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陸奥湾におけるマダラ Gadus macrocephalus の初期生活史に関する研究

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陸奥湾におけるマダラ Gadus macrocephalus の初期生活史に関する研究
Title
Author(s)
陸奥湾におけるマダラGadus macrocephalusの初期生活史
に関する研究
高津, 哲也
Citation
Issue Date
1998-12-25
DOI
Doc URL
http://hdl.handle.net/2115/32724
Right
Type
theses (doctoral)
Additional
Information
File
Information
5419.pdf
Instructions for use
Hokkaido University Collection of Scholarly and Academic Papers : HUSCAP
学位論文内容の要旨
下のマダラ後期仔魚は初期餌料として体幅範囲67.5-195μmのかいあし類ノープリウス,
こP
s
e
u
d
o
c
a
l
a
n
u
s属および旦些旦呈属のノープリウスを捕食した。また,全長7-70mmの
特l
一 仰 の 名 称 │ 博 一 ) 氏 名 │ 高 津 哲 也
仔稚魚はかいあし類カラヌス目コペポダイ卜を, 70mm以上の個体はヨコエビ E目と魚類を
学位論文題名
主に捕食した。浮遊性巻貝,エビ類ゾ、エア,力ニ類メガ口パといった大型餌生物は,主要
陸奥湾におけるマダラGad
些 m
a
c
r
o
c
e
p
h
a
l
u
sの初期生活史に関する研究
餌生物がカラヌス目からヨコエピE目や魚類に転換する間,代替の餌生物として重要な役
,
.
l
青森県陸奥湾はマダラの産卵場のひとつであり(川村・小久保, 1
9
5
0
;H
a
t
t
o
r
i旦 a
割を果たしているものと推察された。
1
9
9
2
),毎年1
2月から2月にかけて産卵回遊群が底建網および底刺網などで漁獲されてい
1
9
9
1年および1
9
9
2年冬季の陸奥湾において,うしお丸と青森県水産増殖センター所属
る。陸奥湾におけるマダラ漁獲量のおよそ3分の2を占める脇野沢村では, 1985-1990年
のなつどまり(
2
4
.
9
6トン)を用いて,マダラ仔魚の初期餌料であるかいあし類ノープリウス標
度
!
こ720-1,
305トンの高い漁獲水準を記録したがその後減少し, 1
9
9
6年度漁期には 1
6ト
本を採集し同定と計測を行った。体幅67.5-195μmのノープリウスは,湾内では表層域
ンにまで落ち込んだ(青森県水産増殖センター, 1
9
9
5
;青森県,未発表)。このため 1
9
9
1年
で,湾口部では密度躍層内で分布密度が高いことが明らかになった。ノープリウスの分類
より s 青森県水産増殖センターと日本栽培漁業協会によってマダラ稚魚の種苗放流が行
群組成は採集年によって大きく異なり, 1
9
9
1年2月にはC
e
n
t
r
o
p
a
g
e
s属が, 1
9
9
2年1
2月に
われている。陸奥湾における本種の生活初期に関しては s 仔魚の形態Onaba,1
9
3
1
),仔
はO
i
t
h
o
n
a
属ノープリウスが優占したoこのような違いは津軽暖流水と湾内水との間!こ生じ
(
J1村・小久保, 1
9
5
0
),生活史のレビュー(
Y
u
s
a註豆ュ 1
9
7
7
)以外の報告はな
稚魚の採集修U
る密度差に起因する津軽暖流水の流入量の年変化と,メス成体が卵を抱えて運ぶか
く,餌生物環境を含めた検討は陸奥湾を含めて過去に行われたことがない。本研究は陸
(
P
s
e
u
d
o
c
a
l
a
n
u
s属や旦生盟主属),卵を水中に放出するか(
C
.~bdominalis) といった,かいあ
奥湾に出現するマダラ仔稚魚の時空間分布,食性,餌生物環境を調べて初期生活史を
し類の再生産戦略の違いに起因するものと判断された。 1
9
9
2年1月上旬・下旬の水深10m
明らかにすることで,マダラの資源量変動機構の解明を試みた。
3
.
3i
n
d
s
.
.
r1と幾分低かっ
層におけるノープリウスの分布密度は中央値で 1
4
.
7i
n
d
s
.
.
r1,1
青森県陸奥湾において1
9
8
9年3月
, 5月
, 7月と1
9
9
0年4月 6月に北海道大学水産学部研
1
9
9
1年2月と 1
9
9
2年2月の水深 15m層における中央値はそれぞれ2
2.
4i
n
d
s
.
.
rと
たが ,1
究調査船うしお丸(
1
0
7
.
8
5トン)を用いて,ビームトロールネット(網口:2
.
0
mx2
.
5
m,胴尻目
r1であった。マダラ仔魚と形態的に類似し,同様なノープリウス分類群を餌とし
3
2
.
8i
n
d
s
..
4mx5
.
9
m,胴尻目合:12mm)の着
0.33mm)の中層曳きとオッタートロールネット(網口:4.
合:
豆
;
.
t1
9
8
9
;P
a
u
le
ta
,
.
l1
9
9
1
)を
て利用するスケトウダラ仔魚の知見(
P
a
u
l,1
9
8
3
;H
a
l
d
o
r
s
o
n註
底曳きによってマダラ仔稚魚を採集し,消化管および胃の内容物を調査した。全長7mm以
適用して考えると, 20i
n
d
s
.
.
r1を上回る両年2月下旬のこれらの分布密度はマダラ仔魚に
2
とっても生残に十分な餌密度と判断された。
こ1
997年には小型の全長で餌を転換していた。着底稚魚の全長一体重
ズで生じたが,逆 l
1989年から 1998年まで,うしお丸を用いてマダラ仔稚魚の分布調査を行った。その結
関係の相対成長式と食物組成を比較した結果,全長 70mm以下の小型の稚魚では力ラヌ
果
, 2月および 3月にはマダラ前期仔魚と小型の後期仔魚は湾口部で採集されたことか
ス目が餌として重要であり,全長 70mmよりも大型の稚魚では力ラヌス目よりも大型の餌
ら,陸奥湾ではマダラの産卵は主に湾口部で行われているものと推察された。また,湾口
(仔稚魚,エビ類ジュベナィル,ワレ力ラ,ヤドカリ類メガロパ,力ニ類メガロパ,ヨコエビ E
部海底上で瞬化した仔魚は中層域へ浮上することで,十分な餌密度(かいあし類ノープリ
目,クラゲノミ E自など)に遭遇する確率が高いことが生き残りに重要であると考えられ
ウス)を獲得するだけではなく,密度躍層よりも上層を占める津軽暖流水を利用して餌密
た
。
度の高い湾内へ移動していた。 4月にはマダラ仔稚魚は湾内に広く分布し主要餌生物で
陸奥湾脇野沢村におけるマダラ成魚の漁獲量と 2月のマダラ仔稚魚の平均分布密度
あるかいあし類力ラヌス目コペポダイ卜の分布密度が高い水深層に分布した。 5月以降の
との聞には比例関係がみられ,成魚の漁獲量と 1995年を除いた4月の仔稚魚の分布密度
マダラ稚魚は昼間カラヌス呂コペポダイトの分布密度が高い海底直上に分布し,稚魚の
との聞にも比例関係が認められた。これらの結果から,冬季から 4月までの陸奥湾ではマ
分布密度が高い水域には採集年による変動がみられた。また,マダラ稚魚の生息上限水
ダラ仔稚魚の生残に著しく不利に働く条件はほとんどなく,年級群変動を生じさせる原因
温は約 1
20Cと推定され, 6月以降湾内の高水温と餌不足を避けて湾外へ移動するものと
は4月以降にあると推定した。 1995年と 1997年のそれぞれ4月と 6月におけるマダラ仔稚魚
考えられた。
の分布密度と相対成長式の比較から大型個体の栄養状態が良かった 1997年の方が
1
9
9
1年
, 1993年
, 1995年にはマダラ着底稚魚の体重の増加に伴って胃内容物重量示
g
)
x
1
0
0
/
{
体重 (
g
)ー胃内容物重量 (
g
)
)
)は減少していたが, 1997年
数 (8CI=胃内容物重量 (
1995年に比べて生残率も高かったものと判断した。また,マダラが湾外へ移動するのに適
した水温期間が長いことが,稚魚の生き残りに有利に働く可能性も考えられた。
には他の年に比べて摂餌強度が高く,大型の餌を捕食する割合が高かった。対応分析
今後は資源量変動を説明する様々な仮説を検証するために,耳石の微細構造解析に
(
H
i
l
l,1
9
7
3
)を用いてマダラ着底稚魚の食物組成の座標づ、けを行った結果,食物組成はま
基づく絶対成長の評価,マダラ仔稚魚を捕食する生物の特定親魚の年齢構成や産卵履
ず第 1に餌のサイズで規定され,そこへヤムシ類や浮遊性巻貝,エピ類ゾエアといった特
歴の違いによる卵および仔魚の生残率の違い,稚魚が湾外へ移動した後の減耗要因を
異的に出現する餌生物が食物組成を大きく変化させるものと考えられた。マダラ着底稚魚
解明する必要があると考えられた。
が力ラヌス目から大型の餌生物に転換する全長は年によって差がみられ, 1
9
9
1年のよう
4
にカラヌス目の分布密度が 1
.
0・
10
i
n
d
s
.・
m-2を超える場合には餌の転換は大型の体サイ
3
4
図書掛
北海道大学大学院水産学研究科博士論文
陸奥湾におけるマダラGadusmacrocephalusの
初期生活史に関する研究
平 成 10年 12月
高津哲也
目次
ページ
緒言・・・・・・・・............................................................
・
・
・
・2
1.マダラ仔稚魚の成長に伴う食物組成と餌サイズの変化・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5
目的 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5
材料および方法 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5
結 果 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 10
考察 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 19
I
I
. マダラ仔魚の餌生物としてのかいあし類ノープリウスの分類群組成と分布密度・ 25
目的 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 25
材料および方法 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 25
結果 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 29
考察 .
.
.
.
.
.
.
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.
.
.
.
.
.
.
4
2
m
.マダラ仔稚魚とかいあし類の時空間分布・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 52
目的 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 52
材料および方法 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ J・
・
・
・
・
・
・
・
・
・5
2
結 果 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5
6
考察 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 75
1V.マダラ着底稚魚の食物組成と相対成長の年変動・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 84
目
的
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
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.
.
.
.
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.
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.
.
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.
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.
.
.
.
.
..
ー
.
.
..
.
.
.
.
.
..
.
.
.
..
.
.
.
....84
材料および方法 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 84
結果 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 88
考察 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 113
v
.マダラ仔稚魚の分布密度の年変動と生残過程・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
115
目的 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 115
材料および方法 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 115
結果 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 117
考察 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 120
要約・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 129
謝辞・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 132
文献・・・・・田・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 133
1
緒言
本 邦 周 辺 海 域 に は マ ダ ラ 旦 到 些 macrocephalus,スケトウダラ Z
也盟庄呈
chalcogrammaおよびコマイ旦盟盟主皇自c
i
l
i
sの3種のタラ科 (GADIDAE)魚類が分布する。
これらのうちマダラは朝鮮半島西岸の黄海からアメリカ合衆国カリフォルニア沖に至
9
6
1
),本邦では島根県以北
る北太平洋大陸棚上と陸棚斜面に広く分布し (Ketchen,1
の日本海および茨城県以北の太平洋から北海道沿岸において様々な漁法により漁
獲されている。青森県陸奥湾はマダラの産卵場の 1つであり(川村・小久保, 1
9
5
0
;
HaUori 旦到~ 1
9
9
2
),毎年 1
2月から 2月にかけて産卵群を対象とする底建網および底
刺網漁業が行われている。陸奥湾における漁獲量のおよそ 3分の 2を占める脇野沢
1
9
8
5年 1
2月 .
.
.
.
.
.
1
9
8
6年2月)から 1990年度にかけて 720トンから 1
,
305
村では, 1985年度 (
トンと高い漁獲水準を記録したがその後減少し 1996年度漁期には 16トンにまで落ち
込んだ(青森県水産増殖センター, 1
9
9
5
; 青森県,未発表; F
i
g
.1)。このため 1
9
9
1年よ
り,青森県水産増殖センターと日本栽培漁業協会によって陸奥湾においてマダラ稚
魚の種苗放流が行われている。
マダラ受精卵は直径 0
.
9
8
-1
.08mm l
(naba,1931)であり,産卵直後は若干粘性のあ
9
3
6
;Thomson,1
9
6
3
;F
o
r問 s
t
e
r
,1
9
7
7
)
。卵は 6
.
3
7
.
000の水温
る沈性卵である(内田, 1
で10日で瞬化し瞬化直後の仔魚はおよそ 4mmである(lnaba,1
9
3
1
)
。マダラの初期生
活史に関連する知見は,飼育実験による様々な環境要因に対する卵発生の観察(遊
佐
, 1954;遊佐, 1
9
6
1
;F
o
r
r
e
s
t
e
r
,1964;F
o
r
r
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randA
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e,1966;
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c
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F
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r
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e
r
,1
9
7
1
;F
o
r
r
e
s
t
e
r
,1
9
7
7
),タラ科仔稚魚の形態と分類(lnaba,1
9
3
1
; 内田・田
福
,1
9
5
8
;橋本・阿部, 1
9
6
2
;Matarese 旦豆~ 1
9
8
1
;DunnandV
i
n
t
e
r
,1984;Matarese旦
ι1989),後期仔魚および稚魚期の食物組成(宮藤, 1
9
2
9
;内田, 1
9
3
6
;竹内, 1
9
6
1
;
橋本・阿部, 1
9
6
2
;8
a
r
r
a
c
l
o
u
g
he
ta
,
.
l1
9
6
8
;橋本, 1
9
7
4
;輿世田ら, 1
9
9
2
),仔稚魚の分
布(
W
a
l
t
e
r
s,1
9
8
4
;8
0
e
h
l
e
r
t旦ι1985;RugenandM
a
t
a
r
e
s
e,1
9
8
8
; 興世田ら, 1
9
9
2
),
旦a
,
.
l1
9
7
7
;DunnandMatarese,1
9
8
7
)
など
および生活史の概要(内田, 1936;Yusa_
2
(COH
1.400
。一﹂判
1.000
1.200
ω戸
﹄
800
)工 O H
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冊
600
400
200
O
'
7
5
'
7
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8
4
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8
1
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8
7
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9
0
'
9
3
'
9
6
Fi sh n g p erIO d
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1
. Commercialc
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7
5
f
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gp
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r
i
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d(November1975-March 1
9
7
6
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ot
h
e 1996f
i
s
h
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gp
e
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mAomori
P
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eResearchCenter
,1
9
9
5
;AomoriP
r
e
f
e
c
t
u
r
e,u
n
p
u
b
l
i
s
h
e
d
)
.
3
の報告がある。しかし陸奥湾における本種の初期生活史に関連する知見は,
I
n
a
b
a
(
1
9
3
1)が仔魚の形態を記載し川村・小久保(19
5
0
)が仔稚魚の採集例を報告し
Yusae
ta
.
l
(
1
9
7
7
)が生活史に関する既往の知見をまとめた以外にはなく,摂餌生態や
餌料環境,初期生残過程に関する知見は未詳のままとなっている。
H
joは(
1
9
1
4
)は「摂餌開始期の餌不足によって仔魚の大量減耗が生じ,その死亡の
程度によって年級群豊度が決定する」という r
c
r
i
t
i
c
a
lp
e
r
i
o
d仮説」と r
摂餌を行う水域
から餌の少ない水域に多量の仔魚が移送されると大量の減耗が生じる」という「輸送
仮説」を提唱した。しかしその後 1970年代までは,野外調査に基づく同oはのこれらの
仮説の検証はほとんど行われていなかった。 1970年代に入ると耳石田周輸による成
長履歴解析法の確立に伴って,海産魚類の資源量変動の主要因を明らかにすること
を目的として,この H
j
oはの 2つの仮説,特に r
c
r
i
t
i
c
a
lp
e
r
i
o
d仮説」が野外調査に基づ、い
L
a
s
k
e
r
.1
9
7
5
)
J
.
rマッ
て検証されるようになった。以来,現在までに「海の安定度仮説(
i
c
k
s
o
n
.1
9
7
6
;C
u
s
h
i
n
g
.1
9
7
8
)
J
.
r被食仮説 (
H
u
n
t
e
r
.
チヨスマッチ仮説 (Cushingand D
卵質
1
9
8
1
;Vand
e
rV
e
e
r
.1
9
8
5
;Vand
e
rVeerandBergman.1
9
8
7
;H
o
u
d
e
.1
9
8
7
)
J
.r
t到
:
.
.
!1
9
9
6
;S
o
l
e
m
d
a
l
.1
9
9
7
)
Jなど,様々な仮説が提唱されてきた。これ
仮 説 的 esbue
らはそれぞれが独立したものではなく,多かれ少なかれ「仔魚の出現時期と餌生物あ
るいは被食者との遭遇タイミング Jを考慮する「マッチ・ミスマッチ仮説 (Cushingand
D
i
c
k
s
o
n
.1
9
7
6
;C
u
s
h
i
n
g
.1
9
7
8
)
Jの概念を取り入れている。また,最近では摂餌開始期
などの短期間における大量死亡よりも,一定期間継続する死亡過程の累積効果のほ
うが年級群豊度を決定する重要な要因であり,成長速度が早ければ累積死亡率を低
く抑えることが可能であるという仮説(Watanabe旦豆ュ 1
9
9
5
;Campana. 1
9
9
6
;Meekan
e
r
.1
9
9
6
)が提示されている。
andFoはi
本研究では陸奥湾に出現するマダラ仔稚魚の時空間分布,食性,餌生物環境を調
べることで「マッチ・ミスマッチ仮説」の検証を行い,マダラの資源量変動機構の解明を
試みた。
4
1.マダラ仔稚魚の成長に伴う食物組成と餌サイズの変化
目的
マダラ仔魚の消化管からは,かいあし類の卵,ノープリウス幼生,コペポダイトがみ
到
.
:
.
.
!1968; 興世田ら, 1992),稚魚の閏からはかいあし類や端脚類
られ(Barraclough旦
などの様々な甲殻類がみられると報告されている(宮藤, 1929; 内田, 1936; 竹内,
1961;橋本・阿部, 1962)。しかし,陸奥湾におけるマダラ仔稚魚の食物組成は知られ
ていない。仔魚の餌利用度は死亡率と年級群変動に影響を与える重要な要因の 1
っ
と考えられており,野外における餌利用度の評価を行うためには,まず仔稚魚の食物
組成と餌サイズを明らかにする必要がある。ここでは陸奥湾に分布するマダラ仔稚魚
の体長の増加に伴う食物組成の変化を明らかにすることを目的とした。
材料および方法
マダラ仔稚魚の採集
マダラ仔稚魚は 1989年3月 1-4日
, 5月 19-23日
, 7月22日と 1990年4月26日
, 6月 13日
に青森県陸奥湾で採集した (
F
i
g
.1
1
)
03月と4月には仔稚魚はビームトロールネット(網
口:2.0mx2.5m,目合:20mm,胴尻目合:0.33mm,前田ら, 1979; 中谷, 1987)の中層
曳きによって採集し, 5月から 7月には稚魚はオッタートロールネット(網口:
4.
4m x5.9m,目合 90mm,胴尻目合 12mm,前田ら, 1979; 中谷, 1987)の着底曳き
によって採集した。これらの採集器具の曳網水深はネットモニタ((株)力イジョー)で監
視し約1.5m'
s
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c
-1の速度で 10-15分間曳網した。採集は昼間,北海道大学水産学
部研究調査船うしお丸 (107.85トン)で、行った。船上で仔稚魚は直ちに 5-10%中性海水
フォルマリン溶液で固定し, 24-36時間後には硬組織の脱灰を防ぐために 70%エタノー
ル溶液に移した。なお,本研究において稚魚の固定・保存液による全長の収縮や体
重の損失は考慮していないが, 6月に当海域で本研究と同様の方法で採集・固定・保
5
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)
.
6
存したマダラ稚魚が, 206日経過後に全長が採集直後の 96切に体重が 64%に減少す
ることがわかっている(吉田, 1998)。
タラ科仔稚魚の同定
陸奥湾にはマダラ仔稚魚とともにスケトウダラ仔稚魚が出現する(高津ら, 1992)。標
準体長 (standard length,SL
)20mm以下のこれら 2種は Matarese 旦
.
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),Matarese旦豆よ 1
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9
)
1こ従い,体表の黒色素胞の分布パターンに
より判別した。標準体長 20mmを超えるマダラの腹膜表面には, 2~J の小型黒色素胞
が並ぶが(Matarese 旦~ 1989) この 2列の黒色素胞は陸奥湾で採集された標準体
F
i
g
.ト28-C)。これに対し,標準体長
長 28.10mmを超える個体では 1列に変化する (
20mmを超えるスケトウダラの腹膜表面には黒色素胞が散在するが,決して列は形成
せ ず(
F
i
g
.I
ー2F-I),標準体長 3
2.60mmを超える個体では腹膜表面に黒色素胞はみら
れなくなる (Fig.I-2J)。
マダラの触髭の長さは標準体長 2
1.
4
0mmで 0.32mm,標準体長 23.54mmでは
0.35mmであった (
F
i
g
.
I
2
A
)。一方スケトウタラの触髭の長さは,標準体長 34.70mmで
0.15mmであったが (
F
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.
I
2
J
),これより小型のスケトウダラには触髭がみられなかっ
た(
F
i
g
.ト2F-。
)
1
上顎と下顎の前後関係については,標準体長 47mmを超えるマダラでは上顎が若
干下顎よりも前方に突出するが,スケトウダラの上顎は成魚になるまで決して下顎よ
りも前方に突き出ることはなかった。
以上より,標準体長 20-22mmのマタラとスケトウタラは腹膜表面の黒色素胞の分
布パターンにより判別し,標準体長 22mmよりも大型の個体は触髭の長さを用いて同
定した。さらに標準体長 50mmを超える個体は,上顎と下顎の前後関係および触髭の
長さによって同定を行った。
マダラの仔魚と稚魚、の区分
橋本・阿部 (1962)は全長付。t
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h,TL)27mmを超えるマダラはすでに化骨が完
7
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23.34mmSL(25.69mmT
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31.50mmSL(34.32mmT
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)
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,
32.60mmSL(36.36mmTL
)
;
J,34.70mmSL(39.07mmT
L
)
.
8
了していると報告している。内田・回福(1958)は全長 17.5mmのマダラは仔魚期に属し,
全長26.0mmの個体は稚魚期に属すると報告している。本研究ではマダラの仔魚と稚
魚の区分は,すべての鰭のうちで、最も形成が遅い胸鰭の鰭条数で、行った。白井
(
1
9
8
3
)によれば標準体長286-412mmのマダラの胸鰭鰭条数は 18-19の範囲にある。
しかし陸奥湾で 1989年 7月に採集された全長 60mmを超えるマダラの胸鰭鰭条数は
20-22の範囲にあった (N=10,平均±標準偏差 =20
.
4:
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.
7
0
)
01989年3月および 1990
年 4月に陸奥湾で採集された全長 14.0-24.2mm(標準体長 1
2
.
5
2
1.
4mm)のマダラの胸
4
-28.5mm)の胸鰭鰭条数は
鰭鰭条数は 17-19であり,全長 25.0-32.2mm(標準体長 22.
20-21であった。したがって本研究では全長 25mm(
標準体長 22mm)以下の個体を仔
魚としそれを超える個体を稚魚として扱った。
魚体測定と食物組成の解析
全長 11mmを超えるマダラ仔魚では胃と腸を明瞭に判別できる。そのため全長
11mmを超えるマダラ仔稚魚は胃内容物のみ解析し,全長 11mm未満の仔魚は消化
管全体の内容物を解析した。 1989年3月には,産卵場(川村・小久保, 1950)1こ近い湾
口部 Stn.10,西湾 Stn.19および東湾 Stn.31で採集したマダラ仔魚の胃あるいは消化
管内容物を解析した(
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1
)
01990
年 4月
, 1990年 6月および 1989年 7月には,仔稚魚
t
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.33,S
t
n
.43,S
t
n
.9
"のそれぞれ各月 1地点で閏内容物を解析し
が多く採集された S
た
。 1989年 5月には食物組成の地理的変化を明らかにするために, Stn.13とStn.38の
湾内 2地点で閏内容物を解析した。
マダラ仔稚魚は電子ノギスを用いて全長および標準体長を 0.01mm単位で測定し,
単位で計測した。全長 10mm以上の個体についてはさら
電子天秤を用いて体重を 1mg.
に口帽を 0.01mm単位で測定した。消化管および閏内容物は実体顕微鏡下で同定し,
個体数を計数した。かいあし類ノープリウスは第 1触角および尾部後端の保護器官の
特徴をもとに生物顕微鏡下で同定を行った(Oberg,1906; Lebour,1916; Gibbons and
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,1966;LawsonandGrice,
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1970;Lawsonand Grice,1
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;Pinchuk,
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;S
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t,1998)。消化管と
閏から出現した餌生物は実体顕微鏡および生物顕微鏡の接眼マイクロメータにより
1.25μmあるいは 12.5μm単位で最大体帽を測定した。甲殻類の卵は卵径を,巻貝は殻
径を計測した。 4月から 7月までの胃内容物は,主要な分類群ごとに 1mg単位で湿重
量を計測した。消化管および胃内容物は分類群ごとに出現頻度 (F%),個体数組成
(N%),重量組成 (W%)を求めた。出現頻度 (
F
%
)と個体数組成 (N%)の地点聞の差は G検
定を用いて検討した。 Sokal and Rohlf(1983)はG検定を用いる場合,ウィリアムスの
修正を常に行い,期待頻度が5
を下回る分類群は他の分類群と一緒にして検定を行
うことを推奨しており,ここでもそれに従った。
結果
3月におけるマダラ仔魚の食物組成
1989年3月上旬,湾口部 Stn.10の中層域 (45m層)において 1
1個体のマダラ前期仔
41
魚が採集され,その全長範囲は 3.20mmから 5.30mmであった(平均土標準偏差ご4.
土0.650mm)。そのうち 5個体は未だ開口しておらず,残りの 6個体は開口していたが消
化管内に餌生物はみられなかった。調査期間中採集された前期仔魚はこの 11個体
のみで, 4月以降は採集されなかった。
同じ時期に採集された後期仔魚の餌生物は主に,甲殻類の卵 (Tableト1;F%=45,
N%=49.0),かいあし類力ラヌス目 Pseudocalanus属のコペポダイト(成体を含む,
F%=63,
N%=20.5),かいあし類ノープリウス幼生 (F%=28,
N%=13.1)であり,餌生物全体の
個 体 数 組 成 (N%)は地点によって有意に異なっていた (G検定, G叫 =163.5,df=12,
28
P=1.0.1
0
F
%
)は地点聞で有意に異なっていたが (G検定,
)。甲殻類卵の出現頻度 (
G
られなかつた(
ω
G検定, G
リウスが高い比率で捕食されていた(伊
F炉
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6
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,N%=34.9)。全長 5.00mm以下のマダラ仔
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魚の個体数組成 (N%)は 97.1%がかいあし類ノープリウスによって占められていた
(
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.ト3
)。また,全長 5.01-7.00mmではノープリウスの N%は 69.8%に 減 少 し 全 長
7.01-9.00mmではさらに 21.1%に減少し全長 8.02mmを超える個体には捕食されてい
なかった。一方甲殻類の卵と Pseudocalanus属コペポダイトの N%はそれぞれ,全長
5.01-7.00mmの2
.
3
%および 9
.
3
%から全長 7.01-9.00mmの21.1%および 21.1%に増加した。
以上のように全長 7.00mmを超える個体は,全長 7.00mm以下の主要餌生物であるか
いあし類ノープリウスから甲殻類の卵およびPseudocalanus属コペポダイ卜に変化させ
ていた。 Table1-2にはマダラ後期仔魚に捕食されていたかいあし類ノープリウスの属
組成を示した。同定に必要な形体が失われて同定できなかった個体を除いて,全体
として Pseudocalanus属ノープリウスが最も多く捕食されていた (N%=27)。全長 5.00mm
以下の個体では Pseudocalanus属が21%,Earacalanus属が 15%捕食されていたが,全
長5.00mmを超える個体では主に Pseudocalanus属と旦血盟主属のノープリウスが捕食
されていた。 1989年 3月上旬におけるマダラ後期仔魚の餌生物の体 l
幅分布を F
i
g
.ト4
に示す。全長 5.00mm以下の仔魚は体幅 67.5μm (Oith盟主 N I
Iおよび Paracalanus N
m)から 129μm(PseudocalanusN I
V
)の範囲のノープリウスを捕食した。この時期に捕
食されていたすべてのノープリウスのうち, Pseudocalanus属 (83.8-195μm)は他のノー
プリウス (67.5-129μm)よりも比較的大型であった。一般に環境中の餌生物のサイズ
組成は不連続であるため,捕食者と餌生物のサイズの関係を検討すると,捕食者が
ある体長に達すると突然大型の餌を捕食するようにみえる。このため捕食者と餌の最
大サイズの関係は階段状になる。マダラ後期仔魚の場合でも,全長5.30mm,7.07mm,
17.53mmlこ突然大型の餌が出現しそれぞれ245μm(Centropagesabdominalisコペポ
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(
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),503~m
(坐担山主巴豆坐笠コペポダイ
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73.8-135μmの範囲にあった。
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図 Copepod nauplii
図 Evadne nordmann
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4月から 6月までのマダラ仔稚魚の食物組成
4月から 6月までマダラ仔稚魚は主にかいあし類力ラヌス目を捕食していたが,主要
餌種は採集月によって変化していた (Tableト3)04月には Pseudocalanus属が高い N%
を 占 め た が (N%=42.3),5月と 6月には低い割合であった。 5月 は Stn.13では
centropagesabdominalisの割合が比較的高く (N%=45.5),S
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が同
定できたカラヌス目の中で最も高い N%を占めた (N%=31.2)06月にはマダラ稚魚は主と
して Centropages abdominalisを捕食した(同=100,N%=72.5)。重量組成 (W覧)では, 5月
a 8rachyura megalopa,
カ
のStn.13で十脚類腿行E目短尾族メガロパ幼生 (Repta川 i
ニ類)が比較的高い割合を示したが(W炉 36.5),4月から 6月まで常に力ラヌス目が最も
高い割合を占めた(W%=61.
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5は4-6月におけるマダラ仔稚魚の全長と餌生物の体幅の関係を示してい
る
。 4月に捕食されていた豆到担盟巴豆坐笠のコペポダイトと成体(体幅344-888μm)は
他の力ラヌス目 (196-450μm)1こ比べて大型であった。 5月にはカラヌス目の最大体幅
は441μmで,浮遊性巻貝 (GASTROPODA,294-699μm)や十脚類腿行E目短尾族メガロ
580μm)は力ラヌス目に比べて大型であった。 6月には 1,
000μmより大型
パ幼生 (885-1,
の餌生物は出現しなかったが,十脚類遊泳 E目(Natantia,エビ類)のゾエア幼生
(441-919μm)と空豆担巴巴豆生虫(441-613μm)は他の餌生物に比べて大型であった。
7月におけるマダラ稚魚の食物組成
7月にはマダラ稚魚は主に底生性の端脚類ヨコエピ亜目 (Amphipoda Gammaridea,
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W%=23.3)と魚類(PISCESa
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),6月まで主食としていたカラヌス目の W%は0
.
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低 か っ た 。 ヨ コ エ ビ 亜 目 の う ち Svnchelidium属 の 1種 (N%=13.9)と全巴盟主
ampulloide~(N%=11.7)が高い N%を占めた。魚類ではスケトウダラ稚魚のW%が高かった
(W%=64.3)。全長 135.26mm未満のマダラ稚魚は魚類を捕食していなかったが,全長
135.26mm以上の稚魚 (
5個体)はスケトウダラ稚魚を5個体,カレイ目を3個体,同定不
能 で あ っ た 魚 類 を 5個体捕食していた。ヨコエビ E 目(血盟主主 ampulloide5,
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1.32-3.68mmであった。かいあし類力ラヌス目が閏中から出現したマダラの最大サイ
ズ は 全 長 97.53mmであった。全長 135.26mmの 稚 魚 は 体 幅 4.52mmのエビジャコ
(豆旦旦巴旦盟国豆)を捕食し全長 169.50mmのマダラ稚魚は体幅 7.26mmのスケトウダラ
稚魚を捕食していた。
考察
多くの海産魚類が,卵黄吸収中の前期仔魚から摂餌を開始することが知られてい
る
。 Last(1978)は体長 3.0-3.9mmの大西洋マダラ(坐虫s m笠出呈)仔魚(主に前期仔魚)
の28%がすでに摂餌していることを示した。しかし本研究では,開口していた 6個体の
マダラ前期仔魚すべてが摂餌していなかった。興世田ら (1992)は能登島に近い日本
6
個体:3.79-4.77mmTL)がかいあし類ノープリウスを捕食し
海沿岸でマダラ後期仔魚 (
ていたことを報告している。本研究では全長 7mm以下のマダラ後期仔魚が,かいあし
F
i
g
.ト3
)
0Pseudocalanus属ノープリウ
類ノープリウスを主食としていることが示された (
スは他のノープリウスに比べて大型で (
F
i
g
.ト4
),最も多く捕食されていた (
T
a
b
l
eト2
)。
全長 7mmよりも大型の仔魚は,かいあし類ノープリウスから Pseudocalanus属のコペ
F
i
g
.ト3
)。以上のようにマダ
ポダイトと成体,甲殻類の卵を多く捕食するようになった (
ラ仔魚にとって Pseudocalanus属は,ノープリウス期から成体に至るまですべての発
育段階で重要な餌生物であることが明らかとなった。一方甲殻類の卵は主として全長
11mmを超える仔魚に捕食され, Pseudocalanus属や Oithona属の成体とともに消化管
あるいは閏から出現しており (
F
i
g
.ト3
),卵を抱えたかいあし類の成体とともに捕食さ
F
i
g
.ト4,
れた可能性が高い。これらの甲殻類卵は他の餌生物に比べて小型であり (
F
i
g
.ト7
),消化管が未発達である仔魚!こは消化されにくい餌と考えられている (Hunter
,
1
9
7
7
; Bjorke,1
9
7
8
; 田中, 1980)。したがって甲殻類の卵はマダラ仔魚にとって補助的
1
9
8
•
7
、
E
E
6
、
" 5
.
.
.
c
+
'
可
コ
主
X
4
〉
、
口
ω 3
1
.
.
.
止
2
♂
。
70
目
日
首
会
8金
銭
ぶ
日
目
o
@
.<
>
口
。
<
>
ロ ロ
口
。
8
O
100
日
180
150
Total length (mm)
+calanus pacificus
-corycaeu~ spp.
企
xAcartia omorii
• Paracalanu~Q.旦E笠旦豆
Centropages abdominalis
・
Natantiazoea
)
t
( Crangon a
ffinis
口 Anonyx ampulloides
08ynchelidium sp.
• Walleye pollockjuvenile
b
.B
笠b
l
i三japonlca
<
>Ampelisc~
sp.
F
i
g
.1
6
.R
e
l
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t
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o
nbetweent
o
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ll
e
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t
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fP
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u
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μ
m
)
. Sampleswerec
o
l
l
e
c
t
e
di
nMutsuBayon22J
u
l
y1
9
8
9
.
20
10mm
PISCES
N
a
t
a
n
t
i
aj
u
v
e
n
i
l
e
sa
n
da
d
u
l
t
Reptantia 8rachyura
5.0mm
工判℃
Calanus oacificus
Rllanktonic gastropods
atantia zoea
主
¥戸む
1.0mm
Ln
凶
500μm
100μm
m
﹄斗
nU
u
-
FO
50
Total length
100
m
m
10
200
区三ヨ:mainfood
匿翠望
alternativefood
F
i
g
.ト7
.S
c
h
e
m
a
t
i
cm
o
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lo
fr
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l
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i
o
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a
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u
v
e
n
i
l
e
s andt
h
e
i
rp
r
e
yw
i
d
t
hi
n Mutsu 8ay i
n 1989 and 1
9
9
0
.
R
e
g
r
e
s
s
i
o
nl
i
n
ebetweent
o
t
a
ll
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c
i
f
i
ccoda
n
dt
h
e
i
rmouthw
i
d
t
h
2
i
sshowna
sLog
MW)= 1
.
1
3・
Log
T
L
)
ー
1
.2
5(N=110,r=
0
.
9
8
7,TLr
a
n
g
e
:
lO(
1
0(
1
0
.
1
1
7
4
m
m
)
.
2
1
な餌 (
s
u
b
s
i
d
i
a
r
yf
o
o
d
)にすぎないものと考えられる。
内田 (
1
9
3
6
)は,朝鮮半島近海においてマダラ仔稚魚は主にかいあし類を捕食し,
全長 30mmを超える稚魚は端脚類と魚類仔魚を,全長 70-90mmの稚魚は小型の力
1
9
6
1)によると,北海道
ニ・エビ・イ力・魚類や多毛類を捕食すると報告している。竹内 (
沿岸において標準体長 29.3-74.0mmの稚魚の主要餌生物はかいあし類,特に
P
a
r
a
c
a
l
a
n
u
s属および P
s
e
u
d
o
c
a
l
a
n
u
s属であり,副次的な餌として十脚類の幼生,端脚
類ヨコエビ E目,オタマボヤ科である。橋本・阿部 (
1
9
6
2
)は,全長 27-81mmの稚魚の
主要餌生物はかいあし類力ラヌス自(主に Pseudocalanus属と豆到担些属)であり,浮遊
性の端脚類が副次的な餌であるとしている。陸奥湾ではマダラ仔稚魚の主要な餌生
T
a
b
l
eト3
)
。副次的な餌生物には
物は 4月から 6月までかいあし類カラヌス目であった (
海域間で差があるものの,全長 70mm未満のマダラ稚魚の主要餌生物はかいあし類
カラヌス目であると考えられる。
F
i
g
.ト7
),
マダラ稚魚が捕食する餌の体幅は稚魚の口幅のおよそ3-30%であったが(
全長 70mm前後のマダラ稚魚の主要餌生物(カラヌス目とヨコエビ E 目)は稚魚の口
幅に対して小型であり,およそ 3-10%程度であった。また,マダラ稚魚の胃から出現し
個体の浮遊性巻貝,十脚類遊泳亜日ゾエア幼生,
た餌生物の平均重量を求めると, 1
.
3倍
, 3
.
9倍
, 29倍に
十脚類腿行亜目短尾族メガロパ幼生はそれぞれ,カラヌス目の 1
T
a
b
l
eト4
)。これらの大型餌生物は主要餌生物ではなかったが,全長 70mm
相当する (
前後の稚魚が十分捕食できる体幅範囲にある(約 8-30%,F
i
g
.ト7
)
07月にはマダラ稚
魚は主に底生性の端脚類ヨコエピ亜目および魚類を捕食するようになるが,浮遊性
巻貝,十脚類遊泳E目ゾエア幼生,十脚類腿行亜目短尾族メガロパ幼生などの副次
的な餌生物は,主要餌生物が力ラヌス目からヨコエビ E目や魚類に転換するまでの
l
t
e
r
n
a
t
i
v
ep
r
e
y
(代替の餌生物)として重要な役割を演じているものと考えられ
聞の, a
l
t
e
r
n
a
t
i
v
ep
r
e
yが主要餌生物にならなかったのは, 1989年および
る。またこれらの a
1990年における a
l
t
e
r
n
a
t
i
v
ep
r
e
yの環境中の豊度が十分でなかった可能性がある。し
たがってこの主要餌生物の転換期には他の採集年についてもさらに食物組成を調べ
2
2
Table ト4
.Meanweighto
fm可o
rfoodorganisms i
nstomachs o
fp
o
s
t
I
a
r
v
a
l
andj
u
v
e
n
i
l
eP
a
c
i
f
i
c cod i
n Mutsu 8
a
y
. These values were c
a
l
c
u
l
a
t
e
d
fromthedataobtainedi
nMayandJ
u
l
y,1989andA
p
r
i
landJune,1990
Foodorganism
Evadnenordmanni
Calanoida
GASTROPODA
DecapodaNatantiazoea
DecapodaReptantia
8rachyuramegalopa
Gammaridea
PISCESa
d
u
l
tandj
u
v
e
n
i
l
e
To
t
a
lweight To
t
a
lnumberof Meanweight
(
μ
g
)
(mg)
i
n
d
i
v
i
d
u
a
l
s
3
1.
4
39
1
1
26
236
19,
714
118
92
262
122
2,
148
568
1,
535
87
13
6.529
118,
077
23
1
2
.
7
7
3
.
0
9
3
.
2
283
る必要があるものと考え第 W章で検討した。
24
I
T
.マダラ仔魚の餌生物としてのかいあし類ノープリウスの
分類群組成と分布密度
目的
前章では全長 7mm以下のマダラ後期仔魚が初期餌料としてかいあし類ノープリウ
ス,特に P
s
e
u
d
o
c
a
l
a
n
u
s属および旦生盟主属のノープリウスを捕食することを明らかに
した。また,かいあし類ノープリウスは多くの海産魚類の初期餌料として重要であり
(田中, 1
9
8
0
),魚類の初期生残機構を解明するためには,餌料密度の時空間変化を
明らかにする必要がある。そこで 1
9
9
1年と 1
9
9
2年の冬季に,陸奥湾においてマダラ仔
7
.
5
1
9
5
μ
mのかいあし類ノープリウスの空間分布様式と分布密度
魚が捕食する体幅 6
を明らかにし摂餌開始期のマダラ仔魚の生残に与える影響を検討した。
材料および方法
野外調査
調査海域である陸奥湾を湾口部,西湾北部,西湾南部,東湾の 4つに区分し,これ
F
i
g
.1
1
1
)
01
9
9
1年 2月2
6
2
7日(
1
3地点),
らのうち湾口部を除いた水域を湾内とした (
1
9
9
2年 1月9日(
7地点), 1
9
9
2年 1
月2
9日(
5地点), 1
9
9
2年2月2
5
2
6日(
1
3地点)の 4回に
わたり,北海道大学水産学部研究調査船うしお丸(
1
0
7
.
8
5トン)と青森県水産増殖セン
2
4
.
9
6トン)で,合計 5
7本のノープリウス標本を採集した
タ一所属のなつどまり (
(
T
a
b
l
e1
1
-1)。採集を行った地点の水深範囲は36-64mであり,すべての標本採集は昼
間行われた。ノープリウスはうしお丸ではバンドン採水器で 20
e
.
の試水を採取しなつ
どまりでは水中ポンプで汲み上げられた 30
e
.
の試水を採取して,それぞれ40μmのハン
9
9
1年2
ドネットでろ過して得られた。ノープリウスの鉛直分布を明らかにするために, 1
月2
6日には東湾 S
t
n
.3
0,1
9
9
2年 1月9日には西湾北部 S
t
n
.1
3,1
9
9
2年 1月2
9日には
西湾南部 S
t
n
.2
0
',1
9
9
2年2月2
5日には湾口部 S
t
n
.
1
0においてそれぞれ5-6層で標
2
5
F
i
g
.
I
I
1
. Location ofMutsu 8ay (
A
),contours ofdepth (
8
),and l
o
c
a
t
i
o
n
s ofsampling
0
n the JapanSeaanda
s
t
a
t
i
o
n
s(
C
)
. Locations ofa s
t
a
t
i
o
n at4
1 QQ'N,14QoQQ'E i
r
eshowni
nA andC,r
e
s
p
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c
t
i
v
e
l
y,w
i
t
hs
t
a
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s
.
s
t
a
t
i
o
n0汗 Tairadatea
2
6
T
a
b
l
eI
ト1
. Zooplanktons
a
m
p
l
i
n
gdatai
nMutsuBay
Vessel
Ushio-maru
Date
Numbero
f
Sampling
Meshs
i
z
e sampling
gear
s
t
a
t
i
o
n
s
26-27F
e
b
.1
9
9
1 Van-Dorn
40μm
Number
f
samples
Numbero
fsamplesusedf
o
r
developmentals
t
a
g
i
n
gand
bodys
i
z
emeasurement
13
19
19
13
13
3(
o
n
l
yf
o
r Oithonas
p
p
.
)
13
18
18
16
16
3(
o
n
l
yf
o
r Oithonas
p
p
.
)
。
~
.
l
NORPAC 0.33mm
25-26F
e
b
.1992 Van-Dorn
40μm
NORPAC 0.33mm
a
n
.1992
Natsudomari 9J
29J
a
n
.1992
Pump
40μm
7
1
1
1
1
Pump
40μm
5
9
9
本を採集した。また,ノープリウスの水平分布を明らかにするために鉛直分布調査地
9
9
1年2月2
6
2
7日には湾内 1
1地点の水深 15m層
, 1
9
9
2年 1
月9日には
点に加えて, 1
湾内 6
地点の水深 1
0m層
, 1
9
9
2年 1
月2
9日には湾内 5地点の水深 10m層
, 1
9
9
2年2月
2
5
2
6日には湾内および湾口部の 1
2地点の水深 15m層でノープリウスを採集した。た
9
9
1年2月2
6日の S
t
n
.2
5とS
t
n
.3
0,1
9
9
2年2月2
5日の S
t
n
.1
0
では水深 1
5m層で
だ
し
, 1
0mと20m層のデータの平均値を 15m層のデータとし
採集を行わなかったので,水深 1
て用いた。
かいあし類ノープリウスとコペポダイトの分布密度の関係と,水塊交替とコペポダイ
9
9
1年2月2
6
2
7日の 1
3地点と 1
9
9
2年2月
トの分類群組成の関係を調べるために, 1
2
5
2
6日の 1
6地点では, NORPACネット(口径:0
.
4
5m,側長:1
.
8
m,目合:O
.
3
3
m
m
)の海
底直上から水面までの鉛直曳きによってコペポダイトを採集した(
T
a
b
l
e1
1
1
)。採集さ
れたすべての動物ブランクトン標本は直ちに5
%中性海水フォルマリン溶液で固定し
た
。
9
9
1年 2月は DBTにより水温を 1
9
9
2年 2月には CTDを用いて水
各調査地点では 1
温・塩分を測定し表層と 1
5m層で採水した試水は実験室に持ち帰り,サリノメータで
塩分値を測定した。さらに 1
9
9
2年1
月の 2
回の調査ではノープリウスを採集した水深で
棒温度計を用いて水温を測定した。
かいあし類ノープリウスとコペポダイトの計測と解析
かいあし類ノープリウス標本は 6
0
個体を上回るように適宜分割し,同定と各発育段
階の判別を行った。ノープリウスは生物顕微鏡の接眼マイクロメータを用いて前体部
P
r
o
s
o
m
ewidth,PW)の計測を行った。 NORPACネットで採集された型生旦豆属成体
幅(
は種まで同定したが,分類学的制約からコペポダイト期の 3
期から 5
期(
C
3
C
5
)までの
,
ま Oi血盟主豆旦盟主とその他の型生盟呈属に分離した。すべての旦血盟主属の
旦生盟主属 l
成体およびコペポダイ卜もノープリウスと同様に前体部幅(
P
W
)
を計測した。
7
.
5ー195μmの
摂餌開始期のマダラ仔魚の利用可能な餌の分布密度は,前体部幅 6
2
8
かいあし類ノープリウスが 1リットルあたり!こ含まれる個体数 O
n
d
s
.
.J
rl
)として求めた。コ
n
d
s
.'
m
-2)であらわした。
ペポダイトの相対分布密度は 1平方メートルあたりの個体数 O
ノープリウスの分類群組成は G検定を用いて標本間の有意差の有無を検討した。母
集団分布の同一性の比較には, 2標本聞の場合はマン・ホイットニーの U検定を, 3つ
以上の標本間の場合にはクラスカル・ウオリス検定を用いた。すべての検定の有意
水準は 0
.
0
5とした。
海況データの解析
1
9
9
1年2月下旬には荒天のために,予定していた湾口部の調査が不可能であった。
9
9
1年3月
この時期の陸奥湾に流入する津軽暖流水の海水密度を推定するために, 1
1
1日と 1992年2月29日に青森県水産試験場が日本海の 1
地点 (
4
1o
O
O
'
N,14000
0
'
E
)で
行った表層から 100m水深までの平均水温・塩分値を引用した (
F
i
g
.
I
I
1
A,青森県水
産試験場, 1
9
9
5
a
;1
9
9
5
b
)。ただしこの時期の日本海 1
地点の水温と青森県水産増殖
F
i
g
.1
1
1
0
)で観測しているテレメータブイ 45m層の水温の聞には,
センターが平舘沖 (
4
1979年から 1994年の聞に有意な相闘がみられ(N=16,P
=
3
.
0・
1
0
,F
i
g
.1
1
2
;青森県水
産増殖センター, 1976,1979-1997;青森県水産試験場, 1972-1995),平均で平舘沖
0
0
が1.1C低い水温になっていた。そこで日本海 1地点の水温値から1.1C低下させた値
2
を陸奥湾に流入する津軽暖流水の水温と推定した。また,青森市における 9月から 1
月の合計降水量は,気象庁月報から引用した(気象庁, 1973-1997)。
結果
1
9
9
1年と 1992年の冬季における陸奥湾の海況
冬季および春季の陸奥湾には津軽暖流水 (TWO)が主に湾口部西側の表層および
9
7
4
)。冬季と春季には湾内へ流入した水塊は冷却さ
中層から流入する(大谷・寺尾, 1
れ,湾口部東側の海底近くから湾外へ流出する。湾口部の中層には津軽暖流水と湾
内の水塊との聞に密度躍層が形成される。
29
(O
。
)
12
Mar.
m
w
L
ω
a
ε
ω
ωL v
一
コ
10
8
6
ト
4
2
'
6
4 '
8
5 '
9
1 '
7
9'
8
2 '
8
8'
9
4
6
7'
7
0'
7
3 '
7
6'
一← Japan Sea
4 壬Tairadate
o
-Ohshima
--*-East Bay
F
i
g
.
I
I
2A
n
n
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l
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e
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p
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o
no
f4
1o
O
O
'
N,14000
0
'
Ei
n
t
h
e Japan Sea (meantemperaturefrom s
u
r
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et
o 100m d
e
p
t
h
),as
t
a
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i
o
n 0仔
T
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d
a
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e(45m d
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n0仔 Ohshima(50md
e
p
t
h
),andas
t
a
t
i
o
ni
nE
a
s
tBay
(46md
e
p
t
h
)i
nMarch1964-1994(
A
o
m
o
r
iP
r
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f
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m
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1972ー1
9
9
7
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c
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lA
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c
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t
u
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,1
976,1
9
7
9
1
9
9
7
)
.
30
0
1
9
9
1年 2月 26-27日には湾内水深 15m層の水温・塩分値の範囲は, 4
.
2
5
.
9C,
3
3
.
1
8
3
3.
4
2PSUで、あった (
F
i
g
.1
1
3
A
)。水深 15m層における海水密度 σtの平均値は
3
3
2
6
.
3
2kg
・
m6
.
2
9k
g
'
m
(
S
t
n
.3
5
)から 2
6
.
3
5kg
・
m3
(
S
t
n
.3
1
)で、あっ
であり,その範囲は 2
F
i
g
.1
1
3
C
)。ノープリウスの鉛直分布を調べた Stn.30では,表層から海底直上ま
た(
.
1
6
5
.
1
8oC, 塩 分 値 は
でほぼ均一の水塊で占められており水温範囲は5
3
3
.
3
4
3
3
.
3
5PSUであった。
0
1992年 1月 9日 の 水 深 10m層の水温は, 7.
4O
cから 10.1 Cの 範 囲 に あ っ た
(
F
i
g
.1
1
4
A)0 1992年 1月29日の水深 10m層は, 6
.
9
1
0
.
00C
Iこ低下した。 (
F
i
g
.1
1
4
8
)。
1992年 2月25-26日には,水深 15m層の水温範囲は 4
.
5
8
.
60Cで、あり (
F
i
g
.1
1
3
8
),高
水温・高塩分値は湾口部西側にみられ,低水温・低塩分値は東湾の北側寄り!こみら
れた。この時期の水深 15m層における海水密度 σtは
, 1
9
9
1年 2月に比べて水平的な
F
i
g
:1
1
3
D
)。湾内 15m層の平
勾配が大きく,低密度の水塊が湾口部西側にみられた (
3
6
.
6
2kg
・
m均 σtは2
であった。
1992年 1月9日の Stn.13と1992年 1月29日の S
t
n
.
2
0
'における水温の鉛直較差は小
さ
く(
F
i
g
.1
1
5
),水温範囲はそれぞれ 8
.
7
9
.
0oC,8
.
2
8
.
8oCであった。 1992年 2月25日
のStn.10では,水深 20m以浅では 8
.
2
8
.
50C,水深 21-57mでは徐々に低下し,水深
58m以 深 で は 4
.
9
7
4
.
9
9oCであった (
F
i
g
.1
1
5
)。この時塩分値と σt値 は 表 層 の
3
3
3
3
.
9
0PSUと2
6
.
3
3k
g
'
m
3
.
6
8PSUと2
6
.
6
3kg
・
mから水深 64mの 3
にそれぞれ変化し
た
。
かいあし類ノープリウスの鉛直分布
1
9
9
1年 2月26日の東湾 Stn.30では,かいあし類ノープリウス(体幅 67.5-195μm)は水
2
5
.
0i
n
d
s
.
',
e
-l
),最低値を示した水深 40m層
深 1m層で最も高い分布密度を示し (
(
1
2
.
2i
n
d
s
.
.,
e
-l
)のおよそ 2
.
0
{
音であった(
F
i
g
.1
1
6
)
。採集水深による分類群組成には有意
2
1,
4
. df
=20,P
=
0
.
3
7
)。最も分布密度が高かった分
差はみられなかった (G検定, G叫 =
7.
4
1
6
.
0i
n
d
s
.
.,
e
-l,5
7
6
7
%
),次いで旦虫盟主属が高い分
類群は Centropages属であり (
3
1
C
A
B
D
26.6く
F
i
g
.1
1
3
.D
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s
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r
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fwatertemperature(
0
0,s
o
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n
e
si
n A and B),s
a
l
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n
i
t
y(PSU,
3,
dashed l
i
n
e
si
nA and B
),and sigma-t(
k
gms
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dl
i
n
e
si
n0 andD)a
t15mdepth
d
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i
n
g26-27February1
9
9
1and25-26February1
9
9
2
.
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3
2
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1
4
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1
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2
.
3
3
Temperature
(
O
c)
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( , . ) 心3
ふ)
4
0
6
8
10
心3
ら)
(
,
.
)
( , . ) 心3
心)
.
t
.
12 (J)、」
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0
10
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。
ZHaω
30
40
50
60
m
ー
ー
ー Stn.10 25 Feb. 1992
・吋
Stn.20' 29 Jan. 1992
JN0
ート
M 0・agb
Stn.13 9 Jan. 1992
ム
一日一
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Sigma-t
一
h担
(
,
.
)
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・
印
0
LM
lN
ド2
・
∞
70
Stn.10 25 Feb. 1992
ーー Salinity
Stn.10 25 Feb. 1992
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g
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1
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0
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.
34
Nauplii (inds.・f-1)
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10
17
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「丁「
「下「
25
「寸
25.0
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10
22.4
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.
1
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。
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20
30
18.7
40
12
.
2
50
1
4
.
1
Stn. 30
26 Feb
. 1991
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-t
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一
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一e一
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一一 }r一kaM
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一
一
川
一
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一
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・
図 Pseudocalanus
Acartia
図 Others
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1
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g67.5-195μm i
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g20ew
S
t
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b
r
u
a
r
y1
9
9
1
.
35
r
布密度を示した (2.5-6.0i
n
d
s
.
. 1,1
6
2
7
%
)。これらに対して Pseudocalanus属 の 分 布
密度は低かった (0-0.
4inds..r1,0-1.6%)。
1992年 1月9日の西湾北部 S
t
n
.13における 67.5-195μmPWの分布密度は水深 20m
r
r
r
層の 10.
4i
n
d
s
.
. 1から 5m層の 1
9
.
2i
n
d
s
.
. 1の範囲にあり,その中央値は 1
5
.
5i
n
d
s
.
.
1
F
i
g
.1
1
7
)。採集水深による分類群組成には有意差はみられず (G検定,
であった (
Ga<
l
i
=
1
2
.
5, df
=8, P=0.13), す べ て の 採 集 水 深 で 旦 血 盟 主 属 が 優 占 し た
(
6
.
9
1
3
.
9i
n
d
s
.
.
r1,57-72%)0Pseudocalanus属はいずれの水深でも採集されなかっ
。
た
1992年1月29日の西湾南部 Stn.20'における 67.5-195μmPWの分布密度の中央値
1
は1
1
.
6i
n
d
s
.
.r
F
i
g
.1
1
7
)。採集水深による分類群組成の差はみられず (G検
であった (
定
, G吋 =23.1,df=24,P=0.51
)
, Oi
血盟主属が優占した (
6
.
3
1
0
.
1i
n
d
s
.
.,
e
-l,60-78%)。
Pseudocalanus属の分布密度は低かった(
0
.
1
0
.
7i
n
d
s
.
.,
e
-l,1
.
1
6
.
7
弘
)
。
1992年2月25日の湾口部 Stn.10における 67.5-195μmPWのノープリウスの鉛直分
布は,密度躍層内 (
F
i
g
.1
1
5
)の水深 30m層 (
1
3
.
8i
n
d
s
.
.,
e
-l
)と40m層 (
1
2
.
9i
n
d
s
.
.R
つで分布
密度が高く, 30m層は 1m層の約 4
.
3倍の分布密度を示した。水深による分類群組成に
は有意差がみられ (G検定, G叫 =43.5,df
=10,P=4.0・10ーな全体として旦生担豆属が優
占し (2.2-9.9i
n
d
s
.
.,
e
-l,48-74%),次いで Paracalanus属 が 高 い 分 布 密 度 で あ っ た が
(
0.
4
2
.
6i
n
d
s
.
.,
e
-l , 11-39%), Pseudocalanus属 は 低 い 分 布 密 度 で あ っ た
(
0
.
1
0
.
6i
n
d
s
.
.,
e
-l,2
.
2
6
.
8
%
)
0F
i
g
u問 1ー7の中ではその他 "Othe悶"に含めたが,旦虫笠豆
属と Corycaeus属は水深 1-10m層で相対的に高い割合を占めた(白旦旦 5.7-7.8%,
Gorycaeu5:3
.
1
5
.
7
%
)。
かいあし類ノープリウスの水平分布
1991年2月26-27日の Stn.25および Stn.30
では水深 15m層でかいあし類ノープリウ
スの採集を行わなかったので,水深 10mと20m層における 67.5-195μmPWのノープリ
ウスの平均分布密度を用いた。それら 2地点の水深 10mと20m層の分類群組成の間
36
p
u
a
u
N51
OI
(
i
n
d
s
.g
1
)
圃
1o
15
20
Rd
1
9
.
2
10
20
30
40
。
Stn.13
9J
a
n
. 1992
1
3
.
9
10
5
r
r
15
r
o
14.
4
30
40
S
t
n
.2
0
'
29J
a
n
. 1992
。
ZHaω
5
E 10
20
O
20
10
5
「一寸
10
20
30
15
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一一寸
20
r
,
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1
3
.
8
S
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n
. 10
25 Feb. 1992
4
.
0
口Paracalanus
園 Pseudocalanus
冨 Centropages
圃 Ac
artia
図 Oithona
図 Others
F
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.1
1
7
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n
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g30e pumpedwatera
tS
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t
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c
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9
9
2
.
3
7
にはそれぞれ有意差がみられなかった (
G検定, 凱
St
n
.2
お5
:G
l
i
=
5
.
0, d
f
=4, P
=
0
.
2
9
)。 水 深 15m層 に お け る 分 布 密 度 は
S
t
n
.3
ω
o :Ga<
1
7
.
8i
n
d
s
.
.g
-l
(
S
t
n
.3
0
)から 2
6
.
8i
n
d
s
.
.g
-1(
S
t
n
.3
1
)の範囲にあり,中央値は 2
2.
4i
n
d
s
.
.g
-1
であった (
F
i
g
.1
1
8
)
01
3地点における 1
5標本聞に分類群組成の差がわずかにみられた
(
G検定, G叫 =81
.8,d
f
=56,P
=
0
.
0
1
4
)。また,すべての採集地点で G
e
n
t
r
o
p
a
g
e
s属が優
占し(最小値一中央値一最大値:9
.
2
1
2
.
8
ー1
8.
4i
n
d
s
.
.g
-l,46-55-72%),次いで白血盟主属
4
.
0
5
.
6
8
.
8i
n
d
s
.
.g
-l,19-25-40%)0Pseudocalanus属の割合
が高い分布密度を示した (
は低く (
0
0
.
1
-1
.2i
n
d
s
.
.g
-l,0-0.5-5.
4
%
)
, 湾口部に近い Stn.16で最も高い分布密度を
示した。
1
9
9
2年 1月9日の水深 10m層における分布密度は 1
1
.
5i
r
i
d
s
.
.g
-1から 22.9i
n
d
s
.
.g
-1の
範囲にあり,中央値は 1
4
.
7i
n
d
s
.
.g
-1であった (
F
i
g
.1
1
9
,
A C
)。分布密度は Stn.30およ
びStn.42で高かった。 1992年 1月初日の水深 10m層における分布密度は 8
.
8i
n
d
s
.
.g
-1
8
.
7i
n
d
s
.
.g
-1の範囲にあり,中央値は 1
3
.
3i
n
d
s
.
.g
-1であった (
F
ig
.1
1
9
8,C
)
O1
9
9
2
から 1
年2月25-26日の水深 15m層における分布密度は,湾口部で低く (
S
t
n
.
8,9,1
0,1
1
:
6
.
2
-7.
4
1
5
.
2 i
n
d
s
.
.g
-l,F
i
g
.1
1
1
0
),東湾で高かった (
S
t
n
.30,3
5,42,45,50:
.2
3
6
.
8
4
4
.
0i
n
d
s
.
.g
-1)。かいあし類ノープリウスの分類群組成の採集地点による違
21
2
3
.
1,d
f
=1
2,P
=
0
.
0
2
7
)と1
9
9
2年2月25-26日(
G検定,
いは, 1992年 1月9日(G検定, G叫=
Gadj=
3
1
1ム d
f
=6
5,P
=
7
.
7・1
0
-34)には有意差がみられたが, 1
9
9
2年 1月29日(
G検定,
G叫 =
3
.
7,d
f
=8,P
=
0
.
8
8
)にはみられなかった。 1
9
9
2年 1月9日の S
t
n
.
2
0
'とStn.30を除い
i
t
h
o
n
a属が優占し(
3
0
8
5
%
),次いで 1月9日(
3
0
5
8
%
)と
て1992年の 1月から 2月までは O
1月 29日(
2
0
2
6
%
)には P
a
r
a
c
a
l
a
n
u
s属が, 2月 25-26日には湾内で C
e
n
t
r
o
p
a
g
e
s属
(
5.
4
1
6
%
)の割合が高かった。 1
9
9
2年2月25-26日l
こO
i
t
h
o
n
a属の割合は湾口部で低く
(
2
.
2
3.
4
8
.
6i
n
d
s
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は逆の状態を示した。 1992年2月の東湾で採集された O
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達した油球を持つ個体がしばしばみられたが,それらの個体の計数は行っていない。
1991年と 1992年2月におけるかいあし類コペポダイトの分布密度と分類群組成
1991年2月の西湾と東湾, 1992年2月の湾口部,西湾,東湾の 5つの水域において,
NORPACネットの鉛直曳きにより採集されたかいあし類力ラヌス目コペポダイトの分布
F
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1
1
1
)
。クラスカル・ウオリス検定による比
密度の中央値は水域聞で異なっていた (
3
較ではこの 5つの水域間に有意差がみられた (KW=18.1,df
=
4,P=1.2・
1
0
)
01991年と
1992年の両年ともに西湾と東湾の聞で,分布密度に有意差はみられなかった (U検定,
1991年:Us
=29,n
=9,
4 P>0.10;1992年:Us
=20,n
=8,
4 P>0.20)。両年ともに採集が行
われた地点は湾内の 9地点であり,これらの地点で分布密度を比較すると 1991年は
1992年に比べて有意に高かった(
U検定,Us
=76,n
=9,
9,Pく0
.
0
0
2
)
01991年は 1992年よ
りも ParacalanuS 限立止と Centropages abdominalisの 分 布 密 度 が 高 く , 逆 に
Pseudocalanus属の分布密度が低かった。
1991年2月の 3地点では,型血盟主属全体に対して Oithonas
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sが占める個体数割
合は低かった (
F
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)01992年 2月も湾口部 S
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.8および西湾北部 Stn.19でも O.
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l
豆の割合は低かったが,東湾 Stn.50では高い割合を占めた (51%)。巴凶旦出生旦と
息 longispinaの成体はともに暖海性穫であり(西田, 1997),陸奥湾では 1992年にのみ
採集された。 NORPACネット (0.33mm目合)で採集されたすべての旦血盟主属の体幅
(PW)は
, 127μmから 344μmの範囲であり,全計測個体の 99.6%が体幅 330μm未満で
あった。このため,両年の聞で旦生盟呈属の分布密度の比較は行わなかった。
考察
前体部幅(PW)67.5ー195μmのかいあし類ノープリウスは,湾口部 Stn.10では密度躍
層に集中し,鉛直的な分布密度の差は最大 4
.
3倍と大きかった(
F
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)。一
方湾内ではノープリウスの分布密度は常に表層域で高かったが,鉛直的な分布密度
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N=103
N=208
E
目立. atlantica C6♀
・旦. Plumifera C6♀
図 O. Ionglsplna C6♀
日 Oithona spp. C3 & C4-C5♀
8Q
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. ~ imili5 C6♀
目立. 5 imili5 C5♀
口旦. 5 imili5 C6♂
(not include 旦
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7
)
01992年2月25日の Stn.10
ではノープリウ
スの分類群組成に鈴直的な差がみられ,旦並旦豆属は水深 30-40m層で (
F
i
g
.1
1
7
),
Paracalanus属は水深20-40m層
で, Oncaea属は水深ト 10m層で分布密度が高かった。
これらの結果から,ノープリウスは鉛直混合が進んだ冬季の湾内では,湾口部に比
べると分布密度の鉛直的な差は小さいものと考えられる。また湾口部ではノープリウ
スは密度躍層に集中し表層を覆う津軽暖流水にはノープリウスは少ないものと考え
られる。このような躍眉の有無によるノープリウスの鉛直分布密度の違いは Inczeet
.
l(1996)1こよっても観察されており,ある程度一般的なものと考えられる。
a
1991年2月には Centropages属ノープリウスの割合が高く (46-72%,F
i
g
.1
1
8
),分類群
34
組成の水平的な違いは有意ではあったが (P=0.014),1992年2月(P=7.7・
1
0
)に比べ
, 2月ともに主として旦並旦豆属ノープリウスが
るとその差は小さかった。 1992年は 1月
優占した (30-85%,F
i
g
.1
1
9,F
i
g
.1
1
1
0
)。また,水深 15m層におけるかいあし類ノープリ
ウ ス の 分 布 密 度 の 変 動 係 数 (CV%)は
, 1991年 に 比 べ て 1992年は大きかった
(T
a
b
l
e1
1
2
)。このような違いはおそらく津軽暖流水 (TWC)の陸奥湾への流入量の差を
反映した結果と考えられる。♀ abdominalisとPseudocalanus属のコペポダイトは,秋季
の陸奥湾には出現しない(永峰ら, 1981)。北海道沖合の太平洋において P
. newmani
と巳旦也旦笠は 10月にそれぞれ 50m以深と 200m以深に分布する(山口・志賀, 1997)。
陸奥湾に冬季に出現する Pseudocalanus属コペポダイトは湾外から輸送され, 1992年
2月は 1991年2月よりも分布密度が高かった (
F
i
g
.1
1
1
1
)
0Pseudocalanus属 (Corkett
and McLaren,1978)や旦血盟主属はメス成体が卵を抱えて運ぶため,ノープリウスは
普通成体とともに出現するが,全 abdominalisは成体が出現しなくても湾内海底上に
i!h1975)0C. ~bdominalis
分布する休眠卵からノープリウスが瞬化する (Kasahara旦
のコペポダイトは 1991年 2月には分布密度が高かったが, 1992年は低かった
(
F
i
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1,Ta
b
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1
2
)。つまり 1991年は湾外と湾内の水塊交替量が少なかったため
に内湾を起源とする Centropages属ノープリウスが卓越し, 1992年は交替量が多かっ
たために Pseudocalanus属をはじめとする湾外を起源とする分類群の分布密度が高
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かったものと考えられる。ところで、 Oithona属のコペポダイト 1期から 5期まで(
C
1一
C5)は
種レベルで同定できないため,冬季湾内に出現する旦血盟主属のノープリウスの起源
が秋季に湾内に分布する成体か,湾外に分布する種であるのか不明である。ただし
1992年2月の東湾 S
t
n
.50では色豆出!註の占める個体数割合が他の地点よりも高く
(
F
i
g
.1
1
1
2
),この時期の東湾ではよく発達した油球を持つ旦生旦豆属のノープリウスが
O
.s
i
m
i
l
i
sのメス成体とともに出現していた。これらの結果より, 1992年2月に東湾でみ
られた旦並盟主属ノープリウスの高い分布密度は,主に色豆出Ii呈!こよって支えられて
いたものと推察される。
1
9
9
1年2月には,湾口部での海況データが得られていないが,湾内の水温と海水
F
i
g
.1
1
3
)
01
9
9
1年3月 1
1日と 1992年2月
密度の水平勾配は 1992年よりも緩慢であった (
29日の日本海の 1地点 (
4
10
0
0
'
N,1400
0
0
'
E
)における海面から 100m水深まで、の平均水
温および塩分値はそれぞれ, 9
.
30
Cと3
3
.
8
1PSU,9
.
20
Cと3
3
.
8
7PSUであった(青森県
0
.
1C低下させてから求めた σtの値は, 1
9
9
1年が
水産試験場, 1995a;1995b)。水温を 1
3
で、あり,両年の聞で、 σtの値に大きな差はみられ
2
6
.
3
1kg-m六 1992年が 2
6
.
3
7kg
・
m-
F
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g
.1
1
1
3
)。湾内における水深 15m層の平均海水密度は 1
9
9
1年が2
"
6
.
3
2kg
・
m六
ない (
1992年が 2
6
.
6
2kg
・
m-3であり (
T
a
b
l
e1
1
2
),鉛直的にほぼ均質の水塊であった。これら
の値からも 1992年は水平的に広がったフロントが津軽暖流水と湾内水の聞に生じ,
密度流によって大量の水塊が交換されたものと考えられる。しかし 1991年は,これら 2
水塊聞の海水密度の差は小さく, 1992年に比べてあまり水塊の交替が進まなかった
ことを裏付けているものと考えられる。 1991年2月の湾内にみられた低密度水は,前
年 1990年秋季の多量の降水量に起因する淡水の流入があったため生じたものと考
F
i
g
.1
1
1
4,青森市における 9月から 1
2月の全降水量, 1990年:669mm;
1
9
9
1
えられる (
年:390mm,気象庁, 1973-1997)。以上のように陸奥湾における冬季のかいあし類
ノープリウスの分類群組成は,地域的な気象条件に起因する海洋構造の年変動に
よって変化するものと結論付けられる。
P
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u
l(
1
9
8
3
)は,摂餌開始期のスケトウダラ仔魚が必要とするかいあし類ノープリウ
47
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スの分布密度を飼育実験により 8i
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.
r1以上と推定している。
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.
l(
1
9
8
9
)はスケトウダラ仔魚が十分な摂餌を行うためには全長
150-350μmのノープリウスが 20i
n
d
s
.
.
r1以上必要であると推定している。 P
a
u
le
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lニ
(
1
9
9
1)
は 1986年から 1989年の調査によってアラスカ州オーク湾では,おおよそ
1
0
1
5i
n
d
s
.
.
r1とし可分布密度が,大量のスケトウダラ仔魚を死亡させる原因とはなら
ないことを示した。マダラ仔魚が必要とするノープリウスの分布密度は知られていな
いが,摂餌開始期の仔魚が捕食するノープリウスのサイズはすでに前章で明らかに
7
.
5ー195μmであり,スケトウダラ(体幅 84μm以上;N
a
k
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n
i,1
9
9
5
)に比
した通り体幅 6
M
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e旦豆2
べてやや小型のノープリウスも捕食する。しかしマダラ仔魚の形態 (
1
9
8
1
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9
8
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s
e旦豆ュ 1
9
8
9
)と生活様式(後述)は,スケトウダ
ラのそれ.と非常に似通っており,同様なかいあし類ノープリウス分類群を利用する
(
K
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d
a
l
l弘単品 1
9
8
7,第 I章)。ノープリウス (
6
7
.
5
1
9
5
μ
mPW)の分布密度の中央値は
1
9
9
2年 1月 9日の水深 10m層では 1
4
.
7i
n
d
s
.
.
r1,1
9
9
2年 1月29日の水深 10m層では
1
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.
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.
"r1であった(
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)
。また 1
9
9
1年2月下旬と 1
9
9
2年2月下旬の水深 15m層
1
における分布密度の中央値はそれぞれ22.
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.
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.
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s
.
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であった。スケトウ
n
d
s
.
"
r1を上回る両年2月下旬のこれらの中
ダラ仔魚の知見を適用して考えると,20i
央値はマダラ仔魚の生残にとっても,十分な分布密度であろう。しかし 1992年 1月に
n
d
s
.
"
r1と低く仔魚の生残に対する影響をさらに検討する必要があるものと
は13-15i
考えられる。
前章でも述べたように Ps
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s属ノープリウスは,マダラ仔魚とスケトウダラ
仔魚の両者にとって相対的に大型の餌であり,他のノープリウスに比べて消化管から
出現する割合が高い (
K
e
n
d
a
l
le
ta
,
.
l 1987,第 I章)。また陸奥湾では Pseudocalanus
属ノープリウスの分布密度は津軽暖流水の流入量に関連していた。 1
9
9
1年は津軽暖
流水の流入量が少なかったため,分離浮遊卵であるスケトウダラの卵および表層近く
に分布する仔魚は,湾外の産卵場(おそらくは日本海,高津ら, 1
9
9
2
)から湾内へ輸送
される個体が少なかったものと考えられる。一方マダラ成魚は湾内で産卵するため
5
0
(
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村・小久保, 19
5
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),.
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s属を除いた湾内に高密度
に分布するノープリウスを 1
9
9
1年と 1992年の両年ともにマダラ仔魚は捕食可能で
あったものと思われる。すなわち,陸奥湾はスケトウダラに比べてマダラの成育場とし
て,より適している可能性がある。この差は産卵場が形成される場所と,海洋構造の
年変動に起因するものと考えられる。
本章では摂餌開始期のマダラ仔魚の餌であるかいあし類ノープリウスの分布密度
を検討した。今後マダラ仔魚の生残率や成長様式を検討するためには,マダラ仔魚
にとって必要な限界餌料密度を明らかにする必要がある。
5
1
m
.マダラ仔稚魚とかいあし類の時空間分布
目的
第 I章では全長 7mm以下のマダラ後期仔魚が初期餌料としてかいあし類ノープリ
ウスを捕食し,全長 7-70mmの仔稚魚はかいあし類コペポダイトを 70mm以上の個体
は端脚類ヨコエピ亜目と魚類を主に捕食することを明らかにした。また,第 E章では
かいあし類ノープリウスの空間分布と分布密度を明らかにした。マダラ仔稚魚の空間
分布に関しては, W
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s(1984),B
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eは旦到ュ (1985),Rugena
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e(1988),
興世田ら (1992)の報告があるが,陸奥湾における知見はない。魚類の初期生残機構
を解明するためには,年級群変動を決定付けると考えられる仔稚魚期の時空間分布
を明らかにする必要がある。ここでは陸奥湾におけるマダラ仔稚魚とその餌生物の空
間分布との関係を明らかにすることを目的とした。
材料および方法
野外調査
調査は 1988-1997年の 2月から 7月までの期間,陸奥湾において北海道大学水産
学部研究調査船うしお丸(107.85トン後に 128トン)と練習船おしょろ丸(
1,
383トン)を使用
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e1ト1)0 2月から 4月の期間,マダラ仔稚魚はプランクトン
して行われた (
ネット(口径:1
.0m,目合:0.33mm),稚魚ネット(口径:1.3m,目合 :0.62mm,胴尻目合:
0.33mm),ビームトロールネット(第 I章参照)の水平各層曳きによって採集した。この
ビームトロールネットは,網口から胴尻に向かつて順に 13mm,3
.
1m m,0.33mm
(1989-1990年)あるいは 13mm,3.1mm,0.72mm (1991-1997年)の目合で構成され,
3.1mm目合の開口面積は 0.90m2,0.33mmおよび 0.72mm目合の開口面積は 0.16m2で
ある。 5月から 7月には稚魚はオッタートロールネット(第 I章参照)の中層あるいは着
底曳きによって採集した。プランクトンネットと稚魚ネットにはフローメータを取り付け
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て漏水量を推定した。 1990年2月には各調査地点で,プランクトンネットによる海底直
.
5m'sec-1の速度で 1-3回繰り返した。稚魚
上から海面までの鈴直曳き採集を行い, 0
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-1の速度で 10分間水平曳きした。ビームトロールネットおよびオッ
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5m'sec-1の速度で、目的とする水深層で 10-15分間曳網した。
ターートローjレネットは約 1
曳網水深は稚魚ネットの場合はワイヤの繰り出し長と傾角によって求めた。ビームト
ロールネットとオッタートローjレネットはネットモニタ((株)カイジョー)で曳網水深を監視
し,ワイヤ長によって曳網水深を維持した。マダラ仔稚魚は採集後直ちに 5-10%の中
性海水フォルマリン溶液で固定し, 24-36時間後!こ 70施工タノール溶液に移した。
1990-1992年 4月と 1993年 6月 1998年 6月には,フローメータを取り付けた MTDネッ
ト(口径 :0.56m,目合:0.33mm,Motoda,1971)の3層同時曳網によってかいあし類力ラ
ヌス目コペポダイ卜を採集した (Table1
1
1
1
)。動物プランクトン標本は採集後直ちに 5%
中性海水フォルマリン溶液で固定した。 1988年 7月 12-18日には端脚類ヨコエピ E目
.
1m2)による
の水平分布密度を調べるために, Smith-Mclntyre型採泥器(採泥面積:0
標本採集を行った (Table川一 1
)
。各地点 3回づっ採集された 22地点分の表底堆積物は
1.0mmの簡上で洗浄した後残存物を 10%中性海水フォルマリン溶液で固定した。各
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観測点では水温・塩分をVARIOSENS1
びSeaBirdElectronics), DBT(METOCEAN 水温のみ)で計測した。
魚体測定と数値解析
実験室でマダラ仔稚魚の個体数を計数し,電子ノギスで全長を測定した(仔魚は
0.05mm単位,稚魚は O.lmm単位)。ビームトロールネットの開口面積は 2-3月には
0.16m2,4月には 0.90m2とし,これに目的とする水深層を曳網する聞に電磁口グによっ
て積算された曳網距離を掛け合わせて漉水量を推定した。ただしここではビームト
ロールネットの漉水効率を 100%と仮定している。また,全長 19mmの仔魚の体高は
3.1mmであり, 1989年 3月上旬に採集された個体の 97%がこの全長 19mm以下であり,
4月に採集された仔稚魚の 90%はこの全長を上回っていたために,これらの開口面積
55
を用いた。オッタートロールネットの開口面積は 25.96m2(網口:4.
4
mx5.9m)とし,ビーム
トロールネットと同様に目的とする水深層を曳網する聞の曳網距離を掛け合わせて
慮水効率を 100
括と仮定している。
漏水量を推定し, j
3標本以上の全長の比較には,一元配置の分散分析とシェフェの S検定による多重
比較を用いたが,パートレット検定によって分散の等質性が保証されない場合は対数
変換した全長を用い,対数変換した全長においてもパートレツト検定によって等分散
が仮定できない場合は,一元配置の分散分析のかわりにクラスカル・ウオリス検定を
用いた。ただし 1989年3月と 5月の標本では全長組成のヒストグラムに対称性がみら
れなかったため,パートレツ卜検定によって等分散が仮定されたとしても, 2
標本間の
全長の比較ではマン・ホイツトニーの U検定を, 3標本以上の比較ではクラスカル・ウオ
リス検定とシェフェの S検定による多重比較を用いた。 1991年4月の Stn.32におけるマ
ダラ仔稚魚の鉛直分布を昼間・日没時・夜間の 3つの時間帯聞で比較するために,対
数変換した分布密度を二元配置の分散分析によって検定した。 2水域聞の稚魚の分
布密度の比較には,標本数が十分ではなかったためにマン・ホイットニーの U検定を
用いて検定した。有意水準はすべて 0.05を用いた。
結果
2月および3月におけるマダラ仔魚の空間分布
卵黄を持っている前期仔魚は 1990年2月上旬と 1989年3月上旬の湾口部 Stn.10で
1
1
2
)
01990年2月上旬には,全長3.95mmの前期仔魚 1個体が
のみ採集された (Table1
Stn.10の 水 深 30m層 で 採 集 さ れ た (
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)0 1989年 3月 上 旬 に は 全 長
3.20-5.30mm (平均±標準偏差=4
.
4
主0.65mm)の前期仔魚が Stn.10の水深 45m層から
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3,Table1ト2
)。これら 12個体以外の前期仔魚は他のいずれの地
採集された (
点・時期にも採集されなかった。
, 1991年
, 1992年各年の 2月には,
卵黄をすでに吸収し尽くした後期仔魚は, 1990年
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水 深 10mから 45mまでの範囲で採集された (
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8- D入 1990年 2月 に は 全 長
3.50-5.30mm(平均±標準偏差=4.
4
土0.62mm)の後期仔魚 9個体が湾口部から採集され,
これらの個体とは別に全長 5.15mmの 1個体が西湾南部 Stn.20'の水深 30m層で採集
F
i
g
.111-2-A-8)
。さらに比較的大型の仔魚2個体(全長 9.00mmおよび 10.20mm)
された(
が東湾脇野沢沖の Stn.29でプランクトンネットの鉛直曳きで採集された(鉛直曳き 1回
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2
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)
。
のみ実施 F
1991年 2月下旬には,調査は湾内のみで行われた (
F
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)。水深 11-17m層に
おいては,東湾 Stn.45で最も高い分布密度を記録した (
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.・
1,
000m勺。東湾
Stn.30
では水深によって後期仔魚の全長に有意差は認められず(クラスカル・ウオリ
=2,P=0.90),最も小型の仔魚 (3.60mmTL)は,水深29m層で採集
ス検定, KW=0.22,df
された。全長 4.95mmと5.10mmの小型仔魚はそれぞれ東湾 Stn.50とStn.45で採集さ
れた。これらを除く仔魚の全長範囲は 6.00ー15.50mmであった。
1992年 2月 下 旬 に は 後 期 仔 魚 は 湾 内 に 広 く 分 布 し , 東 湾 S
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.33(170i
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..
000m勺で最も分布密度が高く,この地点では水深 15m層の水温が最も低かった
1,
(
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1
1
2
D
)。西湾では 2個体の小型後期仔魚(全長 4.55mmおよび 5.00mm) ,
と 3個
体の大型仔魚が採集された(全長 13.65-14.65mm)。東湾における後期仔魚の全長は
8.65mmから 19.95mmの範囲にあり,小型の仔魚はみられなかった。
1989年 3月 上 旬 に は 合 計 1,
348個 体 の 後 期 仔 魚 と 1個 体 の 稚 魚 が 採 集 さ れ た
(
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)。後期仔魚は S
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.28および Stn.29の 水 深 8mおよび 10m層で採集された
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1
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)。またこの時期,後期仔魚はビー
が,表層と水深 5mでは採集されなかった (
F
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1
3
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)。湾口部
ムトロールネットによって主に水深 12-20m層で採集された (
Stn.10
で採集された後期仔魚の全長の中央値は,水深 15m層で 5
.
1mm(N=97),水深
31m]
冒で 5.8mm(N=47),水深 45m層で 5.0mm(N=33)であった。これらの全長には有意
=2,P=4.3・
1
0
-7),シェフェの多重比
差がみられ(クラスカル・ウオリス検定, KW=29.3,df
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.
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較 で は 水 深 15m層と水深 31m層の聞と (S検 定 :
P=2.2・
1
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-6),水深 31m層 と 水 深 45m層 の 聞 に は 有 意 差 が み ら れ た が (S検 定 :
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(S検定 :
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6,P=0.65)。すなわち水深31m層における後期仔魚は相対的に大型
であった。西湾北部 Stn.19における全長の中央値は,水深20m層では 6.0mm(N=129),
水深 30m層では 5.9mm(N=79),水深 41m層では 5.5mm(N=17)であり,標本聞に有意差
=2,P=0.15)。東湾脇野沢沖
はみられなかったのラスカル・ウオリス検定, KW=3.74,df
の Stn.30における全長の中央値は,水深 15m層で 5.3mm(N=30),水深 30m層では
6.6mm(N=15)であり,標本聞に有意差はみられなかった (U検定:仇;
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P=0.13)。
この 1989年3月上旬には,水深 12-20m層におけるマダラ後期仔魚の最も高い分布
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。水深 12-20m層にお
密度は湾口部 Stn.8でみられた (
けるすべての採集地点をまとめた全長組成では, 12.05-13.00mmの階級を境として小
型個体と大型個体がみられ,最頻値(モード)は 4.05-5.00mmにみられた。また,水深
12-20m層における全長組成の最頻値は, S
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.
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4
'では 6.05-7.00mmr
,
こ Stn.42では
8.05-9.00mmにみられたが,その他の地点は 4.05-5.00mmあるいは 5.05-6.00mmにみ
られた。全長4.00mm以下の小型の後期仔魚は主に湾口部にみられたが(全 28個体),
他の水域では西湾北部 Stn.16で1個体のみ出現しただけであった。また,湾口部では
全長 13.00mmを超える仔魚は Stn.8で1個体, Stn.10で2個体しか出現しなかった。
4月におけるマダラ仔稚魚とかいあし類カラヌス自の空間分布
第 I章において述べたように,マダラ仔稚魚の 4月から 6月までの主要餌生物はか
いあし類カラヌス目コペポダイトである。 1990-1992年4月の昼間には,仔稚魚とカラヌ
ス目コペポダイトは様々な水深に分布したが,カラヌス目の昼間の鉛直分布が得られ
ていない 1991年の Stn.32を除いて,カラヌス目の分布密度が高い水深で仔稚魚の分
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)。ただし 1990年4月下旬には, Stn.10付近で海
布密度も高かった (
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こ底建網が設置されていたために,ビームトロールネットによるマダラ稚魚の
鉛直分布は Stn.10のかわり!こ Stn.13で調査を行った。
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(
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.
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1,
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.13に近い Stn.10において水深 15m層で高い分
布密度がみられた (450i
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1,
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は仔稚魚と力ラヌス目はそれぞ、れ 42m層 (
3
, Stn.31ではそれぞれ 42m層 (14.
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s
.・
1,
000m勺および45m層 (310i
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s
.
'm勺
)で
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で分布密度が高かった。 1991年4月にはマダラ稚魚とカラヌス目は,西湾 Stn.16'では
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3
.
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1,
000m勺および 45m層 (230i
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)で分布密度が高く,東湾 S
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した (39.5i
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.・
1,
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01992年4月にはマダラ稚魚の分布密度は西湾 Stn.19にお
いて水深 31m層で 8.0i
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1,
000m六 46m層で 5
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は 水 深 29m層 で 620i
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1,
000m-3および 930i
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.
'
m勺
。
と40m層で高い分布密度を示した(12.0i
1991年 4月には東湾 Stn.32において,マダラ仔稚魚は昼間,水深 15m層で最も分
布密度が高かったが,日没直後と夜間はともに水深 24m層で分布密度が高かった
(
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。しかし,採集層が昼間・日没時・夜間のそれぞれで3層しかなかったこと
もあり,統計的には日周鉛直移動は有意で、はなかった(二元配置の分散分析,採集
時刻による分布密度の差:P=0.33,採集層による分布密度の差:P=0.35,Table1ト3
)。
マダラ仔稚魚の全時刻を通じた全長範囲は 12.8-36.1m mであり,平均値と標準偏差
は2
7
.
1士 4.19mmで、あった (N=176,F
i
g
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1
1
7
8
)。合計 9回の採集標本間で,平均全長
1
0
-6),昼間よりも夜間で大型にな
には有意差がみられ(一元配置の分散分析, P=7.7・
る傾向がみられた。しかしそれぞ、れの時間帯内における採集水深聞の平均全長に
は有意差はみられなかった(一元配置の分散分析,昼間:P=0.
4
3,日没時:P=0.84
,夜
間:P=0.057)。この 1991年4月の Stn.32におけるカラヌス目鉛直分布は,昼間は不明
F
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6
8,
であるが日没時と夜間にはいずれも水深 40m層で高い分布密度を示し (
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mサ;夜間:63i
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m勺,マダラ仔稚魚の鉛直分布とは一致しなかっ
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-7-A)
。
1990-1992年4月においてマダラ仔稚魚は陸奥湾湾内に広く分布した (Fig.III-5-A-
c
)。水深30m層の水温分布についてみると,各年とも湾口部西側に高水温域がみら
れた。水深 12-20m層において,各年とも湾口部 Stn.8のマダラ仔稚魚の分布密度は
Stn.10
よりも低かった。 1991年4月の湾口部 Stn.2および Stn.5の水深 15m層では,そ
れぞれ全長5.05mmと6.10mmの合計2個体しか採集されなかった。
昼間に限定すれば,マダラ仔稚魚の 7回の鉛直分布調査のうち 6回は採集層別の
平均全長に有意差はみられなかった(一元配置の分散分析, 1990年の Stn.13:
t
n
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9
:P=0.20,S
t
n
.3
1:P=0.20,1991年の S
t
n
.1
6
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:P=0.28,S
t
n
.3
2
(前述):
P
=
0
.
2
1,S
P=0.
4
3,1992年の S
t
n
.4
3
:P=0.17),(1992年の S
t
n
.1
9
:P=0.015)。このため採集層を考
慮せずに平均全長を各地点で比較すると 1990-1992年の 3年間でいずれの年でも
有意差がみられ(一元配置の分散分析すべて Pく0.001),主に小型の仔稚魚は湾口
部に,大型の稚魚は東湾に出現した。
5月から 7月におけるマダラ稚魚の空間分布と6月におけるかいあし類カラヌス目の鉛
直金査
1989年5月にはマダラ稚魚は主に海底直上に分布し, 1989年7月には海底上以外
1
1
4
)。第 I章で述べたように,全長 70mmよ
に分布する稚魚はみられなかった (Table1
り小型の稚魚の主要餌生物はかいあし類カラヌス目コペポダイトである。このカラヌス
目コペポダイトは湾内 3地点において 1993年6月の昼間,海底直上に高密度に分布し
F
i
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.1
1
1
8
)。一方湾口部では 1998年6月の昼間,海底直上よりも中層域で高密
ていた (
.
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.
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m勺
。
度であった(水深 69m層:9
5月から 7月においてマダラ稚魚の分布密度が高かった地点は,年によって様々で
F
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g
.1
1
1
9
)
01989年の 5月と7月には,東湾とそれ以外の水域の分布密度には有
あった (
=30,rF7,
6,P>0.20;1989年7月:Us
=18,
意差がみられなかった(U検定, 1989年5月:Us
rF8
,
3,P>0.20)01990-1991年と 1993ー1997年の 6月には東湾とその他の水域の同様
な比較は,十分な曳網回数が得られなかったために 0.05水準で、 U検定は行えなかっ
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9
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5年6月
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9
6年6月
, 1
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, 5
年6月)は最も分布密度が高かった地点が東湾にみられたが, 6
月下旬から 7月(
1
9
8
9
年7月
, 1
9
9
3年6月
, 1
9
9
4年6月)には西湾北部あるいは湾口部でみられた。 6月中旬
では 1
9
9
0年が東湾で, 1
9
9
1年は西湾で分布密度が高かった。水温とマダラ稚魚の分
布密度の関係に注目すると, 1
9
8
9年5月中下旬と 1
9
9
6年 6月上旬には,海底直上の
9
8
9年
水温が低い陸奥湾中央部には稚魚はあまり多くは出現していなかった。一方 1
7月には,稚魚はほぼ水温 1
20C未満の水域に出現していた。
1
9
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9年5月の全長には地点によって有意差がみられたのラスカル・ウオリス検定,
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Lにみられ
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Lに Stn.47では 55.1-60.0mm T
Lに
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t
n
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.
1
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m TUこ最頻値がみられ,採集個体数が少なかった
S
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n
.
3
0および S
t
n
.3
5を除いて南から北に向かって稚魚は大型化していた。また東湾
2
.
6
m
mよりも大型の個体はみられなかったが,西湾および湾口部ではこ
では,全長 8
t
n
.
2
0
では 8
2
.
6
m
mよりも大型の個体が
のような大型の個体が出現し,特に西湾南部 S
4
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%を占めた。
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全長組成を示している。全長には 1
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9年5月と同様に地点間で有意差がみられた(ク
W
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7
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.
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6,P
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.
8・
1
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-14)。全長の中央値が最も小さかっ
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たのは西湾北部 S
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.
1
9であり (
5
5
.
0
m
mT
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),逆に最も大きかったのは東湾 Stn.37で
6
5
.
7
m
mT
L
)。湾口部 Stn.12,西湾 Stn.13およびStn.19,東湾西端の Stn.30で
あった(
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74
は,全長50mm以下の稚魚が 6.8-32.4%を占め,全長の標準偏差は 9.16-11
.8mmの範
囲であった。一方,東湾 Stn.37,Stn.43,Stn.50では全長 50mm以下の個体が占める
4
-2.0%と低く,標準偏差も 7.61-7.79mmの範囲にあり小さかった。また Stn.13,
割合は 1.
S
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.19,S
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.30
では二峰型の全長分布を示していた。
1988年7月における端脚類ヨコエビ亜日の水平分布
第 I章で述べたように,端脚類ヨコエビ E目は魚類とともに全長 70mmを超える稚
魚の主要餌生物である。端脚類ヨコエビ E目は 1988年7月には主に湾口部に分布し
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2,40.0-443.3i
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m勺。湾内では水深 42mよりも浅い水域でわずか
ていた (
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.・
mη 水深 43-65mの範囲では, Stn.14(
水深 64m,
な個体が採集されたが(0-23.3i
1
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.
"
m勺を除いてヨコエピ亜目は採集されなかった。
考察
川村・小久保(1950)は1940年代の調査に基づいて,マダラの産卵は 12月から 1月の
期間,湾内の泥砂質で行われていると報告している (
F
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.
l
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)。本研究においてマ
ダラ前期仔魚は陸奥湾湾口部でのみ採集され,全長 4.00mm以下の後期仔魚も主に
湾口部で採集された。したがって,マダラの産卵は少なくとも最近では主に湾口部で
F
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1
3,F
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.1
1
1
1
4
)。奥世田ら (1992)は日本海能登
行われているものと推察される (
島沖で海底上に分布するマタラ卵を採集し,産卵は主に水深 60mで行われていると
述べている。陸奥湾の湾口部もおよそ 60m前後の水深であるが,マダラ卵の分布に
ついては明らかではない。このため産卵場を特定するには 12月から 1月に湾口部から
湾内において受精卵と前期仔魚の分布調査を行う必要があるものと考えられる。
第 E章で述べたように,湾内表層域はかいあし類ノープリウスが高密度に分布す
F
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1
6,F
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1
7,F
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1
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3
)。しかし 1989年3月上旬には,マダラ仔魚は表層から
る(
F
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1
1
4
)
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a and Davis(1990)の室内実験によれ
水深 5m層では採集されなかった(
ば,スケトウダラ仔魚(体長 4-8mm)は,表層域の擾乱と強い光を避けて水槽内の下
75
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78
方に分布することを観察している。おそらくマダラ仔魚も同様な理由によって表層域を
避けて分布しているものと考えられる。
冬季および春季の陸奥湾には,主に湾口部西側の表層と中層域から高温・高塩分
の津軽暖流水 (TWC)が流入し流入した水塊は湾内で希釈・冷却されて湾口部東側
海底近くから湾外へ流出する(大谷・寺尾 1974)01989年3月上旬には湾口部 Stn.10
において水深 45m層でマダラ前期仔魚が 1
1個体採集されたが,後期仔魚は水深 15m
層で多く採集された (
F
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.1
1
1
3
)。この時 Stn.10では水深 43m層から 50m層にかけて水
温躍層 (6.6-7.8QC)が形成されていた。この躍層は津軽暖流水(水深 42m以浅,
7.9-8.
4QC,34.0PSU以上)と,湾内から流出する水塊(水深 51-61m,6.
4
-6.5QC,
3
3
.
9PSU未満)との間に形成されていた。津軽暖流水中に分布する仔魚は湾内へ移
送されるものと考えられ,仔魚の全長組成の地理的変化は湾内への輸送過程を反映
しており,湾奥ほど大型個体が出現していた (
F
i
g
.1
1
1
3
)。第 E章で明らかにした 1月と 2
月のかいあし類ノープリウスの鉛直分布から判断して,湾内と湾口部のいずれにお
いても海底直上のノープリウス分布密度は,表層に近い層あるいは密度躍層に比べ
F
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g
.1
1ト1
3
)。また,表層に近い層ではノープリウスは湾口部
て低いものと考えられる (
よりも湾内で分布密度が高かった。したがって湾口部海底上で瞬化した仔魚の浮上
は,単に十分な餌密度を獲得するためだけではなく,密度躍層よりも上層を占める津
軽暖流水を利用して餌密度の高い湾内へ移動するものと考えられる。
Paul (1983)は,スケトウダラ仔魚が捕食可能な限界照度は O.
4l
u
xであり,その照度
l(1995)
はベーリング海では水深 30mlこ匹敵することを明らかにした。 Hillgruberet a.
は,ベーリング海に分布するスケトウダラ仔魚にとって水深30m層は適水温かつ餌密
度も高い水深層であり,そこでは仔魚の体長が水柱中で最も大型であったと述べて
いる。 1989年 3月上旬に湾口部 Stn.10の水深 31m層では,他の水深に比べてマダラ
F
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g
.1
1
1
3
8
),スケトウダラ仔魚と同様に大型の仔魚ほど餌密度が
仔魚が大型で、あり (
高い層に集中することを示している可能性がある。ただし本研究では 1989年 3月の
Stn.10におけるノープリウスの鉛直分布の結果は得られていない。また,湾内 (1989
79
年 3月の Stn.19とS
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1年 2月の S
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.
3
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)ではマダラ仔魚の鉛直的な全長の差
がみられなかった (
F
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1
3
8
)。このことは,湾内のようにノープリウスの分布密度が
最大でも 2倍程度の差しかない場合には,仔魚の鉛直的なサイズの差は生じないの
かもしれない。今後はマダラ仔魚とかいあし類ノープリウスの同時採集と仔魚の捕食
可能照度の測定を行って,仔魚の鉛直的なサイズの差とノープリウスの鉛直分布密
度の関係を確認する必要がある。
8
0
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t旦
豆ニ (1985)は7月のオレゴン州沖合において,標準体長9ー19mmのマダラ
仔魚が昼間水深 20-30m層で分布密度が高<.夜間は海底に近い水深 50mよりも深
い層に分布したことを報告している。本研究でも 1991年 4月にマダラ仔稚魚の夜間沈
降が認められたが統計的には有意ではなく,その程度はおおよそ 10m以内であった
(
F
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7
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)。現在のところこの夜間沈降の原因は明らかではないが,少なくとも仔稚
魚の摂餌活動に起因するとは考えられない。なぜなら,マダラ仔稚魚は昼間には力ラ
ヌス目コペポダイトの高密度層に分布したが(
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5,F
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),夜間にはこれらの
一致がみられず (
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6
8,F
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.1ト7-A),主に昼間摂餌を行うと考えられるからであ
0
る。また,昼間に水深による仔稚魚サイズの差はみられず,後述するような水温 12C
を上回るような仔稚魚の分布を制限する水温は4月には観測されていなかった。これ
月のマダラ仔稚魚に生じた鉛直分布の地理的変異は,仔稚魚の個体
らの事実は, 4
発生的な移行を反映したものというよりは,力ラヌス目の鈴直分布に応じて分布層を
変化させている状況を示していると考えられる。ただし夜間には昼間に比べて平均
全長の増加が認められたことから,魚体の大型化に伴ってビームトロールネットの採
集効率が減少しており, 4月の昼間に採集されるマダラ仔稚魚のサイズおよび分布密
度を過小評価している可能性がある。
5月下旬以降マダラ稚魚は主に海底直上に分布し (
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1
4
),6月には力ラヌス目
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1
8
)。陸奥湾とその湾口
コペポダイトも湾内では海底に近い層に集中していた (
部におけるマダラ稚魚の全長の地理的変異は,津軽暖流水による輸送過程を示すも
のと考えられる (
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)
。産卵期の早い時期と遅い時期に
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産まれた個体は主に西湾と湾口部に出現し,中間的な時期に生まれた個体は主に
東湾に分布したものと考えられる。 1989年5月中下旬と 1996年6月上旬には多くの稚
魚が,湾口部を除いた湾内の比較的水深の浅い水域に出現した (
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)
01989年5
月 に は , マ ダ ラ 稚 魚 の 主 要 餌 生 物 で あ る Pseudocalanus属 や Centropages
0
などのカラヌス目は,海底直上の水温が相対的に低い(およそ 9C以下)水
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),稚魚とその餌生物の水平
域で分布密度が高く(高津ら, 1992;F
F
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1
9
)。これは,マダラ稚魚の着底が主に水深 30m前後
分布の一致はみられない (
の浅海域で生じ,その後稚魚は水温の上昇と力ラヌス目の減少に伴って水深の深い
水域に移動するためと考えられる (
F
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.1ト14)04月にはマダラ仔稚魚は湾
口部にはほとんど分布していなかったが(
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1
1
5
),1989年5月には稚魚は湾口部に
F
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1
9
)。このことは 5月中下旬には一部のマダラ稚魚は湾外へ移
も分布していた (
動し始めることを示しているものと考えられる。
マダラの成魚および未成魚は水温 120Cを上回る水域にはほとんど出現しない(内
1
1村・小久保, 1950;橋本, 1974)07月のマダラ稚魚は主に端脚類ヨコエビ
田
, 1936;1
E目とスケトウダラ稚魚を捕食し(第
I章),ヨコエビ亜自は主に湾口部に分布した
(
F
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2
)。また餌となるスケトウダラ稚魚も, 6月以降陸奥湾から湾外へと移動する
(高津ら, 1992)。したがってマダラ稚魚は高水温と餌不足を避けて,湾外へ移動する
ものと考えられる。
本章では陸奥湾におけるマダラ仔稚魚の時空間分布を明らかにし仔魚期から稚
魚期を通じて湾内のかいあし類ノープリウスと力ラヌス目コペポダイトの再生産を通じ
て成育場として利用していることが確認された。 4月および6月におけるマダラ仔稚魚
の分布密度の年変動については次章以降で検討する。
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83
lV.マダラ着底稚魚の食物組成と相対成長の年変動
目的
前章で示したように陸奥湾で採集されるマダラ稚魚は,年によって採集個体数が大
きく異なることが明らかとなった。ここでは個体の生残に直接作用する要因の 1つとし
て着底稚魚の食物組成を調べ,その年変動が稚魚の栄養状態におよぼす影響を検
討した。
材料および方法
マダラ着底稚魚の採集と魚体・胃内容物の測定
陸奥湾の湾内および湾口部におけるマダラ稚魚の胃内容物組成を 1991年は5地点,
1993年は 4地 点 1995年は 5地 点 1997年は 7地 点 1998年は湾口部の 1地点で調べ
た(Fig.IV-1)。マダラ稚魚は前章と同様に,オッタートロールネットの着底曳きによって
採集し, 5-10%の中性海水フォルマリン溶液で 24-36時間固定した後, 70%エタノール
溶液に移して保存した。また各採集地点では NORPAOネット(目合: 0.33mm)による海
底直上から海面までの鉛直曳きによってかいあし類力ラヌス目コペポダイ卜を採集し
た
。
合計 513個体の稚魚の全長 (O.lmm単位),体重 (lmg単位),胃内容物重量 (lmg単
位)を計測し,胃内容物の同定・計測・計数を行った。食物組成は各採集地点ごとに出
現 頻 度 (F%),個体数組成 (N%),湿重量組成 (W%)であらわした。胃内容物重量示数
(501)は各個体ごとに以下の式で計算した。
閏内容物重量示数 (501)=胃内容物重量(回 x100/{体重 (
g
)ー胃内容物重量(回}
個体の体重(胃内容物重量を除く)と胃内容物重量示数 (501)の関係を検討した際には,
閏内容物中において湿重量で最も高い値を示した餌項目と,その餌の体サイズ(体
幅)をもとに,稚魚を5つのカテゴリーに分類した。カテゴリーはまず「力ラヌス目を主食
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5
としていた稚魚 (Calanoidfeeder)Jと「カラヌス目以外を主食としていた稚魚」に分けた
のち,後者はさらに主食としていた餌のサイズをもとにして,小型餌食者 (Small-sized
p問 yfeeder
,S,力ラヌス目を含まない平均体幅 0.6mm以下の餌生物食者),中型餌食
者 (Middle-sizedpreyfeeder,M,平均体幅0.6mmより大きく 1.0mm以下の館生物食者),
大型餌食者 (Large-sized preyfeeder,L,平均体幅 1.0mmより大きく 2.0mm以下の餌
生物食者),超大型餌食者(Very-Iarge-sizedpreyfeeder,LL,平均体幅2.0mmを超え
る餌生物食者)の 4つに分類した。胃内容物から出現した各餌生物の体幅は
TableI
V
1に示した通りである。
マダラ着底稚魚の食物組成の座標づけ
マダラ稚魚の食物組成が採集年や地点ごとに,どのような要因によって変化する
のかを明らかにするために,餌項目×地点の出現頻度ヂータ(胃からその餌が出現
i
l
l,1973)
を用い
したマダラ稚魚の個体数)に対応分析 (correspondenceanalysis,CA;H
o
r
d
i
n
a
t
i
o
n
)を行った。座標づけによる解析は,餌項目と地点のデータを分
て座標づけ (
類可能であるだけではなく連続的に変化するデータの相互関係を多次元空間中に
散らばる位置づけとしてあらわし各次元の座標軸の持つ意味を解釈することで,
データを変化させる因子との関係を求めることができる(小林, 1995)。なお,種×地点
I
I and Gauch
の個体数データ!こ CAを適用する場合の注意点などについては, Hi
(
1
9
8
0
),Digbyand Kempton (
1
9
8
7
),小林(
1
9
9
5
),品川・多部回 (1998a,1998b,1998c)
に詳しく述べられている。対応分析の計算には MVSPPlusV
e
r
.
2
.
2
i (Kovach,1995)を
使用した。
マダラ着底稚魚の相対成長と食物転換サイズの解析
マダラ稚魚の全長と体重との関係式は,摂餌量が体重の最大 9.8%を占める個体も
あったため,本研究では体重から閏内容物重量を引いた値を用いて求めた。なお,
稚魚の固定・保存液による全長の収縮や体重の損失は,この解析では考慮していな
い
。
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0.20-0.25-0.28
1.46-1.48-1.50
0.40-0.74-1.58
0.33-0.89-1.70
.6
7
0.11-0.68-1
0.43-0.51-0.58
1
.04-2.41-3.70
0.34-0.69-1.26
0.58-0.61-0.64
0
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0.21-0.27-0.34
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Truncated
マダラ稚魚がかいあし類カラヌス白から,大型の餌に転換するサイズを検討するた
S
h
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dTL)を以下の式で求めた。
めに各採集地点ごとに転換全長 (
S
h
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t
e
dTL
,mm)=[max{TL1}
+min{TL2}
]
/
2
転換全長(
max{TL1}:力ラヌス目を主として捕食していた最大個体の全長
min{TL
}
:力ラヌス目より大型の餌を主として捕食していた最小個体の全長
2
ここで「主として捕食していた餌」とは,各個体ごとに胃内容物中において湿重量で最
も多く捕食していた餌生物のことである。なお,餌生物を十分捕食しておらず,
r
主とし
て捕食していた餌」を判定できない個体は解析から除外した。また,同一地点で解析
を行ったすべての個体がカラヌス目を捕食していた場合,転換全長は解析を行った
個体の最大全長より大きいと判断し逆にすべての個体が力ラヌス目より大型の餌を
捕食していた場合は,転換全長は解析を行った個体の最小全長より小さいと判断し
た
。
結果
マダラ着底稚魚の摂餌強度の時刻変化
陸奥湾の湾内および湾口部におけるマダラ稚魚の摂餌強度を採集時刻ごとに胃
内容物重量示数 (SCI)の中央値で示した (
F
i
g
.
I
V
2
)。全 22回の採集のうちで最も早い
時刻 (
0
8
:
41)に採集された 1
9
9
1年の湾口部 S
t
n
.
1
2において SCIの中央値は 0
.
0
7と低
9
:
0
1に採集された 1
9
9
7年の東湾 Stn.50
では 2
.
0と比較的高い値を示した。
かったが, 0
1
0
:
0
8- 1
1:
1
3には相対的に高い値 (
1
9
9
7年の Stn.19と1
9
9
7年の S
t
n
.
3
7
)と低い値
(
1
9
9
5年の S
t
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3,1
9
9
7年の S
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.1
2,1
9
9
5年の S
t
n
.1
3
)がともにみられ, 11:13-13:13
には S
C
I
=
0
.
5以下の中央値がみられなかった。しかし, 13:13-15:08までは再び S
C
Iの
中央値が高い地点と低い地点がともにみられた。採集時刻が比較的近く (14:131
5
:
0
8
),同一地点で採集が行われた 1
9
9
1年
, 1993年
, 1995年
, 1997年の Stn.30
では,
いずれの年も力ラヌス目を多く捕食しており(後述), SCIの中央値は 1
9
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1年と 1
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9
に高く, 1993年と 1995年に低かった (1991年:1
.7,1993年:0.87,1995年:0.76,1997
年:1
.
8
)
。
次に稚魚の個体ごとの 801値と体重の関係を Fig.IV-3に示した。 1991年にみられる
801値が 0
.
5未満の低い値を示した個体はすべて 0
8
:
4
1に8
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n
.12で採集された個体で
あり,これらを除くと閏内容物重量 (80W)は O.Olgから 0.05gの範囲にあった。また
801=0.5以上の個体は 4個体を除いてすべて力ラヌス目を捕食しており,稚魚の大型
化に伴って 801値が減少する傾向がみられた。このような 801値の減少は 1993年と
1995年にも観察されたが, 1995年の 8tn.37で採集された大型の 2個体のうち体重
4
.
8g(全長 TL:92.5mm)の 個 体 が 主 に ワ レ カ ラ (Oap問
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)を,体重 5
.
0
g(全長
TL:92.
4mm)の個体がコモチジヤコ Amblychaeturichthys 笠出也豆を捕食しており,それ
ぞれ 801値 0
.
9と3.4という大型個体にしては高い値を示した。一方 1997年には大型個
体でも高い 801値を示す個体が多数みられ,他の年には全くみられない 801値 6以上
の個体が218個体中 9個体出現した。この年,カラヌス目を主食としていた個体の最大
胃内容物重量 (80W)は0.026gであり, O.lg以上を示した個体の多くは体幅 2.0mm以上
の 仔 稚 魚 (LL,Very-Iarge-sized prey)と十脚類遊泳亜日ジュベナィル (Natantia
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e,エビ類, LL)を捕食していた。採集時間の中央値に年変動はあるが, 1991年
の 8tn.12を除いて各年の摂餌量の中央値を求めると, 1991年(採集時刻の中央値:
1
1:
5
4
)は 0
.
0
2
1g,1993年 (
1
3
:
1
3
)は 0.020g,1995年 (
1
1:
2
0
)は 0
.
0
0
7g,1997年 (
1
1:
2
4
)は
0.018g
,1998年 (13:13)は0.014gであった。また,摂餌量には採集年によって有意な差
1
0
-11),1995年とその他
が認められ(クラスカル・ウオリス検定, KW=52.7,df=4,P=9.9・
の年の聞には有意差が認められた(シェフェの S検定:I
x
x
=
1
1
5
.
1,VE=19,
563,
,
jl
df
=4,504,P=1.9・10-9)。
マダラ着底稚魚の食物組成
マダラ稚魚の各年各地点別閏内容物組成を出現頻度 (F%,TableIV-2),個体数組
i
g
.I
V
4
),重量組成 (W%,Ta
b
l
eIV-4
,F
i
g
.I
V
5
)で示した。 1991年
成(N%,TableIV-3,F
90
4
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10
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g,exclude SCW)
June 1995
• 10 Calanoid feeder
(Mean BW=O.34mm)
3
口 Small-sized prey feeder
(Mean B W:
sO.6m-m,e
-xclude Calanoida)
2
企
×
Middle-sized prey feeder
(O.6mmくMean B W三 1.0mm)
x Large-sized prey feeder
(1.0mmくMean B Wぎ 2.0mm)
0.01
0 0 1 2 3 4 5
Bodyweight(
g,excludeSCW)
•
Very-Iarge-sized prey feeder
(M ean BW 2.
Om m)
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I
--議努腐;;;;;jilli;:~22 ,
円。白戸
56.
4-84.3mm
,57.0-78.6mm
i
:
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係
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剛 20,56.7-84.7mm
限設設朝 13,66.9-86.1m m
E
,
--_
.三:欄間醐 20,45.5-92.9mm
的∞∞↑
盟国 20,53.6-88.0mm
43圏
欄 醐 醐 由 醐 20.47.6-86.5mm
塵臨調 20,57.6-92.6mm
盟富盟語盟富富富富富盟富富器誼癌謹趨醐
師園田 20.41.6-82.
4m m
ha
∞
32,43.2-80.5mm
α3
~I 5
固 Limacin~ s
p
.
日 corycaeu~ spp.
固 Gammaridea
図 Caprellidea
目Natantiajuvenile
l量級協~例会:~:~:~:~:~::132 , 48.1-72.6mm
口Calanoida
図 Cumacea
図 Hyperiidea
図 Euphausiaceaf
u
r
c
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l
i
a
困 Natantiazoea
図 ReptantiaAnomurazoea 図 ReptantiaAnomuramegalopa
図 Reptantia8rachyurazoea 図 Reptantia8rachyuramegalopa
図 Sagittoidea
図 PISCESl
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a&juvenile
固 Others
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凶 笠 選 圃 圃 圃 圃 圃 圃 圃 圃 圃 圃 20
,65.5-81.
4m m
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12 騒窟聖観
13
麟忽務妨勿勿~ー・・ 20, 52.7-78.0mm
∞
F
20
30
lzizi:i:::三穆忽~匝週・・・・・・ 20 , 53.
4-77.6mm
43
髄 圏 圃 圃 圃 圃 圃 圃 ・ 20
,55.5-81.5mm
陸・ー・・・・・ 20,61.5-87.
4m m
の∞∞戸
認 掴 22,56.4-84.3mm
7
. 57.0-78.6mm
E
2
2
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提民会設吾輩廻・・・・・ 20,56.7-84.7mm
~~ぬ~ぬ否決姻圃 13 , 66.9-86.1m m
回∞白戸
30臨盟
43醐
瞳藤喜三割穏鐙鐙圃圃圃圃圃圃・・・・ 20,45.5-92.9mm
器提言設設設設宣投苔酒圃 20.53.6-88.0mm
醸鰯鶴屋三雪j
際線怒綴怒駒田・・・・・・ 20.47.6-86.5mm
2
0
.57.6-92.6mm
盟蝿盟盟盟蝿輯盤罷盛欝盟盟盟趨盤
守
InU
4 1 4 1 4 1 n d aT
且 ndFO
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4m m
32,38.7-86.7mm
30,47.4-82.9mm
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30,38.3-77.8mm
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1,38.7-83.8mm
欝諜i
主
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号
32,49.7-90.2mm
32,43.1-84.7mm
32,43.2-80.5mm
I
臣室部~:::::::~:~:::~:~:~:~:~132 , 48.1-72.6mm
固 Limacin~ s
p
.
口Calanoida
日 Gorycaeu~ spp.
固 Gammaridea
困 Caprellidea
国 Natantiajuvenile
図 ReptantiaAnomurazoea
図 Reptantia8rachyurazoea
図 Sagittoidea
固 Others
図Cumacea
図 Hyperiidea
図 Euphausiaceaf
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回Natantiazoea
図 ReptantiaAnomuramegalopa
図 Reptantia8rachyuramegalopa
図PISCESlarva&juvenile
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96
および 1993年には摂餌強度が低かった 1991年の Stn.12を除いて F%,N%,W%ともにか
いあし類カラヌス目が高い値を示した(1991年:Stn.12を除いて F%=100,N%
炉=位
62
.
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6
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.
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俳=印
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F炉
%
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95寸
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0,N%=72.3-85.1,W%=49.6-71.
4
)
o1991年の Stn.12
では N%ではヤムシ類 (SagiUoidea,主に豆盟主主到豆旦旦呈)が高かったが(41
.1%),W%では
十脚類遊泳 E目ジュベナイルが高い割合を占め (33.3%),これは体重 1.62g(全長
74.5mm)の 1個体が0.021g
のエピ 1個体を捕食していたためである。
1995年も Stn.50
を除いた4地点で力ラヌス目の F%とN%が高い値を示した(F略=80-95,
N%=65.6-89.9)0 W%でも力ラヌス目は Stn.13,Stn.30,Stn.43の 3地 点 で 消 化 物
(Digested food)を除いて第 1位を占めたが,その範囲は 19.8-44.0%であり 1991年およ
び 1993年に比べて低かった。このうち Stn.43では 20個体中 3個体が十脚類腿行軍目
短尾族メガロパ幼生 (Reptantia 8rachyura megalopa,力ニ類)を捕食し, W%で17.3%と
1個体のマダ
比較的高い値を示した。 Stn.37では 20個体のうち 2個体が魚類を捕食し (
ラ稚魚がコモチジャコを捕食し,他の 1個体は同定不能の魚類を捕食), W%は40.3%を
占めた。 Stn.50では N%とW%ともに浮遊性巻貝Lim笠恒呈属の 1種が卓越した (F%=95,
N%=73.8,W%=74.9)。
1997年は Stn.30
で力ラヌス目の捕食比率が高く (F%=97%,N%=86.
4
%
, W%=34.0%),そ
の他の地点ではいずれも低かった (F%=9-56%,N%=0.5-13.8%,W%=0.0-2.5%)o1997年
の平均 W%で上位から 1慣に,仔稚魚 (PISCES larvae & juveniles,15.5%),ヤムシ類
(
1
4
.
3
%
),十脚類遊泳亜目ジュベナィル (
1
1
.
8
%
),ワレカラ (
C
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a,主にイバラワレ
カラ豆笠盟lIa aca川 hogaster,11.0%),十脚類腿行E自歪尾族メガロパ幼生 (Reptantia
Anomuramegalopa,ヤドカリ類, 8
.
9
%
),十脚類腿行E目短尾族メガロパ幼生 (
8
.
6
%
),
ヨ
コエビ E目(Gammaridea,7.0%),クラゲノミ亜目 (Hyperiidea,4.8%,同定可能な個体は
すべてE盟国豆島巴豆旦)などの様々な餌生物が捕食されていた。 Stn.43で「その他
(Others)Jが N%で59.6%を占めたのは, 32個体のマダラ稚魚のうち 4個体が合計 169個
体の二枚貝の幼生 (8IVALVIAlarva)を捕食していたためである (N炉 37.9)。
1998年の S
t
n
. 5ではオキアミ目ファーシリア期 (Euphausiaceaf
u
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l
i
a
)が多く捕食さ
97
れ (F略=78,N目=50.6,W覧=52.2),次いでカラヌス目の占める割合が高かった (F%=94,
N%=33.5,
W%=19.7)。
個体数組成で力ラヌス目の占める割合が高かった地点で,力ラヌス目の種組成を
みると (
F
i
g
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V
6
),C到忽旦皇陛豆坐日三が優占した地点は 13地 点 中 4地点,
Pseudocalanus属は 6地点, Centropagesa
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sは3地点であった。 1991年には地
点によって N%の高い種が様々であり, Stn.13では♀巴豆坐旦が, Stn.20とStn.30で
はPseudocalanus属が, Stn.43では全 abdominalisが多く捕食されていた。 1993年は C.
回豆生虫が比較的多く捕食されていたが, Stn.13,Stn.30,Stn.43では Paracalanus
但 些 些 の 割 合 が 他 の 年 (0-12.8%)に 比 べ て 16.6-21
.1%と高かった。 1995年 は
Pseudocalanus属と巴 a
b
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sが多く捕食され,その他の種の割合は 4
.
2
%以下で
01997年の Stn.30では C
. abdominalisが多
あった(同定不能であった力ラヌス目を除く )
くみられた。
マダラ着底稚魚の食物組成の座標づけ
マダラ稚魚の買にみられる餌の出現頻度をマダラ稚魚の個体数であらわしたデー
タ(TabeIIV-2)を対応分析(CA)にあてはめて座標づけを行い,閏内容物組成の特徴
を解析した。 CAによって得られた第 1軸から第 5軸までの固有値はそれぞれ, 0.364,
0
.
2
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.
1
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3,0.140,0
.
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7
8であり (
F
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.
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7,TableI
V
5
),各軸の寄与率は 31
.7%,18.
4
%
,
1
4
.
2
%,1
2
.
2
%,6
.
8
%と計算された。また,第 1軸から第 4軸までの累積寄与率は 7
6
.
5
%,
第 1軸から第5軸までの累積寄与率は 83.3%となった。第 4軸と第5軸の固有値には大き
な差がみられ (
F
i
g
.I
V
7
),第 4軸までの要素が大きく影響すると判断されたため,第 1
軸から第 4軸までの餌生物別スコア (TableIV-5)と採集地点別スコア (TableIV-6)結果
1
こ,餌
を示した。また,各軸間の地点別座標づけの結果は Fig.IV-8のA-Cおよび GーI
-L/こ示した。
生物別座標づけの結果を Fig.IV-8のD-FおよびJ
地点別座標づけの結果のうち,最も変動要素が大きい第 1軸とそれに続く第 2軸の
座標づけをみると (
F
i
g
.IV-8-A),1991年の S
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. 12を除いて同じ年の採集地点はそれ
98
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40
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37
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回 Neocalanusplumchrus
図 Mesocalanust
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図 Pseudocalanu~spp.
回 Clausocalanu~sp.
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4地点は,第 1
軸の値が小さい座標系の左側の狭い範囲に位置したのに対して, 1997
年は逆に右側に位置し,また 1991年よりも第2軸方向に広がって配置された。 CAでは
餌生物別座標づけの結果は地点別座標づけの結果と位置的に対応関係がとられる
ように配置されるので,たとえば相対的に座標系の左側に位置した 1991年の 4地点で
F
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.IV-8-A,F
i
g
.IV-8-D)。また,
捕食頻度が高い力ラヌス目も左側に座標づけされる (
座標系で最も右側に位置づけられた十脚類腿行亜目歪尾族メガロパ幼生(言己号:
RA-megal
)
は
, 1997年の S
t
n
.30以外の 6地点で頻繁に捕食されたため (
F
%
: 16-81%),
地点別座標づけでもやはり右側に配置された。餌生物別座標づけでヤムシ類が第 2
軸のスコアが高く (
F
i
g
.IV-8-D),地点別座標づけではヤムシ類を相対的に頻繁に捕
食していた 1997年の Stn.37 (
問=94)や 1997年の Stn.30 (
同=87),1998年の S
t
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.13(
同=59)が第 2軸に関するスコアが高かった (
F
i
g
.IV-8-A)。
(F%=69),1993年の S
第 1軸と第 3軸の座標づけの結果をみると,餌生物別座標づけでは浮遊性巻貝の
μ旦笠恒豆属の 1種が第3軸に関して大きな値をとり (Fig.IV-8-E),この餌を頻繁に捕食
t
n
.50 (F%=95)の標本も地点別座標づけで他の地点よりも上方に
していた 1995年の S
F
i
g
.IV-8-B)
。
プロットされた(
第1
軸と第 4軸の座標づけでは,餌生物別座標づけでは十脚類遊泳 E自のゾエア
F
i
g
.IV-8-F),この餌を頻繁に捕
幼生 (Natantiazoea)が第4軸に関して大きな値をとり (
t
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F
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),1993年S
t
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.43(F%=85),1995年 S
t
n
.30(F%=75)
食していた 1993年の S
の標本も地点別座標づけで他の地点よりも上方にプロットされた(
F
i
g
.IV-8-C)
。第2軸
と第 3軸,第 2軸と第 4軸,第 3軸と第 4軸の座標づけの結果は, Fig.IV-8の G-Lに示し
た
。
次に第 1軸から第 4軸までの生態学的な意味を解釈するために,各軸のスコアと関
)(こよって相関の有無を調べ
r
連が想定されるヂータをスピアマンの順位相関係数 (
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(
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in the bay mouth
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.
9
8
5
内容物中に出現した餌生物の平均体幅 (mm)と餌項目に関する第 1軸から第 4軸まで
r
=0.597,
のスコアを比較すると,第 1軸のスコアとの聞に有意な正の相闘がみられた (
s
Pく0
.
0
5,
T
a
b
l
eI
V
7
1, F
i
g
.IV-9,
AF
i
g
.IV-9-E)
。すなわち,第 1軸は餌生物のサイズ
を示しており,スコアが大きいほど大型の餌であると考えられる。別の見方をすれば
第 1軸の値が高い地点は相対的に大型の餌を多く捕食していたことになり, 1998年を
F
i
g
.IV-8-A)。
除いて採集年が進むにつれて大型の餌を捕食する傾向があるといえる (
次にヤムシ類の出現頻度と地点に関する第 1軸から第 4軸までのスコアを比較すると
第 2軸のスコアと有意な正の相闘がみられた (
r
=0.726,Pく0
.
0
1,Ta
b
l
eI
V
-7-2,
s
F
i
g
.IV-9-B,
F
i
g
.IV-9-F)。すなわち,ヤムシ類の出現頻度は第 2軸との関連性が強い。
浮遊性巻貝Limacina属の 1種の出現頻度と地点に関する第 1軸から第 4軸までのスコ
アを比較すると,第 3軸のスコアと有意な正の相闘がみられた (
r
=
0
.
8
0
1,Pく0
.
0
1,
s
TableI
V
ー7
-2, F
i
g
.IV-9-0,F
i
g
.IV-9-G)。また,十脚類遊泳E目ゾエア幼生の出現
頻度と地点に関する第 1軸から第 4軸までのスコアを比較すると,第 4軸のスコアと有
r
=
0
.
7
0
5,Pく0
.
0
1,T
a
b
l
eIV-7-2, F
i
g
.IV-9-D,F
i
g
.IV-9-H),
意な正の相闘がみられ(
s
相関係数の絶対値は小さいが第 3軸のスコアとも有意な負の相闘がみられた
(
r
=-0.402,Pく0
.
0
5,TableI
V
7
2
)。すなわち,第4軸は十脚類遊泳E目ゾエア幼生の
s
出現頻度を示すが, L
i
旦笠恒呈属の 1種とは逆の出現様式を示すものと考えられる。
t
n
.5から湾内最深部に沿って測った距離 (
m
i
l
e
)と地点に関する第 1軸から
湾口部 S
第 4軸までのスコアを比較すると,ヤムシ類を多く捕食していた 1997年の Stn.37
(
F
略=
94)はこの関係からはずれてプロッ卜されたが,第2軸のスコアと有意な負の相闘
r
=-0.569,Pく0
.
0
1,T
a
b
l
eIV-7-2,F
i
g
.IV-10,
A Fig.IV-10-D),第3軸のスコ
がみられ(
s
アとの聞にも有意な正の相闘がみられた (
r
=0.590,P
<
0
.
0
1,T
a
b
l
eIV-7-2,
s
Fig.IV-10-B,F
i
g
.
I
V
1
0
E
)
。また,マタラ稚魚が採集された海底直上の水温 (
O
C
)と地
点に関する第1
軸から第4軸までのスコアを比較すると,第4軸のスコアと有意な正の
相関がみられ (
r
=
0
.
5
4
1,Pく0
.
0
1,T
a
b
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i
g
.IV-10-0,F
i
g
.IV-10-F),第 3軸の
s
r
=-0.
418,Pく0
.
0
5,Ta
b
l
eI
V
7
2
)。この
スコアとの聞にも有意な負の相闘がみられた (
s
1
0
9
ように生物および非生物要因と地点に関する第 2軸から第4軸までのスコアと聞の
対応関係は必ずしも一義的ではなかった。
マダラ着底稚魚の相対成長の年変動
F
i
g
u陀 IV-11にマダラ稚魚の全長一体重関係を採集年ごとに示した。求めた回帰
式の聞には共分散分析 (ANCOVA)によって相対成長係数(指数部分)
1こ有意差がみら
れた (P=2.
4
・ 10・
り
。 1991年は他の年に比べて約 70mm以下の全長で体重が重く,始原
成長示数(定数部分)は 8.31・1σ8と他の年よりも大きく,小型個体が太っていたことを
示している。また 1991年の大型個体では 1993年とほぼ同様な体重であった。 1993年
は1995年と類似した全長一体重関係であったが,すべての全長範囲で 1995年に比べ
て体重が重かった。 1997年は他の年に比べて始原成長示数が最も小さく (1.32・10-6),
相対成長係数は最も大きかった (3.35)。また小型個体では 1993年とほぼ同様な体重
であったが,大型個体で体重が重くなっていた。 1991年と 1997年の交点は全長 74mm
であった。 4年間のうちですべての全長範囲で体重が最も軽かった 1995年を基準に
, 1993年
, 1997年の体重はそれぞれ+22%,+7%,
比較を行うと,全長 55mmでは 1991年
+8%であり,全長 80mmではそれぞれ+8%,+4%,+12%であった。
マダラ着底稚魚の食物転換サイズ
マダラ稚魚が力ラヌス目からより大型の餌に転換するサイズと環境中のカラヌス
目の分布密度との関係を検討した。 6月の昼間,陸奥湾湾内においてカラヌス目は,
マダラ稚魚が分布する海底直上に主として分布し湾口部では海底直上よりも中層
域で分布密度が高かった (
F
i
g
.1
1
1
8
)。このため湾内で NORPACネットの鉛直曳によっ
て採集されたカラヌス自の分布密度をマダラ稚魚にとって利用できる力ラヌス目の豊
度とみなし湾口部の NORPACネット資料および食物転換サイズの資料はこの解析
では用いなかった。転換全長が計算できた地点のみで回帰分析を行うと有意な相関
は認められなかったが(P=0.14),力ラヌス目の分布密度が高くなるほど転換金長が大
F
i
g
.IV-12)。カラヌス目の分布密度が湾内 4地点ともに 1か
型になる傾向がみられた (
4
10 i
n
d
s
.・
m-2を上回っていた 1991年は,閏内容物を解析した 80
個体のうち, Stn.13で
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…
・
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:Bwt-SCW(
g
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ー
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ー1997:Bwt-SCW(g)=1.32・10-6・
TL3.35,N=218
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105
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-2)
F
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g
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e
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neachsamplings
t
a
t
i
o
n
.
112
採集された 3個体(オキアミ目を主食)を除いて残りの 77個体 (96.3%)が力ラヌス目を主
食としており,全4地点の転換全長はいずれも 71.5mm以上であった。一方 1997年は湾
内で主食としていた餌生物が判定できた 181個体のうち,力ラヌス目を主食としていた
1個体であり (
1
1
.
6
%
),湾口部 Stn.12を除く 6地点の転換全長はいずれ
個体はわずか 2
も61.6mm以下であった。このようにマダラ稚魚の食物転換サイズには年変化がみら
れた。
考察
マダラ着底稚魚の摂餌活動の日周性は不明陳であったが, 1
1:
1
3-13:13に低い
SCI値がみられないことその後 SCI値は徐々に低下することから,消化速度を上回る
摂餌は主に正午前に行われるものと推察される (Fig.IV-2)。稚魚の体重と SCI値との
関係をみると (
F
i
g
.I
V
3
),1997年を除いて体重の増加に伴って SCI値は減少しており,
1997年には他の年に比べて摂餌強度が高い大型個体がみられた。
マダラ稚魚の食物組成の座標づけを行った結果,各軸のスコアと固有値から 6月の
マダラ稚魚の食物組成を変化させる要因は,まず第 1に餌のサイズで規定され,続い
てヤムシ類や Lim笠担呈属の 1種,十脚類遊泳 E目ゾエア幼生といった採集地点に特
異的に出現する餌生物が食物組成を大きく変化させるものと考えられる。 FigureIV-8
の D-F,J-Lをみてもわかるようにこれらの餌生物は,他の餌生物とはかけ離れて第 2
軸,第 3軸および第 4軸のスコアで大きく,たとえばカラヌス目や Gorycaeus属のように
閉じ採集年であれば地点によってあまり出現頻度が変わらない餌に比べて,突発的
に出現することが多い (TableIV-2)。これらの特異的な餌生物は,通常マダラ稚魚が
捕食する餌が環境中に豊富に存在しない場合摂餌される餌と考えられ,カラヌス目に
F
i
g
.ト7,TableI
V
-1)代替の餌生物 (
a
l
t
e
r
n
a
t
i
v
ep
r
e
y
)となり得る
比べれば大型であり (
が(第 I章),稚魚にとっての重要性はそれほど高くないものと考えられる。第 E章で
も述べたように 6月の陸奥湾においては,比較的水温が高い水域では冷水性の力イ
アシ類の豊度が相対的に低い。また,第 2軸,第 3軸,第 4軸は,湾口部からの地理的
1
1
3
距離や水温とも有意な相闘がみられたことから (
F
i
g
.I
V
10
),カラヌス目の豊度が低
い高水温域ではヤムシ類,Li旦笠恒豆属の 1種,十脚類遊泳 E目ゾエア幼生などが捕
食されやすいことを反映しているものと考えられる。
4
1991年のように 1か 10
i
n
d
s
.・m-2を超える力ラヌス目の分布密度に稚魚が遭遇した
場合,マダラ稚魚は餌生物を探索する時聞が少なくて済み,摂餌コストを低く抑えるこ
とができるためにカラヌス目を優先的に捕食し結果的に大型の餌に転換する体サイ
ズが大型化するものと考えられる。しかしこのようなカラヌス目の高い分布密度に稚
魚が遭遇して力ラヌス目を専食したとしても,全長およそ 70mm(胃内容物を除いた体
重約 2
.
1g)までの個体にしか有効な餌とは考えられない。なぜならこの 1991年は,摂餌
F
i
g
.I
V
3
),全長一体重関係でみても全長 70mm以上の個体
強度が大型個体ほど低く (
の体重は他の年に比べて重くはない (Fig.IVー11)。またカラヌス目を主食としていたが,
4
1
.0・
10
i
n
d
s
.・
m-2未満の分布密度で、あった 1993年と 1995年も,一部の大型個体を除い
F
i
g
.I
V
3
),餌の種類に拘らず相対的に痩せており
て摂餌強度は大型個体ほど低く (
(
F
i
g
.
I
V
ー1
1),結果として十分な量の摂餌を行っていたとは考えられない。一方他の年
F
i
g
.I
V
1
2
),約 70mm以下
に比べて 1997年には,小型の全長で、餌を転換していたが(
の小型個体は 1991年のように太つてはいなかった (
F
i
g
.I
V
11)。これは 1997年の小型
個体にとって,その餌の大きさゆえに捕食した場合の利益は大きいが,捕食成功率
が低いかあるいは餌の消化時間を含めた処理時間 (handlingtime)が力ラヌス目よりも
多く必要となるために,十分な体成長には至らなかったものと考えられる。また 1997
年の大型個体で、は他の年に比べて十分太っており,カラヌス目より大型の餌を十分
捕食できた餌生物環境にあったものと考えられる。
以上をまとめると全長 70mm以下の小型の稚魚にとっては力ラヌス目が餌として重
要であり,全長 70mmよりも大型の稚魚にとっては力ラヌス目よりも大型の餌(たとえば
レ,ワレカラ,十脚類腿行E目歪尾族メガロパ幼
仔稚魚,十脚類遊泳E目ジュベナィ J
生,十脚類~行 E 目短尾族メガ口パ幼生,ヨコエビ E 目,クラゲノミ亜目などの餌生
物)が重要であると考えられる。
1
1
4
v
.マダラ仔稚魚の分布密度の年変動と生残過程
目的
第 E章では s奥湾のマダラ仔稚魚の時空間分布パターンを明らかにした。また第
W 章では 6月に陸奥湾に分布する着底稚魚は,稚魚の体サイズと捕食する餌生物の
違いによって栄養状態が異なることを指摘した。本章では,陸奥湾におけるマダラ仔
稚魚の分布密度の年変動 (1990ー1997年)を示し,陸奥湾の海況と餌生物環境の変動
が稚魚の生き残りに与える影響を検討した。
材料および方法
マダラ仔稚魚の採集
マダラ仔稚魚の採集は第 E章で述べた通りである。ただし本章ではこれらに加えて
,
北海道大学水産学部研究調査船うしお丸 (128トン)を使用して, 1994年2月 16-18日
1994
年4月 18-20日 1995年4月26-28日
, 1996年4月22-24日
, 1997年4月21-22日に
それぞれ7回
, 13回
, 10回
, 10回
, 5回のビームトロールネットの斜行曳きによって採
集したマダラ仔稚魚を扱った。 1993年まで行ったビームトロールネットの水平曳きの
かわりに斜行曳きで採集した理由は,限られた調査船利用日数の範囲でなるべく広
範囲に分布調査を行うためである。ビームトロールネットの水平曳きと斜行曳きの違
いは,ワープの繰り出し速度と停止時間,および曳網水深にあり,船速や網の仕様な
.
6m"sec-1の速度でワープを
どは同一である。水平曳では目的とする水深層まで約 0
繰り出し(対水速度約 0
.
9m"
s
e
c
-1),その水深層に達するとワープの繰り出しをとめて
10ー15分間曳網し(対水速度約1.
5m"sec-1),再び0
.
6m"sec-1の速度で回収した(対水
.
1m"s
e
c
-1)。これに対して斜行曳きは表層から海底上 2mまで 0
.
3
5m"s
e
c
-1の
速度約 2
速度でワープを繰り出し(対水速度約 1.15m"sec-1),海底上 2mで1分間停止させた後,
表層まで 0.35m"sec-1の速度で回収した(対水速度約 1.85m"sec-1)。水平曳きの場合
1
1
5
着水してから回収するまでの時間は 19分から 27分の範囲であったのに対し,斜行曳
きは 15分から 26分の範囲であった。また,陸奥湾ではマダラ仔稚魚は水深 8m以深で
採集されたので(
F
i
g
.1
1ト4
),水平曳きも斜行曳きも水深 8mより深い層にネットがあった
2月)あるいは 0.90m2(
4月)の値を用い,漏水率 100%
時の曳網距離と開口面積 0.16m2(
を仮定して分布密度を推定した。また第 E章で述べたように, 4月にはマダラ仔稚魚
F
i
g
.1
1
1
5
)。そこで本章では水平曳き
が高密度に分布する水深は場所によって異なる(
の採集層による違いは無視して平均分布密度を求めた。求めた平均分布密度の精
度に問題があるかもしれないが,マダラ仔稚魚のおおよその分布密度を反映してい
るものとして解析を行った。 1990-1997年6月のマダラ稚魚の平均分布密度は第 E 章
で得られたオッタートロールネットによる着底曳きの値の平均である。なお, 1992年 6
月と 1993年2月は調査船の代船建造のために調査は行っていない。
1994年2月
, 1994年4月
, 1995年4月
, 1996年4月
, 1997年4月にそれぞれ8地点, 18
地点, 1
7地点, 15地点, 9地点において CTDを用いて水温・塩分値を測定し, 2月と4月
は表層と水深 15mで
, 6月は表層と海底直上で採水を行い,サリノメータで塩分値を求
めた。 1991年
, 1993年
, 1995年
, 1997年の 4月および6月には CTD観測を行った地点
でNORPACネット(口径: 0.
45m,側長 1.8m; 目合: 0.33mm)の海底直上から水面まで
の鉛直曳きによって,かいあし類力ラヌス目コペポダイ卜の採集を行った。
1975-1994年度 1
1月 .
.
.
.
.
.
3月の脇野沢村漁業協同組合のマダラ漁獲量データ(青森
県水産増殖センター, 1995)および 1995-1996年度の漁獲量(未発表)を陸奥湾に来遊
したマダラ親魚量の指標として用いた。また水温については,青森県水産増殖セン
こよって観測されているテレメータブイのデータ(青森県水産増殖センター, 1976,
ター l
1979-1997)も用いた。
116
結果
マダラ仔稚魚の分布密度の年級群変動
9
9
1ー1
9
9
2年2月の水平曳き採集と 1994年 2月の斜行曳き採集に
第四章で示した 1
よって得られたマダラ仔魚の平均分布密度, 1990-1993年 4月の水平曳き採集と
1994
ー1
9
9
7年 4月に斜行曳き採集によって得られたマダラ仔稚魚の平均分布密度,
1990-1997年 6月の海底上に分布する稚魚の平均分布密度と,陸奥湾脇野沢村にお
i
g
.V-1に示した。 1994年2月には湾内で7回の採
けるマダラ成魚の漁獲量の関係を F
集を行ったがマダラ仔魚は全く採集されなかった (FiιV-1-A)。また2月におけるマダ
1
3月のマダラ成魚の漁獲量にほぼ比
ラ仔魚の平均分布密度は 3年間でみる限り, 1
9
9
5年級群 (
1
9
9
5年 1
2
例していた。 4月におけるマダラ仔稚魚の平均分布密度は, 1
月生まれ)を除いて 1
1
3月のマダラ成魚の漁獲量に比例していた(
F
i
g
.V-1-B)o6月の
マダラ着底稚魚の平均分布密度はマダラ成魚の漁獲量とは明陳な関係がみられず
(
F
i
g
.V-1-C),1
9
9
1年6月におけるマダラ稚魚の平均分布密度は高かったが, 1990年
,
1993-1997年の 6月は 1
9
9
1年の 2分の 1以下の分布密度を示した。また, 6月のマダラ
F
i
g
.V-1-D),1997
着底稚魚の平均分布密度は, 4月の平均分布密度とも関連がなく (
年は 4月の仔稚魚の分布密度に比べて 6月の稚魚の分布密度が高く,逆に 1990年お
よび 1
9
9
5年は 4月の仔稚魚の分布密度に比べて 6月の稚魚の分布密度は低かった。
4月および6月の海洋構造の年変動と 1
9
9
1年
, 1
9
9
5年および 1
9
9
7年のカラヌス目の分
布密度
F
i
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, 1990-1997年の 4月における表層の水温・塩分値の分布を示してお
t
n
.8における表層の塩分値
り,各図中左上の数字は津軽暖流水が流入する湾口部 S
t
n
.8の塩分値よりも 0
.
5
1
.
0
P
S
U低い水域を,点を
を示している。また斜線部分は S
打った水域は 1.0PSUよりも低い水域を表している。各年 4月の調査時期が中旬から
下旬にわたっているため水温の高低は単純に比較できないが, 1
9
9
1年は他の年に比
9
9
5年も 1
9
9
1年ほど
べて明らかに低塩分の水塊が広範囲に湾内表層を覆っていた。 1
1
1
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1
1
9
ではないが低塩分水が観測された。 6月の表層と海底直上の水温・塩分値の水平分
F
i
g
.V
3
),1
9
9
1年6月は 1
9
9
1年4月と同様に東湾を中心として表層域で低
布をみると (
9
9
1
塩分水がみられ,海底直上でも相対的に低い塩分値が観測された。このことは 1
年の場合 6月になっても湾内水と津軽暖流水の交替量が少なかったことを示している。
1
9
9
1年4月の湾内表層の塩分値は他の年に比べて平均 0
.
9
9PSU低く(
F
i
g
.V
2
),表層
.
7
8と大きかったが, 1
9
9
1年を除く 4月の平均密度差
と15m層の密度差 (σt)も平均 0
は0
.
0
2から 0
.
3
9の範囲であった (
F
i
g
.V
4
)。第 E章で述べたように, 1
9
9
1年冬季は前
F
i
g
.1
1
1
4
),津軽暖流水と湾内水の聞の海水密度の差が小さ
年秋の降水量によって (
F
i
g
.
1
1ー1
3
),津軽暖流水と湾内水の交替量が少なく, 4月以降も低塩分水が湾
くなり (
内の表層に停滞したために (
F
i
g
.V
2
)強い成層が維持され,表層は加熱されたが底
層は逆に昇温し!こくかった。結果として 1
9
9
1年6月の海底直上の水温は他の年よりも
.
5
2
.
00C低くなったと考えられる (
F
i
g
.V
3
)
。
およそ 1
全長 70mm未満のマダラ稚魚の重要な餌生物であるかいあし類カラヌス目(第 I
章,第 W 章)のうち,最も分布密度が高かった Pseudocalanus属コペポダイトの分布密
i
g
.V
5
fこ示す。 1
9
9
1年4月の分布密度は 1990年
, 1993年 1995年および 1997年
度を F
9
9
1年
に比べて湾口部・湾内ともに分布密度が低かった。しかし6月には 4月とは逆に 1
に分布密度が高く,他の年は低い値を示した。
考察
第 E章では, 1
9
9
1年2月と 1
9
9
2年2月における体幅 67.5-195μmのかいあし類ノープ
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.
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-1を上回っており,マダラ仔魚の生残にとって十分な分
リウスの分布密度は 20i
9
9
2年 1月には 1
3
1
5i
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.
.g
-1と低く,仔魚の生残にとっ
布密度と考えられた。しかし 1
て十分な分布密度であるか否か結論を下せなかった。陸奥湾脇野沢村におけるマダ
ラ成魚の漁獲量と 2月のマダラ仔稚魚の平均分布密度はわずか 3年分ではあるが比
例関係がみられた (
F
i
g
.V-1
)o 1
9
9
5年4月には Pseudocalanus属 (
F
i
g
.V
-5)
をはじめとす
るカラヌス目の分布密度が他の年に比べて高かったことは, 1995年の高い仔稚魚分
1
2
0
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9
9
2
.
布密度と関連があるのかもしれないが, 4月以前の調査を行っていないので明らかで
はない。この 1
9
9
5年を除いた4月のマダラ仔稚魚の分布密度は成魚の漁獲量に比例
しており,マダラ成魚の漁獲量が多い年に 4月の仔稚魚の分布密度が低い事例は,
1990-1997年の 8年間では全く観測されていなし、。このことは少なくとも調査を行った
期間については,冬季陸奥湾のノープリウス分布密度はマダラ後期仔魚に飢餓を生
じさせるような低い分布密度ではなかったものと考えられる。また 1990-1997年の冬
季から 4月までの陸奥湾では,マダラ仔稚魚の生残に極端に不利な条件がみられな
かったことを意味し年級群変動を生じさせる原因は 4月よりも後の時期にある可能
性が高いものと考えられる。
1
9
9
5年と 1
9
9
7年の 4月と 6月の調査はほぼ同じ時期に行われた (
4月から 6月の経過
日数は 1
9
9
5年 :
4
2日 1
9
9
7年 :
4
5日)。また両年 6月における稚魚の分布密度が最も
F
i
g
.1
1
1
9
),両
高かった地点は東湾にあったことから湾外へ移動している稚魚は少なく (
年のマダラ仔稚魚の 4月から 6月にかけての分布密度の低下過程の差違は,ほぼ生
V章でアロメトリー式 (
F
i
g
.I
V
1
1
)から求めた
残率を反映しているものと考えられる。第 I
栄養状態は, 1
9
9
7年6月の大型個体の体重が重く,逆!こ 1
9
9
5年は4年のうちで最も摂
9
9
7年は 4月の仔稚魚の分布密
餌強度が低く全長に対する体重が軽かった。また, 1
F
i
g
.V-1-D), 逆に 1
9
9
5年は 4月の仔稚魚
度に比べて 6月の稚魚の分布密度が高く (
の分布密度に比べて 6月の稚魚の分布密度は低かった。したがってマダラ稚魚が餌
をカラヌス目からより大型の餌に転換するサイズが小さいほど栄養状態がよく(第 W
章),栄養状態から生残率を推定できる可能性を示すものとして重要と考えられる。
1
9
9
1年級群(主!こ 1
9
9
1年 1
2月生まれ)が,陸奥湾産卵群の主群をなす 4-5歳魚
9
8
4
)となって陸奥湾に回帰したと考えられる 1994年度 (
1
9
9
4年 1
1
(桜井・福田, 1
月
一 1995年3月)と 1995年度の脇野沢における漁獲量はそれぞれ8
8トンと 6
2トンであり,
2トンを記録した(緒言 F
i
g
.
1
)。すなわち, 1
9
9
1年級群
さらに 1996年度には戦後最低の 1
の着底稚魚の分布密度は高かったが,その後の生き残りがよかったとは考えられず,
6月以降の生残過程にも年級群変動を引き起こす要因があることが示唆される。マダ
1
2
5
ラ稚魚が餌を底生性の大型生物に転換したあとは,低温でしかも広い海域を利用で
きると思われる湾外にいかに早〈移動できるかが生き残りの鍵となる。しかし,陸奥湾
の湾口部は狭隆で浅く,高温の津軽暖流水に曝されている。平舘ブイが記録する底
0
2Cを超える時期は
層のデータ(半旬ごとの平均値)によると,湾口部底層の水温が 1
F
i
g
.V
-6)。年級群豊度が高く,その後の高水準の漁獲量に
年によって異なっている (
つながったと考えられる 1984-1986年級群が成育した年は少なくとも湾口部の水温上
昇が遅かった年であり,マダラが湾外へ移動するのに適した水温期聞が長いことが,
その後の生き残りに有利に働いた可能性がある。 1
9
9
1年6月の東湾は他の年に比べ
F
i
g
.V
-3),6月上旬の湾口部平舘フ、イの水温は対馬暖流水と連
て低水温であったが (
F
i
g
.V-3,F
i
g
.V
-6)。このように, 1
9
9
1年6月の
動して平年と同様に 100C以上であった(
マダラ稚魚の平均分布密度は 1990年以来最高の値を示したが湾外への回遊経路
に当たる津軽海峡の高温が障壁となって生残率が低下したのかもしれない。
寒海性魚種のうちで初期生残過程が重点的に研究されているスケトウダラでは,
当歳稚魚の死亡率が加入量に影響を与える年もあるが,摂餌開始期から仔魚期の
終わりまでの死亡率が最も加入量に影響し,この時期の仔魚の移送,降水量に起因
する傾圧不安定渦の存在,風による表層での乱流が主な原因と考えられている
(Megrey旦
豆ュ 1996;Kendall旦豆ュ 1996)。しかし,陸奥湾のマダラの場合,年級群変
動を生じさせる死亡率変動が大きい時期は 4月以前の仔魚期にはなく, 4月以降の着
底期とそれに続く湾外への移動過程における海洋環境と餌生物環境が年級群強度
を決定しているのではないかと考えられる。陸奥湾のマタラ稚魚にとって最も生残に
有利な条件は,全長70mmまではかいあし類力ラヌス目の豊度が高く,その後は餌と
する底生大型生物に遭遇する確率が高いことであろう。また低い水温は力ラヌス目の
F
i
g
.V-3,F
i
g
.V
-5),1
20Cを超える水温と急激な水温上昇は稚
豊度を高〈維持するが(
魚にとって不利であると考えられる (
F
i
g
."
'
9
)。マダラの再生産戦略として 1
2月以前に
1月末
産卵を終了すれば稚魚期の高水温を避けられるが,陸奥湾湾口部の水温は 1
0
2Cを超えており,親魚が湾内に回遊できる水温環境にはない。このよう
までは例年 1
1
2
6
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な水温環境は,別の見方をすれば,陸奥湾がマダラの産卵場としてほぼ南限に位置
することを示す証拠とも考えられる。
最近では摂餌開始期などの短期間における大量死亡よりも,一定期間継続する累
積死亡率のほうが年級群豊度を決定する重要な要因であり,成長速度が早ければ
累積死亡率を低く抑えることが可能であるとし巧仮説が提唱されている (Watanabee
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9
6
)。陸奥湾におけるマダラの初期
ι1995;Campana,1
生活期において累積的死亡と年級群豊度との関係は,着底期以降の減耗過程が大
きく作用するものと考えられるが,今後相対成長だけでなく耳石の微細構造解析に基
づく絶対成長の評価を行うことで明らかにする必要があるものと考えられる。「海の安
定度仮説(
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5
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Jは外洋域において植物プランクトンの成層が維持されると仔
魚の生残率が高まるという仮説であり,いわば鉛直的な仔魚と餌とのマッチ・ミスマッ
チを中心に考えており,摂餌開始期に注目している点で陸奥湾のマダラについて適
用することは難しい。「被食仮説 (Vand
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7
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Jは生残率が仔魚期あるいは稚魚期の被食量に依存し,捕食者と
の時空間的なマッチ・ミスマッチを問題とする。「卵質仮説(附 esbu e
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Jは,生残率の高い卵および大型の仔魚を産む高齢魚は産卵期の初
期に偏って産卵し,高水温年には初期餌料であるかいあし類ノープリウスも産卵期の
初期に分布密度が高いため,結果として高水温年に発生した年級群の豊度が高くな
るという仮説である。これらの仮説を陸奥湾のマダラについて検証するには,マダラを
捕食する生物の特定と,親魚の年齢構成や産卵履歴の違いによる卵・仔魚の質の違
いを調査する必要があり,現時点で評価することはできない。また今後は稚魚が湾外
へ移動した後の減耗要因を解明する必要がある。
1
2
8
要約
陸奥湾に出現するマダラ Gadusm
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s仔稚魚の時空間分布,食性,餌生
物環境を調べ,マダラの資源量変動機構の解明を試みた。
1
. 全 長 7mm以下のマダラ後期仔魚が初期餌料としてかいあし類ノープリウス,特に
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s属および旦虫盟主属のノープリウスを捕食し,その体幅範囲が
67.5-195μmであることを明らかにした。
2
. 全 長7
ー7
0mmの仔稚魚はかいあし類カラヌス目コペポダイトを, 70mm以上の個体
は端脚類ヨコエビ E目と魚類を主に捕食した。浮遊性巻貝,十脚類遊泳亜目ゾエ
ア幼生,十脚類腿行 E目短尾族メガロパ幼生といった大型餌生物は,主要餌生
物が力ラヌス目からヨコエビ E目や魚類に転換する間,代替の餌生物として重要
な役割を果たしているものと推察された。
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1年および 1
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2年冬季の陸奥湾において,マダラ仔魚の初期餌料であるかい
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)の空間分布を調査し湾内では表層域で,
あし類ノープリウス(体幅:6
湾口部は密度躍層内で分布密度が高いことを明らかにした。
4
. ノープリウスの分類群組成は採集年によって大きく異なり
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1年 2月には
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2月は型血盟呈属ノープリウスが優占した。このような
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違いはかいあし類分類群による再生産戦略の違いと,陸奥湾に流入する津軽暖
流水の流入量の違いに起因することを明らかにした。
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2年 1月 水 深 10m層 に お け る ノ ー プ リ ウ ス の 分 布 密 度 は 中 央 値 で
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-1であり,両年 2月のこれらの値は
る中央値はそれぞれ 22.
マダラ仔魚の生残にとって十分な分布密度と判断された。
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6
. 2月および3月には,マダラ前期仔魚と小型の後期仔魚は湾口部で採集されたこと
から,陸奥湾ではマダラの産卵は主に湾口部で行われているものと推察された。
また,湾口部海底上で瞬化した仔魚は中層域へ浮上することで,十分な餌密度を
1
2
9
獲得するだけではなく,密度躍層よりも上層を占める津軽暖流水を利用して餌密
度の高い湾内へ移動していた。
7
. 4月にはマダラ仔稚魚は湾内に広く分布し主要餌生物であるかいあし類力ラヌス
自コペポダイトの分布密度が高い水深層に分布し,カラヌス自の高い豊度を通じ
て陸奥湾を成育場として利用することが確認された。
8
. 5月以降のマダラ稚魚は昼間力ラヌス目コペポダイトの分布密度が高い海底直上
に分布し,稚魚の分布密度が高い水域には採集年による変動がみられた。また,
マダラ稚魚の体長組成の地理的変異から,産卵期の早い時期と遅い時期に産ま
れた個体は主に西湾と湾口部に出現し中間的な時期に生まれた個体は主に東
0
湾に分布する移動過程を推定した。マダラ稚魚の生息上限水温は約 1
2Cと推定
月以降湾内の高水温と餌不足を避けて湾外へ移動するものと考えられた。
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9
. 1991年
, 1993年
, 1995年にはマダラ着底稚魚の体重の増加に伴って胃内容物重
量示数 (SCI)は減少していたが, 1997年には他の年に比べて摂餌強度が高く,大
型の餌を捕食する割合が高かったことを明らかにした。
1
0
.対応分析を用いてマダラ着底稚魚の食物組成の座標づけを行った結果,食物組
成を変化させる要因は,まず第 1に餌のサイズで規定され,続いてヤムシ類や浮
遊性巻貝Limacina属の 1種,十脚類遊泳E目ソ‘エア幼生といった採集地点に特異
的に出現する餌生物が食物組成を大きく変化させるものと考えられた。
11.マダラ着底稚魚、が力ラヌス目から大型の餌生物に転換する全長は,年によって差
4
がみられ, 1991年のように力ラヌス目の分布密度が 1
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には餌の転換は大型の体サイズで生じたが,逆に 1997年には小型の全長で餌を
転換していた。
1
2
.着底稚魚の全長一体重関係の相対成長式(アロメトリー式)と食物組成を比較した
結果,全長 70mm以下の小型の稚魚、ではカラヌス目が餌として重要であり,全長
70mmよりも大型の稚魚ではより大型の餌(仔稚魚,十脚類遊泳E目ジュベナイ j
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ワレカラ,十脚類随行 E目歪尾族メガロパ幼生,十脚類腿行亜目短尾族メガ口パ
1
3
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幼生,ヨコエビE目,クラゲノミ亜日などの餌生物)が重要であると考えられた。
1
3
.陸奥湾脇野沢村におけるマダラ成魚の漁獲量と, 2月のマダラ仔稚魚の平均分布
密度との聞には比例関係がみられ,成魚の漁獲量と 1
9
9
5年を除いた 4月の仔稚
魚の分布密度との聞にも比例関係が認められた。マダラ成魚の漁獲量が多いに
もかかわらず4月の仔稚魚の分布密度が低い年は, 1
9
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7年の 8年間では全
く観測されなかった。これらの結果から,冬季から 4月までの陸奥湾ではマダラ仔
稚魚の生残に極端に不利な条件はほとんどなく,年級群変動を生じさせる原因は
4月以降にあると推定した。
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5年と 1
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7年のそれぞれ4月と 6月におけるマダラ仔稚魚の分布密度と相対成
長式の比較から,大型個体の栄養状態が良かった 1
9
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7年の方が 1
9
9
5年に比べて
生残率も高かったものと推定した。また,全長 70mmまで、はかいあし類カラヌス目
の豊度が高く,その後は餌とする底生大型生物に遭遇する確率が高いことが生き
残りに重要であると考えられた。
1
5
.過去のマダラ成魚の漁獲量とマダラ稚魚が湾外へ移動する時期の湾口部底層水
温の年変動データから,マダラが湾外へ移動するのに適した水温期聞が長いこと
が,稚魚の生き残りに有利に働く可能性を示した。
今後は資源量変動を説明する様々な仮説を検証するために,マダラ仔稚魚の相対
成長だけでなく耳石の微細構造解析に基づく絶対成長の評価,マダラ仔稚魚を捕食
する生物の特定と,親魚の年齢構成や産卵履歴の違いによる卵および仔魚の生残
率の違い,稚魚が湾外へ移動した後の減耗要因を解明する必要があるものと考えら
れた。
1
3
1
謝辞
本論文を取り纏めるにあたり,終始御指導をいただき御校闘を賜った北海道大学
水産学部高橋豊美教授,同菅野泰次教授,中谷敏邦助教授,本研究をはじめる機
会を与えて下さった同前田辰昭名誉教授,貴重な御意見を賜った同池田勉教授,
磯田豊助教授,村上敬教官に対して,深甚なる謝意を表する。また,貴重な標本
を提供していただいた青森県水産増殖センター早川豊氏,塩垣優博士,涌坪敏明
氏,松原久氏をはじめ,同センターの各位,青森県水産試験場の各位に対して心か
ら御礼申し上げる。洋上での採集に多大な御協力をいただいた北海道大学水産学部
練習船おしょろ丸元船長増田紀義名誉教授はじめ 1991年当時の乗組員の方々,同
研究調査船うしお丸元船長松島寛治教官ならびに船長大越金蔵教官はじめ乗組員
の方々,青森県水産増殖センター調査船なつどまりの乗組員の方々,北海道大学水
産学部漁場学講座・資源生態学講座元大学院生横山信一博士藤岡崇氏,武藤
卓志氏,宮本孝則氏,軍司康博氏,大矢正樹氏,筒井浩之氏,羽生勝和氏,高
木繁郎氏,津村正幸氏,松本明男氏,伊勢諭至氏,高木(佐々木)美枝子氏,吉田
裕幸氏漁具漁法学講座元大学院生米沢崇氏,現資源生態学講座大学院生井口
謙氏,小岡孝治氏,杉本晃一氏中神正康氏鈴木祐輔氏蜜谷法行氏梅崎真大
氏の各氏ならびに昭和 63年度
平成 10年度講座学生諸氏に対して,厚〈感謝の意を
表する。
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文献
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