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NIDS NEWS(2013年2月号)を掲載しました。

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NIDS NEWS(2013年2月号)を掲載しました。
通算第173号
防衛研究所ニュース 2013年2月号
“NIDS NEWS”
防衛研究所企画部企画調整課(03-3713-5912)
・・・・・2013年1月の主な出来事・・・・・
《 平成24年度アジア太平洋安全保障ワークショップの開催 》
1月16日から17日にかけて、防衛研
究所内において平成24年度アジア太
平洋安全保障ワークショップが開催
されました。本ワークショップは、ア
ジア太平洋諸国が直面する安全保障
の課題等について、
アジア太平洋諸国
の有識者が立場を明確にしながら議
論を行うものであり、
安全保障問題の
研究者を招へいするだけでなく、
防衛
省・自衛隊をはじめとした政府関係者
を交えた国際会議としての特徴も有
しています。今年度で4回目を数える本ワークショップは、過去3回と同じく「アジア太平洋諸国の
安全保障課題と国防部門への影響」をテーマとして開催され、以下の12名の研究者(発表順)から
報告が行われ、討論者としてランドール・シュライバー防衛研究所客員研究員(プロジェクト2049
研究所長、元米国務次官補代理(東ア
参加者一覧(発表順)
ジア・太平洋担当))や、ジェイソン・
カンボジア:チーン・ヴァナリット(平和協力研究所長)
ウィーロック同客員研究員(米議会予
インドネシア:イース・ジンダルサ(戦略国際問題研究センター研究員)
算局国防計画主任アナリスト)などの
マレーシア:タン・シュー・ムン(戦略国際問題研究所外交安全保障部長)
参加も見られました。
ミャンマー:ティン・モン・モン・タン(東南アジア研究所客員研究員)
報告者は、各国の抱える安全保障上
フィリピン:ハーマン・クラフト(戦略開発問題研究所長)
の重要課題を明らかにした上で、安全
シンガポール:ラム・ペン・ア(シンガポール国立大学東アジア研究所上級研究員)
保障政策が国防部門へ与える影響の
タイ:ティティナン・ポンスヒラ(チュラロンコーン大学安全保障問題研究所長)
大きさや、地域防衛協力の可能性につ
ベトナム:チャン・チュオン・トゥイ(外交学院地域対外政策研究所副所長)
いて言及した後、活発な質疑応答と総
インド:P.K.シン(統合戦略研究所長)
合討議を行いました。本ワークショッ
パキスタン:ペルヴァイス・イクバル・チーマ(国防大学現代研究学部長)
プの報告内容は、次年度に報告論文集
豪州:由冀(豪ニューサウスウェールズ大学教授、中国に関する報告を担当)
を作成しており、防研HP「国際共同研
日本:助川康(防衛研究所理論研究部主任研究官)
究シリーズ」で公開しております。
1
《 ディーパ・ゴパラン・ワドワ駐日インド大使の来訪 》
1月10日、ディーパ・ゴパラン・ワドワ駐日
インド大使が防衛研究所を来訪され、「インド
の戦略的安全保障政策」というテーマで特別講
義をなされました。同大使は、グローバルな安
全保障を形成する上で、地理、経済、社会的側
面を学ぶ重要性を指摘されました。そして中国
の擡頭という国際環境の中で、日印関係が戦略
的グローバル・パートナーシップを強化し、安
全保障協力を深めてゆくべきであると述べら
れました。
《 第60期一般課程 》
1月は、先月から引き続き、「紛争と国際社会」、「地域安全保障1」(欧州・ロシア等)、「地域安全
保障2」(東南アジア、インド、中東等)、「東アジアの安全保障2」(朝鮮半島)、「経済と安全保障」、
「軍備管理・軍縮・不拡散」の各講座及び14個のセ
ミナーを実施しました。そして10日には、ディー
パ・ゴパラン・ワドワ駐日インド大使による特別
講義、30日には米太平洋海兵隊司令官テリー・ロ
ブリング中将による特別講義をそれぞれ受講し
ました。
22 日から 25 日にかけて、九州・沖縄での西方
現地研修を実施しました。22 日に陸上自衛隊西
部方面総監部において総監からの講話を受けた
後、
西部方面隊の概況及び防衛警備等の説明を受
けました。他方、他省庁や民間からの研修員及び 《 米太平洋海兵隊司令官テリー・ロブリング中将 》
留学生は、防衛警備等の説明の代わりに熊本城での史跡研修を実施しました。
23日には、海上自衛隊第5航空群において研修を行い、群司令講話及び概況説明を受けるととも
に、航空機等を見学しました。他方、留学生は航空機等研修の代わりに、沖縄戦の史跡(旧海軍司
令部壕)を研修しました。そして24日は、宮古島グループと沖縄本島グループに別れて研修を実施
し、宮古島グループは、航空自衛隊第83航空隊所属のCH-47型ヘリコプターにより那覇から宮古島へ
移動した後、航空自衛隊第53警戒隊の概況説明を受けるとともに、レーダー局舎等の施設を研修し
ました。沖縄本島グループは、陸上自衛隊第15旅団において、概況説明及びジオラマによる沖縄戦
についての説明を受けた後、第15飛行隊所属のCH-47型ヘリコプターにより沖縄本島を上空から視察
しました。その後、航空自衛隊南西航空混成団を研修し、団司令講話及び概況説明を受けるととも
に、那覇基地所属の各種航空機を研修しました。最終日には、在沖縄海兵隊(キャンプ・コートニ
ー及び普天間飛行場)を研修し、九州・沖縄地区に所在する各自衛隊の部隊及び米海兵隊の状況等
について理解を深めることができ、西方研修を終了しました。
2
《 所長年頭の辞 》
1月8日、防衛研究所内で年始行事が開催され
ました。髙見澤所長は「年頭の辞」で、安倍首
相が日本の安全保障を「他人事ではなく、今、
そこにある危機」に直面していると述べたこと
に言及されました。そして防衛研究所のこれか
らの課題として、第一に、様々な事業を継続的
に発展・向上・定着させることで、首相や防衛相
が指示されている新たな政策ニーズにも対応で
きるよう、防研らしい「多様性と歴史的な視点」
を重視した「先進性と深みのある研究」を行うべきであると述べました。第二に、各自が進取と協
調の精神を持ち、それぞれの現場で一歩踏み込んで対応することを求めました。
《 中国社会科学院日本研究所長の来訪 》
1月11日、中国社会科学院日本研究所の
李薇所長一行が防衛研究所を訪れました。
李所長は、髙見澤防研所長への表敬後、研
究者たちとの意見交換を行いました。テー
マは、日本と中国をめぐる安全保障関係に
ついてであり、特に防衛研究所が昨年12
月19日に刊行した『中国安全保障レポート
2012』の中国国内での反響の大きさについ
て指摘されました。また、中国の安全保障
利益や経済利益がグローバルに拡大して
ゆく中で、日中防衛当局による緊急連絡体制「海上連絡メカニズム」の必要性について、活発な意
見交換がなされました。
《 韓国国防研究院長の来訪 》
1月29日、韓国国防研究院長の方孝福(バン・
ヒョボク)退役陸軍中将が防衛研究所を来訪さ
れました。方院長は、朴槿恵大統領と安倍晋三
首相が双方の政治的指導力の強さを指摘しなが
ら、日米韓の三カ国による同盟関係の構築と深
化の必要性を述べられました。また、防衛研究
所と韓国国防研究院という研究機関同士による
研究交流の枠組みの中で、具体的な日韓関係の
ビジョンを提示できればと述べられました。
3
・・・・「史料紹介コーナー」・・・・
平成 24 年度は、歴代陸軍参謀総長及び海軍軍令部長の中から毎号一人を取り上げて、
戦史研究センター史料室が所蔵するその人物の関連史料を紹介しています。
かなや
はんぞう
《 金谷 範三 1873~1933年 》
-満州事変勃発時の参謀総長-
太平洋問題研究委員会記事
(登録番号:陸軍省-華府会議-T10-1-62)
金谷範三大将は、明治 27 年 7 月、陸軍士官学校(5 期)を卒業、そ
の後、支那駐屯軍司令官、第 18 師団長、参謀総長等の要職を歴任しま
した。この史料は、大正 10 年 11 月に開催予定のワシントン会議に対す
る準備のため、「陸軍省及参謀本部ノ関係者ヲ以テ組織セル太平洋問題
研究委員会ニ於ケル決議事項ヲ集録」したものです。当時参謀本部第一
部長であった金谷少将は、17 名で編成された同委員会のメンバーとし
て参加しています。太平洋問題研究委員会は、大正 10 年 8 月 8 日から
同月 24 日まで 8 回にわたり開催され、軍備制限問題や太平洋問題など
に対する陸軍の執るべき態度を決定しています。
満州事変作戦指導関係綴別冊其一
(登録番号:中央-戦争指導・重要国策文書-545)
昭和 6 年 9 月 18 日夜半過ぎ、奉天特務機関からの電報により、柳条
湖において日中両軍が衝突したことを知った陸軍中央部は、翌 19 日朝
首脳部会議を開き、陸軍として採るべき方策について協議しています。
この史料には、同日午後、当時参謀総長であった金谷大将が関東軍司令
官に宛てた「電第一五号」(昭和 6 年 9 月 19 日)などが収録されてい
ます。これによれば、まず「九月十八日夜以後ニ於ケル関東軍司令官ノ
決心及処置ハ機宜ニ適シタルモノ」としてその行動を是認したのち、事
件処理に関しては「必要ノ度ヲ超エサルコト」との閣議決定もあり、今
後軍の行動はこの主旨に則り善処すべしと訓電しています。
《お知らせ》
史料保存のためのマイクロ撮影にともない一時的に閲覧できない史料があります。
詳しくは、防研ウェブサイト「お知らせ」をご覧下さい。
※ 記事に関する御意見、御質問等は下記へお寄せ下さい。なお、記事の無断引用はお断りします。
防衛研究所企画部企画調整課
専用線 : 8-67-6522、6588(史料紹介コーナーのみ6668)
外 線 : 03-3713-5912
FAX : 03-3713-6149
E-mail : [email protected]
※ 防衛研究所ウェブサイト:http://www.nids.go.jp
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