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第5章 地域別住宅施策の基本方針と展開方向
第5章 第5章 地域別住宅施策の基本方針と展開方向 地域別住宅施策の基本方針と展開方向 1.地域区分 地域区分は、平成 22 年 3 月に策定された「碧南市都市計画マスタープラン」における 地域区分を踏襲し、西端、新川、旭、中央、大浜北部・棚尾、大浜南部の6地域に区分し ます。 図 5-1 地域区分図 -43- 第5章 地域別住宅施策の基本方針と展開方向 2.地域別特性と住宅施策の方針 2-1 西端地域 本地域は、外周部に農地が多くあり、南部には県営公園として整備計画のある油ヶ淵 に隣接し、自然環境に恵まれた地域の特徴があります。 ■地域の現況 y 土地利用は、地域の21%が市街化区域となっており、その大半が住宅用地として利用 されています。地域の79%に当たる市街化調整区域には、農用地の他、北部地域を中 心に工業用地として利用されている地域もあります。 y 人口は8,100人で、市の11%を占め微増傾向です。 y 住まいの状況は、持ち家が69.6%でやや高い地域です y 建物種別では、住宅の割合が高い地域です。 y 道路体系は、(都)西端線が地域を南北に走り、都市幹線道路である(都)西尾知多 線及び(都)吉浜棚尾線には未整備区間があります。 y 公共交通は、鉄道は地域内になく、くるくるバスのみとなっています。 y 主な施設としては、衣浦衛生組合のごみ処理施設及び衣浦斎園、哲学たいけん村無我 苑、ららくるにしばた等、他の地域にはない施設があります。 y 公営住宅が3団地あり、そのうち市営住宅の1団地に建替え計画があります。 y 油ヶ淵周辺には、広域公園が計画されており、地区東部の段丘には緑豊かな斜面林が あります。 図5-2 地域概要図(西端地域) -44- 第5章 地域別住宅施策の基本方針と展開方向 ■住民ニーズ(住民意向調査より) ○住まい y 「広さや部屋の数」「日当たりや風通しのよさ」に対する満足度が高くなっています。 y 「耐震性」の満足度が低くなっています。 ○周辺環境 y 「緑の豊かさ」「公民館や図書館の利便性」の満足度が高くなっています。 y 「買い物の利便性」の満足度が低くなっています。 ○その他 y 「居住継続意向」は、75.6%が「ずっと住み続けたい」、「当分住み続けたい」と回 答しています。また、「転居したいが予定はない」は14.3%となっています。 y 「市等に望むこと」は、「災害に強い安全なまちづくりの推進」が33.6%と最も多く なっています。 ■住宅施策の基本方針 油ヶ淵等の自然や田園風景を活かし、地域の自然特性を活かした水と緑豊かな住環境の 形成に努めていきます。また、旧市街地の住環境の安全性利便性の向上をめざします。 ■住宅施策の展開方向 ●密集市街地の解消 密集市街地については、耐震診断・耐震改修等を周知し耐震化を図るとともに、狭 あい道路の解消に向け後退用地の確保に努め住生活の安全性を高めることに努めま す。 ●市営住宅の建替え 宮下住宅の建替えにあたっては、居住者の高齢化が進行していることを踏まえ、バ リアフリーやユニバーサルデザインとし、併設施設として、シルバーハウジングプロ ジェクト等を検討し、高齢者等の住宅弱者に配慮した住宅供給を推進します。 また、周辺環境整備を図るとともに、建替えにより発生する余剰地を使い公園・緑 地等の用地確保に努めます。 -45- 第5章 2-2 地域別住宅施策の基本方針と展開方向 新川地域 地域のほとんどが市街化区域となっており、古くからの地場産業等の工場と住宅が混 在した地区が多くある特徴があります。 ■地域の現況 y 土地利用は、地域の93%が市街化区域となっており、その内40%が住宅用地、11%が 工場用地として利用されています(工業専用地域を除く)。地域西部は工業専用地域 に指定され、大規模な工場等が集積しています。 y 人口は13,861人で、市の19%を占め横ばいの状況です。 y 建築年次が昭和56年以前の建物の割合が多い地域です。 y 道路体系は、(都)衣浦豊田線が地域の西部を南北に縦断しています。(都)西端線、 (都)名古屋碧南線、(都)新川町駅前線で未整備の区間があります。 y 名鉄三河線の北新川駅と新川町駅の2つの鉄道駅があります。 y 北部の高浜市と隣接する地域や新川沿いは、地場産業である瓦工場が多く立地する工 業地域ですが、多く住宅が混在した土地利用となっています。 y 主な施設としては、教育・文化拠点として芸術文化ホール及び市民図書館が整備され、 その他勤労者体育センター、心身障害者福祉センター等があります。 y 障害福祉、子育て支援、ボランティア活動の拠点となる、(仮称)碧南市福祉センター の建設の予定があります。 y 新川沿いでは大規模地震による津波による浸水の予想がされています。 図5-3 地域概要図(新川地域) -46- 第5章 地域別住宅施策の基本方針と展開方向 ■住民ニーズ(住民意向調査より) ○住まい y 「石綿対策」、「シックハウス」の住宅の環境問題への満足度が高くなっています。 y 「遮音性や断熱性」「耐震性」の満足度が低くなっています。 ○周辺環境 y 「公民館や図書館の利便性」の満足度が高くなっています。 y 全市的な傾向ではありますが、「騒音や大気汚染」の満足度が低くなっています。 ○その他 y 「居住継続意向」は、77.3%が「ずっと住み続けたい」、「当分住み続けたい」と回 答しています。また、「転居したいが予定はない」は10.7%で、全地域の中で2番目 に低い値となっています。 y 「市等に望むこと」は、「住宅のバリアフリー化」が30.2%と最も多くなっています。 ■住宅施策の基本方針 公共交通機関や、教育・文化施設等が充実している都市基盤の整った住環境を地域特性 として活かし、まちなか居住を推進するとともに、住宅地と工業地の混在の解消や共生を めざし住環境の改善に努めます。 ■住宅施策の展開方向 ●まちなか居住の推進 本市のサブ核である北新川駅及び新川町駅周辺の住宅地は、まちなか居住地区とし て高度利用を含めた建築物の規制・誘導を図り、魅力的な住まいづくりを促進し、地 域の活性化を推進します。 ●密集市街地の改善 密集市街地については、耐震診断・耐震改修等を周知し耐震化を図るとともに、耐 火性能の向上及び狭あい道路の解消に向けて後退用地を確保し、住生活の安全性を高 めることに努めます。 -47- 第5章 2-3 地域別住宅施策の基本方針と展開方向 旭地域 矢作川や油ヶ淵に隣接し比較的自然環境に恵まれた地域で、市街化区域内では旧市街 地と区画整理された地域があり、住宅用地としての利用が多い特徴があります。 ■地域の現況 y 土地利用は、地域の46%が市街化地域で、その内43%が住宅用地、17%が田・畑・山 林となっています。市街化調整区域は54%を占めています。 y 人口は15,440人で、市の22%を占め増加をしています。 y 建物種別では、住宅の割合の多い地域です。 y 比較的新しい建築物の割合が多い地域です。 y 道路体系は、地域を東西に横断する(都)西尾新川港線、(都)米津碧南線等幹線道 路のほとんどが整備を完了していますが、地域の中心部を南北に連絡する(都)神有 線に未整備区間があります。 y 市街化区域に農地が多く存在し緑豊かな地域となっています。 y 矢作川堤防リフレッシュ道路の整備が進められています。 y 主な施設としては、碧南市民病院、養護老人ホームや市民の憩いの場となる東部市民 プラザ等があります。 y 養護老人ホームは建替え計画があり、高齢者福祉拠点として再整備の予定です。 y 大規模な県営住宅の建替えの予定があります。 y 大規模な社宅や社員寮があります。 y 油ヶ淵周辺には広域公園の計画があります。 図5-4 地域概要図(旭地域) -48- 第5章 地域別住宅施策の基本方針と展開方向 ■住民ニーズ(住民意向調査より) ○住まい y 「石綿対策」、「シックハウス」の住宅の環境問題への満足度が高くなっています。 y 「収納スペース」等の住宅設備と、「耐震性」の満足度が比較的低い地域です。 ○周辺環境 y 「緑の豊かさ」「公民館や図書館の利便性」「近所との付き合い」の満足度が最も高 くなっています。 y 「火災、水害等に対する安全性」の満足度が低くなっています。 ○その他 y 「居住継続意向」は、80.7%が「ずっと住み続けたい」、「当分住み続けたい」と回 答しており、他地域に比べ2番目に高い値となっています。 y 「市等に望むこと」は、「災害に強い安全なまちづくりの推進」が28.7%と最も多く、 僅差で「住宅のバリアフリー化」が28.2%で続いています。 ■住宅施策の基本方針 矢作川等の地域の自然特性を活かした水と緑豊かな住環境の形成に努めていきます。 また、旧市街地の住環境の安全性利便性の向上をめざします。 ■住宅施策の展開方向 ●密集市街地の改善 密集市街地については、耐震診断・耐震改修等を周知し耐震化を図るとともに、耐 火性能の向上及び狭あい道路の解消に向けて後退用地を確保し、住生活の安全性を高 めることに努めます。 ●生活の利便性の向上 生活の利便性を高めるために幹線道路沿いは商業的土地利用を促進します。 ●優良宅地の利用推進 土地区画整理事業により優良な住宅地としての都市基盤整備がなされている地区 においては、住宅建設を推進します。 -49- 第5章 2-4 地域別住宅施策の基本方針と展開方向 中央地域 本市の中心地として、行政・文化施設、商業・業務施設がある他、碧南中央駅も位置 する等、生活の利便性が高い地域です。 ■地域の現況 y 土地利用は、全地域が市街化区域となっており、その内の37%が住宅用地、10%が工 業用地となっています。地域西部は工業専用地域に指定され、大規模な工場等が集積 しています。 y 人口は13,201人で、市の16%を占め増加傾向です。 y 住まいの状況は、市全体の中では賃貸住宅の割合については、高い地域です。 y 道路体系は、地域の西部を(都)衣浦豊田線、碧南中央駅西側を(都)名古屋碧南線、 碧南中央駅東側を(都)碧南高浜線、地域の東部を(都)吉浜棚尾線がそれぞれ縦断 しています。これら4路線を繋ぐように(都)安城碧南線と(都)碧南西尾線が地域 を縦断しています。 y 鉄道駅舎を中心に、商業、業務、文化行政施設等が集積しており、利便性の高い住宅 地を形成しています。 y 地域北部には地場産業の工場等が立地し、住宅と工場等が混在した土地利用となって います。 y 北部の準工業地域では、工場跡地の住宅化が進んでいます。 y 主な施設としては、市の行政の中枢となる市役所、文化会館、市民図書館中部分館、 保健センター等があります。 図5-5 地域概要図(中央地域) -50- 第5章 地域別住宅施策の基本方針と展開方向 ■住民ニーズ(住民意向調査より) ○住まい y 「広さや部屋の数」「駐車スペースの広さ」に対する満足度が高くなっています。 y 「遮音性や断熱性」の満足度が低くなっています。 ○周辺環境 y 「買い物の利便性」の満足度が最も高くなっているほか、「公民館や図書館の利便性」 「通勤・通学の利便性」等の利便性に関する満足度が高くなっています。 y 「騒音や大気汚染」の満足度が低くなっています。 ○その他 y 住宅及び周辺環境の満足度が市の平均と比べ全体的に高い地域です。 y 「居住継続意向」は、83.6%が「ずっと住み続けたい」、「当分住み続けたい」と回 答しており、他の地域と比べて最も高くなっています。 y 「市等に望むこと」は、「災害に強い安全なまちづくりの推進」が29.6%と最も多く なっています。 ■住宅施策の基本方針 生活の利便性の更なる向上に努めるとともに、準工業地域において、住宅地として利 用が高い地域は住居系用途地域への転換を進めます。 ■住宅施策の展開方向 ●まちなか居住の推進 本市の中心核である碧南中央駅周辺の住宅地は、まちなか居住地区として利便性の 高い住宅地の形成に努めます。 ●ストックの更新 比較的新しい住宅の多いこの地域では、今後の住宅の更新時期に向けて、建替えだ けでなく、耐震化、バリアフリー化による質の高いリフォームについて周知に努めま す。 -51- 第5章 2-5 地域別住宅施策の基本方針と展開方向 大浜北部・棚尾地域 本地域は碧南駅を中心とした2つのまちからなる地域で、寺社等が多くあり景観資源 が豊富ですが、狭あい道路が多い地域でもあります。 ■地域の現況 y 土地利用は、地域の75%が市街化区域(工業専用地域を除く)、その内38%が住宅用 地、14%が工業用地として利用されています。 y 人口は10,666人で、市の15%を占めていいますが、市内で唯一人口が減少している地 域です。 y 住まいの状況は持ち家が74.2%と高い地域です。 y 建築年次が昭和56年以前の建物の割合が多い地域です。 y 道路体系は、(都)衣浦豊田線をはじめとして、地域内を縦横に幹線道路が配置され ていますが、(都)名古屋碧南線、(都)碧南駅前線、(都)大浜今川線、(都)吉 浜棚尾線で未整備の区間があります。 y 名鉄三河線の終着駅である碧南駅があります。 y 住宅、商業、工業が混在し、また、既成市街地には古い街並みが点在しています。 y 碧南駅周辺及び棚尾地区には狭あい道路が多く、密集市街地を形成しています。 y 地域東部には土地区画整理事業の完了した良好な住宅地があります。 y 名鉄三河線の碧南駅以南の廃線により鉄道敷が未利用地のまま残されています。 y 主な施設としては、臨海体育館、海兵水族館・青少年海の科学館、ものづくりセンター、 藤井達吉現代美術館等があります。 y まちづくりに関する委員会が設置され、まちづくりの気運が高まっている地域です。 図5-6 地域概要図(大浜北部・棚尾地域) -52- 第5章 地域別住宅施策の基本方針と展開方向 ■住民ニーズ(住民意向調査より) ○住まい y 「広さや部屋の数」に対する満足度が高くなっています。 y 「耐震性」の満足度が低くなっています。 ○周辺環境 y 「買い物の利便性」の満足度が最も高くなっているほか、「通勤・通学の利便性」等 の利便性に関する満足度が高くなっています。 y 「騒音や大気汚染」の満足度が低くなっています。 ○その他 y 「居住継続意向」は、72.6%が「ずっと住み続けたい」、「当分住み続けたい」と回 答しており、他の地域に比べ最も低くなっています。 y 「市等に望むこと」は、「住宅のバリアフリー化」が30.7%と最も多くなっています。 ■住宅施策の基本方針 地域資源である寺社や路地を活かすため、景観に配慮した住環境の向上に努めます。 碧南駅周辺の住工混在地区においては、住居系土地利用を誘導し、まちなか居住を推進 します。 ■住宅施策の展開方向 ●まちなか居住の推進 利便性の高い地域の特色を活かすとともに、地域財産である景観に配慮したまちづ くりを考慮し、既成市街地の魅力を作り出し、まちなか居住を推進します。 ●密集市街地の改善 密集市街地については、耐震診断・耐震改修等を周知し耐震化を図るとともに、耐 火性能の向上及び狭あい道路の解消に向けて後退用地を確保し、住生活の安全性を高 めることに努めます。 ●優良宅地の利用推進 土地区画整理事業により優良な住宅地としての都市基盤整備がなされている地区 においては、住宅建設を推進します。 -53- 第5章 2-6 地域別住宅施策の基本方針と展開方向 大浜南部地域 本地域は、古くは農業と漁業により生活が営まれてきました。西部の臨海工業地区の 整備後、市街化区域内では区画整理等の基盤整備が進んでいる一方、市街化調整区域の集 落では、買い物等の生活の利便性の低い地域もあります。 ■地域の現況 y 市街化区域内には、旧市街地と土地区画整理された市街地があります。市街化調整区 域内には2つの比較的大規模な集落があります。 y 土地利用は、地域の53%が市街化区域となっており、その内30%が工業用地となって いるほか、その他の公的施設用地が37%となっています。市街化調整区域が47%を占 めています。西部は衣浦港(大浜漁港)、東部は矢作川に面しています。 y 人口は10,140人で、市の14%を占めています。 y 住まいの状況は持ち家が74.2%と最も高い地域です。 y 道路体系は、(都)衣浦豊田線、(都)米津碧南線等住宅地を取り囲むように幹線道 路が配置されています。 y 市街化区域内には、伊勢町地区において土地区画整理事業が計画中となっています。 施設としては、南部市民プラザ、衣浦港湾会館、あおいパーク、碧南消防署等があり ます。 y 大規模な社員寮が 2ヶ所あります。 図5-7 地域概要図 (大浜南部地域) -54- 第5章 地域別住宅施策の基本方針と展開方向 ■住民ニーズ(住民意向調査より) ○住まい y 「駐車スペースの広さ」に対する満足度が高くなっています。 y 「耐震性」の満足度が低くなっています。 ○周辺環境 y 周辺環境の満足度は、全体的に市の平均より低いです。 y 「緑の豊かさ」「近所との付き合い」の満足度が最も高くなっています。 y 「病院や福祉施設の利便性」の満足度が最も低くなっています。「騒音や大気汚染」 「火災や水害等に対する安全性」についても低くなっています。 ○その他 y 「居住継続意向」は、73.5%が「ずっと住み続けたい」、「当分住み続けたい」と回 答しており、他の地域に比べ2番目に低くなっています。 y 「市等に望むこと」は、「災害に強い安全なまちづくりの推進」が34.5%と最も多く なっています。 ■住宅施策の基本方針 住宅施策の展開にあたっては、新たな区画整理や、基盤整備による住環境の整備を進め るとともに、密集市街地の改善に努めます。 ■住宅施策の展開方向 ●良好な宅地整備 伊勢町で計画されている土地区画整理事業を推進し、良好な住宅地整備を図ります。 ●密集市街地の改善 密集市街地については、耐震診断・耐震改修等を周知し耐震化を図るとともに、耐 火性能の向上及び狭あい道路の解消に向けて後退用地を確保し、住生活の安全性を高 めることに努めます。 ●優良宅地の利用推進 土地区画整理事業により優良な住宅地としての都市基盤整備がなされている地区 においては、住宅建設を推進します。 -55-