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核変換に関わる核データ

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核変換に関わる核データ
核変換に関わる核データ
牧永 あや乃
原子核反応データベース開発研究センター JCPRG
理研ミニワークショップ「不安定核と核データ」 2012.8.3
目次
Ø はじめに
Ø JCPRGにおける核データ活動(収集・理論・実験)
Ø 核データファイル統計解析ツールの開発
Ø 部分的な解析結果
Ø まとめ
2
はじめに:核変換に関わる核データ
• 原子炉等から排出される放射性廃棄物の分離変換処理
• 高レベル放射性廃棄物
• 低レベル放射性廃棄物
• ADSシステム
u MA核種:Np-237,Am-241,Am-243,Cm-244
u FP核種:Tc-99,I-129
Sr-90 28年、Cs-137 30年、Tc-99 21万年 、I-129 1600万年
U-238 45億年、Np-237 214万年、Pu-239 24000年、Pu-240 6500年
Am-433年、Am-7370年、Cm-244 17.6年
その他、Pd, Zr, Sn, Se ・・・
核データの要求
今の現状と動向は?
3
JCPRGにおける核データ活動
JCPRG 活動 略史
活動内容
1974:特定研究「広域大量情報の高度処理」
1976:特定研究「情報システムの形成過程と学
術情報の組織化」
1983:試験研究「荷電粒子核反応データファイル
ユーティリティ開発」
1987:文部省事業費によるNRDF作成事業
・・・
・・・
2010~:理研との協定による理研データの採録
活動 2010~:日本学術振興会「アジア・アフリカ学術
基盤形成事業」
2011~:北海道大学大学院理学研究院付属原
子核反応データベース研究開発センタ-発足
主な活動
Ø 核データデータ収集・採録
Ø 核データ情報サービス
Ø 核データ利用ツールの提供
Ø 理論評価、(実験研究)
国際協力
Ø 国際原子力機関(IAEA)を中心とする世
界の核データネットワーク(NRDC)との原子
核データベース開発協力(EXFOR)
Ø 国内研究機関との共同研究
Ø アジア地域の核データネットワーク構築
4
JCPRGにおける核データ収集・採録
核反応データファイル採録・公開
北大センター
論文雑誌
理研
RIBF部門
実験者
実験データ
理論部門
データ採録
データ公開
小濱さん
古立さん
IAEA
JCPRG
RIKEN
ニュース
採録対象反応
Ø 国産荷電粒子核反応データ(陽子、
軽イオン、重イオン反応)
Ø 国産光核反応データ
Ø 国産不安定核データ (理研データ)
採録対象物理量の例
u 断面積
u 角度微分断面積(dσ/dΩ)
u エネルギー微分断面積(dσ/dE)
u 二重微分断面積(dσ/dΩ/dE)
u 残留核生成物
u 核分裂収率
u 共鳴パラメータ
u 反応率
u ・・・
5
JCPRGでの実験的研究の活動
国内(北海道大学)
国外
•  工学部
•  ポハン加速器研究所(PAL)
•  45MeV電子直線加速器
•  中間エネルギー光子入射
•  Mo, Cu, Ni, …
•  高速中性子入射
•  Cd…
•  冷中性子、熱中性子入射
•  高エネルギー光子入射
•  光核反応断面積
•  Pb, Bi 、Th
•  低エネルギー中性子入射
•  中性子吸収断面積
•  Sn , Ni
•  医学部
•  ロッセンドルフ研究所
(HZDR)
•  陽子シンクロトロン加速器
(建設中)
•  核データ測定(検討中)
•  エネルギー:70 – 230 MeV
•  強度: ~nA
•  中間エネルギー光子入射実験
•  原子核共鳴蛍光散乱断面積
•  La, Ta 6
核データファイル統計解析ツールの開発 (2012.7~)
目的:核データファイルの利用促進
• 原子核実験者によるデータの蓄積は順調
• 原子核実験データは、世界各国の核データセンターの検索システムから提供され
ている。
(近年の?) 問い合わせの傾向として、求める反応の数値データ自体の要求というよりは、
Ø あるトピックに関する核データにはどういったものがあるのか ?
Ø 実験データはどの程度取得されているのか ?
Ø 理論評価はどういう状況なのか ?
Ø どの原子核の理論評価・実験をすると良さそうか ?
従来の検索システムでは対応困難
核データファイルを用いた統計解析ツールの開発を行い提供する事により、
核データ分野の情勢・動向・需要情報を提供できるのではないか?
7
核データファイル統計解析ツールの開発 (2012.7~)
核データファイル統計解析ツール
Nuclear Reaction Data Statistical Analyzer
開発設計思想
従来の文献情報と数値データだけではなく、”文”情報の処理が必要
p  EXFOR(IAEA)は文献情報と数値データ提供が得意なフォーマット
p  NRDF(JCPRG)は文献情報と数値データ提供に加え、テキスト情報を扱いや
すいフォーマット。過去に文検索システムを開発していた実績。
☑
(初代JCPRG代表者:田中一、札幌学院大:新国三千代)
==>>NRDF(JCPRG)の思想に基づいたデータファイルフォーマットへの変換・文
情報追加。そのファイルを用いて統計解析を行う.(計画)
8
デモコードの部分的な解析結果(1)
実験対象ファイル(EXFOR)
コード:JAVA
0.3%
0.1%
0.0%
0.4%
5.4%
約20000ファイル(エントリー)
参考:日本の寄与(~5%)
エリア 担当
E JCPRG
守備範囲
エントリ-数
Charged-particle
884
Charged-particlenuclear
J JCPRG data for projectiles with
21
nonpositive baryon number
K JCPRG
Photonuclear data
57
R *RIKEN
Charged-particle
52
600
4.1%
0.7%
0.3%
9.0%
4.4%
0.3%
20.8%
8.7%
15.1%
NEA-DB(Paris)
NDS(Vienna)
data from area 2
CAJaD(Moscow)
7.7% 7.3%
NDS(Vienna)
0.9%
NNDC(Brookhaven)
0.0%
KACHAPAG
RIKEN
400
NNDC
300
NEA-DB
200
NDS
100
0
1960
NNDC(Brookhaven)
CJD(Obninsk)
5.7%
6.5%
1.4%
0.2%
EXFOR採録件数の年変化
500
エントリー数
EXFOR採録統計結果
0.8%
CJD
1970
1980
1990
2000
2010
2020
CAJaD
CDFE
年
*一部既にIAEAからも公開されている
0
800
0
U
C
NI
PB
H
FE
CU
SN
LI
AL
MO
ZR
PU
O
SI
BI
TI
AU
BE
TH
ZN
CA
MG
B
CO
NB
CR
CD
N
W
TA
AG
TE
SE
HE
SM
V
IN
GE
Y
ND
BA
GD
PD
NP
MN
F
AM
ER
サブエントリー数
6000
NA
RH
HF
P
I
PT
DY
CF
SB
CM
SR
CS
YB
BR
HO
OS
EU
RB
CE
NE
HG
RU
K
LA
CL
AS
AR
GA
SC
TL
PR
IR
TB
XE
KR
LU
TM
RE
PA
TC
RA
PM
BK
FM
ES
AC
NO
MD
RF
PO
LR
DB
RN
SG
RG
MT
HS
FR
DS
BH
AT
サブエントリー数
9
デモコードの部分的な解析結果(2)
実験対象ファイル(EXFOR)
コード:JAVA
約20000ファイル(エントリー) è約14万データセット(サブエントリー)
8000
横軸-ターゲット原子(核)
4000
2000
横軸-ターゲット原子(核)
600
400
200
10
デモコードの部分的な解析結果(3)
実験対象ファイル(EXFOR)
コード:JAVA
サブエントリー数
60000
サブエントリー数
約20000ファイル(エントリー) è約14万データセット(サブエントリー)
300
250
200
150
100
50
0
40000
横軸-測定物理量
20000
0
横軸-測定物理量
SIG:断面積、DA:微分断面積、DA/DE:エネルギー微分断面積、EN:エネルギー、FY:核分裂収量、RI:共鳴積分値・・・
サブエントリー数
40
30
20
10
0
36-Kr-84
6-C-10
14-Si-30
6-C-14
13-Al-27
6-C-19
4-Be-12
7-N-15
6-C-15
5-B-14
9-F-18
12-Mg-26
6-C-17
8-O-17
6-C-11
8-O-14
12-Mg-32
6-C-16
11-Na-21
10-Ne-26
5-B-15
7-N-12
7-N-13
6-C-9
10-Ne-19
8-O-15
5-B-12
8-O-23
14-Si-26
7-N-17
8-O-22
5-B-17
12-Mg-30
8-O-20
9-F-24
10-Ne-24
13-Al-25
10-Ne-18
11-Na-23
8-O-19
8-O-21
9-F-21
28-Ni-68
サブエントリー数
100000
10000
1000
100
10
1
N
P
D
G
A
HE3
6-C-12
0
8-O-16
92-U-238
3-Li-6
T
82-Pb-208
79-Au-197
3-Li-7
10-Ne-20
14-Si-28
8-O-18
18-Ar-40
9-F-19
Pip
4-Be-9
5-B-11
Pin
6-C-13
28-Ni-58
5-B-10
10-Ne-22
E
2-He-8
4-Be-11
3-Li-8
20-Ca-48
4-Be-7
26-Fe-56
16-S-32
20-Ca-40
3-Li-11
4-Be-14
12-Mg-24
28-Ni-64
9-F-17
5-B-8
18-Ar-36
17-Cl-35
4-Be-10
54-Xe-132
3-Li-9
11
デモコードの部分的な解析結果(4)
実験対象ファイル(EXFOR)
コード:JAVA
約20000ファイル(エントリー) è約14万データセット(サブエントリー)
横軸-入射ビーム
横軸-入射ビーム
12
デモコードの部分的な解析結果(5)
SWT
1%
実験が行われた国
ARG
1%
KOR
1%
SWD NED
1% 1%
HUN
ITY
1%
1%
UKR BLG
2%
3%
UK
3% CPR
4%
RUS
4%
IND
4%
KEK
2%
SF POL
AUS
TUK
BAN
RUM
KAS
DDR
SAR
CRO
ISL
MEX
DGT
SHQ
LAT
SPN
SUD
SLK
SLN
PEC
MAL
EAC
SCI
IRN
LIB
CZR
DEN
NOR
CHF
EGY
SAF
1% 1% AUL
0%
0%
0%
0%
0%
0%
0%
0%
0%
0%
0%
0%
0%
0%
0%
FR
5%
USA
28%
Prelim.
GER
10%
ZZZ
6%
JPN
19%
使用加速器(世界)
YOK 日本の実験施設毎
2%
OSP
WER
JCL NIG
TKE
AIS
0% JSR 0%
1%
0%
TSU
0%
1%
0%
KYU
2%
3%
LEP
OSA
3% IRS
22%
4%
TIT
Prelim.
IPC
KTO
4%
14%
6%
TOH
JAE
TOK
11%
11%
13%
CYCLO
VDG
REAC
VDGT
LINAC
CCW
ISOCY
ACCEL
SYNCH
SYNCY
DYNAM
CHOPF
SPECC
MESON
BETAT
SPECM
MICRT
MICRT
CHOPS
OSCIP
OSCIP
PRJFS
NGEN
NGEN
CYCTM
OLMS
OLMS
ESTRG
SRING
FRS
CYGFF
ICTR
SELVE
INTFM
3%
3% 2%
6%
Prelim.
2% 1%
2% 1% 1%
0%
0%
0%
0%
0%
0%
0%
0%
0%0%
20%
4%
16%
9%
12%
15%
*データ件数約1万
13
デモコードの部分的な解析結果から
実験対象ファイル(EXFOR)
コード:JAVA
約20000ファイル(エントリー) è約14万データセット(サブエントリー)
データから、
1.  各核データセンターのEXFORへの貢献
1.  日本の採録数は、全体の5%程度
2.  年変化:採録数は、採録ルールやマンパワーに大きく左右される
2.  実験用ターゲット
1.  原子力工学は比較的多い、医療用データが少ない
2.  実験用ターゲットの物理的、化学的性質に大きく左右される。
3.  測定物理量
1.  断面積、:微分断面積、エネルギー微分断面積が大部分。採録を強化?測定を強
化?
4.  入射ビーム
1.  ビームの多様化(不安定核ビーム)
5.  実験施設・加速器別
1.  国内では大阪大・理研・東大・JAEA・東北・京都・東工大が活発
2.  統計データとして、採録状況?
14
共同研究者
Ø 核変換に関わる主な核データ
Ø JCPRGにおける核データ活動(収集・理論・実験)
Ø 核データファイル統計解析ツールの開発
Ø 部分的な解析結果
Ø 各核データセンターのEXFORへの貢献度
Ø 実験サンプル、実験的物理量、入射粒子、実験施設
Ø 今後の課題①、JAVAコードの整備とGUIの充実させ、
より具体的な分析が出来るようにする
Ø 今後の課題②、文情報の入力強化
Ø 今後の課題③、採録技術の向上
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