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小学生を主人公にした大正期の少年野球小説

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小学生を主人公にした大正期の少年野球小説
Nara Women's University Digital Information Repository
Title
小学生を主人公にした大正期の少年野球小説
Author(s)
功刀, 俊雄
Citation
奈良女子大学文学部研究教育年報, 第11号, pp. 75-82
Issue Date
2014-12-31
Description
URL
http://hdl.handle.net/10935/4100
Textversion
publisher
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http://nwudir.lib.nara-w.ac.jp/dspace
7
5
奈良女子大学文学部研究教育年報第 1
1号
小学生を主人公にした大正期の少年野球小説
一一「子どもらしさ」とその行方一一
功万俊雄
はじめに
説の掲載状況を示したものである 。その備考欄には作
本稿は「少年野球小説に見る近代日本の少年像 1)
」
中の主人公の属性を示すものとして主人公が属する教
を究明するための調査報告の第 2報である 。 ここで言
育機関等を記した。言 うまでもなく「初等」と分類さ
う少年野球小説とは少年雑誌に掲載された野球小説の
れているのが小学生ものであるが、それを抜き出した
ことで、前稿 2)では、『少年』(時事新報社)から始
のが表lである 。表lを見ると 1
9
1
0年代後半は小学生も
まり、三大少年誌と言われた『少年世界J(博文館)、
のの空白期となっている 。 この時期は通説に従えば日
『日本少年』(実業之日本社)、『少年倶楽部』(大日本
本の少年野球史上の一大画期であった。1
9
1
7年の京都
雄弁会、後の大日本雄弁会講談社)に野球小説が出そ
少年野球研究会による少年野球規則の編纂と同会の鈴
ろう 1
9
1
3年から 1
9
1
7
年までに時期を限定し、それぞれ
鹿栄による少年野球用ゴムボール(軟球)の開発に始
の作品を教化性を帯びたものと娯楽もの(教化性を帯
まり、各種地方大会の開催を経て、 1
9
2
0年には大日本
びていないものを含む)に分類して「男らしさ」を考
少年野球協会が設立されて全国少年野球優勝大会が開
察するために教化性を帯びた作品のみを検討−の対象と
) この大会が作中に採り入れられるの
催されている 5。
した。今回は対象を時期的には大正期全体に広げつ
は1
9
2
1年以降のこととなるが、表lにはこうした少年
つ、作品の内容に関しては特に主人公が小学生のもの
野球の制度化の反映度をみる一つの指標として「試合
(尋常科のみならず高等科の生徒が主人公の作品も含
形式等 Jの欄を設けた。 また、表1
にはそれぞれの作
まれる)に注目してみたい。
品の特徴を示す「キーワード等」の欄も設け、さらに
本稿で小学生ものに注目するのは、硬式野球と軟式
前稿と同様にそれぞれの作品が教化性を帯びたものか
野球、甲子園野球に代表される勝利至上主義的な中等
娯楽ものかを示す「分類」欄も設けた。以下では表lに
野球と遊戯的要素を含み喜びに満ちた少年たちの草野
従って作品を紹介しながら、前述の「子どもらしさ」
球、といった視点で『少年倶楽部』の野球もの(野球
とその消滅、教化ものの主流化について述べてみたい。
小説を含む野球記事)を追跡した松村 3)の論稿から
示唆を得たからであるが、筆者なりに言い換えれば次
1.1
9
2
0年代初頭の娯楽ものに見る「子どもらしさ J
のような理由による 。少年雑誌の主な読者層は尋常小
1
9
1
0
年代半ばのはうすゐ (有本芳水)の 2作品につ
学校の高学年から高等小学校の年代の男子であったと
いては前稿で採りあげた。 ここでは小学生ものの最初
思われる 。読者より少し上の年代の少年を描く中学生
の作品となる「血染のボール」が芳水と東草水の共著
ものは読者に成長モデルを提示する教化的なものにな
『野球美談J(実業之日本社、 1
9
1
3年)にある中等野
りがちである。これに対して読者と同年代の少年を描
球の美談をそのまま小学生にあてはめたものと思われ
く小学生ものでは、「模範生 j が描かれることも少な
ることを確認しておこう。 1
9
1
0年代半ばにはもう一
くないが、それにとどまらず多様な「子ども」が描か
つ、関鉄腕子の 「ゴムマリ団の遠征」が書かれてい
れているように思われる 。前稿との関係で言えば、小
る。このイ乍品については十公キすが詳細に紹グヤしているの
学生ものに注 目することによ って「男らしさ」だけで
でそれを参照していただきたい 6。
) ただし筆者の読み
なく「子どもらしさ」も浮かび、上がってくるように思
方は松村と異なり、この作品は作者が故郷(現在の岐
われるのである 。
阜県関市)で実際に体験した古き良き思い出話だとと
さて、最初に本稿の最後に付した資料14)を見てい
ただこう 。 これは管見の限りでの大正期の少年野球小
)
らえている 7。
少年野球の全国大会開催はいわゆる勝利至上主義の
7
6
小学生を主人公に した大正期の少年野球小説
表 1.大正期の少年雑誌に掲載された小学生を主人公にした野球小説
掲載誌
発行年月
試合形式等
キーワード等
分類
1
はうすゐ
血染のボール
日本少年
1
9
1
4
年 5月
対校試合
負傷、勇ましさ
教化
2
はうすゐ
兄の代りに
日本少年
1
9
1
4
年 6月
対校試合
兄の病、兄弟愛
教化
3
関鉄腕子
ゴムマリ団の遠征
少年倶楽部
1
9
1
5年 1
0月
対校試合
ノスタルジー
娯楽
4
広田花崖
偽の繍帯
少年世界
1
9
2
0年 4月
対校試合
茶目、いたずら
娯楽
5
佐々木道男
最期の本塁打
少年世界
1
9
2
1年 1月
対校試合
双六解説
娯楽
6
草雄
いやな先生
少年世界
1
9
2
1年 5月
対校試合
ゃなことないやあ!
娯楽
7 ささき ・みちを
名投手ペコチャン
世界少年
1
9
2
1年 6月
学級内
不器用・無邪気
娯楽
8
若木翠葉
悲しき勝利
少年世界
1
9
2
1年 8月
全国大会
妹のお告げと死
娯楽
9
大窪野次
味方の危機
野球少年
1
9
2
2年 3月
東京大会
救世主
娯楽
作者
タイトル
1
0
池内菊園
敗軍の勝利
世界少年
1
9
2
2年 4月
対校試合
肩の痛み、忍耐
教化
1
1
小田切平和
姉のたましひ
野球少年
1
9
2
2年 4月
全国大会
姉の死と愛校心
教化
1
2
佐々木道男
敗戦の日
野球少年
1
9
2
2年 7月
東京大会
慢{、
教化
1
3
佐々木濠外
小僧野球団
野球少年
1
9
2
2年1
0月
草野球
貧富の差を越えて
教化
1
4
三木葉一郎
なきべそ選手
野球少年
1
9
2
2年 1
2月
大会
我が佳、泣き虫
娯楽
1
5
石黒露雄
名投手
少年世界
1
9
2
3年 4月
地方大会
友情
教化
1
6
藤藤
優勝カップ
少年世界
1
9
2
3年 1
0月
対校試合
猪疑心、反省
教化
1
7
吉田興山
男
少年
1
9
2
3年 1
2月
全国大会
主将の責任、退部
教化
1
8
青柳
忍術野球選手
少年世界
1
9
2
4
年 1月
東京大会
忍法絶対勝利法
娯楽
教化
澄
ニ
τ
広
ヒ
少年
1
9
2
4年 1月
対校試合
フェア・フ。レイ
日本少年
1
9
2
4年 2月
対校試合
喧嘩、野球での復讐
教化
少年
1
9
2
4
年 3月
県大会
病気をおしての活躍
教化
少国民
1
9
2
4
年1
2月
全国大会
真剣、節制、努力
教化
美 しき復讐
少年倶楽部
1
9
2
5年 2月
東京大会
集団暴行
教化
山田白星
悲しき勝利
少年倶楽部
1
9
2
5年 8月
全国大会
友達を負かす苦悩
教化
2
5
山田千之
古城の秋
少年世界
1
9
2
5年 9月
府県大会
弟の死
教化
2
6
前田孤泉
秋ばれの窓
少年世界
1
9
2
5年 1
0月
大会
スリ、誤解とお詫び
教化
2
7
安倍季雄
野球納豆
少年倶楽部
1
9
2
6年 5月
対校試合
貧者救済の善行
教化
2
8
飛田穂訓|
魂を投げろ
日本少年
1
9
2
6年 7月
対校試合
一人練習、一球入魂
教化
1
9
吉田興山
さびしき笑のなぞ
2
0
飛田穂洲
無言の復讐
2
1
大井政吉
最後の本塁打
2
2
春島
優勝戦を前にして
2
3
森
武夫
2
4
安
目
注:連載ものは初回のみ挙げている 。 また角書、巻号は省略した。詳細は資料 1を参照のこと 。
傾向を助長したであろう 。そしてそれが野球小説にも
の作品で描かれているのはお茶目で悪戯好きな子ども
反映されて努力や忍耐の大切さを誼う教化ものの量産
たちである 。広田は少年雑誌に少なからぬ SF小説を
が予想されるところである 。 しかしながら、教化もの
書い ていて、彼の作品のキーワードのーっとして「茶
が量産されるのは 1
9
2
2年以降のことであり、 1
9
2
0年代
目Jが挙げられるようである 8。
) 「偽の繍帯」は広田
初頭には教化ものはなく、数は少ないがいずれも娯楽
の他の作品と共に検討されるべきものと思われる 。
ものと分類される作品であった。
草雄(大仏次郎)の 「いやな先生」は花輪小学校の
その最初の作品である広田花崖の「偽の繍帯」は
三郎や正二たちが野球チームを作り、担任の村田先生
ユーモア小説である 。物語は小学校高等科 l年の投
にグロープを購入してもらいたいと願い出て、あっさ
手、春山敏ーが対校試合の数日前に練習中にボール
りと断られてしまい、「ゃな先生!
が当たって前歯を半分折ってしまい、歯医者で入れて
ろから始まる 。三郎たちは道具もユニホームも揃った
もらった義歯がネジで取りはずしのできる金製の 2
0円
山下学校 と試合をして 2
3
対 Oで負 けてしまうが、それ
もする高価なものであったことを起点に展開する 。 こ
でも練習を続けていると、ある青年がコーチをしてく
Jを連発するとこ
奈良女子大学文学部研究教育年報第 1
1号
7
7
れることになる 。そのおかげで 2回目の山下学校との
では謝りに行かず、それは母親にまかせて家の中で小
試合は 5対 2で勝利する 。 これを見ていた村田先生
さくなっているだけである 。決して「模範生Jとは言
がコーチは自分の弟で先生が依頼したのだと告げる
えない子どもであった。 なお、「名投手ペコチャン」
と、正二が「ゃなことないやあ!
Jと叫んで作品は終
わる 。清涼感のある作品である 。「ゃな先生!」から
「ゃなことないやあ!」への反転が「子どもらしさ J
を表わしているのではなかろうか。
を載せた『世界少年』の発行元は新光社である 口
9
2
1年から 1
9
2
2年にかけての娯楽と分類さ
その他の 1
れている作品は、娯楽ものというよりは教化性のない
ものと 言 うべきものであるが、「子どもらしさ」とい
『
少年世界 Jには大仏のもう一つの作品「真の勇
う点でも取り立ててみるべきものはないように思われ
者j もある(資料l
の4
4
番
) 。 これは主人公の年齢が不
る。『少年世界 j 1
9
2
1年新年号の附録は「少年野球双
明で球音が「カーン」と記されているから小学生もの
六 J(
図1
)であった。佐々木道男の「最期の本塁打」
には含めていないが、自尊心の強い主人公、美智雄が
はこの双六を物語風に解説したものである 。企画とし
「
真の勇者 とは、どんなつまらぬ役でも最善を尽す
ては面白いが、物語としてはいわゆる「誌上マッチ J
人だj と改心する教化ものである 。「真の勇者」は大
となっており、さらにルールと矛盾する記述が複数
仏の野球小説の最初の作品で、次いで『中学生』(研
あって、失敗作と言わざるをえない。若木翠葉の「悲
究社)に数本の野球小説を書き、その後書かれたのが
しき勝利」は少年野球の全国大会を作品に採り入れた
「いやな先生」である 9)
。『中学生』掲載の作品と合
最初のもので、 1
9
2
1年 8月の第 2回全国少年野球優勝
わせて検討したいところだが、どうもすべてを入手す
大会の開催に合わせて、この大会を舞台にした物語で
るのは困難のようである 。
ある 。その意味では注目すべき作品である 。 しかし、
ささき−みちをの「名投手ペコチャン」も「子ども
主人公の妹の死を物語の中心にすえながらあまりにも
らしさ」が描かれている作品と言えるだろう 。学級の
悲壮感がなく、失敗作なのではなかろうか。大窪野次
第 2チームの投手に選ばれた不器用な佐々木道夫が自
の「味方の危機Jは中学受験で出場できなかった主人
宅の庭で投球練習をするお話である 。ボールを拾って
公がピンチに駆けつけて勝利に導くお話である 。
は投げ、拾っては投げと繰り返している聞に顔を泥だ
らけにしてしまったり、隣の家の便所の窓ガラスを
害リってしまったりする 。道夫はガラスを割っても自分
2
.1
9
2
2年以降の教化ものの主流化
表l
では 1
9
2
2
年 4月の池内菊園(池内祥三
) の「敗
図 1.「少年野球双六」 『
少年世界J1
9
2
1年新年号間録(奈良女子大学附属学術情報センタ一所蔵)
7
8
小学生を主人公にした大正期の少年野球小説
軍の勝利」以降、教化ものが圧倒的に多くなり、娯
公にして慢心を戒める物語を書いている 。佐々木濠外
楽ものは消滅していく 。「敗軍の勝利 Jは三笠小学校
の「小僧野球団 Jは裕福な家庭の正雄たちが主人公で
1が主人公である。常々冴えた
の投手で頑張り屋の北 J
ある 。正雄たちの無敵野球団はこれまでに一度も負け
投球で相手チームを封じている北川であるが、この日
たことのない強いチームであった。無敵野球団が原っ
は元気がなく 6対 3で負けてしまう 。試合が終わって
ぱで練習していると、尋常小学校を卒業したばかりで
北川が先生に腕を見せると右腕がパンパンに腫れてい
今は染物屋の小僧として働いている留蔵が仲間に入れ
る。北 J1は腕が痛いとは誰にも告げず、最後 まで力投
てくれというが、正雄たちは貧しい彼を決して仲間に
したのである 。先生は北川の健闘ぶりを称え、「これ
入れなかった 。留蔵は小僧たちを集めて小僧野球団を
まさしく敗軍の勝利である 。北川君のこの精神は、諸
結成する 。小僧野球団はメキメキ上達し、無敵野球団
君の正に活きた手本」であると、「北川君万歳 Jを三
との試合に勝利する 。 しかし、小僧野球団は l回試合
唱したのであった。「敗軍の勝利」は、小学生ものに
をしただけで、団員の仕事との関係で解散を余儀なく
限つての話ではあるが、先の芳水の「血染のボール」
される。それを知った正雄は留蔵を無敵野球団に招き
と類似しており、「野球美談Jものの復活と言ってよ
入れ、チーム名も小僧野球団に変更する 。留蔵を入れ
い作品である 。
た新生の小僧野球団は一層強くなり、東京少年野球大
ところで池内は『野球少年』(武侠世界社)の記者
であった。表l
では「敗軍の勝利」の後に『野球少
9
2
0年代の半ばに
年Jの教化ものが 3作続いている 。 1
会で優勝するのであった。野球を通じて貧者への見方
と行動を変えていく美談ものと 言 えよう 。
「なきべそ選手」は角書が「野球実話」となってい
かけて教化ものが主流となっていく上で『野球少年』
るが、実話かどうかは確認できない。スポンジボール
が果たした役割は小さくなかったのではなかろうか口
が頭に当って二度と野球はやらないと言っていた我が
以下ではこの点を中心に作品をみていこう 。
ままで泣き虫の桂次が、代打で出た大会で本塁打を
9
2
1年第
小田切平和の「姉のたましひ Jは、実際の 1
nって優勝し大泣きをする娯楽ものである 。
2回全国少年野球優勝大会(開催地は大阪)の決勝戦
1
9
2
3年に入るとそれまで娯楽ものを載せていた『少
出場校、早稲田実業と京都第一高等小学校を登場させ
年世界』にも教化ものが登場することとなる 。 『少年
ている珍しい作品である 。早稲田の主将松山は姉が重
世界』の姉妹誌『少女世界』(博文館)の主筆である
病のため大会に出場したものか思い悩むが、姉の「優
石黒露雄の「名投手」は、肩を痛めた北星小学校の横
勝するんですよ」という激励と母の学校のためにとの
川投手を、同級生で医者の息子の吉之丞が一生懸命に
声に押されて東京を出発する 。決勝戦では同点で迎え
膏薬を作って 助け、みごと勝利に導く友情物語であ
た 9回裏、走者 1.2塁で松山が打席に入ると、「優
る。 なお、野球選手を周囲の人々が支える物語も野球
勝するんですよ」との姉の声が聞こえ、その瞬間に
美談の一類型である 。飛 田 の 「 野 球 美 語 鶴 間 の 陣 太
す丁った打球がヒットとなってみごと優勝する。しかし
鼓 J(『野球少年』第 l巻第 7号
、 1
9
2
2年 9月)もその
帰京するともはや姉はこの世の人ではなかった。松山
一例である 。
は葬儀に優勝旗を捧げて参列するという話である 。野
1
9
2
3年の『少年世界Jのもう一つの作品、粛藤澄の
球美談(小説であれ実話であれ)には肉親の死を採り
「優勝カップj は、桜倶楽部主将の戸田が少年野球大
入れたものが少なくない。例えば、『野球少年』第 1
会で贈られた優勝カップをお金に替えたという噂話を
巻第 6号 (
1
9
2
2年 8月)には、母の死に際して帰郷す
聞いた白星倶楽部主将の策略を中心に物語が展開す
ることよりも愛校心のために試合に出場することを優
る。実力では勝てなくても、主将がカップを金に替え
先する、飛田穂洲の「野球美語伊丹父子」が掲載さ
た桜倶楽部には資格なしと訴えれば結果的に試合に勝
れている 。佐賀中学時代の伊丹安庚とその父(軍人)
てると見込んだ、のである 。 しかし、噂はまったく根も
に関する実話である 。
葉もない疑いであったことが判明し、白星倶楽部主将
1年前に「名投手ペコチャン」を書いた佐々木道男
は、「敗戦の日」では春と秋年に 2回の東京少年野球
大会に 5回も優勝しているミドリ倶楽部の幸男を主人
は戸田に詫び、はらはらと涙を流すのであ った。道徳
の教材のような話である 。
ではまだ作品が続くが、以下では 『
野球少年』
表1
奈良女子大学文学部研究教育年報
第1
1号
7
9
関係者の作品だけを見ておくこととする 。前田孤泉
の「さびしき笑のなぞ」である 。この作品は、前稿で
(前田重信)は『野球少年』の毎号の奥付で編輯人と
述べたフェア・プレイの精神を謡った安倍季雄の作品
して記されている人物である 。彼のやはり『少年世
の系譜をひくものと思われる 。主人公が慶鷹の応援歌
界Jに載った「秋ばれの窓」もある意味で上記の「優
を歌いながら貧しい家庭を救うために納豆を売り歩
勝カップj に似た話である 。模範生の伸太郎は納豆を
く、安倍の「野球納豆 Jと共に稿を改めて紹介した
売って病身の母と弟の生活を支えている 。ある秋の
い。大正期の小学生ものに描かれている少年像の多様
日、からの納豆の龍を背負って読書に夢中になって歩
性についてはこれらを含めて検討されるべき今後の課
いていると、スリが中身を抜き取った財布を寵に入れ
題である 。
て立ち去る 。財布の持ち主は夏の大会で伸太郎のホー
ムランで悔し涙を飲んだ、
永之助で、
ある 。永之助は警察
[
注1
で伸太郎の姿を見ると、野球での恨みも重なって伸太
1)この課題の設定に関しては、 拙稿「少年野球小説
郎を犯人だと思いこむ。 しかし、事の次第を調べてい
に見る近代日本の少年像」(『奈良女子大学文学部研
た署長の話を聞いて、永之助は伸太郎にお詫び、
をす
究教育年報J第 5号
、 2
0
0
8年1
2月
、 26-27
頁)を参
る。二人は手をひしと握り合った。
照されたい。
最後に飛田穂訓|。飛田は『野球少年』の顧問であっ
2)拙稿「最初期の少年野球小説に見る「男らしさ」
た。いくつかの「野球美語」の他に創刊号から第 2巻
(中間報告) − 「運動の精神」と「野球美談」 −」
第 5号まで「誌上コーチ
少年野球学校」を連載して
『差異と交感の人間学』(奈良女子大学大学院博士
いる 。「無言の復讐」は、常澄小学校の広二たちが隣
後期課程社会生活環境学専攻人間行動科学講座研究
村の稲荷山小学校の連中に喧嘩で負けた仇を野球で晴
プロジェクト報告書)、 2
0
1
2年 3月
、 4-16頁
。
らすお話である 。ちなみに、喧嘩の仇を喧嘩で晴らす
3)松村良「ゴムボールを手にした子供たち−「少年
「報復 Jではないのが飛田の「復讐 J論の要であろ
倶楽部Jに見る野球J疋田雅昭・日高佳紀・日比嘉
う。「魂を投げろ」は映画にもなっており、飛田の野
高編『スポーツする文学−1
9
2
0-3
0年代の文化詩
球小説の代表作である 。大洗海岸の砂丘で早朝、磯前
学J青弓社、 2
0
0
9年
、 132-160頁。
小学校 6年の広浦敬吉が砂山に作った的に向か つて一
人黙々と投球練習を繰り返している。これを見た東京
の大学野球監督の親子が、貧しくて学校の野球チーム
に加われない敬吉を助けてチームに加えてやり、最後
4)資料 lには『少年世界Jや『少年Jに掲載された
翻訳ものは載せていない。
5)全日本軟式野球連盟編『軟式野球史』ベースボー
9
7
6年。
ル・マガジン社、 1
には「魂を投げることを忘れてはいけないよ」とアド
6)松村\前掲論文、 139-141頁
。
バイスして、敬吉がノーヒット・ノーランの偉業を達
7)その根拠は、『少年世界』第 1
6
巻第 9号( 1
9
1
0
年7
成する物語である 。飛田は、『野球少年J第 l巻第 3
月)の写真口絵にある「岐阜県関町高等小学校」の
号( 1
9
2
2年 5月)に「野球美語努力の化身像」とい
「少年ゴムマリ団 Jのメンバーが「ゴムマリ団の遠
うタイトルで、明治時代の茨城尋常中学(後の水戸中
征」のメンバーと一致すると推定されるからである 。
学、飛田の母校)の名越時仲が一人で投球練習をする
8)広田に関する研究に次のものがある 。峯岸英雄
美談を書いているが、「魂を投げろ Jはこれをもとに
「田園の作家、慶田花崖の「勇気」」『公評』第4
9巻
創作されたのではないかと思われる 。だとすれば、
第 l号( 2
0
1
2年 1月
)
、 28-35頁、及び、藤元直樹
「血染のボール j と同様に中等野球の美談を小学生に
あてはめたものということになる 。
「『蒸気の家』大正版「踏破る干 山万岳の煙 j の著
者広田花崖をめぐって」 『
エクセルシオール』第 8
号( 2
0
1
4年 4月
)
、 9
1-1
0
6頁
。
おわりに
9)大仏次郎の野球小説については、福島行ーの『大
実は筆者が表l
の作品の中で野球小説として最も優
悌次郎』(上巻、草思社、 1
9
9
5年
、 1
0
9-1
1
2頁)が
れていると考えているのは、編著に『慶鷹式野球戦
詳しい。ただし、『少年世界J掲載作品については
術』(三国書房、 1
9
2
0年)のある吉田興山(吉田昌興)
内容に言及していない。
8
0
小学生を主人公にした大正期の少年野球小説
資 料 1-1
. 大正期の「少年野球小説」掲載状況( 1
)
N
o
.
タイトル
作者
掲載誌
巻号
発行年月
備考
安倍村羊
野球小説対校試合の前日
少年
1
1
9
1
9
1
3年 8月
中等
2
安倍村羊
野球小説少年審判官
少年
1
2
0
1
9
1
3年 9月
中等
3
村羊生
野球小説光栄の勝利
少年
1
2
1
1
9
1
3年 1
0月
中等
4
はうすゐ
野球小説血染のボール
日本少年
9 6
年 5月
1
9
1
4
5
はうすゐ
野球小説兄の代りに
日本少年
9-7
1
9
1
4
年 6月
匿亙
圏
三
百
6
しすゐ
野球小説守り札
日本少年
9-8
1
9
1
4
年 7月
中等
7
安倍季雄
野球小説大遠征
少年
1
3
4
1
9
1
4年 1
1月
中等
8
安倍季雄
野球小説大遠征
少年
1
3
5
1
9
1
4年 1
2月
中等
9
安倍季雄
野球小説大陸の第一戦
少年
1
3
6
1
9
1
5年 1月
中等
1
0
安倍季雄
野球小説世界争覇戦
少年
1
3
7
1
9
1
5年 2月
中等
1
1
安倍季雄
野球小説食堂の活劇
少年
1
3
8
1
9
1
5年 3月
中等
1
2
安倍季雄
野球小説球界の常勝軍
少年
1
3
9
1
9
1
5年 4月
中等
1
3
安倍季雄
野球小説勝利の凱歌
少年
1
4
0
1
9
1
5年 5月
中等
1
4
若木翠葉
野球小説をとこ
日本少年
10-12
1
9
1
5年 1
0月
中等
1
5
関鉄腕子
野球物語
少年倶楽部
2-10
1
9
1
5年 1
0月
直亙
1
6
安倍季雄
野球小説龍門倶楽部
少年
1
4
8
1
9
1
6年 1月
中等
1
7
安倍季雄
野球小説龍門倶楽部
少年
1
5
0
1
9
1
6年 3月
中等
1
8
安倍季雄
野球小説潜龍寮の健児
少年
1
5
2
1
9
1
6年 5月
中等
1
9
安倍季雄
野球小説向陵の白熱戦
少年
1
5
3
1
9
1
6年 6月
中等
2
0
安倍季雄
野球小説努頭の野次戦
少年
1
5
4
1
9
1
6年 7月
中等
2
1
関鉄腕子
野球小説ベスの手柄
少年倶楽部
3-7
1
9
1
6年 7月
中等
2
2
安倍季雄
野球小説捧猛なる野次
少年
1
5
5
1
9
1
6年 8月
中等
2
3
安倍季雄
野球小説本塁打の教訓
少年
1
5
6
1
9
1
6年 9月
中等
2
4
安倍季雄
野球小説天下分目の戦
少年
1
5
7
1
9
1
6年 1
0月
中等
2
5
はうすゐ
滑稽野球小説名捕手
日本少年
11-12
1
9
1
6年 1
0月
中等
2
6
安倍季雄
野球小説覇者の光栄
少年
1
5
8
1
9
1
6年 1
1
月
中等
2
7
安倍季雄
野球小説大投手の腕力
少年
1
6
0
1
9
1
7年 1月
中等
2
8
安倍季雄
野球小説球界の大椿事
少年
1
6
1
1
9
1
7年 2月
中等
2
9
若木翠葉
野球小説最後の一球
少年
1
6
7
1
9
1
7年 7月
中等
3
0
若木翠葉
野球小説初陣
日本少年
12-12
1
9
1
7年 1
0月
中等
3
1
大窪弥次
野球物語
この一撃
少年世界
23-12
1
9
1
7
年1
1月
中等
3
2
しすゐ
野球小説父の一声
日本少年
1
2-13
1
9
1
7
年1
1月
中等
3
3
若木翠葉
野球小説兄
日本少年
13-5
1
9
1
8
年 4月
中等
3
4
若木翠葉
野球小説鮮血を浴びつつ
少年
1
7
8
1
9
1
8年 5月
中等
3
5
弥次之助
滑稽野球小説英雄豪傑野球団
日本少年
13-6
1
9
1
8年 5月
英雄
3
6
若木翠葉
野球小説
日本少年
13-13
1
9
1
8年 1
1
月
中等
3
7
安倍季雄
野球小説主将の涙
少年
1
8
5
1
9
1
8年 1
2月
中等
3
8
安倍季雄
野球小説全校の望を負うて
少年
1
8
7
1
9
1
9年 2月
中等
3
9
安倍季雄
野球小説鉄拳の下に
少年
1
8
8
1
9
1
9年 3月
中等
4
0
安倍季雄
野球小説新主将の重任
少年
1
8
9
1
9
1
9年 4月
中等
4
1
安倍季雄
野球小説金鉄の一言
少年
1
9
0
1
9
1
9年 5月
中等
4
2
安倍季雄
野球小説男の涙
少年
1
9
1
1
9
1
9年 6月
中等
4
3
安倍季雄
野球小説銀杏の梢を仰いで
少年
1
9
5
1
9
1
9年 1
0月
中等
ゴムマリ団の遠征
日本少年野球団
8
1
奈良女子大学文学部研究教育年報第 1
1号
資料
N
o
.
作者
4
4
草雄
4
5
安倍季雄
4
6
1-2. 大正期の「少年野球小説j掲載状況(2
)
掲載誌
巻号
発行年月
備考
少年世界
25-12
2月
1
9
1
9年 1
不明
野球小説雪辱の一戦
少年
1
9
9
1
9
2
0
年 2月
中等
安倍季雄
野球小説両雄の会見
少年
2
0
0
1
9
2
0年 3月
中等
4
7
広田花崖
野球小説偽の繍帯
少年世界
2
6-4
1
9
2
0年 4月
匿亙
4
8
安倍季雄
野球小説勝利の悲哀
少年
2
0
1
1
9
2
0年 4月
中等
4
9
広田花崖
野球小説偽の繍帯
少年世界
26-5
1
9
2
0年 5月
直亘
5
0
安倍季雄
野球小説秀男の初陣
5
1
有本芳水
野球小説若き投手
5
2
安倍季雄
5
3
タイトル
野球小説真の勇者
少年
2
0
2
1
9
2
0年 5月
中等
日本少年
15-5
1
9
2
0年 5月
中等
野球小説審判官の激怒
少年
2
0
4
1
9
2
0年 7月
中等
安倍季雄
野球小説九対零の大勝
少年
2
0
5
1
9
2
0年 8月
中等
5
4
佐々木道男
野球小説最期の本塁打
少年世界
27-1
1
9
2
1年 1月
匿亘
5
5
安倍季雄
黒熊軍の新投手
少年
2
1
0
1
9
2
1年 1月
フロ
5
6
安倍季雄
野球小説父の枢を前にして
少年
2
1
1
1
9
2
1年 2月
5
7
安倍季雄
野球小説初陣の快技
少年
2
1
3
1
9
2
1年 4月
フロ
フ
。
ロ
5
8
草雄
野球小説いやな先生
少年世界
27-5
1
9
2
1年 5月
匿亘
5
9
安倍季雄
少年
2
1
5
1
9
2
1年 6月
フ
。
ロ
6
0
ささき ・みちを
世界少年
4-7
1
9
2
1年 6月
直宣
6
1
雲井龍之助
創痩を裏んで
少年
2
1
6
1
9
2
1年 7月
フ
。
ロ
6
2
若木翠葉
野球小説悲しき勝利
少年世界
2
7 9
1
9
2
1年 8月
直亘
6
3
安倍季雄
野球小説貴重なる一点
少年
2
1
7
1
9
2
1年 8月
フ
。
ロ
6
4
安倍季雄
野球小説大選手と少年譲次
少年
2
1
8
1
9
2
1年 9月
フロ
6
5
清水秋男
恨の一戦
少年
2
1
9
1
9
2
1年 1
0月
高等
6
6
雲井龍之助
野球小説
少年
2
2
1
1
9
2
1年 1
2月
フロ
6
7
清水秋男
野球小説燃ゆる怨
少年
2
2
3
1
9
2
2年 2月
高等
6
8
清水秋男
燃ゆる怨
少年
2
2
4
1
9
2
2年 3月
高等
1
9
2
2
年 3月
野球小説
白熱戦の本塁打
野球物語名投手ペコチャン
日米親善の為に
6
9
大窪野次
野球小説味方の危機
野球少年
1-1
7
0
池内菊園
野球小説敗軍の勝利
世界少年
5-5
1
9
2
2年 4月
7
1
小田切平和
野球小説姉のたましひ
野球少年
1-2
1
9
2
2年 4月
回亙
匝亘
匿亘
7
2
高山辰三
探偵小説不安の前日
野球少年
1-4
1
9
2
2年 6月
中等
7
3
長尾正樹
野球小説霊に捧ぐる優勝旗
野球少年
1-4
1
9
2
2年 6月
中等
7
4
安倍季雄
野球小説ママさん譲次
少年
2
2
8
1
9
2
2年 7月
フロ
7
5
佐々木道男
野球小説敗戦の日
野球少年
1-5
1
9
2
2年 7月
匿亘
7
6
小泉
野球小説最後の本塁打
少年倶楽部
9-8
1
9
2
2年 8月
不明
7
7
安倍季雄
初舞台
少年
2
3
0
1
9
2
2年 9月
フロ
7
8
石黒露雄
左翼の活躍(野球小説)
野球少年
1-7
年 9月
1
9
2
2
中等
葵南
7
9
安倍季雄
高鳴る胸を押さへてプレートに
8
0
佐々木濠外
野球小説小僧野球団
8
1
安倍季雄
野球小説警官隊の殺到
8
2
三木葉一郎
野球奇談少年打撃王
8
3
安倍季雄
微吟の唇を噛んで
8
4
三木葉一郎
野球実話
8
5
白石賓三
優勝旗(少年小説)
8
6
安倍季雄
野球小説譲次の快打
なきべそ選手
少年
2
3
1
1
9
2
2
年1
0月
フロ
野球少年
1-8
0月
1
9
2
2年 1
匿亘
少年
2
3
2
1
9
2
2年 1
1月
フ
。
ロ
野球少年
1-9
1月
1
9
2
2年 1
中等
少年
2
3
3
1
9
2
2年 1
2月
フロ
野球少年
1-10
2月
1
9
2
2年 1
回亘
少年世界
29-1
1
9
2
3年 1月
中等
少年
2
3
4
1
9
2
3年 l月
フロ
小学生を主人公にした大正期の少年野球小説
8
2
資料
1-3. 大正期の「少年野球小説」掲載状況(3
)
N
o
.
作者
8
7
安倍季雄
野球小説暴漢の殺到
8
8
石黒
野球小説名投手
8
9
安倍季雄
9
0
タイトル
掲載誌
巻号
発行年月
備考
少年
2
3
5
1
9
2
3年 2月
フロ
少年世界
29-4
1
9
2
3年 4月
匿亘
野球小説正義の勝利
少年
2
3
7
1
9
2
3年 4月
フロ
j
青水秋男
野球小説初陣
少年
2
3
8
1
9
2
3年 5月
高等
9
1
小泉
野球小説燃ゆる怨
少年倶楽部
1
0 5
1
9
2
3年 5月
中等
9
2
有本芳水
野球小説死球
日本少年
1
8-7
1
9
2
3年 7月
中等
9
3
小泉三郎
野球小説鳴呼復讐戦
少年倶楽部
10-8
1
9
2
3年 8月
中等
9
4
小泉三郎
野球小説鳴呼復讐戦
少年倶楽部
10-9
1
9
2
3年 9月
中等
9
5
薪藤
少年世界
29-10
1
9
2
3年 1
0月
直雪
露雄
葵南
澄
少年野球小説優勝カップ(前篇)
少年倶楽部
10-10
0月
1
9
2
3年 1
中等
少年野球小説優勝カップ
少年世界
29-11
1月
1
9
2
3年 1
匿亘
歌川龍平
野球小説決勝戦
武侠少年
2-10
1
月
1
9
2
3年 1
中等
9
9
吉田興山
野球小説男(上)
少年
2
4
5
2月
1
9
2
3年 1
1
0
0
吉田興山
野球小説男(下)
少年
2
4
6
1
9
2
3年 1
2月
1
0
1
青柳
奇智縦横忍術野球選手
少年世界
30-1
年 l月
1
9
2
4
1
0
2
吉田興山
野球小説
少年
2
4
8
1
9
2
4年 1月
1
0
3
飛 田 穂1
1
+
1
野球小説無言の復讐
日本少年
19-2
年 2月
1
9
2
4
1
0
4
大井政吉
読者文芸最後の本塁打
少年
2
5
2
1
9
2
4
年 3月
匝亘
匿亘
匿亘
匿亘
直亘
匿亘
1
0
5
西原健一
野球小説弔ひ合戦
少年
2
5
4
1
9
2
4
年 5月
高等
1
0
6
奥野榔子夫
野球小説何故に泣く
少年
2
5
6
1
9
2
4
年 7月
中等
1
0
7
原
野球小説彼の雅量
日本少年
19-13
1
9
2
4
年1
2月
中等
1
0
8
春島
少国民
6-12
年1
2月
1
9
2
4
匿亘
1
0
9
白井桃村
野球小説最後の一球
少年倶楽部
12-1
1
9
2
5年 l月
中等
1
1
0
キ
オ
木
ミ
武夫
野球小説美しき復讐
少年倶楽部
12-2
1
9
2
5年 2月
直亘
1
1
1
安倍季雄
野球小説
少年
2
6
4
1
9
2
5年 3月
高等
1
1
2
安倍季雄
大熱球小説球界の覇権を握りて
少年
2
6
6
1
9
2
5年 5月
高等
1
1
3
白井桃村
野球小説悲憤の熱球
少年倶楽部
12-5
1
9
2
5年 5月
中等
1
1
4
小泉葵南
野球小説墓前の優勝旗
少年
2
6
7
1
9
2
5年 6月
中等
1
1
5
P
升
F
木
;
;
少年倶楽部
12-6
1
9
2
5年 6月
中等
1
1
6
磯員月城
熱血野球小説或る投手の話
日本少年
20-7
1
9
2
5年 7月
中等
1
1
7
島
古今東西英雄豪傑滑稽野球大試合
少年倶楽部
12-7
1
9
2
5年 7月
英雄
1
1
8
山田白星
野球小説悲しき勝利(一等当選)
少年倶楽部
12-8
1
9
2
5年 8月
1
1
9
山田千之
野球小説古城の秋
少年世界
31-9
1
9
2
5年 9月
1
2
0
前田孤泉
野球小説秋ばれの窓
少年世界
31-10
0月
1
9
2
5年 1
匿亘
匿亙
匿亘
1
2
1
磯員月城
熱血野球小説その前夜
日本少年
20-10
0月
1
9
2
5年 1
中等
1
2
2
白井桃村
野球小説
少年倶楽部
13-4
1
9
2
6年 4月
中等
1
2
3
安倍季雄
野球美談野球納豆
少年倶楽部
13-5
1
9
2
6年 5月
直亘
1
2
4
磯員月城
熱血野球小説純情の賦
日本少年
21-6
1
9
2
6年 6月
中等
1
2
5
飛田穂が||
野球小説魂を投げろ
日本少年
21-7
1
9
2
6年 7月
回亘
1
2
6
小野姐夫
熱血小説大投手
少年倶楽部
13-7
1
9
2
6年 7月
高等
1
2
7
伊藤照雄
野球小説輝く走塁
少年倶楽部
1
3-9
1
9
2
6年 9月
中等
1
2
8
白井桃村
野球小説優勝戦を前に
少年倶楽部
13-10
0月
1
9
2
6年 1
中等
1
2
9
飛 田 穂 がH
野球小説死戦の覚悟
日本少年
21-12
2月
1
9
2
6年 1
中等
9
6
三田森豊
9
7
粛藤
9
8
澄
ニ
コ
ヒ
ミ
掬水
譲
武夫
東吉
野球小説血涙にぬれた熱球
さびしき笑のなぞ
野球小説優勝戦を前にして
『青春』の誇り
野球小説正義は捷つ
まことの勝利
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