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世田谷区自然エネルギー活用促進地域フォーラム(第7回) 議事要旨

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世田谷区自然エネルギー活用促進地域フォーラム(第7回) 議事要旨
世田谷区自然エネルギー活用促進地域フォーラム(第7回)
日時:平成27年2月10日(火)
議事要旨
18時30分∼20時30分
会場:世田谷産業プラザ会議室
●区長の開会挨拶
昨今、様々なメディアで水素の特集が組まれている。
12月24日に川崎市と包括協定を締結し、日経新聞にも取り上げられた。水素に着目
した長期スパンでのエネルギー戦略を、お互いに WINWIN になるようにつくっていきた
いということで締結した。
水素の活用については、工業が主役である。以前、埼玉県庁での本田技研工業株式会社
の太陽光エネルギーで水素をつくるソーラー水素ステーション実証実験を視察した。将来
的には、再生可能エネルギーの電源をうまく活用して、集合住宅や家庭に分散型の電源と
なることが期待できると思う。
蓄電機能としても水素は注目されている。世田谷区内にも清掃工場があるが、停電する
と止まる状況になっている。燃料電池に貯めて、再稼動の電源としたり、災害時に病院な
どに電力を供給するようなことができるのではないか。
12月にエネフェスせたがや2014を開催し、本田技研工業株式会社の燃料電池自動
車(クラリティ)や東京ガス株式会社の家庭用燃料電池システム(エネファーム)も展示
した。水素社会の黎明期であり、水素に大きな可能性を感じている。
皆様と先端を切り開く話し合いをしたい。
●議題
別添、資料のとおり。
●質疑応答(前半)
議事内容
・『水素社会の幕開け』経済産業省資源エネルギー庁
・『FCVの普及に向けた水素供給事業の展開について』
JX日鉱日石エネルギー株式会社
・『Hondaの水素社会に向けた取り組み』本田技研工業株式会社
区:資源エネルギー庁の資料で、平成27年度・26年度補正における主な水素・燃料電
池関連予算の中の「地産地消型再生可能エネルギー面的利用等推進事業費補助金」や他に
も自治体で乗り出せる事業があれば教えてほしい。
資源エネルギー庁:
「地産地消型再生可能エネルギー面的利用等推進事業費補助金」は、地
域の面的なエネルギーマネジメントをやっていただくもの。構想普及支援については、3
千万円程度を上限として補助する予定。プロジェクト支援は、プランが完成していて後は
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実行するだけの場合は、事業費として自治体との連携で2/3以内、民間主導で1/2以
内、補助する。
補正予算は成立したので、まもなく公募をはじめる。ぜひ手を挙げていただきたい。
区:他にもたくさん補助があるようだが、他に自治体で手が挙げられそうなものは何か。
資源エネルギー庁:
「水素供給設備整備事業費補助金」がある。自治体がコーディネート的
な役割をし、民間事業者が設置に手を挙げるケースが想定される。
「革新的水素エネルギー貯蔵・輸送等技術開発」は水素の貯蔵・製造の研究開発を、
「燃料
電池利用高度化技術開発実証事業」は燃料電池スタックの研究開発を、自治体の研究機関
と事業者とが組んで行うケースが想定される。
国士舘大学:技術的な面で、世田谷区内の基本のエネルギー供給を水素と切り替えた場合
のメリット・デメリットはあるのか。
資源エネルギー庁:今足元でエネファームや燃料電池自動車などが出てきており、ベース
は今現在あるガスなどとなる。純水素のパイプラインを新たに引くことは経済性の観点か
ら難しい。
既存のパイプライン、インフラを使いながら、水素や燃料電池が加わるイメージと思って
いる。
みんな電力株式会社:水素社会を実現することに対して、自分の立場で貢献していきたい
し、役立ちたい。意欲はあるが、発表内容を聞くと、ベンチャーやNPOなどの市民がか
かわる余地が見出せない。大企業主導のかたちで水素社会実現のために動いている感じが
する。市民団体やベンチャーはどのような形で、水素社会実現のために貢献していけばよ
いのか。
資源エネルギー庁:確かに難しいと思う。私たちも、現在のプレーヤーが既存の大企業、
しかもその一部だけとなっているので、推進のためにはプレーヤーを広げていかなくては
ならないと考えている。一方で、経済産業省としては、商業ベースを考えるので、ある程
度規模の大きいものについて、民間が自立的に対応できるようにしていく。
環境省は地域や再生可能エネルギーに焦点を当てているので、本田技研工業株式会社のス
マート水素ステーションのような取組みに対して支援メニューを用意している。このよう
な方面から、市民団体はアクセスしていくとよいかもしれない。
区:本田技研工業株式会社のスマート水素ステーションについて教えてほしい。
本田技研工業株式会社:スマート水素ステーションは、能力は限定的でありながらも、小
さなコミュニティ、例えば市役所の公用車に対する水素供給等であれば、普及の呼び水と
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して価値があるのではないかと考える。社内でも「水素始まりの箱」と呼んでおり、コミ
ュニティの中で融通を効かせてご利用頂ければと考えている。
地域の皆様、市民の皆様にお願いしたいことは、近い将来に水素という新しいエネルギー
を「車で使われる」という形が、皆様の身近なところで起こり始める。その際に、新しい
エネルギーを前向きに受け止めて頂きたい。関連の皆様にはその状況を作ることにご協力
いただきたい。JX日鉱日石エネルギー株式会社よりお話にもあった安全な水素の取り扱
いが大切である。事業者側からも様々なイベントを行っていきたい。
●質疑応答(後半)
議事内容
・『水素社会の実現に向けた東京ガスの取り組み』東京ガス株式会社
・『水素社会の実現に向けた川崎水素戦略』川崎市
・東京都の水素の取組み
国士舘大学:水素エネルギーは魅力的である。しかし、水素は安全であるという言葉を使
うのは危険である。燃料としてはものすごく活性が強く、可燃性の範囲も広い。点火した
ときに、ものすごく早く広がる。ハンドリングをきちんとしないと、危険な燃料というレ
ッテルを貼られかねない。徹底的に安全対策をするというのが前提である。お年寄りが「危
険な燃料ですか」と聞いたときに、危険な燃料だけれどもこのように安全に扱えるよう対
処しているという説明が必要である。水素を安全な燃料と言ってしまうのは、原発の安全
神話と同様になる。
水素は、燃やすだけではなく、電気を取り出すだけではなく、もっと活用ができる気体で
ある。
千代田化工建設株式会社が行っている水素の輸送・貯蔵ということに関しては、大きなソ
リューションをくれた。
研究者としても、今後水素についていろいろと考えなくてはならない。
大前提は、水素は危険な燃料であり、十分に安全なハンドリングが必要であることを肝に
銘じてから、水素の活用をお願いしたい。
日本大学:先程、清掃工場で水素ステーションができたらというお話もでていたと思うが、
烏山にある清掃工場のように、周辺に住宅や小学校があるような場合に対して、区長が何
か構想をお持ちであれば教えていただきたい。
区:それをこの部会で考えていきたい。
先程、東京ガス株式会社より業務用燃料電池からさらに進化してSOFC、さらに進化系
の水素を取り出す装置を開発中だと思う。
その中、区としてもこれから建物の更新期に入ってくるので、そのようなところでコージ
ェネレーションや熱利用、効果的なエネルギー利用がないかを考えていけないかと思う。
水素と再生可能エネルギーの組み合わせ、本田技研工業株式会社の報告にもあったが、そ
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れほど多くない水素を身近に使う実証実験ということになる。
水素は語れるが、使えない状況にある。区内にも水素ステーションはない。
世田谷区は、東京の中でも水素自動車を買いたい人がかなり多い地域と思われるが、それ
でもまだ進んでいない。
今日の話は、テレビや新聞で取り上げられているレベルより、実際はかなり先取りしてい
る。
区民が参加できるかたちで、このような技術の最新情報の提供を行っていきたい。
さらに具体的にということについては、これからこのような議論を参考に組み立てていき
たい。
東京急行電鉄株式会社:エネルギーを抜きにしてこれからのまちづくりはないとして、社
内でも議論している。まちづくり事業者として、何ができるかについて練っている。
メーカーの新しい技術、行政の政策だけでは、水素社会へとなかなか加速していかないと
思うし、課題があるのではないかと思う。市民の意識啓発や市民の意識をムーブメントと
して起こしていけるかを議論している。施策にも協力していきたい。
公益財団法人世田谷区産業振興公社:12月24日の世田谷区と川崎市の協定に着目して
いる。区民・市民の相互交流という面から、川を挟んで交流していきたい。
公共施設の相互利用、水素社会の受容性の向上という面で、身近な交通インフラとして、
水素バス、水素タクシーというものを先行的に少し動かしていくようなことが考えられる。
世田谷区も川崎市も南北交通が弱いので、各公共施設へ線を結ぶことが弱いところもある。
こういったところで、交通インフラの改善の思考の中で、新しいエネルギー、燃料電池、
水素を使った事業を世田谷区と川崎市で繋いでいって、地域の活性化、交通インフラの向
上に役立てながら、水素社会の良さ、環境価値を広げていけるような世田谷区と川崎市に
していけたらと思う。
区民・市民の交流と交通インフラを関連づけて、産業振興公社も何かできたらと考えてい
る。
区:日本大学より先程区としてどのように考えているかという質問で言い忘れたことがあ
る。川崎市とも関係がある内容である。23区の清掃工場は一部事務組合で運営しており、
世田谷区内に2つある。実は世田谷区から、水素活用ということで、コンテナの絵を描い
て、燃料電池で使えば、そのまま災害対策になるという提案を特別区長会で2度行った。
水素の実証実験も始まり、区民にとって身近である災害対策の電源、熱源がまとまった形
で搬送可能であれば、取り組んでいくべきことであろう。
川崎市のH2One(再生可能エネルギーと水素を用いた世界初の自立型エネルギー供給
システム(東芝))の価格を教えてほしい。
川崎市:交通インフラについては、新しいインフラとして、スマートEVバス(乗降分析
機能も有するバス)をこの3月末に川崎市と企業が連携して取り組んで開発した。
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川崎病院と川崎駅を結ぶ路線で走らせて、個人情報に配慮した形で乗客の動向を分析し、
利用者の利便性向上と事業者の業績向上を目指すツールとする。
その次は、北部の交通不便地域についてどうするかだが、これについては現在他のバス事
業者と検討中。EV 以外に燃料電池のバスにも興味を示していると聞いている。
このようなものの導入を、今後世田谷区と川崎市で実施していきたいと考えている。また、
世田谷区と川崎市を結ぶ渡し舟のような小型船舶について、燃料電池を積むことができな
いかというようなアイデアについても企業と話をしている。
水素については、まずはできるところからはじめていきたい。
H2Oneの値段は、正式ではないが1億円前後と聞いている。
決して安いものではないが、ビルに設置されている災害対策の非常用発電として保有する
のであれば、普段のピークカットにも使えるし、そのように考えれば安い。バッテリーと
比較すると1kWあたりの発電コストも3分の1程度ですむ。平時も災害時も使えるので、
1台あってもいいのかなと考えている。トレーラーで運んでいき、切り離して設置すれば
すぐに使えることから、多摩川の流域の自治体がみなH2Oneを持ち、災害が起こった
場合にそれらを集めて活用すれば、大きな災害対策機能となるし、アピール効果も高い。
●区長の閉会挨拶
区:今日は大変充実した質の高い報告があった。水素部会として、手ごたえのある、スタ
ートを切った。
水素エネルギー自体が、水素自動車が発売をされたという状況をみながら、一方で今災害
を意識した取組み、こちらのほうはたぶん住民の暮しに近い自治体としてみると、先端的
な技術をどんどん発展させていこうという資源エネルギー庁の役割とだいぶ違うところも
ある。
災害時の活用は、水素自動車には手が伸びないであろうと思っている多くの方も含めて、
受益できるので研究していきたい。
また、様々な形で技術は小型化していく。水素充填設備も将来、もっと小さくなっていく
ということがあると、家庭にそういったものを取り付けていくということも何年か先には
くるのかなとも思った。
今では、奇想天外だが、水素の宅配みたいなことが将来あるのかなとも考えてみた。
いずれにしても、いろいろな立場、大学の先生方も含めて、この水素を住宅密集都市で、
危険だという意味では相当配慮しなくてはならないが、どのように賢く使っていけるのか
というあたりを、この部会でかなり展開させていきたい。
以上
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