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羊毛布地の応力緩和について : 測定条件や布組織等の影響
NAOSITE: Nagasaki University's Academic Output SITE Title 羊毛布地の応力緩和について : 測定条件や布組織等の影響 Author(s) 鈴木, 淳 Citation 長崎大学教育学部自然科学研究報告. vol.38, p.53-60; 1987 Issue Date 1987-02-28 URL http://hdl.handle.net/10069/32492 Right This document is downloaded at: 2017-03-29T02:01:50Z http://naosite.lb.nagasaki-u.ac.jp 長崎 大 学 教 育 学部 自然 科 学 研 究 報 告 第38号53∼60(1987) 羊 毛 布 地 の 応 力緩 和 につ い て 測 定条件 や布 組織 等 の影 響― 鈴 木 淳 長 崎 大 学教 育 学部 家庭 科 教室 (昭和61年10月3ユ 日受理) Stress Relaxation of Atsushi Department Fabrics SUZUKI of Home Economics, Nagasaki Wool University, Faculty Nagasaki, of Education on Japan (Recieved Oct. 31, 1986) Astract The effects stress of measurement relaxation rate, strain, temperature 5-500mm/min, conditions and fabric textures for wool fabrics. The measurement and moisture regain for the stress 1-7%, 10-32°C and 5-15% respectively. for samples. The relation between the stress modulus and the relaxation The following results stress relaxation relaxation rate ratio or the apparent were obtained under these measurement stress were used relaxation to the fabric texture. conditions : The too much by the test length, the strain although it was affected depended largely on moisture differed according relaxation were 60-200mm, Eight wool fabrics time was discussed. rate was not affected and the temperature, were examined on the conditions of test length, strain somewhat by the strain. regain. The stress Fabric relaxation rate stress property 54 鈴木 淳 1.はじめに 布の粘弾性の性質は衣服のしわの発生や回復,疲労や型くずれ,あるいは風合など衣服 の着用性を考える上で重要な基本的特性であると) 従来,その測定は風合その他の目的毎の 研究においていくっかみられる2)が,測定例は比較的少ない。そこで,いくつかある粘弾 性の測定法の中から応力緩和3)による方法を取り上げ,布の粘弾性的性質について測定す ることにした。まず,本報告では羊毛布地の場合の応力緩和に関して,測定条件や布組織 等が与える影響にっいてその一端を検討したので報告する。 2.実 験 方 法 2.1試料 用いた試料は表1に示す市販の羊毛布地で,応力緩和の測定には試料を65%R。H.に調湿 したデシケータ中に保存して用いた。伸長はたて糸方向とし,試験巾は25mmとした。な お,諸元の測定は標準状態で行った。 Table l Deta”s of the sample5 Count No. Sample Fiber Texture arp eft 1 Serge1 Woo1 Twm 〃 〃 1/14.2 /13.0 1/13.0 2 〃 2 3 Geogette 4 Shark− skin 〃 Plain 〃 Twill /14.9 1/14.9 〃 5 Tweed 〃 Plain 6 Doeskh1 〃 Satin 7 Flano 〃 8 Jersey 〃 1/18.5 /15.5 1/3.1 Kllit Warp Weft 23 0 32 8 38 6 22.5 3 1/19.7 /31.1 /6.9 一 Weight x1δ急/cm) (mm) 52 1 14.4 5 一 Bending resistance (mm) 75掌‡ 0,585 1.93 0,582 2.77 0,630 2.17 0,449 2.00 1,159 3.15 0,711 2.92 ’87 /3,8 1/6.1 一 Density率 Thickness 1,111 2.82 O,700 2.42 6料* 75 2 75 4 76 8 67 9 76 1 67 8 88 5 * Threads/cm 零* Cantilever,Warp *申* eart loOP,Warp 2.2 応力緩和の測定 Tabb2 Conditions of stress relaxation experiments 応力緩和の実験は環境雰囲気装置付島津オートグ Test length 60−200mm した。雰囲気の設定仕様は温度一5∼60℃±1.5℃, Strain rate 5−500mm/min 湿度45∼90%±5%R.H.(20∼50℃の範囲で)であ Strain 1−7% るが,試験槽内の温湿度は空気循環によって安定に保 Relaxation ラフAG−100A形を用い,使用ロードセルは5kgと たれている。また,その温湿度は主として乾湿球湿 度計で,一部にはエース鋭感湿度計にてモニターし, 応力緩和実験の開始および終了時の槽内の温湿度 time 1−3600sec Temp。 10−32℃ Moisture regain 5−15%R.H. 羊毛布地の応力緩和について 55 一測定条件や布組織等の影響一 をチェックした。同時に測定終了直後の試料の水分率を天秤にて実測した。なお,応力緩和 の測定開始前の試験槽内における試料の調湿は主として測定準備完了後1時間とした。この 調湿時間は試料の水分率が平衡になるまでの長時間が望ましいが実際的ではないので,ここで はみかけ上の平衡が成立するとして最低1時間を設定した。また,試料の装着には1.4g/cm の初荷重をかけた。表2に今回行った測定条件の範囲をまとめて示した。ここで,試験長が 100mm,伸長速度が20mm/min,伸長率が5%,雰囲気条件が21℃,55%R.H.で,測定終了時 の試料の水分率が11%前後の標準的な測定条件の場合を便宣的に測定条件Aと名付けた。 2.3応力緩和曲線の処理 ・応力緩和現象の説明にはマックスウェルモデル4)を想定するが,布の場合にはモデル化 が複雑であり,簡単に数式化することはむずかしい。そこで,ここでは測定曲線から応力 比P/Po(P,Poは緩和時間毎の応力と初期応力)とlog t(tは緩和時間)との関係,およ びみかけの緩和弾性率E(E=P/εで,Eは布の厚さ当りの値で,εは伸長率)とtとの 両対数曲線の関係等を求め,その大きさや勾配から応力緩和の特徴を読みとることにした。 なお,応力緩和曲線が緩和時間とともに指数関数的に減少するとすれば,EはE=E。 (t/t。)一α(E。,t。,αは定数)で近似される乞)ここで,αの大きさは応力緩和の速さを示し, 応力緩和挙動が粘性的か弾性的かを判断する目安となりうる。 3.結果および考察 3.1応カーひずみ曲線 図1に試料1の測定条件Aによる応カーひずみ曲線を示した。図から,たとえば伸長率 5%のもつ意昧を考えてみると,それはたて糸とよこ糸が各交錯点で互いに,押えられた糸 の織り縮みの伸長限界近傍にあることを示して6)おり, 試料1の応力緩和の実験は糸が引き伸ばされ始める降 伏点以内のひずみ領域で行われたことになる。なお・, / し5 その他の試料についても同様のことが推察された。 3.2応力緩和の挙動 A 試験長との関係 図2−1,2に試料1の測定条件Aによる試験長 が異なるときの応力緩和曲線の結果を示した。曲線 は厳密にはlogtに対して変曲点をもっが,大略直線 的に減少し,その勾配は試験長によって余り変化し ていない。図2−1の応力比の大きさは試験長が短か いとき,小さい傾向を示しているが,図2−2のみか ! / 曾 ミ1 智 ノ の の 国 国 ノ 臼 α ’ の 0 ! 0 ● / 2.5 5 STRAIN (%) けの緩和弾性率の大きさはそのような傾向にはなく, Fig.1 Stress−straln curve for sample L 少くとも伸長率が5%のとき,他の条件が一定にそろ Test length:100mm,Strain rate: えば試験長によらずほぼ一定であると推察される。な 55%,Moisture regain:11.2% お伸長速度の影響については後述するが,図からその 20mm/min,Temp.=22℃,R.H.= 56 鈴木 淳 蓼9 ) 0 900 qg5 りε1概2 ’零∫13臥じξ弩33亀2. 謡撫砺鵡8嬬 国 η ▽ 60 ヴ 頃o o 一 塁・・ ●. ㌦㌔ε。 2・㎜/並n ’㍉;・・.▽)!3;2.. 。200皿 。。”●・ ㌦=・3書32。 0 1 2 3 300㎜/min E ロ ▼6・・ ㍉二・….1ワ“ヤρ・ \η O200㎜ 兵 防 ℃ 300閲/皿i豆 甲略 ・・. .2。。㎜ o一り電・・ 躍摯隔糖呼,呼 ロ ・1008 ■.. ◎o z1 ) 60 9 蓼oじ β ■ 0幽 1 2 3 0β5 1 10gt(sec) 10 100 1000 七(5ec》 Fig2−1 4 10gt(sec) :133= ∼,ぺ・、・o嬬・. 0,75 る コ ロ ル ε 085 ワ吻3・、●. り・・髄.2・。 角 O200 mm 艮 3.’“騒2. 隻 20㎜/min 貧 ミz3 Fig.2−2 The apparent stress relaxation modulus (E)of sample l on the relaxation time (t) at the test lengthes indicated. The stress ratio(P/P。〉of sample l on the relaxatlon time(t)飢the test lengthes indicated. Strain:5.02−5.11%,Temp.:21.25− 21。5℃,R.H.:55%,Moisture regain: Strain=5.02−5.11%,Temp.:21.25−21.5℃,R.H.= 55%,Moisture regain:10.4−11% 10.4−11% 勾配に伸長速度による差は余りなく,応力比の大きさは伸長速度が速いとき,小さい傾向 を示している。 B 伸長速度との関係 図3−1,2に試料1の測定条件Aによる伸長速度が異なるときの応力緩和曲線の結 果を示した。図から,その曲線の勾配は伸長速度による差は余りない。図3−1の応力 比は伸長速度が速いほど小さい傾向を示すが,200mm/min以上ではあまり大きな差は ないようである。また,図3−2のみかけの緩和弾性率と伸長速度との間には相関が見い 出せない。 095 日 5㎜/min §:6:1・・1=㌔、 ロ 20 σ E… 9る魔161●・ O、85 隻 角 075 ロ 歯9鴫 恥o ■ 5㎜/並窪 ● A o 990. 口 20 動 ● 50 σ びゐ ムム ヤ ドロ 亀. 盒 ●・ 。。 釦電 らロ ら じコリ △ ¶00 θ 。9ヤ6●・,.。・・開 ▲ 200 ∂ 翌^▲轟 .. 。。。. 0300 c 。ぎ36▲ ●。 日 500 ◎ りら o^亀・ oも 亀8 006 % ● 50 ◎ \z3 q』 雛著鞭鞭羅 り 国 切7。1 ◎ 一 6500 ρ 0 1 2 3 4 10gt(8ec》 Fig.3−2 The apparent stress relaxation modulus (E)of sample l on the strain rates indi− 1 10 100 1000 cated。 0,65 七(3ec) Test length:100mm,Strain:5.08−5.13%, Fig.3−1 The stress ratio(P/po)of sample l on the Temp・:21・25−2L5℃,R。H.:55%,Moisture relaxation time(t)at the strain rates indicated. regain=8.6,10.O−11.3% Test length:100mm,Strain:5.08−5.13%, Temp.:21.25−21.5℃,R.H.=55%,Moisture regain :8.6,10.O−11.3% C 伸長率との関係 図4−1,2に試料1の測定条件Aによる伸長率が異なるときの応力緩和曲線の結果 を示した。図4−1の応力比はlogtの小さい領域で伸長率による差はなく,logtが大 羊毛布地の応力緩和について 57 一測定条件や布組織等の影響一 きくなるにっれて伸長率が大きいほど応力比が小さくなる傾向にある。なお,図4−2か らは曲線の勾配の差は続み取りにくいが,厳密には伸長率によって応力緩和の速さに差が あり,伸長率が大きいとき加速される。また,みかけの緩和弾性率の大きさは伸長率によっ てかなりの差があり,伸長率が大きいとき大きい。これは一っには応力緩和の実験が図1 の糸の織り縮み限界内外の放物線的ひずみ領域で行われたことによる影響が出ているもの と考えられる。 7.5 ヱリも ==鷲==(:1:セゾご2.. f 86も“e o.9 璽 臼 璽瞬齢:. ^^。5・・^o. ● 3.10響 ‘2艶操臨 ■− .028 06.,10 θ ▲7.119 7.2 ロ じ ロ 01.11% △ 2.08・ 更o・8 ▲ム 醒ロ ▲ ム ▲▲ 、幅,. ロ ●鱒軸軸・{鱒・働.. ●●●●・・.. 9 0 \ ぽ じブ も ε 6.9 畠。^εド呈^、 ^。・6。呈’ ロロ唖臨・m…。ロ... 国 えり △▲△鯛凸イム4ムムム( 切 o H o.7 ムムム ム ムA△ 6.6 /1』1 0000Q。・・・…G・。。。。 O O OO 1 10 100 1000 七(8ec) 6.3 0 1 2 3 4 Fig.4−1 The stress ratio(P/P。)of sample l on the ■ogt(gec) relaxation time(t)at the strains lndicated. Test length:100mm,Strain rate:20mm/ Fig.4−2 The apparent stress relaxatiQn modulus (E)of sample l on the relaxation time min,Temp.:21−21.25℃,R.H.:55%,Moisture regain = 11−11。5% (t) at the strains indicated. Test length;100mm,Strain rate:20mm/ min,Temp.:21−21.25℃,R.H.:55%, Moisture regaln:11−11.5% D 水分率との関係 図5−1,2に試料1の測定条件A による雰囲気温度が30.5∼32℃の場合 における水分率が異なるときの応力緩 和曲線の結果を示した。図から曲線の勾 配は水分率によって大きく変化し,まず 水分率が15%前後の試料では,その勾配 に顕著な変曲点が認められる。すなわち, 0.9 Nl:1幣1三辮 0.8 、㌔.壕鞭一・ 臭 凸 0』7 、 鳳8 鴨。 、 繋。1鳳6 ・0。5 にまた応力緩和の速さが増進するようで 。㌃砺 、踊 0β 力緩和の加速程度が緩和され,さらに水 分率が下り,5%前後の試料になると逆 、% ξ義 曳11:も 、 ●^◇ や のマ 緩和時間のある経過時間において応力緩 和の速さが加速される。つぎに水分率が それより低い11∼12%近辺の試料では応 卜窟2 ▼驚93糾1. ▼15.8 1 10 100 1000 t(3ec) Fig。5−1 The stress ratio(P/P。)of sample l on the ある。これらの点にっいては,低湿,高 relaxation time(t)at the moisture regains 湿領域での平衡水分率の遅れの問題など Test length:100mm,Straln rate:20mm/min, indlcated. Strain:5・09−5.13%,Temp.=30.5−32℃ も含め今後さらに検討する必要があろう。また高湿域では測定前のチヤック間の試料にハ イグラルエキスパンション現象7)によるたるみが認められるが,羊毛布地は湿分の吸放出 による伸縮特性があるのでこの現象との関係においても検討の余地がある。いずれにして 58 鈴木 淳 も,羊毛布地の応力緩和特性は水分率によって 特徴的な粘性的挙動を示すようである。 ▲▲ ^・ 妻1麿禦辮籍簾歯鷺劣.葺▼▼▼、愚》%. ▼ 曳、概6 緩和挙動に対する温度の影響は余りなく,それ ▼▼▼,5、 マ が主として水分による影響であることを示して 0 1, 2 3 1 4 109念(8eo》 いるQ Fig.5−2 The apparent stress relaxation modulus(E) of sample l on the moisture regains indi− cated. Test length:100mm,Strain rate:20mm/ min.strain:509−5.13%,Temp.:30.5−32℃ 7.4 臼 o ロロ【ヨo O.95 重 ● 鯉㌔%恥 ’要ll摯含腕 O.85 コ ム ロ ムお ロロ ロタ o. ^ム3国 98臨台ロ .山 ::‘∼ロ3。。。♂転器 \ 函 O。75 7。2 ヨ ミ §7ゆ 蕾 誓 ■、・■曝− ▲▲、 躍■ .巳’ロ鞠・■. ^暗▲ 一6.8 61 ▲ 。 。。 ”8晦 011.5℃ 工1。1多 曳 あ▲・ 。 EP2ユ軸2ユ.5 7。6 の ム A▲ o ロ 眈 10。8 AA■ ▲150.5一:51.5 6.0 4 ,, ユ1.1 ’ ▲ o ■ ▲ ▲ 1嘗 】.4.6 O。65 1 10 ユOO 1000 t(3ec) Fig.6−1 The stress ratio(P/P。)of sample l on the relaxation time(t)at the temperatures indi− cated. Test length=100mm,Strain rate:20mm/ min,Strain=4.91−5.11% ▲亀へ』」▲4▲▲ 鮎 ム∼▲▲ Temp。 Moi6turo ■ 監0 14.3 黙雪甑摯極 △△ △ △ △ 6.6 』 巳 軸 ● ■軸 0 1 2 3 4 ■Ogt(8ec) Fig.6−2 The stress rela阻tion m(xlulus(E)of sample l on the relaxation time(t)at the tempera_ tures lndicated. Test length:100mm,Strain rate:20mm/ min,Strain=4.91−5.11% Moisture Temp. regain 11.5℃ 11.1% ○ [i] □ ■ △ △ ▲ 21−21.5 〃 〃 30.5−31.5 〃 〃 7.6 10.8 14.3 6.0 11.1 14.6 F.試料別の応力緩和 図7−1,2に測定条件Aによる試料別の応力緩和曲線の結果を示した。読み取りにく いが図から,試料7のフラノが他の試料と比較して応力緩和の進みが速く,曲線の勾配が 大きく,より粘性的動きを示している。それに次ぐのが試料5のツイードである。また試 料1のサージ,試料4のシャークスキン,試料3のジョーゼット,試料6のドスキンが中 問的な性質を与えている。ただし,ジョーゼットとドスキンでは曲線の勾配に変曲点が他 の試料より若干強く認められる。試料2のサージ,試料8のジャージィは他の試料と比較 して曲線の勾配がやや緩慢で粘性的性質が少ないといえる。なお参考までに試料2のサー 59 羊毛布地の応力緩和にっいて 一測定条件や布組織等の影響一 篇蒲静=:==二==詣亀= regai■ ● 1 1匪.0% 7.0 ロ 4 1皿.Z ▼ 7 9。2 0 5 11.5 ▽ 2 lZ.3 リ ワ の リコ ワ O.95 △ 3 l I.3 ▲ 6 11.6 。も誉i…穐♂.1・》マ. ㌧マ1阪lfil二・1二も二 ロ ロヨのひ 昌 o ◎,マ璽 噂》▽マ 。。●・1∋2・ 0.85 S3面pl8”。ist髄ro} o 12.3% O』75 』 。幌. q 偽 b ・1壷1・・. ’ ●。 Oo ●8畠6 ■0 13D 山 ●●・ Oo 1¶.2 9 ●・6 , 11,6 11.3 o 曾・ x⊆二概:::二畿:畿寵一 国 O o ●も 魁o ㌔ O − ロ タ ㌔ Oo 』● O o 亀 1雫.0 δ蜘転・・9・1肋 獅 0 \ h o。昼呂;◎サ甲 90 ro星a柵 \ 角 β 6.5 6.0 11,5 9,2 }ワ7 O.65 1 10 100 1000 書(gec) 0口0ロ0・。・・ロロ回・。。。。 5.5 0 1 2 3 4 Fig.7−1 The stress ratio(P/P。)of various samples On the relaXatiOn time(t). Test length:100mm,Strain rate l20mm/ min,Strain:5.01−5.11%,Temp.:21.25− 21.75℃,R.H.=55% 10gt(sec) Flg.7 2 The apparent stress rdaxation modulus (E)of various sa甲ples on the relaxation timc(t). Test length:100mm,Strain rate:20mm/ mln,Strain35.01−5.11%,Temp.:21.25− 21.75℃,R.H.:55% ジは女子高校生用の制服生地である。また,試料8は唯一の編地であるが,このように粘 性的性質が他の試料に比べて小さいのは,編地が織地に比べて伸びやすいにもかかわらず, 応力緩和実験がひずみの小さい領域で行われたことによる意味が大きいと思われる。図7 −2の拡大曲線から近似的にαの値を求めてみると試料1のサージでは Eニ6.24t−o・0257 (1≦t≦200) および E−6・18 痂)欄 (2・・事t≦36・・) となり,t=200Sec近辺に変曲点をもっことになる。 他にたとえば,試料7のフラノではαの値が大きく,試料8のジャージィではαの値 力fノ」・さいことになる。 4.おわりに 以上,本測定条件下においてっぎのような結果を得た。 (1)試料1の羊毛サージの結果によれば,応力緩和の速さは試験長および伸長速度による 差は余りない。伸長率の大小は応力緩和の速さにやや関与した。 (2)応力比の大きさは試験長や伸長速度が長く,速いとき,小さい傾向を示し,伸長率に 対しては緩和時間の大きいところで,同様の傾向を示した。みかけの緩和弾性率の大きさは 試験長および伸長速度によって余り変化せず,伸長率が大きいとき大きい傾向を示した。 60 鈴木 淳 (3)応力緩和挙動は水分率によって大きく変化し,水分率が大きくても,小さくてもその 進みが速かった。応力緩和の温度による影響は余りみられなかった。 (4)応力緩和特性は布組織によって異なる。 (5〉みかけの緩和弾性率Eと緩和時間tとの関係を E=E。(t/t。)一α ここで,E,t。,αは定数 で近似すると,厳密には多くの場合,log tの関係曲線に変曲点が認められた。 謝辞 本研究では,試料諸元の測定に当り,学生の小橋昌子,小林史子,山口隆子3氏 の助力を得た。また,使用した環境雰囲気装置付オートグラフは特別設備費で購入したも のである。併せて深く謝意を表します。 文 献 1) 日本繊維機学会編;被服科学総論(上巻),日本繊維機学会,37(1980) 2)松川,三平,田多井;被服材料学・被服機構学・被服衛生学,p.151,光生館(1970),小野木;繊 維工学,5,286(1972),横沢,石川;消費科学会誌,6,230(1971),小林;繊機誌,24,p.461 (1971),Barella;海外繊維技術文献集,27,No.10,p.1(1977),内山;消費科学会誌,10,No.5, や.308(1969) 3) 日本繊維機学会編;被服科学総論(上巻),日本繊維機学会,39(1980) 4) 中川,神戸;レオロジー,みすず書房,386(1959) 5) 山口,北川,柳川,木村;日本繊機学論文集,33,T86(1980) 6) 石川;新被服材料学,同文書院,103(1976) 7) 繊維工業構造改善事業協会;アパレル研究2,三州社,200(1985)