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幸せます - 防府市

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幸せます - 防府市
・22・
1 基本理念と目指す観光のまち像
本市では、平成27年10月に策定した『防府市まち・ひと・しごと創生総合
戦略』において、『防府市の未来を切り拓いていく人材を育み続け、“幸せま
す”のまち防府を創造していきます。』と定めました。
「幸せます」とは、第1章の「1.計画策定の背景と目的」の項で述べたよう
に、山口県の方言で「幸いです・うれしく思います・助かります・ありがたいで
す・便利です」と、人からの行為に感謝する気持ちを表現する言葉で、平成22
年の商標登録とともに、本市のイメージを表現できる大切な言葉(=地域ブラン
ドに高めうる)となりました。
「幸せます」という言葉は、既にイベントの表題やお土産商品の名前などに使
用されており、今後とも、「幸せます」という言葉を原動力として、観光振興と
観光まちづくりを推進する中で、「幸せます=防府市」の浸透と、地域ブランド
としての強化を図り、他の観光地との差別化を図ることとします。
本計画の基本方針に「幸せます」を掲げる理由は、 「幸せます」という言葉に
よって感謝の気持ちを伝えようとする、防府市民に等しく潜在的に存在する市民
気質を、「千三百年の歴史や文化の中で連綿と育まれてきた防府市の良き遺伝
子」であると考えるからです。
その遺伝子が本市の観光の魅力として引き出され、防府市民と来訪者との間で
「幸せます」を共有することを念頭に、計画の基本理念を『「幸せます」の心が
通うおもてなし』とし、併せて、目指す観光のまち像を 『「幸せます」の観光ま
ちづくり推進都市~千三百年の史都・防府
※
~』と定めます。
用語解説◇「千三百年の史都・防府」について
防府の地に周防の国の国府が置かれた千三百年前の昔。
その時を、この地方の政治・文化の中心として重層的に歴史を積み重ねてきた、「史都・
防府」の基点と捉えます。
以来、防府天満宮の社伝によると、菅原道真公が太宰府に左遷され任地に赴く際、時の周
防の国の国司で同族の土師信貞(はじのぶさだ)を訪ね、しばらく滞在したことが、日本で最
初の天満宮(防府天満宮)の建立につながったとされています。
また、鎌倉時代には東大寺の造営料国となり、俊乗房重源上人(しゅんじょうぼうちょうげん
しょうにん)が国務を司るなど、日本史に深く関わります。
さらに、戦国時代以降、この地を治めた毛利氏は、奇しくも菅原道真公と同じく野見宿禰
(のみのすくね)の子孫であったとする説があります。
150年前の幕末期には、他藩からの志士達も集い、密議を交わし、闊歩した街となり、
慶応三年には、薩長連合軍が集結し、戦勝を祈願、歓喜湧く港から京を目指して艦船を出港
させるなど、明治維新が発動した地と呼ぶにふさわしい歴史を有しています。
このように、ありがたい縁がつながり合い、見守られながら隆盛してきたという特異な歴
史性を有するのが、ここ防府と言えるのではないでしょうか。
「幸せます」。感謝の気持ちこの言葉で伝える市民気質は、「千三百年の歴史や文化の中
で連綿と育まれてきた防府市の良き遺伝子」だと考えます。
・23・
2 計画の推進方針
「幸せます」を本計画の大切な言葉とした観光振興を行うにあたり、最も重要
なポイントは、市民が潜在的に有している「幸せます」の心を引き出し、おもて
なしの心で来訪者を迎え、もてなすという基盤を築くことです。
そこで、市民の「幸せます」の心で来訪者を迎える意識醸成と、「幸せます」
の心を有して活躍する観光人材の育成、併せて、そうした人材や観光関係団体、
観光関連事業者及び民間関連事業者のネットワークの構築など、市民の手による
「幸せます」ブランドの形成をこれから5カ年の本市の観光振興と観光まちづく
りの最優先事項と捉え、以下の3つを本計画の推進方針とします。
【『防府市観光振興計画』の推進方針】
○市民協働の観光まちづくりで「幸せます」
おもてなし講習会、ボランティア活動などの市民が協働できる観光まちづくりの取組
の強化を図り、市民にまちづくりの当事者意識を醸成していきます。
○人と人との絆で「幸せます」
地域資源を活用した観光商品づくりなどのワークショップの開催や、各種施設を対象
とした「幸せますステーション」(仮称)(→P39参照)認定制度の確立や、認定
店舗の創出及び拡充など、観光関連事業者及び民間関連事業者間のネットワークの強
化を図り、市民が連携する場を多様に展開していきます。
○人づくりの合い言葉は「幸せます」
「幸せます」というコンセプトワードを様々なシーンで使用し、幸せますブランドの
市民への浸透を進めるとともに、来訪者への認知の向上に努め、伝播を図ることを通
じ、「防府市とは、幸せますのまちです」と誇らしく言える人材の育成を行います。
・24・
【今後5カ年の防府市観光振興の考え方】
【市民】
幸せがいっぱい!
・誇れる防府市
・住み続けたい防府市
・誰かを招きたくなる防府市
・まちづくりに参加したくなる防府市
【来訪者】
基本理念
喜びがいっぱい!
・行ってみたい防府市
・何度も行きたくなる防府市
・誰かに伝えたくなる防府市
・住んでみたくなる防府市
「幸せます」の
心が通う
おもてなし
⇒
観光まちづくりの原動力
3つの推進方針
「幸せます」の取組推進
目指す観光のまち像
「幸せます」の観光まちづくり推進都市
~千三百年の史都・防府~
千三百年の時を超えて息づく、史都・防府。
『「幸せます」の心が通うおもてなし』とは、歴史と文化に培われた高品位で
防府ならではの人的サービスと利便性の提供と考えます。
おもてなしが来訪者に感動をもたらし、市民には観光まちづくりへの当事者意
識が幅広く醸成され、人材と人材が繋がることにより、観光まちづくりへの市民
協働の取組が高まり、さらに次世代へと引き継ぐ環境が築かれていく・・・。
本計画では、 『「幸せます」の心が通うおもてなし』を基本理念とするととも
に、「幸せます」を旗印に市民が一体となって取り組めるよう、観光振興に向け
た具体的な取組と、観光まちづくりの考え方を登載します。
・25・
3 5つの基本方針と施策の展開
(1)5つの基本方針
本市の観光の課題を解決し、「幸せます」を地域ブランドとする観光まちづく
りを行っていくために、次の5つの基本方針を柱として、それぞれに基本施策・
基本事業を定め、本計画を推進していきます。
3つの推進方針(→P24)で示した「幸せます」の地域ブランドの形成を行
うのは市民一人ひとりであるため、「基本方針2」で人材の育成を図るものとし
ます。また、平成32年(2020年)に開催される東京オリンピック・パラリ
ンピックを見据えた国・県の動向を重視し、前計画にはなかった新たな方針とし
て、「基本方針3」「基本方針4」を掲げます。
目指す観光のまち像
「幸せます」の観光まちづくり推進都市
~千三百年の史都・防府~
基本方針1
地域資源を活かした観光・交流の魅力づくり
基本方針2
「幸せます」を合い言葉とする人材づくり
5
つ
の
基
本
方
針
基本方針3
「幸せます」の力で進めるコンベンションの誘致
基本方針4
「幸せます」の心が伝わるインバウンド観光の推進
基本方針5
「幸せます」観光の効果的な情報発信と継続可能な基盤の構築
・26・
(2)施策体系
・27・
①②③
「
観来マ
ー
光訪ケ
協者テ
会に
快ィ
ン
」
の適グ
機で調
能安査
を心を
拡・
安実
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すなす
る環る
境
を
整
備
す
る
・28・
(3)施策の展開
5つの基本方針は、それぞれに基本施策と基本事業を設定し、計画の推進にあ
たります。
以下に5つの基本方針の展開を示します。
基本方針
1
地域資源を活かした
観光・交流の魅力づくり
本市においては、これまでも歴史・伝統文化、自然・景観、食・グルメなどの
豊富な地域資源を活かした観光振興を進めてきています。
これからの5年間も、引き続き、観光・交流の取組に活かすことが可能なまだ
眠っている地域資源を掘り起こし、洗練された内容に編集・加工することにより、
観光の魅力を拡充し、本市を訪れる人々との新たな交流の創出を図ります。
「基本方針1」は、観光・交流を創出し、拡大することを目的に、次の5つの
基本施策と14の基本事業で推進します。
基本施策(1)
歴史や伝統文化を活かした観光・交流の推進
本市には、防府天満宮、周防国分寺、毛利氏庭園・毛利博物館、東大寺別院阿弥陀寺
など、多くの観光客が来訪する歴史・伝統文化資源のほかにも、萩往還、製塩の物語な
ど、歴史的・文化的背景を有している地域資源の存在があります。
また、平成27年放送のNHK大河ドラマ「花燃ゆ」終了後、平成30年の「明治維新
150年」に向けては、山口県及び関連市町との連携による取組の推進も計画されています。
これを契機に、既存の歴史・伝統文化資源とともに、今後は、未だ光が当てられてい
ない、磨かれていない歴史・伝統文化資源の効果的な活用に取り組み、「千三百年の史
都・防府」の魅力を創出していきます。
▲平成27年に『花燃ゆ』の放送に合わせて製造・販売された
『維新ふるさとかるた』
・29・
基本事業①
“明治維新ゆかりの地
防府”を伝える
本市は、薩長同盟の兵が集結し、艦隊が東上
していった地です。
幕末の志士達が闊歩し、幕末激動の長州を支
えた地としての歴史遺産を活用した周遊コース
や、旅行会社や交通事業者と連携したツアー等
の開発、拡充を行います。
また、本市は吉田松陰の妹・文(楫取美和子)
と夫・楫取素彦(小田村伊之助)が終の住処とし
た地であることの認知度を向上させるため、NH
K大河ドラマの放送を今後に活かす取組とともに、
▲防府天満宮
平成30年の「明治維新150年」に向けた取組を
進めます。
基本事業②
千三百年の歴史を伝える
本市は、奈良時代に、周防の国府が置かれ
て以来、この地方の中心的な都市としての歴
史を重ねていく中で、それぞれの時代の歴史
的な人物、物語とともに、毛利博物館に4件、
東大寺別院阿弥陀寺に1件の国宝を所蔵する
等、観光資源を多く有することになり、今後とも
これを、防府ならではの魅力ある観光資源とし
て活用します。
▲周防国分寺
▲東大寺別院阿弥陀寺
基本事業③
「萩往還」を歩いて楽しませる
「萩往還」は、江戸時代に整備された萩市と本
市とをほぼ直線に結ぶ全長約53kmの街道であ
り、街道沿線には「宮市本陣兄部家」、「三田尻
御茶屋」、「御舟倉跡」など当時を偲ぶ史跡があ
ります。
また、「旧山陽道」を含めこれらの資源を活用し
た歴史プログラムの開発を推進するとともに、保
全・継承の取組を支援します。
▲三田尻御茶屋
(英雲荘)
▲毛利氏庭園・毛利博物館
・30・
基本事業④
伝統文化・伝統芸能を磨いて継承する
本市には、寛弘元年(1004年)に一条天皇の
勅旨が遣わされたことに由来し今日まで斎行さ
れ続けている神事「防府天満宮御神幸祭」や、
鎌倉時代から大道小俣地区に受け継がれている
全国的にも珍しい神事「笑い講」など、各地に長
い歴史をもつ様々な伝統行事や伝統芸能が存
在しています。
それらを観光資源として磨き、継承していくこと
は、地域の人々のその地に住み続けることの誇り
の醸成にもつながると捉え、誘客を目的とした情
▲笑い講
報発信、保存や継承に関わる取組の支援を行い
ます。
基本施策(2) 食やグルメを活かした観光・交流の推進
その土地ならではの「食・グルメ」は大きな魅力であり、また、観光消費の増加にも
つながり、地域経済の振興に効果をもたらします。
近年、本市においては、「天神鱧」のブランド化やイベントの開催、楫取素彦・美和
子夫妻の史実に基づく「ほうふ玉子かけごはん」の開発など、食を活かした取組を推進
し、本市の観光に新たな魅力を生み出しています。
これらの食による観光の魅力づくりの取組は、6次産業化や農商工連携の促進にもつな
がり、また、農村部や離島などの中山間地域における一次産業と観光の融合による滞在
交流型観光の促進にも波及します。
基本事業①
自然と農林漁業を体感させる
農山漁村エリアにおける農林漁業体験、料理
体験などの農山漁村の暮らしを学ぶ観光コンテ
ンツは、農水産物の提供や加工品製造だけでな
く、飲食や宿泊サービスの提供につながり、また、
教育旅行の誘致に発展するなど、新たな事業を
生む機会となります。
そこで、地域の人々が主体となって推進するグ
リーンツーリズムのプログラムの開発を支援し、農
漁山村における滞在交流型観光の創出を支援し
ます。
▲農業体験
・31・
基本事業②
一次産品を活用した食の魅力を向上させる
6次産業化や農商工連携により一次産品を活
用したご当地グルメなどの開発の取組を支援す
るとともに、地域の食のブランド形成や知名度を
向上させ、本市の食・グルメの魅力の向上を図り
ます。
▲ぞうすいやパイなど「天神鱧」の加工品
基本事業③
食のおもてなしを拡充する
本市でも「鍋 1-グランプリ」や「幸せよくバル」な
どのグルメイベントが開催され、市内外から多くの
集客に成功しています。
旅行先の選択において食の訴求力は極めて大
きいことから、今後とも“食”に関連するイベントの
開催を支援するとともに、調理技術の向上を促す
など、“食のおもてなし”を拡充します。
▲平成27年度に開催された「幸せよくバル」
基本施策(3) 自然や景観を活かした観光・交流の推進
本市には山(大平山、右田ケ岳など)・川(佐波川)・海(富海、野島など)の自然
資源や、景観を楽しめるスポットが存在します。
それらを活用したアウトドア志向のプログラムやツアー商品は、近年、人気が高まっ
ており市外からの集客に期待ができることから、市内のビューポイントの整理並びに情
報発信の取組を推進し、本市の自然資源の認知度の向上と誘客を図っていきます。
▲大平山からの夕暮れの瀬戸内海の風景
▲右田ヶ岳登山
・32・
基本事業①
自然や風景がアクティブに楽しめる
トレッキングやマリンスポーツなどのプログラム
のインストラクター人材の発掘・育成・確保の取
組を推進し、自然資源を活用した体験プログラ
ムの開発と、それらの受入体制の整備・強化・拡
充を図ります。
また、本市のビューポイントの整理を行い、風
景を楽しむウォーキングイベントや撮影会などの
プログラムの開発を推進します。
特に、佐波川の整備を進め、川とまちを回遊す
るまち歩きルートの開発に取り組みます。
▲佐波川の水中鯉のぼり
併せて、自然や景観を保つことの重要性や、
地域で、あるいは企業など事業者、市民活動団
体などで行うことができる保全・継承活動の認知
度の向上を図ります。
基本施策(4)
文化やスポーツを活かした観光・交流の推進
防府市ゆかりの著名人・文化人を活かす従来からの取組に加え、本市は、「防府市公
会堂」、「防府市地域交流センター」、「防府市スポーツセンター」、「防府市青少年
科学館」など機能や設備が十分に整った文化・スポーツ施設を有していることから、こ
れまで市民向けの様々なイベントやプログラムが実施されています。
これらの施設を、観光振興にも十分に活用できる施設と捉え、今後は、観光誘客の視
点を有するイベントや体験交流型プログラムの拡充を図っていきます。
▲防府市青少年科学館「ソラール」
▲防府市地域交流センター「アスピラート」
・33・
基本事業①
防府市ゆかりの著名人・文化人で人を呼ぶ
本市は、近代・現代に多くの著名人・文化
人を輩出していることから、文化・芸術が育
つ風土というものも本市の魅力の一つとする
ことができます。
そこで、そのような分野を情報発信すると
ともに、「山頭火ふるさと館」の整備をはじ
め、本市ゆかりの著名人・文化人ファンの誘
▲山頭火ふるさと館イメージ
客を図ります。
【防府市ゆかりの著名人・文化人】
種田山頭火(俳人)、上田敏雄(詩人)、
那須正幹(児童文学作家)、高樹のぶ子(作
家)、伊集院静(作家)、大村能章(作曲
家)、鈴木淳(作曲家)、有馬美恵子(作詞
家)、山崎まさよし(歌手)、メイ牛山(美
容家)、羽仁吉一(ジャーナリスト)、
村秀子(染色家) など
基本事業②
▲山頭火生誕祭
スポーツイベントに人を呼ぶ
本市では、「市民体育祭」や「防府読売マラソ
ン」などのスポーツイベントが長く開催され、ス
ポーツに親しむ市民を育んできた歴史がありま
す。
また、「防府市スポーツセンター」などの機能が
充実したスポーツ施設も有しており、市外からの
誘客も見込めるスポーツイベントの企画・開催を
支援し、それらスポーツ施設の有効活用を促進
します。
▲防府市スポーツセンター体育館「ソルトアリーナ」
基本事業③
文化・芸術イベントに人を呼ぶ
本市には、「防府市公会堂」、「防府市地域交
流センター」、「防府市青少年科学館」などの文
化施設において、様々な文化・芸術イベントが開
催されており、「防府音楽祭」など観光のコンテ
ンツとして活用できる取組については情報発信
面で支援し、誘客力の強化を図ります。
また、市外からの集客を見込める新たな文化・
芸術イベントの企画・開催を促進します。
▲防府音楽祭
・34・
基本施策(5)
地域産業を活かした観光・交流の推進
本市には、古くは長州藩第7代藩主・毛利重就によって造られ“東の赤穂、西の三田
尻”と並び称されるほど製塩業で栄えたという歴史があります。また、本市は、昭和に
入ってから、製塩業が廃止された後、塩田の跡地や臨海部には協和発酵バイオ、マツダ、
ブリヂストン、東海カーボンなどの大規模工場が進出し、工業製品出荷額で山口県内
トップクラスに位置する“産業のまち”の一面も有しています。
さらに、本市は、航空自衛隊基地の街でもあり、様々な装備品を見ることができる
「防府北基地航空祭」は、市外からの誘客に大きな効果を上げており、これら進出企業
などの事業者や航空自衛隊基地との連携による“産業観光” ※の推進を図ることは、本
市の交流人口の拡大につながります。
併せて、それらの地域資源を活かした取組の一環として、港湾法上の重要港湾、港則
法上の特定港である三田尻港を活用した大型クルーズ客船 ※の誘致を推進します。
基本事業① 製塩業の歴史を伝える
「三田尻塩田記念産業公園」に「海洋民俗収
蔵庫」を移転させる計画を基盤に、江戸時代中
期から昭和30年代までの約260年間にわたっ
て、全国有数の塩の産地として栄えた本市の製
塩業の歴史の認知度をさらに高める取組を推進
します。
▲「三田尻塩田記念産業公園」塩づくり体験
基本事業②
進出企業と連携する
工場見学を実施している企業など事業者との
連携を強化し、産業観光ルートを開発するととも
に、航空自衛隊基地を含めたプログラムの開発
も検討し、本市が“産業のまち”であることのイ
メージを高め、産業観光ファンの誘客を図ります。
▲防府市の港湾エリア
・35・
基本事業③
港の機能を活用する
本市の高速旅客船レインボーあかねのドック入
りを活用したクルーズの取組や、明治維新150
年イベントや産業観光の開発等の売り込みに合
わせた大型クルーズ船※の誘致を促進します。
また、三田尻地区は、平成27年に「みな
とオアシス」として国の本登録が決定し、さ
らに、中核施設「潮彩市場防府」は道の駅と
▲中関港
して同年10月にオープンしており、陸から
も海からも人々が集える交流拠点の観光への
活用に取り組みます。
▲三田尻港(潮彩市場防府)
用語解説◇「産業観光」とは?
歴史的・文化的に価値ある工場や鉱山の跡、機械など産業文化財や産業製品を通じて、も
のづくりの心にふれることを目的とした観光を言います。
国土交通省(観光庁)及び経済産業省などが産業観光の推進を提示しており、「石見銀山遺
跡とその文化的景観」、「富岡製糸場と絹産業遺産群」、「明治日本の産業革命遺産」など産業遺
産が世界遺産となったことが、国をあげての産業観光開発の後押しに繋がっています。
用語解説◇「大型クルーズ船」とは?
宿泊設備、レストランやバーだけでなく、フィットネスクラブやプール、カジノ、ダンス
ホール、シネマなどのレジャー施設も備え、サービス要員や医師・看護師なども乗船してお
り、長期間の船旅を楽しめるようになっている客船のことです。
大型クルーズ船の入港は、港湾収入だけではなく、多くの乗船客による観光消費、関連産
業への経済効果が期待できることから、近年、全国各地の港湾で、寄港誘致への取組が活発
化しており、韓国や中国からの寄港が増加しつつあります。
【日本に寄港するクルーズ船機構回数の経年推移】
◀2014年の日本の港湾へのクルーズ
船の寄港回数は、前年比103回増
の1204回となり、過去最高を記録。
そのうち外国船社による寄港が
653回でシェア54.2%に大幅増。
港湾別では、
1位:横浜港の146回(前年1位)
2位:博多港の115回(前年7位)
3位:神戸港の100回(昨年2位)
※国土交通省報道資料より(平成27年5月)
・36・
基本方針
2
「幸せます」を合い言葉とする
人材づくり
今後5年間の観光振興を進めていくにあたり最も重要なのは、“人材づくり”
と考えます。
従って、観光関係団体、観光関連事業者及び民間関連事業者のみならず、市民
が一体となって、おもてなし力を向上させ来訪者を迎える環境を実現するために、
まずは、市民の心に「幸せます」を地域ブランドとする意識を醸成する取組を促
進し、市民の有する総合力で、来訪者に「防府市=幸せます」のイメージを伝播
させる基盤を構築します。
「基本方針2」は、防府市民に防府ファン、「幸せます」の達人を生み出すこと
を目的に、3つの基本施策と7つの基本事業で展開します。
基本施策(1)
「幸せます」ブランドの形成
「防府市=幸せます」のイメージを市内外に認知・浸透させるために、市民を参加対
象とした学習の場づくりや、挨拶運動などの奨励を行い、市民一人ひとりが「幸せます」
を表現できる観光まちづくりの取組を創出し、拡充します。
基本事業①
「幸せます」の心を醸成する
市民に「幸せます」をコンセプトワードとする本
計画の理念と、「幸せます」の心が伝わる来訪者
への対応等が浸透することを目的に、市民を参
加対象とする講習会の開催などを推進します。
基本事業②
「幸せます」の心を育成する
「幸せます」を本市のブランドイメージとして継承していくた
め、主として若者を対象とした観光まちづくりや「幸せます」
ブランドづくりに向けた提案の場などを設定し、観光まちづく
りに協働する心を育みます。
・37・
基本施策(2)
「幸せます」伝達力の強化
「まちの駅うめてらす」を始め、観光客が来訪する施設において、スタッフの接遇、観
光客のニーズに即した商品の企画・販売、施設の環境や空間の整備など、「幸せます」の
イメージが伝わる取組を推進します。
また、観光関連事業者、民間関連事業者を対象とした「幸せます」の心が来訪者に伝
わる講習会の開催など、来訪者に対してのおもてなしの向上を推進します。
基本事業①
「まちの駅うめてらす」の「幸せます」伝達力を強化する
観光交流・回遊拠点施設「まちの駅うめてらす」
を中心として『「幸せます」の観光まちづくり』を感
じてもらえる環境づくりを、強化します。
また、来訪者の「まちの駅うめてらす」に関する
ニーズ調査や本市の観光についてのマーケティ
ング調査を実施し、本計画の進捗度やPDCA検
証(→P66参照)への活用を行います。
▲まちの駅うめてらす
基本事業②
観光施設の「幸せます」伝達力を強化する
「まちの駅うめてらす」以外の観光施設について、来訪者に喜ばれるおもてなし企画の考案などを支
援し、各観光施設において高い水準で来訪者の受け入れや情報発信を行うことができるよう、「幸せ
ます」ステーション(仮称) 体制の整備を図ります。
基本事業③
観光事業者の「幸せます」伝達力を強化する
市外からの来訪者を迎える観光業に携わる
方々に対し、来訪者の感動や感謝を生む接客ス
キルや商品の企画力の習得などを支援します。
また、「幸せよくバル」や「カフェ同盟」など同業
の事業者が連携するイベントの企画・運営を推
進するネットワークの構築、合同で行なう情報発
信などを支援し、「幸せます」ブランドの強化を図
ります。
▲防府市内14店舗の飲食店がおもてなし強化のため
に連携した「ほうふカフェ同盟」のホームページ
(平成27年発足)
・38・
基本施策(3)
「幸せます」観光ガイドの育成
本市の観光コースを案内するガイドについて、ガイド知識やガイドスキル向上の取組
を実施し、ガイド人材の確保・拡充に努めるとともに、ガイド組織の活性化を図ります。
基本事業① 「幸せます」の心を伝えられる観光ガイドを育成する
「また、この人から防府市の話を聞きたい。」と
思われるような技術の高いガイドの創出を目指し、
防府の歴史や観光地について、ガイドとしての基
礎的な知識を習得する機会のみならず、話法や
接遇、リスクマネジメントなどについても習得でき
る機会をつくり、本市の『「幸せます」の観光まち
づくり』の心が伝わるガイドの育成を図ります。
基本事業② 『「幸せます」観光ガイド』を生み出す仕組みを構築する
※
「幸せますコンシェルジュ」の育成とともに、『「幸せます」観光ガイド』 の育成を図
り、その認定制度を設け、優れたガイド(「幸せます」観光ガイド)人材が思う存分活
躍できる環境を整備します。また、ガイド人材の発掘・育成・派遣など、ガイド事業の
企画・運営を行う仕組みや推進組織の構築を行い、優れた観光ガイドが継続して生まれ
る基盤の整備を推進します。
用語解説◇『「幸せます」ステーション』(仮称)とは?
これまで進めてきた「防府市観光ネットワーク」の取組を発展させ、今後のまちの駅の
ネットワーク化を視野に、休憩、案内、交流、連携の4機能の強化による受入体制の向上を
促進しつつ、新たな店舗の加入など、事業所の構成を見直した新組織を発足させます。
名称中に「ステーション」という機能を明示し、「幸せます」を冠して統一感を表すこと
により、来訪者にとって立ち寄りやすい場所としていくとともに、「おもてなし」に対する
関係者の意識改革を進め、観光施設の「幸せます」伝達力の強化を図ります。
用語解説◇『「幸せます」観光ガイド』とは?
本市の観光資源について、専門的な
知識を有することはもちろん、ガイド
ツアーへの参加者の興味や知りたいこ
となどを十分に把握し、参加者に合わ
せたガイドツアーを実施することがで
きる観光ガイドを想定しています。
と同時に、参加者に対して、「防府
市に来て下さってありがとう。」、
「また、ぜひおいでませ。」と本市へ
の来訪への感謝の気持ちが伝えること
ができる観光ガイドを想定しており、
そのような観光ガイド人材の育成を推
進します。
・39・
基本方針
3
「幸せます」の力で進める
コンベンションの誘致
本市は、コンベンション ※ 開催にふさわしい機能や設備を備えている芸術・伝
統文化、スポーツなどの交流施設を有しています。
そこで、音楽祭やスポーツ大会などのコンベンション誘致・開催を推進し、併
せて、誘致や運営に必要な人材を育成・確保するとともに、推進体制の構築を図
ります。
「基本方針3」は、市民の「幸せます」の力で、一度に大勢の交流人口を獲得す
ることを目的に、2つの基本施策と5つの基本事業で展開します。
基本施策(1)
防府ならではのコンベンションの誘致
「防府市公会堂」、「防府市地域交流センター」、「防府市スポーツセンター」など
コンベンション開催拠点施設を中心として、コンベンションの誘致と開催を推進します。
また、本市の魅力を活かしたアフターコンベンション※ のプログラムの開発、提案の強
化にも取り組み、コンベンション主催者や参加者の本市への滞在の長期化を図ります。
基本事業①
スポーツ施設を拠点とするコンベンションを誘致する
「防府市スポーツセンター」を誘致の拠点としたスポーツコンベンションの誘致に取り組みます。
▲「防府市スポーツセンター」の「ソルトアリーナ防府」で開催された「ねんりんピックおいでませ!山口2015」
では、車椅子バスケットボール大会などが開催された
・40・
基本事業②
文化施設を拠点とするコンベンションを誘致する
大小のホールを有する「防府市公会堂」、「防
府市地域交流センター」を中心に、音楽・美術分
野のコンベンションの誘致に取り組みます。また、
種田山頭火や「明治維新150年」など、本市に
ゆかりのある著名人や歴史に関する事象をテー
マとする、全国規模でファンを有するコンベン
ションの誘致も推進します。
▲「防府市公会堂」大ホール(最大定員1,600人)
基本事業③
防府ならではのアフターコンベンションを提案する
コンベンションには直接参加しない同伴者を楽しませることを含め、アフターコンベンションのプ
ログラムの開発、提案の強化に取り組みます。
用語解説◇「コンベンション」とは?/「アフターコンベンション」とは?
【コンベンション】
国内外の人々が行う各種大会や会議、見本市、シンポジウム、博覧会、イベントなどの催
しのことです。
コンベションが開催されれば、交流人口の拡大とともに、コンベンション参加者が開催地
域において消費活動を行うことから、開催地域に多大な経済波及効果を及ぼします。
また、国際コンベンションなどの開催は、海外での地域の認知度向上やイメージアップに
つながり、地域での集客、交流などから経済活性化が期待されるため、近年、コンベンショ
ンの誘致活動が全国的に盛んに行われています。
【アフターコンベンション】
見本市、シンポジウム、博覧会、イベントなど、コ
ンベンション終了後の催しや懇親会のことです。
多くの場合、観光、ゴルフ、釣りなどのレジャーや
エンターテイメント系の内容が催されますが、そのコ
ンテンツとして、地域資源を活用したまちを巡るツ
アーや体験交流プログラム(「基本方針1」で開発を行
う取組)などを用いると、地域外からの来訪者に地域
をPRする絶好の機会となります。
なお、コンベンション誘致の取組に関しては、コン
ベンション開催時に、会議・レセプション会場として、
歴史的建造物、文化施設や公的空間等で開催すること
で特別感や地域特性を演出できる会場のことを表す
「ユニークベニュー」という専門用語もあります。
・41・
▲天神鱧
基本施策(2)
コンベンション誘致の推進体制の構築と強化
コンベンション誘致の知識を備えた人材や、コンベンション開催を支援する人材の確
保・育成に取り組みます。また、コンベンション主催者や参加者が十分な満足を得られ
るために、ワンストップのサービスが受けられる組織体制の構築を図ります。
基本事業①
コンベンション誘致及び開催支援を担う人材を育成する
国や県などが主催する研修制度への参加や専
門家を招聘したセミナーの開催、先進地の視察
等を行なうことにより、誘客活動の基本を知り、イ
ベントや会議の運営について基本的な知識を有
する人材の育成・確保に努めます。
基本事業②
コンベンション誘致及び開催支援を担う組織を構築する
コンベンション主催者や参加者のニーズを探り、満足が得られる開催とする上では、業務窓口を一
元化して対応する必要があるため、推進組織の構築や業務推進体制の整備に努めます。
・42・
基本方針
4
「幸せます」の心が伝わる
インバウンド観光の推進
国の「ビジット・ジャパン・キャンペーン」の取組や、山口県の「外国人観光客
倍増に向けた国際観光の推進」の取組などと連携し、東アジア諸国の旅行事業者、
メディア等へのプロモーションを積極的に行い、外国人旅行者の誘致を図ります。
また、外国人旅行者にも「幸せます」の心が伝わる受入体制の整備を推進します。
「基本方針4」は、外国人旅行者とも「幸せます」交流の創出・拡大を始めるこ
とを目的に、3つの基本施策と6つの基本事業で展開します。
基本施策(1)
外国人旅行者受け入れ体制の強化
外国人旅行者の来訪が地域経済の活性化に結びつくことの意識醸成の場づくりを進め
るとともに、Wi-Fi ※環境の整備、多言語観光案内板の拡充や通訳の配置など、外国
人旅行者に対する受入体制の強化を図ります。
基本事業①
外国人旅行者にも「幸せます」の心が伝わる観光人材を育成する
市民や観光関連事業者・民間関連事業者を対
象とした、外国人旅行者の受け入れ方や受け入
れの必要性に関する“学び”の場づくりなどに努
め、「幸せます」の心を伝えることができる人材の
増加を目指します。
基本事業②
外国人旅行者にも「幸せます」の心が伝わる滞在環境を整備する
宿泊施設、商業施設、飲食店、個人商店等を
対象としたコミュニケーションツール(指差し会話
盤、会話手帳など)の作成・配布、主要観光地に
おけるW i-F i 環境の整備、観光案内板等の多
言語化を進めるとともに、外国人旅行者がクレ
ジットカード利用可の商業施設や飲食店等の増
加、免税店の設置の促進などに努め、「幸せま
す」の心が伝わる環境の整備を図ります。
・43・
基本施策(2)
多言語による情報発信の強化
観光パンフレットや観光WEB ※ サイトの多言語化など、情報発信を強化します。
また、本市や周辺都市圏に居住する外国人への本市観光の魅力の提供、外国人が利用す
るSNS ※等の活用、メディアやブロガー ※の招聘などにも取り組み、外国人に向けた情
報の拡散を図ります。
基本事業①
外国人旅行者に防府市を着目させる
「行ってみたい」という気持ちを起こさせるた
めに、メディアやブロガーの招聘、ターゲット国
のSNS等の活用、本市居住外国人の起用な
ど、本市の位置、歴史や概要、観光の魅力な
どの情報を、誘客ターゲットとする国の情報伝
達の傾向に則して、効果的に発信します。
▲台湾人・韓国人ブロガー取材風景(防府市)
基本事業②
外国人旅行者に防府市の魅力を納得させる
観光WEBサイトの多言語化、スマートフォンや
タブレットなど携帯端末で利用できる観光地情
報アプリなどの開発などに努め、本市を訪れる
外国人旅行者に対し、本市の観光の魅力が十
分伝わるよう工夫します。
▲観光アプリ「防府市観光地の魅力」
・44・
用語解説◇「Wi‐Fi(ワイファイ)」とは?
パソコンやテレビ、スマホ、タブレット、ゲーム
機などのネットワーク接続に対応した機器を、無線
(ワイヤレス)でLAN(Local Area Network)に
接続する技術のことです。
自宅や職場などでWi-Fiを利用するには、W
i-Fiルーターが必要となります。Wi-Fiルー
ターとは、Wi-Fi機器と電波の送受信を行いL
ANとの仲介を行うための機器で、無線LAN親機
とも呼ばれています。
Wi-Fi(無線LAN)を利用すれば、スマホ
やタブレットに保存した写真をプリンターで印刷し
たり、リビングのレコーダーで録画した番組やパソ
コンに保存した音楽を別の部屋で視聴したり、さま
▲近年、外国人旅行者のインターネット
ざまなWi-Fi対応家電と連携してスイッチの
利用環境の向上のために、自治体単位
で無料Wi-Fiスポットの拡充が進行して
ON/OFFや運転状況などを確認できるようにな
おり、そのスポットには、地域を代表
ります。
する観光資源を表現した看板やステッ
カーで示され、地域のPRも同時に実施
我が国においては、電気通信事業者と利用契約が
している
必要なWi-Fiサービスがほとんどのため、観光
振興を行うにあたっては、「契約をしていない外国人旅行者はWi-Fiが使用できない=
スマートフォンやタブレットなどの携帯端末が使えない」との声が多く寄せられ、202
0年の東京オリンピック開催を控え、無料のWi-Fiサービスの拡充が観光地や都市、観
光施設や飲食店などにおいて進められています。
用語解説◇「WEB(ウェブ)サイト」とは?/SNS(エス・エヌ・エス)とは?
【ウェブサイト(website)】
“World Wide Web(WWW) ”(ワールド・ワイド・ウェブ)上にあり、一般に特定のドメイン
名の下にある複数のウェブページの集まりのことをいいます。略して“サイト”と呼ばれる
こともあります。我が国では、本来はウェブサイトの最初のページ(表紙的ページ)の意味
である“ホームページ”もウェブサイトと同じ意味で使われています。
企業などの団体が自身を紹介するため自ら構築したサイトを、その団体の“公式サイト”
と呼びます。
【SNS】
“ソーシャル・ネットワーキング・サービス”の略語で、社会的ネットワークをインター
ネット上で構築するサービスを指し、近年では、無料でお手軽に利用できるSNSが多く存
在します。
我が国で利用されている代表的なSNSとしては、世界最多の会員数を有するFacebook
(フェイスブック)、Twitter(ツィッター)など配信する文字数に制限があるミニブログ
サービスなどがあり、また、LINE(ライン)に代表されるインスタントメッセンジャー
も、リアルタイムな情報発信の手段としては人気が高まってきています。
・45・
用語解説◇「ブロガー」とは?
ウェブサイトの一種に、ホームページが簡単に作れるシステムで、日記公開や他からの意
見の交流に使われる「ブログ」というものがありますが、「ブロガー」とは、そのブログをする
人物のことを指します。
ブロガーの中にはブログで収益をあげている
人々も存在し、その中でもブログによる広告等
の収益のみで生活している人は、“プロブロガ
ー”、あるいは、“パワーブロガー”と呼ばれ
ます。
国によっては、社会に影響力のあるプロブロ
ガーも存在し、そのようなブロガーを招聘し
て、P44の写真のように、地域で様々な体験
をしてもらい、帰国後にブロガーのブログにて
体験談や滞在記を書いてもらうことは、誘客や
▲韓国人気ブロガー・SNSでの発信
集客に効果を上げることに繋がります。
基本施策(3)
外国人旅行者のニーズへの対応
外国人旅行者のニーズを把握し、ニーズに応えられる観光商品の開発に取り組みます。
この施策は、「基本方針3 」における国際コンベンション誘致の取組などにおいて、大
いに関連づけられます。
基本事業①
外国人旅行者のニーズを知る
招聘するメディアやブロガーからの情報収集、インバウンド先進地の調査・研究等により、訪日外国
人旅行者の実態に関する知識を習得するとともに、本市の地域資源に関する市内居住の外国人へ
のヒアリング調査等を行い、外国人旅行者のニーズの把握に努めます。また、教育旅行の誘致に向け
ても、調査・研究の取組を推進します。
基本事業②
外国人旅行者のニーズに応える観光商品をつくる
既存の国内旅行者向けのプログラムやイベント
の改良を行い、外国人旅行者も楽しむことができ
る観光商品の充実化を図るとともに、外国人旅行
者に喜ばれる食などの商材の開発などに努めま
す。
▲人気なのは、日本の和の魅力がある体験プログラム
※写真は、「幸せますウィーク」にて開催の
「着物でまち歩き」のプログラム
・46・
基本方針
5
「幸せます」観光の効果的な情報発信と
継続可能な基盤の構築
マーケティング調査に基づき、効果的かつ戦略的な情報発信やプロモーション
活動を推進します。
また、『「幸せます」の観光まちづくり』について、その継続を目指した推進
体制の構築を行い、併せて、本市を訪れる全ての観光客や来訪者が快適に、安
心・安全に過ごせる観光基盤の整備に取り組みます。
「基本方針5」は、来訪者に安心・安全に、心地よく滞在していただくことを
目的に、3つの基本施策と8つの基本事業で展開します。
基本施策(1)
ICT
※を活用した情報発信の強化
本市と観光協会のホームページの情報コンテンツや発信の手法を常時点検するととも
に、マーケットへの直接的な情報の伝達や双方向通信を可能とするSNSの活用を図り、
インターネットによる効果的な情報発信に取り組みます。
基本事業①
SNSを戦略的、効果的に活用する
本市のSNSによる観光情報発信を多くのアクセスを集める魅力的な情報発信ツールとしていくため
の研究や、市民と連携した情報拡散の仕組みづくりなど、SNSによる情報発信の体制づくりを進めて
いきます。
基本事業②
スマートフォン向けの情報発信を強化する
近年、スマートフォン所有率が高く、大きな情報拡散力を有する20代~50代の若年・中年層に対し
て、その年齢層の趣味・趣向に沿うコンテンツを選定し、スマートフォンに対応する情報発信の強化を
図ります。
用語解説◇「ICT」とは?
情報や通信に関する技術の総称です。近年では、従来から使われている「IT
(Information Technology)」に代わる言葉として、使用率が高まっています。海外では、
ITよりICT(Information and Communication Technology/インフォメーション・アン
ド・コミュニケーション・テクノロジィ)の方を一般的に使用します。
・47・
基本施策(2)
情報発信のための連携の強化
情報発信手法を多様化させるとともに、多様な主体や媒体との連携により、情報発信
力を強化します。
基本事業①
情報発信手法を多様化する
新聞などのパブリシティでの告知等を基本としつつ、情報拡散のキーパーソンとなり得る人々を対象
としたモニターツアーの実施や、画像や動画による情報発信の拡充など、情報発信手法を多様化し
ます。
基本事業②
山口県や周辺地域と連携する
本市のみの情報発信だけではなく、山口県や
周辺市町などとテーマやルートなどで連携し、行
政区を超えた情報発信や観光商品の造成など
の企画に参加します。
基本事業③
多様な媒体と連携する
本市に来訪する可能性の高い人々に効果的
に情報を届けていくため、旅行会社や交通事業
者と連携するとともに、効果が期待できる媒体や
企業との連携を図ります。
▲山口県観光連盟の公式WEBサイト
▲JR西日本と連携した商品開発による
防府市のPR
・48・
基本施策(3)
「幸せます」観光の継続と発展に向けた基盤の整備
「観光まちづくりプラットフォーム ※」の構築に向け、観光協会の機能を拡充します。
また、高齢者や障害者にも配慮した観光地の整備に努めます。さらに、観光産業を本市
の経済に継続的に寄与する産業へと発展させるため、マーケティング調査を実施し、事
業を戦略的に立案します。
基本事業①
「防府市観光協会」の機能を拡充する
『「幸せます」の観光まちづくり』にあたっては、官民が一体となって協働する「観光まちづくりのプラッ
トフォーム」 構築が不可欠であり、その機能をできるだけ多く観光協会が担えるよう、観光協会の組
織と機能の強化を図ります。
基本事業②
来訪者に快適で安心・安全な環境を整備する
観光客をはじめとする本市への来訪者のため
に、わかりやすい観光案内板の設置や、トイレ、
駐車場などの観光基盤の整備に努めます。
また、観光施設や市内JR各駅における公共交
通の路線図、タクシーやレンタサイクルなどを含
めた二次交通の情報発信など、市内各所への交
通アクセス案内の充実を図ります。
▲「まちの駅 うめてらす」のレンタサイクル
基本事業③
マーケティング調査を実施する
来訪者の量的変化、ニーズの傾向、滞在の満足度、市外在住者の本市に対するイメージなどを調
査し、現状や課題の把握を行った上で、観光戦術の見直しに活用します。
また、市民の観光まちづくりに対する意識も調査し、本計画の基本理念の浸透や観光産業の重要
性の理解を促進し、『「幸せます」の観光まちづくり』の継続と発展につなげていきます。
用語解説◇「観光まちづくりプラットフォーム」とは?
着地型旅行商品の販売を行うため、地域内の着地型旅行商品(体験交流型プログラムや滞
在交流型プログラム)の提供者と市場(旅行会社、旅行者)をつなぐワンストップ窓口とし
ての機能を担う事業体のことを指します。
(→詳細については、次項「4つの重点事業/重点事業1 」P50を参照)
・49・
4 4つの重点事業
国や山口県の観光振興の動向と連動し、上位計画との整合を図りつつ、基本理
念や観光のまちの将来像を着実に実現することを目標に、計画期間中に優先的に
取り組む事業を“重点事業”と位置付けて進めていきます。
この重点事業においては、 地域ブランド「幸せます」の形成を念頭に置き、観
光振興と観光まちづくりを効果的に進め、観光地としての差別化を図るという考
え方のもと、基本方針1~基本方針5の各基本施策・基本事業のいくつかを横断、
融合した形の事業群として構成し、以下の4つのプロジェクトとして推進します。
重点事業1.「幸せます」をむすぶプロジェクト
「幸せます」ブランドの形成にあたっては、「幸せます」を合い言葉とした活発な活
動ができるよう、市民一体となった観光振興のための体制を構築し、本市の総合力を高
めていくことが肝要です。
このため、観光協会の体制について、『「幸せます」の観光まちづくり』をリードす
る機能を備えたプラットフォーム化を図るとともに、地域資源を活用した観光商品造成
や観光まちづくりに向けたワークショップの立ち上げや、観光協会との連携・協働体制
を構築するプロジェクトを、以下の3つの取組により推進します。
取組項目
関連施策
(1)防府市観光協会の運営体制の強化
(→ コンベンション協会設立に向けて )
・基本方針3-(1)
・基本方針3-(2)
(2)観光振興に向けた全市的な気運醸成と推進体制の構築
・基本方針1全般
・基本方針2全般
・基本方針3全般
・基本方針4全般
(3)地域及び各種プロジェクト等の観光人材の育成
・基本方針2-(1)
・基本方針2-(2)
・基本方針2-(3)
・基本方針3-(2)
・基本方針4-(1)
・50・
重点事業1の推進計画
平成28年度
(2016年)
平成29年度
(2017年)
平成30年度
(2018年)
平成31年度
(2019年)
平成32年度
(2020年)
・県、観光関係団体の推進体制の強化
山口県の動き
・MICE誘致強化、リピーターの確保
・外部人材等活用システムの検討、実施
(1)防府市観光協会の運営体制の強化
・コンベンション推進体制の構築への推進
・コンベンション推進体制の強化
*一元的窓口
・観光まちづくりを担う
中核人材の検討
・観光まちづくりに必要な組織・機能の検討
(2)観光振興に向けた全市的な
気運醸成と推進体制の構築
・観光資源活性化協議会の
役割強化
・各種団体の役割、機能の検証
・観光まちづくりプラットホーム組織の構築
・各種団体の活動の促進
・各種団体の交流促進
・人材の育成
・観光関連事業者・民間事業者の幸せます伝達力の強化
・観光関連事業者・民間事業者独自の幸せます伝達力の磨
き上げ
・市民のおもてなし力の向上
(3)地域及び各種プロジェクト等の
観光人材の育成
・地域資源を活用するワーキ
ングの開催
・継続的な取組支援
・ワーキング提案による企画の実践
・教育機関等の要請に応じた地域再発見講座等の開催
・中核人材が活躍する場と権限等の検討
【取組主体】
事業者
市民活動
団体
市民
●
●
●
●
●
●
●
●
取組項目
行政
観光協会
商工会議所
観光資源
活性化協議会
(1)防府市観光協会の運営体制の強化
●
●
●
●
(2)観光振興に向けた全市的な
気運醸成と推進体制の構築
●
●
●
●
●
●
(3)地域及び各種プロジェクト等の
観光人材の育成
・
・
・
【構築を目指す「観光まちづくりプラットフォーム」(日本版DMO)像】
「観光まちづくりプラットフォーム」は、地域の観光資源を総合的にとりまとめて、経営の
視点も有し、新たな市場を創造することができる組織であることが理想で、そのように単な
るワンストップ窓口である機能を超えた組織を、DMO(Destination Management
Organization)ともいいます。
近年、地域側(着地側)及び発地
側双方のニーズを踏まえた「マーケ
ティング機能」、観光品質の向上や
利害調整を図る「マネジメント機能」、
行政との連携や独自での資金調達、
多様な連携を推進する“日本版DM
O”の地域における構築を、国も観
光庁において、平成27年に『日本
版DMO形成・確立に係わる手引
き』を作成し支援していることから、
本市も本市の「観光まちづくり」に
ついて、中心となって動く日本版DM
O的組織の構築を目指します。
▲日本版DMO概念図
・51・
重点事業2.「幸せます」を創るプロジェクト
計画期間中、JR西日本の山口県デスティネーションキャンペーン ※(平成28年度~
29年度)や「明治維新150年」事業(平成30年度)が予定されており、数ある本市の
地域資源の中でも、幕末の志士たちの足跡や、本市の“和”文化等を活かした滞在交流
型プログラムの開発を優先して進める必要があります。
このため、「明治維新150年」をはじめとする、テーマ型ツーリズムを推進するとと
もに、様々な地域資源を活かし磨き上げる取組を進めます。
また、体験交流型プログラムを多く取り入れた旅行商品をカタログ的に提案する『ほ
※
うふの「幸せます」まち旅』(仮称) づくりを進めるなど、防府の魅力を共に創り上
げていくプロジェクトを、以下の4つの取組により推進します。
取 組 項 目
関連施策
(1)明治維新150年に向けた観光需要の拡大
・基本方針1-(1)
・基本方針5-(1)
・基本方針5-(2)
(2)国内外に誇れる観光資源の活用と磨き上げ
・基本方針1全般
・基本方針4-(2)
・基本方針5-(1)
・基本方針5-(2)
(3)テーマ型ツーリズムの推進
・基本方針1全般
・基本方針3-(1)
・基本方針4-(2)
・基本方針5-(1)
・基本方針5-(2)
(4)『ほうふの「幸せます」まち旅』(仮称)づくりプロジェクト
・基本方針1全般
・基本方針2-(1)
・基本方針2-(2)
・基本方針5-(1)
・基本方針5-(2)
用語解説◇「デスティネーションキャンペーン」とは?
JRグループ旅客6社と、指定された自治体、地元の観光関連事業者等が協働で実施する
大型観光キャンペーンのことです。
JR西日本では、平成29年9月1日~12月31日、山口県とのデスティネーション
キャンペーンを実施予定です。
・52・
重点事業2の推進計画
平成28年度
(2016年)
平成29年度
(2017年)
平成30年度
(2018年)
平成31年度
(2019年)
平成32年度
(2020年)
・「明治維新」観光ブランド構築と積極的なプロモーション展開
・デスティネーションキャンペーンの誘致と実施
山口県の動き
・山口にしかない、山口ならではの観光資源の創出、磨き上げ
・「瀬戸内ブランド」に基づく周遊ルートの形成とプロモーション
●
・萩往還の活用など近隣市との連携による旅行商品の開発
・萩往還を活用した旅行商品の造成・磨き上げ
●
・維新の志士の足跡を巡る旅行商品の磨き上げ
・高杉晋作と防府天満宮を主軸としたツーリズムの検討、開発、実施
(1)「明治維新150年」に向けた
観光需要の拡大
●
・ディスティネーションキャンペーンなどによる県と連携した情報発信の強化
・継続的実施
・楫取夫妻を中心とした大河ドラマの放送を今後に活かす取組
・継続的実施
●
・防府の歴史が活きる和文化プログラムの開発
*和服でまちあるき *茶道・書道・盆栽等の和の世界観を味わえる体験メニューの造成
*ジャパンブルー「藍」の藍染体験商品の開発 *仏教寺院での御利益体感商品の開発
●
・滞在交流型観光プログラムの開発
*佐波川の疎水を活かした旅行商品の造成
●
(2)国内外に誇れる観光資源の創出と
磨きあげ
・「食」の磨きあげ
・防府三白の開発など新たな「食」の魅力創造
●
・他分野と連携した旅行商品の造成(観光×スポーツ、観光×文化、観光×農業、観光×教育 等)
●
・四季の花や景観などを活かした旅行商品づくりワークショップ開催
・継続的実施
●
・テーマ型ツーリズム造成のための、ワークショップ開催
・テーマ型ツーリズム企画の開催
・山頭火ふるさと館を活用したテーマツーリズムの検討
・山頭火ふるさと館を活用した体験型旅行商品の造成
(3)テーマ型ツーリズムの推進
・磨き上げ、継続的実施
●
※各分野のプログラムをとりまとめて開催
(4)『ほうふの「幸せます」まち旅』
(仮称)づくり推進プロジェクト
・検討組織の立ち上げ
・『まち旅』プレーヤーの充実
・『まち旅』の試行的実施
・『まち旅』の本格的実施
・『まち旅』の商品化
【『ほうふの「幸せます」まち旅』(仮称)について】
小規模の体験交流型プログラムやイベントをたくさん集め
て、1ヶ月~2ヶ月の短い期間にイベント的に開催する取組
です。交流人口の創出・拡大を目的としつつも、実施主体と
なる地域住民に対しても、それまでに見えていなかった地域
の魅力の再発見ができることから、地域への誇りや愛情の醸
成及び地域再生や地域創生を促進することを目的として取り
組みます。
このような取組は、大分県別府市における「別府八湯温泉泊
覧会」(略称は“オンパク”)が草分け的存在とされていて、
オンパク型イベント、または、“博覧会型イベント”と称さ
▲福岡県久留米市の
れ、現在では、同様の取組を推進する地域が全国各地に存在
「久留米まち旅博覧会」。
しています。本市も、それら先進地域の事例を研究しながら、 観光地域づくりを推進しながら、
6年に渡り継続されているオンパク
開催・定着を目指します。
型イベントの成功事例
【取組主体】
行政
観光協会
商工会議所
観光資源
活性化協議会
事業者
市民活動
団体
(1)「明治維新150年」に向けた
観光需要の拡大
●
●
●
●
●
●
(2)国内外に誇れる観光資源の創出と
磨きあげ
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
取組項目
・
(3)テーマ型ツーリズムの推進
(4)『ほうふの「幸せます」まち旅』
(仮称)づくり推進プロジェクト
・
・53・
市民
増実 重
加施 点
さ主事
せ体 業
る者 1
と と
な連
る動
市 し
民て
を、
重点事業3.「幸せます」を伝えるプロジェクト
観光客や市民が抱く「幸せます」ブランドの支持率と満足度を常に検証しつつ、観光
客の要望や欲求を満たすことができる顧客目線のコンテンツづくりを行なうことが重要
です。
また、食資源や伝統工芸等の技を活かした産品開発は、訴求力の大きい魅力的な情報
となることから、6次産業化や農商工連携による付加価値化を進める必要があります。
このため、コンテンツづくりにおいては、ターゲットと商品の組合せについての十分
なマーケティング調査を実施し、「幸せます」を活用したブランド商品の開発と磨き上
げを進めるとともに、「幸せます」ブランドの強化に向けた効果的なプロモーションを
展開するプロジェクトを、以下の3つの取組により推進します。
取組項目
関連施策
(1)戦略的なマーケティングの実施
・基本方針1
・基本方針2
・基本方針3
・基本方針4
・基本方針5
(2)「幸せます」を活用した商品の磨き上げ
・基本方針1全般
・基本方針2-(1)
・基本方針2-(2)
・基本方針5-(1)
・基本方針5-(2)
(3) ほうふプロモーションの推進
・基本方針1全般
・基本方針4-(1)
・基本方針4ー(2)
・基本方針5全般
・54・
重点事業3の推進計画
平成28年度
(2016年)
平成29年度
(2017年)
平成30年度
(2018年)
平成31年度
(2019年)
平成32年度
(2020年)
・県、市町等が一体となった誘致活動の展開
・県、市町等の情報の共有化と各種「観光情報サイト」の充実
山口県の動き
・SNSの活用促進、スマートフォン向け観光案内情報提供の充実
・メディアプロデューサーの配置による戦略的な情報発信
・マーケティング戦略の策定
(1)戦略的なマーケティングの実施
(2)「幸せます」を活用した商品の
磨き上げ
・マーケティング調査の実施
・マーケティング戦略の検証、見直し実施
・観光拠点、宿泊施設、防府駅など主要スポットでの来訪者アンケート調査の継続実施(プロフィール、来訪経験、来訪目的、目的地、満足度など)
・観光まちづくりワークショップの立ち上げ
・観光まちづくりによるシビックブライドの醸成
・市民による「幸せます」ブランドづくりに向けた場づくり
・市民による「幸せます」ブランドづくりへの支援
・「幸せます」ブランド商品開発支援
・販路拡大支援
・継続的実施
・防府天満宮花回廊への支援
・「幸せます」ポイント、ビュースポットの発掘
・「幸せます」ポイント、ビュースポット活用した旅行商品の造成
・観光と一体的な情報発信
・観光と一体的なプロモーション
・プロモーション活動、情報発信会や商談会などへの参加
・パブリシティを意識したイベント企画や情報戦略
(3)ほうふプロモーションの推進
・天神鱧など食のブランド化との連携
・タイムラプス動画等PRツールの作成
・メディア・ブロガー等の活用
【取組主体】
行政
観光協会
商工会議所
観光資源
活性化協議会
(1)戦略的なマーケティングの実施
●
●
●
●
(2)「幸せます」を活用した商品の
磨き上げ
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●
取組項目
事業者
市民活動
団体
●
●
・
(3)ほうふプロモーションの推進
・
・55・
市民
●
重点事業4.「幸せます」でもてなすプロジェクト
本市の『「幸せます」の観光まちづくり』の真髄は、人的サービスの充実と来訪者に
対する利便の提供と考えます。防府のファン、リピーターを継続して受け入れる状況を
生み出すには、「幸せます」の心が伝わるフェイス・トゥ・フェイスの“おもてなし”
が不可欠です。
このため、来訪者に満足度高くお帰りいただけるよう、 観光関連事業者・民間関連事
業者の接遇力を高める取組や、「幸せます」ステーション(仮称)の市内各所への配置
など、おもてなし力を強化します。
また、受け入れ環境の整備や交通アクセスの改善など利便性の向上を図るとともに、
クルーズ船の誘致推進など、おもてなしの基盤と人的サービスを向上させるプロジェク
トを、以下4つの取組により推進します。
取組項目
関連施策
(1)おもてなし力の強化
・基本方針2全般
・基本方針4-(1)
・基本方針5-(3)
(2)観光基盤の整備
・基本方針4-(1)
・基本方針5-(3)
(3)外国人旅行者の増加に向けた国際観光の推進
・基本方針3全般
・基本方針4全般
・基本方針5全般
(4)クルーズ船の誘致推進
・基本方針1-(3)
・基本方針4全般
・基本方針5全般
・56・
重点事業4の推進計画
平成28年度
(2016年)
平成29年度
(2017年)
平成30年度
(2018年)
平成31年度
(2019年)
平成32年度
(2020年)
・県民のおもてなし意識の醸成、ホスピタリティの強化
・主要観光地までの移動手段の確保の促進の検討、実施
山口県の動き
・国際連続チャーター便の運航支援、国際定期便化の実現
・観光施設、設備等の整備促進、温泉地等の魅力創造
・Wi -Fi環境のニーズ調査
・「幸せます」市民の醸成
・磨き上げ・継続的支援
*おもてなし講習会の開催
・「幸せます」観光ガイドの育成
・「幸せます」観光ガイドの技術向上支援
*カリスマガイドの育成
(1)おもてなし力の強化
・「幸せますコンシェルジュ」の拡充
・「幸せますステーション」(仮称) の拡充
・「幸せますステーション」(仮称) の設置
(2)観光基盤の整備
・観光看板等の整備
・管理観光施設の維持管理
・2次交通アクセスの実証
・2次交通アクセスの検証
・2次交通アクセスの導入
・日本政府観光局や山口県国際観光推進協議会、県などと連携した広域での誘客への取組 ・消費税免税店の拡大に向けた情報提供
(3)外国人観光客増加に向けた
国際観光の推進
・台湾などの大学や関係機関のつながりを活かした誘客の推進
・スポーツ・文化等に関連した交流活動の実施
・観光案内看板の多言語化
・継続的取組
・コミュニケーションツールの多言語化
・Wi -Fi環境の拡充
・Wi -Fi環境の整備
・国や県、各種関係機関などと連携した広域での誘客への取組、誘客活動
(4)クルーズ船の誘致推進
・クルーズ船のオプショナルツアーに対応できる商材の開発と受入体制の整備
【取組主体】
行政
観光協会
商工会議所
観光資源
活性化協議会
事業者
市民活動
団体
市民
(1)おもてなし力の強化
●
●
●
●
●
●
●
(2)観光基盤の整備
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
取組項目
(3)外国人観光客増加に向けた
国際観光の推進
●
・
●
・・
(4)クルーズ船の誘致推進
・
・57・
●
5 目標数値の設定
計画を進めていくにあたり、目標の設定は欠かせません。
本計画では、上位計画のひとつである平成27年10月に策定された「総合戦
略」の「基本目標3 産業振興による新たな雇用の創出」に掲げられているKPI
(Key Performance Indicators/重要業績評価指標)の数値を踏まえ、観光入込
客数のほか、延べ宿泊客数、外国人観光客数、「幸せます」ブランドの認知度な
どの項目において目標数値の設定を行い、重点事業の達成度を計測することがで
きるようにします。
なお、観光関連の数値は、天候や災害、経済情勢、国際情勢などの外部要因に
左右されることから、それらに伴う数値変動の影響度を踏まえて、着実に施策を
展開していくことが重要です。
目標値1:観光入込客数
観光入込客数の目標数値
観光入込客数について、以上のとおり設定します。
平成28年度は、NHK大河ドラマ放映の余韻、 平成29年度はJR西日
本による「山口県デスティネーション・キャンペーン」、そして、平成30年
度は「明治維新150年」と、観光入込客の増加要素が続きます。
平成31年度、平成32年度は、減少していく懸念もありますが、『ほうふ
の「幸せます」まち旅』(仮称)の開催や、コンベンション誘致の強化などに
より、さらに増加していく可能性も十分にあります。
この観光入込客数の目標数値を踏まえ、5つの基本方針において、4つの重点
事業を優先的に推進するものとして、その達成度を判断する指標とする目標数値
を、以下の9つの項目に設定します。
・58・
目標値2:延べ宿泊者数
観光入込客数を測定するもう一つの指標として、地域の経済効果に直接影響のある延べ宿泊者数
を設定します。
観光入込客数に占める宿泊者数の割合を、平成26年の3.4%から1ポイント、平成32年までに増
加させ、目標数値を設定します。
平成32年
現状値
(平成26年)
97,000人
63,382人
目標値3:観光案内所利用者数
「総合戦略」の中で、「観光まちづくりプラットフォーム」の整備に関するKPIとして設定されているた
め、これと整合させて平成32年度の目標数値も設定します。
平成32年度
平成31年度
現状値
(平成26年度)
(総合戦略KPI)
13,000人
11,885人
13,000人
以上
目標値4:「幸せますステーション」(仮称)認定店舗数
「総合戦略」の中で、「観光まちづくりプラットフォーム」の整備に関するKPIとして設定されているた
め、これと整合させて平成32年度の目標数値も設定します。
なお、本計画において新規に取り組む事業項目です。
平成32年度
平成31年度
現状値
(平成26年度)
(総合戦略KPI)
0店舗
40店舗
・59・
40店舗以上
目標値5:着地型旅行商品(滞在交流型プログラム)の造成数
「総合戦略」においても、本計画においても、地域資源を発掘し、磨き、地域内外の人々との交流を
目的とする滞在交流型のプログラムに創り上げていくことを、重点事業に掲げています。
「明治維新150年」事業や、本計画で着手が予定されている『ほうふの「幸せます」まち旅』(仮称)な
どの取組において、造成数の増加は十分に期待できます。
平成32年度
平成31年度
現状値
(平成26年度)
(総合戦略KPI)
0件
10件
10件以上
目標値6:「地旅」参加人数
「地旅」とは、地域資源を活用して造成する体験交流型プログラムの中でも、ウォーク形式で行われ
る“歴史散策”や“風景めぐり”などの着地型の旅の総称です。
「総合戦略」では、「着地型旅行商品の造成」の取組において、その魅力度や集客力を測るKPIに
設定されているため、これと整合させて平成32年度の目標数値も設定します。
平成32年度
平成31年度
現状値
(平成26年度)
(総合戦略KPI)
422人
600人
600人以上
目標値7:大型クルーズ船の寄港回数
国内外のクルーズ船誘致の取組は、「総合戦略」の中でも、「重要港湾三田尻中関港の機能強化」
の取組にて、寄港回数がKPIに設定されているため、これと整合させて平成32年度の目標数値も設
定します。
また、県の「やまぐち観光推進計画~第一次改訂版~」(平成27年3月策定)の中でも、国際観光の
推進に関わる施策のアクションプランに策定されているため、県との連携による促進が想定されます。
平成32年度
平成31年度
現状値
(平成26年度)
(総合戦略KPI)
0回
3回
・60・
3回以上
目標値8:外国人観光客数
観光庁基準による観光客動態調査における外国人観光客数調べにより数値を把握します。
国・県の方針に連動し、インバウンドに取り組んでいく中、外国人観光客数を、平成
26年の2,280人から約100%、平成32年までに増加させ、目標数値を設定します。
平成32年
現状値
(平成26年)
5,000人
2,280人
目標値9:「幸せます」の認知度
本計画では、「幸せます」のブランド形成を推進します。
「総合戦略」の中で、「明治維新150年を契機とした観光需要の拡大」に関するKPIとして設定され
ているブランド総合研究所による地域ブランド調査の認知度ランキングと、月の桂の庭一般公開に合
わせて「幸せます」の認知度に関するアンケートを実施し、目標数値を設定します。
平成32年度
■地域ブランドランキング■
■地域ブランドランキング■
現状値(平成26年度)
404位
50位以内
■「幸せます」の認知度■
■「幸せます」の認知度■
現状値(平成26年度)
74.8%
80%台を維持
目標値10:「幸せます」観光ガイドの人数
『「幸せます」の観光まちづくり』を進め、本市の観光地ブランディングを行っていくにあたり、市民が
その方針や施策に関心を持ち、様々な取組への参加を促進することが肝要です。
その進捗度を、本計画にて新規に育成される『「幸せます」観光ガイド』の人数を計測することで判断
します。
平成32年度
現状値
(平成26年度)
5人
0人
・61・
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