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自己評価書 - 新潟薬科大学
自 己 評 価 平成22年3月 新潟薬科大学薬学部 書 目 次 Ⅰ 大学薬学部の現況及び特徴・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1 Ⅱ 目的・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3 Ⅲ 総括・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5 Ⅳ 自己点検・評価書作成のプロセス・・・・・・・・・・・・・・・・・・7 Ⅴ 基準ごとの自己評価・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9 『理念と目標』 1 理念と目標・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 9 『教育プログラム』 2 医 療 人 教 育 の 基 本 的 内 容 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 13 (2-1) ヒ ュ ー マ ニ ズ ム 教 育 ・ 医 療 倫 理 教 育 (2-2) 教 養 教 育 ・ 語 学 教 育 (2-3) 医 療 安 全 教 育 (2-4) 生 涯 学 習 (2-5) 自 己 表 現 能 力 3 薬 学 教 育 カ リ キ ュ ラ ム ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 25 (3-1) 薬 学 教 育 モ デ ル ・ コ ア カ リ キ ュ ラ ム の 達 成 度 (3-2) 大 学 独 自 の 薬 学 専 門 教 育 の 内 容 (3-3) 薬 学 教 育 の 実 施 に 向 け た 準 備 4 実 務 実 習 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 39 (4-1) 実 務 実 習 事 前 学 習 (4-2) 薬 学 共 用 試 験 (4-3) 病 院 ・ 薬 局 実 習 5 問 題 解 決 能 力 の 醸 成 の た め の 教 育 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 59 (5-1) 自 己 研 鑽 ・ 参 加 型 学 習 『学生』 6 学 生 の 受 入 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 63 7 成 績 評 価 ・ 修 了 認 定 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 71 8 学 生 の 支 援 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 75 (8-1) 修 学 支 援 体 制 (8-2) 安 全 ・ 安 心 へ の 配 慮 『教員組織・職員組織』 9 教 員 組 織 ・ 職 員 組 織 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 93 (9-1) 教 員 組 織 (9-2) 教 育 ・ 研 究 活 動 (9-3) 職 員 組 織 (9-4) 教 育 の 評 価 / 教 職 員 の 研 修 『施設・設備』 1 0 施 設 ・ 設 備 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 115 (10-1) 学 内 の 学 習 環 境 『外部対応』 1 1 社 会 と の 連 携 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 123 『点検』 12 自 己 点 検 ・ 自 己 評 価 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 131 Ⅰ 大学薬学部の現況及び特徴 ( Ⅰ ~ Ⅲ で 文 字 数 は 6000 字 以 内 と し て く だ さ い 。) 1 現 況 (1)大学薬学部・薬学科名 新潟薬科大学 薬学部(6年制) (2)所在地 新 潟 市 秋 葉 区 東 島 字 山 居 265-1 (3)学生数、教員および職員数 2 特 (2009 年 4 月 時 ) 学生数 865 名 教員数 48 名 職員数 22 名 徴 新 潟 薬 科 大 学 は 1977 年 3 月 に 、1 学 年 学 生 定 員 100 名( 薬 学 科 60 名 、衛 生 薬 学 科 40 名 )の 単 科 大 学 と し て 新 潟 市 上 新 栄 町( 現 新 潟 市 西 区 上 新 栄 町 )で 開 学 し た 。 設置母体である学校法人新潟科学技術学園は、新潟薬科大学のほか、同地に新潟工 業 短 期 大 学 と 新 潟 医 療 技 術 専 門 学 校 を 併 置 し て い る 。2002 年 4 月 に は 、応 用 生 命 科 学 科 と 食 品 科 学 科 の 2 学 科 で 構 成 さ れ る 応 用 生 命 科 学 部 ( 1 学 年 定 員 120 名 ) を 、 新潟市郊外の新津市(当時)の丘陵地(現新潟市秋葉区東島)に新キャンパスを建 設 し て 開 設 し た 。 こ の 間 薬 学 部 は 、 1999 年 に 1 学 年 の 学 生 定 員 を 120 名 ( 薬 学 科 70 名 、 衛 生 薬 学 科 50 名 ) に 、 さ ら に 2004 年 に は 180 名 ( 薬 学 科 100 名 、 衛 生 薬 学 科 80 名 ) に 定 員 増 し た 。 こ れ は 、 新 潟 県 が 約 250 万 人 の 人 口 を 擁 す る に も か か わ ら ず 、 県 内 の 病 院 ・ 薬 局 で 医 療 に 従 事 す る 薬 剤 師 数 が 約 2,700 人 と 近 隣 県 と 比 べ ても少ないことから、薬学生の増加を県内の医療機関から強く要望されていたこと に 応 え た も の で あ る 。 2006 年 の 薬 学 教 育 6 年 制 導 入 時 に は 、 薬 学 科 の み の 6 年 制 薬 学 部( 定 員 180 名 ) と し て 新 た に ス タ ー ト し た 。ま た 、 こ の 時 期 に 合 わ せ て 薬 学 部及び学園法人本部も現在の新キャンパスへ全面移転した。 薬 学 部 は 薬 学 領 域 に お け る 高 度 な 教 育・研 究 を 行 う た め に 、1991 年 に 大 学 院 薬 学 研 究 科 修 士 課 程 を 、 さ ら に 1995 年 に は 博 士 課 程 を 設 置 し た 。 博 士 前 期 ( 修 士 ) 課 程修了者は病院・薬局といった医療現場での薬剤師あるいは医薬品・食品企業での 技術者として活躍しており、外国人留学生が多い博士後期(博士)課程修了者は母 国での薬学指導者、企業研究者としてそれぞれの分野で職を得ている。このように 本学は、生命科学を中心に薬学と食品科学に両足軸を置いた全国の薬系大学ではユ ニ ー ク な 内 容 の 総 合 大 学 と し て 発 展 し て き た 。な お 4 年 制 薬 学 教 育 を 基 盤 と し た 大 学 院 博 士 前 期 課 程 は 、 2009 年 度 を も っ て 募 集 停 止 と な る た め 、 2010 年 度 か ら は 本 -1- 学応用生命科学研究科の中に薬科学コースを開設した。本コースでは、薬学部で培 ってきた創薬科学研究及び医療薬科学研究をもとに、応用生命科学部の教育・研究 基 盤 で あ る“ 食 ”、"バ イ オ“ 、”環 境“ に 関 わ る 知 識 と 技 術 を 融 合 さ せ た 創 薬 科 学 ・ 健康科学の研究者・技術者を育成することを目的としており、2 学部の教育・研究 理念に沿ったユニークな教育・研究活動が期待されている。 本 学 は 6 年 制 薬 学 教 育 ス タ ー ト に 向 け て の 法 律 改 正 時 に 、国 会 審 議 で の 付 帯 事 項 として提出された「4 年制教育を終えてすでに業務に付いている薬剤師に対する卒 後 ・ 生 涯 教 育 に つ い て も 大 学 が 責 任 を も つ べ き で あ る 」と い う 提 言 に 沿 っ て 、2005 年に「高度薬剤師教育研究センター」を設置した。本センターは、新潟県内外で勤 務する薬剤師の高度な教育・研究の研修の場及び生涯研鑽の場を提供している。さ らに、本学は旧新津市が提唱した「バイオリサーチパーク」構想(現在新潟市に移 管 ) の 中 核 を な す 研 究 機 関 で あ る こ と か ら 、 2007 年 に 「 産 官 学 連 携 推 進 セ ン タ ー 」 を設置し、周辺の大学・研究機関、企業及び行政(新潟県、新潟市)と密接に連携 した「食・薬」研究を推進している。 薬 学 部 で は 、2002 年 に 新 し い 薬 学 教 育 や 学 生 へ の き め 細 か な 勉 学 指 導 に 対 応 す る た め「 薬 学 教 育 研 究 セ ン タ ー 」を 発 足 さ せ て 専 任 教 員 を 配 置 し た 。ま た 、2010 年 か ら は 今 後 の 医 療・福 祉 系 大 学 と の 連 携 教 育 を 見 据 え て 、 「 連 携 教 育 推 進 セ ン タ ー 」を 設 置 し た 。2007 年 度 に 文 部 科 学 省 の「 サ イ バ ー・キ ャ ン パ ス 整 備 事 業 」に 採 択 さ れ た こ と を 機 に 、現 在 キ ャ ン パ ス の IT 化 を 推 進 す る「 cyber-NUPALS」プ ロ ジ ェ ク ト が進行中である。このプロジェクトでは、6 年制薬学教育を円滑に実践していく上 で 必 要 な 講 義 室 や 研 究 室 等 の 学 内 の IT 環 境 を 整 備 す る と と も に 、 学 生 の 能 動 的 学 習を促すリソースとして講義資料や講義の音声ファイルを配信できるシステム (「 cyber-NUPALS」) を 独 自 に 開 発 し て お り 、 学 生 の 予 習 ・ 復 習 に 役 立 て て い る 。 さ ら に ICT を 活 用 し て 、臨 床 実 務 教 育 や 学 生 支 援 に 役 立 て る シ ス テ ム 開 発 を 学 内 で 積極的に行っており「 、 自 己 学 習 支 援 シ ス テ ム 」、 「 臨 床 実 務 実 習 メ デ ィ ア テ キ ス ト 」、 「 臨 床 実 務 実 習 連 携 シ ス テ ム 」、「 就 職 支 援 シ ス テ ム 」 等 が 現 在 運 用 さ れ て い る 。 前述した「高度薬剤師教育研究センター」は専任教員 1 名を含む医療系・臨床系 の教員により運営されており、薬剤師生涯教育講座、小人数のグループ研修、及び 大 学 院 社 会 人 コ ー ス の 特 論 開 講 を 主 催 し て い る 。特 に 、15 年 余 に わ た る 本 学 の 薬 剤 師生涯教育講座には、本学卒業生以外にも広く県内の現役薬剤師が参加しており、 毎 年 の 受 講 登 録 者 数 は 約 600 名 に 上 る 。こ う し た 高 度 薬 剤 師 教 育 研 究 セ ン タ ー の 活 動 が 評 価 さ れ て 、 2008 年 に は 一 般 社 団 法 人 薬 剤 師 認 定 制 度 認 証 機 構 か ら 全 国 で 9 番 目 と な る 薬 剤 師 生 涯 研 修 認 定 制 度 認 証 機 関 ( G09) に 認 定 さ れ て い る 。 -2- Ⅱ 目的 新 潟 薬 科 大 学 は 、「 生 命 の 尊 厳 に 基 づ き 、 薬 学 及 び 生 命 科 学 の 教 育 研 究 を 通 じ て 、 人類の健康と環境の保全に貢献する高い専門性と豊かな人間性を有する有為な人材 を育成すると共に、社会の進歩と文化の高揚に有益な研究成果を創出」することを 理念としている。この理念のもと、薬学部では薬学を核とした医療科学において、 また応用生命科学部では生命科学と食品科学の分野において、 「深く専門の学術を教 授研究」する教育を行い、さらに大学院研究科では、各分野の「理論及び応用に関 す る 教 授 研 究 」を 通 じ て そ の 深 奥 を 究 め る 教 育 を 行 っ て い る 。 「 薬 」と「 食 」に 関 す る学部と大学院を擁する本学は、 「 生 命 と 健 康 を 科 学 す る 総 合 大 学 」と し て の 特 徴 を 最大限に発揮し、 「 生 命 科 学 を 礎 に 薬 と 食 の 両 面 か ら 人 類 の 健 康・福 祉 に 貢 献 す る こ とのできる、知力と活力にあふれた、社会が求めている優秀な人材の育成と、研究 を通じて社会の進展に大きく貢献すること」を教育目標としている。 20 世 紀 後 半 か ら 21 世 紀 に か け た 生 命 科 学 の 急 速 な 発 展 に よ り 、 分 子 標 的 薬 を は じめとする新たな作用機序に基づいた難治性疾患治療薬の開発や遺伝子治療、再生 医療等の新しい医療技術が展開され始めた。また少子高齢化といった人口構成の大 きな変化や介護を必要とする高齢者の急増、医療費の高騰等の医療を取り巻く社会 環境は大きく変動しており、同時に医療受給者の価値観も多様化している。こうし た状況から、医師、歯科医師、看護師、介護士、その他のコメディカルのスタッフ と と も に「 チ ー ム 医 療 」を 支 え る 薬 剤 師 に は 、 「 ク ス リ の 専 門 家 」と し て 高 度 な 医 療 技術や変化する医療環境に対応できる高い専門性とともに、様々な医療受給者に対 応できる豊かな人間性と高い倫理観が備わっていることが望まれている。したがっ て薬剤師を育成する教育現場である薬系大学には、 「 知 識・技 能・態 度 に 優 れ た 質 の 高い薬剤師を養成」することが、社会的要請として強く求められている。このよう な社会背景と上述した大学としての理念・教育目標を基にして、薬学部では「薬を 取り巻く科学に関する教育研究を通じて、人類の健康の増進と保全に貢献する高い 専門性と豊かな人間性を有する有為な人材を育成し、研究を通して社会へ寄与する こ と 」 を 理 念 と し て お り 、「 21 世 紀 の 医 療 が 求 め る 優 れ た 『 薬 剤 師 』 を 育 成 す る こ と」を教育目標としている。 新潟薬科大学は新潟地区唯一の薬系大学であることから、地域住民からの「クス リの専門家として地域医療に貢献できる薬剤師」養成への期待は非常に大きい。ま た本学では県内出身学生がかなりの比率を占めており、卒業後も地元で薬剤師とし て職に就く比率も高い。こうした本学の特異な背景を考慮して、本学では新潟地区 の多数の現役薬剤師や大学近辺の市民ボランティアによる模擬患者が参加する臨床 実務事前実習等の地元に密着した薬剤師教育を取り入れており、先に述べた大学及 び薬学部の理念と教育目標に照らして、 「チーム医療の一員として地域医療に貢献で -3- き る 薬 剤 師 」の 育 成 を 心 が け て い る 。ま た 、本 学 は「 薬 」と 大 き な 関 連 性 を も つ「 食 」 について教育・研究する応用生命科学部を併設している利点を活用して、機能性食 品や健康食品・サプリメント、栄養に関する予防医学あるいはプライマリー・ケア の観点からの教育を取り入れていることは、他の薬科大学にない特徴である。 大学卒業後も、日々進歩する医療の先端知識や技術を生涯にわたって吸収してい くこととともに、そうした自己研鑽を通じて地域社会に貢献していくことが薬剤師 に求められている。本学では、高度薬剤師教育研究センターが中心となった生涯教 育講座や専門的なテーマと目的に沿った少人数のグループ研修等の卒後教育プログ ラムを準備しており、卒業後も自己研鑽できる環境が整備されている。 こ う し た 本 学 の 6 年 制 教 育 プ ロ グ ラ ム 、卒 後 教 育 プ ロ グ ラ ム を 実 践 し て い く 中 で 、 薬学及び医療の先端知識・技能・態度を修得していくとともに、地元の薬剤師や一 般市民と触れ合うことで、プライマリー・ケアや在宅医療を実践でき、地域におけ る健康相談者として活躍できる「地域医療のキー・パーソン」としての薬剤師が育 成できるものと考える。 -4- Ⅲ 総括 今回の点検・評価項目に関して、幾つかの改善を必要とする項目は存在するもの の、重大な問題点は見出されていない。特に本学の 6 年制薬学教育プログラムや卒 後教育のプログラムに関しては、全学的な組織だった対応ができていると判断して い る 。以 下 に 本 学 の「 自 己 評 価 21」に お い て 、優 れ て い る と 判 断 し た 点 と 改 善 を 要 すると判断した点を箇条書きで記す。 <優れている点> 1.6 年制薬学教育プログラムは、薬学教育モデル・コアカリキュラムの内容に沿 っ て 実 施 さ れ て い る 。全 学 年 を 通 じ て 1)ヒ ュ ー マ ニ ズ ム 教 育・医 療 倫 理 教 育 、2) 教 養 ・ 語 学 教 育 、 3)医 療 安 全 教 育 、 4)自 己 表 現 能 力 の 向 上 を 目 指 し た 教 育 が 準 備されており、そうした教育に対する方略も適切なものである。 2.2 学部を擁する本学の利点を活用したプライマリー・ケアやセルフ・メディケ ーションにつながる「食」と「健康」に関する講義、在宅チーム医療につながる フ ィ ジ カ ル・ア セ ス メ ン ト や 医 療 連 携 に 関 す る 講 義 が 開 講 さ れ て お り 、 「地域にお ける医療の担い手」を意識した大学独自の薬学専門教育を取入れている。 3.実務実習に関する教育は、実務実習モデル・コアカリキュラムの内容に沿って 実 施 さ れ て い る 。特 に 事 前 学 習 で は 、 「 在 宅 医 療 」を 視 野 に 入 れ た 救 急 救 命 や フ ィ ジ カ ル・ア セ ス メ ン ト に 関 す る 実 習 、 「 健 康 相 談 者 」と し て の 薬 剤 師 の 養 成 を 視 野 に 入 れ た 医 療 用 具 の 取 扱 い や 不 自 由 体 験 等 を 大 学 独 自 の SBOs と し て 取 入 れ て い る。 4.実務家教員だけでなく、教養・基礎系を含めた全教員が実務実習教育に参画し ており、全学をあげて薬剤師育成のための教育体制が構築できている。さらに、 実務実習教育には多くの地元現役薬剤師や市民ボランティアで構成される標準模 擬 患 者( SP)が 参 加 し て お り 、本 学 の 地 域 性 に 基 づ い た 地 域 密 着 型 の 実 務 実 習 教 育が構築されている。 5 . 全 教 員 に よ る OSCE 学 内 評 価 者 と し て の 講 習 等 の プ ロ グ ラ ム や 大 学 独 自 の SP 養成プログラムが実施されており、共用試験に対する全学的な取組体制が構築さ れている。 6 .6 年 制 薬 学 教 育 を 円 滑 に 実 践 し て い く 上 で 必 要 な 講 義 室 や 研 究 室 等 の 学 内 の IT 環境が整備されている。また学生の能動的学習を促すリソースとして講義資料や 講 義 の 音 声 フ ァ イ ル を 配 信 で き る シ ス テ ム (「 cyber-NUPALS」) を 独 自 に 開 発 し て お り 、 学 生 の 勉 学 と と も に 教 員 の FD に も 効 果 的 に 運 用 さ れ て い る 。 7 .さ ら に ICT を 活 用 し て 、臨 床 実 務 教 育 や 学 生 支 援 に 役 立 て る シ ス テ ム 開 発 を 学 内で積極的に行っており、 「 自 己 学 習 支 援 シ ス テ ム 」、 「臨床実務実習メディアテキ ス ト 」、 「 臨 床 実 務 実 習 連 携 シ ス テ ム 」、 「 就 職 支 援 シ ス テ ム 」等 が 運 用 さ れ て い る 。 8. 「 高 度 薬 剤 師 教 育 研 究 セ ン タ ー 」を 設 置 し て お り 、新 潟 地 区 の 薬 剤 師 を 対 象 と し -5- た 生 涯 教 育 講 座 や 少 人 数 の グ ル ー プ 研 修 を 積 極 的 に 展 開 し て い る 。特 に 、 「地域医 療の担い手」としての薬剤師に必須の内容を提案する形で研修プログラムが準備 されており、こうした卒後研修の中から、6 年次学生へのアドバンスト教育にフ ィードバックが可能な内容を抽出できるシステムとなっている。 9.高大あるいは中高大連携プロジェクトを積極的に展開しており、中学生・高校 生への「科学心」の啓発に大きく貢献している。同時に課題に対するレポートを 提出した講座受講生(高校生)に対して、本学 1 年次に開講する科目の単位を認 定している。高大連携講座を受講して本学へ入学する学生も増えてきており、入 学前教育のあり方の一つとしても捉えることができる先進的な取組である。 <改善を必要とする点> 1 .「 21 世 紀 が 求 め る 優 れ た 薬 剤 師 を 養 成 す る 」 と す る 薬 学 部 の 教 育 目 標 が 抽 象 的 な表現になっていることから、本学が育成しようとする具体的な薬剤師像がイメ ー ジ し づ ら い 。新 潟 地 区 と い う 地 域 の 特 徴 を 活 か し 、 「チーム医療の一員として地 域医療に貢献できる薬剤師」として明文化するように改善する。 2.6 年制薬学教育の中で、実務教育をより広範囲に実践していくために実務家教 員を増員するとともに、薬学専門基礎教育と卒業研究を効果的に行えるような教 員の配置と研究室の再編を行っていく。 3.今後医療系大学との連携教育を強固なものとすることで、専門職としての薬剤 師教育にとどまらず、 「 医 療 人 全 体 の 中 で の 薬 剤 師 」と い う 観 点 か ら の 医 療 人 教 育 を随時取り入れていく。 4.入学定員を遵守することと留年者・退学者を可能な限り減少させるように努め る。 -6- Ⅳ 自己評価・評価書作成のプロセス 今 回 の「 自 己 評 価 21」に 関 し て は 、学 部 長 を 委 員 長 と す る 薬 学 部 自 己 点 検・評 価 委 員 会 が 中 心 に 作 業 を 行 っ た 。2008 年 度 に「 自 己 評 価 21」に 向 け た 作 業 を 開 始 し 、 各 評 価 基 準 及 び 評 価 の 観 点 に 鑑 み て 、本 学 薬 学 部 の 現 状 を 把 握 す る と と も に 、2014 年からの薬学教育第三者評価(本評価)を見据えて、新しく取組まなければならな い部分や不足している部分の改善、及び評価に必要な資料(エビデンス)の整備と 保 管 を 提 案 し て き た 。 2009 年 4 月 に 、 自 己 点 検 ・ 評 価 委 員 会 に お い て 、「 自 己 評 価 21」 に 向 け た 作 業 ス ケ ジ ュ ー ル を 確 認 し 、 7 月 に は 各 委 員 会 の 委 員 長 が 参 加 し た 連 絡会議において、各基準に対する評価書の作成を次表のように分担することとし、 点検・評価書の作成のスケジュールに関して伝達を行った。 大項目 中項目 担当 はじめに 学 部 長 、自 己 点 検・評 価 委 員 会 理念と目標 1. 理 念 と 目 標 学 部 長 、自 己 点 検・評 価 委 員 会 教育プログラ 2. 医 療 人 教 育 の 基 本 的 内 容 教務委員会 ム 3. 薬 学 教 育 プ ロ グ ラ ム 教務委員会 4. 実 務 教 育 臨 床 実 務 教 育 委 員 会 、共 用 試 験 対策委員会 5. 問 題 解 決 能 力 の 醸 成 の た め の 教務委員会 教育 学生 教員組織・ 6. 学 生 の 受 入 入試委員会 7. 成 績 評 価 ・ 修 了 認 定 教務委員会 8. 学 生 の 支 援 学生委員会 9. 教 員 組 織 ・ 職 員 組 織 自 己 点 検 ・ 評 価 委 員 会 、 FD 委 職員組織 施設・設備 員会、事務部 10. 施 設 ・ 設 備 自 己 点 検・評 価 委 員 会 、臨 床 実 務 教 育 委 員 会 、図 書 委 員 会 、機 器委員会 外部対応 11. 社 会 と の 連 携 臨 床 実 務 教 育 委 員 会 、公 開 講 座 委 員 会 、国 際 交 流 委 員 会 、高 度 薬剤師教育研究センター 点検 12. 自 己 点 検 ・ 自 己 評 価 自己点検・評価委員会 各委員会では作成した報告書を委員間で回覧し、あるいは定期的な委員会の開催 時に議論することで委員会としての報告書とするように努めた。 最 終 的 に 自 己 点 検・評 価 委 員 会 が 原 稿 を 取 り 纏 め 、自 己 評 定 を 行 っ た 後 に PDF フ ァ イ ル と し て 本 学 ホ ー ム ペ ー ジ ( http://www.nupals.ac.jp/) に ア ッ プ し た ( 2010 年 4 月 9 日 )。 -7- -8- Ⅴ 基準ごとの自己評価 『理念と目標』 1 理念と目標 基準1-1 各大学独自の工夫により,医療人としての薬剤師に必要な学識及びその応用能力 並びに薬剤師としての倫理観と使命感を身につけるための教育・研究の理念と目標 が設定され,公表されていること。 【観点 【観点 【観点 1 -1 -1 】 理 念 と 目 標 が , 医 療 を 取 り 巻 く 環 境 , 薬 剤 師 に 対 す る 社 会 の ニ ー ズ , 学生のニーズを適確に反映したものとなっていること。 1 -1 -2 】 理 念 と 目 標 が , 教 職 員 及 び 学 生 に 周 知 ・ 理 解 さ れ , か つ 広 く 社 会 に 公表されていること。 1 -1 -3 】 資 格 試 験 合 格 の み を 目 指 し た 教 育 に 偏 重 せ ず , 卒 業 研 究 等 を 通 じ て 深い学識及びその応用能力等を身に付けるための取組が行われてい ること。 [現状] 新 潟 薬 科 大 学 は 、 学 校 教 育 法 第 52 条 及 び 大 学 設 置 基 準 第 19 条 に 基 づ き 、「 薬 学 及び生命科学の教育研究を通じて、人類の健康と環境の保全に貢献する高い専門性 と豊かな人間性を有する有為な人材を育成すると共に、社会の進歩と文化の高揚に 有益な研究成果を創出」することを大学の理念としている(新潟薬科大学学則第 1 条 及 び 新 潟 薬 科 大 学 大 学 院 学 則 第 2 条 )。 こ の 理 念 の も と 、 薬 学 部 で は 薬 学 を 核 と する医療科学、応用生命科学部では生命科学と食品科学の各専門分野に関して「深 く 専 門 の 学 術 を 教 授 研 究 」す る 教 育 を 行 い 、さ ら に 大 学 院 研 究 科 で は 、各 分 野 の「 理 論 及 び 応 用 に 関 す る 教 授 研 究 」 を 通 じ て そ の 深 奥 を 究 め る 教 育 を 行 っ て い る 。「 薬 」 と 「 食 」 に 関 す る 学 部 と 大 学 院 を 擁 す る 本 学 は 、「 生 命 と 健 康 を 科 学 す る 総 合 大 学 」 として、 「 生 命 科 学 を 礎 に「 薬 」と「 食 」の 両 面 か ら 人 類 の 健 康・福 祉 に 貢 献 す る こ とのできる、知力と活力にあふれた、社会が求めている優秀な人材の育成と、研究 を通じて社会に大きく貢献すること」を本学の教育目標としている。 20 世 紀 後 半 か ら 21 世 紀 に か け た 生 命 科 学 の 急 速 な 発 展 に よ り 、 分 子 標 的 薬 を は じめとする新たな作用機序に基づいた難治性疾患治療薬の開発や遺伝子治療、再生 医療等の新しい医療技術が展開されはじめた。また少子高齢化といった人口構成の 大きな変化や介護を必要とする高齢者の急増、医療費の高騰等の医療を取り巻く社 会環境は大きく変動しており、同時に医療受給者の価値観も多様化している。こう した状況から、医師、歯科医師、看護師、介護士、その他のコメディカルのスタッ フ と と も に「 チ ー ム 医 療 」を 支 え る 薬 剤 師 に は 、 「 ク ス リ の 専 門 家 」と し て 高 度 な 医 療技術や変化する医療環境に対応できる高い専門性とともに、様々な医療受給者に 対応できる豊かな人間性と高い倫理観が備わっていることが望まれている。本学薬 学部では、大学としての理念・教育目標を基に、上述したような社会と学生のニー -9- ズを勘案して、薬学部としての理念を「薬を取り巻く科学に関する教育研究を通じ て、人類の健康の増進と保全に貢献する高い専門性と豊かな人間性を有する有為な 人材を育成し、研究を通して社会へ寄与すること」としている。さらに本学は新潟 地区唯一の薬系大学であることから、地域住民からの「クスリの専門家として地域 医療に貢献できる薬剤師」養成への期待は非常に大きい。また本学では県内出身学 生が多く、卒業後も地元で薬剤師として職に就く比率も高い。こうした背景を考慮 し て 、 薬 学 部 の 教 育 目 標 を 、「 21 世 紀 の 医 療 が 求 め る 優 れ た 『 薬 剤 師 』 を 育 成 す る こと」としている。こうした薬学部の理念と教育目標は、文部科学省が提唱してい る「知識・技能・態度に優れた質の高い薬剤師の養成」に合致するものであり、理 念 と 教 育 目 標 に 沿 っ た 6 年 制 薬 学 教 育 を 実 践 す る こ と で 、医 療 に 関 わ る 様 々 な 周 辺 分野に携わる「地域医療の担い手」としての薬剤師を輩出していくことができる。 大学及び薬学部の理念・教育目標は、大学ホームページを通じて外部公表されて いる。また学生便覧や受験生向けの大学案内パンフレットにも記載されており、教 職員及び学生に周知・理解されている。 薬 学 部の 理念・教 育目標 に 沿った 6 年 制 薬学 教 育を 実践 し てい くた め に 、教育 カ リキュラム、教員の配置、学生指導、図書館や運動施設等の施設・設備に十分な配 慮を行ってきた。特に教育カリキュラムにおいては、全学年を通じた倫理観の醸成 やコミュニケーション能力の向上を目指したプログラムを積極的に取入れるととも に、卒業研究の充実と公表を課すことで資格試験の合格に特化した教育プログラム に な ら な い よ う 留 意 し て い る (基 準 1-2 で 記 述 )。 [点検・評価] 1.本学薬学部の理念・目標は、社会的なニーズ、学生のニーズに合致した適切な も の で あ る と 考 え る が 、教 育 目 標 と し た「 21 世 紀 の 医 療 が 求 め る 優 れ た『 薬 剤 師 』」 の具体像が見えてこない。本学が輩出しようとする薬剤師像をもう少し具体化し た表現で明示する必要がある。 [改善計画] 薬学部の教育目標の中で「 、チーム医療の一員として地域医療を担っていく薬剤師 を 育 成 す る こ と 」 を 明 文 化 す る よ う 、 2010 年 度 中 に 改 善 を 行 う 。 【自己評価の根拠となる資料・データ等例】 新潟薬科大学学則、学生便覧、大学ホームページ - 10 - 基準1-2 理念と目標に合致した教育が具体的に行われていること。 【観点 1 -2 -1 】目 標 の 達 成 度 が ,学 生 の 学 業 成 績 及 び 在 籍 状 況 ,そ の 他 必 要 な 事 項 を 総合的に勘案して判断されていること。 [現状] 本学は新潟地区で唯一の薬系大学であり、学生も新潟及び近接県の地方都市出身 者が大半を占めている。また、ほとんどの学生が卒業後病院薬剤師あるいは薬局薬 剤師としての就職を選択し、医療現場で「医療チームの一員」として活躍すること を 希 望 し て い る 。 基 準 1-1 で 記 述 し た 本 学 及 び 本 学 薬 学 部 と し て の 理 念 と 教 育 目 標 は、こうした状況を鑑み、地方都市における「医療チームの一員として、地域医療 に 貢 献 で き る 薬 剤 師 」を 輩 出 し よ う と し て 設 定 さ れ た も の で あ る 。2006 年 度 の 薬 学 部 6 年 制 移 行 に 伴 い 作 成 し た 6 年 制 カ リ キ ュ ラ ム で は 、社 会 と 国 民 に 信 頼 さ れ 、高 度な薬学ならびに臨床的素養・技能と医療人たる崇高な倫理観と人間性をもつ薬剤 師を養成するために、必要な授業科目の開設と教育課程の体系化を行い、講義・実 習等を通じて修得すべき達成目標を次のようなものとした。 1)薬学の基礎教科目を通じて、医薬品を化学物質として多面的に捉える能力を涵 養し、薬剤師として求められる思考力、洞察力、応用力を培う。 2)医薬品の専門知識と共に、各種の疾患とその病態についての臨床知識を十分に 修 得 し 、そ の 薬 物 治 療 法 を 学 び 、薬 物 治 療 に お け る 医 薬 品 の 適 正 使 用 を 推 進 す る ための臨床薬学的思考力、洞察力を培う。 3 )基 礎 薬 学 実 習 を 通 じ て 、医 薬 品 の 取 り 扱 い に つ い て の 全 般 的 な 技 能 を 修 得 す る 。 ま た 、病 院・保 険 薬 局 に お け る 臨 床 実 務 実 習 に あ っ て は 、最 先 端 の 臨 床 現 場 で 求 め ら れ る 高 度 な 薬 学 的 技 法 を 修 得 す る と と も に 、チ ー ム 医 療 に お け る 薬 剤 師 と し てのあり方、患者への適切な対応法等を修得する。 4)教養教科目を通じて生命観、患者心理、会話技法等を学び、医療人として薬剤 師に求められる倫理観と豊かな人間性を培う。 5)卒業研究を通じて、科学的思考力、研究心、自己学習能力、問題解決能力を涵 養する。 こうした達成目標に沿った内容をカリキュラム中で実践していくために、薬学教 育 モ デ ル ・コ ア カ リ キ ュ ラ ム を も と に 、 以 下 の よ う な 具 体 的 な カ リ キ ュ ラ ム の 再 構 築を行った。 1)医療人としての倫理観の醸成と社会人としての豊かな人間性の涵養を目指して 人 文 社 会 系 教 育 を 見 直 し 、語 学 科 目 と と も に 、2、3 年 次 で も 履 修 で き る よ う に し たこと。 2)薬剤師として望まれる副作用や相互作用情報、社会保障・保険制度に関する教 育を導入したこと。 3)チーム医療を円滑に推し進める上で欠かせない討論、コミュニケーション技法 - 11 - に関する教育をより一層充実させたこと。 4 )予 防 医 学 と し て の「 食 」に 着 目 し 、併 設 す る 応 用 生 命 科 学 部 と の 連 携 に よ る「 食 」 や 「 栄 養 」、 プ ラ イ マ リ ー ・ ケ ア と し て の サ プ リ メ ン ト ・ 漢 方 薬 等 に 関 す る 教 育 の導入を行ったこと。 5)急増する外国人に対して服薬指導ができるような実践的な「薬学英語」教育を 充 実 さ せ 、 2、 3 年 次 で も 履 修 で き る よ う に し た こ と 。 6)5 年次での臨床実務実習で修得した実践的教育を踏まえ、応用力の醸成のため のより高度なアドバンスト薬学科目を演習科目として 6 年次に導入すること。 7)卒業研究をより一層充実させ、研究という実践の場を通して問題発見と問題解 決に向けた能力の涵養を行うこと。 薬学部のシラバスでは各講義・実習の到達目標を具体的に記載することにしてお り、シラバスに明記された成績評価の方法に沿って、各授業・実習に対する学生の 到 達 度 が 評 価 さ れ て い る 。し た が っ て 学 年 ご と に 定 め ら れ た 進 級 基 準( 修 得 単 位 数 ) に達しない場合は、当該学年での学習の到達度に至っていないものと判定される。 学 生 の 学 業 成 績 は 、前 期 末( 9 月 )及 び 後 期 末( 2 月 )に 教 授 会 で 提 示 さ れ て お り 、 3 月に行われる進級判定は厳格に実施されている。 [点検・評価] 1 .薬 学 部 の 教 育 目 標 に 沿 っ た 6 年 制 カ リ キ ュ ラ ム を 編 成 し て お り 、理 念 と 目 標 に 合致した教育が行われている。 2 .本 学 の 学 生 の 進 路 と 卒 業 後 の 活 動 の 場 を 考 慮 す る と と も に 、本 学 が 養 成 し よ う と す る 薬 剤 師 と し て 相 応 し い 知 識・技 能・態 度 の 到 達 度 が 設 定 さ れ て お り 、成 績 評価や進級判定が厳格に行われている。 3 .6 年 制 薬 学 教 育 プ ロ グ ラ ム の 中 に 、プ ラ イ マ リ ー・ケ ア や 在 宅 医 療 を 実 践 で き 、 地 域 に お け る 健 康 相 談 者 と し て 活 躍 で き る「 地 域 医 療 の 担 い 手 」を 育 成 す る た め の教育が取り込まれており、評価できる。 [改善計画] 薬 学 部 の 理 念 と 目 標 に 合 致 し た 6 年 制 薬 学 教 育 が 行 わ れ て い る 。さ ら に 応 用 生 命 科 学 部 を 併 設 す る 利 点 を 活 か し た ア ド バ ン ス ト の 教 育 内 容 を 6 年 次 に 盛 り 込 み 、本 学の 6 年制薬学教育の特色とする。 【自己評価の根拠となる資料・データ等例】 講 義 要 項 ( シ ラ バ ス )、 学 生 便 覧 、 大 学 ホ ー ム ペ ー ジ - 12 - 『教育プログラム』 2 医療人教育の基本的内容 (2 -1 ) ヒ ュ ー マ ニ ズ ム 教 育 ・ 医 療 倫 理 教 育 基準2-1-1 医療人としての薬剤師となることを自覚させ,共感的態度及び人との信頼関係を 醸成する態度を身につけさせ,さらにそれらを生涯にわたって向上させるための教 育が体系的かつ効果的に行われていること。 【観点 【観点 【観点 【観点 2 -1 -1 -1 】 全 学 年 を 通 し て , 医 療 人 と し て 生 命 に 関 わ る 薬 学 専 門 家 に 相 応 し い行動をとるために必要な知識,技能,及び態度を身につけるた めの教育が行われていること。 2 -1 -1 -2 】 医 療 全 般 を 概 観 し , 薬 剤 師 の 倫 理 観 , 使 命 感 , 職 業 観 を 醸 成 す る 教育が行なわれていること。 2 -1 -1 -3 】 医 療 人 と し て , 医 療 を 受 け る 者 , 他 の 医 療 提 供 者 の 心 理 , 立 場 , 環境を理解し,相互の信頼関係を構築するために必要な知識,技 能,及び態度を身につけるための教育が行われていること。 2 -1 -1 -4 】 単 位 数 は , (2-2)~ (2-5)と 合 わ せ て , 卒 業 要 件 の 1 / 5 以 上 に 設 定されていることが望ましい。 [現状] 医療人になることを自覚させ、共感的態度及び人との信頼関係を醸成する態度を 身 に つ け さ せ る 教 育 は 、下 記 に 示 す 複 数 の 科 目 の 中 で 、講 義・討 論・ロ ー ル プ レ イ ・ シミュレーション実習・実務実習(病院・薬局実習)を組合せて行われている。 「 薬 学 へ の 招 待 Ⅰ( 薬 学 概 論 Ⅰ )」、 「 薬 学 へ の 招 待 Ⅱ( 薬 学 概 論 Ⅱ )」、 1 年 次 科 目: 「 医 薬 品 と 薬 学( 薬 学 入 門 Ⅰ )」、 「 生 命 の 大 切 さ( 倫 理 と コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン Ⅰ )」、「 社 会 と 薬 学 の 基 礎 ( 討 論 学 習 Ⅰ )」 2 年 次 科 目 :「 医 療 人 と し て の 心 構 え ( 倫 理 と コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン Ⅱ )」 3 年 次 科 目 :「 患 者 と の 信 頼 関 係 ( 倫 理 と コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン Ⅲ )」、「 社 会 と 薬 学 の 臨 床( 討 論 学 習 Ⅱ )」、 「 薬 学 英 語 Ⅱ 」、 「 薬 剤 学 実 習 」、 「薬物治療学実 習 」、「 調 剤 学 実 習 」 4 年 次 科 目 :「 コ メ デ ィ カ ル の 役 割 」、「 臨 床 実 務 事 前 実 習 」 5 年 次 科 目 :「 総 合 薬 学 演 習 ( 討 論 学 習 Ⅲ )」、「 臨 床 実 務 実 習 」 6 年 次 科 目 :「 症 例 と 薬 物 治 療 Ⅰ ~ Ⅴ 」、「 病 態 と 処 方 Ⅰ ~ Ⅴ 」 低学年開講科目では講義・見学・討論・ロールプレイを中心にして実施している が 、中 学 年 開 講 科 目 で は こ う し た 学 習 方 略 と と も に 、2006 年 度 か ら ボ ラ ン テ ィ ア を 募 り 本 学 独 自 で 養 成 し て き た 標 準 患 者( SP)が 参 加 す る シ ミ ュ レ ー シ ョ ン 実 習 を 加 え、さらに高学年開講科目ではこれらに実務実習を加えている。なお、これらの単 位 数 合 計 は 49 単 位 で あ り 、 本 学 の 卒 業 要 件 ( 186 単 位 ) の 1/5 以 上 を 占 め て い る 。 また、本学では単位を設定していないが、2 年次学生が全員参加する私立大学等 経常費補助金特別補助(教育・学習方法等改善支援)採択事業「介護老人保健施設 への早期体験実習及び報告検討会」でも実際に医療従事者や患者に直接触れる機会 - 13 - を設けており、知識・態度教育を担っている。さらに、高学年学生を対象として、 文部科学省戦略的大学連携支援事業「共生型大学連携による新潟県の人材確保・養 成 の 短 期 的 及 び 包 括 的 施 策 に よ る 地 域 貢 献( 連 携 校 )」に 参 画 し て い る 医 療 保 健 福 祉 関連高等教育機関の学生とともに模擬医療チームを形成する「連携教育学生セミナ ー 」 を 設 定 し て い る 。 こ こ で は 患 者 の QOL の 向 上 を 目 指 し た 医 療 方 針 を 考 え 、 患 者へのインタビューを行い、現役医療従事者と討議する等、医療人として相応しい 知識・技能・態度を総合的かつ実践的に学習する場の一つとしている。 [点検・評価] 1 . カ リ キ ュ ラ ム 上 2 年 次 に お け る 教 育 が 少 し 手 薄 に な っ て い る が 、「 介 護 老 人 保 健施設への早期体験実習及び報告検討会」を導入し、その問題点を補っている。 こ の 実 習 は 単 位 化 し て い な い の に も か か わ ら ず 、学 生 は 真 摯 な 態 度 で 臨 ん で お り 、 教育的な効果は高い。低学年時に医療従事者や患者に直接接することができる絶 好の機会であり、今後、できるだけ早い時期に授業科目に組込み、単位認定を考 える必要がある。 2. 「 薬 剤 学 実 習 」、 「 薬 物 治 療 学 実 習 」、 「 調 剤 学 実 習 」、 「 臨 床 実 務 事 前 実 習 」で は 総 数 約 150 名 に 近 い 現 役 薬 剤 師 が 教 育 に 参 画 し て お り 、実 習 の 空 き 時 間 を 利 用 し て 薬剤師が学生に臨床現場の様子や医療人としての心構えを伝えている。 3. 「 連 携 教 育 学 生 セ ミ ナ ー 」で は 模 擬 医 療 チ ー ム を 形 成 す る が 、他 大 学 か ら の 参 加 学生数や実際の症例を提供して患者へのインタビューを設定していただく医療機 関数にも依存することから、全ての学生が参加できるわけではない。今後他大学 や医療機関に積極的に働きかけ、参加希望の学生を全て受け入れることができる 規模まで発展させる必要がある。 [改善計画] 6 年制教育の完成年度後に予定しているカリキュラム改正時には、 「介護老人保健 施 設 へ の 早 期 体 験 実 習 及 び 報 告 検 討 会 」や「 連 携 教 育 学 生 セ ミ ナ ー 」を 単 位 化 す る 。 【自己評価の根拠となる資料・データ等例】 学 生 便 覧 、 講 義 要 項 ( シ ラ バ ス )、 時 間 割 、 介 護 老 人 保 健 施 設 見 学 会 報 告 書 、 連 携 教 育 学 生 セ ミ ナ ー 報 告 書 ( 2009) - 14 - (2 -2 ) 教 養 教 育 ・ 語 学 教 育 基準2-2-1 見識ある人間としての基礎を築くために,人文科学,社会科学及び自然科学など を広く学び,物事を多角的にみる能力及び豊かな人間性・知性を養うための教育が 体系的かつ効果的に行われていること。 【観点 【観点 【観点 2 -2 -1 -1 】 薬 学 準 備 教 育 ガ イ ド ラ イ ン を 参 考 に す る な ど , 幅 広 い 教 養 教 育 プ ログラムが提供されていること。 2 -2 -1 -2 】 学 生 や 社 会 の ニ ー ズ に 応 じ た 選 択 科 目 が 用 意 さ れ , 時 間 割 編 成 に おける配慮がなされていること。 2 -2 -1 -3 】 薬 学 領 域 の 学 習 と 関 連 付 け て 履 修 で き る カ リ キ ュ ラ ム 編 成 が 行 わ れていることが望ましい。 [現状] 人文社会系科目、外国語科目、保健体育、基礎科学系科目を教養科目に区分し、 基礎科学に関する造詣とともに、幅広い教養と広い視野、豊かな人間性を育む教育 を行ってきた。本学では、一部の基礎科学系科目に関しては 6 年制カリキュラムか ら専門基礎薬学系科目に組込み、教育に連続性・継続性を生じさせて学生が総合理 解 し や す く な る よ う 努 め て い る( 基 準 3-1-2 参 照 )。人 文 社 会 系 科 目 に 関 し て は 、 「歴 史 学 」、「 経 済 学 」、「 国 文 学 」、「 社 会 学 」、「 政 治 学 」、「 哲 学 」 を 選 択 科 目 と し て 開 講 し て い る 。 カ リ キ ュ ラ ム の 改 編 に 伴 い 、「 歴 史 学 」 は 科 学 史 に 関 す る 内 容 に 、「 社 会 学」は社会福祉に関する内容にする等、講義内容をより科学や医療に則したものと し て お り 、 学 生 に 親 近 感 を 与 え 修 学 意 識 を 高 め る よ う 努 め て い る 。 さ ら に 、「 哲 学 」 は論理的思考の涵養に焦点を当てた内容となっている。 「 薬 学 の 基 礎 数 学 」、 「 薬 学 の 基 礎 生 物 」、 「 基 礎 数 学 演 習 」、 「 基 礎 生 物 演 習 」、 1 年 次: 「基礎物理演習」 2 年 次 :「 歴 史 学 」、「 社 会 学 」、「 哲 学 」 3 年 次 :「 経 済 学 」、「 国 文 学 」 4 年 次 :「 マ ス ・ メ デ ィ ア 論 」 2~ 4 年 次 に 開 講 す る 人 文 社 会 系 科 目 は 5、6 年 次 で の 受 講 も 可 能 で あ る 。ま た 、4 年 次 に は 「 漢 方 医 学 の 基 礎 」、「 薬 学 の 生 命 科 学 」、「 食 品 衛 生 」、「 製 剤 設 計 Ⅱ 」、「 香 粧 品 の 化 学 」、 「 疾 患 と 栄 養 」、 「 保 健 機 能 食 品 の 科 学 」、 「 医 薬 品 の 開 発 と 治 験 」、5 年 次 に は 「 分 子 の 立 体 構 造 」、「 生 体 分 子 認 識 学 」、「 食 料 ・ 食 品 資 源 学 」、「 栄 養 科 学 」、 「 バ イ オ イ ン フ ォ マ テ ィ ク ス 」、 「 構 造 生 物 学 と タ ン パ ク 質 工 学 」、 「 食 品 安 全 学 」、 「動 物 バ イ オ テ ク ノ ロ ジ ー 」、 「 ゲ ノ ム 創 薬 」、6 年 次 に は「 薬 局 の 役 割 と 経 営 」、 「新薬の 開 発 と 一 般 薬 」、「 疾 患 と 漢 方 薬 」 と い っ た 選 択 科 目 を 配 置 し 、 地 域 医 療 に お い て 重 要なプライマリー・ケアにつながる「食」と「健康」に関する講義科目を開講して いる。 - 15 - [点検・評価] 1.6 年制薬学教育を開始する以前は、人文社会系科目の講義内容は一般的なもの であり、 「 こ の よ う な 内 容 を 薬 学 部 で 履 修 す る 意 味 が わ か ら な い 」と い う 辛 辣 な 学 生 の コ メ ン ト も あ っ た 。6 年 制 薬 学 教 育 の 開 始 に 伴 い 、 「 歴 史 学 」と「 社 会 学 」は 科学や医療に則したものに移行したためか、学生の授業評価は概ね良好である。 未だ、 「 経 済 学 」、 「 国 文 学 」、 「 政 治 学 」が 一 般 的 な 内 容 に な っ て お り 、よ り 科 学 や 医療に則したものに移行する必要がある。さらに、医療倫理や知財を扱う科目の 開設も望まれる。 [改善計画] 6 年制教育の完成年度後に予定しているカリキュラム改正時には、開講科目の精 査と再検討を行う。 【自己評価の根拠となる資料・データ等例】 学 生 便 覧 、 講 義 要 項 ( シ ラ バ ス )、 時 間 割 - 16 - 基準2-2-2 社会のグローバル化に対応するための国際的感覚を養うことを目的とした語学教 育が体系的かつ効果的に行われていること。 【観点 【観点 【観点 2 -2 -2 -1 】 英 語 教 育 に は ,「 読 む 」,「 書 く 」,「 聞 く 」,「 話 す 」 の 全 て の 要 素 を取り入れるよう努めていること。 2 -2 -2 -2 】 医 療 現 場 , 研 究 室 , 学 術 集 会 な ど で 必 要 と さ れ る 英 語 力 を 身 に つ けるための教育が行われるよう努めていること。 2 -2 -2 -3 】 英 語 力 を 身 に つ け る た め の 教 育 が 全 学 年 に わ た っ て 行 わ れ て い る ことが望ましい。 [現状] 高校時の英語教育を継承しながら、1 年次にはさらに発展させる形でリスニング と リ ー デ ィ ン グ の 両 方 に 重 き を 置 い た 「 英 語 リ ス ニ ン グ Ⅰ 」、「 英 語 リ ス ニ ン グ Ⅱ 」、 「 英 語 リ - デ ィ ン グ Ⅰ 」、「 英 語 リ - デ ィ ン グ Ⅱ 」 の 英 語 教 育 に 加 え 、 2 年 次 に は コ ミュニケーション能力の醸成を兼ね備えた少人数形式による「英語コミュニケーシ ョ ン Ⅰ 」、「 英 語 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン Ⅱ 」 を 開 講 し て い る 。 特 に リ ー デ ィ ン グ で は 科 学史や生命科学に関する題材を取り上げ、科学論文を読む力の醸成に向けた教育を 行 っ て お り 、ま た 、 「 英 語 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン Ⅰ 」、 「 英 語 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン Ⅱ 」で は日本語でのコミュニケーションにも通じるコミュニケーション手法の体得を目指 し て 、英 語 に よ る 実 践 的 な 講 義 を 行 っ て い る 。さ ら に 、2~ 3 年 次 に は 医 療 英 語 の 習 得 を 目 指 し た 実 践 的「 薬 学 英 語 Ⅰ 」、患 者 情 報 の 収 集 や 医 療 情 報 の 提 供 を 英 語 で 行 う ことを目指した「薬学英語Ⅱ」を開講し、学生が薬剤師として社会に出たときに外 国人に対して服薬指導をする上で必要な英語に触れる機会を設けている。学生が研 究室に配属してからは、各研究室で科学英語論文の輪読を行うが、総説レベルの卒 業 論 文 を 課 す 「 卒 業 研 究 I」 で は 、 論 文 の も と と な る 数 本 の 英 語 文 献 を 十 分 に 読 み こ な す 能 力 が 必 要 で あ る 。 さ ら に 5、 6 年 次 で 行 う 実 際 の 研 究 室 で の 実 験 を も と に し た「 卒 業 論 文 II」で は 、論 文 タ イ ト ル と 要 旨 を 英 語 で 記 述 さ せ る こ と と し て い る 。 このように本学では、入学してから卒業するまで絶えず英語に触れる環境を構築し て い る 。 ま た 、 2006 年 度 か ら TOEIC-IP テ ス ト を 学 内 で 開 催 し 、 学 生 の 学 習 意 欲 を惹起する試みも行っている。 ドイツ語や中国語をはじめとする英語以外の外国語については、文法と発音の修 得 を 基 軸 と し た 講 義 を 選 択 科 目 と し て 2~ 3 年 次 に 開 催 し 、 興 味 あ る 学 生 に 英 語 以 外の外国語に触れ親しむ機会を設定している。 また、姉妹校であるマサチューセッツ薬科大学から講師を招き講演会や親睦会を 開催しており、学生が本物の英語に触れる機会を設けている。 [点検・評価] 1.修学年限を通して絶えず英語に触れる機会を設けていることは評価できる。 - 17 - 2.実社会で即戦力として活躍できる英語力を醸成するために、英語による患者情 報の収集や医療情報の提供等の教育を「臨床実務実習」開始前に実施しており、 評価に値する。 3.マサチューセッツ薬科大学との交流は姉妹校である特徴をうまく活かしきれて いない。講演会や親睦会の開催以外に、学生の交流も視野に入れた取組を進める ことが「実践的な英語教育」に繋がるだろう。 [改善計画] 2010 年 度 に は 国 際 交 流 委 員 会 が 主 導 し て マ サ チ ュ ー セ ッ ツ 薬 科 大 学 と の 学 生 間 で の 交 流 へ の 道 筋 を 組 立 て 、 2011 年 度 か ら 学 生 の 交 流 を 始 め る 予 定 で あ る 。 【自己評価の根拠となる資料・データ等例】 学 生 便 覧 、 講 義 要 項 ( シ ラ バ ス )、 時 間 割 、 マ サ チ ュ ー セ ッ ツ 薬 科 大 学 臨 床 教 授 講演会資料 - 18 - (2 -3 ) 医 療 安 全 教 育 基準2-3-1 薬害・医療過誤・医療事故防止に関する教育が医薬品の安全使用の観点から行 われていること。 【観点 【観点 2 -3 -1 -1 】 薬 害 , 医 療 過 誤 , 医 療 事 故 の 概 要 , 背 景 及 び そ の 後 の 対 応 に 関 す る教育が行われていること。 2 -3 -1 -2 】 教 育 の 方 法 と し て , 被 害 者 や そ の 家 族 , 弁 護 士 , 医 療 に お け る 安 全管理者を講師とするなど,学生が肌で感じる機会提供に努める とともに,学生の科学的かつ客観的な視点を養うための教育に努 めていること。 [現状] 1 年 次 開 講 科 目 で あ る 「 薬 学 へ の 招 待 Ⅰ 」、「 薬 学 へ の 招 待 Ⅱ 」、「 医 薬 品 と 薬 学 」、 「 生 命 の 大 切 さ 」で は 代 表 的 な 薬 害 問 題 の 概 要 と 背 景 に つ い て 講 義 を 行 う と 同 時 に 、 体験者の話を聞く機会を設けている。また、2 年次開講科目である「薬理作用と副 作 用 Ⅰ 」、3 年 次 開 講 科 目 で あ る「 医 薬 品 情 報 と 患 者 」、 「 薬 理 作 用 と 副 作 用 Ⅱ ~ Ⅳ 」、 4 年 次 開 講 科 目 で あ る 「 患 者 個 々 の 薬 物 治 療 」、「 臨 床 実 務 事 前 実 習 」 に お い て 、 繰 返 し 薬 害 、医 療 過 誤 、医 療 事 故 の 概 要 、背 景 、そ の 後 の 対 応 に つ い て 講 義 し て い る 。 ま た 、 1 年 次 開 講 科 目 で あ る 「 社 会 と 薬 学 の 基 礎 」、 3 年 次 開 講 科 目 で あ る 「 社 会 と 薬 学 の 臨 床 」、 4 年 次 開 講 科 目 で あ る 「 臨 床 実 務 事 前 実 習 」、 5 年 次 開 講 科 目 で あ る 「総合薬学演習」では実際に医療過誤や事故が起こった時にどのように対応すべき か等を少人数討論によって導き出し、ファシリテーター教員がコメントを付ける形 態で、より実践的な対応を考えられるような問題立脚型の授業を行っている。さら に 「 臨 床 実 務 実 習 」 後 に 行 わ れ る 6 年 次 で の 「 症 例 と 薬 物 治 療 Ⅰ ~ Ⅴ 」、「 病 態 と 処 方Ⅰ~Ⅴ」では医療過誤や医療事故に関する問題提起から始まり、解決策を考える 少人数討論を行う予定であり、医薬品の安全使用に対する知識・態度と回避法の修 得を目指した実践的な授業を開講する。 [点検・評価] 1.修学年限を通して薬害、医療過誤、医療事故に関する講義・討論学習を行い、 忘れてはいけない重要な問題であるという意識を根付かせている点は評価できる。 2.被害者や安全管理者を講師とする講演会は開催されているが、低学年に限定さ れている。慣れのせいなのか、中高学年になると講演会をしっかりと聞くという 態度が保てなくなる傾向があり、講師に失礼にあたるので、被害者や家族等が少 人数討議の中に加わっていただくようなカリキュラムの策定も必要かもしれない。 [改善計画] 3 年次あるいは 4 年次に「医療安全学」といった講義を開講するとともに、学生 - 19 - の心に響くような学習方略を考え、近々に行われるカリキュラム改正時にはカリキ ュラムとして組込む予定である。 【自己評価の根拠となる資料・データ等例】 学 生 便 覧 、 講 義 要 項 ( シ ラ バ ス )、 時 間 割 、 各 種 の 講 演 会 案 内 - 20 - (2 -4 ) 生 涯 学 習 の 意 欲 醸 成 基準2-4-1 医療人としての社会的責任を果たす上での生涯学習の重要性を認識させる教育 が行われていること。 【観点 2 -4 -1 -1 】 医 療 現 場 で 活 躍 す る 薬 剤 師 な ど に よ り 医 療 の 進 歩 や 卒 後 研 修 の 体 験談などに関する教育が行われていること。 [現状] 本学の「高度薬剤師教育研究センター」は、薬剤師の生涯学習をサポートする組 織 と し て 2006 年 に 設 置 し た 。2008 年 に は 薬 剤 師 生 涯 教 育 認 定 制 度 認 証 機 関 と し て 認定され、現在、本学卒業生のみならず新潟地区及び近隣地区の薬剤師の生涯学習 をサポートしている。本センター主催のプログラムに参加を希望する薬剤師は新潟 地 区 だ け で 毎 年 500~ 600 名 に の ぼ り 、 薬 剤 師 生 涯 教 育 の 中 心 と な っ て い る 。 3、4 年 次 に 行 わ れ る「 薬 剤 学 実 習 」、 「 調 剤 学 実 習 」、 「 薬 物 治 療 学 実 習 」、 「臨床実 務事前実習」は、薬剤師として必要不可欠な技能と医療人として望ましい態度の修 得 を 目 的 に 行 わ れ て い る が 、こ れ ら の 科 目 で は 総 勢 約 150 名 の 現 役 薬 剤 師 が 講 師 と して教育に参画・助力している。こうした薬剤師は、本学高度薬剤師教育研究セン タ ー が 提 供 す る 生 涯 学 習 を 受 講 し て お り 、か つ 、 「 臨 床 実 務 実 習 」に お け る 学 生 受 け 入 れ 施 設 に 所 属 す る 薬 剤 師 で あ る こ と か ら 、生 涯 学 習 の 重 要 性 を 熟 知 し て い る 。3、 4 年次に行われる実習講義の中でこれらの薬剤師から生涯教育の重要性を説かれる と同時に、実習の合間に行われる薬剤師と学生の懇談の場においても薬剤師から学 生に対して生涯教育の重要性を伝えている。 また、卒業時には高度薬剤師教育研究センター主催するプログラムへの参加を促 す「 生 涯 学 習 手 帳 」を 学 生 に 配 布 し 、本 学 主 催 の プ ロ グ ラ ム へ の 参 加 を 促 し て い る 。 [点検・評価] 1 .3、4 年 次 に 学 内 で 行 わ れ る 実 習 や 5 年 次 の「 臨 床 実 務 実 習 」の 際 に 、大 学 主 催 の生涯学習プログラムを受講している薬剤師から生涯学習の重要性を学生に説い ている点は、臨場感があり評価できる。 2.高度薬剤師教育研究センターでは症候と疾患に関する講義・実習のほか、フィ ジカル・アセスメントの講義・実習を開催しており、生涯学習に対する薬剤師の 意識を高めている。こうした取組の重要性を学生に直接伝えるような試みが必要 ではあるが、 「教員が伝えるよりも現場薬剤師が伝えた方がより効果的に学生に伝 わる」という側面もあり、大学教員だけの掛け声では難しい面もある。 [改善計画] 生涯学習の重要性が臨場感をもって学生に伝えられるような場がもっと必要であ - 21 - り、高度薬剤師教育研究センター主催の生涯教育講座や少人数研修プログラムにも 学生の参加希望を募る等、学生の意識の高揚に工夫する必要がある。 【自己評価の根拠となる資料・データ等例】 講 義 要 項 ( シ ラ バ ス )、 高 度 薬 剤 師 教 育 研 究 セ ン タ ー 活 動 報 告 書 (2009) - 22 - (2 -5 ) 自 己 表 現 能 力 基準2-5-1 自分の考えや意見を適切に表現するための基本的知識,技能及び態度を修得す るための教育が行われていること。 【観点 【観点 【観点 2 -5 -1 -1 】聞 き 手 及 び 自 分 が 必 要 と す る 情 報 を 把 握 し ,状 況 を 的 確 に 判 断 で きる能力を醸成する教育が行われていること。 2 -5 -1 -2 】個 人 及 び 集 団 の 意 見 を 整 理 し て 発 表 で き る 能 力 を 醸 成 す る 教 育 が 行われていること。 2 -5 -1 -3 】 全 学 年 を 通 し て 行 わ れ て い る こ と が 望 ま し い 。 [現状] 演習や討論を行う科目では学生自身が考えや意見を適切に表現し、討論ののちグ ル ー プ の 意 見 と し て ま と め 、発 表 す る 機 会 を 設 け て い る 。1 年 次 開 講 科 目 で あ る「 薬 学 へ の 招 待 Ⅰ ~ Ⅱ 」、 「 生 命 の 大 切 さ 」、 「 社 会 と 薬 学 の 基 礎 」、2 年 次 開 講 科 目 で あ る 「 化 学 構 造 と 薬 理 作 用 」、 「 薬 品 化 学 実 習 Ⅰ 」、3 年 次 開 講 科 目 で あ る「 薬 剤 学 実 習 」、 「 薬 物 治 療 学 実 習 」、「 社 会 と 薬 学 の 臨 床 」、「 薬 学 英 語 Ⅱ 」、「 患 者 と の 信 頼 関 係 」、 4 年 次 開 講 科 目 で あ る「 臨 床 実 務 事 前 実 習 」、 「 コ メ デ ィ カ ル の 役 割 」、5 年 次 開 講 科 目 で あ る「 総 合 薬 学 演 習 」、 「 臨 床 実 務 実 習 」、6 年 次 開 講 科 目 で あ る「 症 例 と 薬 物 治 療 Ⅰ ~ Ⅴ 」、「 病 態 と 処 方 Ⅰ ~ Ⅴ 」 で は 少 人 数 討 論 と 発 表 、 意 見 交 換 が 行 わ れ て お り 、 修学年限を通して自分の考えや意見を適切に表現する機会が設けられている。 「卒業 研究Ⅰ」や「卒業研究Ⅱ」においては、多くの研究室で研究報告会や論文輪読報告 会が行われており、さらに「卒業研究Ⅱ」では全ての学生が口頭あるいはポスター 発 表 す る 予 定 で あ る こ と か ら 、カ リ キ ュ ラ ム と し て は 表 に 見 え て き て い な い ま で も 、 自 分 の 考 え や 意 見 を 適 切 に 表 現 す る 機 会 は 多 い 。ま た 、 「 社 会 と 薬 学 の 臨 床 」で は 表 現のスキルアップに関する練習も行われている。 [点検・評価] 1.自分の考えや意見を適切に表現する機会は数多く設定しているが、表現のスキ ルアップにつながる講義・演習は少ない。最近の学生は表現することが得意な学 生と不得意な学生に二極化している傾向がみられ、不得意な学生に対するスキル アップ講習会が必要である。 2 .報 告 書 の 書 き 方 や 文 章 力 を 指 導 す る た め の 初 年 次 教 育 を 充 実 さ せ る 必 要 が あ る 。 [改善計画] 近々に行われるカリキュラム改正時には、初年次教育を含めた表現力のスキルア ップに関する講習会について、対象者の選考方法を含めて企画する予定である。 - 23 - 【自己評価の根拠となる資料・データ等例】 学 生 便 覧 、 講 義 要 項 ( シ ラ バ ス )、 時 間 割 - 24 - 3 薬学教育カリキュラム (3-1)薬学教育モデル・コアカリキュラムの達成度 基準3-1-1 教育課程の構成と教育目標が,薬学教育モデル・コアカリキュラムに適合してい ること。 【観点 3 -1 -1 -1 】 各 科 目 の シ ラ バ ス に 一 般 目 標 と 到 達 目 標 が 明 示 さ れ , そ れ ら が 薬 学 教 育 モ デ ル・コ ア カ リ キ ュ ラ ム の 教 育 目 標 に 適 合 し て い る こ と 。 [現状] 本 学 部 の 教 育 目 標 で あ る「 21 世 紀 の 医 療 が 求 め る 優 れ た『 薬 剤 師 』の 育 成 」を 実 現するために、日本薬学会が編集した薬学教育モデル・コアカリキュラム及び文部 科学省が編集した実務実習モデル・コアカリキュラムをもとにしたカリキュラムを 作成し教育を進めている。本学部のカリキュラムは、これらのモデル・コアカリキ ュラムに掲載されている全ての一般目標・到達目標を収載しているほか、複数の既 存のユニットには本学独自の到達目標を追記し、また、薬学準備教育や薬学アドバ ンスト教育に相当する領域には本学独自のユニットを立ち上げ、一般目標・到達目 標を明示したものとなっている。本学部のカリキュラムにおけるコース名・コース の一般目標・ユニット名・ユニットの一般目標・到達目標を明記し、一般目標・到 達目標ごとに番号を振った「カリキュラム対応表」は、後述する冊子体の講義要綱 ( シ ラ バ ス ) に 付 随 す る CD に 収 載 す る と と も に 、 本 学 学 生 専 用 ホ ー ム ペ ー ジ で も 公開している。 本学部のシラバスは授業科目ごとにページを設け、授業科目名・開講時期・単位 数・担当教員名・カリキュラムに記載したユニットと授業科目との関係を示す対応 番号・一般目標・到達目標・各回の授業内容の概要・各回の授業形態・各回の授業 内容とカリキュラムに記載した到達目標との関連を明示するカリキュラム対応番 号・各回の授業の担当者名・教科書・参考書・評価方法・オフィスアワーと教員連 絡 先 ( 電 話 番 号 ・ メ ー ル ア ド レ ス )・ cyber-NUPALS ホ ー ム ペ ー ジ ( HP) ア ド レ ス 等を記載している。さらに、各授業項目における修学内容が薬学及び薬剤師教育の 中でどのような位置にあるのかを示す対応マップもシラバスに収載している。 本学部では通常、教員はマイクを使って授業を行っている。音声をマイクに収音 する過程はデジタル化する過程でもあり、ホームページを通してこのデジタル化し た音声を配信すれば学生の復習や次年度科目の予習に役立つことになる。さらに、 シラバスはあくまでも授業計画を明記したものであり、学生が復習する際には実際 に行われた授業内容を表すものが必要となる。このような考えから、6 年制薬学教 育 課 程 の 学 生 が 薬 学 基 礎 及 び 専 門 系 科 目 を 本 格 的 に 受 講 す る 2007 年 度 か ら 、 cyber-NUPALS ホ ー ム ペ ー ジ ( cyber-NUPALS-HP ) を 立 ち 上 げ 運 用 を 始 め た 。 cyber-NUPALS-HP に は 、各 授 業 の 一 般 目 標 ・ 到 達 目 標 の ほ か 、実 際 に 行 わ れ た 各 - 25 - 回の授業の概要を記すと同時に、各回の授業の音声ファイルや講義資料ファイルを 収載し、学生が学習する上での予習・復習をサポートするシステムとなっている。 実際の授業では、板書している間は説明を控えている教員も多いため、ファイルサ イズを小さくする目的で、教員自らが音声収録されていない時間をカットしてファ イルを編集することを要請している。教員が編集を行うためには、自分の喋った内 容 を 再 び 聞 く 必 要 が あ り 、 編 集 過 程 を 通 し て 「 喋 り の 癖 」 に 『 気 付 き 』、「 授 業 の 組 立て」を再考する機会となっている。 [点検・評価] 1.シラバスに各授業科目の一般目標と到達目標が明示され、これらが薬学教育モ デル・コアカリキュラムに記載された教育目標に適合している点は評価できる。 2 .さ ら に 、実 際 の 授 業 内 容 を cyber-NUPALS-HP に 掲 載 し 、シ ラ バ ス に 記 載 さ れ た内容との乖離を明確にして教員に自己修正を促している取組は評価に値する。 3.4 年次までの授業において、薬学教育モデル・コアカリキュラムに記載された 全ての到達目標を網羅している点も評価できる。 [改善計画] 実際に授業を行う何年も前からシラバスを作成しても、実際の授業を行うまでの 間に教育内容や方法に関する考えが変わることが考えられ、シラバスを作成した苦 労が水の泡となる。このような理由から、6 年制薬学教育の学年進行とともに新た な 関 係 科 目 を 追 加 収 載 す る 形 で シ ラ バ ス を 作 成 し て お り 、現 在 の と こ ろ 4 年 次 ま で の 内 容 が 収 載 さ れ て い る 。5、6 年 次 に は 薬 学 教 育 モ デ ル・コ ア カ リ キ ュ ラ ム の 中 で もより深い理解度が求められる到達目標に関して、視点や方略を変えて授業を行う ほか、アドバンスト科目を設定しているが、現状では十分に見えてこない部分もあ る。学年進行とともに解決される問題である。 【自己評価の根拠となる資料・データ等例】 学 生 便 覧 、 講 義 要 項 ( シ ラ バ ス )、 時 間 割 、 cyber-NUPALS ホ ー ム ペ ー ジ ( http://cyber.nupals.ac.jp) - 26 - 基準3-1-2 各到達目標の学習領域に適した学習方略を用いた教育が行われていること。 【観点 【観点 【観点 3 -1 -2 -1 】 講 義 , 演 習 , 実 習 が 有 機 的 に 連 動 し て い る こ と 。 3 -1 -2 -2 】 医 療 現 場 と 密 接 に 関 連 付 け る た め , 具 体 的 な 症 例 , 医 療 現 場 で の 具体例,製剤上の工夫などを組み込むよう努めていること。 3 -1 -2 -3 】 患 者 ・ 薬 剤 師 ・ 他 の 医 療 関 係 者 ・ 薬 事 関 係 者 と の 交 流 体 制 が 整 備 され,教育へ直接的に関与していることが望ましい。 [現状] 本 学 で は 1 年 次 に 高 校 の 教 育 内 容 と 大 学 の 教 育 内 容 と を 繋 ぐ 高 大 連 携 科 目 、な ら びに物理系薬学、化学系薬学、生物系薬学の各コースのうち、基礎を担うユニット を配置している。さらに学年が進むにつれて各コースの応用を担うユニットが加わ るのと同時に、衛生系薬学、医療系薬学、臨床系薬学等のコースが基礎から順に加 わってくる授業構成をとっている。また、これと並行してヒューマニズム・コミュ ニケーションを培う教育、豊かな人間性を涵養するための人文社会系科目、国際感 覚を養うための語学教育が全学年を通して行われている。各ユニットに相当する各 授業は、講義系科目、演習系科目、実習系科目に大別されるが、学習効果を最大限 に発揮する目的で、各コースの中で重要と考えている部分の講義と演習、講義と実 習が内容的に連動して同時期に行えるように演習や実習の開講時期を設定している。 ま た 、授 業 に よ っ て は 講 義 だ け で な く SGD( Small Group Discussion)を 取 り 入 れ て行うものもあり、より効果的に学習内容が定着するような工夫をしている。 臨床系薬学教育では、6 年制薬学教育開始当初から本学独自に養成してきた地域 住 民 の ボ ラ ン テ ィ ア で あ る 標 準 模 擬 患 者 ( Standardized Patients )、 標 準 患 者 ( Simulated Patients) の 参 画 を 得 て 3 年 次 か ら 随 時 態 度 ・ 技 能 教 育 を 実 施 し て い る。また、地域の薬剤師をはじめとする医療従事者を講師として招き、具体的な症 例を題材とした授業や医療現場の実際に関する様々な話、現場における製剤上の工 夫等について、本学で行われる複数の講義、演習、実習を通して教育に携わってい た だ い て い る 。「 臨 床 実 務 事 前 実 習 」 を 含 め て 、 約 150 名 の 薬 剤 師 と 約 30 名 の SP の方が年間を通して本学の臨床教育に携わっている。 また、新潟県内の医療保健福祉関係学部を有する大学が連携し、各大学学部の学 生を集め疑似医療チームを作り、患者にとってより良い在宅医療を考える連携教育 セ ミ ナ ー( Interprofessional Education:IPE)を 2009 年 度 か ら 開 始 し た 。実 際 の 患 者 と 医 師 の 了 解 を と り 、 患 者 の 症 例 か ら 考 え ら れ る 問 題 点 を SGD で 抽 出 し ( 初 日 )、病 院 、看 護 及 び 介 護 セ ン タ ー 、リ ハ ビ リ 施 設 、患 者 宅 へ 訪 問 し て 学 生 自 身 が 医 療従事者、看護・介護者、患者本人にインタビューをして必要な情報を集め(2 日 目 )、集 め た 情 報 を も と に SGD を 行 っ て 患 者 に と っ て よ り 良 い 医 療 を 考 え 発 表 す る ( 3 日 目 )形 式 で 進 む も の で あ る 。ト ラ イ ア ル を 兼 ね た 2009 年 度 は 臨 床 現 場 で の 実 習経験がある大学院生から希望者を募り参加させたが、6 年制薬学教育を受けた臨 - 27 - 床 現 場 で の 実 習 経 験 が あ る 学 生 が 輩 出 さ れ る 2010 年 度 か ら は 、 5、 6 年 次 学 生 を 対 象としてセミナー形式で開講する予定である。 [点検・評価] 1.ヒューマニズム及び臨床系薬学教育に、薬剤師をはじめとする医療従事者が積 極的に教育に参加している点は評価できる。学生の教育に携わる医療従事者が多 人数に及ぶ点も特筆に値する。 2.また、医療保健福祉関係学部を有する他大学と協力して学生時代から医療連携 の進め方を実体験として学ぶ連携教育セミナーの開催は、薬学部としては非常に 新しい取組であり特筆に値する。 [改善計画] 現行のカリキュラムを改正する際に連携教育セミナーを選択科目の一つとして単 位化する計画である。また、協力先の関係もあり、連携教育セミナーは限られた数 の 学 生 し か 参 加 で き な い こ と か ら 、virtual patients( 臨 床 教 育 用 仮 想 患 者 )プ ロ グ ラ ム の 開 発 を 行 い 、よ り 実 践 に 即 し た 臨 床 教 育 を 進 め る 必 要 が あ る 。2010 年 度 か ら 学部内組織として立ち上げる「教育連携推進センター」がイニシアティブをとって 開 発 を 行 い 、 2011 年 度 か ら 始 ま る 「 病 態 と 処 方 Ⅰ ~ Ⅴ 」、「 症 例 と 薬 物 治 療 Ⅰ ~ Ⅴ 」 への導入も含めて検討する予定である。 【自己評価の根拠となる資料・データ等例】 講 義 要 項 ( シ ラ バ ス )、 cyber-NUPALS ホ ー ム ペ ー ジ 、( http://cyber.nupals.ac. jp)、 時 間 割 、 臨 床 実 務 事 前 学 習 シ ラ バ ス 、 薬 剤 師 協 力 依 頼 書 、 標 準 模 擬 患 者 ボ ランティア募集案内、標準模擬患者講習会案内、標準模擬患者講習会資料、標準 模 擬 患 者 協 力 依 頼 書 、 連 携 教 育 学 生 セ ミ ナ ー 報 告 書 (2009) - 28 - 基準3-1-3 各ユニットの実施時期が適切に設定されていること。 【観点 3 -1 -3 -1 】 当 該 科 目 と 他 科 目 と の 関 連 性 に 配 慮 し た 編 成 を 行 い , 効 果 的 な 学習ができるよう努めていること。 [現状] 基 準 3-1-2 に 関 す る 現 状 説 明 で も 述 べ た が 、 本 学 で は 1 年 次 に 高 校 の 教 育 内 容 と 大学の教育内容とを繋ぐ高大連携科目、ならびに物理系薬学、化学系薬学、生物系 薬学の各コースのうち基礎を担うユニットを配置しており、学年が進むにつれて各 コースの応用を担うユニットが加わるのと同時に、医療系薬学、臨床系薬学等のコ ースが基礎から順に加わってくる授業構成をとっている。したがって薬学教育モデ ル・コアカリキュラムに記述されている薬学専門教育に関する全ての到達目標を網 羅したユニットは、4 年次前期までの教育で修得するようになっている。さらに 4 年次後期以降では、それまでコースごとに縦割りで修学してきた内容を、関連を見 ながら総合的・統合的に理解するのを助ける「薬学総括演習Ⅰ」及び「薬学総括演 習 Ⅱ 」を 修 学 の 節 目 に 設 け て い る 。 「 臨 床 実 務 実 習 」と「 卒 業 研 究 Ⅱ 」を 並 行 し て 行 う 5 年次には薬学アドバンストコースや薬学に関連する専門の選択科目を配置して おり、6 年次には学生に是非とも修得してほしい薬学アドバンストコースの教科目 を必修科目として設定している。また、これらと並行してヒューマニズム・コミュ ニケーションを培う教育、豊かな人間性を涵養するための人文社会系科目、国際感 覚を養うための語学教育が全学年を通して行われている。 上記の現状をまとめた本学におけるカリキュラム構成を次表に示す。 本学におけるカリキュラム構成 1年次 2年次 3年次 4年次 5年次 物理系薬学 化学系薬学 生物系薬学 健康と環境 薬と疾病 導入教育 連携教育 ヒューマニズム *学年進行とともに基礎(薄色)から応用(濃色)まで - 29 - 6年次 [点検・評価] 1.学習目標の深さによって同じユニットでも複数回授業科目が開講されているこ とは評価できる。各ユニットの開講時期は適切である。 2.薬学アドバンストコースの到達目標が十分に見えていない点に若干の問題があ るが、学年進行とともに解決されるであろう。 [改善計画] 2010 年 度 に は 薬 学 ア ド バ ン ス ト コ ー ス の 到 達 目 標 を 明 示 し 、本 学 に お け る 6 年 制 カリキュラムを完全な形として公開する。 【自己評価の根拠となる資料・データ等例】 学 生 便 覧 、 講 義 要 項 ( シ ラ バ ス )、 時 間 割 、 cyber-NUPALS ホ ー ム ペ ー ジ ( http://cyber.nupals.ac.jp) - 30 - 基準3-1-4 薬剤師として必要な技能,態度を修得するための実習教育が行われていること。 【観点 【観点 3 -1 -4 -1 】 科 学 的 思 考 の 醸 成 に 役 立 つ 技 能 及 び 態 度 を 修 得 す る た め , 実 験 実 習が十分に行われていること。 3 -1 -4 -2 】 実 験 実 習 が , 卒 業 実 習 や 実 務 実 習 の 準 備 と し て 適 切 な 内 容 で あ る こと。 [現状] 実 習 教 育 に 関 し て は 、 1 年 次 に は 「 生 物 学 実 習 」 と 「 物 理 化 学 実 習 」、 2 年 次 に は 「 薬 品 分 析 化 学 実 習 」 と 「 薬 品 化 学 実 習 Ⅰ 」、「 生 薬 学 実 習 」、「 微 生 物 学 実 習 」、「 生 化 学 実 習 」、「 薬 理 学 実 習 」、3 年 次 に は「 薬 品 化 学 実 習 Ⅱ 」と「 薬 剤 学 実 習 」、「 衛 生 化 学 実 習 」、 「 臨 床 化 学 実 習 」、「 調 剤 学 実 習 」、 「 薬 物 治 療 学 実 習 」、4 年 次 に は「 臨 床 実務事前実習」を開講しており、物理系薬学、化学系薬学、生物系薬学、衛生系薬 学 、医 療 系 薬 学 、臨 床 系 薬 学 の 各 分 野 を 網 羅 し て い る 。1、2 年 次 及 び 3 年 次 の 一 部 で行われる実習教育は、計量等を含めた薬剤師としての基本的な技能と科学的思考 の 醸 成 に 役 立 つ 技 能・態 度 の 修 得 を 目 的 に 行 わ れ て お り 、4~ 6 年 次 に 行 わ れ る「 卒 業 研 究 」に つ な が る も の で あ る 。ま た 、3、4 年 次 に 行 わ れ る「 薬 剤 学 実 習 」、「 調 剤 学 実 習 」、「 薬 物 治 療 学 実 習 」、「 臨 床 実 務 事 前 実 習 」 は 薬 剤 師 と し て 必 要 不 可 欠 な 技 能 と 医 療 人 と し て 望 ま し い 態 度 の 修 得 を 目 的 に 行 わ れ て お り 、5 年 次 に 行 わ れ る「 臨 床実務実習」につながるものである。後者の実習教育では、本学部に属する全ての 教員が学生の指導にあたっており、教員は予め講習会に参加して臨床系教員(実務 家)から指導ポイントを教授されてから学生の指導に臨んでいる。さらに、本学で 独自に養成した標準模擬患者や標準患者の助力を得て、臨場感あふれる態度教育を 行 っ て い る 。 さ ら に 、「 臨 床 実 務 事 前 実 習 」 は 4 年 次 前 期 後 半 に 開 講 し て い る が 、 7 月 末 に 修 了 後 も 11~ 12 月 期 及 び 2 月 期 、5 年 次 の 4 月 、7 月 期 に 再 び 短 期 間 の 実 習 を行う機会を設定している。 [点検・評価] 1.大学へ入学してから卒業研究や実務実習が始まるまでの期間に薬学の各分野を 網 羅 し た 、科 学 的 思 考 の 醸 成 に 役 立 つ 実 習 教 育 が 行 わ れ て い る こ と は 評 価 で き る 。 2.標準模擬患者や標準患者を大学独自に養成し、6 年制での態度教育に積極的に 取り入れている点も評価できる。 3.学部をあげて、実務実習につながる薬剤師として必要不可欠な技能と態度に 関する教育を行っている点は他大学にはあまり見られない試みであり、特筆すべ き点である。 - 31 - [改善計画] 「臨床実務事前実習」修了後から「臨床実務実習」に出かけるまでの期間に行わ れ る 短 期 の 実 習 は 単 位 化 さ れ て い な い 。カ リ キ ュ ラ ム 改 正 時 に 考 慮 す る 予 定 で あ る 。 【自己評価の根拠となる資料・データ等例】 学 生 便 覧 、 講 義 要 項 ( シ ラ バ ス )、 cyber-NUPALS ホ ー ム ペ ー ジ ( http://cyber.nupals.ac.jp)、 時 間 割 、 臨 床 実 務 事 前 実 習 シ ラ バ ス 、 薬 剤 師 協 力依頼書、標準模擬患者ボランティア募集案内、標準模擬患者講習会案内、標準 模擬患者講習会資料、標準模擬患者協力依頼書、連携教育学生セミナー報告書 ( 2009) - 32 - 基準3-1-5 学生の学習意欲が高まるような早期体験学習が行われていること。 【観点 【観点 3 -1 -5 -1 】 薬 剤 師 が 活 躍 す る 現 場 な ど を 広 く 見 学 さ せ て い る こ と 。 3 -1 -5 -2 】 学 生 に よ る 発 表 会 , 総 合 討 論 な ど , 学 習 効 果 を 高 め る 工 夫 が な さ れていること。 [現状] 学年に応じて学生の医療に関する知識や医療に対する考え方、さらには修学モテ ィベーションが異なることから、低学年次だけでなく修学年限全般を通して内容や 『重さ』を変え、医療に関する関心を高め、学習意欲が高まるような試みを行って いる。 低学年次に開講される「薬学への招待Ⅰ」及び「薬学への招待Ⅱ」の授業の一環 として、薬剤師や医師をはじめとする医療従事者、治験コーディネーター、医薬品 開発者等の話を聞く機会を設け、講師による発問ののち少人数で討論し、レポート に ま と め て 発 表 す る 機 会 を 設 け て い る 。ま た 、 「 社 会 と 薬 学 の 基 礎 」で は 、現 代 医 療 、 保健、衛生に関する題材を取り上げ、少人数で討論して問題点を抽出し、解決策を 提言する試みを行っている。医療現場を見ただけでは分かりにくいことを掘り下げ て考える機会を与えることによって、学生は医療に対する関心が強まってくるよう である。さらに、小グループに分かれて教員の付き添いのもと、介護老人保健施設 を併設する病院へ行き、病院薬剤部のみならず病院施設全般の見学、薬剤師をはじ めとする医療従事者との懇談、介護老人保健施設の見学と介護体験を行い、学生に よる討論ののち、見学内容の発表と意見交換会を開催している。 中学年では補助教員として実習に助力いただいている薬剤師と実習中に意見交換 する時間を設け、医療現場に関心を持つような試みを行っている。また、薬剤師の 生涯教育をサポートする学内組織である「高度薬剤師教育研究センター」が主催す る講演会への参加を促し、今後の薬剤師の在り方、医療における薬剤師の進むべき 方向性等を考える機会を与え、これらに関する意見をまとめてレポートとして提出 させている。 高学年では、先述の連携教育学生セミナーへの参加を促し、医療従事者予備軍と しての自覚と修学モティベーションの向上を図っている。 [点検・評価] 1.修学年限を通して医療に関する関心を高め、学習意欲が高まるような試みを行 っていることは評価できる。 2.低学年時から地域薬局で医療の実態に触れることは学習意欲の向上につながる と考えられるので、インターンシップとまでは言わないまでも、学生を一定期間 薬 局 に 預 け る 試 み を 始 め て も よ い か も し れ な い 。2010 年 度 か ら 大 学 近 隣 の み な ら ず 市 内 の 多 く の 薬 局 で 5 年 生 が 実 習 し て い る こ と か ら 、本 学 5 年 生 が 実 習 し て い - 33 - る薬局に低学年の学生を派遣すれば、実習生が低学年の学生に説明しながら自ら も学ぶようなビッグ・ブラザー制度が確立でき、より効率的・効果的な教育が行 えるようになるであろう。 [改善計画] ビ ッ グ ・ ブ ラ ザ ー 制 度 を 利 用 し た 早 期 体 験 学 習 の 確 立 に 向 け て 2010 年 度 に ト ラ イ ア ル を 行 い 、 2011 年 度 か ら 本 格 的 に 進 め る 。 【自己評価の根拠となる資料・データ等例】 講 義 要 項 ( シ ラ バ ス )、 cyber-NUPALS ホ ー ム ペ ー ジ ( http://cyber.nupals.ac.jp) ,介 護 老 人 保 健 施 設 見 学 会 報 告 書 - 34 - (3-2)大学独自の薬学専門教育の内容 基準3-2-1 大学独自の薬学専門教育の内容が,理念と目標に基づいてカリキュラムに適確に 含まれていること。 【観点 【観点 【観点 3 -2 -1 -1 】 大 学 独 自 の 薬 学 専 門 教 育 と し て , 薬 学 教 育 モ デ ル ・ コ ア カ リ キ ュ ラム及び実務実習モデル・コアカリキュラム以外の内容がカリキ ュラムに含まれていること。 3 -2 -1 -2 】 大 学 独 自 の 薬 学 専 門 教 育 内 容 が , 科 目 あ る い は 科 目 の 一 部 と し て 構成されており,シラバス等に示されていること。 3 -2 -1 -3 】 学 生 の ニ ー ズ に 応 じ て , 大 学 独 自 の 薬 学 専 門 教 育 の 時 間 割 編 成 が 選択可能な構成になっているなど配慮されていることが望まし い。 [現状] 本学は新潟という地方中核都市にあり、本学に進学する学生の多くが県内出身者 であることから、地方における医療の担い手を育成するという社会的使命を背負っ ている。地方都市での「地域医療」において薬剤師に求められる職能には、プライ マリー・ケアやセルフ・メディケーション、在宅チーム医療に関する業務が重要な 位置を占めていることから、プライマリー・ケアにつながる「食」と「健康」に関 する授業や在宅チーム医療につながるフィジカル・アセスメント並びに医療連携に 関 す る 授 業 を 配 置 し て い る 。「 疾 患 と 栄 養 」、「 保 健 機 能 食 品 の 科 学 」、「 栄 養 科 学 」、 「 食 品 衛 生 学 」、「 食 品 安 全 学 」、「 食 料 ・ 食 品 資 源 学 」、「 新 薬 の 開 発 と 一 般 薬 」 等 の 選択科目が前者にあたり、 「 コ メ デ ィ カ ル の 役 割 」や「 臨 床 実 務 事 前 実 習 」中 に 組 込 んだフィジカル・アセスメントや救急救命に関する講義と実習等の必修科目、介護 老人保健施設での介護体験や連携教育セミナー等が後者にあたる。さらに、薬剤師 としてのより深い知識の修得を目指した「疾患と薬物治療Ⅰ~Ⅳ」の講義や、問題 立 脚 型 少 人 数 討 論 に よ っ て 進 め る「 病 態 と 処 方 Ⅰ ~ Ⅴ 」や「 症 例 と 薬 物 治 療 Ⅰ ~ Ⅴ 」 の授業は、在宅チーム医療において活躍し得る薬剤師の育成を目指して開講してい る も の で あ る 。ま た 、 「 臨 床 実 務 実 習 」に お い て 経 験 し た 様 々 な 事 例 を も と に 、さ ら に 深 い レ ベ ル で 科 学 と 医 薬 品 や 医 療 の 接 点 を 学 ぶ 「 物 理 化 学 か ら 見 た 薬 」、「 有 機 化 学 か ら 見 た 薬 」、「 生 命 体 と 薬 」、「 予 防 薬 学 と 社 会 薬 学 」、「 最 新 薬 理 学 」、「 副 作 用 ・ 相 互 作 用 」、「 最 新 薬 剤 学 」、「 疾 患 と 漢 方 薬 」 等 の 授 業 を 開 講 し て い る 。 [点検・評価] 1 . 地 方 に お け る 「地 域 医 療 」に 重 点 を 置 い た 薬 学 専 門 教 育 は 今 後 の 医 療 の 動 向 と 地 方大学としての特色を兼ね備えており評価できる。開講年度になっていないこと から講義要項(シラバス)に仔細が記載されてないものも見られるが、学年進行 とともに解決される問題である。 - 35 - [改善計画] 全 て の 授 業 が 開 講 さ れ る 2011 年 度 に は 、6 年 間 を 通 し た 講 義 要 項( シ ラ バ ス )と して整備する。また、単位化されていない介護老人保健施設での介護体験や連携教 育学生セミナーに関しては、近々行うカリキュラム改正時に単位化を検討する。 【自己評価の根拠となる資料・データ等例】 学 生 便 覧 、 講 義 要 項 ( シ ラ バ ス )、 介 護 老 人 保 健 施 設 見 学 会 報 告 書 、 連 携 教 育 学 生 セ ミ ナ ー 報 告 書 ( 2009) - 36 - (3-3)薬学教育の実施に向けた準備 基準3-3-1 学生の学力を,薬学教育を効果的に履修できるレベルまで向上させるための教育 プログラムが適切に準備されていること。 【観点 【観点 3 -3 -1 -1 】 個 々 の 学 生 の 入 学 ま で の 履 修 状 況 等 を 考 慮 し た 教 育 プ ロ グ ラ ム が 適切に準備されていること。 3 -3 -1 -2 】 観 点 3 -3 -1 -1 に お け る 授 業 科 目 の 開 講 時 期 と 対 応 す る 専 門 科 目の開講時期が連動していること。 [現状] 本 学 で は 1 年 次 に 高 校 の 教 育 内 容 と 大 学 の 教 育 内 容 と を 繋 ぐ 高 大 連 携 科 目 、な ら びに物理系薬学、化学系薬学、生物系薬学の各コースのうち基礎を担うユニットを 配置しており、学年が進むにつれて各コースの応用を担うユニットが加わるのと同 時に衛生系薬学、医療系薬学、臨床系薬学等のコースが基礎から順に加わってくる 授業構成をとっている。しかし、受験の多様化と受験生の学力低下に伴い、一回だ け開講される授業を受講するだけでは、高大連携科目であるはずの「薬学の基礎物 理 」や「 原 子 や 分 子 の 構 造 」、 「 有 機 分 子 の 構 造 Ⅰ 」、 「 細 胞 の 構 造 と 機 能 」、 「微積分・ 統 計 Ⅰ 」の 修 得 が 困 難 な 学 生 が 見 受 け ら れ る よ う に な っ た 。そ こ で 、 「薬学の基礎生 物 」、「 薬 学 の 基 礎 数 学 」 を 選 択 科 目 と し て 配 置 し た ほ か 、 自 由 科 目 と し て 「 基 礎 化 学 演 習 」、「 基 礎 物 理 演 習 」、「 基 礎 生 物 演 習 」「 基 礎 数 学 演 習 」 を 1 年 次 前 期 に 開 講 している。これらの自由科目は単位取得には直結していないが、授業開始直後に行 う学力試験において、高大連携科目や薬学基礎系科目の担当教員から学力不足と判 断された学生は受講を指定されている。 また、 「 細 胞 の 構 造 と 機 能 」や「 体 の 構 造 と 機 能 Ⅰ 」、 「 有 機 分 子 の 構 造 Ⅰ 」、 「官能 基 の 性 質 Ⅰ 」の よ う に 、1、2 年 次 開 講 科 目 の 幾 つ か は 夏 期 集 中 講 義 期 間 を 利 用 し て 再 度 授 業 を 行 っ た り 、あ る い は 、講 義 と 演 習 と い う よ う に 学 習 方 略 を 変 え て 開 講 し 、 学生の学力不足による単位未修得をフォローするように努めている。 [点検・評価] 1 .薬 学 教 育 を 効 果 的 に 履 修 で き る レ ベ ル に ま で 向 上 さ せ る プ ロ グ ラ ム が 1 年 次 前 期に設定されていることは評価できる。 2.さらに、幾つかの授業に関しては複数回の受講が可能な点や、学習方略を変え て複数回開講されている点等、学生の学力向上に向けた積極的な取組も評価でき る。 3.昨今の入学生の学力状況を見ていると、これまで行ってきた取組では不十分と 思われるような中高学年での学力不足の学生が増加傾向にある。薬学教育研究セ ンターが主導して、こうした学生の学力向上を目指したプログラムを立案し、運 - 37 - 用する必要がある。 [改善計画] 委 員 会 組 織 の 改 編 が 行 わ れ る 2010 年 度 に は 、 学 生 の 基 礎 学 力 向 上 に 向 け た 取 組 を 薬 学 教 育 研 究 セ ン タ ー に お い て 立 案 し 、 2011 年 度 か ら 運 用 す る 。 【自己評価の根拠となる資料・データ等例】 学 生 便 覧 、 講 義 要 項 ( シ ラ バ ス )、 時 間 割 - 38 - 4 実務実習 (4-1)実務実習事前学習 基準4-1-1 教育目標が実務実習モデル・コアカリキュラムに適合し,実務実習事前学習が適 切に行われていること。 [現状] 本学の実務実習事前学習は 4 年次前期の「臨床実務事前実習」で実施するが、こ の科目では実務実習モデル・コアカリキュラムに掲げられた「卒業後に医療に参画 で き る よ う に な る た め に 、病 院・薬 局 実 務 実 習 に 先 立 っ て 、大 学 内 で 調 剤 及 び 製 剤 、 服薬指導等の薬剤師業務に必要な基本的知識・技能・態度を修得する」とした教育 目標をもとに、本学の教育目標の一つである「地域医療の担い手」としての薬剤師 育成を目指したカリキュラム内容としている。 実務実習事前実習のカリキュラムは、実務家教員で構成される臨床薬学研究室が 中 心 と な っ て 作 成 し た が 、学 習 の 流 れ や 学 習 効 率 、及 び 薬 剤 師 業 務 の 流 れ を 考 慮 し 、 実 務 実 習 モ デ ル・コ ア カ リ キ ュ ラ ム を 一 部 修 正 し て 以 下 の よ う な 項 目 の 順 序 と し た 。 1.事前学習を始めるにあたって 2.医療制度と薬剤師 <医療倫理とコミュニケーション> <医薬分業、処方の流れ、チーム医療> 3.患者・来局者応対 4.薬剤の調製 5.注射剤、無菌操作 6.医薬品管理、リスクマネージメント、調剤監査 7.医薬品情報、疑義照会、投与設計 8.服薬指導、薬剤交付 <疾患と薬剤、服薬指導・薬剤交付> 9.総括 以上の各項目に、 「 地 域 医 療 の 担 い 手 」の 育 成 を 意 識 し た 以 下 の よ う な 本 学 独 自 の SBOs を 、 学 習 効 率 を 考 慮 し つ つ 随 所 に 加 え た 。 ① チーム医療における専門薬剤師の役割と実際について説明できる ② バ イ タ ル サ イ ン の 取 り 方 、 心 肺 蘇 生 ( AED、 心 臓 マ ッ サ ー ジ 、 人 工 呼 吸 等 ) をシミュレートできる ③ 持参薬を鑑別し、その医薬品について効能・効果、用法、用量、警告、禁忌、 副作用を列挙できる ④ 医 薬 品 添 付 文 書 、イ ン タ ビ ュ ー フ ォ ー ム 、緊 急 安 全 性 情 報 等 の 医 薬 品 情 報 が 利 用できる ⑤ TDM デ ー タ 解 析 と TDM を 利 用 し た 用 量 設 定 が で き る ⑥ 代表的な疾患と治療薬を説明できる ⑦ 障害者疑似不自由体験をする - 39 - ⑧ 医療用器具(インスリン注射器、吸入補助器等)の取扱いができる ⑨ 薬局、ドラッグストアでの健康相談についてシミュレートできる これらは何れも地域医療を担う薬剤師として重要な業務であると本学が認識して いるものであり、 「 在 宅 医 療 」を 視 野 に 入 れ た 救 急 救 命 や フ ィ ジ カ ル・ア セ ス メ ン ト に関する教育の充実、医療用具の取扱いや不自由体験、及びドラッグストア業務等 地域における「健康相談者」としての薬剤師を意識させる内容となっている。さら に、地域医療の中核を担い得るような「高度な専門性」をもつ薬剤師の養成に不可 欠 で あ る と 本 学 が 捉 え て い る 内 容 も 含 ん で い る 。 な お 、 こ れ ら の 本 学 独 自 の SBOs は臨床実務事前実習の 3 割程度の比率となっている。また、最先端の医療事情・医 療 情 報 を も と に し た 教 育 を 進 め て い く と の 観 点 か ら 、 臨 床 実 務 事 前 実 習 の SBOs の 設 定 、 及 び 実 施 の 上 で 多 数 の 現 役 薬 剤 師 の 助 力 を 得 て い る ( 基 準 4-1-3 参 照 )。 [点検・評価] 1.本学の臨床実務事前実習は、実務実習モデル・コアカリキュラムの教育目標に 適合したものであり、かつ本学の教育目標の一つである「地域医療の担い手」と しての薬剤師育成を目指したカリキュラム内容となっている。 2 . 実 務 実 習 モ デ ル ・ コ ア カ リ キ ュ ラ ム に 加 え 、「 在 宅 医 療 」 や 「 健 康 相 談 者 」 と し て の 薬 剤 師 、さ ら に は 「高 度 な 専 門 性 を 持 つ 」薬 剤 師 と な る こ と を 強 く 意 識 さ せ る た め に 、 本 学 独 自 の SBOs を 約 30%加 え た カ リ キ ュ ラ ム 内 容 と し た 。 ま た 、 学 生 が 理解しやすい流れにカリキュラムを再編していることは評価できる。 3 .私 学 で あ る こ と か ら 臨 床 実 務 事 前 実 習 を 大 人 数 で 実 施 せ ざ る を 得 な い が 、SGD、 実 習 に 関 し て は 学 生 の 空 き 時 間 を 少 な く す る 等 の 方 略 上 の 工 夫 が 必 要 で あ り 、コ マ 数の削減や学習時間の有効利用を図る必要がある。 4 .実 務 実 務 事 前 実 習 後 に 学 生 及 び 指 導 教 員 へ の ア ン ケ ー ト を 実 施 し た 。学 生 か ら は 、 概ね満足の行くカリキュラムであったとの意見が多く寄せられた。 5 .初 年 度 で あ る 2009 年 は 、4 年 生 161 名 が 参 加 し て 5 月 25 日 ~ 7 月 16 日 の 期 間 で臨床実務事前実習を実施した。4.で述べた学生からのアンケート結果からも 2009 年 度 の 臨 床 実 務 事 前 実 習 は 適 切 に 実 施 さ れ た と 判 断 す る 。 [改善計画] 1 .2009 年 度 の 臨 床 実 務 事 前 実 習 に つ い て 、臨 床 実 務 教 育 委 員 会 で は 綿 密 な 検 証 を 行 っ て い る 。 そ こ か ら 抽 出 さ れ た 反 省 点 は 、 2010 年 度 に 向 け て 改 善 し て い く 。 2.カリキュラムの大筋はモデル・コアカリキュラムに沿ったものであるが、本学 独 自 の SBOs も 多 数 加 え て い る 。 さ ら に 在 宅 医 療 や 他 の 医 療 従 事 者 と の 連 携 の 中 心 的 な 存 在 と な れ る よ う な「 地 域 医 療 の 担 い 手 」と し て の 薬 剤 師 育 成 を 目 指 し て 、 カリキュラム内容を充実させていく。同時に、初年度で抽出された問題点の検証 と方略の効率化を図る。 【自己評価の根拠となる資料・データ等例】 臨床実務事前実習シラバス、臨床実務事前実習ノート - 40 - 基準4-1-2 学習方法,時間,場所等が実務実習モデル・コアカリキュラムに基づいて設定さ れていること。 [現状] 本 学 の 実 務 実 習 事 前 学 習 に あ た る「 臨 床 実 務 事 前 実 習 」の 方 略 を 作 成 す る 際 に は 、 臨床薬学研究室の実務家教員及び臨床実務教育委員会を中心に、本学の教育目標で あ る「 地 方 都 市 で の『 地 域 医 療 の 担 い 手 』」の 育 成 を 念 頭 に 置 い た GIO・SBOs の 設 定を現役薬剤師の助力を得つつ進め、次いでこれらの到達目標に達するための効果 的な学習方法を設定する、という手順で作業を行った。完成した臨床実務事前実習 の カ リ キ ュ ラ ム は 薬 学 会 の 実 務 実 習 モ デ ル ・ コ ア カ リ キ ュ ラ ム の SBOs を 全 て 含 ん で お り 、 ま た 本 学 独 自 の SBOs を 3 割 程 度 含 ん だ 内 容 と な っ て い る ( 基 準 4-1-1 参 照 )。 方 略 ( 学 習 方 法 、 時 間 ) に つ い て は 、 本 学 独 自 の SBOs を 多 く 組 み 込 ん だ こ と 、 また学習効率・薬剤師業務の流れを考慮してカリキュラムを再編成したことから、 実 務 実 習 モ デ ル ・ コ ア カ リ キ ュ ラ ム の 学 習 順 序 と は 一 部 異 な っ て い る ( 基 準 4-1-1 参 照 )。学 習 方 略 を 設 定 す る 上 で は 、学 生 の 学 習 効 率 を 考 慮 し 、で き る 限 り 講 義 → 演 習 ( SGD) → 実 習 と い う 流 れ で 各 項 目 を 学 習 で き る よ う に 配 慮 し た 。 な お 、 カ リ キ ュ ラ ム の 全 コ マ 数 に 対 す る 学 習 方 法 の 時 間 比 率 は 、講 義 26%、演 習( SGD)15%、実 習 59%で あ り 、 実 務 実 習 モ デ ル ・ コ ア カ リ キ ュ ラ ム の 学 習 方 法 、時 間 、 場 所 等 に つ いて十分に反映されているものと考えている。また、学習効率の向上のため、薬学 部 の ほ ぼ 全 教 員 、及 び 多 数 の 現 役 薬 剤 師 の 参 加 を 得 て お り 、総 勢 160 人 程 度 の 指 導 者により細部にまで行き渡った指導が出来る体制を整えている。加えて、本学で養 成 し た 一 般 ボ ラ ン テ ィ ア に よ る 標 準 患 者( SP)に も 助 力 ・ 参 加 を 依 頼 し 、臨 場 感 あ ふ れ る 態 度 教 育 の 実 施 に 努 め て い る ( 基 準 4-1-3 参 照 )。 臨床実務事前実習の実施に際し、既存の実習室の改修、及び臨床新棟の新設を行 う こ と で 、 専 用 の 器 具 を 必 要 と す る 調 剤 実 習 室 の 拡 充 、 及 び SGD を 行 え る 大 講 義 室 を 設 置 し て 施 設 ・ 設 備 面 で の 充 実 を 図 り 、 200 名 前 後 の 学 生 が 同 時 に 臨 床 実 務 事 前 実 習を 遂行 で きる 体制 を 整え た。た だ し 、調 剤 実習 等の 設 備の 関係 上 1 学 年全 員 を一度で実施することができない項目については、1 学年を 2 クラスに分けて実施 す る な ど し て 対 応 し て い る 。 ま た 、 200 名 を 大 き く 超 え る 学 年 に つ い て も 、 ク ラ ス 分けの細分化や実習項目のローテーションの工夫をして対応している。 [点検・評価] 1.本学の臨床実務事前実習の方略は、薬学会が提示している事前学習モデル・コ アカリキュラムに基づいて設定されている。 2 .臨 床 実 務 事 前 実 習 終 了 後 の 学 生 か ら の ア ン ケ ー ト 回 答 に 、一 部 の 学 生 か ら SGD - 41 - が多過ぎるというものがあった。 3.散剤、水剤、注射薬混合等を行う調剤実習室は、設備の関係から他の実習室で の 代 替 が 不 可 能 で あ り 、ま た 収 容 人 数 に も 制 限 が あ る 。2009 年 度 の 臨 床 実 務 事 前 実 習 では 、1 学 年を 2 グ ル ープ に分 け 、グルー プ 間で これ ら の実 習項 目 のロ ーテ ーションを行って可能な限り対応したが、一部片方のグループが休みとなる日が できてしまった。今後は他の実習項目とのローテーションも考慮に入れるなど、 方略を再検討して一層の効率化を図る必要がある。 3 .2009 年 度 の 臨 床 実 務 事 前 実 習 で は 学 内 の 講 義 室 及 び 実 習 室 を 使 用 し た が 、模 擬 薬局や模擬病室についてはスペースの都合上使用を見合わせた。しかしながら、 患者・来局者応対や服薬指導・薬剤交付等の項目に対して、臨場感を持たせるた めにこうした施設の使用を考慮する必要がある。 [改善計画] 1 . 本 学 の 調 剤 実 習 室 で は 最 大 12 レ ー ン で の 同 時 実 習 が 可 能 な 設 計 と し て い る が 、 そ れ で も 全 員 を 一 度 に 実 習 さ せ る こ と は 不 可 能 で あ る 。グ ル ー プ の 分 け 方 や 他 の 実 習 項 目 と の ロ ー テ ー シ ョ ン を 再 考 す る こ と で 、さ ら に 効 率 的 に 実 習 が 進 め ら れ る 組 合 せ を 検 討 す る 。同 時 に 、学 内 に 設 置 さ れ て い る 模 擬 薬 局 、模 擬 病 室 を 積 極 的 に 利 用 し 、よ り 現 場 に 近 い 環 境 で 来 局 者 応 対 や 病 棟 で の 患 者 へ の 服 薬 指 導 等 を 行 う よ う な臨場感がある実習を行うように努める。 2 . 2009 年 度 は 臨 床 実 務 事 前 実 習 の 講 義 を B-303 講 義 室 で 行 っ た が 、 後 方 の 席 か ら は ス ク リ ー ン が 見 づ ら い と い う 指 摘 が あ っ た 。来 年 度 は 、2009 年 10 月 に 完 成 し た 臨 床 薬 学 棟 ( C 棟 ) 地 下 の 臨 床 大 講 義 室 と B-303 講 義 室 を 併 用 し て 、 講 義 ・ 演 習 ( SGD) を 行 う 予 定 で あ る 。 【自己評価の根拠となる資料・データ等例】 臨床実務事前実習シラバス、臨床実務事前実習ノート - 42 - 基準4-1-3 実務実習事前学習に関わる指導者が,適切な構成と十分な数であること。 [現状] 「 臨 床実 務事 前 実習 」の 指 導教 員に つ いて は、臨 床 薬学研 究 室の 実務 家 教員 3 名 と 医 療 系 研 究 室 の 教 員 8 名( う ち 実 務 経 験 の あ る 教 員 5 名 (医 師 1 名 を 含 む ))が 中 心 と な っ た 。 ま た 、 OSCE 評 価 者 と し て の ス キ ル 向 上 を 兼 ね て 、 基 礎 系 及 び 教 養 系 の教員も臨床実務事前実習の一部を担当した。さらに、臨床実務事前実習の内容が 医療現場に即したものであることから、実際に病院・薬局等の医療機関で薬剤師業 務 に 携 わ っ て い る 薬 剤 師 に 臨 床 実 務 事 前 実 習 へ の 参 加 を 依 頼 し 、 112 名 を 非 常 勤 教 員 ( 臨 床 講 師 ) と し て 任 用 し た 。 112 名 の 内 訳 は 、 病 院 勤 務 者 32 名 、 薬 局 勤 務 者 71 名 、そ の 他 9 名 で あ っ た 。な お 、臨 床 講 師 の ほ と ん ど が 実 務 実 習 指 導 薬 剤 師 と し て の 認 定 を 受 け て お り 、か つ OSCE に も 評 価 者 と し て 参 加 し て い た だ い て い る 。こ れらの臨床講師には、医療現場に即した「生の」技術・知見・態度を学生に体感さ せ る 目 的 で 、延 べ 242 回 に 渡 り 講 義 ・ SGD・ 実 習 の 担 当 を 依 頼 し た 。臨 床 実 務 事 前 実 習 の 実 施 時 に は 、上 述 の 総 勢 160 人 程 度 の 学 内 外 の 指 導 教 員 を 、学 習 効 率 や OSCE で の 担 当 分 野 を 考 慮 し て 各 項 目 に 割 振 り 、そ れ ぞ れ 各 項 目 の 総 括 責 任 者( 本 学 教 員 ) の指示のもと、分担して実際の指導にあたっている。 また、患者・来局者応対や服薬指導といった実習時には、本学で養成してきた標 準 模 擬 患 者 ( SP) に も 参 加 を 依 頼 し た 。 SP に は 、 標 準 模 擬 患 者 と し て の 役 割 に 加 えて、学生に対する「患者の視点」からのフィードバック等の教員や現場の薬剤師 が見落としがちな内容についての指摘も依頼し、学生指導に大きく貢献していただ いた。 以 上 の 様 に 本 学 で は 、大 学 教 員 の み な ら ず 学 外 の 現 役 薬 剤 師 及 び SP の 参 加 を 得 る こ と で 、医 療 現 場 の 現 状 を 反 映 し た 臨 場 感 に 溢 れ た 実 習 を 適 切 に 実 施 し て お り 、か つ 多数の指導教員の参加によりきめ細やかな学生指導を行うことの出来る体制を整え ている。 [点検・評価] 1 . 初 年 度 で も あ り 、 112 名 と い う 大 人 数 の 学 外 臨 床 講 師 を 任 用 す る こ と で 臨 床 実 務 事 前 実 習 を 終 了 し た 。学 外 か ら 参 加 し た 薬 剤 師 は ほ と ん ど が 本 学 の OSCE ト ラ イ ア ル の 評 価 者 と し て OSCE 評 価 者 伝 達 講 習 会 に 参 加 し て お り 、実 務 実 習 の 受 入 施設の指導薬剤師でもある。臨床実務事前実習に携わることによって、大学での 学習内容の理解が深まると同時に、実務実習での指導ポイントの理解及び学内教 員との打合せも兼ねており、意義があるものと評価している。 2 .学 内 の ほ ぼ 全 教 員 が 臨 床 実 務 事 前 実 習 に 指 導 者 と し て 参 加 し た 。特 に 基 礎 系・教 養 系 の 教 員 は OSCE で 評 価 を 担 当 す る 部 分 の 実 習 の 指 導 に 参 加 し て お り 、 OSCE - 43 - 評 価 者 と し て の ス キ ル ア ッ プ 講 習 及 び 実 務 教 育 に 携 わ る 教 員 と し て の FD に も 効 果的であったと考えている。 3 .患 者 ・ 来 局 者 応 対 や 服 薬 指 導 で は SP に 参 加 を 依 頼 し た 。OSCE で は 行 わ な い フ ィードバックを学生に行ったことで、緊張感を伴う充実した実習となった。 4 .学 内 教 員 だ け で な く 、学 外 の 薬 剤 師 や SP が 多 数 参 加 し た こ と で 、医 療 現 場 の 臨 場 感 が 伴 っ た 実 習 と な り 、学 生 に は 大 き な イ ン パ ク ト を 与 え ら れ た と 判 断 し て い る 。 [改善計画] 1 .2010 年 2 月 に 実 務 家 教 員( 助 教 )2 名 が 新 た に 着 任 し た こ と か ら 、来 年 度 は 臨 床薬学研究室の教員が 5 名となり、業務負担は幾分軽減できよう。しかし、臨床 実務事前実習の時期が病院・薬局実務実習の第 I 期と重なることから、実務家教 員をさらに数名増員する必要がある。 2 .2010 年 度 も 学 外 の 薬 剤 師 を 非 常 勤 臨 床 教 員 と し て 任 用 す る こ と 、及 び 医 療 系 だ けでなく学内全教員の協力体制を継続していくことは必要である。 3 . 2009 年 度 (161 名 )と 比 べ て 、 2010 年 度 は 学 生 数 が 約 240 名 と 多 く な る が 、 臨 床実務事前実習の内容と方略を精査することで、学外の臨床講師の数をスリム化 することは可能であると考えている。 4.臨床実務事前実習後に行った学生へのアンケートの結果を見ると、学外臨床講 師の参加は非常に好評であった。学外臨床講師の臨床実務事前実習への参加は、 大学と医療現場との接点となるだけでなく、実務実習での連携体制の構築にも意 義があることから、今後も継続して任用していく。 【自己評価の根拠となる資料・データ等例】 臨 床 実 務 事 前 実 習 シ ラ バ ス 、臨 床 実 務 事 前 実 習 ノ ー ト 、臨 床 実 務 事 前 実 習 指 導 者 名 簿 、 臨 床 実 務 事 前 実 習 参 加 SP 名 簿 - 44 - 基準4-1-4 実施時期が適切に設定されていること。 【観点 【観点 4 -1 -4 -1 】実 務 実 習 に お け る 学 習 効 果 が 高 め ら れ る 時 期 に 設 定 さ れ て い る こ と。 4 -1 -4 -2 】実 務 実 習 の 開 始 と 実 務 実 習 事 前 学 習 の 終 了 が 離 れ る 場 合 に は ,実 務実習の直前に実務実習事前学習の到達度が確認されているこ とが望ましい。 [現状] 本学では実務実習に関連する実習として、①3 年次の 4 月上旬に約 1 週間の日程 で 調 剤 及 び 患 者 と の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン を 中 心 と し た 臨 床 実 習 と 、② 3 年 次 の 10 月 期の臨床薬剤学実習及び臨床薬理学実習の中で患者応対や服薬指導等のコミュニケ ーション実習を組んでいる。こうした実習では基礎系・教養系の教員を含めた全教 員が参加して、散剤、水剤、無菌製剤等の調剤実習とコミュニケーションや態度教 育を指導しており、6 年制教育後半に向けて薬剤師としての現場業務を体験する実 習 と 位置 づけ て いる 。こ う した 3 年 次 での 下準 備 とと もに 、薬 学教育 の 基礎 に関 す る 全 て の 講 義 と 実 習 を 終 え た 後 に 4 年 次 で 臨 床 実 務 事 前 実 習 に 臨 む こ と と な る 。し たがって、臨床実務事前実習の内容が薬学基礎教育を基盤として成り立っているこ とを学生に意識させながら、実務実習に必要な医療人としての知識・技能・態度の 教育を行うことができる。 上記のような準備教育を行った上で、4 年次前期の 5 月下旬~7 月上旬に「臨床 実務事前実習」を開講している。この科目では、実務実習モデル・コアカリキュラ ム に 沿 っ た 内 容 の 他 、 基 準 4-1-1 に 記 載 し た 内 容 に つ い て 全 教 員 及 び 学 外 か ら の 薬 剤 師 の 参 画 を 得 て 実 施 す る 。次 い で 、4 年 次 の 12 月 に 約 2 週 間 を か け て 調 剤 技 能 と 態 度 教 育 の 復 習 を 行 う 。さ ら に 実 務 実 習 の 始 ま る 5 年 次 4 月 と 7 月 に は 、実 務 実 習 に向けて医療人としての心構えを再確認するための集中講義とともに、 「実務実習直 前トレーニング」を実施して臨床実務事前実習で学習した技能・態度の到達度を確 認することとしている。本学ではこのように少しずつ期間をおいて復習の機会を複 数回設けることで、薬剤師として求められる知識・技能・態度を効率的に身に付け られるような実習時期を設定している。 以上の反復実習に加え、調剤や患者応対・服薬指導といった薬剤師業務の流れに ついて、インターネット上で確認できる本学独自の動画配信システムを開発してお り( 新 潟 薬 科 大 学 臨 床 実 務 実 習 メ デ ィ ア テ キ ス ト )、映 像 に よ り 学 生 が 実 習 内 容 に つ いて随時復習できるように便宜を図っている。 [点検・評価] 1.本学の臨床実務事前実習は、3 年次での事前学習・実務実習に対する下準備、 及び薬学教育の基礎に関する全ての講義と実習を終えた後の「4 年次の 5 月下旬 ~7 月上旬」に設定している。また、3年次での臨床実習・コミュニケーション - 45 - 実習、4年次の臨床実務事前実習、5年次の実務実習直前トレーニングと継続的 に複数回の実習を行うことで、実務実習に必要な「医療人としての知識・技能・ 態度」を効果的に身に付けさせるような教育プログラムを構築している。以上の 観点から、本学での臨床実務事前実習の開講時期は適切に設定されていると判断 している。 2.臨床実務事前実習を終えた後にも、技能・態度の復習・確認を学生自身が随時 行える「臨床実務教育動画配信システム」を大学独自で開発しており、実務実習 時にも使用ができることから高く評価できる。 [改善計画] 1.動画配信システム等の臨床実務事前実習後のフォローアップを充実させること で、さらに効果的に学習・復習ができるようにしていく。 2.5 年次 4 月期及び 7 月期の実務実習の直前に実施する「実務実習直前トレーニ ング」は、4 年生の臨床実務事前実習と重なる時期があるので、実務系教員の負 担が大きくなるが、効率的に実施できるように検討する。 【自己評価の根拠となる資料・データ等例】 4 月 期 の 臨 床 実 習 資 料 、10 月 期 の 臨 床 薬 剤 学 実 習 及 び 臨 床 薬 理 学 実 習 資 料 、臨 床 実 務 事 前 実 習 シ ラ バ ス 、臨 床 実 務 事 前 実 習 ノ ー ト 、新 潟 薬 科 大 学 臨 床 実 務 実 習 メ デ ィ ア テ キ ス ト ( プ リ ン ト 版 )、 学 年 暦 、 学 生 便 覧 - 46 - (4-2)薬学共用試験 基準4-2-1 実 務 実 習 を 履 修 す る 全 て の 学 生 が 薬 学 共 用 試 験( CBTお よ び OSCE)を 通 じ て 実 務 実 習を行うために必要な一定水準の能力に達していることが確認されていること。 [現状] 従来の4年制教育の中での実務実習とは異なり、6 年制教育での長期実務実習は 参加型の実務実習であることが謳われている。したがって、病院・薬局等の医療施 設 に お い て 指 導 薬 剤 師 の も と で 参 加 型 の 実 習 を 行 う た め に は 、従 来 の 4 年 制 薬 学 教 育での実務実習履修者以上の知識・技能・態度を兼ね備えた学生を実務実習の受講 対象者としたいと考えている。このことから本学の 6 年制カリキュラムでは、4 年 次までの修学内容が 4 年制教育下での卒業要件と重なるように設定されており、4 年 次 か ら 5 年 次 へ の 進 級 要 件 は「 全 て の 必 修 単 位 を 修 得 し て い る こ と 」と し て い る 。 4 年次での「臨床実務事前実習」及び「薬学総括演習」はそれぞれ正規の授業と し て 単位 化さ れ てお り、試 験 によっ て 単位 認定 さ れる 。こ の 2 科 目を 含 めた 必修 単 位を全て修得していることが 5 年次への進級要件であることから、5 年次で実務実 習を履修する学生の学力水準は本学の履修課程の中で確認されている。 も ち ろ ん 5 年 次 で 履 修 す る 長 期 の 病 院 ・ 薬 局 実 務 実 習 に は 、 薬 学 共 用 試 験 ( CBT 及 び OSCE) に 合 格 し て い る こ と が 必 須 で あ る 。 本 学 で は 2010 年 度 に 147 名 の 学 生 が 実 務 実 習 を 履 修 す る が 、 全 員 CBT と OSCE の 二 つ の 共 用 試 験 の 合 格 基 準 を ク リ ア し た 学 生 で あ り( 基 準 4-2-3 を 参 照 )、共 用 試 験 と と も に 学 内 の 履 修 課 程 の 中 で 、 実務実習を行うために必要な知識・技能・態度について一定水準の能力に達してい ることが確認された学生である。 [点検・評価] 5 年次に実務実習を履修する全ての学生は、学内の 5 年次進級要件を満たしてい るととともに、薬学共用試験の合格基準をクリアしており、実務実習を行うために 必要な知識・技能・態度について一定水準の能力に達していることが確認されてい る。 [改善計画] 本 学 の 進 級 基 準 で も 、薬 学 共 用 試 験( CBT 及 び OSCE)に 合 格 し な い 限 り 5 年 次 での病院・薬局実務実習を履修することはできない。共用試験初年度であったが、 この原則は厳格に遵守されており問題はない。 - 47 - 【自己評価の根拠となる資料・データ等例】 進級判定資料、本学ホームページに公開した薬学共用試験結果 - 48 - 基準4-2-2 薬 学 共 用 試 験 ( CBTお よ び OSCE) を 適 正 に 行 う 体 制 が 整 備 さ れ て い る こ と 。 【観点 4 -2 -2 -1 】 薬 学 共 用 試 験 セ ン タ ー の 「 実 施 要 綱 」( 仮 ) に 沿 っ て 行 わ れ て い ること。 【観点 【観点 4 -2 -2 -2 】 学 内 の CBT委 員 会 お よ び OSCE委 員 会 が 整 備 さ れ , 機 能 し て い る こ と。 4 -2 -2 -3 】 CBTお よ び OSCEを 適 切 に 行 え る よ う , 学 内 の 施 設 と 設 備 が 充 実 し ていること。 [現状] 薬学共用試験の実施に関連する委員会として、共用試験対策委員会、臨床実務教 育 委 員 会 、 及 び CBT 委 員 会 を 設 置 し て い る 。 OSCE に 関 し て は 、 臨 床 実 務 教 育 委 員 会 の 中 で OSCE 担 当 者( 実 務 家 教 員 )を 指 名 し 、数 名 の 実 務 家 教 員 及 び 臨 床 系 教 員 に よ る OSCE 実 施 担 当 者 会 議 を 設 け て い る 。 共 用 試 験 対 策 委 員 会 は 、 臨 床 実 務 教 育 委 員 会 の 委 員 長 ( OSCE 実 施 委 員 会 大 学 委 員 )と OSCE 担 当 代 表 者( OSCE 連 絡 担 当 者 )、CBT 委 員 会 の 委 員 長( CBT 実 施 委 員 会 大 学 委 員 )と シ ス テ ム 面 で の 担 当 者( シ ス テ ム 検 討 委 員 会 大 学 委 員 )、及 び 教 務 委員会委員長と学部長で構成しており、①共用試験の実施日程の決定、②共用試験 実施マニュアルの作成、③共用試験受験者名簿の作成、及び④共用試験対策の詳細 を 所 掌 し て い る 。CBT 委 員 会 は 、委 員 長 を 含 め て 4 名 の 委 員 で 構 成 さ れ て お り 、薬 学 共 用 試 験 セ ン タ ー と 連 絡 を と り な が ら 、CBT を 適 正 に 実 施 す る 任 に あ た る 。ま た CBT 実 施 に 使 用 す る PC、 サ ー バ ー 等 の シ ス テ ム の 管 理 を 行 っ て い る 。 臨 床 実 務 教 育 委 員 会 は 、 OSCE は も と よ り 、 4 年 次 で の 臨 床 実 務 事 前 実 習 、 5 年 次 で の 病 院 ・ 薬 局 実 務 実 習 に 関 わ る 委 員 会 で あ る 。 OSCE 実 施 に 関 し て は 、 本 委 員 会 の 委 員 長 と OSCE 担 当 代 表 者 を 中 心 に 、① OSCE 実 施 の マ ニ ュ ア ル 作 成 、② 学 内 外 の OSCE 評 価 者 の 選 任 と 講 習 会 の 実 施 、 ③ SP 養 成 の 実 施 、 ④ 必 要 機 材 ・ 薬 剤 等 の購入や管理を行っている。 施 設 に 関 し て 、 CBT を 実 施 す る た め の 有 線 LAN を 使 用 で き る H-B101 講 義 室 を 整 備 し 、 最 大 144 名 が CBT を 受 験 で き る よ う に 改 装 し た ( 2007 年 8 月 )。 ま た 、 CBT に 使 用 す る PC を 新 た に 170 台 購 入 し ( 2008 年 9 月 )、 H-B101 講 義 室 の 控 え 室 に 収 納 し た 。OSCE に 関 し て は 、学 内 の 実 習 室 (H-101、102、105、106)を 次 の よ う に 改 装 し て 、 OSCE 各 課 題 に 対 応 で き る よ う に し た ( 2008 年 12 月 )。 H-101: 調 剤 ( 散 剤 ) 実 習 室 ( 散 剤 ・ 錠 剤 台 25 台 ) H-102: 調 剤 ( 水 剤 ) 実 習 室 ( 水 剤 台 12 台 ) H-105: 無 菌 製 剤 実 習 室 ( ク リ ー ン ベ ン チ 15 台 ) H-106: 模 擬 薬 局 ( 受 付 カ ウ ン タ ー 、 薬 袋 発 行 機 、 監 査 シ ス テ ム つ き 散 剤 台 ( 1 台 )、 水 剤 台 ( 1 台 )、 錠 剤 棚 ( 3 台 )、 外 用 棚 ( 1 台 )、 保 冷 庫 ( 1 台 )、 分包機(1 台) - 49 - H-105: 模 擬 病 室 な お 、 2009 年 に は B 棟 3 階 に 移 動 式 机 ・ 椅 子 を 備 え た 3 分 割 が 可 能 な B-303 講 義 室 を( 2008 年 11 月 )、C 棟 地 下 2 階 に 同 じ く 移 動 式 机・椅 子 を 備 え た 臨 床 大 講 義 室 ( 2009 年 10 月 ) を 新 設 し た 。 こ れ ら の 施 設 は 、 患 者 対 応 や ベ ッ ド サ イ ド で の 服 薬 指 導 等 の OSCE 課 題 に 対 応 で き る ほ か 、同 様 な 目 的 に 臨 床 実 務 事 前 実 習 で 使 用 し ている。 薬学共用試験の実施にあたっては、薬学共用試験センターの「実施要綱」をもと に し て 、 本 学 の OSCE 実 施 マ ニ ュ ア ル 及 び CBT 実 施 マ ニ ュ ア ル を 作 成 し た 。 こ う し た 実 施 マ ニ ュ ア ル は OSCE 直 前 の 評 価 者 講 習 会 及 び 実 施 説 明 会 、 CBT 直 前 の 監 督者説明会で配布し、実施の詳細について十分な説明を加えて、共用試験の実施に 遺漏がないように努めている。 [点検・評価] 1.本学での共用試験は、共用試験センターの「実施要綱」に沿ったマニュアルを 作成して実施されている。 2 . 共 用 試 験 の 実 施 に つ い て は 、 OSCE、 CBT と も に 学 内 の 施 設 ・ 設 備 で 問 題 な く 対応できたと評価している。 3 .CBT に つ い て は 、学 生 数 と PC の 台 数 を 勘 案 す る と 将 来 的 に も 2 日 間 で 実 施 す ることとなる。 4 .OSCE に 関 し て は 、学 内 の 調 剤 実 習 室 を 中 心 に 各 課 題 の ス テ ー シ ョ ン が 配 置 さ れており、各ステーション間の移動をスムーズに行えるように整備されている。 ま た 、 各 ス テ ー シ ョ ン で は 最 大 12 レ ー ン で の 同 時 実 施 が 可 能 で あ り 、 設 備 に 関 しても整備できている。 [改善計画] 1 . CBT を 実 施 す る H-B101 講 義 室 は CBT の 専 用 室 で は な く 、 CBT の 期 間 以 外 は 正 規 の 授 業 で 使 用 す る こ と が あ る 。将 来 的 に は 専 用 室 と し て 整 備 す る こ と も 必 要となる。 2 .CBT 用 の 専 用 サ ー バ ー は 2010 年 度 に リ プ レ イ ス を 行 う が 、こ の 際 に UPS と ウ イルス対策ソフトをオプションとして購入し、システムの安全対策を万全なもの にする。 3 .OSCE に つ い て の 初 年 度 の 反 省 点 等 を 踏 ま え 、学 生 の 動 線 、評 価 者 や 標 準 模 擬 患 者 ( SP) の 動 線 等 改 善 で き る と こ ろ は 改 善 し て い く 。 【自己評価の根拠となる資料・データ等例】 各 委 員 会 の 委 員 名 簿 と 議 事 録 、 2009 年 度 新 潟 薬 科 大 学 OSCE 実 施 マ ニ ュ ア ル 、 2009 年 度 新 潟 薬 科 大 学 CBT 実 施 マ ニ ュ ア ル 、 学 内 施 設 ・ 設 備 配 置 図 - 50 - 基準4-2-3 薬 学 共 用 試 験 ( CBTお よ び OSCE) の 実 施 結 果 が 公 表 さ れ て い る こ と 。 【観点 4 -2 -3 -1 】 実 施 時 期 , 実 施 方 法 , 受 験 者 数 , 合 格 者 数 及 び 合 格 基 準 が 公 表 さ れていること。 【観点 4 -2 -3 -2 】 実 習 施 設 に 対 し て , 観 点 4 -2 -3 -1 の 情 報 が 提 供 さ れ て い る こと。 [現状] 本 学 で は 、 OSCE を 2009 年 12 月 13 日 ( 日 ) に 本 学 調 剤 実 習 施 設 及 び 臨 床 大 講 義 室 を 利 用 し て 実 施 し た 。本 年 度 本 学 に 課 せ ら れ た OSCE 試 験 課 題 は 次 表 に 示 す 5 領域 6 課題であった。各課題ステーションでは、6 レーンと予備の 1 レーンの計 7 レーンを準備して実施した。 領域 課題 実施場所 1:患者・来局者対応 薬局での患者対応 H-201 2:薬剤の調製 計量調剤(散剤) H-101 計数調剤 H-102 3:調剤鑑査 調剤薬鑑査 H-B102 4:無菌操作の実践 注射剤混合 H-105 5:情報の提供 病院での服薬指導 臨床大講義室 事 前 に 登 録 し た 受 験 生 は 156 名 で あ る が 、 12 月 1 日 付 で の 休 学 が 認 め ら れ た 1 名 の 学 生 が OSCE を 欠 席 し た 。実 施 後 の 本 学 で の 集 計 に お い て 、全 受 験 生 が 全 国 薬 科 大 学 長・薬 学 部 長 会 議 で 承 認 さ れ て い る OSCE 合 格 基 準( 課 題 ご と に 、細 目 評 価 で 評 価 者 2 名 の 平 均 点 が 70%以 上 、概 略 評 価 で 評 価 者 2 名 の 合 計 点 が 5 以 上 )を ク リ ア し て お り 、OSCE に 関 し て は 155 名 を 合 格 と し て 、薬 学 共 用 試 験 セ ン タ ー に 報 告 し た 。 な お 、 OSCE を 欠 席 し た 1 名 の 学 生 に つ い て は 休 学 が 認 め ら れ て い る こ と から、追再試験は受験しないことも併せて報告した。 CBT は 、 2010 年 1 月 20 日 ( 水 ) 及 び 21 日 ( 木 ) の 2 日 間 で H-B101 講 義 室 に て 実 施 し た 。OSCE と 同 様 に 事 前 登 録 し た 受 験 生 は 156 名 で あ る が 、2009 年 12 月 に 実 施 し た 薬 学 総 括 演 習 ( 必 修 ) の 単 位 を 認 定 さ れ な か っ た 学 生 9 名 ( OSCE を 欠 席 し た 1 名 を 含 む )が 欠 席 し た 。CBT 実 施 後 受 験 し た 147 名 の 学 生 の 成 績 結 果 が 共 用 試 験 セ ン タ ー か ら 伝 達 さ れ た が 、 147 名 が 全 国 薬 科 大 学 長 ・ 薬 学 部 長 会 議 で 承 認 さ れ て い る CBT の 合 格 基 準 ( 正 答 率 60%以 上 ) を ク リ ア し て い た 。 薬 学 総 括 演 習 の 単 位 未 修 得 者 は CBT の 追 再 試 験 を 受 験 さ せ な い こ と を 本 学 教 授 会 で 確 認 し て お り 、 そ の 結 果 、 本 学 で は CBT の 追 再 試 験 は 実 施 し な い こ と を 共 用 試 験 セ ン タ ー に 報告している。 - 51 - 共 用 試 験 ( CBT、 OSCE) に つ い て は 、 大 学 と し て の 合 否 判 定 を 2010 年 2 月 9 日 の 薬 学 部 教 授 会 で 行 っ た 。全 国 薬 科 大 学 長・薬 学 部 長 会 議 で 承 認 さ れ て い る OSCE 及 び CBT の 合 格 基 準 に 則 り 、 OSCE と CBT の 両 方 の 合 格 基 準 を ク リ ア し て い る 147 名 の 学 生 に つ い て 2009 年 度 薬 学 共 用 試 験 の 合 格 者 と 判 定 し た 。 上記の合否判定を含めた内容は、すぐに薬学共用センターに報告するとともに、 4 月 7 日 に 本 学 ホ ー ム ペ ー ジ( http://www.nupals.ac.jp/)を 通 じ て 以 下 の 結 果 を 外 部に公表した。 CBT 実施日程 受験者数 合格者数 合格基準 本 試 験 : 平 成 22 年 1 月 147 147 正 答 率 60%以 上 155 155 細 目 評 価 70%以 上 20、 21 日 OSCE 本 試 験:平 成 21 年 12 月 13 日 共用試験 概略評価 5 以上 155 147 こうした薬学共用試験の結果は、学生が実務実習を行う病院・薬局の施設に報告 したが、共用試験の性格から個々の学生の成績に関しては情報提供せず、合格・不 合格の連絡のみとした。 [点検・評価] 1 .本 学 で の 薬 学 共 用 試 験( CBT 及 び OSCE)は 適 正 に 実 施 さ れ 、合 格 判 定 も 全 国 薬科大学長・薬学部長会議で承認されている合格基準に則って判定された。 2.薬学共用試験センターからの申し合わせに従って、学生及び外部の実習施設へ の 伝 達 は 、試 験 成 績 に 関 す る 情 報 を 提 供 せ ず 、 「 基 準 を ク リ ア し て 合 格 」の み の 伝 達とした。 [改善計画] 1.共用試験の合格基準については、今後も薬学共用試験センターから提示されて いる合格基準に則って判定する。 2 .2010 年 度 の 本 学 の 薬 学 共 用 試 験 の 実 施 時 期 に つ い て は 、学 生 の ス ト レ ス を 緩 和 す る た め に CBT を 12 月 に 、 OSCE を 1 月 に 実 施 す る 。 2 . 2010 年 度 の 4 年 生 が 240 名 近 く に な る た め 、 OSCE で は 各 課 題 ス テ ー シ ョ ン を 6 レーンから 8 レーンに増やして対応する予定である。 【自己評価の根拠となる資料・データ等例】 本学ホームページでの共用試験結果の公表 - 52 - 基準4-2-4 薬 学 共 用 試 験 ( CBTお よ び OSCE) の 実 施 体 制 の 充 実 に 貢 献 し て い る こ と 。 【観点 4 -2 -4 -1 】 CBT問 題 の 作 成 と 充 実 に 努 め て い る こ と 。 【観点 4 -2 -4 -2 】 OSCE 評 価 者 の 育 成 等 に 努 め て い る こ と 。 [現状] CBT に 関 し て は 、 本 学 は 薬 学 部 の 教 員 全 員 で CBT 問 題 の 作 成 を 行 う 体 制 を と っ て お り 、過 去 の 薬 学 共 用 試 験 セ ン タ ー か ら の 問 題 作 成 依 頼 に 応 じ て 合 計 430 題 を 作 成・提供した。加えて本学では、毎年4月に実施している学年統括試験(過年度の 授 業 内 容 の 基 本 事 項 を 問 う 5 択 の 問 題 ) や 自 己 学 習 支 援 シ ス テ ム ( 基 準 5-1-1) の 問 題 作 成( SBO ご と に 基 本 的 内 容 を 問 う 5 択 の 問 題 )を 通 じ て 、作 題 基 準 は 若 干 異 な る も の の CBT 形 式 の 問 題 作 成 の 訓 練 を 行 っ て お り 、 CBT 問 題 の 充 実 に 貢 献 で き るよう努めている。 ま た 、 薬 学 共 用 試 験 セ ン タ ー の CBT 問 題 精 選 委 員 と し て 本 学 か ら 4 名 の 教 員 が 委 嘱 さ れ て お り 、さ ら に CBT 問 題 管 理 委 員 会 の 委 員 と し て 1 名 が 委 嘱 さ れ て い る 。 加 え て 本 学 教 員 1 名 が 他 大 学( 2007 年 か ら 3 大 学 )の CBT ト ラ イ ア ル や 体 験 受 験 に モ ニ タ ー 委 員 と し て 薬 学 共 用 試 験 セ ン タ ー か ら 派 遣 さ れ て お り 、2010 年 1 月 実 施 の 高 崎 健 康 福 祉 大 の CBT の 際 も モ ニ タ ー 委 員 と し て 派 遣 さ れ た 。 OSCE に 関 し て は 、 本 学 で は 2007 年 5 月 及 び 2008 年 5 月 に 2 回 の OSCE ト ラ イ ア ル を 実 施 し た 。 特 に 2008 年 5 月 の OSCE ト ラ イ ア ル に 向 け て は 、 学 内 の 全 教 員を対象とした学内評価者伝達講習会と新潟地区の病院薬剤師、開局薬剤師を対象 と し た 学 外 評 価 者 伝 達 講 習 会 を 実 施 し て ト ラ イ ア ル に 臨 ん だ 。さ ら に 2009 年 に は 6 月 の 臨 床 実 務 事 前 実 習 時 に 学 内 教 員 を 対 象 と し た 評 価 者 講 習 会 を 開 催 し た 。 2009 年 12 月 の OSCE 本 試 験 の 実 施 に 向 け て 、 11 月 に 学 外 の OSCE 評 価 者 ( 病 院 ・ 薬 局 薬 剤 師 104 名 、 他 大 学 教 員 10 名 ) を 対 象 に 1 回 、 学 内 の OSCE 評 価 者 ( 33 名 ) を 対 象 に 1 回 の 直 前 評 価 者 講 習 会 を 開 催 し た 。こ れ ら の 講 習 会 に 加 え て 、基 準 4-1-4 に 記 載 し た 臨 床 実 務 事 前 実 習 や 3 年 次 の 臨 床 実 習 、及 び 5 年 次 の 実 務 実 習 直 前 ト レ ーニングにおいて、薬学部全教員及び学外の薬剤師が参加して学生へのフィードバ ッ ク や 評 価 の 練 習 を 併 せ て 行 う こ と と し て お り 、 OSCE 評 価 者 の 実 践 的 な 訓 練 の 場 としている。 ま た 、大 学 の 立 地 状 況 を 鑑 み 、標 準 模 擬 患 者( SP)の 養 成 を 本 学 独 自 で 行 う こ と が 必 要 で あ る こ と か ら 、 2007 年 か ら 新 潟 地 区 で の 一 般 市 民 ボ ラ ン テ イ ア を 募 り 、 SP 養 成 の プ ロ グ ラ ム を 展 開 し て き た 。 2009 年 は 1 月 か ら 11 月 ま で 新 潟 市 中 心 部 の 朱 鷺 メ ッ セ 会 議 場 ( 昼 間 ) と 本 学 キ ャ ン パ ス (夜 間 )の 2 会 場 で 、 月 1 回 の 割 合 で 開 催 し て い る 。 OSCE は も と よ り 、 臨 床 実 務 事 前 実 習 、 さ ら に は 3 年 生 を 対 象 と し た 臨 床 薬 学 系 の 学 生 実 習 に も SP と し て 参 加 い た だ い て お り 、現 在 約 50 名 の SP を 確保している。 OSCE に 関 し て 、薬 学 共 用 試 験 セ ン タ ー の OSCE 実 施 委 員 会 大 学 委 員 に 1 名 の 教 - 53 - 員 を 派 遣 し て い る 。2006 年 以 後 18 件 の 他 大 学 の OSCE ト ラ イ ア ル に は 、評 価 者 と し て 学 内 教 員 を そ れ ぞ れ 1 名 派 遣 し て お り 、さ ら に 2009 年 度 は 高 崎 健 康 福 祉 大( 10 名 ) と 国 際 医 療 福 祉 大 ( 5 名 ) の OSCE 本 試 験 に そ れ ぞ れ 学 内 教 員 を 評 価 者 と し て 派 遣 し た 。 ま た 2010 年 1 月 に 実 施 さ れ た 富 山 大 の OSCE に は 、 薬 学 共 用 試 験 セ ン ターから委嘱された本学教員 1 名をモニター委員として派遣した。 [点検・評価] 1 . 薬 学 共 用 試 験 セ ン タ ー か ら の CBT 問 題 作 成 の 依 頼 に つ い て は 、 各 分 野 の 教 員 が問題を作成⇒問題精選委員を中心とした教員数名によるブラッシュアップ⇒ 共 用 試 験 セ ン タ ー へ 送 付 、と い っ た 手 順 で 対 応 し て い る 。CBT 用 問 題 の 作 成 と 充 実に貢献できていると判断する。 2 . 2009 年 12 月 に 実 施 し た 本 学 の OSCE に は 、 学 内 教 員 28 名 、 他 大 学 教 員 ( 高 崎 健 康 福 祉 大 、国 際 医 療 福 祉 大 )10 名 、県 内 病 院 薬 剤 師 55 名 、県 内 薬 局 薬 剤 師 51 名 の 計 144 名 が 評 価 者 と し て 参 加 し た 。 OSCE 実 施 前 に は 、 学 内 評 価 者 、 学 外 評 価 者 に そ れ ぞ れ 1 回 ず つ の 評 価 者 講 習 会 を 実 施 し た 。ま た 、学 内 の 評 価 者 に つ い て は 、 臨 床 実 務 事 前 実 習 等 の 際 に も 複 数 回 の 講 習 会 を 開 催 し て お り 、 OSCE 評価者の育成については十分な対応をしてきたと評価できる。 3 .他 大 学 で の 共 用 試 験( ト ラ イ ア ル を 含 む )に 、評 価 者 あ る い は モ ニ タ ー 委 員 を 派遣しており、共用試験の実施に貢献している。 4 . 2007 年 以 来 、 臨 床 講 師 と 臨 床 実 務 教 育 委 員 会 の 委 員 が 中 心 と な っ て 、 本 学 独 自 の 標 準 模 擬 患 者 ( SP) 養 成 プ ロ グ ラ ム を 展 開 し て き た 。 現 在 約 50 名 の SP を 確 保 し て お り 、 SP 養 成 に つ い て も 十 分 な 対 応 を 行 っ て き た と 評 価 で き る 。 [改善計画] 1.これまでと同様に薬学共用試験の円滑な実施に向けて、貢献していく。 2 . SP の 養 成 に 関 し て は 、 今 後 も 本 学 の 養 成 プ ロ グ ラ ム を 継 続 す る と と も に 、 新 た な ボ ラ ン テ ィ ア を 募 っ て ト レ ー ニ ン グ を 積 ん だ SP の 登 録 数 の 増 加 を 目 指 し 、 OSCE の み な ら ず 臨 床 系 の 実 習 等 本 学 の 教 育 プ ロ グ ラ ム に も 参 加 し て も ら う 。 同 時 に 、 数 々 の 研 修 を 通 じ て 、 SP の フ ァ シ リ テ ー タ ー と し て の 役 割 を 担 う 経 験 を 積 ん だ SP を 育 成 し て い く 。 【自己評価の根拠となる資料・データ等例】 CBT 問 題 作 成 の 記 録 、2009 年 度 新 潟 薬 科 大 学 OSCE 実 施 マ ニ ュ ア ル 、2009 年 度 新 潟 薬 科 大 学 CBT 実 施 マ ニ ュ ア ル 、 OSCE ト ラ イ ア ル 実 施 マ ニ ュ ア ル ( 2007 年 及 び 2008 年 )、 SP 養 成 講 習 会 実 施 記 録 - 54 - (4-3)病院・薬局実習 基準4-3-1 実務実習の企画・調整,責任の所在,病院・薬局との緊密な連携等,実務実習を 行うために必要な体制が整備されていること。 【観点 4 -3 -1 -1 】 実 務 実 習 委 員 会 が 組 織 さ れ , 機 能 し て い る こ と 。 【観点 4 -3 -1 -2 】 薬 学 部 の 全 教 員 が 積 極 的 に 参 画 し て い る こ と が 望 ま し い 。 [現状] 医 療 系 教 授 4 名 、 実 務 家 教 員 ( 教 授 1 名 、 准 教 授 1 名 )、 基 礎 系 准 教 授 1 名 に 加 え て 学 部 長( 基 礎 系 )、教 務 委 員 長( 基 礎 系 )に よ る 臨 床 実 務 教 育 委 員 会 を 組 織 し て い る 。本 委 員 会 は 、毎 月 1 回 の 定 例 会 議 を 開 催 し て 、臨 床 実 務 事 前 実 習 を 含 む 病 院 ・ 薬 局 実 務 実 習 、 OSCE の 実 施 ・ 運 営 、 模 擬 患 者 ( SP)の 養 成 、 医 療 系 ・ 臨 床 系 講 義 実習等の実務教育に関わる広範な問題を検討し、本学の実務教育全般について責任 を も っ て 統 括 し て い る 。さ ら に 、臨 床 実 務 事 前 実 習 や OSCE 等 の 医 療 系・臨 床 系 研 究室が中心となる教育プログラムについては、本委員会構成員に医療系・臨床系研 究室の助教・助手を加えた拡大委員会を必要に応じて開催して綿密な打合わせを行 い、教育プログラムが円滑に実施できるような体制としている。 実 務 教 育 に 関 し て は 学 外 組 織 と の 連 携 が 重 要 で あ る が 、本 委 員 会 の 委 員 長 は 5 年 前から新潟県薬剤師会の理事、常務理事を兼任しており、新潟県内における実務実 習の円滑な実施に向けて薬剤師会と絶えず綿密な打合わせを行っている。さらに新 潟県病院薬剤師会とも緊密な連携を図っている。また、県薬剤師会、県病院薬剤師 会 と 共 催 し て い る 新 潟 地 区 実 務 実 習 認 定 指 導 薬 剤 師 養 成 ワ ー ク シ ョ ッ プ ( WS) に は、本委員会の教員が多数タスクフォース等で毎回参加しており、医療現場の薬剤 師からの意見を本委員会にフィードバックできる体制となっている。 こ れ ま で の 4 年 制 教 育 で の 実 務 実 習 に 関 し て 、本 委 員 会 が 中 心 と な っ て 実 習 施 設 の訪問体制を構築してきた。県外実習施設へは主として医療・臨床系の教員が、新 潟県内の実習施設へは本委員会の委員に加えて教養系教員を含めた全教員が、それ ぞれ研究室配属学生の実習施設を中心に分担して訪問している。6 年制教育での実 務実習に関しても、実習先との緊密な連携を取りながら、全教員が積極的に参加す る 実 習 訪 問 指 導 の 体 制 を 構 築 し て い く 。こ の た め 病 院・薬 局 で の 薬 剤 師 業 務 の 理 解 、 実 務 実 習 の 評 価 法 、問 題 が 生 じ た と き の 対 応 法 、臨 床 実 務 実 習 連 携 シ ス テ ム( 後 述 ) の使用説明等について、全教員による定期的な研修会を学内で開催している。 な お 、2010 年 2 月 20 日 に 新 潟 県 内 の 実 務 実 習 受 入 施 設 に 対 し 事 前 打 合 わ せ 会 を 開 催 し た 。指 導 薬 剤 師 132 名 が 参 加 し 、大 学 側 か ら 臨 床 実 務 実 習 担 当 教 員 の 紹 介 と ともに、以下の項目について詳細な説明を行った。 ① 実 務 実 習 中 の 指 導 体 制 と 訪 問 指 導 体 制 に つ い て 、 ② 2010 年 度 の 実 務 実 習 状 況 、 - 55 - ③臨床実務事前実習について、④実務実習の内容-カリキュラムについて、⑤ 抗体検査とハラスメントについて、⑥評価方法について、⑦契約書と学生保険に ついて、⑧臨床実務実習連携システムについて このうち臨床実務実習連携システムは、大学の指導教員-実習学生-実習先指導 薬 剤 師 が PC を 介 し て 相 互 に 実 習 の 進 捗 状 況 や 実 習 生 の 学 習 到 達 度 、 問 題 点 の 指 摘 や相談等をリアルタイムで確認することを可能としたものであり、本学独自に開発 を行った。さらに、実習学生の指導を担当する学内教員と指導薬剤師との顔合わせ を 行 い 、訪 問 指 導 の 時 期 等 に つ い て 打 合 せ を 行 っ た 。2010 年 4 月 以 降 、関 東 地 区 の 各県レベルでの事前打合わせ会を実施することにしている。 [点検・評価] 1.臨床実務教育委員会を組織し、実務教育全体の円滑な実施のために機能させて いる。臨床系教員や実務家教員のほかに、実務教育における教務上の問題を解決 するために教務委員長が、また外部団体との折衝及び予算上の問題を解決するた めに学部長が構成員に加わっており、実務実習を実施していく上で必要な体制は 整備できている。 2.新潟県内での実務実習について、大学と関係する外部組織(県薬剤師会、県病 院薬剤師会)との十分な連携が取れている。 3.実務実習に関する訪問指導体制としては全教員が分担して参加することとして おり、そのための十分な準備が学内でなされている。 4.大学独自の臨床実務実習連携システムを開発しており、高く評価できる。 [改善計画] 1.実務教育における各実習施設との緊密な連携を図る上で、実務家教員の果たす 役 割 は 非 常 に 大 き い 。 2010 年 2 月 現 在 、 5 名 の 実 務 家 教 員 ( 教 授 1、 准 教 授 1、 助 教 2、 助 手 1) が 在 籍 し て い る が 、 さ ら に 数 名 の 増 員 を 行 い 、 実 習 先 訪 問 指 導 以 外 に も 実 務 実 習 前 の 事 前 学 習 や OSCE 課 題 責 任 者 と し て の 役 割 を 分 担 す る と と もに、実務教育の一層の充実を図る。 2.実務家教員については、臨床現場教育の担当者として臨床現場での定期的な研 修を義務づける。 3 .薬 剤 師 免 許 を 持 つ 教 員 が 、短 期 間 で も( 1~ 2 週 間 程 度 )臨 床 現 場 を 経 験 す る よ うな研修制度も将来の課題として検討する。 4.長期の実務実習期間中でのハラスメント等のトラブルも想定される。臨床実務 教育委員会が県薬剤師会や県病院薬剤師会と連絡を取合って、トラブルに対応す るためのマニュアル作成やハラスメント対策等を講じていく。 【自己評価の根拠となる資料・データ等例】 臨 床 実 務 教 育 委 員 会 議 事 録 、 2010 新 潟 地 区 臨 床 実 務 実 習 事 前 打 合 わ せ 会 資 料 、 臨床実務実習学内教員事前打合わせ会資料、県外事前打合わせ会スケジュール 表、臨床実務実習連携システム資料 - 56 - 基準4-3-4 学生の病院・薬局への配属が適正になされていること。 【観点 【観点 【観点 4 -3 -4 -1 】 学 生 の 配 属 決 定 の 方 法 と 基 準 が 事 前 に 提 示 さ れ , 配 属 が 公 正 に 行 われていること。 4 -3 -4 -2 】 学 生 の 配 属 決 定 に 際 し , 通 学 経 路 や 交 通 手 段 へ の 配 慮 が な さ れ て いること。 4 -3 -4 -3 】 遠 隔 地 に お け る 実 習 が 行 わ れ る 場 合 は , 大 学 教 員 が 当 該 学 生 の 実習及び生活の指導を十分行うように努めていること。 [現状] 実習先病院については、関東地区薬学生実務実習調整機構(関東地区調整機構) を介した割り振りと本学独自で連携体制を構築した病院(大学近隣の病院)とで確 保している。また実習先薬局については、全て関東地区調整機構を介した割り振り で確保している。 2010 年 度 の 実 習 先 の 決 定 に 際 し て は 、 3 年 次 の 秋 ( 2008 年 ) に 、 学 生 に 対 し て 可能な限り自宅から通える実習施設を優先する方針を伝えた上で、実習先及び実習 期間(Ⅰ期~Ⅲ期)の希望調査を行い、関東地区調整機構にエントリーを行った。 また、調整機構から割り振られている新潟県内の病院施設数では県内で実習を希望 する学生を収容しきれないため、大学独自枠として本学との連携体制を構築してい る特定大規模病院に割り振った。この場合も自宅から通える実習先を考慮したが、 相当する施設に空きが無い場合には、学生の了解のもと、上越地区及び佐渡地区の 収容定員に余裕のある実習施設に割り振り、通学の便を図るため隣接した宿泊施設 を大学の責任で確保し、学生に貸与することで対処した。 エントリー後に関東地区調整機構から提示された実習先及び大学で確保した実習 先 ( 次 表 ) に つ い て 、 2009 年 10 月 に 学 生 に 開 示 し た 。 Ⅰ期 Ⅱ期 Ⅲ期 合計 調整機構 26 26 13 65 大学独自枠 24 11 10 45 調整機構 21 23 11 55 大学独自枠 1 0 0 1 県内薬局 調整機構 49 50 12 111 県外薬局 調整機構 20 23 7 50 県内病院 県外病院 新潟県内外、遠隔地を問わず、全実習先に担当教員を割り振り、地区ごとあるい は個別での事前打合わせ、実習期間中の訪問、実習後の検討会等を可能な限り実施 し、次クールの実習、翌年度の実習に向けて問題点の改善を図ることとしている。 加 え て 、 基 準 4-3-1 に も 記 載 し た 「 臨 床 実 務 実 習 連 携 シ ス テ ム 」 の 導 入 に よ り 、 日常的な到達度のチェックや学生・実習先との密な連絡が可能となっているため、 - 57 - 遠隔地であってもきめ細かな指導、及び実習施設との連携をスムーズに行うことの できる体制を整えている。 [点検・評価] 1.実習先の決定に関しては、可能な限り学生の希望に沿った地区及び時期を考慮 するものの、調整機構からの割振りを基本としており、公正さは保たれていると 判断する。また、一部の県内地区に関して大学で宿泊施設を確保する必要がある ものの、自宅から通える範囲での実習施設を基本としており、通学や交通手段に 対する配慮も行っている。 2.新潟県内の病院・薬局実習については、新潟県病院薬剤師会、新潟県薬剤師会 との連携が図られており、実習期間(Ⅰ期~Ⅲ期)の変更等は融通が認められる 関係を維持している。 3.遠隔地の実習に関しても、事前打ち合わせ、実習中の訪問指導、実習後の報告 会に大学教員が出向くことを申し合わせており、また臨床実務実習連携システム を導入して連携体制の強化を図っていることから、本学では適切な指導体制を整 備していると判断している。 [改善計画] 1.本学附属の臨床実習施設がないことから、調整機構を介した実習先の確保が基 本 と な る 。 学 生 の 希 望 を 満 た し て 11 週 間 の 充 実 し た 実 務 実 習 を 実 施 す る た め に は、今後さらに特別連携体制を構築した病院・薬局を確保していく。 2.ここ数年新潟県内出身学生が急増しており、新潟県内の病院実習枠に余裕がな くなってきている。実習施設の確保に向けて、隣接県の大規模病院との連携を強 化する。 3.県外の実習先については宿泊施設の確保も必要となることから、学生負担がな いように財源を確保する。 【自己評価の根拠となる資料・データ等例】 臨床実務事前実習シラバス、臨床実務事前実習ノート、実務実習の実施に必要 な 書 類( 守 秘 義 務 誓 約 書 、実 習 受 入 先・学 生 配 属 リ ス ト 、受 入 施 設 と の 契 約 書 等 )、 実習学生及び学内担当教員の一覧表 - 58 - 5 問題解決能力の醸成のための教育 (5-1)自己研鑽・参加型学習 基準5-1-1 全学年を通して,自己研鑽・参加型の学習態度の醸成に配慮した教育が行われて いること。 【観点 【観点 5 -1 -1 -1 】 学 生 が 能 動 的 に 学 習 に 参 加 す る よ う 学 習 方 法 に 工 夫 が な さ れ て いること。 5 -1 -1 -2 】 1 ク ラ ス あ た り の 人 数 や 演 習 ・ 実 習 グ ル ー プ の 人 数 が 適 正 で あ ること。 [現状] 自己研鑽・参加型学習は演習・実習系科目で行われるほか、授業科目によっては 数回分を演習や問題立脚型学習に割当て行っているものもある。演習・実習系科目 は単なる作業を行わせるだけではなく、問題を提起し、学生自らが課題を発見して 解決する要素を含んだ内容を設定している。 1 年 次 に は 教 養 系 演 習 科 目 で あ る「 情 報 リ テ ラ シ ー 」、専 門 系 演 習 科 目 で あ る「 構 造 か ら 理 解 す る 有 機 分 子 」、 参 加 型 討 論 を 主 体 と し て 進 め る 「 社 会 と 薬 学 の 基 礎 」、 実 習 系 科 目 で あ る「 生 物 学 実 習 」や「 物 理 化 学 実 習 」、2 年 次 に は 教 養 系 演 習 科 目 で あ る「 薬 学 英 語 Ⅰ 」、専 門 系 演 習 科 目 で あ る「 薬 学 の 基 礎 計 算 演 習 」や「 化 学 構 造 と 薬 理 作 用 」、実 習 系 科 目 で あ る「 薬 品 分 析 化 学 実 習 」や「 薬 品 化 学 実 習 Ⅰ 」、 「生薬学 実 習 」、 「 微 生 物 学 実 習 」、 「 生 化 学 実 習 」、 「 薬 理 学 実 習 」、3 年 次 に は 教 養 系 演 習 科 目 で あ る 「 薬 学 英 語 Ⅱ 」、 専 門 系 演 習 科 目 で あ る 「 薬 物 動 態 演 習 」、 参 加 型 討 論 を 主 体 と し て 進 め る「 社 会 と 薬 学 の 臨 床 」、実 習 系 科 目 で あ る「 薬 品 化 学 実 習 Ⅱ 」や「 薬 剤 学 実 習 」、 「 衛 生 化 学 実 習 」、 「 臨 床 化 学 実 習 」、 「 調 剤 学 実 習 」、 「 薬 物 治 療 学 実 習 」、と 低学年から演習・討論学習・実習科目を設定している。4 年次に開講される「臨床 実 務 事 前 実 習 」 の 中 の 約 2/3 に あ た る 部 分 が 、 ま た 、 5 年 次 に 開 講 さ れ る 「 総 合 薬 学演習」も演習・討論学習・実習を主体とした自己研鑽参加型学習であり、また、 6 年 次 に 開 講 さ れ る「 病 態 と 処 方 Ⅰ ~ Ⅴ 」 「 症 例 と 薬 物 治 療 Ⅰ ~ Ⅴ 」は 問 題 立 脚 型 少 人数討議を主体とした講義・演習科目である。学年進行とともに対象とする科目分 野が基礎から臨床にシフトしてはいるが、全学年を通して自己研鑽・参加型学習が 行われるようにカリキュラムを組んでいる。 講 義 ・ 実 習・ 演 習 は 1 ク ラ ス 100 名 を 超 え な い よ う に ク ラ ス 分 け を し て い る 。さ ら に 、 語 学 系 科 目 に 関 し て は 、 教 育 効 果 を 考 え 50 名 を 超 え な い よ う な ク ラ ス 分 け を行っている。 学生が自ら学ぶ態度を醸成すること、修学した内容をフォローアップすることを 目的として、新年度当初に行うオリエンテーション時に前年度の修学内容の一部を 客 観 試 験 に よ り 問 う 「 学 年 総 括 試 験 」 を 2009 年 度 か ら 導 入 し た 。 本 学 の 年 間 ス ケ - 59 - ジ ュ ー ル で は 、学 生 は 春 期 に 最 も 勉 強 か ら 遠 ざ か る 傾 向 が 強 か っ た が 、 「学年総括試 験」を導入してからは春期休暇期間中も学内で勉強している学生を多々見掛けるよ うになった。 ま た 、Web 上 で 演 習 を 行 う「 自 己 学 習 支 援 シ ス テ ム 」を 独 自 に 開 発 し 、学 生 の 能 動的学習に利用している。定期試験、追再試験、学年総括試験、薬剤師国家試験の 過去問の改編や独自に作成した問題等を収載しており、全ての問題はコアカリ到達 目 標 や 各 授 業 科 目 と 相 関 し て い る 。 学 生 が 専 用 HP に ア ク セ ス す る と 、 授 業 科 目 名 やコアカリ分野名を選ぶことにより、該当分野の問題が指定された数だけランダム に出題されるので、同じ授業名や分野名を選んでも毎回異なった問題を目にするこ とになる。各問題の成績は記録として卒業するまで残り、どのような問題が解けな かったのかいつでも振り返ることができるポートフォリオの性格をもった評価シス テムと連動している。 [点検・評価] 1.修学年限を通して自己研鑽・参加型学習を導入している点は評価できる。 2.発問を多用した問題立脚型学習を効果的に進めるためには教員のスキルアッ プ・トレーニングが必要であり、講演会だけでなくワークショップ形式の講習会 の 開 催 も FD の 一 環 と し て 進 め る 必 要 が あ る 。 3 .Web 上 で 演 習 を 行 う 自 己 学 習 支 援 シ ス テ ム の 独 自 開 発 と 運 用 は 、幾 つ か の 大 学 でも行われているが、ポートフォリオの性格をもった評価システムを組込んだ例 はなく、特筆すべき取組の一つである。 [改善計画] 2010 年 度 か ら 教 務 委 員 会 お よ び FD 委 員 会 が 主 導 し て 、教 員 向 け に 問 題 立 脚 型 学 習を効果的に進めるためのファシリテーター講習会を開催する予定である。 【自己評価の根拠となる資料・データ等例】 学 生 便 覧 、 講 義 要 項 ( シ ラ バ ス )、 cyber-NUPALS ホ ー ム ペ ー ジ ( http://cyber.nupals.ac.jp)、 時 間 割 、 自 己 学 習 支 援 シ ス テ ム 関 連 資 料 - 60 - 基準5-1-2 充 実 し た 自 己 研 鑽・参 加 型 学 習 を 実 施 す る た め の 学 習 計 画 が 整 備 さ れ て い る こ と 。 【観点 【観点 【観点 5 -1 -2 -1 】 自 己 研 鑽 ・ 参 加 型 学 習 が , 全 学 年 で 実 効 を 持 っ て 行 わ れ る よ う 努 めていること。 5 -1 -2 -2 】 自 己 研 鑽 ・ 参 加 型 学 習 の 単 位 数 が 卒 業 要 件 単 位 数 ( 但 し , 実 務 実 習の単位は除く)の1/10以上となるよう努めていること。 5 -1 -2 -3 】 自 己 研 鑽 ・ 参 加 型 学 習 と は 、 問 題 立 脚 型 学 習 ( PBL) や 卒 業 研 究 などをいう。 [現状] 前基準に関する現状の説明で述べたように、演習・実習系科目が全学年を通して 配 置 し て あ り 、そ の 単 位 数 は 1 年 次 に 5 単 位 、2 年 次 に 9 単 位 、3 年 次 に 9 単 位 、4 年 次 に は「 臨 床 実 務 事 前 実 習 」の 4 単 位 と「 卒 業 研 究 Ⅰ 」の 4 単 位 、5 年 次 に は「 総 合 薬 学 演 習 」 の 2 単 位 と 「 卒 業 研 究 Ⅱ ( 6 年 次 前 期 ま で )」 の 10 単 位 、 6 年 次 に は 「 病 態 と 処 方 Ⅰ ~ Ⅴ 」、 「 症 例 と 薬 物 治 療 Ⅰ ~ Ⅴ 」の 10 単 位 が 配 置 し て あ る 。な お 、 こ れ ら の 科 目 の 単 位 数 合 計 は 、実 務 実 習 を 除 く 卒 業 要 件 単 位 数 の 約 3 割 程 度 と な っ て い る ( 53/166 単 位 )。 また、夏期休暇直後には前期追再試験や過年度開講未修得科目の再々試験を、冬 期休暇直後には後期定期試験や追再試験を、春期休暇直後には前述の「学年総括試 験」という名のフォローアップ試験を行うことによって、長期休暇期間にも学生が 自ら進んで学習するような年間スケジュールを組んでいる。さらに、日々知識の修 得度を確認できるような自己学習支援システムの導入により、学生の能動的学習に 対する意欲を醸成している。 [点検・評価] 1.各学年ほぼ均等に自己研鑽・参加型学習が導入されている点は評価できる。 2.単位数は十分に割振られているが、指導する教員の人数が足らず、教員の教育 負担が増大している。ファシリテーターとしての教員の能力向上と教員の補充が 急務である。 [改善計画] 6 年制薬学部の完成年度に向けて定年退職する教員が多くなっているが、退職者 の補充だけでは足らず、教員の増員を計画する必要がある。将来計画委員会が主導 し て 2011 年 度 当 初 ま で に 薬 学 部 教 員 組 織 の 見 直 し と 教 員 補 充 計 画 を 立 て 、 粛 々 と 進 め る 予 定 で あ る 。 ま た 、 2010 年 度 か ら 教 務 委 員 会 お よ び FD 委 員 会 が 主 導 し て 、 教員向けにファシリテーター講習会を開催する予定である。 - 61 - 【自己評価の根拠となる資料・データ等例】 学 生 便 覧 、 講 義 要 項 ( シ ラ バ ス )、 cyber-NUPALS ( http://cyber.nupals.ac.jp)、 時 間 割 - 62 - ホ ー ム ペ ー ジ 『学 6 生』 学生の受入 基準6-1 教育の理念と目標に照らしてアドミッション・ポリシー(入学者受入方針)が設 定され,公表されていること。 【観点 【観点 6 -1 -1 】 ア ド ミ ッ シ ョ ン ・ ポ リ シ ー ( 入 学 者 受 入 方 針 ) を 設 定 す る た め の 責 任ある体制がとられていること。 6 - 1 -2 】 入 学 志 願 者 に 対 し て , ア ド ミ ッ シ ョ ン ・ ポ リ シ ー な ど 学 生 の 受 入 に 関する情報が事前に周知されていること。 [現状] 新潟薬科大学は、 「 薬 学 及 び 生 命 科 学 の 教 育 研 究 を 通 じ て 、人 類 の 健 康 と 環 境 の 保 全に貢献する高い専門性と豊かな人間性を有する有為な人材を育成すると共に、社 会の進歩と文化の高揚に有益な研究成果を創出」することを理念としている。 こうした大学の教育理念に基づいて、以下のような薬学部としての教育理念・教 育目標を定めている。 教 育 理 念:薬 を 取 り 巻 く 科 学 に 関 す る 教 育 研 究 を 通 じ て 、人 類 の 健 康 の 増 進 と 保 全 に 貢 献 す る 高 い 専 門 性 と 豊 か な 人 間 性 を 有 す る 有 為 な 人 材 を 育 成 し 、研 究 を 通 して社会へ寄与すること。 教 育 目 標 : 21 世 紀 の 医 療 が 求 め る 優 れ た 『 薬 剤 師 』 を 育 成 す る こ と 。 上 記 し た 大 学 及 び 薬 学 部 の 教 育 理 念・教 育 目 標 を も と に 、大 学 及 び 薬 学 部 の ア ド ミ ッション・ポリシーを以下のように定めた。 「「「 新 潟 薬 科 大 学 は 、生 命 の 科 学 を 基 本 に 薬 と 食 を 通 じ て 国 民 の 健 康 に 貢 献 し よ うとする強い意志・資質を有する学生を受け入れます。 社会と人のために役立とうとする意欲と優しさをもち 常に新しいことを学ぼうとする好奇心にあふれ 自分で問題を探し出し、解決しようとする粘り強さをもち 勉強すること、からだを動かして実験をすることが好きで 友人との協力を楽しみ、努力を惜しまない人を望んでいます 特 に 薬 学 部 で は 「 21 世 紀 の 医 療 が 求 め る 優 れ た 薬 剤 師 」 と な る た め に 薬や医療に興味をもち 法秩序を守り、倫理観をもち、医療を通じて社会に尽くすことに努め 医療の現場で薬剤師が係わる重要な課題についての研究にも興味をもつ人 を望んでいます。 」」」 アドミッション・ポリシーの決定には、まず薬学部入試委員会の議論を経て原案 - 63 - を作成し、学長を交えた両学部広報委員会で推敲した後、薬学部教授会に提出して 審議するという過程を経ている。教授会で承認された後は、本学ホームページや学 生募集要項等の情報媒体へアドミッション・ポリシーの掲載を行った。 本学ではこれまで入学志願者に対する重要な決定事項については、オープンキャ ンパスや進学ガイダンスにおいて口頭やポスターで説明するとともに、毎年春に発 行する大学案内の冊子の中で公表している。大学案内は、オープンキャンパスや見 学などで来学した高校生に配布しており、電話やメール等での請求に対しては郵送 で対応している。印刷物以外での案内は、本学ホームページが中心的な役割を担っ ており、ホームページから入試に関する情報を閲覧することができる。 [点 検 ・ 評 価 ] 1 .2009 年 に 責 任 あ る 体 制 の 下 で ア ド ミ ッ シ ョ ン・ポ リ シ ー が 制 定 さ れ た 。オ ー プ ン キ ャ ン パ ス の 参 加 者 や 本 学 HP の 訪 問 者 に 対 し て 、 ア ド ミ ッ シ ョ ン ・ ポ リ シ ー の周知がなされている。 2 .新 潟 県 が 主 催 す る 進 学 ガ イ ダ ン ス や 、入 試・広 報 の 担 当 者 に よ る 高 校 訪 問 に お い ても、アドミッション・ポリシーの説明がされている。 3 .2009 年 11 月 に 、高 校 生・受 験 生 を 対 象 と し た 薬 学 部 単 独 の PR 用 小 冊 子 と し て 「 卒 業 生 ・ 在 校 生 か ら の メ ッ セ ー ジ ’09」を 作 成 し た 。こ の 中 で は 、本 学 が 求 め る 学 生 の 具 体 的 な イ メ ー ジ を 高 校 生 に 掴 ん で も ら う た め 、ア ド ミ ッ シ ョ ン・ポ リ シ ー とともに、卒業生・在校生のメッセージ等を掲載している。 [改 善 計 画 ] 1 .本 学 及 び 薬 学 部 が 作 成 す る 受 験 生 用 の パ ン フ レ ッ ト に は 、必 ず ア ド ミ ッ シ ョ ン ・ ポ リ シ ー を 掲 載 し 、ま た オ ー プ ン キ ャ ン パ ス 時 に も 必 ず ス ラ イ ド で 説 明 し 、受 験 生 に周知させる。 2 .高 校 訪 問 の 進 路 指 導 等 に お い て 、本 学 を 受 験 す る 意 志 が あ る 全 て の 学 生 に 対 し て アドミッション・ポリシーを周知してもらうための対策が必要である。本学では、 新 潟 県 内 の 高 校 長 を 経 験 し た 3 名 の 嘱 託 職 員 を 雇 用 し て お り 、県 内 外 の 高 校 を 頻 繁 に 訪 問 し て 高 校 長 や 進 路 指 導 教 諭 と の 連 携 に 努 め て い る 。今 後 さ ら に こ の 連 携 体 制 の 強 化 を 進 め る と 同 時 に 、本 学 薬 学 部 の ア ド ミ ッ シ ョ ン・ポ リ シ ー に 合 致 し た 受 験 生、入学生の確保に努める。 【自己評価の根拠となる資料・データ等例】 受 験 生 用 大 学 案 内 、薬 学 部「 卒 業 生・在 校 生 か ら の メ ッ セ ー ジ ’ 09」、本 学 ホ ー ムページ、学生便覧 - 64 - 基準6-2 学生の受入に当たって,入学志願者の適性及び能力が適確かつ客観的に評価され ていること。 【観点 【観点 【観点 6 -2 -1 】 責 任 あ る 体 制 の 下 , 入 学 者 の 適 性 及 び 能 力 の 評 価 な ど 学 生 の 受 入 に 関する業務が行われていること。 6 -2 -2 】 入 学 者 選 抜 に 当 た っ て , 入 学 後 の 教 育 に 求 め ら れ る 基 礎 学 力 が 適 確 に評価されていること。 6 -2 -3 】 医 療 人 と し て の 適 性 を 評 価 す る た め , 入 学 志 願 者 に 対 す る 面 接 が 行 われていることが望ましい。 [現状] 本 学 薬 学 部 の 入 学 定 員 は 180 名 で あ る 。幅 広 く 受 験 生 を 募 集 す る た め に 、以 下 の よ う な 入 学 試 験 を 実 施 し て い る 。 な お 、 AO 入 試 は 応 用 生 命 科 学 部 で の み 実 施 し て い る 。2007 年 度 入 試 か ら は 、入 試 日 程 及 び 入 試 問 題 を 2 学 部 共 通 に し て お り 、一 般 入試では各学部単願のほか、両学部の併願も可能である。また、センター試験入試 は 2004 年 度 入 試 か ら 導 入 し た 。 薬 学 部 に お け る 入 学 者 選 抜 方 法 ( 各 区 分 の 募 集 人 員 は 2009 年 度 の も の で あ る ) ① 推 薦 入 試 ( 募 集 人 員 : 67 名 ): 推 薦 入 試 一 般 公 募 制 で は 、 高 校 の 調 査 書 の 評 定 平 均 値 が 3.4 以 上 で 、 高 校 長 か ら 推 薦 さ れ た 現 役 及 び 一 浪 の 受 験 生 に 対 し て 、 書 類 審査、面接試験と基礎学力調査(化学と英語)を行い、これらの結果をもとに合 否 判 定 を す る 。2007 年 度 か ら 導 入 し た 指 定 校 推 薦 で は 、調 査 書 の 評 定 平 均 値 と 高 校 長 の 推 薦 書 を も と に 書 類 審 査 と 面 接 を 行 っ て 合 格 を 判 定 し て お り 、新 潟 県 内 47 校 、 県 外 71 校 に 推 薦 枠 を 指 定 し て い る 。 ② 一 般 入 試 ( Ⅰ 期 90 名 、 Ⅱ 期 7 名 、 Ⅲ 期 3 名 ): 入 試 出 題 委 員 会 で 作 成 し た 数 学 、 理 科 ( 化 学 )、 英 語 の 試 験 ( い ず れ も 70 分 、 100 点 ) を 行 い 、 3 教 科 の 合 計 点 で 合否判定する。 ③ 大 学 入 試 セ ン タ ー 試 験 入 試( A 日 程 10 名 、B 日 程 3 名 ): 数 学( 数 Ⅰ ・ 数 A と 数 Ⅱ・数 B の 2 科 目 )、理 科( 化 学 Ⅰ 、生 物 Ⅰ 、物 理 Ⅰ の う ち の 高 得 点 科 目 1 科 目 )、 外 国 語 ( 英 語 ) の 3 科 目 ( い ず れ も 100 点 ) の 合 計 点 で 合 否 判 定 す る 。 な お 、 英 語に関してリスニングテストの成績は利用していない。 ④ 特 別 選 抜 入 試 ( 学 士 ・ 社 会 人 )( 若 干 名 ): 推 薦 入 試 一 般 公 募 制 と 同 様 に 、書 類 審 査 、学 力 検 査 、小 論 文 及 び 面 接 に よ っ て 合 否 判 定 す る 。小 論 文 で は 医 療 と 薬 剤 師 に 関 連 し た 課 題 を 課 し 、面 接 も 一 般 受 験 生 よ り も 長 い 時 間 を か け て 、薬 剤 師 と し て の 適 性 と 編 入 学 後 の 適 応 力 に つ い て 審 査 し て い る 。社 会 人 の 場 合 は 1 年 に 入 学 させるが、学士の場合は 2 年への編入が可能である。 入学者選抜試験実施体制 入試業務については、2 学部の教員と事務部入試・広報課職員で構成する入試委 員会が責任をもって統括している。推薦入試は本学キャンパスで実施しているが、 一 般 入 試 に つ い て は 新 潟 県 内 4 会 場 、 県 外 10 会 場 ( 2009 年 度 ) で 実 施 す る た め 、 - 65 - ほぼ全教員が業務を分担することとなる。試験実施前には、業務担当者を対象とし て「入試実施説明会」を開催して遺漏がないように努めている。入試問題の作成は 両 学 部 教 員 で 構 成 さ れ る 入 試 出 題 委 員 会 が 担 当 す る が 、 各 科 目 に 2~ 4 名 の 教 員 が あたり、問題作成、印刷、編綴、採点を行う。小論文を含めた出題委員の氏名は公 表されない。 [点検・評価] 1.出題委員の匿名性や各試験の試験問題は厳格に管理され、採点業務も公正に行 われている。現在までに不正入学や試験問題の漏洩といった大きな問題は発生し ておらず、入試業務は厳格かつ適正に行われていると評価している。 2 . 試 験 問 題 の 適 切 性 を 担 保 す る た め 、入 試 後 に 試 験 問 題 を 全 教 員 に 配 付 し て い る 。 また、試験問題と解答例・解答解説をまとめた入学試験問題集を毎年冊子にして 希望者に無料配布し、外部へ公表している。 3.推薦入試と特別選抜入試においては、医療人としての適正を評価するために面 接を行っている。面接試験では、アドミッション・ポリシーに則って、薬剤師・ 優れた薬学技術人になる十分な資質・能力とともに、明確な目的意識と適性を持 つ学生を集めるように努めている。 [改 善 計 画 ] 1.入試業務については適正に行われており、これを継続していく。 2.入試問題の出題委員が偏る傾向があり、業務分担の平均化を図る必要がある。 【自己評価の根拠となる資料・データ等例】 募集要項、入学試験問題と入学試験答案(保管)、各年度別進級判定資料 - 66 - 基準6-3 入学者定員が,教育の人的・物的資源の実情に基づいて適正に設定されているこ と。 【観点 【観点 6 - 3 -1 】 適 正 な 教 育 に 必 要 な 教 職 員 の 数 と 質 が 適 切 に 確 保 さ れ て い る こ と (「 9. 教 員 組 織 ・ 職 員 組 織 」 参 照 )。 6 - 3 -2 】 適 正 な 教 育 に 必 要 な 施 設 と 設 備 が 適 切 に 整 備 さ れ て い る こ と (「 10. 施 設 ・ 設 備 」 参 照 )。 [現状] 本 学 の 設 立 時 の 学 生 定 員 は 1学 年 100名 で あ っ た が 、 1999年 度 か ら は 1学 年 定 員 を 120名 と し 、さ ら に 2004年 度 に 180名 に 定 員 増 を 行 い 現 在 に 至 っ て い る 。教 員 数 に 関 し て は 、 2006年 か ら の 6年 制 へ の 移 行 に 際 し て 実 務 教 育 を 充 実 す る た め に 実 務 家 教 員 の 採 用 を 行 い 、 2009年 4月 で は 助 手 を 含 む 総 教 員 数 が 48名 と な っ て い る 。 な お 、 2009年 度 に は 、前 年 で 定 年 退 職 し た 2名 の 教 授 の 後 任 の 教 授 選 考 と 2名 の 実 務 家 教 員 (助教)の任用を行った。現状において特に大きな問題は生じておらず、教員数は 概ね適正であると判断している。 ま た 事 務 部 職 員 数 は 2003年 度 時 に は 8名 体 制 で あ っ た が 、 応 用 生 命 科 学 部 の 学 年 進 行 に 伴 う 増 員 及 び 薬 学 部 の 6年 制 移 行 に 対 応 し た 増 員 が 図 ら れ 、 2009年 度 で は 22 名 と な っ て い る 。 な お 、 事 務 部 は 薬 学 部 単 独 の 組 織 で は な く 、 2学 部 の 業 務 を 執 行 し て い る ( 基 準 9-3-1参 照 ) 。 教 員 に つ い て は 、採 用・昇 任 時 で の 厳 正 な 審 査( 基 準 9-1-4参 照 )に よ り 質 の 保 証 はされている。さらに毎年度行われる自己点検評価表や学生による授業アンケート 等 で 、恒 常 的 な 教 育・研 究 へ の 貢 献 と 水 準 の 維 持 が 求 め ら れ て い る( 基 準 9-4-1参 照 )。 ま た 事 務 部 職 員 に つ い て も 、SD等 の 取 組 に よ っ て 業 務 の 向 上 が 図 ら れ て い る( 基 準 9-4-2参 照 ) 。 薬学部が現キャンパスに移転する前の新潟市上新栄町キャンパスは、狭隘な敷地 に 学 校 法 人 新 潟 科 学 技 術 学 園 が 設 置 す る 3つ の 大 学 ・ 短 大 ・ 専 門 学 校 が 混 在 す る 劣 悪な状況であった。大学に相応しいキャンパスを建築することが長年の懸案であっ たが、応用生命科学部を設置することに伴い、キャンパスを新津市(現新潟市秋葉 区 ) に 移 転 す る こ と を 1996年 に 決 定 し た 。 2000年 12月 よ り 3期 に 亘 る 建 築 工 事 を 経 て 現 在 の 30,861.05m 2 の 校 舎 を 竣 工 し た が 、こ の 間 応 用 生 命 科 学 部 を 2002年 4月 に 開 設 し た 。 薬 学 部 も 2006年 4月 に 現 所 在 地 に 完 全 移 転 し た が 、 そ の 当 時 の 校 舎 は 薬 学 部 6年 制 の 実 施 が 決 定 さ れ る 以 前 の 基 準 に 基 づ い て 設 計 さ れ て い た た め 、6年 制 で の 薬学教育に対応できる多目的な講義室の増築と、臨床系の研究室及び多目的な使用 が 可 能 な 大 講 義 室 が 入 る 臨 床 薬 学 棟 の 建 築 を 行 い 、 2009年 10月 に 竣 工 し た 。 施 設 と 設 備 に 関 し て は 「 10.施 設 ・ 設 備 」 の 項 で 詳 細 に 述 べ る が 、 現 在 講 義 室 は 16室 ( 総 面 積 3,144.44m 2 ) で あ り 、 そ の 内 訳 は 小 講 義 室 ( 120人 未 満 ) 6室 、 中 講 義 室 ( 120~ 199人 ) 3室 、 中 ・ 大 講 義 室 ( 200~ 299人 ) 2室 、 及 び 大 講 義 室 ( 300 人 以 上 )2室 で あ る 。こ の う ち 中・大 講 義 室 の 1 室( 216人 )と 大 講 義 室 の 1 室( 309 - 67 - 人 ) は 、 薬 学 部 の 6年 制 へ の 移 行 に 伴 う 学 生 数 の 増 加 と カ リ キ ュ ラ ム の 細 密 化 に 対 応 す る た め に 、 2009年 10月 に 新 設 さ れ た も の で あ る 。 ま た 演 習 ・ 実 習 を 行 う 施 設 と し て 、 薬 学 部 実 習 棟 に 実 習 室 9室 ( 総 面 積 1,344.50m 2 ) が あ り 、 そ の う ち 5つ の 実 習 室 が 90~ 100人 の 学 生 実 習 に 対 応 で き る 。 残 り の 実 習 室 は 、 6年 制 カ リ キ ュ ラ ム に お け る 臨 床 実 務 事 前 実 習 に 対 応 す る た め 、 2007~ 2009年 度 に か け て 実 習 棟 の 1階 を 改 修 し 、 散 剤 ・ 水 剤 実 習 室 、 無 菌 製 剤 剤 実 習室、模擬薬局、模擬病室とした。 [点 検 ・ 評 価 ] 1 .キ ャ ン パ ス 移 転 を 断 行 し 、さ ら に 6 年 制 の 教 育 に 対 応 す べ く 施 設・設 備 を 整 備 ・ 充実させてきたことは評価できる。またこれらの設備は、6 年制完成年度におけ る収容定員数を想定しても余裕を持った講義・実習行うのに十分な部屋数・面積 を有していることから、現在の入学定員数は物的資源に基づいて適正に設定され ていると判断している。 2 .薬 学 部 の 1 学 年 定 員 は 180 名 で あ り 、2009 年 4 月 時 で は 48 名 の 教 員( 助 手 を 含む)が在職している。大学設置基準の教員数としては基準をクリアしており、 これまで特に問題が生じていないことからも、現状の入学者定員は人的資源に基 づいても適正であると考えている。ただし、6 年制に移行して以来、教育に対す る負担が激増していることから、よりきめ細かな教育を提供するためには教員数 のさらなる増員が望ましい。 3.6 年制の教学に関する業務を円滑に推進するために、事務部職員の増員も必要 である。 [改 善 計 画 ] 1.年次計画に従って教員の数を増やし、これまで以上にきめ細かな学生指導がで きるように改善していく。 2.入学定員を確保することも大切であるが、入学してくる学生の質を確保するこ と も そ れ 以 上 に 重 要 で あ る 。 1 学 年 定 員 180 名 が 将 来 の 本 学 に と っ て 適 正 か ど う かを様々な観点から再検討する必要がある。また財務状況のシミュレーションを 常に行う必要がある。 3 .教 員 数を 増 員す ると い う方 策と 逆 行す るが 、入 学 生の 質 の継 続的 な 確保や 6 年 制学生の就職状況等によっては、今後入学定員を削減するといった思い切った方 策も必要である。 【自己評価の根拠となる資料・データ等例】 入 学 者 数 一 覧 表 、年 度 ご と の 学 年 別 在 籍 学 生 数 一 覧 表 、教 職 員 一 覧 表 、大 学 校 舎 及び施設・設備配置図 - 68 - 基準6-4 学生数が所定の定員数と乖離しないこと。 【観点 【観点 6 -4 -1 】 入 学 者 の 受 入 数 に つ い て , 所 定 の 入 学 定 員 数 を 上 回 っ て い な い こ と 。 6 -4 -2 】 入 学 者 を 含 む 在 籍 学 生 数 に つ い て , 収 容 定 員 数 と 乖 離 し な い よ う 努 めていること。 [現状] 本 学 薬 学 部 の 1 学 年 定 員 数 は 180 名 で あ り 、 2006 年 度 ま で は 私 立 薬 科 大 学 協 会 の 申 し 合 わ せ 比 率 内 の 1.1 倍 の 入 学 者 数 で 推 移 し て き た 。 し か し な が ら 、 6 年 制 薬 学 教 育 が ス タ ー ト し て 2 年 目 の 2007 年 度 は 、入 学 定 員 数 の 1.50 倍 で あ る 271 名 の 入 学 を 受 け 入 れ る こ と と な っ た 。 2008 年 度 は 定 員 の 1.01 倍 の 182 名 で あ っ た が 、 2009 年 度 は 1.16 倍 の 210 名 の 入 学 を 受 け 入 れ た 。 4 年 制 教 育 制 度 下 で の 学 生 が 卒 業 し た 2009 年 4 月 で は 、 収 容 定 員 720 名 に 対 し て 在 籍 学 生 数 は 865 名 で あ り 、 収 容 定 員 の 1.20 倍 で あ る 。 な お 、 こ の 数 字 に は 4 年 制 教 育 課 程 で 在 籍 す る 学 生 数 ( 留 年 者 及 び 2008 年 度 卒 業 延 期 生 ) が 含 ま れ て い る。 在籍学生数の適正化には、入学者数を適正なものとすること、及び留年者の減少 を図ることが不可欠である。しかしながら、昨今の薬科大学の新設ラッシュと少子 化による受験生数の減少といった周辺状況から、入学試験合格者の歩留まり率が非 常に予測しにくくなっており、結果として入学者数の増減を繰り返すことになって いる。また、留年者をできるだけ減らすように努めているものの、学年により差は 見 ら れ る が 5~ 10%の 幅 で 留 年 者 が 出 て い る 。ま た 、退 学 者 に 関 し て も 2006 年 度 ま で は 、 年 度 ご と の 退 学 者 率 が 1 % 前 後 で 推 移 し て き た が 、 2007 年 度 19 名 、 2008 年 度 23 名 、 2009 年 度 25 名 ( 2010 年 3 月 末 ) と 急 激 に 増 加 す る 傾 向 が 見 ら れ る 。 退学者・留年者が増加している背景として、学力的な問題とともに、薬学への適性 を考慮せずに偏差値等に重点を置いて進学先を選んだ学生の就学モティベーション の低下が一因となっている可能性が、退学者・留年者を担当したアドバイザー教員 から指摘されている。 [点検・評価] 1 . 収 容 定 員 に 対 す る 在 籍 学 生 数 の 比 率 は 1.0~ 1.1 が 理 想 で あ る が 、 実 際 に は 約 1.2 倍 と 定 員 超 過 と な っ て い る 。 定 員 割 れ は 大 学 の 経 営 に 重 大 な 影 響 を 及 ぼ す こ とから、今後も入学者の定員確保が大命題であるが、一方で定員を超過しすぎな いように努める必要がある。 2 .薬 学 部 を 取 り 巻 く 昨 今 の 社 会 状 況 か ら 、合 格 者 に 対 す る 入 学 者 比 率 を 予 測 す る ことは非常に難しくなっている。その結果、6 年制薬学スタート直後に歩留まり 率 の 読 み 違 え に よ り 、定 員 超 過 の 入 学 者 を 受 け 入 れ て し ま っ た こ と は 大 き な 反 省 点 で あ る 。一 方 、受 験 生 の 県 内 比 率 が 非 常 に 高 ま っ た こ と も 合 格 者 の 歩 留 ま り 率 - 69 - を 高 め る 要 因 と な っ て お り 、こ う し た 受 験 生 の 傾 向 に 基 づ い た 合 格 者 予 想 か ら 適 正な入学者数の維持に努めたい。 3 .適 正 な 収 容 定 員 を 守 る た め 、教 育 内 容・教 育 方 法 の 改 善 や FD に よ る「 教 育 力 」 の向上を目指したプログラムのほか、アドバイザー制度を活用した緻密な学生指 導により留年者・退学者を減らすよう努めている。しかしながら留年者、退学者 の数は増加傾向にあるのが現状である。 [改 善 計 画 ] 1.今後も、入学者数が入学定員を大きく超過しないように努める。同時に、教育 内容の更なる充実を図り、退学者や留年者の数を減らすことで適正な在籍学生数 を維持する努力を継続して行っていく。 2.薬学部で学ぶことに高い意欲を持つ学生の就学を促進するため、オープンキャ ンパスや高校訪問等の広報活動を通じて、高校生に対して本学のアドミッショ ン・ポリシーと薬剤師の業務内容の説明を徹底していく。 【自己評価の根拠となる資料・データ等例】 年 度 ご と の 入 試( 区 分 別 )合 格 者 数・入 学 者 数 一 覧 表 、年 度 ご と の 学 年 別 在 籍 学 生数一覧表、年度ごとの学年別留年者・退学者等一覧表 - 70 - 7 成績評価・修了認定 基準7-1 成 績 評 価 が ,学 生 の 能 力 及 び 資 質 を 正 確 に 反 映 す る 客 観 的 か つ 厳 正 な も の と し て , 次に掲げる基準に基づいて行われていること。 (1)成績評価の基準が設定され,かつ学生に周知されていること。 (2)当該成績評価基準に従って成績評価が行われていること。 ( 3 )成 績評 価 の結 果が ,必要 な関 連 情報 とと も に当 事者 で ある 学生 に 告知 されていること。 [現状] 教科目ごとに異なるが、論述・客観・口頭・シミュレーション試験や観察記録等 の成績評価方法と各評価方法の割合をシラバスに明記し学生に周知徹底している。 論述・客観試験等に関しては定期試験問題と配点、模範解答を、またシミュレーシ ョ ン 試 験 や 観 察 記 録 等 に 関 し て は 評 価 項 目 と 配 点 を 、cyber-NUPALS ホ ー ム ペ ー ジ を通して一定期間学生に公開している。問題や模範解答、評価項目等に関する異議 申し立てや学生個人の解答用紙の閲覧・コピー等は担当教員が随時受付けている。 このことに関しては明文化していないものの、年度当初に行うオリエンテーション 時、及び試験終了後にアドバイザー教員から担当学生に成績を配布する際に口頭で 学生に伝達している。試験問題と模範解答、評価表、学生の答案は各教科担当者が 最低 6 年間厳密に保持することを申し合わせている。 進級要件は学生便覧に記載すると同時に、年度当初に開催するオリエンテーショ ン時に学生に周知徹底している。1 年次から 2 年次への進級基準は実習・演習系科 目を除く必修科目の未修得単位数が 5 単位以下、2 年次から 3 年次及び 3 年次から 4 年次への進級基準は同様に 6 単位以下と設定しており、1 年次から 2 年次への進 級 基 準 が 若 干 厳 し い も の に な っ て い る 。こ れ は 、 「 薬 学 を 志 し て 本 学 に 入 学 し た 」と いうよりも「学力や偏差値を基準にして本学を選んだ」という学生に対して早期に 進路変更を考える機会を与えるのに一役買っている。しかし、他大学に比べ緩やか な進級基準(一般的には 3 単位前後)となっており、ユニットに相当する各科目の 合 否 は 総 括 的 評 価 で あ る も の の 、進 級 可 能 な 未 修 得 単 位 数 を 増 や す こ と に よ っ て「 や り 直 し が 許 さ れ る 」、「 気 付 き の 機 会 を 与 え る 」 構 成 に な っ て い る 。 本 学 の カ リ キ ュ ラムは低学年次から高学年次に向けて、同じコースやユニット内の到達目標でも修 得内容の深みが増す構成になっている。したがって、より深いレベルの高学年の教 科 目 を 履 修 す る 際 に は 、浅 い レ ベ ル の 低 学 年 の 内 容 に 関 す る 理 解 が 不 可 欠 で あ る が 、 一方で仮に低学年に配置された対応科目の単位が未修得の状態であっても高学年に 配置された科目の修学を通して低学年に配置された科目の内容が理解できるように なる場合もあることから、このような「やり直しが許される」内容となっている。 また、4 年次から 5 年次への進級基準は厳しく、未修得科目の単位数を 0 と設定 - 71 - している。これは、5 年次に参加型長期実務実習が行われることから、4 年制薬学 教 育 と 同 程 度 の 内 容 で 構 成 さ れ た 4 年 次 ま で の 教 育 プ ロ グ ラ ム を 完 全 に 修 得 し 、本 学として『薬剤師仮免許』を付加するのに相応しいかどうかという基準を明確に設 けたほうが良いという教授会での議論の結果に基づいている。 5 年次から 6 年次へは、実質的に実務実習直前期に行われる「総合薬学演習(討 論 学 習 Ⅲ )」 と 「 臨 床 実 務 実 習 」 の 2 科 目 の 単 位 を 修 得 し て い れ ば 進 級 で き る こ と も学生便覧に明記してある。 学生の成績は定期試験・追再試験・再々試験終了後にアドバイザー教員から学生 に 手 渡さ れる ほ か 、年 2 回 、前期 定 期試 験終 了 後の 夏期 休 暇期 間と 進 級判 定終 了 後 の春期休暇期間に保護者宛てに送付している。アドバイザー教員から学生に成績が 手渡される際には、教員から学習及び生活指導が行われている。試験判定に異議や 疑問を唱える学生は、合否結果にかかわらず科目担当教員のところに出向き、試験 答案を見ながら学生・教員間で討議をし、異議の解消に努めている。 学生が進級できないことが判明した時点で、アドバイザー教員と学生、保護者の 面談が行われ、修学意思を確認している。留年した場合には未修得科目の再履修を 優先し、空き時間を利用して次年次科目の履修が行える制度となっており、学生と 教務委員との相談により履修科目が決められている。留年生に対しては新年度開始 時に個別のオリエンテーションを行っており、このオリエンテーション時に周知し ている。 [点検・評価] 1.試験問題、模範解答、評価項目、配点の開示と試験答案を挟んだ学生に対する 学習指導は評価できる。しかし、全ての教科目、全ての教員が行っているわけで はない。教員の意識改革とともに、試験問題、模範解答、評価項目、配点の開示 と試験答案を挟んだ学生に対する学習指導に関して、学内でコンセンサスを得て 進めることが急務である。 2.試験の合否判定ばかり気にして、学習指導を望まない学生が増加している点は 気に掛かる。学生の意識変化を促すような取組が必要になるであろう。 3 .進 級 基 準 が 他 大 学 に 比 べ て 比 較 的 緩 や か で あ り 、 「 や り 直 し の 機 会 」が 与 え ら れ ている状況は他大学ではあまり見られない試みであり、評価できる。 [改善計画] 6 年制完成年度までには全教員のコンセンサスをとり、全ての教科目に関して評 価項目や試験問題と模範解答の開示を行う計画である。 【自己評価の根拠となる資料・データ等例】 学 生 便 覧 、 講 義 要 項 ( シ ラ バ ス )、 cyber-NUPALS ホ ー ム ペ ー ジ - 72 - 基準7-2 履 修 成 果 が 一 定 水 準 に 到 達 し な い 学 生 に 対 し ,原 則 と し て 上 位 学 年 配 当 の 授 業 科 目の履修を制限する制度が採用されていること。 【観点 7 -2 -1 】 進 級 要 件 ( 進 級 に 必 要 な 修 得 単 位 数 及 び 成 績 内 容 ), 留 年 の 場 合 の 取 り扱い(再履修を要する科目の範囲)等が決定され,学生に周知さ れていること。 [現状] 進級基準を満たさなかった学生は、次年度留年して再び同一学年の科目を履修す ることになる。当該年度及び過年度開講科目のうち、未修得である科目の受講を最 優先とした上で、時間割に余裕のある学生だけが、希望する上位学年に配当された 授業科目を「次年次科目」として履修できる制度をとっている。年度当初に行われ るオリエンテーション時に教務委員及び教務課職員から該当学生に当該年度の履修 科 目 に 関 す る 説 明 が 行 わ れ た の ち 、学 生 自 身 に よ る 上 位 学 年 配 当 授 業 の 履 修 申 請( 希 望)が提出される。申請内容と学生の成績動向を考慮して教務委員会で検討し、履 修科目を決定している。2 年次に進級する場合には必修科目に関する未修得単位数 が 5 単位(5 科目)以下、3 及び 4 年次に進級する場合には 6 単位(6 科目)以下 で あ る こ と か ら 、1 年 次 留 年 生 の 未 修 得 単 位 数 は 6 単 位 以 上 、2、3 年 次 留 年 生 の 未 修 得 単 位 数 は 7 単 位 以 上 と な り 、上 位 学 年 配 当 科 目 の う ち 履 修 可 能 な 科 目 数 は 実 質 的 に 上 限 が 決 ま っ て く る ( 13 科 目 以 下 )。 5 年 次 へ の 進 級 は 4 年 次 ま で の 必 修 科 目 の単位を全て修得していることが条件であり、未修得単位があるために留年した 4 年 次 学 生 と 、進 級 要 件 を 満 た し 5 年 次 へ 進 級 し て い る も の の 共 用 試 験 に 不 合 格 と な っ た ために 5 年 次 に行 う「 臨床実 務 実習 」に 参 加で きな い 学生 の両 者 が正 規の プ ロ グ ラ ム を 受 講 し な い 学 生 と い う 位 置 づ け に な る 。こ う し た 学 生 は 4 年 次 に 開 講 さ れ る「臨床実務事前実習」と「薬学総括演習Ⅰ」を再履修するようにオリエンテーシ ョン時に指導している。 [点検・評価] 1.明文化していないものの、教務委員会が主導して上位学年に配当された授業科 目の履修に関して制限している現状は評価できる。 2.留年生や成績不振学生の指導を担う薬学教育研究センター独自のプログラムが 現在は稼働していない。今後、特に留年生については、薬学教育研究センターの プログラムを優先させるように方向転換する必要がある。 [改善計画] 2009 年 度 末 の 各 種 委 員 会 構 成 員 の 改 編 に 伴 っ て 薬 学 教 育 研 究 セ ン タ ー 組 織 を 見 直 し 、2010 年 度 に は 薬 学 教 育 研 究 セ ン タ ー が 主 導 し て 留 年 生 や 成 績 不 振 学 生 を 対 象 - 73 - と し た 教 育 プ ロ グ ラ ム を 立 案 す る 。2011 年 度 初 め か ら は こ の 教 育 プ ロ グ ラ ム を 核 と して学生の指導を行い、上位学年に配当された授業科目の履修に関してより一層の 制限をかけ、学生の基礎学力向上を目指す予定である。 【自己評価の根拠となる資料・データ等例】 学生便覧、講義要項(シラバス) - 74 - 8 学生の支援 (8-1)修学支援体制 基準8-1-1 学生が在学期間中に教育課程上の成果を上げられるよう,履修指導の体制がとら れていること。 【観点 【観点 【観点 8 -1 -1 -1 】 入 学 者 に 対 し て , 薬 学 教 育 の 全 体 像 を 俯 瞰 で き る よ う な 導 入 ガ イ ダンスが適切に行われていること。 8 -1 -1 -2 】 入 学 前 の 学 習 状 況 に 応 じ て , 薬 学 準 備 教 育 科 目 の 学 習 が 適 切 に 行 われるように,履修指導がなされていること。 8 -1 -1 -3 】 履 修 指 導 ( 実 務 実 習 を 含 む ) に お い て , 適 切 な ガ イ ダ ン ス が 行 われていること。 [現状] 新年度の始めに履修に関するオリエンテーション(ガイダンス)を学年ごとに開 催しており、学生便覧、シラバス、時間割、アドバイザー名簿等の資料を配布して いる。特に新入生には、学生便覧を用いて履修方法、履修科目、履修科目の必修・ 選択区分、必要単位数、試験・成績評価等教務上の詳細な説明を教務委員会が、学 生生活を円滑に行うための指導を学生委員会が行っている。また、受講時の心構え を中心に、大学の講義を有効に活用する方法を指導して新入生の意識を高めるよう に 努 め て い る 。 さ ら に 学 部 長 及 び 教 務 委 員 会 が 、 薬 学 部 6年 制 の 意 義 と と も に 、 薬 学 共 用 試 験( OSCEと CBT)、長 期 の 実 務 実 習 、新 制 度 下 で の 薬 剤 師 国 家 試 験 の ほ か 、 卒 業 研 究 に も 言 及 し て 6年 間 の 教 育 の 全 体 像 を 説 明 し て い る 。 2~ 3年 生 の オ リ エ ン テ ー シ ョ ン で は 、前 述 し た 事 項 を 再 確 認 と し て 説 明 し て い る 。 ま た 、留 年 生 な ど の 履 修 上 の 問 題 を 抱 え て い る 学 生 に は 、ア ド バ イ ザ ー( 基 準 8-1-2 で詳述)を通して直接履修指導を行っている。 4年 生 を 対 象 と し た オ リ エ ン テ ー シ ョ ン で は 、 臨 床 実 務 教 育 委 員 会 が 臨 床 実 務 事 前実習の履修指導に関して日程、履修方法等の指導、及び実習内容や心構えについ て説明している。また、教務委員会が卒業研究Ⅰについて、共用試験対策委員会が OSCEと CBTの 実 施 概 要 に つ い て 説 明 す る と と も に 、 薬 学 総 括 演 習 に つ い て も ガ イ ダンスを行っている。 後 期 中 等 教 育 か ら 高 等 教 育 へ の 導 入 教 育 の 実 施 に つ い て は 、 主 に 1年 生 を 対 象 に 数 学 、 物 理 学 、 生 物 学 の 基 礎 科 学 系 教 科 を 開 講 し て い る 。 さ ら に 、 1年 生 に お け る こ う し た 基 礎 科 学 系 教 科 の 修 得 度 が 年 々 下 降 傾 向 に あ る た め 、 2004年 度 の カ リ キ ュラムの改正以来、各教科に関して「自由科目」という演習時間を設け、高校時代 に当該教科を選択していなかった学生及び修得度の低い学生を対象に、少人数での 演習を開講している。こうした薬学準備教育科目の開講はオリエンテーション時に 紹介しており、また、該当学生にはアドバイザーから受講を指導している。 [点検・評価] - 75 - 1.入学者に対するオリエンテーションでは、教務上の説明と学生生活に関する指 導に時間をかけている。また、オリエンテーション時に配布する学生便覧、シラ バ ス 、 時 間 割 、 ア ド バ イ ザ ー 名 簿 等 の 資 料 と と も に 、 6年 制 教 育 の 全 体 像 に つ い ても説明しており、導入ガイダンスは適切に行われている。 2 . 2年 生 以 降 で 履 修 に 問 題 を 抱 え た 学 生 及 び 留 年 生 に は 、 ア ド バ イ ザ ー を 通 じ て 教員全体の連絡を密にした実態の把握と適切な指導をすることとしており、アド バイザー制度が有効に機能している。 3 .学 生 の 後 期 中 等 教 育 か ら 高 等 教 育 へ の 導 入 教 育 に つ い て は 、 「 自 由 科 目 」を 受 講 した学生のうち、真摯に出席した約半数の学生のほとんどに演習形式による復習 の効果が現れ、該当教科目における成績の大幅な向上が見られた。また、担当教 員による少人数教育の効果のためか、 「 自 由 科 目 」を 受 講 し た 学 生 は『 勉 強 の コ ツ 』 を修得したようである。 4 . 実 務 実 習 や 臨 床 実 務 事 前 実 習 に つ い て は 、 臨 床 実 務 教 育 委 員 会 が 4年 生 の 臨 床 実 務 事 前 実 習 の 際 に 履 修 指 導 を 行 っ て い る 。ま た 、2010年 4月 の 5年 生 オ リ エ ン テ ーション時には、臨床実務実習に関する詳しい指導を行う。 [改善計画] 1.新入生には適切なガイダンスを行っていると判断しているが、入学直後の時期 で あ り 、 6年 制 の 全 体 像 に 関 し て ど こ ま で 周 知 で き て い る か 把 握 で き な い 部 分 も あ る 。 今 後 、 6年 制 に 関 す る 意 識 調 査 等 の 実 施 を 検 討 し 、 現 状 把 握 に 努 め る 。 2.後期中等教育から高等教育への導入教育として企図された「自由科目」は、単 位化されておらず、学生の自由意志による受講となっている。約半数の出席しな い学生をどのようにして「自由科目」を受講させるかが今後の課題であり、単位 化し強制することも視野に入れた対策を検討していく。 3.入学後の導入教育とともに、推薦入試合格者に対する入学前オリエンテーショ ン を 充 実 さ せ る 必 要 が あ る 。 現 在 推 薦 入 試 合 格 者 に は 、 3月 ま で に 課 題 を 与 え て レポートを提出することを義務付けているが、物理及び生物の未履修学生を入学 までにいかに効率的に学習させるかを真剣に考えなければならない。入学時まで に 、 月 1回 程 度 の ス ク ー リ ン グ も 検 討 す る 。 4.実務実習については、県内外の病院・薬局等の機関と連絡を密にし、臨床実務 事前実習等を通してガイダンスを実施するとともに、実務実習直前には、学生担 当 教 員 -実 習 施 設 指 導 薬 剤 師 の 三 者 が 綿 密 な 事 前 打 合 せ を 行 う 体 制 を と る 。 【自己評価の根拠となる資料・データ等例】 2009年 度 オ リ エ ン テ ー シ ョ ン 資 料 、2009年 度 学 生 便 覧 、2009年 度 ア ド バ イ ザ ー 名 簿 、2009年 度 シ ラ バ ス 、臨 床 実 務 実 習 に 関 す る 学 生 用 ガ イ ダ ン ス 資 料 、推 薦 入学生に対する入学前の課題とレポート - 76 - 基準8-1-2 教員と学生とのコミュニケーションを十分に図るための学習相談・助言体制が整 備されていること。 【観点 8 -1 -2 -1 】 担 任 ・ チ ュ ー タ ー 制 度 や オ フ ィ ス ア ワ ー な ど が 整 備 さ れ , 有 効に活用されていること。 [現状] 恒 常 的 に 行 っ て い る 学 生 の 学 習 相 談・助 言 体 制 と し て は 、少 人 数 ア ド バ イ ザ ー 制 度 による学習支援(アカデミック・ガイダンス)がある。このアドバイザー制度では、 教 授・准 教 授・講 師 の 各 教 員 が 、ア ド バ イ ザ ー と し て 各 学 年 約 10 名 の 学 生 を 担 当 し 、 教 育 課 程 上 の 履 修 指 導 に 加 え 、勉 学 を 進 め る 上 で 必 要 な 日 常 生 活 に 関 す る 相 談 等 に 対 応している。 1 年生から 3 年生前期までは同じ教員が継続して学生生活や学習の支 援 を 行 う が 、3 年 生 後 期 か ら 6 年 生 ま で は 、卒 業 研 究 に 配 属 さ れ た 研 究 室 の 担 当 教 員 がアドバイザーとして学生の支援にあたる。 このアドバイザー制度は、学生と教員との親睦を図り、学生の抱える悩み(学業 の 遅 延 、成 績 、進 路 、交 友 関 係 、ア パ ー ト 、健 康 等 多 面 的 な 相 談 )に 対 応 す る 制 度 で あ る 。も ち ろ ん 、必 要 が あ れ ば 保 護 者 と も 対 応 す る 。ま た 、健 康 面 に つ い て は 、ア ド バイザーだけで対応できない場合には常勤の保健室の保健師が対応している。 本 学 で は 開 学 初 期 か ら ア ド バ イ ザ ー 制 度 を 運 用 し て い る が 、学 生 や 教 職 員 の 意 見 を も と に 、随 時 制 度 と 運 用 方 法 の 改 善 を 行 っ て き た 。近 年 で は 、異 な る 学 年 間 で の 学 生 相 互 の 交 流 と 、な る べ く 多 く の 教 員 と の 交 流 を 深 め て も ら う 目 的 で 、2006 年 度 か ら 、 1~ 3 年 生 の 各 学 年 の 約 10 名 ず つ ( 合 計 約 30 名 ) で 1 グ ル ー プ を 構 成 し 、 次 年 度 以 降 こ の グ ル ー プ の 学 生 を 固 定 し た ま ま 担 当 教 員 を 一 年 ご と に 入 れ 替 え る「 縦 割 り 」方 式 を 導 入 し た 。し か し な が ら 、2 年 間 こ の 制 度 を 運 用 し た と こ ろ 、毎 年 度 当 初 に 担 当 教 員 と 学 生 の 組 合 せ が 変 わ る た め 、教 員 か ら「 学 生 と の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン が 図 り に く い 」と い う 意 見 が 多 く 寄 せ ら れ る よ う に な り 、ま た ア ド バ イ ザ ー の 変 更 に 不 安 を 抱 え る 学 生 も 散 見 さ れ る よ う に な っ た 。そ の た め 2008 年 度 か ら は 、こ う し た 問 題 を 解 消 す る た め に 、教 員 と 学 生 グ ル ー プ の 組 合 せ を 研 究 室 配 属 が 行 わ れ る 3 年 生 前 期 ま で の 3 年 半 固 定・継 続 す る「 教 員 固 定 」方 式 と し 、現 在 の と こ ろ 順 調 に 運 用 さ れ て い る 。 な お 、学 生 の グ ル ー プ の 割 振 り は 通 常 学 籍 番 号 順 に 行 っ て い る が 、留 年 生 に 関 し て は 、 他 の 学 生 に 比 べ 特 に 悩 み や 不 安 を 抱 え る こ と が 多 い 傾 向 が 見 受 け ら れ る た め 、学 生 に と っ て 相 談 し や す い 教 員 を 選 択 で き る 機 会 を 与 え て い る 。ま た 、ア ド バ イ ザ ー 制 度 を 利 用 し て 教 員 と 学 生 の 親 睦 を 勧 め る た め に バ ー べ キ ュ ー や 食 事 会 が 企 画 さ れ る が 、そ の経費の一部を補助する制度が設けられている。 本 学 で は 毎 年 4 月 に 4 年 生 を 対 象 と し た 保 護 者 面 談 会 、 10 月 に 全 学 年 を 対 象 と し た 保 護 者 面 談 会 を 開 催 し て 、保 護 者 か ら 学 生 の 勉 学 や 生 活 面 に 関 す る 相 談 を 受 け て い る 。 こ の 際 、 1~ 2 年 生 に は ア ド バ イ ザ ー が 保 護 者 の 相 談 に 対 応 し 、 3 年 生 に は ア ド - 77 - バ イ ザ ー ま た は 配 属 研 究 室 担 当 教 員 、4 年 生 に は 配 属 研 究 室 担 当 教 員 が 対 応 し て い る 。 教 科 科 目 別 の 学 習 相 談 に つ い て は 担 当 教 科 の 教 員 が 対 応 す る が 、オ フ ィ ス ア ワ ー と 教員の居室はシラバスに明記しており、相談者の便宜を図っている。 [点検・評価] 1.本学では学生の指導・助言体制の核としてアドバイザー制度を長期にわたり運 用 し て お り 、機 能 し て き た 。現 在 の「 教 員 固 定 」の ア ド バ イ ザ ー 方 式 は 、 3 年 間 学生・教員が同一グループで推移するために学生間の相互交流や学生指導に有効 である。この方式により、年度当初の混乱や不安を解消し、相談・助言が適切に できるようになったと判断している。また、各教員のオフィスアワー、メールア ドレスなどの相談時に必要と考えられる情報も開示されている。 2.留年生の場合、学生がアドバイザー教員を留年年次の年度当初に選択できるこ ととし、教員やアドバイザーグループの学生との関係を見直す機会を与えた。 3 .学 生 間 の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン を 改 善 す る た め に 、2008 年 度 か ら 2 年 生 以 降 の 学 生 実 習 に お け る グ ル ー プ を 名 簿 順 で は な く 、 A・ B ク ラ ス が 混 在 す る グ ル ー プ に再編成した。その効果については、現在経過を観察している。 [改善計画] 1.アドバイザーグループの「教員固定」方式については、教員と学生との相性が 悪い場合には 3 年間にわたって関係が継続されることを互いに負担に感じる場合 も予想される。教員の意見を取り入れながら、アドバイザー制度に対する学生の 希 望 ア ン ケ ー ト を と り 、ア ド バ イ ザ ー 制 度 の 改 善 に 役 立 て る こ と を 検 討 し て い る 。 【自己評価の根拠となる資料・データ等例】 2009年 度 ア ド バ イ ザ ー 名 簿 、2009年 度 シ ラ バ ス 、ア ド バ イ ザ ー 制 度 に 対 す る 学 生 ア ン ケ ー ト ( 2009年 度 ) - 78 - 基準8-1-3 学生が在学期間中に薬学の課程の履修に専念できるよう,学生の経済的支援及び 修学や学生生活に関する相談・助言,支援体制の整備に努めていること。 【観点 【観点 8 -1 -3 -1 】 学 生 の 健 康 相 談 ( ヘ ル ス ケ ア , メ ン タ ル ケ ア な ど ), 生 活 相 談 , ハラスメントの相談等のために,保健センター,学生相談室を 設置するなど必要な相談助言体制が整備され,周知されている こと。 8 -1 -3 -2 】 医 療 系 学 生 と し て の 自 覚 を 持 た せ , 自 己 の 健 康 管 理 の た め に 定 期的な健康診断を実施し,受診するよう適切な指導が行われて いること。 [現状] 学 生 生 活 は 人 格 を 形 成 し 将 来 自 立 す る た め の 礎 と な る も の で あ り 、学 生 に は 自 分 で 判断し、責任ある行動が求められる。しかし、初めて親元を離れて生活する学生や、 習 慣 の 異 な る 土 地 で の 生 活 に 不 安 を 感 じ る 学 生 も お り 、本 学 で は 以 下 の よ う な 相 談 窓 口の体制を整備して対応している。 1 )事 務 部 学 生 課:事 務 部 学 生 課 は 、① ~ ⑩ に 示 し た 学 生 生 活 全 般 に 関 す る 相 談 窓 口 に な っ て い る 。① 奨 学 金 、② 諸 証 明 書 の 発 行 、③ 旅 客 運 賃 割 引・通 学 証 明 書 の 発 行 、④ ロ ッ カ ー 、⑤ 駐 車 場 ・駐 輪 場 、⑥ 学 友 会 、⑦ 学 内 施 設 の 使 用 、⑧ 学 生 教 育 研究災害傷害保険、⑨遺失物拾得届、⑩その他、日常生活に関すること。 2 )ア ド バ イ ザ ー:修 学 上 の 問 題 点 、生 活 面 で の 悩 み 等 を 相 談 で き る よ う に 、ア ド バ イ ザ ー 制 度 を 設 け て い る ( 基 準 8-1-2 に 記 載 )。 3 )学 生 委 員 会:薬 学 部 学 生 委 員 会 は 8 名 の 教 員 で 構 成 さ れ て い る 。球 技 大 会 、大 学 祭 、ス キ ー・ス ノ ー ボ ー ド ス ク ー ル 等 の 大 学 行 事 、学 友 会 及 び サ ー ク ル 課 外 活 動 、 学 生 駐 車 場 に 関 す る こ と 等 、学 生 生 活 全 般 に 関 し て 事 務 部 学 生 課 と 連 携 し て 対 応 している。 4 )保 健 室:学 生 の 健 康 管 理 の た め に 、保 健 室 に 保 健 師 が 常 駐 し て い る 。学 内 で の ケ ガ や 軽 い 急 病 に 対 し て 応 急 処 置 を 施 し 、必 要 に 応 じ て 医 療 機 関 を 紹 介 す る 。保 健 室 の 利 用 状 況 は 1 年 平 均 で 1,000 件 前 後 で あ り 、そ の う ち 5~ 10% が 医 療 機 関 で 受診している。また、保健室は精神的な悩みの相談窓口にもなっている。 5 )カ ウ ン セ リ ン グ 室:保 健 室 に 隣 接 し て カ ウ ン セ リ ン グ 室 を 設 置 し て お り 、心 理 的 、 精 神 的 な 悩 み の 相 談 を 受 け る 。8 月 と 3 月 を 除 く 毎 週 水 曜 日( 15 時 ~ 17 時 )に 、 専 門 の 男 女 各 1 名 の カ ウ ン セ ラ ー( 非 常 勤 の 臨 床 心 理 士 )に 相 談 す る こ と が で き る 。 年 間 25 件 前 後 の 利 用 が あ る 。 6)ハラスメント相談:ハラスメント相談の担当教職員が窓口として対応している。 詳 細 は 、 基 準 8-1-4 を 参 照 。 7 )経 済 的 支 援 等:奨 学 生 の 募 集 に 際 し て は 随 時 説 明 会 を 行 っ て い る 。日 本 学 生 支 援 機 構 、新 潟 県 や 新 潟 市 等 の 地 方 公 共 団 体 、あ し な が 奨 学 金 等 の 民 間 団 体 の 奨 学 金 の ほ か に 、 新 潟 薬 科 大 学 の 奨 学 金 制 度 が あ る 。 こ れ は 、 1997 年 度 か ら 開 始 し た - 79 - 本 学 の 奨 学 金 で 、 各 学 年 8 名 の 合 計 32 名 の 成 績 優 秀 者 に そ れ ぞ れ 年 間 10 万 円 を給付している。 学 校 保 健 法 に よ り 年 一 回 の 実 施 を 義 務 づ け ら れ て い る 定 期 健 康 診 断 を 、全 学 生 を 対 象 と し て 毎 年 4 月 の オ リ エ ン テ ー シ ョ ン 時 に 実 施 し て い る 。肺 結 核 は 他 人 に 及 ぼ す 影 響が大きいため、特に重要な検査として胸部 X 線の受診を義務付けている。また病 院・薬 局 実 習 前 に は 、医 療 機 関 で 実 習 を 受 け る こ と か ら 感 染 症 予 防 が 必 要 な こ と を 学 生に十分周知させており、麻疹(全員)と B 型及び C 型肝炎(任意)の抗体検査を 近 隣 の 病 院 で 実 施 し て い る 。ま た 、抗 体 を 保 持 し な い 学 生 に は 学 校 医 あ る い は 保 健 師 を 通 じ て 予 防 接 種 を 勧 め て い る 。な お 、定 期 健 康 診 断 や 抗 体 検 査 の 受 診 結 果 は 保 健 師 よ り 学 生 に 通 知 し 、必 要 な ア ド バ イ ス や 指 導 を 行 っ て い る 。ま た 、受 診 し な か っ た 学 生 に は 、日 程 を 調 整 し て 必 ず 受 診 す る よ う に 指 導 し て い る 。こ う し た 定 期 的 な 指 導 だ けでなく、日常体調の悪い学生に対して、保健師による適切な指導も行われている。 [点検・評価] 1 .健 康 、生 活 、ハ ラ ス メ ン ト 相 談 等 の た め の 施 設 と 相 談 助 言 体 制 に つ い て の 対 応 窓 口 は 整 備 さ れ て い る 。た だ し 、カ ウ ン セ ラ ー が 非 常 勤 の た め 、必 要 時 に す ぐ 相 談 で きない場合がある。 2 .生 活 面 を 考 え る 際 、奨 学 金 制 度 の 充 実 が 重 要 で あ る 。ま た 、経 済 的 な 理 由 や 自 然 災 害 に よ る 学 納 金 免 除 、延 納 及 び 分 割 納 付 等 が 必 要 で あ る と 考 え ら れ 、現 在「 学 納 金減免規程」や「減免審査基準」を作成中である。 3 .定 期 的 健 康 診 断 の 実 施 及 び 受 診 指 導 は 適 切 に 行 わ れ て お り 、保 健 室 の 保 健 師 が 日 常の健康相談にも適切に対応している。 [改善計画] 1 .カ ウ ン セ ラ ー の 不 在 時 や カ ウ ン セ リ ン グ を 利 用 す る 学 生 の 増 加 の た め に 、教 職 員 の 対 応 が 難 し い ケ ー ス が 出 て く る 可 能 性 が 想 定 さ れ る こ と か ら 、常 勤 の カ ウ ン セ ラ ーの雇用を検討する。 2 .社 会 情 勢 に よ り 保 護 者 等 の 経 済 状 態 が 急 変・悪 化 す る 事 態 に 備 え 、学 納 金 の 免 除 、 延納、及び分割納付を可能にする制度の整備をしていく。 3 .現 状 を 維 持 し つ つ 、日 頃 か ら あ ら ゆ る こ と に つ い て 学 生 が よ り 気 軽 に 相 談 で き る 相談・助言・支援体制造りを心がけていく。 【自己評価の根拠となる資料・データ等例】 2009年 度 オ リ エ ン テ ー シ ョ ン 資 料 、 2009年 度 学 生 便 覧 、2009年 度 ア ド バ イ ザ ー名簿、学生教育研究災害傷害保険のしおり - 80 - 基準8-1-4 学習及び学生生活において,人権に配慮する体制の整備に努めていること。 [現状] 現 在 本 学 に お い て 整 備 さ れ て い る 人 権 に 配 慮 し た 修 学 支 援 体 制 と し て 、① ハ ラ ス メ ン ト 防 止 の た め の 措 置 、② 身 体 障 害 、身 体 不 自 由 者 に 対 す る 配 慮 、③ 災 害 罹 災 学 生 に 対する支援策 がある。 ①ハラスメント防止 本 学 で は 、ハ ラ ス メ ン ト の 防 止 に 関 す る 規 程 を 個 人 の 尊 厳 を 定 め る 日 本 国 憲 法 、教 育 基 本 法 、労 働 基 準 法 、男 女 雇 用 機 会 均 法 等 の 精 神 に 基 づ い て 制 定 し て お り 、こ の 規 程 に 則 っ て ハ ラ ス メ ン ト を 防 止 す る と と も に 、学 生 が 快 適 な 大 学 生 活 を 送 る こ と が で き る よ う 配 慮 し て い る 。具 体 的 に は 、ハ ラ ス メ ン ト に 関 す る 相 談 窓 口 を 設 け 、各 学 部 (薬学部、応用生命科学部)と事務部、保健室より計 7 名の相談員を配置している。 こ の 相 談 窓 口 に つ い て は 、年 度 当 初 に 行 わ れ る オ リ エ ン テ ー シ ョ ン を 通 じ て 学 生 に 案 内 し て お り 、ま た 学 生 便 覧 に は 、キ ャ ン パ ス 内 に お け る 様 々 な ハ ラ ス メ ン ト の 概 説( セ ク シ ュ ア ル ハ ラ ス メ ン ト 、ア カ デ ミ ッ ク ハ ラ ス メ ン ト 、パ ワ ー ハ ラ ス メ ン ト 、モ ラ ル ハ ラ ス メ ン ト )と 具 体 例 を 記 載 し て ハ ラ ス メ ン ト を 起 こ さ な い た め の 対 策 等 の 説 明 を 記 載 し て い る 。防 止 に 関 す る 案 内 だ け で な く 、万 一 ハ ラ ス メ ン ト に あ っ て し ま っ た 場 合 の 対 応 に つ い て も 学 生 便 覧 に 詳 し く 示 し 、相 談 方 法 等 に つ い て も 指 導 し て い る 。ハ ラ ス メ ン ト の 被 害 者 に 対 す る 対 応 は も ち ろ ん で あ る が 、加 害 者 に な ら な い 心 が け 、配 慮 に つ い て も 具 体 例 を あ げ な が ら 、学 生 便 覧 、オ リ エ ン テ ー シ ョ ン を 通 じ て 案 内 し て い る 。さ ら に 本 学 の ア ド バ イ ザ ー 制 度 を 利 用 し て 、ア ド バ イ ザ ー 教 員 あ る い は 事 務 部 学 生 課 職 員 が 、学 生 、大 学 院 生 か ら の 被 害 報 告・相 談 に 適 宜 対 応 す る 体 制 を と っ て い る。現在までのところ、被害報告・相談の事例はない。 ②身体障害、身体不自由者に対する支援 本 学 の 建 築 物 の 基 本 設 計 に は 、バ リ ア フ リ ー の 考 え 方 が 導 入 さ れ て い る 。詳 細 は 基 準 8−1−6 で 述 べ る が 、 ス ロ ー プ や 車 椅 子 対 応 の ト イ レ 、 エ レ ベ ー タ ー を 整 備 し て お り 、身 体 不 自 由 者 で あ っ て も 健 常 者 と 同 様 の 学 生 生 活 が 送 れ る よ う 可 能 な 限 り 配 慮 し て い る 。ま た 、学 生 実 習 の 際 に も 学 生 の 了 解 を 得 て 担 当 教 員 へ 通 知 し 、本 人 の 希 望 の もとで不便のないように対応している。 ③災害罹災学生に対する支援 こ こ 数 年 間 に 、新 潟 県 で は 2 度 の 震 災( 中 越 地 震 、中 越 沖 地 震 )と 集 中 豪 雨 に よ る 水 害 を 経 験 し た 。本 学 で は 、こ う し た 突 然 の 自 然 災 害 に 罹 災 し た 学 生 に 対 し て 、こ れ ま で と 変 わ ら な い 教 育 を 受 け る こ と が で き る よ う に 、以 下 の 経 済 的 及 び 精 神 的 な 支 援 制度を整備し、運用している。 1)経 済 的 に 大 き な 被 害 を 受 け た 場 合 、被 害 程 度 に 応 じ て 学 納 金 の 一 部 を 免 除 す る ことと、教職員からの義捐金及び後援会からの補助金・見舞金の給付を行う。 - 81 - 2)新 潟 薬 科 大 学 独 自 の 奨 学 金 制 度 を 設 置 し て 、罹 災 学 生 に 対 す る 経 済 的 な 支 援 を 行っている。 3)災 害 の た め の 精 神 的 影 響 に 対 す る ケ ア を 行 う た め に 、 学 内 に カ ウ ン セ リ ン グ 室 を設置している。 以上の体制が円滑に運営されることにより、災害時における経済的、身体的、精 神的なダメージを軽減し、他学生と隔たりのない快適な学生生活を送れるように対 応している。 [点検・評価] 1 .性 別 や 年 齢 、経 歴 、身 体 の 不 自 由 等 に 関 す る 差 別 を 感 じ る こ と が 無 く 、学 生 生 活 を 有 意 義 に 送 る こ と が で き 、学 生 個 人 の 有 す る 精 神 的 、身 体 的 な 能 力 を 可 能 な 最 大 限 度 ま で 発 展 、成 長 、育 成 で き る 学 習 環 境 は 整 っ て お り 、機 能 し て い る と 思 わ れ る 。 特に身体障害、身体不自由者に対する施設面の改善はなされている。 2 .ア カ デ ミ ッ ク ハ ラ ス メ ン ト に つ い て 、悩 み を 抱 え な が ら 告 発 に 至 ら な か っ た 潜 在 事 例 の 存 在 を 常 に 考 慮 し な が ら 、適 切 な 対 応 が で き る 相 談 窓 口 を 充 実 す る 必 要 が あ る。 3 .数 度 に わ た る 大 き な 自 然 災 害 を 経 験 し て い る こ と か ら 、災 害 罹 災 学 生 に 対 す る 支 援は整備されており、実際に運用している。 [改善計画] 1 .ハ ラ ス メ ン ト の 窓 口 や 相 談 員 の 配 置 に 関 し て は 整 備 さ れ て い る と 判 断 し て い る が 、 表面化しない事例についての学生支援は必要であり、その対策として「ひとこと BOX」 の 利 用 が 一 つ の 方 策 で は な い か と 考 え る ( 基 準 8−1−8 参 照 )。 2 .学 生 支 援 に お け る 制 度 等 は 、概 ね 大 学 側 か ら の 提 案 で 整 備 さ れ る こ と が 多 い 。本 学 で は 学 生 の 人 権 が 最 大 に 守 ら れ 、配 慮 さ れ る 体 制 を 常 に 意 識 し な が ら 支 援 体 制 の 充 実 を 行 っ て い る が 、学 生 側 か ら の 意 見・要 望 を 吸 い 上 げ て の 支 援 体 制 の 充 実 も 忘 れてはならないと考える。 【自己評価の根拠となる資料・データ等例】 2009年 度 学 生 便 覧 、 ハラスメント対策リーフレット、 学 校 法 人 新 潟 技 術 学 園 ハ ラ ス メ ン ト に 関 わ る 懲 戒 処 分 ガ イ ド ラ イ ン ( 20.12.1 制 定 )、学 校 法 人 新 潟 技 術 学 園 ハ ラ ス メ ン ト 防 止 等 に 関 す る 規 程( 20.12.1制 定 ) 新潟薬科大学ハラスメント防止委員会規程 - 82 - 基準8-1-5 学習及び学生生活において,個人情報に配慮する体制が整備されていること。 [現状] 学校法人新潟科学技術学園及び学校法人新潟科学技術学園が設置する学校(以下 「学園等」という)における学生等に関する個人情報の適正な取扱いを確保するた め に 、2005年 4月 1日 に「 学 生 等 の 個 人 情 報 の 保 護 に 関 す る 規 程 」が 制 定 さ れ た 。本 学 で は 、同 規 程 に 定 め る と こ ろ 、及 び 個 人 情 報 の 保 護 に 関 す る 法 律( 2003年 法 律 第 57号 ) に 関 す る 法 令 等 に 定 め る も の に 従 っ て 個 人 情 報 の 取 扱 い を 行 っ て い る 。 学生の病気や身体的障害に関する個人情報は、アドバイザー制度を機能させるた め に も あ る 程 度 の 公 開 は 必 要 で あ る 。そ こ で 本 学 で は 、こ う し た 情 報 の 公 開 に 際 し 、 学生本人や保護者に承諾をとった後に学内教員に電子メールで情報を配信し、勉学 や生活面での指導に役立てることにしている。なおこの際配信される個人情報を含 む 電 子 フ ァ イ ル は 、教 員 に の み 配 布 さ れ て い る パ ス ワ ー ド で 保 護 さ れ て い る 。ま た 、 学 生 個 人 を 特 定 で き る 資 料 を 教 授 会 等 で 配 布 す る 場 合 に は 、内 容 に よ っ て「 マ ル 秘 」 ( 閲 覧 後 回 収 )、 「 廃 棄 」、 「取扱注意」 ( 第 三 者 へ の 開 示 に は 注 意 を 要 す )等 を 表 示 の うえ、回収資料については事務部で責任を持って処分し、それ以外の資料について も各教職員が厳重に管理するよう徹底指導している。なお、回収資料には通し番号 を振り、破棄する前に全てが回収されているかを確認している。 [点検・評価] 1 .「 学 生 等 の 個 人 情 報 の 保 護 に 関 す る 規 程 」 に は 、 個 人 情 報 の 収 集 、 利 用 、 提 供 、 開示に関する条項が設けられており、本学では個人情報の保護に配慮する体制が 整えられていると考えている。 2 .学 習 及 び 学 生 生 活 に お け る 種 々 の 個 人 情 報 は 、ア ド バ イ ザ ー や 授 業 担 当 教 員 か ら 、 必 ず 学 生 本 人 の 許 可 を 得 た 上 で 、主 に 学 生 課 や 教 務 課 に 集 め ら れ た 後 、関 係 部 署 ・ 担当者に伝達されている。 [改善計画] 1 .「 学 生 等 の 個 人 情 報 の 保 護 に 関 す る 規 程 」 5条 ( 5) に 従 い 、 本 学 全 教 職 員 を 対 象 と し て 、 個 人 情 報 の 取 扱 い に 関 す る 研 修 を 年 1回 行 う こ と で 、 継 続 的 な 注 意 喚 起を行っていく。 2 . 電 子 メ ー ル 等 に よ り 個 人 情 報 を 含 む 文 書 を 送 付 す る 際 の 管 理( パ ス ワ ー ド に よ るロックを行う等)の徹底、電子ファイルの学外持ち出し禁止の明文化等が必要 であり、電子媒体を介した個人情報の取扱いに関する細則を制定する。 3 .個 人 情 報 を 含 む 紙 媒 体 の 管 理 に 関 す る 細 則 を 制 定 す る 。具 体 的 に は 、 「マル秘= 閲覧後回収、廃棄、取扱注意=第三者への開示には注意を要す」等の細則はすで - 83 - に適応されているが、教員や事務部職員に対する具体的な指導事例集等の作成も 必要である。 4 . 個 人 情 報 保 護 体 制 の 一 層 の 強 化 を 目 的 と し 、「 学 生 等 の 個 人 情 報 の 保 護 に 関 す る 規程」に違反した場合の罰則規程について検討する。 【自己評価の根拠となる資料・データ等例】 学 生 等 の 個 人 情 報 の 保 護 に 関 す る 規 程 ( 2005 年 4 月 1 日 制 定 ) - 84 - 基準8-1-6 身体に障害のある者に対して,受験の機会が確保されるとともに,身体に障害の ある学生について,施設・設備上及び学習・生活上の支援体制の整備に努めている こと。 [現状] 本 学 で は 、身 体 に 障 害 の あ る 学 生 に 対 し て 入 学 を 制 限 す る こ と は 全 く 行 っ て い な い 。現 在 、右 手 が 不 自 由 な 学 生 、ペ ー ス メ ー カ ー を 付 け て い る 学 生 、ア レ ル ギ ー を 持 つ 学 生 が 在 籍 し て い る が 、事 務 部 学 生 課 を 通 じ て 教 員 間 に 様 々 な 情 報 を 本 人 の 同 意 の 下 で 配 信 し て お り 、授 業・実 習 に 不 都 合 は 生 じ て い な い 。身 体 的 な 障 害 は 持 た な い が 特 別 な 配 慮 を 必 要 と す る 学 生 に 関 し て は 、過 去 に 応 用 生 命 科 学 部 に ア ス ペ ル ガ ー 症 候 群 の 学 生 が 在 籍 し て い た 経 験 を 踏 ま え 、障 害 の 程 度 に 応 じ て 対 象 学 生 専 用 の 個 室 の 設 置 や 担 当 教 員 の 指 定 、及 び 全 教 員 へ の 周 知 を 行 い 、講 義・実 習 に 対 応 す る 体 制 を 大 学 と し て 整 え て い る 。な お 、現 在 の と こ ろ 登 校 時 の 施 設・設 備 上 及 び 学 習・生 活 上 の 支 援体制を必要とするような重度の身体障害をもつ学生は在籍していない。 本 学 の 校 舎 は バ リ ア フ リ ー の 考 え 方 で 設 計 さ れ て い る 。例 え ば 傾 斜 の 大 き い 場 所 に つ い て は 階 段 の み で な く ス ロ ー プ を 付 け て お り 、車 椅 子 使 用 者 等 へ の 配 慮 を 行 っ て い る 。ま た 保 健 室 で は 、車 椅 子 、松 葉 杖 等 を 必 要 に 応 じ て 貸 し 出 す 用 意 を し て い る 。ま た 、学 内 A 棟 、F 棟 、図 書 館 棟 に は 車 椅 子 専 用 ト イ レ を 設 置 し 、学 内 エ レ ベ ー タ ー は 車 椅 子 対 応 型 と な っ て い る 。従 っ て 、身 体 に 不 自 由 が あ り 車 椅 子 を 必 要 と す る 学 生 に 対 し て も 、他 の 学 生 と 同 様 に 学 内 で の 講 義 室 の 移 動 や 学 生 生 活 を 営 め る よ う 配 慮 し て いる。 ペ ー ス メ ー カ ー を 付 け て い る 学 生 に 対 応 す る も の と し て 、大 型 NMR 等 の 高 磁 場 が 発 生 す る 共 通 機 器 室 周 辺 に は 、注 意 を 喚 起 す る ポ ス タ ー を 機 器 室 入 口 に 掲 示 し て い る 。 [点検・評価] 1 .視 聴 覚 障 害 等 の 身 体 的 な 障 害 者 と 、ア ス ペ ル ガ ー 症 候 群 の よ う な 発 達 障 害 者 に 対 する両面の配慮が必要である。重度の身体的な障害者に関しては、薬学共用試験 ( OSCE) の 受 験 時 で の 配 慮 も 必 要 に な る 。 2 .2009 年 度 薬 学 共 用 試 験 の OSCE に お い て 右 手 が 不 自 由 な 学 生 が 受 験 し た が 、身 体 的 な 障 害 を 持 つ 学 生 が 不 利 に な ら な い よ う 、共 用 試 験 セ ン タ ー と 相 談 の 上 で 補 助 器具の使用等で対応した。 3 .事 務 部 学 生 課 と 学 生 委 員 会 を 窓 口 と し て 、障 害 者 の 立 場 に な っ て バ リ ア フ リ ー の 考 え 方 を 推 進 す る と と も に 、既 存 の 施 設・設 備( 車 椅 子 用 の 駐 車 ス ペ ー ス 、多 目 的 トイレ、車椅子等)が十分に機能していることを定期的に確認している。 4 .入 学 試 験 の 多 様 化 と と も に 、今 後 様 々 な 障 害 を 持 つ 学 生 が 入 学 す る こ と が 想 定 さ れ る 。そ の 程 度・状 況 に 応 じ 、最 優 先 事 項 と し て 学 生 の 修 学 及 び 大 学 生 活 に つ い て - 85 - 配慮することが必要である。 [改善計画] 1 .障 害 者 の 意 見・要 望 を 集 約 し て 、障 害 者 に と っ て 見 や す い 学 内 案 内・表 示 等 に 改 善・整 備 す る よ う に 努 め る 。す で に あ る 施 設・設 備( 車 椅 子 用 の 駐 車 ス ペ ー ス 、多 目 的 ト イ レ 、車 椅 子 等 )が 充 分 に 機 能 し て い る こ と を 定 期 的 に 確 認 し 、不 都 合 が あ れば改修する。 2.車椅子用のトイレは、現在 4 ヶ所(管理棟(A 棟)1 階、図書館棟(J 棟)1 階 及 び 2 階 、研 究 棟( F 棟 )1 階 )に 設 置 さ れ て い る 。今 後 入 学 生 の 状 況 に よ り 、講 義棟の各階や実習棟に設置するような対応も必要である。 3 .障 害 を 有 す る 学 生 が 入 学 し た 場 合 の 指 導 事 例 集 等 の 作 成 も 必 要 と 思 わ れ る 。さ ら に 学 生 及 び 教 職 員 に は 講 習 会 等 を 通 じ て 、バ リ ア フ リ ー マ イ ン ド を 喚 起 し て い く 必 要がある。 【自己評価の根拠となる資料・データ等例】 校舎内施設・設備の配置図 - 86 - 基準8-1-7 学生がその能力及び適性,志望に応じて主体的に進路を選択できるよう,必要な 情報の収集・管理・提供,指導,助言に努めていること。 【観点 【観点 8 -1 -7 -1 】 学 生 が そ れ ぞ れ の 目 指 す 進 路 を 選 択 で き る よ う , 適 切 な 相 談 窓 口を設置するなど支援に努めていること。 8 -1 -7 -2 】 学 生 が 進 路 選 択 の 参 考 に す る た め の 社 会 活 動 , ボ ラ ン テ ィ ア 活 動等に関する情報を提供する体制整備に努めていること。 [現状] 薬学部就職委員会(委員長:教授 1 名、委員:准教授 3 名)が組織されており、 学生課職員(3 名)とともに学生の就職活動の支援及びキャリアサポート全般を担 当 し て い る 。さ ら に 3 年 生 後 期 か ら は 卒 業 研 究 配 属 先 の 研 究 室 教 員 も 相 談 窓 口 と し てキャリアサポート体制に加わり、就職委員会-学生課-研究室教員が連携を取り ながら学生の要望に沿った就職支援を行っている。学年ごとの支援の具体策として 学 外 の 専 門 講 師 や OB・ OG を 招 い た 講 習 会 を 開 催 し て お り 、 1~ 4 年 生 に は 学 年 に 則し、薬剤師の仕事・将来、求められる薬剤師像、医療人としてのマナー教育、薬 剤 師 が 活 躍 で き る 職 種 、薬 剤 師 を 取 り 巻 く 環 境 等 に つ い て 指 導 し て い る 。ま た 、OB・ OG に よ る 職 場 紹 介 ・ 就 職 体 験 談 を 聞 く 機 会 も 設 け て い る 。 さらに 4 年生後期には、本学で開発した「就職支援システム」について説明会を 開 催 し て い る 。 こ の シ ス テ ム は 、 5 年 次 の 臨 床 実 務 実 習 中 の 学 生 が 、 学 外 か ら PC あるいは携帯電話で随時大学ホームページにアクセスして、最新の就職・求人情報 を入手し、就職活動に迅速に対応できるよう構築したものである。5 年次には 4 月 と 12 月 に 、 新 潟 県 内 外 の 病 院 、 保 険 薬 局 、 ド ラ ッ グ ス ト ア 、 製 薬 企 業 等 の 参 加 を 得 て( 参 加 予 定 200~ 300 社 )、学 内 就 職 説 明 会 を 開 催 す る 。12 月 の 就 職 説 明 会 は 、 大半の学生が臨床実務実習を終了した後での開催であり、学生個々の職種に関する 希望と適正が明確になっていると考えられ、内定獲得に向けた最終段階と位置づけ ている。さらに 5 年生にはエントリーシートの書き方、履歴書の書き方、内定確約 書 の 意 義 と そ の 書 き 方 、模 擬 面 接 等 も 実 施 す る 。な お 、就 職 支 援 に 関 し て 、 「ポータ ル サ イ ト を 利 用 し た 就 職 支 援 シ ス テ ム の 再 構 築 」 事 業 が 2009 年 度 か ら の 「 大 学 教 育・学生支援推進事業学生支援推進プログラム」に採択されている。 過 去 3 年 間 の 求 人 は 4 年 制 課 程 の 学 生 を 対 象 と し た も の で あ る が 、求 人 数 は 年 々 増 加 し 、新 潟 県 を は じ め 関 東・関 西 地 区 等 ほ ぼ 全 国 か ら 学 生 定 員 の 約 4 倍 の 800 件 の求人があった。これらの求人情報や会社・医療施設案内は、随時就職資料室に掲 示し、さらに各研究室にも配布している。また、本学では就職に関する懇談会とし て「薬大交流の会」を毎年開催している。現在では薬学部と応用生命科学部が隔年 で主催しており、大学と企業や病院・薬局との就職に関する情報交換を行う場とし ている。 一方、従来の 4 年制課程においては、各大学からの大学院募集要項等を掲示板に - 87 - 掲示し、大学院進学を希望する学生に情報を提供してきた。また、本学の大学院に ついても、4 年生のオリエンテーションで紹介してきた。学生の社会活動やボラン ティア活動の案内については件数が少ないが、医療系大学の学生との交流や研修会 の 案 内 に つ い て は 随 時 掲 示 し て 参 加 を 促 し て い る 。 2009 年 8 月 の 新 潟 医 療 福 祉 大 、 新潟青陵大との医療・福祉系学生の教育連携セミナーには、教員 3 名とともに数名 の大学院学生が参加した。 [点検・評価] 1.就職情報の体系的な収集・管理及び指導教員からの助言・指導体制の整備、加 えて医療現場で活躍する薬剤師からの助言を直接得られる機会も設ける等、本学 では学生の要望に合わせた多角的なキャリアサポート体制が整備されている。 2 .OB・ OG と の 交 流 に よ り 、低 学 年 時 か ら 現 場 の 薬 剤 師 の ア ド バ イ ス が 学 生 に 伝 わるように考慮しており、学生のキャリア形成の一助になっている。 3 . 学 外 で の 実 務 実 習 中 の 5 年 生 に 対 す る 就 職 支 援 と し て 、「 就 職 支 援 シ ス テ ム 」 を独自に開発してその運用を開始したことは高く評価できる。 4 . 進 路 選 択 の 参 考 に す る た め の 社 会 活 動・ボ ラ ン テ ィ ア 活 動 等 の 案 内 に つ い て は 、 掲示あるいは研究室へのメール配信で提供している。 5.全国的な薬学部の新増設による薬剤師過剰供給に伴う学生の就職難が懸念され る中で、従来通りに新卒者ならびに既卒者のニーズに沿った就職支援を行うため には、これまで以上に就職先の確保と新たな開拓が急務である。 [改善計画] 1.学内に「就職支援室」が設置されているものの、応用生命科学部の就職支援が 中心であり、薬学部専任の担当者を配置する必要がある。 2 . 就 職 先 の 確 保 と 新 た な 開 拓 に は 4,000 名 の 卒 業 生 か ら の 求 人 情 報 ・ 就 職 情 報 が 極めて貴重な情報源となることから、卒業生と大学担当者との定期的な情報交 換・懇 談 の 機 会 を 設 け る こ と が 必 要 で あ る 。こ の 懇 談 会 を 円 滑 に 実 施 す る た め に 、 就職委員会委員とともに、卒業生と大学とのパイプ役として県別、地域別に担当 教員を配置することも必要である。 3. 「 薬 大 交 流 の 会 」は 学 生 の 就 職 に 関 す る 情 報 交 換 が 主 た る 目 的 で あ る が 、就 職 に 特化せずに広く大学と企業・医療施設との交流の場とし、そこから得られる信頼 関係を学生の就職支援活動にフィードバックしていくことも必要である。 【自己評価の根拠となる資料・データ等例】 業 種 別 求 人 状 況 と 件 数 、 卒 業 生 の 業 種 別 就 職 状 況 一 覧 、「 薬 大 交 流 の 会 」 開 催 資 料 、 キ ャ リ ア サ ポ ー ト 講 習 会 資 料 、 学 内 就 職 説 明 会 資 料 、「 就 職 支 援 シ ス テ ム 」 運用マニュアル - 88 - 基準8-1-8 学生の意見を教育や学生生活に反映するための体制が整備されていること。 【観点 【観点 8 -1 -8 -1 】 在 学 生 及 び 卒 業 生 に 対 し て , 学 習 環 境 の 整 備 等 に 関 す る 意 見 を 聴く機会を設け,その意見を踏まえた改善に努めていること。 8 -1 -8 -2 】 学 習 及 び 学 生 生 活 に 関 連 す る 各 種 委 員 会 に お い て は , 学 生 か ら の直接的な意見を聴く機会を持つことが望ましい。 [現状] 学生から生活及び環境整備に関する意見を聴く機会としては、次のようなものが あり、①~④は学生委員会が管轄している。 ① 学 生 委 員 会 の ア ン ケ ー ト:2007年 度 に 6年 制 に 伴 う カ フ ェ テ リ ア の 拡 張 の た め に 、 学生を対象として食事の提供時間及び方法について調査を行った。この結果カフ ェテリアで夕食も提供するようになり、さらにメニューや食事提供方法に関する 意見も取り入れられ、食堂の営業体制に反映された。 ② サ ー ク ル 代 表 者 会 議:毎 年 実 施 し て い る が 、サ ー ク ル に 所 属 す る 学 生 の 意 見 に 偏 る 傾 向 が あ る た め 、2006年 度 に は 各 学 年 の 代 表 か ら 学 年 ご と の 意 見 を 聞 く こ と に した。この機会により種々の要望(体育館・グラウンドの利用方法、サークルの 遠征費補助、自習室のマナー、試験勉強のための講義室開放、複写機の増設、女 子トイレに「音姫」の設置等)に対してできる限りの改善が翌年度から図られる ようになった。 ③ 「 ひ と こ と BOX」: 本 学 全 学 生 を 対 象 に 、生 活 や 環 境 整 備 等 に 関 し て 日 頃 感 じ て い る 意 見 、要 望 、疑 問 等 を 気 軽 に 問 い 合 わ せ る シ ス テ ム と し て 、2008年 度 に 設 置 した。これは投函された「ひとことカード」に対して、その意見・疑問に関連す る学内担当者(各種委員会、事務部職員等)が回答して掲示している。これによ り修学面だけでなく、食堂のメニュー、駐車違反の取締強化等の生活面、及び駐 輪場の防滑改修、トイレの照明、通学路の街灯設置、駐車場の区画線整備等の設 備面の改善が図られてきた。 ④ 学 生 の 父 兄 か ら 意 見 を 聴 く 機 会 と し て 、 毎 年 4月 と 10月 に 開 催 さ れ る 保 護 者 面 談 会 で の 全 体 会 議 が あ る 。ま た 、本 学 後 援 会 役 員 と の 懇 談 会 を 毎 年 開 催 し て い る 。 いずれも薬学部の現状と取組について学部長、主要委員会委員長が説明した後、 保護者との意見交換及びアンケートによる意見聴取を行っている。 ⑤ 従来卒業生から意見を聴く機会は設けていなかったが、就職委員会と同窓会が 共 催 し た 「 薬 学 部 卒 業 生 交 流 フ ェ ス タ 2009」( 2009年 10月 17日 ) で 、 卒 業 生 と 意 見交換を行って改善すべき事項を抽出した。 ⑥ FD委 員 会 を 中 心 に 、教 務 委 員 会 、自 己 点 検・評 価 委 員 会 が 連 携 し て 学 生 に よ る 授業評価アンケートを実施している。その結果及び学生からのコメントは教員に 伝達され、次年度の授業改善に役立てている。 - 89 - [点検・評価] 1 .「 学 生 委 員 会 の ア ン ケ ー ト 」 は カ フ ェ テ リ ア の 改 善 に 特 化 し た 調 査 で あ っ た が 、 学生への食事提供に関して改善され、増床後のカフェテリアの営業形態にも学生 からの要望が反映された。 2. 「 サ ー ク ル 代 表 者 会 議 」は 毎 年 行 わ れ 、学 生 か ら の 課 外 活 動 に 関 す る 要 望 の ほ か 、 学生生活及び大学施設の利用法についての要望が寄せられている。改善・検討で きる点については速やかに対応されており、翌年の会議で報告を行っている。 3 .「 ひ と こ と BOX」 で は 、 学 内 の 教 職 員 で は 見 過 ご さ れ て い る 学 生 目 線 で の 問 題 提起がある。また、フィードバックも短期間になされていることから有効に機能 している。一方、無記名あるいはペンネームで投書される意見には「ひとこと BOX」 の 趣 旨 に 反 し た も の も 多 く 、 投 書 の 取 捨 選 択 も 今 後 問 題 と な ろ う 。 4 .保 護 者 面 談 会 で の 保 護 者 か ら の 意 見 に 対 し て 、全 体 会 議 で で き る 限 り の 説 明 を 行 っ て い る 。一 方 、ア ン ケ ー ト 調 査 で 得 ら れ る 意 見・要 望 に つ い て は 、保 護 者 へ の フ ィードバックができておらず、早急に対処する必要がある。 [改善計画] 1.学生からの意見の収集については、サークル代表者会議と学年代表者会議を個 別に開催するようにして各々の意見を聴取できる体制を整える。現在、学年代表 者は選出されるものの、選出された学生及び学生の意識が低く、また代表者の役 割が明確ではない。今後、学友会規程の見直し等により代表者会議が有効に機能 するような体制の構築に努める。 2 .「 ひ と こ と BOX」 で 、 繰 り 返 し 同 じ 意 見 ・ 質 問 を 受 け な い よ う に 、 質 問 と そ の 回 答 の 事 例 集 を 作 成 す る 。 ま た 、「 ひ と こ と BOX」 の 趣 旨 に 反 し た 意 見 ・ 要 望 が 出 た 場 合 に は 慎 む よ う に 回 答 し 、質 問 の マ ナ ー を 指 導 す る 。ま た 、 「ひとことカー ド」への回答者が偏らないように考慮する。 3 .保 護 者 面 談 会 で 出 さ れ た 保 護 者 か ら の 意 見・要 望 に 対 し て 、毎 年 発 行 さ れ る「 薬 大ニュース」や保護者への成績配布時に回答を伝え、大学としての対応を公開し ていく。 4.卒業生が数名本学教員となっており、その接点を利用して同窓会の意見を求め ることが可能である。同窓会と連携・協力した交流の機会を県内外でもち、大学 と各地の卒業生との繋がりをより密度の高いものにする。 【自己評価の根拠となる資料・データ等例】 カ フ ェ テ リ ア に 関 す る ア ン ケ ー ト 結 果 、サ ー ク ル 代 表 及 び 学 生 代 表 の 要 望 と そ れ に 対 す る 改 善 の 対 応 表 、ひ と こ と BOX 掲 示 ま で の 流 れ 、ひ と こ と BOX 実 施 要 領 、父 母 面 談 会 の 案 内 と ア ン ケ ー ト の ま と め 、薬 学 部 卒 業 生 交 流 フ ェ ス タ 2009 開催案内 - 90 - (8-2)安全・安心への配慮 基準8-2-1 学生が安全かつ安心して学習に専念するための体制が整備されていること。 【観点 【観点 【観点 【観点 8 -2 -1 -1 】 実 習 に 必 要 な 安 全 教 育 の 体 制 が 整 備 さ れ て い る こ と 。 8 -2 -1 -2 】 実 務 実 習 に 先 立 ち , 必 要 な 健 康 診 断 , 予 防 接 種 な ど が 実 施 さ れ ていること。 8 -2 -1 -3 】 各 種 保 険 ( 傷 害 保 険 , 損 害 賠 償 保 険 等 ) に 関 す る 情 報 の 収 集 ・ 管理が行われ,学生に対して加入の必要性等に関する適切な指 導が行われていること。 8 -2 -1 -4 】 事 故 や 災 害 の 発 生 時 や 被 害 防 止 の た め の マ ニ ュ ア ル が 整 備 さ れ , 講習会などの開催を通じて学生及び教職員へ周知されている こと。 [現状] 学 生 実 習 に お け る 安 全 教 育 と し て 、各 実 習 開 始 時 に 担 当 教 員 が 保 護 メ ガ ネ の 着 用 や 服 装 に 関 す る 注 意 と と も に 、 薬 物 ア レ ル ギ ー の 調 査 等 を 行 っ て い る 。 毎 年 20 件 前 後 の実習中での事故報告があるが、そのほとんどがガラス器具による切り傷、針刺し、 薬 品 に よ る ケ ガ 等 軽 微 な も の で あ り 、保 健 室 で 対 応 し て い る 。ま た 、病 院・薬 局 実 務 実 習 時 の 安 全 教 育 に つ い て は 、臨 床 実 務 事 前 実 習 や 臨 床 系 の 学 生 実 習 の 中 で 行 わ れ て いる。 定 期 健 康 診 断 は 毎 年 4 月 に 全 学 生 を 対 象 に し て 行 な わ れ て い る 。ま た 病 院・薬 局 で の 実 務 実 習 に あ た っ て は 、実 務 実 習 に 参 加 予 定 の 学 生 全 員 を 対 象 と し て 、大 学 が 経 費 を負担して麻疹(全員)と B 型及び C 型肝炎の抗体検査(任意)を行っており、抗 体を保持しない学生に対しては予防接種を勧めている。 各 種 保 健 に 関 す る 情 報 収 集・管 理 は 事 務 部 学 生 課 を 中 心 と し て 行 っ て い る 。本 学 で は 、学 生 生 活 に お い て 想 定 さ れ る 全 て の 事 故( 通 学 時 や 実 習 時 の 事 故 等 )に 対 す る 補 償 を 可 能 と す る「 学 生 教 育 研 究 災 害 傷 害 保 険 」に つ い て 、学 生 に そ の 必 要 性 を 説 明 し た 上 で 、全 学 生 が 加 入 し て い る 。病 院・薬 局 実 習 に つ い て は 、実 習 時 に 起 こ り う る 事 故や第三者に対する賠償責任への補償及び実習中の感染事故予防に対する補償にも 対 応 す る 保 険 ( 日 本 看 護 学 校 協 議 会 共 済 会 「 Will 2」) に つ い て 実 務 実 習 に 出 る 全 学 生 に 必 要 性 を 説 明 し 、加 入 さ せ て い る 。さ ら に 損 害・損 失 を 実 習 施 設 に 与 え て し ま っ た 場 合 に 対 応 で き る よ う に 、学 校 法 人 新 潟 科 学 技 術 学 園 と し て 損 害 保 険 に 加 入 し て い る。 事 故 や 災 害 の 発 生 時 や 被 害 防 止 の た め の マ ニ ュ ア ル と し て 、「 学 校 法 人 新 潟 科 学 技 術 学 園 危 機 管 理 マ ニ ュ ア ル 」が 策 定 さ れ て お り 、そ の 存 在 及 び 内 容 は 全 学 に 周 知 さ れ て い る 。な お 、こ の マ ニ ュ ア ル に は 自 然 災 害 や 事 故 の 際 の 連 絡 網 及 び 避 難 経 路 等 が 記 載 さ れ て い る 。ま た 、災 害 時 に は 、学 生 や 教 職 員 に ホ ー ム ペ ー ジ や 携 帯 電 話 に よ り 緊 急 連 絡 す る 体 制 を 整 え て い る 。防 災 訓 練 は 、2009 年 12 月 1 日 に 消 防 署 立 会 い の 下 で 実 施 し た 。授 業 時 で の カ フ ェ テ リ ア 厨 房 か ら の 出 火 を 想 定 し て 、講 義 室 か ら の 学 生( 約 - 91 - 1,000 名 を 対 象 )の 避 難 誘 導 訓 練 を 行 う と と も に 、教 職 員 の 有 志 が 参 加 し て 、消 火 訓 練と避難袋を用いた避難訓練を行った。 交 通 事 故 の 発 生 や 防 止 に つ い て は 、 2008 年 5 月 に 自 家 用 車 で 通 学 す る 学 生 を 対 象 と し て 秋 葉 警 察 署 の 協 力 に よ る 交 通 安 全 講 習 会 を 実 施 し た 。交 通 規 則 遵 守 を 周 知 す る と と も に 、交 通 事 故 等 が 発 生 し た 場 合 に は 学 生 委 員 会 委 員 が 授 業 開 始 前 に 該 当 事 故 に ついて説明し、学生に注意を喚起している。 [点検・評価] 1 .学 生 実 習 で は 化 学 実 験 か ら 小 動 物 を 用 い た 生 物 実 験 ま で 幅 広 い 題 材 を 取 扱 う た め 、 各実習の担当者が実習開始前にその実習に対する安全教育を適切に行っている。 2 .定 期 健 康 診 断 は 、オ リ エ ン テ ー シ ョ ン 時 に 実 施 さ れ る た め 高 い 受 検 率 を 示 し て い る ( 平 均 98.0%)。 ま た 実 務 実 習 前 の 抗 体 検 査 に 関 し て も 、 当 該 学 年 の 学 生 全 員 が 受 検 し て い る 。な お 、抗 体 検 査 の 結 果 、接 種 し な け れ ば な ら な い 学 生 に は 自 己 負 担 で接種を促しているが、その受検率は不明である。 3.事故や災害の発生時の危機管理マニュアルは整備され、周知されている。また、 RI 実 験 施 設 、 動 物 実 験 施 設 で は 、 利 用 者 に 対 し て 毎 年 の 講 習 会 で 施 設 内 で の 事 故 や災害発生時の行動に関する説明を行っている。 [改善計画] 1 .1 年 次 に お け る 最 初 の 学 生 実 習 時 に 、統 一 し た 学 生 実 習 用 安 全 教 育 マ ニ ュ ア ル に 基 づ い た 安 全 教 育 を 行 い 、よ り 効 率 的 な 安 全 教 育 の 導 入 を 検 討 す る 。化 学 系 実 験 で の 廃 液 の 処 理 や 動 物 実 験 で の 廃 棄 物 な ど 、学 生 各 人 の 意 識 に 訴 え る 内 容 を 盛 り 込 む ことも必要である。 2 .実 務 実 習 前 の 抗 体 検 査 は 、実 務 実 習 調 整 機 構 の ガ イ ド ラ イ ン に 則 っ て 実 施 し て い る 。実 際 の 医 療 現 場 で の 実 習 で あ る こ と を 踏 ま え 、抗 体 検 査 の み な ら ず 、抗 体 保 有 率や予防接種を受けた学生の実数の把握を検討する。 【自己評価の根拠となる資料・データ等例】 新 潟 技 術 学 園 危 機 管 理 マ ニ ュ ア ル 、新 潟 薬 科 大 学 職 員 連 絡 網 、防 災 訓 練 実 施 要 領 - 92 - 『教員組織・職員組織』 9 教員組織・職員組織 (9-1)教員組織 基準9-1-1 理念と目標に応じて必要な教員が置かれていること。 【観点 【観点 【観点 9 -1 -1 -1 】 大 学 設 置 基 準 に 定 め ら れ て い る 専 任 教 員 ( 実 務 家 教 員 を 含 む ) の数及び構成が恒常的に維持されていること。 9 -1 -1 -2 】 教 育 の 水 準 の 向 上 を よ り 一 層 図 る た め に 専 任 教 員 数 ( 実 務 家 教 員を含む)が大学設置基準に定められている数を大幅に超える よ う 努 め て い る こ と( 例 え ば ,1 名 の 教 員( 助 手 等 を 含 む )に 対 し て 学 生 数 が 1 0 名 以 内 で あ る こ と が 望 ま し い )。 9 -1 -1 -3 】 観 点 9 -1 -1 -2 に お け る 専 任 教 員 は 教 授 , 准 教 授 , 講 師 , 助 教の数と比率が適切に構成されていることが望ましい。 [現状] 2009 年 度 4 月 時 点 で の 薬 学 部 の 専 任 教 員 数 は 39 名 ( 教 授 17 名 、 准 教 授 15 名 、 講師 1 名、助教 6 名)であり、そのうち実務家教員は教授 1 名、准教授 1 名の計 2 名であった。なお、6 年制申請時に記載した実務家の「みなし教員」4 名は、この専 任 教 員 数 に カ ウ ン ト し て い な い 。 2009 年 度 に は 、 昨 年 度 定 年 退 職 し た 衛 生 化 学 及 び 生 薬 学 研 究 室 の 教 授 選 考 が 行 わ れ 、生 薬 学 教 授 は 2010 年 1 月 に 着 任 し 、ま た 衛 生 化 学 研 究 室 教 授 は 内 部 か ら の 昇 任 で 選 考 さ れ た 。さ ら に 実 務 家 教 員 を 増 員 す る 必 要 が あ っ た こ と か ら 、助 教 2 名 の 選 考 を 行 い 、こ の 2 名 は 2010 年 2 月 に 着 任 し た 。し た が っ て 2010 年 4 月 に は 42 名 の 専 任 教 員 数 と な る 予 定 で あ る 。 大 学 設 置 基 準 で は 、 本 学 の 学 生 定 員 ( 1 学 年 180 名 ) に 対 し て 教 員 数 が 33 名 以 上 ( 応 用 生 命 科 学 部 を 含 む 大 学 全 体 と し て は 67 名 以 上 ) と 定 め ら れ て い る こ と か ら 、 教 員 数 に 関 し て は 大 学 設 置 基 準 を 上 回 っ て い る 。加 え て 、教 育 と 研 究 の 水 準 を 維 持 す る た め に も 、定 年 退 職 や 他大学・研究機関等への転出に対して、恒常的に教員補充を行っている。 2008 年 度 卒 延 生( 4 年 制 )を 含 め た 2009 年 4 月 の 薬 学 部 全 学 生 数 は 865 名 で あ り 、 3・ 4 年 次 に 4 年 制 教 育 課 程 の 学 生 が 17 名 在 籍 し て い る が 、 そ れ 以 外 の 学 生 は 6 年 制 教 育 課 程 に 在 籍 す る 学 生 で あ る 。既 述 し た 大 学 設 置 基 準 上 の 専 任 教 員( 39 名 ) に 助 手 ( 9 名 ) を 加 え た 総 教 員 数 ( 48 名 ) を 基 に 、 1 教 員 あ た り の 学 生 数 を 算 出 す る と 18.0 名 で あ り 、 や や 多 い と 思 わ れ る 。 専 任 教 員 数( 39 名 )は 、教 授( 43.6% )、准 教 授・講 師( 41.0% )、助 教( 15.4% ) の職位別比率で構成されている。 [点検・評価] 1 .2005 年 6 月 に 文 部 科 学 省 に 6 年 制 薬 学 部 の 設 置 申 請 書 を 提 出 し 、許 可 さ れ た 。 そ の 際に 申請 書 類に 記載 し た 6 年制 教 育課 程構 成 員は 、本 学 全総 数( 応 用 生命科 - 93 - 学 部 を 含 む )で 71 名( 薬 学 部 の み で は 専 任 教 員 33 名 以 上 )で あ り 、こ の 構 成 員 数は大学設置基準を十分に上回る。本学の教育理念と目標を達成・維持するため には、十分必要な教員の配置がなされていると判断される。 2 . 助 手 を 加 え た 教 員 一 人 あ た り の 学 生 数 は 18.0名 で あ り 、 国 公 立 大 学 と 比 較 す れ ば多い。しかしながら、設置基準に定められた教員一人当たりの学生数の基準を 大幅に超えるには至っていない。 [改善計画] 1 .教 員 一 人 当 た り の 学 生 数 が や や 多 い た め 、1 学 年 の 入 学 者 を 募 集 定 員 の 1.10 倍 以内に抑える努力と、継続的に教員補充を行うことで適正化するように努める。 2 . 6年 制 薬 学 教 育 を 十 分 に 行 え る 教 員 数 の 確 保 と 教 員 の 配 置 に 向 け て 、 常 に 教 育 内 容 及 び カ リ キ ュ ラ ム の 点 検 を 行 う 必 要 が あ る 。 特 に 、 6年 制 教 育 で の 実 務 家 教 員の重要性を考慮すると、さらに実務家教員の補充を行う必要がある。 3 . 2010年 4月 に は 助 手 を 含 め た 総 教 員 数 が 51名 と な る 予 定 で あ り 、 教 員 一 人 当 た りの学生数も幾分改善される。 【自己評価の根拠となる資料・データ等例】 職位別教職員名簿、学年別在籍学生数及び総学生数、全国薬学教員名簿(薬学 教育協議会編集) - 94 - 基準9-1-2 専任教員として,次の各号のいずれかに該当し,かつ,その担当する専門分野に 関する教育上の指導能力と高い見識があると認められる者が配置されていること。 (1)専門分野について,教育上及び研究上の優れた実績を有する者 (2)専門分野について,優れた知識・経験及び高度の技術・技能を有す る者 [現状] 専任教員のうち特に教授の採用・昇任は、専門分野の研究において優れた知識・ 経験及び高度の技術・技能を有するとともに、教育に関しても十分な経験と指導能 力が備わっていることが必須であり、本学教育職員選考規程に則って、教授選考教 授会において慎重に審議され、採用が決定されている。准教授以下の職位の専任教 員の採用・昇任に関しても、上記した選考の原則は厳格に守られている。したがっ て 、大 学 設 置 基 準 の 第 14 条 か ら 16 条 の 2 に あ る よ う な 、各 職 位 と し て 相 応 し い 教 育能力、研究能力を有する者が選任されている。なお、本学教育職員選考規程に記 さ れ て い る 教 育 職 員 の 選 考 基 準 は 以 下 の と お り で あ り 、さ ら に 研 究 業 績( 原 著 論 文 、 総 説 、学 会 発 表 、特 許 出 願 等 )、教 育 実 績 を も と に し た 書 類 審 査 と プ レ ゼ ン テ ー シ ョ ン(助教以上の場合)を経て選考されている。 ( 1 ) 教 授 : 大 学 卒 業 後 10 年 以 上 の 専 門 の 経 歴 が あ る こ と 。 担 当 専 門 分 野 に 関 す る優れた研究業績があること。教育上の識見と教授並びに研究指導の能力 があること。 ( 2 )准 教授:大学 卒業 後 7 年 以上 の 専門 の経 歴 があ るこ と 。所 属教 室 に関 係あ る 学位又は研究業績があること。研究指導並びに教授上の能力があること。 ( 3 )講 師:( 1 )及 び( 2 )の 規 程 に よ り 教 授 又 は 准 教 授 と な る こ と が で き る 者 。 専攻分野について教育研究上の能力があると認められる者。 ( 4 )助 教:大 学卒 業後 5 年 以 上の 専 門経 歴が あ るこ と。専 攻分 野に つ いて 教育 研 究上の能力があると認められる者。 ( 5 ) 助 手 : 学 士 の 学 位 を 有 す る 者 で あ る こ と 。( 4 ) に 準 ず る 者 で あ る こ と 。 臨床系の実務家教員の採用については、5 年以上の医療現場での実務経験を有す ることが採用時の基準の一つである。一方研究・教育面での基準は定められていな いが、大学教員として教育・研究に携わる能力は当然要求される。また、学位取得 の有無に関する基準が申し合わされていないことから、研究・教育面での基準とと もに整備する必要がある。 また、教養系教員や薬学教育研究センターの教員に関しては、研究面以上に教育 面での能力と実績が昇任や採用で重要視される。実務家教員の場合も含めて、プレ ゼンテーションが重要な審査過程となる。 本学の専任教員には本学での教育・研究実績に関して、毎年自己点検・評価表を 作成することが義務付けられており、継続的な教育・研究活動への参加と高い水準 - 95 - の維持が求められている。また、担当する授業等に関しても、学生による授業評価 アンケートをもとにして、毎年改善する努力を求められている。さらに各教員の教 育・研究実績については、外部評価委員による評価を受ける。 [点検・評価] 1 . 教 員 の 任 用 ・ 採 用 に つ い て は 基 準 9-1-4 で 詳 述 す る が 、 問 題 と な る よ う な 教 員 は採用されておらず、大学設置基準や本学の教育職員選考規程に則り、薬学分野 に お け る 教 育・研 究 上 の 指 導 能 力 と 高 い 見 識 を も つ 教 員 が 適 正 に 配 置 さ れ て い る 。 2.教員の任用・採用時に際しては、研究・教育業績に基づいた書類審査とプレゼ ンテーションを実施しており、専門分野における教育及び研究面での実績と優れ た知識・経験及び高度の技術・技能を有する者が選考されている。 3.年度ごとに学内での自己点検・評価と外部評価委員による外部評価を受ける評 価システムが確立しており、本学に任用されてからの教育・研究実績が適正に評 価されている。 [改善計画] 1.大学教員として、専門分野に関する教育上の指導能力と高い見識がある者が配 置されている。今後も任用時に厳格な審査を行うとともに、基礎系と臨床系・実 務系の教員をバランスよく配置することを考えた教員人事を行っていく。 2.実務教育をさらに充実させ、また円滑に実践していくために実務家教員の増員 が必要である。同時に実務家教員の任用時の申し合わせをより明確なものにして いく。 【自己評価の根拠となる資料・データ等例】 新 潟 薬 科 大 学 薬 学 部 教 授 会 規 程 、新 潟 薬 科 大 学 教 育 職 員 選 考 規 程 、公 開 プ レ ゼ ン テーション資料(ビデオ、音声ファイルを含む) - 96 - 基準9-1-3 理念と目標に応じて専任教員の科目別配置等のバランスが適正であること。 【観点 【観点 【観点 【観点 9 -1 -3 -1 】 薬 学 に お け る 教 育 上 主 要 な 科 目 に つ い て , 専 任 の 教 授 又 は 准 教 授が配置されていること。 9 -1 -3 -2 】 教 員 の 授 業 担 当 時 間 数 は , 適 正 な 範 囲 内 で あ る こ と 。 9 -1 -3 -3 】 専 任 教 員 の 年 齢 構 成 に 著 し い 偏 り が な い こ と 。 9 -1 -3 -4 】 教 育 上 及 び 研 究 上 の 職 務 を 補 助 す る た め , 必 要 な 資 質 及 び 能 力 を有する補助者が適切に配置されていることが望ましい。 [現状] 本 学 で は 教 員 が 所 属 す る 研 究 室 を 次 表 の よ う に 分 類 し て お り 、2009 年 4 月 で は 数 字で示した職位の教員が在籍している。なお、生薬学及び衛生化学の教授が選考中 で あ っ た た め 、 表 中 の 人 員 に は 含 ま れ て い な い 。 実 験 系 研 究 室 は 2~ 3 名 の 教 員 で 構 成 す る こ と を 原 則 と し て い る が 、教 授 を 研 究 室 主 任 と す る 3 名 体 制 の 研 究 室 が 9、 2 名 体 制 の 研 究 室 が 6、 及 び 准 教 授 を 研 究 室 主 任 と す る 2 名 体 制 の 研 究 室 が 2 つ 存 在する。 教授 准教 授 講師 教養薬学系研究室 (基礎化学、数学、英語、保健体育) 専門薬学系研究室 化学系(薬化学、薬品製造学、生薬学) 物理系 (薬品分析化学、薬品物理化学、薬剤学、物理学) 1 2 1 2 生 物 系( 生 化 学 、薬 理 学 、薬 効 安 全 性 学 、生 物 学 ) 衛生系(衛生化学、公衆衛生学、微生物学) 医療系(臨床薬剤学、臨床薬理学、臨床薬剤治療 学、薬物動態学) 臨床薬学系研究室 (臨床薬学、高度薬剤師教育研究センター) 助教 助手 1 2 1 2 4 1 2 3 3 1 4 3 1 2 2 2 1 3 1 2 薬学教育研究センター 本 学 の 6 年 制 カ リ キ ュ ラ ム で の 必 修 科 目 は 、教 養 科 目( 11 科 目 11 単 位 )、専 門 科 目 ( 基 礎 薬 学 科 目 : 58 科 目 58 単 位 、 医 療 ・ 衛 生 薬 学 科 目 : 57 科 目 57 単 位 、 総 合 科 目:7 科 目 49 単 位 )で あ る 。こ の う ち 、専 門 科 目 は 全 て 教 授・准 教 授 が 主 担 当 教 員となっており、科目によっては講師以下の教員もしくは非常勤教員が副担当とし て加わる。助教に関しては、研究室を主宰する教員とともに講義を分担担当させて い る 。非 常 勤 講 師 は 教 養 科 目 や 語 学 等 を 中 心 と し て 年 度 ご と に 依 頼 し て お り 、2009 年 度 は 32 名 に 発 令 し た 。 非 常 勤 講 師 単 独 の 開 講 講 義 数 は 英 語 以 外 の 語 学 と 人 文 社 会 系 の 教 養 科 目 を 中 心 に 15 科 目 で あ り 、 学 内 教 員 と 非 常 勤 講 師 が 分 担 し て 開 講 し た 講 義 は 16 科 目 で あ っ た 。 2009 年 度 の 学 内 教 員 の 1 週 当 り の 授 業 時 間 数 は 、最 高 で 15 時 間 、最 低 で 4 時 間 で あ っ た 。 職 位 別 の 平 均 は 、 教 授 が 9.4 時 間 、 准 教 授 が 10 時 間 、 講 師 ・ 助 教 が 9.5 - 97 - 時 間 、助 手 が 6.6 時 間 で あ る 。助 手 の 場 合 は ほ と ん ど が 学 生 実 習 の 担 当 時 間 で あ る 。 教員の年齢構成と各職位の教員の平均年齢を以下の表に示す。 ~ 30 歳 31~ 40 歳 教授 准教授 1 講師 1 助教 6 41~ 50 歳 51~ 60 歳 61~ 68 歳 平均年齢 1 7 9 60.2 歳 8 5 1 48.2 歳 35.5 歳 助手 2 5 1 1 合計 2 13 10 13 37.0 歳 10 教員の教育・研究活動を人的に支援する制度として、研究支援職員(ポストドク ト ラ ル ・ フ ェ ロ ー )、テ ィ ー チ ン グ ・ ア シ ス タ ン ト( TA)、リ サ ー チ ・ ア シ ス タ ン ト ( RA) を 任 用 す る こ と が で き る 。 TA は 主 と し て 実 習 科 目 で の 補 助 と し て 研 究 室 所 属 の 大 学 院 学 生 が 、 RA は 各 研 究 室 で 行 う 卒 業 研 究 の 補 助 指 導 者 と し て 大 学 院 博 士 後期課程の大学院生が任用されている。研究系職員は、主として博士の学位を持つ 者 が 各 年 度 5~ 6 名 任 用 さ れ て い る が 、 任 用 の 形 態 に よ っ て ① 博 士 研 究 員 、 ② 研 究 補助職員、③研究支援職員に区分される。 [点検・評価] 1. 専任教員は概ねバランスよく分野別に配置されている。また、薬学教育の主要 科目のほとんどは専任教員が担当している。助教に関しては、教授あるいは准教 授とのペアとして講義を分担させており、キャリアアップに繋がっている。 2.学内教員総数から勘案すると、各教員の授業担当時間数は概ね適正な範囲であ ると判断されるが、教員間によって相当なばらつきがあることが問題点である。 3.教員の年齢構成は適切なものと考えるが、定年退職や移動による人事補充の際 は、年齢等を勘案した選考を行っている。 [改善計画] 1.教員の授業担当時間数については、均等化を考える必要がある。 2.6 年制の教育プログラムの中で実務家教員の果たす役割は、今後さらに増大す る 。 現 在 実 務 家 教 員 の 数 は 5 名 ( 教 授 1、 准 教 授 1、 助 教 2、 助 手 1、 2010 年 2 月現在)であり、効率的に実務教育を展開するには数名の増員が必要である。 3.助手の採用に関しては、将来的に学位を取得して助教への昇任を前提とすると と も に 、 任 期 制 ( 5 年 あ る い は 10 年 ) の 導 入 を 考 慮 す る 。 4.教育・研究支援職員の任用に関する制度は整備されているが、研究室負担を減 じて任用をしやすく、また任用人員を増やすような制度に改善していく。 【自己評価の根拠となる資料・データ等例】 職 位 別 教 員 一 覧 表 、教 員 別 担 当 授 業 時 間 数 一 覧 表 、シ ラ バ ス 、新 潟 薬 科 大 学 研 究 系 職 員 規 程 及 び 取 扱 細 則 、 TA 及 び RA 規 程 - 98 - 基準9-1-4 教員の採用及び昇任に関し,教員の教育上の指導能力等を適切に評価するための 体制が整備され,機能していること。 【観点 9 -1 -4 -1 】 教 員 の 採 用 及 び 昇 任 に お い て は , 研 究 業 績 の み に 偏 る こ と 無 く , 教育上の指導能力等が十分に反映された選考が実施されている こと。 [現状] 教 員 の 採 用・昇 任 は 、 「 新 潟 薬 科 大 学 薬 学 部 教 授 会 規 程 」及 び「 新 潟 薬 科 大 学 教 育 職員選考規程」に定められているほか、学校法人新潟科学技術学園服務規程の定め るところによる。こうした規程は、本学の規程集に収載され公表されており、教員 の採用・昇任に関する資格要件と選考の手続きを明示している。 教員の欠員補充や新規採用については、学部長が委員長である将来計画委員会で 発議し、学長の承認を経てから教授会(教授の場合は教授選考教授会)で推薦委員 会の発足が審議される。 教授の選考は、教授選考教授会(教授のみで構成)の議を経て選出された 3 名の 委員からなる推薦委員会が候補者を選考し、教授選考教授会で審議した後、選挙で 決定する。准教授・講師の選考も、教授会で選出された推薦委員会(委員 3 名)が 候補者を選考して、教授会で審議の後に決定している。助教・助手の選考は、研究 室主任が候補者を選考し、教授会で審議のうえ決定する。教員の採用・昇任に関し ては、職位に関わらず部局長会で承認された後に理事長が発令する。 教員の募集については、教授は原則公募であり、各大学薬学部、各種研究機関や 医療機関に推薦依頼の文書を発送するとともに、本学ホームページ、薬学会会員誌 「 フ ァ ル マ シ ア 」、 JST が イ ン タ ー ネ ッ ト 上 に 開 設 し て い る 大 学 教 員 募 集 サ イ ト ( JREC-IN)等 メ デ ィ ア を 利 用 し た 案 内 を 行 っ て い る 。応 募 に 必 要 な 書 類 は 、① 履 歴 書、②教育・研究業績リスト、③教育・研究概要、④推薦書、⑤教育・研究に対す る抱負、と主要研究論文の別刷としている。推薦委員会は応募者から提出された書 類 を 審 査 し 、教 授 と し て 適 切 と 考 え ら れ る 候 補 者( 2~ 3 名 )を 選 出 し 、選 考 課 程 と ともにその結果を教授選考教授会に報告する。教授選考教授会の承認を得た後、候 補 者 は教 育・研 究実 績の 概 要と 今後 の 抱負 に関 す る 1 時間 程 度の 公開 プ レゼ ンテ ー ションを行った後、本学教員との質疑応答を行うこととしている。なお、発表者の 同意を得てビデオ収録を行い、講義や出張でプレゼンテーションを聴くことができ なかった教員に対して便宜を図っている。こうしたプロセスを経た後に、教授選考 教授会で投票による最終的な選考を行う。 准教授や講師・助教の採用・昇任についても、上記した教授選考のプロセスに準 じて行われており、研究遂行能力だけでなく教育面での指導能力が厳格に審査され ている。 一方、実務家教員については、基本的に非実務家教員の基準に準じて選考してい - 99 - るが、主に実務経験や教育能力に重きを置き、大学において実務教育や臨床研究を 行う上で十分な資質を有するか否かを厳格に審査している。また、実務家教員は実 務 実 習 や 実 務 実 習 事 前 学 習 、 OSCE、 WS 等 に お い て 大 学 と 医 療 現 場 と の 連 携 の 中 核 を 担 う こ と が 期 待 さ れ る こ と か ら 、協 調 性 に も 十 分 に 配 慮 し た 選 考 を 行 っ て い る 。 [点検・評価] 1 . 本 学 の 教 員 選 考 規 程 は 、 大 学 設 置 基 準 第 三 章 (教 員 組 織 )、 第 四 章 (教 員 の 資 格 ) に従い制定されたものである。特に教授の選考は、広く適任者を募るという観点 から公募を原則としており、その選考プロセスも公明・正大なものである。審議 に 慎 重 を 要 す る こ と か ら 、 8~ 10 ケ 月 の 期 間 を か け て い る 。 2.教員の採用時には、研究業績のみならず教育に対する考え方等についての公開 プレゼンテーションを必ず行うことを申し合わせており、研究面とともに、教育 面も十分に評価の対象とした選考を行っている。 3 .本 学 内 部 か ら の 准 教 授・講 師( 今 後 こ の 職 位 の 採 用 は し な い 方 針 )・助 教 の 昇 任 についても、公開プレゼンテーションを行った後に教授会で決定しており、昇任 基準は厳格に守られている。 4.助手から助教への昇任については、博士の学位取得が必要であること、さらに 最 近 5 年 間 に 3 報 以 上 の 学 術 論 文( そ の 内 2 報 は 筆 頭 著 者 で あ る こ と )を 発 表 し ていることを昇任基準として申し合わせている。 5.実務家教員については、5 年以上の実務経験を有することが採用時の基準の一 つであるが、研究・教育面での基準が定められていない。また、学位取得の有無 に関する基準が申し合わされておらず、非実務家教員の選考基準との整合性が取 れていない。 [改善計画] 1.教員の選考に関しては公募を原則としており、今後もこの原則は崩さずに進め ていく。 2.助教への昇任あるいは採用時の基準として、博士の学位取得は必要条件である が、論文数に関する基準については再検討する必要がある。 3.実務家教員に関する任用基準を明確にし、非実務家教員の選考基準との区別化 も必要である。 【自己評価の根拠となる資料・データ等例】 学校法人新潟科学技術学園服務規程、新潟薬科大学教授会規程、教育職員選考規 程及び公募手続きに関する細則、 大学院薬学研究科担当教員選考規程及び研究 科担当教員資格基準取扱細則、公開プレゼンテーション資料 - 100 - (9-2)教育・研究活動 基準9-2-1 理念の達成の基礎となる教育活動が行われており,医療及び薬学の進歩発展に寄 与していること。 【観点 【観点 【観点 【観点 9 -2 -1 -1 】 医 療 及 び 薬 学 の 進 歩 発 展 に 寄 与 す る た め , 時 代 に 即 応 し た カ リ キュラム変更を速やかに行うことができる体制が整備され,機 能していること。 9 -2 -1 -2 】 時 代 に 即 応 し た 医 療 人 教 育 を 押 し 進 め る た め , 教 員 の 資 質 向 上 を図っていること。 9 -2 -1 -3 】 教 員 の 資 質 向 上 を 目 指 し , 各 教 員 が , そ の 担 当 す る 分 野 に つ い て,教育上の経歴や経験,理論と実務を架橋する薬学専門教育 を行うために必要な高度の教育上の指導能力を有することを 示す資料(教員の最近5年間における教育上又は研究上の業績 等)が,自己点検及び自己評価結果の公表等を通じて開示され ていること。 9 -2 -1 -4 】 専 任 教 員 に つ い て は , そ の 専 門 の 知 識 経 験 を 生 か し た 学 外 で の 公的活動や社会的貢献活動も自己点検及び自己評価結果の公 表等を通じて開示されていることが望ましい。 [現状] 本 学 で は 1999 年 度 か ら 、4 年 制 教 育 課 程 に お け る 化 学 系 、物 理 系 、生 物 系 、衛 生 系等の基礎薬学系科目教育の充実を目的としたカリキュラム編成を行ってきた。 2004 年 度 に は 、 「 高 い 臨 床 能 力 を 持 つ 薬 剤 師 の 育 成 」と い う 社 会 要 請 に 対 応 す べ く 、 臨床薬学系教育の充実と倫理観及びコミュニケーション能力の醸成を目的とした科 目 を 追 加 し て カ リ キ ュ ラ ム の 再 編 を 行 っ た 。 さ ら に 2006 年 度 か ら の 薬 学 教 育 6 年 制への移行を機に、臨床薬学系及び基礎薬学系科目を大幅に再編成して、薬学教育 モ デ ル ・ コ ア カ リ キ ュ ラ ム に 準 拠 し た も の と す る と と も に 、 体 験 学 習 や SGD を 中 心 と し た 討 論 学 習 、 及 び PBL 形 式 の 学 習 方 法 を 取 入 れ た 6 年 制 カ リ キ ュ ラ ム を 作 成した。 こうしたカリキュラムの編成は学部長及び教務委員会の主導で進めてきたが、必 要に応じて拡大教務委員会や学年別科目担当者会議を開催し、教員の意見を広く聴 取する機会を設けている。また各教員は、病院・薬局実務実習先の訪問や認定実務 実 習 指 導 者 養 成 ワ ー ク シ ョ ッ プ ( WS) へ の 参 加 を 通 じ て 医 療 現 場 や 薬 剤 師 に 関 す る情報収集を積極的に行っており、こうした教員からの意見を教務委員会が集約す ることで、時代の変化や社会の要請に対応したカリキュラムの迅速な編成が可能な 体制を整えている。 教 員 の 資 質 向 上 に 関 し て は FD 委 員 会 を 中 心 と し た FD 活 動 を 積 極 的 に 進 め て い る ( 基 準 9-4-2 参 照 )。 ま た 、 認 定 実 務 実 習 指 導 者 養 成 WS・ 薬 学 教 育 者 WS( 新 潟 地 区 WS) へ の 参 加 を 全 教 員 に 一 回 以 上 義 務 づ け て お り 、 こ れ ら の WS を 教 育 手 法 の再確認・研鑽の機会としても利用している。加えて、臨床実務事前実習を始めと する医療系の実習に全教員を参加させており、こうした機会を通じて「医療人」の - 101 - 教 育 に 携 わ っ て い る こ と を 認 識 さ せ 、全 学 体 制 で 6 年 制 薬 学 教 育 を 進 め て い く と い う意識の醸成に努めている。 教育・研究活動業績や学外での公的活動・社会的貢献活動については、これらを 詳 細 に 記 載 し た「 自 己 点 検・評 価 表 」を 教 員 ご と に 作 成 し 、2005 年 度 よ り 冊 子 と し て纏め、全教員に配布している。さらに各教員の自己点検・評価に対して、3 名の 外部評価委員から第三者としてのコメントをいただくことで次年度以降の活動に反 映させる外部評価の仕組みを整えている。こうした自己点検評価報告書及び外部評 価委員からのコメントは大学のホームページ上で公開する予定で準備を進めている。 また、各教員の経歴及び現在までの教育・研究業績についても、ほとんどの教員が HP 等 で 公 開 し て い る 。 [点検・評価] 1 . 本 学 で は 、 時 代 や 社 会 の 要 請 、 及 び 薬 学 教 育 制 度 の 変 化 に 対 応 し て 、 こ の 10 年 間 に 3 度 の カ リ キ ュ ラ ム 改 正 を 実 施 し て き た 。従 っ て 本 学 で は 社 会 情 勢 に 応 じ た迅速なカリキュラム編成に必要な体制は整備されており、機能しているものと 考えている。 2 . FD 委 員 会 が 中 心 と な り 教 員 の 資 質 向 上 に 関 す る 取 組 を 組 織 的 に 進 め て い る 。 ま た 、認 定 実 務 実 習 指 導 者 養 成 WS・薬 学 教 育 者 WS( 新 潟 地 区 WS)や 臨 床 系 実 習への全教員の参加が、本学での医療人教育の推進力となっている。 3.自己点検評価表を毎年作成し、教員の教育・研究活動だけでなく、学外での公 的 活 動 や 社 会 的 な 貢 献 活 動 に 関 し て も 公 表 し て い る 。 た だ し 、 HP 等 を 通 じ て 広 く社会に公開するには至っておらず、また過去の業績の公開については、全教員 に徹底させるまでには至っていない。 [改善計画] 1.6 年制の現カリキュラムが非常に過密なものとなっており、完成年度を睨んで カリキュラムの整理と再検討を始める時期にきている。学部長と教務委員会を中 心としたワーキンググループ及び拡大教務委員会等で対応する。 2 . FD 活 動 を 充 実 さ せ る と と も に 、 来 年 度 以 降 は 本 学 が 中 心 と な っ て 認 定 実 務 実 習 指 導 者 養 成 WS を 開 催 し 、医 療 人 教 育 者 と し て の 本 学 教 員 の 研 修 の 場 を 継 続 的 に設けていく。 3 . 教 育 ・ 研 究 業 績 の HP を 通 じ た 社 会 へ の 公 開 を 徹 底 し 、 自 己 点 検 評 価 表 及 び 外 部評価結果の公表も併せて検討する。 4.自己点検評価については研究業績に偏る傾向が見受けられるため、教育業績、 学外での公的活動や社会的な貢献活動についての評価も同様な重みをもつ様な評 価システムの構築を検討する。 【自己評価の根拠となる資料・データ等例】 年 度 ご と の 自 己 点 検・評 価 表 、年 度 ご と の 外 部 評 価 委 員 に よ る 新 潟 薬 科 大 学 薬 学 部自己点検・評価表 - 102 - 基準9-2-2 教 育 の 目 的 を 達 成 す る た め の 基 礎 と な る 研 究 活 動 が 行 わ れ ,医 療 及 び 薬 学 の 進 歩 発展に寄与していること。 【観点 【観点 9 -2 -2 -1 】 教 員 の 研 究 活 動 が , 最 近 5 年 間 に お け る 研 究 上 の 業 績 等 で 示 さ れていること。 9 -2 -2 -2 】 最 新 の 研 究 活 動 が 担 当 す る 教 育 内 容 に 反 映 さ れ て い る こ と が 望 ましい。 [現状] 薬 学 部 の 教 育 目 標 で あ る 「 21 世 紀 の 医 療 が 求 め る 『 優 れ た 』 薬 剤 師 」 の 養 成 に お い て 、卒 業 研 究 を 通 し て 薬 学 の 様 々 な 領 域 の 研 究 活 動 に 携 わ る こ と は 、最 新 の 知 見 や 実 験 技 術 の 修 得 の み な ら ず 、研 究 を 通 し た「 考 え る 力 」、 「 ま と め る 力 」、 「 発 信 す る 力 」を 醸 成 す る た め に 不 可 欠 で あ る 。卒 業 研 究 の「 現 場 」と な る 各 研 究 室 で は 、医 療・薬 学 領 域 で の 高 い 専 門 性 を 生 か し た 独 創 的 な 研 究 が 展 開 さ れ て い る。また、科学研究費及び財団・企業等からの助成を受けている研究課題も多いこ とから、本学教員による個別研究が医療・薬学領域で関心の高いものであることが 伺 え る ( 下 表 参 照 、 新 規 採 択 と 継 続 課 題 の 総 計 )。 科 学 研 究 費 採 択 件 数 ( 総 額 ) 企 業 等 か ら の 研 究 助 成 件 数( 総 額 ) 2006 年 度 9 件 ( 1,939 万 円 ) 19 件 ( 1,520 万 円 ) 2007 年 度 10 件 ( 2,439 万 円 ) 31 件 ( 2,040 万 円 ) 2008 年 度 16 件 ( 3,086 万 円 ) 24 件 ( 1,495 万 円 ) 2009 年 度 13 件 ( 1,713 万 円 ) 13 件 ( 1,045 万 円 ) また上記の個別研究以外にも、応用生命科学部と共同で以下のような大型の研究 プロジェクトを展開してきた。 ① ハ イ テ ク・リ サ ー チ・セ ン タ ー 整 備 事 業( 1998~ 2002):“ 遺 伝 子 工 学 と 分 子 設 計 に基づいた難治性疾患治療薬の開発研究” ② 学 術 フ ロ ン テ ィ ア 構 想 事 業( 2002~ 2006) : “遺伝子発現調節を指標とした難治性 疾患の予防と治療戦略確立のための基礎的研究” ③ 学 術 研 究 高 度 化 推 進 - 共 同 研 究 プ ロ ジ ェ ク ト( 2003~ 2005) : “分子認識を基盤と した創薬研究” ④ 地 域 共 同 研 究 支 援 プ ロ ジ ェ ク ト ( 2006~ 2010): ” 分 子 認 識 ・ 分 子 機 能 を 基 盤 と した創薬・薬物治療研究” こ れ ら の プ ロ ジ ェ ク ト で は 、異 な る 専 門 分 野 を 背 景 に も つ 学 内 教 員 が 、 「 創 薬 」と いう共通のテーマに向けた研究を分担・共同して遂行することで、分野横断的な研 究成果を効率的に生み出してきた。また、成果報告会や日常的なディスカッション を通じて、教員間で切磋琢磨する雰囲気を醸成してきた。こうした研究活動から得 ら れ る 成 果 は 、 毎 年 40 報 以 上 の 学 術 論 文 や 学 会 発 表 等 ( 下 表 参 照 、 い ず れ も 教 員 の自己点検評価表の資料による)の形で社会に還元している。 - 103 - 2004 年 2005 年 2006 年 2007 年 2008 年 学術論文数 77 報 63 報 57 報 43 報 66 報 学会等発表件数 110 件 82 件 119 件 112 件 88 件 論文発表・学会発表等の研究活動実績は、毎年各教員が作成する自己点検・評価 表に研究内容とともに詳細に記載することとしている。なお、自己点検・評価表に は、 「 担 当 授 業・実 習 に 関 す る 点 検・評 価 」、 「 教 育・研 究 に 対 す る 提 言 」の 項 目 が あ り、各教員の研究活動が担当する授業・実習の内容に反映されていることを点検・ 評 価 で き る よ う に な っ て い る 。 加 え て 2007 年 度 よ り 学 部 内 で の 「 競 争 的 教 育 ・ 研 究 助 成 」 制 度 の 運 用 を 開 始 し た ( 基 準 9-4-2 参 照 ) 。 こ の 制 度 に よ る 助 成 を 受 け た 教員の研究内容・研究業績は毎年の報告書に纏められている。 こ う し た 研 究 活 動 に 加 え て 、本 学 薬 学 部 教 員 は 、日 本 薬 学 会 関 東 支 部 総 会( 2006)、 日 本 TDM 学 会 ( 2009)、 応 用 薬 理 シ ン ポ ジ ウ ム ( 2009)、 日 本 フ ァ ー マ シ ュ ー テ イ カ ル コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 学 会 ( 2010) 等 の 学 術 大 会 を 主 催 し て お り 、 全 国 の 医 療 ・ 薬学分野の研究者や医療従事者等に発表や議論の機会を提供することで医療及び薬 学の発展に貢献している。 [点検・評価] 1.毎年多数の研究成果を論文や学会発表で社会に還元しており、本学では活発な 研究活動が展開され、医療・薬学の進歩に貢献していると判断できる。 2.論文数や学会発表数に関しては教員間でばらつきがあり、医療・臨床系の発表 件数が順調なのに対して、基礎科学系の研究発表が比較的低調であることは否め ない。一方、科研費に関しては基礎科学系の准教授・助教を中心として順調に採 択されており、近い将来に改善が見込まれる。 3.本学で行ってきた大型の研究プロジェクトでは医療や健康に関するテーマを設 定しており、医療・薬学分野への貢献のみならず、本学の目指す教育目標への還 元にも貢献してきた。 4 .教 員 に よ る 自 己 点 検・評 価 表 は 年 度 ご と に 作 成 し て い る が 、個 々 の 教 員 の 教 育 ・ 研 究 業 績 の 推 移 や 蓄 積 の 確 認 に は 適 し て い な い 。 大 半 の 教 員 は HP に 自 ら の 業 績 一覧を掲載しているが、全教員にまで徹底できていないのが現状である。 [改善計画] 自己点検評価表は年度ごとに作成しており、5 年間での研究業績を纏めたもので は な い 。 こ れ に 対 応 す る も の と し て 、 本 学 HP の 教 員 総 覧 等 の サ イ ト を 充 実 し て 、 過去数年間の研究・教育業績等が一覧できるシステムに再構築する。 【自己評価の根拠となる資料・データ等例】 年 度 ご と の 自 己 点 検・評 価 表 、科 研 費 申 請・採 択 状 況 一 覧 表 、研 究 プ ロ ジ ェ ク ト 報 告 書 、 大 学 HP で の 研 究 室 研 究 概 要 と 研 究 者 概 要 - 104 - 基準9-2-3 教 育 活 動 及 び 研 究 活 動 を 行 う た め の 環 境( 設 備 ,人 員 ,資 金 等 )が 整 備 さ れ て い ること。 [現状] 薬 学 部 教 員 の 居 室 は 、F 棟( 研 究 系 )、C 棟( 臨 床 系 と 高 度 薬 剤 師 教 育 研 究 セ ン タ ー )、J 棟( 教 養 系 と 薬 学 教 育 研 究 セ ン タ ー )に あ る 。教 授 は 個 室( 約 20m 2 )と し 、 そ の 他 の 教 員 は ス タ ッ フ ル ー ム( 約 63m 2 )、測 定 室( 約 20m 2 )、あ る い は 実 験 室( 約 107m 2 ) を 居 室 と し て い る 。 ま た 、 教 育 ・ 研 究 活 動 に 供 す る 施 設 と し て 、 図 書 館 、 動 物 実 験 施 設 、RI 研 究 施 設 、大 型 共 通 機 器 室 を 設 置 し て い る 。さ ら に 、隣 接 し た 敷 地 に 薬 用 植 物 園 が 設 置 さ れ て い る 。 講 義 室 等 の 教 育 環 境 に 関 し て は 、「 10. 施 設 ・ 設備」の項目で詳述する。 教育・研究活動に必要な大型研究装置に関しては、主として私学助成補助金やハ イテク・リサーチ、学術フロンテイア等の共同研究プロジェクトを利用して整備し て き た ( 下 表 )。 こ う し た 大 型 機 器 は 主 に F 棟 地 下 1 階 と 2 階 の 共 通 機 器 室 に 配 置 さ れ 、い ず れ の 機 器 も 一 定 の 講 習 を 受 け れ ば 誰 で も 利 用 可 能 と な っ て い る こ と か ら 、 卒業研究や大学院での研究に広く利用されている。 1994 年 度 電子スピン共鳴装置 1996 年 度 X 線結晶構造回析装置 2001 年 度 500MHz 2006 年 度 二 重 収 束 質 量 分 析 装 置 ( MS) と 飛 行 時 間 型 質 量 分 析 装 置 ( MALDI- FT-NMR TOF-MS) 各 研 究 室 は 原 則 と し て 2~ 3 名 の 教 員 で 構 成 さ れ て い る が 、教 養 系 は 1~ 2 名 、及 び 臨 床 系 は 1~ 5 名 と な っ て い る 。ま た 、各 年 度 に 5~ 6 名 を 目 途 と し た 研 究 系 職 員 を 任 用 で き る 制 度 が 整 備 さ れ て お り 、任 用 の 形 態 に よ っ て ① 博 士 研 究 員 、② 研 究 補 助職員、③研究支援職員 に区分される。研究系職員の給与は、文部科学省補助金、 大学からの補助経費及び各任用研究室の研究費から支出される。さらに学生実習に ついては、教育補助として大学院学生を対象としたティーチング・アシスタント ( TA)制 度 が 整 備 さ れ て お り 、よ り き め 細 か な 実 習 指 導 を 行 う 上 で 大 き な 助 け と な っている。 研究費は、個人研究費としてではなく、基準額に従って研究室研究費として配分 し て お り 、 3 人 体 制 の 研 究 室 で は 約 370 万 円 、 2 人 体 制 の 研 究 室 で は 約 270 万 円 、 非 実 験 系 の 研 究 室 で は 職 位 に よ る 基 準 額 が 配 分 さ れ る 。な お 研 究 費 と は 別 に 、教 育・ 研 究 に 関 わ る 旅 費 が 職 位 に 応 じ て 加 算 さ れ る 。 ま た 、 実 験 ・ 実 習 費 と し て 90 万 円 ( 1 単 位 実 習 ) あ る い は 45 万 円 ( 0.5 単 位 実 習 ) を 各 研 究 室 に 配 分 し て お り 、 さ ら に 研 究 室 配 属 学 生 の 人 数 に 合 わ せ た 金 額 が 卒 業 研 究 用 に 加 算 さ れ る( 4 年 生:2 万 5 千 円 、 5 及 び 6 年 生 : 9 万 円 )。 大 学 院 生 の 研 究 指 導 に は 、 研 究 指 導 費 ( 修 士 : 16.2 - 105 - 万 円 、 博 士 : 54 万 円 、 い ず れ も 一 人 当 た り ) と 大 学 院 特 論 費 ( 1 特 論 : 7.5 万 円 ) が研究室に配分される。これらに加え、自己点検・評価に基づいた学部内の「競争 的 教 育 ・ 研 究 費 」 も 審 査 結 果 に 応 じ て 配 分 さ れ る ( 基 準 9-4-2 参 照 ) 。 教 員 の 教 育・研 究 活 動 を 支 援 す る た め に 、① 科 研 費 を は じ め と す る 各 種 補 助 金 の 申 請支援、②知財に関する支援、③産官学連携支援等に係る専任職員が事務部庶務課 に配属されている。 [点検・評価] 1.現在 6 年制での教育・研究を行うのに必要な環境は整備されている。しかし、 今 後 4~ 6 年 次 の 研 究 室 配 属 学 生 を 指 導 す る こ と に な る た め 、F 棟 研 究 室 の 配 置 の 再検討を含めた教育・研究スペースの拡充が望まれる。 2 .2006 年 度 か ら 大 学 全 体 の 予 算 縮 小 の 流 れ で 薬 学 部 の 研 究 室 研 究 費 及 び 委 員 会 活 動 費 を 一 律 10%削 減 し た が 、必 要 な 研 究 費 は 確 保 で き て い る と 考 え て い る 。入 学 定 員 の 約 1.5 倍 の 学 生 を 入 学 さ せ た 学 年 に 限 り 学 生 実 習 費 を 1.5 倍 配 分 す る 措 置 をとったが、6 年制移行に伴って研究費を大幅に増額する予定はない。 3.博士研究員任用補助等の研究支援体制は整備されているものの、現状では研究 室負担が大きいため、研究費に余裕のある研究室に集中する傾向がある。 4.教育・研究用機器は整備されており、年次計画を立てて私学助成や大型の共同 研究プロジェクトを利用して高額機器を整備してきたことは評価できる。 5.事務部における教育・研究支援体制は整備されている。 [改善計画] 1.6 年制に対応した研究室の配置を、F 棟各フロアの共通研究室部分、地下の共 通機器室部分を含めて再検討することで学生の居室、自習室を確保する。 2.研究室研究費を現状で推移させることが原則であるが、自己点検・評価を基に した評価制度を拡大して、研究室間での傾斜配分の導入も考慮していく。 3.研究系職員の任用に関して、大学からの補助経費を増額して研究室負担を軽減 させる。研究業績が顕著な中堅・若手の教員が、優先的に博士研究員等を任用で きる体制を考える。 4.長期的展望に立って購入計画を立てることと、特別事業による積立金を準備す るといった補助金申請に向けた方策を引き続き堅持することで、高額機器の取換 え更新にあたる。 【自己評価の根拠となる資料・データ等例】 年度ごとの研究室予算表、研究費配分基準、各種研究補助金の申請状況一覧、 私学助成による大型機器の申請書 - 106 - 基準9-2-4 専任教員は,時代に適応した教育及び研究能力の維持・向上に努めていること。 【観点 9 -2 -4 -1 】 実 務 家 教 員 に つ い て は , そ の 専 門 の 知 識 経 験 を 生 か し た 医 療 機 関・薬局における研修などを通して常に新しい医療へ対応する ために自己研鑽をしていること。 [現状] 本学図書館では、様々な研究分野の専門学術誌のほか、医療現場・学術分野に勤 務する薬剤師向けの専門誌を多数定期購読しており、教員に限らず誰でもそれらを 活用して関連分野の最新の知見・動向を知ることができる。各教員の研究活動への 支援として、国内外の学会に参加して常に研究分野の最先端の知識を導入できるよ う、5 万円までの学会年会費を研究室研究費から支出できることを認めており、ま た 国 外 の 学 会 参 加 費 及 び 旅 費 に 対 し て も 6 万 5 千 円 の 補 助 を 行 っ て い る 。さ ら に 国 内外の研究者を招いて行う大学院特論セミナーの開催に伴う旅費・謝礼の補助(年 15 万 円 )も 行 っ て お り 、教 職 員・大 学 院 生 の み な ら ず 、学 生 に も 最 前 線 の 研 究 成 果 に触れる機会を設けている。本学教員はこれらを有効に活用し、専門分野及び関連 分野の最新の知見を導入できるよう自己研鑽に努めている。 本 学 で は 、 基 準 9-2-2 に も 記 述 し た よ う な 2 つ の 学 部 が 関 わ る 大 型 の 共 同 研 究 プ ロジェクトを展開してきた。こうしたプロジェクトは、2 学部を擁する本学の特徴 を生かしたタイムリーな課題にテーマを収束させて、多くの研究室が参加できるよ うにしている。さらに年 1 回開催される研究成果発表会(口頭及びポスター発表) や毎年作成する年次報告書を通じて、自身の研究の方向性と成果を確認することと している。 教 育 面 で の 取 組 み と し て 、 新 潟 地 区 で 開 催 さ れ る 実 務 実 習 認 定 指 導 薬 剤 師 WS に は 毎 回 複 数 の 薬 学 部 教 員 を 派 遣 し て お り 、以 前 の 薬 学 教 育 者 WS の 頃 か ら 通 算 す る と 、 薬 学 部 の 全 教 員 が WS に 参 加 し て い る 。 一 方 で 、 医 療 現 場 で 活 躍 中 の 現 役 薬 剤 師を臨床系講義や臨床実務事前実習の際に「臨床教員」として任用し、学生が現場 の最新の知見に触れられる体制を整えている。また、教養・基礎系の教員には、実 務 実 習 認 定 指 導 薬 剤 師 WS や 実 務 実 習 時 の 実 習 施 設 訪 問 等 の 機 会 を 利 用 し て 、 医 療 現場の薬剤師との交流を積極的に行うことを呼びかけている。また、一部の教員は 各医療機関が開催している勉強会に恒常的に参加している。加えて、本学でも薬剤 師生涯教育講座や地域の薬剤師を対象とした研修会を主催しており、現場薬剤師と の交流から医療現場のニーズを常に収集できる体制を整えている。さらに、高度薬 剤師センターを窓口として大学への意見・要望の収集を行っており、医療現場が求 める薬剤師像の変化に即応できる様な体制の構築に努めている。 附 属 病 院 を も た な い 本 学 に と っ て 、実 務 家 教 員 の 医 療 機 関 で の 研 修 は 、制 度 上 種 々 の 制 約 を 伴 う こ と か ら 容 易 な も の で は な い 。し か し な が ら 、本 学 で は 近 隣 の 病 院( 新 津医療センター病院)との連携体制を確立し、数年前にこの病院薬剤部に本学実務 - 107 - 家 准 教 授 を 1 年 間 、及 び 実 務 経 験 の あ る 臨 床 系 研 究 室 の 助 手 を 短 期 間 派 遣 し て お り 、 2010 年 度 か ら は 臨 床 薬 学 研 究 室 の 実 務 家 教 員 (5 名 )を 同 病 院 に 継 続 的 に 派 遣 す る こととしている。 [点 検 ・ 評 価 ] 1.教員の自己研鑽に必要と思われるリソースは十分に整備されていると判断して いる。整備されているリソースの積極的な活用を一層促すような啓発活動等、組 織 的 な FD の 取 組 が 必 要 で あ る 。 2.これまで 2 つの学部が関わる大型の共同研究を遂行してきたことは、研究用機 器の整備や教員の研究活動の活性化に大きく貢献しており、高く評価しできる。 一方、こうした大型の共同研究プロジェクトに関しては、今後継続が困難になる ことが予想される。また、薬学部教員の 6 年制教育への負担増から、研究に割く 時間の減少が熱意の消失に繋がらないかを危惧する。 3 . 継 続 的 に 薬 学 部 教 員 を 実 務 実 習 認 定 指 導 薬 剤 師 WS に 参 加 さ せ て お り 、 6 年 制 教育に関して「全員参加」の意識は教員間に浸透していると判断している。 4 . 実 務 家 教 員 の 病 院 に お け る 研 修 に 関 し て は 2010 年 度 よ り 本 格 的 に ス タ ー ト す るが、地域医療における薬剤師の教育を進める観点から、今後病院だけでなく薬 局等の研修体制も必要であろう。 [改善計画] 1 .医 療 と 密 接 に 関 係 し た 2 学 部 間 の 教 育 及 び 研 究 活 動 を こ れ ま で 以 上 に 交 流 さ せ る 。1 つ の 方 策 と し て 、2 学 部 教 員 に よ る「 新 潟 薬 科 大 学 教 員 に よ る 研 究 発 表 会 」 を定期的に開催し、教員の教育・研究に対する熱意を継続させる。 2.実務家教員の病院・薬局研修に関しては、近隣の医療機関との密接な協力関係 を築き、非常勤職員等として定期的に参加できる体制を構築していく。 3.近接した医療・福祉系大学の教員レベルでの交流を促進し、チーム医療に関す る 研 修 会 や WS を 共 同 開 催 し て 、 そ の 成 果 を 本 学 の 薬 剤 師 教 育 や 研 究 へ フ ィ ー ド バックさせる。 【自己評価の根拠となる資料・データ等例】 図書館定期購読雑誌リスト、臨床教員リスト、生涯教育講座予定表、ワークショ ップ参加者名簿、特論セミナー予定表、授業評価アンケート及び結果一覧、高度 薬剤師センターパンフレット、自己点検・評価表 - 108 - (9-3)職員組織 基準9-3-1 教育活動及び研究活動の実施を支援するための事務体制を有していること。 【観点 【観点 9 -3 -1 -1 】 学 部 ・ 学 科 の 設 置 形 態 及 び 規 模 に 応 じ て , 職 員 配 置 を 含 む 管 理 運営体制が適切であること。 9 -3 -1 -2 】 実 務 実 習 の 実 施 を 支 援 す る 事 務 体 制 ・ 組 織 が 整 備 さ れ , 職 員 が 適切に配置されていることが望ましい。 [現状] 新潟薬科大学事務体制として、大学の管理運営を担当する「法人本部事務局」と 教育・研究活動の推進・支援を担う「大学事務部」が置かれている。法人本部事務 局は経理課、総務課、企画課の 3 課で構成されており、企画課では理事会及び評議 員会、コンプライアンスに関する事務業務を行っている。また、本学を設置してい る学校法人新潟科学技術学園は、新潟工業短期大学と新潟医療技術専門学校を併設 しており、特色ある各学校の意向を尊重した自主運営をベースにしながら、理事長 が全ての教職員の人事及び教学を総理している。職員人事については、各学校の独 自性を考慮して学校内部での異動を原則としつつ、事務局長が学校の実情や重点施 策を念頭に原案を作成し、学長・校長と協議のうえ、理事長が決定している。 一方、大学事務部は事務部長の掌理のもと、庶務課、教務課、学生課、入試・広 報課の 4 課で構成されており、大学運営全般を担当している。なお、本学は薬学部 と 応 用生 命科 学 部の 2 学 部 で構 成さ れ るが 、事 務 部は 一本 化 され てお り 、各課は 両 学 部 の 事 務 業 務 を 効 率 的 に 行 っ て い る 。 大 学 事 務 部 の 専 任 職 員 数 は 22 人 で あ り 、 さ ら に 派 遣 職 員 10 人 が 配 置 さ れ て い る ( 2009 年 5 月 現 在 )。 各 課 は 以 下 の 所 掌 事 項を分担し、所轄の委員会と緊密に連絡を図りながら、教職員が一体となって業務 を遂行している。 庶 務 課( 7 人 ): ① 部 局 長 会 、教 授 会 等 の 掌 理 、② 予 算 ・ 決 算 及 び 教 育 ・ 研 究 経 費 の 会計、③競争的資金の申請及び支援、受託研究費の受入、④社会連携プロジェ クトの掌理、⑤その他 :① 教 務 委 員 会 の 所 掌 事 項 、② 臨 床 実 務 実 習 及 び 薬 学 共 用 試 験 の 運 営 ・ 教 務 課( 6 人 ) 支援、③卒業試験及び薬剤師国家試験に関する業務、④その他 学 生 課 ( 3 人 ): ① 学 生 部 及 び 学 生 委 員 会 の 所 掌 事 項 、 ② キ ャ リ ア サ ポ ー ト ( 就 職 ) 委員会の所掌事項、③学生相談、④奨学金業務、⑤その他 入 試 ・ 広 報 課 ( 3 人 ): ① 入 試 ・ 広 報 委 員 会 の 所 掌 事 項 、 ② 大 学 入 試 セ ン タ ー 試 験 、 ③高大連携業務、④ホームページの運営、⑤その他 実 務 実 習 に つ い て は 、教 員 9 人 に よ る 臨 床 実 務 教 育 委 員 会 を 中 心 に 、実 習 先 病 院・ 薬局の開拓、交渉、調整、実習中の学生への精神面を含めた生活ケア等の諸問題に 対応するが、事務部においては教務課長が実務実習担当事務責任者として委員会に - 109 - 出 席 する ほか 、教 務係長 を 事務 責任 者 の補 佐と し て 、教務 係 1 名 を専 任 事務 担当 者 と し て そ れ ぞ れ 配 置 し 、実 務 実 習 担 当 チ ー ム と し て そ の 支 援 に あ た っ て い る 。な お 、 業務多忙期には他の職員を随時担当に回す等の柔軟な協力体制を構築している。 [点検・評価] 1 .実 務 実 習 に 万 全 の 体 制 で 臨 む た め 、教 務 課 に つ い て は 2008 年 度 に 専 任 職 員 を 2 人 増 員 し 、専 任 職 員 6 人 + 派 遣 職 員 1 人 の 7 人 体 制 へ と 組 織 を 充 実 さ せ た 。同 時 に、教務課管轄であった入試業務を新設の「入試・広報課」に移管して業務量を 軽減させることで事務部全体の業務量が平準化し、事務組織の機能が向上した。 さらに、増員した 1 人については情報システムに精通した職員を充てることで、 実務実習で活用する「臨床実務実習連携システム」への対応も整ったといえる。 なお、現状の事務組織は、本部職員が学校現場の実情を把握しにくい二層構造と なっていることから、今後組織改編を行う上での懸案事項として挙げられる。 2 .教 務 課 で は 2 学 部 の 教 務 業 務 を 行 う 一 方 、実 務 実 習 関 連 の 業 務 が 急 増 し た た め 、 6 年 制 移 行 直 後 は 業 務 手 順 の 取 り ま と め に 時 間 を 要 し た 。し か し 、2009 年 度 中 に 年間業務計画及び業務マニュアルに基づく業務のシステム化を図ったことで、2 学部の業務を行いながら実務実習の支援を行える体制が整ったものと判断できる。 ただし、組織の拡大や新規業務の発生に伴い、課同士及び教職員間での情報伝達 について、僅かではあるがタイムラグが生じるケースもみられることから、今後 は全ての情報について迅速な伝達を図る必要がある。 [改善計画] 1.事務組織のあり方については、法人本部事務局と大学事務部の業務全体の見直 し・再編成を柱とした効率的かつ機能的な組織への移行を検討する。 2.大学の教育力・研究力を充実させるためには、職員が大学運営に積極的に関与 する必要性を各自が認識し、基本的な事務遂行能力とともに、企画立案能力を向 上 さ せ 、提 案 型 の 事 務 組 織 を 整 備 し な け れ ば な ら な い 。そ の た め に は 、日 常 業 務 、 自 己 研 修 、 さ ら に は 大 学 間 連 携 に よ る SD を 活 用 し な が ら 、 PDCA サ イ ク ル の 実 践と併せて、組織的な研修体制の構築に取組む。また、教職員間の情報共有の徹 底を図るための方策として、大学事務部全体及び課を跨いだプロジェクト単位で のミーティングを習慣化することで問題の解決につなげる。 【自己評価の根拠となる資料・データ等例】 新 潟 薬 科 大 学 事 務 部 組 織 図 、学 校 法 人 新 潟 科 学 技 術 学 園 事 務 組 織 規 程 、事 務 職 員 総 数 と 職 務 分 掌 表 、 事 務 部 SD の 記 録 - 110 - (9-4)教育の評価/教職員の研修 基準9-4-1 教 育 の 状 況 に 関 す る 点 検・評 価 及 び そ の 結 果 に 基 づ い た 改 善・向 上 を 図 る た め の 体制が整備され,機能していること。 【観点 【観点 【観点 9 -4 -1 -1 】 教 育 内 容 及 び 方 法 , 教 育 の 成 果 等 の 状 況 に つ い て , 代 表 性 が あ るデータや根拠資料を基にした自己点検・自己評価(現状や問 題点の把握)が行われ,その結果に基づいた改善に努めている こと。 9 -4 -1 -2 】 授 業 評 価 や 満 足 度 評 価 , 学 習 環 境 評 価 な ど の 学 生 の 意 見 聴 取 が 行われ,学生による評価結果が教育の状況に関する自己点検・ 自己評価に反映されるなど,学生が自己点検に適切に関与して いること。 9 -4 -1 -3 】 教 員 が , 評 価 結 果 に 基 づ い て , 授 業 内 容 , 教 材 及 び 教 授 技 術 な どの継続的改善に努めていること。 [現状] 各教員はシラバス作成時に各担当授業に対する教育内容、方法等に対する戦略を 立てており、教育内容及び方法等に関する準備は事前に十分行っている。教育効果 あるいは成果は、主として試験やレポートにより確認することになるが、シラバス には成績評価の基準を記載しており、定期試験、講義中の小テスト、出席点等の配 分が明示されている。試験結果は、教務課で作成する定期試験の成績一覧表の中で 平均点が公開されるほか、各教員が点数分布や問題の難易度の解析などを行い、次 年 度 以 降 の 教 育 内 容 に 反 映 さ せ て い る 。 ま た 、 2009 年 度 の 自 己 点 検 ・ 評 価 表 か ら 、 評価項目として「担当授業・実習に関する点検・評価」の項目を加えて、後述する 学生からの授業評価アンケート及び改善に向けての要望にどのように対応するかを 各教員が記述するようにした。 学生からの各授業に対する授業評価アンケートは、全ての講義と実習に対して実 施している。各授業(実習)の最終回に、所定の用紙を用いて以下のような項目に 回答させ、同時に改善して欲しいところを記述させている。 3 段 階 評 価 項 目:① 到 達 目 標 を 理 解 で き た 、② 授 業 を 集 中 し て 受 け る こ と が で き た 、 ③積極的に受講できた、④授業は丁寧で分かりやすかった、⑤基礎から理解で き る よ う 説 明 し て く れ た 、⑥ プ リ ン ト 、教 材 が 効 果 的 で あ っ た 、⑦ 黒 板 、OHP、 パワーポイントなどを効果的に使用した、⑧口調が明瞭で聴き取りやすかった、 ⑨学生の発言・意見に耳を傾けてくれた、⑩授業に興味を感じさせるような工 夫があった。 10 段 階 評 価 項 目:⑪ あ な た は こ の 授 業 を 受 け た こ と で 新 た な 興 味・関 心 が わ き ま し たか、⑫教員は、学生が理解できるように、熱意を持ってこの授業を進めていま したか、⑬この授業の前後に予習・復習をしましたか、⑭この授業に対するあな たの総合評価はどれくらいですか。 本 ア ン ケ ー ト 結 果 は 、( ① ~ ⑩ の 平 均 点 ) + ( ⑪ ~ ⑭ の 平 均 点 ) で 合 計 点 を 出 し 、 - 111 - その得点順に並べた一覧表を前期及び後期定期試験終了後の教授会で授業担当教員 の氏名を伏せて配布している。またアンケート時に寄せられた学生からの要望等に ついては、教務課が整理して纏めたものを資料として各授業担当教員にフィードバ ックしており、次年度の担当講義の改善に役立てるようにしている。 さ ら に FD 委 員 会 が 主 催 す る 、「 教 員 の 自 己 プ レ ゼ ン テ ー シ ョ ン に よ る 評 価 と FD の 実 施 」を 年 間 数 回 開 催 し て い る( 基 準 9-4-2 参 照 )。 主 に 教 育 に お け る 教 員 の 考 え 方 ( 授 業 、 試 験 、 実 習 、 ま た 配 属 学 生 に 対 す る 研 究 指 導 等 )、 そ の 取 組 み の 実 際 な ど の 紹 介 、ま た 研 究 に 関 す る 方 向 性 や 戦 略 等 に 関 し て 、教 員 に よ る 約 25 分 程度のプレゼンテーションとデイスカッションを行っている。 [点検・評価] 1.学生による授業評価アンケートは教員にとって非常に有用であり、授業・実習 の改善に繋げるという点で必要なシステムである。学生から要望を受けた項目に 対 し て 、各 教 員 の 考 え や 改 善 し た 点 を 開 示 し て い く こ と が 今 後 必 要 で あ る 。ま た 、 授業改善による教育効果が表れたか否かを計る上で、試験の成績分析等を各教員 がより積極的に行っていくことが肝要であろう。 2.学生の授業評価アンケートの中には一部中傷的な意見や、難易度の高い科目の 授業に関しては評価が低くなる傾向がある。授業内容のレベルの高い授業に関し ては、評価を上げるために教育レベルを低下させることは本末転倒であり、教員 には理解しやすい授業の工夫と教育に対する熱意が必要である。 [改善計画] 1 . 2009 年 度 の 自 己 点 検 ・ 評 価 表 に は 、「 担 当 授 業 ・ 実 習 に 関 す る 点 検 ・ 評 価 」 の 項目を加えたが、このバージョンアップを図る。すなわち、学生からの授業評価 アンケート及び定期試験の成績解析をもとにして、各担当授業・実習に関する教 育内容及び方法,教育の成果等の点検・評価書を作成する。 2.教員間での授業相互評価システムの構築を行う。これは教員という立場からの 評価になるので、授業改善に向けたより実質的なフィードバックができると考え る。 【自己評価の根拠となる資料・データ等例】 学 生 に よ る 授 業 評 価 ア ン ケ ー ト 集 計 結 果 一 覧 表 、学 生 か ら の 授 業 改 善 に 対 す る 要 望 事 項 の ま と め 、自 己 点 検・評 価 表 、年 度 ご と の「 教 員 の 自 己 プ レ ゼ ン テ ー シ ョ ン」プログラム - 112 - 基準9-4-2 教 職 員 に 対 す る 研 修( フ ァ カ ル テ ィ・デ ィ ベ ロ ッ プ メ ン ト 等 )及 び そ の 資 質 の 向 上を図るための取組が適切に行われていること。 [現状] 教 員 に よ る 担 当 授 業 の 点 検 評 価 に 関 し て は 、自 己 点 検・評 価 表 の 作 成 だ け で な く 、 FD 委 員 会 主 催 に よ る 「 教 員 の 自 己 プ レ ゼ ン テ ー シ ョ ン に よ る 評 価 と FD の 実 施 」 を 年 間 数 回 実 施 す る こ と で 取 組 ん で い る 。自 己 プ レ ゼ ン テ ー シ ョ ン で は 、 主 に 教 育 に 対 す る 考 え 方 ( 授 業 、 試 験 、 実 習 、 ま た 配 属 学 生 に 対 す る 研 究 指 導 等 )、 そ の 取 組 み の 実 際 の 紹 介 、さ ら に 研 究 に 関 す る 方 向 性 や 戦 略 等 に 関 し て 、約 25 分 程 度のプレゼンテーションを行う。本発表会の参加対象は全教員及び学生であり、 プ レ ゼ ン テ ー シ ョ ン 後 10 分 程 度 の デ ィ ス カ ッ シ ョ ン を 実 施 し 、そ れ ぞ れ の 評 価 す べ き 点 や 問 題 点 を 明 ら か に す る こ と で 、教 員 の 自 己 点 検・評 価 に 寄 与 し て い る 。 本 発 表 会 で 教 育 に 関 す る 多 く の 情 報 が 収 集 で き る 、ま た 他 研 究 室 の 内 容 、教 員 の 研究内容、教育の工夫等が理解できたという意見が寄せられている。 2007 年 度 か ら 、 薬 学 部 内 で の 教 育 ・ 研 究 活 動 を 活 性 化 す る た め に 、 教 育 ・ 研 究 業 績 等 を 用 い た 評 価 シ ス テ ム を 基 に し た 研 究・教 育 助 成 金 制 度 を ス タ ー ト さ せ た 。公 募 し た 教 育・研 究 に 関 す る 申 請 課 題 の 内 容 と と も に 、教 育 業 績 、研 究 業 績 、 外 部 評 価 委 員 に よ る 活 動 状 況 の 評 価 、授 業 評 価 等 を 数 値 化 し て 受 領 者 を 決 定 し て い る 。今 の と こ ろ 、教 育 に 関 し て の 申 請 は 毎 年 数 件 で あ る が 、こ う し た 個 人 評 価 を取り入れた競争的な助成金により、個性的な教育への取組を奨励している。 職 員 の 研 修( SD)に つ い て は 、大 学 基 準 協 会 の 認 証 評 価 に お い て も 重 要 項 目 の 一 つであった。学外への研修派遣は年間十数件あり評価されたが、内部研修について は 不 十分 であ る 旨の 指摘 を 受け てい た 。特に薬 学 部が 6 年 制 とな って 以 来 、教務 関 係の新規業務が飛躍的に増加したこと、さらに並行して走っている各種の連携プロ ジェクトや外部対応に対して事務部各課が単独で対応できなくなってきていたこと から、内部研修を充実させて部署間での情報の共有化を図り、それぞれの業務に反 映 さ せ る 必 要 が あ っ た 。こ の こ と を 受 け て 、2009 年 6 月 に 事 務 部 職 員 30 名 が 参 加 し て 、 ワ ー ク シ ョ ッ プ 形 式 の 第 1 回 業 務 改 善 内 部 研 修 ( SD) を 実 施 し た 。 さ ら に 、 2009 年 11 月 に は 第 2 回 の SD と し て 外 部 講 師 に よ る 講 演 会 を 開 催 し た 。 本 学 は 新 潟県内の大学間での文部科学省「戦略的大学連携推進事業」を活用した大学連携に 取 組 ん で い る こ と か ら 、 こ の 第 2 回 SD で は 本 学 会 場 に 他 大 学 か ら の 参 加 も あ り 、 計 61 名 が 受 講 し た 。 さ ら に 、 こ の SD で は テ レ ビ 会 議 シ ス テ ム を 用 い て 8 大 学 に 同時中継を行い、大学間交流による問題意識の共有化や問題解決能力の向上に向け た SD 活 動 を 行 っ た 。 [点検・評価] 1.教員による自己点検・評価、及び学生による授業評価は十分に行われていると - 113 - 評価している。これらの点検・評価をより効果的なものとするため、これらの評 価結果が教員自身の資質向上に生かされているか否かをチェックする仕組みの構 築が重要であると考えている。 2 . FD 委 員 会 が 「 教 員 の 自 己 プ レ ゼ ン テ ー シ ョ ン に よ る 評 価 と FD の 実 施 」 プ ロ グ ラ ム な ど の 組 織 的 な FD 企 画 を ス タ ー ト さ せ た こ と は 評 価 で き る が 、 こ の プ ロ グラムによる教員の資質改善の効果がまだ見えてこない。 3.教員による自己点検・評価表や学生による授業評価結果等を基にした評価シス テムにより、学部内の競争的助成金制度をスタートさせたことは評価できる。今 後教育の改善や個性的な教育への取組に対しては、積極的にこの助成金制度を活 用できるように教員に働きかける。 4.事務部職員の外部研修については、中堅・若手職員を各種研修会に順次派遣し て資質の向上に努めており、一定の評価ができる。 [改善計画] 1 .「 自 己 プ レ ゼ ン テ ー シ ョ ン に よ る 評 価 と FD の 実 施 」 を 年 数 回 実 施 し て い る が 、毎 回 数 名 の 教 員 に よ る 実 施 で あ る 。今 後 は よ り 多 く の 教 員 に プ レ ゼ ン テ ー ションの機会を与えて、取組んでいく予定である。 2 .授 業 の 改 善 に も っ と も 効 果 が あ る の は 、公 開 授 業 に よ る 教 員 相 互 の 授 業 評 価 であろう。各教員に年 1 回の公開授業を義務づけることを検討する。 3 .教 育 の 改 善 や 個 性 的 な 教 育 へ の 取 組 に 対 し て は も っ と 評 価 す べ き で あ り 、積 極 的に教育上の課題で競争的学内助成金制度を活用するように教員に働きかける。 4 . 事 務 部 職 員 の SD 活 動 を 継 続 ・ 発 展 さ せ る と と も に 、 職 員 の 能 力 向 上 及 び 部 署 間の情報共有を図るべく、業務の点検及び改善を進める。外部研修会に参加した 職員には、報告書や報告会等で他職員と情報の共有化を図ることを徹底させる。 5.大学教育の充実に対しては事務部も積極的に関与する必要があり、外部及び内 部研修を通じて職員の企画立案能力を向上させ、提案型の事務組織体制を構築す る必要がある。 【自己評価の根拠となる資料・データ等例】 年 度 ご と の「 教 員 の 自 己 プ レ ゼ ン テ ー シ ョ ン 」プ ロ グ ラ ム 、薬 学 部 教 育・研 究 助 成 制 度 の 公 募 要 領 と 評 価 の た め の 基 礎 デ ー タ 、薬 学 部 教 育・研 究 助 成 報 告 書 、職 員 SD の プ ロ グ ラ ム - 114 - 『施設・設備』 10 施設・設備 (10-1)学内の学習環境 基準10-1-1 薬学教育モデル・コアカリキュラム及び薬学準備教育ガイドラインを円滑かつ効 果的に行うための施設・設備が整備されていること。 【観点 【観点 【観点 1 0 -1 -1 -1 】 効 果 的 教 育 を 行 う 観 点 か ら , 教 室 の 規 模 と 数 が 適 正 で あ る こ と。 1 0 -1 -1 -2 】 参 加 型 学 習 の た め の 少 人 数 教 育 が で き る 教 室 が 十 分 確 保 さ れ ていること。 1 0 -1 -1 -3 】 演 習 ・ 実 習 を 行 う た め の 施 設 ( 実 験 実 習 室 , 情 報 処 理 演 習 室 , 動 物 実 験 施 設 , RI 教 育 研 究 施 設 , 薬 用 植 物 園 な ど ) の 規 模 と 設備が適切であること。 [現状] 現 在 、講 義 室 は 16室( 総 面 積 3,144.44m 2 )あ り 、1室 を 除 い て 薬 学 部 と 応 用 生 命 科 学 部 で 共 用 し て い る 。 収 容 人 数 に よ る 内 訳 は 、 小 講 義 室 ( 120人 未 満 ) 6室 、 中 講 義 室 ( 120~ 199人 ) 3室 、 中 ・ 大 講 義 室 ( 200~ 299人 ) 2室 、 及 び 大 講 義 室 ( 300 人 以 上 ) 2室 で あ る 。 薬 学 部 の 6年 制 へ の 移 行 に 伴 う 学 生 数 の 増 加 と カ リ キ ュ ラ ム の 細 密 化 に 対 応 す る た め に 、中 ・ 大 講 義 室 の 1室( 216人 、360m 2 )を 講 義 棟( B棟 )3 階 部 分 に 増 築 し ( 2009年 3月 ) 、 さ ら に 臨 床 薬 学 棟 ( C棟 ) 地 下 に 臨 床 大 講 義 室 1室 ( 309人 、 301 m 2 ) を 新 設 し た ( 2009年 10月 ) 。 語学や演習には小講義室を利用する等、講義課目の特性に合わせて教室の大きさ を適切に選んで使用している。増設した中・大講義室は可動式遮音間仕切りにより 2 教 室 ま た は 3 教 室 に 分 割 が 可 能 で あ り 、中 及 び 小 講 義 室 と し て も 使 用 が 可 能 で あ る 。 ま た 全 て の 講 義 室 は マ ル チ メ デ ィ ア 対 応 と な っ て お り 、 PC、 ビ デ オ 等 の 利 用 、 学 内 LANを 通 じ た イ ン タ ー ネ ッ ト 接 続 、OHPと 補 助 ス ク リ ー ン の 利 用 が 可 能 で あ る 。 上 述 し た 講 義 室 の う ち 、 SGD形 式 に よ る 少 人 数 教 育 が 可 能 な 講 義 室 は 、 新 設 の 大 講 義 室 と 中 ・ 大 講 義 室 の 各 1室 、 な ら び に 従 来 の 固 定 式 の 座 席 を 移 動 式 に 改 修 し た 小 講 義 室 2室 の 計 4室 で あ る 。12人 で SGDを 行 う 場 合 、大 講 義 室 で は 25組 、中・大 講 義 室 で は 18組 、 小 講 義 室 で は 7組 の SGDを 行 う こ と が 可 能 で あ り 、 こ の う ち 大 講 義 室 と 中 ・ 大 講 義 室 で は 、 床 面 か ら 各 机 へ の LAN接 続 が 整 備 さ れ て い る 。 演 習 ・ 実 習 を 行 う 施 設 と し て 、 薬 学 部 実 習 棟 ( H棟 ) に 実 習 室 9室 ( 総 面 積 1,344.50m 2 ) が あ り 、 化 学 系 、 物 理 系 、 生 物 系 、 薬 剤 ・ 調 剤 系 等 そ れ ぞ れ の 実 習 ・ 演 習 の 内 容 に 合 わ せ て 使 用 さ れ て い る 。ま た 、各 実 験 室 は 80名 ~ 90名 の 学 生 に 対 応 で き る よ う に 設 計 さ れ て い る た め 、 各 研 究 室 が 担 当 す る 学 生 実 習 は 2ク ー ル ( 学 生 数 の 多 い 学 年 で は 3ク ー ル ) で 実 施 さ れ て い る 。 さ ら に 、 各 実 験 台 は 移 動 し て 仕 様 を 変 更 す る こ と も 可 能 で あ る こ と か ら 、実 習 項 目 の 変 更 な ど に も 柔 軟 に 対 応 で き る 。 こ の う ち 、 6年 制 カ リ キ ュ ラ ム に お け る 臨 床 実 務 事 前 実 習 に 対 応 す る た め 、 2007年 度 か ら 2009年 度 に か け て 実 習 棟 1階 を 改 修 し 、散 剤・水 剤 実 習 室 、無 菌 製 剤 実 習 室 、 - 115 - 模 擬 薬 局 、 模 擬 病 室 を そ れ ぞ れ 整 備 し た ( 基 準 10-1-2 参照)。 管 理 棟 ( A棟 ) 1階 の 情 報 実 習 室 に は デ ス ク ト ッ プ 型 パ ソ コ ン を 77 台 、 薬 学 部 実 習 棟 地 下 1階 の H-B101 実 習 室 は ノ ー ト 型 パ ソ コ ン 110 台 が 一 挙 に 使 用 で き 、 「 情 報 リ テ ラ シ ー 」 や そ の 他 の 授 業 及 び 薬 学 共 用 試 験 ( CBT) に 使 用 し て い る 。 本 学 専 用 の 薬 用 植 物 園 は 大 学 キ ャ ン パ ス に 隣 接 し て 設 置 さ れ て お り 、 約 3000m 2 の 敷 地 面 積 を 有 す る 。園 内 に は 温 室( 約 150m )と 管 理 棟 が 整 備 さ れ 、講 義 ・ 実 習 2 の ほ か 観 察 会 に も 利 用 さ れ て い る 。 ま た 、 大 学 か ら 約 20km 離 れ た 阿 賀 野 市 五 頭 地 区 に も 約 3000m の 薬 用 植 物 園 分 園 が あ り 、 毎 年 5~ 6 月 に 1 年 生 を 対 象 と し た 薬 2 草園研修を実施している。 学 内 で 放 射 性 同 位 元 素( RI) を 利 用 す る 場 合 に は 、 全 て 放 射 性 同 位 元 素 利 用 施 設 内で行うこととされている。また動物実験施設は薬学研究棟の地下1・2 階に設置 されている。これらの施設の利用については、本学の放射線障害予防規程、実験動 物 施 設 利 用 者 心 得 、 組 換 え DNA 実 験 安 全 管 理 規 程 等 が 定 め ら れ て お り 、 い ず れ も 使用法を遵守した安全管理のもとで実習や卒業研究に利用されている。 薬学教育センター演習室及びセミナー室も必要に応じて演習・実習への利用が可 能である。 [点検・評価] 1.本学では、全学(応用生命科学部を含む)が余裕を持って同時に授業を行うこ とが可能なだけの十分な数と広さの講義室を有している。従って本学では教育に 必要な教室の規模と数は充足しており、特に参加型学習のための少人数教育がで きる教室も十分確保されている。 2 .演 習・実 習 を 行 う 実 験 実 習 室 、情 報 処 理 演 習 室 、動 物 実 験 施 設 、RI 教 育 研 究 施 設、薬用植物園の規模・設備も適切である。 3.薬学教育モデル・コアカリキュラム及び薬学準備教育ガイドラインを円滑かつ 効果的に行うための施設・設備は整備されていると判断している。 [改善計画] 本学には十分な施設・設備が整備されていると考えているが、6 年制カリキュラ ムの進行に伴い今後想定外の問題が生じることも十分にあり得る。そうした問題に 迅速かつ的確に対応しつつ、6 年制カリキュラムの点検・評価を定期的に行うこと で、施設・設備の拡充等を含めた改善を継続的に行っていく。 【自己評価の根拠となる資料・データ等例】 講 義 棟 講 義 室 配 置 図 及 び 平 面 図 、薬 学 部 実 習 棟 実 習 室 配 置 図 及 び 平 面 図 、各 施 設 の 配 置 図 と 平 面 図 、新 潟 薬 科 大 学 放 射 線 障 害 予 防 規 程 、新 潟 薬 科 大 学 実 験 動 物 施 設 利 用 者 心 得 、 新 潟 薬 科 大 学 組 換 え DNA 実 験 安 全 管 理 規 程 - 116 - 基準10-1-2 実務実習事前学習を円滑かつ効果的に行うための施設・設備が適切に整備されて いること。 [現状] 本学の実務実習事前学習は 4 年前期の 5 月最終週~7 月中旬に「臨床実務事前実 習」として実施し、正規の授業科目として単位化されている。臨床実務事前実習の カリキュラム及び方略は、日本薬学会が提示した実務実習モデル・コアカリキュラ ム に 準 じ て お り 、 さ ら に 本 学 独 自 の SBOs を 加 え て 構 成 さ れ て い る ( 基 準 4-1-1)。 方 略 と し て 、 講 義 ・ 演 習 ( SGD)・ 実 習 と い っ た 形 態 を と る が 、 講 義 ・ 演 習 ( SGD) に関しては中・大講義室(B 棟)や臨床薬学棟(C 棟)の臨床大講義室を、実習に 関しては薬学部実習棟(H 棟)の調剤実習室を利用する。 中 ・ 大 講 義 室 は 、2009 年 に 講 義 棟( B 棟 )3 階 に 増 築 し た が 、従 来 の 床 固 定 式 で は な く 可 動 式 の 机・椅 子 と し て い る た め 、多 目 的 に 使 用 す る こ と が で き る 。最 大 216 名の学生を収容できるが、パーテイションにより 3 分割できることから、少人数で の SGD に も 対 応 で き る 構 造 と な っ て い る 。AV 装 置 も 完 備 し て お り 、サ イ ド に あ る ス ク リ ー ン に よ り 後 方 に 座 る 学 生 に も 対 応 で き る 。さ ら に 2009 年 10 月 に は 、地 下 に 臨 床 大 講 義 室 ( 収 容 人 員 : 309 名 ) を も つ 6 年 制 新 棟 が 完 成 し た 。 こ の 講 義 室 も 机・椅 子 が 可 動 式 と な っ て お り 、様 々 な 形 態 の 授 業 に 対 応 で き る 構 造 と な っ て い る 。 正 面 に 大 型 ス ク リ ー ン が 3 面 設 置 さ れ て い る の で 、後 方 か ら ス ク リ ー ン が 見 づ ら い ということはない。 臨 床 実 務 事 前 実 習 の 実 施 に 際 し て 、 実 習 に 関 し て は 学 内 の 実 習 室 (H-101、 102、 105、 106)を 次 の よ う に 改 装 す る と と も に 、 必 要 な 器 材 を 整 備 し て 臨 床 実 務 事 前 実 習 及 び OSCE に 対 応 で き る よ う に し た( 2008 年 )。ま た 、患 者 応 対 や 服 薬 指 導 等 は 、 既存の実習室と講義室を併用して実施した。 H-101: 調 剤 ( 散 剤 ) 実 習 室 ( 散 剤 ・ 錠 剤 台 25 台 ) H-102: 調 剤 ( 水 剤 ) 実 習 室 ( 水 剤 台 12 台 ) H-105: 無 菌 製 剤 実 習 室 ( ク リ ー ン ベ ン チ 15 台 ) H-106: 模 擬 薬 局 ( 受 付 カ ウ ン タ ー 、 薬 袋 発 行 機 、 監 査 シ ス テ ム 付 き 散 剤 台 ( 1 台 )、 水 剤 台 ( 1 台 )、 錠 剤 棚 ( 3 台 )、 外 用 棚 ( 1 台 )、 保 冷 庫 ( 1 台 )、 分包機(1 台) H-105: 模 擬 病 室 ( ベ ッ ド 2 台 ) 施設・設備面の充実だけでなく、以下のような器具・器材を購入して臨床実務事 前実習の内容の充実を図った。 ・ バイタルサインの理解や心肺蘇生法を実践するための高機能人体シミュレー タ ー( レ サ シ ア ン 1 台 と ト レ ー ニ ン グ シ ス テ ム ガ イ ド モ デ ル 5 台 )及 び AED. ・ バ イ タ ル サ イ ン 習 得 の た め の 聴 診 器 ( 10 個 ) 及 び 電 子 血 圧 計 ( 10 個 ). - 117 - ・ 不 自 由 体 験 用 器 材( 車 椅 子 20 台 、松 葉 杖 12 本 、妊 婦 体 験 ジ ャ ケ ッ ト 6 個 等 ). ・ 臨 場 感 を も っ て 病 室 で の 服 薬 指 導 を 行 う た め に 病 室 用 ベ ッ ド( 10 台 )を 整 備 . [点検・評価] 1.臨床実務事前実習の講義・演習・実習に関しては、それぞれの方略に適した講 義室・実習室が準備できている。 2.実習室については、それぞれの課題に対応した調剤用実習室が完備しており、 設備も学生数に合わせて配備できている。 3 .AED や 人 体 シ ミ ュ レ ー タ ー な ど バ イ タ ル サ イ ン の 理 解 に 用 い る キ ッ ト や モ デ ル の他、妊婦や高齢者を疑似体験できる器具・器材を準備しており、薬剤師教育に 向けた新しい教材が整備できている。こうした器具・器材を用いた実習は、学生 にとって初めての経験であり、意欲的に取り組む姿勢が見られた。 [改善計画] これまで以上に模擬薬局や模擬病室を活用して、臨床実務事前実習の内容を臨場 感に溢れたものとしていく。 【自己評価の根拠となる資料・データ等例】 臨 床 実 務 事 前 実 習 シ ラ バ ス 、臨 床 実 務 事 前 実 習 用 器 具 ・ 器 材 リ ス ト 、薬 学 部 実 習 棟 ( H 棟 平 面 図 )、 B 棟 多 目 的 講 義 室 及 び 6 年 制 新 棟 平 面 図 等 - 118 - 基準10-1-3 卒 業 研 究 を 円 滑 か つ 効 果 的 に 行 う た め の 施 設・設 備 が 適 切 に 整 備 さ れ て い る こ と 。 [現状] 本学において、卒業研究は「大学教育の総まとめとも言える総合科目で、これま でに各教科目で修得してきた知識・技能を総合的、発展的に駆使して特定の研究課 題を研究するもの」と位置づけており、また「卒業研究では、未知の研究課題に挑 戦することによって、問題を発見し、それを解決する能力と論理的思考力を涵養す ることを意図する」ものであることが学生便覧に明記されている。 2006 年 度 以 降 に 入 学 し た 6 年 制 課 程 学 生 の 場 合 、 3 年 後 期 に 研 究 室 配 属 と な り 、 3 年 後 期 ~ 4 年 前 期 に か け て 卒 業 研 究 Ⅰ を 、5 年 ~ 6 年 前 期 に か け て 卒 業 研 究 Ⅱ を 実 施することとなる。卒業研究Ⅰでは、研究課題に関する文献調査を行って卒業論文 ( 総 説 レ ベ ル の も の ) を 作 成 し 、 主 査 ・ 副 査 計 2〜 3 名 が 審 査 す る 。 卒 業 研 究 Ⅱ で は 、従 来 型 の 研 究( ベ ン チ /フ ィ ー ル ド ワ ー ク 、疫 学 的 研 究 等 )を 行 っ て 論 文( 修 士 論文程度)を作成するとともに、卒業論文発表会においてプレゼンテーション(口 頭 あ る い は ポ ス タ ー ) を 行 う 。 卒 業 研 究 Ⅱ で も 、 主 査 ・ 副 査 計 2〜 3 名 が 審 査 し 、 教授会において合否を判定する。 卒業研究Ⅰでは、実験系の研究室教員に加えて、教養系・臨床系・薬学教育研究 センター教員を含む助教以上の薬学部教員が論文作成の指導にあたる。実験系の研 究室への配属学生数は、教授・准教授・講師は各 7 名、助教は 3 名を基準とし、一 研 究 室 の 上 限 を 15 名 と し て い る 。 な お 、 教 養 系 ・ 臨 床 系 ・ 薬 学 教 育 研 究 セ ン タ ー は 基 準 数 以 内 の 配 属 希 望 学 生 を 受 け 入 れ る 。2009 度 6 年 制 課 程 の 4 年 生 156 名 は 、 計 24 研 究 室 に 配 属 さ れ た 。 実 験 系 ・ 教 養 系 ・ 臨 床 系 ・ 薬 学 教 育 研 究 セ ン タ ー 各 研 究 室 は 、薬 学 部 研 究 棟 F 棟 地 下 1 階 か ら 5 階 、図 書 館 棟 J 棟 2 階 、及 び 臨 床 薬 学 棟 C 棟 2 階 と 地 下 1 階 に 配 置 さ れ て い る 。研 究 室 合 計 面 積 は F 棟 3964 m 2 、J 棟 148 m 2 、 C 棟 333 m 2 で あ り 、 合 計 面 積 は 4445 m 2 で あ る 。 卒 業 研 究 Ⅰ で は 文 献 調 査 が 主 体 であることから、配属研究室以外の図書館や学生自習室、セミナー室が活用されて お り 、 い ず れ も PC 環 境 は 整 備 さ れ て い る 。 図 書 館 、 学 生 自 習 室 、 セ ミ ナ ー 室 の 合 計 面 積 は 1153 m 2 で あ り 、 上 述 の 研 究 室 合 計 面 積 と 合 算 す る と 、 5598 m 2 と な り 必 要 十 分 な 広 さ を 確 保 し て い る と 考 え ら れ る 。ま た 基 準 10-1-4 に 記 述 さ れ て い る よ う に、図書館及び学生自習室では快適な学習環境が提供されている。 卒業研究Ⅱでは、教養系と薬学教育研究センターには学生が配属されない。従っ て卒業研究Ⅱを実施する研究室は薬学部研究棟 F 棟と臨床薬学棟 C 棟の各研究室で あ り 、そ の 合 計 面 積 は 4297 m 2 で あ る 。典 型 的 な 研 究 室 の 構 成 は 、教 授 室 (20.16 m 2 )、 ス タ ッ フ ル ー ム (40.32 m 2 )、 測 定 室 (20.16 m 2 )、 実 験 室 (106.68 m 2 )で あ り 、 合 計 面 積 は 187.32 m 2 で あ る 。 こ の ス ペ ー ス を 教 授 ・ 准 教 授 ・ 助 教 各 1 名 及 び 研 究 室 配 属 学生が利用することになる。卒業研究Ⅱは主として 5 年次に実施するため、病院・ - 119 - 薬局実務実習を行っていない学生が時期をずらして研究を行うことになる。 各研究室以外に、F 棟の地下 2 階、地下 1 階、1 階、5 階には次のような共同利 用 機 器 室 が あ り 、 ま た 動 物 実 験 施 設 と 放 射 性 同 位 元 素 (RI) 利 用 施 設 が あ る 。 F-506: 遺 伝 子 関 連 機 器 室( DNA シ ー ケ ン サ ー 、ビ ア コ ア 等 )、F-101: 共 通 利 用 機 器 室 ( 超 遠 心 機 、 LC-MS、 GC-MS 等 )、 F-B202: 共 通 利 用 機 器 室 ( フ ロ ー サ イ ト メ ー タ ー 、 バ イ オ イ メ ー ジ ン グ ア ナ ラ イ ザ ー 等 )、 F-B203: 共 通 利 用 機 器 室 ( 赤 外 分 光 光 度 計 )、 F-B201: 遺 伝 子 実 験 施 設 ( ク リ ー ン ベ ン チ 、 CO 2 イ ン キ ュベーター等) F 棟 動 物 実 験 施 設 、 G 棟 RI 利 用 施 設 、 薬 用 植 物 園 基 準 9-2-3 で も 記 述 し た が 、NMR、質 量 分 析 装 置 、X 線 結 晶 構 造 回 析 装 置 、ESR、 電子顕微鏡等の大型研究用機器は、それぞれ専用の機器室で応用生命科学部と共同 使用しており、管理体制も整備されている。 なお、学生実習を実施していない時期には薬学部実習棟(H 棟)も活用できるた め 、卒 業 研 究 II の 実 施 に 必 要 な 実 験 ス ペ ー ス は 十 分 整 え ら れ て い る 。本 学 で は 従 来 の4年制課程にもおいても卒業研究を実施しており、またこれまでに各研究室が優 れた薬学博士・修士を輩出してきたことからも明らかなように、卒業研究だけでな く 、「 研 究 」 を 行 う た め に 必 要 な 機 器 ・ 設 備 は 十 分 に 整 備 さ れ て い る 。 [点検・評価] 1.3 年後期~4 年前期での文献調査が中心となる卒業研究 I は、各研究室及び自 習 室 や 図 書 室 を 利 用 す る こ と で 円 滑 か つ 効 果 的 に 実 施 で き る 。 各 施 設 で の PC 環 境も整備されている。 2 . 5 年 ~ 6 年 前 期 に か け て 行 う 卒 業 研 究 II に つ い て は 、 各 研 究 室 で 実 施 で き る 。 ま た 卒 業 研 究 II に 必 要 な 研 究 用 機 器 ・ 設 備 は 適 切 に 整 備 さ れ て い る 。 3 . 6 年 次 で の 卒 業 研 究 発 表 会 は 臨 床 大 講 義 室 の 使 用 が 予 定 さ れ て い る 。多 目 的 な 講義室であることから、口頭発表及びポスター発表の両方に対応できる。 [改善計画] 1.研究室の総面積は、4 年生までの学生数には対応できている。今後 6 年までの 卒研生(3 年生後期~6 年生)が研究室に配属されたとき、果たして対応できる のかどうかが問題点となろう。各研究室への配属学生数の均等化と学内の共通研 究室の有効利用で対応せざるを得ない。 2.状況に応じて柔軟な対応ができるように、薬学部内の各研究室及び共通施設の 再編を検討していく。 【自己評価の根拠となる資料・データ等例】 薬 学 部 研 究 棟 研 究 室 配 置 図 、研 究 用 共 通 機 器 配 置 図 、図 書 館 平 面 図 、図 書 館 定 期 購読雑誌リスト、卒業研究リポジトリー - 120 - 基準10-1-4 快 適 な 学 習 環 境 を 提 供 で き る 規 模 の 図 書 室 や 自 習 室 を 用 意 し ,教 育 と 研 究 に 必 要 な図書および学習資料の質と数が整備されていること。 【観点 【観点 【観点 1 0 -1 -4 -1 】 図 書 室 は 収 容 定 員 数 に 対 し て 適 切 な 規 模 で あ る こ と 。 1 0 -1 -4 -2 】 常 に 最 新 の 図 書 お よ び 学 習 資 料 を 維 持 す る よ う 努 め て い る こ と。 1 0 -1 -4 -3 】 快 適 な 自 習 が 行 わ れ る た め 施 設 ( 情 報 処 理 端 末 を 備 え た 自 習 室など)が適切に整備され,自習時間を考慮した運営が行わ れていることが望ましい。 [現状] 2004 年 7 月 に 完 成 し た 図 書 館 ( 1,127m 2 ) は 、 座 席 数 229 席 、 AV コ ー ナ ー 10 席 の 合 計 239 席 が 設 け ら れ て い る 。 こ れ に 対 し 学 生 数 は 1,440 人 ( 2009 年 5 月 1 日 現 在 )で あ り 、学 生 数 に 対 す る 座 席 数 の 割 合 は 15.9% で あ る 。座 席 数 229 席 の う ち 25 席 は 個 別 デ ス ク に な っ て お り 、 集 中 し て 学 習 で き る よ う に な っ て い る 。 ま た AV コ ー ナ ー の 1 席 に は 視 聴 覚 機 器 を 、残 り 9 席 に は パ ソ コ ン を 設 置 し て イ ン タ ー ネ ッ ト に 接 続 で き る 環 境 を 整 え て い る 。 2008 年 度 の 図 書 館 座 席 利 用 は 1 日 当 た り 30.1 人 (座 席 数 の 13.1% )で あ っ た が 、定 期 試 験 期 間 の 7 月 、1 月 の 平 均 は 49 人 (座 席 数 の 21.4% )、 45 人 (座 席 数 の 19.7% )で あ り 、 多 い 時 は 150 人 (座 席 数 の 65.5% )が 利 用 し た 。 2008 年 度 開 館 日 の 1 日 平 均 の 入 館 者 は 671 人 で あ り 、 年 間 入 館 者 は 198,207 人 に の ぼ る 。 薬 学 部 で は 年 間 約 100 万 円 の 予 算 で 、シ ラ バ ス に 紹 介 さ れ て い る 参 考 図 書 及 び 教 員・学生から希望が出された図書を図書委員会に諮って購入している。また、教員 アンケートを基にして、新しく刊行された図書を中心に購入図書を決めており、 2008 年 度 は 約 200 冊 を 購 入 し た 。 雑 誌 は 、 2 年 ご と に 教 員 か ら ア ン ケ ー ト を と り 、 新任の教員の希望や雑誌の出版事情の変化や改廃を参考にして委員会で見直しを行 い、新規購入雑誌や購入雑誌の入替え等を行っている。外国雑誌については電子ジ ャ ー ナ ル 化 を 図 り 、 現 在 約 340 タ イ ト ル を 閲 覧 す る こ と が 可 能 で あ る 。 図 書 館 の 開 館 時 間 は 9 時 か ら 21 時 30 分 ま で( 土 曜 日 は 9 時 10 分 ~ 16 時 30 分 ) であり、開館時間内であれば閲覧室及び開架式書庫に自由に出入りすることができ る 。図 書 館 の 日 常 業 務 は 、図 書 館 事 務 長 1 名 と 司 書 2 名 で 行 っ て お り 、時 間 外 の カ ウンター業務には学生のアルバイトを雇用して対応している。 J 棟 の 自 習 室 2 室 の う ち 1 室( 40 席 )は 、早 朝 か ら 深 夜 ま で 利 用 可 能 で あ る 。ま た講義の入っていない講義室は利用学生数に応じて開放しており、カフェテリアも 昼食時間以外は学習に使用でき、深夜まで開放して学生の便宜を図っている。講義 室 と カ フ ェ テ リ ア は 、 い ず れ も 無 線 LAN を 整 備 し て お り 、 イ ン タ ー ネ ッ ト を 活 用 した学習が可能である。 - 121 - [点検・評価] 1 .図 書 館 の 規 模 は 、繁 忙 期 に お い て も 満 席 と な る こ と は 少 な い こ と か ら 、適 切 な 規 模 で あ る と 考 え て い る 。ま た 、本 学 で は 数 種 の 形 態 の 自 習 ス ペ ー ス を 用 意 し て お り 、い ず れ も 試 験 時 な ど の 繁 忙 期 に お い て も 満 席 と な る こ と は 少 な い こ と か ら 、 十 分 な 学 習 ス ペ ー ス が 用 意 さ れ て い る 。学 生 は 、カ フ ェ テ リ ア ・ 自 習 室 ま た は 研 究 室 で 飲 食 を し な が ら 、あ る い は グ ル ー プ で 話 し 合 い な が ら と い っ た 様 々 な 形 態 で学習するが、そのようなニーズにも十分対応できている。 2 .毎 年 単 行 本 を 購 入 す る 予 算 を 確 保 し 、新 刊 書 や 学 生 の 購 入 希 望 図 書 を 可 能 な 限 り 取 入 れ て き た 。ま た 、未 購 入 電 子 ジ ャ ー ナ ル や デ ー タ ベ ー ス の 無 料 ト ラ イ ア ル を積極的に行い、学内電子メールやホームページ等で教員に案内している。 3 .雑 誌 の 購 入 に は 、発 行 後 直 ち に 各 研 究 室 で 利 用 で き る 電 子 ジ ャ ー ナ ル を 積 極 的 に 導 入 し て い る 。各 種 コ ン ソ ー シ ア ム を 利 用 す る こ と と 複 数 の 代 理 店 か ら の 競 争 見 積 り に よ り 、購 入 価 格 を 低 く 抑 え る よ う に 努 め て い る 。特 に 外 国 雑 誌 は 外 国 為 替 相 場 や 出 版 事 情 の 動 向 に よ っ て 価 格 が 大 き く 変 動 す る た め 、各 種 の 電 子 ジ ャ ー ナルコンソーシアム説明会に参加して新しい情報を得るようにしている。 4 .試 験 期 間 を 除 い て 自 習 室 は 満 室 に は な ら ず 、早 朝 か ら 深 夜 ま で 利 用 可 能 で あ る こ と か ら 学 生 に は 使 用 し や す い 環 境 で あ る と 判 断 し て い る 。ま た 、試 験 期 間 前 に は 講 義 の 終 了 し て い る 講 義 室 を 利 用 学 生 数 に 応 じ て 開 放 し て い る 。カ フ ェ テ リ ア の 無 線 LAN も 良 く 利 用 さ れ て お り 、 学 生 の 自 習 に 向 け た 学 内 施 設 は 整 備 で き て いる。 [改善計画] 1.学内的には静かに落ち着いて学習できる場としての図書館を目指す一方で、気 軽に学習できる場としての図書館の両立を図り、利用率を上げていく。 2.座席の利用者が少ない長期休暇期間中には、近在の高校生や一般市民に積極的 に開放し、図書館のホームページ等を通じて地域への貢献を広報して、利用の拡 大を図る。 3 .図 書 委 員 会 と 連 携 を 取 り な が ら 、予 算 100 万 円 程 度 の 範 囲 内 で 、専 門 の 新 刊 本 及び学生、院生、教員からの希望図書を充実していく。 4.自習室については、来年から 5 ~ 6 年生が新たに増えるのでその利用状況を 調べて、増設あるいは他の学内施設を改修していくことも必要であろう。カフェ テリアも昼食時間以外の利用状況と利用学生の要望を調べ、学習しやすい場所と して改善していく必要性が生じると思われる。 【自己評価の根拠となる資料・データ等例】 2008 年 度 新 潟 薬 科 大 学 図 書 館 統 計 調 査 資 料 、図 書 館 座 席 利 用 者 数 、図 書 館 入 館 者数、在庫図書リスト、定期購入学術誌リスト、学術誌購入アンケート - 122 - 『外部対応』 11 社会との連携 基準11-1 医療機関・薬局等との連携の下,医療及び薬学の発展に貢献するよう努めている こと。 【観点 【観点 【観点 1 1 -1 -1 】 地 域 の 薬 剤 師 会 , 病 院 薬 剤 師 会 , 医 師 会 な ど の 関 係 団 体 及 び 行 政 機関との連携を図り,医療や薬剤師等に関する課題を明確にし, 薬学教育の発展に向けた提言・行動に努めていること。 1 1 -1 -2 】 医 療 界 や 産 業 界 と の 共 同 研 究 の 推 進 に 努 め て い る こ と 。 1 1 -1 -3 】 医 療 情 報 ネ ッ ト ワ ー ク へ 積 極 的 に 参 加 し , 協 力 し て い る こ と が 望 ましい。 [現状] 現 在 教 授 1 名 が 県 薬 剤 師 会 の 常 務 理 事 と し て 、准 教 授 1 名 が 市 薬 剤 師 会 の 理 事 と して、それぞれ大学と関係団体との連携に携わっており、こうした職能団体と大学 間での意見交換や急変する薬剤師業界や薬学教育における問題点の提起・議論を通 じて、大学と現場の薬剤師が一丸となって、新潟の「薬学教育」の発展に寄与でき るような体制の整備に努めている。また、3 年前から新潟市保健所と連携して、薬 物 依 存 の 元 患 者 に よ る 講 演 会 及 び AIDS を 中 心 と し た 性 感 染 症 防 止 の 講 演 会 を 1 年 生の講義の中で開催しており、行政と連携した教育プログラムも取入れている。 医 療 界 や 産 業 界 と の 共 同 研 究 の 推 進 に つ い て は 、2007 年 4 月 に 設 置 し た 産 官 学 連 携推進センターが窓口となり、企業等からの研究協力依頼を受ける体制が整えられ て い る 。薬 学 部 に お い て は 、2007 年 以 降 、企 業 や 県 か ら の 依 頼 に よ り 8 件 の 委 託 研 究がスタートしている。また、本学は次に示した 4 件の新潟地域での産業界・他大 学との教育・研究における連携事業に参加している。 健 康 を テ ー マ と し た 研 究 連 携 コ ン ソ ー シ ア ム( 2007 年 9 月 ~ )・・・・医 療・薬 ・ 食をテーマとした研究連携(本学、新潟大、新潟医療福祉大、新潟県立大、新潟 バイオリサーチパーク、新潟市) 新 潟 市 ・ 8 大 学 連 携 協 議 会( 2008 年 4 月 ~ )・・・・ 医 療 ・ 薬 ・ 食 を テ ー マ と し た 幅広い連携事業(本学、新潟大、新潟医療福祉大、新潟市ほか) 新 潟 エ リ ア 産 学 官 連 携 推 進 協 議 会 ( 2008 年 4 月 ~ )・ ・ ・ ・ 新 潟 エ リ ア の 幅 広 い 産業振興 (本学、新潟大、新潟市ほか) 文 科 省「 戦 略 的 大 学 連 携 支 援 事 業 」: 共 生 型 大 学 連 携 に よ る 新 潟 県 の 人 材 確 保 ・ 養 成 の 短 期 的 及 び 包 括 的 施 策 に よ る 地 域 貢 献 ( 2008 年 6 月 ~ )・ ・ ・ ・ 県 の 支 援 に 基 づ く 県 内 大 学 の FD・ SD、 広 報 活 動 、 イ ン タ ー ネ ッ ト 会 議 の 実 施 、 教 職 課 程 の 相 互 実施 検討( 本 学 、新 潟 医療 福祉 大 、新潟青 陵 大短 大部 、新 潟大、新 潟 県ほか ) 産官学連携に関連して、知財アドバイザー(本学客員教授)を中心とした学内の 知 財 体 制 構 築 WG が 、 知 財 に 関 す る 学 内 セ ミ ナ ー を 2008 年 以 降 8 回 開 催 し 、 教 員 - 123 - へ の 啓 発 を 行 っ た 。 さ ら に 、 JST( 日 本 科 学 技 術 振 興 機 構 ) に よ る 産 官 学 交 流 を 促 進 す る た め の 学 内 説 明 会 も 、 2008 年 以 降 5 回 行 わ れ て い る 。 医療情報ネットワークに関連して、本学では高度薬剤師教育研究センターがその 業務の一環として、大学と薬剤師、及び地域の薬剤師間のネットワークの形成に努 めている。本センターでは生涯教育講座・グループ研修等の卒後教育や、薬剤師間 の交流の場を提供しているほか、地域の医療関係者向けの情報を集約した機関紙を 発 行 し て お り 、地 域 の 医 療 関 係 者 間 の 有 機 的 な ネ ッ ト ワ ー ク の 形 成 に 寄 与 し て い る 。 また本学教員は、 「 新 潟 糖 尿 病 ネ ッ ト ワ ー ク 」や 秋 葉 区 に お け る「 食 育 と 健 康 を 考 え る会」等も主催しており、地域の医療関係者間の連携体制作りに貢献している。 2009 年 7 月 に NPO 法 人・化 合 物 活 用 セ ン タ ー に 加 入 し 、そ の ネ ッ ト ワ ー ク を 通 じて大学が保有する化合物の有効利用に協力している。さらに、日本海地域の7大 学 と 金 沢 大 及 び 新 潟 大 の TLO が 協 力 し て 技 術 移 転 機 能 強 化 を 目 指 す 「 日 本 海 地 域 大 学 イ ノ ベ ー シ ョ ン 技 術 移 転 機 能( KUTLO-NITT)」の ネ ッ ト ワ ー ク に 、2008 年 7 月から参加している。 [点検・評価] 1.県薬剤師会、県病院薬剤師会等の関係団体及び新潟県や新潟市等の行政機関と の連携体制は構築されており、薬学教育への参画もなされている。 2 .企 業 等 か ら の 受 託 研 究 が 複 数 の 研 究 室 で 進 行 し て い る 点 や 、 「産官学連携推進セ ンター」を設置して研究相談の窓口としていることから、医療界や産業界との連 携体制の充実に向けた整備がなされている。 3 .新 潟 地 区 で の 医 療・福 祉 系 大 学 等 と の 教 育・研 究 連 携 に 積 極 的 に 参 画 し て お り 、 新潟地域の医療関連分野の発展に貢献している。 4.学内セミナーや説明会等を開催し、本学教員に対し学外機関との協力連携を促 している点や、本学が保有する研究成果等を各種のネットワークに提供すること としている点は、医療・薬学分野の発展に大きく貢献すると考える。 [改善計画] 1.関係諸団体との連携体制は構築されているので、今後本学から新たな連携教育 プログラムを積極的に提案していく。 2.地域の大学間での教育・研究連携をさらに推進していくと同時に、他の医療系 大学や薬系大学と連携した新たな教育連携や医療ネットワークの構築を積極的に 提案していく。 【自己評価の根拠となる資料・データ等例】 新潟市保健所と共催した講演会案内、新潟薬科大学産官学連携推進センター規 程 及 び 運 営 委 員 会 規 程 、大 学 間 連 携 事 業 に 関 す る 協 定 書 あ る い は 契 約 書 、化 合 物 活 用 セ ン タ ー 利 用 契 約 書 、 KUTLO- NITT 契 約 書 、 知 財 ワ ー キ ン グ グ ル ー プ 月 報 - 124 - 基準11-2 薬剤師の卒後研修や生涯教育などの資質向上のための取組に努めていること。 【観点 1 1 -2 -1 】 地 域 の 薬 剤 師 会 , 病 院 薬 剤 師 会 な ど の 関 係 団 体 と の 連 携 ・ 協 力 を 図り,薬剤師の資質向上を図るための教育プログラムの開発・提 供及び実施のための環境整備に努めていること。 [現状] 本学は新潟地区での唯一の薬系大学であることから、最新の薬学・医学の臨床情 報と知識を地域の現役薬剤師に提供することは本学の使命の一つであることを強く 認 識 し て い る 。 そ こ で 15 年 前 か ら 、 本 学 主 催 の 本 格 的 な 「 薬 剤 師 生 涯 教 育 講 座 」 を毎年開催し、卒後研修・生涯教育の充実を図ってきた。この生涯教育講座には、 日本薬剤師研修センター、新潟県薬剤師会、新潟県病院薬剤師会に加えて本学同窓 会 も 共 催 団 体 と し て 参 加 し て い る 。毎 年 4 月 か ら 12 月 ま で の 期 間 に 、月 に 一 回( 約 2 時間)の予定で計 9 回の講座を開講している。受講者は年々増加し、現在では約 600 名 の 薬 剤 師 が 毎 年 参 加 登 録 し て お り 、 土 曜 日 午 後 3 時 か ら 県 内 最 大 の 会 議 場 で ある朱鷺メッセ国際会議場で生涯研修に励んでいる。受講者の内訳は本学出身者が 48% 、 他 大 学 ( 23 大 学 ) 出 身 者 が 52% で あ り 、 出 身 大 学 を 問 わ ず 受 講 で き る 。 年 間の受講料は1万円で、この受講料をもとに受講者の希望に添った講演内容を考慮 し 、 広 く 全 国 か ら 講 師 を 招 聘 し て い る 。 な お 、 学 部 生 ・ 大 学 院 生 は 毎 年 50 名 ほ ど が 無 料 で 受 講 し て い る 。 薬 学 部 卒 後 教 育 委 員 会 ( 教 授 1、 准 教 授 ・ 講 師 2) が 長 期 に渡り本講座の企画運営を担当してきたが、その後臨床実務教育委員会が引継ぎ、 2009 年 度 か ら は 、 後 述 す る 「 高 度 薬 剤 師 教 育 研 究 セ ン タ ー 」 の 活 動 の 一 つ と し て 、 生 涯 教 育 講 座 担 当 の セ ン タ ー 運 営 委 員 ( 教 授 2、 准 教 授 1) が 中 心 と な っ て 企 画 運 営を行っている。 2006 年 か ら の 6 年 制 薬 学 教 育 の 導 入 に 向 け て の 法 改 正 時 に 、国 会 決 議 の 付 帯 事 項 として提出された「4 年制教育を終えて既に業務についている薬剤師に対する卒 後・生涯教育についても大学は責任をもつべきである」という提言に沿って、本学 は 「 高 度 薬 剤 師 教 育 研 究 セ ン タ ー 」 を 2005 年 に 設 置 し た 。 本 セ ン タ ー は 、 本 学 卒 業 生 だ け で な く 新 潟 県 内 外 で 勤 務 す る 薬 剤 師 の 高 度 な 教 育・研 究 の 研 修 の 場 と し て 、 医療現場で薬剤師が直面する種々の問題について本学教員とともにその解決法を考 えるとともに、学生の教育にも還元しようとする目的をもつ。本センターには専任 教 員 1 名 の ほ か 、医 療 系・臨 床 系 の 教 員 6 名 が 運 営 委 員 と し て 参 加 し て お り 、前 述 した薬剤師生涯教育講座、グループ研修、大学院社会人コースの特論講義の開講等 を 主 宰・担 当 し て い る 。現 在 、本 セ ン タ ー で は 、 「 処 方 せ ん 薬 効 解 析 」、 「薬物体内動 態 」、「 健 康 食 品 と 服 薬 」、「 糖 尿 病 専 門 薬 剤 師 」、「 医 療 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 」 の グ ル ープ研修を開講しており、今後は「バイタルサインの意義とその取り方」や「緩和 ケア」の研修コースも開講する予定である。 上記したような本学薬剤師生涯教育講座の実績と高度薬剤師教育研究センターの - 125 - 活 動 が 評 価 さ れ 、 本 学 は 2008 年 9 月 に 有 限 責 任 中 間 法 人 薬 剤 師 認 定 制 度 認 証 機 構 から全国 9 番目の薬剤師生涯研修認定制度認証機関として認定された(制度名:生 涯 研 修 認 定 制 度 、 認 証 番 号 G09)。 こ れ に よ り 、 薬 剤 師 研 修 セ ン タ ー 発 行 の 研 修 認 定単位(シール)と同等の本学独自の研修認定単位を、生涯教育講座や高度薬剤師 教育研究センターが主催するグループ研修受講者に発行できるようになった。さら に、規定単位数を修得した受講者には、認定審査を経て「研修認定薬剤師」として 登 録 す る と と も に 、「 認 定 薬 剤 師 証 」 を 発 行 で き る よ う に な っ た 。 [点検・評価] 1.本学は全国の薬科大学に先駆けて生涯教育の充実に取組んできた。現在本学主 催 の 「 薬 剤 師 生 涯 教 育 講 座 」 に は 500 名 ( 1 回 の 講 義 に つ き ) を 超 え る 受 講 者 が あ り 、 年 間 で は 延 べ 5,000 人 近 く に の ぼ る 。 全 国 的 に も 有 数 の 生 涯 教 育 講 座 で あ ると評価されている。 2.薬学教育 6 年制を見据え、薬剤師の生涯にわたる研修の場として「高度薬剤師 教育研究センター」を設置し、医療現場で活躍する薬剤師の教育・研究の支援に 取組んでいることは高く評価できる。 3 .日 本 薬 剤 師 研 修 セ ン タ ー か ら 全 国 で 9 番 目 の 生 涯 教 育 認 定 制 度 認 証 機 関 に 認 定 されたことは、本学卒業生だけでなく、新潟地区の薬剤師の資質の向上に貢献し ようとする本学の薬剤師生涯教育への取組が評価されたものである。 [改善計画] 1.本学主催の「薬剤師生涯教育講座」は、受講者が増加して会場定員のほぼ上限 に近づいている。今後の受講者増に対応するには、講座の形式を同日 2 回開催や 月 に 1 回 の 開 催 を 2 回 に し て 便 宜 を 図 る 等 の 検 討 が 必 要 と 考 え て い る 。新 潟 県 薬 剤師会内の新潟県薬剤師研修協議会で事前打合わせを行い、県内で開催される研 修会・学会等と重複しないように開催日を設定するように努める。 2 .高 度 薬 剤 師 教 育 研 究 セ ン タ ー が 主 催 す る グ ル ー プ 研 修 の 内 容 を さ ら に 充 実 さ せ 、 学会発表・論文発表等の機会が得られるようなものに展開させていく。同時にグ ループ研修のプログラムから得られる情報を、学生の教育にフィードバックする 仕組みも検討していく。 3.高度薬剤師教育研究センターの活動をアピールするために、広報誌あるいはニ ュースレターを発行する。 【自己評価の根拠となる資料・データ等例】 年 度 ご と の 新 潟 薬 科 大 学 薬 学 部「 薬 剤 師 生 涯 教 育 講 座 」プ ロ グ ラ ム 、年 間 受 講 登 録 者 名 簿 、高 度 薬 剤 師 教 育 研 究 セ ン タ ー 規 程 と 同 運 営 委 員 会 規 則 、研 修 プ ロ グ ラ ム と 受 講 薬 剤 師 名 簿 、 生 涯 研 修 認 定 制 度 ( G09) 認 証 状 、 新 潟 薬 科 大 学 「 生 涯 研 修 認 定 制 度 」 リ ー フ レ ッ ト 、 新 潟 薬 科 大 学 発 行 「 薬 剤 師 生 涯 研 修 履 修 手 帳 」、 平 成 20 年 度 高 度 薬 剤 師 教 育 研 究 セ ン タ ー 活 動 報 告 書 - 126 - 基準11-3 地域社会の保健衛生の保持・向上を目指し,地域社会との交流を活発に行う体制 の整備に努めていること。 【観点 【観点 【観点 1 1 -3 -1 】 地 域 住 民 に 対 す る 公 開 講 座 を 定 期 的 に 開 催 す る よ う 努 め て い る こ と。 1 1 -3 -2 】 地 域 に お け る 保 健 衛 生 の 保 持 ・ 向 上 に つ な が る 支 援 活 動 な ど を 積 極的に行っていることが望ましい。 1 1 -3 -3 】 災 害 時 に お け る 支 援 活 動 体 制 が 整 備 さ れ て い る こ と が 望 ま し い 。 [現状] 本学薬学部では、新潟県教育委員会、新潟市教育委員会、新潟県薬剤師会の後援 を 受 け て 、一 般 市 民 を 対 象 と し た「 公 開 特 別 講 演 会 」を ほ ぼ 毎 年 開 催 し て お り 、2009 年 度 で 32 回 目 と な る 。2009 年 に は 福 岡 伸 一 博 士( 青 山 学 院 大 学 理 工 学 部 教 授: 「生 命 を 解 く キ ー ワ ー ド 、そ れ は 動 的 平 衡 」)、2007 年 に は 藤 田 紘 一 郎 博 士( 東 京 医 科 歯 科 大 学 名 誉 教 授 :「 免 疫 力 を つ け る 生 活 」) の 講 演 会 等 、 薬 学 に 関 連 し た 身 近 な サ イ エンスの話題を市民に提供している。 薬 学 部 が 新 津 地 区 に キ ャ ン パ ス 移 転 し た 2006 年 度 か ら 、 そ れ ま で 応 用 生 命 科 学 部で開催していた新津地区の地域交流講座に薬学部も協力・参加しており、現在で は「秋葉区産学官連携地域交流講座」として開催している。本講座は秋葉区を中心 とした新潟市及び周辺市町村住民と企業関係者を対象としており、秋葉区役所と新 津商工会議所との共催となっている。各年度のテーマに沿って、2 名ずつの薬学部 と 応 用 生 命 科 学 部 の 教 員 が リ レ ー 式 に 4 回 の 講 座 を 担 当 し て お り 、2008 年 度 の テ ー マ は 「 健 康 と 環 境 ~ 今 知 っ て お き た い こ と ~ 」、 2009 年 度 の テ ー マ は 「 イ ン フ ル エ ンザとたたかう」であった。いずれも本学の 2 学部と関わりの深い内容であり、地 域住民の関心も高い。 一 方 新 潟 地 区 の 高 校 あ る い は 中 学 と の 連 携 教 育 に も 積 極 的 に 参 画 し て い る 。新 潟 南 高 校 が ス ー パ ー ・ サ イ エ ン ス ・ ハ イ ス ク ー ル( SSH)の 指 定 を 受 け た こ と を 機 に 、2008 年 度 か ら は「 医 療・薬 学 講 座 」を 高 大 連 携 講 座 と し て 担 当 し て お り 、 レ ポ ー ト を 提 出 し た 高 校 生 に は 本 学 の 講 義 修 了 生 と し て 単 位 認 定( 1 単 位 )を 行 っ て い る 。 そ の 他 、 2009 年 に は 、 中 学 ・ 高 校 と の 教 育 連 携 を 図 る プ ロ ジ ェ ク ト と し て 、 JST が 後 援 す る サ イ エ ン ス ・ パ ー ト ナ ー シ ッ プ ・ プ ロ ジ ェ ク ト ( SPP) 事 業 ( 『 く す り を 「 知 る 」「 創 る 」「 使 う 」 を 学 ぶ 講 座 』 ) 及 び 新 潟 県 が 後 援 す る 大 学「 教 育 ・ 研 究 機 能 」活 用 事 業(『 く す り の 様 々 な 形 と そ の 正 し い 使 い 方 を 知る講座』)を開催した。 ま た 常 設 は し て い な い が 、 毎 年 大 学 祭 ( 10 月 末 ) 期 間 中 に 、 同 窓 会 の メ ン バ ー(薬剤師)がボランティアで「おくすり相談所(無料)」を開設している。 薬 学 部 教 員 も 数 名 が 参 画 し て お り 、近 隣 の 住 民 か ら の「 く す り 」に 関 す る 相 談 に 対応して適切なアドバイスを行っている。 - 127 - こ こ 数 年 、 新 潟 地 区 は 二 度 の 地 震 や 集 中 豪 雨 に よ る 水 害 を 経 験 し た 。 2004 年 の 中 越 地 震 で は 5 名 の 教 員 が 延 べ 8 回 の ボ ラ ン テ ィ ア 活 動 を 、 2007 年 の 中 越 沖 地震では教員 3 名、大学院生 5 名、4 年生 8 名がボランティア活動に参加した。 [点検・評価] 1 .「 薬 学 部 公 開 特 別 講 演 会 」 は 新 潟 市 中 心 に あ る 市 民 プ ラ ザ で 、「 秋 葉 区 地 域 交 流 講 座 」は 本 学 キ ャ ン パ ス で 開 催 し て お り 、い ず れ も 参 加 は 無 料 で あ る 。市 民 が 関 心を持っている話題を基にして講演者の選定を行っており、参加しやすい場所・ 日程等の準備に対しても対応できている。 2 .「 秋 葉 区 地 域 交 流 講 座 」 で は 、 2 学 部 が 連 携 し て タ イ ム リ ー な テ ー マ ( 例 え ば 、 今 年 度 の イ ン フ ル エ ン ザ に 関 す る リ レ ー 講 座 )を 企 画 し て お り 、地 域 に お け る 住 民の保健・衛生への啓発に貢献している。 3.様々な中高大連携プロジェクトを推進しており、受講修了生には薬学部の 1 年 次 科 目 ( 薬 学 へ の 招 待 I) の 単 位 認 定 を す る 等 、 画 期 的 な 取 組 を 行 っ て い る 。 4.大学祭時の「おくすり相談所」は、近隣の市民が気楽に立ち寄ることができ好 評である。地域住民の「くすり」への関心の啓発に貢献している。 5.災害時での学内緊急連絡網は整備されているが、災害時における支援活動体制 は 組 織 化 さ れ て お ら ず 、一 部 教 員 を 中 心 と し た ボ ラ ン テ イ ア に 頼 ら ざ る を 得 な い のが現状である。 [改善計画] 1 .本 学 主 催 の 市 民 公 開 講 演 会 、秋 葉 区 地 域 交 流 講 座 は 今 後 も 継 続 し て い く 。地 域 交 流 講 座 を 担 当 す る 講 師 が 偏 ら な い よ う 、で き る だ け 多 く の 教 員 が 分 担 で き るように調整していく必要がある。 2 .中 高 大連 携 のプ ロジ ェ クト には 一 部の 教員 が 献身 的に 参 加し てい る が、業務 負 担を減らすためにも、もっと多くの教員が参画する必要がある。また、こうした 連 携 教 育 を コ ー デ イ ネ ー ト し 、統 括 す る た め の 部 署 と し て 、2010 年 4 月 か ら「 教 育連携推進センター」を薬学部内に設置する。 3 .学 内 に“ く す り ”に 関 す る 相 談 カ ウ ン タ ー を 設 置 し 、定 期 的 に 市 民 か ら の 問 合 わ せ に 対 応 で き る よ う に す る 。 PC や 携 帯 電 話 を 使 っ た 対 応 も 考 え る 。 4 .災 害 時 で の 支 援 活 動 に つ い て は 、教 職 員 全 員 が 支 援 活 動 を 行 う こ と は で き な い 。 災害時に備えてボランテイア活動が可能な教職員に登録してもらい、派遣のグル ープ化をしておくことで対応する。 【自己評価の根拠となる資料・データ等例】 「 市 民 公 開 講 座 」 開 催 プ ロ グ ラ ム 、「 秋 葉 区 産 学 官 連 携 地 域 交 流 講 座 」 開 催 プ ロ グ ラ ム 、SSH 及 び SPP 開 催 プ ロ グ ラ ム 、平 成 21 年 度 SPP 報 告 書 、大 学 祭 パ ン フレット、学園内緊急連絡網一覧表 - 128 - 基準11-4 国 際 社 会 に お け る 保 健 衛 生 の 保 持・向 上 の 重 要 性 を 視 野 に 入 れ た 国 際 交 流 に 努 め ていること。 【観点 1 1 -4 -1 】 英 文 に よ る ホ ー ム ペ ー ジ な ど を 開 設 し , 世 界 へ の 情 報 の 発 信 と 収 集が積極的に行われるよう努めていること。 【観点 【観点 1 1 -4 -2 】 大 学 間 協 定 な ど の 措 置 を 積 極 的 に 講 じ , 国 際 交 流 の 活 性 化 の た め の活動が行われていることが望ましい。 1 1 -4 -3 】 留 学 生 の 受 入 や 教 職 員 ・ 学 生 の 海 外 研 修 等 を 行 う 体 制 が 整 備 さ れ ていることが望ましい。 [現状] 情報の発信に関して、英文によるホームページは一部の研究室において開設され て い る も の の 、新 潟 薬 科 大 学 の ホ ー ム ペ ー ジ の 英 文 化 は ま だ 成 さ れ て い な い 。一 方 、 インターネットや図書館を利用することにより、海外の各種の情報や各種のデータ ベース・電子書籍による海外の文献等が収集可能であり、これらの情報は本学の教 育・研究に活用されている。 本 学 に お け る 国 際 交 流 活 動 と し て は 、米 国 マ サ チ ュ ー セ ッ ツ 薬 科 大 学( MCPHS) と の 姉 妹 校 協 定 の 締 結 ( 2002 年 )、 及 び 北 京 首 都 医 科 大 学 と の 友 好 協 力 関 係 の 樹 立 ( 2000 年 )が あ る 。MCPHS と の 交 流 に 関 し て は 、過 去 数 回 に 渡 っ て MCPHS か ら の 講 師 の 招 聘 あ る い は 本 学 か ら 教 員 の 派 遣・研 修 を 行 っ て き た 。こ の 交 流 の 目 的 は 、 主として米国の先進的な臨床薬学教育を体験することであり、6 年制薬学教育にお い て 益 々 そ の 重 要 性 が 高 ま る も の と 考 え ら れ る 。 2008 年 に は 、 MCPHS よ り C. S. Zeind 教 授 (Pharm. D., Chair and Professor, Department of Pharmacy Practice) を 招 聘 し 、 2、 3 年 生 及 び 大 学 院 ・ 教 職 員 に 「 Clinical Pharmacy Education in the United States」の 講 演 を 各 1 回 、ま た 、臨 床 実 務 実 習 意 見 交 換 会 に お い て 学 外 の 薬 剤 師 の 方 を 対 象 に「 Pharmacy Practice and Education in the United States」の 講 演をしていただいた。学部学生には、講演後に感想文を提出させたが、米国の薬剤 師と臨床薬学教育に高い関心と強い刺激を受けたことを示し、この企画に満足して いることがわかった。北京首都医科大学との交流に関しては、従来、首都医科大学 から長期の研究員を本学が受け入れるという形で交流を行って来たが、薬学部では 2006 年 以 降 滞 っ て い る 。 外 国 か ら の 留 学 生 は 従 来 大 学 院 生 の み で 、2008 年 度 及 び 2009 年 度 は 博 士 後 期 課 程に 7 名の外国人留学生が在籍した。留学生の大学院入学にあたっては、入学試験 ( 博 士 前 期 課 程 の 内 容 の プ レ ゼ ン テ ー シ ョ ン と 質 疑 応 答 、面 接 試 験 )を 課 し て お り 、 学力を検定している。 教 職 員 の 海 外 研 修 に つ い て 、 本 学 で は 「 国 際 交 流 研 究 員 規 則 」、「 国 際 交 流 研 究 員 規 則 施 行 細 則 」、「 環 日 本 海 学 術 交 流 経 費 援 助 実 施 細 則 」、「 内 地 研 修 員 規 則 」 等 を 設 けて、教員の長期及び短期の外国出張を支えて一定の成果を上げてきた。特に旅費 の 補 助 も 行 っ て い る の で 短 期 の 海 外 研 修 は 盛 ん で あ り 、2008 年 度 は 延 べ 13 名 の 実 - 129 - 績であった。なお、学生及び事務職員の海外研修は、現在のところ前例がない。 [点検・評価] 1 .本 学 に は 、 「 国 際 交 流 課 」と い っ た 事 務 組 織 や 、 「 留 学 生 会 館 」、 「 国 際 交 流 会 館 」、 「 国 際 交 流 宿 泊 施 設 」等 の 施 設 は 無 い が 、そ れ ぞ れ の 場 面 で 適 切 に 対 応 し て お り 、 本学の規模から考えて堅実な方法を採っていると判断される。 2 .6 年 制 学 部 教 育 及 び 4 年 制 大 学 院( 博 士 課 程 )、さ ら に 卒 後 教 育 を 見 据 え て 、国 際社会における薬学、自然科学の研究・教育活動及び薬剤師の活動の重要性を念 頭に入れた国際交流を更に積極的に進める必要がある。 [改善計画] 1.本学からの世界への情報発信が今後の課題となる。現在開設されている本学ホ ームページは日本語でのみ閲覧可能であるため、英文化ホームページを早急に開 設する。 2 . 今 後 も 海 外 提 携 大 学 と の 交 流 を 活 発 化 す る こ と は 重 要 で あ り 、 MCPHS と 本 学 教員の間で協議して、本学の臨床薬学教育に資する交流プログラムを構築してい く。また、北京首都医科大学との交流に関しては、研究員の受け入れを推進して いく一方で、本学からも教員や学生を派遣して中国の東洋医学教育等を学ぶ機会 を設けていく。 3.大学院の留学生の受入れについては、①ホームページ等を通じて広く海外に留 学生を募集して優秀な学生を集めること、②一定数の留学生を確保するために留 学生の奨学金制度を整備すること、が必要である。また、共同研究者等の長期の 来 学 者 に は 、必 要 に 応 じ て 宿 泊 施 設 と し て 民 間 ア パ ー ト を 借 り る こ と で 対 応 す る 。 4.学生の海外研修は、学生の安全を確保しつつ実施する必要がある。医療薬学英 語や英会話等の研修前の学習体制の充実や、学生への経済的な補助を含めた渡航 支援の体制を整える必要がある。 5 .教 員によ る 数週 間の 短 期海 外研 修 は盛 んで あ るが 、教 員 数や 6 年 制 教育 の多 忙 さから長期間不在となる長期留学ができない状況となっている。教員の長期出張 中の教育・研究を研究支援職員で補完できるような体制を整備する。 【自己評価の根拠となる資料・データ等例】 本学ホームページ、新潟薬科大学図書館英文学術誌リスト、現在と過去の留学 生の記録、教員の海外派遣記録、姉妹校締結書、姉妹校との交流記録、新潟薬 科大学国際交流研究員規則と施行細則、新潟薬科大学環日本海学術交流経費援 助実施細則 『点 検』 - 130 - 12 自己点検・自己評価 基準12-1 上 記 の 諸 評 価 基 準 項 目 に 対 し て 自 ら 点 検・評 価 し ,そ の 結 果 を 公 表 す る と と も に , 教育・研究活動の改善等に活用していること。 【観点 【観点 【観点 1 2 -1 -1 】 自 己 点 検 及 び 評 価 を 行 う に 当 た っ て , そ の 趣 旨 に 則 し た 適 切 な 項 目が設定されていること。 1 2 -1 -2 】 自 己 点 検 ・ 評 価 を 行 う 組 織 が 設 置 さ れ て い る こ と 。 1 2 -1 -3 】 自 己 点 検 ・ 評 価 を 行 う 組 織 に は , 外 部 委 員 が 含 ま れ て い る こ と が 望ましい。 [現状] 1991 年 の 大 学 設 置 基 準 の 改 正 に よ り 、「 大 学 は 社 会 的 役 割 を 果 た す た め に 自 ら 恒 常 的 な 教 育 研 究 環 境 シ ス テ ム を 点 検・評 価 し 、将 来 に 向 け て 大 学 の 改 善 を 行 う こ と 」 が 求 め ら れ た 。こ の 改 正 に 従 っ て 、本 学 で は 、1992 年 4 月 に 学 長 、学 科 主 任 、大 学 院学科主任、薬科大学選出の学園理事(いずれも当時)で構成される「自己評価・ 改 善 委 員 会 」 が 発 足 し 、 中 間 纏 め と し て 1995 年 3 月 に 「 新 潟 薬 科 大 学 の 現 状 評 価 と 課 題 」 が 纏 め ら れ た 。 さ ら に 1996 年 5 月 に は 大 学 基 準 協 会 に よ る 加 盟 判 定 審 査 を 受 け る た め に「 新 潟 薬 科 大 学 点 検 評 価 書 」を 纏 め 、 「 大 学 基 準 」に 適 し て い る と い う 評 価 を 受 け た 。こ の と き の 問 題 点 の 指 摘 に 対 し て は 、2007 年 7 月 に「 改 善 報 告 書 」 を作成して大学基準協会に提出している。 応用生命科学部が設立されてからは、薬学部長と薬学部教授会から選任された教 員 5~ 6 名 で 構 成 さ れ る 「 薬 学 部 自 己 点 検 ・ 評 価 委 員 会 」 を 組 織 し て 、 各 教 員 レ ベ ルでの自己点検・評価から大学としての「教育力」と「研究力」の改善・向上を目 指 す 活 動 を 行 っ て き た 。2005 年 に 教 員 の 授 業 改 善 に 向 け た 取 組 を 提 案 し 、実 行 す る 委 員 会 と し て FD 委 員 会 を 組 織 し た が 、 翌 年 FD 委 員 会 は 自 己 点 検 ・ 評 価 委 員 会 と 統 合 し た 。 な お 、 後 述 す る 2008 年 4 月 の 大 学 基 準 協 会 か ら の 基 準 適 合 認 定 時 に 指 摘 さ れ た こ と を 機 に 、 現 在 FD 委 員 会 ( 委 員 3 名 で 構 成 ) は 自 己 点 検 ・ 評 価 委 員 会 と 連 携 し な が ら 、独 立 し た 委 員 会 と し て 教 員 の 授 業 改 善 プ ロ グ ラ ム に 当 た っ て い る 。 現 在 薬 学 部 が 実 施 し て い る 自 己 点 検 ・ 評 価 の 項 目 は 以 下 の 6 項 目 で あ り 、 2009 年度からは「担当授業・実習に関する点検・評価」の項目を追加した。また、委員 会の活動状況及び各種プロジェクトの活動状況には、当該年度の活動状況と次年度 に向けた問題点・改善点の提起をすることとしている。 ① 年 間 の 教 育 活 動( 学 部 及 び 大 学 院 講 義 、学 部 卒 研 生 研 究 指 導 、大 学 院 生 研 究 指 導 等 )、 ② 年 間 の 研 究 活 動 ( 研 究 内 容 と 成 果 概 要 、 原 著 論 文 、 学 会 発 表 、 競 争 的 研 究 費 の 導 入 状 況 等 )、③ 学 内 委 員 会 活 動 、④ 社 会 的 活 動( 学 会 活 動 、公 的 活 動 等 )、 ⑤ 担 当 授 業 ・ 実 習 に 関 す る 点 検 ・ 評 価 、 ⑥ 教 育 ・ 研 究 に 対 す る 提 言 薬 学 部 の 自 己 点 検 ・ 評 価 表 は 2004 年 よ り 、 ま た 後 述 す る 外 部 評 価 委 員 に よ る 評 価 表 は 2006 年 よ り 毎 年 小 冊 子 と し て 纏 め 、 薬 学 部 全 教 員 に 配 布 す る と と も に 理 事 - 131 - 会、評議員会への公開を行っている。 2006 年 よ り 外 部 評 価 制 度 を 導 入 し 、薬 学 部 の 教 育・研 究 状 況 に 関 し て 各 教 員 が 作 成した自己点検・評価表及び各委員会の活動実績報告書を基に、外部評価委員(3 名)から意見をいただいている。教員は、こうした意見を翌年度への改善事項とし て 受 け 止 め 、翌 年 度 か ら の 教 育・研 究 活 動 に 反 映 さ せ て い る 。2009 年 度 の 薬 学 部 自 己点検・評価委員会の委員及び外部評価委員は、以下のとおりである。 自 己 点 検・評 価 委 員 会;北 川 幸 己( 学 部 長 )、長 友 孝 文( 教 授 )、上 野 和 行( 教 授 )、 杉 原 多 公 通( 教 授 )、鍋 倉 智 裕( 准 教 授 )、田 辺 顕 子( 准 教 授 )、山 口 利 男( 助 教 )、 鈴木正利(事務部長代理) 外 部 評 価 委 員 : 広 部 雅 昭 ( 元 静 岡 県 立 大 学 学 長 )、 松 木 則 夫 ( 東 京 大 学 大 学 院 薬 学 研 究 科 教 授 )、 本 多 利 雄 ( 星 薬 科 大 学 教 授 ) 自 己 点 検 ・ 評 価 に 関 連 し て 、 本 学 は 2007 年 度 に 財 団 法 人 大 学 基 準 協 会 へ 大 学 評 価・認 証 の た め の 点 検・評 価 報 告 書 を 提 出 し 、2008 年 4 月 に 協 会 の 定 め る 大 学 基 準 に適合していることが認定された。本学が大学基準協会へ提出した「自己点検・評 価 報 告 書 2007」及 び 大 学 基 準 協 会 に よ る「 新 潟 薬 科 大 学 に 対 す る 大 学 評 価 結 果 な ら びに認証評価結果」は、本学ホームページ上で外部公開している。 [点検・評価] 1.自己点検・評価表には、教員各自の教育・研究活動に偏った点検・評価になら ないよう、公的な機関での活動や地域社会での社会貢献に関しても記載すること としている。また、各種プロジェクトの年度活動状況や各教員の授業・実習に関 する点検・評価も項目として追加したように、年度ごとに記載する内容を充実さ せてきた。 2 . 外 部 評 価 制 度 を 2006 年 か ら 導 入 し て お り 、 委 嘱 さ れ た 学 外 の 委 員 か ら 見 た 各 教員の教育・研究活動の評価、各委員会活動の評価を実施している。 3 .大 学 基 準 協 会 か ら 協 会 の 定 め る 大 学 基 準 に 適 合 し て い る こ と が 認 定 さ れ て お り 、 認定時の資料は全て外部公表されている。 [改善計画] 外部評価の制度も導入しており、自己点検・評価に関しては整備されている。今 後は、外部評価委員から評価された内容が次年度にどのように改善・改革されてい るかを検証する「再評価制度」を構築していく。 【自己評価の根拠となる資料・データ等例】 年 度 ご と の 自 己 点 検 ・ 評 価 表 ( 平 成 16 年 度 か ら )、 外 部 評 価 委 員 に よ る 新 潟 薬 科 大 学 自 己 点 検 ・ 評 価 表 ( 平 成 18 年 度 か ら )、 自 己 点 検 ・ 評 価 表 に 基 づ い た 学 内 競 争的研究費の公募要領と配分一覧表、学生による授業評価アンケートのまとめ - 132 -