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平成27年度特別支援学校ネットワーク構築事業 小学部授業検討会の

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平成27年度特別支援学校ネットワーク構築事業 小学部授業検討会の
平成27年度特別支援学校ネットワーク構築事業
小学部授業検討会のまとめ
日 時 平成27年9月24日(木)13:00~16:00
場 所 青森県立八戸聾学校
授 業 小学部3年理科 単元名「明かりをつけよう」
参加者 青森聾学校1名、弘前聾学校1名、盛岡聴覚支援学校3名(助言者1名含む)
、
一関清明支援学校1名、秋田県立聾学校1名、本校中学部職員10名
手話通訳者2名
1 授業検討会
(1) 授業者から
・
「ゴムのはたらき」を学習した際に、教材を知る時間が必要だと感じた。豆電球とソケットは、我々にと
っては馴染みのある物だが、児童にとっては初めて見る教材であるため、虫眼鏡で観察するという活動
に時間をとって学習し、今日はそのまとめをするという時間だった。
・まとめを考える時に、手立てを要する場面があった。
・指導案の途中で授業は終わってしまった。前時に観察したところの「フィラメント」の部分に本児が注
目していたので「フィラメント」という言葉も教えた。まとめの言葉としてたくさん使われた言葉だっ
たので、このまとめをして終わろうと考えた。
・当初予定していたまとめ方とは違った。
「輪のように」というのは教科書に出てくる言葉であり、分かり
やすい言葉ではあるのだが、本児から出てきた言葉を大事にして「フィラメント」を使ってまとめた。
「輪のように」は、このような言い方もあるよという形で触れていきたいと考えたため、本時は無理に
「輪のように」という表現を用いずにまとめた。
(2) 研究協議で話し合われたこと
・児童の言葉遣い「終わりました、分かりました。
」などが立派だった。教材が大きくて分かりやすい。電
気がつくのに何が必要か、電気が流れるのに導線が必要であること、回路のイメージをもてるようにす
ることが大事。私なら水路を使い、電池の中に水を入れた教材を用いる。水が流れるためには水路が必
要で、水車を回すためには、水の力が必要だということに気付くようにする。水が流れて、水車が回り、
また電池につながるというイメージ。水路が切れていれば、水が流れない。水車も回らない。一連の流
れのイメージをもたせることが大事。
・言葉を一つ一つ大切にしている。
「ゆるむ」など丁寧に説明していた。豆電球のフィラメントを切った教
材がイメージしやすくてよい。児童が黒板の右端に前時まで学習した言葉を見て、自分で確認しながら
話していた。安心して学習できる環境作りの方法として取り入れていきたい。
・前時までの学習を言葉と絵で提示してあるのがよい。言葉を使って説明することになれている。自分の
中の言葉をつなげて、自分なりの言葉で話していたのが印象的だった。まとめ方が予定と違っていたが、
児童から出た言葉を使ってまとめたということだったので納得した。
「電気の通り道」が大事な部分で
あるので、今後取り上げていくのと思うが、私自身も今後どのようにして授業を進めていくか考えるよ
い機会となった。
・学年が上がったときのことを考えながら授業を観ていた。子どもの気付きを大切にしている。また、児
童もいろいろなことに気付くことができる子だなと感心して観ていた。教材研究が丁寧であったが、そ
の分、
「フィラメント」にこだわってしまったのかと感じた。回路という言葉をおさえることが、今後
の電気の単元において重要。本時は言葉(フィラメント)のおさえに時間をかけていたが、今後は回路
についての理解を深められるようにしていくとよい。
・児童が自分の言葉で説明したり、まとめを考えていたりしていたのが印象的だった。普段から自分の気
持ちを伝える場があるのだろうと感じた。
・学習態度がすばらしい。人工内耳の児童であるが、教師の目をしっかりと見ていた。教師との関係づく
りができている。板書の時、
「フィラメント」と書いたが、教師からの働きかけではなくて、児童が興味
をもっている部分に対して、教師が答えたという関係性がとてもよかった。以前に同じ単元で授業をし
たことがある。その時に、
「輪のようにつながっている」というイメージを伝えるのが難しかった。その
ため、イメージ作りのために、豆電球と乾電池、導線を児童が赤いペンで書くことで、つながっている
という視覚的なイメージ作りをしてみた。本時でも赤いマジックで書いていたが、教師ではなく児童が
書くのを教師が支援する形の方がよかった。ノートの活用方法(事前の学習がどのように継続されてい
るのか)を知りたい。
・子どもの傾聴態度や報告の仕方、1 人学級だが手を挙げて発言していたのがすばらしかった。文章で答
えたり、質問にあった答え方をしたりすることができていた。頭で考えながら言葉をつなげて話してい
た。教師が児童の反応を待ちながら対応しているところが、普段から学部で取り組んでいるのだと感じ
た。教材について、なかなか分解できないものや中身が見えない物を大きく作ることで、見えるように
してあるのがすばらしい。児童がどのように電流が流れているのかが分かるように通り道が見えるとも
っとよい。電気の通り道をなぞって一つの輪になるというところを、教師が提示するのではなく、児童
が教師と一緒に、どうつながっているのかを考えると、回路のイメージにつながっていけたのではない
か。教室の後ろに豆電球の詩が掲示してあった。他教科と関連づけているのがわかった。
(3) 助言者から
ア 書く時のタイミングについて
明かりがつくときとつかないときの両方を考えてからまとめると、思考が一回途切れてしまうので、
明かりがつくときはどういうときかを考えた後にまとめる。または、つかないときはどんな時かを考え
た後にまとめるようにした方がよい。
イ 言葉の確認の仕方について
「つきます」
「つけます」
「つく」
「つながる」などを確認するときは指文字で修正するよりも、黒板に
書いて修正したほうがよい。
「明かりが つけます」⇒「明かりが つきます」
ウ 分かるためのシナリオとからくり
知識を知恵に変えることが大切。回路の理解については、線の取れた豆電球を使ってハプニングを利
用することも大切。つなぐときに乾電池が動くときは、セロハンテープを使用するとよい。
「フィラメン
ト」を別の言葉で言い換えるとしたら、
「光る線」というとよいと思う。
エ 教材について
豆電球のフィラメントが切れていると明かりがつかないことに気づかせる場合、豆電球の図にフィラ
メントが途中まで書いてあると、その部分までは電流が流れているのだから、フィラメントの途中まで
は光るのではないかと考える児童が出てくる可能性がある。だから、電流が流れる方向のフィラメント
は図に描かない、もしくは明らかに切っておいた方がよい。
オ ノートの使い方について
非常に難しい部分ではあるが、私がやっている方法を紹介する。一つは、学習が終わったあとに大切
な言葉にアンダーラインを引くこと。もう一つは宿題のプリントで、教科書に書かれている「まとめ」
の部分を穴埋めにして記述し、基本問題以外に少し進化させた問題を加える。宿題は教科書を見て書い
てもよいことにしている。例えば、電球のつなぎ方A、B、Cなどと、ベースは同じにしてだんだん難
しくしていく方法がある。教科書を参考書のように使う。教科書を見ないと分からない問題等も出して
いくとよい。そうすると子どもたちが自然に教科書を使うようになる。
2 グループ協議
(1) 協議の柱「教科・領域等の指導と自立活動の連携のあり方について」
4~5人のグループを作り、4グループで話し合い、まとめた。
(2) 助言者から
前校長(助言者所属校)から聞いた話であるが、小学部の児童に話しかけたら、その児童が逃げていっ
たことがある。
しかし、
学級担任とは手話を通して笑顔で話をしている。
「手話を通して話ができる人とは、
コミュニケーションをとれるが、言葉が通じない人からは逃げる」というのは後ろ向きな行動であり、自
立に向かっているとは言えない。教科学習においても、自立に向かっていかなければならない。地域の小・
中・高等学校でも、
(社会)自立に向けて勉強している。いろいろな教科があるが、聴覚支援学校では、言
葉の部分でいろいろと課題があるため、自立活動という時間を設けてそれを補おうとしている。自立活動
との連携の仕方は、
「内容」についてと「方法」についての2通りある。
「内容」については、今日の協議
でいろいろ意見が出た。
「方法」については、
「使わせる場の設定」
「使う場があるから学ぶ」などの動機付
けが必要。その後、自分が学習した言葉を生活の場面で使ってみて、
「よかった」
「いいことがあった」と
思えるかどうかが大切である。それがなければ、学習はそこで終わってしまう。あるいは「伝わった」な
どという経験があって身についていくものである。それが自主的な活動に繋がる。自分から進んでやって
みることでさらに高まり、ぐるぐると回りながら少しずつ段階も上がっていき、その先の自立というもの
につながっていければよいのではないかと考える。最終的には自立に向かっていかなければならないので
ある。そういうことをいつも考えながら指導に当たらなければいけない。児童の年齢によっては、教師が
連携して支援しなければならない場面もあるだろう。高等部であっても生徒によって実態が異なるので、
配慮しなければいけない部分も出てくるだろう。児童生徒に合わせて、強弱をつけながら進めていかなけ
ればならない。
3 成果について
授業検討会を通じて、聴覚障害児に対する具体的な指導方法(ことばのおさえ方、関連付けて考えていく
方法)など、各県の教員が意見交換することにより、その後の授業実践に応用し役立つ話し合いができたと
いう点、成果が大きい。
<アンケート結果>
1 研究授業、研究協議会の内容について(本校以外の 5 校 7 名)
ア とても参考になった 5
イ 参考になった 2
ウ あまり参考にならなかった 0
エ 参考にならなかった 0
2 どのようなことがあなたの実践や業務に生かせると思いましたか。
・授業検討会での教科の専門性や自立活動的な配慮に関する内容が大変参考になりました。ノートの指導
や教科書にもどることの大切さを改めて認識しました。明日からの指導に生かしたいと思います。
・教科指導の実際を学ぶことができた。自分の授業に活用していきたい。
・実際の授業を見せていただき、授業のあり方、掲示物のあり方等大変参考になりました。研究協議では、
それぞれの自立活動の取り組みについて知ることができました。もう少し時間があれば、もっと具体的
な取り組み方について話し合えたかな…と思いました。
・子どもに向かう姿勢が大変参考になりました。教材の準備、掲示物の工夫等もさわやかな感じがしまし
た。
・ていねいな教材研究と観察実験の大切さを感じました。教科書の内容以上の観察から子どもたちの気づ
きが引き出せると思いました。
・児童が自分で考え、説明やまとめを考えていたので自分の学級でも意識して取り組みたいです。
・指導の流れ、様式(特に評価の書き方が細かくて分かりやすいと思いました。)
・研究協議会における自立活動の連携についても、考えを深めることができました。
3 本研修会についての御意見及び御感想をお書きください。
・授業検討会、他の先生方の発言も聞きたいと思いました。
・もう少し時間があればうれしいと思いました。
・グループ協議題、事前にお知らせいただければ助かります。
・自立活動の在り方について参考になりました。
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