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定 期 監 査 報 告 書

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定 期 監 査 報 告 書
平成 25 年度
定 期 監 査 報 告 書
市民生活部
川西市監査委員
平成26年6月2日
川西市長
大 塩 民 生
様
川西市監査委員
塩 川 芳 則
川西市監査委員
岩 本 吉志子
川西市監査委員
岡
留 美
定期監査報告書の提出について
地方自治法第199条第4項の規定により実施した定期監査(市民生活部)の結果について、
同条第9項の規定に基づき提出します。
定期監査報告書
1 監査の種別
定期監査(地方自治法第 199 条第 4 項)
2 監査の対象
下記の監査対象部局に係る平成 25 年度(25 年 4 月 1 日∼同年 12 月末日)の財務に関す
る事務の執行を主体に監査を実施した。
なお、必要に応じて地方自治法第 199 条第 2 項に基づく事務の執行についても監査を実
施した。
市民生活部
生活活性室
人権推進室
生活相談課、市民課、産業振興課、観光・スポーツ振興課
人権推進課、総合センター
3 監査の期間
平成 26 年 1 月 28 日から同年 3 月 28 日まで
4 監査の方法
監査対象部局に対し、平成 25 年度の財務に関する書類(25 年 12 月末日現在)の提出を
求め、予算の執行が適正かつ効率的に行われているか、財務に関する事務が法令の諸規定
に準拠して処理されているかを主眼点として、関係書類を調査するとともに、必要に応じ
て関係職員から事情聴取を行った。
5 監査の結果
監査の結果、次のとおり事務処理の一部に改善、検討を要する事例が見受けられたので、
適正な事務の執行に留意されたい(指摘事項等は、それぞれ監査時点のものである)。
なお、留意、改善すべき事項のうち、軽微な事項については、その都度、口頭で指示し
たので省略している。
(注)本報告書における表示方法は、以下のとおりである。
文中の金額
万円単位で表示している場合、表示単位未満の端数は切捨
- 1 -
生活活性室
《 生活相談課 》
1 法律相談業務について
市民向けの法律相談については、兵庫県弁護士会と覚書を締結し、同会所属弁護士の派遣を
受けて実施しているが、この覚書の第 3 条で「法律相談を実施した都度、その結果等について
別途定める様式により報告を求める。」としている。
報告の内容については、個人情報に特段の配慮を行ったうえで、必要最小限のものに留める
こととしているが、提出された報告書には、相談内容が全く記載されていないものなど、記載
内容が不十分な事例が見受けられたので、同会と調整のうえ、報告書の記載方法、内容等につ
いて明確にされたい。
2 市暴力団排除に関する条例について
市暴力団排除に関する条例(平成 24 年 7 月 1 日施行)第 7 条で、市は、契約事務その他すべ
ての事務又は事業において、暴力団、暴力団員等を契約の相手側としない等の措置を講ずるも
のと規定し、同条例施行規則第 3 条で、契約予定者、契約の相手側と下請契約を締結する者等
に対して誓約書等の徴取を義務付けている。
しかし、全庁的には当該規定が徹底されておらず、誓約書等を徴取していない事例が多く見
受けられることから、同条例所管課として、庁内における誓約書等の徴取に関する取扱いにつ
いて周知徹底を図るとともに、当課としても関係する情報の集約等に留意されたい。
3 随意契約による契約の相手側等の公表手続きについて
「消費者啓発市内巡回業務委託」について、地方自治法施行令第 167 条の 2 第 1 項第 3 号
(シルバー人材センター等から普通地方公共団体の規則で定める手続きにより役務の提供を受
ける契約等)の規定に基づき、公益社団法人川西市シルバー人材センターと契約しているが、
市契約規則第 34 条の 2 の規定に基づく、契約内容、選定理由及び契約金額等に関する事前及
び事後の公表手続きが行われていなかったので、公表漏れがないよう留意されたい。
4 消費者教育推進法に伴う消費者教育について
平成 24 年 12 月に消費者教育の推進に関する法律が施行され、
「消費者教育の機会が確保され
ること」が消費者の権利であることを踏まえ、幼年期から高齢者までの各段階に応じた消費者
教育を、各ライフステージごとに体系的に行うよう定められている。同法では、地方公共団体
の責務として、消費者生活センターや教育委員会その他の連携のもとで、地域の状況に応じた
施策を策定し、実施することが定められており、そのための推進計画の作成や地域協議会を組
織する努力規定が盛り込まれている。兵庫県では、26 年度中に国の基本方針を踏まえた県消費
者教育推進計画を策定する予定であるが、市としても、推進計画の策定や地域協議会の立ち上
げなど、消費者教育の充実に向けた事業展開を推進されたい。
- 2 -
《 市民課 》
1 戸籍謄抄本等交付手数料の年度区分について
事前の電話予約受付により、執務時間外に住民票写や印鑑証明書を交付するサービスを実施
している。平成 24 年度末の 25 年 3 月 29 日(金)の執務時間後から同月 31 日(日)の間に市庁舎
時間外窓口で交付した住民票等の「戸籍謄抄本等交付手数料」について、市民課が金融機関へ
の入金処理を行なった日〔25 年 4 月 1 日(月)〕の属する 25 年度の調定としているが、実際に
交付した日の属する 24 年度の調定とすべきであるので、歳入の適正な年度区分に留意された
い。
2 長期継続契約後の再リース契約について
窓口案内システム賃貸借契約については、長期継続契約(平成 20 年 8 月 1 日から 25 年 7 月
31 日)の期間終了後に、年度を超えた契約期間(25 年 8 月 1 日から 26 年 7 月 31 日)の再リース
契約を締結している。このような場合の契約期間について、本市では、単年度予算の原則を適
用して、一旦、年度内の契約期間とし、翌 4 月からは、再度、翌年度予算で契約する取扱いと
していることから、年度ごとの契約締結とする必要がある。
3 自動車臨時運行許可番号標の管理について
臨時運行許可(未登録や自動車検査証の期限切れ等の自動車を、新規登録や陸運支局等へ回
送する場合などに、特例的、臨時的に運行許可する制度)の際に交付している許可番号標につ
いては、申請受付簿及び番号標管理簿を作成して管理しているが、管理簿において、新規購入
分や未返却分の失効処理状況等の記載漏れが見受けられたので、適正な管理に留意されたい。
なお、番号標が未返却となった場合、年度分をまとめて失効の告示を行っており、古いもの
では、返却期限後 1 年近くが経過した時点での失効手続きとなっていることから、返却が見込
めない場合における失効手続きの取扱いについて検討されたい。
- 3 -
《 産業振興課 》
1 所管団体事務局の会計処理等について
当課では、所管する下記 6 団体の事務局として、職員(一部、団体の雇用による臨時職員あ
り)が会計処理等の事務を行っており、このうち、市建物共済推進協議会を除く 5 団体に対し
ては、市補助金が交付されている。
事務局に係る事務のうち、市中小企業勤労者福祉サービスセンターを除く 5 団体については、
決裁の取り漏れや決裁権者の押印漏れ、専決区分誤り、会計処理で支出負担行為日誤りや立替
払等の事例が見受けられたので、適正な事務処理に留意されたい。
また、各事務局において管理している金銭等の取扱いについては、担当者のほか、相互に
チェックする体制となるよう配意されたい。
(当課が事務局となっている団体)
・川西市農業振興協会、川西市林業研究会、川西市有害鳥獣対策協議会、川西市農業再
生協議会、川西市建物共済推進協議会、川西市中小企業勤労者福祉サービスセンター
2 労働福祉対策事業補助金について
労働福祉対策事業補助金は、「地域労働者に対する教養文化向上事業に要する経費の一部を
補助する」ことを目的として、同交付要綱に基づき、市内在住・在勤の勤労者が所属する労働
組合団体(2 団体)に交付されているが、補助団体から提出された 25 年度の実績報告書等では、
補助対象事業として、ゴルフ大会・ボウリング大会等の経費が計上されていた。
地方自治法第 232 条の 2 では、普通地方公共団体が補助することができる条件として、
「公
益上必要がある場合」と規定されているが、その対象となる事業については、真に公益性のあ
る事業に該当するかどうかの精査が必要であり、当該補助金においても、使途基準を設けるな
ど対象経費の明確化を図られたい。
3 市中小企業勤労者福祉サービスセンター補助金について
市中小企業勤労者福祉サービスセンター補助金については、同センターの臨時職員賃金を対
象経費として概算払いの方法により支出し、年度終了後の実績報告書の提出により、補助額を
確定している。平成 24 年度の補助金(180 万円・25 年度も同額)については、25 年 7 月 2 日
付で実績報告書が提出され、同日付で確定通知を行っていた。
市補助金等交付規則第 14 条では、実績報告書を事業完了後 20 日以内に提出するよう規定し
ているが、同センターでは、総会承認後の提出としていることから、事業完了後、実績報告書
の速やかな提出を求めるとともに、確定通知については、遅くとも出納整理期間内(5 月中)に
行うよう留意されたい。
4 市融資あっせん制度に係る預託金について
市は、取扱金融機関が市のあっせんにより市内中小企業者等に事業資金を融資する制度を設
けており、各制度に係る融資準備基金として、必要額を取扱金融機関に預託している。
市資金管理方針では、金融機関に預金する場合、ペイオフ対応のため、市の預金債権と借入
金債務を相殺できるよう対応することを基本方針としており、制度融資に係る預託金について
も、相殺枠内の預託金は相殺できるように管理し、相殺枠を超えた場合及び相殺枠のない場合
は、普通預金口座(無利息型)で管理することを原則としているが、実際の預託状況において、
- 4 -
次の事例が見受けられたので、適正な事務処理に留意されたい。
(1) 市中小企業振興資金融資あっせん制度等について
同制度要綱の別表では、定期預金で預託することと規定し、実際の預託でも、全ての取扱
金融機関に定期預金で預入れしていたが、一部、借入金のない取扱金融機関についても定期
預金での預入れとなっており、市資金管理方針と異なる取扱いとなっていた。
(2) 市中小企業団体融資あっせん制度について
同制度要綱では、普通預金で預託することと規定しているが、実際には、借入金のない取
扱金融機関に定期預金で預入れしており、市資金管理方針及び要綱と異なる取扱いとなって
いた。
5 委託契約における提出書類について
下記の委託業務において、契約書及び仕様書において定めている書類(申出書、経歴書、誓
約書、着手届、工程表等)が、委託業者から提出されていない事例が見受けられたので、適正
な事務処理に留意されたい。
・ため池耐震照査業務委託、大草下池地区積算業務委託、猪名川加茂井堰(ファブリ
ダム)保守点検業務、猪名川加茂井堰放流警報装置等保守点検業務委託、カシノナ
ガキクイムシ被害木抜倒処理委託
等
6 市内農業の育成について
市内農業は、2010 年農林業センサス(調査)によると、農業就業戸数 436 戸、耕地面積 161ha
で、収益性の高いいちじくや都市近郊の立地を生かした南部地区、切り枝が盛んな中部山間部
では農業後継者が見られるが、それ以外の地区では農業者の高齢化が進み、特に、北部地区の
市街化調整区域では、収益性や地理的な条件が悪く、耕作放棄地は 8ha と増加傾向にある。
市では、農業経営基盤強化促進法に基づき、平成 25 年 3 月に市の実情に合わせた「都市農業
における農業経営基盤強化に関する基本的な構想」を策定し、農地の集積を促進するなどの効
果が見込まれる認定農業者制度や市街化調整区域における農地の賃借が農地法の許可を受けず
利用権設定で可能となる制度を利用した「市民ファーマー制度(農家以外でも農地の賃借が可
能)
」を設けている。
今後においては、当該制度の積極的な活用を推進するなど、農業の担い手の支援策を充実さ
せることで、市内農業の育成に努められたい。
- 5 -
《 観光・スポーツ振興課 》
1 市アーティストオーディション業務委託について
若者の音楽コンサートを開催することで、若者の音楽活動支援、文化喚起を図るとともに、
全国的に発信して市のPRにより地域の活性化を図ることを目的として、市アーティストオー
ディション(平成 24∼25 年度の継続事業)が実施され、25 年 7 月に優勝者が決定している。
当該事業の業務委託に関し、次の事例が見受けられたので適正な事務処理に留意されたい。
(1) 契約に係る仕様書について
当該契約に、優勝者に対する 1 年間の音楽活動サポート業務(レッスン等)を含めることと
しているが、業務内容の詳細を定めた仕様書に当該内容が記載されていなかった。
(2) 契約書における個人情報の取扱い規定について
個人情報を取り扱う事務等を委託する場合は、個人情報の適切な取扱いの観点から、市個
人情報保護条例施行規則第 6 条で、契約書に秘密の保持等に関する事項として 8 項目の明記
を義務付けているが、8 項目のうち、
「複写及び複製の禁止に関する事項」
、
「事故発生時にお
ける報告義務に関する事項」及び「立入検査の実施に関する事項」が当該契約書に明記され
ていなかった。
(3) 第 2 回の委託契約について
監査時点では、既に第 2 回の委託業務(25∼26 年度の継続事業)が開始されていたが、契
約書が委託業者側の押印手続き中で締結されていなかった。
2 一庫ダム周遊マラソン大会会計の基金について
一庫ダム周遊マラソン大会の会計は、実行委員会形式で処理されており、市は、同大会実行
委員会に対して、平成 25 年度における当会計一般会計予算額 874 万円のうち、補助金として
169 万円を支出している。
当会計には、一般会計とは別に過不足調整基金が設けられており、25 年度当初の残高は 396
万円となっている。この基金については、参加料、協賛金等の収入が少ない年度のほか、周年
事業の実施ために毎年度一般会計の余剰額全額を積み立てているものであるが、25 年度会計に
おいても参加者の増等により、余剰額が生じている状況で、基金残高が予算規模に比べ多額に
なっている。基金としての積立額の根拠を明確にしたうえで、基金の使途や積立額の妥当性に
ついて検討を加えられたい。
3 市広域スポーツ大会開催補助金について
市民で組織されたスポーツ団体が広域スポーツ大会を開催する場合、同団体に対して市広域
スポーツ大会開催補助金交付要綱に基づく補助金を交付している。同要綱では、この補助金の
交付について、大会終了後に実績報告書の提出を受け、補助金確定後に交付することと規定し
ているが、実際には、大会前に交付されており、要綱と異なる取扱いとなっていたので、要綱
の見直しも含め、適正な事務手続きに留意されたい。
4 各所管団体における会計事務について
当課は、
市観光協会の事務局のほか、
源氏まつりなどの実行委員会等の事務を所管しており、
市補助金及び所管会計等の状況は、下表のとおりである。
- 6 -
25年度 観光行事等に対する補助金等交付の状況
交付団体
25年度
補助金等(円)
会計名等
450,000 市観光協会会計
猪名川花火大会
開催委員会
(25年度当番市:池田市)
実績報告書等
提出状況(※)
観光・スポーツ振興課
未提出(未完了)
特別事業積立金(定期預金)
製作費積立金(普通預金)
市観光協会
川西おもろ能
実行委員会
事務局
5,000,000 市源氏まつり会計
平成25年11月19日
3,027,244 川西おもろ能実行委員会会計
平成25年12月27日
15,926,000
猪名川花火
大会会計
合同経費
池田市(当番市)
市単独経費
観光・スポーツ振興課 平成25年12月12日
平成25年12月16日
(※) 26年3月28日現在
(1) 各会計に係る事務処理要領等について
当課が事務局となっている団体・委員会等において、会費等の徴収、委託契約等に基づく
支出などの事務処理を行なっている。当該事務の手続きは、市事務処理規則に準じて行う
こととしているが、源氏まつり、おもろ能及び猪名川花火大会(市単独経費分)の各会計
において、専決区分等が整合していない事例が見受けられたので、適正な事務処理に留意
されたい。なお、同規則の準用において疑義がある場合などは、別途、各事案ごとの取扱
いを明確にされたい。また、各事務局において管理している金銭等の取扱いについては、
担当者のほか、相互にチェックする体制となるよう配意されたい。
(2) 各会計における補助対象経費について
各会計における収入は、おもろ能が市補助金のみで、その他の会計では、市補助金のほか
に、会費、協賛金等の自己財源を有している。特に、自己財源を有している場合は、補助金
交付の適正性、透明性を図る観点から、補助金を充当できる経費を明確にしておくことが重
要であるが、一部、不明確な部分が見受けられたので、使途基準の作成について検討された
い。
5 市観光協会会計について
(1) 会計処理について
下記①及び②のとおり、決算額と預金通帳残高とが一致していない事例が見受けられたが、
①については、24 年度分として出金した額に係る精算金の戻入処理が、②については、24
年度の市観光協会会計から特別事業積立金への積立額 5 万円の入金処理が、
それぞれ 25 年度
にずれ込んでいるためであり、適正な会計処理に留意されたい。
① 市観光協会会計(24 年度)
決算書繰越額 204,102 円、預金通帳残高(25 年 3 月末現在) 576,986 円
② 市観光協会会計・特別事業積立金(24 年度)
決算書繰越額 2,191,199 円、 預金通帳残高(25 年 3 月末現在)2,141,199 円
(2) 備品台帳及び在庫台帳(販売用カブト)について
パソコン等の備品や販売用のカブトを当会計で購入し保有しているが、備品台帳及び在庫
台帳が作成されていなかったので、台帳整備により、適正な管理を行なわれたい。
- 7 -
6 源氏まつり会計について
源氏まつりのパストラルカード(電鉄系のプリペイドカード)を、販売用や関係者への謝礼
用として作成(購入)している。カード受払簿を作成して在庫管理しているが、販売、謝礼等
の区分表示や取扱担当者名の記載がなく、売上枚数が不明確になっていたため、受払簿の記載
方法を見直すなど、適正な在庫管理に留意されたい。
7 おもろ能会計について
おもろ能会計において、次の事例が見受けられたので、適正な事務処理に留意されたい。
(1) 補助対象経費について
庁内の統一的な取扱いとして、補助事業に直接関係のない慶弔費については、補助対象外
としているが、支出のうち、慶弔費(役員死亡による弔電等)が執行されていた(当会計は、
全額、市補助金により賄われている)
。
(2) 委託契約書について
当会計の舞台設営等業務委託において、委託契約書が作成されていなかった。
8 猪名川花火大会会計について
池田市と合同開催している猪名川花火大会については、開催委員会方式で、毎年度、当番市
を持ち回りして開催している。平成 25 年度では、池田市が当番市で、両市からの負担金は、当
番市の開催委員会が収入した後、合同経費分と各市単独経費分に区分し、合同経費分は当番市
の委員会が、市単独経費分は各市の委員会がそれぞれ執行管理している。
市単独経費会計において、次の事例が見受けられたので、適正な事務処理に留意されたい。
(1) 預金残高と会計帳簿の不一致について
市単独経費会計の残額は、全額、合同経費会計に戻し入れることにしており、預金通帳(残
額 0 円)は適正に処理されていたものの、会計帳簿(差引簿)では、最終の戻し入れ分(5,804
円)が記帳漏れとなっていた。
(2) 委託契約書の作成について
当会計の照明及び会場設営業務委託などにおいて、委託契約書が作成されていなかった。
9 知明湖キャンプ場における非常時対応について
知明湖キャンプ場は、一般財団法人一庫ダム湖周辺環境整備センターが指定管理者として、
施設の管理運営を行っている(平成 26 年度からも 5 年間継続)
。
市は、同センターとの基本協定書第 39 条第 2 項において、緊急連絡網及び非常時マニュアル
の提出を規定しているが、非常時マニュアルについては提出されていなかった。近年、異常気
象等の影響もあり、各地で、突然の豪雨、落雷等による事故が起きている状況も見られること
から、当該マニュアルの提出を求めるとともに、実際の場面で適切な対応が取れるよう危機管
理体制の整備に留意されたい。
10 その他事務処理について
事務処理において、次の事例が見受けられたので、適正な事務処理に留意されたい。
(1) 契約等に係る専決者誤りについて(市事務処理規則)
① みつなかホール賃貸借契約〔不動産の賃借 (誤)部長専決 → (正)副市長〕
- 8 -
文化会館駐車場賃貸借契約〔不動産の賃借
同上
〕
② ギャラリーかわにし使用料減免決定〔収入の減免決定 (誤)課長専決→(正)室長専決〕
③ 施設管理システム拠点機器導入に係る賃貸借契約〔長期継続契約で契約 総額 1,382 万
円・(誤)副市長専決 → (正)市長決裁〕
(2) 契約における誓約書等の提出について
市暴力団排除に関する条例施行規則第 3 条第 1 項第 2 号に基づき、契約の際に徴取すべき
暴力団に該当しない旨等の誓約書及び役員等名簿が、下記の契約のほか、多くの契約で提出
されていなかった。
・ギャラリーかわにし清掃業務委託、ギャラリーかわにし夜間警備業務委託、市民体
育館建替えに伴うPFI導入可能性調査委託業務、東久代公園災害復旧工事に伴う
測量委託業務、総合体育館駐車場土地賃貸借契約 等
(3) 契約状況の公表手続きについて
「市展開催に伴う準備及び受付事務等管理業務」を、地方自治法施行令第 167 条の 2 第 1
項第 3 号の規定に基づき、公益財団法人川西市シルバー人材センターに委託しているが、市
契約規則第 34 条の 2 の規定に基づく契約状況の事前・事後公表手続きが行われていなかっ
た。
- 9 -
人権推進室
《 人権推進課 》
1 市人権施策審議会における会議録等の公開について
市人権施策審議会会議公開制度運用要綱では、付属機関等設置状況、会議開催のお知らせ及
び会議録について、市政情報コーナー等で閲覧の用に供するものと規定されているが、同審議
会の名簿が更新されておらず、
会議録は平成 21 年 8 月から公開されていない状況となっていた
ので、同要綱に基づく適切な事務処理に留意されたい。
2 業務委託契約における個人情報取扱いについて
個人情報を取り扱う事務等を委託する場合は、市個人情報保護条例で、当該事務に係る個人
情報の適切な取扱いについて必要な措置を講じなければならないとされ、同条例施行規則第 6
条では、
契約書に秘密の保持等に関する事項等の 8 項目を明記することが義務付けられている。
「市人権推進問題に関する意識調査に係る業務委託」の契約書では、8 項目のうち、
「複写及
び複製の禁止に関する事項」
、
「事故発生時における報告義務に関する事項」及び「立入検査の
実施に関する事項」が明記されていなかったので、委託業務における個人情報の取扱いについ
て留意されたい。
3 随意契約による契約の相手側等の公表手続きについて
「オンブズパーソンリーフレット及びオンブズレポート配布業務委託」について、地方自治
法施行令第 167 条の 2 第 1 項第 3 号の規定に基づき、公益社団法人川西市シルバー人材セン
ターと契約しているが、市契約規則第 34 条の 2 の規定に基づく、契約状況の事前・事後公表
手続きが行われていなかったので、公表漏れがないよう留意されたい。
4 人権推進リーダーの育成について
市人権行政推進プランに基づき、市の人権教育・啓発の推進を図るため、人権啓発サポーター
制度が設けられている。設置要綱では、定員 20 名以内で、選任は、人権学校を修了し概ね 4
か月間のサポーター会活動に参加した者、又は、市が特別に認めた者の中から、サポーター会
選考委員会が適当と判断する者等と規定されている。主な活動内容は、人権学習講座及び人権
学校の実施・運営、各種研究大会等への参加、定例会議等であり、当課が事務局となって活動
支援を行っている。
現在、サポーターは 8 名で定員を下回っている状況であり、市民との協働による人権啓発・
教育活動を展開していくうえで、当該制度等の充実による人権推進リーダーの育成が課題と
なっていることから、今後とも、人材の確保・育成に努めることで、より効果的な人権推進施
策の実施に努められたい。
- 10 -
《 総合センター 》
1 事業別の予算執行について
総合センターにおける予算上の所管事業(細事業)は、総合センター運営事業、隣保館運営
事業、総合センター維持管理事業及び児童館事業に区分されている。予算執行において予算額
が不足する場合は、
予算流用等の措置を講じたうえで、
該当する事業から執行すべきであるが、
下記のとおり、異なる事業から執行している事例が見受けられたので、適正な予算執行に留意
されたい。
・講師謝礼、協力者等報償費 (誤)隣保館運営事業 →(正)児童館事業
・防火管理講習受講費
(誤) 隣保館運営事業 →(正)総合センター維持管理事業
2 契約事務等について
隣保館運営事業及び総合センター維持管理事業の委託契約(設備保守管理委託・業務委託)
における業者選定については、複数者からの見積もり合わせによる随意契約、もしくは、単独
随意契約としているが、契約締結の決裁文書には、随意契約としている根拠法令、理由等が記
載されていなかった。契約においては、入札が原則であり、随意契約については、地方自治法
施行令第 167 条の 2 第 1 項の各号及び市契約規則第 33 条の 3(別表)に該当する場合に限り、
限定的に認められているものであるため、各契約ごとに随意契約としている根拠、理由等が明
確となるよう留意されたい。
- 11 -
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