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ブランド豚への挑戦!! Part.4

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ブランド豚への挑戦!! Part.4
ブランド豚への挑戦!!
Part.4
-高品質な豚肉の生産とオリジナル商品の開発に関する研究-
プロジェクト発表
区分「食料・生産」
広島県立西条農業高等学校
畜産科
2年
河口
唯也
畜産科
2年
沖谷
隆志
畜産科
2年
岡田紗矢香
畜産科
2年
島田
畜産科
2年
成田涼一郎
畜産科
2年
渡壁
晴加
僚太
Ⅰ.はじめに
私たち畜産科は学科ブランド商品として、昨年オリジナルソーセージ「SAINOポー
クZ」を完成させました。畜産科養豚班は、SAINOポークZが、本校で飼育するブラ
ンド豚のPR活動の1つと考えて研究を行っています。ソーセージの主原料となる安心・
安全な豚肉は、豚が健康でなければ生産できないと考え、豚のストレス軽減につながる放
牧飼育の研究を継続しています。
Ⅱ.今年度の研究目的
研究目的:広島県を代表するブランド豚「SAINOポーク」の確立
今年度の目標:①豚肉のブランド化を図るため、
効果的な添加飼料を探求する
Ⅱ.今年度の研究
②放牧飼育の方法を確立する
研究1
研究1の結果報告
調査区の設定
対照区 : 豚舎内飼育+添加飼料なし
試験区①:豚舎内飼育+海藻粉末添加
試験区②:放牧場飼育+添加飼料なし
調査項目
調査項目
①体重測定
体重測定
②肉質等級
肉質等級
③機器分析
機器分析と官能検査
【海藻粉末の効果】
・食欲増進
・成長促進
・免疫効果の向上
結果・考察
まとめ・課題
広島大学 動物資源化学研究室
分析協力
田辺創一先生
東京都 「おいしさ科学館」
研究1では、豚に添加飼料として海藻粉末を給与し、このような流れで調査を行いまし
た。豚肉の分析は広島大学動物資源化学研究室の田辺先生と、東京都にある「おいしさ科
学館」に依頼しました。
調査の結果、海藻粉末の添加を行った試験区①の豚は、ストレス軽減の効果は見られる
ものの、豚肉の味やにおいに影響はなく、海藻粉末が豚肉のブランド化を図る効果的な添
加飼料といえなかったため、よりよい添加飼料を探求することが課題となりました。
研究2
研究1の課題であった添加飼料として、次に私た
ちが注目したのは酒粕です。西条農業高校の位置す
研究2
酒 粕
課題となった添加飼料
る 東 広 島 市 は 、 三 大 銘 醸 地 、「 酒 都 西 条 」 と し て 有
名です。本校でも、酒粕を使った商品開発が行われ
三大銘醸地
ています。そこで、研究2では、賀茂泉さんから分
「酒都西条」
けていただいた酒粕を添加飼料として豚に与え、豚
肉への効果を調査することにしました。
【対照区】
【試験区①】
【試験区②】
【試験区③】
放牧豚
酒粕1%添加豚舎内飼育
酒粕3%添加放牧飼育
梅粕3%添加放牧飼育
上の写真は、豚ロースの断面です。写真を見ると肉の色に少し違いが見られます。官能
検査の結果、試験区②の酒粕3%添加放牧豚が最もやわらかく、風味が良いため、おいし
いと評価されました。今後、広島大学の田辺先生と、おいしさ科学館と連携し、再度味や
においに関する分析を行う予定です。肉の色や官能検査の結果の違いが分析で数値として
現れることを期待しています。
研究2の成果
今回、地域性を活かした添加物を使用することで、
より特徴ある豚の飼育ができました。また、酒粕をわ
けていただいた賀茂泉酒造さんを訪問させていただき 、
今まで知らなかった地域文化に触れることができまし
た 。今後も地域と連携を深め 、オリジナルブランド「 S
AINOポーク」確立のために研究を継続していきま
す。
【賀茂泉酒造訪問】
Ⅲ.ソーセージの商品開発と販売活動
1 0 月 に 東 広 島 市 で 行 わ れ た 酒 ま つ り で 、「 S A I
NOポーク Z」を販売 しました。 販売会場とな った西
条駅前で、 私たちは大 きな声でP Rを行いまし た。購
入していた だいたお客 様には、ア ンケートはが きを手
渡し、食べ ていただい た感想を学 校宛に送って いただ
きました。
【酒まつりでの販売】
①味はどうですか?
②香りはどうですか?
改善が必要
18%
大変良い
39%
普通
4%
改善が必要
13%
大変良い
22%
普通
26%
①ソーセージの味について
大変良い、良いが78%
②スモークの香りについて
良い
39%
良い
39%
③パッケージはどうですか?
改善が必要
13%
集計の結果、
大変良い
18%
普通
39%
大変良い、良いが61%
④価格はどうですか?
安い
30%
大変良い、良いが48%
高い
4%
良い
30%
③パッケージのデザインについて
④価格について
普通、安いが96%
普通
66%
以上の4項目を分析すると、味や香りについては満足のいく評価をいただくことができ
ましたが、まだ、肉がパサパサする、ジューシーさに欠けるなどの意見があるため、次回
の課題となりました。また、パッケージのデザインは商品名が見えにくい、インパクトが
ないなどの意見から、もっと目立ったものに変更する必要があると考えました。
SAINIOポークZの改良
SAINOポークZの改良
の改善
目的 : 食感の
私たちはこのような材料・製造工程で製造を行っ
ています。これまでの課題を克服するため、これま
で手作業で行っていた練り合わせの工程を、フード
プロセッサーやハンドミキサーを使って行いました 。
すると、柔らかくジューシーな食感になり、私たち
が目指したソーセージが完成しました。
この製品を校内の先生方と、東広島市内で飲食店
を経営される方に試食していただきました。ここで
の意見を参考に、今後も改良をしていきたいと思い
【試食アンケートの様子】
ます。
そして、もう一つの課題であったパッケージにつ
いては、高級感のあるインパクトの強いものをイメ
ージし、書道の榎先生に依頼したところ、快く引き
受けていただきました。これまでのものと比べても、
シンプルで商品名もわかりやすいものとなりました。
【 完成したパッケージシール 】
くん煙
ボイル
・ナツメグ 5g
・オールスパイス 5g
・アミノ酸
9g
ケーシング
・しょうが 15g
・こしょう
9g
肉挽き・
練り合わせ
漬け込み
材料の計量
材料と分量
・にんにく 30g
文化祭での販売
文化祭当日は、販売開始の1時間前から100人
を超える行列ができ、商品は15分で完売となりま
した。販売会場では試食も用意し、お客様に大変喜
んでもらうことができました。予想以上のお客様の
数に驚きましたが、おいしいと言ってもらうことが
できとてもうれしかったです。
【文化祭での販売の様子】
地域へのPR活動
11月2 3日に、東 広島市の道 の駅「湖畔の里
完成したホットドッグ
福富」で行 われたソー セージ作り 体験教室に、講師
として参加しました 。ケーシングから整形 、ボイル 、
ソーセージ
レタスとトマト
SAINOポークZ
地元農家産
くん煙を行 い、ホット ドックを作 って食べました。
参 加 し て く れ た 子 供 た ち は 、「 自 分 で 作 っ て 食 べ る
とおいしい 」と、とて も喜んでく れました。また、
パ
ン
地元生産
保護者の方 にアンケー トを行った ところ、全員が大
変満足と答 えていただ くことがで きました。成果と
して、 今回 食べ たホッ トド ック の材料 はソ ーセー ジ
以外の 野菜 やパ ンも地 元の 食品 であり 、地 産地消 の
推進に貢献できたと思います。
また 今年 度は 、私た ちの 研究 活動を 新聞 等にた く
さん取 り上 げて いただ き、 地域 の方々 にP Rする こ
とができました。
【 プレスネ ット
10 月16日版】
SAINOポークZの原価と販売価格
商品は150g、350円で販売していますが、
原価は約200円です。丸大食品株式会社さんに、
本校の製造室の規模と原価を見ていただいたところ 、
「製造室から考えた生産であれば、原価もいいです
原価と販売価格
豚肉(本校飼育)
食塩
砂糖
こしょう
アミノ酸
オールスパイス
4kg
120g
40g
12g
12g
6g
2300 円
60 円
8
52
40
60
円
円
円
円
ね」と評価していただきました。また、製品検査も
ナツメグ
6g
にんにく
40g
していただき、添加物を使わない「SAINOポー
しょうが
20g
9.4 円
ケーシング
4本
1800 円
クZ」の賞味期限を2週間とすることにしました。
60 円
12.5 円
5701.9 円
Ⅳ.今後の計画
飼育へのこだわりだけでなく、次は豚が食べるものをこだわって栽培する。そしてそれ
らを食べて、元気に外を走り回って大きくなる健康な豚。その豚肉からできる安心・安全
なソーセージ 。私たちの夢と希望が詰まった商品を 、たくさんの人に食べてもらうために 、
今後も私たちは研究を続けます。
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