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女性の農業への関わり方に関するアンケート調査

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女性の農業への関わり方に関するアンケート調査
女性の農業への関わり方に関するアンケート調査結果について
~平成24年度農林水産省委託調査結果から~
農業・農村の活性化に向け、女性の能力を積極的に活かすことが不可欠となっていますが、女性
農業者の中でも、年代や就農タイプにより、農業における働き方や経営における位置づけ、地域と
の関わり方、求めるライフスタイルやニーズが多様化していると考えられます。
女性の活躍を促進する上で、女性農業者の年代別・就農タイプ別の実態、課題等を把握・分析す
る必要があることから、農林水産省では平成24年に(株)インテージリサーチに委託して、
「女性
農業者の活躍促進に関する調査事業」を実施し、この一環として女性農業者を対象とした「女性の
農業への関わり方に関するアンケート調査」を実施しました。
このアンケート調査では、都道府県及び一般社団法人日本農業法人協会の協力を得て、全国の女
性農業者に調査票を配布し、2,070 名から回収しました。回答者の年代別、就農タイプ別に集計・分
析した結果の概要は以下のとおりです。(調査票発送数:7,059 票、回収数:2,070 票。回答者の年
代別構成比:20 代 7.6%、30 代 16.3%、40 代 22.2%、50 代 27.9%、60 代以上 24.3%)
(1)就農の状況
現在の就農状況について、全体では「配偶者の実家の農業に携わっている」が54.9%で
過半数を占めていますが、20代では「農業法人に就職している」が最も多くなっています。
(図
1)
図1
現在の就農状況
配偶者の実家の農業
に携わっている
自分の実家の農業
に携わっている
独立して就農 農業法人を経営 農業法人に
している
している
就職している
無回答
全体
54.9 20代
15.8 19.6 31.0 30代
5.1 46.3 13.9 61.0 0%
9.2 15.9 65.3 12.7 10.0 20%
40%
2.5 1.5 14.4 56.0 60代以上
10.7 1.6 5.3 41.8 19.3 40代
50代
11.7 18.1 7.2 6.8 1.5 7.1 7.1 1.2 13.9 60%
0.9 5.6 3.2 2.0 80%
100%
自身の農業との関わりについて、自分の実家が「現在、農業を営んでいる」または「以前は、
農業を営んでいた」と回答した者は58.9%となっており、
「農業を営んでいない」と回答し
た者は34.7%となっています。
20代、30代は、自分の実家が「農業を営んでいない」割合が高くなっていますが、40
代以上においては、自分の実家が「現在、農業を営んでいる」または「以前は、農業を営んで
いた」割合が高くなっています。(図2)
図2
農業との関わり(自分の実家)
現在、農業を営んでいる
全体
43.2 20代
43.7 30代
36.8 40代
37.0 50代
以前は、農業を営んでいた
15.7 6.3 44.9 19.4 49.4 20%
5.1 60%
-1-
5.9 28.4 24.5 40%
4.8 46.2 10.9 無回答
6.4 51.9 46.4 0%
34.7 6.5 60代以上
農業を営んでいない
16.9 80%
5.8 9.2 100%
就農の主な理由は、全体では「家庭環境から農業をやらざるを得なかった」が58.6%と
最も多くなっていますが、20代では「農村生活、自然が好きだから」が42.4%、
「植物や
動物を育てることが好きだから」が37.3%、
「身体を動かす仕事が好きだから」が36.1%
と積極的な理由が多くなっています。(図3)
図3
農業を職業とした理由及び農業を継続している理由(複数回答、上位 7 項目のみ記載)
【農業を職業とした理由】
80
60
40
20
58.6
【農業を継続している理由】
36.3
27.4
27.1
24.3
21.0 18.8
24.1
30.4
29.7
22.8
42.4
36.1
37.3
49.3
67.3
67.1
30.6
26.7
31.8
26.1
28.2
21.1
32.9
23.3
30.3
16.1
15.5
11.8
43.5
58.2
0
0
28.1
25.1
20.6
17.9
17.0 37.6
30.3
24.7
28.5
20.1
19.1
20
全体
34.3
29.8
20.1
18.6
16.2
12.1
12.5 20代
13.9
21.5
20.9
16.5
31.6
18.4
28.5
30代
31.5
25.2
20.2
21.1
16.9
15.7
13.9
40代
28.1
17.6
22.2
11.8
10.5
7.2
50代
33.1
37.3
21.1
17.2
13.5
11.4 10.7
60代以上
40
60
44.9
33.9
28.7
20.7
15.7
17.7
9.8
12.4
家庭環境から農業をやらざるを得なかった
やり方次第で成果を得ることができるから
食べ物を生産するという意義のある仕事だから
家族と共有できる時間や自由な時間が増えるから
農村生活、自然が好きだから
身体を動かす仕事が好きだから
植物や動物を育てることが好きだから
-2-
80
(2)経営参画及び経営者としての意識
農業経営の方針決定への関わりについて、全体では「関わっている」と回答した者が69.
9%となっています。
年代別では、20代は45.5%、30代は48.7%ですが、40代になると6割を超え、
50~60代では8割を超えています。(図4)
図4
農業経営の方針決定への関わり
関わっていない どちらとも言えない
関わっている
全体
20代
30代
27.8 48.7 40代
50代
20%
21.4 0.7 11.0 1.3 9.9 2.7 6.7 80.7 0%
0.4 5.1 82.6 60代以上
23.1 17.6 60.3 0.0 27.3 27.3 45.5 40%
1.3 15.8 12.9 69.9 60%
無回答
80%
100%
自分自身に経営者としての意識があるかについて、全体では「経営者である」と回答した者
が46.5%となっています。
20代は14.8%ですが、30代では27.5%、40代では35.2%、さらに50~
60代では6割と、年代が上がるにつれて経営者であるという認識が強くなっています。
(図5)
図5
経営者としての認識(共同経営含む)
経営者ではない
経営者である
全体
16.8 52.7 27.5 40代
19.3 61.4 14.8 30代
15.3 31.7 46.5 20代
どちらとも言えない
20.0 40.1 35.2 50代
59.0 21.0 12.7 60代以上
59.2 19.5 12.2 0%
20%
40%
60%
-3-
80%
無回答
6.6 4.5 2.9 4.8 7.4 9.0 100%
(3)事業内容
① 現 状
回答者の女性がいる経営体の事業は、「稲作」が51.3%、「直売所や朝市での販売」が4
4.9%、「施設園芸」が36.9%、「農産物加工」が27.1%の順となっています。
(図6)
そのうち、回答者が主に関与している事業は、
「施設園芸」23%、
「稲作」
「露地野菜」が
それぞれ12%、
「果樹」が11%、
「直売所や朝市での販売」
「農産物加工」がそれぞれ10%
となっています。(図7)
図6 女性がいる経営体の事業
(複数回答、上位 8 項目のみ記載)
稲作
図7
その他の販売
3%
その他の生産
4%
51.3%
直売所や朝市での販売
44.9%
施設園芸
36.9%
露地園芸
24.3%
果樹
22.4%
畜産
農産物加工
10%
稲作
12%
直売所や朝市での
販売
10%
12.4%
0%
その他
1%
畜産
8%
27.1%
農作物
体験農園・農場 インターネット通販
1%
1%
施設園芸
23%
麦、雑穀、いも、豆
類、工芸
4%
33.9%
農産物加工
女性が主に関与している事業
20%
40%
露地園芸
12%
果樹
11%
60%
②
今後の事業展開について
今後の事業展開への意向については、
「現状維持したい」が43.6%で最も多くなってい
ますが、
「現在行っている事業内容を拡大したい」が22.7%、
「新たな事業領域に取り組み
たい」が13.4%と、前向きな意向を持つ人が合わせて36.1%となっており、特に20
代では48.9%と高くなっています。(図8)
今後拡大したい事業領域は、「農産物加工」が50.4%と最も多く、「直売所での販売」が
31.3%、「施設園芸」が25.9%、「インターネットでの販売」が25.4%、「体験農園・
農場」が22.9%となっています(図9)。20代は「インターネットでの販売」
、30代は
「施設園芸」
「農家レストラン」、50代は「農産物加工」への意向が比較的多くなっています。
図8
今後の事業展開
新たな事業領域に
取り組みたい
全体
現在やっている事業
内容を拡大したい
40代
60代以上
6.5 0%
17.9 20%
9.1 1.8 9.2 3.8 4.3 45.6 22.9 16.1 1.1 3.6 7.4 41.6 24.9 13.8 50代
34.4 25.6 17.6 6.9 50.2 40%
60%
-4-
わからない
4.1 6.4 30.7 27.3 21.6 30代
事業を縮小または
廃業したい
43.6 22.7 13.4 20代
現状維持したい
80%
6.3 100%
図9
今後拡大したい事業領域(複数回答、上位 7 項目のみ掲載)
農産物加工
50.4%
直売所での販売
31.3%
施設園芸
25.9%
インターネットでの販売
25.4%
体験農園・農場
22.9%
露地園芸
17.1%
農家レストラン
16.1%
0%
20%
40%
60%
今後の事業拡大に向けた課題としては、生産部門では「農業資金の確保」
(21.1%)、
「従
事者などの人手の確保」
(19.9%)、「農業技術の習得」
(19.7%)、加工部門では「技
術・資格の習得」(28.2%)、「事業資金の確保」(19.5%)、販売部門では「販売ルー
トや集客の確保」(44.8%)、都市農村交流部門では「集客の確保」
(26.6%)などが
挙げられています。(図10)
図10 今後の事業拡大に向けた課題(複数回答、上位 4 項目のみ記載)
加工部門
生産部門
農業資金の確保
21.1
技術・資格の習得
従事者などの人
手の確保
19.9
事業資金の確保
農業技術の習得
19.7
販売ルートの確保
14.7
施設・用地の確保
14.4
農地の維持・確保
15.1
0%
25%
50%
25%
集客の確保
13.4
26.6
事業資金の確保
14.2
販売場所の確保
10.7
技術・資格の習得
10.0
事業資金の確保
8.2
関係機関との連携
9.7
0%
25%
50%
都市農村交流部門
44.8
品数の確保や周
年供給
19.5
0%
販売部門
販売ルートや集
客の確保
28.2
50%
0%
-5-
25%
50%
(4)農業技術の習得状況
① 現 状
農業技術の習得先は、全体では「家族から教わった」が74.9%で最も多くなっています。
一方、20代では、「農業大学校等で教育を受けた」(31.6%)、「他の農家、農業法人
で研修を受けた」(25.3%)が多くなっているなど、年代によって違いが見られます。
(図
11)
図11 農業技術の習得先(複数回答、上位 5 項目のみ記載)
74.9
48.1
71.8
家族から教わった
80.6
79.5
75.5
26.1
12.7
15.7
18.5
30.7
38.6
普及員から教わった
5.1
7.7
JAの営農指導員等から教わった
全体
19.6
20代
15.0
24.4
30.5
30代
14.0 25.3
17.2
12.2
14.2
9.6
他の農家、農業法人で研修を受けた
8.8
農業大学校等で教育を受けた
4.8
4.7 4.8
40代
50代
31.6
16.9
60代以上
0
②
20
40
60
80
100
今後の意向
今後習得が必要な知識・技術については、全体では「栽培・飼養技術」が46.4%、「経営
管理」が37.9%、「農産物加工」が32.2%の順で多くなっています。
20~30代では、「栽培・飼養技術」、「経営管理」、「機械の操作・修理技術」を習得した
いと考えている者が他の年代と比べて高くなっています。
(図12)
図12 今後習得が必要な知識・技術(複数回答、上位 5 項目のみ記載)
46.4
栽培・飼養技術
49.9
44.9
28.9
37.9
経営管理
24.1
48.1
41.4
36.9
65.8
61.4
57.6
全体
32.2
27.2
25.8
29.2
35.4
36.1
農産物加工
25.9 機械の操作・修理技術
9.8
19.6
30.3
43.0 20代
30代
55.1
40代
50代
25.8
32.3
24.3
23.5
26.9 25.9
農産物販売
0
60代以上
20
40
-6-
60
80
100
(5)生活上の課題
直面している生活上の課題については、「家事・育児との両立」が35.5%、「プライベー
ト時間の確保」が23.8%などが多くなっています。特に、30~40代では「家事・育児
との両立」を挙げる割合が高くなっています。
(図13)
図13 直面している生活上の問題(複数回答)
理 由
全体
20代
30代
40代
50代
60代以上
農業と家事・育児との両立
35.5%
25.3%
57.3%
49.9%
30.0%
19.7%
プライベート時間の確保
23.8%
35.4%
29.7%
25.5%
25.0%
14.5%
農業と介護との両立
13.4%
0.6%
2.1%
9.4%
19.8%
21.9%
自分で自由に使えるお金の確保
11.1%
14.6%
15.7%
13.3%
10.2%
6.4%
家庭内での役割・位置づけがあいまい
5.9%
7.6%
7.4%
8.7%
4.2%
4.2%
地域づきあい
5.5%
5.7%
6.8%
4.4%
5.9%
5.4%
地域での女性に対する偏見
5.4%
5.1%
0.6%
3.5%
6.2%
9.6%
地域組織との関係
5.3%
2.5%
3.9%
4.4%
6.4%
7.0%
仲間や友人がいない
4.9%
11.4%
10.7%
5.0%
3.1%
1.4%
家庭内で意見が言いにくい
4.3%
5.7%
6.5%
4.8%
3.6%
2.8%
プライバシーの確保
3.3%
5.7%
5.6%
4.1%
2.8%
1.0%
地域社会で意見が言いにくい
2.7%
1.9%
0.6%
2.4%
3.1%
4.2%
住居の確保
1.0%
2.5%
2.1%
0.7%
0.7%
0.4%
その他
3.1%
4.4%
3.3%
4.1%
3.5%
1.6%
特にない
19.6%
21.5%
9.8%
16.1%
19.9%
29.5%
女性であるために直面した課題については、「ない」と答えた者が56.4%、「ある」は3
2.5%となっています。特に30代では課題が「ある」と回答した者の割合が他の年代に比べ
高くなっています(図14)。「ある」の理由は「家事・育児」、「体力面での男女差」、「地域内
の男女差別」が多く挙げられています。(図15)
図14 女性であるために直面した課題の有無
あ る
全体
32.5 20代
な い
無回答
56.4 11.1 35.4 30代
59.5 40.9 5.1 53.1 5.9 40代
32.9 57.1 10.0 50代
32.8 56.3 10.9 60代以上
26.7 0%
60.6 20%
40%
60%
-7-
12.7 80%
100%
図15 課題の内容(自由記入によるコメント件数を分析、上位 5 項目のみ記載)
家事・育児に関すること
9 体力面に関すること
41 19 地域の男女差別に関すること
8 機械に関すること
46 11 25 6 10 トイレに関すること 1 8 0
9 39 11 33 24 20 16 35 24 29 20代
40
22 18 9 20
47 60
80
30代
40代
100
50代
120
60代以上
140
160
(件)
(6)女性が活躍するために必要なこと
女性が活躍するために必要なこととしては、「女性自身の意欲・意識の向上」が55.1%、
「家族の理解」が41.5%、「女性自身の能力向上」が28.2%、「女性同士のネットワー
ク」が20.8%となっています。
20代では、「女性同士のネットワーク」、「地域の理解」、「情報や機会の提供」、30代では「家
族の理解」、50~60代では「女性自身の意欲・意識の向上」を挙げる者が多くなっています。
(図16)
図16 女性の活躍に必要なこと(複数回答、上位 6 項目のみ記載)
55.1 46.8 40.1 54.2 62.9 62.5 女性自身の意欲・意識の向上
41.5 23.4 48.4 44.2 44.4 39.6 家族の理解
28.2 28.5 29.4 27.9 29.3 27.9 女性自身の能力向上
全体
20.8 29.1 22.6 19.8 17.3 22.3 女性同士のネットワーク
20代
30代
11.3 16.5 13.4 13.7 9.7 8.6 情報や機会の提供
40代
50代
11.0 19.6 11.6 8.5 10.2 12.0 地域の理解
0
60代以上
20
40
-8-
60
80
100
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