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477KB - 新エネルギー・産業技術総合開発機構

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477KB - 新エネルギー・産業技術総合開発機構
平成28年11月15日
スマートコミュニティ部成果報告会
「スマートグリッドに係る米国における標準化
活動(SGIP/IEEE等)の動向に関する検討」
事業期間:平成27年度
株式会社 三菱総合研究所
環境・エネルギー研究本部
主席研究員 志村 雄一郎
1/15
目次
1-1. 調査の背景
1-2. 調査の目的
1-3. 調査の実施内容
2. 調査結果の概要
3-1. Smart Grid Interoperability Panel に関する調査
3-2. IEEE等におけるスマートグリッドの相互運用性
及び系統連系に関する体系
3-3.日本企業のPAP活動等への支援
4. まとめ
2/○○
1.調査の背景
欧米企業は、標準を活用し、新興国における新たなインフラ関連の市場
獲得に積極的
特にスマートグリッド分野では、欧州標準や米国標準を活用した市場展
開が活発であり、そのためのスマートグリッド分野の新たな標準化活動
が活発
米国では、政府主導により設立されたSGIP(Smart Grid
Interoperability Panel)でスマートグリッドの標準化が議論されてお
り、さらにIEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)
では米国市場において対応が不可欠な系統連系要件に関する新たな議論
を開始
そこで本調査では、我が国におけるスマートグリッド関連の産業界に資す
るような、これらの標準化活動の最新情報を収集し、日本におけるスマー
トコミュニティの標準化・方向性を検討に役立てる。
2/15
1.調査の目的
北米でのスマートコミュニティ関連の標準化動向について、次の分野に
おける最新状況の調査を行うことを目的とする。
SGIP (Smart Grid Interoperability Panel)の最新動向
IEEEのスマートグリッドの相互運用性、並びに分散型電源の系統連
系の分野における標準シリーズといったフォーラム標準等
国際標準化関連団体との連携を図り、国際標準化に関する最新情報を日
本企業へ展開し、産業界の意見を広く収集して、スマートコミュニティ
技術の国際標準化へ資するための活動等も併せて行うことを目的とする。
3/15
1.調査の実施内容
調査研究は、以下の3つの実施内容で構成される。
調査項目1
Smart Grid Interoperability
Panel に関する調査
・SGIPの検討体制の把握
・ SGIPの検討状況の把握
• PAPの検討状況
• DEWGの検討状況
• その他の検討状況
調査項目2
IEEE 等におけるスマートグリッドの相
互運用性及び系統連系に関する標準策定
動向調査
• IEEE1547シリーズの全体像の把握
• IEEE1547全面改訂に関する詳細な議論の
展開の把握
調査項目3
Priority Action Plan(PAP)の活動方法及び当該活動等への参加のあり方
4/15
2.調査結果の概要
調査項目
結果
Smart Grid
Interoperability
Panel に関する調査
北米でのスマートコミュニティ関連の標準化動向を把握する
ため、SGIP2.0の現状について最新情報を収集するために、
2016年11月のAnnual Conferenceに参加する他、電話会議
等で情報を補い、これまでのSGIPとの違いや最新の動向に
関する情報を収集・分析した。
2
IEEE 等におけるスマー
トグリッドの相互運用
性及び系統連系に関す
る標準策定動向調査
IEEEのスマートグリッドの相互運用性、並びに分散型電源
の系統連系の分野における標準シリーズといったフォーラム
標準等について全体的な動向を整理し最新状況の調査を行っ
た。
IEEEにおける系統連系に関する検討状況を把握するため、
2015年5月、2015年11月、2016年3月に開催された
IEEE1547の全面改訂に向けた会議に参加した。
3
Priority Action Plan
(PAP)の活動方法及
び当該活動等への参加
のあり方
国際標準化関連団体との連携を図り、国際標準化に関する最
新情報を日本企業へ展開し、産業界の意見を広く収集して、
スマートコミュニティ技術の国際標準化へ資するための活動
を行った。
1
5/15
3-1.Smart Grid Interoperability Panel に関する調査
SGIPに関する情報収集
新たな体制に移行したSGIPについて、国際会議や、電話会議等に参加して、最新
の情報を収集した。
SGIP
2009 年11 月に設立
•
スマートグリッドに関連
する企業等の関係組織に
よって構成される官民パ
ートナーシップ
SGIP 2.0
2013年4月から移行
•米国連邦政府からの経済
的な支援が削減
•会員メンバーからの拠出
金による運営体制に移行
•実施体制も刷新
http://sgip.org/SGIP/files/ccLibraryFiles/Filename/000000001943/SGIP%20YearEndReview_FINALPresentation.pdf
6/15
3-1.Smart Grid Interoperability Panel に関する調査
SGIPについて (選択と集中)
SGIPのプレジデント兼CEOのSharon Allan氏より、2015年度以降は以下の3分野に注力し
て活動していく旨が発表された。後に説明するPAP等の活動は順次終了していく方向。
Energy IoT
サイバー
セキュリティ
テストベッド
EnergyとIoTのテーマの一環としてOpen Filed
Message Busの標準化の推進
OpenFMBと後続の取組み、IIC(Industrial
Internet Consortium)との共同チームの編成
特にOpen Filed Message Busに関するサイバーセキュリティに
注力して議論していく予定
新しい技術・システムの相互運用性の推進のためのテストベッド
相互運用性の評価:
(相互運用性成熟度モデルや評価手法の確立に向けて、GWACとの
チームの設置)
相互運用可能な調達:
(相互運用可能な技術調達のためのモデル言語やステークホルダー
向けの資料)
7/15
3-1.Smart Grid Interoperability Panel に関する調査
SGIPについて (PAPの検討状況)
PAPの活動は順次終了させていく方向
調査時点においては、25のPAPのうち、19のPAPが検討を終了した。
状況
検討内容
状況
検討内容
1
終了
13
終了
2
3
スマートグリッドにおけるIPプロトコルスイートの
仕様のための指針
終了
スマートグリッドの無線通信
IEEE C37.118とIEC 61850の調整および時
間同期
14
終了
送電・配電系統モデルマッピング
4
終了
終了
家庭における家電通信のための電力線搬送規
格の調和
5
エネルギー取引の共通スケジュール通信メカニズム
の策定
15
終了
標準メータデータプロファイル
終了 価格および製品定義に関する共通仕様の策定
7
ANSI C12.19のCIM共通セマンティクモデルへの
終了
変換
終了
エネルギー貯蔵相互接続指針
8
終了
6
配電グリッド管理のための共通情報モデル(CIM)
の開発
16
終了
風力発電通信
Facility Smart Grid Information
(設備スマートグリッド情報)
17
18
終了
SEP2.0への移行
19
終了
卸売向けデマンドレスポンス通信プロトコル
21
グリーンボタン ESPI(エネルギーサービス
プロバイダーインタフェース)の進展
天候予測
10 終了 エネルギー使用情報のための規格
22
EV サブメータの要件
11 終了
23
24
9
終了
デマンドレスポンス(DR)と分散電源(DER)の
シグナル
プラグイン電気自動車のサポートのための相互運用
性規格
12 終了 IEC61850 のオブジェクト/DNP3マッピング
(注)PAPの状況は、2016年8月末の状況
20
25
終了
IEC61850試験方法
マクログリッド運用インターフェース
金融情報との調和(Orange Button)
8/15
3-1.Smart Grid Interoperability Panel に関する調査
SGIPにおける新たな動き
大手電力会社の積極的な関与
SGIPの今後の検討の目玉となるOpenFMBの議論に、Duke Energyを中心とし
た大手の電力会社が積極的に関与しだしている(これまでSGIPでは、あまり電
力会社の関与は目立たなかった。)
DEWGの体制の一部変更
DEWGの体制に関して、以下のとおり統合や撤退の動きがあった。
•
B2G(建物と系統)/I2G(工場と系統)はH2G(家庭と系統)と統合
•
EMIIWG(電磁両立性)はTCC(試験認証)のDEWGと統合
•
TnD(電力系統関連)、V2G(自動車と系統)は撤退
外部予算の獲得
会費収入以外に、NISTとDOEからの案件を受託
(総収入約110万ドル:会費収入と政府補助は同程度)
DOEの予算は、SEIA(Solar Energy Information Association)と共同提案で太陽
光発電の融資のためBankabilityについての標準化の検討(PAP25の内容)
9/15
3-1.Smart Grid Interoperability Panel に関する調査
SGIPにおける新たな動き
2015年2月に新設されたOpen Field Message Busの活動が活発化
NAESB(北米エネルギー標準化委員会)と協働しながら検討が進められる予定
End Device2
Application
Layer
Filed Application
Interface
Layer
Pub/Sub
Layer
End Device2
End Device3
Adapters
(Modbus, DNP3, ASCI, C12, IEC61850,
CoAP, XMPP, その他)
Open FMB Interface Layer
(データモデル、プロファイル、インタラクションパターン)
AMQP
DDS
MQTT
その他
ミドルウェア
http://sgip.org/Open-Field-Message-Bus-OpenFMB-Project
10/15
3-2.IEEE等におけるスマートグリッドの相互運用性及び系統連系に関する体系
IEEE1547について
名称:Standard for Interconnecting Distributed Resources with Electric Power
Systems (10MVA以下の分散型電源の系統連系に係る要求事項を記した標準)
初版は2003年に発行。IEEEの規格は5年に一度見直しを行うことが原則となっており、
2008年にはRe-affirm(再承認)されている。
2005年に定められたエネルギーに関する法律「EPAct 2005 (Energy Policy Act of
2005)」のセクション1254によって、電力システムへの系統連系はIEEE 1547に合致す
ることが定められているため、米国における再生可能エネルギー等の系統連系上、非常に
重要な標準であるといえる。
名称
1547
区分
ステータス
概要
Standard
発行済
分散型電源系統連系に係る一般的な「要求事項」を規定
1547.1
Standard
発行済
改定作業中
IEEE1547の試験手順
1547.2
Guide
発行済
分散型電源のアプリケーション
1547.3
Guide
発行済
分散型電源の情報交換・通信
1547.4
Guide
発行済
自律系統の設計・運用・統合(マイクログリッド等の議論
を含む)
―
Withdrawn
大規模分散型電源(10MVA以上)への拡張
Recommended
Practice
発行済
二次ネットワーク(Secondary Network)
P1547.7
Guide
バロットによる審
議
分散型電源の電力システムへの影響研究方法
P1547.8
Recommended
Practice
バロットによる審
議
1547の拡張利用推奨規格
P1547.5
1547.6
11/15
3-2.IEEE等におけるスマートグリッドの相互運用性及び系統連系に関する体系
IEEE 1547 Full Revisionは2016年秋ごろの完成を目指している。それ以降は
IEEE 1547.1の議論が展開されていくことが予想される。
年
2014
年
2015
年
2016
年
IEEE
1547
IEEE
1547.1
日時
場所
会議日程
会議形式
●
4月23日~25日
ネバダ州
ラスベガス
2日半
ひとつの会合
●
6月26日~27日
ネバダ州
ラスベガス
1日半
一つの会合
●
11月4日~7日
ジョージア州
アトランタ
3日
ブレークアウト
セッション形式
●
2月10日~12日
バージニア州
アーリントン
3日
ひとつの会合
●
6月1日~3日
マサチューセッツ州
ボストン
3日
ひとつの会合
アリゾナ州
テンピ
3日
(1547:2日半、
1547.1:半日)
ひとつの会合
●
●
10月27日~29日
●
●
3月8日~10日
フロリダ州
ノースパームビーチ
3日
(1547:2日、
1547.1:1日)
未定
●
●
夏?
未定
4日?
未定
●
●
秋ごろ?
未定
4日?
未定
ー
●?
・・・以降、IEEE 1547.1の会号が開かれていくと予想される
IEEE 1547.1の
検討開始
IEEE 1547の終了
ターゲット
12/15
3-2.IEEE等におけるスマートグリッドの相互運用性及び系統連系に関する体系
ChairはNRELのThomas Basso氏
重要な検討項目ごとに、7つのサブグループに分かれて議論を展開している
検討体制
1547
P1547 Chair – Tom Basso; Secretary/Treasurer – Charlie Vartanian
P1547 Vice Chairs: John Berdner; Jim Daley; Babak Enayati; Mark Siira
サブグループ名
F1 Overall Document structure
/contents/ harmonization; new
Annexes
F2 (GR1): General Requirements 1
(GR1), Voltage regulation, Power
quality, potential new requirements
F3 (GR2): General Requirements 2
(GR2), Response to abnormal grid
conditions,
F4 (IIAMS): Interoperability, Analysis,
Modeling and Simulation
対象とする議論
文書全体の管理
(Clause 1.3等)
Tom Basso, Lead; Charlie Vartanian, Alt Lead
WG Volunteer Facilitators: - 1.3 Bob Cummings & David
Forrest;
電圧制御
(Clause 4.4.1)
Babak Enayati, Lead; John Berdner, Alt. Lead
WG Volunteer Facilitators: - 4.1.1 Aminul Huque
電圧・周波数ライドスルー
(Clause 4.2)
インターオペラビリティ
(Clause 4.1.6)
F5 (SI): Special Interconnections
(special EPS’s and special DER-EPS
considerations)
secondary grid and spot
networks (Clause 4.1.4)
マイクログリッド(Clause 4.4)
その他
F6 (IST): Interconnection /
Interoperability Test Specifications and
Requirements .
試験 (Clause 5)
F7 (PQ): 4.3 Power quality
1547.1
検討体制
電力品質
(Clause 4.3.1, 4.3.2, 4.3.3)
John Berdner, Lead; Babak Enayati, Alt. Lead
WG Volunteer Facilitators: Reigh Walling and Jens
Boemer
Mark Siira, Lead; Tom Basso, Alt. Lead
WG Volunteer Facilitators: M. Choudry
Charlie Vartanian, Lead; Tom Basso, Babak Enayati, Alt.
Lead;
WG Volunteer Facilitators: - 4.1.4 Mike Coddington; 4.4 & Microgrids ??(不在)- Tailor Hollis – Energy
Storage
Jim Daley, Lead; Mark Siira, Alt. Lead; Tom Basso, Alt.
Lead
WG Volunteer Facilitators: -??(不在)
F7 (Power Quality) Babak Enyati
P1547 Chair – Tom Basso;
それ以外は未定
※赤字は昨年からの変更
13/15
3-3.日本企業のPAP活動等への支援
JSCA国際標準化WGに参加している企業からは、SGIPにおいて「新たに立ち上
がるPAPがどのような活動をするのかに関心がある」「IEEEでの系統連系等の
標準化動向について包括的に把握する必要がある」という意見がこれまでに
あった。
本事業において調査したSGIPに関する動向、並びにIEEEのスマートグリッドの
相互運用性、並びに分散型電源の系統連系の分野における標準シリーズの動向
について、JSCA活動の一環として実施される国際標準化WGで、調査研究の内
容に関して報告した。
具体的には、SGIPに関しては2015年11月の米国ニューオリンズでの年次会合
での検討状況を報告した。
また、IEEEに関しては2015年5月、2015年11月、 2016年3月に開催された
IEEE1547関連の会議に参加して詳細な情報を収集し、これらをJSCAの国際標
準化WGで報告した。
14/15
4.まとめ
要約
調査結果
本事業では、北米でのスマートコミュニティ関連の標準化動向を把握するため、
SGIPに関する動向と、IEEEの分散型電源の系統連系の分野における標準シリーズ
を対象として調査した。
SGIPについては、①Energy IoT、②サイバーセキュリティ、③テストベッドと
いう新たな活動の3つの柱が明らかになった。特にEnergyIoTに関してはOpen
FMBに関する検討が積極的に進められている。また、この他に金融情報との連係
といったエネルギーと他の業界(金融)をつなぐ際のデータの標準化といった議
論も活発化している。従来のPAPの活動は順次終了していく予定である。
IEEEでの系統連系要件の標準の全面見直しについては、スコープが定まり、具体
的な検討を進めるための作業部会が設置された。
IEEE 1547の全面改定において議論が盛んに行われてきた「Voltage Regulation(電
圧制御)」はほぼドラフトの方針が固まりつつある状況であり、もう一つの重要なリ
クワイアメントである「Ride Through(ライドスルー)」についても、議論が進ん
でいる。
分散型電源のInteroperabilityに関する議論が大きく動きつつある。カリフォルニア
のCPUC(公益事業委員会)の議論を受けて、IEC 61850と言った通信関連規格を採
用するかという点で活発な議論が行われている。
15/15
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