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横浜都心部グランドデザイン
横浜都心部グランドデザイン 横浜都心部グランドデザインの基本的考え方 ■ 01 横浜都心部の現状と課題 ■ 横浜都心部の役割 ●開港~現在 横浜は安政6年の開港以来、交易の中心地として、また、世界の窓口として日本最大の国 際都市となりました。幕末の通商条約に基づき外国人が営業と居住を認められ山下町に居留 地が誕生し、その後、山下町も官公庁施設や業務施設などの立地が進み、関内地区は横浜の 都心として目覚しい発展をとげました。 開港以来、関内・関外を中心として横浜の都心部は構成されてきましたが、首都東京との 連携が強まるに従い、交通の要衝である横浜駅周辺地区にも都心核が形成され、2つの核を 持つ都市となりました。さらに、みなとみらい21の誕生により世界に視野を持つ新たな核 が形成され、都心部の一体化を図ることができました。 バブル崩壊後、日本経済は大変厳しい状況下にあり、横浜都心部においても少なからず影 響を受けてきたが、来街者数・宿泊客数は今なお増加しており、都心部での居住者は大幅に 増加している状況です。 横浜駅周辺地区 横浜駅周辺地区 みなとみらい 21 地区 関内地区 (山下町、本町、 日本大通) 関内・関外地区 関内・関外地区 国内外から多くの人や企業などを集積し、定着させていくためには、世界の都市や東京と の区別化を図り、新たな横浜の価値を創造することによって、都市ブランドの確立を牽引し ていくことが必要です。 ●魅力的な都市空間 ウォーターフロントの魅力を向上させ、歴史的建造物等の地域資源を活かすこと や、先進的な都市景観を維持・向上していくことに加えて、国際性・先進性・市民力 といったソフトバリューを活かしながら、来街者にとっても、都市に居住する人にとっ ても、質の高い魅力的な都市空間を創出することが求められています。 関内・関外地区 ●機 能 「業務・商業」、「観光・コンベンション」、「居住」、「交通拠点」、「行政」と大きく5つの 機能があります。 ●性格・特徴 ●東アジア経済の一翼 社会経済のグローバル化や情報化が進む中で、港湾都市として発展してきた 文脈や、羽田空港の再拡張・国際化によるアクセス性の向上を活かし、東アジア 経済の一翼を担う、競争力のある活力に満ちた都市を目指していくことが求めら れています。 国際性、アジアとの近接性、東京との近接性、港との近接性という性格に加えて、美しい 都市景観、歴史的建造物の存在、東京と比べて安価な地価・賃料、都心部のコンパクト性、 スポーツ施設の充実、文化・芸術の土壌など、多様な面があることが特徴です。 ●横浜らしさの象徴 ●社会的変化 近年の都心部を取り巻く社会的変化の要因としては、日本経済の停滞、情報化、グローバ ル化、少子高齢化、MM線の開通、羽田空港の再拡張・国際化、地球環境問題への対策、安 全・安心への関心の高まりなどがあげられます。 横浜らしさの象徴として、文化・芸術・スポーツなどによる魅力あるまちづくりを進 め、世界から集まる多様な文化や技術を持つ人々が交流し、新しい文化芸術や先 進的技術を生み出し、特色ある都市の創造性を発信することで、世界の知識と知 恵の拠点を目指すことが求められています。 ●課 題 横浜経済の活性化、労働人口の確保、環境対策、居住環境の質の向上、開港の歴史の保全 活用などがあげられます。 横浜都心部の将来像 02 ―美しく・強く・ときめく・やさしいまちへ― ●歴史的な景観、港、海、川を活かした賑わいのまち 横浜都心部の特徴である歴史的な景観と、港・海・川といった資源を生かして、商業・観光や 居住施設を集積することにより、他の都市にはない個性豊かな賑わいの場を創出し、街のどこか らも海や港が感じられる美しいミナトヨコハマを創っていきます。 ●歴史的な景観、港、海、川 ●新しい就業の場と活力を創出するまち を活かした賑わいのまち 横浜都心部の特徴である東京都心・中部圏・羽田空港・横浜港とのアクセス性の良さを生かし て、国内外から企業の集積を進め、新たなビジネスチャンスと活発な企業活動を生み出すことに より、人も企業も躍動する活力あふれるビジネスゾーンを創っていきます。 ●新しい文化・芸術・技術を創造するまち ●新しい就業の場と活力 国際機関や研究活動の場が集まり近代技術導入の地である横浜都心部で、開港からの歴史的な 文化と、世界から集まる多様な文化や技術が融合し、新しい文化芸術や先進的技術を生み出し、 特色ある都市の創造性を発信していきます。 ●新しい文化・芸術・技術 を創造するまち を創造するまち ●安全・快適に移動できる回遊性の高いまち 多くの人が集まる横浜都心部で、徒歩や自転車などを含めた多様な交通手段に対応した回遊性 の向上を図るとともに、歩行環境の改善を進めるなど、楽しく快適・安全に移動できる交通環境 の整備を目指します。 ●海風と緑を活かし地球環境と共生するまち ヒートアイランド現象や地球温暖化などの環境問題に対して、まちや建物、交通手段、市民、 企業の活動において省エネルギーの取組が徹底されるとともに、脱温暖化に有効な技術の開発・ 普及により、脱温暖化型の市民生活・企業活動の定着を目指します。 ●防災・防犯機能を備えた安全・安心なまち ●海風と緑を活かし地球 環境と共生するまち 震災、風水害、都市災害等への対策として、ライフライン・建築物の耐震化や河川の浸水対策 などを促進するとともに、地域における防犯活動等の実施により、防災・防犯機能の強化を図り 安全・安心にくらせるまちを目指します。 ●安全・快適に移動できる 回遊性の高いまち 横浜都心部での 各地区の役割 ●防災・防犯機能を備えた安全・安心なまち 歴史を活かした観光 賑 広域的商業 特色ある専門店 わ 地域密着型商店 い 都市型住宅 交通ターミナル 行政機能 先端的・ベンチャー企業 業 務 国際的な企業 事業所サービス企業 これらの3つの役割や6つの将来像を実現 するために、横浜都心部を形成する4つの 事業所サービス企業 国際交流 文 化 教育・文化・芸術・スポーツ 地区が、それぞれの立地特性を活かしなが 安全・快適に移動できる回遊性の高いまち ら役割を担っていきます。 海風と緑を活かし地球環境と共生するまち 防災・防犯機能を備えた安全・安心なまち 横浜駅周辺 みなとみらい21 関 内 関 外 横浜都心部グランドデザイン 03 ー各地区及び地区の融合するエリアの目指すべき方向- 開港以来、関内・関外を中心として横浜の都心部は構成されてきましたが、横浜駅周辺にも都心核が形成され、さらに、みなとみらい 21 の誕生により新たな核 が形成されることで、4つの地区を有する都市構造となりました。 この4つの地区が相互に連携し、それぞれの地区の特性を発揮できるエリアが各地区を有機的に結び付けることで、より強固なつながりを持った一体的な横浜 都心部を目指していきます。 横浜駅周辺地区 横浜駅周辺地区は、国際都市横浜の玄関口として国 際競争力のあるまちを目指す。特に、以下の機能に ついて高めていくものとする。 横浜駅周辺 ★ 横浜の玄関口としての交通ターミナル機能 ★ 大型商業施設による広域的商業機能 ★ 先端的な企業、ベンチャー企業による情報発信 みなとみらい 21 地区 横浜駅東口~新高島駅エリア みなとみらい 21 地区は、創造都市横浜を代表する 地区を目指す。特に、以下の機能について高めてい くものとする。 みなとみらい21 ◆ みなとみらい21地区のウォーターフロント の景観と、みなとみらい線新高島駅、交通タ ーミナル横浜駅の利用が可能な交通利便性に も恵まれたエリアである。 ◆ このエリアの優れた特徴を活かし、横浜駅周 辺地区と、みなみとみらい 21 地区の高める べき機能の融合により両地区の更なる発展を 目指す。 ★ 国際文化都市としての国際交流拠点 ★ 21世紀の情報都市としての国際業務企業 ★ 先端的な企業、ベンチャー企業による情報発信 桜木町駅~馬車道駅エリア ◆ 関内地区のウォーターフロントエリア、みな とみらい21地区の魅力的な景観に恵まれ、 みなとみらい線の馬車道駅、桜木町駅の利用 が可能な交通利便性にも優れたエリアであ る。 ◆ このエリアの優れた特徴を活かし、みなみと みらい 21 地区と、関内地区の高めるべき機 能の融合による更なる発展を目指す。 関内駅周辺エリア ◆ 関内地区の都心機能、関外地区の界隈性を持 ち、JR、市営地下鉄関内駅及びみなとみらい 線の駅も至近な距離にあるなど交通利便性に も恵まれたエリアである。 ◆ このエリアの優れた特徴を活かし、関内地区 の高めるべき機能の集積により、関内駅周辺 エリアの再生を目指す。 関内 関内地区 関内地区は、横浜開港の歴史と都心の最初の核とし て今後も発展していくことを目指す。特に、以下の 機能について高めていくものとする。 関外地区 関外地区は、多様性・大衆性のある横浜独自の生 活文化を育んできた地区として、文化・業務の伝 統を受け継ぎつつ、魅力的なまちを目指す。特に、 以下の機能について高めていくものとする。 ★ 市民に愛される特色ある専門店 ★ 都市生活を支える地域密着型商店 ★ 安全・快適・便利な都市型住宅 関外 ★ 中心地としての歴史を支える行政機能 ★ 開港からグローバル社会における国際交流 ★ ショッピングストリートに見られる特色ある専 門店 ★ 歴史的建造物や街並み散策などの観光