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No.124 - 国際演劇協会 日本センター

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No.124 - 国際演劇協会 日本センター
(ITI/ ユネスコ)
公益社団法人 国際演劇協会 日本センター
Japanese Centre of
International Theatre Institute / UNESCO
,7,1(:61R
I.T.I. NEWS 2014.1.31. No.124
公益社団法人国際演劇協会(ITI/
ユネスコ)日本センターは、ユネ
スコ傘下の国際組織である国際演
劇 協 会 ITI(International Theatre
Institute)加盟の公認団体です。ITI
は世界平和と相互理解の促進を希求
するユネスコ憲章の精神に基づい
て、演劇による国際交流の増進を目
的に 1948 年創設され、本部はパリ
のユネスコ本部内に置かれ、現在約
100 の国と地域が加盟しています。
演劇舞踊文化の発展と
平和構築への貢献を
からホームページもリニューア
ルしました。ぜひ、ご覧いただ
き、事業にご参加いただきたい
と思います。
国際文化交流の上でひとつ朗
報があります。この4月から国
際交流基金に﹁文化のWA︵和・
2014年、新しい年が始まりま
した。皆様には長らくお待たせいた
り、税制上の優遇が受けられるよ
外なく﹁特定公益増進法人﹂とな
となりました。新公益法人は、例
どが含まれます。また、補正予
どを通じての日本文化の紹介な
上されます。舞台芸術・美術な
総額300億2千万円が予算計
││新・公益社団法人として
しましたが、昨年7月をもって旧社
うになっています。この間の事務
環・輪︶プロジェクト﹂として
団法人国際演劇協会は﹁新公益社団
算として芸術・文化の双方向交
流事業などの強化としてアジア
局の努力に感謝したいと思いま
す。
ン諸国との交流を中心に行うと
センターを設立、先ずはアセア
新法人の 名の理事
は、平成 年 月の︵旧
理事会において、代表理
増加が喫緊の課題となっており
に賛同し支えていただく会員の
事業を行います。また、昨年 月
す。
く、よろしくお願い申し上げま
への入会をご勧誘いただきた
事の中から会長
︵永井︶
、
副会長
︵安
した。
ます。皆様の知人関係者の方々
7 月に開催された第一回
加していければと思います。
別議決を受けて選任さ
れ、新法人発足後の昨年 今後の当センターの活動のさ
らなる充実のため、活動の趣旨
いうことですが協会も活動に参
11 18
法人︶総会で一人ずつ個
24
孫子正、吉岩正晴︶が選任されま
永井 多恵子
法人﹂として再スタートを切ること
になりました。
2 万 4 千 余 の 旧 公 益 法 人︵ 社
団 法 人・ 財 団 法 人 ︶ の う ち、
ITI 国際演劇協会
日本センター会長
新体制後は従来からの﹁国際演
20、
736法人が移行申請を行い、
劇年鑑﹂などに加え、より多彩な
そ の う ち の9、0 5 4 法 人 が 新 公 益
法人︵公益社団法人・公益財団法人︶
11
I.T.I. NEWS 2014
1
る理事への報酬の支払いの可否について会
ITI日本センターは、平成 年度の通常総会以来、新公益法人への移行をめざし
て準備を進め、平成 年度の臨時総会︵ 月︶の決議を受けて平成 年1月に移行申
員より質問がなされた。これに対し、個別
請書類を内閣府に提出しました。平成 年度は、移行認定︵6月 日︶
、移行登記︵同
の事業のスタッフとして理事に関わっても
7月1日︶と並行して、旧法人としての最後の総会︵6月︶並びに新法人となってか
らうときは、適正な範囲でルールを決めて
ら最初の理事会︵7月︶を開催しました。総会、理事会の主な内容は次の通り。
謝金を支払っているとの説明が事務局より
なされ、了解された。
複数会員より、会員数の拡大に取り組む
第1号議案 平成 年度事業報告に関する
べきだとの意見が出された。以上の質疑の
平成 年 度 通 常 総 会 議 事 録 か ら 抜 粋
討議、承認
後、事業報告及び決算報告、監査報告につ
日時 平成 年6月 日︵土︶ 時より
いて全員一致で了承された。
会場 松竹株式会社大会議室︵東劇ビル 階︶ 第2号議案
平成 年度決算報告、同監査
報告に関する討議、承認
第3号、第4号議案については、平成
第3号議案 平成 年度事業計画案の討
年度期首に先立って平成 年3月 日の理
議、承認
事会で討議・承認された当初事業計画及び
第4号議案 平成 年度収支予算案の討
当初予算をもとに、その後の状況変化を反
議、承認
映した改訂版の事業計画、収支予算が提案
議論の経過と結果 第1号、第2号議案に
さ れ︵ 議 案 書 頁 ∼ ︶、 第3 号 議 案、 第
つき、平成 年度事業報告書案︵議案書頁
4号議案は異議なく承認された。
1∼6︶に基づき、同年度に実施した事業
報告事項
その他事項として、総会開催の
の概要について、事務局から報告がなされ
前日である6月 日に内閣府より公益社団
た。次いで、同決算報告書︵頁7∼ ︶に
法人への移行について認定通知が届いたこ
基づき、平成 年度決算案の報告がなされ
と、新法人の登記については7月1日に行
た後、監事の舟本巴子氏より、監査報告が
う予定であることについて報告があり、会
員の異動に関する報告とともに了承された。
なされた。これを受けて、事業実施に関わ
10
新 法 人 の 発 足︵7 月1 日 登 記 完 了 ︶ 後、
第1回の理事会が、次のように行われた。
23
会場 松竹株式会社 中会議室︵銀座・東
劇ビル 階︶
25
13
25
25
年度通常総会︵6月︶報告
時
14
21
年7 月7 日 日
( ) 午 前
13
11
日時
平成
より
11
21
23
11
25
25
24
22
ITI日本センター平成
25
︵公益社団法人︶国際演劇協会日本センター 第1回理事会報告
12
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25
25
25
23
25
14
会員現在数 215名
出席者
。
︵委任状
128名︵総会は成立︶
提出者105名を含む︶
出席会員
名
青 柳 敦 子、 安 宅 り さ 子、
安 孫 子 正、 伊 藤︵ 舟 本 ︶ 巴 子、 伊 藤
洋、
大島信 久 、 小 田 切 洋 子 、 川 口 啓 史 、 小 林 弘
文、斎 明 寺 ︵ 関 根 ︶ 以 玖 子 、 真 藤 美 一 、 曽
田修司、高萩
宏、高橋幸夫、永井多恵子、
中山夏織、林
英樹、前田真里衣、松下芳江、
宗重博 之 、 吉 井 澄 雄 、 吉 岩 正 晴 、 和 崎 信 哉
オブザ ー バ ー
越光照文
配布資 料
平成 年度通常総会議案書︵頁
1∼ ︶
24
24
25
2
I.T.I. NEWS 2014
I.T.I. NEWS 2014
3
海外ニュース
タイトル / 都市・国 / 日時 / 主催者 / コンタクト
◇フォーラム「現代のドラマについて」 アテネ /2014.5 月 / ITIギリシャセン
ター
◇「トレーニングからクリエーションまで」
フ ラ ン ス、 ト ル コ /6.23 ∼ 10.31/ イ
デオグラム・プロジェクト(フランス)/
http://ideogramproject.com / 584 時間の
トレーニングの後、7作品を創作・発表、
演劇アーティストのプロとしての可能性を
伸ばす試み。
◇第 18 回国際古代ギリシャ劇フェスティ
バル キプロス /2014.6 月 /ITI キプロス
センター / オリジナルテキストをベース
に 古 代 ギ リ シ ャ 劇 の 研 究 と 上 演 /http://
www.cyprus-theatre-iti.org/English.html
◇第 8 回 ユニオンと和平国際演劇・造形
ビエンナーレ ンジャメナ、チャド /11.3
∼ 10/ITI チ ャ ド セ ン タ ー /themacult@
yahoo.fr ,[email protected] / 優秀 2 作
品はチャドおよび中央アフリカ共和国の国
営TVで放映される。
◇第 4 回 キャンパスシアター・フェスティ
バル 上海 /11.8 ∼ 22/ITI 中国センター
/[email protected] 1 国 2 ∼ 3 の 演
劇学校の優秀作を招待(作品は総勢 40 名
未満、小品は 12 名まで)
、滞在費・国内
旅費支給。
◇ 刊 行「 世 界 の セ ノ グ ラ フ ィ ー 1975‒
1990」
英語版、OISTAT 国際編集委員会
$60.00。続編 1990-2005 は今春刊行
予定。http://wwwworldscenography.org
◇訃報
ポ ー ル・ ル イ・ ミ ニ ヨ ン 氏(1910 ∼
2013.11.16)/ITI 初代会長、ITI フランス
センター創設者、演劇評論家、シャルル・
デュランとルイ・ジューヴェの研究書多数。
創設期の ITI の功労者。
アハメド・ザキ氏 ( ∼ 2013.11.20)/ 前
ITI エジプトセンター会長、演出家。
バ ロ ン・ ジ ャ ン ヌ・ ブ ラ バ ン 氏
(1920.1.25 ∼ 2014.1.2)/ コ レ オ グ ラ
ファー。フランドル・オペラバレエ団で教
鞭をとりその後アントワープ王立バレエ創
設、ディレクター。ベルギー舞踊界のパイ
オニアとして活躍。
し理事全員が了解した。該当する口座、金
第1号議案 会長・副会長の選任について
理事現 在 数
名
額は以下のとおり。
当法人︵公益社団法人国際演劇協会日本
出席
安 宅、 伊 藤︵ 洋 ︶、 大 笹、 小 田 切、 みずほ銀行 築地支店 定期預金
斎明寺、真藤、曽田、永井、永江、中山、林、 センター︶の最初の代表理事として平成
口座番
円
号 1607875
菱沼、吉岩︵以上、理事 名︶、伊藤︵巴︶、 年度臨時総会で選任された理事3名︵永井
10,467,328
第3号議案
多恵子、安孫子正、吉岩正晴︶のうち会長
小林︵監事2名︶
諸規程の制定について
当法人の運営にあたり必要な諸規程の整
を永井多恵子、副会長を安孫子正、吉岩正
欠席 安孫子、坂手、高萩、松田、和崎︵理
備のため、以下の規程規則を制定した。
︵平
晴の両名とする案が提案され、全員一致で
事五名︶、吉井︵監事1名︶
成 年7月7日施行︶
了承された。
議案
事務局運営規程/会計処理規程/就業規則
第2号議案 基本財産の一部を運用財産に
第1号 議 案 会 長 ・ 副 会 長 の 選 任 に つ い て
/印章管理規程/個人情報保護に関する基
変更する件について
第2号 議 案 基 本 財 産 の 一 部 運 用 財 産 へ の
本方針/個人情報管理規程/情報公開規程
定款第四十五条の規定にもとづき、当法
変更に つ い て
/理事の職務権限規程/資産運用規程/受
人の基本財産である二種の定期預金のうち
第3号議案 諸規程の制定について 確
(
認 )
託事業取扱規程/事業委員会規程
一方を解約し、普通預金口座に移管して運
その他
その他
用財産とすることについて、会長より提案
略
フォーラム、フェスティバル、イベント等
18
13
24
25
演劇の国際交流事業や
青少年育成事業に実績
12
ITI日本センターは、ユネスコ傘下の国際組織I
TIの日本センターとして、演劇や伝統芸能を通した
国際交流事業や青少年の育成事業に取り組んでいま
す。継続的に実施している事業には、文化庁からの委
託事業である﹃国際演劇年鑑﹄の編集・発行、これま
でに 回を数える﹃伝統芸能ワークショップ﹄があり
ます。
24
ました。
校生対象の﹃高校生劇評グランプリ﹄をスタートさせ
え、海外で﹃春琴シンポジウム﹄を実施したほか、高
などを開催してきました。2013年は、それらに加
フェッショナル﹂
シリーズ、﹃世界の同時代演劇を知る﹄
劇場との共催によるレクチャー﹁海外で活躍するプロ
を毎年実施している他、
朗読劇﹃この子たちの夏﹄
公演、
近年では、上記年鑑の特集企画として、リーディン
グ& ラウンドテーブル﹃紛争地域から生まれた演劇﹄
ITI日本センター
事業報告2013
◇新企画
﹁海外で活躍するプロフェッショナル﹂シリーズ⋮⋮5
◇﹃この子たちの夏
1945・ヒロシマ ナガサキ﹄⋮⋮6
◇伝統芸能ワークショップ︽能︾⋮⋮7
◇シンポジウム﹁春琴││谷崎文学と舞台芸術の国際共同制作をめぐって﹂
︵米ミシガン大学︶⋮⋮
◇レクチャーシリーズ﹁世界の同時代演劇を知る!﹂⋮⋮
◇新企画
高校生劇評グランプリ⋮⋮
◇紛争地域から生まれた演劇⋮⋮
10
紛争地域から生まれた演劇『修復不能』の舞台
(2013 年 12 月、東京芸術劇場アトリエウエストで)
13
11
4
I.T.I. NEWS 2014
法人 東京都歴史文化財
団 と
) 世田谷パブリック
シアター 公
( 益財団法人
せたがや文化財団 と
)そ
──公立劇場専属俳優としてしぶとく生き抜く』
原サチコさんの﹁ぶっちゃ
けドイツ演劇話﹂
︵東京芸
術劇場シンフォニースペー
スで︶
れぞれ共催で昨年7月
した。
日と 日の2回開催しま
第2回『笈田ヨシ 傘寿〝俳優漂流〟を語る』
して生きるためのさまざまなこ
とを語って下さいました。
話を伺いました。
田さんの映像を交えながら、お
す。﹃笈田ヨシ
傘寿〝俳優漂流〟
を語る﹄と題して、若き日の笈
俳優・演出家の笈田ヨシさんで
第2回にお招きしたのは、パ
リを拠点として活躍されている
15
トル通りのお話でした。
憧れの演出家と出会う
ために、
あらゆる人に
﹁会
わせてくれ﹂と懇願、つ
いに願いを果たし、作品
出演へのチャンスをつか
術監督の交代に伴う移籍
など、日本とは違う劇場
システムの中で、俳優と
の出会いや、その創作現場での
貴重な経験を伺いました。
また、
オペラの演出もなさる笈田さん
の音楽についてのお考えなども
お話し下さいました。
︵事務局・壱岐照美︶
ることができました。
どちらの回も沢山の方々にご
交わす劇場との契約、芸
参加いただき、盛況の内に終え
んだことや、年度ごとに
しぶり、ピーター・ブルックと
飾らない語り口で、ご自身の
く生き抜く﹄というタイ
幼少時代のお話、パリでの暮ら
場専属俳優としてしぶと
﹃原サチコのぶっちゃ
けドイツ演劇話∼公立劇
招きしました。
第1回は、ドイツから
女優の原サチコさんをお
29
笈田ヨシさん
東京芸術劇場、世田谷パブリックシアターと共催で新スタート
今年 度 か ら 新 た な プ ロ ジ ェ ク
トとし て ﹁ 海 外 で 活 躍 す る プ ロ
フェッ シ ョ ナ ル ﹂ シ リ ー ズ が 始
動 し、 東 京 芸 術 劇 場 公
( 益財団
盛況の会場︵世田谷パブリック
シアターセミナールームで︶
第1回『原サチコのぶっちゃけドイツ演劇話
﹁海外で活躍するプロフェッショナル﹂シリーズ
I.T.I. NEWS 2014
5
JKA﹁親と子のふれあい交流活動補助事業﹂
﹃この子たちの夏
1945・ヒロシマ ナガサキ﹄
時代を知るための準ドキュメン
タリー作品として、また国際間
の対話促進の素材として、平和
や教育という観点からも上演を
意味づけたいと考えています。
い交流活動補助事業﹂とし
ター能登演劇堂、兵庫県立尼崎
石 川 県・ 七 尾 市 中 島 文 化 セ ン
会﹂を特別に開催し︵9月
の子たちの夏﹄事業評価委員
当センターの事業委員会で
﹁﹃こ
東京公演は公益財団法人 多 く の 子 ど も た ち に 見 て ほ この報告は、J KA補助事業
J KAの﹁親と子のふれあ し い │ │ 当 セ ン タ ー の 願 い は、 の﹁自己評価﹂の実施にあたり、
て実施されました︵提携=
青少年創造劇場ピッコロシア
メンバーである各理事の意見と
会社︶。
協賛=日本たばこ産業株式
良作を求める自治体や公立劇場
新しい観客に﹂伝える可能性を
アター︶の終演後にロビーにて
東京公演︵世田谷パブリックシ
ま た、 昨 年 一 昨 年 に 続 い て
広げることができました。
発電所事故の被災者に対する義
観客も増加している実績を踏ま
大使館をはじめとした外国人の
団体に均等に寄附しました。
震災ふくしまこども寄附金の3
はる福島基金、福島県東日本大
曽田修司︶
受 苦 と い う 視 点 だ け で は な く、 ︵事務局長
え、今後は、被爆者、犠牲者の
援金を募集し、総額6万3千円
昨年度から導入している英語
イ ヤ ホ ン ガ イ ド の 効 果 が 現 れ、 を、あしなが育英基金、たまき
東日本大震災・福島第一原子力
英語のイヤホンガイド
いくことによって﹁よい作品を 側の期待に応え、事前の丁寧な
東日本大震災に義援金
対話を行いながら上演を行って 評価報告書に基づきました。
ア タ ー、 後 援 = 世 田 谷 区、 の 家 族 連 れ に 迎 え ら れ ま し た。 専門的知見を聴取して作成した
よい作品を、新しい観客に伝えたい
今 年 度 も 8 月 に﹃ こ の 子 た
ち の 夏 1 9 4 5 ヒ ロ シ マ・ ナ
ガ サ キ ﹄ が 上 演 さ れ ま し た。
公益財団法人せたがや文化
ターなどの地方公演でたくさん
日︶、
財団 世田谷パブリックシ
14
1985年以来、世代を超えて
戦争の 記 憶 と 体 験 を 語 り 継 ぐ た
めに長 く 上 演 が 続 け ら れ て 来 た
もので す 。 当 セ ン タ ー が 主 体 と
なり、 い っ た ん 中 断 し て い た 上
演を再開︵2011年︶して以
来、今年で3回目を迎えました。
たくさんの子どもたちに
迎えられた能登演劇堂
1985 年以来上演が続けられている『この子た
ちの夏 1945・ヒロシマ ナガサキ』の舞台
6
I.T.I. NEWS 2014
I.T.I. NEWS 2014
7
文化庁委託事業
伝統芸能ワークショップ︽能︾
伝統 芸 能 ワ ー ク シ ョ ッ プ
︽ 能 ︾ が8 月 日 か ら 日
までの9日間、東京︵青山︶
の銕 仙 会 能 楽 研 修 所 で 開 催
さ れ た。 I T I 日 本 セ ン
ターが 日 本 文 化 の 理 解 と 普
及のた め に 外 国 人 を 対 象 と
したワ ー ク シ ョ ッ プ を 実 施
し 始 め た の は 1 9 8 7 年。
年以 降 は 対 象 を 外 国 人 に
限らず 、 舞 台 芸 術 を 実 践 す
うハードな毎日
時間半のみとい
ブレイクの計1
昼食時と午後の
の演目﹃羽衣﹄を教材に使うこ
物語性と舞踊性の両面を持つ能
最 重 要 課 題 で す、 と の こ と で、
フォーミングアーツに通用する
が洋の東西を問わずあらゆるパ
ととなった
に、ひとりの脱
落 者 も な か っ た。 青 山 と い う
人の先生が他の3人の先生方の
初日、銕仙会の本舞台での開講
4階建ての銕仙会の建物は9日
介 助 で 装 束 と 面 を 着 け﹃ 羽 衣 ﹄
ヨーロッパブランドのブティッ
間すべてITIワークショップ
なって内外ともに高い評価を得
人の受講生
文化を創造する新進芸術家の育
今回のワークショップの文化
庁のテーマは前回同様﹁次代の
束つけの動作に圧倒される。
の無駄のない凛とした一連の装
ゆくプロセスを間近に見学、そ
のシテ・天人の役へと変身して
ク 街 を 横 目 に 一 歩 門 を 入 れ ば、 式。その後、受講生はまず、1
6 カ国
今 回 の︽ 能 ︾ は、 伝 統 芸 能
ワークショップとしては通算
回目、文化庁の委託事業となっ
てから2回目の催しである︵委
一色に染まった。
てきている。
24
礎﹂で、能の、立つ、運ぶ、舞
衣﹄の演技と舞いの美と迫力
そしてそのシテが4 人の先
生 方 の 地 謡 で 舞 う 実 際 の﹃ 羽
研修の場所は本舞台と2つの
研修室である。1コマ2時間で
義は大きかった。
に接することができたことの意
ク シ ョ ッ プ で 学 ぶ 前 に﹁ 本 物 ﹂
子。これから始まる毎日のワー
に、一同はさらに圧倒された様
うという動きの基礎を学ぶこと
ト は、
﹁ 一 に も 基 礎、 二 に も 基
託事業として採り上げられた1 成﹂であった。観世銕之丞師に
﹁本物﹂に接する意義
年 の︽ 日 本 舞 踊 ︾
︶
。 よる指導の中心となるコンセプ 回 目 は、
人の受講生が、猛暑の
銕仙会のシテ方の先生方 人と
6カ国
中、連日朝の 時から午後5時
スにして稽古。その間、休憩は
名曲﹃羽衣﹄を教材に
東京・青山の銕仙会能楽研修所で
挨拶する観世銕之丞師
11
半まで、集中的に﹃羽衣﹄をベー
10
る人た ち の 基 礎 の 素 養 の た
めに参 加 の 門 戸 を 開 き 、 国
26
11
30
籍を問 わ な い 混 成 ク ラ ス の
26
22
形で毎年夏の恒例事業と
ITI日本センター理事
小田切洋子
報告
98
の2 コマでは古事記の一部と
1日3コマ︵午前1、午後2︶、 する機会を得、また、別の午後
受講生は3つにグループ分けさ
れて、この3箇所を毎日必ず経 ﹁マクベス﹂の1場面をもとに、
る。
迫を発しながら立つことでもあ
エッセンシャルなフォルムを発
ことである。そこに無駄のない
見するから感動が伝わるのであ
2人ずつ組んで発声し動いてみ
ろう。
験する。つまり、1日1回は誰
また能のスリ足は、その遅速
強弱緩急による舞台面との摩擦
でも皆 、 能 舞 台 で 必 ず 稽 古 が 出
較する座学の授業があった。
て、
﹃ 羽 衣 ﹄ で 学 ん だ 基 礎 を 比 で無限に物語の距離を表現する
﹁平和礼賛﹂の名曲
︵ こ れ が ハ コ ビ ︶ 故 に、 こ れ も 来るこ と に な る 。 こ の 体 験 も 大
﹃ 羽 衣 ﹄ は ま た、 平 和 主 義 を
前後左右上下にふれ動くことな
伝える曲だ。天人が衣を返して
ワー ク シ ョ ッ プ 後 半 の 午 後 の
1 コマ に 、 幽 玄 能 と 修 羅 も の か
で前後左右上下のあらゆる方向
く、立つとは、目に見えない力
能 の﹁ 立 つ・ 運 ぶ ﹂ は 単 純
に舞台に立って歩くのではな
といった都度都度の説明は、能
え方も密接に関係してくる││
は呼吸の調節、呼吸の強さと整
演技表現の根幹をなし、それに
み合わせを舞台に描く、これが
件を出す。舞いを見せてくれれ
よく分かり、返すについての条
が、終いに人間は天人の事情を
言 っ て、 返 そ う と し な い。 だ
ら自分が見つけたものだからと
欲しいと頼むと、人間は私欲か
く持続して美しく流れる線の組
ら1役ずつを受講生2人がモデ
から無限に引っ張られてその均
の理解だけでなくさまざまな
い に プ ラ ス に な っ た。 そ し て、
﹁立つ・運ぶ﹂の表現術
能舞台 で は 必 ず 一 対 一 で 直 々 に ルとな っ て 面 ・ 装 束 つ け の 体 験
衡の中に立つことで︵これがカ
銕之丞 師 の 指 導 を 受 け る 。
授業が あ り 、 銕 仙 会 所 蔵 の 重 文
ば、と。数百年前の能で表現さ
﹁東遊﹂の舞いを披露し
手許に戻った衣を纏って
頼﹂が成立して、天人は
ことなく話し合いで﹁信
メッセージで、言い争う
のを﹂という天人の強い
「序の舞」の稽古
にあり、天に偽りなきも
こで有名な﹁疑いは人間
先かの問題になるが、こ
こでまた衣が先か舞いが
れた﹁契約﹂である。こ
アートへの取り組みにも言える
「カマエ」の練習
マ エ ︶、 そ れ は 周 囲 に 無 限 の 気
装束を着けて記念撮影
クラス の 貴 重 な 面 の 数 々 を 拝 見
本舞台で充実の9日間
8
I.T.I. NEWS 2014
.T.I. NEWS 2014
9
幕を閉じた。同じ演目が
続く変化の少ないプログ
ラムにも拘わらず、オー
ディエンスの目が舞台に
釘付けになっていたの
は、先生方の見事な謡い
と受講生たちの舞とが創
り 出 す 舞 台 空 間 の﹁ 気 ﹂
の芸術ともいえる緊迫し
た美によるのであろう
中国1、韓国3、ドイツ1、ポー
今回の参加者は外国か
ら8名︵シンガポール1、
花と妙なる音楽に満ち、天人は
名の合計
ランド2︶日本から
て受け止めたに違いない。
稽古を見ながら見所で稽古
優雅な舞を一差し舞った後、や
最終日に公開発表会
がて天に帰ってゆくというもの 名、見学者5名。会場を9日
18
ながら 天 上 界 へ 帰 っ て ゆ く 。
キリ の 舞 い の 詞 章 で は ﹁ 舞 い
ながら や が て 国 土 が 繁 栄 す る よ
うに種 々 の 寶 を 限 り な く 降 ら せ
「ハコビ」の練習
で、楊貴妃が好んだ舞踊とされ
内 容 の 濃 い9 日 間 で あ っ た。 間提供して下さった銕仙会能楽
最終日はその成果を問う公開発 研修所と観世銕之丞師はじめシ
である 。 美 し い 衣 を 纏 っ た 天 人
の舞台 で 見 る こ と が で き る そ う
う古典 舞 踊 が あ り 、 京 劇 や 昆 劇
た。中 国 に は ﹁ 天 人 散 花 ﹂ と い
たところで受講生に聞いてみ
和﹂への希求を確かなものとし
衣﹄を通して、自分たちの﹁平
晴 ら し い と 衆 議 一 決 し た。
﹃羽
と で、﹃ 羽 衣 ﹄ の 平 和 礼 賛 は 素
レライ﹂も然りである、とのこ
のように﹁善﹂ではない。
﹁ロー
いるが、日本の﹃羽衣﹄の天人
ヨーロッパにも人の形をした
異界からの存在が言い伝わって
手渡され、能ワークショップは
で、会長から一人ずつ修了証が
間に及ぶ発表会の後の修了式
一人ずつ披露した。およそ3時
一つを先生方の謡いに伴われて
キリ、マイバタラキ、のうちの
による舞囃子﹃羽衣﹄序の舞と
の﹃羽衣﹄キリの舞、アシライ
表会である。受講生全員が仕舞
氏、ありがとうございました。
島、ジェームス・ファーナー両
謝致します。通訳のマーク・大
師︶と笠井賢一氏に、心より感
本健吾、鵜沢光、安藤貴康の諸
慈一、北浪貴裕、長山桂三、谷
高夫、柴田稔、馬野正基、浅見
テ方の先生方︵清水寛二、西村
ワークショップが一段落し
する作 品 な の で あ る 。
が池の 畔 に 降 り て く る と 辺 り は
と あ る。
﹃羽衣﹄は平和を謳歌
26
観世流・銕仙会の好指導
施し給うて、世に平和が満ちる﹂ ている。
集合写真提供 Nasu 稽古風景撮影 藤井亜紀
ITI日本センター、日米カルチュラル・トレード・ネットワークの共催で
分析、解説した。
カー教授の完璧
な司会進行のお
かげで、質疑応
答の時間も充分
で、他学部の教
授や生徒たち、デトロイトの日
シンポジウム
﹁春琴││谷崎文学と舞台芸術の国際共同制作﹂
の日本研究センターの多大
な協力を得て、非常に充実
本総領事館関係者や日系コミュ
次いで日本の現代演劇にも精
通 し て い る ポ ー ル ト ン 教 授 は、 ニティーの方々を含む 名余り
谷崎の劇作活動を含む演劇との
知的なディスカッションが続け
の出席者は活発に鋭い質問をし、
した内容となった。
関わりを多角的に紹介した。さ
引用を交えながら谷崎作品を掘
パネリストは、現在ハワ
イ大学で教鞭をとるケン・
り下げて解説。サイモンの演出 ﹃ 春 琴 ﹄ と 日 本 の 現 代 演 劇 ﹂ と
られた。
ナダのヴィクトリア大学の
題した原稿を英訳し、参加者全
ら に 谷 崎 自 身 の コ メ ン ト、
﹃春
M・コーディー・ポールト
についても、文楽を彷彿させる
員に配付。本作や過去のサイモ
K・イトウ教授︵元同セン
ン教授、そして﹃春琴﹄初
人形の有効性をはじめとする作
タ ー の デ ィ レ ク タ ー︶
、カ
演時から出演してきた笈田
ン演出作品の日本における上
応、さらに日本のフィジカル シ
演、そのインパクトや観客の反
品の見所に言及した。
最後のスピーカーである笈田
氏は、西洋と日本の視点や感覚
くの時間と労力が必要とされ
説
との関連につい
of Grebe"
て、多様な
﹁アダプテーショ
る。現場では、常識や既成概念
た。同センター現ディレクター
ン︵改作︶
﹂の概念を紹介し、 で あ る ジ ョ ナ サ ン・ ズ ウ ィ ッ
"Barbara of the House 年の演劇活動と多文化生活の洞 異文化間のコミュニケーショ
察に満ちた話は、聴衆を魅了し ンやコラボレーションには、多
と ト マ ス・ ハ ー デ ィ の 小
最 初 に 谷 崎 文 学 の 研 究 の 違 い に つ い て、 例 え ば﹁ 心 ﹂ アターの担い手たちも紹介した。
家 イ ト ウ 教 授 が﹃ 春 琴 抄 ﹄ と﹁ mind(
マ イ ン ド ﹂) を 比 較
異文化コラボレーション
しながら見解を述べた。氏の長 多角的な考察
ヨシ氏の3名。
また、扇田昭彦氏︵演劇評論
琴抄﹄をはじめとする作品から
家︶による﹁マクバーニー演出
60
2013年9月、ミシガン州
アナー バ ー 市 の ミ シ ガ ン 大 学 の
パワー セ
・ ンターで、サイモン・
マクバ ー ニ ー 演 出 の ﹃ 春 琴 ﹄ が
上演さ れ た 。 公 演 に 合 わ せ て 企
吉田恭子 日米カルチュラル・トレード・ネットワーク(CTN)ディレクター
報告
画した シ ン ポ ジ ウ ム は 、 同 大 学
9 月 日、 ミ シ ガ ン 大 学 ハ ー ラ ン・
ハ ッ チ ャ ー 図 書 館 に て︵ 壇 上 は ズ
ウィッカー教授︶
19
10
I.T.I. NEWS 2014
I.T.I. NEWS 2014
11
見 や ア イ デ ィ ア が あ る。
﹃春琴
におい て こ そ 生 ま れ る 新 た な 発
る。そ の 切 磋 琢 磨 と 忍 耐 の 過 程
解を積み重ねていくことにな
し、対 話 や 議 論 を 重 ね な が ら 理
が通用 し に く い 分 、 本 質 を 追 求
演劇史に刻まれるだろう。
も成功したケースの一つとして
る異文化コラボレーションの最
にした﹃春琴﹄は、演劇におけ
れて、その美と魅力を浮き彫り
が、彼の演出の﹁光﹂を当てら
ストの3氏、そして司会から会
遠方から参加いただいたパネリ
多恵子会長と曽田修司常務理事、
また、本シンポジウムは、全
日本社会貢献団体機構の助成に
あるITI日本センターの永井
今回のシンポジウムの発案者で
と深澤ゆりディレクターに深謝
改 め て 敬 意 を 表 す る と と も に、 究センターのズウィッカー教授
讃﹄。サイモンを惹きつけた
﹁陰﹂ る世田谷パブリックシアターに
申し上げる。
月 に か け て、
﹁演
意を表したい。
よって実現した。ここに感謝の
日︵ 火 ︶︹ 講 師 ︺ 小 崎
報告されました。
▽9 月
た。
▽
月
日︵ 水 ︶︹ 講 師 ︺ 佐 和
日︵ 火 ︶︹ 講 師 ︺ 鵜 戸
聡﹁アラブ・イスラム世界と現
▽
典子﹁演劇と社会を繋ぐ︱韓国
代演劇﹂
日︵ 水 ︶︹ 講 師 ︺ 木 村
演劇の現在と文化政策の試み﹂
月
から実践・制度・研究のあいだへ﹂ 民族・ストーリーテリング﹂
現代オーストラリア演劇︱核・
田 敬 司﹁﹃ ナ パ ジ・ ナ パ ジ ﹄ と
月
広がる可能性が示唆されまし
り、世界に対する多様な認識が
よって歴史的社会的な背景を知
た。2つの講演からは、演劇に
連の深いレクチャーが並びまし
ら生まれた演劇﹂シリーズと関
でとりあげてきた﹁紛争地域か
﹁ 世 界 の 同 時 代 演 劇 ﹂ で は、
近年ITIがリーディング公演
場設営にいたるまでお引き受け
いただいたミシガン大学日本研
抄﹄と と も に サ イ モ ン の イ ン ス
ピレーションであった﹃陰翳礼 本公演のプロデューサーであ
ITI、世田谷パブリックシアターの共催で
年9 月 か ら
る!﹂が2年目を迎え、平成
レクチャーシリーズ﹁世界の同時代演劇を知る!﹂
平成 年 度 か ら ス タ ー ト し た
世田谷パブリックシアターとI
ングアーツ﹂
劇と社会﹂﹁世界の同時代演劇﹂ 哲哉﹁現代アートと演劇 ̶
あい
ちトリエンナーレとパフォーミ
の二つのカテゴリーで5つのレ
クチャーを開催しました。
では、 ▽ 月9日︵水︶
・ 日︵木︶
︹講
このうち、﹁演劇と社会﹂
各回の講師が、現代アート、ド 師︺林 立騎﹁社会の変化と演
イ ツ と 日 本 の 演 劇 状 況 の 違 い、 劇の仕事︱ドイツ語圏のモデル
10
TI の 共 催 に よ る レ ク チ ャ ー シ
リーズ ﹁ 世 界 の 同 時 代 演 劇 を 知
10
11
産業政策としての韓国の文化政
13
26
25
策 を そ れ ぞ れ 例 に と り な が ら、 ▽
旧来の﹁芸術文化﹂のあり方が
11
11
12
大きく見直されつつある状況が
10
12
24
東京都高等学校演劇研究会、ワンダーランドと
新スタート﹁高校生劇評グランプリ﹂
当セ ン タ ー で は 、 高 校 生 と 劇
場との 出 会 い と 発 見 と 対 話 を 促
す新プ ロ ジ ェ ク ト を ス タ ー ト さ
せました。第1回﹁高校生劇評
▽実施運営
高校生劇評グラン
プリ︵GP︶実行委員会[公益
松戸高校教諭︶
、
高野しのぶ︵現
演劇協議会事務局長、千葉県立
代演劇ウォッチャー、しのぶの
演劇レビュー主宰︶田中綾乃
︵三重大学准教授、演劇評論家︶
、
萩尾瞳︵演劇・映画評論家︶
▽表彰
最優秀賞 人、優秀賞
人前後。団体賞︵優れた成果
写 真 = が ス タ ー ト し て い ま す。
https://www.hs-theatrereview-
gp.jp
25
究会、ワンダーランド︵小劇場
1
レビューマガジン︶
]
14
▽協賛
松竹株式会社、東宝株
式会社、公益財団法人都民劇場、
4
ンター、東京都高等学校演劇研
社団法人 国際演劇協会日本セ
め、 想 像 力 や 思 考 力 を 伸 ば し、 ▽後援 関東高等学校演劇協議 を収めた高校︶
表現する力を養うことを目指し 会、公益社団法人日本演劇協会 ▽発表 高校生劇評グランプリ
て次の通り実施します。
▽特別協力 こりっち株式会社 公式サイト上で 月上旬発表
▽主催
昨年 月から﹁高校生劇評グ
国際演 ︵五十音順︶
公益社団法人
ランプリ﹂公式ホームページ=
劇協会日本センター
▽選考委員
扇田昭彦︵演劇評
論家︶
、 阿 部 順︵ 全 国 高 等 学 校
1
3
1
15
1
13
1
公益社団法人日本演劇興行協会
11
︻ 対 象 ︼ 年 月 以 降 首 都 ︻ 内 容 ︼投 稿 作 品 は、 自 作
圏 の 劇 場 で 上 演 さ れ た 演 未発表の原稿に限る
劇、ダンス︵舞踊︶
、ミュー ︻ 投 稿 ︼ 人 篇。 高 校 生
ジカル公演︵能・狂言、文 劇評グランプリ公式サイト
楽、 歌 舞 伎 な ど の 伝 統 芸 能 から投稿︵郵送、ファクス
公演を含む︶
ともに不可︶
︻ 応 募 資 格 ︼日 本 の 高 校 に ︻ 期 間 ︼ 年︵ 平 成 年 ︶
在学する生徒︵高校に相当
月 日 金
( ∼
) 年︵ 平
する課程を含む。
国籍不問︶ 成 年︶ 月 日 水
( ︶必
︻ 字 数 ︼日 本 語 で 1 2 0 0 着
字∼2000字
13
グ ラ ン プ リ︵ G P ︶
﹂ は、 若 い
世代の 演 劇 ・ 劇 場 へ の 関 心 を 高
20
11
26
▽協力
歌 舞 伎 座、 劇 団 四 季、
新国立劇場、新橋演舞場、世田
谷パブリックシアター、帝国劇
場、株式会社東急文化村、東京
芸 術 劇 場、 フ ェ ス テ ィ バ ル /
トーキョー実行委員会
募集要項
12
I.T.I. NEWS 2014
I.T.I. NEWS 2014
13
ITI﹁国際演劇年鑑﹂調査研究事業
て日常を生きている土地。俳優
パレスチナとは、誰もが演技し
開催し、作品の理解を深めるこ
氏を迎えて、トークイベントを
1 )
とは、演じることを生業として とができた。 (*
いる人間。さらに、この地にお 亡霊たちとその縁者の
き、人、世界、価値観等々、多
柄、さらに生きにくい状況に身
とさえままならないのに、職業
集めて書かれたもので、対立す
は、紛争による喪失体験の声を
復不能﹄を紹介した。この戯曲
として企画に関わらせていただ
面にわたり、かけがえのない出
を置く俳優たちが、崩れゆく社
││﹃3
1﹄は、2013年
女︵
﹁平和の武器﹂たる俳優た
会 の 中 で﹁ ど う 生 き ら れ る か ﹂ る3つの民族の男たちと一人の
会いに恵まれた。
チナ人として日常生活を営むこ
理不尽な真実
いて演劇とは、一部の人々から
私は戯曲﹃修復不能﹄の翻訳と すれば無意味な悪習であり、タ
﹃修復不能﹄ アフガニスタン
制 作 補 佐︵ 主 に 海 外 招 聘 関 係 ︶ ブーとみなす人もいる。パレス か ら は、 AHRDO
︵アフガニス
タン人権民主主義連盟︶の﹃修
紛争地域から生まれた演劇
月末に
﹁紛争地域から生まれた
演劇﹂企画は今年度で5
回 目 を 迎 え る。
日には
﹂が行われ
は5 日間にわたり当企画
の﹁ パ ー ト
た。 ま た 、 1 月
﹂ と し て﹁ 日 本
﹁ パ ー ト ﹂ で は、 リ ー デ ィ
ン グ 公 演 と ト ー ク、 ラ ウ ン ド
ち︶が、亡霊たちとその縁者に
を語る。
月
︵公演の一か月前︶
、
テレサ・
テーブル、クロストークを通し
ション︵イタリア︶で1位を獲
代わって、理不尽な悲しい真実
アルジェリアの戯曲
︵日本初演・
てパレスチナ、アフガニスタン、 ポモドーロ国際演劇コンペティ
in
﹁パート
│パレ ス チ ナ 演 劇 交 流 セ ミ
で
ナー﹂ を 開 催 し た 。 こ の セ
ミ ナ ー に は、 パ ー ト
1 ﹄の作者であり
紹介したパレスチナの戯
曲﹃3
出演俳 優 で も あ る イ ハ ッ ブ
︵イーハーブとも表記︶・ザ
1
初訳︶を紹介した。
得した。
の メ ン バ ー は、 危 険
AHRDO
パレスチナで俳優は
自 ら の 生 き ざ ま を さ ら し て、 と隣り合わせで、演劇を通じて
強 く、 生 き 方 を 模 索 す る 表 現 対立する民族同士に理解し合う
どう生きられるか?
﹄ パレスチナからは、 者 と し て の 姿 勢 は、 こ の 賞 の 機会を設けるなど、アフガニス
﹃3 1 リーディングとクロストーク
in
11
化、中央大学︶
、宗重博之氏︵劇
団黒テント︶
、演出の杉山剛志
出を手がけるヤルマー・ホルヘ・
イ エ ス シ ア コ ン セ プ ト﹁ 裸 の 演 劇
タンの民主化・平和を目指す活
Teatro
ターの俳優た
﹂に一致する。
動をしている。
Nudo
ちによって書
﹃3 1﹄ の 終 演 後 に は、 細 終演後のトークには、演出の
か れ た﹃3
田和江氏︵イスラエル文学・文 公 家 義 徳 氏 と、 AHRDO
の共同
創設者であり﹃修復不能﹄の演
1﹄ を 紹 介 し
た。 占 領 下 の
in
1
パレスチナ﹃3 1﹄
アフガニスタン﹃修復不能﹄
アルジェリア
﹃包囲された屍体﹄
in
in
12
26
1
ハ ダ ァ 氏 を 迎 え る。 今 回、
後藤絢子『修復不能』翻訳・本企画制作補佐
報告
2
in
さ ん か ら は、 AHRDO
の仲間の
こと、 被 抑 圧 者 と と も に 演 劇 を
ルマーさん︶を迎えた。ヤルマー
︵ ボ リ ビ ア / ド イ ツ。 以 下、 ヤ
ならではの切り口で、ヤルマー
/和光大学︶を迎えた。お二人
和之氏︵南・西アジア文化研究
翻訳にご助力をいただいた村山
ンドテーブルに登壇した新野守
兼ね備えている。上演後のラウ
を扱っているが、強い現代性を
主 宰。 過 去 に ア フ ガ リ ア か ら は、 カ テ ブ・ ヤ シ ン
団 DA/M
ニスタンの演劇団体を招聘︶と、︵1 9 2 9 ︱ ︶ の﹃ 包 囲 さ れ
ランス演劇︶もみえて、その公
スに留学中だった伊藤洋氏︵フ
は1945年の
﹁セティフ暴動﹂ れた屍体﹄の初演当時、フラン
た屍体﹄を紹介した。この作品
演がいかに話題になったかを話
客席にはベルギーでの﹃包囲さ
論 ︶、 新 野 氏︵ 上 述 ︶ を 迎 え た。
は鵜戸氏、七字英輔氏︵演劇評
するこ と 、 外 国 人 と し て 共 同 体
さんからも興味深いお話を引き
では、上演前に
が、
日の公演
て容易ではない
解するのは決し
満ちていて、理
ことばは象徴に
とができた。︵ 3
*︶
人の演出家の日々を垣間見るこ
るのか。迷い、悩み、挑んだ三
して、どのような立場で表現す
にアクセスするのか。どう理解
かもしれない世界に、どのよう
が多くを語った
き、俳優の身体
る作品解説が付
ま っ た。
﹁芸術と平和構築﹂を
究事業の一環として
発行﹁国際演劇年鑑﹂の調査研
なお、この﹁紛争地域から生
まれた演劇﹂シリーズはITI
年から始
ことで、観客の
目指すユネスコ精神に則り、世
終演後のラウ
ンドテーブルに
を目指している。
界のITI活動との
﹁連帯と絆﹂
09
ジョーフリ=アイヒホルン氏
ベース の 演 劇 に 関 わ る こ と な ど
広 氏︵ ド イ ツ 演 劇、 立 教 大 学 ︶ し、感慨深いひと時となった。
は﹁2010年末∼2011年
﹁パート ﹂の楽日でもある
月 日の終演後には、3作品
の〝アラブの春〟を彷彿とさせ
1
理解を助けた。
広田淳一氏によ
23
出していただいた。
︵ 2
につい て お 話 い た だ い た 。
*︶
〝アラブの春〟を思わせる
ラウ ン ド テ ー ブ ル に は 、 ヤ ル 23
の演出家たちと鵜戸氏を迎えて
12
な構造で書かれ、 クロストークが行われた。遠い
る﹂と話した。この戯曲は複雑
撮影
石澤知絵子
強い現代性
マーさんのほかに、大橋宏氏︵ア
﹄ アルジェ
ジア・ミーツ・アジア代表、劇 ﹃包囲された屍体 89
写真上は AHRDO(アフガニスタン人権民主主義連盟)の
共同創設者で『修復不能』の演出家・ヤルマー・ホルヘ・
ジョーフリ=アイヒホルン氏と日本語公演演出者の公家義
徳氏(稽古場で)
。写真下は『修復不能』の舞台
14
I.T.I. NEWS 2014
I.T.I. NEWS 2014
15
3作品の注釈と補足
﹄
︵*1︶﹃3
翻訳 は 柳 谷 あ ゆ み 氏 、 演 出 は
杉山剛志氏、出演は木野本啓氏、
﹃ 3 1 ﹄ の う ち、 い く つ か
のせり ふ が 月 日 、 日 刊 ゲ ン
重盛次 郎 氏 、 廣 畑 達 也 氏 。
in
1
12
21
ト ﹂は、今村沙絵氏をはじめ
れた。なお、本作の上演と﹁パー
ダイの ﹁ 読 む 演 劇 ﹂ 欄 で 紹 介 さ
in
とする ピ ー ス ビ ル ダ ー ズ ︵ 平 和
構築を目指す特定非営利法人
で、本 部 は 広 島 。 パ レ ス チ ナ 支
部もあ る ︶ の 方 々 の 協 力 体 制 の
撮影
石澤知絵子
大久保 鷹 氏 、 正 木 ひ か り 氏 。 ラ
士が、民族という溝によって歩
じ悲しみを抱えて生きる人間同
月
日発行︶
2014年
行︶で本作︵英訳版︶を掲載し
1月1日発
でつらい過去を思い出し、語
ている。
エネルギーに変える﹂力がある
佐藤氏のラバーブ演奏が一月五
氏、 稲 垣 干 城 氏、 糸 山 和 則 氏、
山森信太郎氏、小角まや氏、宮
崎雄真氏、沼田星麻氏。
月には鵜戸氏によるレ
ク チ ャ ー が 開 催 さ れ た︵
﹁世界
の同時代演劇を知る!﹂シリー
ズ﹁アラブ・イスラム世界と現
しみは﹁プレイバックシアター﹂ ネットラジオで放送された。
とヘラート︶およびインター
て、昨
アラブ・イスラム圏の演劇に
争 ﹂プロデューサー︶の声と
ついて理解を深める機会とし
家 氏、 小 山 氏、 林 英 樹 氏︵
﹁紛
太郎氏、西村壮悟氏、浅野千鶴
︵*3 ︶ 翻訳は鵜戸聡氏、演
マーさんは、演劇には﹁涙を
出は広田淳一氏、出演は西川康
ることは酷なことだが、ヤル
撮影
山口真由子
PAJ
Arts Journal)
も 最 新 号
(Performing
台芸術誌
メリカの舞
た。さらにア
に掲載され
20
︵ 1 0 6 号、
『包囲された屍体』の舞台
代演劇﹂︶
悲しみで紡がれており、その悲
は高橋啓祐氏。ヤルマーさんは、 み寄れない悲しみ⋮⋮。
本作は、 日、アフガニスタン︵カーブル
バーブ 演 奏 は 佐 藤 圭 一 氏 、 映 像
5
花 ヶ 前 浩 一 氏、 大 谷 賢 治 郎 氏、 して新しい命を生む悲しみ、同
と語る。
︵*2︶﹃修復不能﹄
拙訳 に よ る も の で 、 演 出 は 公
上演後、ラジオジャパンより
家 義 徳 氏、 出 演 は 小 山 萌 子 氏、 来のため、万分の一の希望を託 取材が入り、ヤルマーさんと公
もとに 実 現 し た 。
『3in 1』の舞台
の手法でアフガニスタンの人々
本 作 は 昨 年9 月、﹁ シ ア タ ー
アーツ﹂誌 号︵2013年9
から集めた生の声である。人前
56
稽古場にも足を運んでくださった。
抗し え ぬ 敵 に 愛 す る も の を 奪
われる 悲 し み 、 わ が 子 の 代 に 平
和がな い と 知 り つ つ も 、 遠 い 将
11
2
I.T.I. NEWS 2014
16
桐朋学園芸術短大が参加
各校の特色、指導教授の個性が発揮された
ワークショップ=中央戯劇学院北劇場で
世 界 演 劇 学 校 フ ェ ス 央戯劇学院で開催されました。
ティバルの第1回は 年、 舞台公演とワークショップに
分かれ、公演はシェイクスピア
分と定めら
を自由演目して、上演時間
はそれぞれ
40
年、第3回は
18
第2回は
作品を課題作とし、各国が自国
年9月 日から 日
昨
民族的・芸術的伝統を競う作品
劉立濱
13
11
28
れました。各国の学生が自
由に飛び入り参加できる
ワークショップは、各校の
特色、指導教授の個性が発
まで、いずれも北京の中
報告
中央戯劇学院
校務委員会主任・教授
訳
菱沼彬晁
世 界 演 劇 学 校 連 盟(Global Alliance of
Theatre School 略 称 GATS) は、 ユ ネ ス コ
傘 下 の 国 際 演 劇 協 会(International Thetre
Institute 略称 ITI)教育センターによって 07
年に設立が提唱され、 翌 08 年9月、スペ
インのバルセロナで開催された第5回「世界
演劇学校学長」会議とマドリードで招集され
た第 32 回「国際演劇協会」でそれぞれ満票
を得て発足した国際機関です。
連盟の活動目的は、グローバルな演劇教育
の共同研究、教学経験の交流を推進し、その
成果を分かち合うプラットフォームを構築す
ることによって学術的な共同作業を継続させ
ると共に、演劇教育の国際的な情報交換を高
次元で促進し、世界の演劇教育事業の発展に
寄与することにあります。連盟が行った8項
目の決議の中、隔年で世界演劇学校フェス
ティバル(略称 GATS FESTIVAL)の開催が
明記され、中国の中央戯劇学院に運営が委託
されました。中央戯劇学院はこのフェスティ
バルのために二つの演劇賞を設けました。最
優秀演技賞と優秀演技賞です。最優秀演劇賞
を受賞した学生(中国人学生を除く)には,
その技芸をさらに磨くため中央戯劇学院に半
年間(第1学期=9月∼翌年1月、第2学期
=3月∼7月)留学の資格が与えられます。
昨年9月、北京の中央戯劇学院で
ITI第3回世界演劇学校フェスティバル
09
I.T.I. NEWS 2014
17
揮され 、 会 場 は 若 者 ら し い 熱 気
中国話劇芸術研究会の演劇研究
的スタイルを競い、独自の解釈
長、 文 化 省 教 育 科 学 技 術 局 長、 が洗練された演出と演技で民族
で行われ、中国教育省国際局局
を際立たせるなど、日ごろの訓
身体的訓練を課しました。
の動きを誘発する感覚の錬磨と
感し、互いに感応し合い、互い
ました。相互の距離と関係を体
の存在を感じとることを要求し
第3回の参加校は中央戯劇学
院、桐 朋 学 園 芸 術 短 期 大 学 、 ブ
家、専門家らが多数参加しまし
練ぶりを観客に印象づけました。 中国・北京
のある北京市東城区の実験劇場
今回の課題作はシェイクスピ
ア﹃ 夏 の 夜 の 夢 ﹄
。 各 国・ 各 校
ルガリ ア 国 立 演 劇 ・ 映 画 ・ テ レ
た。アトラクションに中央戯劇
に包ま れ ま し た 。
ビ芸術 大 学 、 ド イ ツ ・ エ ル ン ス
もった場面展開に盛大な喝采が
る内容となりました。
年々レベルの向上をうかがわせ
各校のワークショップのポ
イントを紹介すると││。
ブルガリア国立
演劇・映画・テレビ芸術大学
合わせて白雲や流水など自然の
イメージを身体で表現するよう
求めました。参加者たちが最大
限度まで自由にのびのびと身体
ネットさばきの訓練が披露され
ぞれ異なった伴奏で自分の名前
授は身体を筆になぞらえ、それ
を広げられるように、姜若瑜教
ました。
他校の学生たちもニナ・
を書く訓練を行いました。これ
は学生たちが平静な状態に自分
を解き放ち、自身の﹁気﹂の流
動を感じ取り、中国の伝統文化
調し、学生たちの想像力を引き
ル ド ル フ・ コ ロ ッ ク
Rudolf
の﹁天人合一﹂の境地を体得さ
使した変幻自在の演出が注目
り出していきました。教授はま た、すべての学生に対して他者 せようとするものです。
されました。ワークショップ
ら始まって﹃夏の夜の夢﹄の
ではまず身体表現力の訓練か
ドイツ エルンスト・
出しながら豊かな舞台形象を作
ブッシュ演劇大学
てロープと巨大なネットを駆
こ の 大 学 の﹃ 夏 の 夜 の 夢 ﹄ を共に作り上げました。
公演では舞台の進行に合わせ
﹁想像力のないところに芸術
はない﹂とペトコヴァ教授は強
ペ ト コ ヴ ァ Nina Petkova
教授
の指導を受け、魔法の森の場面
﹁想像力のないところに芸術はない﹂
他者の存在と空間の認識
送られました。
で名場面、名曲を演じ、力のこ
学院音楽劇系の学生がメドレー
課題 作 は ﹃ 夏 の 夜 の 夢 ﹄
開幕 式 は 中 央 戯 劇 学 院 旧 校 舎
●熱気あふれるワークショップ
たちが想像力を働かせ、音楽に
ト・ブ ッ シ ュ 演 劇 大 学 、 韓 国 中
ました 。
回に続いて2回目の参加となり
芸術大学の7校。桐朋学園は前
キエフ 国 立 演 劇 ・ 映 画 ・ テ レ ビ
ス大学演劇学院、ウクライナ・
央大学 、 メ キ シ コ ・ ヴ ェ ラ ク ル
ワークショップは経験豊富な指 中央戯劇学院
導教授の腕の見せどころとなり、 琴の古曲の調べと共にワーク
ショップが始まりました。学生
中央戯劇学院徐翔学長が開幕の挨拶
教 授 は﹁ も し、 組 む べ き
Koloc
相手が な け れ ば 、 一 人 の 独 立 し
た個体 と し て 演 技 を 成 し 遂 げ る
ことは で き な い ﹂ と 説 き 、 次 々
と 異 な っ た 合 図・ 指 示 を 送 り、
学生た ち が 即 応 の 動 き を 起 こ す
よう求 め ま し た 。 指 示 の な い 状
態 で は 自 ら 感 覚 を 研 ぎ す ま し、
その場 の 集 団 的 な 行 動 の リ ズ ム
を 体 得 す る よ う 指 導 し ま し た。
参加者 た ち が 歩 き な が ら 他 人 を
観察し 、 声 を 交 わ す こ と な く 意
思を疎 通 さ せ 、 暗 黙 の 了 解 を 成
り立た せ る プ ラ ク テ ィ ス 。 お 互
いが機 械 仕 掛 け の よ う に 呼 応 で
きるよ う 想 像 力 を 鍛 錬 す る 指 導
をグル ー プ 別 に 行 い ま し た 。
における伝統的な所作の中に見
出した訓練方法を参加者に伝授
しました。二人一組になって互
する際の演技を指導しました。
所作を行います。この訓練は演
相手を、もう一人がリードする
コントロール能力を鍛錬しまし
反応、正確な身ごなしと運動の
整然とした歩行のリズムある
いは疾走や跳躍の過程で機敏な
メキシコ
ヴェラクルス大学演劇学院
技者に対して、心の動きをより
た。力の配分やバランス感覚を
いに両手を合わせ、目を閉じた
よく表現する助けになります。
いかに身につけるか。学生たち
は相撲の練習をする中で、力の
覚と手応えを感じ取り、単なる
コントロールについて確かな感
学生をグループ分けし、注意
力を喚起する練習から始まりま
力 と 力 の ぶ つ か り 合 い で な く、
韓国
中央大学
した。風船を宙に飛ばし、床に
落ちないようにします。この後、 身体の弾力と柔軟さが求められ
ウクライナ・キエフ国立
演劇・映画・テレビ芸術大学
いきました。
心の平衡を保つ術を身につけて
白楠永教授は学生を国別に分け、 る中、一種の身体的な平衡と内
指示する目標物に変身するよう
や形、顔の表情や動きを再現さ
けでなく声を発し、目標物の声
ための身体訓練法を演じて見せ、 要求しました。身体を用いるだ
他校の学生の参加を呼びかけま
した。身体と呼吸のコントロー
ブラウン運動になぞらえた不
規則な動き、 段階までの速度
ルを体得しようとするものです。 せるなど、学生の注意力、平衡
感覚を鍛えるだけでなく、観察
変化の練習を行いました。2人
した。 水 の 流 れ や そ の 不 確 定 な
力や集団行動の能力向上にも役
が1組となって身体の感受性を
注意力を集中し演技力を鍛える
立てようというものです。白楠
高める訓練です。目を閉じた一
動きを 手 の 指 で 模 倣 し 、 共 同 し
永教授は仮面の用い方について
人を、もう一人がリードするこ
ために、呼吸によって身体に気
も範を示しました。学生にも面
とによって相互の信頼感を養い、
て相手 の 存 在 を 感 じ 取 ら せ よ う
をつけさせ、動物や人間に変身
をめぐらせる方法ということが
さら に 、 手 の 指 を 用 い て 水 を
すくい 、 水 を 飲 む 練 習 を 行 い ま
桐朋学園芸術短期大学『夏の夜の夢』の舞台
とする 訓 練 で す 。
日本 ・ 桐 朋 学 園
できます。
芸術 短 期 大 学
ワークショップのリーダーで
まず日本人の学生が演技者の ある佐藤晃子氏は、日本の舞踏
10
18
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I.T.I. NEWS 2014
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ます。 さ ら に ド ミ ト ロ ・ ボ ゴ マ
調和の と れ た も の に な っ て い き
この役 割 を 交 代 し な が ら 練 習 を
校の教師、学生との交流が深ま
に向けて心を通わせました。他
9月 日午後、昌平新キャン
パスの野外劇場で閉幕式が行わ
れ、舞台創造という共通の目標
る側も一体となって生気にあふ
確認させました。
と相手がどう変わっていくかを
れ、最優秀演技賞と優秀演技賞
たい﹂と語りました。
若い劇団員にも受けさせてやり
どのワークショップ会場も熱 ﹁ ワ ー ク シ ョ ッ プ の レ ベ ル の 高
身体の リ ズ ム を 感 じ 取 り 、 双 方
気に満ち、教える側も教えられ さに感銘を受けました。日本の
続けま す 。 二 人 は 互 い に 相 手 の
り、相互に学び合い、それぞれ
た。日本から来た伊藤巴子氏は
に大きな収穫をもたらしまし
がいわゆる﹁天人合一﹂の境地
烈な祝賀の声が送られました。
各国各校の参会者、来賓から熱
氏︵ ル ー
ル Corneliu Dumitriu
マ ニ ア ︶ ら が 受 賞 者 を 表 彰 し、
秘書長コルネリュ・ドゥミトゥ
長の徐翔氏、世界演劇学校連盟
世界演劇学校フェスティバル実
が 二 人 の 学 生 に 贈 ら れ ま し た。
情の深さ、そこに再現される美
む﹄を体感して下さい。﹁詩仙﹂
れ た 身 体 を 解 き 放 ち ま し ょ う。 詩人・李白の﹃廬山の瀑布を望
で、人間の精神は直接外界と関
さんにとって格好の
的境地のすべては、演劇を学ぶ
自分の身体を知り、自分の身体
中国伝統の詩は演
技、演出を志すみな
行委員会主席で中央戯劇学院学
教授
ゾ フ Dmytro Bogomazov
は学生 た ち に 地 面 を 踏 ん で い る
高揚させてくれます。その韻律、 のユニゾンが奏でられます。
係を持つのです。今日は唐代の
の動作 は よ り ス ム ー ズ に 、 よ り
感覚を 確 認 さ せ 、 運 動 中 に 自 分
抑揚、現実を超える想像力、感
演技、演出の訓練は身体から
始まります。抑圧され、束縛さ
材料です。生命と人
学生が本来備えなければならな
神を体現した詩人だったのです。
生に対する詩人の感
で感知した外界のすべてを内的
李白はまさに﹁天人合一﹂の精
形で具現化され、読 言葉が情感の表現や生命力の
む 者 の 心 を 純 化 し、 表出に行きづまると、歌と踊り
感知した内的世界を自分の身体
を外的世界につなぎます。そこ
が息を吹き返します。このセッ
によって表現するのです。
植物も生きとし生けるものはす
めさせ、身体を通して生命力と
古代人は身体の内部と外部を
自由に行き来しました。動物も
ん。でも、先入観念は禁物です。
お好みに合わないかもしれませ
が、旋律は単調で、みなさんの
然の融合でした。これ
が強調したのは人と自
くして聴いて下さい。
目を閉じ、耳の増幅装置を大き
の精髄に通じるものがあります
試みです。このとき身体の内部
べて魂を持ち、中国の古代文化
訳・菱沼彬晁
人間性に内在する美を表現する
と外部が統一され、天・地・人
まったくの別物です。中国文化
世界に取り込み、次に私たちは
今回使用する琴の古曲は、皆
さんが親しんでいる音楽とは
ションは眠っていた身体を目ざ
いものだからです。
26
性、感動が理想的な
李白の詩を身体表現
姜若瑜教授
中央戯劇学院・姜若瑜教授のワークショップ
「天地合一」のユニゾン
李白の詩に入る前に、ウオー
ミングアップ、自分の体を筆に
なぞらえ、自分の名前を書くト
レーニング、五感を全開にして
自分が立っている空間を知覚す
るトレーニング、5∼6人がグ
ループになって自分が好きな位
置に立ち︵他人からは好きな位
置 に 立 た れ ︶、 移 動 し な が ら 自
分自身を知覚し、また自分の中
に湧き起こる情動を表現するト
レーニングなどを行った。
掛 か る を /飛 流 直 下 三 千 尺
ず/遙かに看る瀑布の前川に
日は香炉を照らし て 紫 煙 を 生
李白﹃ 廬 山 の 瀑 布 を 望 む ﹄
/ 疑 う ら く は 是 れ 銀 河 の
九 天 よ り 落 つ る か と
︵訳
太陽が香炉峰を照らし
出すと 、 光 に 映 え て 紫 の 霞 が 立
の部分で受けとめましたか。そ
こを強調して下さい。たとえば
せん。忘れてならないのはあな
あっても動的であっても構いま
河、紫色の霞││動作は静的で
下さい。太陽、滝、三千尺、銀
ナル離れ﹂をするかを心がけて
劇のプロなら、いかに﹁オリジ
いっこうに構わないのです。演
杜甫の﹃絶句﹄をご参考下さい。
う。 例 え ば 中 国 の 古 詩 の 場 合、
なテーマを選ぶのが無難でしょ
ぶかは、厄介な問題です。明快
入っていけました。どの詩を選
済み、1時間ほどで詩の内容に
したもので、練習量も少なくて
た自身の﹁気の流れ﹂と自然の
両箇の黄鸝
翠柳に鳴き/
息吹きなのです!
一行の白鷺
青天に上る/
③この詩の中に、あなたの体 窓には含む西嶺千秋の雪/
が感じる言葉を探し当てたとき、
門には泊す東呉万里の船
動作をしながらその言葉を口に
︵訳
2羽のウグイスが翠の
柳に鳴き、一列の白サギが青空
に上っていく。窓には千古の雪
して下さい。それはいくつあっ
ても構いません。順に続けて下
がはめこまれ、門には東呉に向
かう船がとまっている︶
さい。
の線、あなた体のどの部分を用 ④ あ な た の 体 と 詩 の 言 葉 が
流れ落ちる滝、銀色に光る無数
中央戯劇学院北劇場でのワークショップ風景
とがありますが、叙述を主体に
2時間半の講義を香港でしたこ
の時間をかけていました。以前
つ。この峰の遙か向こうの川に いて表現しますか?
ハーモニーを奏でた感じたとき、 姜若瑜教授略歴
中央戯劇学院演
出系教授・演出家。1990年同学
滝 が か か っ て い る の が 見 え る。
院演出系卒。 ∼ 年北京京劇院で
②体で詩を表現するとき、原 どの一句でもその詩句を表現し
演出担当。 ∼ 年ニューヨーク州
飛 ぶ 流 れ は ま っ す ぐ に 三 千 尺。 文 を 丸 呑 み し て は な り ま せ ん。 て下さい。
立 大 学 演 劇・ 舞 踊 研 究 科 マ ス タ ー
天の川が大空のてっぺんから落 雨が降るからといって手を頭に
総括 このワークショップで
コースで演技・演出・現代舞踊の振
下した の か と 思 え る ほ ど だ ︶
やったり、太陽の熱が熱いから は時間の配分に問題がありまし
り付け・構成を専攻。 年中央戯劇
学院演出系教授就任。2008年同
①さて、あなたはこの詩から といって手で汗を拭いたりする た。これまで古詩をテーマにし
学
院
演
劇
・
映
画
・
テレビ系教授就任。
どんな印象あるいは衝撃を受け のは、演劇のプロのやることで た授業では1カ月から1カ月半
主
な
演
出
作
品
は
ブレヒト﹃兵士シュ
ベイクの冒険﹄
、 ソ ー ン ト ン・ ワ イ
ル ダ ー﹃ わ が 町 ﹄、 テ ネ シ ー・ ウ ィ
も、横向きの線で表現したって
ま し た か? 詩 の 内 容、 情 感、 はありません。滝の水が線状に
リズム、韻律、あるいは曰く言 流れ、縦に落ちているといって
い難い 何 か │ │ あ な た は 体 の ど
リアムズ﹃ガラスの動物園﹄、
スーザン・
ソンタグ﹃ベッドのアリス﹄ほか。
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アジ ア 演 劇 教 育 研 究 セ ン タ ー
︵ Asia Theatre Education Centre
略称ATEC︶は、日本大学芸
報告戸田宗宏
演劇学 科 が 中 心 と な り 、 ア ジ ア
盟校と、参加希望登録してい
劇学院が加わり現在 校の加
表する。期間中は各大学の教員・
元日本大学芸術学部演劇学科主任教授
現中央戯劇学院客員教授
ATEC秘書長
今年の活動は 月 日
︵日︶から 日︵金︶
、﹁第
専門家によるワークショップを
選考し、あわせて審査結果も発
回大学生演劇祭﹂
と
﹁第
18
設けられる。
世界演劇教育大会は、世界各
国 の 著 名 な 教 育 者・ 専 門 家
カ国総勢
る。また教員や専門家に
による講評会が行われ
後は参加校の学生代表者
められている。公演終了
するなど細かい条件が定
分、演出は学生が担当
験劇場とし、上演時間は
化﹂
。会場は東城校舎実
課題は﹁伝統演劇の現代
れている。
﹁世界演劇教育大会﹂
教員・専門家の懇談会が予定さ
らの演劇教育﹂を実施、さらに
現状と課題﹂や分科会﹁これか
め、シンポジウム﹁演劇教育の
著名人による基調講演をはじ
マは﹁アジア トゥディー∼
世 紀 の 演 劇 教 育 ∼﹂
。世界的な
備が進められている。統一テー
250名の参加を目標に現在準
名 を 特 別 招 聘 し、
よる審査委員会が設けら
大学生演劇祭は加盟校
による演劇祭で、今回の
で同時開催される。
が北京・中央戯劇学院内
1 回 世 界 演 劇 教 育 大 会 ﹂ 行ったり、参加学生の交流会が
5
術学部 演 劇 学 科 と 中 国 中 央 戯 劇
の演劇 系 大 学 に お け る 演 劇 教 育
る非加盟校約 校がATEC
国立演劇学院、インド国立演
の活性 化 を 図 り 、 教 職 員 や 専 門
の活動に参加している。
学院、 韓 国 中 央 大 学 校 芸 術 学 部
家のみ な ら ず 学 生 た ち を 交 え た
年 月創設された。
学術研 究 や 演 劇 交 流 を 図 る た め
主な活動は、毎年 月の国
際フォーラムと隔年ごとに開
に
かれるアジア大学生演劇祭を
行している。また世界の演劇
実施、国際フォーラム論文集
創設時は3校のほかに上海戯
劇学院 、 中 国 戯 曲 学 院 、 香 港 演
系大学関係者との交流を深め
校と加盟希 望 校
芸学院 、 シ ン ガ ポ ー ル 南 洋 芸 術
ていく必要性から 年から国
加盟
学 院 が 加 わ り7 校 で 発 足 し た
際フォーラムは隔年毎とし
やATEC国際交流年鑑を刊
が、そ の 後 桐 朋 学 園 芸 術 短 期 大
TEC本部は中央戯劇学院内
23
は新校舎の昌平校舎で行われる。
30
20
学演劇 科
ベトナムハノイ国立 ﹁ 世 界 演 劇 教 育 大 会 ﹂ を 交 互
演 劇 映 画 学 院、 ウ ズ ベ キ ス タ に開催することになった。A
ン 国 立 芸 術 学 院、 コ ロ ン ビ ア
大学生演劇祭と世界演劇教育大会を同時開催
れ、ベスト作品賞などを
45
15
5
14
21
20
3
60
10
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05
大学、韓国青雲大学、 にあり、理事長は徐翔氏︵中
Valle Cali
韓国西京大学、オーストラリア 央戯劇学院院長︶
。
今年 5 月 18 日∼ 23 日、北京の中央戯劇学院で
アジア演劇教育センター
︵ATEC︶
と中央戯劇学院
I.T.I. NEWS 2014
21
新校 舎 は 現 在 の 東 城 校 舎 か ら
約 キロある文教・産業などの
223㌶の新キャ ン パ ス
ている。
流担当部署の外事課室も充実し
かされる。事務棟内には海外交
ち並び、施設や設備の規模に驚
化的な地区にしたいという政府
るそうだ。これは昌平地区を文
小あわせて6つの劇場が完成す
きているが、 年までには大中
で成り立っている。特に外事課
識の高い教職員の献身的な協力
ATECは海外交流に対する認
員の意識改革を行った。お蔭で
再開発 地 ・ 昌 平 区 に あ る 。 車 で
教室・実習室264室
約 分かかるが、来春開通︵予 24
が大きいだけに、これからの学
や昌平地区の行政や住民の期待
できる専任職員を採用し、その
語・韓国語・日本語などに対応
員は英語・ロシア語・フランス
結果、海外の優れた専門家が招
聘でき、世界的な演出法や表現
劉立濱書記長と徐翔院長の演劇
法を積極的に導入し学生の教育
徐院長の時代になりATEC
創設を機に海外交流をより位置
系大学としての運営・教育方針
指導にあたっている。こうした
る。キャンパス内には川が流れ、 ができる設備が整った2つの大
づけ、数多くの教職員をアメリ
を明確化し、たゆまぬ努力があ
さは申し分ない。さらに試演会
きなブラックボックスが完備さ
カ・イギリス・フランスなど海
倍にあた
事務棟 、 教 室 棟 、 実 習 棟 、 劇 場
れている。現在約400名収容
る。 年秋には﹁シアターオリ
接な関係が築き上げられてい
ら も 高 く 評 価 さ れ、 政 府 と 密
棟、図 書 館 ・ 芸 術 資 料 館 棟 、 食
実習棟の舞踊教室
ればこそ社会教育部・体育部か
実習棟の中のオープンエアー劇場
外研修視察団として派遣、教職
正面からのメイン通路=右手が実習棟
できるオープンエアー劇場がで
東城校舎敷地の約
新キャンパス内を流れる川
院の役割を見通した事業計画と
15
校舎まで約 分くらいとか。敷 会議室が設けれ、また一般教室 も言える。
地面積は 万3333平方メー や 実 習 室 合 わ せ て 2 6 4 室 あ
秋にシアターオリンピック
ト ル︵ 東 京 ド ー ム 約 5 個 分 ︶、 り、中でも舞踊教室の広さや高 定︶する地下鉄を利用すれば新 教室棟には2カ所の同時通訳
40
堂棟、 教 員 ・ 学 生 棟 が 整 然 と 立
13
30
22
中央戯劇学院昌平新キャンパス正面
劇学院の動向は、
目が離せない。
育の中心となりつつある中央戯
や専門家が集まり世界の演劇教
て今や世界の演劇系大学関係者
ない。ATEC等の活動を通じ
劇学院が担っているのかもしれ
が、その中心的な役割は中央戯
ンピック﹂が中国で開催される
14
22
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I.T.I. NEWS 2014
23
愛を知り、淑女になる。運命に生き、女王になる。彼女の名は──エリザベス
﹃エリザベート﹄
﹃モーツァルト!﹄
チケット
好評発売中!
!
レディ・ベス
12
13
13
クィーン
レディ
ITI本部理事会に出席して
できたとのことだった。まさにオ
イルマネーさまさまであるが、国
際機関をめぐる現実のポリティク
ⅠTⅠ日本センター常務理事・事務局長 曽田修司
スは文化交流分野においてもかく
も生々しい。
出席している理事は、ほとんど
昨年5月3∼5日にITIの本 ︵ 議 題 ︶ に つ い て 討 議 す る。 理 事 が互いにファーストネームで呼び
︶ に 初 め 会の重要な議題のひとつに、前年
部 理 事 会︵
EC
Meeting
合う親密な雰囲気だった。私は今
て出席した。理事会は、 人の国
度の収支決算の審議がある。各国
回が初めての参加だったにも拘ら
際理事と事務局長のトビアス・ビ
センターのうち、本部への納付金
ず、みな親切に話しかけてくれて
アンコーネ氏の 名で構成されて
を数年分も納めていないセンター
ありがたかったが、私も含め、ア
いる。
もかなりあり、それらに対しては
ジアから出席していた韓国の2人
会議では多種多様なアジェンダ
除名措置が検討され、厳しい現実
をいきなり目の当たりにすること ︵ い ず れ も 米 国 に 留 学 歴 が あ る ︶
はややスタンスが異なるように感
になった。
じられた。
当然のことだが、各国センター
日本センターにとって特に重要
にはそれぞれ異なった事情があ
な 議 題 と し て、 内 村 賞 の 審 議 が
る。ITIの活動だけを行う専業
あった。今回は、2011∼ 年
機関ではないところも相当にある
の活動が選考の対象となり、候補
し、政府機関との距離もさまざま
で、財源についても余裕のあると 3作のうち、筆者も加わった審査
の 結 果、 ベ ル ギ ー の﹁ ヒ ロ シ マ ﹂
ころもあればそうでないところも
と い う 作 品 へ の 授 賞 が 決 定 し た。
ある。国情の違いもあるし時代に
日本センター︵筆者︶からは、
よる変化もある。
年3月の理事会で内村賞への資金
そのような事情によるのだろう
拠出を今後も継続することを決定
が、近年、ITI本部の収支状況
したと報告し、大いに歓迎された。
は危機に瀕しており、累積赤字が
ITIの次の世界大会は、 年
万 ユ ー ロ に 上 っ て い た と い う。
秋にキューバのハバナで開催が予
近年のビッグニュースは、アラブ
定されていたが、これは延期にな
首長国連邦︵UAE︶のフジャイ
り、 年にアルメニアのイェレバ
ラの首長がスポンサーとなって何
ンで行われることに変更された。
とか積年の赤字を解消することが
20
19
ITI の本部理事会(5 月 5 日、ラ・ママ・ウンブリアで)
左から3人目がラメンデュ・マジュムダ ITI 会長
10
14
連の最新ニュースや、事業紹介、団
︵複数の写真がオートリピート式で
ITIのホームページが一新されました
かねてより準備を進めていたIT
Iホームページのリニューアルが完
配 置 さ れ、
﹁ 見 や す い、 キ レ イ、 わ
体概要紹介などのタブがスッキリと
現れます︶されている他、ITI関
月からお披露目されて
了し、昨年
います。
月︶
ども合わせて活用を
グ︵事務局通信︶な
フェイスブックや
ツ ィ ッ タ ー、 ブ ロ
います。
︵有料︶も予定して
だける広告スペース
方々にご利用いた
だけるほか、会員の
クですべてご覧いた
団体名もワンクリッ
ご支援をいただい
ている賛助会員の
ます。
かりやすい﹂と評判をいただいてい
︵2013年1月∼
はかっていきますの
で、気軽にアクセス
していただき、周り
の方々にもご喧伝く
ださいますようお願
いいたします。
昨 年7 月 に、 こ こ 数 年 に
わたる懸案であった公益社
団法人への移行が無事実現
し ま し た。 会 員 の 皆 様 の ご
理解とご協力に感謝申し上
げ ま す。 月 に は も う ひ と
つの懸案であった公式ウェブサイ
トのリニューアルも実施しまし
た。これからも、経営力アップの
ための取り組み︵会員増、スタッ
フの拡充、財政基盤の強化︶を続
けてまいります。引続き、ご支援
のほどよろしくお願い申し上げま
す。︵曽田︶
国の内外で不穏な情勢がかもさ
れている中、﹁芸術と平和構築﹂﹁連
帯と絆﹂のユネスコ精神 をあらた
新・ITI公式サ
イ ト URL http://itijapan.or.jp
めて考えたい。
︵菱沼︶
11
第 124 号
2014 年 1 月 31 日発行
発 行 公益社団法人国際演劇協会日本
センター
発行人 永井多恵子 編集人 曽田修司
住 所 〒 151-0051 東京都渋谷区
千駄ヶ谷 4-18-1 国立能楽堂内
Tel03-3478-2189 Fax03-3478-7218
Email:[email protected]
URL http://iti-japan.or.jp
トップページには、近年のITI
の活動を紹介する写真が大きく掲載
会員消息
12
退 会 赤木 春恵 貝山 武久
國吉 和子 河野 勝則
高橋 英樹 鳥居 清光
山崎 正和 塚口麻里子
新井 知行 大原 典子
寺崎 裕則 川村 尚敬
光瀬名瑠子 谷 桃子
本地 陽彦 畑野 一恵
၂ୠষࡥ
(© 国際演劇協会日本センター 2014)
11
ご逝去
岩淵 達治 大塚 道子
受賞・叙勲
伊藤 洋 瑞宝中綬章
井上八千代 紫綬褒章
草笛 光子 第 48 回紀伊国
屋演劇賞個人賞
黒柳 徹子 第 38 回菊田一
夫演劇賞特別賞
下山 久 第 63 回芸術選奨
文部科学大臣賞
仲代 達矢 2013 年度朝日賞
坂東玉三郎 フランス芸術文
化勲章「コマンドゥール」
藤城 清治 第 36 回巖谷小
波文芸賞
(五十音順・敬称略)
入 会 青柳 敦子 ( 演出 ) テアトル・エコー
武中 雅人 ( 製作 )
松竹株式会社
三輪 えり花 ( 演出 )
24
I.T.I. NEWS 2014
Fly UP