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04第4章(PDF形式 604キロバイト)

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04第4章(PDF形式 604キロバイト)
第4章
医
第4章
療
と
介
第1節
医療との連携
第2節
その他の留意事項
221
護
の
連
医療と介護の連携
医療との連携
携
第4章
1
医
療
と
の
連
医療と介護の連携
医療との連携
携
介護保険制度では、法第2条第2項に、介護保険給付は「医療との連携に十分配慮して行わなけ
ればならない」とあるように、制度創設当初から医療との連携が求められています。この必要性は
ますます高まっており、たとえば、医療との連携が重要な柱の一つである、地域包括ケアシステム
の実現を目指した平成 24 年度介護保険制度改定において、医療ニーズの高い高齢者に対し、医療・
介護を切れ目なく提供するという観点から、定期巡回・随時対応型訪問介護看護等の新サービスが
創設されました。
このような流れの中、ケアマネジャーについてもケアマネジメントを行う際、より緊密に医療と
の連携が必要となっていることから、ここでは、医療との連携の方法、連携を行うにあたり基本的
におさえておくべきことがら等について記載しています。
なお、本節で記載している医療保険と介護保険の適用関係については、国の通知1をもとに記載
しています。
1
医
療
と
の
連
携
に
つ
い
て
(1) 医療情報の入手方法
ケアマネジメントを行う際に、医療情報を収集することは、必要不可欠です。情報収集を行
うには、利用者の受診にケアマネジャーが同行し、医師の意見を求める方法等があります。以
下に、代表的な入手方法を記載しますので参考にしてください。
● 「八王子市医療と介護連携ガイド」記載のケアマネジャー連携窓口
八王子市医療と介護の連携ガイドに掲載の医療機関リストには、ケアマネジャーとの連携
欄が設けられており、そこにケアマネジャーが連絡する場合の窓口、担当者、連絡手段等の
連携窓口に関する情報が記載されています。医療相談室等の専門部署が設置されている医療
機関もあります。主治医が多忙で、連携がとれない場合には、この連携窓口を活用する方法
もあります。
なお、八王子市医療と介護の連携ガイドは、医療と介護の円滑な連携を目指して、八王子
市医師会、八王子歯科医会、八王子薬剤師会、柔道整復師会、八王子市介護保険サービス事
業者連絡協議会、八王子介護支援専門員連絡協議会、八王子市地域包括支援センター、八王
子市等の関係機関が協働で作成したガイドブックです。このガイドブックは、配布先及び使
用者を保健医療福祉の専門職に限定し、居宅介護支援事業所については、事業所に1冊配布
されています。
1
「医療保険と介護保険の給付調整に関する留意事項及び医療保険の相互に関連する事項等について」の一部改正について(平成 26
年 3 月 28 日保医発 0328 第 1 号)参照
222
第4章
医療と介護の連携
医療との連携
● 主治医意見書・診療情報提供書等
医療に関する情報は、主治医意見書に関する情報開示請求や、診療情報提供書等を活用す
ることで、効率的に入手することができます(p70~74 参照)
。
● 居宅療養管理指導における医師・歯科医師・薬剤師又は看護職員からの情報提供
医療と介護の連携の促進という観点から、医師・歯科医師・薬剤師又は看護職員による居
宅療養管理指導の算定にあたっては、ケアマネジャーへの情報提供が必須とされています。
利用者が医師・歯科医師・薬剤師又は看護職員からの居宅療養管理指導を受けている場合に
は、より円滑に医療情報を収集できるようになっています。
● 入院時・退院時の医療機関との連携
利用者の入院時または退院時については、より緊密に医療との連携をとる必要があります。
その際には、各病院の窓口や相談室等を活用してください。
入院時の医療と介護の連携を促進するため、たとえば、ケアマネジャーが病院や診療所に
出向き必要な情報提供を行った場合、入院時情報連携加算Ⅰ又はⅡ(p146)を介護保険で
算定することができます。
また、退院時の医療と介護の連携を促進するため、たとえば、医療保険においては、医師
とケアマネジャーが共同し、入院中の患者に対して導入が望ましい介護サービスや退院後に
利用可能な介護サービス等について説明及び指導を行った場合、介護支援連携指導料(300
点)が算定できます。介護保険においては、病院等の職員と面談し情報提供を受けたうえで、
居宅サービス計画を作成した場合、退院・退所加算(p141)を算定することができます。
(2) 認知症の相談について
認知症に関する相談は、まず、主治医に対して行ってください。また、主治医への相談後、
必要に応じ、次のような認知症に関する相談窓口を活用する場合もあります。
● 八王子市医師会認知症どんとこいドクター
認知症の基礎知識・診断・治療とケア・連携に関する研修等の一定の研修プログラムを修
了した医師は、
「八王子市医師会認知症どんとこいドクター」として認定されます。認定さ
れた医師は、八王子市医師会認知症どんとこいドクターホームページ(http://www.hachi
ouji-d-net.com/)で確認できます。
なお、どんとこいドクターホームページは、八王子市医師会の先駆的な取り組みである「八
王子市認知症支援ネットワーク(D-Net)
」事業により運営されています。D-Net では、認
知症相談窓口として八王子市医師会事務局内に相談室も設置しています。
● 東京都南多摩医療圏認知症疾患医療センター(平川病院)
認知症疾患医療センターには、医療相談室が設置されていて、認知症に関する専門知識を
有する精神保健福祉士等が、本人、家族、関係機関からの認知症に関する医療相談に対応す
るとともに、必要に応じて、適切な医療機関等の紹介を行っています。
223
第4章
医療と介護の連携
医療との連携
また、当該センターでは認知症の診断を行いますが、医学的な診断だけでなく、日常生活
の状況や他の身体疾患等の状況等も踏まえ、総合的に評価を行うとともに、関係機関と情報
の共有化を図り、医療・福祉・介護の支援に結び付けていきます。診断後は、本人のかかり
つけ医と連携を図り、日常の診療はかかりつけ医が担当します。
さらに、認知症の人の身体合併症及び周辺症状の治療について、当該センターで受け入れ
るほか、地域の認知症に係る専門機関、一般病院や精神科病院等と緊密な連携を図り、地域
全体で受け入れる体制をつくっています。
(3) 難病の相談について
難病に関する相談窓口は、次のようなところがあります。
● 八王子市保健所
保健師による難病療養相談や、在宅療養中の人が必要とする医療機器(吸引器・吸入器)の
貸与等を行っています。
● 東京都難病相談・支援センター
地域で生活する難病の方の日常生活における相談・支援、地域交流活動の促進、難病に関す
る情報提供などを行う拠点として、難病の方の療養を支援しています。
(4) 介護保険施設、通所介護事業所等の医療対応情報
医療的処置の必要な利用者が、介護保険施設に入所、短期入所を希望する場合や、通所介護事
業所の利用を希望する場合、その施設、事業所において必要な医療処置を受けられるか確認する
必要があります。この場合、個別に問い合わせる方法のほか、「ハートページ」や「八王子市医
療と介護の連携ガイド」に記載の、介護保険施設、通所介護事業所における医療対応情報を活用
する方法もあります。
224
第4章
訪
2
(1)
問
看
医療と介護の連携
医療との連携
護
訪問看護利用の流れ
訪問看護の対象者は、要介護・要支援認定を受け、主治医が訪問看護の必要性を認めた者です。
このため、利用者が訪問看護の利用を希望したとしても、主治医の指示がなければ利用することが
できません。主治医が必要と認めた場合は、主治医が訪問看護事業所に対し、訪問看護指示書を交
付します。訪問看護事業所は、介護保険で訪問看護を提供する場合には、訪問看護指示書及びケア
プランに基づき、訪問看護サービスを提供します。
※
訪問看護を利用するにあたっては、まずは主治医に相談してください。
※
訪問看護指示書は、主治医から訪問看護事業所に交付されるもので、利用者に交付されるも
のではありません。
※
訪問看護費は、訪問看護指示書の有効期間内に算定できます。
※
訪問看護指示書の作成依頼方法等、訪問看護利用手続きの詳細については、訪問看護事業所
に問い合わせてください。
※
PT・OT・ST による訪問看護は、1回あたり 20 分以上訪問看護を実施し、1 人の利用者
につき週6回を限度として算定できます。
【訪問看護利用のイメージ(訪問看護ステーションを利用した場合)】
居宅介護支援サービスの提供
指示書作成依頼・診療
利
用 者
申
込
み
提サ
供ー
ビ
ス
実績・連絡
ケアマネジャー
等
指示書の交付
訪問看護ステーション
看護師・PT・OT・ST
指示書交付の
確認・ケアプ
ランの交付等
相
(2)
主治医
報
告
談
医療保険と介護保険の訪問看護どちらを利用するのか?
要介護、または要支援の認定を受けた者に対しては、医療保険の訪問看護を行うことはできな
い(精神疾患を有する者で、精神科訪問看護指示書が交付されている場合を除く)ため、原則、
介護保険の訪問看護を行うことになります。次ページの図にしたがい、どちらの制度の訪問看護
を利用するべきか判断します。
225
第4章
医療と介護の連携
医療との連携
ただし、次の(ア)または(イ)に該当する場合には医療保険で訪問看護を行います。
(ア) 利用者が末期の悪性腫瘍その他厚生労働大臣が定める疾病等2である場合
①
末期の悪性腫瘍
②
多発性硬化症
③
重症筋無力症
④
スモン
⑤
筋萎縮性側索硬化症
⑥
脊髄小脳変性症
⑦
ハンチントン病
⑧
進行性筋ジストロフィー症
⑨
パーキンソン病関連疾患(進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症
及びパーキンソン病(ホーエン・ヤールの重症度分類がステージ三以
末期の悪性腫瘍
その他厚生労働
大臣が定める疾
病等
上であって生活機能障害度がⅡ度又はⅢ度のものに限る。)をいう。
)
⑩
多系統萎縮症(線条体黒質変性症、オリーブ橋小脳萎縮症及びシャ
イ・ドレーガー症候群をいう。
)
⑪
プリオン病
⑫
亜急性硬化性全脳炎
⑬
ライソゾーム病
⑭
副腎白質ジストロフィー
⑮
脊髄性筋萎縮症
⑯
球脊髄性筋萎縮症
⑰
慢性炎症性脱随性多発神経炎
⑱
後天性免疫不全症候群
⑲
頚髄損傷
⑳
人工呼吸器を使用している状態
(イ) 主治医が、利用者の急性増悪等により一時的に頻回(週4回以上)の訪問看護を行う必
要がある旨の特別な指示を行った場合(指示の日から14日間に限る)
この場合は、主治医が特別指示書を訪問看護ステーションに交付します。訪問看護の利
用が必要な場合は、主治医から特別指示書が出ているかについて、主治医または訪問看護
ステーションに確認してください。
※ 特別指示書は原則月に1回のみの交付となりますが、①または②に該当する場合は1ヵ
月に2回まで交付が可能です。
①気管カニューレを使用している状態にある人
②真皮を超える褥瘡の状態にある人
※ 特別指示書が出ており、医療保険による訪問看護を受けていたとしても、訪問介護や福
祉用具貸与等の介護保険サービスは利用できます。
2
平成 27 年 3 月 23 日厚生労働省告示第 94 号四「指定居宅サービス介護給付費単位数表の訪問看護費の注 1 の厚生労働大臣が定め
る疾病等」参照
226
第4章
医療と介護の連携
医療との連携
【介護保険と医療保険どちらを使うの?】
利用者の年齢は?
40歳以上65歳未満
2号被保険者の特定疾病か?
65歳以上
はい
厚生労働大臣が定める疾病か
(p35 参照)
いいえ
はい
いいえ
主治医より特別指示書がでて
医療保険の訪問看護を利用
はい
いるか?
いいえ
介護保険の訪問看護を利用
※
医療保険と介護保険、どちらの訪問看護を利用するのかは、年齢、病名等で決定されるもの
であり、利用者の希望で選択できるものではありません。
※ 2号被保険者に該当するための「特定疾病」と「厚生労働大臣が定める疾病」は、別に定め
られています。特定疾病があり2号被保険者に該当したからといって、自動的に医療保険の訪
問看護が利用できるわけではありません。
※
難病がありマル都医療券を所持しているからといって、医療保険の訪問看護が提供されるわ
けではありません。その難病が厚生労働大臣の定める疾病に該当する場合や特別指示書が出て
いる場合に医療保険の訪問看護を利用します。
227
第4章
医療と介護の連携
医療との連携
リハビリテーション系サービスの利用について
3
(1)
リハビリテーション(以下、
「リハビリ」という。)系サービス利用の流れ
通所リハビリ、訪問リハビリ等のリハビリ系サービスを利用する場合も訪問看護と同様、医師
の指示(意見書、文書又は口頭(口頭の場合は経過記録への記載))が必要となります。利用者
の希望のみで利用できるわけではありません。
サービス提供事業所は、介護保険でリハビリ系サービスを提供する場合には、医師の指示及び
ケアプランに基づき個別援助計画を作成します。サービスを利用する際の具体的な流れについて
は、サービス提供事業所に問い合わせてください。
【リハビリ系サービス利用のイメージ(通所リハビリを利用した場合)】
居宅介護支援サービスの提供
診
利
サ
ー
ビ
ス
提
供
申
込
み
実績・連絡等
ケアマネジャー
ケアプランの
交付・連絡等
(2)
療
用 者
病院・診療所・
介護老人保健施設
診療情報提供
医師・PT・OT・
ST等
※主治医が通所
リハビリの医師
と同一の場合あ
り。
相
談
指
示
主治医
医療保険で提供されるリハビリとの役割分担について3
介護保険におけるリハビリを提供する事業所は、老人保健施設から提供されるリハビリを除き、
医療保険・介護保険、両方を取り扱うことができます。医療、介護どちらを利用するかについて
は、次図のとおり、原則、急性期及び回復期については主に医療保険のリハビリ、維持期につい
ては主に介護保険のリハビリにより実施することとなっています。
※
ここで記載している取り扱いは、医療保険における診療報酬算定上のルールです。要介護(要
支援)の利用者が、医療保険、介護保険のリハビリをそれぞれ利用した場合、介護報酬が算定
3
医療と介護のリハビリの取り扱いについては、
「医療保険と介護保険の給付調整に関する留意事項及び医療保険と介護保険相互に関連
する事項について」の一部改正について(平成 26 年 3 月 28 日 保医発 0328 第 1 号)参照
228
第4章
医療と介護の連携
医療との連携
できなくなるものではありませんが、医療保険の診療報酬上算定できなくなる可能性もありま
すので、リハビリ系サービスをケアプランに位置づける際には、医療保険のリハビリを受けて
いるかどうかを確認してください。
【リハビリテーションにおける医療保険と介護保険の役割分担イメージ(脳血管疾患の場合)】4
脳卒中等の発症
身
体
機
能
急性期
回復期
維持期
主に医療保険のリハビリテーション
主に介護保険のリハビリテーション
2カ月併用可(※疾患別リハビリの場合)
●
医療保険による外来リハビリ(疾患別リハビリ5)との役割分担
疾患別リハビリと介護保険リハビリの役割分担についても、リハビリの基本的考え方に基づき、
急性期及び回復期については主に医療保険の疾患別リハビリ、維持期については主に介護保険の
リハビリ6により実施することとなっています。
したがって、原則、同一の疾患等について、維持期に介護保険のリハビリに移行した後、医療
保険の疾患別リハビリを利用することはできません。ただし、この場合であっても、手術、急性
増悪等により、医療保険による疾患別リハビリが必要な患者になった場合には、医療保険の疾患
別リハビリを実施することができます。
また、※1 医療保険の疾患別リハビリを提供する施設とは別の施設で介護保険リハビリを提
供することになった場合には、一定期間、疾患別リハビリと介護保険リハビリを併用することで、
円滑な移行が期待できることから、2 カ月間(診療録及び診療報酬明細書に記載される「医療保
険における疾患別リハビリテーションが終了する日」まで)は、必要な場合(老人保健施設への
入所を除く)について、同一日以外であれば、同一疾患等による医療保険と介護保険のリハビリ
の併用が可能になっています。
4
5
6
第 57 回社会保障審議会給付費分科会(H20.10.30)資料 2-5「通所リハビリテーションについて」をもとに、介護保険課で作成
心大血管疾患リハビリテーション料、脳血管疾患等リハビリテーション料、運動器リハビリテーション料又は呼吸器リハビリテーシ
ョン料を算定するリハビリテーションをいう。
通所リハビリテーション(予防含む)
、訪問リハビリテーション(予防含む)をいう。
229
第4章
医療と介護の連携
医療との連携
※2 同一の疾患等について、疾患別リハビリから介護保険に移行したあと、新たな疾患により
疾患別リハビリが必要になった場合(たとえば、脳梗塞により介護保険リハビリを受けてい
る利用者が、変形性膝関節症による疾患別リハビリが必要になった場合)には、併用するこ
とができます。
※3 疾患別リハビリについては、基本的にはこのような考え方になっていますが、一部、難病
等の理由により、医療保険における疾患別リハビリを継続して行うことが必要であると医学
的に認められる場合等については、継続して医療保険の疾患別リハビリを利用することもで
きます。難病等とは、東京都の難病医療費等助成制度で定められている難病ではなく、疾患
別リハビリにおいて規定されているものとなります。詳しくは医療機関に問い合わせてくだ
さい。
●
訪問リハビリ(医療保険)との役割分担
要介護または要支援の認定を受けた利用者については、医療保険の訪問リハビリ7は利用でき
ません。
ただし、※4 医師が、診療に基づき、利用者の急性増悪等により一時的に頻回の訪問リハビ
リを行う必要を認め、計画的な医学的管理のもとに、在宅で療養を行っている利用者であって、
通院が困難なものに対して、訪問リハビリを行う旨の指示を行った場合には、6 カ月に1回、14
日間に限り、医療保険の訪問リハビリを利用することができます。
(3)
訪問看護により行われるリハビリとの給付調整
医療保険・介護保険ともに、訪問看護事業所より PT・OT・ST が患者、利用者宅を訪問し、リ
ハビリを提供することができます。医療保険であれば、訪問看護基本療養費Ⅰ・Ⅲを算定する訪問
看護、介護保険であれば、訪問看護Ⅰ5を算定する訪問看護です。
このうち ※6 介護保険については、内容がリハビリであっても訪問看護として提供されている
ため、現在のところ、疾患別リハビリについては給付調整の対象となっていません。したがって、
両者を併用できることになりますが、この場合は、訪問看護で提供されるリハビリが効果的に提供
されるよう医療機関と連携してください。
また、医療保険については、内容がリハビリであっても、訪問看護における給付調整の対象とな
るため、特別指示書等の例外を除き、要介護・要支援認定者については、当該サービスを利用する
ことはできません。
(※5 疾病、特別指示書により利用可能な場合あり)
7
在宅患者訪問リハビリテーション指導管理料を算定するリハビリをいう。
230
【医療保険と介護保険のリハビリの給付調整について】
A欄の介護保険サービスを利用している場合、B欄の医療保険によるリハビリを利用できるか
B:医療保険
疾患別リハビリ
訪問リハビリ
A:介護保険
通所リハビリ
訪問リハビリ
訪問看護基本療養費
(医療保険における訪問
看護としての PT・OT・
ST によるリハビリ)
×
×
×
(※1~3)
(※4)
(※5)
×
×
×
(※1~3)
(※4)
(※5)
訪問看護Ⅰ5
(介護保険における訪問
看護としての PT・OT・
ST によるリハビリ)
○:利用可、
○
×
×
(※6)
(※4)
(※5)
×:利用不可(原則、介護保険優先)
※1 移行期間の2カ月間については併用可能。
※2 同一疾患等により必要となったリハビリでない等の場合、医療保険リハビリ利用可能。
※3 難病等により、医療保険リハビリ(疾患別リハビリ)利用可能な場合あり。
※4 急性増悪等の場合には、介護から医療への移行が可能。
※5 疾病、特別指示書により利用可能な場合あり。
※6 給付調整に係る規定がないため、現在のところ併用可能。ただし、リハビリが効果的に提供されるよ
う医療機関と連携することが必要。
2
そ
(1)
の
他
の
留
意
事
項
月の途中で要介護被保険者等となる場合
要介護被保険者等となった日から、同一の傷害又は疾病等についての給付が医療保険から介
護保険へ変更されるが、この場合において、1月あたりの算定回数に制限がある場合(例えば、
医療保険における訪問歯科衛生指導と、介護保険における歯科衛生士が行う居宅療養管理指導
の場合の月4回など)については、同一保険医療機関において、両方の保険からの給付を合算
した回数を制限回数とします。
(2)
①
公費負担医療等
介護保険優先公費負担医療の給付
介護給付費請求書等の記載要領別表2「別紙1保険優先公費の一覧(適用優先度順)」
(p235
参照)にある公費負担医療等の給付を受けている者については、表の「介護保険と関連する給
付対象」欄にある介護保険サービスを受けた場合、介護保険で9割または8割分を給付した後、
公費負担医療ごとに定められた負担割合に応じ、利用者負担が減額されます。
231
※
表に掲げる公費負担医療については、介護保険が優先しますので、介護保険を適用した後
に生じる利用者負担について減額します。
※
各公費については、適用優先順に並んでいます。生活保護法に基づく介護扶助については、
適用順位が最後ですので、生活保護受給者であっても、介護扶助より優先する公費負担医療
を受けることができる場合は、そちらを優先します。
※
定期巡回・随時対応型訪問介護看護及び複合型サービス(看護小規模多機能型居宅介護)
の適用可能公費は、中国残留邦人等の円滑な帰国の促進及び永住帰国後の自立の支援に関す
る法律に基づく介護支援給付及び生活保護法に基づく介護扶助のみとなります。
【介護保険優先公費負担医療の給付イメージ】
9 割または8割分 介護保険
(介護保険優先のため、9 割また
は8割分は介護保険より給付)
自己負担分 公費
(公費負担医療ごとに定められ
た給付率に応じ減額:給付率
100%であれば、自己負担分全額
が公費負担医療より給付)
サービス費用
②
公費負担が優先する医療及び介護の給付8
● 公費負担優先医療給付
介護保険給付の対象となる医療系のサービス(訪問看護、訪問リハビリテーション、居宅
療養管理指導、通所リハビリテーション、短期入所療養介護及び介護療養施設サービス)を、
労働者災害補償保険法の療養補償給付等の介護保険に優先する医療の給付9(以下「公費優
先医療給付」という。
)の受給権者が受けた場合については、公費優先医療給付を優先して
受給します。
● 公費負担優先介護給付
労働者災害補償保険法の介護補償給付その他の介護保険に優先する介護の給付(以下「介
護補償給付等」という。
)を受けることができる場合は、介護保険の給付より介護補償給付
等を優先して受給します。
【公費負担優先医療の給付イメージ10】
10 割分 公費負担優先医療給付
※利用者負担は生じない。
サービス費用
8
平成 12 年 3 月 8 日「公費負担優先の給付の対象となるサービスに係る請求の事務等について」介護保険制度施行準備室参照
戦傷病者特別援護法の「療養の給付」及び「更生医療」、原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律第 10 条の「医療の給付」、公害
健康被害の補償等に関する法律の「療養の給付」、労働者災害補償保険法の療養補償給付その他これに類する給付をいいます。
10
介護負担優先介護給付のイメージについては、脚注 27 の通知参照
9
232
こんなときはどうしたらいいの?
Q95
助けてかほさん!~ケアマネジャーQ&A~
難病の介護保険利用者は、医療保険から訪問看護の提供を受けるの?
A95
難病の介護保険利用者、全てが医療保険から訪問看護の提供を
受けるわけではないの。その難病が、厚生労働大臣の定める疾病
等に該当するか、特別指示書が出ている場合に医療保険の訪問看
護を利用するの。
Q96
訪問看護を利用するにあたって、主治医に相談したいのだけれ
ど、どのように相談したらいいの?
A96
主治医に相談する際には、訪問看護を導入する目的を明確にし
て相談してね。「訪問看護の指示をお願いします。」という漠然と
した聞き方ではなく、
「~の目的で訪問看護の利用が必要だと思い
ますが、いかがでしょうか?」といった主治医が、その必要性を
判断しやすい聞き方が望ましいわ。
Q97
介護保険の訪問看護を使ってPT・OT・STによるリハビリを
受けているけれど、医療保険の疾患別リハビリは受けられるの?
A97
提供されているサービスは、訪問看護だから、医療保険の疾患
別リハビリとの併用は今のところ可能なの(p229 参照)。ただし、
疾患別リハビリを受けられる要件を満たさないといけないから、
医療機関に確認してね。
233
Q98
介護保険で通所リハビリを受けている利用者で、医師から ST の
リハビリも受けるべきとの話を聞いたけど、介護保険の事業所に ST
がいないの。この場合、医療保険からリハビリを受けることができる
の?
A98
原則、介護保険でリハビリを受けている場合は、疾患別リハビ
リの移行期間の2カ月を除いて、医療保険と介護保険を重複して利
用することはできないの。
だけど、ST については、介護保険のリハビリ系サービス提供事
業所に配置されていることが少ないから、ST の行うリハビリにつ
いてのみ、当面のところ、医療保険からのリハビリを受けることが
できるの。
PT・OT の行うリハビリについては、原則どおり、介護保険が優
先するから注意してね。
234
「介護給付費請求書等の記載要領」別表2
保険優先公費の一覧(適用優先度順)
項
番
1
2
3
4
5
6
制度
給付対象
感染症の予防及
び感染症の患者
に対する医療に
関する法律(平
成 10 年法律第
114 号)
「一般患
者に対する医
療」
結核に関す
る治療・検査
等省令で定
めるもの
障害者の日常生
活及び社会生活
を総合的に支援
するための法律
(平成 17 年法律
第 123 号)
「通院
医療」
障害者の日常生
活及び社会生活
を総合的に支援
するための法律
「更生医療」
通院による
精神障害の
医療
原子爆弾被爆者
に対する援護に
関する法律(平
成 6 年法律第 117
号)
「一般疾病医
療費の給付」
難病の患者に対
する医療等に関
する法律(平成
26 年法律 第 50
号)
「特定医療」
健康保険と
同様(医療全
般)
被爆体験者精神
影響等調査研究
事業の実施につ
いて(平成 14 年
4月1日健発第
0401007 号)
被爆体験に
よる精神的
要因に基づ
く健康影響
に関連する
特定の精神
疾患又は関
連する身体
化症状・心身
症のみ
法別
資格
公費の
番号
証明等
給付率
負担割合
介護保険を優
先し 95%まで
を公費で負担
する
10
患者票
95
介護保険優先
利用者本人負
担額がある
21
受給者証
介護保険優先
利用者本人負
担額がある
19
受給者証
被爆者手帳
100
100
特定の疾患
のみ
介護保険優先
残りを全額公
費(※)
介護保険優先
利用者本人負
担額がある
54
受給者証
100
介護保険優先
残りを全額公
費(※)
86
受給者証
235
対象
医 療機 関の 短期 入所 療養
介護、医療機関の介護予防
短 期入 所療 養介 護及 び介
護 療養 施設 サー ビス にか
か る特 定診 療費 並び に介
護 老人 保健 施設 の短 期入
所療養介護、介護老人保健
施 設の 介護 予防 短期 入所
療 養介 護及 び介 護保 健施
設 サー ビス にか かる 特別
療養費
訪問看護、介護予防訪問看
護
100
身体障害者
に対する更
生医療(リハビ
リテーション)
15
介護保険と関連する給付
100
訪問看護、介護予防訪問看
護、医療機関の訪問リハビ
リテーション、医療機関の
介 護予 防訪 問リ ハビ リテ
ーション、医療機関の通所
リハビリテーション、医療
機 関の 介護 予防 通所 リハ
ビ リテ ーシ ョン 及び 介護
療養施設サービス
介 護老 人保 健施 設サ ービ
ス含め医療系サービス(介
護予防サービスを含む)の
全て
訪問看護、介護予防訪問看
護、医療機関の訪問リハビ
リテーション、医療機関の
介 護予 防訪 問リ ハビ リテ
ーション、居宅療養管理指
導、介護予防居宅療養管理
指 導及 び介 護療 養施 設サ
ービス
訪問看護、介護予防訪問看
護、訪問リハビリテーショ
ン、介護予防訪問リハビリ
テーション、居宅療養管理
指導、介護予防居宅療養管
理指導、通所リハビリテー
ション、介護予防通所リハ
ビリテーション、短期入所
療養介護、介護予防短期入
所療養介護、介護保健施設
サ ービ ス及 び介 護療 養施
設 サー ビス の医 療系 サー
ビスの全て
7
8
9
10
11
12
特定疾患治療研
究事業について
(昭和 48 年 4 月
17 日衛発第 242
号厚生省公衆衛
生局長通知)
「治
療研究に係る医
療の給付」
先天性血液凝固
因子障害等治療
研究事業につい
て(平成元年 7
月 24 日健医発第
896 号厚生省保
健医療局長通
知)
「治療研究に
係る医療の給
付」
「水俣病総合対
策費の国庫補助
について」
(平成
4年4月 30 日環
保業発第 227 号
環境事務次官通
知)
「療養費及び
研究治療費の支
給」
「メチル水銀の
健康影響に係る
調査研究事業に
ついて」
(平成 17
年5月 24 日環保
企
発
第
050524001 号 環
境事務次官通
知)
「研究治療費
の支給」
「茨城県神栖町
における有機ヒ
素化合物による
環境汚染及び健
康被害に係る緊
急措置事業要
綱」について(平
成 15 年6月6日
環 保 企 発 第
030606004 号 環
境事務次官通
知)
「医療費の支
給」
石綿による健康
被害の救済に関
する法律(平成
18 年法律第 4 号)
「指定疾病に係
る医療」
特定の疾患
のみ
介護保険優先
残りを全額公
費(※)
51
受給者証
100
同上
介護保険優先
利用者本人負
担 額 が あ る
(※)
51
水俣病発生
地域におい
て過去に通
常のレベル
を超えるメ
チル水銀の
曝露を受け
た可能性の
ある者にお
ける水俣病
にもみられ
る症状に関
する医療
メチル水銀
の曝露に起
因するもの
でないこと
が明らかな
ものを除く
疾病等の医
療
88
88
受給者証
医療手帳、
被害者手帳
医療手帳
100
医療手帳
石綿健康被
害医療手帳
236
介 護老 人保 健施 設サ ービ
ス含め医療系サービス(介
護予防サービスを含む)の
全て(ただし、介護老人保
健 施設 サー ビス にお いて
は 所定 疾患 施設 療養 費等
に限る)
介護保険優先
残りを全額公
費(※)
介 護老 人保 健施 設サ ービ
ス含め医療系サービス(介
護予防サービスを含む)の
全て(ただし、介護老人保
健 施設 サー ビス にお いて
は 所定 疾患 施設 療養 費等
に限る)
介護保険優先
残りを全額公
費(※)
介 護老 人保 健施 設サ ービ
ス含め医療系サービス(介
護予防サービスを含む)の
全て(ただし、介護老人保
健 施設 サー ビス にお いて
は 所定 疾患 施設 療養 費等
に限る)
介護保険優先
残りを全額公
費
介 護老 人保 健施 設サ ービ
ス含め医療系サービス(介
護予防サービスを含む)の
全て(ただし、介護老人保
健 施設 サー ビス にお いて
は 所定 疾患 施設 療養 費等
100
100
指定疾病に
係る医療
66
介護保険優先
残りを全額公
費(※)
100
茨城県神栖
町における
ジフェニルアルシン
酸の曝露に
起因する疾
病等の医療
87
訪問看護、介護予防訪問看
護、医療機関の訪問リハビ
リテーション、医療機関の
介 護予 防訪 問リ ハビ リテ
ーション、居宅療養管理指
導、介護予防居宅療養管理
指 導及 び介 護療 養施 設サ
ービス
同上
100
13
14
特別対策(障害
者施策)
「全額免
除」
障害者施策
利用者への
支援措置
原爆被爆者の訪
問介護利用者負
担に対する助成
事業について
(平成 12 年3月
17 日 健 医 発 第
475 号厚生省保
健医療局長通
知 )「 介 護 の 給
付」
原爆被爆者の介
護保険等利用者
負担に対する助
成事業について
(平成 12 年3月
17 日 健 医 発 第
476 号厚生省保
健医療局長通
知 )「 介 護 の 給
付」
低所得者の
被爆者に対
する訪問介
護、介護予防
訪問介護、訪
問型サービ
ス(みなし)
及び訪問型
サービス(独
自)
被爆者に対
する介護福
祉施設サー
ビス等、地域
密着型介護
老人福祉施
設入所者生
活介護、通所
介護、介護予
防通所介護、
短期入所生
活介護、介護
予防短期入
所生活介護、
認知症対応
型通所介護、
介護予防認
知症対応型
通所介護、小
規模多機能
型居宅介護、
介護予防小
規模多機能
型居宅介護、
定期巡回・随
時対応型訪
問介護看護、
看護小規模
多機能型居
宅介護、通所
型サービス
(みなし)及
び通所型サ
ービス(独
自)
介護保険及
び 介 護 予
防・日常生活
支援総合事
業(一般介護
予防事業を
除く)の給付
対象サービ
ス
15
16
中国残留邦人等
の円滑な帰国の
促進及び永住帰
国した中国残留
邦人等及び特定
配偶者の自立の
支援に関する法
律(平成 6 年法
律第 30 号)
「介
58
受給者証
100
介護保険優先
残りを全額公
費
介護保険優先
残りを全額公
費(※)
81
81
25
被爆者健康
手帳
被爆者健康
手帳
介護券
237
に限る)
訪問介護、介護予防訪問介
護、夜間対応型訪問介護、
訪問型サービス(みなし)
及 び訪 問型 サー ビス (独
自)
訪問介護、介護予防訪問介
護、訪問型サービス(みな
し )及 び訪 問型 サー ビス
(独自)
100
介護保険優先
残りを全額公
費(※)
介護福祉施設サービス、地
域 密着 型介 護老 人福 祉施
設入所者生活介護、通所介
護、介護予防通所介護、短
期入所生活介護、介護予防
短期入所生活介護、認知症
対応型通所介護、介護予防
認知症対応型通所介護、小
規模多機能型居宅介護、介
護 予防 小規 模多 機能 型居
宅介護、定期巡回・随時対
応型訪問介護看護、看護小
規模多機能型居宅介護、通
所型サービス(みなし)及
び通所型サービス(独自)
介護保険優先
利用者本人負
担額がある
介護保険及び介護予防・日
常生活支援総合事業(一般
介護予防事業を除く)の給
付対象と同様
100
100
護支援給付」
生活保護法の
「介護扶助」
17
※
介護保険及
び 介 護 予
防・日常生活
支援総合事
業(一般介護
予防事業を
除く)の給付
対象サービ
ス
介護保険優先
利用者本人負
担額がある
12
介護券
介護保険及び介護予防・日
常生活支援総合事業(一般
介護予防事業を除く)の給
付対象と同様
100
ただし、保険料滞納による介護給付等の額の減額分については公費負担しない。
新制度移行に伴う請求に係る主な変更点について(平成 27 年 1 月~)
(東京都福祉保健局)より抜粋
1 難病医療費助成
現行制度(平成26年12月診療分まで)
制度名
法別
番号
難病医療費助成
(国・都)
51
請求方法
公費負担者番号
都内/都外 契約医療機関
51136026 (自己負担あり)
51136018 (自己負担なし)
併用レセプト
新制度(平成27年1月診療分から)
制度名
新設
難病医療費助成
(国疾病)
変更
難病医療費助成
(都疾病)
法別
番号
公費負担者番号
患者自己
負担
請求方法
都内
都外
54136015(本則)
54
受給者証
併用レセプト
に記載の ※助成対象は、指定医療機関が行う医療に
54135017(経過措置) 額(※) 限りま す 。
併用レセプト
医療券に
( 一部例外あり)
記載の額 ※ただし、介護給付費は
(※)
83135012(経過措置)
10名連記
83136010(本則)
83
10名連記
※ 新制度(法別54)では、知事の指定を受けた医療機関等(指定医療機関)が行う医療に限り、難病患者の方が助成を受けることができます。
※ 患者負担は2割となります。また、負担上限月額は、各(指定)医療機関等での負担額を合算します。
※ 特定疾患治療研究事業(法別51)は、スモン、劇症肝炎、重症急性膵炎のみが残ります。また、公費負担者番号51136026(自己負担あり)はなくなります。
238
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