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内閣府食品安全委員会専門委員

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内閣府食品安全委員会専門委員
食品安全フォーラム
in
と や ま
と
き
ところ
平成22年8月26日(木)
とやま自遊館
主催:富山県
1階ホール
「食品安全フォーラム in とやま」プログラム
13:00
時:平成22年8月26日(木) 13:00~15:30
場
所:とやま自遊館 1Fホール
開会
あいさつ
富山県副知事
13:05
日
講演
演題
講師
植出
耕一
毎日の食事に不安を感じていますか?
内閣府食品安全委員会専門委員、東京大学名誉教授
唐木 英明 氏
14:05
休憩
14:15
パネルディスカッション「食の安全・安心確保の取組について」
コーディネーター:児玉 博英 氏 富山短期大学名誉教授
アドバイザー:唐木
英明
氏 内閣府食品安全委員会専門委員、東京大学名誉教授
パネリスト
孝邦
氏
:伊藤
富山県農業協同組合中央会専務理事
島田 誠二 氏 (社)富山県食品産業協会副会長
西田 秀子 氏 (社)富山県栄養士会会長
太田
15:30
閉会
清
富山県農林水産部参事
講
演
「毎日の食事に不安を感じていますか?」
内閣府食品安全委員会専門委員
東 京 大 学 名 誉 教 授
唐木 英明 氏
2010年8月26日
食品安全フォーラムinとやま
主催 富山県
毎日の食事に
不安を感じていますか?
内閣府食品安全委員会専門委員
東京大学名誉教授
唐木 英明
60
1
毎日の食事に
不安を感じていますか?
1.国産食品も輸入食品も安全!
2.それなのに不安なのはなぜ?
ヒューリスティク・誤解・不信・利害
3.消費者はどうしたらいいの?
2
1
輸入が多い国の違反
国
名
中
国
国
米
フランス
輸入件数
A
検査件数
B
検査率
B/Ax100
違反件数
C
違反率
C/Bx100
563,847
96,784
17.2
409
0.42
197,507
19,475
9.9
126
0.65
196,566
5,441
2.8
30
0.55
タ
イ
116,867
16,361
14.0
106
0.65
韓
国
89,704
8,601
9.6
35
0.41
77,647
3,473
4.5
23
0.66
イタリア
厚生労働省平成19 年次輸入食品監視統計
中国食品が危ない、ということはない!
食品検査品目数と違反品目数
年度
検査品目数
総数
国産品
3
(東京都及び特別区)
違反品目数(%)
輸入品
総数
国産品
輸入品
2007
77,891
53,027
24,864
84
54 (0.10%)
30 (0.12%)
2006
78,709
54,903
23,806
90
46 (0.08%)
44 (0.18%)
2005
77,808
56,001
21,807
130
83 (0.15%)
47 (0.21%)
2004
80,341
58,569
21,772
169
74 (0.13%)
95 (0.44%)
2003
79,973
58,074
21,900
155
88 (0.15%)
67 (0.31%)
2002
89,455
66,794
22,661
204
129 (0.20%)
75 (0.33%)
2001
92,362
70,542
21,820
264
157 (0.22%)
107 (0.49%)
国産のほうが安全、ということはない!
4
2
食品添加物による健康被害
戦前から戦後の混乱期に多量を使用して健康被害
・ホウ酸、ホルムアルデヒド(保存料)、 オーラミン、ローダミンB(色
素剤)、ズルチン(甘味料) など
1970年代 化学物質反対・反公害運動の時代
・1969
・1974
・1975
・1975
チクロ(甘味料)禁止 <その後発がん性は否定>
AF2(防カビ剤)禁止
サッカリン(甘味料)基準緩和・主婦連反対運動
有吉佐和子『複合汚染』
・食品添加物の基準の強化・見直しで安全性向上
現在は、厳しい対策により、
法律違反はあっても、健康被害は出ていない
5
犯罪!
毒入り餃子事件
混同
●中国製冷凍ギョーザで食中毒、千葉と兵庫で3家族10人 (08/01/30)
都の検査では薬物検出せず…中国製ギョーザ (01/30)
中国製ギョーザ、回収6袋の包装外側から殺虫剤…兵庫 (02/03)
今度は殺虫剤「ジクロルボス」、日生連のギョーザから検出 (02/06)
新たに「手作り餃子」4袋から微量のメタミドホス検出(02/09)
未調理品1個からジクロルボス検出 福島県警(02/09)
昨春製ギョーザ袋からも薬物検出 徳島の生協回収分(02/10)
メタミドホスを新たに16袋から検出 ギョーザ中毒事件(02/12)
業務用冷凍ギョーザから微量メタミドホス 残留農薬か(02/14)
徳島のジクロルボス検出、店舗内使用の防虫剤とほぼ特定 (02/14)
さらに微量のメタミドホス 大阪の商社輸入の餃子フライ(02/16)
生協が発表(02/20)
は
」「ニラ海老まん」からもメタミドホス
情報 餃子袋から新たな農薬 みやぎ生協回収、パラチオンなど(02/20)
険
減
「危 れる!
4%
売
中国製の冷凍とんかつ、殺虫剤「ホレート」検出
(02/21)
4
入 経
輸
日
「手作り餃子」2袋からメタミドホス
日本生協連が回収(02/21)
野菜8.6.18
ユーコープ(02/24)
中国 200ジクロルボス、中国製冷凍天ぷらから
通常の違反事件
6
3
日本における
食品安全の現状
600 人
500
400
300
200
食中毒死者数 (1954-2003)
100
0
1
6
1955
11
1965
16
21
1975
26
31
1985
36
41
1995
46 2003
7
食中毒患者数(2万人~4万6千人)
50000
ほとんど変わらない! 氷山の一角!
40000
患
者 30000
数
20000
10000
0
80
1 3
5 857 9 1190 13 15 9517 19 00
21 23 250527 29 10
年
8
4
( 糞) 細
消化管
夏は食中毒シーズン!
菌
生レバー・生肉は食中毒の原因
出血性大腸菌O-157、カンピロバクター、クリプトスポリジウムなど
1 「生食用」と表示されていない食肉はよく加熱して食べてください。
2 生食用レバーの加工基準に適合していると畜場及び生食用食肉の出荷実
績のあると畜場は、全国に数箇所しかありません。生食用であるか、食肉の表
示、販売店や飲食店などで確認してください。
生食用レバーの加工基準に適合していると畜場及び出荷実績
自治体
1)新潟市
2)長野県
3)福岡県
4)福岡県
5)熊本県
6)熊本市
と畜場名
新潟市食肉センター
佐久広域食肉流通センター
県南食肉センター
うきは市と畜場
千興ファーム食肉センター
熊本市食肉センター
出荷実績
○馬レバーのみ
○馬レバーのみ
○馬レバーのみ
○馬レバーのみ
島根県:http://www.pref.shimane.lg.jp/life/syoku/anzen/eisei/kisotisiki/seishoku_niku.html
9
日本の食品の安全性
・現在の日本の食品の安全性は高い。
・中国などからの輸入食品の安全性は
国産食品とまったく差がない。
・「冷凍餃子事件」は犯罪であり
中国食品の安全性の問題ではない。
・誤解により中国食品嫌いが加速した。
*****
・ただし食中毒の危険は依然として大きい
・食品の清潔な取り扱いが必要
10
5
毎日の食事に
不安を感じていますか?
1.国産食品も輸入食品も安全!
2.それなのに不安なのはなぜ?
ヒューリスティク・誤解・不信・利害
3.消費者はどうしたらいいの?
11
食品に対する不安の男女差
男
女
主婦
強い不安
16.3%
23.0 %
23.1 %
多少不安
64.7 %
67.6 %
70.3 %
合計
81.0 %
90.6 %
93.4 %
鹿児島県2005年
女性、主婦の不安が強い:母性本能、脳の働きの性差
12
6
・遺伝子
・育った環境
・ホルモン
男の胎児:男性ホルモンを浴びる
身体と脳が男性化する
女の胎児:男性ホルモンは浴びない
身体と脳が女性型のまま
どうやって見分けるか?
13
人さし指、短い男性は暴力的?
カナダの研究チーム発表
カナダ・アルバータ大のハード博士らは学生の指の長さを計測し、人さし指と
薬指の比率を計算。そのうえで、4種類の攻撃性(暴力の攻撃性、怒り、敵対
心、言語的な攻撃性)を判断する質問に答えてもらった。
その結果、人さし指が薬指に対して短い男性ほど、「殴られたら殴り返す」とい
うような「暴力の攻撃性」が強いことが分かった。女性はいずれの攻撃性につ
いても関係がなかった。
胎児が母親の子宮内で浴びる男性ホルモン(テストステロン)の量が多いほ
ど、人さし指が薬指に対して短くなる傾向が明らかになっているという。
ただし、ハード博士は「指の長さで推測できるのは性格のごく一部にすぎない。
指の長さで人を選別しないように」と呼びかけている。
(Asahi.com06/03/07 14:29)
14
7
食品に対する不安
(食品安全委員会調査)
15
有機食品の市場規模
有機JAS認定食品の消費市場規模
2,895億円
国内食品消費80兆円のおよそ0.36%
生鮮品等・加工品・外食
生鮮品等消費15兆円のおよそ1.9%
野菜・穀物・乳肉卵・魚介類
その内
75.4% を加工品、 中・外食で消費
24.6%を家庭で消費
平成14年度 ハーベスト・リサーチ
16
8
「聴かれて出てくる不安」
・買うか、買わないかを決めるのは
価格、産地、期限、評判などの総合的な判断
「危険」という情報はその一つに過ぎない
・アンケートは筆記試験と同じ!
「危険」という「知識」をもっていることを示す
⇒消費者は必ずしも「強い不安」を感じてはいない
しかし、確かに不安はある
一部の消費者は無添加・無農薬を買う
「不安」はメディアの「誤解を招く情報」
から生まれ、広がっていく
17
Eureka!
ヒューリスティク
「このあたりだろう」と、
パッと見当で指すんですね。
それがいい手で…。
heuristic
直感の7割は正しい
少ない努力で直感的に結論を求める方法
例)暗証番号を忘れた!
1)順番にしらみつぶしに調べる(コンピューターが使う方法)
2)誕生日などの手掛りを使って試行錯誤で調べる(ヒューリスティク)
→しらみつぶしに調べれば時間がかかるが、必ず正解に到達
ヒューリスティクは短い時間で答えが出るが、まちがいも多い
危険を逃れるための判断は一瞬で行う必要がある。
だから、直感的な判断(ヒューリスティク)をする。
18
9
カーネマンのプロスペクト理論
「良いこと」より「悪いこと」に気を取られる:
リスクバイアス⇒人間の特徴
良い気分
ダニエル・カーネマン
①
2002年ノーベル経済学賞
損 失
悪いこと
利 益
よいこと
②
③
人間の本能的行動パターン
①「良いこと」にはすぐに慣れる
②「悪いこと」にはひどく落込む
③「ひどく悪いこと」には慣れる
悪い気分
19
質 問
1)年収800万円と1000万円の管理職があります。
あなたはどちらに就職しますか?
迷う人はいな
い
2) 周囲の人の年収が500万円のA地区で、
年収800万円の管理職があります。
周囲の人の年収が2000万円のB地区で、
年収1000万円の管理職があります。
あなたはどちらの地区に就職しますか?
悪いことに気を取られる!
が
ほとんどの人
迷う
20
10
気 悪
を い
取 こ
ら とに
れ
る
!
直感的な判断:ヒューリスティク
ほとんどの場合直感で判断し、行動する
・危険情報重視 ・利益情報重視
・安全情報無視 ・信頼する人に従う
・前例に従う
・迷ったら本能に従う
・結論は「白か、黒か」
これは進化の中で得た生き残り作戦
・危険情報と利益情報を無視したら死ぬ
・安全情報を無視しても実害はない
・経験者以外が自分で判断したら死ぬ
・理性的な判断は時間がかかる
・直感的判断なら一瞬で対処できる
21
気 悪
を い
取 こ
ら とに
れ
る
!
情報のバイアス:メディアにも私たちにも原因が・・
23万部!
(^-^)
5万部 (>_<)
22
11
食品安全委員会モニター調査
食品の緊急事態が発生したときに
最も信用できる情報源
0
新聞
テレビ・ラジオ
政府広報HP
大学HP
雑誌
メーカーHP
小売店
その他
なし
無回答あ
10
20
30
40
50
60
70
80
90
77.6%
59.3%
49.2%
32.7%
7.8%
5.9%
5.3%
7.0%
7.7%
0.2%
新
は ら!
情報 ビか
テレ
聞と
23
直感で答える
20代男性 72%
30代女性 80%
平均
60%
60代以上 40%
誰に誘導されて
いるのか?
24
12
毎日の食事に
不安を感じていますか?
1.国産食品も輸入食品も安全!
2.それなのに不安なのはなぜ?
ヒューリスティク・誤解・不信・利害
3.消費者はどうしたらいいの?
25
化学物質(農薬・添加物)
3つの誤解
・化学物質には危険なものと安全なものがある
大量なら毒・少量なら無毒:用量作用関係
・「複合汚染」の恐怖
用量作用関係の誤解
・天然・自然こそが安全
野菜や果物は化学物質の倉庫
<だから無添加・無農薬!!>
26
13
化学物質の量と作用の関係
いきち
閾値
これ以下なら細胞に作用しない量
違反
規制値
毒 性
合法
無毒性量
一日摂取許容量
念のため
危険と考える
安全
危険
量
27
化学物質の
量と作用の関係
大
病気
リスク
リスクが高い人
(=病人)
リスクを下げる
(主作用)
小
リスクが低い人
(=健康人)
副作用しか出ない
健康
少
どんな
化学物質も
高濃度では
リスクを上げる
(副作用)
量
多
・薬もサプリも病人が(医師の指示で)飲むもの
・健康な人が飲んだら副作用しか出ない
28
14
ガンの原因は
なんだと思いますか?
工業生産物
医薬品
放射線・
紫外線
アルコール
職業
性生活・
出産
普通の食べ物
ウイルス
おこげ
タバコ
農薬
主 婦
大気汚染・
公害
食品添加物
誤解の影に
メディアが
ガンの専門家
食 事
喫 煙
ウイルス、細菌
運動不足
30%
30%
5%
5%
米国での調査
29
黒木登志夫「暮らしの手帖」1990年4・5号
活性酸素の作用
紫外線
放射線
ストレス
たばこ
食事
酸素
活性酸素
免疫
酸化障害
DNA
タンパク質
脂肪
ガン
病気
老化
DNA修復酵素
活性酸素消酵素
SOD
アポトーシス
(細胞の自殺)
カタラーゼ
グルタチオン・ペルオキシダーゼ
抗酸化物質
野菜・果物の化学物質
尿酸
グルタチオン
食べすぎとタバコが最大の危険!
軽い運動
30
15
化学物質(農薬・添加物)
3つの誤解
・化学物質には危険なものと安全なものがある
大量なら毒・少量なら無毒:量と作用の関係
・「複合汚染」の恐怖
用量作用関係の誤解
・天然・自然こそが安全
野菜や果物は発ガン性化学物質の倉庫
<だから無添加・無農薬は無意味!!>
31
あ るか
白黒判 、ないかの
断は間
薬の場合にはありうる
量が大 違い!
事!
・細胞機能に作用する量の化学物質を
複数与えるとまれに相互作用が起こることがある
拮抗作用、相加作用、相乗作用
化学物質の複合作用
食品添加物や残留農薬の場合にはありえない
・細胞機能に作用しない量の化学物質をいくつ与えても、
何の作用も現れない(用量作用関係)
無毒性量
一日摂取
許容量
作用
作用なし
添加物
作用あり
薬
量
32
16
化学物質(農薬・添加物)
3つの誤解
・化学物質には危険なものと安全なものがある
大量なら毒・少量なら無毒:量と作用の関係
・「複合汚染」の恐怖
量と作用の関係の誤解
・天然・自然こそが安全
野菜や果物は発ガン性化学物質の倉庫
<だから無添加・無農薬は無意味!!>
33
・すべての野菜、果物は天然の農薬(化学物質)を含む
・うち52種類を調べたところ、27種類に発ガン性があった
・この27種類はほとんどの食品に含まれていた
・米国人は平均毎日1.5グラムの天然農薬を食べている
・その量は残留農薬基準の10,000倍以上
・すなわち野菜、果物が含む農薬の99.99%は天然のもの
・残った0.01%の合成農薬を恐れて、無農薬を選ぶのか?
0.01% 残留農薬(合成化学物質)
99.99% 天然農薬(天然化学物質)
34
17
野菜・果物に含まれる発がん性化学物質の例
---- ---- ---- ---- ---- ---- ---- ----
発癌物質
濃度 ppm
野菜・果物
---- ---- ---- ---- ---- ---- ---- ----
メトキサレン
0.8 – 32
パセリ、セロリ、セリ
ヒドラジン安息香酸
11 - 42
キノコ
アリルイソチオシアン酸
12 – 72000
キャベツ、カリフラワー、カラシ菜、
西洋ワサビ
リモネン
31 – 8000
オレンジジュース、マンゴ、コショウ
エストラゴール
3000 – 3800
バジル、ウイキョウ
サフロール
100 – 10000
ナツメグ、ニクズク
アクリル酸エチル
0.07
パイナップル
セサモール
100 – 10000
ゴマ
メチルベンジルアルコール 1.3
ココア
酢酸ベンジル
15 – 230
バジル、ジャスミン茶、蜂蜜
カテコール
100
コーヒー
カフェ酸
50 – 1800
リンゴ、サクランボ、ブドウ、モモ、
プラム、ニンジン、セロリ、ナス、
レタス、ジャガイモ、コーヒー
クロロゲン酸
50 – 21600
リンゴ、アプリコット、サクランボ、
モモ、ナシ、ブロッコリー、キャベツ、
35
ケール、コーヒー
食事⇒活性酸素⇒遺伝子に傷
⇒ガン・病気・老化
食べないと死ぬ⇒肉より野菜のほうが害は少ない
尿中の
遺伝子酸化物質
カロリー
カロリー
肉類
野菜が含む
抗酸化物質の
作用
野菜
名古屋大学 大澤俊彦 食品の成分と企画 放送大学2006.2.27 を改変
36
18
硝酸・亜硝酸
・硝酸塩は、通常摂取する量なら有害ではない。
・体内で亜硝酸塩に変化すると、 メトヘモグロビン血症や発ガン性物質であ
るニトロソ化合物に変化する恐れが一部で指摘されている。
・しかし、硝酸塩と発ガンの関係についての科学的な証拠はない(JECFA)。
硝酸ナトリウムの食品添加物基準
食肉製品の発色剤
亜硝酸根としての最大残存量70mg/kg
硝酸塩の年齢別摂取量と、ADIとの比較
年齢
体重
1~6歳
15.9kg
7~14歳
37.1kg
15~19歳
56.3kg
20~64歳
58.7kg
65歳以上
53.2kg
摂取量(mg)
129
220
239
289
253
ADI比(倍)
2.2
1.6
1.1
1.3
1.3
(注)硝酸塩のADI=3.7mg/日/kg体重(硝酸イオンとして) 。硝酸塩の総摂
取量のほとんどが野菜由来で、添加物はわずか。
37
添加物基準 70-200mg/kg
主な野菜中の硝酸塩含有量
(注1)硝酸イオンとして算出。特段の記載がない場合には、生鮮物中の含有量。
(注2)厚生省データ(昭和63年当時)の( )内は分析数
38
19
化学物質(農薬・添加物)
3つの誤解
・化学物質には危険なものと安全なものがある
大量なら毒・少量なら無毒:用量作用関係
・「複合汚染」の恐怖
用量作用関係の誤解
・天然・自然こそが安全
野菜や果物は発ガン性化学物質の倉庫
<だから無添加・無農薬は無意味!!>
39
リスクの大きさを比較する
なんのために?
税金を有効に使うため!
でも、リスクの比較は難しい!
40
20
事実
!
交通事故の犠牲者(人)
世界
人口
68億
負傷者 800万
死 者 41万
英国
6000万
24万
3000
日本
米国
12000万 31000万
100万
250万
6500
4万
新型ヤコブ病の犠牲者
世界
死 者 219人
英国
172人
日本
1人*
(2010.3)
米国
3人**
年間総死亡者約100万人中1人
* 英国で感染したと考えられる
**英国およびサウジアラビアで感染したと考えられる
41
「BSEのリスク、自動車事故より低い」米農務次官
米国産牛の輸入再禁止問題をめぐる日米局長級会合で来
日したJ・B・ペン米農務次官は24日、米大使館で記者会見し、
米国産牛肉の安全性に関して、「BSE(牛海綿状脳症)のリス
クは自動車事故よりはるかに低い。日本の消費者が適切な判
断をすると信じている」と述べた。
特定危険部位の脊柱(背骨)がついた牛肉を輸出するという
ずさんな対応が発覚したばかりの時期に、食品安全と関係な
い自動車事故の危険性を引き合いに出したペン次官の説明
には、「食の安全」に対する意識が高まっている日本の消費者
の神経を逆なでし、反発も出そうだ。(2006年1月24日 読売新聞)
・事実に基づいた発言をする
・リスク管理の原則:
対策費の公平な支出のためにリスクを比較する
42
21
食品による窒息死:年間4000人以上
すべての食品に危険がある!
原因食品
(2006年計1358件)
もち(168人, 12.4%)
パン(90人, 6.6%)
ご飯(89人, 6.6%)
すし(41人, 3.0%)
あめ(28人, 2.1%)
だんご(23人, 1.7%)
おかゆ(22人, 1.6%)
・・・
蒟蒻ゼリー(2人, 0.15%)
%
60
50
40
30
20
10
0
1
0
2
1-4
3
4
高齢者ほど危険!
5
6
7
8
5-9 10-14 15-19 30-44 45-64 65-79 >80
大人の責任
本人と介護者の責任
食品の責任か?
43
窒息事故の頻度(1億回当り)
要
注
意
通
常
の
食
品
も ち
ミニカップゼリー
あめ類
こんにゃくゼリー
パ ン
肉類
魚介類・果実類
米飯類
6.8~7.6
2.8~5.9 救命救急センター
1.0~2.7
0.16~0.33国民生活局
0.11~0.25
0.074~0.15
0.053~0.11
0.046~0.093
食品安全委員会
44
22
毎日の食事に
不安を感じていますか?
1.国産食品も輸入食品も安全!
2.それなのに不安なのはなぜ?
ヒューリスティク・誤解・不信・利害
3.消費者はどうしたらいいの?
45
本当のリスクを知る
食品にゼロリスクはない!
-実は怖い-
リ
ス
ク
自然の食品が
もつ危険
食中毒菌・ウイルス
発がん・有毒物質
アレルギー物質
過食・偏食・健食
個人的注意
食の安全は守られている!
-実は安全-
二
重
基
準
!
人工の物質・
新技術の危険
食品添加物
残留農薬
遺伝子組み換え
BSE
厳しい規制
46
23
誤解!
死を
もたらす
リスク
気にしないリスクは
怖い!
気にするリスクは
小さい
****
添加物
残留農薬
遺伝子組換え
BSE
・・・・
たばこ
毎日の食事
・・・・
だれが誤解させたの?
疑う!
「危険情報」に気をとられる!
「危険情報」は売れる!
47
利益情報の効果!
添加物
農 薬
組換え食品
ワクチン
原 発
米国産牛肉
タバコ
酒
自動車
健康食品
- 人間の視野の狭さ -
危険情報
重視!
安全情報
利益がない危険は避ける!
無駄な危険を避けないと生きてゆけない
危険情報
重視!
安全情報
利益情報
利益があれば危険は無視!
逃げるだけでは生きてゆけない
48
24
現代を生きるために必要なこと
1)科学リテラシー
偽科学・未科学と正しい科学を
見分ける最低限の科学の知識
2)メディアリテラシー
報道を鵜呑みにしないで
その真偽を確認する能力
3)正しい判断に心がける
自分の限られた知識と経験と思い込みで
判断し行動する(ヒューリスティク)傾向を
自覚して検証する能力
49
人間は直感で
判断する!
だから
誤解も多い!
直感の背景は
知識と経験
50
25
判断に迷うとき、疑問があるときには
食品安全委員会にお問い合わせください
http://www.fsc.go.jp/
51
税別1600円
52
26
唐木 英明 氏
のプロフィール
現職
東京大学名誉教授、日本学術会議副会長(国際担当)、
内閣府食品安全委員会専門委員、食の信頼向上をめざす会会長、
食品安全情報ネットワーク代表
略歴
昭和39年
昭和46年
昭和47年
昭和53年
昭和62年
平成11年
平成12年
平成15年
平成16年
平成19年
東京大学農学部獣医学科卒業(農学士)
農学博士(東京大学博乙第2370号)
東京大学助教授
テキサス大学ダラス医学研究所研究員
東京大学教授(農学部獣医薬理学講座担当)
東京大学アイソトープ総合センター長
日本学術会議会員
東京大学名誉教授
Visiting Professor, World Health Risk Management Center
お茶の水女子大学ライフワールド・ウォッチセンター講師
著書(最近の主なもの)
・食の安全と安心を守る(共著)学術会議叢書 2005
・食品添加物の安全性と無添加食品 食と健康 2005.9
・食品のリスクとリスクコミュニケーション 遺伝 2006.3
・食品の安全性評価の考え方(共著) 光生館 2006
・
「無添加・無農薬」の幻想 月刊フードケミカル 2008.1
・食の安全に対する消費者の不安をどう解くか 食品トレンド 2008-9 日本食糧
新聞社
・食品安全の事典(共著) 朝倉書店 2009
・食品中の天然化学物質-残留農薬と食品添加物に対する誤解-FFI ジャーナル
214(3) 267-73 2009
・食品安全ハンドブック(共著) 丸善 2009
・食の安全を求めて―食の安全と科学―(共著) 学術会議叢書 2010
・牛肉安全宣言 PHP出版 2010
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