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23 国際人口移動の仮定設定について
国際人口移動の仮定設定について -1 日本人の国際人口移動 日本人の国際人口移動については、性、年齢別純移動率(入国超過率)の1995~2000年の平 均値を求め、さらに、偶然変動によるブレを取り除くため補整した率を、2001年以降一定とした (左図:男子、右図:女子)。 年平均 日本人男性の年齢別入国超過率 日本人女性の年齢別入国超過率 0.002 0.002 0.001 0.001 0.000 0.000 -0.001 -0.001 -0.002 -0.002 -0.003 -0.003 -0.004 -0.004 1995-2000平 均 仮定値 -0.005 1995-2000平 均 仮定値 -0.005 -0.006 0 10 20 30 40 50 年 齢 60 70 80 90 -0.006 0 10 20 30 40 50 年 齢 60 70 80 90 国際人口移動の仮定設定について -2 外国人の国際人口移動 外国人の性別入国超過数については、近年の実績をロジスティック曲線により補外して求めた (左図)。入国者の年齢別割合は、1995~2000年の平均値を一定とした(右図)。 外国人入国超過数の仮定値 外国人入国超過の年齢別割合 60 0.10 50 0.08 40 男 0.06 男 女 女 割 0.04 合 ( 入 国 超 30 過 数 ) 千 20 人 0.02 10 0.00 0 -10 1970 -0.02 1975 1980 1985 1990 1995 2000 年 次 2005 2010 2015 2020 2025 0 10 20 30 40 50 年 齢 60 70 80 90 23 社会経済要因について 将来人口推計と社会経済要因との関係 ◎ 社会経済環境の過去の趨勢は、観測された人口学的データの変化に反映される。 ◎ 将来人口推計は、そうした人口学的データや指標を投影することによって行われる。 24 将来人口推計と社会経済要因との関係 ◎ 社会経済環境の過去の趨勢は、観測された人口学的データの変化に反映される。 ◎ 将来人口推計は、そうした人口学的データや指標を投影することによって行われる。 ● 将来人口推計では、人口投影という考え方を用いて客観性の保持に努める。 人口投影 = 科学的根拠(豊富な客観データ + 標準的な手法) に基づく推計 公的な将来人口推計における ● 公的将来人口推計は、広範な ● 将来は確定したものではなく、 社会経済要因に対する考え方 目的に対する基準となることが 重要な役割。 → 客観的、中立的であることが 必要。 正確に知りうるものでもない。 → 将来の社会を定量的に 正確に描く科学的手法は 存在しない。 将来人口推計と社会経済要因との関係 ◎ 社会経済環境の過去の趨勢は、観測された人口学的データの変化に反映される。 ◎ 将来人口推計は、そうした人口学的データや指標を投影することによって行われる。 要因の数が多く、 相互の関係は複雑である 社会経済環境 ● 出生、寿命、人口移動などの人口変 動要因との定量的関係は明らかでは なく、また安定的なものでもない。 → 社会経済要因の仮定を人口推計に 反映させることは困難。 ● 人口推計の仮定値として、社会経済 要因の長期にわたる将来推計が可能 か。 → 社会経済要因を取り入れることにより、 人口推計の精度の向上が可能か。ま た、客観性、中立性が確保できるか。 25 将来人口推計と社会経済要因との関係 ◎ 社会経済環境の過去の趨勢は、観測された人口学的データの変化に反映される。 ◎ 将来人口推計は、そうした人口学的データや指標を投影することによって行われる。 人口変動要因との定量的関 係は明らかではない 社会経済環境 ● 出生促進策の効果に関する論争 フランス 養育親手当て(APE1994~2003年) → 第2子出生増加への寄与について Piketty(2003)(2005) 出生増加分の2~3割 Laroque et Salanie(2003) 第2子出生増加分の4分の3 Ragache(2004) 第2子出生増加分の7%程度 Laroque et Salanie(2005) 第2子出生増加分の10.9% 将来人口推計と社会経済要因との関係 ◎ 社会経済環境の過去の趨勢は、観測された人口学的データの変化に反映される。 ◎ 将来人口推計は、そうした人口学的データや指標を投影することによって行われる。 人口変動要因との定量的関 係は明らかではない 社会経済環境 ● 出生促進策の効果に関する論争 カナダ・ケベック州 ベビーボーナス制度(1988~97年) Duclos et al.(2001), 出生促進効果わずかにあり Milligan(2005): 出生促進効果かなりあり カナダ統計局(1998)、赤地(2001) 出生促進効果なし 26 将来人口推計と社会経済要因との関係 ◎ 社会経済環境の過去の趨勢は、観測された人口学的データの変化に反映される。 ◎ 将来人口推計は、そうした人口学的データや指標を投影することによって行われる。 社会経済環境 z 公的な将来人口推計は、広範な目的に対す る基準としての役割を持ち、客観性・中立性が 重要である。したがって、人口との関係が明ら かとなっていない社会経済要因や政策について 特定の仮定は用いるべきでなく、人口変動要因 の投影によって作成することが必要。 → 各国の推計で、直接取り入れている例はない ※ 研究分野において、社会経済要因と人口と の関係やそれらの将来変化をモデル化して、シ ミュレーションを行うことは、学問的な発展のた め重要である。 将来人口推計と社会経済要因との関係 ◎ 社会経済環境の過去の趨勢は、観測された人口学的データの変化に反映される。 ◎ 将来人口推計は、そうした人口学的データや指標を投影することによって行われる。 将来推計人口 投影 将 来 の 仮定値 投影 過 去 の 動 向 社会経済環境 人口変動要因 (出生、死亡など) 27 Ⅱ.将来人口推計の検証 ー 平成14年推計の評価 ー 人 口 の 評 価 平成16(2004)年年齢別人口の実績値(総務省推計)と 推計結果(中位)の比較 実数の比較 平成16(2004)年人口 年齢 実績値 推計値 (総務省推計) (中位推計) 総数 (単位:1,000人) 差の内訳 差 (推計-実績) 出生率 による 生残率 による 国際人口 移動による 127,687 127,635 -51 97 -222 74 0~4歳 5,736 5,830 94 97 -0 -2 5~64歳 97,075 97,083 9 - -6 15 65~74歳 13,809 13,770 -39 - -30 -9 75歳以上 11,067 10,952 -115 - -186 70 28 人 口 の 評 価 平成16(2004)年年齢別人口の実績値(総務省推計)と 推計結果(中位)の比較 実績値実数の比較 =100 とした比較 平成16(2004)年人口 年齢 実績値 推計値 (総務省推計) (中位推計) 総数 (%) (単位:1,000人) 差の内訳 差 (推計-実績) 出生率 による 生残率 による 国際人口 移動による 127,687 100.0 127,635 99.96 -51 -0.04 97 0.08 -222 -0.17 74 0.06 0~4歳 5,736 100.0 5,830 101.65 94 1.65 97 1.69 -0 -0.01 -2 -0.04 5~64歳 97,075 100.0 97,083 100.01 0.019 - -6 -0.01 15 0.02 65~74歳 13,809 100.0 13,770 99.72 -39 -0.28 - -30 -0.22 -9 -0.07 75歳以上 11,067 100.0 10,952 98.96 -115 -1.04 - -186 -1.68 70 0.64 実績値と推計値-総人口 総人口- 1950~2050年 140000 2005年実績 1億2775万7千 130000 ( 総 人 口 120000 110000 ) 千 2005年中位推計 1億2,770万8千 100000 総人口 総人口 総人口 総人口 90000 80000 1950 1960 1970 1980 1990 2000 2010 年 次 2020 -実績 -H14高 -H14中 -H14低 2030 2040 2050 29 実績値と推計値-総人口 総人口- 1990~2020年 130000 2005年実績 1億2775万7千 129000 128000 127000 ( 総 人 126000 口 125000 千 ) 2005年中位推計 1億2,770万8千 124000 123000 総人口 総人口 総人口 総人口 122000 121000 120000 1990 2000 -実績 -H14高 -H14中 -H14低 2010 2020 年 次 年齢別人口の検証 2,500 2,000 人口( 千人) 1,500 1,000 (総務省推計人口) 中位 高位 実績と平成14年推計人口の比較 低位 年齢別人口(2004年10月1日) 500 0 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90歳 年 齢 30 年齢別人口の検証 100 実績と平成14年推計人口の差 年齢別人口(2004年10月1日) 80 人口差( 千人) 中位 高位 60 低位 40 20 0 -20 -40 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 年 齢 実績値と推計値(仮定値)との比較 出 生 31 実績値と推計値-出生数 出生数(総人口)- 1950~2050年 2500 出生数(総人口)-実績 中位推計(2004年) 115万4千 2000 出生数(総人口)-H14高 出生数(総人口)-H14中 出生数(総人口)-H14低 ( 出 1500 生 数 ) 千 1000 500 0 1950 実績(2004年) 112万2千 1960 1970 1980 1990 2000 2010 2020 2030 2040 2050 年 次 出生数(総人口)は日本における日本人と日本における外国人の合計 実績値と推計値-出生数 出生数(総人口)- 1990~2020年 1500 出生数(総人口)-実績 1400 1300 中位推計(2004年) 115万4千 出生数(総人口)-H14高 出生数(総人口)-H14中 出生数(総人口)-H14低 1200 ( 出 生 1100 数 1000 ) 千 900 実績(2004年) 112万2千 800 700 600 0 1990 1995 2000 2005 2010 2015 2020 年 次 出生数(総人口)は日本における日本人と日本における外国人の合計 32 実績値と仮定値-期間出生率 合計特殊出生率(日本人)- 1950~2050年 4.0 TFR-実績 3.5 TFR-H14高 TFR-H14中 3.0 TFR-H14低 合 計 2.5 特 殊 2.0 出 生 率 1.5 中位推計(2005年) 1.31 1.0 実績(2005年) 1.25 0.5 0.0 1950 1960 1970 1980 1990 2000 2010 2020 2030 2040 2050 年 次 実績値と仮定値-期間出生率 合計特殊出生率(日本人)- 1990~2020年 1.8 TFR-実績 1.7 TFR-H14高 TFR-H14中 1.6 TFR-H14低 中位推計(2005年) 1.31 合 計 1.5 特 殊 1.4 出 生 率 1.3 1.2 1.1 0.0 1990 実績(2005年) 1.25 1995 2000 2005 2010 2015 2020 年 次 33 実績値と仮定値-期間出生率 出生順位別出生率(日本人)- 1995~2010年 0.8 第1子 0.7 合 計 特 0.6 殊 出 0.5 生 率 [ 2005年中位推計 0.652 ] 2005年実績 0.618 [ 2005年中位推計 0.471 ] 0.4 第2子 2005年実績 0.461 0.3 [ 2005年中位推計 0.152 ] 第3子 0.2 0.1 2005年実績 0.139 [ 2005年中位推計 0.035 ] 第4子 2005年実績 0.032 0.0 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 年 次 実績値と仮定値-コーホート出生率 コーホート合計出生率(日本人)- 1935~2000年生まれ ー コ 2.5 ー ホ ( ト 合 2.0 計 出 生 率 1.5 最新データ(2005年出生率)によって判明し た1956年出生コーホートのコーホート合計 出生率(完結出生児数)[ 2005年中位推計 1.969 ] 平成14(2002)年推計-高位 2005年実績 1.962 最終値 1.63 1.39 全 子 ) 平成14(2002)年推計-中位 1.10 1.0 実績( -1985) 平成14(2002)年推計-低位 実績(1986-1990) 0.5 実績(1991-1995) 実績(1996-2000) 実績(2001-2005) 0.0 1935 1940 1945 1950 1955 1960 1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 出生年(出生コーホート) 参照コーホート 最終コーホート 34 実績値と仮定値-コーホート出生率 コーホート年齢累積出生率(日本人)- 1935~2000年生まれ 累 2.5 積 出 生 率 2.0 実績( コーホート 合計出生率 [ 1.969 ]1.962 (完結出生児数) -1985) 実績(1986-1990) [ 仮定値 ] 実績値 ( 実績(1991-1995) 実績(1996-2000) 全 子 ) 実績(2001-2005) 40歳時点 [ 1.569 ]1.568 1.5 35歳時点 [ 1.206 ]1.198 1.0 [ 0.670 ]0.653 1.39 30歳時点 [ 0.451 ]0.439 0.5 [ 0.212 ]0.210 28歳時点 25歳時点 [ 0.027 ]0.027 20歳時点 0.0 1935 1940 1945 1950 1955 1960 1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 出生年(出生コーホート) 参照コーホート 最終コーホート 実績値と仮定値-コーホート年齢別出生率 出生順位別、年齢別出生率(日本人)- 1965年生まれ 0.18 総 数(コーホート合計出生率) 0.16 実績値 実績値 (前回推計以降) [1.625 + ? ] 1.610 + ? 仮定値 0.14 0.12 第1子 [ 0.771 + ? ] 0.770 + ? 出 0.10 生 率 0.08 第2子 第4子以上 [ 0.613 + ? ] 0.605 + ? 0.06 [ 0.038 + ? ] 0.037+ ? 第3子 0.04 [ 0.203 + ? ] 0.197 + ? 0.02 0.00 15 20 25 30 35 年 齢 40 45 50 2005年 35 実績値と仮定値-コーホート年齢別出生率 出生順位別、年齢別出生率(日本人)- 1970年生まれ 0.18 実績値 実績値 (前回推計以降) 0.16 総 数(コーホート合計出生率) 0.14 仮定値 [1.293 + ? ] 1.286 + ? 0.12 出 0.10 生 率 0.08 第1子 [ 0.667 + ? ] 0.668 + ? 第4子以上 0.06 第2子 [ 0.022 + ? ] 0.022+ ? [ 0.474 + ? ] 0.469 + ? 0.04 第3子 [ 0.130 + ? ] 0.128 + ? 0.02 0.00 15 20 25 30 35 40 45 50 年 齢 2005年 実績値と仮定値-コーホート年齢別出生率 出生順位別、年齢別出生率(日本人)- 1975年生まれ 0.18 実績値 実績値 (前回推計以降) 0.16 0.14 仮定値 総 数(コーホート合計出生率) [ 0.784 + ? ] 0.770 + ? 0.12 出 0.10 生 率 0.08 第1子 [ 0.477 + ? ] 0.471 + ? 第4子以上 0.06 [ 0.007 + ? ] 0.007+ ? 第2子 0.04 [ 0.247 + ? ] 0.244 + ? 0.02 第3子 [ 0.052 + ? ] 0.048 + ? 0.00 15 20 25 30 35 40 45 50 2005年 年 齢 36 実績値と仮定値-期間年齢別出生率 期間年齢別出生率(日本人)- 2001年 0.12 ─●─ 0.10 実 績 ─ ─ ─ 推計(H14中位) 0.08 ( 率 ) % 0.06 合計特殊出生率 0.04 [ 1.34 ] 1.33 0.02 0.00 15 20 25 30 35 40 45 50 年 齢 実績値と仮定値-期間年齢別出生率 期間年齢別出生率(日本人)- 2002年 0.12 ─●─ 実 績 0.10 ─── 推計(H14中位) 0.08 ( 率 ) % 0.06 合計特殊出生率 0.04 [1.33 ] 1.32 0.02 0.00 15 20 25 30 35 40 45 50 年 齢 37