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2013年度 ■2013 年 4 月 1 日(月) 恩返しの甲子園 いわき海星高校 【放送内容】 2 年前の 3 月、津波で大きな被害を受けた福島県のいわき海星高校。津波は校舎の一階部分 まで押し寄せ、野球用具も流された。もう野球はできないかもしれない・・・諦めかけた 選手たちを支えたのは、家族や地域、全国からの支援だった。そして掴んだセンバツ出場 の切符。学校では今も復旧工事が続いているため、グラウンドには一面に杭が立ち満足な 練習はできない。それでも、支援してくれた人たちに恩返ししたいと、16 人全員が甲子園 で最後まで諦めず戦うことを誓った。いわき海星高校の熱闘の日々を見つめる。 ■2013 年 4 月 8 日(月) 生きるためリングへ ボクシング 来家恵美子 【放送内容】 長年、日本の女子ボクシングを引っ張ってきた来家恵美子選手。彼女にとってボクシング とは、“生きること”。3歳から児童養護施設で育った孤独を癒し生きる喜びを与えてくれ た。強烈な右ストレートを武器に世界タイトル3階級を制覇。彼女に憧れてプロ入りした 若手も多く、女子ボクシングの存在を世に広めた最大の功労者となった。そんな来家選手 も37歳。肉体のダメージは大きく周囲から引退を勧められた。それでも、リングの上が 唯一自分の生きる場所だと現役にこだわり続ける。一戦一戦を、生きる場所をかけて挑む 来家選手の生きざまを見つめる。 ■2013 年 4 月 29 日(月) 世界最強に挑む ラグビー 田中史朗 【放送内容】 ラグビー世界最高峰のリーグ、スーパーラグビー。そこに日本から史上初めて挑むのが、 スクラムハーフの田中史朗選手(28) 。三洋電機時代、身長 166 ㎝ながら独特のタックルと 一瞬のスキをつくプレーは、 “小さな暗殺者”と呼ばれ、チームを日本選手権3連覇に導い た。田中選手の頭に常にあるのは、「小さな体をどう生かすか」 。人一倍の探究心で相手の 裏をかく頭脳的なプレースタイルを確立。武者修行で渡ったニュージーランドの下位リー グで結果を出し、この春、スーパーラグビーのクラブチームに移籍を果たした。2019 年日 本で開催されるW杯に向け、ラグビー日本の底上げを図ろうと、世界中のラガーマン憧れ の舞台で挑戦を続ける若きサムライの姿を追う。 ■2013 年 5 月 13 日(月) 新たな自分へ バドミントン 垣岩令佳 【放送内容】 ロンドン五輪でバドミントン日本勢初の銀メダルを獲得した女子ダブルスの藤井瑞希・垣 岩令佳ペア。しかし、快挙から 1 カ月後、突然のペア解消を発表した。垣岩選手は第一線 を退く藤井選手と袂を分かち、今、世界の頂点を目指し、再出発している。新たに組むの は、高校を卒業して2年目の福島由紀選手(19) 。初めて後輩と組みペアを引っ張る立場と なった垣岩選手に求められているのは、プレイヤーとしての自立だ。リオ五輪に向けて新 たな一歩を踏み出した垣岩選手に密着。 “ひとり立ち”への闘いを見つめる。 ■2013 年 5 月 27 日(月) 逆境を力に変える 中日 山本昌 【放送内容】 現役最年長、47 歳の中日・山本昌投手。プロ 30 年目、213 勝を積み上げた左腕は、今季、 自主トレからキャンプにかけて周囲が驚く速さで調整を続けた。 “年を重ねても努力で人は 進化する”ことを証明するためだ。年齢の壁を乗り越えるため、30 年かけて築いたフォー ムに決別。回転数を上げボールにキレをつけるよう改めた。さらに、野球への感謝を忘れ ず頭と心を磨くことも怠らない。山本昌投手にとって、今季は一試合一試合が選手生命を かけた戦い。心技体を磨き続ける 47 歳の進化に迫る。 ■2013 年 6 月 10 日(月) “一流”になる 阪神 藤浪晋太郎 【放送内容】 甲子園春夏連覇のエースという輝かしい実績とともに今年、阪神タイガースにドラフト1 位で入団した藤浪晋太郎投手(19) 。入団直後から実力を見せつけ、開幕時は 1 軍で先発ロ ーテーション入り。4月、高卒ルーキーとして松坂大輔や田中将大を上回る3勝を難なく あげた。堂々としたマウンドさばき、試合を重ねるごとに進化する投球術。ゴールデンル ーキーの強さを支えるものは何なのか。現在の投球の基礎が築かれた高校時代から、毎週 日曜日の登板に向けての準備と調整の日々まで。 「目標は日本を代表するエースになること」 という藤浪投手の強さの秘密と素顔に迫る。 ■2013 年 7 月 8 日(月) 不屈のストライカー サガン鳥栖 豊田陽平 【放送内容】 サガン鳥栖のFW豊田陽平選手、28歳。初の日本代表入りも注目される点取り屋だ。2 011年にJ2得点王、翌シーズン J1で得点ランキング2位、今シーズンもランキング上 位につけている。豊田選手のサッカー人生は決して華やかなものではない。試合中に小腸 破裂の大怪我、北京五輪ではチーム唯一の得点を挙げたが惨敗。その後、本田、長友、香 川など北京世代の選手はヨーロッパに活躍の場を広げたが、豊田選手は国内で出場の機会 すら失っていった。そして、たどり着いた人口7万の小さな町のチーム、サガン鳥栖。こ こで豊田選手は、日本屈指のストライカーへと成長した。逆境を乗り越えてきた強さの秘 密とサッカーへの熱い思いに迫る。 ■2013 年 7 月 22 日(月) 再起へ サーフィン 大野修聖 【放送内容】 プロサーファー大野修聖選手(32)は、海外勢が圧倒的に強いサーフィン界で“世界に最 も近い日本人”と言われる第一人者だ。制限時間のなかで演技の完成度を競う競技サーフ ィン。パワフルなターンを武器に2004年、2005年と国内連覇。海外のツアーでも何 度も表彰台に登った。目標は、世界のトップ 32 人だけが参戦できる世界最高峰のWCT(ワ ールドチャンピオンシップツアー) 。日本人で参戦した者はまだ一人もいない。大野選手は 今、大きな壁に苦しんでいる。去年、生涯最大のスランプに見舞われ、さらに東日本大震 災後、サーフィンのイメージダウンでスポンサーも資金不足に。大野選手は今年を競技人 生最大の節目と位置づけ、海外の拠点を引き払い、原点からWCT出場を目指している。 世界への扉を開こうと格闘する大野選手の姿を追う。 ■2013 年 7 月 29 日(月) 一投にかける ヤンキース 黒田博樹 【放送内容】 「打たれるのが怖い。チームから信頼を失うのが怖い」 。ニューヨークヤンキースの黒田博 樹投手(38)は、恐怖心と戦いながらマウンドにあがり続けている。チームの勝利に貢 献するためならプライドを捨てることも厭わない。持ち味のゴロを打たせる投球術も、パ ワーのある大リーグの打者に対してストレートへのこだわりを捨て多彩な球種を身につけ ることから生まれた。黒田投手の座右の銘は『苦しまずして栄光なし』。一年を通してロー テーションを守るため、体力維持、心のケア、データ分析と、気の休まることがない中4 日を過ごす。38歳になった今季、どんな進化を遂げるのか、黒田投手の闘いの過程に密 着する。 ■2013 年 8 月 12 日(月) 執念のフルスイング 社会人野球 西郷泰之 【放送内容】 “ミスター社会人”の異名を持つ西郷泰之選手(40) 。卓越した打撃技術で数々の記録を 持つ名バッターだ。アトランタ五輪でチーム最高打率。都市対抗で優勝6度。個人でも昨 年、本塁打最多タイの14本塁打をマークした。しかし、その道のりは挫折の連続だった。 結果を出し続けてもドラフトの指名はかからず、28歳の時には全治2ヶ月の怪我で野球 ができない事態に直面。それでも人一倍の練習量と地道な研究で実績を積み上げてきた。 「野球をするのにプロも社会人もない。一途に野球を極めたい」 。チームの優勝と自身の本 塁打新記録がかかった夏の都市対抗大会。ひたむきに野球に打ち込む西郷選手の姿に迫る。 ■2013 年 8 月 19 日(月) 走りを究める 陸上100m 山縣亮太 【放送内容】 去年、ロンドン五輪陸上100m予選で、日本人選手では五輪史上最速の10秒07をマ ークした慶応大学の山縣亮太選手、20歳。今、日本陸上界悲願の“9秒台”に最も近い 選手の一人だ。身体能力、走りの技術ともに高い能力に加えて、陸上関係者の多くは「ア スリートとしての考え方が卓越している」と言う。あえて指導者をつけず自己流を貫くそ の姿勢は、 「自分に必要なものを自分で取捨選択できる強さがある」と評される。8月、モ スクワで行われる世界選手権。9秒台を目指して、 “理想の走り”を自らに問い続ける大学 生アスリートの挑戦に迫る。 ■2013 年 8 月 26 日(月) あきらめず走る マラソン 木﨑良子 【放送内容】 木﨑良子選手、28歳。ロンドン五輪で日本人最高の成績をおさめた日本女子マラソンの エースだ。マラソン初挑戦は24歳の時。その道のりは決して順風満帆ではなかった。デ ビュー戦、第2戦は、いずれもスタミナ切れで失速。3度目の挑戦で優勝しロンドン五輪 代表となったものの成績は16位。トップから4分以上も離される惨敗だった。日本女子 マラソンが五輪2大会連続で入賞なしと危機的状況にある中、木﨑選手は「もう一度世界と 戦いたい」と、悔しさをバネに立ち上がった。3月の名古屋ウィメンズマラソンでは自己記 録を3分近くも更新。8月モスクワの世界選手権代表の座を勝ち取った。アメリカでの高 地トレーニングで、あえて過酷な練習を自らに課した木﨑選手。世界選手権でのメダル獲 得を求めて闘いつづけた日々を追う。 ■2013 年 9 月 2 日(月) 決意のリング ボクシング 来家恵美子 【放送内容】 強烈な右ストレートを武器に世界タイトル3階級を制覇。長年、日本の女子ボクシングを 引っ張ってきた来家恵美子選手。彼女にとってボクシングとは“生きること”。3歳から児 童養護施設で育った孤独を癒し生きる喜びを与えてくれた。そんな来家選手も37歳。肉 体のダメージは大きく周囲から引退を勧められた。それでも、リングの上が唯一自分の生 きる場所だと現役にこだわり続ける。8月、最大の正念場が訪れた。世界スーパー・フェ ザー級暫定王座決定戦。相手はフェザー級で7回の防衛を果たした22歳、韓国のチェ・ ヒョンミ選手。4月に放送し大きな反響を呼んだ「アスリートの魂」に、韓国で行われた 激戦の様子とインタビューを加え、一戦一戦を、生きる場所をかけて挑む来家選手の生き ざまを見つめる。 ■2013 年 9 月 9 日(月) 自分を貫く 卓球 松平健太 【放送内容】 男子卓球に“20年に1人の逸材”といわれる選手があらわれた。松平健太選手、22歳。 今年5月の世界選手権で北京五輪金メダリストや欧州王者を次々に撃破、世界ランク1位 の中国・許昕からも2セットを奪い、メダルにあと一歩と迫った。松平選手の卓球は、同 じモーションから左右反対の球を出す“しゃがみ込みサーブ”や、守りに使う技術を攻め に使う“ブロック戦術”など特異なスタイルで知られる。小学生の頃に編み出したスタイ ルをずっと変えずにきた。目標は、リオ五輪で日本人男子初のメダルを獲得すること。世 界ランク上位を独占する中国勢を倒すため、人が真似できない個性を極めようとする松平 選手の闘いを見つめる。 ■2013 年 9 月 23 日(月) 恐れずに飛び込む 剣道 山本真理子 【放送内容】 大阪府警の山本真理子選手(24歳)は、剣先で相手を制圧し、懐深くに飛び込んで一撃 を決める「先をかける剣道」を得意とし、去年、女子剣道日本一に輝いた。しかし、その 後、山本の剣道を徹底的に研究し、果敢に攻撃を仕掛けてくるようになったライバルたち にまさかの敗退。連覇のプレッシャーと打たれたくないという恐れから、持ち味の「先を かける剣道」をいかせなくなった。山本選手を指導するのは剣道界最高峰の教士 8 段で世 界選手権 3 位の実績を誇る父・雅彦さん(55歳) 。雅彦さんは恐怖心から踏み込みが甘く なる山本選手に、 “心の闘い”に勝つことを命じた。9月の全日本女子剣道選手権で連覇は なるのか?日本一に挑む父と娘の闘いに迫る。 ■2013 年 10 月 3 日(木) 最強であるために 車いすテニス 国枝慎吾 【放送内容】 車いすテニスの国枝慎吾選手、29歳。史上初のグランドスラム達成、北京・ロンドンパ ラリンピック2連覇と、現在、世界ランキング1位に君臨する。しかし若手が成長する中、 さらなる進化を果たすため、国枝選手は、最強であり続けるための新たな闘いを始めた。 9歳の時、脊髄腫瘍が見つかり車いす生活を余儀なくされた国枝選手にとって車いすテニ スは世の中に自分の存在を認めさせる唯一無二のもの。だからこそ、 「最強でなければなら ない」。 “確実なテニス”から“攻撃的なテニス”へとプレースタイルを変えることで絶対 的な強さを身につけ、2016年リオでのパラリンピック3連覇を目指す。 “最強”を守る ため、挑戦を続ける世界王者の魂に迫る。 ■2013 年 10 月 7 日(月) 限界は考えない トライアスロン 古畑俊男 【放送内容】 古畑俊男選手(51 歳)は“義足の鉄人”として知られる。21 歳の時、動脈血行障害のため 右足ひざ下を切断、自分の限界に挑みたいと、スイム 4km・バイク 180km・ラン 42.195k mの最も過酷なアイアンマンレースにあえて一般ランナーとして出場し続けてきた。最高 峰ハワイ大会の国内予選では、健常者を相手に年代別で 2002 年 3 位、2004 年は 4 位。そ して今年の宮古島大会も出場 1470 人中 35 位に入った。東京都職員として働きながら練習 に励む古畑選手が、競技人生の集大成として目指すのは 2016 年のリオ・パラリンピック。 この大会から正式種目となるパラトライアスロンは、スイム 0.75km・バイク 20km・ラ ン 5kmの短期決戦。瞬発力が必要になるため、限界まで心肺機能を高めるなど、年齢的に 負担の大きい過酷な挑戦を続けている。リオ挑戦への第一歩、今年 9 月のロンドンでの世 界選手権での闘いを通して義足のアスリート、古畑選手の魂を見つめる。 ■2013 年 11 月 9 日(土) 日本一への3419球 楽天 田中将大 【放送内容】 楽天のエース、田中将大投手、25歳。開幕から無傷の連勝、防御率 1 点台。支えるのは ピンチでの強さだ。本人いわく「スイッチが入る」 。満塁のピンチでも暴投の危険のあるフ ォークボールを臆せず投げる。球界を代表する右腕は、去年のオフ、将来大リーグに挑戦 したい意思を明らかにした。背景には、かつてパ・リーグでともに闘い、海を渡ったレン ジャーズ・ダルビッシュ投手への強い憧れがあった。世界へのステップアップのため、チ ームを日本一に導くため、挑戦を続けたこの一年。練習前後の入念な体のケアの様子など、 貴重な映像を交え、田中投手の強さの秘密に迫る。 ■2013 年 11 月 16 日(土) 38歳の“伸びしろ” ビーチサッカー 河原塚毅 【放送内容】 砂浜で華麗な足技を繰り広げるビーチサッカー。日本代表の不動のキャプテンが、河原塚 毅選手、38歳だ。もともとサッカー日本代表を夢見ていた河原塚選手は、苦難の連続の 中で生きてきた。両親との死別、J2シーズン途中での戦力外通告・・・崩れ落ちそうな気 持ちを奮い立たせたのが「伸びしろ50%」 、試練の時こそ、まだ出し切っていない力を信 じて前に進むという信念だ。その後、ラモス瑠偉さんに誘われビーチサッカーと出会い、 不断の努力で代表キャプテンにまで上り詰めた河原塚選手。自分を成長させてくれたビー チサッカーに恩返ししたいと、今年、W 杯での上位進出とクラブチーム全国制覇に挑んだ。 肉体の衰えをはねのけ、自分の“伸びしろ”を信じて闘い続ける姿に迫る。 ■2013 年 11 月 23 日(土) 攻めてこそ自分 サッカー 乾貴士 【放送内容】 サッカー日本代表の中でも唯一無二の才能で主役の座を狙うのが、ドイツでプレーする MF 乾貴士選手、25歳だ。最大の武器はドリブル。敵の動きを見抜いて逆をつく“だますプ レー”で、ドイツリーグの屈強なディフェンダーたちを手玉に取る。独力でチャンスを生 み出す力は日本代表でも高い評価を得ているが、熾烈な W 杯代表生き残りレースで厳しい 闘いが続いている。世界最高の舞台で自分のドリブルを輝かせたい。乾選手はJリーグ時 代に同じチームで切磋琢磨した香川選手を超えることを目標に、勝負のシーズンに挑んで いる。夢を掴むため、自分の信じた道を突き進もうとする乾選手の姿を追う。 ■2013 年 11 月 30 日(土) 涙を力に スカッシュ 松井千夏 【放送内容】 四方を壁に囲まれたコートでボールを打ち合うスカッシュで、かつて4回の日本一に輝き、 “プロスカッシュの女王”と呼ばれた松井千夏選手、36 歳。持ち味は、相手のラケットの 角度を見て瞬時にボールの落下点を予測し、相手の最も動きにくいエリアに打ち返す洞察 力だ。しかし、ここ数年、若手の急成長で苦戦が続いている。松井選手は、スカッシュの 真髄を極めて再び頂点に立とうと、今、自らの限界に向き合っている。松井選手のモット ーは「常に上を向いて前進する」 。プレーに悩んだ時は、常にこの言葉を支えに乗り越えて きた。11月の全日本選手権で日本一に返り咲けるのか。松井選手の挑戦の日々を見つめ る。 ■2013 年 12 月 9 日(月) 最速エンジンになる ボブスレー 黒岩俊喜 【放送内容】 体格の差が勝敗を決めるといわれ、日本がこれまで世界で歯が立たなかったボブスレー。 しかし、体格のハンデを逆手にとった日本流でソチ五輪に挑もうとするのが黒岩俊喜選手、 20 歳だ。身長 172 センチ、82 キロと小柄だが、100 メートルを 10 秒 77 で走る俊足。陸 上で五輪を目指していた逸材は、 “低さ”こそ最大の武器になると、重心を極限まで下げる 走法を生み出そうとしている。 「全てはスタートの初速にかかっている。世界最速のエンジ ンになり小柄な日本人でも世界で勝てることを証明する」。ボブスレー日本代表最年少、黒 岩選手の挑戦を追う。 ■2013 年 12 月 21 日(土) 絆で攻める チアリーディング日本代表女子チーム 【放送内容】 11月タイで開催されたチアリーディング世界選手権。日本女子チームが前人未踏の7連 覇を達成した。チアリーディングは、高い身体能力と技術力が求められるスポーツ。16 人が2分30秒間に 3 層のピラミッドを次々に展開。その過程で横回転や180度開脚な ど難度の高い演技を加えていく。一番上の選手は4メートルの高さまで舞い上がり、下の 選手は100kg もの重さを支え抜く。人の力だけで繰り出されるサーカスのような演技は、 重力を無視したエンターテインメントだ。演技には、仲間を信じ合う心と、どんな困難に も笑顔を欠かさない強い精神力も求められる。7連覇を目指して彼女たちはいかに闘った のか。半年間に及んだ挑戦と絆を見つめる。 ■2013 年 12 月 28 日(土) 15歳ただ一途に フィギュアスケート 宮原知子 【放送内容】 来年2月に迫ったソチ五輪。フィギュア王国日本で、にわかに注目されている選手がいる。 京都市に住む高校1年生の宮原知子選手、15歳だ。身長140センチあまりとスケート 選手としては小柄だが、ダイナミックなジャンプは観客の度肝を抜く。最大の武器は、最 高難度の 3 回転ルッツと 3 回転トウループの連続3回転。去年12月の全日本選手権では、 この3回転ジャンプを次々と成功させ総合3位に入った。今シーズンからシニアへの本格 的な参戦が始まった宮原選手。ジュニア時代以上に質の高いジャンプと演技を求められて いる。さらなる進化のため、そして憧れのオリンピックの舞台を目指してひたむきに挑戦 する日本フィギュアスケートの新星、宮原選手の闘いを見つめる。 ■2014 年 1 月 11 日(土) “五輪”の空へ スキーエアリアル 田原直哉 【放送内容】 雪の上を空高く舞い上がり、華麗な回転やひねりで観客を魅了するフリースタイルスキ ー・エアリアル。日本の第一人者が田原直哉選手、33歳だ。田原選手は実は体操の元日 本代表。アテネ五輪金メダリストの冨田選手らと同世代で、五輪出場も期待された実力者 だったが、右肩のケガで体操を断念。それでも五輪の夢を断ち切れず、体操で培った空中 感覚を武器にエアリアルで夢を追うことにした。2012年の W 杯では日本男子初の3位。 スキーを始めてわずか5年で快挙を成し遂げた。田原選手には専属のコーチもスタッフも いない。遠征費は全て自費。貯金をとり崩し、一人、海外での修行を繰り返しながら技術 を磨いてきた。 「一歩一歩、前へ」を信条に、数々の困難を克服してきた田原選手。悲願の 五輪出場へ挑み続ける姿に密着する。 ■2014 年1月 18 日(土) 夢ひとすじに アイスホッケー 久保英恵 【放送内容】 持ち前の明るさとスピードで16年ぶりに五輪出場を決めたアイスホッケー女子の日本代 表。宅配ピザ店やスポーツ用品店のアルバイトで遠征費を賄うなど、恵まれない環境をは ねのけての快挙に“スマイルジャパン”の愛称で親しまれるようになった。日本は、平均 身長170センチを超える欧米勢に対して160センチほどと体格差は歴然。得点力の低 さも課題となっている。それでも、20代前半の若い選手が多く、この一年の成長を考え ればメダルも夢ではなくなってきている。チームの柱、久保英恵選手は海外の強豪との実 戦を積む中で日本の持ち味である“世界最速”のスピードを活かした戦術を磨いてきた。 可能性を信じてひたむきに前に進むスマイルジャパン。その奮闘の日々を追う。 ■2014 年 1 月 25 日(土) 今度こそメダルを スキーモーグル 上村愛子 【放送内容】 「なんで、こんなに一段一段なんだろう」。バンクーバー五輪で4位に終わった際にこう語 った上村愛子選手。初めて五輪に出場した長野では7位。その後の大会も6位、5位、4 位とメダルには届かず、一時、競技からも離れた。自分にとってモーグルとは何なのか見 つめ直す中でたどり着いたのは、 「モーグルが好き。メダルのチャンスがある限り挑戦した い」という強い思いだった。現在34歳。ソチ五輪では出場選手中最年長となる上村選手 は、自分が納得する滑りをしたいと、女子では一握りの選手しかできない斜めに2回転す るジャンプの大技、コークスクリューに挑んでいる。視界にあるのは金メダル。自らを追 い込み、新たな気持ちで頂点を目指す上村選手の闘いを見つめる。 ■2014 年 2 月 1 日(土) もっと速くもっと強く スケートショートトラック 酒井裕唯 【放送内容】 冬季五輪で日本がまだメダルを獲得したことがない女子のスピードスケート・ショートト ラック。ソチ五輪でその歴史に風穴をあけると期待されるのが“長野の弾丸娘”酒井裕唯 選手だ。ショートトラックはコーナーの競り合いと駆け引きが勝敗を分ける競技。酒井選 手は2011年―12年シーズンのW杯2試合で金メダルを獲得、日本人初の総合優勝も 果たし、大きな注目を集めた。強さの秘密は、強靭な足腰が生み出す、吸い付くようなコ ーナーワーク。序盤で好位置につけると、コーナーを遠心力で膨らむことなく滑り、逃げ 切ってしまう。ライバルの韓国やイギリス勢に勝つために、先行逃げ切り型から後半追い まくり型への進化を目指す酒井選手。日本女子ショートトラックの歴史を変えようと挑み 続ける姿に迫る。 ■2014 年 3 月 8 日(土) “複合ニッポン”をふたたび ノルディック複合 渡部暁斗 【放送内容】 スキー・ノルディック複合の渡部暁斗選手、25歳。ソチ五輪で銀メダルを獲得、この競 技で日本に20年ぶりにメダルをもたらした。“複合ニッポン”は90年代初めまで五輪で 団体2連覇を果たすなど黄金時代だったが、その後のルール改正もあり低迷を続けてきた。 それを打ち破ろうと、かつての金メダリストたちが育て上げたのが渡部選手だ。早くから 経験を積ませるため高校生でトリノ五輪代表に抜擢。バンクーバー五輪では9位入賞、こ の2年間はW杯総合で世界トップ3の常連となるまでに成長した。鍵となったのは、先輩 たちと取り組んできた“飛べて走れる選手”への進化。苦手のクロスカントリーは河野孝 典コーチや阿部雅司コーチと北欧選手の走りを徹底的に研究し“疲れない走り”を追求、 ジャンプは荻原健司氏に直接アドバイスを受け安定感を身につけた。複合ニッポン復活へ の期待を一身に受けつかんだ悲願のメダル獲得。その苦闘の軌跡を見つめる。 ■2014 年 3 月 15 日(土) “最高”に挑み続けて フィギュアスケート 髙橋大輔 【放送内容】 長く日本男子フィギュアの第一人者として活躍してきた髙橋大輔選手。ソチ五輪には、2 0年のスケート人生の全てをかけて最高の演技をしたいという強い思いがあった。髙橋選 手は4年前のバンクーバー五輪では、右足の大けがを乗り越え、日本男子初の銅メダルを 獲得。しかし、1年後の世界選手権では思うような結果を残せず、「このままでは終われな い」と3年後のソチ五輪を集大成の場所に選んだ。その間、4回転ジャンプや五輪前に再 び痛めた右足のけが…など、課題に直面しながらも自らを奮い立たせ挑戦し続けてきた髙 橋選手。ソチでは、自分を支えてくれた人々やスケートへの感謝のため、最高の演技をし たいと本番ぎりぎりまで格闘を続けた。日本の男子フィギュアを牽引してきた第一人者は いかに戦ったのか。単独インタビューとともに、闘いの軌跡を見つめる。 ■2014 年 3 月 22 日(土) 魂で引け 綱引き 進友会 vs.BIWAKO同志会 【放送内容】 “地上 30 センチの格闘技”と呼ばれる綱引き。8 人対 8 人で対戦し、相手を4メートル引 き込んだ方が勝つ。時間は無制限。最後までどちらが勝つか分からない迫力満点の競技だ。 3月、綱引き日本一を決める全国綱引き大会が開かれた。注目を集めたのは、3 年連続7回 目の優勝を狙う長野の進友会と、滋賀と福井の混成チーム、BIWAKO 同志会の戦いだ。王 者・進友会がパワーとスタミナを持ち味とするのに対し、挑戦者・BIWAKO 同志会は戦略 と分析力が武器。過去 2 回の対戦は、いずれも大接戦の末に進友会が制したが、去年末の 対外試合では BIWAKO 同志会が勝利した。日本一をかけた闘いを制したのはどちらのチー ムか・・・男たちの意地と誇りをかけた闘いに密着する。