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温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」(GOSAT)の データ処理・検証・利用

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温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」(GOSAT)の データ処理・検証・利用
委38-2-2
10月22日宇宙開発委員会資料
温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」(GOSAT)の
データ処理・検証・利用の準備状況について
平成20年10月22日
(独)国立環境研究所 GOSATプロジェクト
環境省地球環境局総務課 研究調査室
1.GOSATプロジェクト実施体制
文部科学省
(オブザーバ)
GOSAT開発利用推進協議会
宇宙航空研
究開発機構
国立環境研
究所
①温室効果ガス観測センサ及び衛
①GOSATレベル1データ
星の開発(センサは、JAXA
/環境省の共同開発)
②打上げ
③衛星の運用、衛星観測
データの取得
(データの受信・記録含む)
④衛星観測データの処理・
校正
⑤熱赤外データ処理アルゴ
リズムの開発及び維持改訂
⑥衛星観測データの提供
⑦環境省/環境研が行う全
球濃度分布の算出、検証、
吸収排出量の推定への協
力(熱赤外等)
と参照データからの、大
気放射伝達モデルの逆推
定による、温室効果ガス
濃度分布の算出
②算出した濃度の、地上
観測等による検証計画の
策定と実施
③地上及び衛星観測デー
タからの大気輸送モデル
の逆推定による全球炭素
吸収分布の推定
④処理プロダクトの提供
⑤JAXAが行う温室効果
ガス観測センサ及び衛星
の開発・打上げ、衛星運
用・観測、レベル1処理に
対する協力
GOSAT計画全般に関し、科学技術面
から必要な提言・助言を行う
環境省
①温室効果ガス観測セン
サの開発
(JAXAへの契約)
②温室効果ガス観測セン
サの処理プロダクトの検
証
(NIESと協力)
③炭素循環に係わる科
学的知見の不確実性の
低減や、温室効果ガス吸
収排出状況の把握などを
通して環境行政に貢献
指名
GOSATサイエンスチーム
チーフサイエンティスト
GOSAT
サイエンスチーム
・短波長赤外WG
・熱赤外WG
・CAI WG
・校正WG
・検証WG
・炭素収支モデルWG
編成、運営
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1.国立環境研究所GOSATプロジェクト実施体制
研究担当理事
企画部(企画室・広報国際室)
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2.国立環境研究所のデータ定常処理システムの
開発状況 (1) 開発内容
‹ 温室効果ガス観測技術衛星(GOSAT)プロジェクトにおいて、GOSAT
が観測するデータの定常処理・解析を目的としたシステムの
開発、及び運用に関わる事項を実施。
¾ データの処理・再処理・保存・提供・データ質検証
GOSAT
衛星観測
データの受信
レベル1
データ処理
JAXA/EORC
当該施策の範囲
定常処理システムの
開発・運用
レベル2以降の
データ処理・再処理
保存・提供
NIES
二酸化炭素・メタンの
カラム濃度算出・提供
炭素収支推定分布
の算出・提供
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2.国立環境研究所のデータ定常処理システムの
開発状況 (2) GOSATデータ処理の概要
(L1A)
(L1B)
:国立環境研究
所の担当部分
輝度分布(雲情報等)
(L2:各地点濃度)
L3:全球濃度分布)
(L4B)
(L4A)
〔蓄積した時間変動(月・
季節変動)情報を利用〕
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2.国立環境研究所のデータ定常処理システムの
開発状況 (3) 標準プロダクトのレベル定義
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2.国立環境研究所のデータ定常処理システムの
開発状況 (4) システム開発・運用
‹【システム開発】
¾平成19年7月の詳細設計及びその後の変更要求に基づいた開発を実施。
単体試験、結合試験を完了。7月~9月:ミッションシミュレーション試験、運用
性確認試験を完了。今後2回に分けてEnd-to-End試験を実施予定。
¾12月24日に、GOSAT DHF 開発完了審査会を予定。
‹【処理アルゴリズム開発】
¾GOSATに搭載されるTANSO-FTS, CAIのアルゴリズム開発担当グループ
(SWIRグループ、熱赤外グループ、CAIグループ)、モデルグループと定期
的に会合を行い、処理アルゴリズムを入手し、システムへの実装を完了。
‹【計算機ハードウエア調達】
¾昨年度までに二次調達までを完了。今年度は2回に分けて三次調達を実施。
‹【システム運用体制の準備】
¾平成20年度冬期の衛星打上げに備え、オペレータ業務の入札を行い、10月
より4名体制で運用体制に入っている。来年1月からは7名体制を予定。
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2.国立環境研究所のデータ定常処理システムの
開発状況 (5) 対外機関協力
‹ データ処理協力
¾ 気象庁からは、GOSATのデータ処理に必須な参照データ(GPVデータ
など)を受領予定(協定による)。
¾ 東大基盤情報センターの計算機利用(処理の一部)と共同研究(高速
化など)。
¾ TANSO-CAIに関するアルゴリズム開発と提供を依頼。雲マスク処理、
エアロゾルパラメータ導出処理等。契約先は、東大CCSR、東海大、千
葉大、近畿大。
‹ その他の機関間協力
¾ 海外の英国Leicester 大及びEdinburgh大との共同研究
z OCOとGOSAT データからのCO2濃度導出アルゴリズムと炭素収支推定
に関する共同研究(情報交換)。
¾ 米国OCOの開発担当であるJPL/カリフォルニア工科大学と国立環境
研究所とで、データ処理手法、分光パラメータ、検証データに関する情
報交換。
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3. 検証準備の進捗状況 (1)
‹ 検証計画案(2008年8月20日版)を調査・策定。
検証準備作業及び検証作業の実施については、各所の検証サイトの選定、現地との連絡・
準備、検証データの取得解析準備は国立環境研究所が担当し、事業経費は環境省からの請
負経費で実施している。
‹ 国内外の地上設置高分解能FTSの候補サイトの担当者に検証データ取
得の協力をよびかけている。
図 衛星打ち上げ後のGOSATプロ
ダクトの検証実験の模式図
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3. 検証準備の進捗状況 (2)
‹ 優先順位付け
評価基準は、地形:単純→複雑、季節変動:小→大、大気汚染:小→大。
上記の優先順位に基づきサイトの責任者と個別に協力方法について討議。
契約交渉を進めている。
◆ 国内の検証データ取得の準備(2地点):つくば、母子里
¾
つくばの検証サイトの準備、航空機観測
データ (JAL等)調査収集準備等
◆ 海外検証データ取得提供サイト:
Lauder (New Zealand), Wollongong,
Darwin (Australia), Park Falls,
Lamont (USA), Bremen (Germany),
Orleans (France), Bialystok (Poland),
Ny Alesund (Norway)
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4. データ利用推進 (1) 研究公募関連
(Research Announcement; RA)
‹ 研究公募概要
¾ 三機関で研究公募を5分野で発出し、第1回の研究公募課題を採択。
¾ 採択課題では、標準プロダクトだけでなく研究プロダクトの利用も可能。
可能な範囲で特定点観測の要求を出すことが可能。校正・検証・アルゴリ
ズム分野の課題代表者は優先的に研究に必要な標準プロダクトにアクセ
ス可能。(なお、公募研究には三機関より研究費を供出しない)。
‹ 第1回研究公募:平成20年4月7日~7月8日
¾ 応募課題数58件のうち、提案課題の査読を経て「RA評価・選定委員会」
の検討結果に基づいて52課題を採択。
‹ 採択件数(分野別)
¾ 校正:4、検証:15、データ処理アルゴリズム:11、炭素収支推定・大気輸
送モデル:6、データ利用研究:16
(計52課題)
‹ 採択件数(課題代表者の所属機関国別)
¾ 日本:23、アメリカ:7、ドイツ:6、ロシア:4、カナダ:3、オランダ:3、
英国:2、フランス:2、ニュージーランド:1、中国:1
(計52課題)
‹ データ利用ワークショップと課題代表者会議を開催予定(11月5~7日)
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三者連携の進捗・準備状況
○温室効果ガス観測センサの開発((独)宇宙航空研究開
発機構と環境省との共同開発、平成15年度~19年度)
○同センサの観測データ検証( 環境省の予算で(独)国立
環境研究所が実施、平成20年度~)
○GOSATデータの利用推進
・GOSATサイエンスチームの共同運営
・GOSAT研究公募の共同実施
○GOSATによる「組織的観測の維持及び開発の促進」と
「データの科学的利用に基づく科学的知見の獲得・提供」
によって、温暖化防止に対するわが国の国際貢献を果
たす予定。
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