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公共工事の入札契約及び施工管理等 に関する問答集

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公共工事の入札契約及び施工管理等 に関する問答集
県の公共工事を受注される建設業者の皆様へ
公共工事の入札契約及び施工管理等
に関する問答集
本問答集は、平成22年4月1日現在の静岡県としての考え方を示しており、今後変更する場合もあ
りますのでご了承ください。
平成22年4月1日現在
静岡県交通基盤部建設支援局建 設 業 課
工事検査課
目
次
一括下請負について
質問1
質問2
質問3
質問4
質問5
質問6
一括下請負とは何か
外注比率が何%なら一括下請負と疑われるのか
特殊工事を専門工事業者に下請させると一括下請負になるのか
複数の業者と下請契約を結んだら一括下請負になるのか
上請け、横請けは禁止されているのか
実質的な関与とはどのような行為を意味しているのか
1
2
請負契約関係について
質問7
質問8
質問9
質問 10
質問 11
質問 12
質問 13
質問 14
質問 15
請書の記入について
2
オペレーター付きリース契約等は下請契約にあたるか
直営施工の定義について
常傭、人工出し等は建設工事の下請契約にあたるか
3
個人に下請負させた場合の下請契約について
協力会社等に下請負させた場合の下請契約について
特殊工事を商社に下請負に出すことは可能か
特定建設業でない者から3000万円以上の下請工事を受注した場合は建設業法違反となるか 4
共同企業体構成員への下請負について
主任技術者及び監理技術者の資格について
質問 16
質問 17
質問 18
質問 19
質問 20
在籍出向社員は主任技術者等になれるのか
工事期間中のみ雇用契約を締結した者は主任技術者等になれるのか
派遣社員は主任技術者等になれるか
身分確認のため保険証を携帯していなければならないのか
社会保険に加入していない場合の雇用関係の確認方法は
4
5
主任技術者、監理技術者等の配置等について
質問 21
質問 22
質問 23
質問 24
質問 25
質問 26
質問 27
質問 28
質問 29
質問 30
質問 31
質問 32
専任要件基準金額を上げることはできないか
営業所の専任技術者が 1 人しかいない場合の受注について
下請業者の主任技術者の専任配置等について
下請業者の工事受注数について
下請負金額が3000万以上になった場合、下請業者も監理技術者を配置するのか
共同企業体における監理技術者の配置について
主任技術者の兼務について
監理技術者の兼務について
主任技術者等の専任配置解除と解除時期について
制限付き一般競争入札等における配置予定技術者の要件について
制限付き一般競争入札等における配置予定技術者の変更について
現場代理人の兼務について
5
6
7
施工体制関係について
質問 33
質問 34
質問 35
質問 36
質問 37
質問 38
質問 39
質問 40
3000万円未満でも施工体制台帳を作成するのか
無許可業者と下請契約した場合は施工体制台帳に記載する必要があるのか
施工体制台帳に直用を記載するのか
施工体制台帳を提出する下請契約金額の範囲について
施工体制台帳に添付する下請契約書の範囲について
下請契約書の写しの添付について
施工体制台帳の作成方法について
施工体系図の掲示場所について
7
8
その他
質問 41
質問 42
質問 43
質問 44
質問 45
質問 46
質問 47
相指名業者への下請負の禁止について
指名に際し考慮する点について
一般建設業の許可しか保有していない業者への指名等について
低入札価格調査制度における不適当な価格の判断基準について
工事成績の加点について
作業指示簿の書式について
500万円以上の公共工事はコリンズに登録しなければならないか
9
10
一括下請負について
質問 1:
一括下請負とは何か。
答:
一括下請負とは
建設業者は、その請け負った建設工事の完成について誠実に履行することが必要である。
従って、次のような場合は、元請業者がその下請工事の施工に実質的に関与していると認めら
れる場合を除き、一括下請負に該当することになる。
① 請け負った建設工事の全部又はその主たる部分を一括して他の業者に請け負わせる場合
② 請け負った建設工事の一部分であって、他の部分から独立してその機能を発揮する工作物
の工事を一括して他の業者に請け負わせる場合
なお、元請業者と下請業者間の下請工事のみでなく、下請業者と孫請業者間の下請工事であっ
ても、一括下請負は禁止されている。
質問 2:
外注の比率が何%なら一括下請負と疑われるのか。
答: 請負金額に占める外注比率は個々の工事により当然異なると考えられ、一律に何%を超えると
一括下請負に該当するという基準はない。
むしろ下請工事の施工に対する元請の実質的な関与の有無で判断すべきである。
質問 3: 発注工事の中に含まれる特殊工事を専門工事業者に下請させることは、
一括下請負になるのか。
答: 元請業者は、請け負った建設工事を下請負する場合、当該下請工事に関する施工管理能力を有
し、その施工に実質的に関与していなければならない。
そのため、一括下請負とならないようにするためには、元請業者の主任技術者・監理技術者は、
施工管理の一環として、特殊工事に係る部分においても下請業者に対する技術指導、監督等を主
体的に行うことが求められる。
質問 4:
元請負業者は、複数の建設業者と下請契約を結んだ場合は、一括下請負とはならないか。
答: 複数の建設業者と下請契約を結んだからといってそれだけで一括下請負となるわけではなく、
元請業者が工事全体の施工管理について実質的に関与していれば一括下請負とならない。
逆に、複数の下請業者のうちの1社に対し、その下請業者が請負った工事について、施工管理
を含めて全てを任せ、その下請工事について元請業者の実質的な関与が認められないような場合
には一括下請負となる。
質問5:
上請け、横請けは禁止されているのか。
答: 上請けとは、同業種の上位規模の会社に施工させることを指し、横請けとは、同業種の同規模
の会社に施工させることを指すが、いずれも元請けが、これらに該当すると思われる会社に質問
1のように下請施工させた場合は、元請としての実質的関与がなければ一括下請負となる。
上請け、横請けは、一律禁止されているものではないが、元請業者と同業種の上位又は同規模
の業者が施工することとなるため、元請と下請のどちらが現場全体を管理しているのか不明確に
なる場合が考えられ、一括下請の疑義を持たれやすくなり好ましいものではない。
1
質問6:
元請の実質的な関与とは具体的にどのような行為を意味しているのか。
答: 元請業者は、下請工事の施工に対し、自らが総合的に企画、調整及び指導を行うことが必要で
ある。
具体的には、元請負人と直接的かつ恒常的な雇用関係を有する適格な主任技術者又は監理技術
者を配置し、①発注者との協議、②住民への説明、③官公庁等への届出等、④近隣工事との調整、
⑤施工計画、⑥工程管理、⑦出来型・品質管理、⑧完成検査、⑨安全管理、⑩下請業者の施工調
整・指導監督等の全ての面において、主体的な役割を果たしていることが必要である。
単に技術者を置いているだけでは、
「実質的に関与している」とは言えない。
請負契約関係について
質問7:
請書には支払時期や方法について記入する必要があるか。
答: 請書には、建設業法第19条1項に規定する14項目全てが記載されていなければならない。
従って、支払時期や方法についても請書に記入する必要がある。
質問8:
下記のような契約形態は、建設工事の請負契約に該当するのか。
(ア)オペレーター付きのリース契約
(イ)ダンプ、トラックによる残土搬出(場外処分、場内処分)
(ウ)資材業者
(エ)ガードマン
答: (ア)オペレーター付きのリース契約について
重機等にオペレーターを付けて工事現場で元請業者の指揮のもと操作する契約は、リ
ース契約という名称であっても、建設工事の請負契約に該当すると解される。
(イ)ダンプ、トラックによる残土搬出(場外処分、場内処分)
単純な運送の場合は、建設業法に基づく請負には該当しない。
ただし、その請負契約の範囲が積み込み作業(土砂の掘削作業を含む)等を含むもの
となっている場合には、建設工事の請負契約に該当すると解される。
(ウ)資材業者について
単に資材の納入のみの場合には、建設工事の請負契約には該当しない。
ただし、資材の納入に止まらず、その納入した資材の据付作業まで契約範囲に含まれて
いる場合には、建設工事の請負契約に該当すると解される。
(エ)ガードマンについて
通常、警備業務は建設工事の請負契約には該当しない。
※建設業法第24条では建設工事の請負契約について、「委託その他何らの名義をもって
するを問わず、報酬を得て建設工事の完成を目的として締結する契約は、建設工事の請
負契約とみなして、この法律の規定を適用する」と規定している。
質問9:
直営施工の定義を明確化してほしい。
答: 直営施工とは、現場作業員や主要機械のオペレーター等の労働者を直接に指揮して施工する
ことで、直接に指揮しているとは、建設業者と当該労働者との間に直接の雇用関係がある場合
を言う。
2
質問 10: 建設業者が、他の建設業者に建設業務を請負わせるために労務提供を求める場合(常傭、人工
出し等)、この契約は建設工事の下請契約になるか。
答: 建設工事の下請契約に該当すると考えられる。
下請契約に該当すれば、労務を提供した業者も工事現場に主任技術者を配置(労務を提供す
る建設業者が許可を受けた業者である場合)しなければならず、また、労務提供を求めた業者
も必要によっては施工体制台帳の整備等を行うこととなる。
なお、当該労務提供が下請契約でないとする場合には、労働者派遣法違反(下記参照)に該
当する可能性がある。
※労働者派遣事業については、労働者派遣法において「自己の雇用する労働者を、当該雇用関係
の下に、かつ、他人の指揮命令を受けて、当該他人のために労働に従事させること」と規定さ
れているが、建設業務(土木、建築その他工作物の建設、改造、保存、修理、変更、破壊若
しくは解体の作業又はこれらの作業の準備の作業に係る業務をいう)は労働者派遣事業の適
用除外となっているため、他者の雇用労務者を使用し工事を完成させる場合に、その労務者
を雇用する建設業者と請負契約を締結していないということであれば、労働者派遣法に違反
する可能性が高くなるものと考えられる。
質問 11: 個人(一人親方)で建設業を営んでいる者に、工事を施工させる場合、下請契約を締結しな
ければならないか。
答: 個人(一人親方)で建設業を営んでいる者に工事を施工させる場合でも、書面により下請契
約を締結しなければならない。
なお、県発注工事においては、その下請契約書の写しを発注者へ提出することになっている。
質問 12: 協力会社や子会社に工事への協力を求める場合にも、下請契約を締結しなければならないか。
答: 協力会社や子会社といえども別法人であることから、書面により下請契約を締結しなければ
ならない。
なお、県発注工事においては、その下請契約書の写しを発注者へ提出することになっている。
質問 13: 特殊工事を商社に下請をさせることは可能か。
答: 建設業の許可を受けている商社への下請は可能であり、その場合、請負った商社は主任技術
者等の配置が必要となる(なお、建設業の許可を必要としない工事(例えば、建築一式工事以
外の工事で請負金額が500万円未満の工事)を下請させる場合は許可を受けていない業者で
も可能)
。
一般的に商社へ発注した場合、施工自体は下請に出さざるをえないケースが多く、商社の配
置技術者及びその技術者の施工管理能力や実際の施工業者及び施工体制等について確認し、一
括下請負とならないよう注意しておく必要がある。
3
質問 14: 一般建設業の許可しか有していない元請業者から3000万円(建築一式工事の場合は45
00万円)以上の一次下請工事を受注したら、受注した業者は建設業法違反となるか。
答:
特定建設業の許可を有していなければ、下請総額3000万円(建築一式工事の場合は45
00万円)以上を一次下請に出すことができないことから、元請業者は当然のことながら、3
000万円(建築一式工事の場合は4500万円)以上の工事を受注した一次下請業者も建設
業法違反となる。
質問 15: 2社で共同企業体を組んでいる場合、そのうちの1社がもう一方の構成員に下請工事を発注す
ることは問題ないか。
答: 共同企業体で請け負っている以上、その構成員への下請ということはあり得ない。
主任技術者及び監理技術者の資格について
質問 16: 在籍出向社員は、出向先において、主任技術者や監理技術者になれるのか。
答: 建設業法第26条1項及び2項で規定されている主任技術者、監理技術者については、請負業
者との間で直接的かつ恒常的な雇用関係にある必要があるとされている。
在籍出向社員は、出向先の建設業者との間に直接的(かつ恒常的)な雇用関係があるとは言え
ないため、出向先においては主任技術者、監理技術者になれない。
ただし、分社化や営業譲渡により出向元企業が当該建設工事の種類に係る建設業の許可を廃止
したときは、出向先企業が会社分割の登記をした日から3年間以内に限り、例外として認めてい
る。
質問 17: 技術者の資格を保有している個人(人材派遣会社の社員ではない)と元請業者とで工事期間
中のみ雇用契約を結んだ場合、その工事の主任技術者、監理技術者となれるか。
答: 建設業法第26条1項及び2項で規定されている主任技術者、監理技術者については、請負業
者との間で直接的かつ恒常的な雇用関係にある必要があるとされている。
工事期間中の限られた雇用関係では当該建設業者との間に恒常的な雇用関係があると見なさ
れないことから、当該工事において主任技術者、監理技術者にはなれない。
質問 18: 人材派遣会社から派遣された社員を主任技術者、監理技術者とすることはできないか。
答: 建設業法第26条1項及び2項で規定されている主任技術者、監理技術者については、請負業
者との間で直接的かつ恒常的な雇用関係にある必要があるとされている。
派遣された社員は、派遣先の建設業者との間に直接的(かつ恒常的)な雇用関係があるとは言
えないため、派遣先において主任技術者、監理技術者にはなれない。
なお、主任技術者、監理技術者が行う現場管理を補助する技術者については、派遣が可能(派
遣会社は別途、労働者派遣法に基づく手続きが必要)である。
質問 19: 技術者の身分確認のため、健康保険証を常時携帯していなければいけないのか。
答: 健康保険証のコピーでも本人と確認できればよく常時携帯する必要はない。
なお、発注者は確認のために提示を求めることがあるが、たとえコピーであっても提出を求め
るものではない。
4
質問 20: 配置された技術者が、社会保険に加入していない場合、どのような書類で雇用関係を確認す
ればよいか。
答:
配置技術者が社会保険適用事業所以外に雇用されている者等で、社会保険に加入しておらず
に国民健康保険に加入している場合において、所属建設会社と技術者本人との雇用関係を確認
するためには、源泉徴収票や市町村民税等の特別徴収税額の通知書等を用いて行うこととなる。
主任技術者、監理技術者等の配置等について
質問 21: 契約金額 2500万円(建築一式工事の場合は5000万円)以上の公共性のある工作物に
関する建設工事は、技術者が専任となっているが、その金額をもっと上げることができないか。
答:
建設業法第26条第3項及び同法施行令第27条で定められているため、金額を変更するこ
とはできない。
なお、「公共性のある工作物に関する建設工事」とは、①国、地方公共団体の発注する工事、
②鉄道、電気事業用施設等の公共工作物の工事、③学校、デパート、事務所等のように多数の
人が利用する施設の工事等をいい、個人住宅を除くほとんどの工事が対象となる。
質問 22: 会社に技術資格を有している者が1人だけしかおらず、その者が営業所の専任技術者になっ
ている場合は、2500万円(建築一式工事の場合は5000万円)以上の公共性のある工作
物に関する建設工事は1つも受注できないか。
答: 営業所の専任技術者は、所属営業所に常勤していることが原則となっているため、専任が求
められる工事現場における主任技術者又は監理技術者となることはできない。
従って、質問における建設工事の受注はできない。
質問 23:
下請業者も主任技術者を専任で現場に配置しなければならないのか。また、その際の配置技
術者は国家資格を有していることが必要か。
答:
下請業者であっても、建設業許可を有する建設業者は全ての工事において主任技術者を置か
なければならない。
また公共性のある工作物に関する建設工事で下請受注金額が2500万円(建築一式工事の
場合は5000万円)以上になる場合には、専任で置かなければならない。
資格は必ずしも国家資格を有している必要はなく、建設業法で定めた実務経験を有していれ
ば足りる。
質問 24:
下請業者(二次以下の下請も含む)も、その下請業者に所属する技術者の数だけしか工事を
受注することができないのか。
答:
下請受注金額が2500万円(建築一式工事の場合は5000万円)以上の公共性のある工
作物に関する建設工事を施工する期間は、他の工事の主任技術者と兼任することはできない。
このことから下請業者も、2500万円以上の公共性のある工作物に関する建設工事だけを
受注している場合は、主任技術者の数を超えて受注することはできない。
5
質問 25:
答:
下請業者は、孫請業者との下請負契約の総額が3000万円(建築一式工事の場合は450
0万円)以上になった場合、監理技術者を必ず配置しなければならないか。また、この場合、
下請業者は特定建設業の許可が必要か。
監理技術者は、発注者から直接工事を請負った特定建設業者たる元請業者のみが配置すべき
ものであり、下請業者は主任技術者を配置すれば足りる。
また、下請業者は、特定建設業の許可を有している必要はない。
質問 26:
共同企業体を組んで下請負させる場合、下請総額3000万円(建築一式工事の場合は45
00万円)以上の時、各社それぞれ監理技術者を専任で配置しなければならないか。
答: 甲型(共同施工型)JVの場合は、特定建設業者たる構成員1社以上(公共工事を施工する
場合には原則として特定建設業者たる代表者)が監理技術者を専任で配置しなければならず、
他の構成員は主任技術者(原則として国家資格を有する者)を配置すればよい。
乙型(分担施工型)JVの場合は、分担工事に係る下請代金の総額が3000万円以上とな
るすべての構成員が、それぞれ監理技術者を専任で配置しなければならず、3000万円以下
の場合は主任技術者(原則として国家資格を有する者)を配置すればよい。
質問 27: ある工事現場において配置されている専任の主任技術者を、他の工事現場における主任技術
者として配置(兼務)することができるか。
答: 密接な関連のある工事を、同一の業者が、同一の場所又は近接の場所において施工する場合
のみ、発注者の同意を得たうえで、同一の専任の主任技術者が兼務してこれらの工事を管理する
ことが出来る。
(例:橋梁上部工とその舗装工事、改良工事区間内の橋梁やボックスカルバート、
改良工事区間内の専門工種等)
質問 28: 監理技術者はどんな場合も、密接な関連のある2つ以上の工事現場における兼務はできない
のか。
答: 同一あるいは別々の発注者が同一の建設業者と締結する契約工期の重複する工事であって、工
事の対象となる工作物に一体性が認められ、かつ当初の契約以外の請負契約が随意契約により締
結されている工事については、それらの複数の工事を、同一の監理技術者が掌握し、技術上の管
理を行うことが合理的であることから、それらを一つの工事とみなして、例外的に同一の監理技
術者が管理をすることができる。
質問 29: 発注者の都合で工事着手できない期間や他機関との調整で工事中断を余儀なくされた期間は、
主任技術者等の専任を解除できるか。また、工事完成後、いつの時点で解除してよいか。
答:
契約期間中であっても次に掲げる期間については工事現場への専任は要しない。
ただし、いずれの場合も、発注者と請負者の間で次に掲げる期間が打合せ記録等の書面によ
り明確になっていることが必要である。
① 請負契約の締結後、現場施工に着手するまでの期間(現場事務所の設置、資機材の搬入ま
たは仮設工事等が開始されるまでの間)
② 工事用地等の確保が未了、自然災害の発生又は埋蔵文化財調査等により、工事を全面的に
一時中止している期間
③ 橋梁、ポンプ、ゲート、エレベーター等の工場製作を含む工事であって、工場製作のみが
6
行われている期間
④ 工事完成後、検査が終了し(発注者の都合により検査が遅延した場合を除く)
、事務手続き、
後片付け等のみが残っている期間
※なお、県発注工事においては、発注者が工事の完成を確認し技術者の専任を要しないと判断
した場合はこの限りではない。
質問 30: 制限付き一般競争入札等において、配置予定技術者の専任配置が入札参加条件になっている
場合はいつまでに他の工事の主任技術者等が解除されていればよいか。
答: 入札公告等応募条件にもよるが、県では、建設工事の適正な施工を確保しつつ建設業の生産性の
向上を図るため、資格確認の審査時点で、開札日の翌日から起算して 20 日目から専任配置が可能
な状態であるかどうかを確認している(資格確認の審査時点で手持工事がある場合などは、発
注者との打合せ記録等の書面で、開札日の翌日から起算して 20 日目から専任配置可能な状態で
あることが明らかとなっていなければならないので留意が必要である)
。
なお、具体の案件における条件については、入札公告等の記載を十分確認する必要がある。
質問 31: 制限付き一般競争入札等において、入札前に届け出る配置予定技術者を契約時や工事途中で
変更することができるか。
答:
質問 32:
答:
事前に届け出た配置予定技術者を当該工事に配置することを条件に入札に参加していること
から、契約時や工事途中で変更することは原則できない(なお、事前の届出の際に複数の技術
者を配置予定技術者として届け出ている場合には、その複数の技術者が入札参加条件を満たし
ていると確認されている者であって、なおかつ、工事着手前までであれば、その複数の者の中
からいずれかの者を技術者として配置することは差し支えない)
。
ただし、退職、死亡、病気入院等の正当な理由があれば変更は可能。
主任技術者等と兼務していない現場代理人は、他の公共工事の現場代理人と兼務できるか。
現場代理人は、通常、建設工事請負契約約款で、当該工事現場に常駐することを明記されて
いるため、他の公共工事の現場代理人と兼務兼任できない。
なお、県発注工事については、予め公告等で対象であることが示されたものについて、発注
機関の承認を受けることで、請負代金額が1件 1,000 万円未満の工事(建築については1件
4,000 万円未満の工事)2件まで(建築については2件の合計が 5,000 万円未満)
、現場代理人
常駐義務の緩和を認める制度を、平成 21 年度から試行している。試行制度の詳細については、
「県発注工事に係る現場代理人の常駐義務緩和の試行について」を、対象工事であるか否かに
ついては個別の公告等を確認する必要がある。
施工体制台帳関係について
質問 33: 施工体制台帳は、下請総額が3000万円(建築一式工事の場合は4500万円)未満であ
っても作成する義務があるか。
7
答: 作成する義務はないが、建設工事の適正な施工を確保する観点から、法の規定に準じて施工体
制台帳の作成等を行うことが望ましい。
なお、県発注工事においては、下請総額が質問に記載されている金額未満であっても、施工
体制台帳を整備することとなっており、さらに、発注者が必要に応じて提出を求めた場合には、
発注者へ提出することとなっている。
質問 34: 許可を受けていない業者と500万円未満(税込み)の下請契約を結んで施工させる予定である
が、その下請業者を施工体制台帳に記載する必要があるか。
答: 施工体制台帳には、許可を受けている建設業者はもちろんのこと、許可を受けていない建設業
を営む者も記載する必要がある。
なお、契約書の写し等、施工体制台帳に添付する書類も当然必要である。
質問 35: 直用(事業主が直接雇用している労働者)は施工体制台帳に記載しなくてもよいか。
答: 記載する必要はない。
質問 36: 公共工事を受注した元請業者は、下請総額が3000万円(建築一式工事の場合は4500
5
万円)以上となった場合、施工体制台帳を発注者へ提出することになっているが、ここで言う
下請総額とは一次下請以降のすべての下請金額の総合計か。
答: 元請と一次下請との契約額の総合計である。
なお、建設工事における下請契約の考え方については質問8を参照されたい。
質問 37:
答:
公共工事において、施工体制台帳に添付することとなる下請契約書の写しは、下請業者のど
の範囲まで提出すればよいのか。また、その契約書に記載されている金額は伏せてもよいのか。
公共工事においては、二次以降の下請契約を含む全ての下請契約について、契約書の写しを
発注者へ提出する。
また、全ての下請契約について請負代金の額が明示されたものを提出することになっている。
質問 38: 施工体制台帳に二次以下の下請契約について請負代金を明示した下請契約書の写しの添付が
義務付けられているが、数量、単価の記載された内訳書等の提出についても義務付けられてい
るのか。
答: 建設業法施行規則第14条の2第2項の規定に基づき施工体制台帳に下請契約書の写しの添
付は義務付けているが、数量、単価の記載された内訳書等の提出については特に定められたも
のはないため、提出は義務付けられているものではない。
質問 39: 施工体制台帳の作成は、当初一括して作成するのではなく、下請契約締結後、その都度施工
前に書き加えていく方法でよいか。
答:
当初に、全てを作成する必要はなく、施工体制に追加及び変更があった場合、その都度作成
8
すればよい。
質問 40: 施工体系図の掲示場所はどこにしたらよいか。
答: 公共工事については、①工事関係者が見やすい場所、②公衆が見やすい場所に掲示しなければ
ならない。
その他
質問 41: 相指名業者への下請は禁止されているのか。
答: 相指名業者への下請は談合の温床となりやすいことや事前に利益供与の意図があったのでは
ないかと推測されたり、丸投げを助長し、発注者にとってもっと安くできるのではないかとの
疑問を抱かせ信頼を失うものとなりかねないことから、県では、県の発注工事の受注者に対し
て、相指名業者への下請をしないように指導している。
ただし、県の場合、制限付き一般競争入札が拡大され入札参加条件を満たした者であれば誰
でも参加できる入札が増えていることや、入札参加者名(指名業者名を含む)を入札前に公表
していないことなどから、同じ入札に参加したものの中に、その者しか施工できないような専
門性を有する工事の施工業者が含まれていた等の場合には、その者に下請をさせることも、工
事の適正な施工を確保する観点からやむを得ない場合もあると考えている。
質問 42: 過去の実績、災害時への協力等を考慮し、従来からの業者を優先して、指名してほしい。
答:
指名業者の選定においては、過去の施工実績は技術力の評価項目として、工事の品質を確保
するために重要な要素であるが、工事実績や技術者等の技術力の評価に加え、選定過程の客観
性や公平性、透明性なども重要である。
従って、県では、工事成績や災害協定などを入札参加資格登録時の主観点数として加点評価
したうえで、指名業者の選定時には地域性、公平性などに加え、過去の施工実績、技術者など
の技術力や障害者雇用等の社会性などを考慮している。
また、総合評価方式では、災害時の協力などの地域貢献を加算点として評価している。
質問 43: 制限付き一般競争入札の入札参加条件で、
「特定建設業の許可を有すること」というような条
件が記載されていない場合や、指名競争入札で、一般建設業の許可しか持っていない業者への
指名があるが、問題はないか。
答: 制限付き一般競争入札の場合、工事の設計金額や施工内容、工種等を勘案し、条件を設定し
ているが、条件の中に「特定建設業の許可を有すること」というような記載がなくても、下請
金額が一定額以上になれば、建設業法により、特定建設業の許可や監理技術者の配置が必要に
なる。各業者により自社施工できる内容も異なるため、各自、設計内容を精査し、建設業法の
違反を招かないように応募する必要がある。
また、指名競争入札の場合、発注工事の規模や内容に合った業者を、誠実性、地域的条件、
工事手持量、工事経歴、工事成績、技術者、経営内容、安全管理の状況、労働福祉の状況、障
害者雇用の状況を総合的に勘案し指名しているが、指名された企業は、当該工種が一般建設業
の場合は、積算のうえ、下請に施工させる工事金額が法令で定められた金額を超えると判断し
た場合には、辞退すべきである。
質問 44:
最低制限価格を設けない低入札価格調査制度は、過当競争を引き起こし、下請業者にも様々
な影響を及ぼすこととなる。どの程度の価格なら不適当な低価格となるのか判断基準を示して
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ほしい。
答:
質問 45:
答:
質問 46:
低入札価格調査制度では、契約内容に適合した履行がなされない恐れがあるとして、あらか
じめ調査基準価格を定めている。
この基準価格は工事毎に異なるが、県では予定価格の7/10から9/10までの範囲内で
定めている。
工事の内容や落札予定者の手持資材の保有状況等により、不適当な低価格の条件は異なるた
め、この調査基準価格を下回る価格で応札した場合には、
「低入札価格調査制度による調査等実
施要領」に基づき、契約の内容に適合した工事の履行がなされるか否かを綿密に調査したうえ
で、契約を締結するかどうかの判断を下している。
なお、調査等実施要領では、契約しない場合の判断基準を示しているので参照されたい。
入札参加資格の格付けの際に評価する総合点数に対する工事成績の加点が高すぎる。
平成17年度に施工された「公共工事の品質の確保に関する法律」や同法の「基本方針」にお
いて、有資格者名簿の策定に関して、経営事項審査に加え、工事成績、社会性などを審査する
ことになっており、工事の品質確保の観点と技術力に優れた業者の一層の育成を図っていくこ
となどから、工事成績の総合点数に占める割合を高めている。
作業指示簿の書式はKY(危険予知)活動の記録簿と兼ねて作成してもよいか。
答: 書式は自由でよいが、指示者は監理技術者又は主任技術者とする。
また、作業日報と整合させて記入する。
質問 47: 工事請負代金500万円以上の工事では、コリンズに主任技術者等の登録をしなければいけな
いか。
答: 県の発注する請負代金500万円以上の工事についてコリンズへの登録を義務付けており、配
置予定技術者の専任性の確認、工事実績の確認などに活用している。
県では、制限付き一般競争入札を拡大しており、工事実績等を入札参加条件とすることも多く
なってきているため、入札参加時に不利にならないよう市町や民間工事を含め、請負った工事に
関する情報を登録することを薦める。
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