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H27年度低炭素機器導入事業事例紹介(眞和興業様)

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H27年度低炭素機器導入事業事例紹介(眞和興業様)
低炭素エネルギー技術事業組合
CO2削減ポテンシャル診断及び低炭素機器導入 公募説明会
ポテンシャル診断推進事業
低炭素機器導入事業の事例紹介
2016年7月22日
眞和興業株式会社
取締役本社工場長
眞野
祥典(まの
よしのり)
P1
0.目次
1.会社紹介
2.ポテンシャル診断実施
3.低炭素機器導入
4.まとめ
P2
1.会社紹介
(1)会社概要
会社概要
会社名:眞和興業株式会社(同:真和興業)
創業:1960年7月1日
代表者:代表取締役社長
眞野 和博
資本金:20百万円
従業員数:41名(16年5月1日現在)
本社:33名 小牧:8名
事業内容:①繊維機械部品製造及び販売
A:本社工場
所在地:一宮市北小渕1458番地
B:小牧工場
②溶融亜鉛鍍金
③鉄鋼製品設計・製作
④鍍金加工一般
⑤太陽光発電システム(相談~設営)
※gogle map 使用
工場間:5.6km
P3
1.会社紹介
(2)事業別売上
太陽光, 2%
紡機, 3%
鉄鋼設
計・製作,
14%
溶融亜鉛,
81%
※ 鍍金加工は溶融亜鉛に含む
溶融亜鉛
図1
鉄鋼設計・製作
太陽光
事業部別売上割合(15年度)
紡機
図2
溶融亜鉛鍍金売上内訳(15年度)
溶融亜鉛鍍金を主力事業とし、公共で使われる製品に携わっている
P4
1.会社紹介
(3)工程紹介
目的
材料
濃度(Wt%)
温度(℃)
脱脂
鉄製品の油分除去
アルカリ脱脂
剤(中央化学
製)
8±3%
70±10
脱脂水洗
脱脂材除去(酸洗槽への持込防止)
井水
指定なし
常温
酸洗
錆・スケール除去
塩酸(日本
ソーダ規格2
種)
12±6%
常温
酸水洗
塩酸成分除去(フラックス槽への持
込防止)
井水
指定なし
常温
フラックス
めっき槽への持込までの鉄地の一時
防錆(鉄地の酸化被膜形成予防)
塩化亜鉛アン
モニウム
15±5 Be
70±10
めっき
鉄と亜鉛を合金反応させることで亜
鉛めっきを施す
蒸留亜鉛地金
1種
Zn 97.5%以上
450±10℃
冷却
鉄と亜鉛の合金反応を止める
井水
60以上
白錆防止剤
白錆(亜鉛酸化物)発生抑制
アルコール系
酸化抑制剤
30~60
工程
P5
2.ポテンシャル診断
(1)診断を受診した背景
環境:エコアクション21
取得企業であり、毎年更新
又は中間審査実施
経営:市場の縮小・環境規制強化
仕入れの乱高下
⇒経営環境の悪化
環境:コンプライアンスの観点からも環境負荷物質の低減や
CO2の削減に取組まないと・・・・
経営:雇用を守るという前提で出費を抑えてなくては・・・
費用:全額補助で自社の各工程のCO2
排出量を調査してもらえるなら
手法:自社では調査できないので外部で
実績ある企業で調査してくれるなら
愛知県鍍金工業組合 例会(勉強会)にて三浦
工業様よりポテンシャル診断の説明
P6
2.ポテンシャル診断
(2)エネルギー使用状況
<2014年度CO2排出量(1704t/年)>
・電気起因が約16%
・燃料起因が約84%
CO2削減の為には、燃料削減が重要。
<スケジュール>
ウォークスルー診断:2015年7月下旬
計測診断:2015年7月下旬
解析、報告書作成:2015年8月上旬~中旬
報告会:2015年8月27日
診断費用:95万円全額補助(消費税除く)
1日
3日
1日
P7
2.ポテンシャル診断
(3)重油使用状況調査
<ボイラ蒸気、ドレン配管概要調査結果>
<バーナー燃焼調査>
バーナー
リサイクル工場
本社事務所
本社工場(鍍金)
CP
亜鉛浴
1
D
C
予備釜
フラックス
亜鉛浴
酸水洗槽
冷却層
塩酸槽北
白錆防止槽
塩酸槽中
仕上げ場
B
CP
排ガスダクト
排ガスO2計測
A
排ガス温度計測
3
CP
ボイラ室
塩酸槽南
2
脱脂水洗
E
脱脂槽
排ガスO2濃度、温度により燃焼状況を確認
ボイラの排ガス温度、排ガスO2濃度によ
りボイラ効率を確認
P8
4
2.ポテンシャル診断
(4)電気使用状況調査
<エア配管概要調査結果>
リサイクル工場
本社事務所
本社工場(鍍金)
CP
予備釜
フラックス
亜鉛浴
酸水洗槽
冷却層
塩酸槽北
白錆防止槽
塩酸槽中
仕上げ場
B
CP
CP
ボイラ室
塩酸槽南
脱脂水洗
A
脱脂槽
エア配管経路と漏れ確認、エア使用状況確認
照明(コンプレッサ使用分以外)を算出
P9
2.ポテンシャル診断
(5)診断結果
大分類
N
(電気
O
or燃料)
中分類
設備効率
向上
1
設備
対策名
炉排ガス廃熱回収
CO2削
減
工場全体
(tCO2削減
CO2/ 率(%)
年)
76
4.5
バーナー
2
燃料変更
炉バーナー更新、A重油→都市ガス転換
280
16.4
3
燃料変更
高効率ボイラ導入、A重油→都市ガス転換
106
6.2
4
燃料変更
+
設備効率
向上
高効率ボイラ導入、A重油→都市ガス転換、 126
ドレン回収導入
7.4
燃料
5
6
ボイラ
設備効率
向上
7
電気
10
設備効率
向上
24
1.4
高効率ボイラ導入、ドレン回収導入
51
3
104
6.1
蒸気配管未保温部改善
5
0.3
コンプレッサー更新
1
0.1
34
2
脱脂槽、フラックス、白錆防止槽温度制御導入
8
9
高効率ボイラ導入
コンプ
レッサ
照明
工場照明LEDの導入
燃料変更による効果は大きいが・・
P10
2.ポテンシャル診断
(6)診断結果事例1
<対策NO.2
炉バーナー更新、A重油→都市ガス燃料転換>
ボイラ燃料使用量
バーナー燃料使用量
ボイラ燃料使用量比率
バーナ燃料使用量比率
L/h
L/h
%
%
月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
1月
2月
3月
単位
kL
kL
kL
kL
kL
kL
kL
kL
kL
kL
kL
kL
36.1 ・・・1基分稼動で常時稼動と仮定。
120 ・・・2基分稼動で常時稼動と仮定。
23.1
76.9
合計使用量 ボイラ使用量 バーナ使用量
47.2
10.9
36.3
49.2
11.4
37.8
46
10.6
35.4
44
10.2
33.8
36
8.3
27.7
41.8
9.7
32.1
46.2
10.7
35.5
41.6
9.6
32
46.2
10.7
35.5
46
10.6
35.4
41.4
9.6
31.8
43.4
10
33.4
現状
年間燃料使用量 kL/年
CO2排出量換算 tCO2/年
燃料費用換算
千円/年
○:従来分からなったボイラとバーナー使用比率が知れた
×:以下4点により設備検討の際断念
1、燃料費用差が大きい点、2、変更に伴う設備投資が大きい点
3、設備施工期間が長い点 4、都市ガス配管が工場まで来ていない点
406.7
1101.9
34566.3
燃料転換 予想効果
367.8
38.8
821.7
280.2
36781.9 - 2 2 1 5 .6
P11
2.ポテンシャル診断
(7)診断結果事例2
<対策NO.6 高効率ボイラ導入、ドレン回収導入>
調査結果より高効率ボイラ導入、ドレン回収導入による推定メリットとして以下となった。
現状効率:約85%、給水温度27.5℃
導入推定効率:約91.4%、給水温度85℃
<検討結果>
現状
年間燃料使用量
CO2排出量換算
燃料費用換算
kL/年
tCO2年
千円/年
改善後
予想効果
122.3
103.4
18.9
331.5
280.2
51.3
10398.7
8790.4
1608.3
CO2削減量、燃料費用対効果が
大きい事が確認できた
P12
2.ポテンシャル診断
(8)診断結果事例3
<対策NO.7 脱脂槽、フラックス、白錆防止槽温度制御導入>
新規設置で温度制御装置を導入し、蒸気供給不要時の放熱量低減で検討
白錆防止槽
温度制御検討
蒸気
製品
フラックス
脱脂槽
製品移動時間5分間
<検討結果>
CO2削減量、燃料費用対効果が
大きい事が確認できた
P13
2.ポテンシャル診断
(9)診断結果まとめと感想
大分類
N
(電気
O
or燃料)
中分類
設備効率
向上
1
設備
対策名
炉排ガス廃熱回収
CO2削
減
工場全体
(tCO2削減
CO2/ 率(%)
年)
76
4.5
バーナー
2
燃料変更
炉バーナー更新、A重油→都市ガス転換
280
16.4
3
燃料変更
高効率ボイラ導入、A重油→都市ガス転換
106
6.2
4
燃料変更
+
設備効率
向上
高効率ボイラ導入、A重油→都市ガス転換、 126
ドレン回収導入
7.4
燃料
5
6
ボイラ
設備効率
向上
7
8
9
1
0
電気
設備効率
向上
コンプ
レッサ
照明
高効率ボイラ導入
高効率ボイラ導入、ドレン回収導入
24
1.4
51
3
脱脂槽、フラックス、白錆防止槽温度制御導入
104
6.1
蒸気配管未保温部改善
5
0.3
コンプレッサー更新
1
0.1
34
2
工場照明LEDの導入
○:CO2削減効果小
×:設備メンテ・安全に問題
○:CO2削減効果大
×:1.燃料費用差が大きい点
2.設備投資が大きい
3、設備納入工期が長い
4、都市ガス配管が工場
まで来ていない
○:CO2削減効果中
×:1.制御に関する社内
ノウハウがない
2.設備設置費用面の心配
○:CO2削減効果小
×:設備設置費用面の心配
P14
3.低炭素機器導入
(1)対策案選定理由
大分類
NO (電気or
燃料)
中分類
1
設備効率向上
2
燃料変更
3
燃料変更
4
燃料
5
6
燃料変更+
設備効率向上
設備効率向上
7
8
9
10
電気
設備効率向上
設備
対策名
炉排ガス廃熱回収
バーナー
76
4.5
炉バーナー更新、A重油→都市ガス転換
280
16.4
高効率ボイラ導入、A重油→都市ガス転換
106
6.2
126
7.4
24
51
1.4
3
高効率ボイラ導入、A重油→都市ガス燃料
転換、ドレン回収導入
ボイラ 高効率ボイラ導入
高効率ボイラ導入、ドレン回収導入
脱脂槽、フラックス、白錆防止槽温度制御導
入
蒸気配管未保温部改善
コンプ
コンプレッサー更新
レッサ
照明
CO2削減 工場全体
(tCO2削減 選定
CO2/ 率(%)
年)
工場照明LEDの導入
選定理由
×
設備メンテ性・安全上に問題があり断念
×
都市ガスの利用を断念のため見送り
5
2点の課題を解決できたので導入を採用した
○
1.制御面:三浦工業ノウハウにて対応
6.1
2.費用面:補助金導入により解決
0.3
1
0.1
104
34
×
効果小にて見送り
ボイラ関係だけでは削減効果1割に到達しな
2 ○ いため
環境:予測CO2削減率約11.1%(ボイラ関係9.1% LED2.0%)
経営:補助金による導入を前提に2年で採算ベース合う事が確認できた
P15
3.低炭素機器導入
(2)低炭素機器導入事例1
<対策NO.6
高効率ボイラ導入、ドレン回収導入>
高効率ボイラ
高効率ボイラ導入
ドレン回収タンク
ドレン回収導入
P16
3.低炭素機器導入
(3)低炭素機器導入事例2
<対策NO.7 脱脂槽、フラックス、白錆防止槽温度制御導入>
<対策NO.10工場照明LEDの導入>
LED照明
制御盤
電磁弁(蒸気配管開閉)
(3槽個別で指定温度調整実施)
温度制御導入
<対策NO.8
蒸気配管未保温部改善>
保温有無
蒸気配管未保温部改善
P17
3.低炭素機器導入
(4)ボイラ改善結果と効果検証
①
①
②
③
②
③
効果検証
①温度制御による効果
②ボイラに関する
本機器導入効果合算
③操業上工夫による
タイマー機能を
用いたボイラ停止効果
※13h稼働条件変化なし
※制御版による加温する3槽の温度を
常時監視することができたので
ドレン回収機能と槽の余熱を利用し
加温する槽の管理幅内を維持する
ことを前提に操業中温度が上限まで
上がった状態では2.5hボイラ停止が
可能であることが分かり③を実施した
P18
3.低炭素機器導入
(5)低炭素機器導入結果
CO2排出抑制率(1~5月)
全体:23.8%(電気:20.7% 重油:24.4%)
省エネによるコスト削減効果(1~5月)
全体:約6.0百万円(電気:1.3百万円 重油:4.7百万円)
CO2排出抑制率予測(年間)
全体:21.7%(稼働日数で算出)
省エネによるコスト減効果予測(年間)
全体:約13.0百万円
P19
3.低炭素機器導入
(6)機器導入の課題と今後
<機器導入全体を通しての課題と検討事項>
1、操業上の問題点
⇒導入した設備の劣化や消耗品交換について
⇒重油の場合 Siなど不純物が多く設備性能劣化が早いなど課題が残る
2、燃料転換として都市ガス化への検討
⇒(1)重油と都市ガスとの燃料価格に差があった
⇒(2)炉、バーナーの燃料転換の際の設備投資費用が大きい
⇒(3)設備導入工期が長く、本補助金の利用が難しい
⇒(4)都市ガスの配管が工場まで来ておらず使用できない
検討内容:(1)都市ガス燃料の価格の安定と大口消費企業として東邦ガス様と価格調整中
(2)(3) 申請、採択から期間が長い他の補助金も検討しながら、16年より本補助金
低炭素機器導入が8月だけでなく5月から申請開始されたため検討が可能
(4)東邦ガス様と打合せにより目安として7ヶ月ほどの期間があれば都市ガスを引いてもらえる事を確認
<参考
今後の機器導入計画案(炉、バーナー燃料変更案)の紹介>
仮定
1.本補助金が来年以降実施
2.補助金が採択される
3.都市ガス、設備の工期
が間に合う
4.費用対効果の確認
5.他補助金利用の可能性あり
P20
4.まとめ
<ポテンシャル診断や低炭素機器導入を通じての感想>
1.工場における各設備の使用割合や蒸気ボイラの酸素濃度など把握できなかった箇所を把握できた
2.加温する3槽の温度の見える化をすることで操業上の改善ができ予想以上の効果が得られた
3.当初見込んでいなかったドレン回収により水道使用量が大幅に減り、約35千円/月の
コスト削減効果があった。嬉しい誤算であったが、検討時の想定の甘さを感じた。
4.自社だけでなく費用面では補助金、技術面では外部を用いることで設備投資に幅が持て
大きな効果が狙える
<留意すべき点、失敗談>
温調制御するSUS製の温度計が塩化物の槽ではすぐ錆びてしまうため3ヶ月に一度交換が必要
⇒操業を考え消耗品についてもしっかりとした検討が必要
<全社や社内展開計画>
管理職、現場の会議にて社内展開
又
次年エコアクション21更新審査にてレポートをまとめ展開
<経営貢献度>
大幅なCO2削減達成とコスト削減により経営に大きく貢献
P21
4.まとめ
<社会貢献>
エコアクション21 16年中間審査にて本補助金事業実施報告
⇒審査員の方より、弊社取組みについて高い評価を得て 「環境ひとづくり大賞」への申込みの打診された
⇒従来よりめっき業は環境負荷が高い事、弊社のような中小企業が大賞と名の付くものへの申込みを打診
されたことへ大変驚いた
⇒本事例紹介においても同様ですが、弊社のような俗にいう3Kと呼ばれる汚い仕事を生業にしている
小さな会社の省エネ、環境負荷低減に対する取組みが世の企業様の参考になるのであれば広い意味で
社会全体の環境負荷低減に繋がり、結果として社会貢献となると感じました
<本事業に対する提言>
1.当然の話ですが経営、企業としては環境だけでなく経営面も大変重要であり、2つを両立が必要
2.弊社を含め中小企業においては現状把握が弱いと思われ、全額補助金で実施できるポテンシャル診断
は非常に有効であり、低炭素機器導入を実施しない場合でも操業の工夫に繋がると考えられる
3.弊社ポテンシャル診断の際 若手技術者を数名巻き込みながら進めたが、診断にあたり工程の再確認
従来技術への疑問が若手技術者から出てきて社員教育となった
4.忌憚の無く意見が言い合える診断機関(弊社の場合
三浦工業様)の存在の有無が大きい
5.低炭素機器導入の際、設備導入だけの改善でなく操業上の工夫でより大きな効果が得られる可能性
P22
ご清聴ありがとうございます
分かり難い説明で申し訳ありません
説明会後しばらく会場に居ますのでご質問があれば
直接お問い合わせ下さい
P23
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