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世界最先端の税関をめざして
安全・安心な社会の実現
Customs at the Leading Edge of the World.
Realizing a safe and secure society.
貿易の健全な発展と安 全な社会を実現するため、
世界最 先 端の税関をめざします。
税関の基本的な使命
1
剤、麻薬、銃砲等の社会悪物品や、爆発物、火薬類、化学兵器原料等
のテロ関連物資、大量破壊兵器等を水際の第一線で取締まっています。
安全・安心な
社会を実現する。
不正薬物・銃砲等の密輸阻止を最重要課題
とするとともに、我が国におけるテロ行為等
を未然に防止することにより「世界一安全な
Realizing a safe and secure society.
国、日本」を築く。
また、知的財産侵害物品については、商標権や著作権のみならず、特
許権などについても専門知識を駆使して水際での取締りを強化してい
ます。
さらに、偽造通貨、偽造クレジットカード、盗難自動車等の不正輸
出入の取締りも行っています。
これらの取締りにおいては、警察庁、海
上保安庁、法務省等関係省庁との連携・協力を行うとともに、外国の税
関当局とも積極的に情報交換を実施しています。例えば、テロ対策の
一環として、米国（平成15年～）やカナダ（平成21年～）
との間で職員
適正かつ公平に
関税等を徴収する。
Collecting customs duties and domestic
consumption taxes appropriately and fairly.
を相互に派遣し、海上コンテナ安全対策（CSI：Container Security
約 5.8 兆円すなわち国税収入の約 1 割相当
Initiative）等、取締りの強化を図っているところです。
また、検査機器
を徴収する歳入官庁として、適正かつ公平に
の調査・研究を行うなど、先端技術を十分に活用した効率的な水際取
関税等を徴収する。
締りを行っています。
①
税 関 の 使 命
税 関 の 使 命
２
税関は、輸出入の規制物品を最終的にチェックする機関として、覚醒
覚醒剤の国内押収量全体に占める密輸押収量の割合
3
（H20－Ｈ24年累計）
②
貿易の円滑化を進める。
Further facilitating trade procedures.
国際物流におけるセキュリティを確保しつつ、
通関手続を一層迅速化する。
③
④
実現のための施策
IT化の推進
先端技術を活用した検査機器の配備
人材育成
税関手続のＩＴ化を一層進めることで、
不正薬物を高精度に探知する先端技術
柔軟性・国際性・総合性を備えつつ、
輸出入手続の更なる簡素化・効率化を
を調査・研究するとともに、既に導入
国民の目線に立ち、高い志をもって職務
実現し、利用者の利便性の向上を図り
されている技術を活用し、さらに有効
を遂行できる職員を育成していきます。
ます。
な検査機器を配備していきます。
関係機関との協力
各国税関等との協力
民間企業との協力
関係機関と日頃から緊密な連携・情報
税関相互支援協定の締結など諸外国の税
民間企業と税関とのパートナーシップ
交換を行い、政府一体となって厳格な
関との連携を進めることにより、税関行
の構築により、国際貿易の一層の円滑
取締りを実施していきます。
政の更なる質の向上に努めています。
化を進めます。
税関による知的財産侵害物品の輸入差止実績
⑤
⑦
①海上巡回 ②船内検査 ③旅具
検査 ④麻薬探知犬 ⑤大型X線
検査装置 ⑥摘発した偽ブランド
⑥
5
財布 ⑦摘発した覚せい剤
6
適正かつ公平な関税等の徴収
貿易の円滑化
Collecting customs duties and domestic consumption taxes
appropriately and fairly.
Further facilitating trade procedures.
輸入品には、関税や消費税などの税金がかかり、税関は、
これを徴収し
ています。税関は、金額にして約5.8兆円、すなわち国税収入の約1割
税関収納税額
国際物流が高度化・多様化する中で、
貿易のセキュリティの確保と円滑化を
両立させることも税関に課せられた使命です。
我が国のEPA交渉状況（平成26年6月1日現在）
相当を徴収する歳入官庁として、重要な役割を果たしています。課税の
適正・公平を図るため、輸入者に対する課税価格の決定方法等の事前
財 務 省・税関は、
民間企 業と税関のパートナーシップを通じて、
貿易のセ
教示、通関時における適正な審査・検査を行っています。
また、輸入後
キュリティの確保と円滑化の両立を図るAEO
（Authorized Economic
も、税額等の適否の調査（事後調査）
を実施して申告漏れの発見・追徴
Operator）
制度の実施に取り組んでいます。
を行うほか、脱税の疑いがあれば犯則調査を実施し、検察等の関係機
AEO制度とは、
貿易のセキュリティ確保と法令順守の体制が整備された貿
関と連携のうえ大口の脱税事犯の告発も行っています。
これらの実施に
易関連事業者を税関が認定し、
通関手続の簡素化等を講じるものです。
は、輸入貨物の課税標準となるべき価格（課税価格）
を決定する「関税
我が国でも、
輸出者、
輸入者、
倉庫業者、
通関業者、
運送者、
製造者を対象と
評価」、輸入品に適用する税率を確定するため輸入品が関税率表上の
したサプライチェーンに関わる各種の事業者を幅広く対象とするAEO制度
どの品目に属するかを決定する「品目分類」、輸入品の原産地を決定す
を整備しています。
官・民のパートナーシップにより安全で円滑な貿易を実
る「原産地規則（EPA 締約国等、原産地により関税率が異なる場合に重
大筋合意済（1カ国）
オーストラリア
韓国、GCC（注1）、
モンゴル、
カ
交渉中
（9カ国・地域） ナダ、
コロンビア、
日中韓、EU、
RCEP（注2）、TPP（注3）
現するための取組みとして産業界からも評価を得ており、
一層の利用拡大
（注1）GCC（湾岸協力理事会）
：
が期待されています。
は、WTOや WCO（World Customs Organization：世界税関機構）
等において、国際的なルールが定められています。
これらのルールの策
また、
税関においては、
社会・経済の国際化とともに増え続ける輸出入貨物
定、解釈については、税関職員が国際機関に出向したり、国際会議に参
に係る税関手続のIT化を一層進めることで、通関手続の簡素化・効率化、
加するなど、我が国も積極的に貢献しているところです。
利用者利便の向上に取り組んでいます。
アラブ首長国連邦、
オマーン、
カタール、 クウェート、サウジアラビア、バーレーン
税 関 の 使 命
税 関 の 使 命
要となります。）」といった専門的な分野が重要であり、各分野において
輸入事後調査に係る状況
発効済
（13カ国・地域）
シンガポール、
メキシコ
マレーシア、
チリ、
タイ、
インドネシア、
ブルネイ、
ASEAN、
フィリピン、
スイス、
ベトナム、
インド、
ペルー
ASEAN加盟国
（インドネシア、
カンボジア、
（注2）RCEP（東アジア地域
シンガポール、
タイ、
フィリピン、
ブルネイ、
包括的経済連携）交渉参加国： ベトナム、
マレーシア、
ミャンマー、
ラオス）
、
日本、
中国、
韓国、
豪州、
ニュージーランド、
インド
シンガポール、ニュージーランド、チリ、
（注3）TPP（環太平洋パートナー
ブルネイ、米国、豪州、ペルー、ベトナム、 シップ協定）交渉参加国：
マレーシア、カナダ、
メキシコ、日本
輸出入等関連業務及びこれに関連する貨物管理等の民間業務を処理する
システムであるNACCS※1により、税関の輸出入申告の約98％が電子的
我が国のAEO相互承認の現状（平成26年6月1日現在）
に処理されています。
このシステムは、
税関手続き及びその関連業務を広くカバーしているため、
税関のみならず、関連省庁、関連業界に広く利用されています。
これらの
通関審査
貨物検査
事後調査
NACCSに入力された情報は、
税関の通関情報総合判定システムを通じて、
署名済み
NZ
（2008年5月）
米国
（2009年6月）
EU、
カナダ（2010年6月）
韓国（2011年5月）
シンガポール（2011年6月）
協議・研究中
スイス、
マレーシア、中国
ハイリスク貨物
（不正に輸出入される可能性が高い貨物）
とローリスク貨物
とを的確に選別し、必要な審査・検査を実施することに活用されており、迅
速な通関のみならず適正な通関の確保にも大きな成果を挙げています。
関税とは？とん税及び特別とん税とは？
関　税
生まれます。現在では、
この産業保護が重要な関税の機能
さらに、WTO（世界貿易機構）
を中心とした多角的自由貿易体制の強化、
EPA※2の締結推進にも取り組んでいるところです。
NACCSとは？
となっています(保護関税)。
関税は、歴史的には古代都市国家における手数料に始ま
り、内国関税、国境関税というような変遷を経てきました
が、今日、日本では、輸入品のみに課されるものとされて
とん税及び特別とん税
航空貨物
航空会社
います。関税は、他の租税同様、国家権力に基づき徴収さ
とん税及び特別とん税は、外国貿易船の開港への入港と
れ、その収入は国庫収入となります。かつては、国家の財
いう事実（課税物件）に対して課される税であって、その
源として重要な位置を占めていました。国家間の経済交
外国貿易船の純トン数（課税標準）
に応じ1トンまでごとに
流が活発化し、貨幣経済が浸透する一方、国家の財政規
36円（とん税16円／トン、特別とん税20円／トン）
が課税
混載業者
模が巨大になり、
国家の徴収体制が整備されるのに伴い、
されます。
とん税の歴史は古く、安政4年8月29日（1857
保税蔵置場
財源調達手段としての関税（財政関税）の意義は、今日相
年10月16日）に締結された日蘭追加条約の第二条によ
対的に小さくなっています。他方、関税が課せられると、輸
入品はその分だけコストが増加し、国産品に対して競争
力が低下することから、
関税の国内産業保護という機能が
り、長崎及び函館の両港において、オランダ商船から1ト
ンにつきオランダ通用金にて5マースすなわち80セントの
「噸税」を徴収することとしたのがその始まりです。
航空貨物代理店
入出港届、積荷目録、
乗員・乗客名簿
貨物情報
機用品業者
通関業者
輸出入者
銀行
海上貨物
海外システム
貿易関連
情報
入出港届、積荷目録、
乗員・乗客名簿
貨物情報
許可情報
許可情報
輸出入申告
許可情報
輸出入申告
取引関連情報
取引関連情報
税関、入国管理局、検疫所、
港長等、港湾管理者、動物検疫所、
植物検疫所、経済産業省
貨物情報
許可通知
申告・届出
決済
海貸業者
貨物情報
貨物情報
決済
船舶代理店
NVOCC
貨物情報
N ACC S
船会社
コンテナヤード
保税蔵置場
通関業者
輸出入者
銀行
※NVOCC（Non Vessel Operating Common Carrier）
自らは船舶などの輸送手段を保有せず、運送業者として輸出入者から貨物を引き受け、船会社を利用して海上運送を行う者。
※1　NACCS（輸出入・港湾関連情報処理システム：Nippon Automated Cargo and port Consolidated System）　※2　EPA(経済連携協定：Economic Partnership Agreement)
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