、最終処理を行う企業の合法性、各段階における汚染防止
水準、資源のリサイクル効率、総合的な技術水準や管理水準、リサイクル製品の
品質や基準、および最終処理手段の適切性などについて評価を行い、一般工業固
体廃棄物エコマークによる管理を実施します。基準を満たした企業に対して「一
般工業固体廃棄物エコマーク」を交付し、政策、資金、および対外提携において
一定の支援を提供することにより、一般工業固体廃棄物の管理の本格化を推進し
ます。
5.
一般工業固体廃棄物の全過程管理方式を制定する
「マニフェスト制度」および「申告登記制度」の全体的な施行状況を踏まえて
開発区の実情とともに検証し、
『固体廃棄法』の関係する規定に基づいて、天津開
発区の一般工業固体廃棄物の管理方式を制定することで、一般工業固体廃棄物を
発生させる企業、およびその仲介回収、リサイクル、最終処理を行う企業が環境
汚染を防止する責任や履行すべき義務を明確にし、その法的責任も明確にします。
6.
工業団地における資源の管理やリサイクルに関する政策や法規の提案を提出する
工業団地における資源の管理やリサイクルについての国内に現存する政策、法
規、また基準を収集し、天津開発区における一般工業固体廃棄物の全過程管理方
式の実行状況と考え合わせ、工業団地における現在の資源管理やリサイクルに関
293
添付資料 10
する政策および法規について詳細な研究を行い、適切な提案を提出します。
5)試験プロジェクトに参加する企業の選択
天津開発区内で生産活動を行う企業 24 社(工場数は 30 箇所)に本プロジェクトへの
参加を呼びかけました。これら 24 社の企業の産業分類には、電気通信、機械製造、食品
飲料、エネルギーや材料の開発研究、生物製薬といった天津開発区の基幹となる業種が
含まれています。企業形態としては、欧米系、韓国系、日系、台湾系、および国内の民
営また国営の企業が含まれます。現在の統計データによると、これら 24 社の企業で発生
する固体廃棄物の量は天津開発区で発生する総量の 40%以上を占めており、固体廃棄物
に関係する非常に典型的な企業と言えます。
6) プロジェクトの実施スケジュール(2011 年 9 月~2012 年 2 月)
1. プロジェクトの始動と研修(9 月 20 日)
国、天津市、濱海新区の関係する主管組織の責任者、専門家、およびプロジェクト
に参加する事業者を招いて交流および連絡を行い、プロジェクト始動式を開催します。
企業の代表は試験プロジェクトに参加するという承諾書に署名し、企業のプロジェクト
責任者はプロジェクトの研修に参加します。研修の内容は次の通りです。

天津経済技術開発区の『一般工業固体廃棄物の全過程管理制度の刷新』試験
プロジェクトの紹介

「一般工業固体廃棄物マニフェスト(管理伝票)」の実行および記入報告のガ
イダンス
2. 一般工業固体廃棄物の「マニフェスト制度」の実行(10 月~12 月)
プロジェクトに参加する企業が、商業契約による拘束力を活用して、その企業で発
生する廃棄物の仲介回収また処理利用を行う受け入れ企業に対して、本プロジェクト
への参加と、プロジェクトの要件に基づいて『一般工業固体廃棄物マニフェスト(管
理伝票)
』の記入および報告を共同で実施することを求めるよう依頼します。天津開発
区環境保護局はマニフェストの実行を監督します。

プロジェクト実施後 1 か月目には、主に現場での指導や訂正作業を監督

プロジェクト実施後 2 か月目には、主にマニフェストの実行状況を監督

プロジェクト実施後 3 か月目には、主に完全かつ信頼できるマニフェスト
データの作成を監督
3. 一般工業固体廃棄物の申告登記制度の実行(2011 年 12 月~2012 年 1 月)
一般工業固体廃棄物の申告登記作業と現行の「汚染排出申告登記」作業を同時に展
開します。一般的な期間は 2011 年 12 月から 2012 年 1 月までとなります。専任者が
プロジェクトのデータ統計と資料収集を行い、疑問がある場合はすぐに企業と連絡を
取り、プロジェクトデータの正確性と完全性を保つようにします。プロジェクトの責
任者は企業データの機密を厳格に守らなくてはいけません。
294
添付資料 10
4. 効果の第 1 段階評価(2012 年 1 月)
「マニフェスト制度」および「申告登記制度」の実施状況と統計データについて分析
および評価を行います。
5. 一般工業固体廃棄物エコマーク管理評価の枠組みの実行(2012 年 1 月)

評価指標の研究。異なる業種や形態の企業に適用できる評価指数について
研究を進め、適切かつ妥当なプロジェクト進行評価を採用し、エコマーク
交付の基礎とします。

一般工業廃棄物を発生させる企業、およびその回収、リサイクル、最終処
理を行う企業の一般固体廃棄物管理の現状について評価を行い、評価結果
に基づいて、条件を満たした企業には「天津経済技術開発区一般工業固体
廃棄物エコマーク」を交付し、条件を満たしていない企業には改善案と改
善の期限を指示します。
6. 一般工業固体廃棄物の廃棄元における減量化の指導方式の実行(2012 年 2 月)
TEDA 環境保護協会の既存のプラットフォームを使用し、一般固体廃棄物の廃棄元
における減量化の指導を推進します。
7. 天津開発区の一般工業固体廃棄物の全過程管理方式の制定と実施(2012 年)
『天津開発区一般工業固体廃棄物管理方式』を制定し、2012 年中にその交付および
執行を目指します。
(4)一般工業固体廃棄物マニフェスト(管理伝票)制度」の実施細則
一般工業固体廃棄物の発生から収集、貯蔵、運搬、利用、処分、および最終処理までの
全過程のいずれかに関係する廃棄物を発生させる事業者、廃棄物の回収を行う事業者、廃
棄物の再利用や処理を行う事業者は、『一般工業固体廃棄物マニフェスト(管理伝票)』の
記入を行う必要があります(付録 2 を参照してください)。
1)マニフェスト制度の原則

それぞれのマニフェストには 1 種類の廃棄物の移動情報についてのみ記入し、
報告を行います

マニフェストによる管理の対象には廃棄物を発生させる企業、廃棄物の回収
仲介を行う企業、廃棄物の処分処理を行う企業を含みます

マニフェストによる管理内容は、危険廃棄物以外の一般工業固体廃棄物です

マニフェストにより管理される固体廃棄物の種類は、対象となる工業団地の
主要な業種において発生する主な廃棄物であり、開発区の前期調査の結果を
参照しつつ、企業が記入や報告を行う上での利便性やデータ統計上の便宜性
を考慮して決定されます。分類の詳細については付録 1 を参照してください

マニフェストは 5 枚綴りで、そのうち廃棄物を発生させる企業が 2 枚を保存
し、廃棄物の回収仲介を行う企業、廃棄物の処分利用を行う企業、開発区の
295
添付資料 10
環境保護局がそれぞれ 1 枚を保存します
2)マニフェストの記入内容
1.第一部分——廃棄物排出事業者の記入欄
記入内容:
企業名、所在地、電話番号
廃棄物交付者氏名、電話番号
廃棄物移動日;
移動する廃棄物名称(該当する廃棄物名称を選択してください)
移動する廃棄物重量
荷姿(選択してください)
2.第二部分——廃棄物1次受入れ先(廃棄物回収/処理事業者)の記入欄
記入内容:
廃棄物受入れ担当者氏名、電話番号
廃棄物受入れ事業者名、所在地、電話番号
廃棄物受入れ日
輸送方法(選択してください)
廃棄物の処理方法(選択してください)
3.第三部分——廃棄物2次受入れ先(廃棄物回收/処理事業者)の記入欄
記入内容:
廃棄物受入れ担当者氏名、電話番号
廃棄物受入れ事業者名、所在地、電話番号
廃棄物受入れ日
輸送方法(選択してください)
廃棄物の処理方法(選択してください)
3)マニフェストの記入および報告の手順
1.廃棄物を発生させる一般の事業者は、廃棄物を移動するたびに、正確に 5 枚綴りのマ
ニフェストの第 1 部分の記入を行います。5 枚すべてに企業の会社印を押し、そのうち 5
枚目を写しとして自社で保存し、その他の 4 枚を廃棄物の移動時に廃棄物の回収を行う
事業者つまり最初に廃棄物を受領する事業者へ提出します。
2.廃棄物を発生させる企業が同じ種類の廃棄物を毎月複数回移動し、かつ廃棄物を回収
する事業者が固定されており変化しない状況の場合、次のように記入および報告を行う
ことができます。毎回の移動の際に『一般工業固体廃棄物移動荷口登記表』(添付資料 3
を参照)の記入および報告を行い、毎回の移動の数量と移動先を記録します。該当する
種類の廃棄物のマニフェストへの記入および報告は月末にまとめて行い、その月に発生
296
添付資料 10
した移動の総量を記入します。記入の要件は、移動ごとに記入を行う場合と同様です。
3.廃棄物を最初に受領する事業者はその廃棄物を受領する際、廃棄物を発生させ事業者
が記入したマニフェストの内容と実際に運搬された廃棄物を照合して確認します。確認
の後、記入の要件に従って、正確に 4 枚綴りのマニフェストの第 2 部分の記入を行い、4
枚すべてに企業の公印を押します。その後、次の 2 つの場合に分けて処理を行います。
A) 廃棄物の第1次受け入れ先が最終リサイクル或いは最終処分先の場合

受入れ事業者は第 3、4 票を保管し、第 1、2 票は排出事業者に返送します。

廃棄物排出事業者が第 1、2 票を受領後、第 1 票を保管し、第 2 票は環境保
護局に提出してください。運用フロー図は以下の通りです。
TEDA 環保局
第 2 票保管
2票
廃棄物排出事業者
廃棄物受入れ事業者
マニフェストの第 1
部分を記入し、第 5
票を控え、1 票から 4
票は第1次受入れ事
業者に渡す
マニフェストの第
2 票部分を記入す
る
1,2,3,4 票
第 1 票保管、
第 2 票は環保局に提
出
1,2 票
第 3,4 票保管、第
1,2 票 は 廃 棄 物 排
出事業者に返送
図表 3.3.1 廃棄物の 1 次委託のみの場合の運用フロー(A)
B) 廃棄物の第1次受入れ先は最終処理、処置事業者でない場合(2次処理先がある場合)

第1次受入れ事業者はマニフェストの第1票から4票と廃棄物と共に、第2
次受入れ事業者に渡します。

廃棄物の第2次受入れ事業者は、廃棄物を受領し、マニフェストの第3部分
を記入します。全ての票に会社印を押印し、第4票を保管、1票・2票・3
票は廃棄物第1次受入れ事業者に返送します。

廃棄物第1次受入れ事業者は、第1票・2票・3票を受取り、第3票を保管
し、第1票・2票は廃棄物排出事業者に返送します。

廃棄物排出事業者は、第1票・第2票を受取り、第1票と第5票の記入内容
を確認後、保管します。第2票は TEDA 環境保護局に提出します。運用フロ
ー図は以下の通りです。
297
添付資料 10
TEDA 環保局
廃棄物排出事業者
マニフェスト
の第 1 票部分を
記入し、第 5 票
を控え、1 票か
ら 4 票は第1次
受入れ事業者
に渡す
第 2 票保管
2票
第 1 票保管、
第 2 票は環保
局に提出
第2次受入れ事業者
第1次受入れ事業者
1,2,3,4 票
1,2 票
マニフェストの
第 2 票部分を記
し、1 票から 4
票は第 2 次受入
れ事業者に渡す
1,2,3,4 票
第 3 票保管、第
1,2 票は廃棄物
排出事業者に返
送
1,2,3 票
マニフェストの
第 3 票部分を記
入する
第 4 票保管、
1,2,3 票 は 廃 棄
物第 1 次受入れ
事業者に返送
廃棄物を 2 次処理先に委託する場合の運用フロー(B)
注:廃棄物を移動する過程においてマニフェストに記入された内容と実際に運搬する廃棄
物が一致しない場合、廃棄物を受領する事業者には常にその受け取りを拒否する権利があ
ります。
4)マニフェストに関係する事業者の責任と義務
-廃棄物を発生させる企業
マニフェストの実行管理に対する最終責任を負います。確実かつ正確な記入を行うだ
けではなく、関係する廃棄物を受領する事業者と協力し、その事業者と共同でマニフェ
ストをすべて記入し、廃棄物の移動情報が正確で信頼できることを保証し、廃棄物のリ
サイクルと環境への安全性を確保することにも責任を負います。
-廃棄物を回収、資源再利用、および最終処理する部門
法律に従って汚染を防止する責任を負います。つまり、廃棄物の移動、資源の再生お
よび処理を行う過程の中で、廃棄物を発生させた企業と協力して廃棄物マニフェストへ
の記入を正確に行い、固体廃棄物による環境への汚染を防止し、資源の再利用率を最大
限に高めるために科学的な措置と適切な技術を確実に採用するものとします。
-政府の管理部門
天津経済技術開発区環境保護局は、「一般工業固体廃棄物マニフェスト(管理伝票)」
の実施について監督および管理を実施します。TEDA 低炭素経済促進センターは、マニ
フェストの実施過程における技術的な作業や事務的な作業に対する責任を負います。
(5)天津経済技術開発区の『一般工業固体廃棄物エコマーク管理』
298
添付資料 10
『開発区一般工業固体廃棄物エコマーク管理』は、一般工業固体廃棄物の発生から最終
処理までの全過程を管理する管理方式で、「許可証」による管理とは異なります。天津開発
区の工業団地において、EU などの先進国の先進的な管理理念を参考にしたこの管理方式と
なります。この管理の中心となる概念は、政府の主管部門(または権利を与えられた第三
者機関)が企業に工業廃棄物の「エコマーク」を交付すること、廃棄物を発生させる企業、
およびその回収、利用、処理を行う企業のうち、法律法規を遵守し、環境に配慮し、循環
型経済の「3R」原則に準拠している企業を表彰また宣伝すること、「エコマーク」を持ち、
取り扱いが模範的な企業に工業団地における一般工業固体廃棄物の移動や利用を集中する
よう誘導すること、廃棄物の移動や処理の過程における環境汚染問題を減少させることで
す。これにより工業団地の工業廃棄物の減量化、資源化、および無害化を実現し、天津開
発区における循環型経済の高いレベルでの発展を促進することを目指します。
1)『一般工業固体廃棄物エコマーク管理』に関係する企業の範囲
 天津開発区の工業団地で固体廃棄物を発生させる企業
 天津開発区で一般工業固体廃棄物の回収、運搬、貯蔵、利用、処理などに従事
する企業。ただし、天津開発区の工業団地からの距離が遠く、廃棄物を長距離
移動させる必要がある企業を除きます
2)『一般工業固体廃棄物エコマーク管理』の評価指標
1.固体廃棄物を発生させる企業の評価指標
①一般工業固体廃棄物の廃棄元における制御管理に関する制度と設備(貯蔵、運搬、分
類など)
②一般工業固体廃棄物の社内における回収と再利用の水準、および社外との共同管理の
水準
③一般工業固体廃棄物の再資源化水準
④一般工業固体廃棄物の無害化処理率(廃棄物を発生させる企業は後の過程についても
発生業者として責任を負い、管理手段を講じて回収や処理を行う企業に制約を与え、
廃棄物の最終的な処理状況を確認することができなければならない)
2. 仲介回収、リサイクル、および最終処理を行う企業の評価指数
①仲介回収およびリサイクルを行う企業が環境保護のために「三同時制度」を実施して
いる程度(貯蔵場所、運搬過程、利用および処理を行う設備やその付帯施設で汚染防
止施設を建設また運営している状況を含む)
②仲介回収およびリサイクルを行う企業の技術水準、製品の基準や用途など
③仲介回収およびリサイクルを行う企業が新技術の開発や国際提携を行う能力の評価
299
添付資料 10
3)
『一般工業固体廃棄物エコマーク管理』で表彰される企業の条件と責任
廃棄物
排出
事業者
天
津
開
発
区
の
一
般
工
業
廃
棄
物
エ
コ
マ
ー
ク
管
理
廃棄物
回収事業者
廃棄物
リサイクル
事業者
廃棄物
処分事業者
1. 原材料の変更や生産工程の革新により、廃棄物を減少させ、エ
ネルギーを節約する
2. 再利用や再循環により廃棄物を減少させ、資源利用を行う企業
で優先的に廃棄物を処理する
3. 固体廃棄物の発生、分類、貯蔵、運搬、回収再利用といった各
段階で汚染防止措置や環境汚染ゼロを目指す活動を厳密に実行
する
4. 発生後の過程についても発生業者として責任を負い、「一般工
業固体廃棄物エコマーク」を持つ業者を固体廃棄物の仲介回収
またリサイクルを行う業者とし、廃棄物の移動先や処理を追跡
する。また、法律に従って工業廃棄物の処分また処理を行う
1. 廃棄物の回収また運搬の過程で、汚染や拡散を防ぐ措置を取る
2. 廃棄物の分類管理を行い、廃棄物を貯蔵する場所に環境汚染や
安全に関する事故を防止する施設を設ける
3. 経営が模範的で、悪質な競争や違法行為がない
4. 廃棄物を回収して、資源化を行う企業へ移動している
1. 生産工程が国の産業計画の要件を満たしている
2 生産する製品が、品質や環境保護に関する国の規定や基準を満
たしている
3. 企業の生産工程に廃棄物の管理手段や安全生産設備がある
4. 経営が模範的で、悪質な競争や違法行為がない
1. 廃棄物を移動する過程で、拡散や脱落を防ぐ措置を講じており、
環境を汚染しない
2. 国の基準を満たす無害化処理の技術と施設がある
3. 廃棄物の処理において発生する工程廃棄物の管理手段がある
4. 経営範囲を超えて工業廃棄物の処理を行うことがなく、環境汚
染を引き起こす行動や安全に関する事故がない
4)一般工業固体廃棄物エコマーク管理の効果

開発区で発生する一般工業固体廃棄物について、その発生から処理までの全過程に関
係する企業の行動をこの「方式」で一律に管理できるため、主管部門は法律の執行と
ともに一元的な監督や管理を容易に行うことができ、管理業務における食い違いの発
生を避けることができます。

工業団地で発生した工業廃棄物の適切な移動と利用を促進し、資源化の技術や設備が
あり、資格や能力が高いとしてエコマークを交付された企業に工業廃棄物が集中する
よう誘導することにより、開発区域内で循環型経済を容易に発展させることができま
す。

開発区域内の一般工業固体廃棄物の回収、処分、処理といった事業活動を規定するこ
とで、好ましくない競争が発生するという状況が改善されます。また、工業廃棄物の
移動、処分、処理が規定されていないために環境汚染問題が生じるという状況を減少
300
添付資料 10
させることができます。

「エコマークを交付された」経営者の行動を規定し、企業の資質を向上させ、企業に
拡大や発展の機会を提供します。
(6)添付資料
添付資料 1 一般工業固体廃棄物分類についての説明
プロジェクトの一般工業固体廃棄物の種類は、TEDA が事前調査の結果に基づき、主
幹産業が発生する主要廃棄物を対象としました。国家危険廃棄物目録の危険廃棄物を含
みません。種類は以下の通りです。
廃プラスチック、廃ゴム、古紙、廃ガラス、廃木くず、漢方薬残渣
梱包廃棄物———紙製梱包材、木製梱包材、金属包装材、プラスチック包装材、
ガラス/陶器包装材、木パレット、プラスチックパレット、
フレコン袋、緩衝材、その他梱包材
金属くず————鉄くず、廃アルミ、廃銅、その他金属
残渣類—————炉残渣、精錬残渣、鉱物残渣、廃白土、脱硫石膏、その他残渣
粉塵類—————石炭灰、集塵灰、その他粉塵
汚泥類—————工程排出汚泥(有害物含まず)、汚水処理汚泥(有害物含まず)
建材廃棄物———瓦礫・コンクリート、廃粘土、木くず、炭素繊維プラスチック、
廃陶器、その他
食品加工廃棄物—廃小麦粉/穀類、食品残渣、動物残渣、廃植物油/乳製品、
廃糖類、廃野菜、廃飼料
紡織皮革廃棄物—廃繊維/棉、紡織廃棄物、廃皮革
計 14 の主な廃棄物。
廃プラスチック、廃ゴム、古紙、廃ガラス、廃木くず、漢方薬残渣は単一素材の廃棄
物で、細目がありません。該当する廃棄物の名称を選択してください。
残りの 8 種類の廃棄物は、素材や資源リサイクルの用途が異なるため、細目を設けま
した。該当する廃棄物の名称を選択してください。
301
添付資料 10
一般工业固体废物管理联单
添付資料 2
废物产生单位存根
编号
(第一联)
第一部分
废物产生企业填写
企业名称
地址
废物转移
姓名
交付人
电话
废物转移时间
电话
年
月
日
转移废物信息(请选择转移废物类别,填写转移量)
(
不
包
括
危
险
废
物
)
一
般
工
业
固
体
废
物
种
类
□废塑料
□废橡胶
□废玻璃
□废纸张
□中药残渣
□废木屑
包装废物类
□纸制包装物
□木托盘
废金属类
□废钢铁
□废铝
□废铜
□其它
废渣类
□锅炉渣
□冶炼废渣
□矿物残渣
□废白土 □脱硫石膏 □其它渣
粉尘类
□粉煤灰
□集尘灰
□其它粉尘
污泥类
□工艺过程污泥(不含有害物质)
□污水处理污泥(不含有害物质)
建筑材料类
□砖瓦砂石混凝土
□废粘土
□废木
食品加工类
□废面粉、谷物
□废植物油、乳制品
□食品残渣
□废糖
□废果蔬
□动物残渣
□废饲料产品
纺织皮革类
□废纤维、棉絮
□废织物
□废皮革
□木制包装物
□塑料托盘
□金属包装物
□编织袋
□塑料包装物 □玻璃/陶瓷包装物
□填充物
□玻璃钢
□废陶瓷
其它废物(自填)
转移量:
第二部分
□ 吨
□ 公斤
包装:
□散装
电话
公司名称
废物接收人(签字)
地址
第三部分
□其它
废物接收时间
年
运输方式
废物在本公司处理方式
□汽车 □火车 □船 □其它
□中转/贮存 □利用
年
月
月
日
日
□处理 □焚烧 □安全填埋 □其它
废 物 二 次 接 收 单 位 ( 废 物 回 收 /处 理 企 业 ) 填 写
电话
废物接收人(签字)
废物接收时间
年
公司名称
电话
□罐装 □编织袋 □捆扎
废 物 首 次 接 收 单 位 ( 废 物 回 收 /处 理 企 业 ) 填 写
废物接收人(签字)
电话
□箱/桶
月
日
地址
运输方式
废物接收人(签字) □汽车 □火车 □船 □其它
废物在本公司处理方式
□中转/贮存 □利用
□处理 □焚烧 □安全填埋 □其它
备注
天津经济技术开发区环保局监制
302
添付資料 10
添付資料 3 一般工業固体廃棄物の都度移動記録票
一般工業固体廃棄物の都度移動記録票
移動する廃棄物名称_____________
____
廃棄物排出事業者___________________ 廃棄物受入事業者_________________
移動日
移動重量
□ t □ ㎏
交付者(署名)
天津经济技术开发区环保局监制
303
受入れ者(署名)
備考
添付資料 10
添付資料 4 参加企業リスト
1.
TFT 汽車有限公司
2.
LZ 車輪有限公司
3.
JH 輪胎有限公司
4.
SAM 電子有限公司
5.
ROM 半導体有限公司
6.
TY 半導体有限公司
7.
SAM 高新電機有限公司
8.
JY 電子有限公司
9.
COC 飲料有限公司
10. DJ 食品有限公司
11. NW 生物技術有限公司
12. SYX 医薬股份有限公司
13. P 塗料有限公司
14. QW 建筑材料有限公司
15. HDW 紡織有限公司
16. TDV 水務有限公司
17. TDX 科技開発有限公司
18. BH 能源発展有限公司
19. WS 風力技術有限公司
20. MKG 家私制造有限公司
21. MTL 電子有限公司
22. FJK 精密工業有限公司
23. DYG 食品有限公司
24. JS 電池有限公司
304
添付資料 11
添付資料 11
天津海濱新区の中核―TEDA の投資環境について
305
添付資料 11
306
添付資料 11
天津経済技術開発区
•Tianjin
天津濱海新区の中核ーTEDA
の投資環境について
•TEDA
-天津経済技術開発区日本事務所-総代表 王 穎-
•Economic-technological
•Development
•Area
2
中国で最も発展ポテンシャルの高い区域
中国経済発展
第三の波
天津市
泰达
ブランド力
北京
団結力
環渤海湾
天津
サポート力
上海
蘇州
• 国家総合改革実験区
長江デルタ
• 中国と世界の製造業及び研究開発中心
• 中国北方の国際海運/空運/物流中心
広州
深圳
3
珠江デルタ
4
濱海新区の発展戦略
天津市発展戦略-ー濱海副都心と南港
1、TEDA南港工業区の建設
6、東彊保税港の建設
石油化学、冶金産業など
国際物流センター
2、臨港工業区の建設
7、濱海リゾート地の建設
天津市発展戦略-ー濱海副都心
天津市発展戦と南港
中国で最も発展ポテンシャ
機械産業、造船業など
テーマパーク,総合レジャー産業
と南港
ルの高い区域 8、北塘経済区の建設
3、濱海新区核心区の建設
美しき新都心を築く
4、ビジネスセンター区の建設
国際会議の開催地を建設
9、TEDA西区の建設
中国最大の金融センターを目指す
5、エコシティの建設
5
航空、宇宙産業を中心
10、漁港経済区の建設
6
307
添付資料 11
投資回収率の高いエリア
中国NO.1を目指すTEDA
国家商務部の総合評価において、国家級開発区75ヶ所中
• 製造業の平均利益率:7.4%
主な経済指標
(※全国1位)
総合投資環境指標
• GDPに対する企業貢献度:34%
(全国平均:24%に比べ格段に高い)
13 年連続 NO.1
(1997年―2010年)
7
8
地球に優しい生産環境
濱海新区に対する開発区の貢献度
2009年1-12月
地域総生産
33.4%
51.1%
工業総生産
契約外資額
 ISO14000認証
51.8%
 2002年国家環境総署及び国連環境署から工業パーク環
境管理テスト区域に選ばれた
輸出額
67.7%
 2008年国家級エコ工業パークに認定された
% 0
20
40
60
80
9
10
•地球に優しい生産環境
充実した生活施設を完備
中日協力国際低炭素経済プラットフォームの構築
 2010年3月濱海低炭素経済促進センター発足
情報交流、技術展示、技術移転、排出権取引、人材育成、
ビジネスインキュベーションなどのサービスを提供する
 国際協力プロジェクトを実施
◆日本経済産業省の調査事業に入り、TEDAの産業廃棄物のリサイクル
現状を診断する
◆EUの持続的な生産と消費基金のプロジェクトを実施し、2013年まで濱
海新区の1000社に省エネ・汚染削減の諮問サービスを提供する
11
12
308
添付資料 11
世界中で注目されている
充実した生活環境
・居住
マンション、アパート多数あり
・教育
・病院
幼稚園から大学まで完備
国際学校2カ所あり
2か所 アジア一流レベル
・商業
ゴルフ場、イオンPLAZA、
渉外ホテル、日本料理店多数あり
14
13
2009年12月まで:
外資系企業4734社(日系417社)
ブランド力
累計投資総額約600億米ドル
契約外資額400億米ドル超
団結力
サポート力
「フォーチュン」誌ベスト500社の76社
より157のプロジェクトに投資
15
16
www.investteda.org
中心となる9つの基幹産業
中心となる9つの基幹産業
•2009年1月ー9月 工業総生産
18
17
309
添付資料 11
自動車産業と先進的なサービス業
新エネ、省エネ、環境 ー 最も潜在力のある主要産業
京セラ太陽電池、VESTAS風力発電、東汽風力発電、
等新興産業がTEDAに新しい活力を吹き込んだ。


トヨタを代表とした自動車産業、2010年生産高
48万台、全体の19.5%を占める。長城自動車
の進出により、更なる発展が期待される。
“低炭素社会への選択”


天津排出権取引所

中国企業排出削減連合行動

天津環渤海省エネ排出削減企業連合会

TEDA省エネ、環境専用資金
アウトソーシングと金融業を主として、
リース、保険、外資銀行、ファンド、証券
会社など近代サービス業が台頭しつつ
ある。
20
19
TEDA区域の概況
全6か所
TEDAの明日 ー 南港工業区
計320㎢
北京
近代産業園区
逸仙科学工業園
10㎢
22㎢
天津市
開発区西区48㎢
開発区母区
微電子工業区4.6㎢
40㎢
天津港
企画面積200k㎡、その内陸地162k㎡ 、海面38k㎡
•南港工業区
•200㎢
21
22
TEDAの明日ー近代的サービス産業エリアMSD
近代サービス産業エリアーMSD
オフィスビル86万平米 商業施設15万平米
• MSDはTEDAのセンターサービスエリアであり、
総建築面積105万平米である。このエリアで高級オ
フィスビルを建設し、TEDAの金融業・コンサル
ティング業・技術研究開発などの企業に施設やサ
ービスを提供し、区域のサービス産業の発展に役
割を果たす。
• 同エリアには、シアター・博物館、多目的広場、
百貨店、ショッピングセンターなどの商業施設も
建設し、TEDAの文化・商業を活発させる。
24
www.investteda.org
310
添付資料 11
優れた投資環境
知的財産権
物流
政支援
金融環境
運営サポート
サービス業
技術支援
産業環境
工場
ブランド力
人材資源
ホテル
団結力
商店
通信
環境
ガス
サポート力
住居
水電気
医療
交通
教育
物流园区
レジャー
インターネット
カルチャー
25
26
サービス理念
政府の強力なバックアップ体制
投資者第一主義
運営
建設
運営サービス
グループ
設立
ワンストップサービス
建設サービス
グループ
投資サービス
グループ
プロジェクト立ち
上げに関するコン
サルタント
TEL 25201906
運営の中の問題解
決
工場建設用地、企
画、関連手続きの
協力
TEL 25202198
TEL 25201652
(貿易発展局)
(建設発展局)
(投資促進局)
24時間ホットライン
0086-22-25201111
27
28
中小企業への協力
優遇政策
・中小企業信用担保センター
•
短期融資の担保を提供する
・貿易促進センター
•
国内外の各種展示会・商談会を通じ、区内企業
•
の市場開拓を促進する
・生産力促進センター
信用担保の提供、ファンドの紹介、レンタル工
場の提供を行う
投資、運営コストの削減に協力、企業の発展をサポート
その他個別政策
先進型製造業
29
ハイテク産業
近代サービス業
人材奨励
30
311
添付資料 11
市場開拓サポート
進出企業同士間の協力
関係構築
インフラ製品など
政府プログラム優遇
ありがとうございました
国内・海外市場の開拓、展示会・関
連産業促進イベントなどによる広報
31
32
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