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海外リスクセンサー - 東京海上日動リスクコンサルティング株式会社

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海外リスクセンサー - 東京海上日動リスクコンサルティング株式会社
海外リスクセンサー (東北地方太平洋沖地震について(その 2))
2011 年 3 月 15 日 18:06
海外リスクセンサー
東京海上日動リスクコンサルティング株式会社
茂木 寿
東北地方太平洋沖地震について(その 2)
目 次
1.地震の概要 ..................................................................................................................................3
①本震の概要 .................................................................................................................................................. 3
②余震の概要 .................................................................................................................................................. 6
③津波の状況 .................................................................................................................................................. 7
2.政府の対応 ..................................................................................................................................9
①概要.................................................................................................................................................................. 9
②原子力 ............................................................................................................................................................. 9
3.被害の概要 ...............................................................................................................................10
①死傷者 ........................................................................................................................................................ 10
②住居等 ........................................................................................................................................................ 11
③企業等の被害........................................................................................................................................... 11
④電力・原子力関連 .................................................................................................................................. 14
⑤停電の状況 ............................................................................................................................................... 15
⑥東京電力による計画停電 ..................................................................................................................... 15
⑦ガス ............................................................................................................................................................ 15
⑧水道(断水)........................................................................................................................................... 16
⑨道路 ............................................................................................................................................................ 16
4.原子力発電所関連 ..................................................................................................................17
①東北電力(株)女川原子力発電所.................................................................................................... 17
②東京電力(株)福島第一原子力発電所........................................................................................... 17
③東京電力(株)福島第二原子力発電所........................................................................................... 17
④避難指示・避難勧告.............................................................................................................................. 18
1
©東京海上日動リスクコンサルティング株式会社 2011
海外リスクセンサー (東北地方太平洋沖地震について(その 2))
2011 年 3 月 15 日 18:06
【本号のサマリー】
通常、本レポートは海外での事象に関連するものとして、作成・配信しているが、今般発生
した「平成 23 年(2011 年)東北地方太平洋沖地震」については、世界的な影響があるとの
観点から、海外リスクセンサーとして、作成・配信するものである。
日本時間 2011 年 3 月 11 日午後 2 時 46 分 23 秒、宮城県の牡鹿半島の東南東約 130km 付近
(深さ約 24km)を震源・震央とする M9.0 の地震が発生した。(米国地質調査所(USGS:
United States Geological Survey は M8.9 と発表している)この地震により、地震直後から青
森県・岩手県・宮城県・福島県の広い範囲に津波が到来し、高いところでは 10m に達する津
波が到来し、
場所によっては壊滅的な被害を受けている。現在までに確認された死者数は 2,475
人、行方不明者 3,611 人、負傷者 1,889 人、孤立者 10,998 人、更に避難者数は 439,337 人と
なっているが、安否が確認されていない住民が数万人いるとされており、今後、死傷者が大幅
に増加する可能性が高い。
また、この地震・津波による影響により、緊急停止した福島第一原子力発電所及び福島第二原
子力発電所では、炉心を冷却する注水機能が喪失し、炉心内の気圧・温度が上がるという事態
となり、両発電所とも原子力災害対策特別措置法第 15 条 1 項 2 号に該当する事象が発生した
ことを受け、原子力緊急事態宣言を発令した。その後、炉心内の冷却に向けた対応がされたが、
3 月 12 日午後 3 時 36 分、福島第一原子力発電所 1 号機建屋付近で爆発が発生、3 月 14 日午
前 11 時 01 分には同発電所 3 号機の建屋において、更には 3 月 15 日午前 6 時 10 分には同発
電所 2 号機のサプレッション・チェンバー(圧力抑制室)で爆発が発生する事態に発展してい
る。特に、福島第一原子力発電所の 2 号機においては、今後も予断を許さない状況であること
に留意が必要である。
下記は今次地震の被害の概要等を中心にまとめたものである。なお、赤字の部分は前回のレポ
ートからの更新部分である。
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©東京海上日動リスクコンサルティング株式会社 2011
海外リスクセンサー (東北地方太平洋沖地震について(その 2))
2011 年 3 月 15 日 18:06
1. 地震の概要
① 本震の概要
†
日本時間 2011 年 3 月 11 日午後 2 時 46 分 23 秒(協定世界時(UTC:Universal Time
Coordinated)同日午前 5 時 46 分 23 秒)、宮城県の牡鹿半島の東南東約 130km 付近
(深さ約 24km)を震源・震央とする M9.0 の地震が発生した。(米国地質調査所
(USGS:United States Geological Survey は M8.9 と発表している)
†
日本政府は今次地震を「平成 23 年(2011 年)東北地方太平洋沖地震」
(The 2011 off
the Pacific coast of Tohoku Earthquake)と命名した。
†
気象庁の発表によれば、今次東北地方太平洋沖地震の震源域は長さ約 500km、幅約
200km に及び、宮城県沖から銚子沖にかけての広い範囲とのこと。また、本震にお
いては、断層の破壊が断続的に 5 分以上続いたとのこと。
†
この地震により、宮城県栗原市で震度 7 を観測し、宮城県の涌谷町・登米市・大崎市・
名取市等、宮城県・福島県・茨城県・栃木県の 4 県 28 市町村で震度 6 強を観測した
他、東北地方を中心に北海道から九州地方にかけて震度 6 弱~1 を観測した。
†
これに対し、気象庁は 3 月 11 日午後 2 時 49 分に津波警報・注意報を発令した。概要
は以下の通りである。
-
大津波の津波警報:岩手県・宮城県・福島県
-
津波の津波警報:北海道太平洋沿岸中部・青森県太平洋沿岸・茨城県・千葉県九十
九里・外房・伊豆諸島
-
津波注意報:北海道太平洋沿岸東部・北海道太平洋沿岸西部・青森県日本海沿岸・
千葉県内房・小笠原諸島・相模湾・三浦半島・静岡県・愛知県外海・三重県南部・
和歌山県・徳島県・高知県・宮崎県・種子島・屋久島地方・奄美諸島・トカラ列島
†
この津波警報は 3 月 11 日午後 10 時 53 分に大津波警報の範囲は岩手県・宮城県・福
島県の他、北海道太平洋沿岸中部・青森県太平洋沿岸・茨城県・千葉県九十九里・外
房・伊豆諸島・北海道太平洋沿岸東部・北海道太平洋沿岸西部・青森県日本海沿岸・
千葉県内房・小笠原諸島・相模湾・三浦半島・静岡県・和歌山県・徳島県・高知県に
発令され、太平洋岸の非常に広い範囲に発令された。その後、津波警報は 3 月 12 日
午後から段階的に解除され、3 月 13 日午後 5 時 58 分に全ての津波警報・津波注意報
は解除された。
†
図表 1 は世界で発生した主な歴史地震の中でマグニチュード(M)8.6 以上の地震の
一覧である。歴史的に確認されている地震において、過去に M9.0 以上の地震は 7 つ
のみであり、その点からも、今次地震の規模が極めて大きな地震であることが分る。
【図表 1:世界で発生した歴史地震(M8.6 以上)】
発生年月日
発生国
発生地域
地震名
M
1960 年 5 月 22 日
チリ
ロス・ラゴス州
チリ地震
9.1
3
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2011 年 3 月 15 日 18:06
発生年月日
発生国
発生地域
地震名
M
1964 年 3 月 28 日
米国
アラスカ州
アラスカ地震
9.2
2004 年 12 月 26 日
インドネシア
スマトラ沖
スマトラ沖地震(2004 年)
9.1
2011 年 3 月 11 日
日本
三陸沖
東北地方太平洋沖地震
9.0
1952 年 11 月 4 日
旧ソ連
カムチャツカ半島
カムチャツカ半島地震
9.0
1868 年 8 月 13 日
チリ
チリ・ペリー国境地帯
チリ・ペルー地震
9.0
1700 年 1 月 26 日
カナダ
ブリティッシュ・コロン
ビア州
カスケード地震
9.0
1755 年 11 月 1 日
ポルトガル
リスボン
リスボン地震
9.0
2010 年 2 月 27 日
チリ
ビオビオ州
チリ地震(2010 年)
8.8
1906 年 1 月 31 日
エクアドル
エクアドル-コロンビア
国境
エクアドル沿岸地震
8.8
1965 年 2 月 4 日
米国
アラスカ州
ラット諸島地震
8.7
1730 年 7 月 8 日
チリ
バルパライソ沖
チリ沖地震
8.7
2005 年 3 月 28 日
インドネシア
スマトラ沖
スマトラ沖地震(2005 年)
8.6
1957 年 3 月 9 日
米国
アラスカ州
アンドレアノフ諸島地震
8.6
1950 年 8 月 15 日
中国
チベット・インド国境地
帯
チベット地震
8.6
【図表 2:世界で発生した歴史地震(死者 5 万人以上)
】
発生年月日
発生国
発生地域
地震名
死者数
M
1556 年 1 月 23 日
中国
陝西省
華県地震
830,000
8.0
1976 年 7 月 27 日
中国
河北省
唐山地震
779,000
7.8
2004 年 12 月 26 日
インドネシ
ア
スマトラ沖
スマトラ沖地震
306,674
9.1
1737 年 10 月 11 日
インド
カルカッタ
300,000
7.4
115 年 12 月 3 日
トルコ
アンタルキア
260,000
7.4
1920 年 12 月 16 日
中国
甘粛省
234,117
8.5
海原地震
4
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発生年月日
発生国
発生地域
地震名
死者数
M
2010 年 1 月 12 日
ハイチ
ポルトープランス
ハイチ地震
230,000
7.0
1138 年 8 月 9 日
シリア
アレッポ
アレッポ地震
230,000
8.5
856 年 12 月 22 日
イラン
ダムガン
ダムガン地震
200,000
8.0
1303 年 9 月 17 日
中国
山西省
洪洞・趙城地震
200,000
8.0
1908 年 12 月 28 日
イタリア
メッシーナ
メッシーナ地震
200,000
7.5
893 年 3 月 23 日
イラン
アルダビル
アルダビル地震
150,000
1923 年 9 月 1 日
日本
関東
関東大震災
142,800
7.9
533 年 11 月 29 日
トルコ
アレッポ
130,000
7.4
1948 年 10 月 5 日
トルクメニ
スタン
アシュガバット
アシュガバット地震
110,000
7.3
1290 年 9 月 27 日
中国
河北省
渤海地震
100,000
1755 年 11 月 1 日
ポルトガル
リスボン
リスボン地震
100,000
9.0
1970 年 5 月 31 日
ペルー
北部ユンガイ市周
辺
アンカシュ地震
100,000
7.9
2008 年 5 月 12 日
中国
四川省
四川大地震
87,587
8.0
2005 年 10 月 8 日
パキスタン
アサド・カシミー
ル州
パキスタン地震
86,000
7.6
1667 年 11 月
アゼルバイ
ジャン
シェマハ
80,000
1727 年 11 月 18 日
イラン
タブリーズ
77,000
1718 年 6 月 19 日
中国
甘粛省
通渭・甘谷地震
75,000
7.5
1932 年 12 月 25 日
中国
甘粛省
昌馬地震
70,000
7.6
1268 年
トルコ
南部アダナ市周辺
60,000
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死者数
M
シチリア島
60,000
7.5
パキスタン
クウェッタ
60,000
7.7
1868 年 8 月 16 日
エクアドル
コロンビア国境
55,000
1695 年 5 月 18 日
中国
山西省
臨汾地震
52,600
7.8
1739 年 1 月 3 日
中国
寧夏回族自治区
平羅・銀川地震
50,000
8.0
1783 年 2 月 5 日
イタリア
カラブリア州
50,000
1780 年 1 月 8 日
イラン
北西部
50,000
7.4
1789 年 5 月 29 日
トルコ
東部
50,000
7.0
1988 年 12 月 7 日
アルメニア
北西部
50,000
6.8
1990 年 6 月 20 日
イラン
北西部マンジール
周辺
50,000
7.4
発生年月日
発生国
発生地域
1693 年 1 月 11 日
イタリア
1935 年 5 月 30 日
地震名
アルメニア地震
② 余震の概要
†
日本時間 2011 年 3 月 11 日午後 2 時 46 分 23 秒に発生した今次地震の本震以降、今
次地震の余震と思われる M4.0 以上の余震が計 415 回発生している。但し、3 月 14
日以降、余震の回数は減少する傾向が見られる。
【図表 3:余震(含:本震)の規模分布(3 月 15 日午後 3 時 20 分現在)
】
†
M の分布
回数
4.0~4.9
162
5.0~5.9
222
6.0~6.9
29
7.0~7.9
1
8.0~
1
合計
415
これまでの余震のほとんどは M5.0~M5.9 の規模の余震となっているが、M6.0 を超
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2011 年 3 月 15 日 18:06
える余震も 29 回発生しており、今後も M6.0 を越える余震が頻発する可能性が高い
と言える。ちなみに、本震発生後 3 日以上経過した日本時間 2011 年 3 月 14 日午前 0
時以降でも、M6 以上の余震が 1 回発生している。
③ 津波の状況
†
下記は今次地震による津波の概要(津波の高さ意 2m 以上)であるが、最大の津波が
到達した仙台新港では、
地震発生後約 1 時間 10 分後に高さ 10m の津波が観測された。
一方、岩手県内では地震発生から 30 分後程度で高い津波が到来しているが、想定を
超える津波となったことから、計測不能の港も数多く発生した。下記は計測が出来た
ものの一覧であるが、実際にはこれを大きく超える津波が岩手県・宮城県等の沿岸部
に到来した可能性が高いと言える。
【図表 4:今次地震による津波の概要(波高 2m 以上)】
第一波
津波の高さ
(m)
最大波
津波の高さ
(m)
釧路
2011/3/11 15:34
2.00
2011/3/11 23:39
2.10
根室市花咲
2011/3/11 15:34
微弱
2011/3/11 15:57
2.80
浜中町霧多布港
2011/3/11 15:27
微弱
2011/3/11 22:19
2.60
浦河
2011/3/11 15:19
0.20
2011/3/11 16:42
2.70
十勝港
2011/3/11 15:26
0.20
2011/3/11 15:57
2.80
えりも町庶野
2011/3/11 15:18
0.10
2011/3/11 15:44
3.50
函館
2011/3/11 16:11
1.90
2011/3/11 23:35
2.40
苫小牧西港
2011/3/11 15:37
0.20
2011/3/11 17:30
2.10
苫小牧西港
2011/3/11 15:40
0.20
2011/3/11 16:17
2.50
八戸
2011/3/11 15:22
0.80
2011/3/11 16:51
2.70
むつ市関根浜
2011/3/11 15:20
0.10
2011/3/11 18:16
2.90
宮古
2011/3/11 14:48
0.20
2011/3/11 15:21
4.00
宮古沖*
2011/3/11 14:50
0.40
2011/3/11 15:12
6.30
大船渡
2011/3/11 14:46
0.20
2011/3/11 15:15
3.20
釜石
2011/3/11 14:45
0.10
2011/3/11 15:21
4.10
釜石沖*
2011/3/11 14:50
0.30
2011/3/11 15:12
6.80
気仙沼広田湾沖*
2011/3/11 14:54
6.00
2011/3/11 15:14
6.00
石巻市鮎川
2011/3/11 14:46
0.10
2011/3/11 15:20
3.30
相馬
2011/3/11 14:55
0.30
2011/3/11 15:50
7.30
仙台新港
不明
2011/3/11 15:55
10.00
大洗
2011/3/11 15:15
1.80
2011/3/11 16:52
4.20
銚子
2011/3/11 15:13
0.50
2011/3/11 17:22
2.40
須崎港
2011/3/11 17:00
1.40
2011/3/11 20:59
2.60
注:* 沖合の GPS 波浪計で観測した津波の観測値
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2011 年 3 月 15 日 18:06
【図表 5:今次地震による津波の概要(海外)
】
国・地域
津波の高さ
(m)
台湾
0.10
ニュージーランド
0.40
米国(グアム)
0.40
米国(北マリアナ諸島)
0.40
米国(ハワイ州マウイ島)
2.10
フィリピン
1.00
パラオ
0.11
インドネシア(北スラウェシ州・モルッカ諸島)
0.10
ロシア(オホーツク海沿岸)
3.30
ロシア(千島列島)
3.30
米国(ミッドウェー島)
1.50
米国(アラスカ州シェミア島)
1.50
米国(アラスカ州アリューシャン列島)
1.50
米国(ハワイ州ハワイ島コナ)
3.70
米国(ウェーク島)
1.80
米国(カリフォルニア州)
2.00
メキシコ
0.70
米国(ブリティッシュ・コロンビア州)
0.50
フランス領ポリネシア(タヒチ島)
0.40
チリ(イースター島)
0.30
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2011 年 3 月 15 日 18:06
2. 政府の対応
① 概要
†
日本政府は 2011 年 3 月 11 日午後 2 時 50 分に総理官邸内危機管理センターに官邸対
策室を設置した。
†
また、同日午後 3 時 27 分に総理大臣から防衛大臣に対し、自衛隊の活動を指示した。
更に、同日午後 3 時 30 分に政府の緊急災害対策本部が設置された。
†
日本政府は 2011 年 3 月 13 日未明、今次地震による被害について、全国を対象に激甚
災害に指定する政令を 12 日夜に閣議決定したと発表した。
② 原子力
†
政府は 3 月 11 日午後 4 時 36 分、東京電力(株)福島第一原子力発電所において、原
子力災害対策特別措置法第 15 条 1 項 2 号に該当する事象が発生したことを受け、原
子力緊急事態宣言を発令した。
†
政府は 3 月 11 日午後 9 時 23 分、原子力災害対策特別措置法の規定に基づき、福島県
大熊町及び二葉町に対し、住民の避難指示を発令した。
†
政府は 3 月 12 日午前 5 時 22 分、東京電力(株)福島第二原子力発電所において、原
子力災害対策特別措置法第 15 条 1 項 2 号に該当する事象が発生したことを受け、原
子力緊急事態宣言を発令した。
†
これに伴い、原子力災害対策本部の名称が「福島第一原子力発電所事故及び福島第二
原子力発電所事故にかかる原子力災害対策本部」に改称した。
9
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2011 年 3 月 15 日 18:06
3. 被害の概要
① 死傷者
†
現在まで確認された死者数は 2,475 人、行方不明者 3,611 人、負傷者 1,889 人、孤立
者 10,998 人、更に避難者数は 439,337 人となっている。
【図表 6:今次地震による死傷者数(15 日午後 0 時 30 分現在)
】
死者数
行方不明者
負傷者数
避難者
北海道
1
3
青森
3
1
66
岩手
675
315
144
10,000
46,405
宮城
1,254
1,219
324
900
203,953
98
131,665
2,143
8
秋田
山形
1
21
福島
492
東京
7
77
茨城
19
614
22,595
栃木
4
96
9,530
群馬
1
35
23,046
2,069
220
41
埼玉
千葉
15
神奈川
3
7
167
68
静岡
4
高知
1
合計
†
孤立者数
2,475
3,611
1,889
10,998
439,337
上記はあくまでも確認済みの人数であるが、その他、下記のような状況となっている
ことから、今後死傷者が大幅に増加する可能性が高い。
-
岩手県陸前高田市において、約 5,000 世帯が水没しているとのこと。なお、自衛隊
の隊員によれば、同市街地等で 300 人~400 人の遺体が確認されたとのこと。
-
警察庁によれば、仙台市で 200~300 人の遺体が発見されているとのこと。但し、
現場周辺が水没しており、近づけないとのこと。
-
警察庁によれば、仙台市若林区荒浜新 1 丁目及び 2 丁目で住宅地の家屋約 2,700
世帯が土台を残して、ほとんど流されている模様とのこと。(多数の死傷者が発生
している可能性あり)
-
宮城県益田体育館及び岩沼市立体育館に 100 体単位の遺体が収容される予定との
こと。
-
宮城県東松島市野蒜で 200 人以上の遺体が新たに見つかり、東松島体育館に収容
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海外リスクセンサー (東北地方太平洋沖地震について(その 2))
2011 年 3 月 15 日 18:06
される予定とのこと。
-
南相馬市の県道 391 号~260 号~274 号沿いの約 1,800 世帯が壊滅状態となってい
る。(死傷者不明)
-
宮城県東松島市によれば、1 万人以上の住民と連絡が取れなくなっているとのこと。
-
宮城県南三陸町で人口半分以上の 1 万人と連絡が取れなくなっている。
-
岩手県大槌町で町長を含め 1 万人以上の住民と連絡が取れない状況となっている。
また、岩手県山田町(住民約 19,000 人)でも多くの行方不明者が出ているとのこ
と。
-
岩手県及び宮城県を中心に連絡が取れない安否不明の住民は数万人に上る模様で
ある。
-
竹内直人宮城県警察本部は 3 月 13 日の(宮城県の)災害対策本部の会議の中で、
地震と津波によって宮城県内で死亡した人の数について「ほぼ 1 万人単位に及ぶ
のは間違いない」と述べた。
-
宮城県警察本部は 3 月 14 日、女川町に遺体が 1,000 体以上あると思われると発言
した。
-
宮城県災害対策本部会議で 3 月 14 日、南三陸町に遺体約 1,000 体、山元町に遺体
が多数あるとの報告がされた。
-
宮城県警は 3 月 14 日、石巻市の浜辺に約 1,000 体の遺体があると発表した。
-
米国カリフォルニア州クレセントシティ(Crescent City)で、4 人が津波にさら
われ、うち 1 人の死亡が確認された。
② 住居等
†
住宅等の被害については、現状確認されているのは以下の通りである。
(15 日午前 10
時現在)
-
全壊:3,346 棟
-
半壊:2,534 棟
-
浸水:3,040 棟
-
全焼:125 棟
-
一部損壊:49,507 棟
③ 企業等の被害
下記は主な企業等の被害の概要である。なお、下記内容は報道機関等により報道された
ものをまとめたものであり、小職及び弊社がコンサルティング・ヒアリング等で収集し
た内容ではない。(東北電力及び東京電力は④以下参照)
【図表 7:主な企業における被害の概要】
企業名
被害状況
トヨタ自動車
・子会社の岩手工場(岩手県金ケ崎町)・宮城工場(宮城県大衡村)の操業停止
・国内の全ての同社組立て・部品工場・全てのボディーメーカーで 14 日の操業中
止を決定(ボディメーカー・サプライヤー従業員の安全確保とその家族の安否確認
を最優先するため)
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企業名
ホンダ
日産自動車
ダイハツ工業
三菱電機
日立製作所
住友電気工業
パナソニック
シャープ
セイコーエプソン
ソニー
キヤノン
ニコン
オリンパス
シチズンホールデ
ィング
被害状況
・今回の地震・津波に対する被害に対して 3 億円の義捐金を拠出する方向で検討中
・埼玉製作所(埼玉県狭山市)・真岡工場(栃木県真岡市)・浜松製作所(浜松市)
で操業停止
・研究所(栃木県芳賀町)の食堂が崩れ従業員男性1人死亡
・国内全工場の 14 日(月)操業停止を決定
・15 日以降の操業については 14 日に判断
・エンジン製造のいわき工場(福島県いわき市)、横浜工場(横浜市)、車両組み
立ての栃木工場(栃木県上三川町)、追浜工場(神奈川県横須賀市)、自動車用電
池等生産の座間事業所(神奈川県座間市)の 5 工場の操業を地震直後から停止し、
再開のめどが立っていない(3/12 01:01 日経速報)
・いわき工場(福島県いわき市)などでは火災も発生した。(3/12)
・上記工場で 12、13 日、操業停止。(3/12 日経夕刊)
・国内全工場の 14 日(月)操業停止を決定(3/13 09:00)
・15 日以降については、「部品の調達に関するサプライヤーとの調整や、損壊し
た建屋や設備の復旧にかかる期間について検討中で、現時点で具体的な復旧の見通
しは立っていない」とした(3/13 22:30 ロイター)
・関東地方向けの新車の輸送は川崎港に船便で輸送しているが、津波注意報が出て
いることもあって 3 月 12 日は輸送できない状態。新車を船便で輸送している自動
車メーカーは、新車の輸送を中止している。週明けに再開されるかも現段階では見
通せない。(3/12 17:54)
・郡山工場の復旧の目処立たず
・日立事業所日立地区・国分地区の復旧の目処立たず
・おおみか事業所の復旧の目処立たず
・栃木住友工場の設備点検中
・横浜製作所の設備点検中
・12 日午前:社緊急対策本部を設置
・電子部品製造の仙台工場(宮城県名取市)・デジタルカメラ等製造の福島工場(福
島市)・電工郡山工場(福島県郡山市)・三洋電機東京製作所(群馬県大泉町)の
4 工場で天井や壁の一部が崩れ、それぞれで数人の軽傷者(火災や倒壊などは発生
していない):4 工場は稼働を停止
・光ピックアップ等の電子部品の仙台工場(宮城県名取市)・デジタルカメラやオ
ーディオを製造する福島工場(福島市)の 2 拠点について 14 日の操業が困難
・栃木県矢板市の AV(音響)機器工場で安否を確認中(11 日現在、現地と携帯が
つながらない状況)
・人工水晶等を生産するエプソンアトミックス(青森県八戸市)の八戸港近くの海
岸沿いの本社が津波被害
・水晶部品製造の子会社エプソントヨコム(東京)の福島事業所(福島県南相馬市)
も一部損壊
・宮城県多賀城市の磁気テープなどの生産拠点で津波による浸水被害(11 日現在、
従業員 1,000 人が建物の上層階に避難、13 日午後までに冠水は収まったものの周
辺の交通もストップしており復旧の見込みなし)
・東北地方の 8 工場が操業停止
・宮城県のフィルム工場 2 拠点及び白石市の半導体レーザー工場では停電のため操
業停止
・東北地方の 8 拠点の 14 日の操業停止を決定
・宇都宮工場は操業の目処立たず
・インクジェットプリンターヘッドを製造する福島キヤノン(福島市)でも建物・
インフラに打撃を受けたため再開時期未定
・仙台ニコン(名取市)及び宮城ニコンプレシジョン(蔵王町)共に復旧の目処立
たず
・白河オリンパス(西郷村)の一部損壊
・ミヤノ(矢吹町)の一部損壊
・シチズン東北相馬事業所の従業員が被災
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2011 年 3 月 15 日 18:06
企業名
ルネサスエレクト
ロニクス
YKKAP
関東自動車工業
被害状況
・茨城県ひたちなか市・山形県鶴岡市・青森県五所川原市等 6 ヶ所の半導体工場で
生産停止
・前工程 5 ヶ所・後工程が 2 ヶ所の計 7 工場が停止中(この内、山形工場は復旧作
業に入って生産再開に向けて作業中・その他他 6 工場は被害等を調査中)
・東北事業所及び宮城工場共に操業停止
・岩手工場の一部損壊
アイシン精機
・岩手県のアイシン東北の操業停止
東洋ゴム工業
・仙台工場操業停止(設備点検中)
住友ゴム工業
・白河工場の一部損壊
ケーヒン
曙ブレーキ
・角田第 1~第 3 工場の一部損壊
・丸森工場の一部損壊
・山形工場は 14 日に操業再開
・福島工場の一部損壊
IHI
・相馬第一・第二工場の復旧の目処立たず
TDK
・秋田県を中心に東北・関東地方に所在する 13 工場すべての工場の稼働停止
・岩手県北上市の岩手東芝エレクトロニクスの半導体工場の操業停止(復旧の目処
立たず)
・富士通セミコンダクター岩手工場の操業停止(復旧の目処立たず)
・薄膜太陽電池を製造する子会社の福島工場(福島県喜多方市)と洗濯乾燥機など
を製造する群馬工場(群馬県大泉町)で停電
・エチレンなど生産する鹿島事業所(茨城県神栖市)が停電で停止(自家発電装置
も停止)
・フッ素化学製品の鹿島工場(茨城県神栖市)で停電のため全面的に稼働停止
東芝
富士通
三洋電機
三菱化学
ダイキン工業
コスモ石油
・千葉製油所(千葉県市原市)で LPG タンクが火災・操業停止
・現在、ほぼ鎮火状態
JX 日鉱日石エネル
ギー
・仙台の製油所で LPG タンク付近が火災(収束に向かっている)
・鹿島(茨城県神栖市)・根岸(横浜市)の製油所で操業
東燃ゼネラル石油
・川崎工場(川崎市)で主要装置停止
丸善石油化学
第一三共プロファ
ーマ
・千葉工場(千葉県市原市)で作業員が負傷
・小名浜工場の一部損壊
クレハ
・鹿島工場(茨城県神栖市)・京浜工場(横浜市)・千葉工場(千葉県市原市)で
操業停止
・いわき事業所(福島県いわき市)で一時火災が発生したが鎮火(操業停止)
日本製紙グループ
本社
・石巻工場(宮城県石巻市)及び岩沼工場(同岩沼市)共に操業停止(石巻工場で
は土砂が堆積)
旭硝子
三菱製紙
・八戸工場(青森県八戸市)で操業停止(津波で一部浸水)
三井化学
・ウレタン製造の鹿島工場(茨城県神栖市)等で操業停止
信越化学工業
太平洋セメント
・シリコンウエハー子会社の白河工場(福島県西郷村)が停止(現在設備点検中)
・大船渡工場(状況把握できず)
トステム
・一関工場の一部損壊
オルガノ
・いわき工場の設備点検中
・つくば工場の設備点検中
キリンビール
サッポロビール
アサヒビール
伊藤ハム
マルハニチロ食品
・仙台工場(仙台市)でビールの貯蔵タンク 4 基が倒壊
・取手工場(茨城県取手市)の一部損壊
・仙台工場(宮城県名取市)が設備損傷等で操業停止
・千葉工場(千葉県船橋市)では敷地内・周辺に液状化現象・陥没
・福島工場の一部損壊
・宮城県栗原市の子会社工場が操業停止(建物にひび)
・石巻工場(宮城県石巻市)の 1 階部分が冠水(製造設備に被害)
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2011 年 3 月 15 日 18:06
企業名
被害状況
日本水産
・女川工場との連絡取れず
昭和産業
・鹿島工場の一部損壊
花王
資生堂
・酒田工場は電力不足で操業停止
・久喜工場の設備点検中
住友金属工業
・鹿島製鉄所を停止して点検中(従業員が避難)
JFE スチール
・川崎地区で一時小規模な火災(全て鎮火)
JFE コンテイナー
村田製作所
セントラル自動車
日信工業
・千葉工場(千葉市)で地割れ・冠水(操業停止)
・宮城県登米市・仙台市・栃木県小山市の工場の操業停止
・宮城工場の一部損壊
・栃木県那須烏山市にある日信工業(上田市)の開発センターで建物の天井が落下
④ 電力・原子力関連
下記は主な電力・原子力関連施設における状況である。(14 日午後 6 時現在)
†
東京電力
-
福島第一原子力発電所(停止)
-
福島第二原子力発電所(停止)
-
広野火力発電所 2・4 号機(停止)
-
常陸那珂火力発電所 1 号機(停止)
-
鹿島火力発電所 2・3・5・6 号機(停止)
-
大井火力発電所 2・3 号機(停止)
-
五井火力発電所 4 号機(停止⇒3 月 12 日午前 1 時までに運転を再開)
-
東扇島火力発電所 1 号機(停止)
-
水力発電所(福島県内 14 ヶ所・栃木県内 4 ヶ所・山梨県 4 ヶ所が停止⇒3 月 13
日 10 時現在で水力発電所は全て復旧)
-
変電所 9 ヶ所(停止⇒現在停止している変電所は 4 ヶ所)
-
新潟県柏崎刈羽原子力発電所(通常運転)
-
東京電力では中部電力・関西電力・九州電力から電力の融通をうけているものの電
力需給が逼迫しているとし、電力の節約をよびかけるとともに、輪番停電実施の可
能性を示唆している。
†
東北電力
-
女川原子力発電所(停止)
-
東通原子力発電所(停止)
-
八戸火力発電所 3 号機(停止)
-
能代火力発電所 1・2 号機(停止)
-
秋田火力発電所 2 - 4 号機(停止⇒2 号機は運転再開)
-
仙台火力発電所 4 号機(停止)
-
新仙台火力発電所 1・2 号機(停止)
-
原町火力発電所 1・2 号機(停止)
-
葛根田地熱発電所 1・2 号機(停止)
-
上の岱地熱発電所 1 号機(停止)
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-
2011 年 3 月 15 日 18:06
澄川地熱発電所 1 号機(停止)
⑤ 停電の状況
†
†
東京電力(3 月 15 日午前 6 時 44 分時現在)
-
現在の停電戸数:9,200 戸(延べ停電戸数約 405 万戸)
-
主な停電地域:茨城県の一部
東北電力(3 月 14 日午後 10 時現在)
-
現在の停電戸数:833,051 戸(延べ停電戸数約 480 万戸)
-
主な停電地域:青森県 八戸・上北の一部地域
-
岩手県 一部地域
-
宮城県 全域
-
福島県中通り・浜通りの一部地域
⑥ 東京電力による計画停電
†
東京電力は 3 月 13 日午後 8 時過ぎ、今後予想される電気使用量に対し、供給力が逼
迫する事態となっていることから、3 月 14 日朝以降、計画停電をすると発表した。
計画停電が実施されるグループ別の時間帯は以下の通りとなる。
†
-
第 1 グループ:06:20~10:00 の時間帯のうち 3 時間程度
-
第 2 グループ:09:20~13:00 の時間帯のうち 3 時間程度
-
第 3 グループ:12:20~16:00 の時間帯のうち 3 時間程度
-
第 4 グループ:13:50~17:30 の時間帯のうち 3 時間程度
-
第 5 グループ:15:20~19:00 の時間帯のうち 3 時間程度
-
第 1 グループ:16:50~20:30 の時間帯のうち 3 時間程度
-
第 2 グループ:18:20~22:00 の時間帯のうち 3 時間程度
なお、計画停電の影響により、JR・私鉄・地下鉄等の公共交通機関の他、医療機器、
信号機等の交通機関関連、水道・ガスの供給、電話等の通信等にも大きな影響が出る
可能性がある。
⑦ ガス
下記は都市ガス等の供給停止状況である。(3 月 14 日午後 7 時現在)
†
東京ガス(日立市):30,008 戸供給停止
†
仙台市営ガス:約 36 万戸供給停止
†
塩釜ガス(塩釜市等):12,382 戸供給停止。
†
福島ガス(福島市):1,695 戸供給停止
†
東部ガス(土浦市):約 7,500 戸供給停止:(水戸市)約 330 戸供給停止
†
釜石ガス(釜石市):約 10,000 戸供給停止
†
常磐共同ガス(いわき市):約 15,000 戸供給停止
†
秦野ガス(秦野市):163 戸供給停止。
†
京葉ガス(浦安市):5,445 戸供給停止
†
東北ガス(白河市):約 270 戸供給停止
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2011 年 3 月 15 日 18:06
†
八戸ガス(八戸市):約 1,300 戸供給停止
†
常磐都市ガス(水戸市)
:約 50 戸供給停止
⑧ 水道(断水)
下記は断水の状況である。(3 月 14 日午後 5 時現在)
†
青森県:約 500 戸
†
岩手県:約 11 万戸
†
宮城県:約 31 万戸
†
福島県:約 23 万戸
†
秋田県:約 1,700 戸
†
山形県:約 6,600 戸
†
茨城県:約 47 万戸
†
栃木県:約 3 万戸
†
埼玉県:50 戸
†
千葉県:30 万戸
†
新潟県:約 2,700 戸
⑨ 道路
下記は道路等の供給停止状況である。(3 月 15 日午後 3 時現在)
†
東日本高速道路(NEXCO 東日本)管内の高速道路では広範囲の路線で通行止めとな
っている。主な公安委員会によって緊急交通路に指定され、通行止めとなっているの
は以下の区間である。
-
東北自動車道上下 浦和 IC~碇ヶ関 IC
-
八戸自動車道上下 安代 JCT~南郷 IC
-
常磐自動車道上下 三郷 JCT~いわき中央 IC
-
釜石自動車道上下 花巻 JCT~花巻空港 IC
-
秋田自動車道上下 北上 JCT~北上西 IC
-
磐越自動車道上下 津川 IC~いわき JCT
-
常磐自動車道上下 山元 IC~亘理 IC
-
仙台東部道路上下 亘理 IC~仙台若林 JCT
-
仙台南部道路上下 仙台若林 JCT~仙台南 JCT
-
仙台北部道路上下 富谷 JCT~利府 JCT
-
三陸自動車道上下 利府 JCT~利府中 IC
-
三陸自動車道上下 利府中 IC~登米東和 IC
-
釜石自動車道上下 花巻空港 IC~東和 IC
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2011 年 3 月 15 日 18:06
4. 原子力発電所関連
① 東北電力(株)女川原子力発電所
†
1 号機(52 万 4 千 kW:沸騰水型軽水炉)(自動停止:12 日 0:58 冷温停止)
†
2 号機(82 万 5 千 kW:沸騰水型軽水炉)(自動停止)
†
3 号機(82 万 5 千 kW:沸騰水型軽水炉)(自動停止:12 日 1:17 冷温停止)
†
タービン建屋地下 1 階の発煙は 11 日午後 10 時 55 分に消火を確認(原子力災害対策
特別措置法第 10 条通報)
② 東京電力(株)福島第一原子力発電所
†
†
1 号機(46 万 kW:沸騰水型軽水炉)
(自動停止)
-
2011 年 3 月 11 日午後 4 時 45 分:原子力災害対策特別措置法第 15 条通報
-
3 月 12 日午後 3 時 36 分:建屋付近において水素爆発
-
3 月 12 日午後 8 時 20 分より海水注入開始
2 号機(78 万 4 千 kW:沸騰水型軽水炉)(自動停止)
-
2011 年 3 月 11 日午後 4 時 45 分:原子力災害対策特別措置法第 15 条通報
-
3 月 14 日午後 1 時 25 分:それまで安定していた冷却機能が消失・これにより 2
号機の原子炉の水位が下がったため、海水の注水による冷却開始
-
3 月 14 日午後 7 時 45 分:冷却水が大幅に減少し燃料棒がすべて露出(午後 8 時
頃から再び海水注入開始・次第に水位は回復)
-
3 月 14 日午後 9 時 37 分:福島第一原発の正門付近でこれまでの最高となる 3,130
マイクロシーベルト/時の放射線を観測
-
3 月 14 日午後 10 時 7 分:福島第一原発の 10km 南に設置されていた放射能のモ
ニタリングポストで通常の 260 倍にあたる 9.6 マイクロシーベルト/時を観測
-
3 月 15 日午前 6 時 10 分:2 号機から爆発音・通常は 3 気圧ある圧力抑制プール(サ
プレッションプール)内の圧力が外気と同じ 1 気圧になっていることからここが
損傷した可能性が高い
†
3 号機(78 万 4 千 kW:沸騰水型軽水炉)(自動停止)
-
2011 年 3 月 13 日午前 5 時 38 分:原子力災害対策特別措置法第 15 条通報
-
3 月 13 日午前 9 時 8 分:圧力抑制及び真水注入を開始
-
3 月 14 日午前 11 時 01 分:建屋において水素爆発。その後、原子炉格納容器の圧
力が変動したことが確認されたが、その後安定しつつあり、原子炉格納容器の機能
は維持している模様(燃料の冷却状況について現在確認中)
†
4 号機(78 万 4 千 kW:沸騰水型軽水炉)(定検により停止中)
-
3 月 15 日午前 9 時 38 分:火災発生(現在鎮火活動中)
†
5 号機(78 万 4 千 kW:沸騰水型軽水炉)(定検により停止中)
†
6 号機(110 万 kW:沸騰水型軽水炉)
(定検により停止中)
③ 東京電力(株)福島第二原子力発電所
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†
1 号機(110 万 kW:沸騰水型軽水炉)
(自動停止)
-
†
2011 年 3 月 15 日 18:06
原子力災害対策特別措置法第 15 条通報
2 号機(110 万 kW:沸騰水型軽水炉)
(自動停止)
-
原子力災害対策特別措置法第 15 条通報
†
3 号機(110 万 kW:沸騰水型軽水炉)
(自動停止:12 日 12:15 冷温停止)
†
4 号機(110 万 kW:沸騰水型軽水炉)
(自動停止)
-
原子力災害対策特別措置法第 15 条通報
④ 避難指示・避難勧告
下記は 3 月 15 日午前 11 時現在の避難指示・避難勧告である。
†
†
福島第一原発
-
東京電力(株)福島第一原子力発電所から半径 20km 圏内の住民への避難指示
-
半径 20km 以上半径 30km 圏内の住民の外出自粛と屋内退避勧告
福島第二原発について
-
東京電力(株)福島第二原子力発電所から半径 10km 圏内の住民への避難指示
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