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企業活動のバックアップ拠点等に関する調査報告書概要版(PDF)
東日本大震災経済関連調査事業委託業務 企業活動のバックアップ拠点等に関する調査 報告書 -概要版- 平成23年12月 北海道経済部緊急産業対策室 受託者: 株式会社北海道二十一世紀総合研究所 株式会社日本経済研究所 目次 Page はじめに~選択と集中による効率性の追求から分散によるレジリエンスの確保へ~ 1 1 企業の求めるバックアップ機能と必要要件 2 2 バックアップ機能毎の重視する要件 3 3 バックアップ機能整備に対し北海道が持つ優位性 4 4 北海道の優位性と課題・問題点 5 5 今後の取組・展開イメージ 6 はじめに ~選択と集中による効率の追求から分散によるレジリエンスの確保へ~ 今回の東日本大震災では、地震、津波、福島第一原子力発電所事故によ 「東日本大震災経済関連調査」 り、我が国経済活動に多大な影響をもたらした。特に、東北・首都圏の生産 バックアップ機能検討委員会 委員名簿 設備、物流網の機能低下の影響は、我が国に限らず世界中に及んでいる。 委員長 我が国では、例えば製造業では、従来効率性を重視したサプライチェーン を構築してきた一方で、新潟県中越沖地震を契機に、部品調達の多元化等 リスク分散を図ってきた。しかし、今回の大震災により、一次下請け、二次下 請け段階で多元化が図られていたとしても、ある特定の部品の生産拠点の 分散が図られておらず、当該拠点の被災が国内はもとより世界の生産現場 に影響を及ぼすことが明らかになった。このため、製造業を中心として、改め て、BCP(事業継続計画)やリスク分散、サプライチェーンの再構築等を見直 す必要に迫られているものと考えられる。 ● 平本 健太 北海道大学大学院経済学研究科教授 委 員 ● 加藤 敬太 小樽商科大学商学部商学科准教授 ● 木下 邦彦 北海道経済連合会産業振興グループ次長 ● 杉本 正和 ㈱デンソーエレクトロニクス代表取締役社長 (向井 克之 ㈱デンソーエレクトロニクス取締役人事総務部部長) ● 武田 浩 ㈱日本政策投資銀行北海道支店次長 特に、首都圏企業では、今回の震災に伴う混乱や計画停電を踏まえ、大規 模な災害が起こった際のBCPが重要視され、バックアップ拠点の整備がク ローズアップされてきている。 ● 野田 健太郎 ㈱日本経済研究所 国際・ソリューション本部インフラ・環境グループ副局長 早稲田大学非常勤講師 北海道は、自然災害リスクの低さ、広大で安価な土地、冷涼な気候、人材 面での優位性等、生産拠点やデータセンター等のバックアップ拠点としての 必要要件を兼ね備えており、業種・業態及びバックアップ機能の種類によっ ては、他地域より比較優位性を有しており、今後の取組によっては道内で拠 特定非営利活動法人 事業継続推進機構 理事 ● 深谷 純子 深谷レジリエンス研究所代表 特定非営利活動法人 事業継続推進機構 理事 点整備が進む可能性は高いものと考えられる。 以上を背景に、有識者による「バックアップ機能検討委員会」を設置し、本 <企業活動のバックアップ拠点の定義> 道が産業面におけるバックアップ拠点として我が国の経済産業活動における 企業活動のバックアップとは、「レジリエンスの確保」「保険の担保」の2面ある。こ レジリエンス(回復力、弾力性)の確保に積極的に貢献していくための方策を のうち「レジリエンスの確保」とは、ある拠点が被災した場合に他の拠点がその代替 機能を果たす等企業活動における柔軟性を確保しようとするものであり、各拠点は 検討・とりまとめを行った。 平時においても一定の役割を果たしている。一方「保険の担保」とは、あくまで緊急 本報告書は、その概要をとりまとめたものである。 時において機能するものとして考えることができる。 本報告書では、企業活動のバックアップ拠点として、単に「保険の担保」を図るだ 平成23年12月 けでなく、「レジリエンスの確保」に向けて、緊急時はもとより平時においてもより積 北海道経済部 極的に我が国経済活動に貢献していくことを目指しており、ひいては道内経済の活 性化に資するものとしていくことを目指している。 1 1.企業の求めるバックアップ機能と必要要件 東日本大震災を契機として企業が必要と考えているバックアップ機能としては、アンケート及びヒアリングから、以下に示す通り、業務継続を可能とするための本 社(あるいは本社をサポートする)機能、生産機能、データセンター機能、研究開発機能、またサプライチェーンにおいては部品調達先の分散化の5つの機能が重視 されている。 一方、バックアップに必要な要件は業種等により様々ではあるが、主に下記に挙げる10項目が重視されている。 企業の求めるバックアップ機能 バックアップ機能整備に当たり必要とされる要件 ○自然災害リスクの低さ ○交通アクセス ■分散配置によるバックアップ機能の確保 ○本社機能 ○生産機能 ○データセンター ○研究開発機能 ■部品調達先の分散化 ○エネルギー供給の安定性・コスト × ○情報通信環境 ○サプライチェーンの安定性 ○関連企業の集積 ○顧客の集積 ○既存拠点の利用 ○自治体の支援策 ○生活環境・職場環境の安全・充実 注)アンケート/ヒアリングより 2 2.バックアップ機能毎の重視する要件 企業の求める5つのバックアップ機能について、それぞれで重視される要件を整理すると以下の通りである。 バックアップ機能 必要要件 分散配置によるバックアップ機能の確保 本社機能・ バックオフィス 生産拠点 (工場) データ センター 研究開発 拠点 部品調達先 の 分散化 自然災害リスクの低さ ◎ ◎ ◎ ◎ ○ 自然災害リスクは全ての機能におい て重視している。特に地震頻度、地 盤を重視。 交通アクセス ◎ ○ ○ ○ ○ データセンターについては有事に駆 けつけられることが重視される傾向。 エネルギー供給の安定性・コ スト ○ ◎ ◎ ○ 自家発電等での対応は限界があり、 工場、データセンターでは停止時の 影響が大きい 情報通信環境 ○ ◎ ○ データ転送、安否確認においてネット ワークの持続性が求められる サプライチェーンの安定性 ◎ ◎ 関連企業の集積 ○ ◎ ◎ 顧客の集積 ○ ◎ ◎ 既存拠点の利用 ○ 自治体の支援策 生活環境・職場環境の安全・ 充実 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 生産工場及び調達先におけるサプラ イチェーンが重視される 特に生産部門においては、製品原料 の仕入れ先、納入先、マーケットの集 積が重視される。 国内広域展開している企業では、既 存拠点(ex.支店、関係会社)へのバッ クアップ機能付加 新たに整備する場合に自治体の支 援が求められる ○ ○ 進出する場合に安全面は必須要件 ◎:大いに重視 ○:重視 3 3.バックアップ機能整備に対し北海道が持つ優位性 北海道は、企業ニーズの高いバックアップ機能の要件に対し、他地域と比較して数々の優位性を有している。このような本道の有する主な優位性を列挙すると、 以下の通りである。また、本道の有するネガティブイメージとして、「積雪の影響」「物流コスト」を指摘されることが多いが、これらは実際にはバックアップ機能の立 地・集積の妨げとはならないという指摘があった。 ①自然災害リスクの低さ ④人材面での優位性 <今後30年以内に震度6以上の地震に見舞われる確率> (千円) ⑦快適な職住環境 450 396.2 400 368.2 344.8 350 70 60 250 45.3 50 200 40 150 30 19.6 100 20 10 297.3 300 275.9 60.3 1.2 2.5 0.4 札 幌 苫 小 牧 旭 川 0 50 3.8 0 東 京 名 古 屋 大 阪 福 岡 資料)地震ハザードステーション((独)防災科学技術研究所) ②広大で安価な土地 資料)厚生労働省 「平成22年賃金構造基本統計調査」 北 海 道 東 京 都 愛 知 県 大 阪 府 福 岡 県 ⑤大学の集積 ■学科別入学定員(平成23年4月) ■主な工学系大学 <地価の状況> ( )内は理工系学部の定員 合 計 19,150人 北海道大学 (970) 北海道工業大学 (800) 北海学園大学 (260) 東海大学 (200) 北見工業大学 (410) 北見 北海道情報大学 (380) 江別 札幌 室蘭 ■主な大学工学部情報工学系学科の入学定員 千歳 函館 室蘭工業大学 (600) 資料)国土交通省 「都道府県地価調査」 ③冷涼な気候 (平成23年4月) 千歳科学技術大学 (240) 公立はこだて未来大学 (240) 北海道大学 情報エレクトロニクス学科 室蘭工業大学 情報電子工学系学科 北見工業大学 情報システム工学科 公立はこだて未来大学 情報アーキテクチャ学科 北海学園大学 電子情報工学科 北海道工業大学 情報フロンティア工学科 北海道情報大学 システム情報学科 180人 180人 60人 120人 100人 120人 90人 資料)北海道資料 ⑥再生可能エネルギーの宝庫 <月別平均気温> ■ネガティブイメージの払拭 <再生可能エネルギー賦存量> 区 分 太陽光発電 風力発電 水力発電 資料)気象庁HP 道内賦存量 (億kWh) 199 【全国4位】 3,174 【全国1位】 101【全国5位】 道内発電電力量 (億kWh) 活用割合 (%) 0.22 0.1 6.7 0.2 58.0 57.4 資料)環境省 「平成22年度再生可能エネルギー導入ポテンシャル調査報 告書」 【積雪の影響】 <進出企業の声> 首都圏や中部圏では尐しの積雪で従業員が出社で きなくなり、生産活動に支障をきたすことがよくある。 このため、北海道に進出する前は、冬場は雪が積も り、従業員が出社できず、生産活動に支障をきたす ことが頻繁に起こるのではないか危惧していた。し かし、実際に来てみると、いくら雪が降って積もった 時でも、全ての従業員は定時に出社してきており、 それが全くの杞憂であったことが分かった。 4 4.北海道の優位性と課題・問題点 北海道は、企業ニーズの高いバックアップ機能の要件に対し、他地域と比較して数々の優位性を有しているものの、一方で様々な課題・問題点も存在する。しかし、 これらの課題・問題点は、必ずしも解決することのできないものではなく、ターゲットの絞り込みや今後の取組・戦略によっては、これらの課題・問題点がネックでは なくなり、本道に企業活動のバックアップ機能の立地・集積が進む可能性はあるものと考えられる。 ここでは、バックアップ機能毎に、その立地・誘致に当たって本道の優位性、課題・問題点を整理するとともに、その解決に向けた対応方向をとりまとめた。 バックアップ機能 北海道の優位性 主な課題・問題点 対応方向 本社機能 自然災害リスクの低さ 広大で安価な土地 冷涼な気候 人材面での優位性(人件費) 快適な職住環境 (委員会でのご意見) ・サブ本社立地の可能性 • バックオフィス機能を中心とする本社機能の分 散配置を進めている企業はまだ尐数であり、新 たな本社機能のあり方自体を提案していく必要 がある • 道内におけるバックオフィスの集積を 進め、それを足掛かりに、その他の機 能・部門(製造部門等)の誘致に繋げ ていく 生産拠点 自然災害リスクの低さ 広大で安価な土地 冷涼な気候 再生可能エネルギーの宝庫 人材面での優位性 大学の集積 快適な職住環境 (委員会でのご意見) ・ネガティブイメージの払しょくと北海道の比較優 位性を前面に出していくことが必要 • 積雪、物流等のネガティブイメージが存在する • 生産拠点の選定にあたっては、製品原料の仕 入れ先、納入先、マーケットの集積が重視され るが、道内にはその集積が不足している • 超円高に対応して、海外移転を推進・検討して いる企業があり、国内他地域だけでなく、海外と の競合状況にある。 • 製造業を中心とする従来型の企業では、様々な しがらみがあり、地縁の薄い地域への移転は困 難。 • 積雪の影響、物流コスト等のネガティブイ メージを解消する • 北海道の強みを発揮できる分野に特化して 産業集積を図る。 • 産業集積が高まることで、北海道の生産拠 点としての能力、魅力が向上し、更なる集 積を実現する • 既進出企業のアフターフォローを充実し、そ のつながりから新たな企業・施設誘致につ なげる • しがらみがまだあまり生じていないベン チャー企業を誘致する 自然災害リスクの低さ 広大で安価な土地 冷涼な気候 再生可能エネルギーの宝庫 (委員会でのご意見) ・データセンターは近場にあった方がいいという ニーズがある一方で、技術的に信頼でき、コスト 面で有利であれば、遠くてもいいのではないか • 立地選定にあたって、アクセスの良さ(何か問題 が起こった時にすぐに駆け付けられる、等)を重 視する傾向にある • 国内においては、データセンターの誘致に取組 む地域が数多く存在し、これらとの差別化を図 ることが必要である • 差別性を明確に打ち出す。石狩市が 打ち出している「グリーンエナジーデータセン ター」等を昇華させる • 「データセンターとしての北海道」の実 績と認知度を高める • 構築から運用・保守サービスまでトータ ルでソリューションを提供する • 現状、バックアップとして新たに研究開発拠点を 整備するという動きは限定的である。 • 現状では、国内他地域と比較して既存の研究開 発拠点の集積が不足している。 • 大学等の集積を活かして、共同研究の 場として機能する一方で、そこに企業 の研究情報・資源等のバックアップ機 能を付加していく。 • 積雪が生産活動を停滞させる、物流費が高く付 くといったネガティブイメージが存在する • QCD対応力が未発達の企業が多く、具体の商 談の際に特に価格面で折り合いがつかず、大 手企業のサプライチェーンに参入困難なケース が多い • 道内企業は総じて営業力が弱く、技術力があっ ても道外に知られていないことが多い。 • 道内企業が平時においてもサプライ チェーンに参入するため、QCD対応力 の向上を図る • サプライチェーンへの参入に向けて、 ビジネスマッチングの場を設けるととも に、企業間ネットワークの強化を図る • 技術系人材の育成・確保に努める △~○ ○ ○~◎ データセンター ○ 研究開発拠点 自然災害リスクの低さ 広大で安価な土地 再生可能エネルギーの宝庫 人材面での優位性 大学の集積 (委員会でのご意見) ・サプライチェーンは北海道で今すぐにというのは 難しい ○~◎ 部品調達先 自然災害リスクの低さ 広大で安価な土地 冷涼な気候 人材面での優位性 大学の集積 快適な職住環境 ト ー タ ル ソ リ ュ ー シ ョ ン の 提 供 各 種 イ ン フ ラ の 整 備 充 実 4 5 5.北海道における産業面のバックアップ機能のあり方と今後の展開 これまでの検討を踏まえ、企業ニーズが高く、本道の優位性を活かせる産業面のバックアップ機能に関して、今後の取組・展開についてとりまとめると、以下の通 りである。 これらの取組・展開により、「我が国の産業面におけるレジリエンスの確保に貢献する北海道」となることが期待される。 短期~中期的な取組 企 業 の 拠 点 分 散 化 ニ ー ズ の 取 り 込 み タ ー ゲ ッ ト 業 種 ・ 業 態 の 選 択 ・ 集 中 本社 機能 <バックオフィス機能の誘致・展開> • データセンター、コールセンターの立地を促進するとともに、IT企業の集積等を 活かして、様々なBPO関連サービス提供の拠点としていく • 快適な職住環境等を活かして、必ずしも首都圏に立地する必要のない本社機 能の誘致を進め、そこがバックアップ拠点として機能していくことを目指す。 生産 拠点 <本道の特性を活かした製造業等の誘致> • 海外生産比率の上昇を前提に、国内にとどまる機能、国内で強化する機能を 中心に、①本道の立地特性を活かせる産業、②業界シェアが高いが拠点の 分散ができていない企業、③電力制約の大きい業種・事業分野、④震災や電 力制約等で需要増が見込まれる業種・事業分野、⑤震災や原発事故等で再 開のめどが立たない業種・事業分野を主要ターゲットとして誘致を進める。 データ センター <環境の優位性を活かしたデータセンターの誘致> • 今後とも、北海道の優位性を活かして、データセンターの誘致に努める。 • あわせて、関連するIT企業やBPO企業等の集積を進め、本道が企業活動の 情報面におけるトータルソリューションを提供できる場としていくことを目指す。 研究 開発 拠点 <大学や企業の集積を活かした研究開発拠点の誘致> • 道内における大学、企業等の研究機関の集積を活かして、共同研究等の拠点 としてラボ・研究室の誘致を進める。 • これら企業のラボに各社の研究データ・資源等のバックアップ機能を付加する。 • 以上を通して、ラボの機能拡充を進める。 中・長期的な展望 産 業 集 積 、 顧 客 集 積 部品調達先の 分散化 <サプライチェーンへの参入促進> • 道内企業が、震災時に代替生産拠点として機能するように、平時においてサ プライチェーンに参入しているようにする。 • このため、道内企業のQCD対応力の強化、道内企業の情報発信、企業間ネッ トワークの強化等を推進する。 各種インフラの 整備・充実 <人・物・情報などのインフラのハード・ソフト両面における整備・充実> ・北海道新幹線(新函館-札幌間)の早期開通 ・道内高規格道路の整備促進 ・道内空港の維持・活性化 ・通信インフラの整備・充実 ・港湾整備の充実とネットワーク強化 • 生産拠点の集積・ 充実化に伴う川下 メーカーの工場設 立の機運の向上 • 原料から完成品 製造までの垂直 関係、及び国内か ら海外各地の水 平関係における メーカーの集積 • 大手企業の本社 機能やBPOセン ターの集積に伴う ネットワーク外部 性の発揮 我 が 国 の 産 業 面 に お け る レ ジ リ エ ン ス の 確 保 に 貢 献 す る 北 海 道 6 5-1.バックオフィス機能の誘致・展開 5-2.本道の特性を活かした製造業等の誘致 データセンター、コールセンターの立地を促進するとともに、IT企業の集積等を 活かして、様々なBPO関連サービス提供の拠点としていく。 次いで、快適な職住環境等を活かして、必ずしも首都圏に立地する必要のない 本社機能の誘致を進め、そこがバックアップ拠点として機能していくことを目指す。 海外生産比率の上昇を前提に、国内にとどまる機能、国内で強化する機能を 中心に、①本道の立地特性を活かせる産業、②業界シェアが高いが拠点の分散 ができていない企業、③電力制約の大きい業種・事業分野、④震災や電力制約 等で需要増が見込まれる業種・事業分野、⑤震災や原発事故等で再開のめど が立たない業種・事業分野を主要ターゲットとして誘致を進める。 区分 取組方針 今後の戦略 <現状の取組> 非 定 形 業 務 移 転 不 可 能 通常時は本社か ら支社に移転不 可能だか、非常時 はバックアップとして 支社で業務を遂 行する • バックアップ拠点としての北海道 の優位性の精査及び訴求 • ターゲット企業への働きかけ 移 転 可 能 本社の非定形業 務のうち、支社に 移転可能なものを 移転する • 北海道に立地するメリットの精査 及び訴求 • 対事業所サービスの充実 • ターゲット企業への働きかけ 【ターゲット業種・事業分野】 ①本道の立地優位性を活かせる産業(食料品製造業、データセンター 等) ②業界シェアが高いが拠点の分散ができていない企業(自動車や半 導体関連の高機能部品メーカー等) ③電力制約の大きい業種・事業分野(電気炉を持つ鋳造・熱処理等、 電力多消費型産業) ④震災や電力制約で需要増が見込まれる業種・事業分野(新エネ・ 省エネ等の環境産業) ⑤震災や原発事故等で再開の目処が立たない企業(被災された企業 等) 定 形 業 務 移 転 可 能 本社及び支社の 定形業務はBPO 企業に外注する • 北海道の強みを活かせる分野 の明確化 • 支援制度の充実 • BPO企業の誘致及び育成 + <今後検討すべき取組> 【バックアップ拠点としてのトータルソリューションの提供・提案】 長期的な目標 将来的には、道内におけるバックオフィスの集積を進め、それを足掛かり に、その他の機能・部門(製造部門等)の誘致に繋げていく ・グローバル人材の育成 ・国内外の工場が被災した場合における増産体制の構築に対する支 援 ・増産に対応した物流面での柔軟な対応・運用 7 5-3.環境の優位性を活かしたデータセンターの誘致 5-4.大学や企業の集積を活かした研究開発拠点の誘致 北海道の優位性(冷涼な気候、安定した電力供給)、既存集積等を前面に、 データセンターの誘致・集積を進めるとともに、データセンターを活用した各種の サービス産業や保守・メンテナンス関連産業等の集積につなげていく。 震災後の研究機能分散のニーズを掘り起こし、道内研究機能の集積や大学等 との連携を活かして、広大な敷地、研究者への良好な職住環境の提供等の道内 の優位性を活かし、研究機能のリスク分散先としての役割を担っていく。 【北海道の優位性】 • 大学・試験研究機関の集積 ・自然災害リスクの低さ ・広大で安価な土地 • 北海道バイオ産業クラス ター・フォーラム ・冷涼な気候 • サッポロバレー ・再生可能エネルギーの宝庫 • IT/ コンテンツ開発 •BPO • バイオ /等 /等 【今後の取組・展開イメージ】 ・データセンターの誘致・集積 ・データセンターを活用した各種のサービス産業や保守・ メ ンテナンス関連産業等の集積につなげる。 【今後の取組・展開イメージ】 ・研究開発機能のバックアップ拠点の形成 ・ベンチャー企業の誘致 8 5-5.サプライチェーンへの参入促進 5-6.人・物・情報などインフラの整備・充実 大手製造業は部品等の調達の分散化を進めており、これら動きと連動して、道 内企業が平時においてもサプライチェーンに参入できるようにしていく。道内でサ プライチェーンに参入している企業が増加・集積することで、工場誘致にもつなが ることが期待される。 北海道がバックアップ機能を発揮していくためには、首都圏等が被災した場合 においても、人・物・情報の流れを確保・担保するインフラを整備・充実していく必 要がある。ただし、インフラは、非常時にのみ機能するものではなく、平時におい ても機能するものとしてハード・ソフト両面で整備・充実を図る。 【ターゲット業種・参入形態】 【今後の取組・展開】 ・自動車産業のサプライチェーンへの参入 ・北海道新幹線(新函館-札幌)の早期開通 ・新エネルギー関連製造業のサプライチェーンへの参入 ・道内空港の維持・活性化 ・電気電子部品製造業による多様な業種のサプライチェーンへの参入 ・港湾整備の充実とネットワーク強化 ・道内高規格道路の整備促進 ・通信インフラの整備促進 【今後の取組】 ●QCDへの対応力強化 ●ビジネスマッチング ●企業間ネットワークの強化 ●技術系人材の育成・確保 【将来展開イメージ】 ・道内で大手サプライチェーンに参入している企業が増えることにより、そこ が震災時等におけるバックアップ拠点として機能する。 ・さらに、取引企業が増えることにより、工場誘致につながることが期待される。 9