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平岡祥孝 地方拠点都市における都市型空港の有効活用に関する一考察

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平岡祥孝 地方拠点都市における都市型空港の有効活用に関する一考察
★柱のケイは最低 2
92H(断ち落とし含)で文字の多いときはナリユキでのばす★
地方拠点都市における都市型空港の有効活用に関する
一 察
얨札幌丘珠空港を事例として
얨
平岡祥孝
Ⅰ.はじめに
小稿の課題は,札幌丘珠空港(
防衛庁告示による名称は 札幌飛行場 であるが,以下 丘珠空港 と記す)
の整備
が,既存資源の有効的活用の視点から地域特性に基づく整備効果の高い社会資本整備であることを明らかにする
ことである。図1は近年の丘珠空港の管理状況(20
03∼2
0
1
2年度)
を示している。図1から明らかなように,2
0
1
0
年夏季以降は乗降客数の大幅な低下が見られる。後述するように,全日空(
が丘珠空港から新千歳空港に路
ANA)
線を集約したからである。言い換えれば,ANA にとって丘珠空港は経営戦略上魅力がない空港となったのであ
る。筆者らは地域経済の活性化を図るうえからも,研究蓄積を通して丘珠空港の高質的活用を政策提言してき
1 筆者らの研究グループは,①
た웋
。とりわけモビリティの高度化の視点から,丘珠空港整備の必要性をほぼ四点に整理することができる。
웗
一点目は都市再生効果である。札幌の都市機能を強化することに寄与する。欧米諸国の主要大都市は複数の空
港を効果的に活用している。航空自由化に正面から向き合うならば,札幌圏に位置する新千歳空港との役割
業
を確立させることが可能となる。加えて,市街地小規模空港を核として環境調和型 まちづくり を推進すること
である。
二点目は質的生活改善効果である。人口減少高齢社会に直面した北海道は広域
経済効果,②環境調和,③合
意形成の視点から丘珠空港の
高質的活用を政策提言してき
た。研究グループとしての主
要な研究成果としては,参
[4]∼
[7],
文献[1]∼[2]
,
1]
が挙げられる。
[9],[1
散型地域構造ゆえに,いわゆ
る移動時間の短縮を実現していかなくてはならない。しかしながら,現状では整備新幹線は札幌までの
伸が決
定されただけである。高規格幹線道路は道央・道南・道東・道北の4圏域のネットワーク化はいまだ実現してい
ない。丘珠空港と道内ローカル空港とのネットワークの充実化を図ることは,札幌圏と道内主要都市との連携を
強化することになる。
三点目は競争誘発効果である。フリークエンシー・サービスの向上を図ることができるならば,市場原理を有
効に機能させて地上
通機関との競争すなわちモーダル間競争を促進させ,競争の果実を消費者に還元しなけれ
ばならない。
四点目は観光振興効果である。北海道観光の主体を安定的に求めるならば,道民観光であると
える。そうで
,柔軟なカー・アンド・エアーの商品
あるならば目的地での滞在時間を増やすうえからも(スローステイの実現)
造成の可能性を
り出していかなければならない。
丘珠空港は札幌都心部に隣接した都市型小規模空港であり,市内中心部から4∼5km の位置にある。言い換え
れば,空港までの所要時間が短いことを意味する。これは市街地空港の最大の優位性であろう。かつては ANA グ
ループのエアーニッポンネットワーク(A)と日本航空(
グループの北海道エアシステム(
が就航
net
J
AL)
HAC)
図 1 札幌丘珠空港管理状況(2
00
3∼201
2年度)
出所)
国土
通省 空港管理状況調書 各年度版を参
にして作成。
★次頁にもノンブル枠あり★
表 1 新千歳空港・丘珠空港道内路線別旅客数(2
00
2∼200
5年度)
20
02
区間
新千歳−利尻
新千歳−稚内
新千歳−中標津
新千歳−女満別
新千歳−釧路
新千歳−紋別
新千歳−函館
人
(
利用率)
20,
595
(6
6
.
4
%)
40,
381
(5
9
.
2
%)
56,
65
2(
5
1.
5
%)
283,
53
3(
5
1.
6
%)
131,
288(
5
8
.
4
%)
人
2
0
0
4
(
利用率)
人
(
利用率)
20
0
5
人
(
利用率)
3
2
,
2
9
7
(
5
8
.
6
%)
3
4
,
4
6
5
(
5
5
.
1
%)
4
8
,
7
3
0(
4
6
.
5
%)
2
31
,
8
6
8(
5
3
.
7
%)
1
1
4
,
1
61
(
5
2
.
6
%)
1
,
3
98
(
4
8
.
0
%)
7
,
8
02
(
4
6
.
6
%)
3
2
,4
0
3
(
54
.
9
%)
3
9
,5
0
0
(
46
.
9
%)
4
0
,
4
2
6
(
4
3
.
9
%)
2
1
1
,
6
8
5
(
4
7
.
3
%)
5
8
,
3
7
9
(
6
5.
7
%)
555
,4
5
3
4
7
0
,
7
2
1
3
8
2,
3
9
3
3
8
3
,
86
6
46
,189(
6
0
.
8
%)
50
,003(
6
1
.
3
%)
152,26
2(
3
7
.
3
%)
55,22
1(
7
3
.
6
%)
3
8
,
7
9
1
(
5
8
.
8
%)
5
9
,
7
3
7
(
5
8
.
3
%)
1
4
3,
3
7
1
(
7
0.
1
%)
6
3,
9
1
8
(
8
0.
6
%)
3
,
8
8
5
(
6
2
.
1
%)
1
7
,
3
3
5
(
3
5
.
8
%)
2
3
,
1
3
1
(
6
2
.
5
%)
6
3
,
2
0
3
(
5
4
.
9
%)
1
2
3
,
9
9
1(
6
6
.
0
%)
7
3
,
0
0
3(
6
9
.
8
%)
3
6,
7
0
4
(
5
6
.
0
%)
2
3
,
2
33
(
62.
1
%)
6
7
,
5
29
(
58
.8
%)
1
2
1
,
1
1
1
(
66
.9
%)
7
2
,
1
8
3
(
68
.3
%)
3
8
,
6
0
1(
58
.
5%)
23,
004(
4
5
.
4
%)
新千歳小計
丘珠−稚内
丘珠−釧路
丘珠−函館
丘珠−中標津
丘珠−女満別
丘珠−紋別
2
0
0
3
17
,718
(4
2
.
8
%)
ANA グループ小計
32
1,3
9
3
丘珠−釧路
丘珠−函館
丘珠−紋別
J
ALグループ小計
0
3
2
7
,
0
3
7
3
2
0
,
0
3
2
3
1
,
4
61
(
53
.0
%)
3
5
,
7
0
0
(4
5.
4
%)
4
1
,
9
4
2
(4
0.
9
%)
2
1
1
,
1
2
5
(
47
.
3%)
6
0
,
8
2
4
(
65
.
6%)
2
,
8
1
4
(
35
.
9%)
3
2
2
,
6
57
9,
7
1
5
(
5
8
.
3
%)
1
1
,
1
5
6
(
5
4
.0
%)
0
%)
2
7,
8
7
6
(
6
3
.
2
1
,
3
4
3
(
5
3
.
1
%)
2
3
,
1
0
2
(59
.
3%)
2
3
,
9
4
6
(56
.
5%)
3
,
1
1
0
(40
.
7%)
20
,
8
7
1
4
9
,
2
1
9
5
0
,
1
58
丘珠合計
321
,3
9
3
3
4
7
,
9
0
8
3
6
9
,
2
5
1
3
7
2
,
8
1
5
道内路線合計
876,8
4
6
8
18
,
6
2
9
7
5
1
,
6
44
7
5
6
,
6
81
出所)国土
通省航空局提供資料を参
にして作成。
し,函館線および釧路線のみダブル・トラッキングの路線が実現していた。
しかしながら,ANA は 20
10年7月1日に丘珠空港から新千歳空港に拠点を集約した。事実上の丘珠撤退と言
える。その結果,HACの1日当たり 24 程度(
1
2枠程度)
の運航にとどまっている。また,HACの経営問題も
表面化したことも周知のとおりである。要するに丘珠空港の地位低下は著しい状況となっている。
このように丘珠空港が衰退していく状況にあって,昨年,フジドリームエアラインズ(
がリージョナル・
FDA)
ジエットの ERJ170型機(76席)を
用して,2
0
1
3年7月7日に名古屋飛行場(
以下,名古屋小牧空港と呼ぶ)
から
テストフライトをおこなったり,同年 1
1月 1
6日にチャーター
1往復を就航させたりしたことは記憶に新しい。
この FDA の取り組みには二つの意味がある。第一点目としては,道外路線であったことである。第二点目は
ジェット機材を就航させたことである。ただし,現在の丘珠空港の空港能力と空港容量を前提とするならば,こ
2 FDA は チャーター の 実 績
を積み重ねたうえで,季節運
航への道筋を描いていると推
察できる。しかしながら,現
在 の 滑 走 路 1,50
0m で は,
2
013年8月7日の就航時の
ようにピンポイントの着陸が
必須であろう。
の FDA の ERJ17
0型機の就航が一過性に終わってしまう可能性も十
に
えられる워
。
웗
それでは,小型ジェット機の就航を持続可能とするために必要な整備は何か。参入と撤退の自由を与件として,
丘珠空港を核とした路線構成をどのように工夫すれば,効果的な航空ネットワークが構築されるのであろうか。
以上のような問題意識を踏まえて,小稿では丘珠空港の現状を再整理したうえで,地域活性化に寄与する丘珠
空港の活用について,
析していきたい。
Ⅱ.ANA 撤退の背景
1.道内路線需要
表1は,20
02∼05年度における新千歳空港と丘珠空港の路線別旅客数を示している。表1によれば,2
002
∼0
5
年度における丘珠空港の道内路線旅客数は,A2万人台で推移していた。さらに HACが丘珠空港に参
ne
tでは 3
入して以降(2
003∼0
5年度)を見るならば,丘珠空港旅客
数全体では5万人程度増加して約 3
7万 3
,
000人に達
していた。新千歳空港利用の道内路線旅客数 38万人強(
2
0
0
4年度,2
0
0
5年度)
を加えると,道内航空旅客需要は
地方拠点都市における都市型空港の有効活用に関する一
察
75万人台となっていたのである。
次に表2を見てみたい。表2は,20
02∼05年度における丘珠空港の路線別・曜日別旅客輸送実績(
ANA 旅客)
を示している。路線需要に基づけば函館線が最も大きく,次いで中標津線,釧路線と続く。
同表で注目すべき点は,曜日において旅客数に差が見られることである。たとえば函館線(
2
0
0
3年度)
を例に挙
げるならば,最も多い金曜日 23,
994人と最も少ない日曜日 15
,
2
2
8人では,8
,
7
0
0人以上の旅客数の違いが見られ
る。2
0
04年度,2
005年度とも同様な傾向を示している。釧路,稚内,中標津,紋別および女満別の各路線でも同
様な傾向である。要するに土曜日・日曜日の旅客数が,おしなべて平日の旅客数に比べて少ない。
また表3は,2
00
5年度の釧路線
ある。丘珠初
25
EH 48
別旅客輸送実績(ANA 旅客)
を示している。上りは釧路発,下りは丘珠発で
6,62
8人に対して,釧路初
5
,1
3
3人に対して,釧路最終
878
EH 4
8
2
6 4,
5
7
4人である。丘珠最終
EH 4
8
7
7
EH 4
6,5
96人である。これは,午前中の札幌圏から釧路圏への移動が大き
く,夕方の釧路圏から札幌圏への移動が大きいことを示していると言えよう。
表 2 丘珠発着路線・曜日別輸送人員数(20
03∼2
005年度)
年度
路線
日曜日
(人)
月曜日
(
人)
火曜日
(人)
水曜日
(
人)
木曜日
(人)
金曜日
(
人)
土曜日
(人)
200
3
丘珠−函館
丘珠−釧路
丘珠−稚内
丘珠−中標津
丘珠−紋別
丘珠−女満別
1
5,22
8
6
,61
8
3
,68
4
7
,97
7
9
1
7
1
,22
1
18
,66
6
7
,18
6
5
,14
7
9,
00
0
88
8
1
,827
22,
0
8
3
8,
6
6
3
6,
1
3
6
9
,
1
3
9
1
,
1
1
8
2
,
3
3
7
2
2
,
5
2
1
9
,
4
1
6
6
,
4
8
4
9
,
5
7
2
1
,
1
2
3
2
,
2
7
3
2
3,
51
9
1
0,
06
4
6
,
4
3
9
9
,
8
3
3
1
,
0
9
0
2
,
4
9
0
2
3
,9
94
9
,8
97
6
,
7
4
3
1
0
,
2
4
8
9
8
8
2
,
4
6
6
1
8,
87
4
8
,
65
3
4
,
5
5
7
8
,
6
6
0
1
,
3
1
9
1
1
,
45
2004
丘珠−函館
丘珠−釧路
丘珠−稚内
丘珠−中標津
丘珠−女満別
13,4
69
7,1
01
2
,0
52
9
,46
7
3
,69
8
16,
730
8,
126
3,
285
10,0
36
4,9
92
1
8
,
78
6
9
,
10
2
3
,
73
7
1
0
,
3
9
2
5
,
9
4
8
1
9
,
0
66
1
0
,
0
21
3
,
8
29
1
1
,
1
0
4
6
,
0
0
9
2
0
,
5
6
2
1
0
,
8
2
2
4
,
1
2
5
1
1
,
3
0
2
6
,
4
4
9
2
0
,
7
8
4
1
0
,
6
3
9
4
,
0
5
5
1
1
,
6
1
3
6
,
2
9
8
1
6
,
3
6
5
8
,
5
8
4
2
,
4
9
8
9
,
7
8
6
4
,
0
2
1
2
0
05
丘珠−函館
丘珠−釧路
丘珠−稚内
丘珠−中標津
丘珠−女満別
1
2,05
5
7,4
83
2
,0
58
9,4
71
3,
993
16,8
82
8
,6
47
3
,0
10
9
,8
83
5
,
271
1
8
,
7
2
3
1
0
,
55
0
4
,
01
1
1
0
,
06
5
6
,2
6
6
1
9
,
4
3
9
9
,
9
31
4
,
1
56
1
0
,
5
03
6
,
28
3
2
0
,
2
0
2
1
1
,
4
2
1
3
,
6
8
3
1
1
,
5
0
3
6
,
5
12
2
0
,
6
9
5
1
1
,
4
18
4
,
1
04
1
1
,
7
11
6
,
67
2
1
4
,
7
3
5
9
,
25
6
2
,
60
6
9
,
72
6
4
,
2
9
2
出所)per
s
onalcont
actに基づき入手した資料を参
表 3 ANA釧路線
路線
にして作成。
別旅客輸送実績(200
5年度)
上下
上り
名
EH48
26
EH48
28
EH48
30
EH4
874
EH4
876
EH4
878
計
丘珠−釧路
下り
825
EH4
EH4
827
EH4
829
EH4
873
EH4
875
EH48
77
計
数
座席数
旅客数
利用率
2
0
0
4年度
座席数
旅客数
利用率
17
3
17
3
17
1
1
68
16
7
16
5
9,68
8
9,6
88
9,5
76
,40
9
8
9,3
52
9,2
40
,
4
5
7
4
,
5
1
8
3
,
6
6
8
9
4,
9
4
0
4,
95
0
,
6
5
9
6
.
%
4
7
2
.
%
5
3
5
.
%
6
9
9
.
5
2
5%
.
%
52
9
.4
%
7
1
1
9
,
2
0
8
1
8
,
9
8
4
1
9
,
0
9
6
0
0
0
9
,
0
1
4
9
,
3
2
4
1
3
,
0
2
5
0
0
0
4
6
.
9
%
4
9
.
1
%
6
8
.
2
%
0
.
0
%
0
.
0
%
0.
0
%
1
,
017
56
,9
52
3
2
,
9
3
2
5
7
.8
%
5
7
,
2
88
3
1
,
3
6
3
%
5
4
.
7
1
78
1
7
6
1
76
1
73
1
66
166
,9
9
68
9,8
56
9,
856
,688
9
,296
9
9,
2
96
6,
6
2
8
,
6
1
7
6
,1
5
9
4
,6
6
2
3
6,
02
0
,
5
1
33
.
%
6
6
5
.7
%
6
2
.
%
5
2
7
.
%
6
8
4
.
6
4
8%
.
%
5
5
2
1
9
,
4
3
2
1
8
,
8
7
2
1
9
,
4
8
8
0
0
0
1
2
,
8
4
9
9
,
7
0
6
1
0
,
4
7
7
0
0
0
6
6
.
1
%
5
1
.
4
%
5
3
.
8
%
0.
0%
0
.0
%
0
.
0%
1,
035
57,
9
60
3
5
,
7
74
6
1
.
7
%
5
7,
7
9
2
3
3,
03
2
57
.
2%
出所)per
s
onalcont
actに基づき入手した資料を参
にして作成。
平岡祥孝
丘珠空港の立地および表2と表3の旅客特性に基づくならば,丘珠発着路線では時間価値を最優先する道内ビ
ジネス需要(航空機利用の日帰り出張)が集積されていると,推定できる。にもかかわらず,ANA は丘珠空港から
新千歳空港に道内路線網を集約した。その要因としては,地域の問題と空港自体の問題に大別できるであろう。
2.地域の衰退
表4は 1999∼2
001年度における圏域別
通機関利用量を,表5は 2
0
0
9
∼2
0
1
1年度における圏域別
通機関利
用量を,それぞれ示している。表4と表5を比較して明らかなことは,利用量が減少していることである。これ
は地域の人口減少が背景にあると推察できる。
道央=道南の場合を見てみよう。1
9
9
9年度では道央から道南への鉄道利用は 6
9万 7
,
6
0
0人,道南から道央への
鉄道利用は 70万 2,20
0人であった。同年度の道央から道南への航空利用は7万 8
,
7
0
0人,また道南から道央への
0
1
1年度では道央から道南への鉄道利用は 5
6万 3
,
3
0
0人,道南から道央への
航空利用は7万 9,000人であった。2
0人であった。同年度の道央から道南への航空利用は6万 1
0
0人,また道南から道央への航
鉄道利用は 58万 1,20
空利用は5万 8,5
00人鉄道では 10数万人程度,航空では1万人以上の利用者が減少している。函館空港の背後圏
と想定される函館市・北斗市・七飯町の都市人口は,1
9
9
9年度では 3
8万 6
,
8
5
4人であったが,2
0
1
1年度では 3
5
万 7,
485人と,約3万人減少している。
道央=道北,道央=道東の場合もそれぞれ同様な減少傾向を示している。人口減少に起因する地域の衰退が道
内航空市場の縮小を加速化させていると言えるであろう。
3.空港能力
50
0m であ
空港能力上の問題としては,滑走路と管制の問題がある。丘珠空港の滑走路は奥尻空港と同じく 1
,
る。この滑走路の短さが
1型機(6
4席)
の後継機種として
用機材に大きな制約を与えてきた。ANA は YS−1
−400型機(74席)を導入したかったであろう。同型機は大阪伊丹空港を拠点にして,高知線,福岡線などに
DHC8
運航している。最大巡航速度は,−40
0型機では約 6
5
0km/
0
0型機(
5
6席)では約 5
2
0km/
hに DHC−3
hである。
また最大航続距離は,−4
00型機では 2,
0
00km に対して−3
00型機では 1
,
0
0
0km である。それゆえ,
−40
0型機
の方が座席管理や商品造成の面からだけでなく,将来的に道外路線が開設された場合への対応の点からも,経営
の自由度は高くなる。
しかるに滑走路
伸が 10
0m に限定されたために,
−3
0
0型機を導入する結果となったのである。ちなみにプロ
ペラ機からリージョナルジエット機の機材
新が進行する時代にあって,
−3
0
0型機は製造中止となっている。こ
のたびの FDA のリージョナルジエット機の運航は夏場の好条件の時期に実現された。冬場では安全な離着陸が
担保できない。さらに付言するならば,滑走路の残りの距離を示す滑走路距離灯の設置など,地上からの航行援
助設備の整備も必要であろう。
4
0型機(
3
6席)
を就航させている。なお HACにおける経営上の問題
HACも製造が中止されている SAAB−3
点として,規模の経済性が実現していないことを挙げておきたい。SAAB−3
4
0型機でも5∼6機の生産体制が必
要であろう。3機体制から増機されていない。コミューター航空会社といえども予備機や整備引当機を含めて規
模の経済性が実現していないことは,装置産業の事業継続性において大きい不安定要因の一つである。
また丘珠空港では進入方式が旧式である。一般的な精密進入方式である計器着陸装置(
I
LS)進入が設定されて
いない。丘珠空港の精密進入方式は PAR進入である。この進入方式は管制官が着陸直前まで口頭によって誘導す
では一
るために,操縦士とともに管制官も熟練度が高くなければ着陸できない。現在の着陸誘導管制業務(
GCA)
定の離発着間隔が必要となる。他方 I
LSは,悪天候時においても所定の進入方向と降下経路に
った安全な着陸
を可能とする。
丘珠空港は新千歳空港と隣接しているために,南側からの民間主体の精密進入(
路が確保できない問
I
LS進入)
題も大きい。新千歳空港と丘珠空港の滑走路の離隔は距離にして 2
3マイル(
約 50km)
である。小型機材のリー
ジョナルジェット機では5∼6
で上空にさしかかることになる。新千歳(
航空自衛隊)
と丘珠(
陸上自衛隊)
はそ
れぞれ進入管制空域を確保している。丘珠空港南側から8マイル(
約 15km)
付近で,新千歳空港との境界線とな
る。両空港それぞれの進入経路は当該進入空域内で処理されるために,滑走路の設置方向を変えない限り,進入
経路は基本的に変
することができない。したがって,丘珠空港では冬季のほとんど進入する南側に進入経路を
地方拠点都市における都市型空港の有効活用に関する一
察
表 4 圏域別
通機関利用量(1
999
∼200
1年度)
1999年度
道央→道南
(1000人)
道央=道南
鉄道(
JR)
航空
道央
道南
道央
道央
道南
386,8
54
1
,814,390
385,280
1,825,621
3
83,436
圏域人口(人)
3,412,294
527,217
3,416,542
5
24,083
3
,419,985
520,275
52.9
73.
4
53.1
73.5
53.4
→
函館市・北斗
市・七飯町
1000人)
(
札幌市=函館市・
鉄道(
JR)
北斗市・七飯町
函館市・北斗
市・七飯町
→
札幌市
札幌市
(1000人)
→
函館市・北斗
市・七飯町
(1000人)
272.4
255.2
道央→道北
(1000人)
道北→道央
(1000人)
1,821.2
235.7
ペア都市名
257.4
271.3
道央→道北
(1000人)
道北→道央
(1000人)
道央→道北
(1000人)
道北→道央
(1000人)
1,775.4
1,815.3
1
,794.4
1,756.2
1,740.2
2
3
9
.1
213.9
223.4
204.0
札幌市
2000年度
北見市・網走
市・大空町・
美幌町
道北
札幌市
271.6
2001年度
北見市・網走
市・大空町・
美幌町
道央
1,80
4,258
208,338
1,814,390
2
08,105
1,825,621
207,277
圏域人口(人)
3,412,294
1,049,018
3
,416,542
1
,044,031
3,419,985
1,037,304
52.9
19.
9
53.1
19.9
53.4
札幌市
→
北見市・網走
市・大空町・
美幌町
(1000人)
札幌市=北見市・
網走市・大空町・ 鉄道(JR)
美幌町
札幌市
(1000人)
→
北見市・網走
市・大空町・
美幌町
(1000人)
186.4
192.2
道東→道央
(1000人)
札幌市
191.2
鉄道(JR)
航空
北見市・網走
市・大空町・
美幌町
→
道央
道北
札幌市
20.0
北見市・網走
市・大空町・
美幌町
→
(1000人)
→
北見市・網走
市・大空町・
美幌町
(1000人)
1
89.9
187.3
道央→道東
(1000人)
道東→道央
(1000人)
道央→道東
(1000人)
道東→道央
(1000人)
906.2
札幌市
000年度
2
1
999年度
道央→道東
(1000人)
道北
札幌市
21
4.1
北見市・網走
市・大空町・
美幌町
都市人口(
人)
北見市・網走
市・大空町・
美幌町
→
道央
札幌市
(1000人)
都市を含む圏域
圏域に占める割合(%)
道央=道東
札幌市
73.7
函館市・北斗
市・七飯町
→
(1000人)
270.7
札幌市
札幌市
690.3
9
5.5
函館市・北斗
市・七飯町
→
函館市・北斗
市・七飯町
(1000人)
札幌市
1999年度
鉄道(JR)
航空
函館市・北斗
市・七飯町
→
689.7
93.2
道南→道央
(1000人)
1,804,258
札幌市
道央=道北
道央→道南
(1000人)
都市人口(人)
圏域に占める割合(%)
653.8
106.0
2001年度
道南→道央
(1000人)
都市を含む圏域
札幌市
702.2
79
.0
函館市・北斗
市・七飯町
道央→道南
(1000人)
659.2
107.9
函館市・北斗
市・七飯町
道南
ペア都市名
697.6
7
8.7
2000年度
道南→道央
(1000人)
札幌市
(1000人)
185.6
2001年度
900.4
9
08
.
3
904.1
905.7
909.8
1
39.5
143.8
154.2
154.9
147.5
1
46.6
札幌市
釧路市・釧路
町・白糠町
札幌市
釧路市・釧路
町・白糠町
都市を含む圏域
道央
道東
道央
道東
道央
道東
都市人口(人)
1,804,258
239,3
80
1
,814,390
237,919
1,825,621
2
36,593
圏域人口(人)
3,412,294
734,553
3,416,542
7
32,38
6
3,419,985
730,090
52.9
32.
6
53.1
32.5
53.4
ペア都市名
圏域に占める割合(%)
札幌市
→
釧路市・釧路
町・白糠町
(1000人)
札幌市=釧路市・
鉄道(
JR)
釧路町・白糠町
釧路市・釧路
町・白糠町
→
札幌市
(1000人)
→
釧路市・釧路
町・白糠町
(1000人)
156.5
156.0
札幌市
155.2
出所)
per
s
onalc
ont
ac
tに基づき入手した資料を参
釧路市・釧路
町・白糠町
→
札幌市
札幌市
(1000人)
→
釧路市・釧路
町・白糠町
(1000人)
156.2
157.4
札幌市
釧路市・釧路
町・白糠町
32.4
釧路市・釧路
町・白糠町
→
札幌市
(1000人)
156.8
にして作成。
平岡祥孝
表 5 圏域別
通機関利用量(2
009
∼201
1年度)
2009年度
道央→道南
(1000人)
道央=道南
鉄道(
JR)
航空
ペア都市名
576.2
60.0
札幌市
2010年度
道南→道央
(1000人)
道央→道南
(1000人)
589.0
61.1
5
62.6
64.4
函館市・北斗
市・七飯町
札幌市
函館市・北斗
市・七飯町
道南→道央
(1000人)
563.3
60.1
5
81.2
58.5
札幌市
函館市・北斗
市・七飯町
道央
道南
道央
道南
道央
道南
都市人口(人)
1,890,857
3
62,848
1,896,207
360,227
1
,904,607
357,482
圏域人口(人)
3,400,007
499,687
3
,393,535
494,816
3,389,859
489,392
55.6
72.6
55.9
72.8
56.2
札幌市
→
函館市・北斗
市・七飯町
1000人)
(
札幌市=函館市・
鉄道(
JR)
北斗市・七飯町
函館市・北斗
市・七飯町
→
札幌市
(1000人)
→
函館市・北斗
市・七飯町
(1000人)
246.9
237.6
道央→道北
(1000人)
道北→道央
(1000人)
鉄道(JR)
航空
1,546.5
126.0
ペア都市名
札幌市
73.0
函館市・北斗
市・七飯町
→
(1000人)
2
45.2
239.9
道央→道北
(1000人)
道北→道央
(1000人)
道央→道北
(1000人)
道北→道央
(1000人)
1,557.8
1
,503.2
1,507.7
1,517.6
1,522.1
125.7
130.4
127.7
136.7
241.5
札幌市
函館市・北斗
市・七飯町
→
→
函館市・北斗
市・七飯町
(1000人)
札幌市
2009年度
札幌市
2010年度
北見市・網走
市・大空町・
美幌町
札幌市
札幌市
(1000人)
247.5
2011年度
北見市・網走
市・大空町・
美幌町
札幌市
1
3
2.0
北見市・網走
市・大空町・
美幌町
都市を含む圏域
道央
道北
道央
道北
道央
道北
都市人口(人)
1,890,857
196,034
1
,896,207
1
95,067
1,904,607
1
93,520
圏域人口(人)
3,400,007
993,808
3
,393,535
986,093
3,389,859
9
77,825
55.6
19.7
55.9
19.8
56.2
圏域に占める割合(%)
札幌市
→
北見市・網走
市・大空町・
美幌町
(1000人)
札幌市=北見市・
網走市・大空町・ 鉄道(JR)
美幌町
北見市・網走
市・大空町・
美幌町
→
札幌市
(1000人)
→
北見市・網走
市・大空町・
美幌町
(1000人)
170.9
166.2
道東→道央
(1000人)
道央→道東
(1000人)
札幌市
169.7
2009年度
道央→道東
(1000人)
道央=道東
580.7
65.2
道央→道南
(1000人)
都市を含む圏域
圏域に占める割合(%)
道央=道北
2011年度
道南→道央
(1000人)
鉄道(JR)
航空
ペア都市名
北見市・網走
市・大空町・
美幌町
→
札幌市
(1000人)
→
北見市・網走
市・大空町・
美幌町
(1000人)
166.7
168.8
道東→道央
(1000人)
道央→道東
(1000人)
札幌市
19.8
北見市・網走
市・大空町・
美幌町
→
札幌市
(1000人)
169.3
1年度
201
2010年度
道東→道央
(1000人)
815.4
806.4
7
93.7
780.0
752.3
73.9
104.3
103.2
1
09.4
110.5
109.1
111.4
札幌市
釧路市・釧路
町・白糠町
札幌市
釧路市・釧路
町・白糠町
札幌市
釧路市・釧路
町・白糠町
都市を含む圏域
道央
道東
道央
道東
道央
道東
都市人口(人)
1,890,857
218,052
1,896,207
2
15,808
1,904,607
2
14,007
圏域人口(人)
3,400,007
71,968
3,393,535
714,960
3,389,859
711,454
55.6
303.0
55.9
30.2
56.2
圏域に占める割合(%)
札幌市
→
釧路市・釧路
町・白糠町
1000人)
(
札幌市=釧路市・
鉄道(JR)
釧路町・白糠町
137.5
出所)per
s
onalc
ont
ac
tに基づき入手した資料を参
地方拠点都市における都市型空港の有効活用に関する一
察
釧路市・釧路
町・白糠町
→
札幌市
(1000人)
→
釧路市・釧路
町・白糠町
(1000人)
136.0
133.9
札幌市
にして作成。
釧路市・釧路
町・白糠町
→
札幌市
(1000人)
→
釧路市・釧路
町・白糠町
(1000人)
131.6
1
27.1
札幌市
30.1
釧路市・釧路
町・白糠町
→
札幌市
(1000人)
124.0
設定することは,現状では不可能に近い。滑走路
伸に際しては空域確保の問題も含めなければ無意味であろう。
Ⅲ.丘珠空港の高質的活用
1.
滑走路の
伸
既存資源の有効的活用および参入と撤退の自由を踏まえつつ丘珠空港の優位性に基づいた活用策は,ジエット
化の実現と道外路線の開設である。時代の潮流はジェット化である。札幌市は,1
9
9
6年7月に丘珠空港ジェット
化を断念し,2
0
04年に 1
,
500m までの 100m
伸で整備を終わらせた。もちろん BAe1
4
6型機のように,1
,
5
0
0
m であっても離発着可能なリージョナル・ジェット機もある。しかし,コスト削減に傾注する航空企業が機種の
込みを行なっている現状では,新機種導入は見込まれない。コミューター航空事業では,1社1機種が経営原
則である。この滑走路問題は,極めて大きな物理的制約要因となる。プロペラ機のみ就航する空港では機材革新
に対応できない空港となり,拠点化できる潜在的優位性を持ちながらも,空港自体が陳腐化していく可能性は否
定できない。
,5
0
8m の滑走路を有しているロンドンシティ空港では,実際には離陸で 1
,
1
9
9m,着陸は 1
,
3
1
9m で運用され
1
ている。A 3
18
−1
12型機,ERJ−170型機,ERJ−190型機等が就航している。しかし,このようなロンドンシティ
空港の事例あるいは前述した FDA の ERJ
−170型機のチャーター
の就航実績もってして,丘珠空港のジェッ
ト化の実現を見通すことは性急であろう。着陸性能から見れば DHC−Q 4
0
0型機が安全に停止するためには,滑
走路 1
,
5
0
0m では夏場の滑走路が乾いている場合であっても,20席程度の座席制限が必要と
財政状況の
0
0m
迫を鑑みるならば整備効果としては,滑走路の 3
えられる。
伸が最も優先順位が高いと
える。利尻
空港は滑走路 1
,8
00m で I
,
0
0
0m で I
LSが設置されてい
LSが設置されている。オホーツク紋別空港は滑走路 2
る。空域の問題も解決しなければならないけれども,ハード面においては滑走路強度の強化,あるいは滑走路距
離灯の設置が I
LSの設置よりも優先順位は高いかもしれない。
2.道外路線の開設
表6は,2
01
2年度 ANA 利用客の新千歳空港発着道内路線月別旅客数を示している。函館線の低迷が顕著であ
る。丘珠空港から新千歳空港への路線集約で鉄道(JR北海道)
との競争の面から最も影響を受けていると推察でき
る。ただ,表7に示した 2
013年上期 ANA 利用客の道内路線月別旅客数によれば,稚内線は3万 2
,
97
9人で前年
比 136
%,函館線は3万 1
,50
6人で前年比 121
%と,大きく増加している。稚内線では提供座席数が前年比 1
3
6
%
である。利尻線(
季節運航),女満別線,根室中標津線,釧路線も増加している。特に函館線では提供座席数が前
年と変わらないものの,JR北海道の事故による運休や減
の影響もあって,ビジネス需要が J
R北海道から転換
して集積していると推察できる。
しかしながら,丘珠空港の持続可能性を
置する地理的優位性を
着の旅客
えるならば,もはや道内路線だけでは困難であろう。札幌市内に位
慮するならば,ビジネス需要が見込まれる道外路線の開設が必要である。新千歳空港発
析を通して推定してみたい。
線はドル箱路線と呼ばれているように,当然のことながら一定のビジネス需要が存在している。
東京(羽田空港)
表8は,2
012年度 ANA 利用客の新千歳空港発着の仙台線,名古屋(中部国際空港)
線,大阪(
伊丹空港)
線,神戸
線,福岡線の月別旅客数を示している。利用率で見るならば,名古屋線4月・1月,福岡線 1
1月,仙台線1月は
0%台である。ちなみに仙台線ならば,距離的には DHC−Q 4
0
0型機でも就航可能である。
5
表9は,ビジネス需要の推定を試みるべく,ANA 利用客の札幌(
新千歳空港)
発着における東京線,大阪線,名
古屋線の上り
高需要
,下り
を限定して予約変
可型運賃を利用した旅客需要(
定期
合計)を整理している。東京線
は下り(
東京→札幌)9時∼1
0時台,上り(札幌→羽田)
1
7
∼1
9時台である。伊丹線高需要
→札幌)
8時台,上り(
札幌→伊丹)17時台である。なお伊丹∼札幌の全
名古屋線高需要
は下り(
伊丹
合計は関西空港・神戸空港発着も含む。
は下り(
名古屋→札幌)9時∼10時台,上り(
札幌→名古屋)
1
6時∼1
8時台である。
同表から明らかなように,羽田線は一定のビジネス需要が集積している。次いで人数的には伊丹線であるが,
比率的には名古屋線となる。3路線とも札幌圏への業務出張が中心となるであろう。したがって,固定費を一定
にして損益
岐点搭乗率 6
5%を仮定すれば,空港能力が向上し空港容量が拡大できれば,空港運用時間帯の拡大
平岡祥孝
表 6 新千歳空港発着
月
路線
道内路線月別旅客(201
2年度 ANA利用客)
数 座席数
( ) (席)
乗客数
(人)
降客数
(人)
旅客数
合計
(人)
利用率
(%)
月
路線
数 座席数 乗客数 降客数
( ) (席) (人) (人)
旅客数
合計
(人)
利用率
(%)
稚内
利尻
釧路
10月 函館
女満別
中標津
紋別
124 9,176
0
0
186 18,964
120 8,880
186 17,348
186 17,202
8 1,390
2,420
0
5,02
6
2,483
3,933
4,721
401
2,446
0
5,092
2,218
3,774
4,398
1
61
4,866
0
10,11
8
4,70
1
7,70
7
9,119
56
2
53.0
稚内
利尻
釧路
11月 函館
女満別
中標津
紋別
110
0
177
118
178
172
58
8,140
0
16,166
8,732
16,020
18,064
10,208
1,386
0
3,993
2,11
8
3,750
4,324
2,320
1,467
0
4,368
2,052
3,904
4,566
1,644
2,853
0
8,361
4,170
7,65
4
8,890
3,96
4
35.0
稚内
利尻
釧路
函館
女満別
中標津
紋別
2 6,068
8
0
0
17
5 15,966
107 7,918
180 16,422
172 17,984
56 9,604
823
0
3,884
1,925
3,570
4,081
1,846
7
09
0
3,638
1,693
3,107
3,674
1,
332
1,532
0
7,522
3,618
6,677
7,755
3,17
8
25.2
4,703
4,780
8,709
4,531
7,293
8,623
0
51.1
稚内
6
2.2
利尻
47.1
釧路
50.2 1月 函館
42.9
女満別
5
2.4
中標津
紋別
82 6,068
0
0
180 16,440
120 8,880
181 17,575
179 18,
838
58 9,808
8
93
0
3,607
1,622
3,608
3,965
1,531
954
0
4,187
1,782
3,853
4,569
1,353
1,847
0
7,794
3,404
7,461
8,534
2,884
30.4
2,248
1,866
4,346
2,280
3,783
4,489
0
4,217
3,864
8,399
4,639
7,647
9,1
67
0
46.0
稚内
5
0.3
利尻
4
6.2
釧路
50.6 2月 函館
女満別
46.0
中標津
54.6
紋別
84 6,216
0
0
,996
161 16
103 7,622
162 17,680
162 17,160
0
0
8
97
0
3,591
1,623
5,085
3,781
0
7
87
0
3,842
1,577
3,838
3,841
0
1,68
4
0
7,433
3,20
0
8,923
7,62
2
0
27.1
2,426
2,231
4,705
2,248
3,662
4,330
0
4,339
4,443
9,153
4,673
7,393
8,871
0
48.9
稚内
58.8
利尻
51.7
釧路
53.5 3月 函館
45.5
女満別
55.0
中標津
紋別
105 7,770
0
0
168 15,756
118 8,82
4
176 16,348
170 17,568
0
0
1,355
0
3,604
1,826
3,671
3,874
0
1,263
0
3,697
1,732
3,215
3,994
0
2,61
8
0
7,301
3,558
6,88
6
7,868
0
稚内
利尻
釧路
4月 函館
女満別
中標津
紋別
114 8,436
0
0
174 18,416
18 8,732
1
174 15,544
176 15,784
0
0
1,296
0
3,716
1,933
2,500
3,412
0
1,233
0
3,748
1,627
2,548
3,317
0
2,529
0
7,464
3,560
5,048
6,729
0
稚内
利尻
釧路
5月 函館
女満別
中標津
紋別
124 9,176
0
0
173 1
7,954
122 9,120
186 16,616
186 17,736
0
0
1,93
0
0
3,532
2,233
3,008
3,825
0
2,009
0
3,570
2,022
2,881
3,889
0
3,939
0
7,102
4,255
5,889
7,714
0
42.9
稚内
利尻
釧路
6月 函館
女満別
中標津
紋別
118 8,732
60 7,560
176 17,716
118 8,732
180 1
6,174
180 1
6,442
0
0
1,975
2,343
3
,904
2
,228
3,
187
3,974
0
2,519
2,109
4,238
2,098
6
3,18
3,949
0
4,494
4,452
8,142
4,326
6,373
7,923
0
51.5
58.9
46.0
49.5 12月
39.4
48.2
稚内
利尻
釧路
7月 函館
女満別
中標津
紋別
122 9
,212
61 7,686
180 18,472
122 9,028
186 1
6,988
184 1
6,468
0
0
2,008
2,517
4,315
2
,280
3
,788
4,450
0
2,695
2,263
4,394
2,251
3,505
4,173
0
稚内
利尻
釧路
8月 函館
女満別
中標津
紋別
124 9,176
61 7,686
180 18,196
124 9,176
186 16,616
186 16,800
0
0
1,969
1
,998
4,053
2,359
3,864
8
4,67
0
稚内
利尻
釧路
9月 函館
女満別
中標津
紋別
120 8
,880
60 7
,560
172 17,696
118 8,732
180 16,2
66
178 16,138
0
0
1,913
2,212
4,448
2,425
3,731
4,541
0
出所)per
s
onalc
ont
ac
tに基づき入手した資料を参
30.0
40.5
40.8
32.5
42.6
3
9.6
46.7
35.4
4
3.5
53.4
52.9
44.4
53.0
40.4
51.7
47.8
47.8
49.2
38.8
47.1
45.7
40.7
43.1
33.1
47.4
38.3
42.5
45.3
29.4
43.7
42
.0
50.5
44.4
33.7
46.3
40.3
42.1
44.8
にして作成。
とともに丘珠空港発着路線開設は可能であろう。
たとえば,東京線ならばB 73
7型機(
1
3
0席程度)
を高需要集中時間帯に3∼4往復
を設定させるだけの需要
が見込めるであろう。伊丹線・名古屋線では機材の小型化を図り,CRJ等のリージョナルジエット機(
7
0席程度)
を高需要集中時間帯に1往復
を設定できるのではないだろうか。
쒂.むすびにかえて
滑走路 300m
伸,空港容量(発着枠)
拡大,空港運用時間の
長によって丘珠空港の高質的活用が実現するな
らば,道内路線と道外路線を組み合わせることが可能となれば,参入と撤退を選択肢に持つ航空企業は,路線・
数の面から経営の自由度が高まる。収益性の高い路線の提供座席数を増加させることによって,内部補助構造
地方拠点都市における都市型空港の有効活用に関する一
察
表 7 20
13年上期新千歳発着道内路線別提供座席数・旅客数(ANA利用客)
4月
提供座席数(席)
5月
前年比
利尻(季節運航)
稚内
8,510 101%
女満別
12,876 83%
新千歳
根室中標津
12,876 82%
釧路
18,544 101%
函館
8,732 100%
北海道内合計
61,538
92%
北海道内合計
3,141
5,373
7,064
7,518
3,581
26,677 105%
月
路線
合計
9,016 98%
13,752 83%
13,948 79%
18,988 106%
9,028 99%
7,306 97%
10,616 122%
13,234 82%
13,320 81%
18,712 106%
8,878 102%
7,812 102%
14,880 162%
13,752 81%
13,616 83%
19,172 104%
8,880 98%
7,560 98%
14,806 161%
13,688 82%
13,764 82%
18,692 103%
9,176 100%
7,560
14,320
13,172
13,320
18,248
9,064
64,732
72,066
78,112 100%
77,686 100%
75,684 101% 429,818 97%
7月
8月
92%
5,286
6,596
7,780
7,398
4,500
96%
6月
前年比
134%
112%
101%
104%
106%
31,560 109%
出所)per
s
onalcont
actに基づき入手した資料を参
表 8 新千歳空港発着
9月
前年比
5月
124%
106%
105%
101%
101%
8月
前年比
前年比
利尻(季節運行)
稚内
女満別
新千歳
根室中標津
釧路
函館
7月
前年比
4月
旅客数(人)
6月
前年比
前年比
4,489
5,916
7,431
7,941
7,696
4,760
前年比
101%
132%
117%
100%
95%
110%
5,509
6,771
7,696
8,799
8,608
5,655
38,233 107%
43,038 111%
4,744
6,347
7,769
9,724
9,729
7,034
123%
151%
102%
106%
116%
152%
45,347 120%
前年比
100% 30,238
161% 72,148
81% 80,474
83% 80,844
103% 112,356
104% 53,758
99%
135%
82%
81%
104%
100%
9月
前年比
115%
144%
106%
102%
99%
125%
前年比
合計
前年比
4,277
5,518
8,028
8,976
9,615
5,976
96%
127%
109%
101%
105%
128%
前年比
19,019
32,979
42,893
50,284
50,564
31,506
108%
136%
108%
103%
103%
121%
42,390 109% 227,245 111%
にして作成。
仙台・中部国際・伊丹・神戸・福岡線月別旅客数(201
2年度 ANA利用客)
数
( )
座席数
乗客数 降客数 旅客数合計 利用率
(席)
(人) (人) (人) (%)
月
路線
数
( )
座席数
乗客数 降客数 旅客数合計 利用率
(席)
(人) (人) (人) (%)
仙台
中部国際
4月 伊丹
神戸
福岡
235
382
60
175
60
30,393 8,453 7,792
64,521 16,268 16,546
24,300 6,131 5,795
39,346 9,505 9,249
9,626 3,183 3,137
16,248
32,814
11,926
18,754
6,320
53.5
50.9
49.1 10月
47.7
65.7
仙台
中部国際
伊丹
神戸
福岡
239
534
62
185
62
31,198
93,097
25,982
43,710
28,099
12,042
30,491
10,189
14,608
10,381
24,755
63,854
20,968
30,353
20,987
79.3
68.6
80.7
69.4
74.7
仙台
中部国際
5月 伊丹
神戸
福岡
243
436
62
186
62
31,219
73,852
25,219
37,736
11,442
10,539
24,976
10,431
12,498
4,466
10,191
23,381
10,430
11,185
4,536
20,730
48,357
20,861
23,683
9,002
66.4
65.5
82.7 11月
62.8
78.7
仙台
中部国際
伊丹
神戸
福岡
237
415
60
179
60
28,735 10,623 9,956
76,088 21,971 20,441
23,490 6,766 7,006
41,882 11,869 11,567
24,620 6,405 6,084
20,579
42,412
13,772
23,436
12,489
71.6
55.7
58.6
56.0
50.7
仙台
中部国際
6月 伊丹
神戸
福岡
239
475
59
178
60
31,067
72,838
23,895
41,610
30,393
11,696
26,148
10,322
13,397
9,858
12,510
24,763
11,036
12,352
9,960
24,206
50,911
21,358
25,749
19,818
77.9
69.9
89.4 12月
61.9
65.2
仙台
中部国際
伊丹
神戸
福岡
247
395
83
183
61
31,462 9,154 9,553
73,073 18,561 20,456
32,483 10,005 11,087
41,256 11,856 11,353
25,846 8,562 8,746
18,707
39,017
21,092
23,209
17,308
59.5
53.4
64.9
56.3
67.0
仙台
中部国際
7月 伊丹
神戸
福岡
248
498
100
186
62
32,616
82,807
40,318
42,732
31,868
14,045
28,663
14,023
12,620
10,547
13,819
26,620
14,114
11,374
10,272
27,864
55,283
28,137
23,994
20,819
85.4
仙台
中部国際
66.8
69.8 1月 伊丹
神戸
56.1
福岡
65.3
249
405
75
186
62
31,048
74,209
31,522
43,865
27,719
8,921
20,049
13,155
12,905
10,983
6,795
17,212
12,716
11,940
11,335
15,716
37,261
25,871
24,845
22,318
50.6
50.2
82.1
56.6
80.5
仙台
中部国際
8月 伊丹
神戸
福岡
248
498
124
185
62
32,579
82,485
50,220
43,710
31,432
15,497
34,399
18,856
14,511
12,123
14,448
32,097
18,596
12,621
11,863
29,945
66,496
37,452
27,132
23,986
仙台
91.9
80.6
中部国際
74.6 2月 伊丹
神戸
62.1
76.3
福岡
221
388
56
168
56
27,026 8,867
77,083 22,271
24,642 8,682
39,328 11,204
25,950 9,844
7,895
21,245
8,483
9,969
8,763
16,762
43,516
17,165
21,173
18,607
62.0
56.5
69.7
53.8
71.7
仙台
中部国際
9月 伊丹
神戸
福岡
240
509
60
178
60
31,138
86,625
24,518
41,300
28,006
13,765
32,336
11,350
15,043
10,364
13,555
30,332
11,329
13,724
10,619
27,320
62,668
22,679
28,767
20,983
87.7
仙台
72.3
中部国際
92.5 3月 伊丹
神戸
69.7
福岡
74.9
243
424
61
183
61
28,360 8,830
71,517 20,447
24,705 7,964
42,683 11,826
16,875 6,465
8,157
19,544
8,080
10,611
6,053
16,987
39,991
16,044
22,437
12,518
59.9
55.9
64.9
52.6
74.2
上期合計
6,170 1,229,811 436,013418,246854,262 69.5
出所)per
s
onalcont
actに基づき入手した資料を参
下期合計
12,713
33,363
10,779
15,745
10,606
5,840 1,207,553 381,391362,758744,149 61.6
にして作成。
平岡祥孝
表9 2
012年度
東京/大阪/名古屋=札幌需要動向実績(ANA利用客)
4月
下り高需要 計
羽田∼札幌
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
1月
2月
3月
合計
(31.7%)(25.3%)(21.7%)(25.5%)(27.8%)(21.2%)(24.4%)(26.7%)(29.8%)(26.7%)(25.0%)(26.8%)(25.7%)
6,704 8,476 9,567 11,284 12,647 9,761 10,231 8,846 8,035 9,322 8,577 8,506 111,956
上り高需要 計
(28.8%)(25.4%)(24.8%)(26.7%)(27.9%)(23.1%)(25.5%)(33.4%)(29.8%)(34.2%)(26.3%)(29.2%)(27.5%)
59,819 68,845 74,674 87,290 118,895 81,240 81,460 74,562 83,114 77,494 72,640 74,425 954,458
全 合計
(24.1%)(21.7%)(21.2%)(24.2%)(28.0%)(19.8%)(21.7%)(25.0%)(26.9%)(26.8%)(23.6%)(23.5%)(23.8%)
1,149 1,437 1,476 2,331
下り高需要 計
伊丹∼札幌
5月
6,021 7,046 7,941 9,580 11,296 8,294 8,799 7,279 9,375 5,781 7,225 6,892 95,529
2,605 1,699 1,474 1,282 1,701 1,010 1,345 1,513 19,022
(19.8%)(13.8%)(13.4%)(21.8%)(23.4%)(15.0%)(14.5%)(18.3%)(20.1%) (9.0%) (15.9%)(18.7%)(16.7%)
1,203 1,630 1,450 2,390
上り高需要 計
2,922 1,851 1,598 1,316 1,370 1,487 1,448 1,550 20,215
(19.6%)(15.6%)(14.0%)(21.7%)(24.8%)(16.3%)(14.8%)(19.5%)(17.5%)(13.5%)(16.7%)(19.5%)(17.7%)
9,133 11,058 11,673 16,572 22,061 13,448 12,708 10,795 13,179 11,636 11,887 13,269 157,419
全 合計
(15.5%)(13.2%)(13.1%)(18.5%)(21.2%)(14.4%)(12.7%)(14.3%)(16.7%)(13.4%)(15.6%)(17.8%)(15.6%)
1,016
下り高需要 計
880
1,190 1,895
2,106 1,204 1,155 1,176 1,795 1,020 1,141 1,405 15,983
(23.2%)(12.6%)(17.9%)(27.9%)(28.5%)(15.6%)(15.0%)(17.4%)(25.8%)(17.4%)(17.5%)(25.8%)(20.2%)
574
名古屋∼札幌 上り高需要 計
692
1,242 2,127
2,410 1,378 1,234 1,121 1,045 1,347 1,004 1,172 15,346
(23.9%)(19.5%)(18.5%)(28.1%)(29.5%)(18.6%)(16.2%)(18.2%)(19.9%)(24.9%)(19.2%)(25.4%)(21.9%)
6,426 7,650 8,821 13,337 17,533 9,748 9,115 7,242 8,954 8,343 7,579 9,090 113,838
全 合計
(19.6%)(15.9%)(17.4%)(24.2%)(26.5%)(15.7%)(14.4%)(17.1%)(23.2%)(22.6%)(17.4%)(22.7%)(19.6%)
씗条件>
①実績については定期 利用者の合計である。
②伊丹∼札幌の全 合計は,関西空港と神戸発着も含む。
③高需要 については各路線以下の通り想定した。
羽 田∼札 幌:(下り,羽田⇨札幌) 9時∼10時台
(上り,札幌⇨羽田) 17時∼19時台
伊 丹∼札 幌:(下り,伊丹⇨札幌) 8時台
(上り,札幌⇨伊丹) 17時台
名古屋∼札 幌:(下り,名古屋⇨札幌) 9時∼10時台
(上り,札幌⇨名古屋) 16時∼18時台
出所)per
s
onalc
ont
ac
tに基づき入手した資料を参
にして作成。
を有効に働かせることが可能となる。それは,ダイヤ政策や運賃政策あるいは商品造成に
意工夫の余地が開か
れる。内部補助構造をはたらかせるならば,さらに生活路線の維持ないし充実につながる。
需要が集積していく過程で,I
。I
LSの設置も検討課題となるであろう웍
웗
LSは悪天候時においても所定の進入方
3 新千歳空港は2本の滑走路を
有しているけれども,1カ所
だけ I
LSが未整備である。新
向と降下経路に
った安全な着陸を可能とする着陸援助施設である。I
LSが設置されていないために,現状では着
陸誘導管制業務(GCA)で行なわれる。GCA は,空港監視レーダー(
と精密進入レーダー(
を利用して
ASR)
PAR)
年度の北海道予算案では道内
空港の整備事業が大幅に増額
航行する機に対して,管制官が針路や高度を指示・誘導して,着陸させる。二次監視レーダー(
は ASRと組
SSR)
されているので,I
LS整備着
手の可能性が出てきている。
み合わせて
整備されるならば管制機能が
補完され,
1時間当たり 3
2
に制限されている発着枠が拡
大することになろう。
用される。
丘珠空港では 1
5 に1回)
。そのために,空港運用時間の制約と
GCA では,一定の離発着間隔が必要となる(
あいまって,ビジネス需要対応のダイヤ編成に支障をきたすことになる。また,悪天候時の就航率が低下するた
めに,飛行機利用の信頼度が低下する。これらは,航空企業の事業機会を逃してしまうことにつながる。
また,空港アクセス整備については,既存資源の有効的活用および
共
通機関の利用促進という視点に立て
ば,空港アクセスは,地下鉄東豊線栄町駅を活用することである。東京都箱崎の TCAT,横浜市の YCAT,神
戸市の K-CAT などのように,栄町駅直結の既存
物を活用した シティ・エア・ターミナル を設置して,発着
ごとの小型シャトルバスの運行で対応する。地下鉄駅再開発は,駅周辺地区の再活性化につながる。
空港バスの運行を札幌駅前発着以外に,円山
園駅ターミナルないしは宮の沢駅ターミナルからの運行,ある
いは麻布駅ターミナル発新千歳空港行空港バスの丘珠空港経由運行は検討に値する。運行の可否や効率的なダイ
ヤ編成は,採算性を踏まえることは当然であるが,それらは社会実験を行なうことによって判断できよう。
アクセス整備において重要な点は,キャッチメント・エリア(
市場獲得地域)
の拡大と確保を図ること,および
旅客需要の集積を図ることを意識して,空港利用者に対して円滑で確実な
通手段を提供するという視点から,
空港アクセスの改善と空港の成熟化は表裏一体の関係にある。
あらためて丘珠空港ジェット化の議論が再燃してきた。
しかるに空港周辺の地域住民の理解と協力なくしては,
またしても丘珠ジェット化は画餅に帰す。札幌市の
れとともに,北海道が
地方拠点都市における都市型空港の有効活用に関する一
合
察
通インフラ整備の姿勢が何よりも問われることになる。そ
通政策体系を確立することができるか否かが,丘珠空港整備の鍵を握ることになる。
参
文献
[1]平岡祥孝・森雅人・千葉昭正 地域活性化に果たす地方自治体の役割と住民参加
めぐって
얨丘珠空港ジェット化の前提条件を
얨 北海道自治研究 第 35
6号,199
9年9月,pp.
4
∼1
5。
[2]平岡祥孝・森雅人・千葉昭正 都市基盤整備と地域住民の参加のあり方
査結果をめぐって
얨丘珠空港の高質的活用と住民アンケート調
얨 北海道自治研究 第 396号,2
002年1月,pp.
1
6∼2
8
。
[3]平岡祥孝 規制緩和時代における地方自治体の役割
얨札幌丘珠空港の高質的活用について
얨
益事業研究 第 54
巻第4号,2
003年3月,pp.
45
∼57。
[4]平岡祥孝・森雅人・千葉昭正 北海道の航空ローカルネットワーク形成のあり方
アンケート調査結果をめぐって
얨釧路・函館・稚内のビジネス需要
얨 北海道自治研究 第 42
2号,2
00
4年3月,pp.
2
5∼3
6
。
[5]平岡祥孝・森雅人・千葉昭正 北海道の航空ローカルネットワーク形成のあり方
ト調査結果をめぐって
얨札幌発道内ビジネス需要アンケー
얨 北海道自治研究 第 426号,2
0
04年7月,pp.
2
3∼3
5
。
[6]平岡祥孝・森雅人・千葉昭正 北海道の航空ローカルネットワーク形成のあり方
ケート調査結果をめぐって
얨根室中標津発ビジネス需要アン
얨 北海道自治研究 第 4
34号,2
0
0
5年3月,pp.
1∼9
。
[7]平岡祥孝・森雅人・千葉昭正 北海道観光に果たす札幌丘珠空港の役割に関する一
日曜日の旅客
析
察
얨函館線・釧路線の土曜日・
얨 北海道自治研究 第 4
62号,20
07年7月,pp.
2
∼1
1
。
[8]平岡祥孝 札幌丘珠空港のシティ・エアポート機能の強化 平岡祥孝・高橋清編著 北海道再
への戦略
얨豊かな ス
トック社会 に向けて 北海道新聞社,20
07年4月,pp.
49
∼7
0
。
[9]平岡祥孝・森雅人・千葉昭正 札幌丘珠空港のアクセスに関する一
めぐって
察
얨空港連絡バス利用者アンケート調査結果を
얨 北海道自治研究 第 463号,200
7年9月,pp.
1∼1
3
。
[1
0
]平岡祥孝 ANA の札幌丘珠空港路線撤退に関する
[1
1]平岡祥孝 地方
権時代における
益事業
析
北海道自治研究 第 50
3号,2
01
0年 12月,pp.
1
2
∼1
8。
얨ローカル航空路と地域経済
얨
益事業研究 第 62巻第4号,20
11年
4月,pp.
52
∼5
9。
[1
2]森雅人・平岡祥孝・千葉昭正 市街地空港の高質的活用に関する研究
얨丘珠空港をモデルとして
얨 都市問題 第 91
巻第9号,2
00
0年7月,pp.
87
∼10
5。
付記
脱稿後に,FDA が 20
14年に小型ジェット機 ERJ17
0(7
6席)
を6月 2
8日∼9月 2
0日の毎週土曜に県営名古屋(
小牧)
空
港と丘珠空港の間を1往復ずつ,チャーター
最大計 26 を運航する計画を発表した。また,札幌市は3月 1
9日の市議会
予算特別委員会において,毎日 15 程度の小型ジェット機の発着が可能とする試算を明らかにした。
平岡祥孝
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