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07調理師(寿司) 保田貴雄さん(PDF形式, 1.54MB)
食 柔 ら か す ぎ ず 固 す ぎ ず 、 魚 を お い し く 提 供 13 07 調 理 師( 寿 司 ) 幼稚園の時に、 「 お寿司屋さんになりたい」 と言 などの技術的な講習会をすることがありました っていた記憶が、かすかにあります。高校を卒業 し。その当時は“休みの日まで講習を受けるの してから父が経営する居酒屋を手伝っている時 か…”と嫌な気持ちにもなりました。 しかし海老 に、 “ 将来は店を継ぐのかな” と思いました。親方 や鶴などの笹の細工切りも、仕事の合間に教わ が厳しい人で、下積みの頃がつらかったです。 ったのです。その技が身についたのも、あの時 先輩後輩の礼儀作法もありましたし。朝起きて に教えてもらったからでしょうね。今になって 急いで食事をし、そのあと僕たち後輩は掃除を “修行時代の経験があるから、 トラブルがあって ささ して仕込みの準備でした。休みの日にも、天ぷら も乗り越えられるのだな” と感じます。 プロフィール 保田 貴 雄 ほだ たかお 調理師(寿司)19年以上 川崎市多摩区出身。37歳。高校卒業後、父が経営する居酒屋で1年 間働き、その後中原区の寿司店に住み込みで、5年間修行に入る。そこ で、調理師免許を取得。その後、昭和5年に創業したすし割烹の家業を 継ぐため実家に戻り、四代目として父、兄とともに店を盛り立てている。 すし割烹 みかど 活躍の場 〒214-0001 川崎市多摩区菅1-2-1 寿司専門店 日本料理店など 044-944-2352 FAX.044-944-2353 TEL. 仕事道具 【 3種 でば やなぎば 包 丁 】「出刃包丁」は魚をさばくなど下ごしらえに、細長い「柳刃包丁」はお刺身や 寿司ネタを切るために使う。仕込みのあとなどに包丁は毎日研ぐ(写真左上)。 す す (すし飯)、寿司ネタを 【 巻 き 簀 】 巻き寿司を作るために使う。巻き簀の上にのり、シャリ 置いて包むように巻きあげる(写真右)。 【 骨 抜 き 】 魚の骨を抜く道具。ペンチ式のものはコチやサバの長い骨も楽に抜ける。 これは特注品でステンレス系の材質なのでさびない(写真左下)。 職人からのメッセージ ● 調理師(寿司) という仕事内容 必要資格 調理師(寿司)は、魚をおいしく提供する仕事です。甘酢 につけたり酢でしめたり、いかに魚をおいしくするかに工 夫を凝らすわけです。寿司づくりはまず、質のいい魚を 仕入れ、下ごしらえをします。そして炊きたての飯に酢を 混ぜ、 シャリ (すし飯)切りをします。酢は熱で飛んでしま うので、手早く混ぜるのがポイント。下ごしらえをした素 いで 。調理学校に通うのもい <調理師>の免許です 験 2年以上経験してから受 すし、店で調理の仕事を たいの また、すしを専門に勉強し しても構いません。 >と 専門調理師) <専門調理師(すし料理 であれば、 いう資格もあります。 材を切り、それをシャリと合わせて握ります。すしは柔ら かすぎず固すぎず、 ここが職人の技の見せどころです。 ● 調理師(寿司) という仕事の展望 お客様に 「おいしい」 と言われると、料理人としてやりが いが生まれます。今後は創作料理が求められるでしょう。 あぶ また、定着したところでは、炙り寿司など調理法によって も提供の幅が持てるはずです。お客様のニーズに応え てメニューを増やせば、広がりも見えてくると思います。 ● 一人前になるまで カウンターに入って仕事ができるようになったら、一人 前になったと言えるのではないでしょうか。 ただ、 お客様 と話ができないといけません。職人として人前で握れる ようになるまで、最低でも5年はかかるでしょう。 この仕事に向いている人 食べることが好きな人、そして料理や食べること に興味がある人が向いていると思います。知らな い魚に出会ったら、 これは何だろう…と自ら調べ ていく人です。好奇心が旺盛であることが大切。 調理師(寿司)を目指す方へのアドバイス つらいことが先立ってしまうかも知れないですが、そこを乗り越えると頑張ってよかったなという時期が来 ます。つらい時にこそ、頑張ってください。そして息抜きができる、自分の楽しみを持つことも大切です。 14